方向転換されたカーボンナノチューブで作られた相互接続構造
本発明は、少なくとも2つの異なる方向に沿って伸びる電気接続を含む電子デバイスであって、前記接続は本質的にカーボンナノチューブの束(CNT)(8)を用いて形成され、少なくとも2つのCNT束は、第1方向に沿った軸を有する部分(8a)と、第2方向に沿って方向転換された軸を有する部分(8b)とを含み、前記CNT束間の接続は前記少なくとも2つの束の一部分(8b)の重なりによって達成され、接続ライン(4)を形成する、電子デバイスに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンナノチューブ(CNT)を用いて形成された電気接続部を含む電子デバイスに関する。本開示はまた、このような接続部を形成するための方法に関する。
【0002】
本発明は特に、熱的、電気的、および機械的コネクタに対する用途を有する。
【背景技術】
【0003】
貫通ビアまたはチップ相互接続部を作るためのカーボンナノチューブ(CNT)またはCNT束の使用は、既に提供されており、特に銅の使用に対する補完物またはさらには代替物を提供する。確かに後者は、微小なサイズに関連するときには適していない。CNTはさらに、低い電気抵抗などの必要な特性を有し、異なるチップレベル間の最適な電気伝導率を提供することを可能にする。
【0004】
ビアは、導電プレート間の接続を作り出すことができるキャビティである。プレート上に形成された電気ラインは、ビア間の接続を作り出す。導電プレートは、アルミニウムなどの金属で作られ、その中に埋め込まれたビアを形成するキャビティを有する絶縁層によって分けられる。
【0005】
電子デバイスの小型化は、電流密度が高くなりすぎるときに銅がエレクトロマイグレーションによる困難性をもたらすため、銅の使用を非常に厄介にする。銅線およびビアから形成されたアーキテクチャは故に、22ナノメートル付近の解像度(resolution)を有する集積回路において、それらの制限を示す。
【0006】
図1および2に示すように、導電性トラック間の接続を確保するためのCNTの使用が、銅またはタングステンビアをCNTで置き換えることによって提供されている(Katagiri et al., Interconnect Technology Conference, 2009. IEEE International 1-3 June 2009, pp. 44- 46;Yokoyama et al. Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 47, No 4, 2008, pp. 1985-1990)。しかしながら、この方法は完全に銅を排除することができず、ビア間の接続は銅ラインによって常に確保されている。エレクトロマイグレーションに関する問題は故に、完全に抑えられない。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0042287号には、接続が少なくとも部分的にCNT束によって確保されている電子デバイスが記載されている。ビアは、導電材料の層で覆われており、その上には別のCNT束が堆積され、ラインの方向に沿って方向付けされることができる。しかしながら、ビアおよびラインは、同一のCNT束で形成されていない。
【0008】
米国特許出願公開第2006/0212974号には、ビア内部で準備され、次いで2つの異なるレベルの2つの導電層を接続するための別の方向に沿って方向転換されたCNT束を含む電子デバイスが開示されている。そこには、ビア間の接続がない。
【0009】
中国特許第101562148号は、導電層上にCNT溶液を堆積することによって垂直なCNT接続を作り出すための方法に関する。このデバイスでは、異なるレベルの2つの導電層が、CNT束を用いて接続される。
【0010】
別の技術は、CNTビアと同一の概念をベースとしているが、CNTの方向を変化するために金属ブロックを用いることを含み、故に水平線を形成する(図3)。しかしながら、触媒の堆積および金属ブロックの2つの面における2つの直角に交わる方向に沿ったCNT成長を制御することは難しい(図4)。この技術の別の欠点は、導通を確保するために、多くのCNT−金属界面が繰り返して交差することである。
【0011】
米国特許出願公開第2009/0294966号には、2つの導電層間の電気接続を確保する垂直CNTビアだけでなく、ビア間の電気接続を提供する水平CNTラインもまた記載されている。これは、2つの異なる方向に沿って方向付けられた2つの分離した束を含む。ビアに由来するCNT束は、ラインを形成できない。
【0012】
これらの異なるアプローチは、徐々に小さくなるキャビティ内でのCNT成長の制御、故にCNT束密度の問題の発生を暗示する。確かに、それらの特性およびそれらの方向の均一性と同様に、CNT密度の制御は、ナノエレクトロニクスにおいて良好な電気接続を提供するのに主に重要である。高いCNT密度は、故に必須である。
【0013】
Hataおよび同僚(Hayamizu et al., Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294)は近年、散在しているCNTのフィルムをアルコール溶液に浸すことによって得ることができる組織化および緻密化効果を明らかにした。確かに、CNTフィルムがその表面と直角に交わるアルコールバスに浸され、次いで乾燥されるとき、CNTは凝集し整列する。液体の表面張力および強いファンデルワールス相互作用により、CNTはグラファイトに近い構造を達成する。CNTの解離は、緻密化後に観察されない。しかしながら、Hataは同一の方向に沿って方向付けられたCNTで形成された構造を得ただけであり、そのことは故に可能な用途を制限する。
【0014】
本発明は特に、金属の使用を排除することができ、単純な製造プロセスで実施できる技術的解決策に対する探索に由来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0042287号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0212974号
【特許文献3】中国特許第101562148号
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0294966号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Katagiri et al., Interconnect Technology Conference, 2009. IEEE International 1-3 June 2009, pp. 44- 46
【非特許文献2】Yokoyama et al. Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 47, No 4, 2008, pp. 1985-1990
【非特許文献3】Hayamizu et al., Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って本発明は、金属の使用を排除でき、プレート間の接続を確保するか、またはCNT束の方向の変化を確保する、カーボンナノチューブ(CNT)の成長および方向転換(redirection)に基づく新規なアーキテクチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一般的に、本発明は、第1方向に沿って方向付けられ、ビアと呼ばれるキャビティに含まれるカーボンナノチューブ(CNT)の束とともに、電子デバイスに電気接続を形成する段階を含む。このようなCNT束は、同様に第2方向に沿ったCNT束で形成されたラインによって横方向に相互接続される。
【0019】
詳細な説明の残りの部分では、“ビア”および“ライン”との用語はそれぞれ、キャビティまたはビアに含まれるCNT束および代表的な接続ラインを指定するために使用される。
【0020】
典型的に、本発明による電子デバイスは、絶縁体層(シリカまたは低誘電率(low-K)マイクロエレクトロニクス材料)で覆われた(例えば、アルミニウムから成る)導電プレートから特に成る一連の構造を含む。ラインによって相互接続されたキャビティは、絶縁ブロックに埋め込まれ、プレート(ビア)間またはビア(ライン)間の相互接続を作り出す。
【0021】
より具体的には、本発明は、少なくとも2つの異なる方向に沿って伸びる電気接続を含む電子デバイスに関する。典型的に、前記接続は本質的に、カーボンナノチューブ(CNT)の束を用いて形成され、少なくとも2つのCNT束は、第1方向に沿って方向付けられた軸を有する部分と、第2方向に沿って方向転換された軸を有する部分とを含む。さらに、CNT束間の接続は、前記少なくとも2つのCNT束の一部が重なることによって達成され、接続ラインを形成する。
【0022】
電気接続を形成する少なくとも2つの束は曲がっており、CNT束の一領域は第1方向に沿っていて、別の領域は第2の異なる方向に沿っている。
【0023】
本発明の電気接続システムは、少なくとも2つの方向、有利に垂直および水平方向における接続を形成することができるが、具体的に水平面における2つの異なる接続の場合には、2つを超える方向、特に3方向において接続を作り出すためにも使用され得ることに、留意すべきである。
【0024】
本発明によると、電気接続は主に、CNT束または房(bunches)を用いて形成され、つまり、大量の凝集されたカーボンナノチューブは、実質的に平行な成長軸を有する。“本質的に(essentially)”との用語は、電気接続がただCNTによって確保され得るだけであり、故に、金属ラインまたはブロック以外は依然として従来技術のケースである、ということを示す。しかしながら、以下に記載するように、束間の電気接触は、さらに金属の堆積を実施することによって改善され得る。
【0025】
実際に、このような電気接続は、以下の方法:
−第1方向に沿って少なくとも1つのCNT束を成長させる段階
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿ってCNT束の一部分を方向転換する段階
を実施することによって作り出される。
【0026】
典型的に、本発明による電子デバイス内で、少なくとも2つの方向における電気接続を作り出す方法は、
−前記デバイスのキャビティで、第1方向に沿って少なくとも2つのCNT束を成長させる段階
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って前記2つのCNT束の一部分を方向転換し、接続ラインを形成する段階
を含む。
【0027】
このデバイスの形成段階は故に、従来技術で試されテストされた技術によって、特に鉄などの触媒を用いて、キャビティ内で第1方向に沿ってCNT束を制御して成長させる段階を含む。
【0028】
典型的に、CNT束の成長は、前記束がビアよりも少なくとも大きい高さを有するときに停止される。これらのCNT束の一部分は次いで、有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って方向転換される。
【0029】
CNT束の方向転換は、Hayamizuらの文献(Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294)に記載された技術によって実施され得る。実際に、それは、イソプロピルアルコール溶液にCNTを浸す段階と、グルーブの方向と平行にそれらを引き出す段階とを含み、前記グルーブは液体のメニスカスと直角に交わる。この操作はまた、CNT束の密度を高くすることができる。
【0030】
特権を有する実施形態によると、第2方向に沿って方向転換されたCNT束の一部分は、第1方向に沿ったCNT束の一部分と実質的に直角に交わる。
【0031】
典型的に、第1方向は実質的に垂直である。有利に、第1方向に沿ったCNT束の一部分は、電子デバイスのビアを形成する。
【0032】
優先的に、第2方向は実質的に水平である。有利に、第2方向に沿ったCNT束の一部分は、電子デバイスの接続ラインを形成する。
【0033】
特権を有する実施形態では、ビアおよびラインは故に、実質的に直角に交わる。
【0034】
ビア間の接続を形成するために、具体的に、本発明による電子デバイスは優先的に、第2方向に沿ってそれらの一部分を有する少なくとも2つのCNT束を含み、それは実質的に水平であり得、接続ラインを形成する。そのラインは有利に、第2方向に沿ったCNT束の一部分が重なることによって、つまり、束の端の連続的な重ね合わせによって形成される。
【0035】
この実施形態は、以下の方法:
−有利にはビア内で、第1方向に沿った複数の平行なCNT束を成長させる段階
−第2方向に沿ってCNT束の一部分を方向転換させる段階
−有利には重なることによって、第2方向に沿ったCNT束の一部分を接続し、接続ラインを形成する段階
によって実施される。
【0036】
重なりは実際には、CNT束の上の部分を平らにすることによって、故に、好ましくは実質的に垂直である第1方向において、キャビティに含まれるCNT束の一部分のみをそのままにすることによって得られる。有利には、第2方向、つまり重なりの方向は、接続ラインを含むために事前に絶縁ブロックに埋め込まれたグルーブの方向である。
【0037】
特定の実施形態によると、本発明のデバイスはさらに、金属層を含む。有利に、それは第2方向に沿った少なくともCNT束の一部分を覆い、より有利には依然として接続ラインである。
【0038】
この金属層は、
−カプセル化のためのデバイスの表面の均一化、または上部接続レベルを形成するための支持体としての使用を可能にし得る。後者の場合、有利には例えばアルミニウムなどの金属材料を堆積することができ、第2のCNTレベルの成長を促進することができる。
−ビア間の接続の促進を可能にし得る。
【0039】
この金属層は、当業者に既知の任意の適合された技術を用いて堆積される。
【0040】
別の実施形態によると、電子デバイスはさらに、第2方向におけるその一部分のレベルで、デバイスの少なくとも1つのCNT束と横方向に接続された別のCNT束を含むことができ、ラインを形成する。この他のCNT束は、ビアに由来する束との接続、場合によっては幾つかのビア間の接続を確保する。接続は、前に記載したように、第2方向に沿って直接、または第2方向に沿ったその方向転換の後の何れかにおいて、この他のCNT束の成長後に達成される。
【0041】
優先的に、他のCNT束は、少なくとも2つのCNT束と横方向で接続され、ビア間の接続を確保する。
【0042】
選択された操作モードによると、ビアまたは接続ラインの何れかを形成するCNT束の成長は、同時にまたは別々に起こり得る。
【0043】
有利に、他のCNT束の成長は、キャビティ内ではなくグルーブ内で実施される。他のCNT束は故に、導電プレートと直接接触することができないが、それは、それが絶縁ブロックによってそれから物理的に分離されているからである。第2方向に沿ったこの他のCNT束の方向転換は、グルーブで実施され得る。
【0044】
この特定の実施形態では、CNT束間の横方向の接続は有利に、金属層の堆積によって達成される。実際に、それは2つのタイプのCNT束の界面に位置する:第2方向の沿ったその一部分のレベルにおける少なくとも1つのCNT束はビアに由来し、他の束はラインを形成する。この層は有利に、以下の群から選択されるいわゆる接触金属を用いて形成される:パラジウム、銅、金、またはチタン。故に、接触金属は、ビアに由来するCNT束と接続ラインを形成するCNT束との間の接続を確保する。
【0045】
本発明との関連で、所定の成長領域にCNTを位置するために、
−プレート全体に成長触媒を堆積し、次いでそれを(エッチング、研磨などによって)規定されていない領域から除去するか、または
−Dijonらの文献(Diam. Relat. Mater., 2009, doi:10.1016/j.diamond.2009.11.017)に記載されているように、規定されていない領域にTiNを堆積し、次いでウエハ全体に触媒を堆積するか
の何れかを実施し得る。
【0046】
好ましい実施形態によると、本発明による電子デバイス内で少なくとも2つの方向において電気接続を作り出す方法は、第2方向に沿ったCNT束の一部分上に少なくとも1つの金属層を堆積する段階をさらに含む。
【0047】
それはまた、第2方向に沿った一部分のレベルにおいて、少なくとも1つのCNT束の横方向の接続を目的とする別のCNT束を成長させ、場合によっては第2方向に沿って方向転換させ、接続ラインを形成する段階を含むことができる。この特定のケースでは、その方法は場合によっては、他のCNT束上での金属層の堆積段階を含むことができる。
【0048】
さらに、本発明によるデバイスを形成する方法は、CNTが成長すべきでない領域にTiNを堆積する少なくとも1つの段階を含むことができる。
【0049】
本発明による電子デバイスでは、電流はカーボンナノチューブを介して本質的に流れるように見え、故にエレクトロマイグレーション問題を大幅に減少させる。さらに、このようなデバイスを形成する方法は、比較的試されテストされた技術で実行される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
発明の前述のおよび他の特徴および利点は、添付の図面と関連する以下の実施形態の以下の非限定的な説明に記載される。
【0051】
【図1】従来技術のULSI(“超巨大規模集積回路(Ultra Large Scale Integration)”)相互接続におけるカーボンナノチューブ(CNT)の統合を示す略図である。
【図2】従来技術、つまり、ビアにおけるカーボンナノチューブ(CNT)の成長が銅ケーブルとの接続を作り出す技術を示す略図である。
【図3】金属接触ブロックを暗示する従来技術であるライン/ビアの相互接続システムの3次元の顕微鏡サイズの図面である。
【図4】金属接触ブロックを暗示する従来技術であるライン/ビアの相互接続システムの略図である。
【図5A】ビアに由来する方向転換されたCNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスの略図である。矢印は電流の流れを示し、円は交差する界面を示す。
【図5B】別々のCNT間の接続による、本発明による相互接続デバイスの略図である。矢印は電流の流れを示し、円は交差する界面を示す。
【図6A】本発明による相互接続デバイスの略図であり、そこでCNT束間の接触は、金属を用いて改善されている。
【図6B】本発明による相互接続デバイスの略図であり、そこでCNT束間の接触は、金属を用いて改善されている。
【図7A】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7B】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7C】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7D】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図8A】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8B】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8C】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8D】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8E】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8F】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8G】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブ方向と平行な図面である。
【図8H】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブ方向と平行な図面である。
【図9】図9D’〜図9G’は、ビアおよびラインの成長が同時に起こる、本発明による代替的な相互接続デバイスを形成する方法を示す略図である。
【図10】図10H’〜図10M’は、ビアおよびラインの成長が独立に起こり、接触金属が挿入される、本発明による代替的な相互接続デバイスを形成する方法を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に記載される異なる実施形態は、垂直および水平相互接続の両方を必要とする、故に2つの異なる直角に交わる方向における電子デバイスに関する。これらの接続は全て、カーボンナノチューブ(CNT)を用いて形成される:
−垂直接続は、絶縁材料層で形成されるビア内に成長する垂直CNT束によって形成され;
−水平接続はまた、CNTによって確保され、接続ラインを形成する。それらは、ビアに由来する束の重なりによって生じることがあり、前記束は方向転換されているか(第1実施形態;図5A)、またはビアに由来する束と横方向に接触する独立の束の成長によって生じ、前記束は方向転換されている(第2実施形態;図5B)。
【0053】
特定の実施形態によると、金属層2、10はまた、特にCNT束の部分8b(図6Aおよび図6B)においてCNT束と接触する。
【0054】
このような層は有利に、
−例えばPdまたはTiで作られ、故にCNTの接触を改善する層10;および/または
−例えばAlで作られ、新規のCNTレベル、故に新規の相互接続レベルの成長を可能にする層2;
から形成され得る。
【0055】
代わりにそれは、2つのタイプの層10および2に関連する二層であり得る。
【0056】
[I/本発明の第1実施形態]
既に述べたように、垂直CNT束の重なりによるこの第1実施形態が、図5Aおよび6Aにそれぞれ示される。
【0057】
より具体的には、その形成方法が図8に示される。段階AからFは、概略的に端面図で、つまりグルーブ3と直角に交わって示され、図8Gおよび8Hは、グルーブ3の方向に水平な図面に対応することに、留意すべきである。
【0058】
<A/ベース構造の形成>
シリカまたはマイクロエレクトロニクスの低誘電率(low-K)材料で作られる絶縁層1が、導電層2に堆積される。導体2は典型的には、アルミニウムである。
【0059】
<B/グルーブのエッチング>
絶縁体1内に、将来のライン4となるグルーブ3が、従来のリソグラフィ方法によって形成される。
【0060】
<C/TiN堆積>
略50ナノメートルの厚さを有するTiN層5が、可能ならば等角堆積方法を用いて、グルーブ3に堆積される。TiNは、ここでは鉄である触媒6がTiNに堆積されるとき、カーボンナノチューブの成長を抑制する作用を有する。
【0061】
<D/ビアの開口>
ビア7がグルーブ3内に開口され、絶縁体1を通り抜けるエッチングは導体2で止まる。
【0062】
<E/触媒の堆積>
触媒6の堆積は、常温で実施される。それは典型的に、1ナノメートルの鉄の層であり、蒸発またはイオンビームスパッタリングによって堆積される。堆積は、側面の被覆を最小化するために、垂直入射で実施される。
【0063】
<F/選択的なナノチューブの成長>
従来的には、カーボンナノチューブ(CNT)8は、室温で形成されたRF空気プラズマを用いて鉄を前もって酸化した後、600°Cで、C2H2+H2+He混合物(10sccm、50sccm、50sccm)を用いて成長される。プラズマ条件は以下の通りである:
−P=0.3Torr;
−30分間わたり、70−W power
【0064】
本方法は、鉄がTiN5上に堆積される場合を除き、鉄6上でのナノチューブ8の成長を可能にする。この場合には、成長はない。
【0065】
600℃での成長の間の圧力は、1Torrである。反応性ガスは、コールドプラズマ後に導入され、温度の上昇は、15分以内に、0.3-Torrの圧力で実施される。
【0066】
ナノチューブ8の高さは、成長時間で規定される。
【0067】
<G/ナノチューブの方向転換>
成長の後、デバイスはイソプロピルアルコールに浸され、グルーブ3の方向と直角に交わる方向に引き出される:液体のメニスカスは、グルーブ3に垂直である。グルーブのチューブを通って流れる液体は、ビア7に由来するチューブ8を平らにする。チューブは、この操作後に高く緻密化される。さらに、チューブ8は、2つの異なる部分:
−ビア7と平行な軸を有する部分8a、および
−グルーブ3と平行な軸を有する部分8b
を有する。
【0068】
異なるビア7に由来するナノチューブ束8は、こうしてグルーブ3内で平らにされ、接触し始める。異なるビア7に由来する少なくとも2つのナノチューブ束の重なりによって、こうしてライン接続4を形成することができる。
【0069】
この段階の終わりに、図5Aに示すような相互接続システムが得られる。ライン4は、ビア7に由来するナノチューブ束8bの重なりによって形成される。この実施形態では、ライン抵抗Rは、ナノチューブ抵抗に加えられた一連の界面抵抗で形成される。
【0070】
しかしながら、後続の段階(図8H)において、構造を平坦化し、次のレベル(カプセル化)でその操作(相互接続の創作)を繰り返すことが出来るように、ライン4の表面で、再びアルミニウムで金属の堆積2を実施することが推奨され得る。この段階の終わりに、図6Aに示すような相互接続システムが得られる。
【0071】
[II/本発明の第2実施形態]
この第2実施形態は、図5B、6B、7、9および10に示される。
【0072】
図5Bは、1つの界面抵抗しか残っていないため、ライン抵抗が第1実施形態よりも低いという事実を示す。
【0073】
図7は、実質的に直角に交わる相互接続部、それぞれビア7およびライン4が、有利には同時に形成された少なくとも2つの異なるナノチューブ束に由来する、この第2実施形態の原理を示す図面である。左側の図面が断面図を示し、右側の図面が上面図を示すことに、留意すべきである。
【0074】
さらに、ライン4およびビア7からナノチューブ8および8’が同時に成長することを暗示する実施形態が図9に示され、それは図8に由来する。
【0075】
段階AからCは、図8のそれと同様である。
【0076】
しかしながら、ビア7の開口の前に、追加の段階が実施される(図9D’):TiN5の開口9がグルーブ3に形成され、触媒6の堆積後に、この領域でカーボンナノチューブ8’の成長が得られる。これは、ラインの成長領域9のアレンジに対応する。
【0077】
次の段階は、樹脂層で開口9を保護した後に、ビア7を開口する段階を含む(図9E’)。
【0078】
触媒6の堆積後(図9F’)および成長段階の間(図9G’)、チューブ8および8’がそれぞれ、ビア7で成長し、成長領域9においてラインレベルで形成される。CNT8および8’に由来する束は、触媒の厚さを変えることで、かつビアおよびラインでのプラズマ条件を変えることで、異なる長さで提供され得る。
【0079】
ビア7および成長領域9のそれぞれに由来する2つのナノチューブ束(8,8’)の方向転換の後、得られた相互接続システムは、図5Bに示されるものに対応する。ビア7に由来しないナノチューブ束8’を用いて接続ライン4が形成されることが観察できる。
【0080】
図10は図8に由来するが、その実施形態では、ナノチューブ8および8’の成長はライン4およびビア7から別々に実施され、界面金属10が(それぞれ、ビア8bのCNTとライン8’のCNTとの間の)2つのナノチューブ束の間に挿入される。
【0081】
その方法は、図8の段階A〜Gで始まる。
【0082】
しかしながら、段階Hの代わりに、図10の段階H’からM’が実施される。
【0083】
<H’/接触金属の堆積>
ビア7に由来するナノチューブ8(8a、8b)の方向転換の後、パラジウム、銅、金、またはチタンなどの接触金属10が堆積される。
【0084】
<I’/接触金属の開口>
接触金属10は次いで、グルーブ3の終端から絶縁体1まで、エッチングによって開口される。ライン4に由来する将来のナノチューブ8’の成長領域 9 は、こうして形成される。
【0085】
<J’/触媒の堆積>
触媒は、蒸発またはスパッタリングによって堆積される。
【0086】
<K’/接触金属の平坦化>
デバイスは、触媒6を成長領域9に保持しながら、接触金属10上への触媒の堆積6を抑えるために、CMP(“化学機械研磨(Chemical and Mechanical Polishing)”)によって平坦化される。
【0087】
<L’/第2ナノチューブの成長>
図8の段階Fと同じ条件での第2の成長が実施される。成長領域9に由来し、ライン4を形成することを目的とするナノチューブ束8’は、こうして得られる。
【0088】
<M’/ラインの方向転換>
成長の後、ナノチューブ束は、図8の段階Gと同じ方法で方向転換される。ビア7に由来するナノチューブ8を有するコンタクトビア金属10における接続ライン4は、こうして得られる。
【0089】
このようなプロセスの終わりに、図6Bに示すような相互接続システムが得られる。
【符号の説明】
【0090】
1 絶縁層
2、10 金属層
3 グルーブ
5 TiN
6 触媒
7 ビア
8、8a、8b、8’ ナノチューブ
9 開口
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーボンナノチューブ(CNT)を用いて形成された電気接続部を含む電子デバイスに関する。本開示はまた、このような接続部を形成するための方法に関する。
【0002】
本発明は特に、熱的、電気的、および機械的コネクタに対する用途を有する。
【背景技術】
【0003】
貫通ビアまたはチップ相互接続部を作るためのカーボンナノチューブ(CNT)またはCNT束の使用は、既に提供されており、特に銅の使用に対する補完物またはさらには代替物を提供する。確かに後者は、微小なサイズに関連するときには適していない。CNTはさらに、低い電気抵抗などの必要な特性を有し、異なるチップレベル間の最適な電気伝導率を提供することを可能にする。
【0004】
ビアは、導電プレート間の接続を作り出すことができるキャビティである。プレート上に形成された電気ラインは、ビア間の接続を作り出す。導電プレートは、アルミニウムなどの金属で作られ、その中に埋め込まれたビアを形成するキャビティを有する絶縁層によって分けられる。
【0005】
電子デバイスの小型化は、電流密度が高くなりすぎるときに銅がエレクトロマイグレーションによる困難性をもたらすため、銅の使用を非常に厄介にする。銅線およびビアから形成されたアーキテクチャは故に、22ナノメートル付近の解像度(resolution)を有する集積回路において、それらの制限を示す。
【0006】
図1および2に示すように、導電性トラック間の接続を確保するためのCNTの使用が、銅またはタングステンビアをCNTで置き換えることによって提供されている(Katagiri et al., Interconnect Technology Conference, 2009. IEEE International 1-3 June 2009, pp. 44- 46;Yokoyama et al. Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 47, No 4, 2008, pp. 1985-1990)。しかしながら、この方法は完全に銅を排除することができず、ビア間の接続は銅ラインによって常に確保されている。エレクトロマイグレーションに関する問題は故に、完全に抑えられない。
【0007】
米国特許出願公開第2008/0042287号には、接続が少なくとも部分的にCNT束によって確保されている電子デバイスが記載されている。ビアは、導電材料の層で覆われており、その上には別のCNT束が堆積され、ラインの方向に沿って方向付けされることができる。しかしながら、ビアおよびラインは、同一のCNT束で形成されていない。
【0008】
米国特許出願公開第2006/0212974号には、ビア内部で準備され、次いで2つの異なるレベルの2つの導電層を接続するための別の方向に沿って方向転換されたCNT束を含む電子デバイスが開示されている。そこには、ビア間の接続がない。
【0009】
中国特許第101562148号は、導電層上にCNT溶液を堆積することによって垂直なCNT接続を作り出すための方法に関する。このデバイスでは、異なるレベルの2つの導電層が、CNT束を用いて接続される。
【0010】
別の技術は、CNTビアと同一の概念をベースとしているが、CNTの方向を変化するために金属ブロックを用いることを含み、故に水平線を形成する(図3)。しかしながら、触媒の堆積および金属ブロックの2つの面における2つの直角に交わる方向に沿ったCNT成長を制御することは難しい(図4)。この技術の別の欠点は、導通を確保するために、多くのCNT−金属界面が繰り返して交差することである。
【0011】
米国特許出願公開第2009/0294966号には、2つの導電層間の電気接続を確保する垂直CNTビアだけでなく、ビア間の電気接続を提供する水平CNTラインもまた記載されている。これは、2つの異なる方向に沿って方向付けられた2つの分離した束を含む。ビアに由来するCNT束は、ラインを形成できない。
【0012】
これらの異なるアプローチは、徐々に小さくなるキャビティ内でのCNT成長の制御、故にCNT束密度の問題の発生を暗示する。確かに、それらの特性およびそれらの方向の均一性と同様に、CNT密度の制御は、ナノエレクトロニクスにおいて良好な電気接続を提供するのに主に重要である。高いCNT密度は、故に必須である。
【0013】
Hataおよび同僚(Hayamizu et al., Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294)は近年、散在しているCNTのフィルムをアルコール溶液に浸すことによって得ることができる組織化および緻密化効果を明らかにした。確かに、CNTフィルムがその表面と直角に交わるアルコールバスに浸され、次いで乾燥されるとき、CNTは凝集し整列する。液体の表面張力および強いファンデルワールス相互作用により、CNTはグラファイトに近い構造を達成する。CNTの解離は、緻密化後に観察されない。しかしながら、Hataは同一の方向に沿って方向付けられたCNTで形成された構造を得ただけであり、そのことは故に可能な用途を制限する。
【0014】
本発明は特に、金属の使用を排除することができ、単純な製造プロセスで実施できる技術的解決策に対する探索に由来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0042287号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0212974号
【特許文献3】中国特許第101562148号
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0294966号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Katagiri et al., Interconnect Technology Conference, 2009. IEEE International 1-3 June 2009, pp. 44- 46
【非特許文献2】Yokoyama et al. Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 47, No 4, 2008, pp. 1985-1990
【非特許文献3】Hayamizu et al., Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って本発明は、金属の使用を排除でき、プレート間の接続を確保するか、またはCNT束の方向の変化を確保する、カーボンナノチューブ(CNT)の成長および方向転換(redirection)に基づく新規なアーキテクチャを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一般的に、本発明は、第1方向に沿って方向付けられ、ビアと呼ばれるキャビティに含まれるカーボンナノチューブ(CNT)の束とともに、電子デバイスに電気接続を形成する段階を含む。このようなCNT束は、同様に第2方向に沿ったCNT束で形成されたラインによって横方向に相互接続される。
【0019】
詳細な説明の残りの部分では、“ビア”および“ライン”との用語はそれぞれ、キャビティまたはビアに含まれるCNT束および代表的な接続ラインを指定するために使用される。
【0020】
典型的に、本発明による電子デバイスは、絶縁体層(シリカまたは低誘電率(low-K)マイクロエレクトロニクス材料)で覆われた(例えば、アルミニウムから成る)導電プレートから特に成る一連の構造を含む。ラインによって相互接続されたキャビティは、絶縁ブロックに埋め込まれ、プレート(ビア)間またはビア(ライン)間の相互接続を作り出す。
【0021】
より具体的には、本発明は、少なくとも2つの異なる方向に沿って伸びる電気接続を含む電子デバイスに関する。典型的に、前記接続は本質的に、カーボンナノチューブ(CNT)の束を用いて形成され、少なくとも2つのCNT束は、第1方向に沿って方向付けられた軸を有する部分と、第2方向に沿って方向転換された軸を有する部分とを含む。さらに、CNT束間の接続は、前記少なくとも2つのCNT束の一部が重なることによって達成され、接続ラインを形成する。
【0022】
電気接続を形成する少なくとも2つの束は曲がっており、CNT束の一領域は第1方向に沿っていて、別の領域は第2の異なる方向に沿っている。
【0023】
本発明の電気接続システムは、少なくとも2つの方向、有利に垂直および水平方向における接続を形成することができるが、具体的に水平面における2つの異なる接続の場合には、2つを超える方向、特に3方向において接続を作り出すためにも使用され得ることに、留意すべきである。
【0024】
本発明によると、電気接続は主に、CNT束または房(bunches)を用いて形成され、つまり、大量の凝集されたカーボンナノチューブは、実質的に平行な成長軸を有する。“本質的に(essentially)”との用語は、電気接続がただCNTによって確保され得るだけであり、故に、金属ラインまたはブロック以外は依然として従来技術のケースである、ということを示す。しかしながら、以下に記載するように、束間の電気接触は、さらに金属の堆積を実施することによって改善され得る。
【0025】
実際に、このような電気接続は、以下の方法:
−第1方向に沿って少なくとも1つのCNT束を成長させる段階
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿ってCNT束の一部分を方向転換する段階
を実施することによって作り出される。
【0026】
典型的に、本発明による電子デバイス内で、少なくとも2つの方向における電気接続を作り出す方法は、
−前記デバイスのキャビティで、第1方向に沿って少なくとも2つのCNT束を成長させる段階
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って前記2つのCNT束の一部分を方向転換し、接続ラインを形成する段階
を含む。
【0027】
このデバイスの形成段階は故に、従来技術で試されテストされた技術によって、特に鉄などの触媒を用いて、キャビティ内で第1方向に沿ってCNT束を制御して成長させる段階を含む。
【0028】
典型的に、CNT束の成長は、前記束がビアよりも少なくとも大きい高さを有するときに停止される。これらのCNT束の一部分は次いで、有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って方向転換される。
【0029】
CNT束の方向転換は、Hayamizuらの文献(Nature nanotechnology, Vol. 3, 2008, 289-294)に記載された技術によって実施され得る。実際に、それは、イソプロピルアルコール溶液にCNTを浸す段階と、グルーブの方向と平行にそれらを引き出す段階とを含み、前記グルーブは液体のメニスカスと直角に交わる。この操作はまた、CNT束の密度を高くすることができる。
【0030】
特権を有する実施形態によると、第2方向に沿って方向転換されたCNT束の一部分は、第1方向に沿ったCNT束の一部分と実質的に直角に交わる。
【0031】
典型的に、第1方向は実質的に垂直である。有利に、第1方向に沿ったCNT束の一部分は、電子デバイスのビアを形成する。
【0032】
優先的に、第2方向は実質的に水平である。有利に、第2方向に沿ったCNT束の一部分は、電子デバイスの接続ラインを形成する。
【0033】
特権を有する実施形態では、ビアおよびラインは故に、実質的に直角に交わる。
【0034】
ビア間の接続を形成するために、具体的に、本発明による電子デバイスは優先的に、第2方向に沿ってそれらの一部分を有する少なくとも2つのCNT束を含み、それは実質的に水平であり得、接続ラインを形成する。そのラインは有利に、第2方向に沿ったCNT束の一部分が重なることによって、つまり、束の端の連続的な重ね合わせによって形成される。
【0035】
この実施形態は、以下の方法:
−有利にはビア内で、第1方向に沿った複数の平行なCNT束を成長させる段階
−第2方向に沿ってCNT束の一部分を方向転換させる段階
−有利には重なることによって、第2方向に沿ったCNT束の一部分を接続し、接続ラインを形成する段階
によって実施される。
【0036】
重なりは実際には、CNT束の上の部分を平らにすることによって、故に、好ましくは実質的に垂直である第1方向において、キャビティに含まれるCNT束の一部分のみをそのままにすることによって得られる。有利には、第2方向、つまり重なりの方向は、接続ラインを含むために事前に絶縁ブロックに埋め込まれたグルーブの方向である。
【0037】
特定の実施形態によると、本発明のデバイスはさらに、金属層を含む。有利に、それは第2方向に沿った少なくともCNT束の一部分を覆い、より有利には依然として接続ラインである。
【0038】
この金属層は、
−カプセル化のためのデバイスの表面の均一化、または上部接続レベルを形成するための支持体としての使用を可能にし得る。後者の場合、有利には例えばアルミニウムなどの金属材料を堆積することができ、第2のCNTレベルの成長を促進することができる。
−ビア間の接続の促進を可能にし得る。
【0039】
この金属層は、当業者に既知の任意の適合された技術を用いて堆積される。
【0040】
別の実施形態によると、電子デバイスはさらに、第2方向におけるその一部分のレベルで、デバイスの少なくとも1つのCNT束と横方向に接続された別のCNT束を含むことができ、ラインを形成する。この他のCNT束は、ビアに由来する束との接続、場合によっては幾つかのビア間の接続を確保する。接続は、前に記載したように、第2方向に沿って直接、または第2方向に沿ったその方向転換の後の何れかにおいて、この他のCNT束の成長後に達成される。
【0041】
優先的に、他のCNT束は、少なくとも2つのCNT束と横方向で接続され、ビア間の接続を確保する。
【0042】
選択された操作モードによると、ビアまたは接続ラインの何れかを形成するCNT束の成長は、同時にまたは別々に起こり得る。
【0043】
有利に、他のCNT束の成長は、キャビティ内ではなくグルーブ内で実施される。他のCNT束は故に、導電プレートと直接接触することができないが、それは、それが絶縁ブロックによってそれから物理的に分離されているからである。第2方向に沿ったこの他のCNT束の方向転換は、グルーブで実施され得る。
【0044】
この特定の実施形態では、CNT束間の横方向の接続は有利に、金属層の堆積によって達成される。実際に、それは2つのタイプのCNT束の界面に位置する:第2方向の沿ったその一部分のレベルにおける少なくとも1つのCNT束はビアに由来し、他の束はラインを形成する。この層は有利に、以下の群から選択されるいわゆる接触金属を用いて形成される:パラジウム、銅、金、またはチタン。故に、接触金属は、ビアに由来するCNT束と接続ラインを形成するCNT束との間の接続を確保する。
【0045】
本発明との関連で、所定の成長領域にCNTを位置するために、
−プレート全体に成長触媒を堆積し、次いでそれを(エッチング、研磨などによって)規定されていない領域から除去するか、または
−Dijonらの文献(Diam. Relat. Mater., 2009, doi:10.1016/j.diamond.2009.11.017)に記載されているように、規定されていない領域にTiNを堆積し、次いでウエハ全体に触媒を堆積するか
の何れかを実施し得る。
【0046】
好ましい実施形態によると、本発明による電子デバイス内で少なくとも2つの方向において電気接続を作り出す方法は、第2方向に沿ったCNT束の一部分上に少なくとも1つの金属層を堆積する段階をさらに含む。
【0047】
それはまた、第2方向に沿った一部分のレベルにおいて、少なくとも1つのCNT束の横方向の接続を目的とする別のCNT束を成長させ、場合によっては第2方向に沿って方向転換させ、接続ラインを形成する段階を含むことができる。この特定のケースでは、その方法は場合によっては、他のCNT束上での金属層の堆積段階を含むことができる。
【0048】
さらに、本発明によるデバイスを形成する方法は、CNTが成長すべきでない領域にTiNを堆積する少なくとも1つの段階を含むことができる。
【0049】
本発明による電子デバイスでは、電流はカーボンナノチューブを介して本質的に流れるように見え、故にエレクトロマイグレーション問題を大幅に減少させる。さらに、このようなデバイスを形成する方法は、比較的試されテストされた技術で実行される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
発明の前述のおよび他の特徴および利点は、添付の図面と関連する以下の実施形態の以下の非限定的な説明に記載される。
【0051】
【図1】従来技術のULSI(“超巨大規模集積回路(Ultra Large Scale Integration)”)相互接続におけるカーボンナノチューブ(CNT)の統合を示す略図である。
【図2】従来技術、つまり、ビアにおけるカーボンナノチューブ(CNT)の成長が銅ケーブルとの接続を作り出す技術を示す略図である。
【図3】金属接触ブロックを暗示する従来技術であるライン/ビアの相互接続システムの3次元の顕微鏡サイズの図面である。
【図4】金属接触ブロックを暗示する従来技術であるライン/ビアの相互接続システムの略図である。
【図5A】ビアに由来する方向転換されたCNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスの略図である。矢印は電流の流れを示し、円は交差する界面を示す。
【図5B】別々のCNT間の接続による、本発明による相互接続デバイスの略図である。矢印は電流の流れを示し、円は交差する界面を示す。
【図6A】本発明による相互接続デバイスの略図であり、そこでCNT束間の接触は、金属を用いて改善されている。
【図6B】本発明による相互接続デバイスの略図であり、そこでCNT束間の接触は、金属を用いて改善されている。
【図7A】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7B】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7C】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図7D】ビアおよびラインが同時に形成される本発明の実施形態の概略図である。左側図が断面図で、右側図が上面図である。
【図8A】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8B】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8C】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8D】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8E】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8F】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブと直角に交わる端面図である。
【図8G】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブ方向と平行な図面である。
【図8H】CNTの重なりによる、本発明による相互接続デバイスを形成する方法を示す略図であり、グルーブ方向と平行な図面である。
【図9】図9D’〜図9G’は、ビアおよびラインの成長が同時に起こる、本発明による代替的な相互接続デバイスを形成する方法を示す略図である。
【図10】図10H’〜図10M’は、ビアおよびラインの成長が独立に起こり、接触金属が挿入される、本発明による代替的な相互接続デバイスを形成する方法を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下に記載される異なる実施形態は、垂直および水平相互接続の両方を必要とする、故に2つの異なる直角に交わる方向における電子デバイスに関する。これらの接続は全て、カーボンナノチューブ(CNT)を用いて形成される:
−垂直接続は、絶縁材料層で形成されるビア内に成長する垂直CNT束によって形成され;
−水平接続はまた、CNTによって確保され、接続ラインを形成する。それらは、ビアに由来する束の重なりによって生じることがあり、前記束は方向転換されているか(第1実施形態;図5A)、またはビアに由来する束と横方向に接触する独立の束の成長によって生じ、前記束は方向転換されている(第2実施形態;図5B)。
【0053】
特定の実施形態によると、金属層2、10はまた、特にCNT束の部分8b(図6Aおよび図6B)においてCNT束と接触する。
【0054】
このような層は有利に、
−例えばPdまたはTiで作られ、故にCNTの接触を改善する層10;および/または
−例えばAlで作られ、新規のCNTレベル、故に新規の相互接続レベルの成長を可能にする層2;
から形成され得る。
【0055】
代わりにそれは、2つのタイプの層10および2に関連する二層であり得る。
【0056】
[I/本発明の第1実施形態]
既に述べたように、垂直CNT束の重なりによるこの第1実施形態が、図5Aおよび6Aにそれぞれ示される。
【0057】
より具体的には、その形成方法が図8に示される。段階AからFは、概略的に端面図で、つまりグルーブ3と直角に交わって示され、図8Gおよび8Hは、グルーブ3の方向に水平な図面に対応することに、留意すべきである。
【0058】
<A/ベース構造の形成>
シリカまたはマイクロエレクトロニクスの低誘電率(low-K)材料で作られる絶縁層1が、導電層2に堆積される。導体2は典型的には、アルミニウムである。
【0059】
<B/グルーブのエッチング>
絶縁体1内に、将来のライン4となるグルーブ3が、従来のリソグラフィ方法によって形成される。
【0060】
<C/TiN堆積>
略50ナノメートルの厚さを有するTiN層5が、可能ならば等角堆積方法を用いて、グルーブ3に堆積される。TiNは、ここでは鉄である触媒6がTiNに堆積されるとき、カーボンナノチューブの成長を抑制する作用を有する。
【0061】
<D/ビアの開口>
ビア7がグルーブ3内に開口され、絶縁体1を通り抜けるエッチングは導体2で止まる。
【0062】
<E/触媒の堆積>
触媒6の堆積は、常温で実施される。それは典型的に、1ナノメートルの鉄の層であり、蒸発またはイオンビームスパッタリングによって堆積される。堆積は、側面の被覆を最小化するために、垂直入射で実施される。
【0063】
<F/選択的なナノチューブの成長>
従来的には、カーボンナノチューブ(CNT)8は、室温で形成されたRF空気プラズマを用いて鉄を前もって酸化した後、600°Cで、C2H2+H2+He混合物(10sccm、50sccm、50sccm)を用いて成長される。プラズマ条件は以下の通りである:
−P=0.3Torr;
−30分間わたり、70−W power
【0064】
本方法は、鉄がTiN5上に堆積される場合を除き、鉄6上でのナノチューブ8の成長を可能にする。この場合には、成長はない。
【0065】
600℃での成長の間の圧力は、1Torrである。反応性ガスは、コールドプラズマ後に導入され、温度の上昇は、15分以内に、0.3-Torrの圧力で実施される。
【0066】
ナノチューブ8の高さは、成長時間で規定される。
【0067】
<G/ナノチューブの方向転換>
成長の後、デバイスはイソプロピルアルコールに浸され、グルーブ3の方向と直角に交わる方向に引き出される:液体のメニスカスは、グルーブ3に垂直である。グルーブのチューブを通って流れる液体は、ビア7に由来するチューブ8を平らにする。チューブは、この操作後に高く緻密化される。さらに、チューブ8は、2つの異なる部分:
−ビア7と平行な軸を有する部分8a、および
−グルーブ3と平行な軸を有する部分8b
を有する。
【0068】
異なるビア7に由来するナノチューブ束8は、こうしてグルーブ3内で平らにされ、接触し始める。異なるビア7に由来する少なくとも2つのナノチューブ束の重なりによって、こうしてライン接続4を形成することができる。
【0069】
この段階の終わりに、図5Aに示すような相互接続システムが得られる。ライン4は、ビア7に由来するナノチューブ束8bの重なりによって形成される。この実施形態では、ライン抵抗Rは、ナノチューブ抵抗に加えられた一連の界面抵抗で形成される。
【0070】
しかしながら、後続の段階(図8H)において、構造を平坦化し、次のレベル(カプセル化)でその操作(相互接続の創作)を繰り返すことが出来るように、ライン4の表面で、再びアルミニウムで金属の堆積2を実施することが推奨され得る。この段階の終わりに、図6Aに示すような相互接続システムが得られる。
【0071】
[II/本発明の第2実施形態]
この第2実施形態は、図5B、6B、7、9および10に示される。
【0072】
図5Bは、1つの界面抵抗しか残っていないため、ライン抵抗が第1実施形態よりも低いという事実を示す。
【0073】
図7は、実質的に直角に交わる相互接続部、それぞれビア7およびライン4が、有利には同時に形成された少なくとも2つの異なるナノチューブ束に由来する、この第2実施形態の原理を示す図面である。左側の図面が断面図を示し、右側の図面が上面図を示すことに、留意すべきである。
【0074】
さらに、ライン4およびビア7からナノチューブ8および8’が同時に成長することを暗示する実施形態が図9に示され、それは図8に由来する。
【0075】
段階AからCは、図8のそれと同様である。
【0076】
しかしながら、ビア7の開口の前に、追加の段階が実施される(図9D’):TiN5の開口9がグルーブ3に形成され、触媒6の堆積後に、この領域でカーボンナノチューブ8’の成長が得られる。これは、ラインの成長領域9のアレンジに対応する。
【0077】
次の段階は、樹脂層で開口9を保護した後に、ビア7を開口する段階を含む(図9E’)。
【0078】
触媒6の堆積後(図9F’)および成長段階の間(図9G’)、チューブ8および8’がそれぞれ、ビア7で成長し、成長領域9においてラインレベルで形成される。CNT8および8’に由来する束は、触媒の厚さを変えることで、かつビアおよびラインでのプラズマ条件を変えることで、異なる長さで提供され得る。
【0079】
ビア7および成長領域9のそれぞれに由来する2つのナノチューブ束(8,8’)の方向転換の後、得られた相互接続システムは、図5Bに示されるものに対応する。ビア7に由来しないナノチューブ束8’を用いて接続ライン4が形成されることが観察できる。
【0080】
図10は図8に由来するが、その実施形態では、ナノチューブ8および8’の成長はライン4およびビア7から別々に実施され、界面金属10が(それぞれ、ビア8bのCNTとライン8’のCNTとの間の)2つのナノチューブ束の間に挿入される。
【0081】
その方法は、図8の段階A〜Gで始まる。
【0082】
しかしながら、段階Hの代わりに、図10の段階H’からM’が実施される。
【0083】
<H’/接触金属の堆積>
ビア7に由来するナノチューブ8(8a、8b)の方向転換の後、パラジウム、銅、金、またはチタンなどの接触金属10が堆積される。
【0084】
<I’/接触金属の開口>
接触金属10は次いで、グルーブ3の終端から絶縁体1まで、エッチングによって開口される。ライン4に由来する将来のナノチューブ8’の成長領域 9 は、こうして形成される。
【0085】
<J’/触媒の堆積>
触媒は、蒸発またはスパッタリングによって堆積される。
【0086】
<K’/接触金属の平坦化>
デバイスは、触媒6を成長領域9に保持しながら、接触金属10上への触媒の堆積6を抑えるために、CMP(“化学機械研磨(Chemical and Mechanical Polishing)”)によって平坦化される。
【0087】
<L’/第2ナノチューブの成長>
図8の段階Fと同じ条件での第2の成長が実施される。成長領域9に由来し、ライン4を形成することを目的とするナノチューブ束8’は、こうして得られる。
【0088】
<M’/ラインの方向転換>
成長の後、ナノチューブ束は、図8の段階Gと同じ方法で方向転換される。ビア7に由来するナノチューブ8を有するコンタクトビア金属10における接続ライン4は、こうして得られる。
【0089】
このようなプロセスの終わりに、図6Bに示すような相互接続システムが得られる。
【符号の説明】
【0090】
1 絶縁層
2、10 金属層
3 グルーブ
5 TiN
6 触媒
7 ビア
8、8a、8b、8’ ナノチューブ
9 開口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの異なる方向に沿って伸びる電気接続を含む電子デバイスであって、前記接続は本質的にカーボンナノチューブ(CNT)(8)を用いて形成され、少なくとも2つのCNT束は、第1方向に沿って方向付けられた軸を有する部分(8a)と、第2方向に沿って方向転換された軸を有する部分(8b)とを含み、前記CNT束間の接続は前記少なくとも2つの束の一部分(8b)の重なりによって達成され、接続ライン(4)を形成する、電子デバイス。
【請求項2】
前記2つの異なる方向は、実質的に直角に交わることを特徴とする、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1方向は実質的に垂直であり、この方向に沿ったCNT束の一部分(8a)はビア(7)を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第2方向は実質的に水平であり、この方向に沿ったCNT束の一部分(8b)は接続ライン(4)を形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
それが、前記接続ライン(4)上に金属層(10、2)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
それが、前記第2方向に沿った一部分(8b)のレベルで、前記電子デバイスの少なくとも1つのCNT束と横方向で接続された別のCNT束(8’)を含み、前記接続ライン(4)を形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記他の束(8’)は少なくとも2つの束(8b)と横方向で接続され、ビア(7)間の接続を確保することを特徴とする、請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
−前記デバイスのキャビティで、第1方向に沿って少なくとも2つのCNT束(8)を成長させる段階と、
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って前記2つのCNT束の一部分(8b)を方向転換し、前記接続ライン(4)を形成する段階と、
を含む、請求項1から7の何れか1項に記載の電子デバイス内で、少なくとも2つの方向における電気接続を作り出す方法。
【請求項9】
−前記第1方向に沿った複数の平行なCNT束(8)の成長が、有利にはビア内で実施され、
−前記CNT束の一部分(8b)が前記第2方向に沿って方向転換され、
−前記第2方向に沿ったCNT束の一部分(8b)が重なりによって接続され、前記接続ライン(4)を形成する
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それが、前記第2方向に沿ったCNT束の一部分(8b)上に、少なくとも1つの金属層(10、2)を堆積する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
それが、前記第2方向に沿った一部分(8b)のレベルで、少なくとも1つのCNT束と横方向で接続することを目的とする別のCNT束(8’)を成長させ、場合によっては前記第2方向に沿って方向転換させ、前記接続ライン(4)を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
それが、前記他のCNT束(8’)上に金属層(2)を堆積する段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
それが、CNTが成長されるべきではない領域に、TiNを堆積する少なくとも1つの段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8から12の何れか1項に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも2つの異なる方向に沿って伸びる電気接続を含む電子デバイスであって、前記接続は本質的にカーボンナノチューブ(CNT)(8)を用いて形成され、少なくとも2つのCNT束は、第1方向に沿って方向付けられた軸を有する部分(8a)と、第2方向に沿って方向転換された軸を有する部分(8b)とを含み、前記CNT束間の接続は前記少なくとも2つの束の一部分(8b)の重なりによって達成され、接続ライン(4)を形成する、電子デバイス。
【請求項2】
前記2つの異なる方向は、実質的に直角に交わることを特徴とする、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記第1方向は実質的に垂直であり、この方向に沿ったCNT束の一部分(8a)はビア(7)を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記第2方向は実質的に水平であり、この方向に沿ったCNT束の一部分(8b)は接続ライン(4)を形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
それが、前記接続ライン(4)上に金属層(10、2)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の電子デバイス。
【請求項6】
それが、前記第2方向に沿った一部分(8b)のレベルで、前記電子デバイスの少なくとも1つのCNT束と横方向で接続された別のCNT束(8’)を含み、前記接続ライン(4)を形成することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記他の束(8’)は少なくとも2つの束(8b)と横方向で接続され、ビア(7)間の接続を確保することを特徴とする、請求項6に記載の電子デバイス。
【請求項8】
−前記デバイスのキャビティで、第1方向に沿って少なくとも2つのCNT束(8)を成長させる段階と、
−有利には液体を流すことによって、第2方向に沿って前記2つのCNT束の一部分(8b)を方向転換し、前記接続ライン(4)を形成する段階と、
を含む、請求項1から7の何れか1項に記載の電子デバイス内で、少なくとも2つの方向における電気接続を作り出す方法。
【請求項9】
−前記第1方向に沿った複数の平行なCNT束(8)の成長が、有利にはビア内で実施され、
−前記CNT束の一部分(8b)が前記第2方向に沿って方向転換され、
−前記第2方向に沿ったCNT束の一部分(8b)が重なりによって接続され、前記接続ライン(4)を形成する
ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
それが、前記第2方向に沿ったCNT束の一部分(8b)上に、少なくとも1つの金属層(10、2)を堆積する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
それが、前記第2方向に沿った一部分(8b)のレベルで、少なくとも1つのCNT束と横方向で接続することを目的とする別のCNT束(8’)を成長させ、場合によっては前記第2方向に沿って方向転換させ、前記接続ライン(4)を形成する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
それが、前記他のCNT束(8’)上に金属層(2)を堆積する段階を含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
それが、CNTが成長されるべきではない領域に、TiNを堆積する少なくとも1つの段階をさらに含むことを特徴とする、請求項8から12の何れか1項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−520002(P2013−520002A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552439(P2012−552439)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052792
【国際公開番号】WO2011/098679
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052792
【国際公開番号】WO2011/098679
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】
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