説明

新規M3ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト

ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニストおよびそれらの使用方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビアリールアミン、医薬組成物、それらの調製方法、およびMムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
末梢および中枢神経系にあるコリン作用性ニューロンから放出されるアセチルコリンは、2つの主要な類のアセチルコリン受容体−ニコチン性およびムスカリン性アセチルコリン受容体との相互作用を介して、多種多様な生物学的過程に作用する。ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)は、7回膜貫通型ドメインを有するG−蛋白質共役型受容体のスーパーファミリーに属する。mAChRにはM〜Mと呼ばれる5つのサブタイプがあり、それぞれ別個の遺伝子の産物である。これらの5つのサブタイプのそれぞれは、独特の薬理特性を示す。ムスカリン性アセチルコリン受容体は、脊椎動物の器官に広く分布しており、そこで、それらは多数の重要な機能を仲介する。ムスカリン性受容体は阻害性および興奮性の両方の作用を仲介し得る。例えば、気道に見られる平滑筋において、MmAChRは、収縮反応を仲介する。報文については、Caulfield(1993 Pharmac.Ther.58:319−79)を参照のこと。
【0003】
肺において、mAChRは、気管および気管支にある平滑筋、粘膜下腺および副交感神経節に位置している。ムスカリン性受容体の密度は、副交感神経節において最も高く、そしてその密度は、粘膜下腺から気管、次いで気管支の平滑筋へと減少する。ムスカリン性受容体は、肺胞にはほとんどない。肺におけるmAChRの発現および機能の報文については、FryerおよびJacoby(1998 Am J Respir Crit Care Med 158(5,pt3)S154−60)を参照のこと。
【0004】
mAChRの3つのサブタイプ、M、MおよびMmAChRが肺において重要なものとして同定されている。気道の平滑筋に位置するMmAChRは筋収縮を仲介する。MmAChRの刺激は、刺激性G蛋白質Gq/11(Gs)の結合を介して酵素ホスホリパーゼを活性化し、ホスファチジルイノシトール−4,5−ビスリン酸塩の遊離をもたらし、結果として、収縮蛋白質のリン酸化をもたらす。MmAChRは、肺の粘膜下腺においても見出される。MmAChRのこの集団の刺激は、粘液分泌をもたらす。
【0005】
mAChRは、気道平滑筋上のコリン作用性受容体集団の約50〜80%を構成する。正確な機能は未だ知られていないが、それらは、cAMP産生を阻害することにより、気道平滑筋のカテコールアミンが関与する弛緩を阻害する。ニューロンのMmAChRは、節後副交感神経に位置する。通常の生理学的状態の下では、ニューロンのMmAChRは、副交感神経から放出されるアセチルコリンの厳しい制御をもたらす。阻害性MmAChRも、ある種の肺の交感神経上にあることが示されている。これらの受容体は、ノルアドレナリンの放出を阻害し、かくして、肺への交感神経性入力が軽減される。
【0006】
mAChRは肺の副交感神経節において見出されており、そこでそれらは機能し、神経伝達を強化する。これらの受容体は肺末梢部実質組織にも位置するが、実質組織におけるそれらの機能は知られていない。
【0007】
肺におけるムスカリン性アセチルコリン受容体機能障害は、多種多様な病理学的状態において注目されてきた。特に、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)において、炎症状態は、肺平滑筋を満たす副交感神経における阻害性Mムスカリン性アセチルコリン自己受容体機能の損失をもたらし、迷走神経の刺激後にアセチルコリンの放出増大を惹起する(Fryerら.1999 Life Sci 64(6−7)449−55)。このmAChR機能障害は、MmAChRの刺激増大に介される気道の機能亢進および反応性亢進をもたらす。故に、これらのmAChR介在疾患状態における治療剤として強力なmAChRアンタゴニストを同定することは有用であろう。
【0008】
COPDは、慢性気管支炎、慢性細気管支炎および気腫を含む様々な進行性の健康障害を含む不明確な用語であり、およびそれは世界中の死亡率および疾病率の主要な原因である。喫煙はCOPDの発症についての主要な危険性因子である。米国だけでは、ほぼ5000万人が喫煙しており、1日に推定3000人が喫煙を始めている。結果として、COPDは、2020年までに、世界的な健康負荷として上位5位内に入ることが予想される。吸入用抗コリン作用治療剤は、現在では、COPDの第一治療剤として「優れた(gold)基準」と見なされている(Pauwelsら.2001 Am.J.Respir.Crit.Care Med.163:1256−1276)。
【0009】
気道の機能亢進障害の処置のための抗コリン作用治療剤の使用を支持する大量の証拠があるにも関わらず、相対的にほとんどの抗コリン作用性化合物は、肺症状についての臨床において利用できない。より具体的には、米国では、臭化イプラトロピウム(アルブテロールと組み合わせたAtrovent(登録商標)およびCombivent(登録商標))は、現在、気道の機能亢進障害の処置のために市販されている唯一の吸入用抗コリン作用剤である。この化合物は強力な抗ムスカリン剤であるが、その作用時間は短く、それ故に、COPD患者に緩和をもたらすためには、1日に4回も投与する必要がある。ヨーロッパおよびアジアでは、長時間作用性の抗コリン作用性臭化チオトロピウム(Spiriva(登録商標))が最近認可されたが、この製品は現在でも米国では利用できない。故に、長時間作用し、かつ喘息およびCOPDのごとき気道の機能亢進障害の処置のために1日1回投与され得る、mAChRでの遮断を惹起し得る新規化合物が依然として必要とされている。
【0010】
mAChRは体内に広く分布するので、気道に対して局部的および/または局所的に抗コリン作用剤を適用する能力は特に有利であり、それにより、利用されるべき薬剤の用量をより少なくできよう。さらに、長い作用持続時間を有し、および特に、受容体または肺により保持される局所的な活性薬剤を設計する能力により、全身性抗コリン作用剤の使用において見られ得る不要な副作用を回避することができるだろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、アセチルコリンがMmAChRに結合する、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)介在疾患の処置方法であって、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0012】
本発明は、その必要のある哺乳類においてアセチルコリンとその受容体の結合を阻害する方法であって、該哺乳類へ有効量の式(I)の化合物を投与することを含む方法にも関する。
【0013】
本発明は、新規の式(I)の化合物、ならびに式(I)の化合物および医薬担体または希釈剤を含有する医薬組成物も提供する。
【0014】
本発明において有用な式(I)の化合物は、構造式:
【化1】

(I)
[式中、
Ar1およびAr2は独立して、所望により置換されていてもよいフェニルおよび所望により置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6は、NR7R8または所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の二級窒素、三級窒素または四級アンモニウム窒素を含み、および所望により1個または複数のOまたはSを含み;
Xは、C(R1)またはC(O)であり;ここで、XがC(R1)の場合にはmは0〜3の整数であり;XがC(O)の場合にはmは1であり;
pは0〜2の整数であり;
iは0〜2の整数であり;
nは0〜3の整数であり;
jは0〜3の整数であり;
Yは、C(O)、S(O)、HNC(O)またはOC(O)であり;ここで、qは1または2であり;
【0015】
R1、R2およびR9は独立して、水素、所望により置換されていてもよいC−C10アルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよい複素環、所望により置換されていてもよい複素環アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリールおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zは、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10アルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルキルおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3は、NR4R5R10または所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および所望により1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含み;
【0016】
は、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10は独立して、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよい複素環および所望により置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を所望により含有していてもよい5〜10員環系を形成し;
【0017】
R7およびR8は独立して、水素、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよい複素環および所望により置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR7およびR8はそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を所望により含有していてもよい5〜7員環を形成する]
で表されるか、またはその任意の他の医薬上許容される塩である。
【0018】
詳細な説明
本発明は、本発明の化合物の全ての水和物、溶媒和物、複合体およびプロドラッグを含む。プロドラッグは、インビボにおいて式Iで示される活性のある親薬剤を放出する任意の共有結合化合物である。キラル中心もしくは異性体中心の別形態が本発明の化合物中に存在するならば、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含むかかる1もしくは複数の異性体の全ての形態は、本発明に含まれることが意図される。キラル中心を含む本発明の化合物をラセミ混合物、エナンチオマーに富む混合物として用いてもよく、またはよく知られている技法を用いてラセミ混合物を分離してもよく、および個々のエナンチオマーを単独で用いてもよい。化合物が不飽和炭素−炭素二重結合を有する場合、シス(Z)およびトランス(E)異性体は共に本発明の範囲内である。化合物がケト−エノール互変体のごとき互変異性形態にて存在してもよい場合、平衡状態で存在しているかまたは一形態が優勢的に存在しているかに関わらず、各互変異性形態は本発明内に含まれるものと熟慮される。
【0019】
別記しない限り、式Iまたはその任意の下位式中の任意の一の場合における任意の置換基の意味は、任意の他の場合におけるその意味または任意の他の置換基の意味に無関係である。
【0020】
ペプチドおよび化学技術分野において一般的に用いられている省略形および記号は、本明細書中、本発明の化合物を説明するために用いられる。一般的に、アミノ酸の省略形は、Eur.J.Biochem.、158、9(1984)において記載されているように、IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclatureに従う。
【0021】
本明細書中用いられる「部分を含むアリール、ヘテロアリールおよび複素環」なる語は、環およびアルキルの両方を言い、または含まれる場合には、アルケニル環、例えば、アリール、アリールアルキルおよびアリールアルケニル環を言う。用語「部分」および「環」は本明細書を通して同義的に用いられてもよい。
【0022】
本明細書中用いられる「所望により置換されていてもよい」は、特に定義されない限り、水素;ハロゲン、例えば、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素;シアノ;ヒドロキシ;ヒドロキシ置換C1−10アルキル;シアノ置換C1−10アルキル;C1−10アルコキシ、例えば、メトキシもしくはエトキシ;S(O)m’1−10アルキル[ここで、m’は0、1もしくは2である]、例えば、メチルチオ、メチルスルフィニルもしくはメチルスルホニル;アミノ、モノおよびジ−置換アミノ、例えば、NR7R8基においてのような;NHC(O)R7;C(O)NR7R8;C(O)R7;C(O)OH;S(O)NR7R8;NHS(O)R7、C1−10アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルもしくはt−ブチル;アルケニル、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニルもしくは2−メチル−1−プロペニル;ハロ置換C1−10アルキル、例えば、CF;所望により置換されていてもよいアリール、例えば、フェニル、または所望により置換されていてもよいアリールアルキル、例えば、ベンジルもしくはフェネチル、所望により置換されていてもよい複素環、所望により置換されていてもよい複素環アルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルを意味し、ここで、これらのアリール、ヘテロアリールもしくは複素環部分は、ハロゲン;ヒドロキシ;ヒドロキシ置換アルキル;C1−10アルコキシ;S(O)m’1−10アルキル;アミノ、モノおよびジ−置換アルキルアミノ、例えば、NR7R8基においてのような;C1−10アルキル、もしくはハロ置換C1−10アルキル、例えば、CFにより1〜2回置換されていてもよい。
【0023】
適当な医薬上許容される塩は当業者によく知られており、ならびに無機および有機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸およびマンデル酸の塩基性塩を含む。
【0024】
本明細書中用いられる以下の用語は:
・「ハロ」または「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを言い;
・「C1−10アルキル」もしくは「アルキル」は、鎖長が別に制限されない限り、1〜10個の炭素原子からなる直鎖および分岐鎖部分を言い、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチルなどを含むが、これらに限定されず;
「C−C10アルコキシ」は、−O−CH、−O−CHCHのごとき直鎖および分岐鎖ラジカル、ならびにn−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシなどを含み;
【0025】
本明細書中用いられる「C−C10シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むがこれらに限定されない環状部分を意味し;
本明細書中用いられる「アルケニル」は全ての場合において、鎖長が制限されない限り、2〜10個の炭素原子からなる直鎖もしくは分岐鎖部分を意味し、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなど含むが、これらに限定されず;
「アリール」は、フェニルおよびナフチルを言い;
・「ヘテロアリール」(それ自体または「ヘテロアリールオキシ」もしくは「ヘテロアリールアルキル」のごとき任意の組み合わせにおいて)は、5〜10員芳香環系を言い、ここで、1個または複数の環は、N、OもしくはSからなる群より選択される1個または複数のヘテロ原子を含み、例えば、ピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリニル、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、テトラゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、イミダゾールもしくはベンズイミダゾールであるが、これらに限定されず;
【0026】
・「複素環」(それ自体または「複素環アルキル」のごとき任意の組み合わせにおいて)は、4〜10員の飽和もしくは部分不飽和環系を言い、ここで、1個または複数の環は、N、OもしくはSからなる群より選択される1個または複数のヘテロ原子を含み、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロピラン、チオモルホリンもしくはイミダゾリジンであるが、これらに限定されず、さらに所望により、硫黄はスルホンもしくはスルホキシドへ酸化されてもよく;
本明細書中用いられる「二級窒素」は、1つの水素、所望により置換されていてもよい1つの炭素、および所望により置換されていてもよい1つの炭素、C(O)もしくはS(O)m’[ここで、m’は1もしくは2である]に直接連結されている窒素を意味し;
本明細書中用いられる「三級窒素」は、所望により置換されていてもよい2つの別個の炭素、および所望により置換されていてもよい1つの炭素、C(O)もしくはS(O)m’[ここで、m’は1もしくは2である]に直接連結されている窒素を意味し;
【0027】
本明細書中用いられる「四級アンモニウム窒素」は、所望により置換されていてもよい4つの別個の炭素に直接連結されている窒素を意味し;
本明細書中用いられる「アリールアルキル」もしくは「ヘテロアリールアルキル」もしくは「複素環アルキル」は、別記しない限り、本明細書で定義するようなアリール、ヘテロアリールもしくは複素環部分に結合した、上で定義したようなC1−10アルキルを意味し;
「スルフィニル」は、対応するスルフィドのオキシドS(O)を言い、用語「チオ」はスルフィドを言い、および用語「スルホニル」は完全に酸化されたS(O)部分:
を言う。
【0028】
式Iの好ましい化合物は:
Ar1およびAr2が独立して、所望により置換されていてもよいフェニルおよび所望により置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6が、所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は1個または複数の二級窒素、三級窒素または四級アンモニウム窒素を含み;
XがC(R1)であり;
pが2であり;
mが0〜3の整数であり;
iが2であり;
nが1〜3の整数であり;
jが0〜3の整数であり;
Yが、C(O)またはS(O)であり;ここで、qは1または2であり;
【0029】
R1が水素であり;
R9が水素であり;
R2が、水素、所望により置換されていてもよいC−C10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよい複素環、所望により置換されていてもよい複素環アルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリールおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zが、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキルおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3が、NR4R5R10または所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および所望により1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含み;
【0030】
が、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10が独立して、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよい複素環および所望により置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を所望により含有していてもよい5〜10員環系を形成する:
化合物またはその任意の他の医薬上許容される塩を含む。
【0031】
さらにより好ましい化合物は:
Ar1およびAr2が独立して、所望により置換されていてもよいフェニルおよび所望により置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6が、所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の5〜8員環系であり、ここで、1個または複数の環は1個または複数の二級または三級窒素を含み;
XがC(R1)であり;
pが2であり;
mが1であり;
iが2であり;
nが1であり;
jが1または0であり;
Yが、C(O)またはS(O)であり;ここで、qは1または2であり;
R1が水素であり;
R9が水素であり;
【0032】
R2が、水素、所望により置換されていてもよいC−C10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよい複素環、所望により置換されていてもよい複素環アルキル、所望により置換されていてもよいアリールアルキルおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zが、所望により置換されていてもよいフェニル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいフェニルアルキルおよび所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3が、NR4R5R10または所望により置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および所望により1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含み;
が、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10が独立して、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、所望により置換されていてもよいアルケニル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、所望により置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、所望により置換されていてもよいアリール、所望により置換されていてもよいアリールアルキル、所望により置換されていてもよいヘテロアリール、所望により置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、所望により置換されていてもよい複素環および所望により置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を所望により含有していてもよい5〜10員環系を形成する:
化合物またはその任意の他の医薬上許容される塩である。
【0033】
式(I)の例示的化合物は:
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−({3−[({[6−フルオロ−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−[(3−{[({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−フルオロ−3−ビフェニリル}メチル)アミノ]カルボニル}フェニル)メチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1,1−ジメチル−4−({3−[({[6−(メチルオキシ)−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1,1−ジメチル−4−{[3−({[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−({3−[({[3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−(メチルオキシ)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
【0034】
(1S,4S)−2−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2−メチル−5−アザ−2−アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
(2R,5S)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1,2,5−テトラメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[3−(メチルオキシ)プロピル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
【0035】
3−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−3−アザ−6−アゾニアスピロ[5.6]ドデカントリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[(2E)−3−フェニル−2−プロペン−1−イル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−プロピルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
2−(アミノカルボニル)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−(フェニルメチル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−3−アザ−6−アゾニアスピロ[5.5]ウンデカン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
【0036】
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[2−(フェニルオキシ)エチル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−エチル−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−(2−プロペン−1−イル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
(1S,4S)−5−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2,2−ジメチル−5−アザ−2−アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1,2−トリメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−(3−シアノプロピル)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,4−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
【0037】
4−[2−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)エチル]−4−メチルモルホリン−4−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:4);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−ホルミル−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−メチルモルホリン−4−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]−N,N,N−トリメチルメタンアミニウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
N−エチル−N−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−N−メチルエタンアミニウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
1−[2−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)エチル]−1−メチルピロリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−1,1−ジメチルピロリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
2−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
【0038】
4−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)−1,1−ジメチルピペリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:4);
2−(1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−ピペリジニル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
7−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチル−7−アザ−1−アゾニアスピロ[4.4]ノナン・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
(1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2−ピペリジニル)−N,N,N−トリメチルメタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:1);
(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1,1−ジメチル−4−ピペリジニウムyl)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−1,1,2−トリメチルピペラジン−1−イウム・ジブロミド;および
4−{[3−({[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:1);
またはその任意の他の医薬上許容される塩を含む。
【0039】
調製方法
調製
式(I)の化合物は、その幾つかが以下のスキームにて説明されている合成方法を適用することにより得られてもよい。これらのスキームにより提供される合成は、反応性を有する多種多様なR1、R2、R3、R4、X、YおよびZを有し、本明細書に記載の反応との適合性を達成するのに、適宜保護されている置換基を利用する、式(I)の化合物を製造するために適用できる。これらの場合、続く脱保護により、開示された一般的な性質の化合物を得る。幾つかのスキームは特定化合物についてのみ示されているが、これは単に説明のためである。
【0040】
調製1
スキーム1に示すように、還元的アミノ化により、ブロモベンジルアミン1を2,6−ジメトキシ−4−ポリスチレンベンジルオキシ−ベンズアルデヒド(DMHB樹脂)にロードした。樹脂結合アミン2を3−ホルミル安息香酸と反応させ、アミド3を得、様々なアミンNHR1R2を用いてこれを還元的アミノ化に付し、アミン4を得た。4を(3−ホルミルフェニル)ボロン酸との鈴木カップリングに付し、ビフェニルアルデヒド5を得た。ヨウ化メチル、他のハロゲン化アルキルまたは様々な二ハロゲン化アルキル(例えば、α、ω二ハロゲン化物)を用いて樹脂結合アミン5を四級化し、樹脂結合四級アンモニウム塩6を得、次いで、アミンNHR3R4を用いて還元的アミノ化に付し、次いで、切断し、所望の生成物7を得た。
【0041】
スキーム1
【化2】

【0042】
条件:a)DMHB樹脂,Na(OAc)BH,酢酸,1−メチル−2−ピロリジノン(NMP),rt;b)3−ホルミル安息香酸,1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC),1,2−ジクロロエタン(DCE):ジメチルホルムアミド(DMF)=1:1,rt;c)NHR1R2,Na(OAc)BH,NaSO,ジクロロエタン(DCE),rt;d)(3−ホルミルフェニル)ボロン酸,Pd(PPh,CsCO,ジメトキシエタン(DME),80℃;e)MeI,様々なハロゲン化アルキルまたは様々な二ハロゲン化アルキル、アセトニトリル、基質に応じて室温〜90℃の間の温度;f)NHR3R4,Na(OAc)BH,NaSO,DCE,rt;g)DCE中、50%のトリフルオロ酢酸(TFA),rt.
【0043】
合成実施例
ここで、本発明は以下の実施例を参照することにより説明されるが、該実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。ほとんどの試薬および中間体は市販されているか、または文献の手順に従って調製される。文献に記載のない中間体の調製は以下に示す。
【0044】
別記しない限り、Merck9385シリカを用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーを行った。
【0045】
LC/MS分析を以下の条件下で行った:
・カラム:3.3cm×4.6mm ID,3um ABZ+PLUS
・流速:3ml/分
・注入量:5μl
・温度:室温
・溶媒:A:0.1%のギ酸+10mMの酢酸アンモニウム
B:95%のアセトニトリル+0.05%のギ酸
・勾配:
【表1】

【0046】
系Aまたは系Bにおいて記載した条件下にて質量特異的自動分取(MDAP)を行った:
系A:ギ酸塩
・用いた分取用カラムはSupelcosil ABZplus(内径10cm×2.12cm;粒径5m)だった。
・UV検出波長:200−320nM
・流速:20ml/分
・注入量:0.5ml
・溶媒A:0.1%のギ酸
・溶媒B:95%のアセトニトリル+0.05%のギ酸
【0047】
系B:TFA塩
・用いた分取用カラムはSupelcosil ABZplus(内径10cm×2.12cm;粒径5m)だった。
・UV検出波長:200−320nM
・流速:20ml/分
・注入量:0.5ml
・溶媒A:水+0.1%のトリフルオロ酢酸
・溶媒B:アセトニトリル+0.1%のトリフルオロ酢酸
【0048】
Gilson分取用HPLCを以下の条件下で行った:
・カラム:75×33mm I.D.,S−5um,12nm
・流速:30mL/分
・注入量:0.800mL
・室温
・溶媒:A:水中、0.1%のトリフルオロ酢酸
・溶媒:B:アセトトリル中、0.1%のトリフルオロ酢酸
【実施例】
【0049】
実施例1
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3)の調製
a)DMHB樹脂結合3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジルアミン
N−メチルピロリジン(NMP,150mL)中のDMHB樹脂(10g,1.5mmol/gの充填量,15mmol)の混合物へ、3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジルアミン(15.5g,75mmol)、酢酸(15mL,1% v/v)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(19g,90mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、NMP(200mL×2)、ジクロロメタン(DCM)(200mL×2)、MeOH(200mL×2)およびDCM(200mL×2)で洗浄した。得られた樹脂を真空オーブンにて20℃で一晩乾燥し、DMHB樹脂結合3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジルアミン(15mmol)を得た。
【0050】
b)DMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−ホルミルベンズアミド
DCE/DMF(1:1,8mL)中のDMHB樹脂結合3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジルアミン(200mg,1.15mmol/g(理論量)、0.23mmol)の混合物へ、3−ホルミル安息香酸(350mg,2.3mmol)およびDIC(0.36mL,2.3mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、次いで、DMF(20mL×2)、DCM(20mL×2)、MeOH(20mL×2)およびDCM(20mL×2)で洗浄した。得られた樹脂を真空オーブンにて20℃で一晩乾燥し、DMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−ホルミルベンズアミド(0.23mmol)を得た。分析用量の樹脂をDCE中の50%のTFAで10分間切断した。得られた溶液を減圧濃縮し、次いで、0.5mLのCHCN中に溶解した。MS(ESI):336[M+H]
【0051】
c)DMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド
10mLのDCE中のDMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−ホルミルベンズアミド(200mg,0.99mmol/g,0.198mmol)の混合物へ、NaSO(0.141g,0.99mmol)および1−メチルピペラジン(0.1g,0.99mmol)を加えた。10分間攪拌した後、Na(OAc)BH(0.252g,1.19mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、樹脂をテトラヒドロフラン(THF)(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、HO(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、THF(20mL×2)、DCM(20mL×2)で洗浄し、次いで、真空オーブンにて20℃で一晩乾燥し、DMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド(0.198mmol)を得た。分析用量の樹脂をDCE中の50%のTFAで10分間切断した。得られた溶液を減圧濃縮し、次いで、0.5mLのCHCN中に溶解した。MS(ESI):420[M+H]
【0052】
d)DMHB樹脂結合N−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド
5mLのDME中のDMHB樹脂結合N−[(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド(200mg,0.92mmol/g,0.184mmol)の混合物へ、3−ホルミルフェニルボロン酸(83mg,0.55mmol)、2MのCsCO水溶液(0.275mL,0.55mmol)およびPd(PPh(43mg,0.0368mmol)を加えた。アルゴンで5〜10分間パージした後、混合物をアルゴン下80℃で16時間加熱した。得られた樹脂をTHF(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、HO(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、THF(20mL×2)、DCM(20mL×2)で洗浄し、次いで、真空オーブンにて20℃で一晩乾燥し、DMHB樹脂結合N−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド(0.184mmol)を得た。分析用量の樹脂をDCM中の50%のTFAで10分間切断した。得られた溶液を減圧濃縮し、次いで、0.5mLのCHCN中に溶解した。MS(ESI):446 [M+H]
【0053】
e)DMHB樹脂結合4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムヨージド
7mLのアセトニトリル中のDMHB樹脂結合N−[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]−3−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]ベンズアミド(200mg,0.91mmol/g,0.182mmol)の混合物へ、ヨウ化メチル(390mg,2.73mmol)を加え、次いで、樹脂を一晩攪拌した。得られた樹脂をCHCN(20mL×2)、DCM(20mL×2)、MeOH(20mL×2)、DCM(20mL×2)、MeOH(20mL×2)、DCM(20mL×2)で洗浄し、次いで、真空オーブンにて20℃で一晩乾燥し、DMHB樹脂結合4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムヨージド(0.182mmol)を得た。分析用量の樹脂をDCM中の50%のTFAで10分間切断した。得られた溶液を減圧濃縮し、次いで、0.5mLのCHCN中に溶解した。MS(ESI):460 [M]
【0054】
f,g)4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3)
17mLのDCE中のDMHB樹脂結合4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−ホルミル−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムヨージド(200mg,0.81mmol/g,0.162mmol)の混合物へ、NaSO(0.13g,0.9mmol)および(S)−2−メチルピペラジン(0.092g,0.9mmol)を加えた。10分間攪拌した後、Na(OAc)BH(0.229g,1.08mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、樹脂をTHF(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、HO(20mL×2)、THF:HO(1:1,20mL×2)、THF(20mL×2)、DCM(20mL×2)で洗浄し、次いで、真空オーブンにて20℃で一晩乾燥した。得られた樹脂をDCE中の50%のTFA,5mLで30分間切断し、次いで、DCE中の50%のTFA,5mLで30分間再度処理した。合わせた切断溶液を減圧濃縮した。残りをジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した。次いで、YMC ODS−A(C−18)カラム 50mm×30mm ID付Gilson分取用(semi−preparative)HPLCシステムを用いて、3.2分間にわたって10%のB〜90%のBで溶離させ、1分間保持することにより[ここで、A=HO(0.1%のトリフルオロ酢酸)およびB=CHCN(0.1%のトリフルオロ酢酸)、ポンピング 25mL/分である]精製し、4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3)(白色粉末,113mg,6工程にわたって38%)を得た。MS(ESI):544 [M]
【0055】
1−メチルピペラジンを適切なアミンで、および/または(S)−2−メチルピペラジンを適切なアミンで、および/または3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジルアミンを適切なブロモベンジルアミンで、および/またはヨウ化メチルを適切なハロゲン化アルキルまたは二ハロゲン化アルキルで置換することを除き同様に進めて、表1および2に記載の化合物を調製した。
【0056】
実施例7、8および10の場合において、工程c)で用いたアミンは、モノt−ブトキシカルボニル(BOC)保護アミンだった。BOC基はその後、工程g)の間に除去した。
【0057】
実施例2、3、4および6の場合において、工程f)で用いたアミンは、BOC−保護アミンだった。BOC基はその後、工程g)の間に除去した。
【0058】
表1
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
【表7】

【0064】
【表8】

表2
【0065】
【表9】

【0066】
【表10】

【0067】
調製2
スキーム2に示す経路に従って、構造式15および16の化合物を溶液相にて調製した。初めに、N−保護ピペラジン9を用いてベンズアルデヒド8を還元的アミノ化に付し、三級アミン11を得た。鈴木反応を用いて11とボロン酸10をカップリングさせて、ビフェニル誘導体12を得た。さらに、ボランを用いてニトリル部分を還元し、一級アミン13を得た。その後、13を市販の安息香酸17にカップリングさせて、対応するアミド14を得た。14のピペリジン窒素上のBoc基を脱保護し、次いで、還元的アミノ化に付し、ヨウ化メチルと反応させ、次いで、ベンジルオキシカルボニル保護基を除去することにより、四級塩15を得た。さらに、ピペラジン基の末端窒素を還元的アミノ化に付すことにより、化合物16を得た。
【0068】
スキーム2
【化3】

【0069】
条件:a)NaB(OAc)H,DCM,rt;b)Pd(PPh,NaCO,DME,78℃;c)BH,THF;d)HATU,3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]安息香酸17,DIPEA,DMF;e)HCl,ジオキサン;f)HCHO,NaBH;g)MeI,アセトン;h)6N水性HCl,MeOH.
【0070】
中間体1
(2S)−4−[(3−ブロモフェニル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化4】

【0071】
(3S)−1−[(3−ブロモフェニル)メチル]−3−メチルピペラジンの調製
CHCl(5mL)中の(2S)−2−メチル−ピペラジン(1g,10mmol)の溶液へ、3−ブロモベンズアルデヒド(1.85g,10mmol)およびNaB(OAc)H(3.18g,1.5mmol)を加えた。得られた混合物を12時間攪拌し、ジクロロメタン(25mL)で希釈し、次いで、ブライン(5mL)で洗浄した。有機相を集め、NaSOで乾燥し、次いで、減圧濃縮した。Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、5〜70%,v/v)で溶離させることにより、粗生成物を精製し、標記化合物(2.0g,40%)を得た:LC/MS:m/z,269(M+H),1.28分.
【0072】
(2S)−4−[(3−ブロモフェニル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチルの調製
10℃で、攪拌しながら、1mLの乾燥DMSO中の(3S)−1−[(3−ブロモフェニル)メチル]−3−メチルピペラジン(250mg,0.5mmol)、TEA(0.5mL,3.5mmol)およびDMAP(12mg,0.1mmol)の溶液へ、クロロギ酸ベンジル(0.34mL,2.25mmol)を滴下して加えた。次いで、混合物を加熱し、次いで、50℃で1.5時間攪拌した。室温に冷却した後、15mlの酢酸エチルおよび5mlの飽和NaHCOを加えた。有機相を分け、減圧濃縮し、次いで、Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜70/30,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(180mg,70%)を得た。LC/MS:m/z,403(M+H),1.74分.
【0073】
中間体2
(2S)−4−[(5’−シアノ−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化5】

【0074】
ジオキサン/HO(40mL/13.3mL)中の(5−シアノ−2−フルオロフェニル)ボロン酸(660mg,4mmol)の溶液へ、(2S)−4−[(3−ブロモフェニル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(1.2g,4mmol)、KCO(2.2gmg,16mmol)およびPd(PPh(230mg,0.2mmol)を加えた。得られた溶液をマイクロ波反応器にて150℃で20分間照射し、次いで、EtOAc(5mL)で希釈した。有機相を集め、次いで、水相をEtOAc(2×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、次いで、濃縮した。残りをGilson HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜90/10,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(708mg,92%)を得た。LC/MS:m/z,444(M+H),1.93分.
【0075】
中間体3
(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニリル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化6】

【0076】
THF(10mL)中の(2S)−4−[(5’−シアノ−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(708mg,1.60mmol)の溶液をArで15分間フラッシュした。ボラン(5.6mL,THF中の1M溶液,5.6mmol)を徐々に加え、次いで、反応混合物を室温で12時間攪拌しておいた。1NのHCl(1mL)を用いて反応を徐々にクエンチし、次いで、室温で2時間攪拌しておいた。2NのNaOHを用いてpH>10に中和した後、反応混合物をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、次いで、減圧濃縮した。粗残渣を、アミノプロピルSPEシリカカートリッジ(10g)にセットし、次いで、以下の順序:50%のヘキサン/50%のEtOAc(3×20mL)、10%のMeOH/90%のDCM(3×20mL)で溶離させた。メタノールフラクションを合わせ、次いで、濃縮し、標記化合物(660mg,92%)を得た。LC/MS:m/z,448(M+H),1.63分.
【0077】
中間体4
(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化7】

【0078】
乾燥DMF(2mL)中の3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]安息香酸(108mg,0.34mmol)の溶液へ、(2S)−4−{[5’−(アミノメチル)−2’−フルオロ−3−ビフェニリル]メチル}−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(150mg,0.334mmol)、DIPEA(0.1mL,0.7mmol)、HATU(142mg,0.37mmol)およびHOBt(150mg,1.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いで、飽和水性NaCO(1mL)およびEtOAc(5mL)を加えた。有機相を分け、NaSOで乾燥し、次いで、濾過した。濾液を濃縮し、次いで、残りを、5gのアミノプロピルSPEカートリッジにて、DCM(3×5mL)、EtOAc(3×5mL)およびMeOH(3×5mL)で溶離させることにより精製した。DCMフラクションを蒸発させることにより、生成物を回収した(130mg,80%)。LC/MS:m/z,749(M+H),2.32分.
【0079】
中間体5
(2S)−4−({2’−フルオロ−5’−[({[3−(4−ピペリジニルメチル)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]−3−ビフェニリル}メチル)−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化8】

【0080】
5mLの1,4−ジオキサン中の(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(673mg,0.90mmol)の溶液へ、1,4−ジオキサン中の4MのHCl,5mLを加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。溶媒を除去した後、粗生成物を、Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜70/30,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(390mg,67%)を得た。LC/MS:m/z,649(M+H),1.69分.
【0081】
中間体6:(2S)−4−[(2’−フルオロ−5’−{[({3−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル
【化9】

【0082】
5mLのMeOH中の(2S)−4−({2’−フルオロ−5’−[({[3−(4−ピペリジニル)フェニル]カルボニル}アミノ)メチル]−3−ビフェニリル}メチル)−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチルの溶液へ、ホルムアルデヒド(37%,170mg,2.04mmol)を滴下して加えた。混合物を12時間攪拌し、溶媒を減圧除去し、次いで、残りを、2gのアミノプロピルSPEカートリッジにて、DCM(3×5mL)、EtOAc(3×5mL)およびMeOH(3×5mL)で溶離させることにより精製した。EtOAcフラクションを合わせ、次いで、蒸発させ、標記化合物(240mg,71%)を得た。LC/MS:m/z,663(M+H),2.02分.
【0083】
中間体7:4−[(3−{[({6−フルオロ−3’−[((3S)−3−メチル−4−{[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]−3−ビフェニリル}メチル)アミノ]カルボニル}フェニル)メチル]−1,1−ジメチルピペリジニウムヨージド
【化10】

【0084】
アセトン(2mL)中の(2S)−4−[(2’−フルオロ−5’−{[({3−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(95mg,0.14mmol)の溶液へ、ヨードメタン(0.174mL,2.8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間攪拌しておき、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させ、標記化合物を黄色固体(120mg)として得た。LC/MS:m/z,677(M+H),1.50分.
【0085】
実施例41:4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニルトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:1)
【化11】

【0086】
MeOH(2mL)中の4−[(3−{[({6−フルオロ−3’−[((3S)−3−メチル−4−{[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}−1−ピペラジニル)メチル]−3−ビフェニリル}メチル)アミノカルボニル}フェニル)メチル]−1,1−ジメチルピペリジニルヨージド(100mg,0.124mmol)の溶液へ、6Nの水性HCl(2mL)を加えた。混合物をマイクロ波オーブンにて150℃で3分間反応させておいた。減圧下で溶媒を除去した後、残りを、Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜70/30,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(46mg,48%)を得た。LC/MS:m/z,544(M)+,1.27分.
【0087】
実施例42:4−{[3−({[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート−トリフルオロ酢酸(1:1)
【化12】

【0088】
MeOH(5mL)中の4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニルトリフルオロアセタート(118mg,0.19mmol)の溶液へ、ホルムアルデヒド(37%,61mg,0.76mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を30分間攪拌した後、NaBH(15mg,0.38mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌した。減圧下で溶媒を除去した後、残りを、Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜70/30,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(42mg,28%)を得た。LC/MS:m/z,557(M)+,1.38分.
【0089】
調製3
スキーム3に示すように、ジ−第四級塩20は二ヶ所を保護した中間体14から調製できる。アミド14を連続的に、ピペラジン窒素における選択的脱保護、次いで、ホルムアルデヒドでの還元的アミノ化に付し、三級アミン18を得た。ピペリジン部分のtert−ブチルオキシカルボニル基の除去、次いで、ホルムアルデヒドでの還元的アミノ化により、化合物19を得、これを過剰なメチルブロミドと反応させることにより、ジ−第四級塩に変換させた。
【0090】
スキーム3
【化13】

【0091】
条件:a)H,10%のPd/C,rt;b)HCHO;NaBH,MeOH;c)4MのHCl,ジオキサン;d)HCHO;NaBH,MeOH;e)MeBr,アセトン.
【0092】
中間体8:4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化14】

【0093】
メタノール(50mL)中の(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−4−ピペリジニル)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−2−メチル−1−ピペラジンカルボン酸フェニルメチル(1.5g,2.0mmol)および10%のPd/C(450mg)の溶液を、大気圧下にて室温で12時間Hと反応させておいた。溶媒を減圧除去した。得られた残渣を、20gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、次いで、DCM(3×50ml)、EtOAc(3×50mL)およびMeOH(3×50mL)で連続的に溶離させることにより精製した。メタノールフラクションを合わせ、次いで、蒸発させ、標記化合物を淡黄色固体(60mg,35%)として得た。LC/MS:m/z,615(M+H),1.93分.
【0094】
中間体9:4−{[3−({[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル
【化15】

【0095】
MeOH(5mL)中の4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(130mg,0.21mmol)の溶液へ、ホルムアルデヒド(水中37%,69mg,0.85mmol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(16mg,0.42mmol)を加えた。室温でさらに3時間攪拌した後、溶媒を除去して、その残りを、2gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、次いで、DCM(3×5mL)、EtOAc(3×5mL)およびMeOH(3×5mL)で連続的に溶離させることにより精製した。ジクロロメタンおよび酢酸エチルフラクションを合わせ、次いで、蒸発させ、標記化合物(130mg,99%)を得た。LC/MS:m/z,629(M+H),1.97分.
【0096】
中間体10:N−[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−3−(4−ピペリジニルメチル)ベンズアミド
【化16】

【0097】
5mLの1,4−ジオキサン中の4−{[3−({[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペリジンカルボン酸1,1−ジメチルエチル(250mg,0.40mmol)の溶液へ、1,4−ジオキサン(5mL)中の4MのHClを加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。溶媒を除去した後、粗生成物を、Gilson逆相HPLCにて、アセトニトリル/水/0.1%TFA(12分間にわたって、10/90〜70/30,v/v)で溶離させることにより精製し、標記化合物(200mg,95%)を得た。LC/MS:m/z,529(M+H),1.27分.
【0098】
中間体11:N−[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−3−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]ベンズアミド
【化17】

【0099】
3mLのMeOH中のN−[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−3−(4−ピペリジニルメチル)ベンズアミド(165mg,0.313mmol)の溶液へ、ホルムアルデヒド(37%,101mg,1.25mmol)を滴下して加えた。30分間攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(24mg,0.63mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間攪拌した後、溶媒を減圧除去し、次いで、残りを、2gのアミノプロピルSPEカートリッジにロードし、次いで、DCM(3×5mL)、EtOAc(3×5mL)およびMeOH(3×5mL)で連続的に溶離させることにより精製した。DCMフラクションを合わせ、次いで、蒸発させ、標記化合物を白色固体(60mg,35%)として得た。LC/MS:m/z,543(M+H),1.18分.
【0100】
実施例43:(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1,1−ジメチル−4−ピペリジニウムyl)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−1,1,2−トリメチルピペラジン−1−イウム・ジブロミド
【化18】

【0101】
アセトン(0.2mL)中のN−[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−3−[(1−メチル−4−ピペリジニル)メチル]ベンズアミド(15mg,0.028mmol)の溶液へ、メチルブロミド(t−ブチルエーテル中1M,0.3mL,0.6mmol)を加えた。混合物を室温で16時間攪拌し、次いで、溶媒を減圧除去し、標記化合物(20mg,100%)を得た。LC/MS:m/z,286(M/2)+,1.47分.
【0102】
省略形
BOC tert−ブチルオキシカルボニル
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIC 1,3−ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMHB 2,6−ジメトキシ−4−ポリスチレンベンジルオキシ−ベンズアルデヒド
DMSO ジメチルスルホキシド
ESI エレクトロスプレーイオン化
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
MDAP 質量特異的自動分取
mw マイクロ波
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
rt 室温
SPE 固相抽出
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0103】
生物学的実施例
mAChRにおける本発明の化合物の阻害効果を以下のインビトロおよびインビボアッセイにより測定する。
【0104】
カルシウム動員による受容体活性化の阻害分析:
1)384−ウェルFLIPRアッセイ
ヒトMムスカリン性アセチルコリン受容体を安定に発現しているCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞株を、10%のFBS、2mMのグルタミンおよび200ug/mlのG418を加えたDMEM中で成長させる。酵素法もしくはイオンキレート化による方法のいずれかを用いるアッセイに備えて、管理およびプレート用の細胞を剥離する。FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)アッセイの前日、細胞を剥離し、再懸濁し、カウントし、次いで、50ul容量で、384ウェルあたり20,000細胞を与えるようにプレートする。アッセイプレートはブラッククリアーボトムプレート、Becton Dickinsonカタログ番号35 3962である。組織培養インキュベーター中、プレートした細胞を一晩37℃でインキュベートした次の日にアッセイを行う。アッセイを行うために、培地を吸引し、次いで、細胞を1×アッセイバッファー(145mMのNaCl、2.5mMのKCl、10mMのグルコース、10mMのHEPES、1.2mMのMgCl、2.5mMのCaCl、2.5mMのプロベネシド(pH7.4.)で洗浄した。次いで、細胞を50ulのFluo−3色素(アッセイバッファー中、4uM)と一緒に60〜90分間37℃でインキュベートする。カルシウム感受性色素により、細胞は、細胞内カルシウム貯蔵からのカルシウムの放出を介するリガンドに応答する、蛍光における増大を示すことが可能となる。細胞をアッセイバッファーで洗浄し、次いで、50ulのアッセイバッファー中に再懸濁し、次いで、実験に用いる。試験化合物およびアンタゴニストを25ul容量で加え、次いで、37℃で5〜30分間インキュベートする。次いで、今度は、アゴニスト攻撃、アセチルコリンを用いて、各ウェルに2度目の添加を行う。それを、FLIPR装置に、25ul容量で加える。蛍光単位における変化によりカルシウム応答を測定する。阻害剤/アンタゴニストの活性を測定するために、アセチルコリンリガンドをEC80濃度で加え、次いで、用量応答希釈曲線を用いて、アンタゴニストIC50を測定することができる。Mについて用いた対照アンタゴニストはアントロピンである。
【0105】
2)96−ウェルFLIPRアッセイ
既に記載されているように、受容体活性化カルシウム動員をモニタリングすることにより、CHO細胞上で発現されているmAChRの刺激を分析した。96ウェルブラックウォール/クリアーボトムプレート中に、MmAChRを安定に発現しているCHO細胞をプレートした。18〜24時間後、培地を吸引し、次いで、100μlのローディング培地(Earl’s塩,0.1%のRIA−グレードBSA(Sigma,St.Louis MO)および4μMのFluo−3−アセトキシメチルエステル蛍光指示色素(Fluo−3 AM,Molecular Probes,Eugene,OR)を加えたEMEM)と交換し、次いで、37℃で1時間インキュベートした。次いで、色素を含有する培地を吸引し、新鮮な培地(Fluo−3 AMなし)と交換し、次いで、細胞を37℃で10分間インキュベートした。次いで、細胞を3回洗浄し、100μlのアッセイバッファー(0.1%のゼラチン(Sigma)、120mMのNaCl、4.6mMのKCl、1mMのKHPO、25mMのNaHCO、1.0mMのCaCl、1.1mMのMgCl、11mMのグルコース、20mMのHEPES(pH7.4))中、37℃で10分間インキュベートした。50μlの化合物(アッセイ中、1×10−11〜1×10−5M最終)を加え、そのプレートを37℃で10分間インキュベートした。次いで、プレートを蛍光強度プレートリーダー(FLIPR,Molecular Probes)中にセットし、そこで、色素をローディングした細胞を、6ワットのアルゴンレーザーからの励起光(488nm)に曝した。0.1%のBSAを含有するバッファー中で調製した50μlのアセチルコリン(0.1〜10nM最終)を50μl/秒で加えることにより、細胞を活性化した。サイトゾルのカルシウム濃度における変化としてモニタリングされるカルシウム動員を、566nmの発光強度における変化として測定した。発光強度における変化は、サイトゾルのカルシウムレベルに直接関連付けられる。同時に、冷却CCDカメラを用いて、全96ウェルから放出された蛍光を測定する。データポイントを毎秒集める。次いで、GraphPad PRISMソフトウェアを用いて、このデータをプロットし、解析した。
【0106】
メタコリンが誘導する気管支収縮
メタコリンに対する気道応答を、覚醒時、無拘束BalbCマウス(各群、n=6)にて測定した。圧プレスチモグラフィを用いて、メタコリンでの気管支の攻撃の間に生じる気道抵抗の変化と相関関係にあることが分かっている、ポウズの増大(Penh)、すなわち、単位のない尺度を測定した。50μlのビヒクル(10%のDMSO)中の50μlの化合物(0.003−10μg/マウス)を用いてマウスの鼻腔内(i.n.)を予め処置し、次いで、プレスチモグラフィチャンバー内にセットした。そのチャンバー内において、一旦、マウスを10分間平衡状態とし、その後、5分間のベースラインPenh測定を行う。次いで、メタコリン(10mg/ml)のエアロゾルを用いてマウスを2分間攻撃した。メタコリンエアロゾルの攻撃開始から7分間連続してPenhを記録し、その後5分間攻撃を続けた。GraphPad PRISMソフトウェアを用いて、各マウスについてのデータを分析し、かつプロットした。この実験により、投与した化合物の活性持続時間を測定することができる。
【0107】
本化合物は、気道疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎を含むがこれらに限定されない様々な症状を処置するために有用である。
【0108】
処方−投与
従って、本発明はさらに、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理機能誘導体(例えば、塩およびエステル)および医薬上許容される担体または賦形剤および所望により1またはそれ以上の他の治療成分を含む医薬処方を提供する。
【0109】
以後、用語「活性成分」は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは生理機能誘導体を意味する。
【0110】
式(I)の化合物は口または鼻を介して吸入投与され得る。
【0111】
吸入による肺への局所送達のための乾燥粉末組成物は、吸入器または粉末吸入器において用いるために、例えばゼラチンのカプセル剤およびカートリッジまたは例えばラミネートアルミホイルのブリスター中にて提供されてもよい。粉末混合処方は、一般的に、本発明の化合物を吸入するためのパウダーミックスおよび適当な粉末基剤(担体/希釈剤/賦形剤物質)、例えば、モノ−、ジ−またはポリ−サッカライド(例えば、ラクトースまたはデンプン)、有機または無機塩(例えば、塩化カルシウム、リン酸カルシウムまたは塩化ナトリウム)、ポリアルコール(例えば、マンニトール)またはそれらの混合物を含み、別法では、1またはそれ以上のさらなる物質と一緒に、かかる添加物が混合処方中に含まれ、以下に記載のように、処方またはそれらの混合物の化学的および/または生理学的安定性またはパフォーマンスを促進する。ラクトースの使用が好ましい。一般的に各カプセル剤またはカートリッジは、所望により別の治療活性成分と組み合わせて、20μg−10mgの式(I)の化合物を含む。別法では、本発明の化合物は、賦形剤を用いることなく配合されてもよく、または例えば共沈またはコーティングにより、化合物、所望により他の治療活性物質および賦形剤物質を含む粒子中に処方されてもよい。
【0112】
適当には、医薬ディスペンサーは、リザーバードライパウダー吸入器(RDPI)、複数回投与用ドライパウダー吸入器(MDPI)および計量投与吸入器(MDI)からなる群より選択される型である。
【0113】
リザーバードライパウダー吸入器(RDPI)により、乾燥粉末形態の複数の(定量されていない用量の)医薬を含むために適するリザーバー形態のパックを有する吸入器、およびリザーバーからデリバリー位置までの医薬用量を計量するための手段を含む吸入器が意味される。計量手段は、例えば、計量カップまたは穴あきプレートであってもよく、カップがリザーバーからの医薬で充填されてもよい初めの位置から、定量された医薬用量を患者が吸入に利用できる第2の位置を可動する。
【0114】
複数回投与用ドライパウダー吸入器(MDPI)により、乾燥粉末形態の医薬を投与するために適する吸入器が意味され、ここで、医薬は、複数の、定量された用量(またはその部分)の医薬を含む(またはそうでなければ、それをもたらす)複数回投与用パック中に含まれる。好ましい一の態様において、担体はブリスターパックの形態であるが、例えば、カプセル剤ベースのパック形態か、または、その上に薬剤がプリント、ペイントおよび真空密閉を含む任意の適当な方法により塗布されている担体とすることもできる。
【0115】
処方は予め定量され得るか(例えば、ディスカスのように。GB 2242134を参照のこと。またはディスクヘイラーについては、GB 2178965、2129691および2169265を参照のこと)または使用時に定量され得る(例えばタービュヘイラーのように。EP 69715を参照のこと)。単位用量デバイスの例は、ロタヘイラー(GB 2064336を参照のこと)である。吸入デバイス、ディスカスは、間隔を置いた多数のくぼみを有するベースシート、および密閉および剥離可能なリッドシートからなる伸縮性ストリップを含み、多数の容器を特徴としており、各容器は好ましくはラクトースと組み合わさっている式(I)の化合物を含む吸入用処方を有する。好ましくは、ストリップは十分に弾力があり、ロールに巻き取られる。好ましくは、リッドシートおよびベースシートは互いに封着できないリーディングエンド部分をもつが、少なくともそのリーディングエンド部分の1つは、巻き取り手段に付着するように作られている。また好ましくは、ベースおよびリッドシート間の密封はシート全幅に伸びる。好ましくは、リッドシートはベースシートの一方の末端から縦方向にはがされてもよい。
【0116】
一の態様において、複数投与用パックは、乾燥粉末形態の医薬を封じ込めるための複数のブリスターを含むブリスターパックである。典型的に、ブリスターは、そこからの医薬の放出を容易にするために、規則的に並べられる。
【0117】
一の態様において、複数回投与用ブリスターパックは、ディスク型ブリスターパック上に通常円形に並べられた複数のブリスターを含む。別の態様において、複数回投与用ブリスターパックは、例えばストリップまたはテープを含む、伸縮形態である。
【0118】
好ましくは、複数回投与用ブリスターパックは、互いに剥離可能に固定された2つの部材の間で定められる。米国特許第5,860,419号、第5,873,360号および第5,590,645号は、この一般型の医薬パックを記載している。この態様において、通常、デバイスは該2部材を剥離し、各薬剤を封入するための剥離手段を含むオープニングステーションを備えている。適当には、シート全長にわたる多数の薬剤容器を特徴とする、剥離可能部分が伸縮性シートであるデバイスが用いられ、またこのデバイスは各容器に順に番号をつけるインデックス手段を備えている。より好ましくは、シートの一方が多数のくぼみを有するベースシートであり、他方のシートがリッドシートであるデバイスが用いられ、各くぼみおよびリッドシートの隣接部分を1容器と定義する。該デバイスはオープニングステーションでリッドおよびベースシートを引き離す駆動手段を含む。
【0119】
計量投与吸入器(MDI)により、エアロゾル形態の医薬を投与するために適当な医薬ディスペンサーが意味され、ここで、医薬は、噴霧剤ベースのエアロゾル医薬処方を含むために適切なエアロゾル容器中に含まれる。典型的に、エアロゾル容器は、エアロゾル形態の医薬処方を患者へ放出するために、定量バルブ、例えばスライドバルブを備えている。エアロゾル容器は一般的に、予め定量した医薬が1作動でバルブから供給されるように設計されており、該容器は、容器固定時にはバルブを押し、またはバルブ固定時には容器を押すことにより開けられる。
【0120】
吸入による肺への局所送達のためのスプレー組成物は、例えば、水溶液または懸濁液として処方されてもよく、または適当な液状噴霧剤と一緒に、計量投与吸入器のごとき加圧式パックから送達されるエアロゾルとして処方されてもよい。吸入に適するエアロゾル組成物は、懸濁液または溶液であり得、および一般的には、所望により別の治療活性成分および適当な噴霧剤、例えば、フルオロカーボンまたは水素含有クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物、特に、ヒドロフルオロアルカン、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ−フルオロエタン、特に、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合物と組み合わせた、式(I)の化合物を含む。二酸化炭素または他の適当な気体が噴霧剤として用いられてもよい。エアロゾル組成物は賦形剤不含であってもよく、または所望により当業者によく知られているさらなる処方の賦形剤、例えば、オレイン酸またはレシチンなどの界面活性剤、およびエタノールなどの共溶媒を含んでもよい。加圧された処方は、一般的に、バルブ(例えば、定量バルブ)で閉鎖され、およびマウスピースを備えたアクチュエーターに取り付けられたキャニスター中に保持され得る。
【0121】
吸入投与のための医薬は、望ましくは、粒径を制御される。肺への局所送達のための気管支系への吸入のために最適な空気力学的粒径は、通常、1−10μm、好ましくは、2−5μmである。肺への全身投与を成し遂げるための肺胞領域への吸入のために最適な空気力学的粒径は、約0.5−3μm、好ましくは、1−3μmである。末梢気道に到達させるために吸入される場合、20μmよりも大きい空気力学的粒径を有する粒子は、一般的に、大きすぎる。処方の空気力学的粒径の平均は、例えば、カスケードインパクションにより測定されてもよい。幾何学的な粒径の平均は、例えば、レーザー回折、光学的手段により測定されてもよい。
【0122】
所望の粒径を成し遂げるために、生じる活性成分の粒子の大きさを、慣用的な手段、例えば、結晶化制御、微粒子化またはナノミリングにより、減じてもよい。所望のフラクションは、空気分級により分けられてもよい。或いは、所望の大きさの粒子は、例えばスプレー乾燥により直接形成されてもよく、スプレー乾燥のパラメーターを制御して、所望の大きさの範囲の粒子を生じる。好ましくは、粒子は結晶であり得るが、非晶物質も所望により用いられてもよい。ラクトースのごとき賦形剤が用いられる場合、一般的に、賦形剤の粒径は本発明内の吸入用医薬よりもはるかに大きいものであり得、その結果、「粗い」担体は呼吸に適さない。賦形剤がラクトースである場合、それは典型的には、粉砕ラクトースとして配合され得、ここで、ラクトース粒子の多くとも85%が60−90μmのMMDを有し、および少なくとも15%が15μm未満のMMDを有し得る。担体に加えて、乾燥粉末混合物中の添加物質は、呼吸に適する、すなわち、空気力学的には10ミクロン未満であってもよく、または呼吸に適さない、すなわち、空気力学的には10ミクロン以上であってもよい。
【0123】
用いられてもよい適当な添加物質は、アミノ酸、例えば、ロイシン;水可溶性または水不溶性、天然または合成の界面活性剤、例えば、レシチン(例えば、大豆レシチン)および固体脂肪酸(例えば、ラウリン酸、パルミチン酸およびステアリン酸)およびそれらの誘導体(例えば、塩およびエステル);ホスファチジルコリン;糖エステルを含む。添加物質は、着色剤、味のマスキング剤(例えば、サッカリン)、静電防止剤、滑沢剤(例えば、PCT公開番号WO 87/905213を参照のこと。該教示内容は出典明示により本発明の一部となる)、化学安定化剤、バッファー、防腐剤、吸収促進剤および当業者に知られている他の物質を含んでもよい。
【0124】
徐放性コーティング物質(例えば、ステアリン酸またはポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリ乳酸)も、活性物質または活性物質含有粒子上にて用いられてもよい(例えば、米国特許第3,634,582号、独特許第1,230,087号、独特許第1,381,872号を参照のこと。該教示内容は出典明示により本発明の一部となる)。
【0125】
鼻腔内スプレーは、水性または非水性ビヒクルと一緒に、増粘剤、バッファー塩またはpHを調節するための酸もしくはアルカリ、等張化剤または抗酸化剤のごとき物質を添加して、処方されてもよい。
【0126】
ネブライザーによる(nebulation)吸入のための溶液は、水性ビヒクルと一緒に、酸もしくはアルカリ、バッファー塩、等張化剤または抗菌剤のごとき物質を添加して、処方されてもよい。それらは、濾過またはオートクレーブ中での加熱により滅菌されてもよく、或いは非滅菌製品として提供されてもよい。
【0127】
好ましい単位投与処方は、前記したような有効量またはその適切なフラクションの活性成分を含むものである。
【0128】
本明細書中にて引用した、特許および特許出願を含め、全ての文献は、出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。
【0129】
上記記載は、その好ましい実施態様を含め、本発明を十分に開示する。本明細書中にて具体的に開示された実施態様の修飾形および改良形は、添付の特許請求の範囲内である。さらなる記載がなくとも、当業者は上記記載を用いて、本発明を最大限に利用し得るものと考えられる。故に、本明細書中の実施例は単なる例示と解釈されるべきであり、本発明の範囲を限定するものではない。独占的な特性または特権が主張される本発明の実施態様は、添付の特許請求の範囲にて定義の通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下に示す式I:
【化1】

(I)
[式中、
Ar1およびAr2は独立して、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6は、NR7R8または置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の二級窒素、三級窒素または四級アンモニウム窒素を含み、および1個または複数のOまたはSを含んでもよく;
Xは、C(R1)またはC(O)であり;ここで、XがC(R1)の場合にはmは0〜3の整数であり;XがC(O)の場合にはmは1であり;
pは0〜2の整数であり;
iは0〜2の整数であり;
nは0〜3の整数であり;
jは0〜3の整数であり;
Yは、C(O)、S(O)、HNC(O)またはOC(O)であり;ここで、qは1または2であり;
R1、R2およびR9は独立して、水素、置換されていてもよいC−C10アルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよい複素環,置換されていてもよい複素環アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zは、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10アルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3は、NR4R5R10または置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含んでもよく;
は、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10は独立して、置換されていてもよいC1−10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよい複素環および置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を含有していてもよい5〜10員環系を形成し;
R7およびR8は独立して、水素、置換されていてもよいC1−10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよい複素環および置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR7およびR8はそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を含有していてもよい5〜7員環を形成する]
の化合物またはその任意の他の医薬上許容される塩。
【請求項2】
Ar1およびAr2が独立して、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6が、置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は1個または複数の二級窒素、三級窒素または四級アンモニウム窒素を含み;
XがC(R1)であり;
pが2であり;
mが0〜3の整数であり;
iが2であり;
nが1〜3の整数であり;
jが0〜3の整数であり;
Yが、C(O)またはS(O)であり;ここで、qは1または2であり;
R1が水素であり;
R9が水素であり;
R2が、水素、置換されていてもよいC−C10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよい複素環、置換されていてもよい複素環アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zが、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3がNR4R5R10または置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含んでいてもよく;
が、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10が独立して、置換されていてもよいC1−10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよい複素環および置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を含有していてもよい5〜10員環系を形成する:
化合物からなる群より選択される請求項1記載の化合物またはその他の医薬上許容される塩。
【請求項3】
Ar1およびAr2が独立して、置換されていてもよいフェニルおよび置換されていてもよい単環ヘテロアリールからなる群より選択され;
R6が、置換されていてもよい飽和または部分不飽和の5〜8員環系であり、ここで、1個または複数の環は1個または複数の二級または三級窒素を含み;
XがC(R1)であり;
pが2であり;
mが1であり;
iが2であり;
nが1であり;
jが1または0であり;
Yが、C(O)またはS(O)であり;ここで、qは1または2であり;
R1が水素であり;
R9が水素であり;
R2が、水素、置換されていてもよいC−C10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよい複素環、置換されていてもよい複素環アルキル、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
Zが、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいフェニルアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群より選択され;
R3が、NR4R5R10または置換されていてもよい飽和または部分不飽和の4〜10員環系であり、ここで、1個または複数の環は、1個または複数の四級アンモニウム窒素を含み、および1個または複数の二級または三級窒素、OまたはSを含んでもよく;
が、I、Br、Cl、F、CFCOO、メシラートおよびトシラートからなる群より選択される医薬上許容されるカウンターイオンであり;
R4、R5およびR10が独立して、置換されていてもよいC1−10アルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキル、置換されていてもよいC−C10シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよい複素環および置換されていてもよい複素環アルキルからなる群より選択されるか;或いはR4、R5およびR10の任意の2または3つはそれらが結合している窒素と一緒になって、O、NおよびSから選択されるさらなる1個のヘテロ原子を含有していてもよい5〜10員環系を形成する:
化合物からなる群より選択される請求項1記載の化合物またはその他の医薬上許容される塩。
【請求項4】
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−({3−[({[6−フルオロ−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−[(3−{[({3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−フルオロ−3−ビフェニリル}メチル)アミノ]カルボニル}フェニル)メチル]−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1,1−ジメチル−4−({3−[({[6−(メチルオキシ)−3’−(1−ピペラジニルメチル)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1,1−ジメチル−4−{[3−({[(6−(メチルオキシ)−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−({3−[({[3’−[(1S,4S)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルメチル]−6−(メチルオキシ)−3−ビフェニリル]メチル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチル)−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
(1S,4S)−2−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2−メチル−5−アザ−2−アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−(3−ヒドロキシプロピル)−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
(2R5S)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1,2,5−テトラメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[3−(メチルオキシ)プロピル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−3−アザ−6−アゾニアスピロ[5.6]ドデカントリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[(2E)−3−フェニル−2−プロペン−1−イル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−プロピルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
2−(アミノカルボニル)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−(フェニルメチル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−3−アザ−6−アゾニアスピロ[5.5]ウンデカン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−[2−(フェニルオキシ)エチル]ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−エチル−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチル−1−(2−プロペン−1−イル)ピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
(1S,4S)−5−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2,2−ジメチル−5−アザ−2−アゾニアビシクロ[2.2.1]ヘプタン・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1,2−トリメチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−(3−シアノプロピル)−4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,4−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
4−[2−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)エチル]−4−メチルモルホリン−4−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:4);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−ホルミル−1−メチルピペラジン−1−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:3);
1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−メチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−メチルモルホリン−4−イウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]−N,N,N−トリメチルメタンアミニウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
N−エチル−N−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−N−メチルエタンアミニウムトリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:2);
1−[2−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)エチル]−1−メチルピロリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−1,1−ジメチルピロリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
2−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−(4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1−ピペラジニル)−1,1−ジメチルピペリジニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:4);
2−(1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−4−ピペリジニル)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
7−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチル−7−アザ−1−アゾニアスピロ[4.4]ノナン・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
(1−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−2−ピペリジニル)−N,N,N−トリメチルメタンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
3−[{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウム・ヨージド・トリフルオロ酢酸(1:3);
4−{[3−({[(6−フルオロ−3’−{[(3S)−3−メチル−1−ピペラジニル]メチル}−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:1);
(2S)−4−[(5’−{[({3−[(1,1−ジメチル−4−ピペリジニウムyl)メチル]フェニル}カルボニル)アミノ]メチル}−2’−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]−1,1,2−トリメチルピペラジン−1−イウム・ジブロミド;および
4−{[3−({[(3’−{[(3S)−3,4−ジメチル−1−ピペラジニル]メチル}−6−フルオロ−3−ビフェニリル)メチル]アミノ}カルボニル)フェニル]メチル}−1,1−ジメチルピペリジニウム・トリフルオロアセタート・トリフルオロ酢酸(1:1);
からなる群より選択される請求項1記載の化合物またはその他の医薬上許容される塩。
【請求項5】
ムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の処置のための、請求項1記載の化合物およびその医薬上許容される担体を含有する、医薬組成物。
【請求項6】
その必要のある哺乳類においてアセチルコリンとその受容体の結合を阻害する方法であって、安全かつ有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項7】
アセチルコリンがその受容体に結合する、ムスカリン性アセチルコリン受容体介在疾患の処置方法であって、安全かつ有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項8】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、喘息、慢性呼吸閉塞、肺線維症、肺気腫およびアレルギー性鼻炎からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
口または鼻を介して吸入投与される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
リザーバードライパウダー吸入器、複数回投与用ドライパウダー吸入器または計量投与吸入器から選択される医薬ディスペンサーにより投与される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
化合物がヒトに投与され、および12時間以上の作用持続時間を有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
化合物が24時間以上の作用持続時間を有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
化合物が36時間以上の作用持続時間を有する、請求項12記載の方法。

【公表番号】特表2008−520573(P2008−520573A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541413(P2007−541413)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/041230
【国際公開番号】WO2006/055503
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】