説明

改善されたナビゲーション装置及び方法

可搬ナビゲーション装置(PND)においてログ機能を提供する方法と、このような機能を提供するように構成されたPNDが説明される。本方法は、記録ファイルを作成するために、現在位置に関連する情報と、現在位置に関連する時刻特定情報とを、装置の不揮発性メモリに格納する工程を含み、情報の格納は、特定のイベントセットのうちの1つが発生した時にのみ行われ、イベントセットは、装置の動作が有するナビゲーションモード又は自由運転モードに特有のものである。好ましくは、ナビゲーションモードに特有のイベントセットは、ユーザが活動を特定することと、新しい経路を計算することと、以前の経路からの逸脱に続けて新しい経路を再計算することと、目的地に到着することと、のうちの1以上を含み、自由運転モードに特有のイベントセットは、ユーザが活動を特定することと、装置の電源を入れることと切ることとの少なくとも一方と、装置が移動している現在の方向と、装置が通って移動している道路と、のうちの少なくとも一方から装置が逸脱することと、のうちの1以上を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたナビゲーション装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)信号の受信処理手段を含む可搬ナビゲーション装置(PND)は周知であり、車載ナビゲーションシステムとして広く採用されている。本質的には現代のPNDは、
−プロセッサと
−(揮発性の、及び不揮発性の)メモリと
−メモリに格納された地図データと
−装置の機能を制御し様々な特徴を提供するための、ソフトウェア・オペレーティング・システムと、ソフトウェア・オペレーティング・システム上で動作する1以上の追加のプログラムと
−これによって、位置データを含む衛星報知信号が、受信されかつ続けて装置の現在位置を決定するために処理されうる、GPSアンテナと
−例として(ユーザ入力を可能とするために接触感度を有してもよい)ビジュアルディスプレイと、装置のオン/オフ動作又は他の特徴を制御するための1以上の物理的ボタンと、聞き取り可能な出力のためのスピーカと、を含む入力及び出力手段と
−電力及び任意的には1以上のデータ信号が装置へと送信されることができかつ装置から受信されることができる1以上の物理コネクタと
−任意的にだが、モバイル遠距離電気通信、並びに例えばWi−Fi、Wi−Max、GSMなどの他の信号及びデータネットワークを介する通信を可能とする1以上の無線送信機/受信機と、
を備える。
【0003】
PNDの有効性は主に、幅広い様々な方法のうち任意のものによって、例えば郵便番号、通りの名前及び番号、並びによく知られているか、お気に入りか、又は最近訪れている、以前に格納されている目的地によって、コンピューティング装置のユーザによって入力されうる、開始位置又は現在位置と、目的地との間の経路を決定するその能力によって明らかにされる。典型的には、PNDは、開始アドレス位置と目的地アドレス位置との間の「最良の」又は「最適の」経路を地図データから計算するためのソフトウェアによって実現される。「最良の」又は「最適の」経路は所定の基準に基づいて決定され、必ずしも最も速い又は最も短い経路である必要はない。運転者をこれに沿って誘導するための経路の選択は非常に複雑なものであることができ、選択された経路は現にあるまたは予想される交通状況及び道路状況、道路の速度についての歴史的な情報、及び道路選択を決定する要素についての運転者自身の好みを考慮することができる。さらに、この装置は継続的に道路状況及び交通状況を監視することができ、変化した状況のために、残りの移動がなされるであろう経路の変更を勧め、又は変更を選択してもよい。様々な技術(例えばモバイル電話コール、固定カメラ、GPS車両トラッキング)に基づいたリアルタイム交通監視システムが、交通の遅延を特定し、情報を通知システムへと送るために用いられている。
【0004】
ナビゲーション装置は、典型的には乗物のダッシュボードに据え付けられてもよいが、乗物又は車の無線のオンボードコンピュータの一部として形成されてもよい。ナビゲーション装置は、PDA(個人ナビゲーション装置)メディアプレイヤ、モバイル電話などの手持ちシステム(又はその一部)であってもよく、これらの場合、手持ちシステムの通常の機能は、経路計算と計算された経路に沿った誘導との双方を実行するために装置上にソフトウェアをインストールすることによって拡張される。どのような場合でも一度経路が計算されると、任意的には提案された経路のリストから、望ましい計算された経路を選択するために、ユーザはナビゲーション装置と対話する。任意的には、例えば特定の経路、道路、位置又は基準が避けられるべきであるか又は必須であることを特定の移動について特定することによって、ユーザは経路選択プロセスに介入し、又は経路選択プロセスを管理してもよい。PNDの経路計算という観点は提供される1つの主要な機能を形成し、このような経路に沿ったナビゲーションはもう1つの主要な機能である。計算された経路に沿ったナビゲーションの間、経路の終点、すなわち望まれる到着地への選択された経路に沿ってユーザを導くために、PNDは視覚的指示と聞き取り可能な指示との少なくとも一方を提供する。ナビゲーションの間に画面上に地図情報を表示することは、PNDにとって普通であり、表示される地図情報が装置の現在位置と関連するように、したがって装置が車内でのナビゲーションのために用いられているのならばユーザ又はユーザの車両の現在位置と関連するように、このような情報は画面上で定期的に更新される。画面上に表示されるアイコンは、典型的には現在の装置の位置を表し、現在の及び周りの道路、並びに表示されている他の地図要素の地図情報の中心に置かれる。さらに、ナビゲーション情報が、任意的には表示されている地図情報の上、下、又は一方の側の、状態バーに表示されてもよく、ナビゲーション情報の例は、現在の道路からのユーザが通る必要がある次の進路変更までの距離を含み、このような進路変更の特徴は、特定の進路変更の種類、例えば左折又は右折、を示唆するさらなるアイコンによって示されうる。ナビゲーション機能はまた、聞き取り可能な指示の内容、間隔及びタイミングを決定し、これらによってユーザは経路にそって誘導されうる。理解されうるように、「100mで左折」のような単純な指示でさえ、かなりの処理及び解析を必要とする。前に述べたように、装置とのユーザの対話はタッチスクリーンによるものであってよく、追加的に又は代わりに、遠隔制御装置に据え付けられた柱状体を操ること、声で作動させること、又は他の任意の適切な方法によるものであってもよい。
【0005】
装置によって提供されるさらなる重要な機能が、
−以前に計算された経路に沿ったナビゲーションの間に、ユーザが以前に計算された経路から逸脱する場合、
−他の経路がより好都合であることをリアルタイムの交通状況が示し、装置がこのような状況を自動的に認識するように適切に対応している場合、又は
−何らかの理由のために、ユーザが能動的に装置に経路再計算を行わせる場合、
の自動経路再計算である。
【0006】
ユーザが定義した基準と一致するように経路が計算されることを可能とすることもまた知られている。例えば、ユーザは眺めのよい経路が装置によって計算されることを好むかもしれない。装置ソフトウェアはすると様々な経路を計算し、経路に沿って、例えば風景が美しいとタグ付けされた、最も多い数の興味のある点(POIとして知られる)を含む経路をより好ましく重み付けするだろう。他のPOIに基づく経路計算及びナビゲーションの基準もまた、可能である。
【0007】
経路計算及びナビゲーションの機能はPNDの総合的な有用性の基礎をなすにもかかわらず、現在の装置の位置に関連する地図情報のみが表示され、経路は計算されておらず、装置によって現在ナビゲーションが行われていないように、装置を純粋に情報表示のために用いる、すなわち「自由運転」のために用いることが可能である。このような動作モードは、ユーザが沿って移動することを望む経路をすでに知っている時に、しばしば適用可能である。
【0008】
述べたように、PNDは個人的又はビジネス的能力において使用されることができ、後者の使用は、例えば急送業者及び他の配達サービスのようなビジネス的運転活動のためにより適している。さらに、PNDが個人的及びビジネス的能力の双方において用いられる車において用いられる場合、国家政府又は他の国家的権威によって、税の目的のために、ユーザは典型的にはビジネスのみの全ての走行距離を記録することが要求される。さらに、一人又は多くの異なる会社従業員によって運転される会社が所有する車両については、車両の走行距離及び概括的な使い方の記録が、その車両からビジネスへともたらされる全体の費用及び便益を決定するという観点から、その適正な使用を決定するために、重要である。
【0009】
車両の使い方、走行距離及び位置情報の記録(ログ)は既知であり、実際にTripmaster Corpのような企業によってビジネスとして実施されている。Tripmaster Corpは、エンジン及び電子車両管理システムのような他の車両システムと通信し、様々なエンジン及び他の車両の使い方のパラメータの詳細な記録を行う、専用の装置を車両内に設置することを専門とする企業である。この装置は、車両の実際の移動、行われた様々な停止及びその期間、並びに車両が行ったその移動及びあらゆる移動の方法、を特定するためのGPS機能を有するオンボードコンピュータとインタフェースする。この装置は、取り除き又は切断され得ないような方法での、車両内への専門的な取り付けを必要とし、さらに取り付けられる装置は、メモリ、格納及び処理能力の点で高い仕様にある。それゆえにこのことは、本質的に単純な問題に対する、非常に効果で複雑な解決策に該当する。
【0010】
さらに、Report on Board LLCの名前による米国特許第7117075号明細書は、エンジン制御モジュールと有線接続され、走行距離認識システムと結合され、全地球ナビゲーション衛星システムと連結されたオンボード記録機を用いて、車両の運転者の特定と動作データの記録とを含む、運転者の活動及び車両の動作を記録し及び報告し、運転者の職務状況を記録するための方法を記載している。使用時間記録及び燃料税記録は、動作データから生成される。この方法は、運転者の使用時間記録を適当な要件と比較し、運転者が適当な要件に従っているか従っていないかを運転者に提示し、無線遠距離通信ネットワークを用いて車両の外部の受信機へと記録を自動的にアップロードすることと、運転者が適当な条件に従っているか従っていないかを示すコンプライアンス信号を、車両の外部にあり権威者の管理下にある第2の受信機へと発することと、を含む。これもまた、複雑で費用のかかる解決策である。
【0011】
PNDの場合には、装置の大きさ及び重量が、装置の全体的な有用性、可搬性、及び望ましさにおける重要な要素となるために、格納能力及び処理能力は限られる。したがって、例えば繰り返しかつ定期的に数秒ごとに位置データ及び時刻データを記録することによる、大量の位置データ及び時刻データの記録、又はこのようなデータを有用な方法で処理若しくはフォーマットすることは、実用的ではなく、また実際に可能ではない。
【0012】
PNDについての有用な記録及び追跡機能を提供し、PNDについての記録戦略を提供し、そのようなことが可能なPNDを提供することが、本発明の目的である。
【発明の概要】
【0013】
本発明によれば、
PNDにおいてログ機能を提供する方法であって、
記録ファイルを作成するために、現在位置に関連する情報と、当該現在位置に関連する時刻特定情報とを、装置の不揮発性メモリに格納する工程を備え、
前記情報の格納は、特定のイベントセットのうちの1つが発生した時にのみ行われ、
前記イベントセットは、前記装置の動作が有するナビゲーションモード又は自由運転モードに特有のものであって、
前記ナビゲーションモードに特有のイベントセットは、
ユーザが活動を特定することと、
新しい経路を計算することと、
以前の経路からの逸脱に続けて新しい経路を再計算することと、
目的地に到着することと、
のうちの1以上を含み、
前記自由運転モードに特有のイベントセットは、
ユーザが活動を特定することと、
前記装置の電源を入れることと切ることとの少なくとも一方と、
前記装置が移動している現在の方向と、前記装置が通って移動している道路と、のうちの少なくとも一方から前記装置が逸脱することと、
のうちの1以上を含む方法が、提供される。
【0014】
本方法は、
前記PNDにおいて前記ログ機能が有効化されているか否かを判断する工程と、
前記機能が有効化されている場合にのみ、前記ログ機能を実行する工程と、
を含むことが好ましい。
【0015】
前記装置の動作が有する前記ナビゲーションモードにおいて、情報の記録を引き起こす前記イベントセットは、前記装置の電源を入れること又は切ることを含むことが非常に好ましい。
【0016】
前記自由運転モードにおいては、ユーザに対して特定されている現在の前記装置の位置を参照して、地図データにおいて表されている道路識別子の変化を前記装置が認識した時に、逸脱イベントが前記情報の記録を引き起こすことがさらに好ましい。
【0017】
本方法は、
前記装置がビジネスとして動作しているか、又は個人的なものとして動作しているかを判断する工程と、
前記動作用途のうちの1つ、又は他の動作用途に従って分類するように、前記情報を記録する工程と、
をさらに含むことが好ましい。
【0018】
本方法は、
空間的にかつ時間的に区別される複数の前記イベントによって構成される、前記自由運転モードにおける前記情報の記録を圧縮する工程をさらに含み、
前記圧縮する工程は、前記情報の記録が開始された1以上の初期位置と、前記記録における1以上のより後の異なる位置と、の間の仮想的な経路を計算する工程を含み、前記初期位置の時刻と前記より後の異なる位置の時刻との間の前記記録に含まれるイベント情報について前記計算する工程を繰り返し、それぞれの繰り返しにおいてイベントが仮想的な経路からの逸脱を示すか否かを評価し、もしそうならば、前記逸脱が起こった位置の間の前記仮想的な経路の再計算を実行し、前記逸脱を表すイベントが記録された時刻に続く記録に含まれるイベント情報について再び繰り返すことが非常に好ましい。
【0019】
他の態様において、本発明はまた、コンピュータにおいて実行された時に、上述された任意の方法の全ての工程を実行するように構成されたコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0020】
さらなる態様において本発明は、コンピュータが読み取り可能な媒体に実装された上述のコンピュータプログラムを提供する。
【0021】
本発明のさらなる態様において、上述の方法を実行するように構成された、プロセッサと、メモリと、視覚的表示出力手段と、を少なくとも備えるPND又はナビゲーションシステムが提供される。
【0022】
例としての実施形態を用いて、以下で本願がより詳細に説明される。実施形態は、図面の助けによって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】全地球測位システム(GPS)の一例としての図を示す。
【図2】ナビゲーション装置の電子構成要素の一例としてのブロック図を示す。
【図3】ナビゲーション装置が無線通信チャネルを介して情報を受信するだろう方法の一例としてのブロック図を示す。
【図4A】、
【図4B】ナビゲーション装置の一実施形態の実施例の、斜視図である。
【図5】、
【図6】、
【図7】、
【図8】、
【図9】ソフトウェアによって生成されたユーザインタフェースを介して本発明がどのように実行されうるかを示す、PNDのスクリーンショットを示す。
【図10】フリードライビングモードにおけるPNDのスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、ナビゲーション装置により使用可能な全地球測位システム(GPS)の一例を示す図である。そのようなシステムは周知であり、種々の目的に使用される。一般に、GPSは、連続的な位置、速度、時間及びいくつかの例においては方向情報を無数のユーザに対して判定できる衛星無線ナビゲーションシステムである。以前はNAVSTARとして周知であったが、GPSは極めて正確な軌道で地球と共に動作する複数の衛星を使用する。これらの正確な軌道に基づいて、GPS衛星は、それらの場所を任意の数の受信装置に中継できる。
【0025】
GPSデータを受信する能力を特別に備える装置がGPS衛星信号に対する無線周波数の走査を開始する場合、GPSシステムは実現される。GPS衛星から無線信号を受信すると、装置は、複数の異なる従来の方法のうちの1つを用いて、その衛星の正確な場所を判定する。殆どの例において、装置は、少なくとも3つの異なる衛星信号を取得するまで信号の走査を継続する(尚、位置は、通常は2つの信号のみでは判定されないが、他の三角測量技術を使用して2つの信号から判定することもできる)。幾何学的三角測量を実現する場合、受信機は、3つの既知の位置を利用して、衛星に対する自身の2次元位置を判定する。これは、周知の方法で行われる。更に、第4の衛星信号を取得することにより、受信装置は、同一の幾何学計算によって周知の方法でその3次元位置を計算できる。位置及び速度データは、無数のユーザにより連続的にリアルタイムで更新可能である。
【0026】
図1に示すように、GPSシステム全体を参照番号100で示す。複数の衛星120は、地球124の周囲の軌道上にある。各衛星120の軌道は、他の衛星120の軌道と必ずしも同期せず、実際には非同期であることが多い。GPS受信機140は、種々の衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を受信するように示される。
【0027】
各衛星120から連続的に送信されるスペクトル拡散信号160は、極めて正確な原子時計を用いて達成される非常に正確な周波数標準を利用する。各衛星120は、そのデータ信号送信160の一部として、その特定の衛星120を示すデータストリームを送信する。一般に、GPS受信機140が三角測量によりその2次元位置を計算するために、GPS受信機140は少なくとも3つの衛星120からスペクトル拡散GPS衛星信号160を取得することが当業者には理解される。更なる信号を取得すると、全部で4つの衛星120から信号160を取得する結果となり、これによってGPS受信機140は、その3次元位置を周知の方法で計算できる。図2は、ナビゲーション装置200の電子構成要素の一例を、ブロック構成要素の形式で示すブロック図である。尚、ナビゲーション装置200のブロック図は、ナビゲーション装置の全ての構成要素を含むものではなく、構成要素の多くの例を表すにすぎない。
【0028】
ナビゲーション装置200は、筐体(不図示)内に位置付けられる。筐体は、入力装置220及び表示画面240に接続されるプロセッサ210を含む。入力装置220は、キーボード装置、音声入力装置、タッチパネル及び/又は情報を入力するために利用される他の任意の周知の入力装置を含むことができ、表示画面240は、例えばLCDディスプレイ等の任意の種類の表示画面を含むことができる。入力装置220及び表示画面240は、タッチパッド又はタッチスクリーン入力を含む一体型入力表示装置に一体化され、その場合、ユーザは、複数の表示選択肢のうちの1つを選択するか又は複数の仮想ボタンのうちの1つを操作するために、表示画面240の一部分に接触するだけでよい。
【0029】
更に、他の種類の出力装置250は可聴出力装置を含むことができるが、これに限定されない。出力装置241がナビゲーション装置200のユーザに対して可聴情報を生成できるため、同様に、入力装置240は入力音声コマンドを受信するマイク及びソフトウェアを更に含むことができると理解される。ナビゲーション装置200において、プロセッサ210は、接続225を介して入力装置240に動作可能に接続され且つ入力装置240から入力情報を受信するように設定される。また、プロセッサ210は、情報を出力するために、表示画面240及び出力装置241のうちの少なくとも一方に出力接続245を介して動作可能に接続される。更に、プロセッサ210は、接続235を介してメモリ230に動作可能に接続され、接続275を介して入出力(I/O)ポート270との間で情報を送受信するように更に構成される。この場合、I/Oポート270は、ナビゲーション装置200の外部のI/O装置280に接続可能である。外部I/O装置270は、例えばイヤホン等の外部聴音装置を含んでもよいが、これに限定されない。更に、I/O装置280への接続は、例えばハンズフリー動作及び/又は音声起動動作のため、イヤホン又はヘッドフォンへの接続のため、並びに/あるいは例えば移動電話への接続のためのカーステレオユニット等の他の任意の外部装置への有線接続又は無線接続であってもよい。この場合、移動電話接続は、例えばナビゲーション装置200とインターネット又は他の任意のネットワークとの間のデータ接続を確立するため及び/又はインターネット又は例えば他の任意のネットワークを介するサーバへの接続を確立するために使用されてもよい。
【0030】
ナビゲーション装置200は、デジタル接続(例えば、周知のBluetooth技術を介するデジタル接続)を確立する移動装置400(移動電話、PDA及び/又は移動電話技術を用いる任意の装置等)を介して、サーバ302との「モバイル」ネットワーク接続又は遠距離電気通信ネットワークを確立してもよい。そうして、そのネットワークサービスプロバイダを介して、移動装置400は、サーバ302とのネットワーク接続を(例えば、インターネットを介して)確立できる。そのため、「モバイル」ネットワーク接続は、情報に対する「リアルタイム」又は少なくとも非常に「最新」のゲートウェイを提供するために、ナビゲーション装置200(単体で及び/又は車載走行時に移動可能であり且つ多くの場合移動している)とサーバ302との間に確立される。
【0031】
例えばインターネット410を使用して、移動装置400と(サービスプロバイダを介して)サーバ302等の別の装置との間にネットワーク接続を確立することは、周知の方法で行われうる。これは、例えばTCP/IP層プロトコルの使用を含む。移動装置400は、CDMA、GSM、WAN等の任意の数の通信規格を利用できる。
【0032】
そのため、例えば移動電話又はナビゲーション装置200内の移動電話技術を介するデータ接続を介して達成されるインターネット接続が利用されてもよい。この接続の場合、サーバ302とナビゲーション装置200との間のインターネット接続が確立される。これは、例えば、移動電話又は他の移動装置及びGPRS(汎用パケット無線サービス)接続(GPRS接続は、通信会社により提供される移動装置用高速データ接続であり、GPRSはインターネットへの接続方法である)を介して行われうる。
【0033】
更に、ナビゲーション装置200は、移動装置400とのデータ接続を完成し、例えば既存のBluetooth技術を介して周知の方法でインターネット410及びサーバ302とのデータ接続を最終的に完成する。この場合、例えばデータプロトコルは、GSM規格に対するデータプロトコル規格であるGSRM等の任意の数の規格を利用できる。
【0034】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーション装置200自体の内部にそれ自体の移動電話技術を含んでもよい(例えばアンテナを含み、その場合、ナビゲーション装置200の内部アンテナが更に代わりに使用可能である)。ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、上述のような内部構成要素を含むことができ且つ/又は例えば必要な移動電話技術及び/又はアンテナを備える挿入可能なカード(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード)を含むことができる。そのため、ナビゲーション装置200内の移動電話技術は、任意の移動装置400の方法と同様の方法で、例えばインターネット410を介して、ナビゲーション装置200とサーバ302との間にネットワーク接続を同様に確立できる。
【0035】
GRPS電話設定の場合、移動電話の機種、製造業者等の多様な範囲に関して正しく動作するために、Bluetooth対応の装置が使用されてもよく、機種/製造業者専用設定は、例えばナビゲーション装置200に格納されてもよい。この情報のために格納されたデータは更新されうる。
【0036】
図2は、接続255を介するプロセッサ210とアンテナ/受信機250との間の動作可能な接続を更に示す。この場合、アンテナ/受信機250は、例えばGPSアンテナ/受信機であってもよい。参照番号250で示されるアンテナ及び受信機は、図示のために概略的に組み合わされるが、アンテナ及び受信機は、別個に位置する構成要素であってもよく、アンテナは、例えばGPSパッチアンテナ又はヘリカルアンテナであってもよいことが理解されるだろう。
【0037】
更に、図2に示す電子構成要素が従来の方法で電源(不図示)により電力を供給されることが当業者には理解されるだろう。当業者により理解されるように、図2に示す構成要素の異なる構成が本願の範囲内であると考えられる。例えば、図2に示す構成要素は、有線接続及び/又は無線接続等を介して互いに通信状態にあってもよい。従って、本願のナビゲーション装置200の範囲は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200を含む。
【0038】
更に、図2のポータブル又はハンドヘルドナビゲーション装置200は、例えば自動車又は船舶等の電動車両に周知の方法で接続されるか又は「ドッキング」される。その場合、そのようなナビゲーション装置200は、ポータブル又はハンドヘルドナビゲーションとして使用するために、ドッキング場所から取り外し可能である。
【0039】
図3は、汎用通信チャネル318を介して通信することができる、サーバ302及びナビゲーション装置200の一例を示すブロック図である。通信チャネル318を介する接続がサーバ302とナビゲーション装置200との間に確立される場合、本願のサーバ302及びナビゲーション装置200は通信可能である(尚、そのような接続は、移動装置を介するデータ接続、インターネットを介するパーソナルコンピュータを介する直接接続等である)。サーバ302は、図示しない他の構成要素に加えて、メモリ306に動作可能に接続され且つ有線又は無線接続314を介して大容量データ記憶装置312に動作可能に更に接続されるプロセッサ304を含む。更に、プロセッサ304は、通信チャネル318を介してナビゲーション装置200と情報の送受信を行うために、送信機308及び受信機310に動作可能に接続される。送受信される信号は、データ信号、通信信号及び又は他の伝搬信号を含んでもよい。送信機308及び受信機310は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計されてもよい。尚、送信機308及び受信機310の機能は、信号送受信機に組み合わされてもよい。サーバ302は、大容量記憶装置312に更に接続される(又は、大容量記憶装置312を含む)。尚、大容量記憶装置312は、通信リンク314を介してサーバ302に結合されてもよい。大容量記憶装置312は、ナビゲーションデータ及び地図情報のストアを含む。また、大容量記憶装置312は、サーバ302とは別個の装置であってもよく、サーバ302に組み込まれてもよい。
【0040】
ナビゲーション装置200は、通信チャネル318を介してサーバ302と通信するように構成され、図2に関して上述したように、プロセッサ、メモリ等を含み、更に、通信チャネル318を介して信号及び/又はデータを送出する送信機320及び受信する受信機322を含む。尚、これらの装置は、サーバ302以外の装置と通信するためにも使用されうる。更に、送信機320及び受信機322は、ナビゲーション装置200の通信設計において使用される通信条件及び通信技術に従って選択又は設計され、送信機320及び受信機322の機能は、単一の送受信機に組み合わされてもよい。
【0041】
サーバメモリ306に格納されるソフトウェアは、プロセッサ304に命令を提供し、サーバ302がナビゲーション装置200にサービスを提供できるようにする。サーバ302により提供される1つのサービスは、ナビゲーション装置200からの要求の処理及び大容量データ記憶装置312からナビゲーション装置200へのナビゲーションデータの送信を含む。サーバ302により提供される別のサービスは、所望のアプリケーションに対する種々のアルゴリズムを使用したナビゲーションデータの処理及びナビゲーション装置200へのこれらの計算の結果の送出を含む。
【0042】
一般に、通信チャネル318は、ナビゲーション装置200とサーバ302とを接続する伝搬媒体又はパスを表す。サーバ302及びナビゲーション装置200の双方は、通信チャネルを介してデータを送信する送信機及び通信チャネルを介して送信されたデータを受信する受信機を含む。通信チャネル318は、特定の通信技術に限定されない。更に、通信チャネル318は、単一の通信技術に限定されない。すなわち、チャネル318は、種々の技術を使用する複数の通信リンクを含んでもよい。例えば、通信チャネル318は、電気通信、光通信及び/又は電磁通信等のためのパスを提供するように構成されることができる。そのため、通信チャネル318は、電気回路、ワイヤ及び同軸ケーブル等の電気導体、光ファイバケーブル、コンバータ、無線周波数(rf)波、大気、空間等のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。更に、通信チャネル318は例えば、ルータ、中継器、バッファ、送信機及び受信機等の中間装置を含むことができる。
【0043】
例えば通信チャネル318は、電話及びコンピュータネットワークを含む。更に、通信チャネル318は、無線周波数、マイクロ波周波数、赤外線通信等の無線通信に適応できてもよい。更に、通信チャネル318は衛星通信に適応できる。
【0044】
通信チャネル318を介して送信される通信信号は、所定の通信技術に必要とされるか又は望まれる信号を含むが、それらに限定されない。例えば、信号は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM)等のセルラ通信技術において使用されるように構成されてもよい。デジタル信号及びアナログ信号の双方が通信チャネル318を介して送信できる。これらの信号は、通信技術にとって望ましい変調信号、暗号化信号及び/又は圧縮信号であってもよい。
【0045】
サーバ302は、無線チャネルを介してナビゲーション装置200によりアクセス可能なリモートサーバを含む。サーバ302は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)等に位置するネットワークサーバを含んでもよい。
【0046】
本願の少なくとも1つの実施形態に従うと、サーバ302は、デスクトップ又はラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータを含んでもよく、通信チャネル318は、パーソナルコンピュータとナビゲーション装置200との間に接続されるケーブルであってもよい。あるいは、パーソナルコンピュータは、ナビゲーション装置200とサーバ302との間に接続されて、サーバ302とナビゲーション装置200との間にインターネット接続を確立してもよい。あるいは、インターネットを介してナビゲーション装置200をサーバ302に接続するために、移動電話又は他のハンドヘルド装置がインターネットへの無線接続を確立してもよい。
【0047】
ナビゲーション装置200は、情報ダウンロードを介してサーバ302から情報を与えられてもよい。情報は、ユーザがナビゲーション装置200をサーバ302に接続する場合に周期的に更新されてもよく且つ/又は例えば無線移動接続装置及びTCP/IP接続を介してサーバ302とナビゲーション装置200との間に接続がより継続して又は頻繁に確立される場合に更に動的に更新されてもよい。多くの動的計算のために、サーバ302内のプロセッサ304が大量の処理要求を処理するために使用されてもよい。しかし、ナビゲーション装置200のプロセッサ210も同様に、多くの場合においてはサーバ302への接続に関係なく、多くの処理及び計算を処理できる。
【0048】
上記のように図2に示す様に、ナビゲーション装置200はプロセッサ210、入力装置220、及び表示画面240を含む。入力装置220及び表示画面240は、例えばタッチパネルスクリーンを介して情報(直接入力、メニュー選択など)を入力すること及び情報を表示することとの両方を可能にするために、一体型入力表示装置に統合される。このようなスクリーンは、当業者には周知のものであるように、例えばタッチ入力LCDスクリーンであってもよい。更に、ナビゲーション装置200は、例えばオーディオ入力/出力装置などの、更なる任意の入力装置220及び/又は更なる任意の出力装置241を有しても良い。
【0049】
図4A及び図4Bは、ナビゲーション装置200の斜視図を示している。図4Aに示すように、ナビゲーション装置200は、一体型入力表示装置290(例えばタッチパネル画面)と図2の他の構成要素(内蔵GPS受信機250、マイクロプロセッサ210、電源、メモリシステム220などを含むがこれに限定されない)を含むユニットであっても良い。
【0050】
ナビゲーション装置200は、アーム292上に備え付けられても良い。このアーム292は、大きな吸着カップ294を用いて、車両のダッシュボード/窓/等に固定されても良い。このアーム292は、ナビゲーション装置200がドッキング可能なドッキングステーションの一例である。図4Bに示すように、ナビゲーション装置200は、例えば、アーム292に対してナビゲーション装置292をスナップ接続することで、ドッキングステーションのアーム292にドッキング若しくは接続することができる(これは単なる一例で、他に考え得るドッキングステーションへの接続の代替案は、本願の範疇内である)。図4Bにおける矢印で示すように、ナビゲーション装置200は、アーム292上で回転可能であってもよい。ナビゲーション装置200とドッキングステーションとの間の接続を解除するためには、例えば、ナビゲーション装置200上のボタンを押下すればよい(これは単なる一例で、他に考え得るドッキングステーションからの分離の代替案は、本願の範疇内である)。
【0051】
ここで図5を参照すると、複数のアイコン504,506,508,510,及び512がグラフィカルに表示されている接触感知ディスプレイ502を有するPND500が示されている。それぞれのアイコンはプリファレンス(好み)の種類を示しており、アイコンが選択されると、アイコンは装置の動作方法の変更を促進する。アイコン504は「移動記録(移動ログ)(Trip Logging)」に関連するものとして特定され、このアイコンの選択は、図6に示されるように、単純な2つの選択可能な選択肢514及び516の表示につながる。これら選択肢のうちの第1のもの514は選択されているものとして既に表示されており、この選択は移動記録オプションの現在の状態、すなわち「有効」、を示している。ディスプレイ502の「記録を有効化(Enable Logging)」という文字列が見える領域を触ることによりユーザが移動記録を有効化する、又は移動記録オプションが既に有効化されていることをユーザが確認し、そして「次へ(Next)」という画像518をユーザが触ると、図7に示されるように、移動活動の目的の選択がなされるさらなるオプション画面が現れる。この画面には、2つの選択肢520及び522が示され、最初の選択肢は「個人的(Personal)」として特定され、後者の選択肢は「ビジネス(Business)」として特定されかつ有効化されているものとして表示される。
【0052】
図7のディスプレイはまたさらなる「次へ(Next)」という画像524を表示し、この画像524が選択されると図8に示されるさらなる「次へ(Next)」画像526を含むさらなるオプション画面へとつながる、様々なオプション528がディスプレイ上に列挙され、それぞれのオプションは、表示された文字列530によって特定される、装置の特定の動作モードに特有であるオプションのセットを形成する。本実施形態において、オプションのリストは、経路計算が行われずそのような経路に沿ったナビゲーションも行われない「自由ドライビング(free driving)モード」における装置の動作中に、装置において起こるだろう様々なイベントを含む。このようなモードにおいて装置は、特定の道路、高速道路、及び主要道路に沿った装置の動きに従って連続的に更新される地図情報をただ表示する。このような地図情報のうち任意のそして全てのものは、装置のメモリに格納された地図データに含まれる何らかの特定する記述を有する。このようなモードで動作している装置の画面コピーの例が、図10に提供される。
【0053】
図8からわかるように、様々なイベントオプションが列挙されている。これらのイベントは、上から下へと順に、「装置の電源が入れられ、及び消された(Device is turned on and off)」、「交差点における方向変換(Turns in intersections)」、「家に到着/離れる(Home is reached/left)」、「お気に入りに到着/離れる(Favourites is reached/left)」、「最近の目的地に到着/離れる(Recent Destinations is reached/left)」、「15分より長い停止(Stops longer than 15 minutes)」、である。多かれ少なかれオプションは、自由運転モードに関連するオプションのセットを形成するだろうし、このようなオプションのうち任意の1つ以上は、本発明の特許請求可能な態様として考えられる。図8で表示される全てのオプションは選択されているものとして表され、もしこのことがユーザにとって受け入れられるならば、「次へ(Next)」という図形526を選択すると、図9に表されるように、ナビゲーションモードにおける情報の記録に関連するさらなるオプションのリストの表示が行われる。またしても、発生した時に情報の記録が実行されるイベントである、オプション532のリストが表示される。図においては全てのオプションが選択されており、オプションは順に、「新しい経路が計画された(New route planned)」、「計画された経路に従わなかった(Planned Route note followed)」、「目的地に到着した(Destination reached)」である。図に示されていない追加的にありうるイベントが「経路の再計算(Re-calculation of route)」であるが、もちろんこれは「新しい経路が選択された」オプションに包含されてもよい。
【0054】
本発明が実装されうるメカニズムのさらなる説明が、ここで与えられる。
【0055】
本発明は、例えば個人的な、ビジネス上の、娯楽的な、緊急の、などの特定の使用に従って分類された(計画された、又は計画されていない)移動経路の、バーチャルな日誌を生成することを可能とする。このバーチャルな記録は、予め定義されたイベントのセットを用いた、積算された移動距離を含み、特定の活動について後に再調査されるだろう。
【0056】
本発明は、イベントに基づく記録戦略の実装を含む。このアプローチにおいて、位置及び時刻は、イベントが起きた時にのみ記録される。イベントは、PND内における設定の状態変化として定義されることができ、さらに空間領域の変化と時間領域の変化との双方として定義されることができる。
【0057】
可能なイベントの例には、
・以前に計画された経路からの逸脱
・ユーザが始動した、又は自動的な、任意の経路再計算
・任意の経路の交差点で行われた、全ての方向転換又は経路変更
・装置の電源を入れること、又は電源を消すこと
・個人的活動からビジネス活動への活動の変更、及びその逆
・家の位置からの出発または家の位置への到着
・装置への電源供給を行うこと、又は電源供給をやめること
・お気に入りの位置からの出発又はお気に入りの位置への到着
・メモリに格納されている最近の到着地からの出発又はメモリに格納されている最近の到着地への到着、及び
・装置が、所定の時間よりも長く静止していること
が含まれる。
【0058】
単純化するために、2つの移動モードを区別することが便利である。
・自由運転モードにおいては、ナビゲーション装置は地図上の現在位置を見るために受動的に用いられる。
・計画経路モード(planned route mode)においては、目標となる目的地がユーザによってナビゲーション装置へと入力され、装置によって経路計算が行われ、任意的には計算された可能な経路のリストのうちの1つの選択がユーザによってなされ、そして装置は経路又は選択された経路のナビゲーションを開始する。
【0059】
上述のように、「自由運転での記録を有効化する(enable logging in free driving)」モードを開始するために、ユーザは装置の設定を変更することができる。この設定において、装置の電源が入れられるとすぐ、装置は記録を開始するだろう。「計画経路」においては、全ての新しい経路計画、及び目的地への到着もまた、有効なイベントとみなされるだろう。
【0060】
それぞれの移動モードについての記録を達成するための適切なイベントのセットが、ここで説明される。この事例においては、PNDは受動的に用いられる、すなわちPNDは自由運転モードにあって、地図情報のスクリーン上表示には現在位置のみが表示されることが仮定される。理想的には、装置設定は、PNDの電源が入れられるとすぐに「自由運転において情報を記録する」モードが有効になるようになっている。このような設定においては、以下のような好ましいイベントの位置及び時刻を、装置は記録するだろう。
・装置の電源が入れられた時、及び切られた時
・活動(ビジネス又は個人)が特定された時
・家、又は(最近の目的地又はお気に入りのような)記録された位置のうちの1つ、に到着した時
・運転された経路が、「直線」すなわち現在の道路から、任意の道路交差点において逸脱した時
【0061】
例えば、Nが車両(及び車両内の装置)の初期位置であり、Tが目標となる目的地である場合、NとTとの間の移動は通常、目標位置Tに到着する前に、様々な道路交差点、例えばO,P,Q,R及びS、における1以上の方向転換を伴う。ユーザは、装置の電源を入れ、「自由運転モードにおける記録」を有効とする。ユーザは、移動の目的がビジネスであるのか個人的なものであるのか、移動の目的を特定し、運転を開始する。目標となる目的地Tに到着した後で、ユーザは活動を個人的な使用とし、装置の電源を切る。上述のような全てのイベントについての記録として、この移動の終わりに、移動記録ファイル内には以下のような移動ログエントリを有するだろう。
【0062】
自由運転モードに入った−[日付/時刻]
装置が位置Nで電源を入れられた(計400km)−[日付/時刻、又は増分a]
活動がビジネス使用に設定された:計5000km−[日付/時刻、又は増分b]
Oで左折(N−O:5km、計5005km)−[日付/時刻、又は増分c]
Pで右折(O−P:10km、計5015km)−[日付/時刻、又は増分d]
Qで左折(P−Q:5km、計5020km)−[日付/時刻、又は増分e]
Rで右折(Q−R:10km、計5030km)−[日付/時刻、又は増分f]
Sで左折(R−S:5km、計5035km)−[日付/時刻、又は増分g]
家に到着(S−家:5km、計5040km)−[日付/時刻、又は増分h]
活動が個人使用に設定された:計400km−[日付/時刻、又は増分i]
位置Tで装置の電源が切られた(計400km)−[日付/時刻、又は増分j]
【0063】
自由運転モードにおいては、計画された事前の経路が存在しないため、記録は当然より大きくなる。しかしながらユーザは、より小さいかもしれない計画経路記録フォーマットへと、この記録を圧縮するように、装置から要求してもよい。このような圧縮は、最も圧縮された記録形式を達成するために、PNDによるNとTとの間の、そして任意的には連続する交差点O,P,Q,R、及びS、並びにN若しくはTのうちの任意のものの間の、仮想的な経路の計算と、方向転換の間の記録ファイルの連続し及び任意的には隣接する部分とのこれらの経路との比較と、を実質的に含むアルゴリズムに基づく。例えばアルゴリズムは、記録ファイルで表される経路部分を置き換えるための、仮想的な主経路についての、及び任意的には1以上の副経路についての、情報の最小量を実質的に決定する。特に、上述の記録ファイルの最も短縮された表現はNとPとの間の仮想的な経路と、PとSとの間のさらなる仮想的な経路と、SとTとの間のさらなる仮想的な経路と、であり得る。もちろん、自由運転モードにおいては、ユーザは既に開始点と望みの位置との間のほとんど最短の経路を知っているため、ユーザは装置のナビゲーション機能なしにすませている可能性が非常に高いため、これはありそうになく、よりありそうな場面は、記録ファイルにおいて交差点における方向転換として表されている様々な部分が、ユーザによって実際に選ばれた経路と同一であるような、NとTとの間の仮想的に計算された単一の経路で置き換えられるだろうことである。
【0064】
したがって、圧縮処理においては、装置は徹底的に方向転換点を繰り返し、これらを統合しようと試みる。
【0065】
以上の例を用いると、処理ロジックは以下のとおりである。装置はNからPへの経路を計画しようと試み、その経路にOが含まれるか否かを確認するだろう。含まれるならば、NからQへの新しい経路が計画され、計画された経路にO及びPが含まれるかどうかが確認され、これが続けられるだろう。もし含まれないならば、NからPへのエントリは1つのエントリで置換され、圧縮がPから続けられるだろう。この処理は、記録に全ての方向転換点が含まれるまで続けられるだろう。この圧縮においては、分断攻略(divide and conquer)のような他のアルゴリズムもまた、用いられることができる。
【0066】
計画経路モードにおいては、これから説明されるように、情報の記録はより縮小される。この場合装置は、ユーザによって少なくとも部分的にたどられる経路を計算する。以下は、計画経路モードにおいて、記録を可能とするためのイベントの最小限のセットである。
・活動(ビジネス又は個人)が特定された時
・新しい経路が計画された時
・計画された経路が変更されたか、又は計画された経路から逸脱した時
・目的地に到達した時
【0067】
例えば、ユーザは移動の目的、ビジネス又は個人、を特定し、目標位置を入力する。装置は、現在位置から目標位置への新しい経路を計画する。もしA及びDがそれぞれ現在位置及び目標位置を示すのならば。経路にそって、位置Bの近くで、ユーザは何らかの理由で経路を変更し、提案された経路に従わない。装置は現在位置からの新しい経路計画を作成するだろう。そして、逸脱又は新しい経路の計算は、情報の記録を引き起こすイベントとなりうる。後に、新しい経路における位置Cの近くで、ユーザは提案された経路から再び経路を変更することを決断する。しばらく後で、装置は目標位置についての新しい計画を作成する。再び、計算された経路からの逸脱の検知、又は新しい経路の計算について、情報が記録される。最後に、目標となる目的地Dに到達する。ユーザは、活動を個人的な使用に設定する。
【0068】
上記のように定義されたイベントを用いて、この移動の終わりには、以下のような移動ログエントリを有するだろう。
【0069】
活動がビジネス使用に設定された:計5000km[日付/時刻]
AからDへの経路が計画された(計5000km)[日付/時刻、又は増分a]
B周辺で経路が変更された(A−B:5km、計5005km)[日付/時刻、又は増分b]
BからDへの再計算(計5005km)[日付/時刻、又は増分c]
C周辺で経路が変更された(B−C:10km、計5015km)[日付/時刻、又は増分d]
CからDへの再計算(計5015km)[日付/時刻、又は増分e]
目的地Dに到達した(C−D:25km、計5040km[日付/時刻、又は増分f]
活動が個人使用に設定された:計400km[日付/時刻、又は増分g]
【0070】
実際の日付及び時刻を記録する必要はなく、最初の日付及び時刻の記録と、続く変化増分と、のみが記録されればよいことが、上記から留意されるべきである。上で用いられた記録のためのイベントは、全て物理的で空間的なイベントである。しかしながら本発明は、空間的イベント及び装置イベントをも用いるように、拡張されうる。例えば、平日の間には、朝に家から出発するときには自動的に「ビジネス」モードが有効化され、午後に家に到着するときには再び無効化されることも、可能であるかもしれない。他の興味深いイベントは、装置の位置が長い時間変化しない時である。より大きい記録ファイルサイズを生成しうるが、固定された時刻及び位置に基づくような記録は依然として有効なイベントである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PNDにおいてログ機能を提供する方法であって、
記録ファイルを作成するために、現在位置に関連する情報と、当該現在位置に関連する時刻特定情報とを、装置の不揮発性メモリに格納する工程を含み、
前記情報の格納は、特定のイベントセットのうちの1つが発生した時にのみ行われ、
前記イベントセットは、
空間的イベント、時間的イベント、又は前記装置のイベントをユーザが特定することと、
新しい経路を計算することと、
計算された経路から逸脱することと、
新しい経路を再計算することと、
目的地に到着することと、
前記装置の電源を入れることと電源を切ることとの少なくとも一方と、
前記装置の前記メモリに格納されているお気に入りの位置若しくは最近の位置に到着する、又は前記装置の前記メモリに格納されているお気に入りの位置若しくは最近の位置から出発することと、
前記装置が移動している現在の方向と、前記装置が通って移動している道路と、のうちの少なくとも一方から前記装置が逸脱することと、
のうちの1つ以上であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記イベントセットは、前記装置の動作が有するナビゲーションモード又は自由運転モードに特有のものであって、
前記ナビゲーションモードに特有のイベントセットは、前記自由運転モードに特有のイベントセットとは異なる
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナビゲーションモードに特有のイベントセットは、
時間的なイベント、空間的なイベント、又は前記装置に基づくイベントをユーザが特定することと、
新しい経路を計算することと、
新しい経路を再計算することと、
以前に計算された経路から逸脱することと、
目的地に到着することと、
のうちの1以上を含み、
前記自由運転モードに特有のイベントセットは、
時間的なイベント、空間的なイベント、又は前記装置に基づくイベントをユーザが特定することと、
前記装置の電源を入れることと切ることとの少なくとも一方と、
前記装置が移動している現在の方向と、前記装置が通って移動している道路と、のうちの少なくとも一方から前記装置が逸脱することと、
のうちの1以上を含む
ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記PNDにおいて前記ログ機能が有効化されているか否かを判断する工程と、
前記機能が有効化されている場合にのみ、前記ログ機能を実行する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記装置の動作が有するナビゲーションモードにおいて、情報の記録を引き起こす前記イベントセットは、前記装置の電源を入れること又は切ることを含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
自由運転モードにおいては、ユーザに対して特定されている現在の前記装置の位置を参照して、地図データにおいて表されている道路識別子の変化を前記装置が認識した時に、逸脱イベントが前記情報の記録を引き起こすことを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記装置がビジネスとして動作しているか、又は個人的なものとして動作しているかを判断する工程と、
前記動作用途のうちの1つ、又は他の動作用途に従って分類するように、前記情報を記録する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
空間的にかつ時間的に区別される複数の前記イベントによって構成される、自由運転モードにおける前記情報の記録を圧縮する工程をさらに含み、
前記圧縮する工程は、前記情報の記録が開始された1以上の初期位置と、前記記録における1以上のより後の異なる位置と、の間の仮想的な経路を計算する工程を含み、最終的に、1つの仮想的な経路又は複数の仮想的な経路の組み合わせである、元の記録ファイル内のイベントセットの最も圧縮された表現を最終的に決定するために、前記記録ファイルにおいて特定される位置のいくつかが前記仮想的な経路上に表現されるか否かを決定するために、前記記録に含まれるイベント情報について前記計算する工程を繰り返す
ことを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータにおいて実行された時に、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法における全ての工程を実行するように構成されたコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータが読み取り可能な媒体に実装された、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
プロセッサと、メモリと、視覚的表示出力手段と、を少なくとも備え、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法を実行するように構成された、PND。
【請求項12】
請求項9又は10に記載のコンピュータプログラムでプログラムされた、PND。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−506982(P2011−506982A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538349(P2010−538349)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011239
【国際公開番号】WO2009/080063
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(307043223)トムトム インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ (144)
【Fターム(参考)】