説明

映像配信システムおよび映像配信サービスの受信端末管理方法

【課題】利用者が複数の受信端末を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用せずに、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができる映像配信システムおよび映像配信サービスの受信端末管理方法を提供する。
【解決手段】共通ID発行管理装置2は、映像配信装置1が映像データを配信した受信端末3の端末IDに対し、共通ID発行手段42により複数の端末IDを共通ID発行管理装置2で共通なものであると認識するための共通IDを発行し、共通ID管理記憶手段43により発行された共通IDと端末IDとの組合せを記憶する。これにより、利用者が複数の受信端末3を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用するのではなく、複数の端末IDを共通ID発行管理装置2で共通なものであると認識するための共通IDを利用することで、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像配信システムおよび映像配信サービスの受信端末管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロードバンドの普及により、IP(Internet Protocol)を利用したインターネット網を介して利用者の要求に応じた映画などの映像をリアルタイムに配信する映像配信サービスの1つであるVOD(Video on Demand)サービスが普及しつつある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
近年においては、このようなVODを利用できるTV端末も発売され始めている。また、TV端末以外でも、アナログ放送や地上デジタル放送などの映像視聴を主とした高解像度のAV−PC(Audio Video Personal Computer)が市場に普及し始めている。さらに、2011年のアナログ停波後の難視聴地域に向けた地上デジタルのIP再送信が検討されており、これに対応してIP接続により地上デジタル放送の受信が可能なTV端末を用いた実証実験も始まっている。
【0004】
【特許文献1】特開平07−107066号公報
【特許文献2】特開平10−336625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したようなTV端末やAV−PCなどの受信端末を利用したVODサービスにおいては、個人を特定する個人情報を映像配信プロバイダ側で管理するようにしていることから、個人情報がなければどの利用者の視聴履歴なのかがわからないため、個人の視聴履歴を複数の映像配信プロバイダ間で横断的に利用することができないという問題がある。
【0006】
なお、例えば口座番号などを課金IDとした場合には、当該課金IDに基づいて個人の視聴履歴を複数の映像配信プロバイダ間で横断的に利用することが考えられるが、このような統計情報には課金IDが付されているが、課金IDは例えば口座番号などの意味のある文字列であるために、外部に出すことはできない。
【0007】
また、利用者が受信端末を買い換えるなどした結果、別の受信端末を利用して映像配信プロバイダにアクセスするようになった場合には、映像配信プロバイダ側では別の利用者として認識されることになり、これまでの受信端末での利用者の視聴履歴を利用することができないという問題もある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者が複数の受信端末を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用せずに、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができる映像配信システムおよび映像配信サービスの受信端末管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の映像配信システムは、それぞれ端末IDを有しており、映像データの配信を要求するとともに前記配信要求に応じて配信された映像データを受信する複数の受信端末と、前記受信端末からの配信要求に応じた映像データを、前記受信端末に対して配信する映像配信装置と、前記複数の端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを発行する共通ID発行手段と、前記共通IDと前記複数の端末IDとの組合せを記憶する共通ID記憶手段と、前記配信要求に応じて前記映像配信装置が映像データを前記受信端末に配信した場合、前記受信端末の端末IDに対応する前記共通IDが前記共通ID管理記憶手段に存在するかを認証する端末認証手段と、を有する共通ID発行管理装置と、を備える。
【0010】
また、本発明の映像配信サービスの受信端末管理方法は、映像配信装置が配信要求に応じて映像データを配信した受信端末が有している端末IDに対し、当該端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを共通ID発行管理装置で発行する共通ID発行工程と、この共通ID発行工程により発行された前記共通IDと前記端末IDとの組合せを記憶部に記憶させて管理する共通ID管理記憶工程と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、共通ID発行管理装置は、映像配信装置が映像データを配信した受信端末の端末IDに対し、複数の端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを発行し、発行された共通IDと端末IDとの組合せを記憶することにより、利用者が複数の受信端末を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用するのではなく、複数の端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを利用することで、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる映像配信システムおよび映像配信サービスの受信端末管理方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図14に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるVOD(Video on Demand)システム100のシステム構築例を示す模式図である。図1に示すように、映像配信システムであるVODシステム100は、利用者からの視聴要求に応じた映像データ等の配信サービスを行う映像配信装置であるVODプロバイダのサーバコンピュータ(以下、VODサーバという)1および共通ID発行プロバイダの共通ID発行管理装置であるサーバコンピュータ(以下、共通サーバという)2に対して、IP(Internet Protocol)を利用したインターネットなどのIP網Nを介してVODプロバイダの映像配信サービスを受ける受信端末であるTV端末3が複数台接続されたシステムを想定する。なお、実際には、VODプロバイダのVODサーバ1やTV端末3は、より多く存在しているが、図1では説明を簡素化するために、VODプロバイダのVODサーバ1は2つ、TV端末3も2つにしている。
【0015】
図1に示すように、VODサーバ1及び共通サーバ2内には、データファイル4が設けられている。VODサーバ1のデータファイル4には、各TV端末3に提供するためのMPEGデータである複数の映像データやテキストデータである広告データなどが記憶されている。共通サーバ2のデータファイル4には、後述する共通IDと端末IDとVODプロバイダとのセットなどが記憶されている。さらに、VODサーバ1及び共通サーバ2内には、IP網Nを介してデータ伝送を行うための通信IF(インタフェース)5、処理部6等が設けられている。処理部6は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などから構成されており、CPUがROMやHDDに格納されたプログラムに基づいてRAMのワーク領域を利用しながら動作することにより、各種処理が実行される。なお、リアルタイム性が重要視される場合には、処理を高速化する必要がある。そのためには、論理回路(図示せず)を別途設け、論理回路の動作により各種の演算処理を実行するようにするのが望ましい。VODサーバ1と共通サーバ2とでは、ROMやHDDに格納されたプログラムが異なっている。
【0016】
処理部6で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。この場合、処理部6のCPUが上記記憶媒体からプログラムを読み出して主記憶装置上にロードすることで、VODサーバ1及び共通サーバ2に各種の機能を実現させる。また、プログラムを、IP網Nに接続されたコンピュータ(図示せず)上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。
【0017】
一方、TV端末3内には、このTV端末3の利用者が、VODサーバ1から取り寄せたい映像データに対する送信要求などを入力するための操作部7、VODサーバ1に対して各種要求を送信するとともにVODサーバ1から供給される映像データを受信するための通信IF8、受信した映像データを表示するPDP(Plasma Display Panel)やLCD(Liquid Crystal Display)などのモニタ装置9、処理部10等が設けられている。操作部7には、リモートコントローラ等も含まれる。処理部10は、不図示のCPU、ROM、RAMなどから構成されており、CPUがROMに格納されたプログラムに基づいてRAMのワーク領域を利用しながら動作することにより、各種処理が実行される。なお、リアルタイム性が重要視される場合には、VODサーバ1及び共通サーバ2の処理部6と同様に、論理回路(図示せず)を別途設け、論理回路の動作により各種の演算処理を実行するようにするのが望ましい。また、処理部10で実行されるプログラムも、VODサーバ1及び共通サーバ2の処理部6で実行されるプログラムと同様に、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。
【0018】
このような構成により、VODシステム100は、多数の映像データをデータファイル4に記憶保持しているVODサーバ1に対し、IP網Nを介して接続されたTV端末3から、映像データのタイトルを操作部7により指定した映像データの送信要求が入力されると、VODサーバ1は、データファイル4から指定された映像データを読出して、要求元のTV端末3へ送信する。そして、映像データを受信したTV端末3では、VODサーバ1からオンラインで供給される映像データを再生して、モニタ装置9に表示させる。また、VODシステム100の共通サーバ2は、詳細は後述するが、映像データの送信要求を受け付けて映像データを配信したTV端末3についての共通IDを発行・管理する。
【0019】
次いで、VODサーバ1の処理部6が実行する各種の演算処理、共通サーバ2の処理部6が実行する各種の演算処理、および、TV端末3の処理部10が実行する各種の演算処理のうち、本実施の形態の特長的な処理について以下に説明する。
【0020】
図2は、VODシステム100の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、VODサーバ1の処理部6は、端末認証部11と、課金管理部12と、DRM(Digital Rights Management)管理部13と、番組・広告推奨部14と、映像配信部15と、各部を制御する制御部16とを有している。
【0021】
端末認証部11は、受信端末として契約しているTV端末3かどうかを認証する機能を担っている。課金管理部12は、受信端末として契約しているTV端末3に配信した映像番組に応じて課金する機能を担っている。DRM管理部13は、受信端末として契約しているTV端末3に配信する映像番組の著作権管理を行う機能を担っている。
【0022】
また、映像配信部15は、映像配信手段として機能するものであり、データファイル4に記憶されている映像番組や広告情報などの映像データの映像配信を行う機能を担っている。番組・広告推奨部14は、推奨手段として機能するものであって、映像配信部15によって配信した映像番組や広告情報などに応じて個々のTV端末3毎に番組や広告の推奨を行う機能を担っている。
【0023】
一方、TV端末3の処理部10は、端末認証部31と、DRM(Digital Rights Management)管理部32と、IP接続部33と、CODEC34と、情報管理部35と、選択部36と、映像提示部37と、情報提示部38と、番組・広告推奨IF部39と、電源管理部40とを有している。
【0024】
情報管理部35は、端末認証部31、DRM管理部32、IP接続部33、CODEC34、選択部36、映像提示部37、情報提示部38、番組・広告推奨IF部39、電源管理部40との間の情報を管理する機能を担っている。
【0025】
端末認証部31は、契約端末や共通IDで管理されているかどうかを認証するための端末IDを有しており、VODプロバイダのVODサーバ1と共通ID発行プロバイダの共通サーバ2とに対する端末認証機能を担っている。DRM管理部32は、VODサーバ1から受信した映像の著作権管理を行う機能を担っている。選択部36は、操作部7からの映像の選択指示などを受け付ける機能を担っている。IP接続部33は、VODプロバイダのVODサーバ1と接続し、端末認証部31からの端末IDを送信し、あるいは、選択部36で選択を受け付けた映像やその他の情報を受信するための機能を担っている。CODEC34は、受信した映像(例えば、MPEG)の復号を行う機能を担っている。
【0026】
また、番組・広告推奨IF部39は、VODプロバイダのVODサーバ1の番組・広告推奨部14から配信される情報の提示などを制御したり、選択部36で選択を受け付けた情報などを送信したりするための機能を担っている。
【0027】
映像提示部37は、俗にプレーヤと呼ばれるものであって、CODEC34により復号された映像をモニタ装置9に提示する機能を担っている。情報提示部38は、映像以外の広告や番組表などの情報をモニタ装置9に提示するための機能を担っている。
【0028】
さらに、電源管理部40は、電源管理手段として機能するものであって、電力源からの切断を監視する機能を担っている。
【0029】
ここで、図3はTV端末3のモニタ装置9における映像提示時の表示例を示す正面図である。図3に示す例では、プレーヤと呼ばれる映像提示部37による表示領域137の隣に情報提示部38による表示領域138が位置している。
【0030】
次に、共通サーバ2について説明する。図2に示すように、共通サーバ2の処理部6は、端末認証部41と、共通ID発行部42と、共通ID管理記憶部43と、各部を制御する制御部44とを有している。
【0031】
端末認証部41は、TV端末3が共通IDで管理された端末かどうかを認識する機能を担っている。
【0032】
共通ID発行部42は、共通ID発行手段として機能するものであって、複数のTV端末3から送信された端末IDをもとに製造メーカやVODプロバイダのVODサーバ1に依存しない共通IDを発行・管理する機能を担っている。
【0033】
共通ID管理記憶部43は、共通ID管理記憶手段として機能するものであって、共通ID発行部42から発行された共通IDと、TV端末3の端末IDと、TV端末3の選択部36を介して受け付けたVODプロバイダのVODサーバ1との組合せをHDDなどの記憶部に記憶する機能を担っている。
【0034】
次に、VODサーバ1の番組・広告推奨部14について詳しく説明する。図4は、番組・広告推奨部14の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、映像配信部15によって配信した映像番組や広告情報などに応じて個々のTV端末3毎に番組や広告の推奨を行う機能を担っている番組・広告推奨部14は、VODタイトルメタ情報DB51と、広告メタ情報DB52と、アクセス履歴DB53と、嗜好抽出部54と、推奨番組・広告決定部55とを有している。
【0035】
VODタイトルメタ情報DB51は、番組・広告の推奨に利用するために、映像配信部15によって配信される映像番組のタイトルのメタ情報を蓄積する。広告メタ情報DB52は、映像配信部15によって配信される広告データ(広告情報)のメタ情報を蓄積する。アクセス履歴DB53は、各TV端末3の利用者が利用したVOD紹介ページや視聴したVOD、TV番組、クリックした広告などのアクセス履歴を、各TV端末3の端末IDに対応付けて蓄積する。
【0036】
嗜好抽出部54は、上述したようなVODタイトルメタ情報DB51、広告メタ情報DB52、アクセス履歴DB53にそれぞれ蓄積されたデータに基づいて端末利用者の嗜好を抽出する。推奨番組・広告決定部55は、嗜好抽出部54で抽出された嗜好に基づき、VODタイトルメタ情報DB51、広告メタ情報DB52から推奨する番組や広告を決定する。嗜好抽出部54及び推奨番組・広告決定部55でのアルゴリズムについては、いくつかの方法が提案されている。利用者が視聴した番組特性の一致度や頻度に応じて、推薦する番組を決定する番組選択支援システムや、全利用者の嗜好ベクトルを統計処理し、それを利用して当該グループの嗜好にあった情報を推薦する情報検索方法及びその装置が提案されている。また、視聴履歴から学習した嗜好ベクトルをもとに、複数の嗜好パターンのいずれかに特定させる情報検索装置、情報受信装置、情報検索装置及びその方式も提案されている。
【0037】
なお、図4では、視聴した映像番組や広告情報に基づいて嗜好を抽出するようにしているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、広告クリック後に、EC(Electronic Commerce)により購入した商品などの情報を利用することも可能である。そのような場合には、例えば、図5に示すように、購入商品履歴をアクセス履歴DB53に蓄積し、購入した商品のメタ情報を蓄積したECメタ情報DB56を図4の構成に追加することで対応できる。
【0038】
ここで、VODシステム100における処理について図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0039】
まず、TV端末3は、操作部7からのVODプロバイダ接続指示を選択部36で受け付けると、当該TV端末3の端末ID(MIDXX1)を、IP接続部33を介して、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に送信する(ステップS1)。
【0040】
共通サーバ2の制御部44は、受け取った端末ID(MIDXX1)を端末認証部41に送り、契約済みの端末か否かを確認する(ステップS2)。
【0041】
共通サーバ2の端末認証部41は、共通ID管理記憶部43を参照し、受け取った端末ID(MIDXX1)が既に共通ID管理記憶部43に存在するかどうかを認証し、その端末認証結果を共通サーバ2の制御部44に送信する(ステップS3)。
【0042】
共通ID管理記憶部43が保持している端末IDと共通IDのデータの例を図7に示す。図7では、1つの共通IDと1つ以上の端末IDがセットで格納されている。図7に示すように、共通ID“UIDXX1”は、端末ID“MIDXX1”,“MIDXX2”,“MIDXX3”に共通に付けられている共通IDであり、共通ID“UIDXX4”は端末ID“MIDXX4”に付けられている共通IDであることがわかる。このようなデータを参照することにより、端末IDに対応する共通IDを知ることができる。共通IDは、複数の端末ID(MIDXXX)を共通サーバ2(自装置)で共通なものであると認識するためのものである。また、共通ID(UID)は、課金ID(BID)とは異なるものである。
【0043】
ここで、共通ID管理記憶部43に該端末ID(MIDXX1)が存在しない場合、共通サーバ2の制御部44は、端末ID(MIDXX1)を共通ID発行部42に送信する(ステップS4)。端末ID(MIDXX1)を受信した共通ID発行部42は、共通IDを共通ID管理記憶部43で発行し、発行された共通IDを端末IDとセットで共通ID管理記憶部43に格納し、共通ID発行結果を共通サーバ2の制御部44に送信する(ステップS5)。
【0044】
一方、既に共通ID管理記憶部43に該端末ID(MIDXX1)が存在する場合、ステップS5で共通IDが発行された場合には、共通サーバ2の制御部44は、端末ID(MIDXX1)を、VODプロバイダのVODサーバ1に送信する(ステップS6)。本実施の形態においては、簡単のためにVODプロバイダを2つのみ記述しているが、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に接続されたVODプロバイダのVODサーバ1が複数ある場合には、全てのVODプロバイダのVODサーバ1に対してステップS6が行われる。
【0045】
VODサーバ1の制御部16は、受け取った端末ID(MIDXX1)を端末認証部11に送り、契約済の端末か否かを認証する(ステップS7)。
【0046】
VODサーバ1の端末認証部11は、共通サーバ2から送信された端末ID(MIDXX1)の認証を行い、正しければ、その結果を課金管理部12に送る。課金管理部12は、課金認証を行う。課金管理部12における認証により、受け取った端末ID(MIDXX1)が正しいと判断した場合には、これらの端末認証結果をVODサーバ1の制御部16に送信する(ステップS8)。なお、認証が正しく行われない場合の処理については、省略する。
【0047】
ここで、VODサーバ1の端末認証部11、課金管理部12が保持している契約情報のデータの例を図8に示す。図8では、契約情報として、課金IDと端末IDがセットで格納されている。端末IDは、同じ課金IDに対して1つだけ格納されていても良いし、複数の端末IDが1つの課金IDとセットで格納されていても良い。
【0048】
そして、VODサーバ1の制御部16は、端末認証結果を共通サーバ2の制御部44に送信する(ステップS9)。
【0049】
なお、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に接続されたVODプロバイダのVODサーバ1が複数ある場合には、共通サーバ2は、全てのVODプロバイダのVODサーバ1へステップS6で端末ID(MIDXX1)を送信し、ステップS9で端末認証結果を受け取る。
【0050】
端末認証結果を受け取った共通サーバ2の制御部44は、上述した結果を受け、TV端末3のモニタ装置9に対し共通TOP画面を開く(ステップS10)。加えて、共通サーバ2の制御部44は、端末認証結果に基づき利用者と契約済のVODプロバイダのVODサーバ1に対して、該端末ID(MIDXX1)に対応する共通ID(UIDXX1)を共通サーバ2の制御部44から送信する(ステップS11)。このように共通IDが発行される場合には、VODサーバ1において、端末ID、視聴履歴などと共に共通IDを管理することが可能である。
【0051】
ここで、TV端末3のモニタ装置9に表示される共通TOP画面の例を図9に示す。図9に示す例においては、VODプロバイダAのVODサーバ1,VODプロバイダBのVODサーバ1,VODプロバイダCのVODサーバ1,VODプロバイダDのVODサーバ1が共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に接続されている。このような構成において、図9に示す共通TOP画面には、各VODプロバイダA〜Dへのリンクとなるアイコン101〜104が表示されており、操作部7によるアイコン101〜104の何れかの選択指示を選択部36で受け付けると、選択されたVODプロバイダのVODサーバ1のTOP画面を表示することができる。また、110は認証表示マークであり、端末ID(MIDXX1)により認証された利用者がそのVODプロバイダと契約済であることを示すものである。図9に示す例においては、VODプロバイダAとVODプロバイダBが契約済であることを示している。すなわち、全てのVODプロバイダとの契約がされていない場合には、認証表示マーク110は、何れのVODプロバイダにも表示されない。
【0052】
したがって、操作部7によるアイコン101〜104の何れかの選択指示を選択部36で受け付けた場合、契約済であることを示す認証表示マーク110が表示されたVODプロバイダが選択された場合は、既に認証が済んでいるため、該VODプロバイダを利用することができる。
【0053】
一方、操作部7によるアイコン101〜104の何れかの選択指示を選択部36で受け付けた場合、契約済であることを示す認証表示マーク110が表示されていないVODプロバイダが選択された場合は、以下に示す処理が実行される。ここで、利用者は、端末ID(MIDXX2)により契約済だと表示されなかったVODプロバイダCを選択したとする。
【0054】
端末ID(MIDXX2)により契約済だと表示されなかったVODプロバイダCが選択された場合、TV端末3からVODプロバイダCのVODサーバ1へ端末ID(MIDXX2)が送信される(ステップS12)。
【0055】
端末ID(MIDXX2)を受信したVODサーバ1の制御部16は、ステップS7およびS8と同様に、端末ID(MIDXX2)の認証を行い、端末ID(MIDXX2)が図8に示す契約情報に存在しない場合、VODサーバ1の制御部16は、図10に示すような認証・新規契約画面を、TV端末3に送信してモニタ装置9に表示させる(ステップS13)。図10に示すように、認証・新規契約画面には、利用者が課金IDを入力する課金ID入力部201と、入力された課金IDの送信指示を受け付ける課金ID送信ボタン202と、新規に利用者がVODプロバイダCと契約するための契約画面の表示を宣言するためのリンク203がある。
【0056】
ここで、利用者がVODプロバイダCに対して、課金ID(BIDXX1)を既に持っている場合には、課金ID入力部201に入力して、課金ID送信部を選択する(ステップS14)。なお、ここでは簡単のために、課金IDを“BIDXX1”として説明しているが、利用者に課金することができる情報であれば、利用者の氏名、住所、課金のための銀行口座番号、メールアドレスなどの1つまたは複数のどれを利用しても良い。ステップS14で入力する課金ID(BIDXX1)は、例えば利用者が他の端末IDを用いてVODプロバイダCと契約していた場合(買い替えのような場合に相当する)、図9において該端末では契約済だとは表示されなかったが、利用者が課金IDを保持していることは可能である。
【0057】
ステップS14で課金ID(BIDXX1)を受信したVODサーバ1の制御部16は、課金ID(BIDXX1)を課金管理部12に送信する(ステップS15)。課金管理部12は、図8で示した契約情報において、既に該課金ID(BIDXX1)が存在するか否かを検索する。既に該課金ID(BIDXX1)が存在する場合には、その課金IDとセットで格納されている端末ID(MIDXX1)をVODプロバイダCのVODサーバ1に送信する(ステップS16)。なお、この課金IDとセットで格納されている端末IDが複数存在する場合には、ステップS16において、その全ての端末IDをVODプロバイダCに送信する。これにより、端末ID(MIDXX2)が、端末ID(MIDXX1)と同じ利用者により利用されていることがわかり、同一の課金IDを持つ端末として、図8に示す契約情報には、課金ID(BIDXX1)とセットで、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)が格納される。
【0058】
一方、ステップS13により表示された認証・新規契約画面(図10参照)において、利用者がVODプロバイダCと契約するための契約画面を表示するためのリンク203が選択された場合、VODプロバイダCとの契約のために利用者に課金することの出来る課金情報をVODプロバイダCのVODサーバ1に送信する(ステップS17)。この課金情報は、課金管理部12に送信され(ステップS18)、課金管理部12はこの課金情報が既に図8で示す契約情報に存在するか否かを検索する。
【0059】
ステップS18により課金管理部12が受け取った課金情報が、図8で示す契約情報に存在しない場合には、新たに課金ID(BIDXX2)が発行され、図8に示す契約情報に課金ID(BIDXX2)とセットで端末ID(MIDXX2)が格納される(ステップS19)。図6のシーケンス図では、特に図示していないが、この発行された課金ID(BIDXX2)を利用者に通知するようにしても良い。
【0060】
一方、ステップS18により課金管理部12が受け取った課金情報が、図8で示す契約情報に既に存在する場合には、対応する課金情報の課金ID(BIDXX1)とセットで格納されている端末ID(MIDXX1)がVODプロバイダCのVODサーバ1に送信される(ステップS20)。なお、課金ID(BIDXX1)とセットで格納されている端末VODサーバ1が複数存在する場合には、ステップS20において、その全ての端末IDをVODプロバイダCのVODサーバ1に送信する。これにより、端末ID(MIDXX2)が、端末ID(MIDXX1)と同じ利用者により利用されていることがわかり、同一の課金IDを持つ端末として、図8に示す契約情報には、課金ID(BIDXX1)とセットで、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)が格納される。
【0061】
ステップS16またはステップS20により、端末ID(BIDXX1)と端末ID(BIDXX2)が同一利用者により利用されていることがわかると、これらの端末ID(BIDXX1,BIDXX2)が共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に送信される(ステップS21)。端末IDの組を受け取った共通サーバ2は、図11に示すような推奨確認画面をTV端末3に送信して表示させる(ステップS22)。
【0062】
図11に示す推奨確認画面は、端末ID“MIDXX1”の推奨を利用することができることを示すための情報表示部301と、利用する場合に利用者が操作部7により選択する「はい」ボタン302と、利用しない場合に利用者が操作部7により選択する「いいえ」ボタン303がある。ここに、各端末IDを一の共通IDで管理するように統合するか否かを利用者に選択させる選択手段が実現されている。図11に示す情報表示部301には、端末ID“MIDXX1”と表示されているが、この端末に関する機器名称や型番など、よりわかりやすい情報を表示することができる場合には、それを表示しても良い。
【0063】
図11に示す推奨確認画面において、利用者が操作部7を用いて「いいえ」ボタン303を選択した場合、共通IDを統合しない。この時、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)はそれぞれ別の共通IDで管理することを、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は保持しておき、今後これらが同一であることがわかったとしても統合するかどうかを利用者に選択させる図11に示す推奨確認画面を表示しない。
【0064】
一方、図11に示す推奨確認画面において、利用者が操作部7を用いて「はい」ボタン302を選択した場合、利用することを選択したことが、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に通知される(ステップS23)。共通サーバ2の制御部44は、共通ID管理記憶部43に対して、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)を送信する(ステップS24)。
【0065】
ステップS24において、端末IDのセット(MIDXX1,MIDXX2)を受信した共通ID管理記憶部43は、図7で示される共通IDと端末IDのデータに基づいて端末IDのセットがそれぞれに該当する共通IDを検索し、それらの共通IDを統合して1つの共通IDで管理する(ステップS25)。この場合、例えば共通IDと端末IDのセットとして、“UIDXX1:MIDXX1”と“UIDXX2:MIDXX2”として共通ID管理記憶部43において管理されており、これが“UIDXX1:MIDXX1,MIDXX2”として共通ID(MIDXX1)だけで管理されるように統合された場合、UIDXX2は破棄される。ここに、変更手段が実現されている。また、この統合情報は、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2からVODプロバイダCのVODサーバ1に送信される(ステップS26)。さらに、この統合情報は、VODサーバ1の制御部16から番組・広告推奨部14に送信され、番組・広告推奨部14が管理している端末ID毎の推奨情報も統合される(ステップS27)。この推奨情報とは、例えば利用者が過去に視聴した視聴履歴である。
【0066】
図12は、この視聴履歴情報を共通IDおよび端末IDと共に管理する場合のデータの例を示すものである。図12に示す例においては、共通ID、課金ID、端末ID、視聴履歴からなり、この例では共通ID(UIDXX1)を持つ利用者が端末ID(MIDXX1)の端末と端末ID(MIDXX2)の端末を利用して、番組ID(CIDXX1)と番組ID(CIDXX2)の番組を視聴したことを示している。また、端末ID(MIDXX3)が共通ID(UIDXX2)で管理されており、この視聴履歴が番組ID(CIDXX3)となっている。この2つの共通IDで管理されているデータでは、課金IDが同じになっているが、これは利用者が同じだが、別の視聴履歴を持ちたいためにこうなっていると考えられる。ステップS22で表示された図11の推奨確認画面の例において、「いいえ」ボタン303を操作して共通化しないことを利用者が選択することによって、可能となる。
【0067】
なお、視聴履歴には、図12の例で示した番組IDの他に、その番組を選択した日時や、広告を選択した場合の広告IDなどがあってもよい。
【0068】
これにより、利用者が複数のTV端末3を持つ場合でも、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2が管理する共通IDを利用することにより、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができ、またこの利用者の視聴履歴や推奨情報を共通に管理することができるようになる。
【0069】
次に、共通IDを利用した番組・広告の推奨について説明する。VODサーバ1の番組・広告推奨部14は、図12に示したような履歴データを持っているものとする。
【0070】
図13は、VODシステム100における映像配信処理を示すシーケンス図である。図13に示すように、まず、利用者はVODプロバイダのVODサーバ1から端末ID(MIDXX1)で認証されているTV端末3のモニタ装置9に表示されたメニュー画面となるEPG(Electronic Program Guide:電子プログラムガイド)から利用者が見たい番組を操作部7により選択すると、選択された番組が選択部36に伝達され、選択された番組はVODプロバイダのVODサーバ1に送られる(ステップS31)。
【0071】
VODプロバイダのVODサーバ1の制御部16は、選択された番組の映像を端末ID(MIDXX1)で認証されているTV端末3に配信する(ステップS32)。このような映像配信は、ストリーム配信であってもダウンロードであってもよい。
【0072】
ここで、利用者により選択された番組には、VODプロバイダのVODサーバ1の制御部16によりユニークな番組ID(CIDXX1)が付けられている。VODサーバ1の制御部16は、この番組ID(CIDXX1)と番組を選択した端末ID(MIDXX1)を番組・広告推奨部14に送信する(ステップS33)。
【0073】
次に、端末ID(MIDXX1)と番組ID(CIDXX1)を受信した番組・広告推奨部14は、履歴データにおいて、端末ID(MIDXX1)とセットで番組ID(CIDXX1)を格納する。このようにして、視聴履歴が蓄えられる。ここでは、利用者が番組を選択することで説明したが、同様にして表示されている広告を選択した場合に、広告ID(AIDXX1)を広告履歴として履歴データに格納することも可能である。
【0074】
番組・広告推奨部14は、履歴データを用いて利用者に対する推奨番組や推奨広告を計算する。この計算方法はここでは詳しく述べないが、例えばある利用者と同様の番組を選択している他の多くの利用者がいる場合には、協調フィルタリングの技術を用いて、推奨番組を計算することができる。これは、例えば番組IDがCIDXX1,CIDXX2,CIDXX3の3つとも選択している利用者が多くいる場合、ある利用者がCIDXX1,CIDXX2のみ選択していると、その利用者にCIDXX3を推奨することができる。また、広告を推奨するためには、ある広告を表示する条件を記述しておく方法がある。例えば、広告ID(AIDXX1)が番組ID(CIDXX1)と関連がある場合、広告ID(AIDXX1)を表示するのは番組ID(CIDXX1)を選択した利用者であるという条件を記述しておくことで、番組ID(CIDXX1)を選択した利用者のTV端末3に広告ID(AIDXX1)を表示する様に推奨することができる。また、表示された広告を選択した場合も履歴データとして保存しておくことにより、協調フィルタリングの技術を利用して、他の視聴履歴や広告選択履歴が類似した利用者の情報から、推奨広告を計算することができる。
【0075】
そして、TV端末3において、推奨番組を表示するように利用者が操作した場合や、あらかじめ定められた広告を表示する条件になった場合などに、VODサーバ1の番組・広告推奨部14が計算した1つまたは複数の番組または広告を、TV端末3で表示させるように、VODサーバ1が送信する(ステップS34)。
【0076】
加えて、図13に示すように、VODサーバ1の制御部16は、配信中の番組ID(CIDXX1)と番組を選択した端末ID(MIDXX1)を、ある決められたタイミングで、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に送信する(ステップS35)。このようにすることで、VODプロバイダを横断した視聴率のランキングを得ることができる。ここでのある決められたタイミングとは、例えば、1分毎や10分毎など定期的な時間であったり、TV端末3の選択部36が番組を選択した情報を受信したステップS31が発生した後でも可能である。
【0077】
ステップS35で、端末ID(MIDXX1)と番組ID(CIDXX1)を受信した共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、まず、端末ID(MIDXX1)を共通ID(UIDXX1)に変換する。これは、図7に示す共通ID(UIDXX1)と端末ID(MIDXX1)の対応テーブルを用いることで可能である。なお、ステップS35では、端末ID(MIDXX1)と番組ID(CIDXX1)のセットを送信すると説明したが、VODプロバイダのVODサーバ1が、端末ID(MIDXX1)に対する共通ID(UIDXX1)を保持している場合には、共通ID(UIDXX1)でもよい。この場合には、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2で端末ID(MIDXX1)から共通ID(UIDXX1)に変換する必要はない。
【0078】
また、ステップS35で端末ID(MIDXX1)と番組ID(CIDXX1)を受信した共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、次に、番組ID(CIDXX1)をプロバイダ間でユニークに管理するために、共通番組IDを生成する。例えば、VODプロバイダを示すVODプロバイダID(PIDXX1)とセットにして格納したり、VODプロバイダID(PIDXX1)と番組ID(CIDXX1)と組み合わせて共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)とするなどが可能である。なお、複数あるVODプロバイダ間で、同じ番組・広告が存在する場合も考えられる。VODプロバイダ間で同一の番組・広告には同じ共通番組IDを、また異なる番組・広告にはVODプロバイダ間でユニークな共通番組IDを手動により付けることも可能である。ここでは、共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)が生成されたとして説明する。
【0079】
これにより、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2では、共通ID毎に現在視聴されている番組のランキングを得ることができる。
【0080】
得られた情報の例を図14に示す。図14は、共通ID,端末ID,共通番組IDからなる。図14に示すように、共通ID(UIDXX1)では、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)のTV端末3があり、現在時刻において共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)の番組を視聴している。また、共通ID(UIDXX2)では、端末ID(MIDXX3)のTV端末3があり、現在時刻において視聴されている番組はない。さらに、共通ID(UIDXX3)では、端末ID(MIDXX4)のTV端末3があり、現在時刻において共通番組ID(PIDXX2CIDXX2)の番組を視聴している。さらにまた、共通ID(UIDXX4)では、端末ID(MIDXX5)と端末ID(MIDXX6)と端末ID(MIDXX7)のTV端末3があり、現在時刻において共通番組ID(PIDXX1CIDXX3)と共通番組ID(PIDXX1CIDXX3)の番組を視聴していることを表している。
【0081】
上述したように、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2で視聴番組IDを集計することにより、個人情報を使わずに、閲覧されている番組のVODプロバイダを横断した端末ID毎のランキングを知ることができる。これは、ある番組ID(C)について共通番組IDに現れる数を計算することで求められる。
【0082】
また、UIDXX4で2番組が同時に視聴されていることから、これらをそれぞれ0.5倍してから集計することにより、VODプロバイダを横断した共通ID毎の視聴ランキングを計算することができる。そして、共通ID毎の視聴ランキングを共通IDで割ることにより、VODプロバイダを横断した共通ID毎の視聴率を計算することができる(ステップS36)。このような共通ID毎の視聴率は、端末ID毎に求めるよりもより正確に世帯視聴率を表している。番組IDにおける世帯視聴率は、以下の式で表される。
番組ID(C)の世帯視聴率 = 全てのUにおける和{共通ID(U)で視聴されている番組ID(C)の数/共通ID(U)で視聴されている全番組数} / 全共通ID数
【0083】
ところで、本実施の形態のTV端末3は、図2に示したように、電源管理部40を備えている。この電源管理部40は、TV端末3において、電源プラグが電力供給源と接続されているか切断されているかを監視する。電源管理部40は、電源プラグが電力供給源から切断されたと判断した場合には、切断されてからの時間を計測する。ここで、電力供給源とは、一般家庭では例えば電源のコンセントであり、電力供給源から切断されるとは、電源のコンセントから電源プラグが抜かれることを意味している。本実施の形態においては、このように電源のコンセントから電源プラグが抜かれて電力供給源から切断されたとしても、電源管理部40は内部に電池を持つことにより、時間を計測することは可能である。
【0084】
また、電源管理部40は、電力供給源から切断された時間がある一定時間を越えると電源切断フラグを立てる。このある一定時間とは、例えば24時間とすることができる。
【0085】
電源切断フラグが立てられたTV端末3が再び電力供給源と接続された場合、TV端末3から共通ID発行プロバイダの共通サーバ2へ端末ID(MIDXX1)と電源切断フラグが送信される。ここに、電源管理部40により電力供給源から切断された時間が一定時間を越えたと判断した場合、その旨を当該TV端末3の端末IDとともに共通サーバ2に通知する切断通知手段が実現されている。端末ID(MIDXX1)と電源切断フラグを受信した共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、端末ID(MIDXX1)に対応する共通ID(UIDXX1)を検索し、共通ID(UIDXX1)から端末ID(MIDXX1)を除外する。
【0086】
共通ID(UIDXX1)から除外された端末ID(MIDXX1)を持つTV端末3において、操作部7からのVODプロバイダ接続指示を選択部36で再び受け付けると、図6におけるステップS1からの処理が再度行われる。これにより、端末ID(MIDXX1)を持つTV端末3は、該端末ID(MIDXX1)が共通ID管理記憶部43に存在しないため、共通ID発行部42により新しい共通IDを発行されることができる。
【0087】
これらの処理は、共通IDからの強制退会を意味し、例えば利用者が端末ID(MIDXX1)を持つTV端末3を他人に売った場合などにおいて、元の利用者が共通IDから該端末を削除する手間を省くことができるし、また新しい利用者が端末を使うにあたって、共通IDの再発行をするために有効である。
【0088】
このように本実施の形態によれば、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、VODプロバイダのVODサーバ1が映像データを配信したTV端末3の端末IDに対し、複数の端末IDを共通サーバ2で共通なものであると認識するための共通IDを発行し、発行された共通IDと端末IDとの組合せを記憶する。これにより、利用者が複数のTV端末3を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用するのではなく、複数の端末IDを共通サーバ2で共通なものであると認識するための共通IDを利用することで、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、VODプロバイダのVODサーバ1は、配信した映像データに係る視聴履歴情報および当該データ配信先のTV端末3の前記端末IDを、共通IDに対応付けて管理することにより、複数のTV端末3を持っていたり、またはTV端末3を買い替えるなどした利用者の視聴履歴情報を共通に管理することができるので、利用者が利用する複数の受信端末間でも同じ視聴履歴情報を利用することができる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、各VODプロバイダのVODサーバ1における共通ID毎の視聴履歴情報を集計することにより、個人情報を使わずに、閲覧されている番組のVODプロバイダを横断した端末ID毎のランキングを知ることができる。
【0091】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図15ないし図18に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0092】
図15は、本発明の第2の実施の形態にかかるVODシステム100の機能構成を概略的に示すブロック図である。図16に示すように、本実施の形態のVODシステム100は、VODプロバイダのVODサーバ1に番組・広告推奨部14を備えるのはなく、推奨手段として機能する番組・広告推奨部45を共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に備えている点で、第1の実施の形態のVODシステム100とは異なっている。
【0093】
図16は、VODシステム100における処理を示すシーケンス図である。第1の実施の形態で示した図6のシーケンス図との違いは、以下の点である。
【0094】
ステップS25において、端末IDのセット(MIDXX1,MIDXX2)の共通IDが統合された場合、その統合情報は、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2の番組・広告推奨部45に送信される(ステップS41)。
【0095】
共通サーバ2の番組・広告推奨部45は、統合情報を受信すると、それに従い履歴データを統合する。この時の番組・広告推奨部45が保持しているデータの例を図17に示す。図17は、共通ID、端末ID、視聴履歴からなり、共通ID(UIDXX1)とセットになる端末IDとして端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)が格納されており、さらにこの視聴履歴として、番組ID(PIDXX1CIDXX1)と番組ID(PIDXX2CIDXX2)が格納されている。また、共通ID(UIDXX4)とセットになる端末IDとして端末ID(MIDXX4)が格納されており、さらにこの視聴履歴として、番組ID(PIDXX1CIDXX2)が格納されている。ここで視聴履歴として後で述べる番組IDは、複数あるVODプロバイダ間でユニークになるようにして格納される。
【0096】
図18は、本実施の形態のVODシステム100における映像配信処理を示すシーケンス図である。図18に示すように、まず、利用者はVODプロバイダのVODサーバ1から端末ID(MIDXX1)で認証されているTV端末3のモニタ装置9に表示されたメニュー画面となるEPGから利用者が見たい番組を操作部7により選択すると、選択された番組が選択部36に伝達され、選択された番組はVODプロバイダのVODサーバ1に送られる(ステップS51)。
【0097】
VODプロバイダのVODサーバ1の制御部16は、選択された番組の映像を端末ID(MIDXX1)で認証されているTV端末3に配信する(ステップS52)。このような映像配信は、ストリーム配信であってもダウンロードであってもよい。
【0098】
ここで、利用者により選択された番組には、VODプロバイダによりVODプロバイダ内でユニークな番組ID(CIDXX1)が付けられている。VODサーバ1の制御部16は、この番組ID(CIDXX1)と番組を選択した端末ID(MIDXX1)を共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に送信する(ステップS53)。
【0099】
共通ID発行プロバイダは、複数あるVODプロバイダ間で番組IDがユニークになるように、共通番組IDを生成する。例えば、VODプロバイダを示すVODプロバイダID(PIDXX1)とセットにして格納したり、VODプロバイダID(PIDXX1)と番組ID(CIDXX1)と組み合わせて共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)とするなどが可能である。
【0100】
また、複数のVODプロバイダ間で、同じ番組・広告が存在する場合も考えられる。VODプロバイダ間で同一の番組・広告には同じ共通番組IDを、また異なる番組・広告にはVODプロバイダ間でユニークな共通番組IDを手動により付けることも可能である。ここでは、共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)が生成されたとして説明する。
【0101】
次に、共通サーバ2の制御部44は、端末ID(MIDXX1)と共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)を番組・広告推奨部45に送信する(ステップS54)。番組・広告推奨部45は、端末ID(MIDXX1)と共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)を受信し、履歴データとして格納する。この時、番組・広告推奨部45は、端末IDが対応している共通IDを検索し、共通IDとセットとなるように視聴履歴に共通番組IDを格納する。
【0102】
図17に示すように、共通IDと端末IDが格納されている場合、端末ID(MIDXX1)と共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)を受信すると、端末ID(MIDXX1)が共通ID(UIDXX1)とセットとなっているため、共通ID(UIDXX1)とセットとなるように視聴履歴に共通番組ID(PIDXX1CIDXX1)を格納する。ここでは、利用者が番組を選択することで説明したが、同様にして表示されている広告を選択した場合に、広告ID(AIDXX1)から共通番組IDと同様にVODプロバイダID間でユニークな共通広告ID(PIDXX1AIDXX1)を生成し、履歴データに格納することも可能である。
【0103】
番組・広告推奨部45は、共通IDで管理された履歴データを持つことにより、共通ID毎に推奨番組や推奨広告を計算することができる。計算する手法は、第1の実施の形態と同様にすれば可能であるためここでは詳しく説明しない。複数のVODプロバイダ間で同一の番組・広告に同一の共通番組IDを手動で付ける仕組みを持つ場合には、より正確な推奨番組・広告を計算することができる。
【0104】
そして、TV端末3において、推奨番組を表示するように利用者が操作した場合や、あらかじめ定められた広告を表示する条件になった場合などに、共通サーバ2の番組・広告推奨部45が計算した1つまたは複数の番組または広告を、TV端末3で表示させるように、共通サーバ2が送信する(ステップS55)。
【0105】
利用者への推奨番組は、利用者が契約しているVODプロバイダの番組にのみ絞り込んで推奨してもよいし、加入していないプロバイダの番組も推奨してもよい。加入していないプロバイダの番組を推奨する場合には、利用者は契約していないVODプロバイダに自分の嗜好に合った番組が存在することを知ることができ、また推奨されたVODプロバイダは、新規利用者と契約するために有効な広告となることができる。
【0106】
このように本実施の形態によれば、共通ID発行プロバイダの共通サーバ2は、VODプロバイダのVODサーバ1が映像データを配信したTV端末3の端末IDに対し、複数の端末IDを共通サーバ2で共通なものであると認識するための共通IDを発行し、発行された共通IDと端末IDとの組合せを記憶する。これにより、利用者が複数のTV端末3を持つ場合でも、利用者の個人情報である課金IDを利用するのではなく、複数の端末IDを共通サーバ2で共通なものであると認識するための共通IDを利用することで、それらが同一の利用者が利用していることを管理することができる。
【0107】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図19ないし図21に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0108】
図19は、本発明の第3の実施の形態にかかるVODシステム100の機能構成を概略的に示すブロック図である。図19に示すように、本実施の形態のVODシステム100は、VODプロバイダのVODサーバ1に端末認証部11および課金管理部12を備えるのはなく、端末認証部51および課金管理部52を、別途設けられ課金プロバイダの課金装置である課金サーバ50に備えている点で、第2の実施の形態のVODシステム100とは異なっている。なお、課金サーバ50は、VODサーバ1や共通サーバ2と同様のハードウェア構成であり、ROMやHDDに格納されたプログラムが異なっている。
【0109】
課金プロバイダの課金サーバ50の端末認証部51は、端末認証手段として機能するものであって、受信端末として契約しているTV端末3かどうかを認証する機能を担っている。また、課金管理部52は、課金管理手段として機能するものであって、受信端末として契約しているTV端末3に配信した映像番組に応じて課金する機能を担っている。制御部53は、各部を制御する機能を担っている。
【0110】
図20は、VODシステム100における処理を示すシーケンス図である。第2の実施の形態で示した図16のシーケンス図との違いは、以下の点である。
【0111】
VODサーバ1は、共通サーバ2から受け取った端末ID(MIDXX1)を課金サーバ50に送り(ステップS51)、課金サーバ50の端末認証部51および課金管理部52で契約済の端末か否かを認証する(ステップS52)。
【0112】
課金サーバ50の端末認証部51は、送信された端末ID(MIDXX1)の認証を行い、正しければ、その結果を課金管理部52に送る。課金管理部52は、課金認証を行う。課金管理部52における認証により、受け取った端末ID(MIDXX1)が正しいと判断した場合には、これらの端末認証結果を課金サーバ50の制御部53に送信する(ステップS53)。なお、認証が正しく行われない場合の処理については、省略する。
【0113】
ここで、課金サーバ50の端末認証部51、課金管理部52が保持している契約情報のデータの例を図21に示す。図21では、契約情報として契約先VODプロバイダを表すVODプロバイダIDと、課金IDと端末IDがセットで格納されている。図21の例では、VODプロバイダID(PIDXX1)のVODプロバイダに対して課金ID(VIDXX1)で課金される利用者が端末ID(MIDXX1)で契約していることがわかる。ここでは、それぞれ1つずつの対応関係で示しているが、必要に応じて複数のIDと対応づけて格納されていても良い。
【0114】
課金サーバ50の制御部53は、これを受け、VODプロバイダのVODサーバ1に認証結果を送り(ステップS54)、VODプロバイダのVODサーバ1はこれを受け、共通プロバイダの共通サーバ2に認証結果を送信する(ステップS9)。
【0115】
端末認証結果を受け取った共通サーバ2の制御部44は、上述した結果を受け、TV端末3のモニタ装置9に対し共通TOP画面を開く(ステップS10)。加えて、共通サーバ2の制御部44は、端末認証結果に基づき利用者と契約済のVODプロバイダのVODサーバ1に対して、該端末ID(MIDXX1)に対応する共通ID(UIDXX1)を共通サーバ2の制御部44から送信する(ステップS11)。このように共通IDが発行される場合には、VODサーバ1において、端末ID、視聴履歴などと共に共通IDを管理することが可能である。
【0116】
ここで、端末ID(MIDXX2)により契約済だと表示されなかったVODプロバイダCが選択された場合(図9参照)、TV端末3からVODプロバイダCのVODサーバ1へ端末ID(MIDXX2)が送信される(ステップS12)。
【0117】
端末ID(MIDXX2)を受信したVODサーバ1は、共通サーバ2から受け取った端末ID(MIDXX1)を課金サーバ50に送り(ステップS51)、課金サーバ50はステップS52およびS53と同様に、端末ID(MIDXX2)の認証を行い、端末ID(MIDXX2)が図21に示す契約情報に存在しない場合、課金サーバ50の制御部53は、図10に示すような認証・新規契約画面を、TV端末3に送信してモニタ装置9に表示させる(ステップS55)。
【0118】
ここで、利用者がVODプロバイダCに対して、課金ID(BIDXX1)を既に持っている場合には、課金ID入力部201に入力して、課金ID送信部を選択する(ステップS56)。なお、ここでは簡単のために、課金IDを“BIDXX1”として説明しているが、利用者に課金することができる情報であれば、利用者の氏名、住所、課金のための銀行口座番号、メールアドレスなどの1つまたは複数のどれを利用しても良い。ステップS14で入力する課金ID(BIDXX1)は、例えば利用者が他の端末IDを用いてVODプロバイダCと契約していた場合(買い替えのような場合に相当する)、図9において該端末では契約済だとは表示されなかったが、利用者が課金IDを保持していることは可能である。
【0119】
ステップS56で課金ID(BIDXX1)を受信した課金サーバ50の制御部53は、課金ID(BIDXX1)を課金管理部52に送信する(ステップS57)。課金管理部52は、図21で示した契約情報において、既に該課金ID(BIDXX1)が存在するか否かを検索する。既に該課金ID(BIDXX1)が存在する場合には、その課金IDとセットで格納されている端末ID(MIDXX1)を課金サーバ50の制御部53に送信する(ステップS58)。これにより、端末ID(MIDXX2)が、端末ID(MIDXX1)と同じ利用者により利用されていることがわかり、同一の課金IDを持つ端末として、図21に示す契約情報には、課金ID(BIDXX1)とセットで、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)が格納される。
【0120】
一方、ステップS55により表示された認証・新規契約画面(図10参照)において、利用者がVODプロバイダCと契約するための契約画面を表示するためのリンク203が選択された場合、VODプロバイダCとの契約のために利用者に課金することの出来る課金情報を課金プロバイダの課金サーバ50に送信する(ステップS59)。この課金情報は、課金管理部52に送信され(ステップS60)、課金管理部52はこの課金情報が既に図21で示す契約情報に存在するか否かを検索する。
【0121】
ステップS60により課金管理部52が受け取った課金情報が、図21で示す契約情報に存在しない場合には、新たに課金ID(BIDXX2)が発行され、図21に示す契約情報に課金ID(BIDXX2)とセットで端末ID(MIDXX2)が格納される(ステップS61)。図20のシーケンス図では、特に図示していないが、この発行された課金ID(BIDXX2)を利用者に通知するようにしても良い。
【0122】
一方、ステップS60により課金管理部12が受け取った課金情報が、図21で示す契約情報に既に存在する場合には、対応する課金情報の課金ID(BIDXX1)とセットで格納されている端末ID(MIDXX1)が課金サーバ50の制御部53に送信される(ステップS62)。なお、課金ID(BIDXX1)とセットで格納されている端末VODサーバ1が複数存在する場合には、ステップS62において、その全ての端末IDを課金サーバ50の制御部53に送信する。これにより、端末ID(MIDXX2)が、端末ID(MIDXX1)と同じ利用者により利用されていることがわかり、同一の課金IDを持つ端末として、図21に示す契約情報には、課金ID(BIDXX1)とセットで、端末ID(MIDXX1)と端末ID(MIDXX2)が格納される。
【0123】
ステップS58またはステップS62により、端末ID(BIDXX1)と端末ID(BIDXX2)が同一利用者により利用されていることがわかると、これらの端末ID(BIDXX1,BIDXX2)が共通ID発行プロバイダの共通サーバ2に送信される(ステップS63)。端末IDの組を受け取った共通サーバ2は、図11に示すような推奨確認画面をTV端末3に送信して表示させる(ステップS22)。以降の処理については、第2の実施の形態で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0124】
このように本実施の形態によれば、契約されているTV端末3かどうかを認証する端末認証部51と、この端末認証部51により契約されていると認証されたTV端末3に配信した映像データに応じて課金する課金管理部52とを有している課金サーバ50を更に備えることにより、利用者への課金業務をVODプロバイダ側で行わなくても良いため、VODプロバイダ構築が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるVOD(Video on Demand)システムのシステム構築例を示す模式図である。
【図2】VODシステムの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】映像提示時の表示例を示す正面図である。
【図4】番組・広告推奨部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】番組・広告推奨部の内部構成の変形例を示すブロック図である。
【図6】VODシステムにおける処理を示すシーケンス図である。
【図7】共通ID管理記憶部が保持している端末IDと共通IDのデータの例を示す模式図である。
【図8】端末認証部、課金管理部が保持している契約情報のデータの例を示す模式図である。
【図9】共通TOP画面の表示例を示す正面図である。
【図10】認証・新規契約画面の表示例を示す正面図である。
【図11】推奨確認画面の表示例を示す正面図である。
【図12】視聴履歴情報を共通IDおよび端末IDと共に管理する場合のデータの例を示す模式図である。
【図13】VODシステムにおける映像配信処理を示すシーケンス図である。
【図14】映像配信処理の際に得られた情報の例を示す模式図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態にかかるVODシステムの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図16】VODシステムにおける処理を示すシーケンス図である。
【図17】番組・広告推奨部が保持しているデータの例を示す模式図である。
【図18】VODシステムにおける映像配信処理を示すシーケンス図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態にかかるVODシステムの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図20】VODシステムにおける処理を示すシーケンス図である。
【図21】端末認証部、課金管理部が保持している契約情報のデータの例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0126】
1 映像配信装置
2 共通ID発行管理装置
3 受信端末
14 映像配信装置の推奨手段
40 電源管理手段
42 共通ID発行手段
43 共通ID管理記憶手段
45 共通ID発行管理装置の推奨手段
50 課金装置
51 端末認証手段
52 課金管理手段
100 映像配信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ端末IDを有しており、映像データの配信を要求するとともに前記配信要求に応じて配信された映像データを受信する複数の受信端末と、
前記受信端末からの配信要求に応じた映像データを、前記受信端末に対して配信する映像配信装置と、
前記複数の端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを発行する共通ID発行手段と、前記共通IDと前記複数の端末IDとの組合せを記憶する共通ID記憶手段と、前記配信要求に応じて前記映像配信装置が映像データを前記受信端末に配信した場合、前記受信端末の端末IDに対応する前記共通IDが前記共通ID管理記憶手段に存在するかを認証する端末認証手段と、を有する共通ID発行管理装置と、
を備えることを特徴とする映像配信システム。
【請求項2】
前記映像配信装置は、前記共通ID発行管理装置から、前記受信端末の端末IDに対応する前記共通IDを受信し、
配信した映像データに係る視聴履歴情報および当該データ配信先の前記受信端末の前記端末IDを、前記共通IDに対応付けて管理する、
ことを特徴とする請求項1記載の映像配信システム。
【請求項3】
前記共通ID発行管理装置は、前記各映像配信装置が配信した映像データに係る視聴履歴情報及び当該データ配信先の共通IDを集計する、
ことを特徴とする請求項2記載の映像配信システム。
【請求項4】
前記共通ID発行管理装置は、
複数の前記受信端末に係る前記端末IDを同一利用者が利用していることを認識した場合、前記各端末IDを一の前記共通IDで管理するように統合するか否かを利用者に選択させる選択手段と、
この選択手段により前記各端末IDを一の前記共通IDで管理するように統合することが選択された場合、前記共通ID管理記憶手段に記憶されている内容を、前記各端末IDを一の前記共通IDで管理するように変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の映像配信システム。
【請求項5】
前記映像配信装置は、配信した映像データの視聴履歴情報と前記端末IDとを前記共通IDで管理し、配信した映像データに応じて前記受信端末毎に各種情報の推奨を行う推奨手段を備えており、
前記推奨手段は、前記端末IDが他の前記共通IDにより管理されるように統合された場合、前記端末ID毎の視聴履歴情報も統合する、
ことを特徴とする請求項1記載の映像配信システム。
【請求項6】
前記共通ID発行管理装置は、前記映像配信装置が配信した映像データの視聴履歴情報と前記端末IDとを前記共通IDで管理し、前記映像配信装置が配信した映像データに応じて前記受信端末毎に各種情報の推奨を行う推奨手段を備えており、
前記推奨手段は、前記受信端末の前記端末IDが他の前記共通IDにより管理されるように統合された場合、前記端末ID毎の視聴履歴情報も統合する、
ことを特徴とする請求項1記載の映像配信システム。
【請求項7】
契約されている前記受信端末かどうかを認証する端末認証手段と、この端末認証手段により契約されていると認証された前記受信端末に配信した映像データに応じて課金する課金管理手段とを有している課金装置を更に備える、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の映像配信システム。
【請求項8】
前記受信端末は、電力供給源からの切断を監視する電源管理手段と、この電源管理手段により電力供給源から切断された時間が一定時間を越えたと判断した場合、その旨を当該受信端末の前記端末IDとともに前記共通ID発行管理装置に通知する切断通知手段と、を有しており、
前記共通ID発行管理装置は、前記端末IDと電力供給源から切断された時間が一定時間を越えた旨を受信すると、前記共通ID管理記憶手段に記憶されている前記端末IDに対応する前記共通IDから当該端末IDを除外する、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の映像配信システム。
【請求項9】
映像配信装置が配信要求に応じて映像データを配信した受信端末が有している端末IDに対し、当該端末IDを自装置で共通なものであると認識するための共通IDを共通ID発行管理装置で発行する共通ID発行工程と、
この共通ID発行工程により発行された前記共通IDと前記端末IDとの組合せを記憶部に記憶させて管理する共通ID管理記憶工程と、
を含むことを特徴とする映像配信サービスの受信端末管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−208936(P2007−208936A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28969(P2006−28969)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】