説明

放送ディジタルコンテンツの限定受信制御のためにDRMを用いるためのシステム及び方法

放送環境においてDRMを提供するシステム及び方法が開示されている。実施例によれば,DRMシステムが暗号化されたサービスかぎを移動体電話ネットワークを介して移動体端末に配信する。移動体端末は暗号化されたサービスかぎを受信し,それを使ってDVBセットトップボックスから受信した暗号化コンテンツかぎを復号する。復号されたコンテンツかぎはローカルリンクを介してセットトップボックスに送信され,暗号化された放送コンテンツを復号するために用いられる。受信機ハードウェアが再生過程の一部で電源を切ることができるようにする移動体受信機のための電力管理テクニックも開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,一般にIPデータキャストコンテンツの保護送信と利用とに関する。より特定するならば,移動体端末を用いるセキュアなブロードバンドディジタルコンテンツ配信と権利管理とに関する。
【背景技術】
【0002】
DVBは,ディジタル放送ビデオコンテンツの配信のための標準を定めている。DVBの採用に関する一つの課題は,標準が規定する元々のディジタルコンテンツは,コンテンツ所有者の同意なしに,品質劣化なく記録され配信される可能性があることである。未承認の配信を防ぐために,DVB標準には,送信前に配信コンテンツを暗号化するためのメカニズムがある。しかしながら,DVBはディジタル権利管理(DRM)スキーム又はかぎ配信標準を規定していない。これら二つの要素は,セキュア伝送とコンテンツを保護するための限定受信とを保証する。DVBは,コンテンツ保護のこの観点を,独自DRMシステムの開発に委ねている。
【0003】
どの権利管理システムにおいても,配信コンテンツの暗号化は比較的単純である。より難しいのは,配信情報を復号し,利用するのに必要な権利の限定受信情報を配信することである。権利には,例えばコンテンツをある期間再生したり,コンテンツを限定された回数だけコピーしたりするといった,暗号化コンテンツに対して最終ユーザがすることができることが組み込まれる。DRMは,権利自体は自由にコピー又は配信できないようになっている厳格に管理されたシステムに,コンテンツを復号するために必要なかぎを包み込むことによってコンテンツの限定受信を達成している。米国特許出願公報 No.2003-0076955-A1を参照されたい。これらの権利を成功裏に管理するには,特定の承認された最終ユーザ外に権利が配信されないように,権利を個別化する必要がある。
【0004】
現在のDVB DRMソリューションでは,DVB送信信号を搬送するのと同じ放送でこれらの権利を証明書(voucher)として送信する。この方法は,各ユーザが個別化された権利証明書を受信する必要があるので,非常な帯域幅の浪費となり得る。証明書の数が大きくなるにつれ,ディジタルコンテンツも搬送しなければならない放送リンクの帯域幅が,不必要に浪費されることになる。この証明書送信方法は,放送を受信する各ユーザがそのユーザに向けられた証明書のみならず,他のユーザに向けられた証明書も受信するので特に浪費的である。
【0005】
DRMを提供する他の方法では,スマートカード及びモデムを備えるセットトップボックスのような特別な装置を利用して,例えば電話回線のようなさまざまな通信リンクを通じて権利証明書を配信するように制御する。しかし,権利配信を実行するために必要な特別な装置を利用すると,空中波の放送事業者は,ケーブル配信事業者のように効率的には最終ユーザの装置を制御することができない。問題は,空中波放送事業者が付加的な有料放送システムを開発したいと思っても,まず最初にDRMインフラストラクチャ(ハードウェア及びソフトウェア)及び課金メカニズムを含む最終ユーザのための統一ハードウェアインフラストラクチャを開発しなければならないことである。このシステムを構築するために必要な投資は,どの一つの放送チャンネルにとっても相当なものとなる。さらに,最終ユーザはただ一つのチャンネルのためのシステムに投資したり,新たな装置を取得したりしそうにない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
DVBコンテンツの限定受信を制御するためにDRMを用いるシステム及び方法を提供することによって,上記の問題が解決され,技術的進歩が達成できる。
【0007】
本発明の例としての実施例は,DVBサービスかぎを暗号化し,そのDVBサービスかぎの利用に関連する権利を記述した権利証明書を生成するDRMシステムである。権利証明書及び暗号化されたサービスかぎは移動体端末へ送信され,その端末は権利証明書に明瞭に表現された権利に従って,サービスかぎを暗号化するようにプログラムされている。DVB表示デバイスはコンテンツかぎで暗号化されたコンテンツを受信し,またサービスかぎで暗号化されたコンテンツかぎのバージョンも受信する。DVB表示デバイスは,暗号化コンテンツかぎを移動体端末に送信する。移動体端末は,権利証明書に定義された権利に従って,サービスかぎでコンテンツかぎを復号する。移動体端末は復号されたコンテンツかぎをDVB表示デバイスに送信し,そこで復号コンテンツかぎが暗号化コンテンツを復号するために用いられる。
【0008】
本発明の更なる例としての実施例では,DRMシステムが移動体端末に実行可能なアプリケーションを送信する。移動体端末は,それでサービスかぎ及びコンテンツかぎの復号を制御し,付与された権利を強制するアプリケーションを動作させる。
【0009】
本発明の更なる例としての実施例では,DRMシステム及び移動体端末が,双方ともOMA DRM標準に従って,サービスかぎを保護し,権利証明書を定義し,移動体端末に許諾された権利を強制するように動作する。
【0010】
本発明の更なる例としての実施例では,移動体端末がBluetooth(登録商標)を介してDVB表示デバイスと接続される。
【0011】
本発明の更なる例としての実施例では,移動体電話課金システムがDVBコンテンツの利用に対して課金するために利用される。
【0012】
本発明の他の更なる態様は,下記の説明及び添付の図面を参照することによって明らかになるであろう。
【実施例】
【0013】
本発明のシステム及び方法は,DVB環境においてDRM権利を送信するための効率的でセキュアな方法を提供する。本発明は,分離された配信路を用いることにより,不必要に放送送信帯域幅を浪費することなく,送信及び権利管理が保護された方法で行えるという利点がある。さらに,本発明の特に利点のある実施例では,既製の課金及びコンテンツ管理のための移動体電話インフラストラクチャ及び確立された移動体DRM標準を利用する。
【0014】
図1はDVBのコンテンツ暗号化及び配信スキームの概要を示す。クリアな,すなわち暗号化されていないDVBコンテンツ1cはまず,DVB共通スクランブルアルゴリズム(DVB CSA 5)に従って暗号化される。DVB CSA 5はクリアDVBコンテンツ1c及びランダムなCSA制御語(control word)10を入力として受け取る。DVB CSA 5は次に,対称暗号アルゴリズムを用いて暗号化DVBコンテンツ1eを生成する。CSA制御語10は,後で復号アルゴリズムによって,暗号化DVBコンテンツ1eを復号し,利用可能なクリアDVBコンテンツを回復するために必ず用いられる。それ故,CSA制御語は,配信された暗号化コンテンツのかぎと考えることができる。暗号化DVBコンテンツ1eは,今や空路(airways)50を介してDVB最終ユーザ40に自由に放送しても安全である。最終ユーザに関して,図は最終ユーザ40を示すために一つのシンボルを示しているだけであるが,任意の数の最終ユーザが放送コンテンツを受信できると理解すべきである。さらに,識別された最終ユーザ40は,例えばDVBコンテンツ及びメッセージを受信及び復号するDVB機能を実施するいくつかのハードウェア及びソフトウェアの構造体を表している。最終ユーザ構造体は,DVB標準及び開示されたシステムに従って動作するようにプログラムされた,TV,チューナ又はセットトップボックスのような任意の既知の装置に組み込むことができる。
【0015】
これまで説明した過程はDVB標準によって定義されており,それ故,さまざまなDVB実装間で統一が取れているべきである。しかし,最終ユーザ40によって受信される暗号化DVBコンテンツは,復号できて始めて利用価値がある。そうするために,最終ユーザ40は,CSA制御語10のコピーを必要とする。DVB標準はしかし,最終ユーザにどうやってセキュアに制御語を送信するかについて規定していない。DVB標準はまた,制御語が一旦配信された後,コンテンツ提供事業者によって規定された権利に従ってのみ使われることをどうやって保証するかについても規定していない。完全なDRMシステムはそれ故,通過時における制御語のセキュリティ保護と,コンテンツ提供事業者によって許諾された権利に従う最終ユーザの利用制限との双方を行わなければならない。DVBシステムのこの独自の態様を実行する一般的方法は,図1の破線長方形内に示されている。
【0016】
最初に,CSA制御語10はサービスかぎ(SK22)で暗号化される20。サービスかぎは,例えば有料チャンネル又はペイパービュー番組などの特定DVBサービスに関連付けられたすべてのCSA制御語を暗号化するのに用いられる。しかし,異なるサービスは,おそらく異なるかぎを用いるであろう。暗号化されたCSA制御語は,権利制御メッセージ(entitlement control message)(ECM25)に付加される。暗号化CSA制御語に加え,ECM20もまたヘッダ情報又は他の関連データを含むことができる。ECMは次に放送ネットワークを介して最終ユーザ40に送信される。
【0017】
ECMに含まれる暗号化CSA制御語は,次に暗号化DVBコンテンツを復号するのに用いられる前に,復号されなければならない。したがって,サービスかぎSK22を最終ユーザに送信しなければならない。それをセキュアに行うため,サービスかぎは特定最終ユーザに特定のユーザかぎ(UK27)で暗号化される28。典型的には,UKは最終ユーザのセットトップボックス内の保護されたスマートカードに格納される。暗号化SKは次に権利管理メッセージ(entitlement management message)EMM29を生成するために用いられる。EMMもまた,ヘッダ又は権利情報を含むことができる。送信された権利情報は,例えば,最終ユーザがどのように保護コンテンツを利用できるかを規定する。
【0018】
最終ユーザのハードウェアは,そのユーザのUKで暗号化されたデータを復号できるように予めプログラムされているので,前の暗号化ステップと異なり,ユーザかぎは最終ユーザ40に送信する必要がない。UKの秘密性及び可用性を保証するために,いくつかの手続きを取ることができる。例えば,最終ユーザのハードウェアをDVBシステムが知っている共用の秘密で予めプログラムしておくことができる。または,最終ユーザのUKを知ることなしにSKを暗号化できるように,公開かぎ暗号システムを利用することができる。どちらの例においても,EMM受信時に最終ユーザはサービスかぎを復号し,それが次にCSA制御語を復号するのに用いられ,制御語が最終的に放送コンテンツを復号するために用いられる。
【0019】
図2に示すように,移動体端末70を利用するために,DVBコンテンツの一般的送信方法が修正されている。暗号化DVBコンテンツ1e及びECM25内の暗号化制御語の配信は図1に示すとおり行われる。しかし,移動体端末の導入により,図2のシステムはDRM実装及びDVB放送事業者から移動体電話/データネットワークへのサービス要求条件の負荷を軽減することができる。
【0020】
コンテンツ提供事業者,すなわち放送事業者は,SKを他のコンテンツ関連データと共にDRMシステムへ配信する。実質上,これはコンテンツ提供事業者のサーバがSKを生成し,計算機の任意の既知の方法で計算機通信へ送信することにより達成できる。
【0021】
一つの実施例では,SKはUKにより既に暗号化されたものが,EMM内で送信される。DRMシステムは,特定のフォーマッティング及び必要な権利情報を加え,次にEMMを移動体端末へ送信する。
【0022】
代替実施例では,図2に示すように,放送事業者がUK27で暗号化する前に,SKをDRMシステム30に提供することができる。これはDVB放送事業者とDRMシステム30との間のデータトラヒック量を制限する。なぜならば,SKはすべてのユーザに対してはん用であるのに対して,暗号化EMMはユーザ特定であり,そのサービスを要求する各最終ユーザのために生成しなければならないからである。これら二つの例は,DVB暗号化/放送及びDRMシステムのさまざまな態様が,DVB提供事業者がまたDRMサービスも行うシステムを含めて,任意の数の方法でDVBとDRMサービス提供事業者とを分けることができる事実を示している。
【0023】
DRMシステムによって与えられる権利強制は,任意の既知のDRMテクニックで行うことができる。例えば,システムに関係する移動体端末は,基礎からUK及びUKを保護するDRMソフトウェア及び/又はハードウェアを含むところまでを設計することができる。そのソフトウェア及び/又はハードウェアは,移動体端末がDRMシステムの与える指示に従ってUKを利用するだけであることを保証する。この実施例では,DRMシステムは,UK,すなわち共有秘密を知るか,又はUKが復号できるようにコンテンツを暗号化する方法,すなわち公開かぎ暗号を知るか,どちらかの必要がある。
【0024】
図2の実施例に戻ると,一旦DRMシステム30がSK22を受信すると,DRMシステムはSKのためのDRM保護を提供し,SKを移動体電話ネットワークを介して最終ユーザに配信する。DRMシステムは,開示された動作を実行するようにプログラムされ,データを移動体端末に送信できるように移動体電話ネットワークに接続された計算機又は計算機群に組み含むことができる。
【0025】
DRMシステムはまた,例えば識別データ(氏名,住所,電話番号),ユーザのDRM適合デバイスに関連するデータ,コンテンツ視聴契約に関連するデータ,課金に関するデータなどのようなデータを,ユーザ側に格納することもできる。DRMシステムは,移動体ネットワーク運用事業者と,例えば課金のために通信することができる。
【0026】
本発明の実施例では,DRMシステムの機能の一つは移動体端末70にDRMインフラストラクチャを提供することである。図2に示すように,DRMシステムは,移動体端末70に,UK27を含む保護されたアプリケーション36を提供する。その保護アプリケーションは移動体端末上で動作し,例えば,かぎ復号及び権利強制のようなDRM動作を実行する。保護アプリケーションは,保護された計算を提供する任意の既知の方法に従ってプログラムすることができる。さらに,一旦移動体端末にインストールされると,保護アプリケーションは,システムによって送信された任意の数のEMMにDRM強制を与える。この実施例は,UKの配信を提供するので特に有利である。それ故,一度も特定DRMシステムに関係したことがない移動体端末を起動することも,更新されたセキュリティを与えるためにシステム内の移動体端末上のUKをリフレッシュすることもできる。
【0027】
保護アプリケーションを提供することに加えて,DRMシステムはまた,移動体端末に保護されたSK及びその利用を規定する権利を与えるようにもプログラムしなければならない。これは,SKの利用権利を規定するDRM証明書35に包まれたEMMを生成するために,SKを暗号化/包装(wrap)する34ことにより達成される。したがって,DRMシステム30を組み込んだ計算機は,EMM及び他のデータをDRM証明書35で包み,また暗号化する34,すなわちカプセル化するようにプログラムされる。DRMシステム30は,例えばDRM証明書及び保護アプリケーションなどのDRMメッセージ及びオブジェクトを配信するために,移動体ネットワーク80を通じて移動体端末と通信する。
【0028】
権利オブジェクトとして,DRM証明書はまた,SKに関係付けられたコンテンツに実施することのできる,利用回数及び利用種別を規定する保護された権利定義も含む。DRM証明書は更に,例えば要求し/注文したコンテンツに関するデータ及び課金又は決済に関するデータなどの他のデータも含む。DRM証明書は,例えばODRLのような権利記述言語,又は例えばXMLのような拡張可能なマークアップ言語,又はその任意の派生物で表現することができる。
【0029】
しかし,権利オブジェクトの機能は,システム又は保護アプリケーションに権利を予めプログラムするという,より柔軟性の低い方法で実装することもできる。例えば,保護アプリケーションは,受信したすべてのEMMについて,例えば1回のみ再生可能など,ある権利の集合をだけを許すようにプログラムできる。
【0030】
ここで移動体端末の動作及び最終ユーザ40において実施される動作に移る。上述のとおり,最終ユーザ40は,DVB暗号化コンテンツを受信し,ディスプレイを介して出力する手段を用いる。開示された実施例では,この動作はDVBセットトップボックスで実行されるが,開示された動作は,TVに統合しても,又はその開示された機能を実行することができる当業において既知の任意のハードウェアに組み込んでもよい。
【0031】
図3に示すように,DVBセットトップボックスは,有線接続,又は無線RF,又は赤外線リンクのような任意の既知の通信リンクを介して移動体端末と通信する。一つの有利な実施例は,セットトップボックスと移動体端末との間の通信にBluetooth(登録商標)を利用することであり,なぜならBluetooth(登録商標)は確立された標準であり,セットトップボックスと移動体端末との間で既製のセキュアコネクションを提供するからである。前に議論したように移動体端末70は,移動体ネットワークに接続され,DRMシステムの開示された機能を実行するようにプログラムされた単なるハードウェアデバイスである。
【0032】
最終ユーザが保護されたDRMコンテンツを注文するところから過程が始まる。利用可能なコンテンツリストが,DVBネットワークを介したTV,又はセットトップボックス,又はユーザインタフェースを介した移動体端末自身でブラウズするために準備される。ユーザが移動体端末でコンテンツをブラウズする場合は,移動体端末は利用可能なコンテンツの選択肢を記述したデータを受信するために,DRMシステムのサーバ又は他の情報源に接続することができる。代替として,利用可能なコンテンツは,音声電話ネットワークを介してブラウズし,注文することができる。
【0033】
どの場合でも,一旦ユーザが特定のコンテンツを選択したら,DRMシステム30は通知を受け,要求されたDRM証明書及びソフトウェアを移動体端末70に配信を始める。注文の過程で移動体端末を利用することにより,DVBコンテンツ提供事業者はコンテンツの課金のために,移動体端末課金ネットワークを利用することができる。言い換えれば,もしユーザがペイパービュー映画を注文すると,その映画の料金は単純にユーザの携帯電話請求書に加算することができる。
【0034】
コンテンツが注文されると,そのコンテンツの利用過程が始まる。図3に示すように,セットトップボックス41は暗号化DVBコンテンツ1e及びその関連ECM25を受信し,又は前に受信し格納しておく。しかし,セットトップボックスは,ECMに含まれるCSA制御語なしではどの暗号化DVBコンテンツも利用できない。しかし,クリアCAS制御語を得るためには,ECMを適当なサービスかぎで復号しなければならない。これを実施するために,セットトップボックス41は,ECM25をBluetooth(登録商標)リンク90を介して移動体端末70に渡す。この段階ではECMは暗号化CSA制御語を含んでいるので,Bluetooth(登録商標)リンクは必ずしも保護しなくてもよい。都合よく,多くのセットトップボックスは既に同類の機能を実行し,受信したECMを復号のためにスマートカードに送信している。したがって,セットトップボックスは,スマートカードの代わりに移動体端末と通信するように再設計するだけでよい。
【0035】
上記のように,また図3に示すように,移動体端末70は,DRMシステム30から保護アプリケーション36及びDRM証明書35を受信している。CSA制御語を復号する過程は次のとおりである。好ましくは,移動体端末は移動体DRMエンジン72を備え,それはセキュアな処理を実行し,適用されているDRMを妨害しようとする個人による改ざんに抵抗できるように設計されたハードウェア及び/又はソフトウェアである。DRMエンジンは保護アプリケーション36を動作させ,それはUK27にセキュアにアクセスすることができる。保護アプリケーションは,DRM証明書35及びECM25を入力として受け取る。
【0036】
DRMは次に,DRM証明書に表現された権利が,例えばDVBコンテンツの再生など要求された利用を許可するかどうかを判定する。もし,要求された利用が許可されていれば,保護アプリケーションはUKを使ってEMMに含まれるSKを復号する74。復号されたSKは次に,クリアCSA制御語10を得るためにECMに含まれるCSA制御語を復号するのに用いられる。クリアCSA制御語は次に,Bluetooth(登録商標)リンクを介してセットトップボックスに送り返される。望ましくは,クリアな,すなわち暗号化されていないCSA制御語のセットトップボックスへの送信は,セキュアなBluetooth(登録商標)リンクを介して行われるのがよい。Bluetooth(登録商標)リンクセキュアコネクションは,既製の認証,承認及び暗号化(平文の暗号化)を提供する。
【0037】
DRMシステムを実現する保護アプリケーションを配信することは,保護アプリケーションを最終ユーザの特定の移動体端末及び/又はセットトップボックスのためにあつらえることができ,それによって用いる装置に関係なくユーザに互換性のある動作を保証するので,特に有利である。
【0038】
復号CSA制御語10を受信すると,DVBセットトップボックスはCSA制御語を使ってDVB CSA復号43を実行する。これによりクリアDVBコンテンツ1cが生成され,それが次に利用のためにディスプレイ46に出力される。ディスプレイ46は,単にコンテンツを利用するための一般表現である。実際には,コンテンツはそれぞれ適当なデバイスで用いられる音楽,ソフトウェア,などである。
【0039】
代替の実施例では,保護アプリケーションはDRM証明書に表現されたとおりの有効期間を有することができ,また保護アプリケーションは,有効期限が切れた後は,動作しないようにするか,廃棄されるか,上書きされるか,若しくは全体又は部分的に削除されるようにすることができる。本発明の一つの実施例では,動作しないようにされた保護アプリケーションが,DRMシステムからの応答メッセージによって再活性化することができ,再活性化メッセージは,他の保護アプリケーションを含むDRM証明書であってもよい。
【0040】
他の実施例は,ネットワークから位置情報を受信するために,移動体電話ネットワークを利用することができる。移動体端末の位置は,セルレベルまでは容易に判定することができ,位置情報データはネットワーク内の訪問者位置レジスタ(VLR)で得られる。受信した位置情報は限定受信の一部として利用することができる。例えば,DRM証明書はこの特徴を使って適用できる地理的制限を含んでもよい。
【0041】
他の有利な実施例は,DVBコンテンツを受信する任意の近隣デバイスと接続した移動体端末を用いる。もし,Bluetooth(登録商標)コネクションが用いられるなら,Bluetooth(登録商標)サービス発見プロトコル及びBluetooth(登録商標)ペアリング機構が必要なセットトップボックス識別に用いることができる信頼関係を提供するであろう。この機能性は,ユーザが友人の家又は他の場所で,コンテンツを購入し利用することができるようにする。
【0042】
他の有利な実施例では,DRMシステムは,移動体端末の利用を補強し,オープンモバイルアライアンス(OMA)標準のDRMインフラストラクチャを実装することができる。EMM及びDRM権利を配信するためにOMAに適合する移動体端末を利用する利点は二重である。第1に,移動体端末はほとんどの個人が持っている共通のハードウェアであり,それ故放送事業者は,すべての可能性のある最終ユーザに特別なハードウェアを配置することなく付加サービスを提供できる。第2に,移動体端末を利用することはまた,放送事業者がOMAのような標準移動体DRMシステムを採用できるようにし,それによって費用の掛かる特別なシステムを開発し,維持する必要性を除去する。この双方の利点は,最終ユーザが標準装置を利用して,とっさに有料DVBコンテンツを取得することができるシステムに導く。これにより,ユーザが有料コンテンツを視聴するために前もって計画し,特別な装置を取得しなければならないシステムに比べて,より市場性のあるシステムにすることができる。
【0043】
一般に,OMAは移動体端末のソフトウェア標準及びハードウェア標準を定義する。OMA DRM標準は,適合デバイスが保護されたコンテンツ及びJava(登録商標)アプレットのような実行可能アプリケーションをセキュアに送信することを含めて,権利管理システムを実装し,それに参加することができるようにする。OMA適合移動体端末はそれで,保護コンテンツの保護を保証するために必要なUK及び他のセキュリティ手続きを含むアプリケーションを動作させる。本発明では,保護コンテンツは,実際に利用できるメディアではなく,単にSK及びCSA制御語である。OMA DRMシステムについての更に詳細な記述は,OMA DRM Format Version 1.0,OMA Digital Rights Management Version 1.0,及びOMA Rights Expression Language Version 1.0,を含むOMA発行文書に記載されており,それらはすべてwww.openmobilealliance.comで入手でき,ここに参考として引用する。
【0044】
本発明の文脈では,DRMシステムはOMA標準に従って保護アプリケーション及びDRM証明書を生成する。そして,移動体端末は,OMAアプリケーションを動作させ,DRM証明書に従うとき,OMA標準に従うように設計され,プログラムされる。
【0045】
上述のとおり,開示された発明は開示された動作を実行できる任意のハードウェアに組み込むことができる。例えば,他の実施例では,開示された発明のすべての最終ユーザ機能は,受信ハードウェアデバイスと,再生ハードウェアデバイスと,開示された手続きを実行するソフトウェアプログラムを含むメモリデバイスとを備えた,例えば携帯電話機,ラップトップPC,又はパーソナルディジタルアシスタントのような,単一の移動体端末に組み込むことができる。そのようなデバイスは,ネットワークが強化され,携帯デバイスが最終ユーザにより豊富でよりさまざまなコンテンツを提供できるようになるにつれて,ますます人気のある娯楽源となりつつある。例えば,比較的大きなカラースクリーンを持つ携帯電話機は,テレビ放送を視聴するための人気のあるデバイスになる可能性がある。
【0046】
しかし,移動体端末を使って放送コンテンツを再生することは,解決策を必要とするいくつかの追加課題を提起する。どんな移動体デバイスにとっても最も顕著な課題は,利用可能なバッテリ寿命である。放送を受信している間は常に,移動体端末の受信回路は活性でなければならないので,放送コンテンツの受信は特にバッテリに負荷を掛ける。例えば,映画又はTVショーを受信するために必要な電力消費は,デバイスの利用可能なバッテリ寿命を相当に減少させる可能性がある。
【0047】
本発明の例としての実施例は,放送を利用する状況でのバッテリ消費を減少させる解決策を提供する。その解決策は,移動体デバイスにタイムスライスされ,時間圧縮されたセグメントでの放送を提供する。言い換えれば,もし放送リンクが十分な帯域幅を持っており,セグメントに含まれるコンテンツを再生するのに掛かる時間より少ない時間で放送コンテンツのセグメントを送信することができれば,コンテンツを再生している間にコンテンツを送信し,次に受信機の電源を切ることができるので電力が節約できる。例えば,もしネットワークが3Mbit/sでコンテンツを放送することができ,コンテンツの再生は300kbit/sで行われるなら,移動体端末の受信機は10秒分のコンテンツを受信するのに1秒電源を入れるだけでよい。それで,受信機はコンテンツを再生する間,9秒間は電源を切っておくことができ,それにより90%の電力消費を減少できる。このテクニックでライブコンテンツの放送を行うと,用いられたセグメントの長さに一致するわずかな伝送遅延が生じる。例えば,放送事業者がコンテンツを1秒のセグメントで送信することを選択したら,最初のセグメントを送信開始する前に1秒分のコンテンツをバッファする必要がある。したがって,放送は約1秒遅れることになる。
【0048】
このタイムスライステクニックはまた,移動体デバイスがセルからセルへ移動するセルラ環境において,セル間の遷移を容易にする利点も有する。移動体端末はセルからセルへ移動するので,一つのセルから次のセルにコネクションを切り替えるための最適な時間を選ぶ必要がある。もし,移動体端末が放送をリアルタイムで受信していると,次のセルへの手渡し(handoff)は放送送信信号の受信にある欠陥を生じる可能性がある。切替えのための最適な時間を選び出すには,少なくとも非常に注意深い判断が必要である。それに比べ,開示されたタイムスライステクニックを用いると,移動体端末は他のセルを探すために間欠的に受信機を利用することができる。したがって,セグメント送信の間の拡張された時間のおかげで,最適なセル遷移時間を判断するために大きな時間窓(time window)が利用できる。
【0049】
記載されたテクニックを実施するために,移動体端末は開示された動作を実行するための実行可能なソフトウェアを有するメモリデバイスを持つことができる。開示されたテクニックが成功裏であるように,移動体端末にセグメント受信の間,受信機の電源を切り,また投入する適正なタイミングを与えなければならない。受信機の電源を投入する最初の判定は,いくつかの情報源から行うことができるが,典型的には特定のコンテンツをデバイスのユーザが要求する時点である。デバイスは,次に最初のセグメントを受信した後,電源を切る。一旦電源が切られたら,次の判定はいつ受信機の電源をまた投入するかであり,それはいくつかの方法で達成することができる。例えば,セグメントの送信ギャップを,利用されているプロトコルの一部としてシステム全体で予め設定することができる。言い換えれば,すべての送信セグメントは予め定められた間隔で発生する。代替として,移動体端末が,例えば現在再生しているセグメントの95%に達したら,受信機の電源を入れることができるといったように,現在のセグメントがその再生フェーズを終えようとしており,次のセグメントを待っているときに受信機の電源を自動的に入れるようにすることができる。代替として,各セグメントがいつ次のセグメントが放送されるかを指示するデータを含むことができる。前のセグメント内のデータから次のセグメントの放送時間を識別することは,可変セグメントサイズを可能にし,現在のセグメントを再生しないでも次のセグメントのタイミングを判定できるので,特に有利である。
【0050】
本発明の多くの特徴及び利点は,本願明細書から明らかであり,したがって本願の請求項は,本発明の真の精神及び範囲内に入るすべての特徴及び利点を網羅することが意図される。
【0051】
さらに,本技術の当業者であれば,多くの修正及び変更を容易に想起できるので,本発明はここで例示され,記載されたとおりの指示及び動作に限定することは望ましくない。したがって,頼り得るすべての適当な修正物及び均等物は,本願請求項の範囲内に入るものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】DVB暗号化コンテンツの配信を示すブロック図である。
【図2】移動体端末を用いるDVBのためのDRMシステムを開示する本発明の例としての実施例を示すブロック図である。
【図3】移動体端末及びDVBセットトップボックスの動作及び双方の間の通信を開示する本発明の例としての実施例を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送ディジタルコンテンツを保護するための方法であって,
第1かぎでディジタルコンテンツを暗号化するステップと,
第2かぎで前記第1かぎを暗号化するステップと,
前記の暗号化ディジタルコンテンツと,前記の暗号化第1かぎとを放送するステップと,
前記第2かぎを保護し,該第2かぎに権利を付与するステップと,
移動体ネットワークを介して,移動体端末に前記の保護第2かぎと前記の付与権利とを送信するステップとを有する方法。
【請求項2】
コンテンツ表示デバイスにおいて,前記暗号化ディジタルコンテンツと前記暗号化第1かぎとを受信するステップと,
移動体端末において,前記保護第2かぎと前記付与権利とを受信するステップと,
前記コンテンツ表示デバイスから前記移動体端末へ,前記暗号化第1かぎを送信するステップと,
前記暗号化第1かぎを,前記付与権利に従って前記保護第2かぎで復号するステップと,
前記移動体端末から前記コンテンツ表示デバイスへ,前記の復号第1かぎを送信するステップと,
前記コンテンツ表示デバイスにおいて,前記復号第1かぎで前記暗号化ディジタルコンテンツを復号するステップとを,更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2かぎを,ユーザ特定かぎで暗号化することによって保護する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記付与権利を,保護された証明書(voucher)に含めて送信する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記付与権利に,前記暗号化ディジタルコンテンツを1回再生する権利を少なくとも含める請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2かぎを,OMA標準に従って保護する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
実行可能アプリケーションを,前記移動体端末に送信する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
実行可能アプリケーションを前記移動体端末に送信し,該実行可能アプリケーションにより前記移動体端末が前記第2かぎを復号できるようにする,請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記実行可能アプリケーションにより,更に前記移動体端末が前記第1かぎを復号できるようにする,請求項8に記載の方法。
【請求項10】
保護されたディジタルコンテンツを視聴するための方法であって,
コンテンツ表示デバイスにおいて,片方向送信リンクを介して暗号化ディジタルコンテンツと暗号化第1かぎとを受信するステップと,
移動体端末において,移動体ネットワークを介して保護第2かぎと付与権利とを受信するステップと,
前記コンテンツ表示デバイスから前記移動体端末へ,双方向送信リンクを介して前記暗号化第1かぎを送信するステップと,
前記付与権利に従って,前記保護第2かぎで前記暗号化第1かぎを復号するステップと,
前記移動体端末から前記コンテンツ表示デバイスへ,前記復号第1かぎを送信するステップと,
前記コンテンツ表示デバイスにおいて,前記復号第1かぎで前記暗号化ディジタルコンテンツを復号するステップとを有する方法。
【請求項11】
前記移動体端末において実行可能アプリケーションを受信するステップを有し,そこで前記実行可能アプリケーションによって,前記移動体端末が前記第2かぎを復号できるようにする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記実行可能アプリケーションによって,更に前記移動体端末が前記第1かぎを復号できるようにする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
移動体端末から移動体ネットワークを介してコンテンツ権利利用のための要求を送信するステップを更に有する請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ディジタルビデオ放送コンテンツを保護するためのシステムであって,
移動体ネットワークと,
前記移動体ネットワークに接続された計算機と,
前記移動体ネットワークに接続された移動体端末と,
短距離ネットワークを介して前記移動体端末に接続されたコンテンツ受信デバイスとを備え,
前記コンテンツ受信デバイスを,暗号化ディジタルコンテンツと少なくとも一つの暗号化第1かぎとを含む片方向コンテンツ送信信号を受信するようにプログラムし,また前記コンテンツ受信デバイスを,前記移動体端末へ前記暗号化第1かぎを送信するように更にプログラムし,
前記計算機を,第2かぎを保護し,該第2かぎの許可された利用権を識別する権利証明書を生成し,前記移動体ネットワークを介して前記移動体端末へ前記保護第2かぎと前記権利証明書とを送信するようにプログラムし,
前記移動体端末を,前記権利証明書に従って前記暗号化第1かぎを復号するために前記保護第2かぎを用い,前記復号第1かぎを前記コンテンツ受信デバイスに送信するようにプログラムし,
前記コンテンツ受信デバイスを,前記復号第1かぎで前記暗号化ディジタルコンテンツを復号するように更にプログラムするシステム。
【請求項15】
保護されたディジタルコンテンツを表示するためのシステムであって,
移動体ネットワークと,
前記移動体ネットワークに接続された移動体端末と
短距離ネットワークを介して前記移動体端末に接続され,放送コンテンツを受信できるコンテンツ受信デバイスとを備え,
前記コンテンツ受信デバイスを,暗号化ディジタルコンテンツと,少なくとも一つの暗号化第1かぎとを含む放送コンテンツを受信するようにプログラムし,また前記コンテンツ受信デバイスを,前記短距離ネットワークを介して前記移動体端末へ前記暗号化第1かぎを送信するように更にプログラムし,
前記移動体端末を,前記権利証明書に従って前記暗号化第1かぎを復号するために前記保護第2かぎを用い,前記復号第1かぎを前記短距離ネットワークを介して前記コンテンツ受信デバイスに送信するようにプログラムし,
前記コンテンツ受信デバイスを,前記復号第1かぎで前記暗号化ディジタルコンテンツを復号するように更にプログラムするシステム。
【請求項16】
前記移動体端末を,コンテンツの選択肢を受信及び表示するように更にプログラムし,また前記移動体端末が,前記保護第2かぎと前記権利証明書とをコンテンツ要求への応答として受信する請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンテンツ要求を,前記移動体端末に関連する請求口座に請求する請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記短距離ネットワークをBluetooth(登録商標)ネットワークとする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記移動体端末が,前記権利証明書に従う前記保護第2かぎの利用と,前記第1かぎの復号と,前記復号第1かぎの前記コンテンツ受信デバイスへの送信とのために,Java(登録商標)アプリケーションを走行させる請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記権利証明書がOMA DRMに適合し,前記第2かぎをOMA DRMに従って保護する請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
放送ディジタルコンテンツを保護するための方法であって,
ディジタルコンテンツを第1かぎで暗号化するステップと,
前記第1かぎを第2かぎで暗号化するステップと,
前記の暗号化第1かぎを放送するステップと,
前記の暗号化ディジタルコンテンツをいくつかのセグメントで放送するステップと,
前記第2かぎを保護し,該第2かぎに権利を付与するステップと,
前記の保護第2かぎと前記の付与権利とを,いくつかのネットワークの少なくとも一つを介して移動体端末に送信するステップとを有する方法。
【請求項22】
各セグメントを,該セグメントに含まれる前記暗号化ディジタルコンテンツの再生に必要な時間より短い時間で放送する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記保護第2かぎと前記付与権利とを,移動体ネットワークを介して移動体端末へ送信する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
放送ディジタルコンテンツを保護するための方法であって,
ディジタルコンテンツを第1かぎで暗号化するステップと,
前記第1かぎを第2かぎで暗号化するステップと,
前記の暗号化ディジタルコンテンツをいくつかのセグメントで放送し,そこで各セグメントを,該セグメントに含まれる前記暗号化ディジタルコンテンツの再生に必要な時間より短い時間で放送するステップと,
前記第2かぎを保護し,該第2かぎに権利を付与するステップと,
前記の保護第2かぎと前記の付与権利とを,移動体ネットワークを介して移動体端末に送信するステップとを有する方法。
【請求項25】
保護されたディジタルコンテンツを視聴するための方法であって,
暗号化ディジタルコンテンツと暗号化第1かぎとの放送セグメントを受信及びバッファリングし,前記セグメントを受信した後,前記の放送受信機の電源を切るステップと,
前記移動体端末において,移動体ネットワークを介して保護第2かぎと付与権利とを受信するステップと,
前記付与権利に従って前記保護第2かぎで前記暗号化第1かぎを復号するステップと,
前記復号第1かぎで前記の暗号化ディジタルコンテンツの放送セグメントを復号するステップと,
前記のディジタルコンテンツを再生するステップと,
予定の期間待機した後,前記放送受信機の電源を投入するステップとを有する方法。
【請求項26】
前記予定の期間を,前記放送セグメントのパラメータで指示する請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記予定の期間を,前記移動体端末にプログラムする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記予定の期間を,前記ディジタルコンテンツの再生に要する時間によって判定する請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ディジタルコンテンツをDVBビデオ番組とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
ディジタルビデオ放送コンテンツを保護するためのシステムであって,
移動体ネットワークと,
前記移動体ネットワークに接続された計算機と,
前記移動体ネットワークに接続された移動体端末とを備え,
前記移動体端末がコンテンツ受信デバイスとコンテンツ再生デバイスとを備え,
前記コンテンツ受信デバイスを,暗号化ディジタルコンテンツと少なくとも一つの暗号化第1かぎとの複数セグメントを含む片方向コンテンツ送信信号を受信するようにプログラムし,
前記計算機を,第2かぎを保護し,該第2かぎの許可された利用権を識別する権利証明書を生成し,前記移動体ネットワークを介して前記移動体端末へ前記保護第2かぎと前記権利証明書とを送信するようにプログラムし,
前記移動体端末を,前記権利証明書に従って前記暗号化第1かぎを復号するために前記保護第2かぎを用いるようにプログラムし,前記コンテンツ受信デバイスが,前記復号第1かぎで前記暗号化ディジタルコンテンツを復号するように更にプログラムし,
前記移動体端末を,暗号化ディジタルコンテンツの第1セグメント受信後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を切り,次に暗号化ディジタルコンテンツの第2セグメントを受信するために,予定の期間後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を投入するようにプログラムし,
前記の再生デバイスが前記の復号ディジタルコンテンツを再生するシステム。
【請求項31】
保護されたディジタルコンテンツを表示するためのシステムであって,
移動体ネットワークと,
前記移動体ネットワークに接続された移動体端末とを備え,
前記移動体端末が,放送コンテンツの受信ができるコンテンツ受信デバイスと,コンテンツ再生ができる再生デバイスとを備え,
前記コンテンツ受信デバイスを,暗号化ディジタルコンテンツと少なくとも一つの暗号化第1かぎとのセグメントを含む放送コンテンツ送信信号を受信するようにプログラムし,また前記コンテンツ受信デバイスを,前記短距離ネットワークを介して前記移動体端末へ前記暗号化第1かぎを送信するように更にプログラムし,
前記移動体端末を,前記権利証明書に従って前記暗号化第1かぎを復号するために前記保護第2かぎを用いるようにプログラムし,また前記コンテンツ受信デバイスを,前記復号第1かぎで前記暗号化コンテンツを復号するように更にプログラムし,
前記移動体端末を,暗号化ディジタルコンテンツの第1セグメント受信後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を切り,次に暗号化ディジタルコンテンツの第2セグメントを受信するために,予定の期間後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を投入するようにプログラムし,
前記の再生デバイスが前記の復号ディジタルコンテンツを再生するシステム。
【請求項32】
前記暗号化ディジタルコンテンツをDVB送信信号とし,前記再生デバイスをスクリーン及び少なくとも一つのスピーカとする請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
保護されたディジタルコンテンツを表示するためのシステムであって,
移動体端末と,
放送コンテンツの受信ができるコンテンツ受信デバイスと,コンテンツ再生ができる再生デバイスとを備えた前記移動体端末とを備え,
前記コンテンツ受信デバイスを,暗号化ディジタルコンテンツと少なくとも一つの暗号化第1かぎとのセグメントを含む放送コンテンツ送信信号を受信するようにプログラムし,また前記コンテンツ受信デバイスを,前記移動体端末へ前記暗号化第1かぎを伝えるように更にプログラムし,
前記移動体端末を,前記権利証明書に従って前記暗号化第1かぎを復号するために前記保護第2かぎを用いるようにプログラムし,前記コンテンツ受信デバイスを,前記復号第1かぎで暗号化ディジタルコンテンツを復号するように更にプログラムし,
前記移動体端末を,暗号化ディジタルコンテンツの第1セグメント受信後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を切り,次に暗号化ディジタルコンテンツの第2セグメントを受信するために,予定の期間後に前記コンテンツ受信デバイスの電源を投入するようにプログラムし,
前記第1かぎの少なくとも一つを復号し,次に前記暗号化ディジタルコンテンツを復号し,そして前記再生デバイスが前記復号ディジタルコンテンツを再生するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−511946(P2007−511946A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538986(P2006−538986)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003687
【国際公開番号】WO2005/045554
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】