説明

改質された粒子、オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法

【課題】微粉の含有量が少ない改質された粒子を提供する。
【解決手段】一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物と無機酸化物粒子又は有機ポリマー粒子とを接触させて形成され、平均粒径が40〜100μmであり、粒径が30μm以下の粒子の含有量が、10重量%以下である(ただし、粒子の全重量を100重量%とする)。
ZnR (1)
[R1は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、2つのR1は同じでも異なってもよい。]
t-1H (2)
[T1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、tはTの原子価に相当する数を表す。Rは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、Rが複数の場合、同じでも異なってもよい。]
s-2 (3)
[Tは酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、sはTの原子価に相当する数を表す。Rは炭化水素基を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質された粒子、オレフィン重合触媒およびオレフィン重合体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メタロセン触媒を用いて、スラリー重合、気相重合、バルク重合等のオレフィン重合体粒子の形成を伴う重合方法によってオレフィン重合体を製造できることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ジエチル亜鉛、ペンタフルオロフェノール、水およびシリカを接触させて得られる改質された粒子、遷移金属化合物、並びに有機アルミニウム化合物を接触させて得られるオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−171412号公報(2003年6月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の改質された粒子を用いて製造されるオレフィン重合体には、微粉が含まれることがあり、その重合体の微粉は、オレフィン重合体の製造装置内に付着し、伝熱や除熱に影響を与えることがあり、より安定してオレフィン重合体の連続重合を行うために、さらなる改良が求められていた。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、遷移金属化合物とともに用いてオレフィン重合することにより、生成するオレフィン重合体中の微粉の含有量が少ないオレフィン重合体を製造し得る改質された粒子、前記改質された粒子を用いるオレフィン重合触媒、前記オレフィン重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明が前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される亜鉛化合物(成分(a))と、下記一般式(2)で表される化合物(成分(b))と、下記一般式(3)で表される化合物(成分(c))と、無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(成分(d))とを接触させて形成され、体積基準での平均粒径が40〜100μmであり、かつ粒径が30μm以下である粒子の含有量が、10重量%以下である改質された粒子(ただし、改質された粒子の全重量を100重量%とする。)にかかるものである。
【0009】
ZnR (1)
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、2つのR1は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
t−1H (2)
[式中、T1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、tはT1の原子価に相当する数を表す。Rは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
s−2 (3)
[式中、Tは酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、sはTの原子価に相当する数を表す。Rは炭化水素基を表す。]
また、本発明は、前記改質された(成分(A))と、第4族遷移金属化合物(成分(B))と、必要に応じて有機アルミニウム化合物(成分(C))とを接触させて形成されるオレフィン重合触媒にかかるものである。さらに、本発明は、前記オレフィン重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法にかかるものである。
【発明の効果】
【0010】
遷移金属化合物とともに用いてオレフィン重合することにより、生成するオレフィン重合体中の微粉の含有量が少ないオレフィン重合体を製造し得る改質された粒子、前記改質された粒子を用いるオレフィン重合触媒、前記オレフィン重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明において、「重合」という語は単独重合のみならず共重合を包含したものであり、また「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を包含したものである。
【0012】
本発明の改質された粒子は、下記一般式(1)で表される亜鉛化合物(以下、「成分(a)」と記載することがある。)と、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「成分(b)」と記載することがある。)と、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「成分(c)」と記載することがある。)と、無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(以下、「成分(d)」と記載することがある。)とを接触させて形成され、体積基準での平均粒径が40〜100μmであり、かつ粒径が30μm以下である粒子の含有量が、10重量%以下である(ただし、改質された粒子の全重量を100重量%とする。)ものである。
【0013】
ZnR (1)
[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、2つのR1は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
t−1H (2)
[式中、T1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、tはT1の原子価に相当する数を表す。Rは電子吸引性基または電子吸引性基を有する基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
s−2 (3)
[式中、Tは酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、sはTの原子価に相当する数を表す。Rは炭化水素基を表す。]
一般式(1)におけるR1のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0014】
一般式(1)におけるR1の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。R1の炭化水素基は置換基を有してもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基等が挙げられる。前記置換基のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記置換基の炭化水素オキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0015】
1のアルキル基としては、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基である。炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0016】
1のハロゲン化アルキル基としては、好ましくは、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基である。炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、1H,1H−パーフルオロプロピル基、1H,1H−パーフルオロブチル基、1H,1H−パーフルオロペンチル基、1H,1H−パーフルオロヘキシル基、1H,1H−パーフルオロオクチル基、1H,1H−パーフルオロドデシル基、1H,1H−パーフルオロペンタデシル基、および1H,1H−パーフルオロエイコシル基、ならびにこれらのアルキル基のフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに置き換えたアルキル基が挙げられる。
【0017】
1のアリール基としては、好ましくは、炭素原子数6〜20のアリール基である。炭素原子数6〜20のアリール基として、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基である。
【0018】
1のアラルキル基としては、好ましくは、炭素原子数7〜20のアラルキル基である。炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基等が挙げられる。好ましくは、ベンジル基である。
【0019】
1として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数6〜20のアリール基であり、より好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基である。
【0020】
成分(a)の一般式(1)で表される亜鉛化合物としては、例えば、ジアルキル亜鉛、ジアリール亜鉛、ジアルケニル亜鉛、ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛、ハロゲン化アルキル亜鉛、ジハロゲン化亜鉛等が挙げられる。ジアルキル亜鉛としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛等が挙げられる。ジアリール亜鉛としては、例えば、ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等が挙げられる。ジアルケニル亜鉛としては、例えば、ジアリル亜鉛等が挙げられる。ハロゲン化アルキル亜鉛としては、例えば、塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化n−プロピル亜鉛、塩化イソプロピル亜鉛、塩化n−ブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化n−ヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化n−プロピル亜鉛、臭化イソプロピル亜鉛、臭化n−ブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化n−ヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化n−プロピル亜鉛、よう化イソプロピル亜鉛、よう化n−ブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化n−ヘキシル亜鉛等が挙げられる。ジハロゲン化亜鉛としては、例えば、ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等が挙げられる。
【0021】
成分(a)の一般式(1)で表される亜鉛化合物として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジ−n−ヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0022】
一般式(2)におけるT1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0023】
一般式(2)のtは、T1が酸素原子または硫黄原子の場合、tは2であり、T1が窒素原子またはリン原子の場合、tは3である。
【0024】
一般式(2)のRは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、該電子吸引性基における電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0025】
の電子吸引性基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基、スルホン基、フェニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0026】
の電子吸引性基を含有する基としては、例えば、ハロゲン化炭化水素基、ハロゲン化炭化水素オキシ基、ハロゲン化炭化水素カルボニル基、ハロゲン化炭化水素オキシカルボニル基、シアノ化炭化水素基、ニトロ化炭化水素基、ホルミル基、炭化水素カルボニル基、炭化水素オキシカルボニル基等が挙げられる。
【0027】
ハロゲン化炭化水素基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基、ハロゲン化アラルキル基等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素カルボニル基としては、例えば、ハロゲン化アルキルカルボニル基、ハロゲン化アリールカルボニル基、ハロゲン化アラルキルカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン化炭化水素オキシカルボニル基としては、例えば、ハロゲン化アルコキシカルボニル基、ハロゲン化アリールオキシカルボニル基、ハロゲン化アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。シアノ化炭化水素基としては、例えば、シアノ化アリール基等が挙げられる。ニトロ化炭化水素基としては、例えば、ニトロ化アリール基等が挙げられる。炭化水素カルボニル基としては、例えば、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基等が挙げられる。炭化水素オキシカルボニル基としては、例えば、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0028】
のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、1H,1H−パーフルオロブチル基、1H,1H−パーフルオロペンチル基、1H,1H−パーフルオロヘキシル基、1H,1H−パーフルオロオクチル基、1H,1H−パーフルオロドデシル基、1H,1H−パーフルオロペンタデシル基、および1H,1H−パーフルオロエイコシル基、ならびに、これらの基のフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに置き換えたアルキル基等が挙げられる。
【0029】
のハロゲン化アリール基としては、例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基等が挙げられる。
【0030】
の(ハロゲン化アルキル)アリール基としては、例えば、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基ならびに、これらの基のフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに置き換えたフェニル基等が挙げられる。
【0031】
のハロゲン化アルキルカルボニル基としては、例えば、トリフルオロエタノイル基、パーフルオロエタノイル基、パーフルオロプロパノイル基、パーフルオロブタノイル基、パーフルオロペンタノイル基、パーフルオロヘキサノイル基、パーフルオロヘプタノイル基、パーフルオロオクタノイル基、パーフルオロノナノイル基、パーフルオロデカノイル基、パーフルオロデカノイル基、パーフルオロウンデカノイル基、パーフルオロドデカノイル基等が挙げられる。
【0032】
のハロゲン化アルコキシカルボニル基としては、例えば、トリフルオロメトキシカルボニル基等が挙げられる。Rのハロゲン化アリールオキシカルボニル基としては、例えば、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0033】
のシアノ化アリール基としては、例えば、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0034】
のニトロ化アリール基としては、例えば、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0035】
のアルキルカルボニル基としては、例えば、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基等が挙げられる。Rのアリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0036】
のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0037】
として好ましくは、ハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくは、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、さらに好ましくは、フッ素化アルキル基、フッ素化アリール基、塩素化アルキル基または塩素化アリール基であり、特に好ましくは、フッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基である。フッ素化アルキル基として好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基である。フッ素化アリール基として好ましくは、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基またはパーフルオロ−2−ナフチル基であり、より好ましくは、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。塩素化アルキル基として好ましくは、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基または1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基である。塩素化アリール基として好ましくは、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基またはペンタクロロフェニル基である。
【0038】
成分(b)の一般式(2)で表される化合物としては、例えば、アミン、ホスフィン、アルコール、チオール、フェノール、チオフェノール、ナフトール、ナフチルチオール、カルボン酸化合物等が挙げられる。
【0039】
アミンとしては、例えば、ジ(フルオロメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロエイコシル)アミン等が挙げられる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンが挙げられる。
【0040】
ホスフィンとしては、上記アミンの窒素原子をリン原子に変更した化合物が挙げられる。それらのホスフィンは、上記アミン中のアミンをホスフィンに置き換えることによって表される化合物である。
【0041】
アルコールとしては、例えば、フルオロメタノール、ジフルオロメタノール、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1H,1H−パーフルオロブタノール、1H,1H−パーフルオロペンタノール、1H,1H−パーフルオロヘキサノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H−パーフルオロドデカノール、1H,1H−パーフルオロペンタデカノール、1H,1H−パーフルオロエイコサノール等が挙げられる。また、これらのアルコールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアルコールが挙げられる。
【0042】
チオールとしては、上記アルコールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。それらのチオールは、上記アルコール中のノールをンチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0043】
フェノールとしては、例えば、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノール等が挙げられる。また、これらのフェノールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したフェノールが挙げられる。
【0044】
チオフェノールとしては、上記フェノールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。それらのチオフェノールは、上記フェノール中のフェノールをチオフェノールに置き換えることによって表される化合物である。
【0045】
ナフトールとしては、例えば、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。また、これらのナフトールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したナフトールが挙げられる。
【0046】
ナフチルチオールとしては、上記ナフトールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物が挙げられる。それらのナフチオールは、上記ナフトール中のナフトールをナフチルチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0047】
カルボン酸化合物としては、例えば、ペンタフルオロベンゾイックアシッド、パーフルオロエタノイックアシッド、パーフルオロプロパノイックアシッド、パーフルオロブタノイックアシッド、パーフルオロペンタノイックアシッド、パーフルオロヘキサノイックアシッド、パーフルオロヘプタノイックアシッド、パーフルオロオクタノイックアシッド、パーフルオロノナノイックアシッド、パーフルオロデカノイックアシッド、パーフルオロウンデカノイックアシッド、パーフルオロドデカノイックアシッド等が挙げられる。
【0048】
成分(b)の一般式(2)で表される化合物として好ましくは、アミン、アルコールまたはフェノール化合物であり、アミンとして好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミンであり、アルコールとして好ましくは、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールであり、フェノールとして好ましくは、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールまたは3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
【0049】
成分(b)の一般式(2)で表される化合物としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0050】
一般式(3)におけるTは酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0051】
一般式(3)のsは、Tが酸素原子または硫黄原子の場合、tは2であり、Tが窒素原子またはリン原子の場合、tは3である。
【0052】
一般式(3)におけるRの炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、Rのアルキル基、アリール基、アラルキル基として例示した基を例示することができる。Rの炭化水素基は置換基を有してもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素オキシ基等が挙げられる。前記置換基のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。前記置換基の炭化水素オキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0053】
のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基等が挙げられ、Rのハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基として例示した基を例示することができる。
【0054】
として好ましくは、無置換炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくは、ハロゲン化炭化水素基であり、更に好ましくは、フッ素化炭化水素基である。
【0055】
成分(c)の一般式(3)で表される化合物としては、例えば、水、硫化水素、アミン、アニリン化合物等が挙げられる。
【0056】
アミンとしては、例えば、アルキルアミン、アラルキルアミン、アルケニルアミン、シクロペンタジエニルアミン、ハロゲン化アルキルアミン等が挙げられる。
【0057】
アルキルアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン等が挙げられる。
【0058】
アラルキルアミンとしては、例えば、ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン等が挙げられる。
【0059】
アルケニルアミンとしては、例えば、アリルアミン等が挙げられる。
【0060】
ハロゲン化アルキルアミンとしては、例えば、フルオロメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン等が挙げられる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンが挙げられる。
【0061】
アニリン化合物としては、例えば、アニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2,3−ジエチルアニリン、2,4−ジエチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、3,4−ジエチルアニリン、3,5−ジエチルアニリン、2,3,4−トリエチルアニリン、2,3,5−トリエチルアニリン、2,3,6−トリエチルアニリン、2,4,6−トリエチルアニリン、3,4,5−トリエチルアニリン、2,3,4,5−テトラエチルアニリン、2,3,4,6−テトラエチルアニリン、2,3,5,6−テトラエチルアニリン、ペンタエチルアニリン等が挙げられる。また、これらのアニリン化合物のエチルをn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル等に変更したアニリン化合物が挙げられる。
【0062】
また、アニリン化合物としては、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリン、3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。また、これらのアニリン化合物のフルオロをクロロ、ブロモ、ヨード等に変更したアニリン化合物が挙げられる。
【0063】
成分(c)の一般式(3)で表される化合物として好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、より好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、さらに好ましくは、水またはペンタフルオロアニリンである。
【0064】
成分(d)の無機酸化物粒子または有機ポリマーとして好ましくは、無機酸化物粒子である。
【0065】
成分(d)は、粒径の整ったものであることが好ましく、成分(d)の粒径の体積基準の幾何標準偏差は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.7以下である。
【0066】
無機酸化物粒子としては、例えば、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgO、ならびに、これら2種以上の混合物等が挙げられる。これらの無機酸化物粒子の中では、好ましくは、SiOおよび/またはAlであり、より好ましくは、SiO(シリカ)である。なお、前記無機酸化物粒子は少量のNaCO、KCO、CaCO、MgCO、NaSO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO、Al(NO、NaO、KO、LiO等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもよい。
【0067】
また、無機酸化物粒子には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物粒子として、表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物粒子を使用してもよい。改質無機酸化物粒子としては、例えば、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン;トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン;ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン;ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン;メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン;フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン;トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン;トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン;ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン;テトラクロロシラン;メタノール、エタノール等のアルコール;フェノール;ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム;ブチルリチウム等のアルキルリチウム等と接触された無機酸化物粒子が挙げられる。
【0068】
更に、トリアルキルアルミニウムとの接触後、ジエチルアミンおよびジフェニルアミン等のジアルキルアミン、メタノールおよびエタノール等のアルコール、フェノールと接触された無機酸化物粒子を例示することができる。
【0069】
また、無機酸化物粒子は水酸基同士が水素結合することにより無機酸化物粒子自体の強度が高まっていることがある。その場合、仮に表面水酸基の活性水素全てについて種々の置換基で置換してしまうと、粒子強度の低下等を招く場合がある。よって、無機酸化物粒子の表面水酸基の活性水素は必ずしも全て置換する必要はなく、表面水酸基の置換率は適宜決めればよい。表面水酸基の置換率を変化させる方法は特に限定されない。該方法としては、例えば、接触に使用する化合物の使用量を変化させる方法を例示することができる。
【0070】
無機酸化物粒子は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は、例えば、目視で水分を確認できない無機酸化物粒子について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱減圧する方法等を挙げることができる。
【0071】
無機酸化物粒子の平均粒子径は、例えば1〜5000μmであり、好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは100〜500m/gである。
【0072】
成分(d)の有機ポリマー粒子としては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0073】
活性水素を有する官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0074】
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基は、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であり、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0075】
有機ポリマー粒子において、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の含有量は、有機ポリマー粒子を構成する重合体単位グラムあたりの官能基のモル量として、好ましくは0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0076】
上記の活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体の製造方法としては、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合させる方法、該モノマーと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合させる方法を挙げることができる。このとき更に重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーをも一緒に共重合することが好ましい。
【0077】
上記の重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチン基等のアルキニル基等を挙げることができる。
【0078】
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物等を挙げることができる。該モノマーの具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
【0079】
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾール等を挙げることができる。
【0080】
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、環状オレフィン等を挙げることができる。該モノマーの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。好ましくは、エチレン、スチレンである。また、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーとしては、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
【0081】
有機ポリマー粒子の平均粒子径は、例えば1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m/gであり、より好ましくは50〜500m/gである。
【0082】
有機ポリマー粒子は、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥されたものが好ましい。加熱処理の温度は、目視で水分を確認できない有機ポリマーについては、例えば30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは70〜150℃である。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間であり、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱乾燥する方法等を挙げることができる。
【0083】
成分(a)と、成分(b)と、成分(c)と、成分(d)とを接触させる接触順序としては、次の順序が挙げられる。
<1> 成分(a)と成分(b)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触される。
<2> 成分(a)と成分(b)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触される。
<3> 成分(a)と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触される。
<4> 成分(a)と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触される。
<5> 成分(a)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触される。
<6> 成分(a)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触される。
<7> 成分(b)と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触される。
<8> 成分(b)と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触される。
<9> 成分(b)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触される。
<10> 成分(b)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(c)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触される。
<11> 成分(c)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触される。
<12> 成分(c)と成分(d)とが接触され、該接触による接触物と成分(b)とが接触され、該接触による接触物と成分(a)とが接触される。
【0084】
成分(a)と、成分(b)と、成分(c)と、成分(d)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は、例えば−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、例えば1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、接触には溶媒が用いられていてもよく、用いられることなくこれらの成分が直接接触されていてもよい。
【0085】
溶媒が使用される場合、成分(a)、成分(b)、成分(c)および成分(d)、およびそれらの接触物と反応しないものが用いられる。しかしながら、上述のように、段階的に各成分が接触される場合には、ある段階においてある成分と反応する溶媒であっても、該溶媒が他の段階において各成分と反応しない溶媒であれば、該溶媒は他の段階で用いられることができる。つまり、各段階における溶媒は相互に、同じかまたは異なる。該溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等の非極性溶媒;ハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物等の極性溶媒を挙げることができる。具体例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物を挙げることができる。
【0086】
成分(a)と、成分(b)と、成分(c)とを接触させて形成される接触物(e)と、成分(d)とを接触させる場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、接触物(e)を製造する場合の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
【0087】
一方、接触物(e)と、成分(d)とを接触させる場合の溶媒(s2)としては、極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、E値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧E≧0.1なる範囲を満足する溶媒が特に好ましい。
【0088】
かかる極性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。
【0089】
溶媒(s2)として更に好ましくは、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールであり、特に好ましくは、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、最も好ましくは、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールである。
【0090】
前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒が用いられることができる。炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒として例示した化合物が用いられる。極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒としては、例えば、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒等を挙げることができる。好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。更に好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。また、トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、更に好ましくは15〜30体積%である。
【0091】
成分(a)と、成分(b)と、成分(c)とを接触させて形成される接触物(e)と、成分(d)とを接触させる場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共に炭化水素溶媒を用いることもできる。この場合、成分(a)と、成分(b)と、成分(c)とを接触させた後、得られた接触物(e)と、成分(d)とを接触させるまでの時間は短い方が好ましい。時間として好ましくは0〜5時間であり、更に好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(c)と、成分(d)とを接触させる温度は、例えば−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜20℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
【0092】
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用されることができる。好ましくは、非極性溶媒である。なぜならば、成分(a)と成分(c)との接触物や、成分(a)と成分(b)との接触物と、成分(c)とを接触させて形成される接触物は、一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に成分(d)が存在する場合、該接触物が成分(d)の表面に析出し、より固定化されやすい、と考えられるからである。
【0093】
成分(a)の使用量1モルあたりの成分(b)および成分(c)の使用量としては、下記の関係式(I)を満足することが好ましい。
|2−成分(b)のモル量−2×成分(c)のモル量|≦1 (I)
また、成分(a)の使用量1モルあたりの成分(b)の使用量は、好ましくは0.01〜1.99モルであり、より好ましくは0.1〜1.8モルであり、更に好ましくは0.2〜1.5モルであり、最も好ましくは0.3〜1モルである。成分(a)の使用量1モルあたりの成分(c)の好ましい使用量、より好ましい使用量、更に好ましい使用量、最も好ましい使用量は、上記の成分(a)の使用量1モルあたりの成分(b)の使用量、および上記関係式(I)によってそれぞれ算出される。
【0094】
成分(a)および成分(b)の使用量は、本発明の改質された粒子に含まれる成分(a)に由来する亜鉛原子が、本発明の改質された粒子1gあたりに含まれる金属原子のモル数として、好ましくは0.1mmol以上となる量であり、より好ましくは0.5〜20mmolとなる量である。
【0095】
反応をより速く進行させるため、上記のような接触の後に、より高い温度での加熱工程を付加してもよい。加熱工程では、より高温とするために、沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、加熱工程を行う際に、接触で用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置き換えてもよい。
【0096】
本発明の改質された粒子は、このような接触の結果、原料である成分(a)、成分(b)、成分(c)および/または成分(d)が未反応物として残存していてもよいが、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同じでも異なっていてもよい。このような洗浄処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。接触温度は、例えば−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、例えば1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0097】
また、このような接触や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後0℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは0℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、更に好ましくは10℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、特に好ましくは10℃〜160℃の温度で2時間〜18時間であり、最も好ましくは15℃〜160℃の温度で4時間〜18時間である。
【0098】
本発明の改質された粒子は、体積基準での平均粒径が40〜100μmであるが、体積基準での平均粒径とは、SYMPATEC社製 レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS RODOSシステムを使用して、乾燥状態で分散させて粒度分布を測定し、体積基準平均粒径を算出したものである。体積基準での平均粒径として好ましくは、40〜90μmであり、より好ましくは、45〜80μmである。
【0099】
また、本発明の改質された粒子は、粒径が30μm以下である粒子の含有量が、10重量%以下である(ただし、改質された粒子の全重量を100重量%とする。)。具体的には、上記で測定した粒度分布から、粒径が30μm以下の粒子の量を体積換算で算出したものである。粒径が30μm以下である粒子の含有量として好ましくは、8.5重量%以下であり、更に好ましくは7.0重量%以下である。
【0100】
本発明の改質された粒子の製造方法は、例えば、成分(a)と、成分(b)と、成分(c)と、成分(d)とを接触させて製造された改質された粒子から微粉を除去する方法、本発明の改質された粒子を製造する工程の途中で微粉を除去する方法、本発明の改質された粒子に用いる成分(d)から予め微粉を除去する方法等が挙げられる。これらの製造方法の中で、コストの面より、好ましくは、本発明の改質された粒子に用いる成分(d)から予め微粉を除去する方法である。
【0101】
また、本発明の改質された粒子または本発明の改質された粒子に用いる成分(d)から微粉を除去する方法としては、例えば、気流重力式分級、気流慣性力利用分級または気流遠心力式分級等が挙げられる。30μm程度の細かい粒子の分級には、遠心力場により重力場の数千倍までの粒子の沈降を利用できるという観点で気流遠心力式分級が好ましい。
【0102】
本発明の改質された粒子に用いる成分(d)から微粉を除去する方法を用いる場合、好ましくは、成分(d)の粒径が30μm以下の粒子の含有量が、10重量%以下になるまで微粉を除去することであり、より好ましくは、成分(d)の粒径が30μm以下の粒子の含有量が、8.5重量%以下になるまで微粉を除去することであり、更に好ましくは、成分(d)の粒径が30μm以下の粒子の含有量が、7.0重量%以下になるまで微粉を除去することである。(ただし、成分(d)の全量を100重量%とする。)である。
【0103】
本発明の改質された粒子(以下、「成分(A)」と記載することがある。)はシングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物からなるオレフィン重合触媒成分と接触させる担体として使用でき、オレフィン重合体粒子の形成を伴う重合に好適に使用される。また、本発明の改質された粒子はオレフィン重合触媒成分として有用である。
【0104】
本発明のオレフィン重合触媒は、成分(A)と、第4族遷移金属化合物(以下、「成分(B)」と記載することがある。)と、必要に応じて有機アルミニウム化合物(以下、「成分(C)」と記載することがある。)とを接触させて形成されるものである。
【0105】
成分(B)の第4族遷移金属化合物としては、例えば、下記一般式(4)で表される第4族遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの第4族遷移金属の二量体等が挙げられる。
【0106】
MX (4)
[式中、Mは元素の周期律表の第4族遷移金属原子を表し、Rはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基を表し、Rが複数ある場合は、それらは互いに同じであっても異なってもよく、複数のRは互いに直接結合されているか、または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して結合されていてもよい。Xは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基(ただし、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)炭化水素オキシ基、置換シリル基、炭化水素チオ基、2置換アミノ基または炭化水素ホスフィノ基を表し、Xが複数ある場合は、それらは互いに同じであっても異なってもよい。aは1〜3の整数を表し、bは1〜3の整数を表す(ただし、a+bは4を超えないものとする。)]
一般式(4)におけるMの元素の周期律表の第4族遷移金属原子としては、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子等が挙げられ、好ましくは、チタン原子またはジルコニウム原子であり、より好ましくはジルコニウム原子である。
【0107】
一般式(4)におけるRのシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては、例えば、(置換)シクロペンタジエニル基、(置換)インデニル基および(置換)フルオレニル基を挙げることができる。具体的には、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1−メチル−2−エチルシクロペンタジエニル基、1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル基、1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、1−メチル−2−n−ブチルシクロペンタジエニル基、1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、2−メチルインデニル基、3−メチルインデニル基、4−メチルインデニル基、5−メチルインデニル基、6−メチルインデニル基、7−メチルインデニル基、2−tert−ブチルインデニル基、3−tert−ブチルインデニル基、4−tert−ブチルインデニル基、5−tert−ブチルインデニル基、6−tert−ブチルインデニル基、7−tert−ブチルインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、4,7−ジメチルインデニル基、2,4,7−トリメチルインデニル基、2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、4,5−ベンズインデニル基、2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、4−フェニルインデニル基、2−メチル−5−フェニルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、2−メチル−4−ナフチルインデニル基、フルオレニル基、2,7−ジメチルフルオレニル基および2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基を例示することができる。
【0108】
一般式(4)におけるRに用いられるシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基の多座性ηは特に限定されなく、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基のとりうるいずれの値でもよい。例えば、5座、4座、3座、2座、単座が挙げられ、好ましくは5座、3座または単座であり、より好ましくは5座または3座である。
【0109】
一般式(4)におけるRのヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子を挙げることができ、かかる基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルホスフィノ基、アリールホスフィノ基、キレート性配位子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子およびリン原子からなる郡から選ばれる少なくとも1種を環内に有する芳香族複素環基または脂肪族複素環基、下記一般式(5)で表される基、下記一般式(6)で表される基等が挙げられる。
【0110】
P=N‐‐‐ (5)
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、3つのRは互いに同じであっても異なっていてもよく、3つのRのうち、任意の2つ以上が互いに結合していてもよく、環構造を形成していてもよい。N‐‐‐は、Mとの結合部位を表す。)
【0111】
【化1】

【0112】
(式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、置換シリル基、炭化水素オキシ基、2置換アミノ基、炭化水素チオ基または炭化水素セレノ基を表し、複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のRのうち、隣接する2つの置換基は任意に結合して環を形成していてもよい。O‐‐‐は、Mとの結合部位を表す。)
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0113】
アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、4−sec−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−sec−ブチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−ニトロソフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基、2−アミノフェノキシ基、3−アミノフェノキシ基、4−アミノフェノキシ基、2−ヒドロキシフェノキシ基、2−ヒドロキシ−4−イソプロピルフェノキシ基、2−ヒドロキシ−3−メトキシフェノキシ基、2,3,6−トリクロロフェノキシ基、2,4,6−トリフルオロフェノキシ基、2−(2−オキシ−1−プロピル)フェノキシ基、3−ヒドロキシフェノキシ基、8−ヒドロキシ−1−ナフチチルオキシ基、2−ヒドロキシ−1−ナフチチルオキシ基、2’−ヒドロキシ−2−ナフチルオキシ基、2’−ヒドロキシ−1,1’−ビ−2−ナフチルオキシ基、2’−ヒドロキシ−6,6’−ジメチル−2−ビフェニルオキシ基、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’メチレンジフェノキシ基、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−イソブチリデンジフェノキシ基等が挙げられる。
【0114】
アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基等が挙げられる。
【0115】
アリールチオ基としては、例えば、4−アミノフェニルチオ基等が挙げられる。
【0116】
アルキルアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が挙げられる。
【0117】
アリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
【0118】
アルキルホスフィノ基としては、例えば、ジメチルホスフィノ基等が挙げられる。
【0119】
アリールホスフィノ基、としては、例えば、ジフェニルホスフィノ基等が挙げられる。
【0120】
キレート性配位子とは、複数の配位部位を有する配位子を指し、前記配位子としては、例えば、アセチルアセトナート、ジイミン、オキサゾリン、ビスオキサゾリン、テルピリジン、アシルヒドラゾン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポルフィリン、クラウンエーテル、クリプタート等が挙げられる。
【0121】
酸素原子、硫黄原子、窒素原子およびリン原子からなる郡から選ばれる少なくとも1種を環内に有する芳香族複素環基としては、例えば、ピロリル基、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基等が挙げられる。
【0122】
酸素原子、硫黄原子、窒素原子およびリン原子からなる郡から選ばれる少なくとも1種を環内に有する脂肪族複素環基としては、例えば、ピペリジノ基、ピロリジニル基等が挙げられる。
【0123】
がヘテロ原子を含有する基を表す場合は、前記へテロ原子とMとが結合する基であるのが好ましく、また、前記へテロ原子を複数含有する場合は、少なくとも1つのヘテロ原子とMとが結合する基であるのが好ましい。
【0124】
一般式(4)において、複数のRが、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはリン原子を含有する残基を介して結合されている場合(すなわち、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士が該残基を介して結合されている場合、ヘテロ原子を含有する基同士が該残基を介して結合されている場合、またはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基とが該残基を介して結合されている場合)、該残基として好ましくは、2つのRと結合する原子が炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはリン原子であって、2つのRを結合させる最小原子数が3以下の2価の残基である。該残基として、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基等のアルキレン基;ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)およびジフェニルメチレン基等の置換アルキレン基;シリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、およびジメトキシシリレン基等の置換シリレン基;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、およびリン原子等のヘテロ原子を例示することができる。なかでも、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基またはジメトキシシリレン基である。
【0125】
一般式(5)におけるRのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。Rの炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへプチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。
【0126】
一般式(6)におけるRのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、塩素原子である。
【0127】
の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基または炭素原子数6〜20のアリール基である。
【0128】
の炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。
【0129】
これらのアルキル基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0130】
ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基等が挙げられる。
【0131】
の炭素原子数1〜20のアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはtert−ペンチル基である。
【0132】
の炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基等が挙げられる。
【0133】
これらのアラルキル基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0134】
の炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、好ましくは、ベンジル基である。
【0135】
6の炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
【0136】
これらのアリール基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0137】
の炭素原子数6〜20のアリール基としては、好ましくは、フェニル基である。
【0138】
の置換シリル基とは炭化水素基で置換されたシリル基であって、前記炭化水素基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0139】
前記炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基、アリール基等が挙げられる。炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基等が挙げられる。
【0140】
の置換シリル基としては、例えば、炭素原子数1〜20の1置換シリル基、炭素原子数2〜20の2置換シリル基、炭素原子数3〜20の3置換シリル基等が挙げられる。炭素原子数1〜20の1置換シリル基としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基等が挙げられ、炭素原子数2〜20の2置換シリル基としては、例えば、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基等が挙げられ、炭素原子数3〜20の3置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
【0141】
置換シリル基として、好ましくは、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基またはトリフェニルシリル基である。
【0142】
の炭化水素オキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜20のアリールオキシ基である。
【0143】
の炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0144】
これらのアルコキシ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0145】
のアルコキシ基としては、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基またはtert−ブトキシ基である。
【0146】
の炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2、3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基等が挙げられる。
【0147】
これらのアラルキルオキシ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0148】
の炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、好ましくは、ベンジルオキシ基である。
【0149】
の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2、3−ジメチルフェノキシ基、2、4−ジメチルフェノキシ基、2、5−ジメチルフェノキシ基、2、6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基等が挙げられる。
【0150】
これらのアリールオキシ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0151】
の炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、好ましくは、フェノキシ基である。
【0152】
の2置換アミノ基とは2つの炭化水素基で置換されたアミノ基または2つのシリル基で置換されたアミノ基であって、前記炭化水素基または前記シリル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ここで炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数1〜20のアルキル基;フェニル基等の炭素原子数6〜20のアリール基;ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基等が挙げられ、シリル基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。かかる2置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビストリメチルシリルアミノ基、ビス−tert−ブチルジメチルシリルアミノ基等が挙げられ、好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基またはビストリメチルシリルアミノ基である。
【0153】
の炭化水素チオ基としては、例えば、アルキルチオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基、炭素原子数7〜20のアラルキルチオ基または炭素原子数6〜20のアリールチオ基である。
【0154】
の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、n−オクチルチオ基、n−ドデシルチオ基、n−ペンタデシルチオ基、n−エイコシルチオ基等が挙げられる。
【0155】
これらのアルキルチオ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0156】
の炭素原子数1〜20のアルキルチオ基としては、好ましくは、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、またはtert−ブチルチオ基である。
【0157】
の炭素原子数7〜20のアラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、(2−メチルフェニル)メチルチオ基、(3−メチルフェニル)メチルチオ基、(4−メチルフェニル)メチルチオ基、(2、3−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2、6−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルチオ基、(ペンタメチルフェニル)メチルチオ基、(エチルフェニル)メチルチオ基、(n−プロピルフェニル)メチルチオ基、(イソプロピルフェニル)メチルチオ基、(n−ブチルフェニル)メチルチオ基、(sec−ブチルフェニル)メチルチオ基、(tert−ブチルフェニル)メチルチオ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルチオ基、(n−オクチルフェニル)メチルチオ基、(n−デシルフェニル)メチルチオ基、ナフチルメチルチオ基、アントラセニルメチルチオ基等が挙げられる。
【0158】
これらのアラルキルチオ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0159】
の炭素原子数7〜20のアラルキルチオ基としては、好ましくは、ベンジルチオ基である。
【0160】
の炭素原子数6〜20のアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、3−メチルフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2、3−ジメチルフェニルチオ基、2、4−ジメチルフェニルチオ基、2、5−ジメチルフェニルチオ基、2、6−ジメチルフェニルチオ基、3,4−ジメチルフェニルチオ基、3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルチオ基、2,3,4−トリメチルフェニルチオ基、2,3,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,6−トリメチルフェニルチオ基、2,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルチオ基、3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルチオ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルチオ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルチオ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルチオ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルチオ基、ペンタメチルフェニルチオ基、エチルフェニルチオ基、n−プロピルフェニルチオ基、イソプロピルフェニルチオ基、n−ブチルフェニルチオ基、sec−ブチルフェニルチオ基、tert−ブチルフェニルチオ基、n−ヘキシルフェニルチオ基、n−オクチルフェニルチオ基、n−デシルフェニルチオ基、n−テトラデシルフェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントラセニルチオ基等が挙げられる。
【0161】
これらのアリールチオ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0162】
の炭素原子数6〜20のアリールチオ基としては、好ましくは、フェニルチオ基である。
【0163】
の炭化水素セレノ基としては、例えば、アルキルセレノ基、アラルキルセレノ基、アリールセレノ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキルセレノ基、炭素原子数7〜20のアラルキルセレノ基または炭素原子数6〜20のアリールセレノ基である。
【0164】
の炭素原子数1〜20のアルキルセレノ基としては、例えば、メチルセレノ基、エチルセレノ基、n−プロピルセレノ基、イソプロピルセレノ基、n−ブチルセレノ基、sec−ブチルセレノ基、tert−ブチルセレノ基、n−ペンチルセレノ基、ネオペンチルセレノ基、n−ヘキシルセレノ基、n−オクチルセレノ基、n−ドデシルセレノ基、n−ペンタデシルセレノ基、n−エイコシルセレノ基等が挙げられる。
【0165】
これらのアルキルセレノ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0166】
の炭素原子数1〜20のアルキルセレノ基としては、好ましくは、メチルセレノ基、エチルセレノ基、イソプロピルセレノ基またはtert−ブチルセレノ基である。
【0167】
の炭素原子数7〜20のアラルキルセレノ基としては、例えば、ベンジルセレノ基、(2−メチルフェニル)メチルセレノ基、(3−メチルフェニル)メチルセレノ基、(4−メチルフェニル)メチルセレノ基、(2、3−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2、6−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,5−ジメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルセレノ基、(ペンタメチルフェニル)メチルセレノ基、(エチルフェニル)メチルセレノ基、(n−プロピルフェニル)メチルセレノ基、(イソプロピルフェニル)メチルセレノ基、(n−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(sec−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(tert−ブチルフェニル)メチルセレノ基、(n−ヘキシルフェニル)メチルセレノ基、(n−オクチルフェニル)メチルセレノ基、(n−デシルフェニル)メチルセレノ基、ナフチルメチルセレノ基、アントラセニルメチルセレノ基等が挙げられる。
【0168】
これらのアラルキルセレノ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0169】
の炭素原子数7〜20のアラルキルセレノ基としては、好ましくは、ベンジルセレノ基である。
【0170】
の炭素原子数6〜20のアリールセレノ基としては、例えば、フェニルセレノ基、2−メチルフェニルセレノ基、3−メチルフェニルセレノ基、4−メチルフェニルセレノ基、2、3−ジメチルフェニルセレノ基、2、4−ジメチルフェニルセレノ基、2、5−ジメチルフェニルセレノ基、2、6−ジメチルフェニルセレノ基、3,4−ジメチルフェニルセレノ基、3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェニルセレノ基、2,3,4−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニルセレノ基、3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,5−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェニルセレノ基、2,3,4,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェニルセレノ基、2,3,5,6−テトラメチルフェニルセレノ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェニルセレノ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェニルセレノ基、ペンタメチルフェニルセレノ基、エチルフェニルセレノ基、 n−プロピルフェニルセレノ基、イソプロピルフェニルセレノ基、n−ブチルフェニルセレノ基、sec−ブチルフェニルセレノ基、tert−ブチルフェニルセレノ基、n−ヘキシルフェニルセレノ基、n−オクチルフェニルセレノ基、n−デシルフェニルセレノ基、n−テトラデシルフェニルセレノ基、ナフチルセレノ基、アントラセニルセレノ基等が挙げられる。
【0171】
これらのアリールセレノ基はいずれも、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基等が挙げられ、アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0172】
の炭素原子数6〜20のアリールセレノ基としては、好ましくは、フェニルセレノ基である。
【0173】
一般式(4)におけるXのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を挙げることができる。Xの炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数3〜20のアルケニル基である。
【0174】
Xの炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基および炭素原子数6〜20のアリール基としては、前記R6のところで例示したものと同じものを挙げることができる。
【0175】
Xの炭素原子数3〜20のアルケニル基としては、例えば、アリル基、メタリル基、クロチル基、1,3−ジフェニル−2−プロペニル基等が挙げられ、好ましくは、アリル基またはメタリル基である。
【0176】
Xの炭化水素オキシ基、置換シリル基、炭化水素チオ基および2置換アミノ基としては、前記Rのところで例示したものと同じものを挙げることができる。
【0177】
Xの炭化水素ホスフィノ基としては、フェニルホスフィン基等が挙げられる。
【0178】
Xとして、好ましくは、ハロゲン原子、炭化水素基(ただし、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基であり、より好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基またはベンジル基である。
【0179】
一般式(4)におけるa、bとして好ましくは、aは2であり、かつ、bは2である。
【0180】
一般式(4)で表される第4族遷移金属化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(インデニル)チタンジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、ビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0181】
ビス[2−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−メチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(3,5−ジメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(ペンタフルオロフェニル)インデニル]チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、インデニル(フルオレニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0182】
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−フェニルシクロペンタジエニル)チタンジクロリド、
【0183】
ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−tert−ブチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4,7−トリメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−5−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
【0184】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0185】
シクロペンタジエニルチタントリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド、シクロペンタジエニル(ジメチルアミド)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フェノキシ)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、インデニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、フルオレニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、
【0186】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0187】
ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0188】
ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0189】
ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0190】
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0191】
ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0192】
ジメチルシリレン(インデニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0193】
ジメチルシリレン(フルオレニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0194】
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(ベンジルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(フェニルフォスファイド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0195】
(ジメチルアミノメチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノプロピル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(N−ピロリジニルエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタンジクロライド、(B−ジメチルアミノボラベンゼン)シクロペンタジエニルチタンジクロライド、シクロペンタジエニル(9−メシチルボラアントラセニル)チタンジクロライド、
【0196】
2,2’−チオビス[4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−スルフィニルビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−1,1’ビフェノキシ)チタンジクロライド、(ジ−tert−ブチル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、(ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、
【0197】
[ビス(トリメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリイソプロピルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、および[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライドや、これらの化合物の「チタン」を「ジルコニウム」または「ハフニウム」に置き換えた化合物、「(2−フェノキシ)」を「(3−フェニル−2−フェノキシ)」、「(3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)」、または「(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ)」に置き換えた化合物、「ジメチルシリレン」を「メチレン」、「エチレン」、「ジメチルメチレン(イソプロピリデン)」、「ジフェニルメチレン」、「ジエチルシリレン」、「ジフェニルシリレン」、または「ジメトキシシリレン」に置き換えた化合物、「ジクロライド」を「ジフルオライド」、「ジブロマイド」、「ジアイオダイド」、「ジメチル、「ジエチル」、「ジイソプロピル」、「ジフェニル」、「ジベンジル」、「ジメトキシド」、「ジエトキシド」、「ジ(n−プロポキシド)」、「ジ(イソプロポキシド)」、「ジフェノキシド」、または「ジ(ペンタフルオロフェノキシド)」に置き換えた化合物、ならびに「トリクロライド」を「トリフルオライド」、「トリブロマイド」、「トリアイオダイド」、「トリメチル」、「トリエチル」、「トリイソプロピル」、「トリフェニル」、「トリベンジル」、「トリメトキシド」、「トリエトキシド」、「トリ(n−プロポキシド)」、「トリ(イソプロポキシド)」、「トリフェノキシド」、または「トリ(ペンタフルオロフェノキシド)」に置き換えた化合物、を挙げることができる。
【0198】
一般式(4)で表される第4族遷移金属化合物のμ−オキソタイプの第4族遷移金属化合物としては、例えば、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、およびμ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、ならびに、これらの化合物の「クロライド」を「フルオライド」、「ブロマイド」、「アイオダイド」、「メチル」、「エチル」、「イソプロピル」、「フェニル」、「ベンジル」、「メトキシド」、「エトキシド」、「n−プロポキシド」、「イソプロポキシド」、「フェノキシド」、または「ペンタフルオロフェノキシド」に置き換えた化合物を挙げることができる。
【0199】
これらの第4遷移金属化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0200】
成分(B)の第4族遷移金属化合物として好ましくは、シクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基を少なくとも一つ有する第4族遷移金属化合物であり、より好ましくは、a=2であり、b=2であり、Rの少なくとも一つはシクロペンタジエン型アニオン骨格を有する基であり、2つのRが炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子またはリン原子を含む残基を介して結合している第4族遷移金属化合物である。
【0201】
成分(C)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム;ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等を挙げることができる。これらの有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0202】
有機アルミニウム化合物として好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0203】
成分(B)の使用量は、成分(A)1gに対し例えば1×10−6〜1×10−3molであり、好ましくは5×10−6〜5×10−4molである。また成分(C)の使用量は、成分(B)の第4族遷移金属原子に対する成分(C)のアルミニウム原子のモル比(C)/(B)として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、0.5〜2,000であることが最も好ましい。
【0204】
また、オレフィン重合触媒の調製において、成分(A)、成分(B)および必要に応じて成分(C)に加え、電子供与性化合物(以下、「成分(D)」と記載することがある。)を接触させてもよい。電子供与性化合物の使用量は、成分(B)のモル数1モルあたりの成分(D)のモル数として、好ましくは0.01〜1000であり、より好ましくは0.1〜500であり、更に好ましくは0.25〜250である。
【0205】
成分(D)の電子供与性化合物としては、アルコキシケイ素、エーテル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸のエステル、無機酸のエステル、有機酸の酸アミド、無機酸の酸アミド、アミン、二トリルおよびイソシアネートを挙げることができる。中でも、アルコキシケイ素、エーテルおよびアミンが好ましく、具体的には、トリアルキルアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジエチルエーテル、ジノルマルブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1.3−ジオキソラン、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミン、エチルジメチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチルプロピルアミンあるいはジエチルイソプロピルアミン等が挙げられる。
【0206】
成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて、成分(C)と、成分(D)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は例えば−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は例えば1分間〜200時間であり、好ましくは30分間〜100時間である。また、接触は、各成分が重合反応槽に別々に投入されて、重合反応器内で行われてもよい。
【0207】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記オレフィン重合触媒を用いるものである。
【0208】
重合方法としては、気相重合法、スラリー重合法、バルク重合法等が挙げられる。好ましくは、気相重合法であり、より好ましくは連続気相重合法である。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、例えば、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
【0209】
重合用触媒、各触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0210】
オレフィンを気相重合する場合、重合温度としては、例えば、オレフィン重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、有機アルミニウム化合物、電子供与性化合物を別途導入してもよい。
【0211】
重合に用いるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等の炭素原子数2〜20のオレフィンが挙げられる。これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。
【0212】
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合に好適であり、エチレンとα−オレフィンとの組み合せとしては、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−オクテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテン等が挙げられ、好ましくはエチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテンである。
【0213】
また、オレフィンの重合においては、必要に応じて、他の単量体を重合反応槽に導入し、本発明の効果を損なわない範囲において、該他の単量体を共重合させてもよい。該他の単量体としては、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、α,β−不飽和カルボン酸等を挙げることができる。
【0214】
これらの具体例としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレン等のアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族炭化水素;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。
【0215】
本発明のオレフィン重合体の製造方法としては、成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて、成分(C)と、成分(D)とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合触媒成分または重合触媒として用いて、オレフィンを重合する方法が好ましい。
【0216】
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
【0217】
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、成分(A)1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
【0218】
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて、成分(C)と、成分(D)とを投入する方法としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
【0219】
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、例えば、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、飽和脂肪族炭化水素化合物としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
【0220】
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの成分(A)の量が、例えば0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、例えば−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、例えば0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、例えば2分間〜15時間である。
【0221】
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0222】
本発明のオレフィン重合体の製造方法により得られるオレフィン重合体としては、エチレン単独重合体、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体等が挙げられる。エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体としては、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。好ましくは、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、より好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
【実施例】
【0223】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
【0224】
(1)粒子の体積基準での平均粒径
SYMPATEC社製レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS RODOSシステムを使用して以下の測定条件により、シリカおよび改質した粒子を乾燥状態で分散させて粒度分布を測定し、体積基準平均粒径を算出した。
【0225】
(測定条件)
レンジ :R4 1.8〜350μm
トリガー条件:リファレンス持続時間 2秒
:タイムベース 100m秒
:スタート channel 15≧0.5%
:停止 2s、channel 15≦0.5%、 10s実時間
分散条件 :RODOS(乾式気流型分散ユニット)直投式
:フィーダー VIBRI
:送り 50%
:インジェクター 4mm
:分散圧 1.5bar。
【0226】
(2)粒子の粒径が30μm以下である粒子の含有量
上記で測定した粒度分布から、粒径が30μm以下の粒子の量を体積換算で算出した。
【0227】
(3)元素分析
Znは、試料を硫酸水溶液(1M)に投じたのち超音波をあてて金属成分を抽出した。
得られた液体部分についてICP発光分析法により定量した。Fは、酸素を充填させたフラスコ中で試料を燃焼させて生じた燃焼ガスを水酸化ナトリウム水溶液(10%)に吸収させ、得られた当該水溶液についてイオン電極法を用いて定量した。
【0228】
(4)密度(単位:kg/m
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
【0229】
(5)メルトフローレート(MFR)
MFRは、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃にて荷重21.18N(2.16kg)で測定したメルトフローレート値(単位:g/10分)である。メルトフローレート測定についてはすべて、予め酸化防止剤を1000ppm配合した重合体を用いた。
【0230】
(6)嵩密度
JIS K6721−1966に規定された方法に従い、嵩密度計より自由落下させ、所定容積中の重量を測定し、単位体積あたりの重量として嵩密度を算出した。
【0231】
[実施例1]
(1)シリカの分級処理
日清エンジニアリング社製精密気流遠心力式分級機(製品名;ターボクラッシュファイア、型式:TC−40)を用いて、回転数=1200回転;風量=10m/min;供給速度=50kg/hrにて、シリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=51μm;細孔容量=1.55ml/g;比表面積=303m/g)を分級処理した。その結果、分級処理済みのシリカ(微粉を低減した粗粉)の回収率は76.9%であった。粒度分布測定の結果、分級処理済シリカの平均粒径=58μm、30μm以下である粒子の含有量=6.3%であった。
【0232】
(2)シリカの処理
窒素置換した撹拌機を備えた50リットルの反応器に、溶媒としてトルエン21.3リットル、成分(d)として上記実施例1(1)で得られた分級処理済みシリカを窒素流通下で300℃にて加熱処理したもの2.59kgを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン823gとトルエン1.49リットルの混合溶液を反応器の温度を5℃±3℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、95℃で3時間攪拌した。混合物を静置して固体(下層)を沈降させ、スラリー(上層)を残りのスラリー量が14リットルになるまで取り除き、残ったスラリーにトルエン30リットルを加えた。混合物を95℃まで昇温し、25分間攪拌した。次いで上記洗浄操作を4回繰り返した。その後、混合物を静置して固体(下層)を沈降させ、スラリー(上層)を残りのスラリー量が14リットルになるまで取り除き、次いで、5.4リットルのトルエンを投入しトルエンスラリーとした。
【0233】
(3)改質された粒子(成分(A))の調製
上記実施例1(2)で得られたトルエンスラリーへ、成分(a)として32wt%のジエチル亜鉛のヘキサン溶液2.49kgを投入し、攪拌した。その後、5℃に冷却した後、成分(b)として濃度を35.4wt%に調製した3,4,5−トリフルオロフェノールのトルエン溶液2.00kgを、反応器内容物の温度を5℃±3℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。22℃に冷却した後、成分(c)として水0.101リットルを反応器内容物の温度を22℃±3℃に保ちながら91分で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間、40℃で2時間、80℃で2時間攪拌した。その後、混合物を静置し、固体成分を沈降させスラリー(上層)を残りのスラリー量が14リットルになるまで取り除いた。次いで、トルエン13リットルを加えた。その後、95℃に昇温し、4時間攪拌した。その後、混合物を静置して固体(下層)を沈降させ、スラリー(上層)を残りのスラリー量が14リットルになるまで取り除き、残ったスラリーにトルエン30リットルを加えた。混合物を95℃まで昇温し、20分間攪拌した。このような洗浄操作を3回繰り返した。次いで、混合物を静置して固体(下層)を沈降させ、スラリー(上層)を残りのスラリー量が14リットルになるまで取り除き、残ったスラリーにヘキサン30リットルを加え攪拌した。この洗浄操作を2回繰り返した。固体成分を減圧下、ジャケット入り口温度を48℃で6時間乾燥を行うことにより改質された粒子(成分(A))2.99kgを得た。粒度分布測定の結果、平均粒径=62μm、30μm以下である粒子の含有量=4.7%であり、元素分析の結果、亜鉛原子=1.7mmol/g、フッ素原子=3.4mmol/gであった。
【0234】
(4)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付き反応器に、常温下でブタン80リットルを投入し、次に、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド89.5mmolを投入した。その後、反応器内の温度を50℃まで上昇させ、2時間攪拌した。反応器内の温度を30℃まで降温し、エチレンを0.1kg投入した。次に、上記実施例1(3)で得られた改質された粒子(成分(A))706gを投入した。その後、水素を常温常圧として0.1リットル投入した。系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム262.5mmolを投入して重合を開始した。
【0235】
重合開始後、反応器内の重合温度を30℃で0.5時間運転を行い、その後30分かけて50℃まで昇温して、その後は50℃で重合を行った。最初の0.5時間は、エチレンを0.6kg/hrで供給し、水素を常温常圧として0.5リットル/hrの速度で供給し、重合開始後0.5時間からは、エチレンを3.2kg/hr、水素を常温常圧として9.6リットル/hrの速度で供給し、合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、反応器内圧力を0.6MPaGまでパージし、スラリー状予備重合触媒成分を乾燥器に移送して、窒素流通乾燥を実施して、予備重合触媒成分を得た。該予備重合触媒成分中のエチレン重合体の予備重合量は、改質された粒子(成分(A))1g当り23.1gであり、予備重合触媒成分の嵩密度は446kg/mであった。
【0236】
(5)気相重合
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:86℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン90.4mol%、水素1.48mol%、1−ブテン2.03mol%、1−ヘキセン0.94mol%、窒素6.3mol%、循環ガス線速度:0.33m/s、上記実施例1(4)で得た予備重合触媒成分の供給量:39.1g/hr、トリエチルアミンの供給量:0.6mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:20mmol/hrの条件で、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、約21kg/hrの生成速度でエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。該共重合体の密度は918.0kg/m、MFRは0.9g/10分、嵩密度は366kg/mであった。また、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーを循環ガスラインに設けられたサイクロンで回収したところ、回収量は0.16g/hrであった。
【0237】
[比較例1]
(1)改質された粒子(成分(X))の調製
実施例1(1)の分級処理を行わず窒素流通下で300℃にて加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=48μm;30μm以下である粒子の含有量=18.6%;細孔容量=1.58ml/g;比表面積=317m/g)を用いた以外は実施例1(2)(3)と同様な調整を行った。粒度分布測定の結果、改質された粒子(成分(X))の平均粒径=51μm、30μm以下である粒子の含有量=16.6%であり、元素分析の結果、亜鉛原子=1.7mmol/g、フッ素原子=3.4mmol/gであった。
【0238】
(2)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付き反応器に、常温下でブタン80リットルを投入し、次に、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド89.5mmolを投入した。その後、反応器内の温度を50℃まで上昇させ、2時間攪拌した。反応器内の温度を30℃まで降温し、エチレンを0.1kg投入した。次に、上記比較例1(1)で得られた改質された粒子(成分(X))704gを投入した。その後、水素を常温常圧として0.1リットル投入した。系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム262.5mmolを投入して重合を開始した。
【0239】
重合開始後、反応器内の重合温度を30℃で0.5時間運転を行い、その後30分かけて50℃まで昇温して、その後は50℃で重合を行った。最初の0.5時間は、エチレンを0.7kg/hrで供給し、水素を常温常圧として0.7リットル/hrの速度で供給し、重合開始後0.5時間からは、エチレンを3.2kg/hr、水素を常温常圧として9.5リットル/hrの速度で供給し、合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、反応器内圧力を0.6MPaGまでパージし、スラリー状予備重合触媒成分を乾燥器に移送して、窒素流通乾燥を実施して、予備重合触媒成分を得た。該予備重合触媒成分中のエチレン重合体の予備重合量は、改質された粒子(成分(X))1g当り23.1gであり、予備重合触媒成分の嵩密度は480kg/mであった。
【0240】
(3)気相重合
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:86℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン90.4mol%、水素1.46mol%、1−ブテン1.97mol%、1−ヘキセン0.98mol%、窒素6.7mol%、循環ガス線速度:0.33m/s、上記比較例1(2)で得た予備重合触媒成分の供給量:30.6g/hr、トリエチルアミンの供給量:0.6mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:21mmol/hrの条件で、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、約22kg/hrの生成速度でエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。該共重合体の密度は917.5kg/m、MFRは0.6g/10分、嵩密度は378kg/mであった。また、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーを循環ガスラインに設けられたサイクロンで回収したところ、回収量は0.44g/hrであった。
【0241】
実施例1と比較例1を対比すると、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーの量が少なく、本発明の改質された粒子(成分(A))を用いる方が優れていることがわかる。
【0242】
[実施例2]
(1)気相重合
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:80℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン92.7mol%、水素1.17mol%、1−ヘキセン1.6mol%、窒素5.7mol%、循環ガス線速度:0.28m/s、前記実施例1(4)で得た予備重合触媒成分の供給量:27.5g/hr、トリエチルアミンの供給量:0.6mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:21mmol/hrの条件で、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、約21kg/hrの生成速度でエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。該共重合体の密度は911.0kg/m、MFRは0.6g/10分、嵩密度は399kg/mであった。また、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーを循環ガスラインに設けられたサイクロンで回収したところ、回収量は0.77g/hrであった。
【0243】
[比較例2]
(1)気相重合
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:80℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン91.9mol%、水素1.18mol%、1−ヘキセン1.6mol%、窒素6.1mol%、循環ガス線速度:0.28m/s、前記比較例1(2)で得た予備重合触媒成分の供給量:23.8g/hr、トリエチルアミンの供給量:0.6mmol/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:21mmol/hrの条件で、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、約23kg/hrの生成速度でエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。該共重合体の密度は911.2kg/m、MFRは0.3g/10分、嵩密度は407kg/mであった。また、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーを循環ガスラインに設けられたサイクロンで回収したところ、回収量は2.88g/hrであった。
【0244】
実施例2と比較例2を対比すると、流動床気重合槽において、未反応ガスに同伴して重合槽から持ち出されるポリマーの量が少なく、本発明の改質された粒子(成分(A))を用いる方が優れていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、オレフィンの重合に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される亜鉛化合物(成分(a))と、下記一般式(2)で表される化合物(成分(b))と、下記一般式(3)で表される化合物(成分(c))と、無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(成分(d))とを接触させて形成され、体積基準での平均粒径が40〜100μmであり、かつ粒径が30μm以下である粒子の含有量が、10重量%以下である改質された粒子(ただし、改質された粒子の全重量を100重量%とする。)。
ZnR (1)
[式中、R1は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、2つのR1は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
t−1H (2)
[式中、T1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、tはTの原子価に相当する数を表す。Rは電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
s−2 (3)
[式中、Tは酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、sはTの原子価に相当する数を表す。Rは炭化水素基を表す。]
【請求項2】
無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(成分(d))に含有される粒径が30μm以下である粒子の含有量が、10重量%以下である無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(ただし、無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子の全量を100重量%とする。)である請求項1に記載の改質された粒子。
【請求項3】
請求項1または2に記載の改質された粒子(成分(A))と、第4族遷移金属化合物(成分(B))とを接触させて形成されるオレフィン重合触媒。
【請求項4】
請求項1または2に記載の改質された粒子(成分(A))と、第4族遷移金属化合物(成分(B))と、有機アルミニウム化合物(成分(C))とを接触させて形成されるオレフィン重合触媒。
【請求項5】
請求項3または4に記載のオレフィン重合触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法。
【請求項6】
オレフィン重合体がエチレンとα−オレフィンとの共重合体である請求項5に記載のオレフィン重合体の製造方法。

【公開番号】特開2010−202710(P2010−202710A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47052(P2009−47052)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】