説明

更生管製管用補強材入り帯状部材およびその製造方法

【課題】製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出し、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、リブ部分の倒れや波打ち蛇行を可及的に防止する。
【解決手段】帯板状の基板21および該基板21から直立する複数本のリブ22を備えたプラスチック製帯状部材2と、このプラスチック製帯状部材2の基板21とリブ22とにわたって埋設される水平な基板補強部と垂直なリブ補強部とを有する断面L字状の第1補強材32および該第1補強材32のリブ補強部が埋設されたリブ22を除くリブ22に埋設されたリブ補強材31からなる金属製補強材3とから補強材入り帯状部材1が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する更生管を製管する際に用いられる補強材入り帯状部材およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、更生管を製管する帯状部材として、プラスチック製帯状部材のリブに補強材、例えば、鋼板などの金属板を埋設した補強材入り帯状部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、マンホール内に設置された製管機に補強材入り帯状部材を供給し、製管機によって補強材入り帯状部材をそのリブが外周側に位置するように螺旋状に巻き回す一方、隣接する補強材入り帯状部材の一方の側縁部および他方の側縁部の少なくとも一つに溶融樹脂を塗布するとともに、隣接する補強材入り帯状部材の一方の側縁部および他方の側縁部を重ね合わせて接合して更生管を製管し、製管された更生管を回転させながら既設管内に挿入することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。そして、更生管が製管されると、更生管と既設管との間隙にモルタルを充填し、既設管をモルタルおよび更生管からなる複合管によって更生する。
【0003】
このような複合管にあっては、モルタル中にリブに埋設された金属製の補強材が立設状態で配設されることにより、土圧や外水圧などに対する強度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005−528243号公報
【特許文献2】特表2008−536027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した補強材入り帯状部材は、例えば、プラスチック製帯状部材を押出成形した後、補強材をリブに連続的に導入することによって製造される。そして、工場で製造された補強材入り帯状部材は、輸送用ドラムに巻き重ねられた後、工場に保管され、あるいは、施工現場に輸送される。
【0006】
この際、補強材入り帯状部材が輸送用ドラムに巻き重ねられると、補強材入り帯状部材は、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように曲げ変形させられるとともに、先に巻き重ねられて曲げ変形した上流側の補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように順次大きな曲率半径に曲げ変形させられる。すなわち、補強材入り帯状部材には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられて曲げ変形した補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用し、その曲げ力によってリブ上端側に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。
【0007】
ここで、補強材入り帯状部材は、補強材が埋設されたリブを有することにより、可撓性を有するプラスチック製のリブが引張力によって伸び変形するのに対し、剛性の高い補強材の上端側端部と下端側端部との伸び率に差が発生した場合、補強材が倒れるおそれがある。また、補強材の上端側端部が伸び変形しない場合には、その上端側端部の周長を維持するために補強材の倒れが発生する。
【0008】
また、施工現場において、輸送用ドラムから補強材入り帯状部材が引き出され、螺旋状に巻き回されて更生管が製管されると、前述したように、剛性の高い補強材の伸び変形によっては補強材が倒れる場合がある。また、輸送用ドラムに巻き回された補強材入り帯状部材の曲率半径と、更生管を形成する螺旋状の補強材入り帯状部材の曲率半径の大小により、補強材の上端側端部と下端側端部との伸び率の差が長手方向(周方向)に沿って変化することにより、補強材が倒れたり、波打ち状に蛇行するおそれがある。
【0009】
補強材の倒れや波打ち蛇行が発生すると、リブに埋設された補強材の高さが低くなり、土圧などに対する複合管の強度が低下するものとなる。
【0010】
このような現象は、大口径の既設管に合わせて口径の大きな更生管を製管する際、土圧などに対する強度を確保するために、補強材の厚みを厚くした場合や、補強材の高さを高くした場合に発生し易くなる。
【0011】
なお、特許文献1においては、製管された更生管の圧力定格を向上させる目的で、プラスチック製帯状部材の基板にプラスチックよりもヤング係数と強度が高い材料層を接着することが記載されているが、前述したように、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムから引き出し、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、材料層が基板から剥離するおそれがある。
【0012】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することのできる更生管製管用補強材入り帯状部材およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材は、螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板とリブとにわたって埋設される基板補強部とリブ補強部とを有する少なくとも1個の断面L字状の第1補強材および該第1補強材のリブ補強部が埋設されたリブを除くリブにそれぞれ埋設されたリブ補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、製造された補強材入り帯状部材をリブが立設された側が外周面側に位置するように輸送用ドラムに巻き重ねる際、補強材入り帯状部材には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。また、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出し、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。このような曲げ力により、補強材入り帯状部材には、リブ上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材は、可撓性を有することにより、引張力によって伸び変形し、引張力を吸収する。一方、第1補強材は、断面L字状に形成されて基板補強部およびリブ補強部が基板およびリブにわたって埋設され、リブの根元の剛性を向上させている。これにより、第1補強材のリブ補強部の倒れを防止することから、第1補強材のリブ補強部の上端部を確実に伸び変形させることができる。この結果、第1補強材のリブ補強部を立設状態に支持してリブの倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することができる。また、第1補強材の基板補強部が基板に埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができる。このため、リブの高さを低くすることができ、リブ補強材および第1補強材のリブ補強部の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、下端側端部との伸び率の差が小さくなることから、リブの倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【0015】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材は、螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板と各リブとにわたって埋設される基板補強部とリブ補強部とを有する複数個の断面T字状の第2補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とするものである。
【0016】
本発明によれば、製造された補強材入り帯状部材をリブが立設された側が外周面側に位置するように輸送用ドラムに巻き重ねる際、補強材入り帯状部材には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。また、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出し、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。このような曲げ力により、補強材入り帯状部材には、リブ上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材は、可撓性を有することにより、引張力によって伸び変形し、引張力を吸収する。一方、第2補強材は、断面T字状に形成されて基板補強部およびリブ補強部が基板およびリブにわたって埋設され、リブの根元の剛性を向上させている。これにより、第2補強材のリブ補強部の倒れを防止することから、第2補強材のリブ補強部の上端部を確実に伸び変形させることができる。この結果、第2補強材のリブ補強部を立設状態に支持してリブの倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することができる。また、第2補強材の基板補強部が基板に埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができる。このため、リブの高さを低くすることができ、第2補強材のリブ補強部の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、下端側端部との伸び率の差が小さくなることから、リブの倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【0017】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材は、螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板のほぼ全幅にわたって埋設された基板補強材および各リブにそれぞれ埋設された複数枚のリブ補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とするものである。
【0018】
本発明によれば、製造された補強材入り帯状部材をリブが立設された側が外周面側に位置するように輸送用ドラムに巻き重ねる際、補強材入り帯状部材には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。また、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出し、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。このような曲げ力により、補強材入り帯状部材には、リブ上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材は、可撓性を有することにより、引張力によって伸び変形し、引張力を吸収する。一方、基板補強材が基板に埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができる。これにより、リブの高さを低くすることができ、リブ補強材の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、下端側端部との伸び率の差が小さくなることから、リブの倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することができる。
【0019】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法は、請求項1記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、第1補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して基板部分およびリブ部分に基板補強部の薄肉部およびリブ補強部の薄肉部が形成されるとともに、リブ補強材が埋設されるリブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の薄肉部にわたって第1補強材を導入するとともに、リブ部分の溝にリブ補強材を導入し、次いで、第1補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形するとともに、リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とするものである。
【0020】
本発明によれば、第1補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して基板部分およびリブ部分に基板補強部の薄肉部およびリブ補強部の薄肉部が形成されるとともに、リブ補強材が埋設されるリブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形する。この後、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の薄肉部にわたって第1補強材を導入するとともに、リブ部分の溝にリブ補強材を導入する。次いで、第1補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形するとともに、リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形する。
【0021】
この結果、リブの根元の剛性を向上させるとともに、リブの高さを低くした補強材入り帯状部材を製造することができる。これにより、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【0022】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法は、請求項2記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、第2補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して各リブ部分直下の基板部分に基板補強部の薄肉部が形成されるとともに、該薄肉部に連続して各リブ部分にリブ補強部の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の溝に各第2補強材の基板補強部およびリブ補強部をそれぞれ導入し、次いで、各第2補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とするものである。
【0023】
本発明によれば、第2補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して各リブ部分直下の基板部分に基板補強部の薄肉部が形成されるとともに、該薄肉部に連続して各リブ部分にリブ補強部の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形する。この後、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の溝に第2補強材の基板補強部およびリブ補強部をそれぞれ導入する。次いで、各第2補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形する。
【0024】
この結果、リブの根元の剛性を向上させるとともに、リブの高さを低くした補強材入り帯状部材を製造することができる。これにより、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【0025】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法は、請求項3記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、基板補強材に対応して基板部分に基板補強材の溝が形成されるとともに、リブ補強材に対応して各リブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の溝に基板補強材を導入するとともに、各リブ部分の溝にリブ補強材をそれぞれ導入し、次いで、基板補強材の端部および各リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とするものである。
【0026】
本発明によれば、基板補強材に対応して基板部分に基板補強材の溝が形成されるとともに、リブ補強材に対応して各リブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形する。この後、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の溝に基板補強材を導入するとともに、各リブ部分の溝にリブ補強材をそれぞれ導入する。次いで、基板補強材の端部および各リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形する。
【0027】
この結果、リブの高さを低くした補強材入り帯状部材を製造することができる。これにより、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材によれば、製造された補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することができる。
【0029】
本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法によれば、補強材入り帯状部材を輸送用ドラムに巻き重ねる際、あるいは、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材を引き出して螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、補強材の倒れや波打ち蛇行を防止できる更生管製管用補強材入り帯状部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法を模式的に示す説明図である。
【図3】図1の更生管製管用補強材入り帯状部材の接合工程を説明する断面図である。
【図4】図1の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法の変形例を模式的に示す説明図である。
【図5】図1の更生管製管用補強材入り帯状部材の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材の他の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図6の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材のもう一つの実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法を模式的に示す説明図である。
【図10】図8の更生管製管用補強材入り帯状部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図1および図2には、本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材1の一実施形態が示されている。
【0033】
この補強材入り帯状部材1は、可撓性を有するプラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック製帯状部材2と、このプラスチック製帯状部材2に埋設された金属板、例えば、鋼板などの金属製補強材3とから構成されている。
【0034】
プラスチック製帯状部材2は、帯板状の基板21と、該基板21の裏面に基板21に直交して立設された複数本(実施例においては3本)の断面I字状のリブ22とから形成されている。そして、基板21の一方の側縁部には、隣接するプラスチック製帯状部材2における基板21の他方の側縁部を配置することができるように、基板21の厚みだけ裏面側に段落ちした段落ち部23に形成されている。
【0035】
金属製補強材3は、平板状のリブ補強材31と、基板補強部321および該基板補強部321に直交して折曲されたリブ補強部322を有する2個の断面L字状の第1補強材32とから構成されており、リブ補強材22は、プラスチック製帯状部材2の中央のリブ22に埋設されている。そして、第1補強材32は、中央のリブ22を除くリブ22とその左右にそれぞれ隣接する中央のリブ22との間の基板21に基板補強部321が埋設されるとともに、中央のリブ22を除くリブ22にリブ補強部322が埋設されている。
【0036】
このような補強材入り帯状部材1は、まず、プラスチック製帯状部材の半製品2xを押出成形する。このプラスチック製帯状部材の半製品2xは、図2に示すように、中央のリブ部分とその左右にそれぞれ隣接するリブ部分との間の基板部分が、第1補強材32の基板補強部321を略L字状の被覆樹脂2a(図2参照)の水平部との間で挟み込む厚みの薄肉部21xに形成されている。また、中央のリブ部分には、リブ補強材31の厚みと高さに対応する幅と深さの溝22uが形成され、その他のリブ部分は、第1補強材32のリブ補強部322を略L字状の被覆樹脂2aの垂直部との間で挟み込む厚みの薄肉部22xに形成されている。この後、プラスチック製帯状部材の半製品2xにおける中央のリブ部分の溝22uにリブ補強材31を導入する一方、その左右に位置して、それぞれ第1補強材32の基板補強部321の先端を中央のリブ部分側に向けて、中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分の薄肉部22xにリブ補強部322が沿うように、かつ、中央のリブ部分と該中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分と間の基板部分の薄肉部21xに基板補強部321が配置されるように、上方から第1補強材32を導入する。次いで、各第1補強材32の基板補強部321およびリブ補強部322の露出面を埋めるように、略L字状の被覆樹脂2aを押出成形して各第1補強材32を封入するとともに、中央のリブ部分の頂部に被覆樹脂2b(図2参照)を押出成形してリブ補強材31を封入することによって製造される。
【0037】
製造された補強材入り帯状部材1は、詳細には図示しないが、輸送用ドラムにリブ22が立設された側が外周面側に位置するように巻き重ねられた後、工場などに保管され、あるいは、施工現場に輸送される。
【0038】
ここに、補強材入り帯状部材1を輸送用ドラムに巻き重ねると、補強材入り帯状部材1には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材1の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。そして、この曲げ力により、補強材入り帯状部材1には、リブ22上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材2は可撓性を有することにより、引張力によってリブ22が伸び変形することで吸収することができる。一方、第1補強材32は、断面L字状に形成されて基板補強部321およびリブ補強部322がそれぞれ基板21および中央のリブ22を除くリブ22にわたって埋設され、リブ22の根元の剛性を向上させている。これにより、第1補強材32のリブ補強部322の倒れを防止することから、第1補強材32のリブ補強部322の上端部を確実に伸び変形させることができる。この結果、第1補強材32のリブ補強部322を立設状態に支持してリブ22の倒れを可及的に防止することができる。
【0039】
また、基板21に第1補強材32の基板補強部321が埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができることから、その分リブ22の高さを低くすることができる。このため、リブ22の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、リブ補強材31および第1補強材32のリブ補強部322の上端部と下端部との伸び率の差が小さくなることから、リブ22の倒れを防止することができる。
【0040】
一方、補強材入り帯状部材1によって更生管を製管する場合は、輸送用ドラムを施工現場に輸送し、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材1を引き出して既設管に導くとともに、既設管内において螺旋状に巻き回して更生管を製管する。具体的には、輸送用ドラムから引き出した補強材入り帯状部材1を基板21の裏面側、すなわち、リブ22が立設された側が外周面側に位置するように、既設管に臨んでマンホールに設置された製管機(図示せず)に供給する。この際、図3(a),(b)に示すように、互いに隣接する2つの補強材入り帯状部材1,1のうち、後続する補強材入り帯状部材1の一方の側縁部(段落ち部23)に溶融樹脂cを塗布するとともに、溶融樹脂cを塗布した後続する補強材入り帯状部材1の一方の側縁部を、先行する螺旋状の補強材入り帯状部材1の他方の側縁部に外側(先行する補強材入り帯状部材1の外周面側)から重ね合わせことにより、後続する補強材入り帯状部材1の基板21の一方の側縁部(段落ち部23)を先行する補強材入り帯状部材1の基板21の他方の側縁部に配置して接合し、所定の管径の更生管を製管する。
【0041】
この場合、補強材入り帯状部材1は、前述したように、第1補強材32の基板補強部321およびリブ補強部322がそれぞれ基板21および中央のリブ22を除くリブ22にわたって埋設され、リブ22の根元の剛性を向上させており、リブ補強部322を立設状態に支持してリブ22の倒れを防止することができる。また、基板21に第1補強材32の基板補強部321が埋設されることにより、土圧などに対する複合管の強度が高まり、その分リブ22の高さを低くすることができる。このため、リブ22の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、リブ補強材31および第1補強材32のリブ補強部322の上端部と下端部との伸び率の差が小さくなることから、リブ22の倒れや波打ち蛇行を防止することができる。
【0042】
このような補強材入り帯状部材1の他の製造方法を図4に示す。この製造方法も、プラスチック製帯状部材の半製品2x1を押出成形した後、中央のリブ部分にリブ補強材31を導入するとともに、その左右に位置して、中央のリブ部分と該中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分との間の基板部分および中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分にわたってそれぞれ第1補強材32の基板補強部321およびリブ補強部322を導入し、次いで、被覆樹脂2cを押出成形するものである。
【0043】
この場合のプラスチック製帯状部材の半製品2x1は、中央のリブ部分とその左右にそれぞれ隣接するリブ部分との間の基板部分が、第1補強材32の基板補強部321を被覆樹脂2cとの間で挟み込む厚みの薄肉部21x1に形成されている。また、中央のリブ部分には、リブ補強材31の厚みと高さに対応する幅と深さの溝22u1が形成され、その他のリブ部分にも、断面L字状の第1補強材32のリブ補強部322の厚みと高さに対応する幅と深さの溝22u1が形成されている。
【0044】
プラスチック製帯状部材の半製品2x1が成形されたならば、中央のリブ部分の溝22u1にリブ補強材31を導入する一方、その左右に位置して、それぞれ第1補強材32の基板補強部321の先端を中央のリブ部分側に向けて、中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分の溝22u1にリブ補強部322を導入するとともに、中央のリブ部分と該中央のリブ部分の左右にそれぞれ隣接するリブ部分との間の基板部分の薄肉部21x1に基板補強部321が配置されるように、上方から第1補強材32を導入する。この後、中央のリブ部分の頂部および各第1補強材32の基板補強部321の露出面を埋めるように、被覆樹脂2cを押出成形してリブ補強材31および各第1補強材32を封入することによって製造される。
【0045】
ところで、図5には、本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材1の第1実施形態の変形例が示されている。
【0046】
この補強材入り帯状部材1は、第1補強材32の基板補強部321の先端を外方に向けて基板補強部321を基板21に埋設したものである。この変形例の補強材入り帯状部材1は、第1補強材32の基板補強部321の先端を内方に向けて基板補強部321を基板21に埋設した先の実施形態と比較して、第1補強材32の向きを除いて相違するところがなく、同一の部材に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
なお、前述した実施形態においては、3本のリブ22を立設したプラスチック製帯状部材2における中央のリブ22にリブ補強材31を埋設するとともに、その左右のリブ22および基板21にわたって第1補強材32を埋設した場合を例示したが、必ずしも中央のリブ22を除く全てのリブ22に第1補強材32を埋設する必要はなく、少なくとも1個の第1補強材32を選定されたリブ22と基板21とにわたって埋設してもよい。この場合、第1補強材32のリブ補強部322が埋設されなかった全てのリブ22にはリブ補強材31が埋設される。
【0048】
また、リブの本数は3本に限定されず、4本以上であってもよい。この場合、例えば、奇数番目のリブ22にリブ補強材31を埋設し、偶数番目のリブ22およびその左右に位置する基板21にわたって第1補強材32を埋設するようにしてもよく、リブ補強材31および第1補強材32を任意に組み合わせることができる。
【0049】
図6および図7には、本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材1の他の実施形態が示されている。
【0050】
この補強材入り帯状部材1も、ポリエチレンなどの可撓性を有するプラスチック製帯状部材2と、このプラスチック製帯状部材2に埋設された金属製補強材3とから形成されている。
【0051】
プラスチック製帯状部材2は、前述したものと同じであり、同一の部材に同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0052】
金属製補強材3は、水平な基板補強部331および該基板補強部331に直交して立設されたリブ補強部332を有する3個の断面T字状の第2補強材33で構成されている。そして、第2補強材33は、各リブ22直下の基板21に基板補強部331が埋設されるとともに、各リブ22にリブ補強部332が埋設されている。
【0053】
このような補強材入り帯状部材1は、まず、プラスチック製帯状部材の半製品2yを押出成形する。このプラスチック製帯状部材2の半製品2yは、図7に示すように、各リブ部分直下の基板部分が、第2補強材33の基板補強部331を被覆樹脂2dとの間で挟み込む厚みの薄肉部21yに形成されるとともに、各リブ部分には、前記薄肉部21yから連続して、第2補強材33のリブ補強部332の厚みと高さに対応する幅と深さの溝22yが形成されている。この後、プラスチック製帯状部材の半製品2yにおける各リブ部分の溝22yに第2補強材33のリブ補強部332を導入するとともに、それらの基板補強部331を当該リブ部分直下の基板部分の薄肉部21yに導入する。次いで、各第2補強材33の基板補強部331の露出面を埋めるように、それぞれ被覆樹脂2dを押出成形して封入することによって製造される。
【0054】
製造された補強材入り帯状部材1は、輸送用ドラムにリブ22が立設された側が外周面側に位置するように巻き重ねられた後、工場などに保管され、あるいは、施工現場に輸送される。この際、補強材入り帯状部材1には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材1の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。
【0055】
一方、補強材入り帯状部材1を巻き重ねた輸送用ドラムを施工現場に輸送し、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材1を引き出して既設管に導くとともに、既設管内において螺旋状に巻き回して更生管を製管する。この際、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材1の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。
【0056】
そして、この曲げ力により、補強材入り帯状部材1には、リブ22上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材2は可撓性を有することにより、引張力によってリブ22が伸び変形することで吸収することができる。一方、第2補強材33は、断面T字状に形成されて基板補強部331およびリブ補強部332がそれぞれ各リブ22直下の基板21および各リブ22に埋設され、リブ22の根元の剛性を向上させている。これにより、第2補強材33のリブ補強部332の倒れを防止することから、第2補強材33のリブ補強部332の上端部を確実に伸び変形させることができる。この結果、第2補強材33のリブ補強部332を立設状態に支持してリブ22の倒れや波打ち蛇行を可及的に防止することができる。
【0057】
また、基板21に第2補強材33の基板補強部331が埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができることから、その分リブ22の高さを低くすることができる。このため、リブ22の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、第2補強材33のリブ補強部332の上端部と下端部との伸び率の差が小さくなることから、リブ22の倒れを防止することができる。
【0058】
また、図8および図9には、本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材1のもう一つの実施形態が示されている。
【0059】
この補強材入り帯状部材1も、ポリエチレンなどの可撓性を有するプラスチック製帯状部材2と、このプラスチック製帯状部材2に埋設された金属製補強材3とから形成されている。
【0060】
プラスチック製帯状部材2は、前述したものと同じであり、同一の部材に同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
金属製補強材3は、基板21に埋設される1枚の平板状の基板補強材34と、各リブ22にそれぞれ埋設される3枚の平板状のリブ補強材31とから構成されている。
【0062】
このような補強材入り帯状部材1は、まず、プラスチック製帯状部材の半製品2z(図9参照)を押出成形する。このプラスチック製帯状部材の半製品2zは、基板部分にそのほぼ全幅にわたって基板補強材34の厚みと幅に対応する高さと奥行きの溝21uが形成されるとともに、各リブ部分にリブ補強材31の厚みと高さに対応する幅と深さの溝22uが形成されている。
【0063】
この後、プラスチック製帯状部材の半製品2zにおける基板部分の溝21uに基板補強材34を導入するとともに、各リブ部分の溝22uにそれぞれリブ補強材31を導入する。次いで、基板部分の端部に被覆樹脂2eを押出成形して基板補強材34を封入するとともに、各リブ部分の頂部に被覆樹脂2bを押出成形してリブ補強材31を封入することによって製造される。
【0064】
製造された補強材入り帯状部材1は、輸送用ドラムにリブ22が立設された側が外周面側に位置するように巻き重ねられた後、工場などに保管され、あるいは、施工現場に輸送される。この際、補強材入り帯状部材1には、輸送用ドラムの胴体の曲率半径に沿うように、あるいは、先に巻き重ねられた補強材入り帯状部材1の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。
【0065】
一方、補強材入り帯状部材1を巻き重ねた輸送用ドラムを施工現場に輸送し、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材1を引き出して既設管に導くとともに、既設管内において螺旋状に巻き回して更生管を製管する。この際、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材1の曲率半径に沿うように曲げ力が作用する。
【0066】
そして、この曲げ力により、補強材入り帯状部材1には、リブ22の上端側端部に近づくにしたがって大きくなる引張力が作用する。この場合、プラスチック製帯状部材2は可撓性を有することにより、引張力によってリブ22が伸び変形することで吸収することができる。一方、基板21に基板補強材34が埋設されることにより、複合管を構成するモルタル中に配設される金属量が増加し、土圧などに対する複合管の強度を高めることができることから、その分リブ22の高さを低くすることができる。このため、リブ22の上端側端部に作用する引張力が小さくなるとともに、リブ補強材31の上端部と下端部との伸び率の差が小さくなることから、リブ22の倒れを防止することができる。
【0067】
図10には、本発明の更生管製管用補強材入り帯状部材1のもう一つの実施形態の変形例が示されている。
【0068】
この補強材入り帯状部材1は、基板補強材34を基板21の幅の略半分の幅の2枚で形成し、各基板補強材34をそれぞれ基板部分の左右各端部から導入し、左右各端部に被覆樹脂を押出成形して封入したものである。この変形例の補強材入り帯状部材1は、1枚の基板補強材34を基板21のほぼ全幅にわたって埋設した図8に示した実施形態と比較して、基板補強材34の枚数を除いて相違するところがなく、同一の部材に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【符号の説明】
【0069】
1 補強材入り帯状部材
2 プラスチック製帯状部材
2x,2x1,2y,2z プラスチック製帯状部材の半製品
2a,2b,2c,2d,2e 被覆樹脂
21 基板
22 リブ
23 段落ち部
3 金属製補強材
31 リブ補強材
32 第1補強材
321 基板補強部
322 リブ補強部
33 第2補強材
331 基板補強部
332 リブ補強部
34 基板補強材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板とリブとにわたって埋設される基板補強部とリブ補強部とを有する少なくとも1個の断面L字状の第1補強材および該第1補強材のリブ補強部が埋設されたリブを除くリブにそれぞれ埋設されたリブ補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材。
【請求項2】
螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板と各リブとにわたって埋設される基板補強部とリブ補強部とを有する複数個の断面T字状の第2補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材。
【請求項3】
螺旋状に巻き回して更生管を製管する更生管製管用補強材入り帯状部材であって、補強材入り帯状部材は、帯板状の基板および該基板から直立する複数本のリブを備えたプラスチック製帯状部材と、このプラスチック製帯状部材の基板のほぼ全幅にわたって埋設された基板補強材および各リブにそれぞれ埋設された複数枚のリブ補強材からなる金属製補強材とから構成されることを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材。
【請求項4】
請求項1記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、第1補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して基板部分およびリブ部分に基板補強部の薄肉部およびリブ補強部の薄肉部が形成されるとともに、リブ補強材が埋設されるリブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の薄肉部にわたって第1補強材を導入するとともに、リブ部分の溝にリブ補強材を導入し、次いで、第1補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形するとともに、リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法。
【請求項5】
請求項2記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、第2補強材の基板補強部およびリブ補強部の埋設位置に対応して各リブ部分直下の基板部分に基板補強部の薄肉部が形成されるとともに、該薄肉部に連続して各リブ部分にリブ補強部の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の薄肉部およびリブ部分の溝に各第2補強材の基板補強部およびリブ補強部をそれぞれ導入し、次いで、各第2補強材を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法。
【請求項6】
請求項3記載の更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法であって、基板補強材に対応して基板部分に基板補強材の溝が形成されるとともに、リブ補強材に対応して各リブ部分にリブ補強材の溝が形成されたプラスチック製帯状部材の半製品を押出成形し、プラスチック製帯状部材の半製品の基板部分の溝に基板補強材を導入するとともに、各リブ部分の溝にリブ補強材をそれぞれ導入し、次いで、基板補強材の端部および各リブ補強材の頂部を封入するように被覆樹脂を押出成形することを特徴とする更生管製管用補強材入り帯状部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−231786(P2011−231786A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99745(P2010−99745)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】