説明

放送受信装置

【課題】ケーブルテレビジョン放送局が配信する自主放送チャンネルの情報を利用することで、チャンネルスキャンにおける視聴地域の設定を、容易且つ確実に行う。
【解決手段】放送受信装置100において、検出手段は、所定のタイミングでデジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンを行って各チャンネルの受信の可否を検出し、判断手段は、検出手段の検出結果と自主放送チャンネル記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断し、抽出手段は、判断手段により受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたと判断した場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから所定の地域特定情報を抽出し、設定手段は、抽出手段により抽出された所定の地域特定情報とエリア記憶部とに基づいて視聴地域を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビジョン放送の受信を行う放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビジョン放送においては、放送受信装置の購入後に、受信可能なチャンネルをサーチするチャンネルスキャンを実施し、チャンネルスキャンにより受信可能とされた周波数を装置に設定することで、番組の視聴が可能となる。
【0003】
従来の放送受信装置では、チャンネルスキャンの開始前に、ユーザがリモートコントローラ(以下「リモコン」という)等を使って視聴者居住地域を選択する必要がある。この操作は、特に技術弱者にとって煩雑なものとなっており、ARIB規格により47都道府県の区分となっていないことや放送種別によって視聴地域の区分態様が異なることで、目的の視聴地域の選択肢に辿り着くまでに時間がかかる場合や目的の選択肢が容易に見つからない場合があった。
【0004】
また、視聴地域を複数階層に区分して、広域(例えば、地方)から順に各階層の地域を選択することで視聴地域(例えば、都道府県)を設定する放送受信装置も知られている。しかしながら、この方法では操作工程が多く、操作が煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−289464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、スキャン結果を基に、視聴地域を自動的に判別して設定する放送受信装置が知られている。このような放送受信装置では、ユーザの操作が不要となり、技術弱者であっても容易にチャンネルスキャンを実施できるという利点がある。しかしながら、チャンネルスキャン処理の結果によって自動的に視聴地域を設定すると、ユーザの意図に沿わない地域が視聴地域として設定される場合が有り、ユーザ選択の自由度が少ないという問題があった。また、近県の放送信号も受信可能な環境では、スキャン結果によっては、ユーザの居住地域に隣接する地域が誤って視聴地域として設定される恐れもある。
【0007】
ところで、昨今では、デジタルテレビジョン放送信号を、周波数無変換パススルー(同一周波数パススルー)方式のケーブルテレビ経由で受信するユーザが増えている。ケーブルテレビを経由する場合には、チャンネルスキャンの際に、ケーブルテレビジョン放送局の「コミュニティー・チャンネル(通称『コミチャン』)」と呼ばれる自主放送チャンネルも取り込むこととなる。自主放送チャンネルの放送データには、映像データの他、地域識別情報やTS名、サービス識別、サービスエリア等の情報が含まれている。通常、放送受信装置では、そのエリアをサービスエリアとする一局のケーブルテレビジョン放送局からの放送信号のみを受信する。そのため、自主放送チャンネルの放送データに含まれるこれらの情報を利用すれば、視聴地域特定の精度が上がり、視聴地域の設定が容易且つ確実となる。
【0008】
本発明の課題は、デジタルテレビジョン放送信号をケーブルテレビジョン放送局経由で受信する放送受信装置において、チャンネルスキャンにおける視聴地域の設定を、容易且つ確実に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、視聴地域を設定して、ケーブルテレビジョン放送局からのデジタルテレビジョン放送信号を受信する受信手段を備える放送受信装置において、
エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、を対応付けて記憶する第1記憶部と、
ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルを記憶する第2記憶部と、
所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンを行い、各チャンネルの受信の可否を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果と前記第2記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから前記所定の地域特定情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報と前記第1記憶部とに基づいて、視聴地域を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放送受信装置において、前記設定手段は、前記所定の地域特定情報によって特定されるエリアを、前記視聴地域として設定することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の放送受信装置において、各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルを記憶する第3記憶部と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報によって特定されるエリアと、前記検出手段により検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、を前記視聴地域の候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により前記視聴地域の候補として決定された前記エリアを表示部に表示し、当該エリアのうちからユーザに一のエリアを選択させる選択手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記選択手段によりユーザにより選択された一のエリアを、前記視聴地域として設定することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の放送受信装置において、各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを記憶する第4記憶部を備え、
前記決定手段は、前記自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定するとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの前記隣接エリアを前記第4記憶部に基づいて特定し、特定した当該隣接エリアを、前記視聴地域の候補に加えることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、視聴地域を設定して、ケーブルテレビジョン放送局からのデジタルテレビジョン放送信号を受信する受信手段を備える放送受信装置において、
エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、を対応付けて記憶する第1記憶部と、
ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルを記憶する第2記憶部と、
各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルを記憶する第3記憶部と、
各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを記憶する第4記憶部と、
所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンを行い、各チャンネルの受信の可否を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果と前記第2記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから前記所定の地域特定情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報と前記第1記憶部とによって特定されるエリアと、前記検出手段により検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、を前記視聴地域の候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により前記視聴地域の候補として決定された前記エリアを表示部に表示し、当該エリアのうちからユーザに一のエリアを選択させる選択手段と、
前記選択手段によりユーザにより選択された一のエリアを、視聴地域として設定する設定手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定するとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの前記隣接エリアを前記第4記憶部に基づいて特定し、特定した当該隣接エリアを、前記視聴地域の候補に加えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1記憶部により、エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、が対応付けて記憶され、第2記憶部により、ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルが記憶され、検出手段により、所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンが行われて各チャンネルの受信の可否が検出され、判断手段により、検出手段の検出結果と第2記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたか否かが判断され、抽出手段により、判断手段により、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから所定の地域特定情報が抽出され、設定手段により、抽出手段により抽出された所定の地域特定情報と第1記憶部とに基づいて、視聴地域が設定される。
すなわち、デジタルテレビジョン放送信号をケーブルテレビジョン放送局経由で受信する放送受信装置において、ケーブルテレビジョン放送局が配信する自主放送チャンネルの放送データから抽出した情報に基づいて視聴地域が設定されることとなり、チャンネルスキャンにおける視聴地域の設定を容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態の放送受信装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】エリア記憶部の一例である。
【図3】自主放送チャンネル記憶部の一例である。
【図4】ローカル放送局記憶部の一例である。
【図5】ユーザがチャンネルスキャンの開始を指示するためのOSD画面の一例である。
【図6】表示部に表示される視聴地域選択画面の一例である。
【図7】視聴地域設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】視聴地域設定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る放送受信装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図1において、点線は放送データの流れを示し、実線は制御信号の流れを示している。
図1に示すように、本実施形態に係る放送受信装置100は、ユーザが各種指示を入力するリモートコントローラ(以下、「リモコン」と称する)1と、リモコン1により遠隔操作される受信機本体2と、を備えて構成され、地上デジタルテレビジョン放送信号の受信を行う。
本実施形態の放送受信装置100では、ケーブルテレビジョン放送局から再送信されるテレビジョン放送信号を受信する機能を備えている。
【0018】
リモコン1は、ユーザが受信機本体2に対して各種指示を入力するための複数の釦を備える。複数の釦は、例えば、図示は省略するが、電源釦、番組表表示釦、ワンタッチ釦として機能する数字釦、入力切換釦、音声切換釦、戻る釦、上下左右の釦から成るカーソル釦、決定釦、チャンネルアップ/ダウン釦、ボリュームアップ/ダウン釦等である。
これらの各釦には識別情報が割り当てられており、操作が行われると、操作された釦の識別情報が読み出されて、読み出された識別情報に対応するリモコン信号が生成され、生成されたリモコン信号が図示しない送信部から送信されるようになっている。
【0019】
受信機本体2は、リモコン信号受信部3、受信手段としてのチューナ5、復調部6、デコーダ部7、映像処理部8、音声処理部9、OSD回路10、表示部11、音声出力部12、制御部13、を備えており、各部はバスにより接続されている。
【0020】
リモコン信号受信部3は、図示は省略するが、フォトダイオード、SUBCPU、増幅部、復調部、デコーダ等を備えて構成されている。SUBCPUは、リモコン1から送信されたリモコン信号を、前面パネルに設けられたフォトダイオードにおいて受信すると、受信したリモコン信号を増幅部により増幅させ、復調部において復調させ、デコーダにより波形整形、誤り訂正等の各種処理を行わせた後に、制御部13に出力する。制御部13では、入力されたリモコン信号から識別情報を取得し、取得した識別情報に基づいて操作された釦の判別を行う。
【0021】
チューナ5は、例えば、制御部13からの選局指示にしたがって、アンテナ4等により入力された高周波のデジタル放送信号の中から特定周波数帯の信号を抽出し、低周波信号に変換した後、AD変換等を行い、復調部6に出力する。また、チューナ5は、ケーブルテレビ用のケーブル受信部を備えており、ケーブルから入力される同一周波数パススルー方式の放送信号の中から、特定周波数帯の信号を受信して、復調部6に出力するように構成されている。
【0022】
チューナ5は、後述する検出プログラム137aの実行において、制御部13からの制御に基づいてチャンネルスキャンを実行する。チャンネルスキャンでは、UHF(Ultra High Frequency)、VHF(Very High Frequency)、ケーブル帯域等の全体帯域の全周波数帯域の物理チャンネル(以下、「チャンネル」という)を走査して、受信可能なチャンネルを検出する。チューナ5におけるチャンネルスキャンの結果は、制御部13に出力される。なお、少なくともケーブル受信部から入力されるUHF帯域の放送信号のみをスキャンするように構成しても良い。
ここで、ケーブルテレビジョン放送局経由で受信する放送信号には、テレビジョン放送の再送信信号の他、ケーブルテレビジョン放送局が自主制作した自主放送番組(コミュニティー・チャンネル)の放送信号が重畳されている。
なお、本発明において「チャンネル」とは、物理チャンネルを指す。
【0023】
復調部6は、例えば、制御部13からの制御に基づいて、チューナ5から入力された放送信号に対してデジタル復調や誤り訂正等の処理を実行し、トランスポートストリーム(TS:Transport Stream)を生成して、デコーダ部7に出力する。
【0024】
デコーダ部7は、例えば、分離部(Demultiplexer)71、ビデオデコーダ72、オーディオデコーダ73、データデコーダ74等を備えて構成されている。
【0025】
分離部71は、復調部6から入力されるTSを、ビデオストリーム、オーディオストリーム、PSI(Program Specific Information:番組特定情報)/SI(Service Information: 番組配列情報)等の複数のストリームに分離する。そして、PSIに基づいて必要なTSパケットを取得し、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)規格下のビデオストリームをビデオデコーダ72に、オーディオストリームをオーディオデコーダ73に、さらに、EPG(Electronic Program Guide)情報として用いられるSIをデータデコーダ74に出力する。
【0026】
ビデオデコーダ72は、分離部71から入力されたビデオストリームに可変長復号化、逆量子化、逆DCT(Discrete Cosine Transform)、動き補正等の各種処理を行うことで、ビデオストリームをDTS(Decoding Time Stamp)に応じたタイミングで復号し、映像データを生成して映像処理部8に出力する。
オーディオデコーダ73は、分離部71から入力されたオーディオストリームを復号し、音声データを生成して音声処理部9に出力する。
【0027】
映像処理部8は、ビデオデコーダ72から入力された映像データに対して各種映像処理を施し、映像信号を生成する。生成された映像信号は、フレームメモリ(図示略)に一旦格納された後、PTS(Presentation Time Stamp)に応じた再生タイミングで表示部11に出力される。
音声処理部9は、オーディオデコーダ73から入力された音声データに対して各種音声処理を施して音声信号を生成し、PTSに応じた再生タイミングで音声出力部12に出力する。
【0028】
OSD回路10は、制御部13からの制御にしたがって、OSD表示用データを生成し、生成したOSD表示用データを、映像処理部8から出力される映像信号に重畳して、表示部11にOSD表示させる。
【0029】
表示部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ(図示省略)を備えて構成され、映像処理部8から入力された映像信号に基づく映像をディスプレイに表示させる。
音声出力部12は、例えば、スピーカ(図示省略)等を備えて構成され、音声処理部99から入力された音声信号に基づく音声を増幅して、スピーカから出力させる。
【0030】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)131、RAM(Random Access Memory)132、第1記憶部としてのエリア記憶部133、第2記憶部及び第4記憶部としての自主放送チャンネル記憶部134、第3記憶部としてのローカル放送局記憶部135、チャンネルメモリ136、ROM(Read Only Memory)137等を備えて構成され、放送受信装置100の各部を制御する。
【0031】
CPU131は、受信機本体2の各部から入力された入力信号や、リモコン1における各種釦の押下操作によって入力されたリモコン信号等に応じて、ROM137に格納された処理プログラム等を読み出してRAM132に展開して実行し、受信機本体2の各部に出力信号を出力することにより、放送受信装置100全体の制御を行う。
【0032】
RAM132は、CPU131により実行される各種プログラムを展開するプログラム格納領域や、入力データやこれらの処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域を備え、CPU131のワークエリアとして用いられる。
【0033】
エリア記憶部133は、例えば、不揮発性メモリにより構成され、エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報とを、対応づけて記憶する。
所定の地域特定情報は、例えば、各都道府県(エリア)に予め割り当てられている地域識別情報である。地域識別情報は、ケーブルテレビジョン放送局から配信される自主放送チャンネルの放送データにも含まれており、自主放送チャンネルの放送データ内の地域識別情報を参照することで、自主放送チャンネルの対象エリアを特定して、放送受信装置が存在するエリアを判別できるようになっている。
図2は、エリア記憶部133の一例である。図2のエリア記憶部133において、例えば、千葉県の地域識別情報は「27」と記憶されている。
【0034】
自主放送チャンネル記憶部134は、例えば、不揮発性メモリにより構成され、全国のケーブルテレビジョン放送局が再送信信号とともに配信する自主放送番組のチャンネル、すなわち、自主放送チャンネルと、各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアと、を記憶する。
図3は、自主放送チャンネル記憶部134の一例である。図3の自主放送チャンネル記憶部134では、全国のケーブルテレビジョン放送局の各々について、そのサービスエリアに該当するエリアの地域識別情報、TS名、チャンネル、サービスエリア、隣接エリアが互いに対応づけられて記憶されている。例えば、ケーブルテレビジョン放送局「ABCケーブル」の地域識別情報として「23」、TS名として「JJJ」、自主放送のチャンネルとして「111」、サービスエリアとして「東京都葛飾区」、隣接エリアとして「千葉県、埼玉県」が記憶されている。
このように、自主放送チャンネル記憶部134には、全国のケーブルテレビジョン放送局から配信される自主放送チャンネル等の情報が予め記憶されており、放送データとともに送信される最新のデータに基づいて更新されるようになっている。
【0035】
ローカル放送局記憶部135は、例えば、不揮発性メモリにより構成され、各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルを記憶する。ここで、本発明において、ローカル放送局とは、一のエリア内での放送を主目的とする放送を行う放送局である。
図4に、ローカル放送局記憶部135の一例を示す。図4のローカル放送局記憶部135では、東京都のローカル放送局としての「東京メトロポリタンテレビジョン(株)」のチャンネル「20」、千葉県のローカル放送局としての「千葉テレビ放送(株)」のチャンネル「30」、埼玉県のローカル放送局としての「(株)テレビ埼玉」のチャンネル「32」、神奈川県のローカル放送局としての「(株)テレビ神奈川」のチャンネル「18」、群馬県のローカル放送局としての「群馬テレビ(株)」のチャンネル「19」、栃木県のローカル放送局としての「(株)とちぎテレビ」のチャンネル「29」が記憶されている。
【0036】
チャンネルメモリ136は、例えば、不揮発性メモリにより構成され、チャンネルスキャンにより検出された受信可能なチャンネルの情報を記憶する。
【0037】
ROM137は、処理プログラムやデータ等を予め記憶しており、例えば、検出手段としての検出プログラム137a、判断手段としての判断プログラム137b、抽出手段としての抽出プログラム137c、決定手段としての決定プログラム137d、選択手段としての選択プログラム137e、設定手段としての設定プログラム137f等が格納されている。
【0038】
検出プログラム137aは、CPU131に、所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてチャンネルスキャン(オートスキャン)を行い、各チャンネルの受信の可否を検出する機能を実現させるためのプログラムである。CPU131は、かかる検出プログラム137aを実行することにより、検出手段を構成する。
【0039】
ここで、チャンネルスキャンを実行する所定のタイミングは、例えば、ユーザがチャンネルスキャンの開始を指示した場合である。また、その他、工場出荷後の電源投入時や、放送受信装置の移動時、所定時間毎のタイミング等に自動的にチャンネルスキャンを実行するように構成しても良い。
【0040】
判断プログラム137bは、CPU131に、検出プログラム137aの実行において、受信可能なチャンネルとしてケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断する機能を実現させるためのプログラムである。CPU131は、かかる判断プログラム137bを実行することにより、判断手段を構成する。
【0041】
抽出プログラム137cは、CPU131に、判断プログラム137bの実行において、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから所定の地域特定情報を抽出する機能を実現させるためのプログラムである。CPU131は、かかる抽出プログラム137cを実行することにより、抽出手段を構成する。
【0042】
決定プログラム137dは、CPU131に、抽出プログラム137cの実行において抽出された所定の地域特定情報とエリア記憶部133とによって特定されるエリアと、検出プログラム137aの実行において検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、を視聴地域の候補として決定する機能を実現させるためのプログラムである。また、決定プログラム137dは、CPU131に、自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定するとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの隣接エリアを、第2記憶部に基づいて特定し、特定した隣接エリアを視聴地域の候補に加える機能を実現させるプログラムである。CPU131は、かかる決定プログラム137dを実行することにより、決定手段を構成する。
【0043】
選択プログラム137eは、CPU131に、決定プログラム137dの実行において視聴地域の候補として決定されたエリアを表示部11に表示し、表示部11に表示したエリアのうちからユーザに一のエリアを選択させる機能を実現させるためのプログラムである。CPU131は、かかる選択プログラム137eを実行することにより、選択手段を構成する。
【0044】
設定プログラム137fは、CPU131に、選択プログラム137eの実行においてユーザにより選択された一のエリアを、視聴地域として設定する機能を実現させるためのプログラムである。CPU131は、かかる設定プログラム137fを実行することにより、設定手段として機能する。
【0045】
ここで、図7のフローチャートを参照しながら、上述の検出プログラム137a、判断プログラム137b、抽出プログラム137c、決定プログラム137d、選択プログラム137e、設定プログラム137fの実行により、本放送受信装置100で行われる視聴地域設定処理について説明する。
【0046】
まず、CPU131は、図5に例示するOSD画面を表示部11に表示させ、チャンネルスキャンを開始するか否かをユーザに選択させる(図7のステップS1)。図5のOSD画面上で、ユーザがチャンネルスキャンの開始を指示すると(ステップS7のステップS2:Yes)、CPU131は、検出プログラム137aを実行し、チューナ5に選局指示信号を出力して、UHF、VHF、ケーブル帯域の全チャンネルを順次選局させ(図7のステップS3)、チューナ5からの信号に基づいて、各チャンネルの受信の可否を検出する(図7のステップS4)。
CPU131は、チャンネルが受信可能である場合には(図7のステップS4;Yes)、受信可能なチャンネルの情報(例えば、受信帯域、受信チャンネル、地域識別、サービス番号等)を取得し(図7のステップS5)、チャンネルメモリ136に出力して記憶させる。
さらに、CPU131は、全帯域の全チャンネルのスキャンが終了したか否かを判断し、終了していないと判断すると(図7のステップS6;No)、ステップS4に戻る。一方、CPU131は、全帯域の全チャンネルのスキャンが終了したと判断すると(図7のステップS6;Yes)、チャンネルスキャン処理を終了する。
【0047】
次いで、CPU131は、決定プログラム137dを実行し、受信可能なチャンネルが有るか否かを判断する(図7のステップS7)。CPU131は、受信可能なチャンネルが無いと判断すると(図7のステップS7;No)、本処理を終了する。
一方、CPU131は、受信可能なチャンネルが有ると判断すると(図7のステップS7;Yes)、受信可能なチャンネルに、ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルが有るか否かを判断し(図7のステップS8)、受信可能なチャンネルに自主放送チャンネルが無いと判断すると(図7のステップS8;No)、ステップS11に進む。
一方、CPU131は、受信可能なチャンネルに自主放送チャンネルが有ると判断すると(図7のステップS8;Yes)、自主放送チャンネルの放送データから地域識別情報を抽出し、抽出した地域識別情報とエリア記憶部133とに基づいて、エリアを特定する(図7のステップS9)。さらに、CPU131は、自主放送チャンネルの放送データから抽出した地域識別情報によって特定したエリアを、視聴地域の候補として決定する(図7のステップS10)。
【0048】
例えば、チャンネルスキャンの結果、自主放送チャンネル「111」が受信可能なチャンネルとして検出された場合には、CPU131は、その自主放送チャンネル「111」の放送データに含まれる地域識別情報「23」を抽出する。さらに、エリア記憶部133を参照して、抽出した地域識別情報「23」に対応づけられているエリア「東京都」を特定する。そして、自主放送チャンネルの放送データから抽出した地域識別情報「23」とエリア記憶部133とに基づいて特定したエリア「東京都」を、視聴地域の候補として決定する。
【0049】
次いで、CPU131は、受信可能なチャンネルにローカル放送局が有るか否かを判断する(図8のステップS11)。CPU131は、受信可能なチャンネルにローカル放送局が無いと判断すると(図8のステップS11;No)、図8のステップS13に進む。一方、CPU131は、受信可能なチャンネルにローカル放送局が有ると判断すると(図8のステップS11;Yes)、ローカル放送局のチャンネルが受信可能なエリアを、視聴地域の候補として決定する(図8のステップS12)。
【0050】
例えば、チャンネルスキャンの結果、東京都のローカル放送局「東京メトロポリタンテレビジョン(株)」のチャンネルと、千葉県のローカル放送局「千葉テレビ放送(株)」のチャンネルと、埼玉県のローカル放送局「(株)テレビ埼玉」のチャンネルとが、受信可能なチャンネルとして検出された場合には、CPU131は、ローカル放送局のチャンネルが受信可能な「東京都、千葉県、埼玉県」の3つのエリアを、視聴地域の候補として決定する。
【0051】
次いで、CPU131は、自主放送チャンネル記憶部134を参照して、自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定し、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの隣接エリアを特定する(図8のステップS13)。そして、特定した隣接エリアを視聴地域の候補として決定する(図8のステップS14)。
【0052】
例えば、CPU131は、図3の自主放送チャンネル記憶部134に基づいて、自主放送チャンネル「111」を配信するケーブルテレビジョン放送局「ABCケーブル」を特定すると、自主放送チャンネル記憶部134において、ケーブルテレビジョン放送局「ABCケーブル」のサービスエリア「東京都葛飾区」に隣接する隣接エリアとして記憶されているエリア「千葉県、埼玉県」を読み出し、これら2つのエリアを視聴地域の候補に加える。
【0053】
このように、自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを視聴地域の候補に加えることで、より視聴地域の選択の幅が広がると同時に、ユーザの居住地域により近接しているエリアのみを視聴地域の候補に加えることができる。
すなわち、自主放送チャンネルの放送データ内の地域識別情報によって特定されるエリア「東京都」には、「埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県」等の多数のエリアが隣接している。ところが、エリアが広い場合には、エリア内の一端(例えば、東京都葛飾区)と他端(例えば、東京都八王子市)では受信可能なチャンネルが異なる。例えば、東京都葛飾区では、近接している千葉県及び埼玉県からの放送信号を受信できる可能性はあるが、神奈川県及び山梨県からの放送信号は受信できない可能性が高い。逆に、東京都八王子市では、近接している神奈川県及び山梨県からの放送信号を受信できる可能性はあるが、千葉県及び埼玉県からの放送信号は受信できない可能性が高い。
そのため、自主放送チャンネルの放送データ内の地域識別情報によって特定されるエリア「東京都」の隣接エリア「埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県」を、全て視聴地域の候補と決定することとすると、ユーザの居住地域(例えば、東京都葛飾区)に近いエリア「埼玉県、千葉県」だけでなく、実際にはユーザの居住地域(例えば、東京都葛飾区)から離れたエリア「神奈川県、山梨県」も視聴地域として選択可能となってしまう。
そこで、本実施形態のように、自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定することで、エリア内におけるユーザの居住地域を更に細かく判別し、そのケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを視聴地域の候補に加えることで、ユーザの居住地域(例えば、東京都葛飾区)に近いエリア「埼玉県、千葉県」のみを視聴地域として選択できることとなる。
また、ユーザの居住地域から離れたエリアを視聴地域として選択できないようにすることで、ユーザの居住地域から離れたエリアを視聴地域として選択した場合における受信不可能なチャンネルの受信にかかる無駄な電力消費を防止して、消費電力を低減させることができる。
【0054】
次いで、CPU131は、選択プログラム137eを実行し、表示部11に、視聴地域の候補として決定したエリアを視聴地域選択画面上に一覧表示させる(図8のステップS15)。
【0055】
図6は、ローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアのみを視聴地域の候補として表示させる旨の設定がなされている場合に表示される視聴地域選択画面の例示である。
図6の視聴地域選択画面では、「東京都」、「千葉県」、「埼玉県」の3つのエリアが視聴地域の候補として一覧表示されている。ここで、「東京都」は、自主放送チャンネルが受信可能であり、且つ、ローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアである。また、「千葉県」及び「埼玉県」は、ローカル放送局のチャンネルが受信可能であり、且つ、自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局「ABCケーブル」のサービスエリア「東京都葛飾区」に隣接する隣接エリアである。
【0056】
そして、視聴地域選択画面には、視聴地域の候補である各エリアについて、その地域識別番号(例えば、「23」)、受信可能な自主放送チャンネルの数(例えば、「1」)、受信可能なローカル放送局の数(例えば、「1」)、そのエリアが広域圏に含まれるか否か(例えば、広域圏に含まれる場合には「○」、広域圏に含まれない場合には「−」)の各種情報が表示されている。
また、視聴地域の候補の一覧では、一のエリアを選択するためのカーソルCが表示されており、画面右側には、カーソルCにより選択されているエリア(図6では「東京都」)のケーブルテレビジョン放送局(例えば、「ABCケーブル」)、ローカル放送局(例えば、「東京メトロポリタンテレビジョン(株)」)が表示されている。さらに、広域圏に含まれるエリアである場合には、図6に示すように、広域圏の放送局も併せて表示しても良い。
【0057】
図6に例示する視聴地域選択画面において、ユーザは、リモコン1のカーソル釦を操作して、視聴地域の候補の一覧から視聴地域として設定したいエリア(例えば、「東京都」)の上にカーソルCを移動させて決定釦を操作し、視聴地域を選択する。
【0058】
CPU131は、表示部11の視聴地域選択画面において、ユーザにより視聴地域が選択されたか否かを判断し(図8のステップS16)、視聴地域が選択されたと判断すると(図8のステップS16;Yes)、設定プログラム137fを実行し、ユーザにより選択されたエリアを視聴地域として所定の記憶領域に記憶し、視聴地域を設定する。そして、リモコン1のワンタッチ釦に受信可能なチャンネルを割付ける処理を行う(図8のステップS17)。さらに、CPU131は、“視聴地域の設定に間違いがあれば、メニュー設定により視聴地域の変更をお願いします”とのOSD画面を表示部11に表示させ(図8のステップS18)、視聴地域の設定処理を終了する。
これにより、視聴地域選択画面上でユーザにより選択された一のエリアが、視聴地域として設定されることとなる。
【0059】
以上説明した本実施形態の放送受信装置100によれば、エリア記憶部133(第1記憶部)により、エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、が対応付けて記憶され、自主放送チャンネル記憶部134(第2記憶部)により、ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルと、各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアと、が記憶され、ローカル放送局記憶部135(第3記憶部)により、各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルが記憶される。また、検出プログラム137a(検出手段)の実行により、所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンが行われ、各チャンネルの受信の可否が検出され、判断プログラム137b(判断手段)の実行により、検出プログラム137aの検出結果と自主放送チャンネル記憶部134とに基づいて、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたか否かが判断され、抽出プログラム137c(抽出手段)の実行により、判断プログラム137bにより、受信可能なチャンネルとして自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから所定の地域特定情報が抽出される。また、決定プログラム137d(決定手段)の実行により、抽出プログラム137cにより抽出された所定の地域特定情報とエリア記憶部133とによって特定されるエリアと、検出プログラム137a(検出手段)により検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、が視聴地域の候補として決定され、選択プログラム137e(選択手段)の実行により、決定プログラム137d(決定手段)により視聴地域の候補として決定されたエリアが表示部11に表示され、当該エリアのうちからユーザにより一のエリアが選択され、設定プログラム137f(設定手段)の実行により、選択プログラム137eによりユーザにより選択された一のエリアが、視聴地域として設定される。さらに、決定プログラム137dにより、自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局が特定されるとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの隣接エリアが自主放送チャンネル記憶部134に基づいて特定され、特定した当該隣接エリアが、視聴地域の候補に加えられる。
すなわち、デジタルテレビジョン放送信号をケーブルテレビジョン放送局経由で受信する放送受信装置100において、ケーブルテレビジョン放送局が配信する自主放送チャンネルの放送データから抽出した情報に基づいて視聴地域が設定されることとなり、チャンネルスキャンにおける視聴地域の設定を容易且つ確実に行うことができる。
【0060】
また、自主放送チャンネルの放送データから抽出された所定の地域特定情報によって特定されるエリアと、ローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、が視聴地域の候補として決定され、視聴地域の候補として決定されたエリアが表示部11に表示され、表示部11に表示されエリアのうちからユーザにより選択された一のエリアが、視聴地域として設定される。すなわち、ユーザは、各チャンネルの受信の可否に基づいて決定された視聴地域の候補のうちからエリアを選択して視聴地域として設定することができるため、選択可能な全エリアの中からエリアを探し出して視聴地域として設定する場合と比較して、視聴地域の設定作業の容易化が図られることとなる。また、自主放送チャンネルが受信可能なエリアとローカル放送局のチャンネルが受信可能なエリアとが、視聴地域の候補とされるため、より確実にユーザの居住地域を視聴地域として設定できることとなると同時に、視聴地域の候補の中から視聴地域を選択して設定することができるため、ユーザが所望するエリアを視聴地域として設定することができる。
【0061】
また、自主放送チャンネルが受信可能であるエリア及びローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアの他、自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの隣接エリアが視聴地域の候補に加えられるため、視聴地域の選択の幅が広がるとともに、よりユーザの居住地域に近いエリアを視聴地域の候補とすることができる。
【0062】
なお、本発明の範囲は、上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0063】
例えば、上記実施形態において、設定手段は、自主放送チャンネルの放送データから抽出した所定の地域特定情報によって特定されるエリアやローカル放送局が受信可能であるエリア等を、視聴地域の候補として決定し、視聴地域の候補の中からユーザにより選択されたエリアを視聴地域として設定することとしたが、設定手段は、自主放送チャンネルの放送データから抽出した所定の地域特定情報によって特定されるエリアを自動的に視聴地域として設定することとしても良い。この構成では、ユーザの操作負担が更に減ることとなる。
ここで、「所定の地域特定情報と第一記憶部とに基づいて、視聴地域を設定する設定手段」には、上記実施形態のように、自主放送チャンネルの放送データから抽出した所定の地域特定情報によって特定されるエリア等を視聴地域の候補を決定し、決定した視聴地域の候補の中からユーザにより選択されたエリアを視聴地域として設定する手段と、自主放送チャンネルの放送データから抽出した所定の地域特定情報によって特定されるエリアを自動的に視聴地域として設定する手段と、が含まれる。
【0064】
また、所定の地域特定情報は、地域識別情報に限られず、ケーブルテレビジョン放送局から配信される自主放送チャンネルの放送データから取得でき、エリアを特定可能な情報であれば何でも良い。例えば、TS名やTS識別情報を所定の地域特定情報としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、放送受信装置の製造業等に利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 放送受信装置
5 チューナ(受信手段)
11 表示部
131 CPU(検出手段、判断手段、抽出手段、決定手段、選択手段、設定手段)
133 エリア記憶部(第1記憶部)
134 自主放送チャンネル記憶部(第2記憶部、第4記憶部)
135 ローカル放送局記憶部(第3記憶部)
137a 検出プログラム(検出手段)
137b 判断プログラム(判断手段)
137c 抽出プログラム(抽出手段)
137d 決定プログラム(決定手段)
137e 選択プログラム(選択手段)
137f 設定プログラム(設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴地域を設定して、ケーブルテレビジョン放送局からのデジタルテレビジョン放送信号を受信する受信手段を備える放送受信装置において、
エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、を対応付けて記憶する第1記憶部と、
ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルを記憶する第2記憶部と、
所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンを行い、各チャンネルの受信の可否を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果と前記第2記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから前記所定の地域特定情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報と前記第1記憶部とに基づいて、視聴地域を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記所定の地域特定情報によって特定されるエリアを、前記視聴地域として設定することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルを記憶する第3記憶部と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報によって特定されるエリアと、前記検出手段により検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、を前記視聴地域の候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により前記視聴地域の候補として決定された前記エリアを表示部に表示し、当該エリアのうちからユーザに一のエリアを選択させる選択手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記選択手段によりユーザにより選択された一のエリアを、前記視聴地域として設定することを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを記憶する第4記憶部を備え、
前記決定手段は、前記自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定するとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの前記隣接エリアを前記第4記憶部に基づいて特定し、特定した当該隣接エリアを、前記視聴地域の候補に加えることを特徴とする請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
視聴地域を設定して、ケーブルテレビジョン放送局からのデジタルテレビジョン放送信号を受信する受信手段を備える放送受信装置において、
エリアと、当該エリアを特定するための所定の地域特定情報と、を対応付けて記憶する第1記憶部と、
ケーブルテレビジョン放送局の自主放送チャンネルを記憶する第2記憶部と、
各エリアにおけるローカル放送局のチャンネルを記憶する第3記憶部と、
各ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアに隣接する隣接エリアを記憶する第4記憶部と、
所定のタイミングで、デジタルテレビジョン放送の全チャンネルについてオートスキャンを行い、各チャンネルの受信の可否を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果と前記第2記憶部とに基づいて、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、受信可能なチャンネルとして前記自主放送チャンネルが検出されたと判断された場合に、当該自主放送チャンネルの放送データから前記所定の地域特定情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記所定の地域特定情報と前記第1記憶部とによって特定されるエリアと、前記検出手段により検出されたローカル放送局のチャンネルが受信可能であるエリアと、を前記視聴地域の候補として決定する決定手段と、
前記決定手段により前記視聴地域の候補として決定された前記エリアを表示部に表示し、当該エリアのうちからユーザに一のエリアを選択させる選択手段と、
前記選択手段によりユーザにより選択された一のエリアを、視聴地域として設定する設定手段と、
を備え、
前記決定手段は、前記自主放送チャンネルの放送データに基づいて、その自主放送チャンネルを配信するケーブルテレビジョン放送局を特定するとともに、特定した当該ケーブルテレビジョン放送局のサービスエリアの前記隣接エリアを前記第4記憶部に基づいて特定し、特定した当該隣接エリアを、前記視聴地域の候補に加えることを特徴とする放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−177843(P2010−177843A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16336(P2009−16336)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】