説明

新規化合物

本発明は呼吸器障害の処置に有用な医薬化合物としての式(I):
【化1】


の置換フェノキシ酢酸類、それを含有する医薬組成物、およびその製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は呼吸器障害の処置に有用な医薬化合物としての置換フェノキシ酢酸、それを含有する医薬組成物、およびその製造法に関する。
【0002】
欧州特許公開EPA1 170 594は、オーファン受容体CRTH2のリガンドであるプロスタグランジンD2が仲介する病的状態の処置に有用な化合物の同定法について記載している。英国特許GB1356834は、抗炎症、鎮痛および解熱活性を有するといわれる一連の化合物を開示している。ある種のフェノキシ酢酸類がCRTH2レセプターにて活性であることが判明し、結果として、喘息およびCOPDなどの種々の呼吸器疾患の処置に有用である可能性があると期待される。
【0003】
従って、第一の局面において、本発明は式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物を提供する:
【化1】

[式中、
XはC1−6アルキルまたはORまたはOR17である;
Yは、水素、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルから選択されるものであり、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、ORおよびNR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
【0004】
Zはアリールまたは環Aであり、Aは1個以上の窒素原子を含む6員ヘテロ環状芳香環であるか、または1個以上のO、N、S原子を含む6,6もしくは6,5−縮合二環式環でもよく、該アリールまたは環Aすべては、所望により水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、COR、CO、SO、OR、SR、SOR、SONR1011、CONR1011、NR1011、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、NRCONR、NRSONR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
【0005】
およびRは独立して水素原子、ハロゲン、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキル基を表し、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、NR、OR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
【0006】
およびRが一緒になって、所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望により1個以上のC−Cアルキルまたはハロゲンによって置換されている3〜8員環を形成し得る;
は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され得るC−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表す;
【0007】
およびRは独立して、水素、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
【0008】
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(ただし、n=0、1または2)、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望によりハロゲンまたはC1−3アルキルによって置換されている3〜8員の飽和へテロ環状環を形成し得る;
【0009】
およびRは独立して、水素原子またはC−Cアルキルを表わす;
は水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、CO−CアルキルまたはCONR−Cアルキルである;
【0010】
はアリール、ヘテロアリール、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表わし、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され得る;
【0011】
10およびR11は独立して、アリールもしくはヘテロアリール、水素、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表わし、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
【0012】
10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(ただし、n=0、1または2)、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望によりハロゲンまたはC−Cアルキルによって置換されている3〜8員の飽和へテロ環状環を形成し得る]。
17は1個以上のハロゲン原子によって置換されているC1−6アルキルである。
【0013】
アリールの例はフェニルおよびナフチルである。
ヘテロアリールは5〜7員の芳香環と定義されるか、または所望によりN、SまたはOから選択される1個以上のヘテロ原子を含む6,6−または6,5−縮合二環式環であり得る。二環式環は炭素もしくは窒素を介して連結可能であり、5員もしくは6員環を介して結合し得るものであり、また全飽和もしくは部分飽和であり得る。
【0014】
その例は、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イミダゾール、フラン、イソオキサゾール、ピロール、イソチアゾールとアズレン、ナフチル、インデン、キノリン、イソキノリン、インドール、インドリジン、ベンゾ[b]フラン、ベンゾ[b]チオフェン、1H−インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、4H−キノリジン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、キノロンおよび1,2−メチレンジオキシベンゼンを含む。
【0015】
アリールまたはヘテロアリール基は、所望により水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、CO、SO、OR、SR、SOR、SONR1011、CONR1011、NR1011、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換可能であり、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている。
【0016】
基Aは1個以上の窒素原子を含む6員のヘテロ環状環であるか、または1個以上のO、N、S原子を含む6,6−または6,5−縮合二環式環でもよい。適当な環の例は、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチオフェン、フタラジンおよびキナゾリンを含む。
【0017】
本明細書の文脈において、特に断りのない限り、アルキルもしくはアルケニル基または置換基中のアルキルもしくはアルケニル部分は直鎖状でも分枝状でもよい。
、RおよびR10、R11について定義したヘテロ環状環は、飽和のヘテロ環を意味し、例えば、モルホリン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンおよびピペラジンを包含する。置換基は当該環の炭素または適切な窒素原子上に存在し得る。
【0018】
好ましくは、XはC1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、より好ましくは、メチル、エチルまたはメトキシである。
好ましくは、Yは水素である。
好ましくは、Zは所望により上記定義のように置換されているフェニルである。1個以上の置換基が存在し得る。Z基すべてについて好適な置換基は、本明細書に例示した置換基を含み、とりわけ、C1−3アルキル、シアノおよびSOである。最も好ましいZはフェニルであるか、またはSOMe、SOEtもしくはCNから選択される単一の置換基によって1置換されているか、またはSOEtおよびメチルによってジ置換されているフェニルである。
好ましくは、RおよびRは独立して水素またはC1−3アルキルである。より好ましくは、RおよびRは共に水素であるか、または一方が水素で、他方がメチルである。
【0019】
本発明の好適な化合物は:
[(5−メチルビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸;
{[5−エチル−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[4'−(エチルスルホニル)−5−メトキシビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
[[4−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸;
[[4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸;
2−[[3'−シアノ−5−メチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸;
2−[[2'−フルオロ−5'−シアノ−5−メチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸;
およびその医薬的に許容し得る塩および溶媒和物を含む。
【0020】
本発明のある種の化合物は立体異性体の形態で存在し得る。本発明は式(I)で示される化合物のすべての幾何学的および光学的異性体、およびラセミ体をも含むその混合物を包含する。互変異性体およびその混合物も本発明の一局面を形成する。
【0021】
上記式(I)の化合物は医薬的に許容し得る塩またはその溶媒和物、好ましくは塩基性付加塩、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、エチルジアミン、メグルミン、トロメタミンまたはプロカインなどとの塩、または酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩などに変換し得る。
【0022】
本発明の製法において、原料試薬または中間体化合物におけるある種の官能基は、保護基により保護する必要があり得ることを当業者なら認識するであろう。従って、式(I)で示される化合物の製造では、適切な段階で、1つ以上の保護基の除去を伴い得る。官能基の保護および脱保護については、「有機化学における保護基」(‘Protective Groups in Organic Chemistry', edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973))および「有機合成における保護基」(‘Protective Groups in Organic Synthesis', 3rd edition, T.W. Greene & P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999))にすべて記載されている。
【0023】
式(I)で示される化合物は、式(II):
【化2】

(式中、X、YおよびZは式(I)での定義の通りであるか、またはその保護誘導体である)
で示される化合物と、式(III):
【化3】

(式中、RおよびRは式(I)での定義のとおりであるか、またはその保護誘導体である;R12はHまたはC−C10アルキル基である;また、Lは脱離基である)
で示される化合物とを反応させ、次いで、以下の反応をいずれかの順序で所望により実施することにより製造し得る:
・保護基の除去
・エステル基R12を対応する酸に加水分解
・スルフィドのスルホキシドまたはスルホンへの酸化
・医薬的に許容し得る塩または溶媒和物の形成。
【0024】
反応はDMFなどの適当な溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基を用い実施し得る。適当な基R12はメチル、エチルまたはtert−ブチルなどのC1−6アルキル基である。適当なLはハロなどの脱離基、とりわけ、塩素または臭素である。Lはまた、例えば、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルを用いる、化合物(II)との光延反応を実施し得るようなヒドロキシでもよい。
【0025】
エステル基R12の加水分解は常套の手法により、例えば、メチルおよびエチルエステルを水性水酸化ナトリウムで処理すること、およびtert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸などの酸で処理することなどにより実施し得る。
【0026】
式(II)で示される化合物は、式(IV)で示される化合物と式(V)で示される化合物とを鈴木カップリング反応を介して反応させ、次いで、R13がHではない場合に、R13の脱保護に付すことにより製造し得る:
【化4】

(式中、X、YおよびZは式(I)での定義のとおりであるか、またはその保護誘導体である;R13はHまたは適当な保護基、例えば、ベンジルである;Lはヨウ化物、臭化物、塩化物またはトリフラートである;また、R14およびR15はHまたはC−Cアルキル基であるか、またはR14およびR15が一緒になって、所望により1個以上のC−Cアルキルによって置換されている5員または6員環を形成し得る)。
【0027】
反応はジオキサンなどの適当な溶媒中、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムなどのパラジウム触媒およびフッ化セシウムなどの塩基を用い、好ましくは高温で実施し得る。
【0028】
式(IV)で示される化合物は、式(VI)で示される化合物から、スキームIに示すように、有機金属化合物(VII)の形成、引き続いてホウ酸エステルとの反応により製造し得る。
【化5】

(式中、X、Yは式(I)での定義のとおりであるか、またはその保護誘導体である;R13は式(IV)に定義のとおりである;Eは水素またはハロゲンである;また、MはNaまたはLiなどの金属である)
例えば、R13がベンジルであり、Eが臭素である場合、ブチルリチウムを用いて中間体(VII)(式中、M=Li)を形成し得る。反応はジエチルエーテル中、−78℃で実施し、ホウ酸トリメチルなどのホウ酸エステルで反応停止させる。
【0029】
式(IV)で示される化合物はまた、式(VIII)で示される化合物と適当なホウ素エステル、例えば、(IX)または(X)とのパラジウム触媒カップリングによっても製造し得る。
【化6】

(式中、X、YおよびR13は上記定義のとおりであり、Gはハロゲンまたはトリフラートである)
【0030】
式(II)で示される化合物はまた、鈴木カップリング法を用いる式(XI)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との反応によっても製造し得る。
【化7】

(式中、X、Y、Z、R13、L、R14およびR15は上記定義のとおりである)
式(XI)および(XII)の化合物は上記と同じ方法により造り得る。
【0031】
式(II)においてZ=ヘテロアリールである化合物は、環合成により製造し得る;例えば、式(XIII)の化合物は式(XIV)の化合物と式(XV)の化合物との反応により形成し得る。
【0032】
X、YおよびR13は上記定義のとおりであり、R16は式(I)での定義のとおりZ上の置換基であるか、またはその保護誘導体である。反応はエタノールなどの溶媒中、還流下に実施し得る;また、式(XV)の化合物が塩である場合、ナトリウムエトキシドなどの塩基を使用し得る。
【化8】

【0033】
16がS−アルキル基である場合、これをさらにDCM中、RT(室温)で、mcpba などの酸化剤により、スルホキシドまたはスルホンに酸化することにより調製することができる。次いでこのものは、式1のZについて定義した適切な求核体と置き換えることができる。
【化9】

【0034】
上記工程の順序は変更可能であり、例えば、式(XVI)で示される化合物はまた、鈴木カップリングを用いる式(XVII)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との反応によっても製造し得る。
【化10】

【0035】
式(I)で示される化合物は、上記の鈴木カップリング法を用い、式(XVIII)で示される化合物(式中、X、Y、R、R、R12、R14およびR15は上記定義のとおりである)と式(V)で示される化合物とを反応させることによっても製造し得る。
【0036】
式(XVIII)で示される化合物は方法AまたはBにより製造し得る。
方法A
【化11】

【0037】
先ず、該酸を、例えば、DCM中、RTで塩化オキサリルを用いて酸塩化物に変換し、次いで、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、3−メチル−3−オキセタンメタノールと反応させてエステルとした。このオキセタンエステルをDCM中、−78℃ないしRTで三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体を用いてOBOエステルに転位する。低温でのsec−ブチルリチウムなどの塩基による脱プロトン化と、引き続くホウ酸トリメチルによる反応停止により、保護二酸を得て、次いでこれをHClと、次に水酸化ナトリウムを用いて脱保護した。
【0038】
方法B
【化12】

【0039】
式(IV)で示される化合物(式中、R13=Bn;R14およびR15=H)およびピナコールはジエチルエーテルなどの適当な溶媒中、RTで攪拌し、ホウ酸エステルを得ることができる。ベンジル基は触媒としてパラジウム−炭素を用い、RTで水素化することにより除去し、次いで、塩基または光延条件を用い、式(III)の化合物でアルキル化することができる。次いで、HClまたはトリフルオロ酢酸などの酸と処理して、保護基を除く。
【0040】
さらなる局面において、本発明は式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、医薬的に許容し得る塩または溶媒和物の、治療で使用するための用途を提供する。
式(I)で示される化合物は医薬としての活性、とりわけ、CRTh2受容体活性のモジュレーターとしての活性を有し、PGDおよびその代謝産物の過剰もしくは非制御生産により悪化するか、または引き起こされるヒトおよび非ヒト動物における症状・疾患の処置(治療または予防)に有用であり得る。かかる症状・疾患の例は以下のとおりである:
【0041】
(1)(呼吸管)閉塞性気道疾患は以下のとおり:喘息(例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息および塵埃喘息、とりわけ慢性または難治性喘息(例えば、遅発型喘息または気道過敏症));慢性閉塞性肺疾患(COPD)(不可逆性COPD);気管支炎(好酸球気管支炎など);急性、アレルギー性、萎縮性鼻炎または慢性鼻炎(例えば、乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎)、薬物性鼻炎、膜性鼻炎(例えば、クループ鼻炎、線維素性鼻炎および偽膜性鼻炎)、腺病性鼻炎、非季節性アレルギー性鼻炎、季節性鼻炎(例えば、神経性鼻炎(枯草熱)および血管運動神経性鼻炎);鼻ポリープ症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;類肺線維症(fibroid lung);特発性間質性肺炎;嚢胞性線維症;鎮該活性;炎症と関連するか、または医原性に誘発される慢性咳の処置;
【0042】
(2)(骨および関節)リウマチ様、感染性、自己免疫性、血清反応陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎およびライター病など)、ベーチェット病、シェーグレン症候群および全身性硬化症を含む関節炎症;
【0043】
(3)(皮膚および眼)乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、他の湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、慢性皮膚潰瘍、ブドウ膜炎、円形脱毛症、角膜潰瘍および春季結膜炎;
【0044】
(4)(胃腸管)セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸疾患;腸管外で影響を示す食物関連アレルギー(例えば、偏頭痛、鼻炎および湿疹);
【0045】
(5)(中枢および末梢神経系)神経変性疾患および痴呆症(アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症とその他の運動神経疾患、クロイツフェルト−ヤコブ病とその他のプリオン疾患、HIV脳障害(AIDS痴呆合併症)、ハンチントン病、前頭側頭骨性痴呆、レーヴィー小体痴呆および脈管性痴呆など)、多発性神経障害(ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄多発神経根障害、多病巣性運動神経障害)、神経叢障害、CNS脱髄(多発性硬化症、急性播種性/出血性脳脊髄炎、および亜急性硬化性全脳炎など)、神経筋障害(重症筋無力症およびランバート−イートン症候群)、脊髄障害(熱帯性痙攣性不全対麻痺、スティッフマン症候群など)、腫瘍随伴症候群(小脳性変性および脳脊髄炎など)、CNS外傷、偏頭痛および発作;
【0046】
(6)(他の組織および全身性疾患)アテローム性動脈硬化症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡;橋本甲状腺炎、I型糖尿病、ネフローゼ症候群、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、らい腫性らい、特発性血小板減少性紫斑病、術後癒着、敗血症および心臓、脳、末梢四肢における虚血性/再灌流性傷害、肝炎(アルコール性、脂肪性肝炎および慢性ウイルス性)、糸球体腎炎、腎臓障害、慢性腎不全およびその他の臓器;
【0047】
(7)(同種移植片拒絶反応)例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜移植後の急性および慢性拒絶反応;および慢性移植片対宿主病;
(8)PGDまたはその代謝産物の上昇したレベルと関連する疾患;
【0048】
(1)(呼吸管)閉塞性気道疾患は以下のとおり:喘息、例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発喘息、薬物誘発喘息(アスピリンおよびNSAID−誘発性)および塵埃喘息(間欠性および持続性のもの、およびすべての重度のもの、その他、気道過敏性を原因とするものを包含する);慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎、例えば、感染性および好酸球気管支炎など;気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏症性肺炎;肺線維症、例えば、特発性線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物療法および慢性感染症、例えば結核とアスペルギルス症およびその他の真菌感染を合併する線維症;肺移植合併症;肺血管系の脈管炎と血栓性障害、および肺高血圧症;気道の炎症性および分泌性症状と関連する慢性咳、および医原性咳の処置を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎および血管運動神経性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む非季節性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻ポリープ症;一般的な風邪を含む急性ウイルス感染症、および呼吸器合胞性ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症;
【0049】
(2)(骨および関節)一次的および二次的な、例えば先天性股関節異形成に二次的な、変形性関節症/骨関節症と関連するかまたはそれを含む関節炎;頚部および腰部椎骨炎、および腰痛と頚部痛;リウマチ様関節炎およびスティル病;血清反応陰性脊椎性関節症、例えば、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎および未分化型脊椎性関節症;敗血症性関節炎および、ポッツ病とポンセット症候群を含む結核などのその他の感染関連関節症および骨障害;急性および慢性結晶誘発性滑膜炎、例えば、尿酸性痛風、ピロリン酸カルシウム析出病、およびカルシウムアパタイト関連腱、嚢および滑膜炎症;ベーチェット病;一次および二次シェーグレン症候群;全身性硬化症および限定性強皮症;全身性紅斑性狼瘡、混合結合組織疾患、および未分化型結合組織疾患;炎症性筋障害、例えば、皮膚筋炎および多発性筋炎;リウマチ性多発性筋痛;若年性関節炎、例えば、いずれの関節にも分布する特発性炎症性関節症と関連症候群、およびリウマチ熱およびその全身性合併症;脈管炎、例えば、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、チャーグ−ストラウス症候群、結節性多発性動脈炎、微視的多発性動脈炎、およびウイルス感染、過敏反応、クリオグロブリン、およびパラプロテインと関連する脈管炎;腰痛;家族性地中海熱、マックル−ウエルズ症候群、および家族性アイルランド熱、菊池病;薬物誘発性関節痛、腱炎、および筋障害;
【0050】
(3)(皮膚)乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、遅延型過敏反応;植物接触性および光線皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円形紅斑性狼瘡、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管性浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スイート症候群、ウエバー−クリスチャン症候群、多形成紅斑;感染性および非感染性蜂巣炎;皮下脂肪組織炎;皮下リンパ腫、非メラノーマ皮膚癌およびその他の形成異常病巣;固定薬疹などの薬物誘発障害;
【0051】
(4)(眼)眼瞼炎; 結膜炎、例えば、非季節性および春季アレルギー性結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響する、自己免疫性、変性または炎症性障害;眼炎、例えば、交感神経性眼炎;サルコイドーシス;ウイルス、真菌、およびバクテリアなどの感染症;
【0052】
(5)(胃腸管)舌炎、歯肉炎、歯周炎;逆流性などの食道炎;好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病、大腸炎、例えば、潰瘍性大腸炎、直腸炎、肛門掻痒症;セリアック病、過敏性腸管症候群、および腸管外で影響し得る食物関連アレルギー(例えば、偏頭痛、鼻炎または湿疹);
【0053】
(6)(腹部)自己免疫性、アルコール性およびウイルス性などの肝炎;肝臓線維症および肝硬変;胆嚢炎;急性および慢性の膵炎;
【0054】
(7)(尿生殖器)間質性および糸球体腎炎などの腎炎;急性および慢性(間質性)膀胱炎などの膀胱炎およびハンナー潰瘍;急性および慢性の尿道炎、前立腺炎、副睾丸炎、卵巣炎および卵管炎;外陰膣炎;ペイロニー病;勃起不全(男性、女性とも);
【0055】
(8)(同種移植片拒絶反応)腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜移植後の、または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0056】
(9)(CNS)アルツハイマー病、およびCJDおよびnvCJDなどのその他の痴呆障害;アミロイドーシス;多発性硬化症およびその他の脱髄性症候群;脳のアテローム性動脈硬化症および脈管炎;側頭動脈炎;重症筋無力症;急性および慢性疼痛(急性、間欠性または持続性、中枢性または末梢性の起源を問わず)、例えば、内臓疼痛、頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、非定型顔面痛、関節痛および骨痛、癌および腫瘍浸潤による疼痛、神経因性疼痛症候群、例えば、糖尿病性、ヘルペス後、およびHIV関連神経障害;神経サルコイドーシス;悪性、感染性または自己免疫性プロセスの中枢および末梢神経系合併症;
【0057】
(10)その他の自己免疫およびアレルギー性障害、例えば、橋本甲状腺炎、グレーヴス病、アジソン病、糖尿病、特発性血小板減少性紫斑、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質症候群;
【0058】
(11)炎症性または免疫性成分によるその他の障害;例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)、らい病、セザリー症候群、および腫瘍随伴症候群;
【0059】
(12)(心臓血管系)冠状および末梢循環に影響するアテローム性動脈硬化;心外膜炎;心筋炎、炎症性および自己免疫性心筋症、例えば、心筋類肉腫;虚血性再灌流傷害;心内膜炎、心弁膜炎、および感染性などの大動脈炎(例:梅毒性);脈管炎;近傍および末梢血管の障害、例えば、静脈炎および血栓症、例えば、深部血管血栓症および静脈瘤血管の合併症;
【0060】
(13)(腫瘍学)一般的な癌、例えば、前立腺、乳房、肺、卵巣、すい臓、腸と回腸、胃、皮膚および脳腫瘍、および骨髄(白血病など)とリンパ球増殖系に影響する悪性疾患、例えば、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫など;転移性疾患および腫瘍再発、および腫瘍随伴症候群の予防と処置;
(14)PGDまたはその代謝産物の上昇レベルと関連する疾患。
【0061】
従って、本発明は治療用として本明細書に定義した式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物を提供する。
好ましくは、本発明の化合物は、ケモカイン受容体がCRTh2受容体サブファミリーに属する疾患の処置に使用する。
【0062】
本発明化合物により処置し得る特定の症状は、喘息、鼻炎およびPGDまたはその代謝産物のレベルが上昇しているその他の疾患である。本発明化合物は喘息の処置に使用することが好適である。
【0063】
さらなる局面において、本発明は本明細書に定義するように、治療用医薬、とりわけ介在する疾患用の医薬の製造における式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の用途を提供する。
【0064】
さらなる局面において、本発明は本明細書に定義するように、喘息および鼻炎の処置に使用する薬物(吸入および経口ステロイド剤、吸入β2−受容体アゴニストおよび経口ロイコトリエン受容体アンタゴニスト)と組合せて治療に使用するための医薬の製造における式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の用途を提供する。
【0065】
本発明はさらに組合せ療法に関し、当該療法では、式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物もしくはインビボで加水分解可能なエステル、または式(I)で示される化合物を含有してなる医薬組成物または製剤を、リストアップした1種以上の症状の処置のための他の治療薬または治療薬類と同時にまたは連続的に投与するか、または組合せ製剤として投与する。
【0066】
とりわけ、炎症性疾患、リウマチ様関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、COPD、喘息およびアレルギー性鼻炎の場合、本発明化合物は、例えば、腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤、例えば、抗−TNFモノクローナル抗体(例えば、レミケード(Remicade)、CDP−870およびアダリムマブ(adalimumab))およびTNF受容体免疫グロブリン分子(エンブレル(Enbrel)など);非選択的シクロオキシゲナーゼ(COX)−1/COX−2阻害剤(局所または全身投与)(例えば、ピロキシカム、ジクロフェナク;プロピオン酸類、例えば、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェンなど;メフェナム酸などのフェナム酸類;インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン;フェニルブタゾンなどのピラゾロン類;アスピリンなどのサリチル酸類)、COX−2阻害剤(例えば、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ、パレコキシブ、およびエトリコキシブ);グルココルチコステロイド(局所、経口、筋肉内、静脈内、または関節内ルートのいずれかで投与);メトトレキセート、レフノミド(lefunomide);ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィン、またはその他の非経口もしくは経口金製剤などの薬剤と組合わせることができる。
【0067】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ロイコトリエン生合成阻害剤、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害剤または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、例えば、ジロートン(zileuton);ABT−761;フェンレウトン(fenleuton);テポキサリン(tepoxalin);アボット−79175;アボット−85761;N−(5−置換)−チオフェン−2−アルキルスルホンアミド;2,6−ジ−tert−ブチルフェノールヒドラゾン;メトキシテトラヒドロピラン、例えば、ゼネカZD−2138;化合物SB−210661;ピリジニル−置換2−シアノナフタレン化合物、例えば、L−739,010;2−シアノキノリン化合物、例えば、L−746,530;インドールおよびキノリン化合物、例えば、MK−591、MK−886、およびBAYx1005などとの組合わせに関する。
【0068】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ロイコトリエン(LT)B4、LTC4、LTD4およびLTE4に対する受容体アンタゴニストとの組合わせに関し、該アンタゴニストは、フェノチアジン−3−1s、例えば、L−651,392;アミジノ化合物、例えば、CGS−25019c;ベンゾキサルアミン、例えば、オンタゾラスト(ontazolast);ベンゼンカルボキシイミダミド、例えば、BIIL284/260;およびザフィルルカスト(zafirlukast)、アブルカスト(ablukast)、モンテルカスト(montelukast)、プランルカスト(pranlukast)、ベルルカスト(verlukast)(MK−679)、RG−12525、Ro−245913、イラルカスト(iralukast)(CGP45715A)、およびBAYx7195からなる群より選択される。
【0069】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、例えば、テオフィリンおよびアミノフィリンなどのメチルキサンタニン;および選択的PDEイソエンザイム阻害剤、例えば、PDE4阻害剤およびイソ型PDE4Dの阻害剤、およびPDE5の阻害剤との組合わせに関する。
【0070】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ヒスタミン1型受容体アンタゴニストとの組合わせに関し、当該アンタゴニストは、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン(desloratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、アクリバスチン(acrivastine)、テルフェナジン、アステミゾール(astemizole)、アゼラスチン、レボカバスチン、クロルフェニラミン、プロメタジン、サイクリジン、およびミゾラスチンであり、経口、局所または非経口的に投与するものである。
【0071】
本発明はなおさらに本発明化合物と、胃保護ヒスタミン2型受容体アンタゴニストとの組合わせに関する。
本発明はなおさらに本発明化合物と、ヒスタミン4型受容体アンタゴニストとの組合わせに関する。
【0072】
本発明はなおさらに本発明化合物と、α−1/α−2アドレナリンレセプター・アゴニスト血管収縮薬交感神経様作用剤との組合わせに関し、該作用剤は、プロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、シュードエフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸キシロメタゾリン、塩酸トラマゾリン、および塩酸エチルノルエピネフリンなどである。
【0073】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ムスカリン受容体(M1、M2、およびM3)アンタゴニストなどの抗コリン作動性剤、例えば、アトロピン、ヒヨスチン、グリクピロレート、臭化イプラトロピウム;臭化チオトロピウム;臭化オキシトロピウム;ピレンゼピン;およびテレゼピンなどとの組合わせに関する。
【0074】
本発明はなおさらに本発明化合物と、β−アドレナリン受容体アゴニスト(β受容体サブタイプ1〜4を含む)、例えば、イソプレナリン、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトルテロール、およびピロブテロールなどとの組合わせに関する。
【0075】
本発明はなおさらに本発明化合物と、クロモグリク酸ナトリウムおよびネドクロミルナトリウムなどのクロモンとの組合せに関する。
本発明はなおさらに本発明化合物と、インスリン様成長因子I型(IGF−1)模倣品との組合わせに関する。
【0076】
本発明はなおさらに本発明化合物と、吸入グルココルチコイド、例えば、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニド、およびフランカルボン酸モメタゾンなどとの組合せに関する。
【0077】
本発明はなおさらに本発明化合物と、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害剤、すなわち、ストロメリシン、コラゲナーゼ、およびゲラチナーゼ、ならびにアグリカナーゼ;とりわけ、コラゲナーゼ−1(MMP−1)、コラゲナーゼ−2(MMP−8)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)、ストロメリシン−1(MMP−3)、ストロメリシン−2(MMP−10)、およびストロメリシン−3(MMP−11)およびMMP−9とMMP−12などとの組合せに関する。
【0078】
本発明はなおさらに本発明化合物と、ケモカインレセプター機能のモジュレーター、例えば、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11(C−Cファミリーについて);CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4およびCXCR5(C−X−Cファミリーについて)およびC−X−CファミリーについてのCXCR1のアンタゴニストなどとの組合せに関する。
【0079】
本発明はなおさらに本発明化合物と、サイトカインまたはサイトカイン機能のモジュレーター、例えば、α−、β−、およびγ−インターフェロン;IL1〜15を含むインターロイキン(IL);およびサイトカインシグナル伝達経路に作用する作因を含むインターロイキンアンタゴニストまたは阻害剤などとの組合せに関する。
【0080】
本発明はなおさらに本発明化合物と、免疫グロブリン(Ig)もしくはIg製剤またはIg機能を調節するアンタゴニストもしくは抗体、例えば、抗IgE(例、オマリズマブ(omalizumab))などとの組合せに関する。
【0081】
本発明はなおさらに本発明化合物と、他の全身的または局所的に適用する抗炎症剤、例えば、サリドマイドと誘導体、レチノイド、ジトラノール、およびカルシポトリオールなどとの組合せに関する。
【0082】
本発明はなおさらに本発明化合物と、抗細菌剤、例えば、ペニシリン誘導体、テトラサイクリン、マクロライド、β−ラクタム、フルオロキノロン、および吸入性アミノグリコシド;および抗ウイルス剤、例えば、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル;アマンタジン、リマンタジン;リバビリン;ザナマビル(zanamavir)およびオセルタマビル;プロテアーゼ阻害剤、例えば、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびサキナビル;ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、ジダノシン、ラミブジン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、ネビラピン、エファビレンツなどとの組合せに関する。
【0083】
本発明はなおさらに本発明化合物と、心血管系用剤、例えば、カルシウムチャンネル遮断剤、β−アドレナリン受容体遮断剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−2受容体アンタゴニスト;脂質低下剤、例えば、スタチン類およびフィブレート類;ペントキシフィリンなどの血液細胞形態のモジュレーター;血栓崩壊剤、および血小板凝集阻害剤を含む抗凝集剤などとの組合せに関する。
【0084】
本発明はなおさらに本発明化合物と、CNS剤、例えば、抗うつ剤(セルトラリン(sertraline))、抗パーキンソン病剤(デプレニル、L−ドーパ、レキップ(Requip)、ミラペックス(Mirapex)、MAOB阻害剤、例えば、セレギン(selegine)およびラサギリン(rasagiline)、comPインヒビター、例えば、タスマー(Tasmar)、A−2インヒビター、ドーパミン再吸収阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニスト、、およびニューロン酸化窒素シンターゼの阻害剤)、およびドネペジル(donepezil)、タクリン、COX−2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリフォナートなどの抗アルツハイマー剤などとの組合せに関する。
【0085】
本発明はなおさらに本発明化合物と、急性および慢性疼痛処置用剤、例えば、中枢および抹消作用性鎮痛剤、例えば、アヘン類似体および誘導体、カルバマゼピン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、アミトリプチリンおよびその他の抗うつ剤、および非ステロイド系抗炎症剤などとの組合せに関する。
本発明はなおさらに本発明化合物と、非経口または局所的に適用する局所麻酔剤、例えば、リグノカインなどとの組合せに関する。
【0086】
本発明はなおさらに本発明化合物と、(i)トリプターゼ阻害剤;(ii)血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト;(iii)インターロイキン変換酵素(ICE)阻害剤;(iv)IMPDH阻害剤;(v)VLA−4アンタゴニストを含む接着分子阻害剤;(vi)カテプシン;(vii)MAPキナーゼ阻害剤;(viii)グルコース−6燐酸脱水素酵素阻害剤;(ix)キニン−Bサブ1−およびBサブ2−受容体アンタゴニスト;(x)抗痛風剤、例、コルヒチン;(xi)キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例、アロプリノール;(xii)尿酸排泄剤、例、プロベネシド、スルフィンピラゾン、およびベンズブロマロン;(xiii)成長ホルモン分泌促進剤;(xiv)トランスフォーミング増殖因子(TGFβ);(xv)血小板由来増殖因子(PDGF);(xvi)線維芽細胞増殖因子、例、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF);(xvii)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF);(xviii)カプサイシンクリーム;(xix)NKP−608Cからなる群から選択されるタキキニンNKサブ1およびNKサブ3受容体アンタゴニスト;SB−233412(タルネタント(talnetant));およびD−4418;(xx)UT−77およびZD−0892からなる群から選択されるエラスターゼ阻害剤;(xxi)TNF□変換酵素阻害剤(TACE);(xxii)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤または(xxiii)TH2細胞に発現される誘引物質受容体相同分子(CRTH2アンタゴニストなど);(xxiv)P38の阻害剤;などとの組合せに関する。
【0087】
また、本発明化合物は抗骨粗しょう症剤、例えば、ラロキシフェンなどのホルモン剤、およびアレンドロネートなどのビホスホネート製剤と組合わせて使用し得る。
また、本発明化合物は骨関節症処置用の既存の治療剤と組合わせて使用し得る。組合わせに使用すべき適当な薬剤は、標準的な非ステロイド抗炎症剤(以下、NSAID)、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類(ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン)、メフェナム酸などのフェナメート類、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、フェニルブタゾンなどのピラゾロン類、アスピリンなどのサリチル酸類など、COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、バルデコキシブ、ロフェコキシブおよびエトリコキシブなど、およびコルチコステロイドおよびヒアルロン酸誘導体などの関節内療法剤、およびグルコサミンなどの栄養補助剤などである。
【0088】
また、本発明化合物は癌処置用の既存の治療剤と組合わせて使用し得る。組合わせに使用すべき適当な薬剤は、以下のとおりである:
(i)医学腫瘍学に使用される抗増殖/抗悪性腫瘍剤およびその組み合わせ、例えば、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロルアンブシル、ブスルファンおよびニトロソウレア);代謝拮抗剤(例えば、フルオロピリミジンなどの抗葉酸剤、例えば、5−フルオロウラシルとテガフール、ラルチトレキセド(raltitrexed)、メトトレキセート、シトシンアラビノシド、ヒドロキシウレア、ゲムシタビンおよびパクリタキセル;抗腫瘍性抗生物質(例えば、アントラサイクリン類、例えば、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシンおよびミトラマイシン);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンカアルカロイド類、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン、およびタキソイド類、例えば、タキソールおよびタキソテール);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エピポドフィロトキシン類、例えば、エトポシドおよびテニポシド、アムサクリン(amsacrine)、トポテカンおよびカンプトテシン);
【0089】
(ii)細胞分裂停止剤、例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)およびヨードキシフェン(iodoxyfene))、エストロゲン受容体ダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント(fulvestrant))、抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン剤(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾールおよびエクゼメスタン)およびフィナステリド(finasteride)などの5α−リダクターゼ阻害剤。
(iii) 癌細胞侵襲を阻害する薬剤(例えば、マリマシュタット(marimastat)などのメタロプロテイナーゼ阻害剤およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
【0090】
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えば、かかる阻害剤は増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば、抗−erbb2抗体トラスツズマブおよび抗−erbb1抗体セツキシマブ(cetuximab)[C225]、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤、例えば、表皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えば、EGFRファミリーチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ(gefitinib)、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ(erlotinib)、OSI−774)および6−アクリルアミド−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033)、例えば、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤および、例えば、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤;
【0091】
(v)抗血管形成誘導因子であって、血管内皮増殖因子の作用を阻害するもの(例えば、抗−血管内皮細胞増殖因子抗体、ベバシズマブ(bevacizumab)、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856およびWO98/13354に開示された化合物)および他のメカニズムで作用する化合物(例えば、リノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンギオスタチンの阻害剤);
【0092】
(vi)脈管傷害剤、例えば、コンブレタスタチンA4および国際特許出願WO99/02166、WO00/40529、WO00/41669、WO01/92224、WO02/04434およびWO02/08213に開示された化合物;
(vii)アンチセンス療法、例えば、上にリストアップした標的を目標とするもので、ISIS2503、抗−rasアンチセンス;
【0093】
(viii)遺伝子療法、例えば、異常p53または異常BRCA1もしくはBRCA2など;GDEPT(遺伝子指向酵素プロドラッグ療法)法、例えば、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたはバクテリアニトロレダクターゼ酵素を用いる方法、および多剤耐性遺伝子療法などの化学療法または放射線療法に対し、患者に耐性を増大させる方法;および
【0094】
(ix)免疫療法、例えば、インターロイキン2、インターロイキン4もしくは顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子などのサイトカインによる形質導入などの患者腫瘍細胞の免疫原性を増大させるエキソビボまたはインビボ方法、T細胞アネルギーを低下させる方法、サイトカイン形質導入樹状細胞などの形質導入免疫細胞を用いる方法、サイトカイン形質導入腫瘍細胞株を用いる方法、および抗イディオタイプ抗体を用いる方法。
【0095】
なおさらなる局面において、本発明は式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の用途であって、本明細書にて定義したように、CRTh2受容体活性を調節することが有益であるヒトの疾患または症状を処置するための医薬の製造における用途を提供する。
本明細書の文脈において、“治療”という用語は、特に異なる意味を示さない限り、“予防”をも包含する。従って、“治療的”および“治療的に”という用語も同様に解釈するものとする。
【0096】
本発明はなおさらに、プロスタノイドがその受容体(とりわけCRTh2)受容体に結合する、PGD2またはその代謝産物が仲介する疾患の処置方法であって、本明細書にて定義した式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量を患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0097】
本発明はまた、炎症性疾患、とりわけ乾癬の処置方法であって、当該疾患に罹患している患者またはその危険性のある患者において、本明細書にて定義した式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の治療有効量を患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0098】
上記の治療用途において、投与すべき用量は、当然ながら、採用される化合物、投与様式、所望の処置および適応となる障害によって変化する。
上記の治療用途において、投与すべき用量は、当然ながら、採用される化合物、投与様式、所望の処置および適応となる障害によって変化する。
【0099】
式(I)で示される化合物、プロドラッグおよびその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物は、それ自体で使用し得るが、一般には、式(I)の化合物/塩/溶媒和物(活性成分)が医薬的に許容し得るアジュバント、希釈剤または担体と組み合わされた医薬組成物の形態で投与する。その投与様式により、該医薬組成物は、好ましくは、有効成分を0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、さらにより好ましくは0.10〜70%w、なおさらに好ましくは0.10〜50%wを含有してなる(重量パーセントはすべて総組成物に基づく)。
【0100】
本発明はまた、医薬的に許容し得るアジュバント、希釈剤または担体とを組み合わせた、本明細書にすでに定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物を含有してなる医薬組成物を提供する。
【0101】
該医薬組成物は、溶液、懸濁液、ヘプタフルオロアルカンエーロゾルおよび乾燥粉末製剤の形態で局所的(例えば、肺および/または気道または皮膚)に;または全身的に、例えば、錠剤、カプセル、シロップ、粉末または顆粒の形態で経口投与により、または溶液または懸濁液の形態で非経口投与により、または皮下投与により、または坐剤の形態で直腸投与により、または経皮的に投与し得る。好ましくは、本発明化合物は経口投与する。
【0102】
本発明につき以下の実施例により説明するが、特に断りのない限り、以下のように記載する:
(i)H−NMRデータを示す場合は、これを主たる特徴的プロトンについてデルタ値の形で引用し、テトラメチルシラン(TMS)を内部基準として100万分の1(ppm)で示す;
(ii)質量スペクトル(MS):一般には親質量を示すイオンのみが報告され、特に断りのない限り、引用した質量イオンはプラスの質量イオン−(M+H)である;
【0103】
(iii)実施例および方法の標題化合物は、ACD/name and ACD/name batch (version 6.0)(Advanced Chemical Development Inc, Canada)を用いて命名した;
(iv)特に断りのない限り、逆相HPLCは、シンメトリー(Symmetry)、ノバパック(NovaPak)またはエクス−テラ(Ex-Terra)逆相シリカカラムを用いて実施した;
(v)溶媒はMgSOまたはNaSOにより乾燥した。
【0104】
(vi)以下の略号を使用する:
【表1】

【実施例1】
【0105】
[(5−メチルビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸
【化13】

【0106】
(i)(2−ブロモ−4−ニトロフェノキシ)酢酸tert−ブチル
DMF(40ml)中、2−ブロモ−4−ニトロフェノール(4g)と炭酸カリウム(2.62g)との攪拌混合物に、RTで、ブロモ酢酸tert−ブチル(3.06ml)を加えた。18時間後、反応物をジエチルエーテルと水に分配し、有機部分を分離し、乾燥して減圧下に蒸発させた。残渣をイソへキサンでトリチュレートし、濾過した。収量5.6g。
1H NMR CDCl3:δ 8.49 (1H, d) ; 8.21-8.16 (1H, m) ; 6.82 (1H, d) ; 4.71 (2H, s) ; 1.49 (9H, s)
【0107】
(ii)[(5−ニトロビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸tert−ブチル
工程(i)の生成物(5.6g)、ベンゼンボロン酸(2.04g)、フッ化セシウム(5.1g)、Pd(dppf)Cl(0.6g)およびジオキサン(60ml)からなる混合物を4時間加熱還流した。冷却後、混合物をジエチルエーテルと水に分配した。有機部分を分離し、乾燥して減圧下に蒸発させた。
MS: APCI (+ve): 272 (M+1 - tBu)
【0108】
(iii)[(5−アミノビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸tert−ブチル
工程(ii)の生成物と酢酸(100ml)との溶液に鉄粉(5g)を加え、RTで16時間攪拌した。この混合物をセライトで濾過し、減圧下に蒸発させた。得られる油状物を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性とし、EtOAcで抽出した。有機部分を乾燥して減圧下に蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、DCM/EtOAc(8:1)で溶出精製した。収量3.74g。
MS: APCI (-ve): 272 (M-1-tBu)
【0109】
(iv)[(5−ブロモビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸tert−ブチル
工程(iii)の生成物(3g)、亜硝酸イソアミル(2ml)およびアセトニトリル(40ml)からなる混合物に、臭化銅(II)(2.67g)を加え、65℃に2時間加熱した。溶媒を減圧下に蒸発させ、残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、5:1イソヘキサン/ジエチルエーテルで溶出精製した。収量2.33g。
MS: APCI (-ve): 306/7 (M-1-tBu)
【0110】
(v)[(5−メチルビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸tert−ブチル
工程(iv)の生成物(0.5g)、塩化メチル亜鉛(3.44ml、2M/THF)、Pd(dppf)Cl(0.1g)およびTHF(10ml)からなる混合物を4時間90℃で加熱した。冷却後、混合物をジエチルエーテルと水に分配し、有機部分を分離し、乾燥して減圧下に蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、4:1イソヘキサン/ジエチルエーテルで溶出精製した。収量0.43g。
MS: APCI (-ve): 241 (M-1-tBu)
【0111】
(vi)[(5−メチルビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸
工程(v)の生成物(0.43g)、トリフルオロ酢酸(10ml)およびDCM(10ml)からなる溶液をRTで1時間攪拌し、次いで、減圧下に蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、1:1DCM/EtOAc+1%AcOHで溶出し、次いでRPHPLCにより精製した。収量0.03g。
1H NMR DMSO-d6:δ7.56-6.85 (8H, m) ; 4.64 (2H, s) ; 2.27 (3H, s)
MS: APCI (-ve): 241 (M-1)
【実施例2】
【0112】
{[5−エチル−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化14】

【0113】
(i)(4−エチル−2−ヨードフェノキシ)酢酸tert−ブチル
4−エチルフェノール(3g)の攪拌溶液に、ヨウ化ナトリウム(4.41g)、次いでクロラミン−T(8.29g)を0℃で加え、次いでRTまで昇温した。1時間後、混合物を2M塩酸で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣をDMF(30ml)に溶かし、次いで、ブロモ酢酸tert−ブチル(3.9ml)と炭酸カリウム(3.31g)を加え、RTで一夜攪拌した。この混合物を水とジエチルエーテルに分配し、有機部分を乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、20%ジエチルエーテル/イソヘキサンで溶出精製した。収量8.6g。
MS: APCI (-ve): 305 (M-1-tBu)
【0114】
(ii){[5−エチル−4'−(メチルチオ)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物は実施例1工程(ii)の方法により、工程(i)の生成物と4−(メチルチオ)ベンゼンボロン酸を用いて調製した。収量1.2g。
MS: APCI (-ve): 301 (M-1-tBu)
【0115】
(iii){[5−エチル−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
工程(ii)の生成物(1.2g)とDCM(10ml)との攪拌溶液に、mcpba(1.44g)をRTで加えた。16時間後、この混合物をDCMとメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液に分配し、有機部分を分離し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣をトリフルオロ酢酸(10ml)とDCM(10ml)に溶かし、RTで2時間攪拌し、次いで減圧下に蒸発させた。残渣をRPHPLCにより精製した。収量0.035g。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.95-6.94 (7H, m) ; 4.71 (2H, s) ; 3.25 (3H, s) ; 2.62-2.57 (2H, q) ; 1.20-1.17 (3H, t)
MS: APCI (-ve): 333 (M-1)
【実施例3】
【0116】
{[4'−(エチルスルホニル)−5−メトキシビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
【化15】

【0117】
(i)(2−ブロモ−4−メトキシフェノキシ)酢酸tert−ブチル
副題化合物は実施例1工程(i)の方法により、2−ブロモ−4−メトキシフェノールから調製した。収量1.9g。
MS: APCI (-ve): 251 (M-1-tBu)
【0118】
(ii){[4'−(エチルチオ)−5−メトキシビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸tert−ブチル
副題化合物は実施例1工程(ii)の方法により、工程(i)の生成物と4−(エチルチオ)ベンゼンボロン酸を用いて調製した。収量1.15g。
MS: APCI (-ve): 317 (M-1-tBu)
【0119】
(iii){[4'−(エチルスルホニル)−5−メトキシビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸
副題化合物は実施例2工程(iii)の方法により、工程(ii)の生成物を用いて調製した。収量0.12g。
1H NMR DMSO-d6:δ7.92-7.85 (4H, m) ; 7.01-6.92 (3H, m) ; 4.68-4.66 (2H, s) ; 3.76 (3H, s) ; 3.37-3.29 (2H, m) ; 1.17-1.12 (3H, t)
MS: APCI (-ve): 349 (M-1)
【実施例4】
【0120】
[[4−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸
【化16】

【0121】
(i)(2−ブロモ−5−クロロ−4−メチルフェノキシ)酢酸1,1−ジメチルエチルエステル
副題化合物は実施例1工程(i)の方法により、6−ブロモ−4−クロロ−m−クレゾールを用いて調製した。収量0.8g。
1H NMR CDCl3: δ 7.52 (1H, s) ; 6.65 (1H, s) ; 4.60 (2H, s) ; 2.30 (3H, s) ; 1.46 (9H, s)
【0122】
(ii)3−ブロモ−3−メチルフェニル・エチル・スルフィド
1−(エチルチオ)−3−メチルベンゼン(6.6g)と酢酸(20ml)との溶液に臭素(2.2ml)を0℃で加えた。混合物をRTで2時間攪拌し、次いで、溶媒を減圧下に除去した。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、DCMで溶出精製した。収量6.6g。
MS: APCI (+ve): 247/9 (M+1)
【0123】
(iii)[4−(エチルチオ)−2−メチルフェニル]ボロン酸
工程(ii)の生成物(120.7g)とTHF(500ml)との溶液100ml部を、マグネシウムの削り屑(13.4g)とTHF(100ml)との攪拌混合物に加えた。ジブロモエタン(0.2ml)を加え、その混合物を開始時ゆるやかに還流させた。還流下の反応を維持しながら、残りの臭化物溶液を滴下した。添加後、混合物をRTまで冷却させ、次いで、ホウ酸トリメチル(112ml)とTHF(200ml)との攪拌溶液に0℃で挿管添加した。混合物をRTまで加温し、2時間攪拌した後、2M塩酸(300ml)を加えて反応停止させた。RTで18時間攪拌した後、THFを減圧下に除去し、混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機部分を分離し、水洗し、乾燥して減圧下に蒸発させた。残渣をジエチルエーテル/イソヘキサンでトリチュレートし、濾過した。収量53.02g。
1H NMR CDCl3: δ 8.08 (1H, d) ; 7.18 (1H, d) ; 7.15 (1H, s) ; 3.04 (2H, q) ; 2.76 (3H, s) ; 1.38 (3H, t)
【0124】
(iv)[[4−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸
工程(i)の生成物(0.38g)、工程(iii)の生成物(0.32g)、フッ化セシウム(0.35g)、Pd(dppf)Cl(0.12g)およびジオキサン(5ml)からなる混合物を90℃に24時間加熱した。減圧下に溶媒を蒸発させ、残渣をシリカのプラグで濾過し、イソヘキサン、次いで10%酢酸エチル/イソヘキサン溶出した。得られる油状物をDCM(10ml)に溶解し、次いで、トリフルオロ酢酸(3ml)を加え、その混合物を室温で1時間攪拌し、減圧下に蒸発させた。残渣を水(10ml)とアセトニトリル(10ml)に溶かし、オキソン(2.5g)を加え、RTで攪拌した。2時間後、アセトニトリルを減圧下に除去し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、水層を2M塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。最終の酢酸エチル抽出物を乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣はアセトニトリル/水性トリフルオロ酢酸で溶出するRPHPLCにより精製した。収量0.023g。
1H NMR CDCl3:δ 8.01 (1H, s) ; 7.77 (1H, d) ; 7.42 (1H, d) ; 7.18 (1H, s) ; 7.00 (1H, s) ; 3.35 (2H, q) ; 2.50 (3H, s) ; 2.24 (3H, s) ; 1.13 (3H, t)
MS: ESI (-ve): 381 (M-1)
【実施例5】
【0125】
[[4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸
【化17】

標題化合物は実施例4の方法により調製した。収量0.066g。
1H NMR CDCl3: δ 7.76 (1H, s) ; 7.71 (1H, dd) ; 7.41 (1H, d) ; 7.20 (1H, dd) ; 6.96 (1H, s) ; 6.84 (1H, d) ; 4.60 (2H, s) ; 3.30 (2H, q) ; 2.27 (3H, s) ; 2.06 (3H, s) ; 1.12 (3H, t)
MS: APCI (-ve): 347 (M-1)
【実施例6】
【0126】
2−[[3'−シアノ−5−メチル [1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸
【化18】

【0127】
i)5−メチル−2−メトキシフェニルボロン酸
副題化合物は実施例4工程(iii)の方法により、4−メチル−2−ブロモアニソール(7.0ml)を用いて調製した。収量2.6g。
1H NMR DMSO: δ 7.64 (2H, s) ; 7.38 (1H, s) ; 7.18 (1H, d) ; 6.86 (1H, d) ; 3.77 (3H, s) ; 2.22 (3H, s)
【0128】
ii)2'−メトキシ−5'−メチル−[1,1'−ビフェニル]−3−カルボニトリル
工程(i)の生成物(0.8g)、3−ブロモベンゾニトリル(0.877g)、2M水性炭酸ナトリウム(3.0ml)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.2g)およびトルエン(12ml)とエタノール(3ml)からなる混合物を48時間加熱還流した。混合物をEtOAcと水とに分配し、有機部分を分離し、乾燥し、減圧下に蒸発させた。残渣をシリカ上のクロマトグラフィーにより、10%EtOAc/イソヘキサンで溶出精製した。収量0.92g。
1H NMR DMSO:δ 7.9 (1H, d) ; 7.8 (2H, m) ; 7.61 (1H, t) ; 7.16-7.22 (2H, m) ; 7.04 (1H, d) ; 3.75 (3H, s) ; 2.29 (3H, s)
【0129】
iii)2'−ヒドロキシ−5'−メチル−[1,1'−ビフェニル]−3−カルボニトリル
工程(ii)の生成物(0.92g)とDCM(20ml)との溶液に三臭化ホウ素の溶液(1M/DCM)(8ml)を0℃で加え、0℃で2時間、RTで20時間攪拌した。氷で反応を停止させ、DCMで抽出し、塩水で洗い、乾燥(MgSO)し、蒸発させて副題化合物を得た。収量0.77g。
1H NMR DMSO:δ 9.52 (1H, s) ; 7.95 (1H, d) ; 7.89 (1H, dt) ; 7.75 (1H, dt) ; 7.6 (1H, t) ; 7.14 (1H, d) ; 7.02 (1H, dd) ; 6.86 (1H, d) ; 2.25 (3H, s)
【0130】
iv)2−[[3'−シアノ−5−メチル [1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸・1,1−ジメチルエチルエステル
工程(iii)の生成物(0.3g)、R−乳酸tert−ブチル(0.21g)、トリフェニルホスフィン(0.375g)およびTHF(10ml)からなる攪拌溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(0.3ml)を0℃で加えた。2時間攪拌した後、シリカに吸着させ、10%EtOAc/イソヘキサンで溶出するシリカ・クロマトブラフィーにより精製して、副題化合物を得た。収量0.386g。
1H NMR DMSO:δ 8.04 (1H, s) ; 7.95 (1H, d) ; 7.78 (1H, d) ; 7.63 (1H, t) ; 7.22 (1H, d) ; 7.15 (1H, dd) ; 6.86 (1H, d) ; 4.84 (1H, q) ; 2.28 (3H, s) ; 1.39 (3H, d) ; 1.38 (9H, s)
【0131】
v)2−[[3'−シアノ−5−メチル [1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸
標題化合物は実施例1工程(vi)の方法により、工程(iv)の生成物を用いて調製した。収量0.075g。
1H NMR DMSO: δ 8.23 (1H, t) ; 8.06 (1H, dt) ; 7.75 (1H, dt) ; 7.6 (1H, t) ; 7.17 (1H, d) ; 7.08 (1H, dd) ; 6.85 (1H, d) ; 4.61 (1H, q) ; 2.27 (3H, s) ; 1.35 (3H, d)
MS: APCI (-ve): 280
【実施例7】
【0132】
2−[[2'−フルオロ−5'−シアノ−5−メチル [1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸
【化19】

標題化合物は実施例4の方法により、3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリルを用いて調製した。
1H NMR DMSO: δ 8.21 (1H, dd) ; 7.89 (1H, ddd) ; 7.5 (1H, t) ; 7.09-7.16 (2H, m) ; 6.86 (1H, d) ; 4.58 (1H, q) ; 2.27 (3H, s) ; 1.3 (3H, d)
MS: APCI (-ve): 298
【0133】
薬理データ
リガンド結合アッセイ
[H]PGDはパーキンエルマーライフサイエンス(Perkin Elmer Life Sciences)から購入した比活性100〜210Ci/mmolのものであった。その他の試薬類はすべて分析純度のものであった。
【0134】
rhCRTh2/Gα16を発現するHEK細胞は、10%ウシ胎仔血清(ハイクローン(HyClone))、1mg/mlゲネチシン、2mM−L−グルタミンおよび1%非必須アミノ酸を含有するDMEM中に常套的に維持した。膜調製のため、接着性形質移入HEK細胞を2層組織培養ファクトリー(フィッシャー、カタログ番号TKT−170−070E)にて周密となるまで増殖させた。受容体発現の最高レベルは、培養の最終18時間に500mM酪酸ナトリウムを添加することにより誘導した。接着細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS、セルファクトリー当たり50ml)で1回洗浄し、セルファクトリー当たり50mlの氷冷膜均質化バッファー[20mM−HEPES(pH7.4)、0.1mMジチオトレイトール、1mM−EDTA、0.1mMフッ化フェニルメチルスルホニルおよび100μg/mlバシトラシン]を加えることにより脱離した。細胞を220×gの遠心分離により、10分間4℃でペレット化し、新たな膜均質化バッファーに当初の半分の容量で再懸濁し、チューブを終始氷中に漬け、2×20秒のバーストのためにポリトロン(Polytron)ホモジナイザーにより破壊した。非破砕細胞は220×g、10分間、4℃での遠心分離により除去し、膜フラクションは9000×g、30分間、4℃での遠心分離によりペレット化した。最終ペレットは使用したセルファクトリー当たり4mlの膜均質化バッファーに再懸濁し、タンパク質含量を定量した。膜は適当に分割して−80℃で保存した。
【0135】
アッセイはすべてコーニング(Corning)の透明底の白色96穴NBSプレート(フィッシャー)にて実施した。アッセイに先立ち、CRTh2含有HEK細胞膜は、SPA PVT WGAビーズ(アマシャム(Amersham))に被覆した。被覆に際しては、膜とビーズをインキュベートした;その場合、一般的に、ビーズ1mg当たり膜25μgを一夜定常的に攪拌しながら4℃に保持した。(最適の被覆濃度は各膜のバッチごとに決定した)。ビーズを遠心分離(800×g、7分間、4℃)によりペレット化し、アッセイバッファー(50mM−HEPES、pH7.4、5mM塩化マグネシウム含有)で1回洗浄し、最終的に、10mg/mlのビーズ濃度でアッセイバッファーに再懸濁した。
【0136】
各アッセイでは、20μlの6.25nM[H]PGD、20μlの膜飽和SPAビーズ(共にアッセイバッファー中)および10μlの化合物溶液または13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PGD、非特異的結合定量のため、Cayman chemical company)を含んでいた。化合物とDK−PGDはDMSOに溶かし、同じ溶媒中100×に希釈し、必要な最終濃度とした。アッセイバッファーを加えて、最終濃度10%DMSOとし(化合物は10×で必要な最終濃度であった)、これをアッセイプレートに加える溶液とした。アッセイプレートは室温で2時間インキュベートし、ワラックマイクロベータ(Wallac Microbeta)液体シンチレーションカウンターにて計測した(1分/ウエル)。
【0137】
式(I)で示される化合物は10μM(<)未満のIC50値を有する。
具体的に、実施例2はpIC50=7.1であり、実施例3はpIC50=6.6である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容し得る塩:
【化1】

[式中、
XはC1−6アルキルまたはORである;
Yは、水素、ハロゲン、CN、ニトロ、SO、OR、SR、SOR、SONR、CONR、NR、NRSO、NRCO、NRCOR、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルから選択されるものであり、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、ORおよびNR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
Zはアリールまたは環Aであり、Aは1個以上の窒素原子を含む6員ヘテロ環状芳香環であるか、または1個以上のO、N、S原子を含む6,6もしくは6,5−縮合二環式環でもよく、該アリールまたは環Aすべては、所望により水素、ハロゲン、CN、OH、SH、ニトロ、COR、CO、SO、OR、SR、SOR、SONR1011、CONR1011、NR1011、NHSO、NRSO、NRCO、NHCOR、NRCOR、NRCONR、NRSONR、アリール、ヘテロアリール、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、OR、NR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
およびRは独立して水素原子、ハロゲン、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキル基を表し、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、NR、OR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
およびRが一緒になって、所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望により1個以上のC1−3アルキルまたはハロゲンによって置換されている3〜8員環を形成し得る;
は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され得るC−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表す;
およびRは独立して、水素、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表し、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
およびRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(ただし、n=0、1または2)、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望によりハロゲンまたはC1−3アルキルによって置換されている3〜8員の飽和へテロ環状環を形成し得る;
およびRは独立して、水素原子またはC1−6アルキルを表わす;
は水素、C1−4アルキル、−COC−Cアルキル、CO−CアルキルまたはCONR−Cアルキルである;
はアリール、ヘテロアリール、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表わし、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換され得る;
10およびR11は独立して、アリールもしくはヘテロアリール、水素、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキルを表わし、後者の2つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ORおよびNR、S(O)(ただし、n=0、1または2)、CONR、NRCOR、SONRおよびNRSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている;
または
10およびR11は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、所望によりO、S(O)(ただし、n=0、1または2)、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望によりハロゲンまたはC1−3アルキルによって置換されている3〜8員の飽和へテロ環状環を形成し得る]。
【請求項2】
およびRが独立して水素原子、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−CシクロアルキルまたはC1−6アルキル基を表し、後者の4つの基は、所望によりハロゲン、C−Cシクロアルキル、NR、OR、S(O)(ただし、nは0、1または2である)から独立して選択される1個以上の置換基によって置換されているか、またはRおよびRが一緒になって、所望によりO、S、NRから選択される1個以上の原子を含み、かつそれ自体所望により1個以上のC1−3アルキルまたはハロゲンによって置換されている3〜8員環を形成し得る請求項1記載の化合物。
【請求項3】
XがC1−4アルキルまたはC1−4アルコキシである請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Yが水素である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Zがフェニルまたは所望により請求項1の定義同様に置換されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Zがフェニルまたは所望によりハロゲン、C1−3アルキル、シアノおよびSOから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
およびRが共に水素であるか、または一方が水素であり、他方がC1−3アルキルである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
[(5−メチルビフェニル−2−イル)オキシ]酢酸;
{[5−エチル−4'−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
{[4'−(エチルスルホニル)−5−メトキシビフェニル−2−イル]オキシ}酢酸;
[[4−クロロ−4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸;
[[4'−(エチルスルホニル)−2',5−ジメチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−酢酸;
2−[[3'−シアノ−5−メチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸;
2−[[2'−フルオロ−5'−シアノ−5−メチル[1,1'−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−(2S)−プロパン酸;
およびその医薬的に許容し得る塩から選択される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
治療用途の請求項1ないし8のいずれか1項に記載の式(I)で示される化合物。
【請求項10】
プロスタグランジンD2が仲介する疾患の処置方法であって、請求項1ないし8に記載した式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩の治療有効量を患者に投与することを含む方法。
【請求項11】
喘息および鼻炎などの呼吸器疾患に罹患しているか、またはその危険のある患者の処置方法であって、請求項1ないし8に記載した式(I)で示される化合物、またはその医薬的に許容し得る塩もしくは溶媒和物の治療有効量を当該患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2006−522117(P2006−522117A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508006(P2006−508006)
【出願日】平成16年4月6日(2004.4.6)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000534
【国際公開番号】WO2004/089884
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】