説明

暗号通信システム、受信装置、及び、送信装置

【課題】情報を送受信する際に、受信対象を限定できる暗号通信システムの提供。
【解決手段】前方車両の速度を計算する(S110)。GPS受信機11aから得られる情報に基づいて、自車両の現在位置としての緯度・経度を算出する(S120)。ジャイロスコープ11b等から得られる情報に基づいて、緯度・経度を補正する(S130)。前方車両の速度に基づいて、渋滞レベルを推定する(S140)。自車両の位置と渋滞レベルとから、暗号の復号を許可する地域を決める(S150)。地域の境界線としての、二組の緯度および経度によって定まる復号鍵に対する暗号鍵を作成する(S160)。作成した暗号鍵によって渋滞情報を暗号文にする(S170)。暗号文、南北方向および東西方向の区画数、並びにオフセット値を送信する(S180)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共通鍵暗号方式による暗号文を、送信装置から受信装置へと送信する暗号通信システム、並びに、当該暗号通信システムに用いられる送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車車間通信装置において、GPS受信機を用いて自車両の走行方位を取得し、この走行方位に基づいて無線信号の送信に使用する通信チャネルを選択する技術が、既に知られている(例えば特許文献1)。この技術によれば、通信チャネルの選択により、交差点などで出会い頭に衝突しそうな車両と通信することができ、衝突回避のための処理を実行することができる。
【特許文献1】特開2004−62381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先述した技術の課題は、通信チャネルの選択により特定条件を満足する車両と選択的に通信できるものの、特定の場所に位置する車両と選択的に通信することができないことである。つまり、先述した技術では、通信方向および電波強度さえ合っていれば、どの車両でも情報の受信・取得ができてしまう。従って、この種の従来知られる技術では、プライバシーに関わる情報を、無闇に送信できなかった。
【0004】
もう一つの課題は、情報の種類によっては、特定の場所に位置するユーザにとってのみ、有用である場合があるにも関わらず、従来知られる技術では、特定の場所に位置する車両に限定して、その有用である情報を送信することができないというものである。即ち、従来知られる技術では、不要な情報が送信側から受信側へと大量に流れるため、受信側車両における受信情報の取捨選択が煩雑であるといった課題があった。
【0005】
例えば、渋滞に関する情報などは、その渋滞に巻き込まれそうにもない車両のユーザには不要である。従って、渋滞に巻き込まれている、又は巻き込まれそうな車両のみに向けて情報を送信すると良い。しかし、先述した技術では、走行方位以外の情報に基づく通信チャネルの選択ができないので、この課題を解決することができなかった。
【0006】
本発明は先述した課題を鑑み、情報を送受信する際に、送信側が、特定の地域に向けて情報を送信することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先述した課題に解決するためになされた請求項1に記載の発明は、共通鍵暗号方式による暗号文を、送信装置から受信装置へと送信する暗号通信システムである。そして、送信装置は、決定手段と、暗号鍵作成手段と、平文取得手段と、暗号化手段と、送信手段とを備える。
【0008】
決定手段は、暗号文の送信先として、暗号文の復号を許可する地域を決定する。暗号鍵作成手段は、決定手段が決定した地域の位置情報に基づいて、暗号鍵を作成する。平文取得手段は、送信対象の平文を取得する。暗号化手段は、平文取得手段が取得した平文を、暗号鍵作成手段が作成した暗号鍵によって暗号化することで、暗号文を作成する。送信手段は、暗号化手段が作成した暗号文を、電磁波の形態で周囲に送信する。
【0009】
一方、受信装置は、受信手段と、位置取得手段と、復号鍵作成手段と、復号手段とを備える。
受信手段は、送信手段から送信される暗号文を受信する。位置取得手段は、自身の位置情報を取得する。復号鍵作成手段は、位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、復号鍵を作成する。復号手段は、復号鍵作成手段が作成した復号鍵によって、受信手段が受信した暗号文を復号する。
【0010】
請求項1に記載の暗号通信システムによれば、送信装置が、特定の地域に向けて情報を送信することができる。なぜなら、上述した手法で暗号鍵及び復号鍵を作成することで、送信装置が備える決定手段が決定した地域に位置する受信装置のみが、暗号文を正しく復号できるからである。
【0011】
すなわち、この発明によれば、無線等の電磁波で暗号文を周囲に送信しながらも、意図しない位置の受信装置に暗号文を復号されることがなく、特定の場所の受信装置に対して選択的にデータを送信することができると共に、プライバシー性の高いデータの授受を、情報漏洩を防止して安全に行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の受信装置は、請求項1に記載の暗号通信システムを構成する受信装置である。この受信装置によれば、上述の暗号通信システムを構築することができて、上述の効果を得ることができる。
【0013】
請求項3に記載の受信装置は、移動体に搭載される請求項2に記載の受信装置である。この受信装置において、位置取得手段は、測位手段と、加速度測定手段と、補正手段とを備える。
【0014】
測位手段は、GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて、現在位置を測位する。加速度測定手段は、当該受信装置の加速度を測定する。補正手段は、測位手段によって計測された現在位置を、加速度測定手段によって測定された加速度の情報に基づいて補正する。
【0015】
そして、位置取得手段は、補正手段による補正後の現在位置を、自身の位置情報として取得し、復号鍵作成手段は、補正手段による補正後の現在位置に基づいて、復号鍵を作成する。
【0016】
請求項3に記載の受信装置によれば、自身の位置を正確に取得できる。従って、送信装置の決定手段が決定した位置に自身が位置するか否かを、正確に知ることができる。
請求項4に記載の送信装置は、請求項1に記載の暗号通信システムを構成する送信装置である。この送信装置によれば、上述の暗号通信システムを構築することができて、上述の効果を得ることができる。
【0017】
ところで、請求項4に記載の送信装置は、請求項5に記載のように構成されるとよい。請求項5に記載の送信装置が備える決定手段は、送信手段による送信対象地域として予め定められた複数の区画のなかから、任意の区画を選択することで、暗号文の復号を許可する地域を決定する。
【0018】
請求項5に記載の送信装置によれば、受信装置が自身の位置に基づいて作成した復号鍵によって復号できる確率が高くなる。なぜなら、決定手段が決定した許可位置が、どのように区切られた地域であるのかという情報を送信装置と受信装置とで共有していなければ、復号の際に総当たり攻撃に頼らざるを得ない。そこで、地域の区切り方を、予め定められ複数の区画によって表現すると共に送信装置と受信装置とで共有しておけば、正しい復号鍵を作成できる確率が総当たり攻撃よりも大幅に上がることになる。
【0019】
請求項4又は請求項5に記載の送信装置は、請求項6に記載のように構成されるとよい。請求項6に記載の送信装置は、自身の位置情報を取得する位置取得手段を備える。そして、決定手段は、位置取得手段が取得した自身の位置情報に基づいて、暗号文の復号を許可する地域を決定する。
【0020】
請求項6に記載の送信装置によれば、送信装置自身の位置を基準とした地域を、復号を許可する地域に決定できる。つまり、自身の位置が分からなければ、緯度・経度などの自身の位置とは関係ない基準によって、復号を許可する地域を決定せざるを得ない。しかし、自身の位置が分かれば、自身からこれだけ離れた地域、というように復号を許可する地域を決定できる。従って、例えば、送信装置周辺のみの受信装置にとって利用価値のある情報を、その受信装置に向けて送信できる。
【0021】
請求項6に記載の送信装置は、具体的には請求項7に記載のように構成されればよい。請求項7に記載の送信装置は、移動体に搭載される請求項6に記載の送信装置であって、位置取得手段が、測位手段と、加速度測定手段と、補正手段とを備えるものである。
【0022】
測位手段は、GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて、現在位置を測位する。加速度測定手段は、当該送信装置に生じる加速度を測定する。補正手段は、測位手段によって計測された現在位置を、加速度測定手段によって測定された加速度の情報に基づいて補正する。
【0023】
そして、位置取得手段は、補正手段によって補正された補正後の現在位置を、自身の位置情報として取得し、決定手段は、補正手段による補正後の現在位置に基づいて、暗号文の復号を許可する地域を決定する。
【0024】
請求項7の送信装置によれば、正確な自身の位置の情報に基づいて、復号を許可する地域を決めることができ、例えば、送信装置周辺のみの受信装置にとって利用価値のある情報を、受信装置に向けて送信する場合に、送信地域(復号を許可する地域)を適切に決定することができる。
【0025】
請求項6又は請求項7に記載の送信装置は、請求項8に記載のように構成されるとよい。請求項8に記載の送信装置は、移動体としての車両に搭載される。そして、送信装置は、速度測定手段と、推定手段とを備える。速度測定手段は、自車両周囲の他車両の速度を測定する。推定手段は、速度測定手段の測定結果に基づいて、自車両周囲の渋滞度を推定する。そして、平文取得手段は、平文として、推定手段によって推定された渋滞度の情報を取得する。
【0026】
請求項8に記載の送信装置によれば、自車両周囲の渋滞度を暗号化して、自車両周辺に送信することができる。従って、受信装置も車両に備えられていれば、受信装置が自車両周辺の渋滞度の情報を得ることができるので、利用価値の高い地域に限定して渋滞度の情報を送受信することができる。
【0027】
請求項8に記載の送信装置は、請求項9に記載のように構成されるとよい。請求項9に記載の送信装置が備える決定手段は、推定手段によって推定された渋滞度が高くなる程、暗号文の復号を許可する地域を広げるように、暗号文の復号を許可する地域を決定する。
【0028】
請求項9に記載の送信装置によれば、自車両周囲の渋滞度を適切な地域に送信できる。なぜなら、一般に渋滞度は、その度合が高いほど、広い地域の車両にとって利用価値があるからである。
【0029】
請求項4〜請求項7の何れかに記載の送信装置は、請求項10に記載のように構成されるとよい。請求項10に記載の送信装置が備える平文取得手段は、ユーザインタフェースを通じて平文を取得する。
【0030】
請求項10に記載の送信装置によれば、自身で平文を生成しなくてよいので、装置を簡潔かつ安価に構成できる。しかも、ユーザインタフェースから情報を得るので、ユーザが送信を望む情報を、平文として取得し、これを暗号化して、プライバシーを保持しながら送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を、図面と共に説明する。
【実施例1】
【0032】
図1は、本発明が適用された暗号通信システム1の概略構成図である。暗号通信システム1は、複数の車載装置10、車載装置10と無線通信可能に構成された複数の道路インフラ30、及び、道路インフラ30と有線通信可能に構成された情報センタ50からなる。車載装置10は、四輪や二輪の自動車に搭載されて用いられる。また、道路インフラ30は、道路の側に設置される。
【0033】
即ち、この暗号通信システム1においては、車載装置10間、及び、車載装置10と道路インフラ30との間で、無線により通信が行われ、道路インフラ30と情報センタ50との間では、有線により通信が行われる。このような通信の態様により、車載装置10と情報センタ50とは、道路インフラ30を介して、互いに通信することができる。
【0034】
図2は、車載装置10、複数の道路インフラ30、及び情報センタ50のそれぞれの構成を表すブロック図である。
車載装置10は、車両の現在位置を測位する測位器11、ユーザインタフェースとして機能する操作スイッチ群12及び音声の入力を受ける音声入力部13、外部装置と情報のやり取りをする外部情報入出力器16、記憶媒体から地図データ等を読み出して制御部20に入力する地図データ入力器17、地図や経路案内画面等を表示するための表示部14、各種ガイド音声を出力するための音声出力部15、自車両前方の車両までの距離を測るためのレーダ19、及び、制御部20を備える。
【0035】
測位器11は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波(GPS信号)を、GPSアンテナを介して受信し、車両の位置、進行方向などを測位するGPS受信機11aと、車両に発生する回転運動の大きさを測定するジャイロスコープ11bと、車輪の回転数から車両の走行距離を測定する距離センサ11cと、地磁気から進行方位を測定する地磁気センサ11dとを備える。
【0036】
操作スイッチ群12は、表示部14と一体に構成されたタッチパネルや、表示部14の周囲に設けられた機械的なキースイッチ等から構成されている。
音声入力部13は、ユーザが発する音声情報を取得できるようにマイクで構成されている。
【0037】
表示部14は、カラー表示装置であり、液晶モニタ等で構成される。この表示部14には、制御部20の制御により、車両の現在地周囲の地図などが表示される。
音声出力部15は、スピーカ等から構成され、制御部20の制御を受けて、外部情報入出力器16を介して受信した情報などを音として出力する。
【0038】
また、外部情報入出力器16は、周囲の車載装置10や道路インフラ30と無線通信が可能に構成され、無線通信インタフェースとして機能する。
地図データ入力器17は、図示しない記憶媒体に記憶された地図データ等を、記録媒体から読み出して、これを制御部20に入力する。記憶媒体には、地図データとして、道路の接続を表すデータ(リンク及びノードのデータ)、地形データ、施設データ等が記憶されている他、測位精度向上のためのマップマッチング用データや、経路案内用の音声データ、各道路についての制限速度の情報等が記憶されている。なお、記憶媒体は、CD−ROM、DVD、ハードディスクなどである。
【0039】
レーダ19は、制御部20の指令に従って、車両前方に向けてミリ波を発射すると共にその反射波を受信し、その受信情報を制御部20に入力する構成にされている。この構成によって、当該車載装置10では、制御部20にて前方車両までの距離を測ることができる。
【0040】
また、制御部20は、CPU20a、RAM20b、ROM20c、及び、各種設定情報を記憶するNVRAM20d等から構成されており、CPU20aにて、ROM20cに記憶された各種プログラムを実行することにより、装置内各部を統括制御すると共に、各種機能を実現する。
【0041】
各種機能の具体例としては、自車両の位置特定機能や地図表示機能、経路案内機能等を挙げることができる。即ち、制御部20は、測位器11から入力される各種信号に基づき位置座標(緯度・経度)、及び、進行方向の組として車両の現在地を算出する。そして、この算出結果に基づき、地図データ入力器17から、車両の現在地周囲の地図データを取得し、この地図データに基づき、車両の現在地周囲の地図を、表示部14に表示する。
【0042】
また、制御部20は、操作スイッチ群12や音声入力部13等を通じて、ユーザから経路案内指令を受け付ける。そうすると、指令入力時に車両が位置する地点から、この指令にて指定された目的地までの間の最適な経路を、ダイクストラ法などの周知の技法を用いて算出する。そして、この経路案内を、表示部14及び音声出力部15を通じて行う。
【0043】
この他、制御部20は、暗号通信に関わる処理を実行することによって、暗号通信機能を実現する(詳細後述)。
一方、道路インフラ30は、処理部31と通信部34とI/F(インタフェース)35とを備える通信装置である。処理部31は、周知のマイクロコンピュータとして構成され、暗号通信に関わる処理を実行する(詳細後述)。通信部34は、外部情報入出力器16と無線通信可能な無線通信インタフェースとして構成され、処理部31の指令に従って、外部情報入出力器16と無線によって情報の送受信をする。そして、処理部31は、I/F35を介して情報センタ50と有線による通信をする。
【0044】
また、情報センタ50は、処理部51と操作スイッチ群52とI/F55とを備える。処理部51は、周知のマイクロコンピュータとして構成され、暗号通信に関わる処理を実行する(詳細後述)。そして、処理部51は、I/F55及びI/F35を介して有線によって処理部31と情報の送受信ができるように構成されている。また、操作スイッチ群52は、ユーザインタフェースとして機能して、処理部51に情報を入力するために用いられる。
【0045】
ここから、暗号通信に関わる処理を説明していく。本実施例では、制御部20が実行する第一送信処理、並びに、制御部20および処理部31が実行する受信処理によって暗号通信が実現される。つまり、第一送信処理によって暗号化された情報(暗号文)が送信され、受信した暗号文が受信処理によって復号化される。まず、第一送信処理を説明する。
【0046】
図3は、第一送信処理を表すフローチャートである。第一送信処理は、車載装置10が備える制御部20が主体となって繰り返し実行するものである。この第一送信処理は、暗号化した渋滞に関する情報を道路インフラ30及び他車両の車載装置10に送信するために、制御部20にて実行される。
【0047】
まず、制御部20は、前方車両の速度を、レーダ19から得られる前方車両までの距離の情報に基づいて計算する(S110)。具体的には、前方車両までの距離を時間で微分することで自車両に対する相対速度を算出すると共に、距離センサ11cから得た自車両の速度を加味することで、前方車両の道路に対する速度を算出する。
【0048】
次に、GPS受信機11aから得られる情報に基づいて、自車両の現在位置としての緯度・経度を測位する(S120)。そして、ジャイロスコープ11b、距離センサ11c及び地磁気センサ11dから得られる自車両の加速度の情報に基づく慣性航法によって、GPS受信機11aからの情報に基づいて算出した緯度・経度を補正する(S130)。S120及びS130について補足説明すると、GPSから得られる情報は、所定の時間間隔以上の粗いものである。従って、ある時刻におけるGPSの情報を得てから次の時刻における情報を得るまでの移動に伴う現在位置の変化を補正するために、S130の処理を実行するのである。
【0049】
次に、前方車両の速度に基づいて、渋滞レベルを推定する(S140)。渋滞レベルは1〜5の整数で表されるものであり、5が最も渋滞している状態を表す。具体的には、制限速度と前方車両の所定時間における平均速度との比較によって渋滞レベルを推定する。例えば、前方車両の平均速度が制限速度の80%以上であれば渋滞レベル1、60%〜80%なら渋滞レベル2、40%〜60%なら渋滞レベル3、20%〜40%なら渋滞レベル4、20%未満なら渋滞レベル5、という具合である。なお、S130で求めた位置から特定される自車両が存在する道路の制限速度の情報は、地図データ入力器17を介して取得する。
【0050】
次に、S130での処理による補正後の自車両の位置と、S140で推定した渋滞レベルとから、暗号の復号を許可する地域(許可位置)を決める(S150)。ここで図4を用いて、許可位置を決めるために予め定められた、区画について説明する。ここでいう区画とは、北緯35°・東経137°(図4に示された点PA)を基準とする、0.00005°刻みの緯線・経線によって囲われる方形状の各地域によって定められるものである。
【0051】
そして、S150の動作を具体的に述べると、自車両の位置(図4には白丸として図示)を中心にして、渋滞レベルの大きさに応じて、渋滞レベルが高くなる程、区画を選択する範囲を広げるようにして地域を決める。
【0052】
例えば、補正後の自車両の位置を中心とする正方形の地域を許可位置に決定するようにして、この正方形の辺の長さを、渋滞レベル1なら100m、渋滞レベル2なら200m、と言った具合に決定することにより、渋滞レベルの大きさに応じて、区画を選択する範囲を広げるようにして地域を決める。
【0053】
ただし、区画単位によって地域を定めるので、100m等の切りのよい数字に正確に合わせたりすることは難しい。そこで、本実施例では、狙いにある程度近くなるように区画を選択する。
【0054】
例えば、自車両の位置を中心とする100m四方の正方形を描くと、この正方形の各辺によって、正方形の内部と外部とに分断される区画の列が現れる。これらの区画の列については、正方形内部の面積が外部のそれよりも広ければ許可位置とし、そうでなければ許可位置としない、とすればよい。図4の例では、二重線によって囲われた地域が許可位置として選択された区画の集合である。
【0055】
次に、前のステップで決めた地域の境界線である方形の二辺の緯度及び二辺の経度によって定まる復号鍵に対する、DES(Data Encryption Standard)によって定まる暗号鍵を作成する(S160)。
【0056】
なお、この復号鍵は、先述した二組の緯度及び経度(方形の二辺の緯度及び二辺の経度)を並べた数である。具体的には、この復号鍵は、南側に位置する辺の緯度、北側に位置する辺の緯度、西側に位置する辺の経度、東側に位置する辺の経度によって表現される。
【0057】
ただし、小数点以上は三桁、小数点以下は六桁にする。従って、本来は小数点以上が一桁や二桁であれば、頭に零を付け加える。並べる順番は、南側の緯度、北側の緯度、西側の経度、東側の経度である。
【0058】
例えば、図4の二重線で囲った地域の場合、復号鍵は、03500030035000651370000513700045という36桁の数になる。DESは共通鍵暗号であるので、復号鍵に対して暗号鍵が一意に決まる。S160では、このようにして定まる復号鍵に対応する暗号鍵を作成する。
【0059】
次に、作成した暗号鍵によって渋滞情報を暗号化して、暗号文を作成する(S170)。ここで言う渋滞情報とは、渋滞レベルと、自車両の位置としての緯度と、自車両の位置としての経度とを、この順に並べたものである。なお、緯度・経度については、小数点以上が三桁、小数点以下が六桁の数とする。復号鍵と同様に、小数点以上が一桁や二桁であれば、頭に零を付け加える。
【0060】
最後に、暗号文、復号を許可した地域の東西方向および南北方向の区画数、並びにオフセット値を一組にして、これらの情報を送信データとして、外部情報入出力器16を通じ、無線の形態で周囲に送信する(S180)。なお、図4の場合だと、東西方向の区画数は8、南北方向の区画数は7である。
【0061】
また、オフセット値とは、東西方向と南北方向とのそれぞれについて、基準点PAである北緯35°・東経137°と、暗号の復号を許可する地域として定めた地域の北東の角の点PBとの距離を区画数で表したものを、暗号の復号を許可する地域の区画数で割った余りである。図4の場合だと、東西方向については、基準点PAと点PBとの間には、9区画の距離がある。従って、9を8(暗号の復号を許可する地域の東西方向の区画数)で割った余りは1なので、東西方向のオフセット値は1である。南北方向も同様に、基準点PAと点PBとの間の南北方向の区画数13を、暗号の復号を許可する地域の南北方向の区画数7で割ると余りは6である。このようにして算出された東西方向1・南北方向6が、図4の場合のオフセット値となる。
【0062】
この区画数とオフセット値とを算出すると共に暗号文と一組にして送信する理由は、復号鍵を一意に定めるためである。受信した装置とって、自身が属する区画を含むような方形状の地域の決め方は無数にある。そこで、その方形状の地域が一意に決まるように、区画数およびオフセット値を用いる。
【0063】
つまり、区画数とオフセット値とに基づけば、送信側が許可位置として定めた方形が、図4に示した二重線または破線によって囲われる地域の何れかであることが分かる。そして、これらの方形の中から自分の位置が属するものを、送信側が許可位置として定めた方形とみなして復号化する処理(S250〜S260)が、次で説明する受信処理で実行される。
【0064】
続いて、図5を用いて受信処理を説明する。受信処理は、車載装置10が備える制御部20が主体となって実行するものである。そして、第一送信処理によって送信される、暗号文、区画数およびオフセット値からなる上述の一組の情報を受信することを契機に、処理が開始される。
【0065】
まず、GPS受信機11aから得られる情報に基づいて、自車両の現在位置としての緯度・経度を測位する(S230)。そして、ジャイロスコープ11b、距離センサ11c及び地磁気センサ11dから得られる車両の加速度の情報に基づき、慣性航法によって、GPS受信機11aからの情報に基づいて算出した緯度・経度を補正する(S240)。
【0066】
次に、S240で補正した自己位置、予め定められている区画情報、並びに、受信した区画数およびオフセット値から復号鍵を作成する(S250)。第一送信処理の説明の最後で述べたように、これらの情報を基にすれば、S160で定められた復号鍵と同様に、36桁の数が一意に決まることになる。
【0067】
即ち、S250では、受信した区画数およびオフセット値から定まる方形の各地域の内、上記補正した自己位置が属する方形の地域を特定し、当該地域の南側に位置する辺の緯度、北側に位置する辺の緯度、西側に位置する辺の経度、東側に位置する辺の経度の情報から復号鍵を作成する。
【0068】
また、S250の処理後には、上記作成した復号鍵によって、受信した暗号文の復号を試みる(S260)。もし、自車両が第一送信処理で定められた復号を許可された地域に位置するのであれば、暗号文を正しく復号できる。
【0069】
なぜなら、第一送信処理のS160で定められた復号鍵と、S250で作成した復号鍵とが一致するからである。逆に、自車両が第一送信処理で定められた復号を許可された地域に位置しないのであれば、暗号文を正しく復号できないことになる。
【0070】
よって、S260の処理後には、受信した暗号文を正しく復号できたかを判断する(S270)。具体的には、暗号文を復号して得られる平文の記述が予め定められた書式に適合しているか否かを判断することによって、受信した暗号文を正しく復号できたか否かを判断することができる。
【0071】
そして、正しく復号できたのであれば(S270でYes)、所定の処理を実行し(S280)、受信処理を終える。所定の処理とは、例えば、暗号文の復号によって得た情報(渋滞レベルの情報)を、表示部14や音声出力部15を通じて運転者に報知したり、渋滞路を迂回するような経路探索をしたりするものである。
【0072】
具体的に、本実施例では、暗号文の復号により渋滞レベルと送信元の位置情報が得られる。従って、この情報から、送信元に対応する位置付近で、通知されたレベルの渋滞が生じていることを、表示部14を通じて、例えば文字情報や図形情報として車両乗員に報知する。
【0073】
一方、復号できなかったのであれば(S270でNo)、所定の処理を実行せずに受信処理を終える。
以上に、車載装置10の制御部20が実行する第一送信処理及び受信処理について説明したが、車載装置10から送信される暗号文、区画数およびオフセット値からなる上述の一組の情報は、道路インフラ30にも受信される。
【0074】
そして、道路インフラ30においても、車載装置10と同様の手法によって暗号文の復号が試みられる。また、道路インフラ30において暗号文の復号が正しく行われた場合には、I/F35を介して、上記渋滞情報が、情報センタ50に提供される。
【0075】
即ち、道路インフラ30が備える処理部31も、図5に示す受信処理と同様な処理を実行する。ただし、道路インフラ30は移動しないので、S230及びS240に替えて、処理部31が備える記憶媒体に記憶された自己位置を取得する処理を実行する。さらに、S280に相当する所定の処理の内容は、復号した渋滞情報を情報センタ50が備える処理部51への送信、と読み替える。
【0076】
一方、情報センタ50は、I/F55を通じて各道路インフラ30から送信されてくる渋滞情報を受信し、処理部51により、これらの渋滞情報をまとめる。例えば、受信した渋滞情報群から各地域の渋滞レベルの平均値を求め、各地域の渋滞レベルとして精度の高い情報を得る。そして、上記精度を高めた渋滞情報を、道路インフラ30に配信するなどの処理を実行する。
【0077】
但し、道路インフラ30から従来と同様の手法で渋滞情報を送信してしまうと、各車両において不要な渋滞情報が車両乗員に報知されてしまう。このため、本実施例では、情報センタ50が、配信する渋滞情報に即した地域を、送信対象の地域に決定し、この決定内容を渋滞情報と共に、道路インフラ30に配信する。そして、道路インフラ30は、情報センタ50から通知された上記送信対象の地域を許可位置として、渋滞情報を、上述した車載装置10と同様の手法で暗号化し、その暗号文を周囲に電磁波の形態で送信する。
【0078】
以上に説明したように、暗号通信システム1は、送信側が意図した地域に位置する装置のみが暗号を復号できるように構成されている。従って、明らかに必要とされない地域に位置する装置は渋滞情報が復号できないので、余計な情報を与えずに済む。
【0079】
また、道路インフラ30は、受信した暗号文を復号できなければ、情報センタ50に情報を送信することはない。従って、本実施例によれば、道路インフラ30と情報センタ50とを結ぶ通信路にて、不要な情報の送受信が行われずに済み、通信路の混雑を緩和できる。また、通信トラフィックを抑えるために、道路インフラ30が情報センタ50に送信すべき情報を取捨選択しなくて済み、道路インフラ30の処理負荷を低減できる。
【実施例2】
【0080】
続いて、情報センタ50から車載装置10に事故情報を送信する例を、実施例2として説明する。但し、実施例2におけるシステムの概略構成や各装置のハード構成は、実施例1と同じなので、以下においては、実施例1と同一構成の説明を適宜省略する。
【0081】
実施例2では、道路インフラ30が、情報センタ50から受けた事故情報を、本発明の手法で暗号化して、これを周囲に送信する。そして、車載装置10が、この暗号文を受信して復号する。尚、実施例2において、事故情報を本発明の手法で暗号化して送信する理由は、渋滞情報と同様に、事故情報を広範囲に送信しても、ユーザがいる場所によっては事故情報が不要となるためである。また、事故の詳細な内容は、事故の当事者にとってプライバシーに関わる内容となるため、これに配慮して、事故情報の送信範囲を限定する必要があるためである。
【0082】
実施例2の説明として、まず初めに、事故情報の配信のためのセンタ送信処理を説明する。
図6は、センタ送信処理を表すフローチャートである。この処理は、情報センタ50に備えられた処理部51が主体となって実行する処理である。
【0083】
まず、事故情報および許可位置としての配信地域の情報を、情報センタ50の管理者から操作スイッチ群52を通じて取得する(S310)。事故情報は、交通事故が発生した位置としての緯度・経度の情報を含む。また、配信地域の情報は、図4を用いて説明した区画によって定められる方形状の地域を決定するための、二組の緯度・経度の情報である。
【0084】
なお、配信地域の決め方の具体例は次の通りである。まず、情報センタ50の管理者が事故の重大度を三段階で判断すると共にその値を入力する。そして、処理部51が、入力を受けた重大度の情報と、重大度に比例するように予め広さが定められた地域の情報とに基づいて、配信地域を決める。
【0085】
そして、取得した配信地域の全域に電波が届くのに必要となる道路インフラ30を、特定する(S320)。なお、各道路インフラ30がどこにあって、各道路インフラ30が発する電波が届く地域はどこであるか、といった情報は、処理部51が備える記憶媒体に予め記憶されている。そして、処理部51は、特定した道路インフラ30が備える処理部31に、取得した事故情報および配信地域の情報をI/F55を介して送信して(S330)、この処理を終える。
【0086】
続いて、図7を用いて第二送信処理を説明する。第二送信処理は、道路インフラ30が備える処理部31が主体となって実行するものである。この第二送信処理は、センタ送信処理によって送信される情報を、処理部31が受信することを契機として開始される。
【0087】
まず、受信した配信地域の情報から一意に決まる復号鍵に対する暗号鍵を、DESに従って作成する(S460)。なお、復号鍵の作り方は、第一送信処理のS150と同じである。そして、作成した暗号鍵によって、受信した事故情報を暗号文にする(S470)。最後に、暗号文、区画数、及びオフセット値を、通信部34を通じて送信して(S480)、この処理を終える。この区画数およびオフセット値は、第一送信処理のS180で説明したものと同じである。
【0088】
そして、車載装置10は、第二送信処理によって送信された暗号文を、外部情報入出力器16を通じて受信すると、実施例1で説明した受信処理を実行する。
以上に説明したように、道路インフラ30が送信主体となる場合でも、実施例1と同様な効果を奏することができる。また、事故情報は、プライバシーに関わるのであまり広範囲にわたって知られたくない場合もある。そのような場合でも、復号できる地域を送信側で限定できれば、情報の送受信の必要性とのバランスを取ることができる。
[他の変形例]
第一送信処理において、渋滞情報の替わりに、事故情報を暗号化すると共に送信してもよい。事故情報の取得の方法は、事故に遭った又は目撃した人が、操作スイッチ群12を通じて、その情報を制御部20に入力する、というように実現する。特に、自らの事故情報を周囲に配信する場合には、復号できる地域を限定できれば、情報を送信することに対しての心理的な抵抗がやわらぐ。
【0089】
そして、道路インフラ30が、事故情報を復号すると共に情報センタ50に送信すれば、情報センタ50は、操作スイッチ群52から事故情報を取得する必要が無くなる。
[対応関係]
特許請求の範囲と実施例との対応関係を説明する。決定手段はS150、暗号鍵作成手段はS160及びS460、平文取得手段はS110〜S140及びS310、暗号化手段はS170、送信手段はS180及びS480、受信装置が備える位置取得手段はS230〜S240、復号鍵作成手段はS250、復号手段はS260、送信装置が備える位置取得手段はS120〜S130、測位手段はS120、速度測定手段はS110、によってそれぞれ実現される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】暗号通信システム1の概略構成を示す図である。
【図2】各装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】第一送信処理を表すフローチャートである。
【図4】予め定められた区画を表す図である。
【図5】受信処理を表すフローチャートである。
【図6】センタ送信処理を表すフローチャートである。
【図7】第二送信処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1…暗号通信システム、10…車載装置、11…測位器、11a…GPS受信機、11b…ジャイロスコープ、11c…距離センサ、11d…地磁気センサ、12、52…操作スイッチ群、13…音声入力部、14…表示部、15…音声出力部、16…外部情報入出力器、17…地図データ入力器、19…レーダ、20…制御部、30…道路インフラ、31、51…処理部、34…通信部、35、55…I/F、50…情報センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通鍵暗号方式による暗号文を、送信装置から受信装置へと送信する暗号通信システムであって、
前記送信装置は、
前記暗号文の送信先として、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した地域の位置情報に基づいて、暗号鍵を作成する暗号鍵作成手段と、
送信対象の平文を取得する平文取得手段と、
前記平文取得手段が取得した平文を、前記暗号鍵作成手段が作成した暗号鍵によって暗号化することで、前記暗号文を作成する暗号化手段と、
前記暗号化手段が作成した暗号文を、電磁波の形態で周囲に送信する送信手段と、
を備え、
前記受信装置は、
前記送信手段から送信される暗号文を受信する受信手段と、
自身の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、復号鍵を作成する復号鍵作成手段と、
前記復号鍵作成手段が作成した復号鍵によって、前記受信手段が受信した暗号文を復号する復号手段と、
を備える
ことを特徴とする暗号通信システム。
【請求項2】
電磁波の形態で外部機器から送信される、共通鍵暗号方式による暗号文を、受信する受信手段と、
自身の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段が取得した位置情報に基づいて、復号鍵を作成する復号鍵作成手段と、
前記復号鍵作成手段が作成した復号鍵によって、前記受信手段が受信した暗号文を復号する復号手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
移動体に搭載される請求項2に記載の受信装置であって、
前記位置取得手段は、
GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて、現在位置を測位する測位手段と、
当該受信装置の加速度を測定する加速度測定手段と、
前記測位手段によって計測された現在位置を、前記加速度測定手段によって測定された加速度の情報に基づいて補正する補正手段と、
を備え、前記補正手段による補正後の現在位置を、前記自身の位置情報として取得し、
前記復号鍵作成手段は、前記補正手段による補正後の現在位置に基づいて、復号鍵を作成する
ことを特徴とする受信装置。
【請求項4】
共通鍵暗号方式による暗号文を送信する送信装置であって、
前記暗号文の送信先として、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した地域の位置情報に基づいて、暗号鍵を作成する暗号鍵作成手段と、
送信対象の平文を取得する平文取得手段と、
前記平文取得手段が取得した平文を、前記暗号鍵作成手段が作成した暗号鍵によって暗号化することで、前記暗号文を作成する暗号化手段と、
前記暗号化手段が作成した暗号文を、電磁波の形態で周囲に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記送信手段による送信対象地域として予め定められた複数の区画のなかから、任意の区画を選択することで、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
自身の位置情報を取得する位置取得手段
を備え、
前記決定手段は、前記位置取得手段が取得した自身の位置情報に基づいて、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
移動体に搭載される請求項6に記載の送信装置であって、
前記位置取得手段は、
GPS衛星から送信されるGPS信号に基づいて、現在位置を測位する測位手段と、
当該送信装置に生じる加速度を測定する加速度測定手段と、
前記測位手段によって計測された現在位置を、前記加速度測定手段によって測定された加速度の情報に基づいて補正する補正手段と、
を備え、前記補正手段によって補正された補正後の現在位置を、前記自身の位置情報として取得し、
前記決定手段は、前記補正手段による補正後の現在位置に基づいて、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する
ことを特徴とする送信装置。
【請求項8】
車両に搭載される請求項6又は請求項7に記載の送信装置であって、
自車両周囲の他車両の速度を測定する速度測定手段と、
前記速度測定手段の測定結果に基づいて、自車両周囲の渋滞度を推定する推定手段と、
を備え、
前記平文取得手段は、前記平文として、前記推定手段によって推定された渋滞度の情報を取得する
ことを特徴とする送信装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記推定手段によって推定された前記渋滞度が高くなる程、前記暗号文の復号を許可する地域を広げるようにして、前記暗号文の復号を許可する地域を決定する
ことを特徴とする請求項8に記載の送信装置。
【請求項10】
前記平文取得手段は、ユーザインタフェースを通じて前記平文を取得する
ことを特徴とする請求項4〜請求項7の何れかに記載の送信装置。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−16559(P2010−16559A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173773(P2008−173773)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】