説明

放熱モジュール及び電子装置

【課題】 放熱特性に優れ、かつ電子回路部品の電気的特性を損なわない放熱モジュールの実現が望まれている。
【解決手段】 電子回路部品が実装される実装基板の実装面とは反対側の背面に第1の接続部材が取り付けられる。第1の接続部材は、電子回路部品に電気的に接続された実装基板の第1の導電膜に、電気的に接続され、かつ熱的に結合する。放熱部材が第1の接続部材に熱的に結合し、電子回路部品から第1の接続部材まで伝達された熱を放熱する。抵抗体が、第1の接続部材をグランド電位に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子等が実装される実装基板に取り付けられる放熱モジュール、及び放熱モジュールが搭載された電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高速化及び高密度化の要求に伴い、電子機器の発熱密度が高くなる傾向にある。大規模集積回路素子(LSI)等が実装される実装基板のスルーホールにプレスフィットピンを挿入し、このプレスフィットピンを介して放熱を行う方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−246044号公報
【特許文献2】特開2008−283154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実装基板のスルーホール側面には、LSIの端子に接続される導電膜が形成されている。スルーホールに挿入されたプレスフィットピンは、スルーホール内の導電膜に電気的に接続されるため、伝送線路のショートスタブまたはオープンスタブとして機能する。このため、放熱特性を高めるための部品が、電気的特性に悪影響を与える場合がある。
【0005】
放熱特性に優れ、かつ電子回路部品の電気的特性を損なわない放熱モジュールの実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によると、
電子回路部品が実装される実装基板の実装面とは反対側の背面に取り付けられ、前記実装基板のスルーホール内に設けられた第1の導電膜に接触する第1の接続部材と、
前記第1の接続部材に熱的に結合し、前記電子回路部品から前記第1の接続部材まで伝達された熱を放熱する放熱部材と、
前記第1の接続部材をグランド電位に接続する抵抗体と
を有する放熱モジュールが提供される。
【0007】
本発明の他の観点によると、
信号線及びグランド線を含む電子回路部品と、
前記電子回路部品を実装面に実装する実装基板であって、第1及び第2のスルーホールが形成されており、前記第1及び第2のスルーホールの内面に、それぞれ前記実装面から、反対側の背面まで至る第1及び第2の導電膜が形成され、前記電子回路部品の前記信号線及び前記グランド線が、それぞれ前記第1及び第2の導電膜に接続されている実装基板と、
前記実装面の背面に実装され、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とを電気的に接続する抵抗体、及び前記第1及び第2の導電膜に熱的に結合する放熱部材を有する放熱モジュールと
を有する電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
第1の導電膜が、実装基板の背面側の端部において、抵抗体で終端される。抵抗体によってインピーダンス整合をとることができる。これにより、第1の導電膜の背面側の端部からの反射波等によって電子回路部品の動作が不安定になることを抑制することができる。また、電子回路部品で発生した熱を、放熱部材から効率的に放熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1による放熱モジュール、及び実装基板、電子回路部品の断面図である。
【図2−1】図2A〜図2Cは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−2】図2D〜図2Fは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−3】図2G〜図2Iは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−4】図2J〜図2Lは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−5】図2M〜図2Nは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−6】図2O〜図2Qは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−7】図2R〜図2Tは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図2−8】図2U〜図2Vは、実施例1による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図3】実施例1による放熱モジュールの部分拡大断面図である。
【図4−1】図4A〜図4Dは、実施例2による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図4−2】図4E〜図4Gは、実施例2による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図5】実施例2による放熱モジュールの部分拡大断面図である。
【図6−1】図6A〜図6Dは、実施例3による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図6−2】図6E〜図6Gは、実施例3による放熱モジュールの製造途中段階における断面図である。
【図7】図7は、実施例4による放熱モジュール、及び実装基板、電子回路部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施例1]
図1に、実施例1による放熱モジュール、及び放熱モジュールが取り付けられる実装基板及び電子回路部品の断面図を示す。電子回路部品10が実装基板15に実装されている。電子回路部品10は、例えば半導体チップ10A及びインターポーザ10Bを含み、発熱源となる。実装基板15に複数のスルーホール16が形成されている。スルーホール16の内面に、導電膜17が形成されている。導電膜17は、実装基板15の実装面から、反対側の背面まで至る。
【0011】
実装基板15の実装面には、スルーホール16内の導電膜17に電気的に接続されたランド18が形成されている。ランド18は、はんだバンプ12を介して電子回路部品10に接続されている。スルーホール16内の導電膜17は、はんだバンプ12を介して、電子回路部品10の配線、例えば信号線、電源線、グランド線等に接続される。放熱モジュール20が、実装基板15の背面に搭載されている。
【0012】
次に、放熱モジュール20の構造について説明する。放熱用のフィン21Aを有する放熱部材21に、銀ペースト等の熱伝導性に優れた接着剤22により、金属箔23が接着されている。放熱部材21には、放熱性の高い材料、例えば銅、アルミニウム、グラファイト等が用いられる。金属箔23として、例えば、銅箔が用いられる。
【0013】
金属箔23の表面に、絶縁性の樹脂シート(樹脂膜)25が重ねられている。樹脂シート25の上に、複数の抵抗体26が形成されている。抵抗体26には、例えばニッケルが用いられる。抵抗体26の両端に、ランド28が形成されている。ランド28には、例えば銅が用いられる。ランド28にプレスフィットピン30がはんだ付けされている。
【0014】
プレスフィットピン30が、実装基板15のスルーホール16内に挿入されることにより、放熱モジュール20が実装基板15に取り付けられる。プレスフィットピン30は、抵抗体26をスルーホール16内の導電膜17に電気的に接続する接続部材として機能する。さらに、プレスフィットピン30は、導電膜17を放熱部材21に熱的に結合させる接続部材としても機能する。
【0015】
電子回路部品10で発生した熱が、スルーホール16内の導電膜17、プレスフィットピン30、抵抗体26、樹脂シート25、及び金属箔23を経由して、放熱部材21まで伝達される。これにより、電子回路部品10で発生した熱を、効率的に放熱することができる。
【0016】
また、抵抗体26の一端は、プレスフィットピン30及び導電膜17を介して、電子回路部品10の信号線に接続される。抵抗体26の他端は、他のプレスフィットピン30、及び他の導電膜17を介して、電子回路部品10のグランド線に接続される。
【0017】
放熱モジュール20が搭載されていない状態では、電子回路部品10の信号線に接続された導電膜17が、オープンスタブとして作用する。放熱モジュール20を実装基板15に搭載すると、導電膜17からなるオープンスタブの先端が、抵抗体26を経由してグランド電位に接続される。抵抗体26は、オープンスタブの終端抵抗として作用する。抵抗体26の抵抗値は、電子回路部品10の出力インピーダンスと整合するように設定される。一例として、電子回路部品10の出力インピーダンスが50Ωの場合、抵抗体26の抵抗値は50Ωに設定される。これにより、電気信号の反射に起因して、電子回路部品10の動作が不安定になることを防止することができる。
【0018】
図1では、抵抗体26の一端を、電子回路部品10のグランド線に接続したが、他のグランド電位、例えば実装基板15内のグランド線に接続してもよい。
【0019】
図2A〜図2Vを参照して、実施例1による放熱モジュールの製造方法について説明する。
【0020】
図1Aに示すように、両面銅張板40の両面に、Bステージ(半硬化状態)の樹脂シート41を積み重ねる。両面銅張板40のコア基板には、例えばガラスエポキシが用いられる。一例として、両面銅張板40の平面形状は長方形であり、短辺及び長辺の長さが、それぞれ340mmおよび510mmである。両面銅張板40の厚さは、例えば1.0mmである。樹脂シート41の縁は、両面銅張板40の縁とほぼ整合する。
【0021】
樹脂シート41の上に、分離用銅箔42を積み重ねる。分離用銅箔42の平面形状は長方形であり、短辺及び長辺の長さが、それぞれ330mm及び500mmである。分離用銅箔42は樹脂シート41よりもやや小さい。分離用銅箔42は、その縁が、樹脂シート25の対応する縁からほぼ等距離隔てて配置される。このため、分離用銅箔42の外周よりも外側に樹脂シート41が露出する。樹脂シート41が露出した領域の幅は約5mmになる。
【0022】
分離用銅箔42の上に、金属箔23を積み重ねる。金属箔23の平面形状及び寸法は、樹脂シート41の平面形状及び寸法と同一である。金属箔23は、その外周が樹脂シート41の外周に整合するように積み重ねられる。この状態で、真空プレス機を用い、圧力0.5MPa、温度180℃の条件で熱処理を行う。この熱処理により、Bステージの樹脂シート41が硬化する。
【0023】
図2Bに、熱処理後の断面図を示す。分離用銅箔42が樹脂シート41に密着し、金属箔23が、分離用銅箔42の外周よりも外側の領域において、樹脂シート41に密着する。
【0024】
図2Cに示すように、金属箔23の上に、Bステージの樹脂シート25を積み重ねる。この樹脂シート25の外周は、金属箔23の外周にほぼ整合する。
【0025】
図2Dに示すように、樹脂シート25の上に、複合箔29を積み重ねる。複合箔29の外周は、樹脂シート25の外周にほぼ整合する。複合箔29は、銅箔28aとニッケル箔26aとの2層構造を有する。ニッケル箔26aが樹脂シート25に対向する。
【0026】
この状態で、真空プレス機を用い、圧力0.5MPa、温度180℃の条件で熱処理を行う。この熱処理により、Bステージの樹脂シート25が硬化し、樹脂シート25が金属箔23に密着するとともに、複合箔29が樹脂シート25に密着する。
【0027】
図2Eに示すように、複合箔29の上に、レジストパターン45を形成する。レジストパターン45は、ドライフィルムレジストを積み重ねた後、露光及び現像を行うことにより形成される。レジストパターン45は、図1に示した抵抗体26が配置されるべき領域に形成される。
【0028】
図2Fに示すように、レジストパターン45をエッチングマスクとして、銅箔28aをエッチングする。このエッチングには、例えば塩化第二鉄水溶液が用いられる。レジストパターン45の直下に銅箔28aが残り、他の領域にニッケル箔26aが露出する。
【0029】
図2Gに示すように、レジストパターン45(図2F)を除去する。図2Hに示すように、銅箔28aをエッチングマスクとして、ニッケル箔26a(図2G)をエッチングする。ニッケル箔26aのエッチングには、例えば硝酸を含むエッチャントが用いられる。これにより、銅箔28aの直下に、ニッケルからなる抵抗体26が形成される。
【0030】
図2Iに示すように、銅箔28aの各々の両端を覆うレジストパターン46を形成する。レジストパターン46は、ドライフィルムレジストを積み重ねた後、露光及び現像を行うことにより形成される。レジストパターン46は、図1に示したランド28が配置されるべき領域に形成される。
【0031】
図2Jに示すように、レジストパターン46をエッチングマスクとして、銅箔28a(図2I)をエッチングする。これにより、レジストパターン46の直下に、銅からなるランド28が形成される。図2Kに示すように、レジストパターン46(図2J)を除去する。
【0032】
図2Lに示すように、樹脂シート25、抵抗体26、及びランド28の露出した表面に、表面保護テープ48を貼付する。表面保護テープ48には、例えば紫外線照射によって粘着力が低下するUVテープが用いられる。
【0033】
図2Mに示すように、両面銅張板40から表面保護テープ48までの積層構造の外周近傍の領域を、切断位置49で切断する。切断位置49は、分離用銅箔42の外周よりもやや内側である。図2Nに示すように、切断位置49よりも内側の部分において、金属箔23から表面保護テープ48までの積層部分が、両面銅張板40及び分離用銅箔42を含む積層部分から分離される。
【0034】
図2Oに示すように、片面にフィン21Aが形成された放熱部材21の平坦な表面に、銀ペースト等の接着剤22を塗布する。図2Nまでの工程で作製された金属箔23から表面保護テープ48までの積層部分を、放熱部材21に対向させる。このとき、金属箔23を、接着剤22が塗布された面に対向させる。図2Pに示すように、金属箔23を放熱部材21に、接着剤22によって接着する。表面保護テープ48に紫外線を照射することによって、表面保護テープ48の粘着力を低下させる。図2Qに示すように、表面保護テープ48(図2P)を、樹脂シート25、抵抗体26、及びランド28から剥離する。
【0035】
図2Rに示すように、ランド28の上にはんだペースト50aを塗布する。図2Sに示すように、はんだリフロー処理を行うことにより、ランド28の上にはんだボール50を形成する。
【0036】
図2Tに示すように、プレスフィットピン30をピン支持具52で支持し、プレスフィットピン30の基部(ネイルヘッド部)をはんだボール50に対向させる。図2Uに示すように、プレスフィットピン30の基部をはんだボール50に接触させた状態で、はんだリフロー処理を行う。これにより、プレスフィットピン30がランド28にはんだ付けされる。図2Vに示すように、ピン支持具52(図2U)を取り外すことにより、放熱モジュール20が完成する。
【0037】
図3に、放熱モジュールの部分拡大断面図を示す。樹脂シート25には、熱抵抗を低下させるための無機フィラーが含有されている。スルーホール16(図1)内の導電膜17からプレスフィットピン30まで伝達された熱は、はんだ50、ランド28、抵抗体26、樹脂シート25、金属箔23、接着剤22を経由して、放熱部材21まで伝達される。樹脂シート25に無機フィラーを含有させることにより、プレスフィットピン30から放熱部材21までの熱伝達率を高めることができる。複数の抵抗体26(図1)の間の電気的絶縁は、絶縁性の樹脂シート25により確保される。
【0038】
実施例1では、放熱モジュール20をプレスフィットピン30により実装基板15に搭載した。プレスフィットピン30の代わりに通常のピンを用い、このピンをスルーホール16内の導電膜17にはんだ付けしてもよい。
【0039】
[実施例2]
図4A〜図4Gを参照して、実施例2による放熱モジュールの製造方法について説明する。
【0040】
図4Aに示した金属箔23から表面保護テープ48までの積層部分は、実施例1の図2Aから図2Nまでの工程と同一の工程により作製される。
【0041】
図4Bに示すように、金属箔23(図4A)をエッチングして除去する。これにより、樹脂シート25が露出する。
【0042】
図4Cに示すように、一方の面にフィン21Aが形成されたアルミニウムからなる放熱部材21の平坦な表面を陽極酸化することにより、陽極酸化膜60を形成する。
【0043】
図4Dに示すように、陽極酸化膜60の表面に接着剤61を塗布する。樹脂シート25から表面保護テープ48までの積層部分の樹脂シート25と、放熱部材21の陽極酸化膜60とを対向させる。
【0044】
図4Eに示すように、放熱部材21と樹脂シート25とを、接着剤61によって貼り合わせる。その後、表面保護テープ48に紫外線を照射することにより、その粘着力を弱める。図4Fに示すように、表面保護テープ48(図4E)を剥離する。樹脂シート25、抵抗体26、及びランド28が露出する。図4Gに示すように、ランド28にプレスフィットピン30をはんだ付けする。プレスフィットピン30のはんだ付け工程は、実施例1の図2Rから図2Uまでの工程と同一である。
【0045】
図5に、実施例2による放熱モジュールの部分拡大断面図を示す。アルミニウムの陽極酸化膜60は多孔性であり、表面に多数の微細な凹部が形成されている。接着剤61がこの凹部内に侵入するため、樹脂シート25と陽極酸化膜60との間隔を狭めることができる。ランド28から放熱部材21までの熱流路のうち最も熱抵抗の高い接着剤61を薄くすることができるため、全体の熱抵抗を低減させることができる。これにより、放熱効率を高めることができる。
【0046】
[実施例3]
図6A〜図6Gを参照して、実施例3による放熱モジュールの製造方法について説明する。
【0047】
図6Aに示すように、アルミニウムからなる支持基板70の片面を陽極酸化することにより、陽極酸化膜71を形成する。図6Bに示すように、陽極酸化膜71の上にBステージの樹脂シート25を積み重ねる。樹脂シート25は、図2Cに示した実施例1で用いた樹脂シート25と同一のものである。
【0048】
図6Cに示すように、樹脂シート25の上に、複合箔29を積み重ねる。複合箔29は、図2Dに示した実施例1で用いた複合箔29と同一のものである。複合箔29は、ニッケル箔26aと銅箔28aとの2層を含む。真空プレス機を用いて熱処理することにより、樹脂シート25を硬化させる。
【0049】
図6Dに示すように、複合フィルム29を加工することにより、抵抗体26及びランド28を形成する。この工程は、実施例1の図2Eから図2Kまでの工程と同一である。樹脂シート25、抵抗体26、及びランド28の露出した表面に、表面保護テープ48を貼付する。表面保護テープ48は、図2Lに示した実施例1で用いたものと同一である。
【0050】
図6Eに示すように、支持基板70の、陽極酸化膜71が形成されていない面に接着剤22を塗布し、放熱部材21を貼付する。接着剤22には、例えば銀ペーストが用いられる。その後、表面保護テープ48に紫外線を照射して、その粘着力を弱める。図6Fに示すように、表面保護テープ48(図6E)を剥離する。
【0051】
図6Gに示すように、ランド28にプレスフィットピン30をはんだ付けする。プレスフィットピン30のはんだ付け工程は、実施例1の図2Rから図2Uまでの工程と同一である。
【0052】
実施例1及び実施例2では、製造途中段階で一時的な支持基板として両面銅張板40を用いたが、実施例3では、両面銅張板40を用いる必要がない。また、実施例3による放熱モジュールを用いることにより、実施例1、2の場合と同様に、電子回路部品の動作を損なうことなく、効率的に放熱を行うことができる。
【0053】
[実施例4]
図7に、実装基板15、電子回路部品10、及び実施例4による放熱モジュール20の断面図を示す。以下の説明では、図1に示した実施例1との相違点に着目して説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0054】
実施例1では、放熱モジュールと実装基板15との接続にプレスフィットピン30が用いられていた。実施例4では、はんだバンプ31により、放熱モジュール20が実装基板15に搭載される。実装基板15の背面に、はんだバンプ31を接続するためのランド19が形成されている。ランド19は、スルーホール16内の導電膜17を介して、実装面側のランド18に、電気的かつ熱的に接続されている。
【0055】
実施例4においても、電子回路部品10の動作の安定性を維持し、かつ効率的に放熱を行うことができる。
【0056】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0057】
10 電子回路部品
10A 半導体チップ
10B インターポーザ
12 はんだバンプ
15 実装基板
16 スルーホール
17 導電膜
18、19 ランド
20 放熱モジュール
21 放熱部材
21A フィン
22 接着剤
23 金属箔
25 樹脂シート
26 抵抗体
26a ニッケル箔
28 ランド
28a 銅箔
30 プレスフィットピン(接続部材)
31 はんだバンプ(接続部材)
40 両面銅張板
41 樹脂シート
42 分離用銅箔
45、46 レジストパターン
48 表面保護テープ
49 切断位置
50 はんだボール
50a はんだペースト
52 ピン支持具
60 陽極酸化膜
61 接着剤
70 支持基板
71 陽極酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路部品が実装される実装基板の実装面とは反対側の背面に取り付けられ、前記実装基板のスルーホール内に設けられた第1の導電膜に接触する第1の接続部材と、
前記第1の接続部材に熱的に結合し、前記電子回路部品から前記第1の接続部材まで伝達された熱を放熱する放熱部材と、
前記第1の接続部材をグランド電位に接続する抵抗体と
を有する放熱モジュール。
【請求項2】
前記第1の接続部材は、前記スルーホール内に挿入されるプレスフィットピンである請求項1に記載の放熱モジュール。
【請求項3】
前記電子回路部品のグランド電位に接続された前記実装基板の第2の導電膜に、電気的に接続され、かつ熱的に結合し、前記抵抗体を介して前記第1の接続部材に電気的に接続された第2の接続部材を、さらに有する請求項1または2に記載の放熱モジュール。
【請求項4】
さらに、前記放熱部材に固定された絶縁性の樹脂膜を有し、
前記抵抗体は、前記樹脂膜の上に形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放熱モジュール。
【請求項5】
前記放熱部材がアルミニウムで形成されており、前記放熱部材の一部の表面に陽極酸化膜が形成され、前記樹脂膜が、前記陽極酸化膜の上に接着剤で固定されている請求項4に記載の放熱モジュール。
【請求項6】
信号線及びグランド線を含む電子回路部品と、
前記電子回路部品を実装面に実装する実装基板であって、第1及び第2のスルーホールが形成されており、前記第1及び第2のスルーホールの内面に、それぞれ前記実装面から、反対側の背面まで至る第1及び第2の導電膜が形成され、前記電子回路部品の前記信号線及び前記グランド線が、それぞれ前記第1及び第2の導電膜に接続されている実装基板と、
前記実装面の背面に実装され、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とを電気的に接続する抵抗体、及び前記第1及び第2の導電膜に熱的に結合する放熱部材を有する放熱モジュールと
を有する電子装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図2−8】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−26317(P2013−26317A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157803(P2011−157803)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】