説明

有機デバイス用のカプセル化電極

【課題】有機感光性のオプトエレクトロニクスデバイスを形成するための方法を開示し、ここで、有機光伝導性材料はデバイスの電極によってカプセル化される。
【解決手段】有機感光性オプトエレクトロニクスデバイスは、その電極によってカプセル化される(封入される)有機光伝導性材料内に形成される。透明基板上に堆積される第1導電性材料を含む第1透明膜が提供される。第1導電性材料上に第1光導電性有機材料が配置される。金属が第1光導電性有機材料上を1nm/秒以下の初速度で堆積され、第1光導電性有機材料のいかなる露出部分および露出された該第1光導電性有機材料とのいかなる界面部分を厚み10nm以上で完全に被覆する。10nm以上の厚みが得られた後、第1光導電性有機材料の露出されていた部分および露出されていた該第1光導電性有機材料との界面部分を完全に覆う金属の累積厚みが少なくとも250nmになるまで、少なくとも初速度の3倍に増加された速度でスパッタする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に有機感光性のオプトエレクトロニクスデバイスに関する。より具体的には、カプセル化層(an encapsulating layer)を有する有機感光性のオプトエレクトロニクスデバイスである。
【背景技術】
【0002】
オプトエレクトロニクスデバイスは、材料の光学的および電子的特性、すなわち、電子的に電磁放射を生成するか検出し、あるいは、周囲の電磁放射から電力を生成するための電子的特性に依存する。
【0003】
オプトエレクトロニクスデバイスは、電磁放射を、電気信号または電気に変換する。太陽電池(光起電性「PV」デバイスとも呼ばれる)は、特に、電力を生成するために使用される感光性のオプトエレクトロニクスデバイスの一種である。光伝導体セルは、吸収された光による変化を検出するためにデバイスの抵抗をモニタする信号検出回路とつないで使用される感光性のオプトエレクトロニクスデバイスの一種である。印可されたバイアス電圧を受けられる光検出器は、該光検出器が電磁放射にさらされる際に生成される電流を測定する電流検出回路とつないで使用される感光性のオプトエレクトロニクスデバイスの一種である。
【0004】
これらの3つのクラスの感光性のオプトエレクトロニクスデバイスは、下に定義される整流界面(rectifying junction)が存在するか否かによって区別されることができ、さらに、外部印可電圧(バイアスまたはバイアス電圧としても知られる)によって動作されるか否かによっても区別される。光伝導体セルは、整流界面は有さず、通常バイアスによって作動される。PVデバイスは、少なくとも一つの整流界面を有し、バイアスなしで作動される。光検出器は、少なくとも一つの整流界面を有し、必ずしもいつもである必要はないが通常はバイアスによって作動される。
【0005】
ここで使用される用語「整流」は、とりわけ、接点が不斉伝導特性(asymmetric conduction characteristic)を有する、すなわち、接点が好ましくは一方向への電子電荷輸送を支持することを意味する。用語「半導体」は、電荷キャリアが熱または電磁励起により誘導されるときに、電気的に伝導可能な材料を意味する。用語「光伝導性」は、一般的に、電磁気の放射エネルギーが吸収され、その結果、電荷キャリアの励起エネルギーに変換され、材料中の電荷をキャリアが伝導するという工程に関する。用語「光伝導性材料」は、電荷キャリアを生成するために電磁放射を吸収する特性が利用される半導体物質を示す。ここで、「最上部」は、基板から最も遠く離れることを意味し、「底部」は、基板から最も近いことを意味する。第1層が第2層と「物理的に接触する」と特定されない限り、中間層があってもよい。
【0006】
適当なエネルギーの電磁放射が有機半導体物質に入射する場合、励起分子状態を生成するためにフォトンが吸収される。有機光伝導性材料において、生成された分子的状態は、一般に、「励起子」、すなわち、準粒子として輸送される束縛状態の電子−正孔対と考えられる。励起子は、対再結合(「消光」)前に相当のライフタイムを持つことができ、ここで、対再結合は、原初の電子と正孔が互いに再結合することを言い、他の対から正孔または電子と再結合することとは反対である。光電流を生成するために、励起子を形成する電子−正孔は、通常、整流界面で切り離される。
【0007】
感光性デバイスの場合、整流界面は光起電性のヘテロ接合と呼ばれる。有機光起電性のヘテロ接合の種類には、ドナー材料とアクセプタ材料の接点に形成されるドナー−アクセプタヘテロ接合、光伝導性材料と金属の界面で形成されるショットキー−バリアヘテロ接合がある。
【0008】
図1は、ドナー−アクセプタヘテロ接合の例を示すエネルギー準位図である。有機材料の背景として、用語「ドナー」および「アクセプタ」は、異なる有機材料以外の2つの接触の最高被占分子軌道(HOMO)および最低非独占分子軌道(LUMO)エネルギー準位の相対位置と呼ぶ。他と接触するある材料のLUMOエネルギー準位がより低いとすると、その材料はアクセプタである。もしくは、それはドナーである。ドナー−アクセプタ接合の電子にとって、外部バイアスがなくても、アクセプタ材料中に移動することが、エネルギー的に好ましい。
【0009】
ここで使用される、第1HOMOまたはLUMOエネルギー準位は、該第1エネルギーが真空エネルギー準位10前後の場合に、第2HOMOまたはLUMOエネルギー準位よりも「大きい」または「高い」。より高いHOMOエネルギー準位は、真空準位と比較して小さい絶対エネルギーを有しているイオン化電位(IP)に対応する。同様に、より高いLUMOエネルギー準位は、真空準位と比較して小さい絶対エネルギーを有している電子親和力(EA)に対応する。従来のエネルギー準位図では、真空準位が最高で、材料のLUMOエネルギー準位は、同じ材料のHOMOエネルギー準位よりも高い。
【0010】
ドナー152またはアクセプタ154中のフォトン6の吸収が励起子8を生成した後、励起子8は整流界面で分離する。ドナー152は正孔(白丸)を輸送し、アクセプタ154は電子(黒丸)を輸送する。
【0011】
有機半導体の有意な特性は、キャリア移動度である。移動度は、電荷キャリアが電界に応じて導電性材料中を移動できる平易さを測定する。有機感光性デバイスとの関連で、高電子移動度に起因して電子によって優先して導電する材料を電子輸送材料と称する。高正孔移動度に起因して正孔によって優先して導電する材料を正孔輸送材料と称する。移動度および/またはデバイス中の位置に起因して、電子によって優先して導電する層は、電子輸送層(ETL)と称する。移動度および/またはデバイス中の位置に起因して、正孔によって優先して導電する層は、正孔輸送層(HTL)と称する。必須ではないが、好ましくは、アクセプタ材料は電子輸送材料であり、ドナー材料は正孔輸送材料である。
【0012】
キャリア移動度と相対的なHOMOおよびLUMO準位とに基づいて、光起電性のヘテロ接合のドナーおよびアクセプタとして役立つ2つの有機光伝導性材料を、どのように組み合わせるかは、公知技術であり、ここでは説明を省略する。
【0013】
ここで使用される、用語「有機」は、有機オプトエレクトロニクスデバイスを製造するために使用できる小分子有機材料と同様に高分子材料を含む。「小分子」は、ポリマーでないいかなる有機材料をいい、「小分子」は実際に極めて大きい。小分子は、ある環境では繰返しユニットを含む。例えば、置換基として長鎖アルキル基を使用することは、「小分子」の分類から分子を取り除かない。小分子は、たとえば、ポリマー骨格鎖上のぶら下がった(ペンデント)基として、または、骨格鎖の部分として、ポリマーに取り入れられてもよい。小分子は、コア部分に造られる一連の化学シェルから構成されるデンドリマーのコア部分として機能してもよい。デンドリマーのコア部分は、蛍光性またはリン光性小分子エミッタであってもよい。デンドリマーは、「小分子」であってもよい。一般的に、小分子は分子から分子の間で同等の分子量を伴う所定の化学式を有し、一方で、ポリマーは分子から分子の間で変化する分子量を伴う所定の化学式を有する。ここで使用される、「有機」はヒドロカルビルとヘテロ原子置換型のヒドロカルビルリガンドの金属複合体を含む。
【0014】
付加的な背景説明と有機感光性デバイスの一般的な構成、特徴、材料と機能などの技術水準の説明は、Forrestらの米国特許第6,657,378号、Forrestらの米国特許第6,580,027号、Bulovicらの米国特許第6,352,777号を参照することによって本願明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
有機感光性のオプトエレクトロニクスデバイスを形成するための方法を開示し、ここで、有機光伝導性材料はデバイスの電極によってカプセル化される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
有機感光性のオプトエレクトロニクスデバイスを形成するための方法を開示し、ここで、有機光伝導性材料はデバイスの電極によってカプセル化される。透明基板上に配列される第1電気導電材料を含む第1透明フィルムが提供される。第1光伝導性有機材料が、第1電気導電材料上に堆積される(deposit)。第1金属は、第1光伝導性有機材料上に1nm/s以下の初速度で堆積され、前記第1光伝導性有機材料のあらゆる露出部分と前記第1光伝導性有機材料に伴う界面のあらゆる露出部分とを、厚さ10nm以上になるまで完全に被覆する。その厚さが10nm以上になったら、第2金属が初速度の少なくとも3倍に増加された速さでスパッタされ、前に露出されていた前記第1光伝導性有機材料の部分と前に露出されていた前記第1光伝導性の有機材料に伴う界面の部分を完全に覆う第1金属および第2金属の累積厚さが250nmになるまで継続される。
【0017】
1nm以下の初速度での第1金属の堆積技術は、スパッタリングや熱真空堆積を含む。
【0018】
第1金属の堆積にスパッタリングが採用される場合、初速度から増加された速度への移行は、中断されないスパッタリングプロセスとして、連続的に実行されてもよい。初速度から増加された速度への移行は、好ましくは、金属の厚さが30nm以下のときに起こる。
【0019】
増加された速度は、好ましくは、1から10nm/sの範囲である。第2金属は、初速度による第1金属との累積厚さが250nmから2.5μmになるまで、増加された速度でスパッタされる。250nmから2.5μmの間の累積厚さを有する第1および第2金属は、一緒に透磁率がHOにとって5×10−6g/m/day(25℃)以下であることが好ましい。より好ましくは、透磁率は、HOにとって1×10−6g/m/day(25℃)以下である。250nmから2.5μmの間の累積厚さを有する金属は、また、好ましくは、Oにとって5×10−6cm/m/day/atm(25℃)以下であることが好ましい。より好ましくは、透磁率は、Oにとって1×10−6cm/m/day/atm(25℃)以下である。
【0020】
カプセル化されたサイズの第1実施例として、第1および第2金属と前記第1光伝導性有機材料とは、少なくとも1cmの連続領域をそれぞれ覆う。第2実施例として、第1および第2金属と前記第1光伝導性有機材料とは、少なくとも10cmの連続領域をそれぞれ覆う。
【0021】
方法は、前記第1光伝導性有機材料を堆積させる前に、不導体材料を電気的に堆積し、パターニングすることを含む。第1電気導電材料の一部は、電気的不導体材料の下部から伸延し、第1光伝導性有機材料の以前露出していた部分を覆う第1および第2金属から電気的に絶縁される配線接点を提供してもよい。
【0022】
多層セル中に中間電極を生成するために、方法は、前記第1光伝導性有機材料を堆積する前に、第2電気導電材料を提供することをさらに含む。第2電気導電材料は、第1電気導電材料から電気的に絶縁されるために配置される。電気的不導体材料は、前記第1光伝導性有機材料を堆積する前に、第2電気導電材料上に堆積され、パターニングされる。第3電気導電材料を含む第2透明フィルムは、第1光伝導性有機材料上に堆積される。第3電気導電材料の一部は、第2電気導電材料との物理的接点となるために堆積される。第3電気導電材料は、第1電気導電材料から電気的に絶縁されるように堆積される。第2光伝導性有機材料は、第3電気導電材料を含む第2透明フィルム上に堆積される。第1および第2金属は、第1および第2光伝導性有機材料のいかなる露出された部分、および第1および第2光伝導性有機材料とのいかなる露出された界面も完全に覆う。第1および第2光伝導性材料の以前に露出していた部分を覆う第1および第2金属は、電気的に第1電気導電材料に接続され、第2および第3電気導電材料から電気的に絶縁される。第1電気導電材料と第2電気導電材料は、同じ材料であってもよい。
【0023】
本方法は、さらに、平面(planar)、バルクまたはハイブリッドドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1および第2有機材料と共に、第1有機材料上に第2光伝導性有機材料を蒸着することを含む。堆積およびスパッタされた金属は、第1および第2光伝導性有機材料のいかなる露出される部分と、第1および第2光伝導性有機材料の界面のいかなる露出とを完全に覆う。
【0024】
本方法は、さらに、混合したバルクまたはハイブリッドドナー−アクセプタヘテロ接合を形成する第1および第2有機材料と共に、第1有機材料に第2光伝導性有機材料を堆積させることを含む。第1および第2光伝導性有機材料のいかなる露出される部分と、第1および第2光伝導性有機材料の界面のいかなる露出とを完全に覆う。
【0025】
本方法は、ショットキーコンタクトとして利用される金属と共に、第1光伝導性有機材料と堆積およびスパッタされた金属からなるショットキーバリアヘテロ接合も形成されてもよい。
【0026】
並んでいるセルで構成されるモジュールの構造の一部として、本方法は、さらに、透明基板上に複数の隣接セルを形成するために、第1金属の堆積および第2金属のスパッタリングの間にシャドウマスキングの工程を含んでもよく、各セルは第1光伝導性有機材料を含む少なくとも1つの光活性領域を含み、セルは電気的に直列接続されている。直列接続された隣接セルは、第1金属および/または第2金属をレーザエッチングすることによって形成されてもよく、シャドウマスキングとレーザエッチングの組み合わせが使用されてもよい。
【0027】
第1金属および第2金属は、同じ材料であって、または、異なる材料であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(共同研究契約)
請求項に記載された発明は、共同大学法人研究契約にかかる次の1以上の団体:プリンストン大学、サザンカリフォルニア、グローバルフォトニックエナジーコーポレーションのため、および/または、これらに関連してなされたものである。契約は請求項に記載された発明がなされたときまたはそれ依然から効力を発揮し、請求項に記載された発明は契約の範囲内の活動の結果としてなされたものである。
【0029】
(詳細な説明)
有機感光性デバイスは、続けて電子と正孔に分離する励起子を生成するために光が吸収される少なくとも一つの光活性領域を有する。図2は、光活性領域150がドナー−アクセプタヘテロ接合を有する有機感光性オプトエレクトロニクスデバイス100の実施形態を示す。「光活性領域」は、電流を生成するために分離する励起子を生成するために電磁放射を吸収する感光性デバイスの一部である。デバイス100は、基板110の上に、アノード120、アノード平滑化層122、ドナー152、アクセプタ154、励起子ブロック層(EBL)156およびカソード170を有する。
【0030】
EBL156の例は、Forrestらの米国特許第6,451,415号に開示されており、EBLに関するその開示を参照することによって、本願明細書に引用したものとする。EBLの付加的な背景説明は、Peumansらの「超薄有機二重ヘテロ構造光起電性のダイオードの高光強度の効率的なフォトン収穫」、応用物理会報76、2650〜52(2000)にも見られる。EBLは、励起子がドナーおよび/またはアクセプタ材料を移動することを妨げることによって、消光を減少する。
【0031】
用語「電極」と「コンタクト(contact)」はほぼ同じ意味に用いられ、光発生電流を外部回路に伝達するための媒体を提供するか、デバイスにバイアス電流または電圧を提供する層を意味する。図2にて示すように、アノード120とカソード170は、例である。電極は金属または「金属代替物」である。ここで、用語「金属」は、基本的に純粋な金属で構成される材料と、2以上の基本的に純粋な金属で構成される材料である金属合金との両者を包含する。用語「金属代替物」は、通常の定義の範囲内の金属でない材料であるが、伝導率といった金属のような特性を有するもの、たとえば、ドープされたバンドギャップ半導体、導電性酸化物および導電性高分子材料である。電極は、単一層または多重層(「化合物」電極)を有し、透明、半透明または不透明体である。電極と電極材の例は、Bulovicらの米国特許第6,352,777号や、Parthasarathyらの米国特許第6,420,031に開示されており、これらの特徴の開示は参照により、本願明細書に組み込まれる。ここで使用されるように、層が「透明」であるとは、関連する波長の周囲電磁放射の少なくとも50%を透過することをいう。
【0032】
基板110は、所望の構造上の特性を提供するあらゆる適切な基板である。基板は、柔軟または強固で、平面または非平面である。基板は、透明、半透明または不透明体である。硬いプラスチックとガラスは、好適な硬い基板材料の例である。柔軟なプラスチックと金属箔は、好適な柔軟な基板材料の例である。
【0033】
アノード−平滑化層122は、アノード層120とドナー層152間に位置する。アノード−平滑化層は、Forrestらの米国特許6,657,378号に開示されており、参照により本願明細書に引用したものとする。
【0034】
図2において、光活性領域150は、ドナー材料152と、アクセプタ材料154とを備えている。光活性領域に用いられる有機材料は、シクロメタル化有機金属化合物を含む有機金属化合物を含んでもよい。ここで使用される用語「有機金属」は、当業者によって一般的に理解され、たとえば、Gary L. MiesslerおよびDonald A. Tan, Prentice Hall著の「無機化学」(第2版)(1999)の第13章に与えられる。
【0035】
有機層は、真空堆積、スピンコーティング、有機気相堆積法、インクジェット印刷および他の周知の方法を用いて、製造される。
【0036】
ドナー−アクセプタヘテロ接合の様々な例が図3〜5に示される。図3は、平面ヘテロ接合を形成しているドナー−アクセプタ二重層を示す。図4は、ドナーおよびアクセプタ材料の混合物を有する混合ヘテロ接合153を含むハイブリッドヘテロ接合を示す。図5は、理想的な”バルク”ヘテロ接合を示す。一般的には多重界面が実際のデバイスの中に存在するが、理想的な光電流の場合では、バルクヘテロ接合は、ドナー材料252とアクセプタ材料254との間の単一の連続界面を有する。混合およびバルクヘテロ接合は、材料の複数の領域を有する結果、複数のドナー−アクセプタ界面を有する。反対タイプの材料によって囲まれる領域、たとえば、アクセプタ材料によって囲まれるドナー材料の領域は、電気的に絶縁されており、これらの領域は光電流に関与しない。他の領域は、パーコレーション経路(連続する光電流経路)により接続されることができ、これらの他領域は光電流に関与する。混合およびバルクヘテロ接合間の区別は、ドナーおよびアクセプタ材料間の相分離度による。混合ヘテロ接合では、相分離がほとんどないか全然なく(たとえば、2、3ナノメータ未満と領域がとても小さい)、一方、バルクヘテロ接合では、顕著な相分離がある(たとえば、2、3nm〜100nmの大きさの領域を形成する)。
【0037】
小分子混合ヘテロ接合は、たとえば、真空堆積または蒸着を用いてドナーおよびアクセプタ材料の同時堆積によって、形成される。小分子バルクヘテロ接合は、たとえば、制御成長、堆積後のアニーリングを伴う同時堆積、または溶解処理によって、形成される。ポリマー混合またはバルクヘテロ接合は、たとえば、ドナーとアクセプタ材料のポリマーブレンドの溶解処理により形成される。
【0038】
混合層(153)またはバルク層(252、254)と、ドナー(152)およびアクセプタ層(154)の両方とを有する場合、光活性領域は、「ハイブリッド」ヘテロ接合といわれる。図4の層の配列は、例示である。ハイブリッドヘテロ接合の付加的な説明のために、2004年8月4日出願のJiangeng Xueによる米国特許出願10/910,371号の名称「ハイブリッド混合平面ヘテロ接合を採用した高効率有機光起電力セル」を引用により本明細書に組み込んだものとする。
【0039】
一般的に、平面ヘテロ接合は、良好なキャリア伝導性を有するが、貧弱な励起子解離性も有し、効率を低くして、材料「行き詰まり(cul-de-sacs)」の最後に電荷蓄積を経験してもよく、ここで、混合層は貧弱なキャリア伝導性と良好な励起子解離性を有し、バルクヘテロ接合は良好なキャリア伝導性と良好な励起子解離性を有する。特に明記しない限り、開示される実施形態の全体にわたって、平面、混合およびハイブリッドヘテロ接合がドナー−アクセプタヘテロ接合として交互に用いられる。
【0040】
図6は、光活性領域350がショットキーバリアヘテロ接合の一部である有機感光性オプトエレクトロニクスデバイス300の例を示す。デバイス300は、透明コンタクト320、有機光伝導性材料358を含む光活性領域350およびショットキーコンタクト370を有する。ショットキーコンタクト370は、一般的に金属層として形成される。有機光伝導性層358がETLである場合、金のような高い仕事関数金属が使われ、有機光伝導性層358がHTLである場合、マグネシウムまたはインジウムのような低い仕事関数金属が使われる。ショットキーバリアセルにおいて、ショットキーバリアを伴う内蔵の電界は、離れた励起子で電子と正孔を引く。通常、この領域により援助された励起子解離は、ドナー−アクセプタ界面での解離と同等の効率ではない。
【0041】
図示のデバイスは、構成190に接続され、該デバイスが光起電力デバイスである場合、構成190は、電力を消費または貯蔵する負荷抵抗である。デバイスが光検出器である場合、構成190は、光検出器が光にさらされるときに生成される電流を測定する電流検出回路であって、デバイスにバイアスを加える。(たとえば、Forrestらの米国出願公開2005−0110007−A1号に例が説明されている。(たとえば、光活性領域として単一の光伝導性材料を使用して)デバイスから整流化接点が削除される場合、その結果の構造物は、光伝導体セルとして使用されてもよく、この場合、構成190は、光吸収に起因するデバイス全体の抵抗の変化を監視する信号検出回路である。特に明記しない限り、ここで開示される各図面および実施形態中において、デバイスには上記のような配置や変更が使用される。
【0042】
有機感光性オプトエレクトロニクスデバイスは、また、透過電荷移動層、電極または電荷再結合ゾーンを有する。電荷移動層は、有機または無機であり、光伝導的にアクティブまたはアクティブではない。電荷移動層は、電極と似ているが、デバイスの外部に電気的接続を有さず、オプトエレクトロニクスデバイスのあるサブセクションから隣接するサブセクションにキャリアを運ぶだけである。電荷再結合ゾーンは、電荷移動層と似ているが、オプトエレクトロニクスデバイスの隣接したサブセクション間で電子と正孔の再結合を許す。Forrestらの米国特許第6,657,378号、2004年8月11日出願のRandらの名称「有機感光性デバイス」のアメリカ特許出願10/915,410号、2004年11月3日出願のForrestらの名称「積層有機感光性デバイス」のアメリカ特許出願10/979,145号の電荷再結合ゾーン材料および構造が参照により組み込まれ、これらにおいて例示されるように、電荷再結合ゾーンは、ナノクラスタ、ナノパーティクルおよび/またはナノロッドを有する半透明金属または金属代替物の再結合中心(substitute recombination center)を含んでもよい。電荷再結合ゾーンは、再結合中心が埋め込まれる透明マトリックス層を含んでも、含まなくてもよい。電荷移動層、電極または電荷再結合ゾーンは、オプトエレクトロニクスデバイスのサブセクションのカソードおよび/またはアノードとして用いられる。電極または電荷移動層は、ショットキーコンタクトとして用いられる。
【0043】
図7、8は、このような透過電荷移動層、電極および電荷再結合ゾーンを含むタンデムデバイスの例を示す。図7のデバイス400では、光活性領域150と150’は、中間導電領域460と電気的に直列に積層されている。外部電気接続なしで示されているので、中間導電領域460は電荷再結合ゾーンまたは電荷移動層である。再結合ゾーンとして、領域460は透過マトリックス層の有無にかかわらず再結合中心461を含む。マトリックス層がない場合、ゾーンを形成している材料の配列は領域460全体に亘っては連続的でない。図8のデバイス500は、さかさまの配置(すなわち、カソード−ダウン)になった上部のセルを有し、電気的に並列に積層された光活性領域150と150’を示す。各図7および図8では、適応にしたがって、光活性領域150、150’およびブロック層156、156’がそれぞれ同じ材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。同様に、光活性領域150と150’は、ヘテロ接合が同じタイプ(たとえば、平面、混合、バルク、ハイブリッド)、あるいは、異なるタイプである。
【0044】
上記の各デバイスにおいて、励起子ブロック層のように、層が省略されてもよい。反射層または追加の光活性領域のように、他の層が加えられてもよい。層の順番は、変えられてまたは逆にされてもよい。集信装置またはトラッピング配置は、効率向上のために採用されてもよく、このことについて、たとえば、Forrestらの米国特許第6,333,458号およびPeumansらの米国特許第6,440,769号に開示されており、これらの内容は参照により本願明細書に引用したものとする。デバイスの所望の領域に光学エネルギーを集中するためにコーティングが使用されてもよく、このことについては、たとえば、Peumansらにより2004年6月1日出願の名称「非周期的誘電多層スタック」の米国特許出願10/857,747号に開示されており、これらの内容は参照により本願明細書に引用したものとする。タンデムデバイスにおいて、電極を経て提供されているセル間の電気的接続と共に、透過絶縁用層がセル間に形成されてもよい。また、タンデムデバイスにおいて、1以上の光活性領域がドナー−アクセプタヘテロ接合の代わりにショットキーバリアヘテロ接合であってもよい。これらの特記されたものとは異なる配置が用いられてもよい。
【0045】
有機半導体デバイスの性能は、酸素または水の汚染を伴って低下する。この低下は、有機光起電力デバイスの出力変換効率を低下する結果となりうる。一般的に、有機デバイスは、前面電極として透明導電性酸化物がすでに上面に設けられた基板上に取り付けられる。金属背面電極は、完成したデバイスに適用され、それから、不活性ガスがあらゆる空間に充填された後、ガラスまたは他材料の他の層が電極上にエポキシ樹脂で接着される。全体のパッケージは、パッケージに残りまたは入るいかなる酸素または水蒸気を吸収するように作用する吸収剤材料または乾燥剤を同封してもよい。
【0046】
有機光電子放出デバイスの背面電極は、しばしば、特別なデバイスの個々の部材の配線および空間的要請のために、サブ分割される。比較的、太陽電池と光起電力デバイスにとって、それらのデバイスは、不必要なまたはあまり発生しない小分けで、連続的に大きな領域表面を覆う。しかし、光起電力デバイスの配線は、光電子放出デバイスよりも単純な傾向にある一方で、電極の抵抗および電極への抵抗は、より重要である。光電子放出デバイスでは、他の方法の中で、供給電圧を増やすことによって、より高い抵抗が克服される。比較的、高抵抗は、光起電力デバイスの効率と有用性を損なわしめている。
【0047】
より少ないプロセス工程で、部材から光起電力デバイスの有機層を封止することが望ましい。1つの可能性は、有機光活性領域をカプセル化するために、背面金属電極を形成することである。このような電極を形成するために真空堆積が用いて、薄くやや多孔性を有する電極を生成し、太陽電池中の有機物を密閉して封止するために要求される痩せた広領域被覆を提供する。他の可能性としては、電極を形成するためにスパッタリングを使用するが、基礎をなす有機材料に与えるダメージを和らげるためには堆積をとても低速にする必要があり、一般的な製造に比べて非現実的なプロセスとなる。これらの問題に加えて、厚い金属層の広範囲の堆積は、高価である。
【0048】
厚さ10から30nmまでゆっくり成長する(0.1から1nm/s)金属のスパッタ層は、基礎をなす有機材料へのダメージを誘発する更なるスパッタリングを回避するために十分であることがわかった。結果として生じる層が有機材料を密封封止するには薄すぎる一方、それは保護バリアを提供し、同じプロセス室で、基礎をなす有機材料へのダメージがなくてより高い速度での、同じ金属の厚い層の堆積を可能にする。
【0049】
したがって、光起電力デバイスをカプセル化するために要求される工程を簡易化するために、本発明の実施形態は、実質的に酸素と水を通さない厚い層を堆積するための3つの要素によってスパッタリング速度が増加された後、感光性デバイスの有機層の露出した表面上と有機層とのあらゆる界面上に10nm以上の金属フィルムをゆっくりとスパッタリングする。金属の最終厚みは、HOおよびOの特定の金属フィルムの浸透率によって、2、300ナノメータから2、3マイクロメータであってもよい。この「カプセル化」電極は、最小のプロセス工程で有機層を密閉封止し、O、HOおよび他の汚染物からの酸素の溶浸を抑制することによって、デバイス寿命を強化する。加えて、厚い金属層は、光起電力デバイスの全体的な連続抵抗の低減に寄与する。
【0050】
金属と比較して、大部分の金属代替物の浸透性は、該金属代替物をカプセル化電極として使用するのに不適切とする。
【0051】
図9A〜9Dは、カプセル化電極を形成するための工程の例を示す図である。図9Aでは、透明導電体920(たとえば透明金属代替物または薄い金属層)は、透明基板110上に提供される。図9Bでは、一つ以上の有機光導電層950が、堆積される。様々な技術、たとえば、有機層のパターンを制御するためにシャドーマスクを使った堆積、または、溶媒蒸着ステップと組み合わされたインクジェット式のシステムを通じた有機材料の手法などのいかなるものが使用されてもよい。光伝導層は、1以上のドナー−アクセプタヘテロ接合(たとえば、ここで図2〜5に示されるように配置される)か、ショットキーバリアヘテロ接合(たとえば、ここで図6に示されるように配置される)を形成するために配置される。他の層は、励起子バリア層156/156’および中間伝導層460(図7)のように、ヘテロ接合層を含んでもよい。
【0052】
図9Cにおいて、金属971は、少なくとも厚み10nmになるまで、1nm/sの速度で、光導電層950の露出された表面上および界面上を全体的にスパッタリングによって、一様に堆積される。好ましくは、速度は、0.1から1nm/sであり、目標厚みは、10から30nmである。結果として生成されたデバイスが光起電力、光伝導体または光検出器である場合、金属971により被覆された領域は、通常、下限0.1cm、あるいは0.01cmですらあるが、その一方で、大面積光起電力デバイスのために、金属971により被覆される領域は、少なくとも1cmか、それ以上である。光起電力デバイスにとって、より大きな領域が好まれているのは、それが、外部環境との界面を減らすことによって、製造を単純化して、コストを低減し、デバイス寿命を延ばすからである。たとえば、太陽電池の光導電層950によって、覆われる連続領域は、10cmを上回り、そうすると、金属971によって覆われる領域は少なくとも10cmである。
【0053】
図9Dにおいて、目標厚みに到達した後、金属972を堆積するための堆積速度は少なくとも3倍まで増加され、遅く堆積された金属(971)と速く堆積された金属(972)の組み合わせ(970)が少なくとも250nmの厚さになるまで続けられる。金属層972のための好ましい成長速度は、1から10nm/sの範囲である。
【0054】
金属970の最終的な厚さは、HOとOの浸透率に依存し、特定の金属にとって、特定の堆積速度で成長されるが、好ましくは、250nmから2.5μmの間である。層970での浸透性は、好ましくは、HOに対して5×10−6g/m/日(25℃)以下であり、より好ましくは、HOに対して1×10−6g/m/日(25℃)以下である。層970での浸透性は、また、好ましくは、Oに対して5×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下であり、より好ましくは、Oに対して1×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下である。
【0055】
図9Dに示すように、完成したデバイス中の透明導電体920への外部電気的接続は、後述するように、基板を貫通して(あるいは、埋め込まれて)形成される。
【0056】
図10A〜10Hは、図9A〜9Dのカプセル化された電極を形成するが、付加的なステップを組み込んだ工程を示す例である。図10Aにおいて、第1犠牲マスク930(たとえば、フォトレジスト)は、透明導電体920(たとえば、透明な金属代替物または薄い金属層)で覆われている透明基板110上にパターニングされる。図10Bにおいて、透明導電体920は、それから背面がエッチングされる。図10Cにおいて、電気的に非導電性材料940が堆積される。OおよびHOが比較的非浸透性のいかなる材料でも、非導電性材料940として使用することができる。好適な例は、窒化ケイ素であり、それは、プラズマ化学気相成長法によって堆積される。図10Dにおいて、基礎をなす非導電性材料940のエッチングが行われた後、第2犠牲マスク931が非導電性材料940上にパターニングされ、図10Eに示すようなパターンが生成される。
【0057】
非導電性材料940は、他の物の間で、カプセル化された電極と基礎をなす電極との間にバリア層を提供するために用いられ、基礎をなす電極への外部配線経路を作る。このような構成の例は、次の通りである。
【0058】
図10Fでは、1以上の有機光導電層950が図9B記載のと同様の工程により堆積される。有機層のパターンを制御するためのシャドーマスクを用いた堆積、または、溶媒蒸発工程と組み合わされたインクジェットシステムを通じた有機材料のソリューションデリバリを含むあらゆる技術が使用される。光導電層は、1以上のドナー−アクセプタヘテロ接合(たとえば、ここで図2〜5に記載されるように配置される)、または、ショットキーバリアヘテロ接合(たとえば、ここで図6に記載されるように配置される)を形成するために配置される。他の層は、励起子ブロック層156および中間導電領域460(図7)のように、ヘテロ接合層に含まれることができる。
【0059】
図10Gでは、図9C記載と同様の工程で、金属971は、厚さ10nmまで、1nm/s以下の速度で、光導電層950の露出された表面上および界面上に、スパッタリングによって一様に堆積される。好ましくは、速度は0.1〜1nm/sであり、目標厚さは10から30nmである。結果として生成されたデバイスが光起電力、光伝導体または光検出器である場合、金属971により被覆された領域は、通常、下限0.1cm、あるいは0.01cmですらあるが、その一方で、大面積光起電力デバイスのために、金属971により被覆された領域は、少なくとも1cmか、それ以上である。たとえば、太陽電池の光導電層950によって覆われる連続領域は、10cmを上回り、そうすると、金属971によって覆われる領域は少なくとも10cmである。
【0060】
図10Hでは、図9Dで説明されたように、目標厚さに到達した後、金属972を堆積するために堆積速度が少なくとも3倍まで増加され、遅く堆積された金属(971)と速く堆積された金属(972)の組み合わせ(970)が少なくとも250nmの厚さになるまで続けられる。金属層972のための好ましい成長速度は、1から10nm/sの範囲である。
【0061】
上述のように、金属970の最終的な厚さは、HOとOの浸透率に依存し、特定の金属にとって、特定の堆積速度で成長されるが、好ましくは、250nmから2.5μmの間である。層970での浸透性は、好ましくは、HOに対して5×10−6g/m/日(25℃)以下であり、より好ましくは、HOに対して1×10−6g/m/日(25℃)以下である。層970での浸透性は、また、好ましくは、Oに対して5×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下であり、より好ましくは、Oに対して5×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下である。
【0062】
その後、デバイスは、配線および/または付加的な機械的保護を与える樹脂やエポキシの補助的なパッケージングにより完成される。
【0063】
図10Hに示すデバイス横断面は、非導電性材料940を堆積するための工程を含むデバイスの断面図の例であり、多くの他の断面も可能である。他の横断面の例は、図11〜19に示される。これらの横断面のいくつかは、非導電性材料940のために使用されるパターンに基づいて、単一のデバイス中で組み合わされる。たとえば、デバイスは、ある方向では図示された横断面のうちの1つであり、他の方向では、図示された横断面のうちの他のものである。
【0064】
完成したデバイスの底部電極を形成している透明導電体920への外部電気接続は、たとえば、図11〜13、16、17および19に示されるように提供されてもよく、または、さらに後述するように、基板を貫通して(埋め込まれて)形成されてよい。
【0065】
図10〜19に示される断面図に関して、有機光導電層950が絶縁体940に重なるか隣接するかは、特に重要ではなく、有機材料の堆積方法による。
【0066】
図9〜19の断面図に関して、光導電層950の周辺領域において金属971および972の堆積をマスクするためにシャドーマスクが用いられてもよい。(たとえば、図9Cの金属971を図10Gの金属971と比較する。有機光導電膜950がショットキーバリア光活性領域350の一部を形式する場合、金属970はショットキーコンタクトである。)
単一セルの感光性デバイスおよび連続して積層された感光性デバイスは上述の方法および構造を用いて容易に(なぜなら、中間に電極がないので)形成される一方で、図8に示すようなパラレルなタンデムデバイスにカプセル化した電極を加えることは、カプセルに入れられたスタックの外部に電気的接続を必要とする。一旦有機層の堆積が始まると、紫外線(たとえば、フォトリソグラフィ)、エッチング液などの有機分子にダメージを与えるものを用いるパターニング工程を回避することが好ましい。したがって、そのようなプロセスを必要とするパターニングステップは、第1有機層の堆積の前に、好ましくは実行される。
【0067】
図20A〜20Fおよび21A〜21Iは、図8に示される設計と類似するが、カプセル化電極を加えて、パラレルなタンデムデバイスを形成するための工程を示す。犠牲マスクは、簡潔さのために図示を省略しているが、パターニングプロセスは上述と同様である。同様に、層の材料、組成、堆積法、成長速度、厚さと浸透性も、上記と同じである。
【0068】
図20Aは、電気導電材料920を含み電気導電材料960を伴うパターニングされた透明フィルムが提供された透明基板110を示す。電気導電材料960は、金属または金属代替物であって、透明または不透明である。最も経済的なプロセスは、材料920と960が同じ透明電気導電材料であり、同時に、堆積されパターニングされる。いずれにせよ、920と960として識別される伝導体は、パターニング/形成され、それらの間の電気的接続がなくなる。
【0069】
図20Bに示されるように、中間電極のための外部コンタクトを形成する要望において、非導電材料942が堆積され、電気導電材料960上にパターニングされる。非導電材料942として、OとHOを比較的通さないいかなる材料が使われてもよい。好適な例は、窒化ケイ素であり、それは、プラズマ化学気相成長法によって堆積できる。
【0070】
図20Cにおいて、光導電層950が形成される。図20Dにおいて、透明導電材料964が堆積され、透明導電体920に接触せずに、導体960との電気的接続を形成する。透明導電体964は、金属代替物または薄い金属フィルムのいずれでもよい。
【0071】
図20Eにおいて、第2光導電層950’が堆積される。図20Fでは、上述の2段階(971/972)スパッタリング工程で堆積され、光導電層950と950’をカプセル化し、同時に導体960と964から電気的に絶縁される。この例では、金属970は、透明導電体920への電気的接続を形成し、このことにより一般の電極を形成する。図20Fは、構成190に接続される、回路中の結果として生じるデバイスを示す。
【0072】
図21A〜21Iは、図8に示される設計と類似するが、カプセル化電極を加えて、パラレルなタンデムデバイスを形成するための他の工程を示す。図20A−20Fの工程との違いは、中間電極のための外部コンタクトを形成する付加的なステップが含まれることである。
【0073】
図21Aは、電気導電材料920を含みパターニングされた透明フィルムが提供された透明基板110を示す。図21Bに示すように、中間電極を形成することを期待して、非導電性材料940が堆積され、パターニングされる。図21Cにおいて、被覆率を制御するために、(たとえば、)シャドーマスクまたは犠牲層を用いて、非導電性材料940上に電気導電材料962が堆積される。電気導電材料962は、金属または金属代替物であって、透明または不透明である。920および962として識別される導体は、パターニング/形成され、それらの間の電気的接続がなくなる。
【0074】
図21Dにおいて、他の非導電性材料942が堆積され、パターニングされる。図20Bで説明されたように、OおよびHOを比較的通さないいかなる材料が非導電性材料942として使用されることができる。好適な例は、窒化ケイ素であり、それは、プラズマ化学気相成長法によって堆積できる。図21Eにおいて、光導電層950が形成される。
図21Fにおいて、透明導電体964が堆積され、透明導電体920に接触せずに、導体962への電気的接続を形成する。透明導電体964は、金属代替物または薄い金属フィルムのいずれでもよい。
【0075】
図21Gでは、第2セットの光導電層950’が堆積される。図21Hでは、金属970は、上述の2段階(971/972)スパッタリング工程で堆積され、光導電層950と950’をカプセル化し、同時に導体960と964から電気的に絶縁される。この例では、金属970は、透明導電体920への電気的接続を形成し、このことにより一般の電極を形成する。図21Gは、構成190に接続される、回路の結果として生じるデバイスを示す。
【0076】
図22から25は、底部電極のシート抵抗を低くするために上記各デバイスと共に使用されうる様々な底部電極を示す。これらの各例では、狭い金属ライン921が底部電極に追加される。シート抵抗を低くすることに加えて、透明導電体920が金属ライン921よりもOとHOをより浸透する金属代替物である場合、金属ライン921は、カプセル化を強化するために使用されてもよい。特に、導体920が金属代替物である場合、絶縁体940の幅は、より広い必要があり、絶縁体940が金属であっても当該金属代替物を介してデバイスにOとHOが浸透しないことを保証するように要求される。しかし、絶縁体940の幅を増加することは、光伝導で利用可能な表面積を減らすことになる。絶縁体940とカプセル化電極970の余白内に透明導電体920をパターニング/エッチングバックすることによって、加えて、底部電極のための外部接続を形成するために金属ライン921に頼ることに代えて、絶縁体940の幅を低減でき、それによって、光伝導の利用可能な領域を増大できる。
【0077】
上記各実施形態では、完成された使用可能なデバイスを作るために、各電極に対する外部電気接続が必要である。図11、12、13、16、17の断面図によって論証されたように、底部電極920、921に形成されうる接続の一手法は、底部電極920、921の一部上に絶縁体940を堆積することにより、カプセル化電極から電気的に絶縁された電気的コンタクトを作ることである。他の解決策は、透明基板110を通って底部電極に電気的接続を形成すること、あるいは、基板110中に伝導経路を埋め込むことである。図26A−26Cは、実施例を例示する。
【0078】
図26Aは、図26BのA−A’線に沿った構造の断面図であり、図26Bは、図26AのB−B’線に沿った構造の断面図である。金属ラインが基板110に埋め込まれ、電気的に不導体材料941によって覆われている。基板110が樹脂である場合、不導体材料941の例としては、基板110を形成する材料と同じ樹脂材料を含んでもよく、あるいは、基板110がガラスである場合、不導体材料941の例としては、ガラスまたは窒化ケイ素のような従来の絶縁体がある。図26Cは、基板に埋め込まれた接続を有するカプセル化デバイスの例であり、構成190への外部接続を提供するために金属ライン921を有する。この例では金属ライン921を基板に埋め込んでいるが、透明導電体920の一部も、金属ライン921と共に、あるいは金属ライン921と別個に、埋め込まれてもよい。
【0079】
図27〜29は、上述のプロセスにより形成された連続接続されたセルを示す図である。個々のセルの断面は、単なる例であり、上述のいかなる断面および構造が用いられてもよい。個々のセルは、(図7と同様に)直列接続のスタック内で電気的に接続されるサブセルのスタックを含んでもよく、並列接続のスタック中で電気的に接続されるサブセルのスタックを含んでもよい。各セルのカプセル化金属層は、溝980によって隣接するセルから電気的に分離され、セル間の絶縁性を提供する。溝980は、例えば、金属971と972の堆積の間シャドウマスキングによって形成され、あるいは、金属971と972のレーザエッチングによって形成される。
【0080】
加えて、カプセル化電極を有する各デバイスでは、アノード平滑化層122のような平滑化層は、底部電極920に付加されて、図2〜8と共に上述された他の構造および層となってもよい。
【0081】
上記の通り、電極を形成するために真空蒸着を用いることは、やや多孔性の電極を生み出す傾向がある。真空蒸着は、カプセル化のためのスパッタリングよりも高価で、信頼性が高く、同等の浸透性を確実に提供するために比較的より厚い被覆を必要とする。しかしながら、スパッタリングは厚い保護金属層971の形成のために好ましい一方で、ある状況下で考えると、スパッタリングの代わりに熱真空堆積(VTE)を使って薄い保護金属層を形成することが有利であるかもしれない。
【0082】
多くのプロセスのために、金属蒸着法中央のスイッチングは(よい被覆および低い浸透性を確実にするために依然スパッタリングによって形成されるので)製造複雑さを増加し、混入物質の露出の可能性を増加する。しかし、スパッタリングの代わりにVTEによって、薄い保護金属層を形成する例は、光導電層950が蒸着によって堆積され、保護金属層がVTEによって同じ堆積室内で堆積される場合に、有利であるかもしれない。光導電層950の形成後および金属層972のスパッタリング前で堆積室中を構造が移動されなくてはならない場合、または、これらのステップの間に環境状況が他の方法で実質的な変更を行わなくてはならない場合、VTEによって薄い保護金属層を堆積することは、トランジションの影響を少なくする。
【0083】
上述のプロセスにおいて、薄い保護金属層の形成のためにスパッタリングにVTEが代えられる場合、成長速度は、厚さが10nm以上になるまで、(スパッタリングすることと、同様に)1nm/s以下であり、好ましい成長速度は0.1から1nm/sのままである。これらの成長速度は、薄い保護金属層が形成される間に基礎となる有機材料に与えるダメージを軽減し、その厚さの閾値は、金属972が堆積するときに、基礎となる有機材料中のスパッタリング−誘導ダメージの発生を防止する。金属972は、VTEと共に使用した速度よりも少なくとも3倍速い堆積速度でスパッタリングによって、再び再積層される。金属の累積の厚さ(VTEおよびスパッタされた)は、少なくとも250nmである。組み合わされたVTEとスパッタリングされた金属の最終的厚さは、HOとOの浸透率に依存し、堆積される特定の金属にとって、好ましくは、250nmから2.5μmである。VTEおよびスパッタリングの組み合わせを介する浸透性は、再度、好ましくは、HOに対して5×10−6g/m/日(25℃)以下であり、より好ましくは、HOに対して1×10−6g/m/日(25℃)以下であり、また、Oに対して5×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下であり、より好ましくは、Oに対して1×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下である。
【0084】
薄い保護金属層(たとえば、スパッタリングされた層971または代替物VTE層)のために金属が使用され、厚くスパッタリングされた層972が一般的に同じ金属である一方、異なる金属を使用することが好ましい場合がある。たとえば、薄い保護層に選ばれる金属は、基礎をなす有機層で誘発されるダメージを最適化あるいは最小化するように選択され、加えて/あるいは、基礎をなす有機層外の電荷キャリアを引きつける能力のために選択される。同様に、太い保護層に選ばれる金属は、速い−堆積スパッタリングおよび/または優れた浸透性のために選択される。これらの層に異なる金属を使用することは、堆積の切り換えが層間で行われる場合、効率的または便利である。
【0085】
概要として、カプセル化の他の形態が電極970のカプセル化に使用されてもよく、電気導電のためのカプセル化電極の二重の機能性および混入物質に対するバリアとしての機能は、デバイスの安全性を維持することに依存する基礎有機層との材料界面を最小化することによって、性能の強化をもたらす。カプセル化電極の形成のために金属を用いることは、汚染要因物の予防と設計自由度を向上する。さらに、金属の使用は、補助的なパッケージングの構造的要求を低減する。
【0086】
上述の通り、本発明の有機感光性デバイスは、インシデント電磁放射(たとえば、光起電力デバイス)から電力を生成するために使用され、または、インシデント電磁放射(たとえば、光検出器または光伝導体セル)を検出するために使用される。
【0087】
本発明の特別な例は、ここに図示され、および/または説明される。しかし、本発明の変更や変形は、上記技術にカバーされており、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、添付の請求の範囲の範囲内および上記教示によって、カバーされることはいうまでもない。特に説明されていない感光性デバイス構造は、カプセル化電極や、電極を組み合わせる方法と関連して、使用されてもよい。
【0088】
なお、図面は、必ずしも寸法通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】ドナー−アクセプタヘテロ接合を示すエネルギー準位図である。
【図2】ドナー−アクセプタヘテロ接合を含む有機感光性デバイスを示す。
【図3】プレーナヘテロ接合を形成しているドナー-アクセプタ二重層を示す。
【図4】ドナー層およびアクセプタ層間の混合ヘテロ接合を含むハイブリッドヘテロ接合を示す。
【図5】バルクヘテロ接合を示す。
【図6】ショットキーバリアヘテロ接合を含む有機感光性デバイスを示す。
【図7】直列のタンデム感光セルを示す。
【図8】平行のタンデム感光セルを示す。
【図9A】カプセル化電極の形成のためのプロセス例を示す。
【図9B】カプセル化電極の形成のためのプロセス例を示す。
【図9C】カプセル化電極の形成のためのプロセス例を示す。
【図9D】カプセル化電極の形成のためのプロセス例を示す。
【図10A】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10B】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10C】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10D】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10E】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10F】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10G】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図10H】カプセル化電極の形成のための図9A−9D中のプロセス例に加えるさらなる工程を示す。
【図11】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図12】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図13】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図14】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図15】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図16】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図17】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図18】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図19】カプセル化電極を含むデバイス横断面の組合せを示す。
【図20A】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図20B】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図20C】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図20D】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図20E】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図20F】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するためのプロセスを示す。
【図21A】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21B】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21C】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21D】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21E】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21F】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21G】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21H】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図21I】カプセル化電極を含む平行したタンデムセルを形成するための図20A−20Fのプロセス例にさらに加えられるステップを示す。
【図22】図9−25中のプロセスと関連する底部電極のために形成または提供される追加的な構造の組み合わせを示す。
【図23】図9−25中のプロセスと関連する底部電極のために形成または提供される追加的な構造の組み合わせを示す。
【図24】図9−25中のプロセスと関連する底部電極のために形成または提供される追加的な構造の組み合わせを示す。
【図25】図9−25中のプロセスと関連する底部電極のために形成または提供される追加的な構造の組み合わせを示す。
【図26A】図9−25中のプロセスと関連して使用される底部電極への埋め込み電気接続を有する基板を示す。
【図26B】図9−25中のプロセスと関連して使用される底部電極への埋め込み電気接続を有する基板を示す。
【図26C】図9−25中のプロセスと関連して使用される底部電極への埋め込み電気接続を有する基板を示す。
【図27】図9−26中の方法および構造に関連して形成される電気的直列接続のマルチセルモジュールの例を示す。
【図28】図9−26中の方法および構造に関連して形成される電気的直列接続のマルチセルモジュールの例を示す。
【図29】図9−26中の方法および構造に関連して形成される電気的直列接続のマルチセルモジュールの例を示す。
【符号の説明】
【0090】
6 フォトン、
8 励起子、
100 有機感光性オプトエレクトロニクスデバイス、
110 基板、
120 アノード、
122 アノード平滑化層、
150 光活性領域、
152 ドナー、
153 混合ヘテロ接合、
154 アクセプタ、
156 ブロック層、
170 カソード、
190 構成、
252 ドナー材料、
254 アクセプタ材料、
300 有機感光性オプトエレクトロニクスデバイス、
320 透明コンタクト、
350 光活性領域、
358 有機光伝導性層、
370 ショットキーコンタクト、
400 デバイス、
460 中間伝導層、
461 再結合中心、
500 デバイス、
920 底部電極、
921 金属ライン、
930 犠牲マスク、
931 犠牲マスク、
940 絶縁体、
941 不導体材料、
942 非導電材料、
950 有機光導電層、
960 導体、
962 導体、
964 透明導電体、
970 カプセル化電極、
970 金属、
971 金属、
972 金属層、
980 溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に配置され、第1電気導電材料を含む第1透明フィルムを提供し、
第1電気導電材料上に第1光伝導性有機材料を堆積し、
前記第1光伝導性有機材料上に、1nm/s以下の初速度で第1金属を堆積し、厚みが10nm以上になるまで、前記第1光伝導性有機材料のあらゆる露出部分と、前記第1光伝導性有機材料とのあらゆる露出された界面を、完全に被覆し、
10nm以上の厚みが得られた後、初速度の少なくとも3倍に増加された速度で第2金属をスパッタリングし、前記第1光伝導性有機材料の以前に露出されていた部分と、前記第1光伝導性有機材料との以前に露出されていた界面とを完全に被覆する第1および第2金属の累積厚みを少なくとも250nmにする有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項2】
1nm/s以下の初速度での第1金属の堆積は、スパッタリングによって実行される請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項3】
初速度から増加した速度への移行は、連続的な中断されないスパッタリングプロセスとして実行される請求項2に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項4】
初速度から増加した速度への移行は、第1金属の厚みが30nm以上になったときに起こる請求項3に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項5】
1nm/s以下の初速度での第1金属の堆積は、熱真空堆積により実行される請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項6】
増加された速度は、1から10nm/sの範囲である請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項7】
初速度で堆積された第1金属との累積厚みが250nmから2.5μmの間になるまで、第2金属は増加された速度でスパッタリングされる請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項8】
累積厚みが250nmから2.5μmの間の第1および第2金属は、共に、浸透性が、HOに対して5×10−6g/m/日(25℃)以下で、Oに対して5×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下である請求項7に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項9】
浸透性は、HOに対して1×10−6g/m/日(25℃)以下で、Oに対して1×10−6cm/m/日/atm(25℃)以下である請求項8に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項10】
第1および第2金属と前記第1光伝導性有機材料とは、1cm以上の相互に被覆しない連続的な領域がある請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項11】
第1および第2金属と前記第1光伝導性有機材料とは、10cm以上の相互に被覆しない連続的な領域がある請求項10に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項12】
前記第1光伝導性有機材料を堆積する前に、さらに、非導電材料を堆積し、パターニングする請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項13】
非導電材料が、第1導電材料と重なり、第1導電材料の一部が、前記第1光伝導性有機材料の以前に露出されていた部分を被覆する第1および第2金属から電気的に絶縁された配線コンタクトを提供するために、非導電材料の下方から伸延する請求項12に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項14】
前記第1光伝導性有機材料の堆積の前に、第1導電材料から電気的に絶縁されるように配置される第2導電材料を提供し、
前記第1光伝導性有機材料の堆積の前に、第2導電材料上の非導電材料を堆積およびパターニングし、
前記第1光伝導性有機材料上に第3導電材料を含む第2透明フィルムを堆積し、ここで、第3導電材料の一部が第2導電材料と物理的に接触し、第3導電材料が第1導電材料から電気的に絶縁されるように堆積されており、
第3導電材料を含む前記第2透明フィルム上に第2光伝導性有機材料を堆積し、
ここで、第1および第2金属も、前記第2光伝導性有機材料のあらゆる露出部分と、前記第2光伝導性有機材料とのあらゆる露出された界面を完全に被覆し、第1導電材料に電気的に接続され第2および第3導電材料から電気的に絶縁される第1および第2光伝導性有機材料の以前に露出されていた部分を第1および第2金属が被覆する請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項15】
第1導電材料および第2導電材料は、同じ材料である請求項14に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項16】
第1有機材料上に第2光伝導性有機材料を堆積することをさらに含み、第1および第2が平面、バルク、またはハイブリッドドナー−アクセプタヘテロ接合を形成し、前記第2光伝導性有機材料のあらゆる露出部分と前記第2光伝導性有機材料とのあらゆる露出された界面を第1および第2金属が完全に被覆する請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項17】
第2光伝導性有機材料を第1有機材料と共に堆積することをさらに含み、第1および第2が混合、バルク、またはハイブリッドドナー−アクセプタヘテロ接合を形成し、前記第2光伝導性有機材料のあらゆる露出部分と前記第2光伝導性有機材料とのあらゆる露出された界面を、第1および第2金属が完全に被覆する請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項18】
第1金属および第1光伝導性有機材料は、ショットキーバリアヘテロ接合を形成する請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項19】
複数の近接したセルを透明基板上に形成するために、第1金属の堆積および第2金属のスパッタリングの間、シャドウマスキングすることをさらに有し、各セルは、第1光伝導性有機材料を含む少なくとも1つの光活性領域を含み、直列に電気的に接続されている請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項20】
複数の近接したセルを透明基板上に形成するために、第1金属の堆積および第2金属をレーザエッチングすることをさらに有し、各セルは、第1光伝導性有機材料を含む少なくとも1つの光活性領域を含み、直列に電気的に接続されている請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項21】
第1金属および第2金属は同じ材料である請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。
【請求項22】
第1金属および第2金属は異なる材料である請求項1に記載の有機感光性光電子デバイス形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図21G】
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【図21H】
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【図21I】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公表番号】特表2009−506554(P2009−506554A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528221(P2008−528221)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033323
【国際公開番号】WO2007/025188
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(506201943)ザ トラスティーズ オブ プリンストン ユニヴァシティ (12)
【Fターム(参考)】