説明

改善された芳香放出特性を有する飲料組成物を調製するための方法およびその中で用いるための組成物

本発明は、改善された芳香放出特性を有する飲料を調製するための組成物を調製するための方法、およびその中で用いるための組成物を提供する。方法は、脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分(ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない);脂肪含有材料を含む第2成分を提供する工程;および第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、およびそれによって、脂飲料が調製されるときに飲料上方のヘッドスペース中に溶性揮発性風味材料が放出されることを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に増強された芳香放出を提供する工程を含む、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物を調製するために提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2006年12月29日に出願された米国仮出願60/882,743号の利益を主張する2007年12月13日に出願された米国特許出願11/955,778号の継続出願であり、これらの両方は、その全体が参照によってここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、改善された芳香放出特性を有する飲料組成物を調製するための方法、およびその中で用いるための組成物を対象とする。
【背景技術】
【0003】
インスタントコーヒー、紅茶、スープ、デザート、トッピングなどのような多くのインスタント食品および飲料製品の製造において、成分は、高温のような処理条件の対象となり、これは、消費者によって再構成される製品の所望の芳香および/または風味に寄与する揮発性化合物の損失または劣化をもたらす。処理の間のそのような損失を補うために、典型的には、再構成される製品に所望の芳香および/または風味を提供する目的で、天然および合成の芳香および風味が組成物に添加される。しかしながら、そのような天然および合成の芳香および風味は、一般的に、高度に揮発性であり、および大気中の酸素による酸化および水分に対して極度に感受性である。結果として、これらの物質の多くは、食品または飲料中に組み込まれた後、もともとの芳香および風味の大半を失い、および消費者製品に所望の特性を提供することができない。さらに、所望の強い調製時芳香を有する飲料を生産する目的で、高レベルの芳香付け材料をミックス中に組み込む場合、それらは、所望でない強い飲料残留風味を生じる傾向がある。
【0004】
インスタントコーヒー飲料に関連する特有の問題は、焙煎しおよび挽いたコーヒーを淹れるときに発生するコーヒーの芳香と比べて、ホットインスタントコーヒー飲料を調製する時点で発生する芳香のバースト、すなわち「カップ上方の芳香」は、相対的に欠如していることである。 特許文献1および2は、可溶性コーヒーパウダーを芳香コーヒー物質の水性エマルションで被覆すること、および粒子状の芳香付けされたコーヒーガラスを採用することを含む、カップ上方のコーヒーの芳香の初期バーストを提供するための数多くの知られている技術を記載する。これらの特許は、付加的に、芳香付けされたコーヒーオイルのコアを含有するカプセル粒子を製造するための方法を記載する。芳香付けされたコーヒーオイル含有粒子をインスタントコーヒー製品中に組み入れるそのような方法を用いると、達成され得るカップ上方の芳香の量は、主に、採用されるそのような粒子の量に依存する。インスタントコーヒー中のコーヒーオイルの使用は、通常は、パッケージ芳香のみを提供するために必要とされる低レベルにおいて、問題を引き起こさない。しかしながら、良好な調製時芳香を生成するためには、比較的に大量の粒子を採用しなければならない。この取り組みは、消費の間に圧倒的に強い味質または芳香を有する製品をもたらす可能性がある。さらに、採用されるカプセルが多ければ多いほど、導入されるカプセル材料、特にコーヒーオイルが多くなる。添加されたコーヒーオイルは、コーヒー飲料の表面上に油膜として堆積する可能性がある。そのような油膜は、非常に明らかであり、および消費者のインスタントコーヒーの受け入れを減じることが広く知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,399,368号明細書
【特許文献2】米国特許第5,750,178号明細書
【特許文献3】米国特許第6,383,110号明細書
【特許文献4】米国特許第6,544,576号明細書
【特許文献5】米国特許第6,772,905号明細書
【特許文献6】米国特許第6,699,518号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0040034号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0040033号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0040038号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インスタントカプチーノタイプの飲料および泡形成した上部表面を有する他の飲料に関連するさらなる問題が存在する。なぜならば、泡は、ヘッドスペース中へ放出される芳香の量を低減しおよび/または芳香がヘッドスペース中へ放出される速度を低減する可能性がある飲料およびヘッドスペース間の物理的障壁を作り出すことによって、飲料から飲料上部のヘッドスペース中への芳香放出を減じると広く信じられているからである。カプチーノおよび他の泡形成した飲料の食品および飲料産業における人気の高まりとともに、数々のインスタントカプチーノ飲料などが市場に登場している。これらのインスタントカプチーノタイプの飲料と共に、望ましくはツートンカラーである(すなわち、白または淡色である部分を有し、一方、他の部分は色が濃い)泡形成した表面層を含む、本物の「コーヒーハウス」の外観を有する飲料を提供することが望ましい。例えば、泡形成性クリーマーおよび高速溶解性または高速分散性の風味/色味成分、および任意選択的な甘味料成分の混合物を含むツートンカラーの泡をその表面上に有し、その密度は泡層の密度の少なくとも1.9倍高い飲料を製造するためのインスタントドライミックス組成物を提供する特許文献3を含む、そのような泡形成した飲料を調製するための多くの技術が知られている。ドライミックス組成物からホット飲料を調製するために、泡形成性クリーマーを水または牛乳のような温液中に溶解させて、泡層を調製する。組み合わされた甘味料および風味/色味成分を、次いで添加する。甘味料および風味/色味成分の大部分は分散して飲むことのできる飲料を形成する一方で、少量は泡層中に残留してツートンカラーの効果を生み出す。
【0007】
多くの場合、厚いツートンカラーの泡層を提供することが望ましいが、一方で、泡層の厚さを増大させるために、そのようなカプチーノミックス中の脂肪を多く含む(fatted)泡形成性クリーマーの量を増大させると、消費者が知覚する飲料のカップ上方の芳香の強度は、望ましくなく低減することが、研究により明らかになっている。従って、例えば、所望の泡形成した表面層を有するカプチーノタイプの飲料を含む、増強されたカップ上方の芳香および低減された飲料残留風味を含む改善された芳香放出特性を提供する、飲料を調整する方法の必要性が残る。本発明は、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになるように、これらの必要性と同様に、他の必要性および利益を満たすために使用されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、改善された芳香放出特性を有する飲料組成物を調製するための方法およびその中で用いるための組成物を提供する。本発明の1つの態様に従って、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物を調製するための方法を提供する。該方法は、脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分(ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない)を提供する工程;脂肪含有材料を含む第2成分を提供する工程;および第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに、飲料上方のヘッドスペース中に脂溶性揮発性風味材料が放出されるのを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程を含む。
【0009】
1つの形態において、方法は、第1成分を液体中で再構成して、脂溶性揮発性風味材料を放出する工程および再構成された第1成分に第2成分を添加する工程を含み、ここで、第2成分は第1成分よりも多くの脂肪を含有する。別の形態において、方法は、脂肪含有材料を構成して、飲料一杯あたり約1.0g未満の脂肪を有する組成物を提供する工程を含む。さらに別の形態において、方法は、脂肪含有材料を構成して、液体中の遅延分散性を持たせる工程を含む。
【0010】
本発明の別の態様に従って、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物を提供する。該組成物は、脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分(ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない);および脂肪含有材料を含む第2成分を含み;ここで、第1および第2成分は、構成および配置されて、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに飲料上方のヘッドスペース中へ脂溶性揮発性風味材料が放出されることを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の様々な態様に従って構成されたフローチャート図を含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
揮発性風味物質の大部分を、再構成されたインスタント飲料の上方のヘッドスペース中へ放出させ、および、より少ない部分を飲料自体に残留させることによって、増強されたカップ上方の芳香放出および低減された飲料残留風味を有する飲料を調製することができる。本発明は、そのような飲料組成物を調製する方法を提供する。当業者の慣用の考え(すなわち、増大した泡厚は、飲料からヘッドスペースへの臭気活性揮発性化学成分の放出に対する増大した物理的障壁を作り出すことによって、芳香放出を減じるということ)に反して、本発明者らは、最近、脂肪を多く含む泡形成性クリーマーを無脂肪またはローファットの泡形成性材料に置き換えることによって、泡厚を著しく増大させたときでさえ、芳香放出の驚くべき増大が得られることを発見した。理論によって限定されることを望むものではないが、再構成された飲料ミックスの分散脂肪相中への風味物質の分配は、有害にも、芳香放出を減じ、および飲料の残留風味を増大すると考えられる。同様に、驚くべきことは、ガス化された、ガス注入された、加圧ガスまたはガス生成性の無脂肪またはローファットの泡形成性材料を、非泡形成性飲料ミックスへ組み込むことは、そのような組み込みが泡層を生成する場合ですら、そのような飲料中の芳香放出を、実際に増大させることができるという発見であった。再び理論によって限定されることを望むものではないが、ガスは、再構成の間および後の両方において、飲料の液相から風味物質を散布するように作用し、有益にも、揮発性風味物質のより大部分が飲料上方のヘッドスペース中に放出される結果をもたらすと考えられる。
【0013】
従って、図1を参照して、脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分を提供する工程(ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない); 脂肪含有材料を含む第2成分を提供する工程;および第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、 およびそれによって、脂飲料が調製されるときに飲料上方のヘッドスペース中に溶性揮発性風味材料が放出されることを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程を含む、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料組成物を調製するための方法を提供する。
【0014】
本発明の別の態様に従って、脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分(ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない);および脂肪含有材料を含む第2成分を含み;ここで、第1および第2成分は、構成および配置されて、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに飲料上方のヘッドスペース中に脂溶性揮発性風味材料が放出されることを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物を提供する。
【0015】
第1成分は、好ましくは、少なくとも1つの脂溶性揮発性風味材料を含む少なくとも1つの芳香源の大部分を含有し、およびより好ましくは全てを含有する。本明細書中で使用される際に、「脂溶性揮発性風味材料」は、本明細書中に定義されるような脂肪中に部分的または全体的に分配、溶解、または分散することができる風味および/または芳香材料の任意の揮発性液体または固体成分を言う。脂溶性揮発性風味材料は、起源は天然または合成であってもよく、好ましくは、その純粋な形態において、25℃および大気圧で主に液体または固体である少なくとも1つの脂溶性または脂混和性の臭気活性揮発性化学成分からなる。それは、好ましくは300℃未満、より好ましくは200℃未満、および最も好ましくは150℃未満の沸点を有する。本明細書中で使用される際に、「沸点」は、臭気活性揮発性化学成分が、大気圧で揮発(vaporize)または熱分解する温度をいう。本明細書中で使用される際に、「臭気活性」は、臭覚を通して知覚することが可能な、風味および/または芳香材料の任意の揮発性の液体または固体成分を言う。適当な脂溶性揮発性風味材料は、バニリン、カンフェン、安息香酸ベンジル、桂皮アルデヒド、デカン酸エチル、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、デカナール、2−ヘプチルフラン、酢酸ノニル、オクタン酸エチル、β−ダマセノン(beta-damascenone)、リナロール、1−オクタノール、酢酸ヘプチル、2−エチル−3,5−ジメチルピラジン、ベンズアルデヒド、d−リモネン、ヘキサン酸エチル、ミルセン、ヘプタナール、2−ヘプタノン、メチルペンタノエート、2−エチルフラン、2,3−ブタンジオン、および/またはそれらの混合物を含んでもよく、しかしこれらに限定されない。
【0016】
揮発性化学成分は、好ましくは、芳香源の取扱いを容易にしおよび貯蔵安定性を向上させるために、カプセル化される。噴霧乾燥、押し出し、収着、乾燥、封入、共結晶化、錯体形成、めっき(plating)、被覆(coating)および/または液滴形成(coacervation)を含むが、しかしこれらに限定されない、固体基材中または固体基材上に揮発性の液体または固体を固定するのに有効な任意の適当な方法を使用してもよい。上記のように、本発明は、再構成されたインスタント飲料の上方のヘッドスペース中に、より大部分の揮発性風味物質が放出される方法を提供する。さらに、本発明は、有益にも、芳香源が多数の揮発性物質からなる場合は、芳香および風味の両方の質的バランスを向上させることもできる。
【0017】
脂溶性揮発性風味材料は、任意選択的に、1つまたは複数の適当な揮発性有機担体を含んでもよく、参照によってその全体の開示がここに組み込まれる特許文献4、特許文献5および特許文献6に記載される揮発性有機担体を含むが、しかしこれらに限定されない。そのような揮発性有機担体の例は、例えば、d−リモネン、2−エチルフラン、酢酸エチルなどを含む。
【0018】
第1成分は、好ましくは、実質的に脂肪を含まない。本明細書中で使用される際に、「実質的に脂肪を含まない」および/または「実質的に無脂肪」は、一杯あたり約2.0g未満の脂肪、好ましくは約1.0g未満の脂肪、およびより好ましくは約0.5g未満の脂肪を含有する材料、成分、またはドライミックス組成物を言う。本明細書中で使用される際に、一杯は、約10〜50gの飲料ミックスおよび/または約6〜8オンスの再構成された飲料を言う。1つの形態において、第1成分は、好ましくは無脂肪(一杯あたり0.1g未満の脂肪を有する)またはローファット(一杯あたり役7g未満の脂肪を有する)である。本明細書中で使用される際に、「ローファット」および/または「低脂肪」は、特定の材料、成分、またはドライミックス組成物中に典型的に存在する脂肪の量を低減または制限するための対策が採られていることを示すために使用される。逆に言えば、「フルファット」は、本明細書中で、典型的に存在する脂肪の量を低減または制限するための対策が採られていない対応する参考の材料、成分、またはドライミックス組成物を表現するために使用される。
【0019】
1つの形態において、第2成分は、脂肪含有材料を含む。本明細書中で使用される際に、「脂肪含有材料」は、再構成された飲料に対して、所望のクリーミーさ、食感、白色度(whiteness)、および/または不透明度を与えまたは増大することができる任意の適当な可食性の水溶性または水分散性の粒子状食品材料を言う。好ましくは、脂肪含有材料は、1つまたは複数のタンパク質または炭水化物材料またはそれらの混合物を含むマトリックス中に分散される1つまたは複数の脂肪を含む。脂肪は、カロリーのあるもの、ノンカロリーのもの、またはそれらの混合物であってもよく、および任意の適当な植物、動物、または他の源から得られまたはこれらに由来する固形脂肪、液体油、脂肪代替品、低HLB乳化剤、または他の水非混和性物質を含む任意の可食性の天然の、合成の、または変性された非揮発性親油性物質を含んでもよい。脂肪は、噴霧乾燥されたクリーマーおよびショートニング粉末中およびカプセル化された風味中によく見られるような、純粋な形態で、風味系の一部として非揮発性担体液体の形態で、または乳化またはカプセル化された液体の液滴、固体粒子、またはそれらの混合物の分散物として存在してもよい。好ましくは、脂肪は、果物、野菜、マメ科植物(legume)、種子、ナッツ、穀物、および乳類を含むがしかしこれらに限定されない植物または動物源から得られまたはこれらに由来する、トリグリセリド類、ジグリセリド類、またはそれらの混合物を含む。適当な脂肪含有材料は、例えば、クリーマー、ショートニング粉末、ホワイトニング組成物およびそれらの混合物を含む。
【0020】
1つの形態において、第2成分中に存在する脂肪は、好ましくは、均質化によって得ることができるような小さな液滴に分散され、および炭水化物またはタンパク質と共に噴霧乾燥して得ることができるような適当な担体中にカプセル化されて、泡形成性または非泡形成性の粒子状クリーマーまたはショートニング材料を形成する。
【0021】
別の形態において、第2成分は、好ましくは、脂肪含有材料の大部分を含有し、およびより好ましくは全てを含有する。従って、第2成分は、好ましくは、第1成分よりも多くの脂肪を含有する。
【0022】
任意選択的な付加的な成分は、第1および/または第2成分中に選択的に分配されて、任意の所望の感覚刺激性の効果、滋養強壮(nutritional fortification)、保管寿命、機能性、およびその他もろもろを提供または増進してもよい。任意選択的な付加的な成分は、泡形成性材料、泡安定化材料、天然および/または人工の甘味料材料、増粘剤材料、風味材料、緩衝材料、色味材料、滋養強壮材料(例えば、ミネラル源、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ビタミン類、植物性栄養素、刺激剤、消化または代謝作用増進剤、および/または必須脂肪酸を含む)、抗酸化材料、保存料材料、ゴム材料、タンパク質材料、部分的または完全に変性されたタンパク質材料、微粒子化されたタンパク質材料、微結晶性セルロース材料、錠剤化エイド材料、結合剤材料、充填材材料、および/またはそれらの混合物を含むが、しかしこれらに限定されない。
【0023】
1つの形態において、1つまたは複数の任意選択的な泡形成性材料は、組成物の第1成分および/または第2成分中に選択的に分配されてもよい。好ましい形態において、任意選択的な泡形成性材料の全てまたは大部分は、第1成分中に組み込まれる。泡形成性材料は、任意の炭酸化試薬、慣用の泡形成体粉末(foamer powder)(ガス注入された噴霧乾燥された牛乳または非乳(non-dairy)クリーマーなど)、加圧ガス泡形成体粉末 (特許文献7、特許文献8、および特許文献9に記載される炭水化物、タンパク質、および可溶性コーヒー加圧ガス泡形成体粉末、および/またはそれらの混合物のような、しかしこれらに限定されない、大気圧を超える圧力で捕捉されたガスを含有する粒子からなる任意の水溶性または水分散性粉末を含む)を含んでもよい。 好ましくは、泡形成性材料は、無脂肪または実質的に無脂肪である。より好ましくは、泡形成性材料は、ガス注入された噴霧乾燥スキムミルク泡形成体および無脂肪加圧ガス泡形成体の混合物からなる。
【0024】
別の形態において、組成物の個別成分として、または泡形成性材料の不可分の一部として、泡安定化タンパク質材料のような任意選択的な泡安定化材料を提供する。泡安定化材料は、例えば、任意の牛乳, 大豆、卵、ゼラチン、および/または他の源から得られる、任意の天然の、分画された、または変性されたタンパク質および/またはタンパク質の混合物を含む、飲料フロスを形成および/または安定化することができる、任意の可溶性の可食性の粒子状タンパク質を含んでもよい。本明細書中で使用される際に、「飲料フロス」、「泡」、「泡形成した表面層」、「泡の表面層」、および「泡層」は、同一の意味を有する。好ましい泡安定化タンパク質材料は、スキムミルク粉末およびカゼイン酸ナトリウムのような噴霧乾燥された脱脂された粉乳、および乳または乳清タンパク質の濃縮物および分離物、分画された乳タンパク質などのような低ラクトース粉乳を含む。
【0025】
任意選択的な泡形成性スキムミルク粉末(「SMP」)の組み込みは、それが同時に、泡形成性材料、泡安定化タンパク質材料、およびノンファットのコーヒーホワイトナーとしての役目を果たすので、特に有利である。適当な泡形成性SMPの代替手段は、例えば、加圧ガスまたはガス注入された噴霧乾燥されたマルトデキストリン類のような、加圧ガスタンパク質泡形成体または泡形成性炭水化物粉末の組み合わせ、および牛乳、大豆、卵、またはゼラチン粉末のような可溶性のタンパク質材料を含む。
【0026】
また、1つまたは複数の任意選択的な着色材料を、成分、飲料、および/またはフロスの色を制御するために、組成物中に選択的に分配してもよい。着色材料は、例えば、コーヒー、紅茶、果物または野菜抽出物、ココアパウダー、天然または人工の食品色味および染料、および/またはそれらの混合物を含む任意の適当な水溶性または水分散性の粒子状着色剤を含んでもよい。好ましい形態において、任意選択的な着色材料の全てまたは大部分は、第2成分中に組み込まれる。例えば、第1成分中に泡形成性材料を含有するカプチーノミックスの第2成分中に、可溶性コーヒーの全てまたは大部分を配置することは、部分部分は白または淡色であり、一方他の部分は茶色または色が濃い、所望のツートンカラーの泡層を生成するために用いることができる。
【0027】
再び図1を参照して、1つの手法に従って、第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、 およびそれによって、脂飲料が調製されるときに飲料上方のヘッドスペース中に溶性揮発性風味材料が放出されることを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程は、液体中の第1成分を再構成して、脂溶性揮発性風味材料を放出する工程;および再構成された第1成分に第2成分を添加する工程(ここで、第2成分は、第1成分よりも多くの脂肪を含有する)を含む。第2成分の不在下で第1成分を再構成することは、両方の成分を同時に再構成することと比較して、有益にも、調製時芳香放出の著しい増大を提供する一方で、望ましくない飲料残留風味を低減する。
【0028】
1つの形態において、パッケージ化された飲料組成物を、温液中で再構成されるときに改善された調製時芳香を有するインスタント飲料を調製するために提供する。パッケージ化された飲料組成物は、別個の第1および第2成分を含み、ここで、第1成分は、芳香源および任意選択的な無脂肪またはローファットの泡形成性材料を含み、および第2成分は、脂肪含有材料(例えば、クリーマーなど)を含み、および従って、前記第1成分よりも多くの脂肪を含有する。第1および第2成分は、例えば、2つの別個のパッケージ中に、または同一のパッケージの別個の区画中に分離されてもよい。好ましくは、組成物は、好ましくはコーヒー、紅茶、果物または野菜抽出物、またはココアパウダーからなる第1および/または第2成分中に、水溶性または水分散性の粒子状着色材料を含む。
【0029】
別の形態において、噴霧乾燥されたコーヒー、クリーム、または他の揮発性風味を含む第1成分が、温水中で再構成され、および続いて第2成分が、再構成された第1成分に添加される、コーヒー飲料を調製するための方法を提供する。第2成分は、好ましくは、噴霧乾燥されたコーヒークリーマーまたは他の飲料ホワイトナーを含む。さらに別の形態において、噴霧乾燥されたコーヒー、クリーム、または他の揮発性風味を含み、およびさらに、無脂肪またはローファットの泡形成性材料を含む第1成分が温水中で再構成され、および噴霧乾燥されたコーヒークリーマーまたは他の飲料ホワイトナーを含む第2成分が、再構成された第1成分に添加される、カプチーノ飲料を調製するための方法を提供する。
【0030】
再び図1を参照して、別の手法に従って、第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、 およびそれによって、飲料が調製されるときに、飲料上方のヘッドスペース中の脂溶性揮発性風味材料の放出を促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程は、脂肪含有材料を構成して、飲料一杯あたり約1.0g未満の脂肪を有する組成物を提供することを含む。
【0031】
1つの形態において、脂肪含有材料は、飲料組成物中の組み込みの際に、飲料一杯(約10〜50gの飲料ミックスおよび/または約6〜8オンスの再構成された飲料)あたり、好ましくは約1.0g未満の脂肪、およびより好ましくは、約0.5g未満の脂肪を有する組成物を提供する、低脂肪泡形成性ホワイトナー組成物である。好ましくは、ホワイトナー組成物は、実質的に無脂肪である。本明細書中で使用される際に、「ホワイトナー組成物」は、コーヒーまたは他の飲料の白色度および/または不透明度を増大させる任意の水溶性または水分散性組成物を言い、およびクリーマーおよびショートニング粉末、粉乳、混濁剤(clouding agents)、人工色味、およびそれらの混合物を含む。そのように構成されて、組成物は、フルファットのホワイトナー(一般的に一杯あたり約1〜7gの脂肪を含有する)に一般的に匹敵するかそれを上回るクリーミーさおよび外観を有し、および有利にも、より強い飲料調製時芳香および低減された飲料残留風味を提供する飲料を製造する。
【0032】
好ましくは、脂肪含有材料および飲料組成物は、両方とも、例えば、水を添加しおよびスプーンで攪拌することによっては液体中に均一に分散することが難しい微結晶性セルロースまたは微粒子化されたタンパク質粉末のような、ノンファットのポリマー脂肪代替物または脂肪代替品を含まない。任意選択的に、脂肪含有材料は、無糖および/または飽和/トランス脂肪フリーであってもよい。
【0033】
別の形態に従って、組成物は、好ましくは1.0g未満の脂肪/一杯、およびより好ましくは0.5g未満の脂肪/1杯を含有して調製される。組成物は、好ましくは、カプセル化された揮発性風味のような脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源のドライミックス、炭酸化試薬または噴霧乾燥された泡形成体のような泡形成性材料、粉乳のような泡安定化タンパク質材料、および粒子状クリーマーのような任意選択的な脂肪含有材料を含む。
【0034】
別の形態において、無脂肪または低脂肪のカプチーノホワイトナーを含有する無脂肪のインスタントカプチーノミックスを調製する。カプチーノミックスは、噴霧乾燥されたコーヒー、クリーム、または他の揮発性風味およびガス注入された噴霧乾燥されたスキムミルク泡形成体を含む。 さらに別の形態において、ローファットのインスタントホットカプチーノミックスは、芳香放出を大きく減じることなく飲料の外観および風味のバランスを増進するのに十分な少量の脂肪を提供する泡形成性または非泡形成性の噴霧乾燥された脂肪を多く含むコーヒークリーマーをさらに含む、低脂肪カプチーノホワイトナーを含有して調製される。他の実施形態は、低脂肪カプチーノホワイトナーに、加圧ガス泡形成体(好ましくは無脂肪)を任意選択的に添加して、飲料フロスおよび芳香放出をさらに増大させ、または噴霧乾燥された脂肪を多く含むコーヒークリーマーを、二酸化チタンを含有する飲料混濁材料のような冷温可溶性(cold-soluble)のクリーマーおよび/または人工色味で置き換えて、冷液中での溶解を促進させることを含む。冷温可溶性のクリーマーは、典型的に、ローファットであるか、または、慣用のクリーマー中に主に使用される固形脂肪または水素添加脂肪(hydrogenated fat)の代わりに、飽和/トランス脂肪フリーの液体油を主に含有するかのいずれかである。任意選択的に、慣用のクリーマーを凝塊形成させおよび/または湿潤剤で被覆して、冷温可溶性のクリーマーを提供してもよい。
【0035】
再び図1を参照して、さらに別の手法によって、第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中で脂溶性揮発性風味材料が溶解することを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに、飲料上方のヘッドスペース中に脂溶性揮発性風味材料が放出されることを促進する脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に増強された芳香放出を提供する工程は、脂肪含有材料を構成して、液体中の遅延分散性を持たせる工程を含む。本明細書中で使用される際に、「遅延分散性」および/または「遅延分散」は、温水または他の温液中で、接触後に、および、好ましくは接触後に連続的に攪拌される場合に、好ましくは少なくとも10秒間、より好ましくは少なくとも20秒間、および最も好ましくは少なくとも30秒間にわたって、完全に分散、溶解、または分解しない組成物を言う。好ましくは、材料は、約3分以内、より好ましくは約2分以内、および最も好ましくは約1分以内に、温水または他の温液中で、完全に分散、溶解、または分解する。そのような接触は、組成物に温水または他の温液を添加する工程、または温水または他の温液に組成物を添加する工程のいずれかによってなされることができる。本明細書中で使用される際に、「温」水または他の「温」液は、周囲室温を超える温度、好ましくは40℃超、より好ましくは50℃超、および最も好ましくは60℃超の水または他の液体を言う。
【0036】
1つの形態において、脂肪含有材料は、液体中の遅延分散性を有する脂肪含有飲料ホワイトナー組成物であり、これは、飲料組成物中に組み込まれる際に、有益にも、同一またはほぼ同一の量の脂肪を含有する慣用のクリーマーを含む、同様に芳香付けされた飲料組成物よりも強い飲料調製時芳香および低減された飲料残留風味を含む飲料を製造する。そのように構成されて、遅延分散ホワイトナー組成物は、任意のインスタントまたは淹れたコーヒー飲料と組み合わせて、改善された芳香を有する白くされたコーヒー飲料を製造してもよい。遅延分散ホワイトナー組成物は、フルファットから低脂肪または実質的に無脂肪に及んでもよく、および任意選択的に、無糖または飽和/トランス脂肪フリーに製造することができる。
【0037】
別の形態に従って、ドライミックス飲料組成物は、カプセル化された揮発性風味のような遅延分散ホワイトナー組成物および脂溶性揮発性風味材料を含んで調製される。組成物は、任意選択的に、泡の表面層を有するカプチーノタイプの飲料を製造 するために有効な泡形成性材料および泡安定化タンパク質材料を含む。
【0038】
別の形態に従って、インスタントコーヒーミックスは、コーヒー、クリーム、または他の揮発性風味のような、遅延分散ホワイトナー組成物および芳香源を含んで調製される。遅延分散ホワイトナー組成物は、好ましくは、変性前の同一のクリーマーまたはショートニング粉末よりもゆっくりと水中に分散する、物理的に変性されたフルファットのコーヒークリーマーまたはショートニング粉末を含む。さらに別の形態において、遅延分散ホワイトナー組成物および芳香源に加えて、泡形成性材料および泡安定化タンパク質材料を含むインスタントカプチーノミックスが調製される。さらなる形態において、物理的に変性されたフルファットのコーヒークリーマーが、物理的に変性された低脂肪コーヒークリーマーで置き換えられた、インスタントカプチーノミックスが調製される。そのようなミックスは、任意選択的に、二酸化チタンを含有する飲料混濁のような人工色味を含んでもよい。任意選択的に、物理的に変性されたフルファットのコーヒークリーマーは、物理的に変性された冷温可溶性のクリーマーで置き換えて、冷液中の溶解を可能にしてもよい。
【0039】
遅延分散ホワイトナー組成物中の脂肪含有材料は、慣用のコーヒークリーマーよりも遅い水中分散を提供する、脂肪酸または脂肪アルコールのような天然または合成の脂肪、油、脂肪代替品、低HLB乳化剤、または他の水非混和性物質、および/またはそれらの混合物を含有する任意の適当な粒子状材料であってもよい。好ましくは、脂肪含有材料は、物理的に変性されたフルファットのクリーマー組成物である。任意選択的に、脂肪含有材料は、実質的に乳脂肪を含まない非乳クリーマー組成物である。
【0040】
遅延分散は、任意の多数の技術(すなわち、物理的な変性)によって達成され得る。1つの手法によって、慣用の泡形成性または非泡形成性クリーマー粉末またはショートニング粉末は、水中分散を遅延させるのに有効な任意の適当な方法を用いて、被覆され、凝塊形成され、粒状にされ、カプセル化され、圧密化され、錠剤化され、押し出しされ、変性され、または硬化されることができる。別の手法によって、慣用のクリーマーまたはショートニング粉末中の脂肪成分、典型的には、約30〜50℃の融点を有する乳脂肪、パーム脂肪、ココナツ脂肪、または水素添加大豆、菜種、ヒマワリまたは他の油のような主に 固形脂肪を、部分的または全体的に、並外れて高い融点(すなわち、約50℃)を有するトリステアリンのような脂肪成分で置き換えて、分散を遅延させることができる。別の適当な手法は、任意の可食性の、天然または合成の、有機または無機の、食品または非食品源から得られる、アミロース、シクロデキストリン、分子篩、多孔質または非多孔質の収着剤、タンパク質、ゴム、またはポリマー、および/またはそれらの混合物を含むがしかしこれらに限定されない粒子状材料中に脂肪をカプセル化、錯化、封鎖、収着、またはキレート化することによって、分散を遅延させるのに有効な代替手段の脂肪含有材料を作り出すことである。
【0041】
さらに別の形態において、脂肪含有遅延分散ホワイトナー組成物は、(1)クリーマー粉末およびショートニング粉末からなる群から選択される粉末を、軟化点を超える温度まで加熱する工程、または(2)および結合剤のブレンドを、粉末および/または結合剤の軟化点を超える温度にまで加熱する工程、および(3)加熱された粉末または粉末および結合剤のブレンドを、粉末および/または結合剤の軟化点未満の温度にまで冷却する工程によって調製される。
【0042】
本明細書中で使用される際に、「クリーマー粉末」および「ショートニング粉末」は、少なくとも約5重量%、好ましくは少なくとも約15重量%、およびより好ましくは少なくとも約25重量%の、ドライミックスから調製される食品または飲料の白色度および/または不透明度を増大させるために有効な分散乳化脂肪を含有する任意の水溶性または水分散性粉末を言う。本明細書中で使用される際に、「軟化点」は、固体物質を含む粒子中に存在する分子が、粒子が粘着性になり、または変形または流動するのを可能にするために必要とされる易動性を獲得し始める、アモルファス固体のガラス転移温度または結晶性固体の融点のような温度を言い、これは、連続加熱および/または力の適用、個々の粒子が近接において物理的に相互作用して、凝集体または顆粒を形成するのを可能にする工程によって達成されてもよい。適当なクリーマー粉末およびショートニング粉末は、例えば、噴霧乾燥された脂肪を多く含むコーヒークリーマー粉末またはショートニング粉末を含む。適当な結合剤は、例えば、可食性の炭水化物、タンパク質、または他のポリマー、糖、および糖アルコールを含む。好ましくは、結合剤は、糖アルコール、およびより好ましくは、ラクチトールまたはラクチトール1水和物である。他の適当な糖アルコールは、マルチトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、キシリトール、イソマルト(isomalt)、水素添加デンプン加水分解物、およびそれらの水和物を含んでもよい。
【0043】
あるいはまた、脂肪含有遅延分散ホワイトナー組成物は、クリーマー粉末またはショートニング粉末を、単独またはドライブレンド中で好ましくはノンファットの錠剤化エイドと共に圧密化する工程、および任意選択的に、粉砕する工程および/または結果として得られる凝集体を篩がけする工程によって調製されてもよい。
【0044】
遅延分散ホワイトナー組成物は、任意の適当な比の、クリーマーまたはショートニング粉末のような脂肪含有材料、および別個の成分を、遅延分散を提供することができる単一の材料に組み合わせるために有効な結合剤または錠剤化エイドを用いて製造されてもよい。適当な範囲は、例えば、1:10から10:1、より好ましくは1:5から5:1、および最も好ましくは1:3から3:1を含んでもよい。一般に、結合剤または錠剤化エイドの脂肪含有材料に対する比を増大させると、脂肪含有材料の分散が遅延される程度が増大する。
【0045】
さらに別の形態に従って、粒状の飲料クリーマー組成物は、好ましくは約0.8g/cc超、より好ましくは約0.9g/cc超、および最も好ましくは約1.0g/cc超の見掛け粒子密度を有して調製される。本明細書中で使用される際に、「見掛け粒子密度」は、ガスピクノメトリを用いて測定される際の、粒子状固体を含む粉末または顆粒の所与の重量の容積を決定する際の粒子状固体の密度を言う。容積は、任意の内部空隙または周囲雰囲気に近接する孔隙を含むが、しかし、別個の粒子間の外部空間は除外する。好ましくは、粒状の飲料クリーマー組成物は、好ましくは約0.3mm超、より好ましくは約0.4mm超、および最も好ましくは約0.5mm超の最小直径を有し、好ましくは約15mm未満、より好ましくは約10mm未満、および最も好ましくは約5mm未満である最大粒子直径を有する粒径を有する。組成物は、好ましくは、接触後に、好ましくは接触後に連続的な攪拌を用いて、温水または他の温液中に完全に分散するのに、約10秒よりも長く、より好ましくは約20秒よりも長く、および最も好ましくは約30秒よりも長くかかる。組成物は、好ましくは、約3分以内、より好ましくは約2分以内、最も好ましくは約1分以内に、温水または他の温液中に完全に分散する。
【0046】
本発明の方法は、任意の多数のインスタント食品および/または飲料製品を調製するために使用されてもよい。本明細書中で使用される際に、飲料組成物は、例えば、コーヒー ミックス、ラッテミックス、カプチーノミックス、茶ミックス、ココアミックス、滋養ミックス、デザートミックス、トッピングミックス、スープミックス、その他もろもろを含む食品および/または飲料製品を調製するための組成物を言う。
【実施例】
【0047】
以下の実施例は、さらに、本発明の様々な特徴を説明するが、しかし、添付した特許請求の範囲に説明される本発明の範囲を制限するものではない。特に断りのない限り、全ての百分率および比は、重量に基づく。本明細書中に引用される全ての参考文献は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0048】
実施例1
以下の実施例は、65mmの内径を有する250mLのビーカー中で150mlの温水(88℃)を用いて再構成されたインスタントカプチーノミックスにおける本発明の利益を明らかにする。
【0049】
実質的に脂肪を含まない第1成分を、以下のように配合した:
(1)0.22g/ccのかさ密度および0.31g/ccのタップ密度を有する低密度の噴霧乾燥された脂肪(残留乳脂肪)1%のSMP泡形成性材料(Diehl Foods;Defiance、オハイオ州) 5.5g;
(2)その純粋な形態において25℃および大気圧で主に液体または固体であり、300℃、200℃、または150度未満の個々の沸点を有する多くの脂溶性または脂混和性の臭気活性揮発性化学成分を含む、約4重量%の風味を含有する粉末を提供するためにアモルファス粒子状炭水化物担体中にカプセル化された複合風味混合物からなる、脂肪(非揮発性担体液体として使用されるトリグリセリド分画されたココナツ油)6%の噴霧乾燥された人工コーヒー風味(「ACF」)0.2gを含む芳香源(人工コーヒー風味SD7887−158;Kraft Foods;Glenview、イリノイ州);および
(3)噴霧乾燥された可溶性コーヒー(「SC」)(SR1可溶性コーヒー粉末; Kraft Foods;Banbury、イギリス) 0.25g。
【0050】
第2成分を以下のように配合した:
(1)噴霧乾燥されたSC 1.75 g;
(2)0.46g/ccのかさ密度および0.54g/ccのタップ密度を有する高密度の噴霧乾燥された脂肪(水素添加ココナツ油)50%の非泡形成性クリーマー2.5gを含む脂肪含有材料(Kievit;オランダ);および
(3)砂糖 4g。
【0051】
第1成分の再構成(温水添加および攪拌による)は、コーヒー調製時芳香の強いバーストおよび一般的に均一に色づいたオフホワイトのフロスを生成する。それに続く、再構成された第1成分中への第2成分の添加および攪拌は、低い残留ACF風味およびオフホワイトのフロスの至るところにはっきりとした茶色の筋および渦を有する所望のツートンカラーのフロス(高さ約9mm)を有する完成カプチーノ飲料を製造した。比較によって、温水を添加しおよび攪拌することによって第1および第2成分を含む混合物を同時に再構成することは、茶色のフロス(高さ約10mm)、および著しく弱い芳香およびより強い残留風味を有する完成カプチーノ飲料を製造した。
【0052】
実施例2
実質的に脂肪を含まない第1成分を、以下のように配合した:
(1)乾燥重量ベースで、約8%のオクテニルコハク酸ナトリウム(sodium octenylsuccinate)置換デンプンおよび約92%のマルトデキストリンを含み、および約20cc/gのカプセル化された加圧窒素ガス含有量を有する、特許文献7の実施例2に一般的に記載されるように調製された無脂肪の加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3g;
(2)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料 3g;
(3)実施例1の、脂肪6%の噴霧乾燥されたACF0.2gを含む芳香源;および
(4)実施例1の噴霧乾燥されたSC 0.25g。
【0053】
第2成分を、以下のように配合した:
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 1.75g;
(2) 砂糖 4g;および
(3)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性クリーマー2.5gを含む脂肪含有材料。
【0054】
第1成分を、温水を添加しおよび攪拌することによって再構成し、その後続いて、再構成された第1成分に第2成分を添加しおよび攪拌した。さらに大きな調製時芳香強度、より低い残留風味、およびはるかに大きなフロス高さ(約27mm)を有する、実施例1において観察された結果と同様の結果が得られた。比較によって、温水を添加しおよび攪拌することによって第1および第2成分を含む混合物を同時に再構成することは、茶色のフロス(高さ約30mm)および著しく弱い芳香およびより強い残留風味を有する完成カプチーノ飲料を製造した。
【0055】
実施例3
実質的に脂肪を含まない第1成分を、以下のように配合した:
(1)0.12g/ccのかさ密度および0.15g/ccのタップ密度を有する低密度の噴霧乾燥された10DEマルトデキストリン粉末(Grain Processing Corporation;Muscatine、アイオワ州)泡形成性材料 5g;
(2)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料 2g;
(3)実施例1の、脂肪6%の噴霧乾燥されたACF0.2gを含む芳香源;および
(4)実施例1の噴霧乾燥されたSC 0.25g。
【0056】
第2成分を、以下のように配合した:
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 1.75g;
(2)砂糖 4g;および
(3)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性クリーマー2.5gを含む脂肪含有材料。
【0057】
第1成分の再構成(温水添加および攪拌による)は、コーヒー調製時芳香の強いバーストおよび一般的に均一に色づいたオフホワイトのフロスを生成した。それに続く、再構成された第1成分中への第2成分の添加および攪拌は、低い残留ACF風味およびオフホワイトのフロスの至るところにはっきりとした茶色の筋および渦を有する所望のツートンカラーのフロス(高さ約10mm)を有する完成カプチーノ飲料を製造した。比較によって、第1および第2成分を含む混合物を(温水を添加しおよび攪拌することによって)同時に再構成することは、茶色のフロス(高さ約10mm)および著しく弱い芳香およびより強い残留風味を有する完成カプチーノ飲料を製造した。
【0058】
実施例4
実質的に脂肪を含まない第1成分を、以下のように配合した:
(1)実施例2の、無脂肪の加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3g;
(2)0.24g/ccのかさ密度および0.33g/ccのタップ密度を有する低密度の噴霧乾燥された脂肪(残留乳脂肪)1%のSMP泡形成性材料(Diehl Foods;Defiance、オハイオ州) 3g;
(3)その純粋な形態で25℃および大気圧で主に液体または固体であり、300℃、200℃、または150℃未満の個々の沸点を有する脂溶性または脂混和性の臭気活性揮発性化学成分を含む複合風味混合物からなる、脂肪(非揮発性担体液体として使用されるトリグリセリドココナツパーム核油)0.2%の噴霧乾燥された天然&人工クリーム風味(「N&ACF」)0.2gを含む芳香源(IFFクリーム風味;International Flovours & Fragrances Inc.;New York、ニューヨーク州);および
(4)実施例1の噴霧乾燥されたSC 0.25g。
【0059】
第2成分を、以下のように配合した:
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 1.75g;
(2)砂糖 4g;および
(3)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性クリーマー2.5gを含む脂肪含有材料。
【0060】
第1成分の再構成(温水添加および攪拌による)は、クリーム調製時芳香の強いバーストおよび一般的に均一に色づいたオフホワイトのフロスを生成した。それに続く、再構成された第1成分中への第2成分の添加および攪拌は、低い残留クリーム風味、およびオフホワイトのフロスの至るところにはっきりとした茶色の筋および渦を有する所望のツートンカラーのフロス(高さ約35mm)を有する、完成カプチーノ飲料を製造した。比較によって、温水を添加しおよび攪拌することによって第1および第2成分を含む混合物を同時に再構成することは、茶色のフロス(高さ約35mm)および著しく弱い芳香およびより強い残留風味を有する完成カプチーノ飲料を製造した。
【0061】
実施例5
1g未満の脂肪を含有するカプチーノミックスを、以下のように調製した:
【0062】
第1成分は:
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 2g;
(2)砂糖 4g;および
(3)実施例1の、脂肪6%の噴霧乾燥されたACF0.2gを含む芳香源;および
(4)実施例2の、無脂肪の加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3g
から構成された。
【0063】
第2成分は:
(1)実施例1の噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料4gを含む脂肪含有材料
から構成された。
【0064】
カプチーノミックスは、再構成されて(第1および第2成分をブレンドする工程、および温水を添加する工程、および攪拌する工程による)、フロス(高さ約35mm)を有する、強いコーヒー調製時芳香、低い残留ACF風味、および良好な飲料 クリーミーさおよびホワイトニングを有する実質的に無脂肪のカプチーノ飲料を製造した。第2成分は、約0.04gの脂肪(約1重量%)を含有していた。
【0065】
参考ミックスは、第2成分に対する実施例1の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー2.5gの添加を伴う、同一の材料から構成され、フロス(高さ約32mm)を有する、より弱い芳香およびより強い残留風味を有する、いくらか、より白くされたカプチーノ飲料を製造した。第2成分は、約1.29gの脂肪(約20重量%)を含有していた。
【0066】
実施例6
実施例5のカプチーノミックスは、第2成分に対して実施例1の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー0.8gを添加して調製された。ミックスを再構成して(第1および第2成分をブレンドする工程、温水を添加する工程、および攪拌する工程による)、強いコーヒー調製時芳香 および低い残留ACF風味を有し、フロス(高さ約35mm)を有する、実質的に無脂肪の飲料を製造した。第2成分に対する、脂肪を多く含むクリーマー(約0.4gの脂肪)のこの少量の添加は、全体的な飲料のクリーミーさ、風味バランス、およびホワイトニングを改善した。結果として得られる第2成分は、約0.44gの脂肪(約9重量%)を含有していた。結果として得られるカプチーノミックスは、1g未満の脂肪を含有していた。
【0067】
参考ミックスは、第2成分に対する実施例1の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー2.5gの添加を伴う同一の材料から構成されて、同様に再構成されたときに、フロス(高さ約32mm)および実質的により弱い芳香およびより強い残留風味を有する、より白くされた飲料を製造した。第2成分は、約1.69gの脂肪(約23重量%)を含有していた。
【0068】
実施例7
1g未満の脂肪を含有するカプチーノミックスを、以下のように配合した:
【0069】
第1成分は:
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 2g;
(2)砂糖 4g;および
(3)実施例4の、脂肪0.2%の噴霧乾燥されたN&ACF 0.2gを含む芳香源;および
(4)実施例2の、無脂肪の加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3g
から構成された。
【0070】
第2成分は:
(1)実施例4の、噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料4gを含む脂肪含有材料
から構成された。
【0071】
ミックスは、再構成されて(第1および第2成分をブレンドする工程、温水を添加する工程、および攪拌する工程による)、強いコーヒー調製時芳香、低い残留クリーム風味、および良好な飲料のクリーミーさおよびホワイトニングを有する、フロス(高さ約39mm)を有する、実質的に無脂肪のカプチーノ飲料を製造した。第2成分は、約0.04gの脂肪(約1重量%)を含有していた。
【0072】
参考ミックスは、第2成分に対する実施例1の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー2.5gの添加を伴う同一の材料から構成され、約1.29gの脂肪(約20重量%)を含有する第2成分を提供した。これは、同様に再構成されたときに、より弱い芳香およびより強い残留風味を有する、フロス(高さ約37mm)を有する、いくらか、より白くされたカプチーノ飲料を製造した。
【0073】
従って、泡形成性SMPまたは適当な代替手段を用いて、慣用のカプチーノクリーマーを配合するために典型的に使用される脂肪を多く含む泡形成性クリーマーの全てまたは一部を置き換えることによって、慣用のフルファットの製品より強い芳香を有する低脂肪インスタント飲料を得ることができることが観察された。泡形成性SMPの使用は、それが、泡形成性材料および泡安定化タンパク質材料の両方としての役目を果たすので、特に有利である。
【0074】
実施例8
カプチーノ参考ミックスを、以下のように配合した:
【0075】
第1成分は、
(1)実施例1の噴霧乾燥されたSC 2g;
(2)砂糖 4g;
(3)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料 6g;および
(4)実施例1の、噴霧乾燥されたACF 0.2gを含む芳香源
から構成された。
【0076】
第2成分は:
(1)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー2.4gを含む脂肪含有材料
から構成された。
【0077】
参考ミックスは、再構成されて(第1および第2成分をブレンドする工程、温水を添加する工程による)、弱い調製時芳香、強い残留ACF風味、および良好な飲料のクリーミーおよびホワイトニングを有する、フロス(高さ約12mm)を有する、カプチーノ飲料を製造した。ミックスは、水の添加後、攪拌なしで、約15秒以内に完全に溶解した。
【0078】
遅延分散クリーマー組成物を、参考ミックスの噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー10gを8インチの焼き型(baking pan)中に広げる工程、および焼き型を100℃のオーブン中に30分間にわたって配置することによってこのアモルファスクリーマー粉末をその軟化点(およそ50℃のガラス転移温度)を超えるまで加熱する工程によって調製した。加熱から取り除く工程および室温まで冷却する工程の後、遅延分散クリーマー組成物は、ほとんど等量の微粉末および軟固化(soft-cake)凝集体の混合物から構成されていた。
【0079】
参考ミックスの噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマーを、同重量の遅延分散組成物で置き換えた以外は、参考ミックスと同一であるカプチーノミックスを調製した。ミックスを再構成して(第1および第2成分をブレンドする工程、および温水を添加する工程による)、著しくより強い調製時芳香、著しくより弱い残留ACF風味、および同様の飲料のクリーミーさおよびホワイトニングを有する、フロス(高さ約12mm)を有するカプチーノ飲料を製造した。カプチーノミックスは、水の添加後、攪拌なしで、約30秒間で完全に溶解した。遅延分散クリーマー組成物は、いくらか遅延した水中分散を示し、これは、有益にも、飲料調製時芳香放出を増大し、および残留風味を低減した。
【0080】
実施例9
次に、第2の遅延分散クリーマー組成物を、実施例8の参考ミックスの噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー10gを、8インチの焼き型中に広げる工程および、焼き型を120℃のオーブンに15分間にわたって配置することによってクリーマーをその軟化点を超えるまで加熱する工程によって、調製した。加熱から取り除く工程および室温まで冷却する工程の後、遅延分散組成物は、いくらか茶色になった軟固化シートを含んでいた。シートは、容易に粉砕されて、約3mm未満の粒径を有する粒状の遅延分散クリーマー組成物を製造した。
【0081】
参考ミックスの噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマーが、同重量の粒状の遅延分散クリーマー組成物によって置き換えられた以外は、実施例8の参考ミックスと同一であるカプチーノミックスを調製した。ミックスは、再構成されて(温水を添加する工程による)、さらにより強い調製時芳香、さらにより弱い残留ACF風味、および同様の飲料のクリーミーさおよびホワイトニングを有する、フロス(高さ約12mm)を有するカプチーノ飲料を製造した。カプチーノミックスは、水の添加後、攪拌なしで、約30秒間で完全に溶解した。粒状の遅延分散組成物クリーマーは、いくらか遅延した水中分散を示し、これれは、有益にも、飲料調製時芳香放出を増大し、および残留風味を低減した。
【0082】
実施例10
次に、実施例8の参考ミックスと同一の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマーのサンプル5gを、結晶性ラクチトール1水和物(融点95℃)の粉末10gと混合して、クリーマー粉末のための溶融可能な結合剤を提供する工程によって、第3の遅延分散クリーマー組成物を調製した。クリーマー−ラクチトール混合物を、8インチの焼き型中に広げ、および焼き型を120℃のオーブン中に15分間にわたって配置する工程によって、クリーマーおよび結合剤の軟化点を超えるまで加熱した。加熱から取り除く工程および室温まで冷却する工程の後、クリーマー−ラクチトール混合物は、いくらか茶色になった硬固化(hard-cake)シートを含んでいた。シートは、容易に粉砕されて、約3mm未満の粒径を有する粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物を製造した。
【0083】
参考ミックスの噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマーが、7.2gの粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物によって置き換えられて、実施例において使用されるのと同量のクリーマーおよび脂肪を提供すること以外は、実施例8および9の参考ミックスと同一であるカプチーノミックスを調製した。ミックスは、再構成されて(温水を添加する工程による)、さらにより強い調製時芳香、さらにより弱い残留ACF風味、および同様の飲料のクリーミーさおよびホワイトニングを有する、フロス(高さ13mm)を有するカプチーノ飲料を製造した。クリーマー−ラクチトール顆粒の大多数は、ビーカーの底に沈み、および水の添加後ゆっくりと分散した。顆粒の大部分は、水の添加後1分で完全に溶解せず、および飲料は、続いて約30秒間にわたって攪拌されて、顆粒を完全に溶解した。粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物は、大いに遅延した水中分散を示し、これは、有益にも、大いに増大された飲料調製時芳香放出および大いに低減された残留風味を提供した。クリーマー−ラクチトール顆粒の大多数の非常に遅い分散にもかかわらず、カプチーノ飲料は、水の添加後すぐに、ミックス中のSMPの存在に少なくとも一部起因する、非常に良好なホワイトニングを示し、および完全な溶解の後、いくらか、より白くなった。
【0084】
実施例8の参考ミックスの未処理クリーマーを実施例8、9または10の遅延分散クリーマーで置き換えることもまた、再構成された参考ミックスと比較して、再構成されたカプチーノ飲料において、芳香および残留風味の両方の感覚的なバランスを改善した。実施例8および9のクリーマー凝集体は、非常に脆く、および他のカプチーノミックス成分との長期にわたる乾燥混合によって、微粉末に容易に粉状にされ得る。対照的に、実施例10のクリーマー−ラクチトール顆粒は、有益にも、長期にわたる乾燥混合による寸法減少に対してはるかに硬くおよびはるかに耐性があり、有益にも、カプチーノミックス中で菓子類の一部の外観を有し、および、所望ならば、風味付けおよび/または色味付けされて、さらに、感覚的および/または視覚的な利益を提供し得る。クリーマーおよびクリーマー−結合剤組成物および割合、粉体層(powder bed)深さ、加熱時間、加熱温度、粒径、および粒子形態を制御して、所望の風味、外観、混合および取扱いの間の破砕に対する耐性、遅延分散の程度、および特定の製品用途のための実用性および品質を最適化するための他の特性を提供することができる。クリーマー粉末結合剤としてのラクチトール1水和物の使用は、それが牛乳に由来しおよび相対的に低い溶融温度を有するので、カプチーノミックス中で特に有利であるが、しかしながら、他の糖アルコール、糖類、炭水化物、ラクトース含有粉乳等、またはそれらの混合物もまた、有益にも、急速溶解性の慣用の噴霧乾燥されたクリーマー粉末を、より有用な液体中の遅延分散を有する硬化された顆粒に変換するために採用され得る。
【0085】
実施例11
実施例10の粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物の追加のバッチを調製し、および泡形成性インスタントカプチーノ飲料ミックスを配合するために使用した。組成物は、約1.4g/ccの見掛け粒子密度を有していた。8〜20メッシュの篩(0.85〜2.36mm)間で収集された分画サイズを使用して、以下のようにカプチーノミックスを配合した:
【0086】
第1成分は:
(1)砂糖 4g;
(2)噴霧乾燥されたSC 2g;
(3)低密度の噴霧乾燥された脂肪(残留乳脂肪)1%のSMP泡形成性材料 (Kerry Foods;アイルランド) 3.1g;
(4)実施例2の、無脂肪の加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3.0g;および
(5)複合風味混合物から構成され、アモルファス粒子状炭水化物担体中にカプセル化されて、約3重量%の風味を含有する粉末を提供し、その純粋な形態において、25℃および大気圧で主にに液体または固体であり、300℃、200℃、または150℃未満の個々の沸点を有し、多くの脂溶性または脂混和性の臭気活性揮発性化学成分を含む、脂肪(非揮発性担体液体として使用されるトリグリセリド分画されたココナツ油) 5%の噴霧乾燥されたACF0.08gを含む芳香源(人工コーヒー風味SD 7887−166−1(55243A;ACOF−1);Kraft Foods;Glenview、イリノイ州)
から構成された。
【0087】
第2成分は:
(1)粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物7.2gを含む脂肪含有材料
から構成された。
【0088】
第1および第2成分をブレンドする工程、温水を添加する工程、および攪拌する工程によって、ミックスを再構成したときに、遅延分散クリーマー−ラクチトール顆粒は、ビーカーの底に沈み、および約2分間かけてゆっくりと分散した。同一の材料からなる参考ミックスは、粒状のクリーマー−ラクチトール組成物7.2gを、噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマー4.8gおよび実施例10の結晶性ラクチトール1水和物2.4gで置き換えたこと以外は、同様に調製され、および同様に再構成されたときに約15秒間で分散した。
【0089】
ミックス再構成後に、両方のミックスに関して、開放系動的ガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)飲料ヘッドスペース分析を行った。この分析は、飲料上方のいくつかの異なる定位置で、一定期間にわたって、飲料ヘッドスペースからの一定容積の空気サンプルを収集する工程、空気サンプルを組み合わせる(combining)工程、組み合わせられた空気サンプル中に存在する芳香の臭気活性揮発性化学成分を吸収剤材料上に捕捉する工程、不活性担体ガスで吸収剤材料をガスクロマトグラフ中に一掃することによって芳香成分を脱着させて、混合物からの個々の芳香成分を分離させる工程、および、次いで、質量分析法の分析を用いて個々の芳香成分を定量化して、各成分を同定する工程によって行われた。
【0090】
この手順を用いて、全部で22種類の異なるコーヒーの芳香化合物を同時に分析した。粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された再構成されたカプチーノミックスは、サンプリングしおよび分析した第1期間(10〜20秒間)の間に、再構成された参考ミックスに関してサンプリングしおよび分析した同一期間と対比して、改善された芳香放出を示した。粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された再構成されたカプチーノミックスの上方から10〜20秒の期間にサンプリングされた、ヘッドスペース中に存在する22種類の個々のコーヒーの芳香化合物の各濃度は、再構成された参考ミックスの上方から同様にサンプリングされたヘッドスペース中に存在する同一のコーヒーの芳香化合物の濃度の約1〜5倍の範囲に及んだ。粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された再構成されたカプチーノミックスの上方から10〜20秒の期間にサンプリングされた、ヘッドスペース中に存在する22種類の異なるコーヒーの芳香化合物の総量は、参考ミックスの上方から同様にサンプリングされた、ヘッドスペース中に存在する同一のコーヒーの芳香化合物の総量よりも、およそ2.5倍多く、コーヒーの芳香濃度のおよそ150%増大に相当した。
【0091】
加えて、訓練されたパネルのメンバーが、ブラインド形式を用いて、上記の同一のカプチーノミックスと全く同一のサンプルを、個々に再構成し、および感覚的に評価し、および参考ミックスから調製された飲料よりも調製時芳香インパクトが著しく強い粒状のクリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を格付けした。パネルは、粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を、参考ミックスから調製された飲料よりも強い全体的な芳香インパクトおよび強いコーヒーの芳香インパクトを有すると格付けした。また、粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料は、参考ミックスから調製された飲料よりも低い残留ACF風味を有していた。
【0092】
加えて、29人の男性および35人の女性から構成される64人の訓練されていない消費者パネルのメンバーが、ブラインド形式を用いて、上記の同一のカプチーノミックスと全く同一のサンプルを、無作為化された順番で、個々に再構成し、および感覚的に評価し、参考ミックスから調製された飲料よりも調製時芳香インパクトが著しく強い粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を格付けした。消費者パネルは、統計的信頼度93%で、粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を、参考ミックスから調製された飲料よりも強い全体的な芳香インパクトおよび強いコーヒーの芳香インパクトを有すると格付けした。再構成されたミックスは、両方とも、同様のクリーミーさ、ホワイトニング、およびフロス高さ(約35mm)を有する飲料を提供した。
【0093】
実施例12
実施例11の粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物の追加のバッチを調製し、および実施例11と同一であるがしかしACFの添加のないカプチーノミックスおよび参考ミックス製品を調製した。同一の訓練されたパネルのメンバーは、ブラインド形式を用いて、両方のミックスを個々に再構成しおよび感覚的に評価し、および参考ミックスから調製された飲料よりも調製時芳香インパクトが著しく強い粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を格付けした。パネルは、粒状の遅延分散クリーマー−ラクチトール組成物を用いて配合された飲料を、参考ミックスから調製された飲料よりも高い全体的な芳香インパクトおよび高い焙煎された芳香インパクトを有すると格付けした。これは、驚くべきことに、未処理クリーマーの代わりに遅延分散クリーマーとして粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物をカプチーノミックス中に使用すると、可溶性コーヒー粉末中の少量の自然発生的な脂溶性揮発性風味材料の存在に起因して、可溶性コーヒー粉末によって提供される通常は比較的弱い固有の調製時芳香を増強するのに有効であることを示した。再構成されたミックスは、両方とも、実施例11の飲料と同様のクリーミーさ、ホワイトニング、およびフロス高さを有する飲料を提供した。加えて、カプチーノミックスおよび参考ミックスの分散時間は、実施例11のものと同様であった。
【0094】
実施例13
実施例10の粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物の追加のバッチを調製し、クリーマー−ラクチトール顆粒を篩がけして、種々の粒径分画の範囲を得、および各サイズ分画を別個に使用して、そのほかの点では実施例10と同一のカプチーノミックス組成物を配合した。また、実施例8の参考ミックスを調製した。8〜20メッシュの篩(0.85〜2.36mm)、20〜40メッシュの篩(0.425〜0.85mm)、およびより小さい(0.425mm未満)の間に収集されるサイズ分画を使用して、ミックスを調製した。より大きいサイズ分画は、所望の均一の粒状の外観を有していたが、一方、より小さいサイズ分画は、あまり望ましくない、より粉末様の外観を有していた。ミックスの再構成(温水を添加する工程および攪拌する工程による)の際に、粒状の遅延分散クリーマーラクチトール組成物の、より大きいサイズ分画のみが、同様に再構成されたときに約15秒間で分散する参考ミックスよりもゆっくりと分散した。20〜40メッシュのサイズのクリーマー−ラクチトール分画は、より小さいサイズ分画および実施例10の分画サイズの間の中間の速度で分散した。水添加直後に攪拌を開始したときに、20〜40メッシュのクリーマー−ラクチトールサイズ分画は、約45秒間で分散し、40メッシュよりも小さいサイズ分画は、約15秒間で分散し、および8〜20メッシュのサイズ分画は、実施例10に最も近く、約90秒間で分散した。比較によって、同一の組成物を、温水添加によって攪拌なしで再構成するとき、8〜20メッシュのクリーマー−ラクチトールのサイズ分画は、約3分で分散し、および20〜40メッシュのサイズ分画は、約1.5分で分散した。攪拌された飲料からの芳香放出を、非公式の官能試験を用いて評価した。8〜20メッシュのクリーマー−ラクチトールのサイズ分画を用いて調製された飲料は、最も強い芳香および最も弱い残留ACF風味を生成し、20〜40メッシュのサイズ分画を用いて調製された飲料は、二番目に最も強い芳香および二番目に最も弱い残留ACF風味を生成し、および参考ミックスは、最も弱い芳香および最も強い残留ACF風味を生成した。クリーマー−ラクチトールの40メッシュよりも小さいサイズ分画を用いて調製した飲料は、より大きいサイズ分画よりも実質的に弱い芳香強度および実質的に強い残留ACF風味を生成し、および参考ミックスよりも実質的に強い芳香または実質的に弱い残留ACF風味を生成しなかった。それぞれの攪拌された飲料は、約12mmのフロスを生成し、および同程度の飲料のクリーミーさおよびホワイトニングを提供した。
【0095】
実施例14
実施例1の噴霧乾燥された脂肪50%の非泡形成性コーヒークリーマーは、以下の手順に従って、Domino(登録商標)上白糖と混合されてクリーマー粉末用の錠剤化エイドを提供し、および圧縮されて錠剤を形成した。クリーマー1.2gおよび砂糖1.2gから構成されるドライブレンドを、1.0平方インチの断面積を有する円筒状の錠剤形成ダイに注いだ。混合物は、1000psiの圧力が達成されるまで、5mm/分のインストロンクロスヘッド速度で圧縮された。錠剤は、ダイから除去され、スパチュラで破壊することによって粉砕され、および篩がけされて、およそ2〜4mmの遅延分散クリーマー−砂糖顆粒を提供した。追加の遅延分散クリーマー−砂糖顆粒を同様に製造して、泡形成性インスタントカプチーノミックスを配合するために十分な量を提供した。結果として得られるクリーマー−砂糖組成物は、粉砕後に、約1.3g/ccの見掛け粒子密度を有していた。5〜8メッシュの篩(2.36〜4mm)の間に収集された分画サイズを使用して、以下のように、カプチーノミックスを配合した:
【0096】
第1成分は:
(1)砂糖 1.6g;
(2)実施例1の噴霧乾燥されたSC 2g;
(3)実施例1の、噴霧乾燥された脂肪1%のSMP泡形成性材料 3.1g;
(4)実施例2の無脂肪加圧ガス炭水化物粉末泡形成性材料 3.0g;および
(5)実施例11の脂肪5%の噴霧乾燥されたACF 0.08gを含む芳香源
から構成された。
【0097】
第2成分は:
(1)遅延分散クリーマー−砂糖顆粒4.8gを含む脂肪含有材料
から構成された。
【0098】
ミックスが再構成されたとき(第1および第2成分をブレンドする工程、温水を添加する工程および攪拌する工程による)、遅延分散クリーマー−砂糖顆粒は、ビーカーの底に沈み、および約75秒間かけて飲料中でゆっくりと分散した。遅延分散クリーマー−砂糖顆粒4.8gおよび砂糖1.6gを、クリーマー2.4gおよび砂糖4gで置き換えた以外は、同一の材料からなる参考ミックスを調製し、および同様に再構成されたとき、約15秒間で分散した。
【0099】
再構成されたミックスは、両方とも、同様のクリーミーさ、ホワイトニング、およびフロス高さ(約35mm)を有する飲料を提供した。開放系動的GCMS飲料ヘッドスペース分析を、実施例11において記載したのと同一の手順を用いて、ミックス再構成後に、両方の製品に関して行った。遅延分散クリーマー−砂糖顆粒を用いて配合された再構成されたカプチーノミックスは、サンプリングしおよび分析した第1期間(10〜20秒間)の間に、再構成された参考ミックスに関してサンプリングしおよび分析した同一期間と対比して、改善された調製時芳香放出を示した。遅延分散クリーマー−砂糖顆粒を用いて配合された、再構成されたカプチーノミックスの上方から10〜20秒の期間にサンプリングされた、22種類のヘッドスペース中に存在するコーヒーの芳香化合物の総量は、参考ミックスの上方から同様にサンプリングされた、ヘッドスペース中に存在する、同一のコーヒーの芳香化合物の総量よりもおよそ40%多かった。また、遅延分散クリーマー−砂糖顆粒を用いて配合された飲料は、参考ミックスから調製された飲料よりも低い残留ACF風味を有していた。クリーマーおよびクリーマー−錠剤化エイド組成物および割合、粉体層の深さ、圧密化圧力、圧密化温度、粒径、および粒子形態は、制御されて、所望の風味、外観、混合および取扱いの間の破砕に対する耐性、遅延分散の程度、および特定の製品用途のための実用性および品質を最適化するための他の特性を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物を調製するための方法であって:
脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含む第1成分を提供し、ここで、第1成分は実質的に脂肪を含まない工程;
脂肪含有材料を含む第2成分を提供する工程;および
第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解するのを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに脂溶性揮発性風味材料が飲料上方のヘッドスペース中に放出されるのを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程
を含む方法。
【請求項2】
第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解するのを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに脂溶性揮発性風味材料が飲料上方のヘッドスペース中に放出されるのを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程が:
液体中で第1成分を再構成して、脂溶性揮発性風味材料を放出させる工程;および
再構成された第1成分に第2成分を添加する工程
を含み;
ここで、第2成分は第1成分よりも多くの脂肪を含有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解するのを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに脂溶性揮発性風味材料が飲料上方のヘッドスペース中に放出されるのを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程が:
脂肪含有材料を構成して、飲料一杯あたり約1.0g未満の脂肪を有する組成物を提供する工程
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1および第2成分を構成および配置して、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解するのを阻害し、およびそれによって、飲料が調製されるときに脂溶性揮発性風味材料が飲料上方のヘッドスペース中に放出されるのを促進して、脂溶性揮発性風味材料に起因する、飲料中の低減された残留風味と共に、増強された芳香放出を提供する工程が:
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
泡形成性材料を含む第3成分を提供する工程:
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
泡形成性材料が実質的に脂肪を含まない請求項5に記載の方法。
【請求項7】
泡安定化タンパク質源を含む第4成分を提供する工程:
をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項8】
脂溶性揮発性風味材料が、25℃および大気圧で主に液体および主に固体の少なくとも1つでありおよび約300℃未満の沸点を有する臭気活性化合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1成分が飲料一杯あたり約2.0g未満の脂肪を含む請求項2に記載の方法。
【請求項10】
泡形成性材料を含む第3成分を提供する工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項11】
脂肪含有材料を構成して、飲料一杯あたり約0.5g未満の脂肪を有する組成物を提供する請求項3に記載の方法。
【請求項12】
脂肪含有材料が飲料一杯あたり約0.5g未満の脂肪を含有する請求項3に記載の方法。
【請求項13】
脂肪含有材料を構成して、微結晶性セルロースおよび微粒子化されたタンパク質の少なくとも1つを含まない組成物を提供する請求項3に記載の方法。
【請求項14】
泡形成性材料を含む第3成分を提供する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項15】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が、脂肪含有材料の被覆、凝集、造粒、カプセル化、圧密化、錠剤化、押し出し、変性、および硬化の少なくとも1つを含む請求項4に記載の方法。
【請求項16】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が、脂肪含有材料を構成して、50℃を超える融点を有する脂肪を含有させる工程を含む請求項4に記載の方法。
【請求項17】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が、アミロース、シクロデキストリン、分子篩、多孔質の収着剤、非多孔質の収着剤、タンパク質、ゴム、ポリマー、およびそれらの混合物の少なくとも1つを含む粒子状材料中に脂肪を錯化、封鎖、収着、キレート化、およびカプセル化の少なくとも1つをする工程を含む請求項4に記載の方法。
【請求項18】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が:
クリーマー粉末およびショートニング粉末の群から選択される粉末を、粉末の軟化点を超える温度にまで加熱する工程;および
加熱された粉末を、粉末の軟化点未満の温度にまで冷却する工程
を含む請求項4に記載の方法。
【請求項19】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が:
クリーマー粉末およびショートニング粉末の群から選択される粉末および結合剤のブレンドを、粉末の軟化点および結合剤の軟化点の少なくとも1つを超える温度にまで加熱する工程;および
加熱された粉末および結合剤のブレンドを、粉末の軟化点および結合剤の軟化点の少なくとも1つ未満の温度にまで冷却する工程
を含む請求項4に記載の方法。
【請求項20】
結合剤が糖アルコールを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
脂肪含有材料を構成して液体中の遅延分散性を持たせる工程が、脂肪含有材料を構成して、約0.8g/ccを超える見掛け粒子密度および約0.3mmを超える粒径の少なくとも1つを持たせる工程を含む請求項4に記載の方法。
【請求項22】
脂溶性揮発性風味材料を含む芳香源を含み、実質的に脂肪を含まない第1成分;および
脂肪含有材料を含み、第1成分よりも多くの脂肪を含有する第2成分;
を含み、
ここで、飲料が調製されるときに脂肪含有材料中に脂溶性揮発性風味材料が溶解するのを阻害し、および飲料が調製されるときに脂溶性揮発性風味芳香材料を飲料上方のヘッドスペース中に効果的に放出して、脂溶性揮発性風味材料に起因する飲料中の低減された残留風味と共に増強された芳香放出を提供するように、第1および第2成分が構成および配置されている、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するための組成物。
【請求項23】
請求項22に記載の組成物を含み、第1および第2成分は互いから分離してパッケージ化されている、増強された芳香放出および低減された残留風味を有する飲料を調製するためのパッケージ製品。
【請求項24】
パッケージ製品を提供し、ここで、第1および第2成分は互いから分離してパッケージ化される工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項25】
第1および第2成分を約60℃を超える温度の液体中で再構成することによって飲料を調製する請求項1に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−514447(P2010−514447A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544183(P2009−544183)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/087927
【国際公開番号】WO2008/082953
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】