説明

文書管理システムおよび文書管理方法およびプログラムおよび記録媒体

【課題】セキュリティ情報を記録したRFIDクリップで文書を挟み、文書とセキュリティを一体化して即座に機密文書として扱うこと。また、取り違い等の間違いを回避すること。さらに、利用者によって機密性の相違や、機密の程度が変更される場合にも、柔軟に対応すること。
【解決手段】文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録し、文書から文字認識により文書名を読み取られる文書名と前記文書に付着させたRFIDから読み取られる識別番号と前記登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合し、一致しない場合は警告し、また、前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管し、入力される利用者情報と前記保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき開錠する構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ情報を記録したRFID付きセキュリティクリップで紙文書を挟み、RFID情報に基づいて、紙文書の機密を保護管理する文書管理システムおよび文書管理方法およびプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィス等での文書はPCに搭載されたワードプロセッサを使用して作成する。電子文書であるならば、検索、消去、再利用等が容易である上、廃棄物管理も不要である。電子文書は、コピーが簡単にできる危険をカバーするためのパスワード、コピーガード、暗号化等のセキュリティ管理技術により、高い安全性を保持できるようになった。
【0003】
一方、紙文書は、電子文書と異なり、紙という「物」である点、あるいは、人手を経る点から、セキュリティ設定措置が遅れる場合が多く、セキュリティの確保が非常に困難なものとされている。
【0004】
物である限り、机上に置かれた文書は、人の目に触れやすく、持ち出される危険もある。持ち出しや複写等に対しても、リスクを回避する手段としては、ルール化や、人間のモラリティに頼る以外はなかった。
【0005】
このようにセキュリティ管理が困難な紙文書を管理する方法として、RFIDを紙文書にシール付けし、RFIDに記録した識別番号を文書管理用データベースと照合し、文書確認や機密性確認をしたり、機密性の高い文書の場合には、機密文書保管機関を設置し、紙1枚毎にRFIDをすきこみ、紛失や持ち出し、複写(RFID管理機能付き)等を防ぐものとして特許文献1が提案されている。
【特許文献1】特開2004―66572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、RFIDは紙文書やそのページを識別する手段に利用しているに過ぎない。識別した後は、電子ファイルと同様に、文書登録やセキュリティ設定を人手で行う必要があり、文書登録に時間を費やしていた。即ち、機密文書の扱いとなってから、セキュリティレベルを設定するまでに時間差があり、安全な管理とは言えない。
【0007】
また、文書は部門別に管理されることが多いが、上記特許文献1では、部門毎に異なるレベルのセキュリティを付加することはできなかった。
【0008】
また、時間の経過と共にセキュリティレベルも変化するものであるが、上記特許文献1では、セキュリティレベルを変更する際には、上述した文書登録の修正を手作業で行う必要があり、非常に煩雑であった。
【0009】
また、同一文書であっても部署毎にセキュリティレベルが異なるようにしたい等の利用者からの要求もある。
【0010】
機密文書は、組織として共通のルールに基づき、セキュリティ管理を行わなければならない。セキュリティレベルや保管方法をルール化し、使用中も権限のない者に漏洩されないための注意や、持ち出し制限や返却管理が必要になる。
【0011】
このように、紙という特性を踏まえて、しかも利便性と安全性を兼ね備えた管理方法でなければ、紙文書のセキュリティ管理は困難である等の問題点があった。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録し、文書から文字認識により文書名を読み取られる文書名と前記文書に付着させたRFIDから読み取られる識別番号と前記登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合し、一致しない場合は警告し、また、前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管し、入力される利用者情報と前記保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき開錠することにより、機密文書が作成された時、あるいは外部から持ち込まれた時、セキュリティ情報を記録したRFIDがクリップに付着したものを紙文書に挟み、文書とセキュリティを一体化して即座に機密文書として扱うことができ、文書という物理的な物ではあっても、取り違い等の間違いを回避することができる、さらに、利用者によって機密性の相違がある場合や、機密の程度が変更される場合にも、柔軟に対応可能な文書管理システムおよび文書管理方法およびプログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、文書を管理する文書管理システムにおいて、文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録する登録手段と、文書から文字認識により文書名を読み取る文書名読み取り手段と、前記文書に付着させたRFIDから識別番号を読み取る第1のRFID読み取り手段と、前記文書名読み取り手段により読み取られる文書名と前記第1のRFID読み取り手段により読み取られる識別番号と前記登録手段の登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合する照合手段と、前記照合手段により前記文書と該文書に付着させたRFIDとが一致しないと判定された場合、警告を行う警告手段と、前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管する保管手段と、前記保管手段に保管された文書に付着させた前記RFIDから識別番号を読みとる第2のRFID読み取り手段と、入力される利用者情報と前記保管手段に保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき、前記保管手段の開錠を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録し、文書から文字認識により文書名を読み取られる文書名と前記文書に付着させたRFIDから読み取られる識別番号と前記登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合し、一致しない場合は警告し、また、前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管し、入力される利用者情報と前記保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき開錠するので、機密文書が作成された時、あるいは外部から持ち込まれた時、セキュリティ情報を記録したRFIDがクリップに付着したものを紙文書に挟み、文書とセキュリティを一体化して即座に機密文書として扱うことができる。
【0015】
また、文書という物理的な物ではあっても、取り違い等の間違いを回避することができる。
【0016】
さらに、利用者によって機密性の相違がある場合や、機密の程度が変更される場合にも、柔軟に対応することができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、RFIDクリップを利用した紙の機密文書管理方法及びシステムの実施形態について説明する。
【0018】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す文書管理システムの一例を示すシステム構成図である。
【0019】
図1に示すように紙文書109,123は、当該文書の文書情報及びセキュリティ情報を記録したRFID付きクリップ(以下、セキュリティクリップという)110で挟み、保管棚105に配置(収納)される。配置場所は不定である。
【0020】
RFIDの識別番号はユニークであり、当該セキュリティクリップを文書に挟むと、当該文書と合体して文書の認識番号となる。セキュリティクリップに挟まれた文書は、保管棚105に配置されると、保管棚のRFIDリーダ107が該RFIDから識別番号を読み取り、情報をサーバ101に通信網300を介して通信する。この通信は無線通信であっても有線通信であってもよい。また、この通信は、保管庫が遠隔地にあった場合は高帯域通信網等を利用するが、構内の場合はLANで接続される。
【0021】
文書名は、文書が保管されている該当の棚の上部にある各スロット111毎の表示装置106に表示される。また、スロット111は、ICカードリーダ104とロック機構の扉(スロット扉ロック機構)112を備え、ICカード113の情報がサーバ101に送信され、サーバ101が当該セキュリティ権限とスロット111内の文書セキュリティを照合して、権限を満たすときは開錠を指令する。
【0022】
また、保管棚のスロットには1通の文書しか入れることができないが、空いているスロットはどのスロットを使用してもよい。
【0023】
サーバ101は、構内LAN300で結ばれ、当該LANには、PC119、OCR装置115、RFIDリーダ116、RFIDライタ117、機密文書保管室130の壁118を挟んで、内外に設置されたICカードリーダ121,122が接続している。保管室130は密閉されており、その出入りは、扉のロック機構120の開閉により制御されている。ICカードのセキュリティ権限を照合し、正当なセキュリティ権限者のみが出入り可能である。
【0024】
保管室130に入った文書は、RFIDリーダ116によりセキュリティクリップの情報が読み込まれ、そのユニークな識別番号をキーに、サーバが文書管理DB2105−2(図3)の文書データと照合する。またOCR装置115により読まれた文書名と照合する。両者が一致すると正当な機密文書となる。また、新規文書の場合は、文書名が当該セキュリティクリップのRFIDの所定記憶区画にRFIDライタ117により書き込まれる。
【0025】
パーソナルコンピュータ(PC)119には、OCR,RFIDリーダ等の照合状況が表示され、誤りがあった場合には、チェックする情報を与える。また、文書検索にも使用される。サーバの表示装置102は、通常、機密文書管理システムの運用に使用される。
【0026】
図2は、図1に示したサーバ101,保管棚105のハードウエア構成の一例を示すブロック図であり、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0027】
図2に示すように、サーバ101はLAN通信網300(又は高帯域通信網301)を介して保管棚105と通信可能に接続されている。
【0028】
サーバ101において、2101はCPUで、ROM2103又は外部メモリ(例えば、ハードディスク,フレキシブルディスク,CD−ROM,DVD−ROM等どのような記憶装置であってもよい)2104に格納されたプログラムをRAM2102上にロードして実行することにより、サーバ全体を制御する。RAM2102は、CPU2101の作業領域として使用される。
【0029】
2109は通信インタフェースで、通信網300(無線であっても有線であってもよい)への接続を可能とする。2106は入力装置で、キーボードやマウス等のポインティングデバイス等に相当する。102は表示装置で、CRT,LCD等で構成される。
【0030】
また、外部メモリ2104には、後述するオーナDB2105−1,文書管理DB2105−2から構成されるDB2105が構築されている。
【0031】
次に、保管棚105において、2204はCPUで、ROM2206又は外部メモリ(例えば、ハードディスク,フレキシブルディスク,CD−ROM,DVD−ROM等どのような記憶装置であってもよい)2207に格納されたプログラムをRAM2205上にロードして実行することにより、保管棚105全体を制御する。RAM2205は、CPU2204の作業領域として使用される。
【0032】
2203は通信インタフェースで、無線ネットワーク300(有線のネットワークであってもよい)への接続を可能とする。
【0033】
また、図1にも示したように、保管棚105には、スロット毎に設けたRFIDリーダ107群、スロット扉ロック機構112群、表示装置106群、及びICカードリーダ群104が設けられている。
【0034】
また、図1に示した保管室130には、OCR装置115、RFIDリーダ116及びRFIDライタ117のグループ、PC119、保管室扉ロック機構120、入口ICカードリーダ122及び出口ICカードリーダ121のグループがLAN通信網300経由でサーバ101と通信可能に接続されている。
【0035】
以下、図3を参照して、オーナDB2105−1,文書管理DB2105−2について説明する。
【0036】
図3は、本実施例のシステムにおいて用いられるオーナDB2105−1,文書管理DB2105−2を説明するデータ構成図である。
【0037】
オーナDB2105は、文書のオーナである部署と社員に関する情報を格納する。このオーナDB2105は、「ICカード識別番号」,「部署コード」,「部署名」,「セキュリティ権限」,「名前」,「その他」等の各項目から構成されており、これら各項目に対応する情報が予め管理者等により登録されている。
【0038】
文書管理DB2105−2は、本実施形態の文書管理システムが管理する文書の管理情報を格納したものであり、セキュリティクリップの情報と対応付けがされている。
【0039】
この文書管理DB2105−2は、「RFID識別番号」,「部署コード」,「部署名」,「セキュリティレベル」,「文書名」,「所在コード」,「保管庫識別番号」,「棚識別番号」,「スロット識別番号」,「貸出者識別番号」,「貸出者名」,「貸出日付」,「返却日付」,「文書登録日付」,「文書廃棄日付」,「その他」等の各項目から構成されており、これら各項目に対応する情報が文書登録時にサーバ101により登録される。
【0040】
以下、図4,図5を参照して、文書を新たにRFIDクリップで挟み、保管棚105のスロットに入れた場合の新規登録方法について説明する。
【0041】
図4は、本発明の文書管理システムにおいて、新規の文書が発生した場合に当該文書に対して本発明の意図するセキュリティ設定を行う形態を説明するための図である。
【0042】
本発明では、人間が通常行う自然の型を重視してセキュリティ設定している。具体的に説明すると、紙文書の表紙には通常、標題が記載されている。しかし、例えば、重要文書の代表である契約書では、標題だけで誰との契約であるかが中身を見ないと判明しないことがある。そこで、本実施形態では、文書名に次の(1)〜(5)に示すような規則を設けた。
【0043】
(1)機密扱いの文書は担当部署がオーナとなり管理する。
【0044】
(2)同一文書が他部署にも存在する場合は、それぞれ別途の管理を行う。
【0045】
(3)同一部署内において、個々の文書を人間が識別できるように、文書名をユニークに設定し、同一標題である場合には、日付、連番その他により識別可能なように付け替える。
【0046】
(4)付け替えは、定形のラベル302にユニークな文書名を印字する。ラベルはすぐ剥がせるように脱着可能な糊が裏面に予め塗られている。
【0047】
(5)この定形ラベルは、文書が保管される時にOCR装置115で読み取られ文書登録がなされる。
【0048】
以下、図を参照しながら説明する。
【0049】
図4の例では、「委託業務契約書 世界工業株式会社 2004年10月1日」が文書名である。次に、この文書に担当部署のセキュリティクリップ303で挟むことにより、当該文書が担当部署の管理下に置かれたことになる。
【0050】
セキュリティクリップにはRFID304が付着しており、当該部署がオーナであること、及びセキュリティレベル等が記録されている。即ち、文書にクリップを付着させた305の状態で、当該文書に対して、当該セキュリティクリップに対応する担当部署がオーナであり、当該セキュリティクリップに対応するセキュリティが設定されたことの識別となる。なお、クリップは部署毎に、形状や色を変えると更に識別し易くなる。
【0051】
なお、文書は、使用されるうちに、セキュリティレベルが変更されるかもしれない。セキュリティレベルを変更する場合、文書管理システムへの変更処理だけでなく、人間にもすぐわかる識別が必要である。
【0052】
本実施形態では、セキュリティレベルの変更に使用するクリップ307(以下、セキュリティレベル設定クリップと言う)を、306に示すように、当該文書に挟むだけで、ユーザは視覚的に、一方、文書管理システムは、クリップ307のRFIDに記録された情報により、セキュリティレベルが変更された旨の識別が可能になる。また、セキュリティレベルの変更に使用するクリップは、そのレベルに応じてその形状や色を変えることにより、ユーザによる視覚的なセキュリティレベルの認識をより容易にすることができる。
【0053】
なお、文書に最初に使用されるクリップ(図4では303)は、オーナである部署を識別するためのものなので「オーナクリップ」と呼ぶ。
【0054】
以下、図5を参照して、セキュリティクリップに付着させたRFIDに記録される情報について説明する。
【0055】
図5は、セキュリティクリップに付着させたRFIDに記録された情報のデータ構成を説明するための図である。
【0056】
図5に示すように、RFIDの記録項目は、ヘッダ,識別番号401,クリップ種別402,セキュリティレベル403,オーナID404,文書名405,登録日時406,廃棄日時407,その他等から構成されている。
【0057】
なお、本実施形態では、408,409,410に示すように、セキュリティクリップを3種設定した。
【0058】
408は「オーナクリップ」の記録例を示したものである。このオーナクリップにより文書の管理部署又は所有者が定められる。
【0059】
オーナクリップ408において、RFID記録項目であるクリップ種別402には、オーナクリップを示すコードが記録されている。オーナID404は、文書を管理する部署名が記録されている。この部署名は文書の所有者を識別し、かつ文書名405を他部署から区別する識別ともなる(他部署にも同一の文書及び文書名がある可能性を考慮している)。また、セキュリティレベル403は、予め最低に設定されている。なお、文書に対するセキュリティレベルを上げたい場合は、セキュリティ設定クリップ409を挟むことにより可能となる。
【0060】
本実施形態では、セキュリティレベル403を次のように設定している。
【0061】
1:部外秘;機密文書保管庫に収める文書では機密管理レベルが一番低い
2:機密度中;部署の管理職が参照できる
3:機密度高;部署のトップ、事業責任者以上、又は特定部署員
4:機密度最高;役員や特定業務従事者
なお、登録日時406は、当該文書が機密文書管理システムに登録された日時であり、当システムが文書管理データベース及びオーナクリップの両方に記録する。
【0062】
次に、409は「セキュリティレベル設定クリップ」の記録例を示したものである。上述したオーナクリップ408は、機密文書に必須の固定的クリップであるが、セキュリティレベル設定クリップは、機能的な使用がなされ、「2」以上の機密度を有する文書のみに使用され、セキュリティを指定するものである。従って、使用されない場合もあり、かつ単独でも使用されない。セキュリティレベル設定クリップのセキュリティレベルが当該文書のセキュリティとなる。
【0063】
410は「廃棄用クリップ」の記録例を示したものである。上述のセキュリティクリップ408と同様に、やはり機能的な使用がなされる。
【0064】
この廃棄用クリップ410が文書に挟まれると、当該文書は廃棄されたものとされる。ただし、廃棄されても機密が解除されるわけでなく、機密文書保管庫に保管されている限り、セキュリティは守られる。文書管理データベースには廃棄の記録がされるので、システム管理者が抹消することにより、セキュリティ管理から除外される。なお、廃棄日時407は、オーナクリップ408に記録され、記録が廃棄の識別となる。
【0065】
以下、図6〜図9を参照して、本発明の印刷管理システムにおける文書管理方法について説明する。
【0066】
図6は、本発明の文書管理システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、機密文書保管室130に機密文書を持った入室者が入った際の処理に対応する。なお、図中、S501〜S503は入室者による操作手順に対応するステップである。また、S510〜S515は文書照合装置類の処理に対応するステップである。さらに、S520〜S528はサーバ101の処理に対応するステップであり、図2に示したCPU2101がROM2103又は外部メモリ2104に格納されるプログラムをRAM2102にロードして実行することにより実現される。
【0067】
なお、入室者が、機密文書保管室130に入室する時には、自己のICカードにより、権限が認められていることを前提にする。退室する時も同様である。なお、本実施形態では、退室する時に、持ち出し文書のチェックは行わない。既に機密文書保管庫において、セキュリティが守られているからである。
【0068】
また、機密文書保管室130の入室者は次の目的(1)〜(6)を持って入室するものとする。
【0069】
(1)新規に文書を機密保管する為
(2)文書の返却
(3)文書の取り出し
(4)文書の廃棄処理
(5)文書のセキュリティ変更登録(セキュリティ設定クリップを替えれば既に変更)
(6)文書の参照
図6のフローチャートは以上(1)〜(6)の目的を全て網羅している。
【0070】
まず、入室者は、ステップS501において、紙文書をOCR装置115に載置し、文書表紙の文書名を読ませる。
【0071】
また、OCR装置115と共にRFIDリーダ116は、ステップS510において、当該文書のクリップのRFIDも読み、RFIDから読み出した文書名及びRFID情報をサーバ101に送信する。
【0072】
そして、これらの文書名及びRFID情報を受け取ったサーバ101のCPU2101は、ステップS520において、クリップ状態が正常であるかチェックし、オーナクリップが複数であったり、クリップが無かった場合には、クリップ状態が正常でないと判断し、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119にエラー情報を送信してエラー状態を表示させる(S511)。
【0073】
一方、ステップS520で、サーバ101のCPU2101が、クリップ状態が正常であると判定した場合には、ステップS521において、文書名が正常であるかチェックし、文書名が無い場合や正しく認識できない場合には、文書名が正常でないと判断し、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119にエラー情報を送信してエラー状態を表示させる(S511)。
【0074】
一方、ステップS521で、サーバ101のCPU2101が、文書名が正常であると判定した場合には、ステップS522において、新規文書(RFIDの文書名格納エリアが空状態)であるかチェックし、新規文書と判定した場合には、ステップS526に処理を移行させる。
【0075】
一方、ステップS522で、サーバ101のCPU2101が、新規文書でないと判定した場合には、ステップS523において、RFIDと紙文書の文書名が一致するかチェックし、RFIDと紙文書の文書名が一致しないと判定した場合(原因として、オーナクリップを外し、他の文書に挟み間違えたケース等が考えられる)には、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119にエラー情報を送信してエラー状態を表示させる(S511)。
【0076】
ステップS511でPC119にエラー状態が表示されるたことを、入室者が確認すると、ステップS502において、入室者は、文書とクリップをチェックして修正し、再度、ステップS501で、紙文書をOCR装置115に載置し、文書表紙の文書名を読ませる。
【0077】
また、ステップS523で、サーバ101のCPU2101が、RFIDと紙文書の文書名が一致すると判定した場合には、ステップS524において、廃棄文書か(廃棄クリップがあるか)チェックし、廃棄文書でない(即ち、返却文書)と判定した場合には、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119に正常状態を示す情報を送信して正常状態を表示させる(S512)。
【0078】
一方、ステップS524で、サーバ101のCPU2101が、廃棄文書であると判定した場合には、文書管理DB0512内の当該文書のレコードの「文書廃棄日付」項目に現在日時を記録し、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119に正常状態を示す情報を送信して正常状態を表示させる(S512)。
【0079】
ステップS512でPC119に正常状態が表示されたことを、入室者が確認すると、ステップS503において、入室者は、次の文書へ処理を移す。
【0080】
また、ステップS522で、サーバ101のCPU2101が、新規文書(RFIDの文書名格納エリアが空状態)であると判定した場合には、ステップS526において、サーバ101のCPU2101は、文書名が文書管理DB2105−2に登録済みの文書名と同じ(文書名がダブル)であるかチェックし、同じであると判定した場合には、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119にエラー情報を送信してエラー状態を表示させる(S513)。
【0081】
ステップS513でPC119にエラー状態が表示されたことを、入室者が確認すると、ステップS502において、入室者は、文書とクリップをチェックして修正し、再度、ステップS501で、紙文書をOCR装置115に載置し、文書表紙の文書名を読ませる。
【0082】
また、ステップS526において、サーバ101のCPU2101は、文書名が文書管理DB2105−2に登録済みの文書名と同じ(文書名がダブル)でないと判定した場合には、ステップS527において、サーバ101のCPU2101は、当該文書のクリップのRFIDへの文書名登録等をRFIDライタ117に指示する。
【0083】
この指示を受けたRFIDライタ117は、ステップS514において、当該文書のクリップのRFIDへの文書名等を記録する。
【0084】
次に、ステップS528において、サーバ101のCPU2101は、文書管理DB2105−2に当該文書の口座を設定し、RFID識別番号、文書名、文書管理部署(オーナ)情報、及びセキュリティ等を書き込み、新規文書を登録し、図示しないステップにおいて、OCR装置115の近くのPC119に正常状態を示す情報を送信して正常状態を表示させる(S515)。
【0085】
ステップS515でPC119に正常状態が表示されるたことを、入室者が確認すると、ステップS503において、入室者は、次の文書へ処理を移す。
【0086】
なお、入出者は、全ての文書に対して、ステップS501の処理を繰り返す。
【0087】
以下、図7を参照して、機密文書保管庫130に入室者が来て、文書の返却、文書のセキュリティレベル変更、文書の廃棄、文書の返却、単なる文書の参照、そして文書の取り出しを行うときの、保管棚105の動作及びサーバ101の動作について説明する。
【0088】
図7は、本発明の文書管理システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、機密文書保管庫130に入室者が来て、文書の返却、文書のセキュリティレベル変更、文書の廃棄、文書の返却、単なる文書の参照、そして文書の取り出しを行うときの、保管棚105の動作及びサーバ101の動作に対応する。なお、図中、S601〜S603は入室者による操作手順に対応するステップである。また、S610〜S616は保管棚105の処理に対応するステップであり、図2に示したCPU2204がROM2206又は外部メモリ2207に格納されるプログラムをRAM2205にロードして実行することにより実現される。さらに、S620〜S631はサーバ101の処理に対応するステップであり、図2に示したCPU2101がROM2103又は外部メモリ2104に格納されるプログラムをRAM2102にロードして実行することにより実現される。
【0089】
まず、ステップS601において、入室者は文書を取り出す場合は、スロット111の画面106を見て文書を探す。また、文書を返しに来た場合は、空きスロットを探す。そして、目当てのスロットを見つけるとICカード113をICカードリーダ104にかざし、スロット扉の開錠を要求する。
【0090】
すると、スロット111のICカードリーダ104は、ステップS610において、ICカード113を読み、また、RFIDリーダ107は、セキュリティクリップのRFID情報を読み、この2つの情報(ICカード情報,RFID情報)をサーバ101に送信する。
【0091】
そして、これらのICカード情報及びRFID情報を受け取ったサーバ101のCPU2101は、これらの情報を解析し、ステップS620において、オーナDB2105−1を照合してICカード権限が正常であるかチェックする。ICカード情報内のICカード識別情報が当該文書のオーナである部署に該当しない等の文書参照に権限のない者の場合は、ICカード権限が異常であると判断して、図示しないステップにおいて、該当するスロットの表示装置106にエラー情報を送信してエラー表示させる(S611)。
【0092】
一方、ステップS620で、サーバ101のCPU2101が、ICカード情報内のICカード識別情報が当該文書のオーナである部署に該当する場合は、ICカード権限が正常であると判断し、ステップS621において、対応するスロットが空きかどうか判断し、空きでない(即ち、文書取出)と判断した場合には、ステップS622に処理を進める。
【0093】
ステップS622において、サーバ101のCPU2101は、セキュリティ照合を判断し、ICカード情報に対応するセキュリティ権限が文書のセキュリティレベルより低い場合は、セキュリティ照合異常と判断して、図示しないステップにおいて、該当するスロットの表示装置106にエラー情報を送信してエラー表示させる(S611)。
【0094】
一方、ステップS622で、サーバ101のCPU2101が、セキュリティ照合が正常であると判断した場合には、ステップS623において、対応するスロットのロックを外す指令を保管棚105に送信し、ステップS624に処理を進める。
【0095】
また、ステップS621で、サーバ101のCPU2101が、対応するスロットが空きであると判断した場合には、ステップS623において、対応するスロットのロックを外す指令を保管棚105に送信し、ステップS624に処理を進める。
【0096】
スロットのロックを外す指令を受け取った保管棚105のCPU2204は、ステップS612において、対応するスロット扉ロック機構112を解除してスロットのロックを外す。
【0097】
これにより入室者は、ステップS602において、文書の取り出しや返却を行い、ステップS603において、スロットの扉を閉める。これにより、保管棚105のCPU2204は、図示しないステップにより、スロットの扉を閉まったことをサーバ101に通知する。
【0098】
なお、サーバ101のCPU2101は、スロットが開けられた状態で放置されることを防止するため、ステップS624において、一定時間、スロットが閉まるのを待機し、一定時間を経過してもスロットが閉められた通知がない場合には、図示しないステップにおいて、該当するスロットの表示装置106にエラー情報を送信してエラー表示させる(S613)。
【0099】
一方、サーバ101のCPU2101が、一定時間経過前に、スロットが閉められた通知があったと判断した場合には、ステップS625に処理を進める。
【0100】
入室者によりスロットの扉が閉められると、ステップS614において、該スロットのRFIDリーダ116は、スロット内の文書のセキュリティクリップからRFID情報を読み、その情報をサーバ101に送信する。
【0101】
すると、サーバ101のCPU2101は、ステップS625において、受け取ったRFID情報を解析し、ステップS626でスロットが空であるか否かを判定し、空きでないと判断した場合には、文書がスロットに入れられた状態と判断して、ステップS630に処理を進める。
【0102】
ステップS630において、サーバ101のCPU2101は、文書管理DB2105−2に対して、文書オーナクリップの文書名、登録日付、保管庫の棚番号やスロット番号他の一切の情報を更新する(なお、廃棄クリップが付いている場合には廃棄日付を更新する)。
【0103】
次に、ステップS631において、サーバ101のCPU2101は、ステップS630の処理結果から文書名、廃棄の文書情報を機密文書保管庫の情報を当該スロットの表示装置106へ送信し、スロット画面に送信情報を表示させる(S616)。
【0104】
また、ステップS626において、サーバ101のCPU2101が、スロットが空であると判断した場合には、ステップS627において、前の状態も空であったか否かを判断し、前の状態も空であったと判断した場合には、文書なしと判断し、そのままステップS629に処理を進める。
【0105】
一方、ステップS627で、サーバ101のCPU2101が、前の状態は空ではなかったと判断した場合には、文書の取り出しが行われスロットが開き状態となったものと判断し、ステップS628において、サーバ101のCPU2101は、文書取り出しの情報、取り出した者(ステップS610で保管棚105から送信されたICカード情報内)、その日付等を文書管理DB2105−2に対して更新し、ステップS629に処理を進める。
【0106】
ステップS629において、サーバ101のCPU2101は、スロット空の表示に対応するデータを、保管棚105の対応するスロットの表示装置106に送信し、スロット画面に送信情報を表示させる(S615)。
【0107】
以下、図8,図9を参照して、文書検索の処理について説明する。
【0108】
図8は、本発明の文書管理システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、文書検索の処理に対応する。なお、図中、S801〜S805はPC検索者による操作手順に対応するステップである。また、S810,S811は保管棚105の処理に対応するステップであり、図2に示したCPU2204がROM2206又は外部メモリ2207に格納されるプログラムをRAM2205にロードして実行することにより実現される。さらに、S820〜S825はサーバ101の処理に対応するステップであり、図2に示したCPU2101がROM2103又は外部メモリ2104に格納されるプログラムをRAM2102にロードして実行することにより実現される。
【0109】
図9は、本発明の文書管理システムにおけるPCの検索画面と対応したスロット画面の一例を示す模式図である。
【0110】
まず、ステップS801において、検索者はPC119を操作して、PCの検索画面901を開き、ステップS802において、自己の部署名等を入力し、保管庫格納文書一覧の表示要求を行う。これにより、PC119はこの表示要求をサーバ101に送信する。
【0111】
サーバ101のCPU2101は、PC119からの保管庫格納文書一覧の表示要求を受信すると、ステップS820において、文書管理DB2105−2から、PC119から受信した部署名等に該当する文書情報を抽出し、ステップS821において、抽出した文書情報一覧を形成し、PC911に送信する。これにより、PC119の画面には、図9に示すような検索した文書一覧が表示される。
【0112】
検索者は、画面を見れば、自分が探している文書はわかるが、保管庫の棚のどのスロットに保管されているかを明確にしたいと思う。そこで、検索者は、ステップS804において、PC119の検索画面に表示された文書一覧901から、欲しい文書をポイントする(図9の902)。これにより、PC119はこのポイントした文書を特定する情報をサーバ101に送信する。
【0113】
サーバ101のCPU2101は、PC119からの文書を特定する情報を受信すると、ステップS822において、文書管理DB2105−2を参照して、当該文書の所在(保管庫/棚番号/スロット番号)を取得する。
【0114】
そして、サーバ101のCPU2101は、ステップS823において、該当するスロットに表示された当該文書名を太くしたり、目立つ色彩に表示色を変更したりして、点滅したりして視覚的に強調させる強調表示データを生成し、該当するスロットの表示装置106に送信する(S824)。
【0115】
この強調表示データを受けた保管棚105の該当するスロットの表示装置106は、ステップS810において、この強調表示データを表示して、該当するスロットに表示された当該文書名を太くしたり、目立つ色彩に表示職を変更したりして、点滅したりして視覚的に強調させる(図9の903)。
【0116】
この結果、検索者は、所望の文書の保管場所を即座に把握し、所望の文書を迅速に取り出すことが可能になる。
【0117】
文書を取り出した後、PC検索者は、ステップS805において、検索画面901を閉じる。これにより、PC119は検索画面が閉じられたことを示す通知をサーバ101に送信する。
【0118】
この通知を受けたサーバ101のCPU2101は、ステップS825において、強調表示データを通常表示データに変更して該当するスロットの表示装置106に送信する。
【0119】
この通常表示データを受けた保管棚105の該当するスロットの表示装置106は、ステップS811において、この通常表示データを表示して、該当するスロットの表示を通常に戻し、処理を終了する。
【0120】
以上示したように、本実発明の文書管理システムでは、機密文書が作成された時、あるいは外部から持ち込まれた時、セキュリティ情報を記録したRFIDがクリップに付着したものを紙文書に挟み、文書とセキュリティを一体化しているので、即座に機密文書であることが誰にも識別できる上、コンピュータシステムに登録する前であっても、セキュリティ管理が既に実施される効果を奏する。
【0121】
また、文書管理システムと連動した光学的な読み取り装置による自動化された文書名の登録や照合を実施するので、人間の判断や手間を省くことにより、紙文書という物理的な物ではあっても、間違いを回避できる効果を奏する。
【0122】
部署毎に機密性の相違がある場合や、機密度が異なる場合や、機密の程度が変更される場合にも、即座に対応できる効果を奏する。
【0123】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、保管棚105のスロット111毎に表示装置106を設けて文書が保管されているスロットを通知する構成について説明したが、PC119の表示装置に、どの保管棚のどのスロットにあるかを表示するように構成してもよい。これにより、保管棚105のスロット111毎に表示装置を備える必要がなくなり、コストダウンをはかることができる。
【0124】
また、保管棚105のスロット111毎に表示装置をLEDやランプ等に変更し、文書の保管場所の提示をランプの発光や点滅により行うように構成してもよい。
【0125】
また、保管棚105のスロット111毎に表示装置を、保管棚105に1つの表示装置とし、該1つの表示装置に検索した書類の棚の位置をテキスト表示又は保管棚の位置を示す図式化して表示するように構成してもよい。
【0126】
なお、このような利用形態は、書店、図書館、または、分散して資料が保管されている場合等に応用できる。
【0127】
また、上記各実施形態で説明した文書を他の物品、RFIDクリップを前記物品に付着可能な他の付着手段(例えば、シール,面ファスナー等)に置きかえることにより、あらゆる物品の保管を高セキュリティに管理することができる。
【0128】
以上示したように、本発明の文書管理システムは、クリップにRFIDを付着させ、紙文書を当該RFIDクリップで挟み、紙文書をRFIDのユニークな識別番号と一致させて、紙文書ではあっても、極力、人手を介さず、セキュリティ管理の為の手間を少なくし、人手ミスを排除する機能をコンピュータシステムと連携して実現する。
【0129】
また、RFID付きクリップ(以下、セキュリティクリップという)は、セキュリティレベル、組織、廃棄等の運用種別毎に、色、形状、識別名又は印により、人目で即座に判別がつくようにして、機密文書が作成された時、あるいは外部から持ち込まれた時、即座に機密文書であることが誰にもわかる識別方法をセキュリティが記録されたRFID付きクリップで解決する(本発明の特徴を示す機能型RFIDクリップ)。即ち、セキュリティ管理は、コンピュータシステムの処理を待たずに紙文書を当該クリップで挟むことにより既に開始されている(後に、コンピュータシステムにRFID記録のセキュリティ情報や文書名等が自動登録される)。
【0130】
さらに、セキュリティクリップは複数個、単一紙文書に挟むことができ、当該部署のセキュリティレベルのみ記録されたセキュリティ設定クリップを挟むだけで、機密文書管理システムが機密文書保管庫に出入りする文書をセキュリティクリップの情報に基づき、セキュリティレベルや運用種別を自動的に変更管理して、部署毎に機密性の相違があることを認め、しかも、機密性が変更になった時に即座に対応できる。
【0131】
また、文書名は、OCR装置が読み、文書とセキュリティクリップに記録された情報を機密文書管理システムが照合し、一致性を管理する。登録時にもOCRが読む文書名が、セキュリティクリップに記録され、かつ機密文書管理システムにも自動的に登録され、人の手間を省くことができる。
【0132】
さらに、本発明の文書管理システムは、管理する機密文書保管庫に所在する文書又は貸し出し中の文書の所在を管理し、その在処を検索者に簡単にわからせる表示を保管棚及びPCに表示するので、機密性の高い紙文書は、保管室で管理し、その入出管理、持ち出し/返却管理を機密文書管理システムで制御する。
【0133】
また、保管室から所望の文書を探すための利便性の高い検索を行うことができる。
【0134】
さらに、機密文書の登録、セキュリティレベル変更、廃棄等の運用に対して、安全性と操作性を高めることができる。
【0135】
以上示したように、本発明は、人手を介して扱われるためにセキュリティの確保が困難な、紙文書の性質を認めて、人手を介する部分を極力省くことを主眼として、文書識別にRFIDクリップの識別情報を適用し、当該クリップにセキュリティレベルを共存させ、機密文書管理システムにより、素早い対応がとれるセキュリティ管理を実現させた。
【0136】
なお、上記各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0137】
また、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0138】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0139】
以下、図10に示すメモリマップを参照して本発明に係る文書管理システムを構成する各装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0140】
図10は、本発明に係る文書管理システムを構成する各装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0141】
なお、特に図示しないが、記録媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0142】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、インストールするプログラムやデータが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0143】
本実施形態における図6,図7,図8に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0144】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0145】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0146】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,DVD−ROM,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM,シリコンディスク等を用いることができる。
【0147】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0148】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0149】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0150】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ,データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明の文書を他の物品、RFIDクリップを前記物品に付着可能な他の付着手段(例えば、シール,面ファスナ等)に置きかえることにより、あらゆる物品の保管場所を管理する用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の第1実施形態を示す文書管理システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示したサーバ,保管棚のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施例のシステムにおいて用いられるオーナDB,文書管理DBを説明するデータ構成図である。
【図4】本発明の文書管理システムにおいて、新規の文書が発生した場合に当該文書に対してセキュリティ設定を行う形態を示す図である。
【図5】セキュリティクリップに付着させたRFIDに記録された情報のデータ構成を説明するための図である。
【図6】本発明の文書管理システムにおける第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の文書管理システムにおける第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の文書管理システムにおける第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の文書管理システムにおけるPCの検索画面と対応したスロット画面の一例を示す模式図である。
【図10】本発明に係る文書管理システムを構成する各装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記録媒体(記憶媒体)のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0153】
101 サーバ
104 保管棚ICカードリーダ
105 保管棚(収容棚)
106 表示装置
107 RFIDリーダ
109 文書
110 RFIDクリップ
112 スロット扉ロック機構
115 OCR装置
116 RFIDリーダ
117 RFIDライタ
121 出口ICカードリーダ
122 入口ICカードリーダ
119 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を管理する文書管理システムにおいて、
文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録する登録手段と、
文書から文字認識により文書名を読み取る文書名読み取り手段と、
前記文書に付着させたRFIDから識別番号を読み取る第1のRFID読み取り手段と、
前記文書名読み取り手段により読み取られる文書名と前記第1のRFID読み取り手段により読み取られる識別番号と前記登録手段の登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合する照合手段と、
前記照合手段により前記文書と該文書に付着させたRFIDとが一致しないと判定された場合、警告を行う警告手段と、
前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管する保管手段と、
前記保管手段に保管された文書に付着させた前記RFIDから識別番号を読みとる第2のRFID読み取り手段と、
入力される利用者情報と前記保管手段に保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき、前記保管手段の開錠を制御する制御手段と、
を有することを特徴とる文書管理システム。
【請求項2】
前記セキュリティレベルを変更するためのセキュリティ情報を記憶する他のRFIDを設けたことを特徴とする請求項1記載の文書管理システム。
【請求項3】
文書を廃棄状態とするための廃棄情報を記憶する他のRFIDを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記保管手段は、それぞれ1つの文書のみを保管する複数のスロットを有し、
前記施錠手段は、前記スロット毎に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記RFIDを文書に着脱可能に着脱する付着手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項6】
利用者情報を記憶するICカードと、
前記ICカードから利用者情報を読み取るICカードリーダとを備え、
前記制御手段は、ICカードリーダにより前記ICカードから読み取られた利用者情報と前記保管手段に保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき、前記保管手段の開錠を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の文書管理システム。
【請求項7】
所定の検索条件に基づいて前記登録手段に登録された文書を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された文書が保管されたスロットを特定する特定手段と、
を有することを特徴とする前期請求項4記載の文書管理システム
【請求項8】
文書を管理する文書管理システムの文書管理方法において、
文書に付着させたRFIDが有するユニークな識別番号と該文書の文書名とで該文書を登録する登録ステップと、
文書から文字認識により文書名を読み取られる文書名と前記文書に付着させたRFIDから読み取られる識別番号と前記登録結果とに基づいて前記文書と該文書に付着させた第1のRFIDとの一致性を照合する照合ステップと、
前記文書と該文書に付着させたRFIDとが一致しないと判定された場合、警告を行う警告ステップと、
前記RFIDを付着させた文書を施錠して保管する保管ステップと、
入力される利用者情報と前記保管手段に保管された文書に付着させた複数のRFIDに記録されたセキュリティ情報とに基づき、前記保管手段の開錠を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする文書管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載された文書管理方法をコンピュータが実行するためのプログラム。
【請求項10】
請求項8に記載された文書管理方法をコンピュータが実行するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能に記憶した記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−183412(P2006−183412A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380568(P2004−380568)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】