説明

撮像装置

【課題】静止画撮影用の交換レンズを使用する場合でも、コストの上昇や画質の低下を抑えて動画撮影を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】絞り制御値に基づいて開口径が制御される絞り104を備える交換レンズ134と、NDフィルタ制御値に基づいて挿入位置が制御されるNDフィルタ138を備えるアダプタ135と、カメラ本体133とが互いにデータ通信を行う撮像装置において、アダプタ135がカメラ本体133に取り付けられているとき、被写体の測光値が連続して変化するように絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズとアダプタとカメラ本体とが互いにデータ通信を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ交換可能な撮像装置は、高機能化、高画質化が進み、デジタルカメラと同様に、撮影時の画角の確認や微妙なフォーカス調整といった操作を表示装置で行うことができるようにするために撮像素子上に結像している像を動画像の映像(スルー画)としてLCDモニタなどにリアルタイムに表示するスルー画表示機能(ライブビュー機能)や静止画だけでなく動画も撮影することが可能な撮影機能を搭載するものが開発されている。
【0003】
上述のようなレンズ交換可能な撮像装置では、動画撮影時において、被写体輝度の変化に応じて、交換レンズ内の光学素子を滑らかに制御する必要がある。
しかしながら、交換レンズが静止画撮影用に開発されている場合、交換レンズ内の光学素子としての絞りの開口径が連続的に変わるように構成されていない。すなわち、静止画撮影用の交換レンズの絞りの開口径は、離散的に制御される。そのため、静止画撮影用の交換レンズを使用して被写体輝度が急激に変わる動画撮影を行う場合では、被写体輝度の変化に追従して絞りの開口径を適切に制御することができず、撮影動画が急激に輝度変化して画質が低下してしまうという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1のように、カメラ本体側に交換レンズ内の絞りの開口径を制御するためのメカ機構である絞り駆動装置をさらに備え、被写体輝度の変化に追従して絞り駆動装置を動作させて絞りの開口径を制御するものがある。
【0005】
また、特許文献2のように、被写体輝度が大きいときにシャッタ速度を上げ、被写体輝度が小さいときにシャッタ速度を下げることにより、絞りの開口径の制御回数を抑えるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−197552号公報
【特許文献2】特開2004−56699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1では、絞りの開口径を滑らかに制御することができ被写体輝度の変化に追従して絞りの開口径を適切に制御することができるが、カメラ本体側にメカ機構をさらに備える必要があり、カメラ本体のコストが上昇してしまうという問題がある。また、上記特許文献1では、絞り駆動装置に対応した交換レンズしか採用することができず汎用性が低いという問題がある。
【0008】
また、上記特許文献2の技術をレンズ交換可能な撮像装置に適用した場合では、絞りの開口径の制御にあまり依ることなく適切な露出を得ることができるようになるが、被写体輝度が高いとき、高速なシャッタ速度で動画が撮影されてしまうため、そのように撮影された動画の画質が低下してしまうという問題がある。
【0009】
そこで、本発明では、静止画撮影用の交換レンズを使用する場合でも、コストの上昇や画質の低下を抑えて動画撮影を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像装置は、交換レンズとアダプタとカメラ本体とが通信路を介して互いにデータ通信を行う撮像装置であって、前記交換レンズは、絞り制御値に基づいて離散的に開口径が制御される絞りを備え、前記アダプタは、NDフィルタ制御値に基づいて挿入位置が制御されるNDフィルタを備え、前記カメラ本体は、撮像素子上の被写体像に対応するデジタル画像を出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力されるデジタル画像により演算される被写体の測光値に対応する適切な露出値を求めるAE処理手段とを備え、前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値に基づいて、前記被写体の測光値が連続して変化するように前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求める。
【0011】
また、前記AE処理手段は、前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値と、前記被写体の測光値が連続して変化する前記NDフィルタ制御値を求めるためのプログラム線図とに基づいて、前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求めるように構成してもよい。
【0012】
また、前記カメラ本体は、前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値を前記アダプタに送り、前記アダプタは、前記通信路を介して前記カメラ本体から送られてくる前記適切な露出値と、予め保持している前記絞りにおいて設定可能な複数の絞り制御値とに基づいて、前記被写体の測光値が連続して変化するように前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求めるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、交換レンズとアダプタとカメラ本体とが互いにデータ通信を行う撮像装置において、静止画撮影用の交換レンズを使用する場合でも、コストの上昇や画質の低下を抑えて動画撮影を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。
【図2】交換レンズを示す図である。
【図3】アダプタを示す図である。
【図4】カメラ本体を示す図である。
【図5】AE処理部を示す図である。
【図6】NDフィルタが使用されない場合のプログラム線図の一例を示す図である。
【図7】NDフィルタが使用される場合のプログラム線図の一例を示す図である。
【図8A】NDフィルタが使用されない場合のプログラム線図を用いて撮影されたときのNDフィルタ制御値と被写体の測光値との関係を示す図である。
【図8B】NDフィルタが使用される場合のプログラム線図を用いたときのNDフィルタ制御値と被写体の測光値との関係を示す図である。
【図9】第1実施形態の撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態の撮像装置のアダプタを示す図である。
【図11】第2実施形態の撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の撮像装置の全体構成を示す図である。なお、本実施形態の撮像装置は、静止画やスルー画を含む動画の撮影及び表示、並びに静止画や動画の再生を行うことができるものとする。
【0016】
図1に示す撮像装置は、交換レンズ134と、アダプタ135と、カメラ本体133とを備え、通信路126を介して交換レンズ134とアダプタ135とカメラ本体133とが互いにデータ通信を行う。
【0017】
図2は、交換レンズ134を示す図である。
図2に示す交換レンズ134は、ズームレンズ101と、ズームレンズ駆動部102と、フォーカスレンズ103と、絞り104と、フォーカスレンズ駆動部110と、絞り駆動部111と、通信路126と、システムコントローラ130と、通信制御部131とを備える。
【0018】
交換レンズ134の光学素子は、フォーカスレンズ103、ズームレンズ101、及び絞り104により構成される。
フォーカスレンズ103は、フォーカスレンズ駆動部110により位置が制御されることにより、カメラ本体133の撮像素子106上に被写体からの光を結像する。
【0019】
フォーカスレンズ駆動部110は、モータとモータドライバにより構成され、AF処理部116で求められるフォーカス制御値により駆動が制御される。
ズームレンズ101は、ズームレンズ駆動部102により位置が制御されることにより、フォーカスレンズ103と撮像素子106との間の焦点距離を変化させる。
【0020】
ズームレンズ駆動部102は、モータとモータドライバにより構成され、UI制御部121から出力されるユーザのズーム操作情報に対応するズーム制御値に基づいて駆動が制御される。
【0021】
絞り104は、絞り駆動部111により開口径が制御されることにより、撮像素子106に入射される光量を調整する。
絞り駆動部111は、モータとモータドライバとによって構成され、AE処理部115などで求められる絞り制御値により駆動が制御される。
【0022】
図3は、アダプタ135を示す図である。
図3に示すアダプタ135は、通信制御部136と、システムコントローラ137と、NDフィルタ138と、NDフィルタ駆動部139とを備える。
【0023】
NDフィルタ138は、NDフィルタ駆動部139により交換レンズ134−カメラ本体133間の光軸に対して垂直な方向に挿入位置が制御される。
NDフィルタ駆動部139は、モータとモータドライバとによって構成され、AE処理部115などで求められるNDフィルタ制御値に基づいて駆動が制御される。
【0024】
図4は、カメラ本体133を示す図である。
カメラ本体133は、メカシャッタ105と、撮像素子106と、CDS(相関2重サンプリング回路)107と、AMP108と、A/D変換器109と、メカシャッタ駆動部112と、撮像素子駆動部113と、メモリ114と、AE処理部115と、AF処理部116と、システムコントローラ117と、画像処理部118と、圧縮伸張部119と、アクセサリ管理部120と、UI制御部121と、撮影モード管理部122と、システムバス123と、表示制御部124と、記録媒体制御部125と、表示モニタ127と、記録媒体128と、通信制御部132とを備える。
【0025】
UI制御部121は、ユーザにより操作されるユーザインターフェイス(不図示)からの入力情報を受け、その入力情報をシステムコントローラ117に出力する。
撮像素子106は、多数の受光素子がマトリクス状に配置されてなる光電面を有しており、フォーカスレンズ103により光電面に結像される被写体像が光電変換される。また、撮像素子106は、RGB各色の色フィルタがモザイク状に配置されている。また、撮像素子106は、撮像素子駆動部113から供給される垂直転送クロック信号及び水平転送クロック信号に同期して、画素毎に蓄積された電荷を読み出して画像信号として出力する。各画素における電荷の露光時間は、撮像素子駆動部113から与えられる電子シャッタ駆動信号によって制御される。撮像素子106から出力される画像信号は、CDS107でノイズ除去が行われてゲイン調整が行われた後、AMP108で増幅されA/D変換器109によってデジタル信号としての画像データに変換され、メモリ114に一時的に書き込まれる。
【0026】
メカシャッタ105は、メカシャッタ駆動部112により開閉動作が制御されることにより、撮像素子106の露光時間を調整する。
メカシャッタ駆動部112は、モータとモータドライバとによって構成され、シャッタボタンがユーザにより押された旨を示す押下信号がUI制御部121からシステムコントローラ117に送られると、システムコントローラ117から出力されるシャッタ制御値に応じて駆動が制御される。なお、メカシャッタ駆動部112は、静止画撮影モード時のみ駆動するものとする。
【0027】
AF処理部116は、UI制御部121により設定されるエリア情報を用いて、メモリ114に書き込まれた画像データから合焦位置を求める。また、AF処理部116は、連続的にメモリ114に書き込まれる各画像データに対してそれぞれ合焦位置を求め、それら合焦位置に基づいてフォーカスレンズ103の位置を制御するためのフォーカス制御値を求める。
【0028】
AE処理部115は、メモリ114に書き込まれた画像データから被写体輝度を算出し、その被写体輝度に基づいてメカシャッタ105の開閉動作を制御するためのシャッタ制御値もしくは撮像素子106を制御するための電子シャッタ制御値、絞り104の開口径を制御するための絞り制御値、及びNDフィルタ138の挿入位置を制御するためのNDフィルタ制御値を求めるとともに、ホワイトバランスを調整する。なお、第1実施形態の撮像装置では、所定のタイミングにおいて、絞り制御値がカメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介して交換レンズ134の通信制御部131に送られるとともに、NDフィルタ制御値がカメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介してアダプタ135の通信制御部136に送られるものとする。
【0029】
アクセサリ管理部120は、通信路126を介して交換レンズ134やアダプタ135に問い合わせを行うことにより、交換レンズ134やアダプタ135の接続状態及び種別の管理を行う。
【0030】
撮影モード管理部122は、ユーザにより設定される静止画撮影モード、動画撮影モード、又は再生モードの管理を行う。
画像処理部118は、メモリ114に書き込まれた画像データに対してカラー化、ガンマ補正、コントラスト補正、及び輪郭強調などの画像処理を行う。撮像素子106が単板の撮像素子であるとき、その撮像素子106により撮像された画像データに対してはカラー化の処理が必要である。このとき、画像処理部118では、単板の画像データから補間演算により輝度信号や色差信号を生成してカラー画像を生成する。
【0031】
圧縮伸張部119は、画像処理部118によって画像処理が行われた画像データに対して、静止画撮影時にはJPEGなどの圧縮形式で、また動画撮影時にはMPEGなどの圧縮形式で圧縮処理を行う。その圧縮処理が行われた画像データは、記録媒体制御部125により制御される記録媒体128へ書き込まれる。また、圧縮伸張部119は、再生モード時において、記録媒体128から圧縮された画像データを読み出した後、その画像データに対して伸張処理を行う。その伸張された画像データは、表示制御部124により制御される表示モニタ127に表示される。
【0032】
表示制御部124は、メモリ114から読み出され伸張処理された画像データを表示モニタ127で表示可能なフォーマットに変換する。
動画撮影モード時では、撮像素子106から出力される画像信号に対してアナログ信号処理及びデジタル変換処理が所定間隔で行われることにより連続して画像データが生成され、それら画像データがメモリ114に書き込まれていく。メモリ114に書き込まれた各画像データは、画像処理後、圧縮伸張部119により所定の圧縮形式で圧縮処理が行われ、記録媒体128に書き込まれる。記録媒体128に書き込まれた動画ファイルは、再生モード時、圧縮伸張部119により伸張処理が行われた後、表示モニタ127に表示される。
【0033】
また、動画撮影モード時においてAF処理部116で求められるフォーカス制御値は、カメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介して交換レンズ134の通信制御部131に送られる。交換レンズ134のシステムコントローラ130は、通信制御部131に送られたフォーカス制御値に基づいて、フォーカスレンズ駆動部110の駆動を制御することによりフォーカスレンズ103の位置を制御する。
【0034】
また、動画撮影モード時においてUI制御部121から出力されるズーム操作情報は、カメラ本体133のシステムコントローラ117においてズーム制御値に変換された後、カメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介して交換レンズ134の通信制御部131に送られる。交換レンズ134のシステムコントローラ130は、通信制御部131に送られたズーム制御値に基づいて、ズームレンズ駆動部102の駆動を制御することによりズームレンズ101の位置を制御する。
【0035】
また、動画撮影モード時においてAE処理部115で求められる絞り制御値は、カメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介して交換レンズ134の通信制御部131に送られる。交換レンズ134のシステムコントローラ130は、通信制御部131に送られた絞り制御値に基づいて、絞り駆動部111の駆動を制御することにより絞り104の開口径を制御する。
【0036】
また、動画撮影モード時においてAE処理部115で求められるNDフィルタ制御値は、カメラ本体133の通信制御部132から通信路126を介してアダプタ135の通信制御部136に送られる。アダプタ135のシステムコントローラ137は、通信制御部136に送られたNDフィルタ制御値に基づいて、NDフィルタ駆動部139の駆動を制御することによりNDフィルタ138の挿入位置を制御する。
【0037】
また、システムコントローラ117は、静止画撮影モード時、AE処理部115で求められるシャッタ制御値に基づいて、メカシャッタ駆動部112の駆動を制御することによりメカシャッタ105のシャッタ速度を制御する。
【0038】
図5は、AE処理部115を示す図である。
図5に示すAE処理部115は、測光演算部201と、露出演算部202と、プログラム線図切替部203と、コントローラ204とを備える。
【0039】
測光演算部201は、メモリ114に書き込まれた画像データから被写体の測光値を演算する。
プログラム線図切替部203は、NDフィルタ138が使用されない場合のプログラム線図及びNDフィルタ138が使用される場合のプログラム線図のうちどちらか一方のプログラム線図を選択する。
【0040】
露出演算部202は、測光演算部201で演算された測光値に対応する適切な露出値と、プログラム線図切替部203により選択されたプログラム線図とに基づいて、シャッタ制御値、絞り制御値、NDフィルタ制御値を求める。
【0041】
図6は、NDフィルタ138が使用されない場合のプログラム線図であり、図7は、NDフィルタ138が使用される場合のプログラム線図である。
図6及び図7に示す各プログラム線図において、上段のグラフの縦軸は撮像素子106の感度Svを示し、上段のグラフの横軸は露出値Bvを示し、下段のグラフの縦軸は絞り制御値Avを示し、下段のグラフの横軸はシャッタ制御値Tvを示している。
【0042】
図6に示すプログラム線図は、絞り制御値Avが離散的に設定される場合に、露出値Bv+感度Sv=絞り制御値Av+シャッタ制御値Tvの関係に基づいて、シャッタ制御値、絞り制御値を求めるためのものである。
【0043】
一方、図7に示すプログラム線図は、絞り制御値Avが離散的に設定される場合で、かつ、それら絞り制御値Avでそれぞれ得られる各測光値を補間するようにNDフィルタ138の挿入位置を変化させる場合に、露出値Bv+感度Sv=絞り制御値Av+シャッタ制御値Tvの関係に基づいて、シャッタ制御値、絞り制御値、NDフィルタ制御値を求めるためのものである。
【0044】
例えば、アクセサリ管理部120によりカメラ本体133にアダプタ135が取り付けられていないと判定されると、プログラム線図切替部203は、図6に示すプログラム線図を選択し、アクセサリ管理部120によりカメラ本体133にアダプタ135が取り付けられていると判定されると、プログラム線図切替部203は、図7に示すプログラム線図を選択する。
【0045】
このように、図6に示すプログラム線図が選択される場合では、絞り制御値Avが離散的に変化するため、図8Aに示すように、被写体の測光値(log(Y))も離散的に変化する。一方、図7に示すプログラム線図が選択される場合では、絞り制御値Avが離散的に制御されるが、それら絞り制御値Avでそれぞれ得られる各測光値を補間するようにNDフィルタ138の挿入位置を変化させることができるので、図8Bに示すように、被写体の測光値(log(Y))を連続して変化させることができる。なお、図8A及び図8Bは、被写体輝度、感度Sv、及びシャッタ制御値Tvがそれぞれ一定とする。
【0046】
図9は、第1実施形態の撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザの操作により動画撮影開始指示がUI制御部121からシステムコントローラ117に送られると、システムコントローラ117は、動画撮影のための各種設定を行い、動画撮影を開始する(S301)。
【0047】
次に、システムコントローラ117は、アクセサリ管理部120の動作を制御することにより、交換レンズ134及びアダプタ135のうち少なくとも交換レンズ134がカメラ本体133に取り付けられているか否かを判定させる(S302)。
【0048】
少なくとも交換レンズ134が取り付けられていないと判定される場合(S302がNo)、システムコントローラ117は、動画撮影を終了する(S311)。
一方、少なくとも交換レンズ134が取り付けられていると判定される場合(S302がYes)、システムコントローラ117は、アクセサリ管理部120の動作を制御することにより、交換レンズ134の種別の問い合わせを行い、その交換レンズ134の種別をアクセサリ管理部120に保持させる(S303)。なお、S302において、アクセサリ管理部120によりアダプタ135が取り付けられていると判定された場合、アダプタ135の種別の問い合わせが行われ、そのアダプタ135の種別がアクセサリ管理部120に保持される。
【0049】
次に、システムコントローラ117は、撮像素子駆動部113、CDS107、AMP108、及びA/D変換器109のそれぞれの動作を制御することにより、絞り制御値やフォーカス制御値などを求めるための画像データを生成し、メモリ114に書き込む(S304)。
【0050】
次に、システムコントローラ117は、S302の結果により、アダプタ135がカメラ本体133に取り付けられているか否かを判定する(S305)。
アダプタ135が取り付けられていないと判定した場合(S305がNo)、システムコントローラ117は、コントローラ204を介して測光演算部201の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データにおける被写体の測光値を演算させるとともに、コントローラ204を介してプログラム線図切替部203の動作を制御することにより、NDフィルタ138が使用されない場合のプログラム線図を選択させ、コントローラ204を介して露出演算部202の動作を制御することにより、測光演算部201で演算された測光値に対応する適切な露光値Bvと、プログラム線図切替部203で選択されたプログラム線図とに基づいて、絞り制御値を求める(S306)。なお、このとき求められる露出値Bvは、動画撮影用の露出値Bvとする。
【0051】
次に、システムコントローラ117は、AF処理部116の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データからフォーカス制御値を求める(S307)。
次に、システムコントローラ117は、AE処理部115で求められた絞り制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送り(S308)、AF処理部116で求められたフォーカス制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送る(S309)。
【0052】
次に、システムコントローラ117は、動画撮影終了指示があるか否かを判定する(S310)。
動画撮影終了指示があると判定した場合(S310がYes)、システムコントローラ117は、動画撮影を終了する(S311)。
【0053】
一方、動画撮影終了指示がないと判定した場合(S310がNo)、システムコントローラ117は、S304に戻る。
また、アダプタ135が取り付けられていると判定した場合(S305がYes)、システムコントローラ117は、コントローラ204を介して測光演算部201の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データにおける被写体の測光値を演算させるとともに、コントローラ204を介してプログラム線図切替部203の動作を制御することにより、NDフィルタ138が使用される場合のプログラム線図を選択させ、コントローラ204を介して露出演算部202の動作を制御することにより、測光演算部201で演算された測光値に対応する適切な露光値Bvと、プログラム線図切替部203で選択されたプログラム線図とに基づいて、絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求める(S312)。なお、このとき求められる露出値Bvは、動画撮影用の露出値Bvとする。例えば、露出演算部202は、図7に示すプログラム線図を用いて、適切な露出値Bvに最も近い絞り制御値Avを求めた後、その絞り制御値Avに対応する露出値Bvと適切な露出値Bvとの差分に対応するNDフィルタ制御値を求めてもよい。
【0054】
次に、システムコントローラ117は、AF処理部116の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データからフォーカス制御値を求める(S313)。
次に、システムコントローラ117は、AE処理部115で求められた絞り制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送り(S314)、AE処理部115で求められたNDフィルタ制御値を通信制御部132を介してアダプタ135へ送り(S315)、AF処理部116で求められたフォーカス制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送り(S316)、S310に進む。
【0055】
第1実施形態の撮像装置によれば、被写体の測光値が連続して変化するようにNDフィルタ138の挿入位置を変化させるためのプログラム線図を用いて絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求めているので、静止画撮影用の交換レンズ134が使用されて絞り104の開口径が離散的に制御させる場合でも、被写体輝度の変化に応じて被写体の測光値を連続して変化させることができ、動画撮影時の画質低下を抑えることができる。
【0056】
また、第1実施形態の撮像装置によれば、交換レンズ134、アダプタ135、及びカメラ本体133のメカ機構を変えることなく、動画撮影時の画質低下を抑えることができるので、コストを抑えつつ汎用性を高めることができる。
<第2実施形態>
図10は、本発明の第2実施形態の撮像装置におけるアダプタ135を示す図である。なお、第2実施形態の撮像装置の全体構成は図1に示す撮像装置の全体構成と同じであり、第2実施形態の交換レンズ134の構成は図2に示す交換レンズ134の構成と同じであり、第2実施形態のカメラ本体133の構成は図4に示すカメラ本体133の構成と同じであるため説明を省略する。
【0057】
図10に示すアダプタ135は、通信制御部136と、システムコントローラ137と、NDフィルタ138と、NDフィルタ駆動部139と、メモリ501と、絞り情報取得部502と、フィルタ値算出部503とを備えている。
【0058】
第2実施形態の撮像装置において、第1実施形態の撮像装置と異なる点は、交換レンズ134において設定可能な複数の絞り制御値と、カメラ本体133において求められる適切な露出値とに基づいて、アダプタ135において絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求める点である。
【0059】
なお、アダプタ135の絞り情報取得部502は、交換レンズ134がカメラ本体133に取り付けられた際、交換レンズ134において設定可能な複数の絞り制御値を通信制御部136を介して取得した後、それら複数の絞り制御値をメモリ501に保持しておくものとする。
【0060】
図11は、第2実施形態の撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザの操作により動画撮影開始指示がUI制御部121からシステムコントローラ117に送られると、システムコントローラ117は、動画撮影のための各種設定を行い、動画撮影を開始する(S601)。
【0061】
次に、システムコントローラ117は、アクセサリ管理部120の動作を制御することにより、交換レンズ134及びアダプタ135のうち少なくとも交換レンズ134がカメラ本体133に取り付けられているか否かを判定させる(S602)。
【0062】
少なくとも交換レンズ134が取り付けられていないと判定された場合(S602がNo)、システムコントローラ117は、動画撮影を終了する(S611)。
一方、少なくとも交換レンズ134が取り付けられていると判定された場合(S602がYes)、システムコントローラ117は、アクセサリ管理部120の動作を制御することにより、交換レンズ134の種別の問い合わせを行わせるとともに、その交換レンズ134の種別をアクセサリ管理部120に保持させる(S603)。なお、S602において、アクセサリ管理部120によりアダプタ135が取り付けられていると判定された場合、アダプタ135の種別の問い合わせが行われるとともに、そのアダプタ135の種別がアクセサリ管理部120に保持される。
【0063】
次に、システムコントローラ117は、撮像素子駆動部113、CDS107、AMP108、及びA/D変換器109のそれぞれの動作を制御することにより、絞り制御値やフォーカス制御値などを求めるための画像データを生成するとともに、その画像データをメモリ114に書き込む(S604)。
【0064】
次に、システムコントローラ117は、AE処理部115の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データから演算される被写体の測光値に対応する適切な露出値Bvを求めさせるとともに、その適切な露出値BvとNDフィルタ138が使用されない場合のプログラム線図(例えば、図6に示すプログラム線図)とに基づいて絞り制御値を求めさせる(S605)。なお、このとき求められる露出値Bvは、動画撮影用の露出値Bvとする。
【0065】
次に、システムコントローラ117は、AF処理部116の動作を制御することにより、メモリ114に書き込まれた画像データからフォーカス制御値を求めさせる(S606)。
【0066】
次に、システムコントローラ117は、S602の結果により、アダプタ135がカメラ本体133に取り付けられているか否かを判定する(S607)。
アダプタ135が取り付けられていないと判定した場合(S607がNo)、システムコントローラ117は、AF処理部116で求められたフォーカス制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送り(S608)、AE処理部115で求められた絞り制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送る(S609)。
【0067】
次に、システムコントローラ117は、動画撮影終了指示があるか否かを判定する(S610)。
動画撮影終了指示があると判定した場合(S610がYes)、システムコントローラ117は、動画撮影を終了する(S611)。
【0068】
一方、動画撮影終了指示がないと判定した場合(S610がNo)、システムコントローラ117は、S604に戻る。
また、アダプタ135が取り付けられていると判定した場合(S607がYes)、システムコントローラ117は、AF処理部116で求められたフォーカス制御値を通信制御部132を介して交換レンズ134へ送り(S612)、AE処理部115で求められた適切な露出値Bvを通信制御部132を介してアダプタ135へ送る(S613)。
【0069】
次に、アダプタ135のシステムコントローラ137は、フィルタ値算出部503の動作を制御することにより、メモリ501に保持されている複数の絞り制御値と、カメラ本体133から送られてきた適切な露出値とに基づいて、被写体の測光値が連続して変化するように絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求めさせる(S614)。例えば、フィルタ値算出部503は、上記複数の絞り制御値のうち適切な露出値に最も近い絞り制御値を求めた後、その絞り制御値に対応する露出値と適切な露出値との差分に対応するNDフィルタ制御値を求めてもよい。
【0070】
次に、アダプタ135のシステムコントローラ137は、フィルタ値算出部503で求められた絞り制御値を通信制御部136を介して交換レンズ134に送り(S615)、S610に進む。なお、フィルタ値算出部503で求められたNDフィルタ制御値は、NDフィルタ駆動部139に送られ、NDフィルタ制御値に基づいてNDフィルタ138の挿入位置が制御される。
【0071】
第2実施形態の撮像装置によれば、第1実施形態の撮像装置と同様に、被写体の測光値が連続して変化するように絞り制御値及びNDフィルタ制御値を求めているので、静止画撮影用の交換レンズ134が使用されて絞り104の開口径が離散的に制御させる場合でも、被写体輝度の変化に応じて被写体の測光値を連続して変化させることができ、動画撮影時の画質低下を抑えることができる。
【0072】
また、第2実施形態の撮像装置においても、交換レンズ134、アダプタ135、及びカメラ本体133のメカ機構を変えることなく、動画撮影時の画質低下を抑えることができるので、コストを抑えつつ汎用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0073】
101 ズームレンズ
102 ズームレンズ駆動部
103 フォーカスレンズ
104 絞り
105 メカシャッタ
106 撮像素子
107 CDS
108 AMP
109 A/D変換器
110 フォーカスレンズ駆動部
111 絞り駆動部
112 メカシャッタ駆動部
113 撮像素子駆動部
114 メモリ
115 AE処理部
116 AF処理部
117 システムコントローラ
118 画像処理部
119 圧縮伸張部
120 アクセサリ管理部
121 UI制御部
122 撮影モード管理部
123 システムバス
124 表示制御部
125 記録媒体制御部
126 通信路
127 表示モニタ
128 記録媒体
130 システムコントローラ
131 通信制御部
132 通信制御部
133 カメラ本体
134 交換レンズ
135 アダプタ
136 通信制御部
137 システムコントローラ
138 NDフィルタ
139 NDフィルタ駆動部
201 測光演算部
202 露出演算部
203 プログラム線図切替部
204 コントローラ
501 メモリ
502 絞り情報取得部
503 フィルタ値算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換レンズとアダプタとカメラ本体とが通信路を介して互いにデータ通信を行う撮像装置であって、
前記交換レンズは、絞り制御値に基づいて離散的に開口径が制御される絞りを備え、
前記アダプタは、NDフィルタ制御値に基づいて挿入位置が制御されるNDフィルタを備え、
前記カメラ本体は、
撮像素子上の被写体像に対応するデジタル画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力されるデジタル画像により演算される被写体の測光値に対応する適切な露出値を求めるAE処理手段と、
を備え、
前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値に基づいて、前記被写体の測光値が連続して変化するように前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求める
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記AE処理手段は、前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値と、前記被写体の測光値が連続して変化する前記NDフィルタ制御値を求めるためのプログラム線図とに基づいて、前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求める
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置であって、
前記カメラ本体は、前記アダプタが前記カメラ本体に取り付けられているとき、前記適切な露出値を前記アダプタに送り、
前記アダプタは、前記通信路を介して前記カメラ本体から送られてくる前記適切な露出値と、予め保持している前記絞りにおいて設定可能な複数の絞り制御値とに基づいて、前記被写体の測光値が連続して変化するように前記絞り制御値及び前記NDフィルタ制御値を求める
ことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−204303(P2010−204303A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48493(P2009−48493)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】