説明

有機化合物

【課題】炎症性または閉塞性気道疾患の処置に使用するための、化合物およびその製造法、ならびにそれを含む医薬を提供すること。
【解決手段】炎症性または閉塞性気道疾患の処置における、同時的、逐次的または個別的投与のための、(A)遊離または薬学的に許容される塩または溶媒和物の形態の式(I)


で示される化合物および(B)コルチコステロイドを個別にまたは一緒に含み、(A)と(B)のモル比が100:1から1:300である、医薬の提供により課題が解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置のための、有機化合物および医薬としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの観点において、本発明は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置における、同時的、逐次的または個別的投与のための、(A)遊離または薬学的に許容される塩または溶媒和物の形態の、式
【化1】

で示される化合物および(B)コルチコステロイドを、個別にまたは一緒に含む医薬を提供する。
【0003】
別の観点において、本発明は炎症性または閉塞性気道疾患の処置方法であって、有効量の前に定義した(A)および前に定義した(B)を、該処置を必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0004】
さらなる観点において、本発明は、所望により少なくとも1つの薬学的に許容される担体とともに、有効量の前に定義した(A)および前に定義した(B)の混合物を含む医薬組成物を提供する。
【0005】
本発明はさらに、炎症性または閉塞性気道疾患の処置における(A)および(B)の同時的、逐次的または個別的投与による併用治療のための医薬の製造における、前に定義した(A)および/または前に定義した(B)の使用を提供する。
【0006】
式Iの化合物は、(R)−8−ベンジルオキシ−5−オキシラニルカルボスチリルを、5,6−ジエチルインダン−2−イルアミンと反応させて8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−1H−キノリン−2−オンを得、これを水素によりベンジル基を置換する脱保護反応に付し、そして遊離または塩または溶媒和物の形態の、得られた式Iの化合物を回収することにより、遊離または塩または溶媒和物の形態で製造され得る。該反応は、実施例または同様の手順において後記の手順を用いて実施され得る。(R)−8−ベンジルオキシ−5−オキシラニルカルボスチリルは、WO95/25104において記載されたように製造され得る。5,6−ジエチルインダン−2−イルアミンは、例えば後記の実施例において記載したように、既知の方法またはそれと同様の方法で製造され得る。
【0007】
式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、無機酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸のような無機酸;およびギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸、トリフェニル酢酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸のような脂肪族ヒドロキシ酸、フマル酸、マレイン酸またはコハク酸のようなジカルボン酸、およびメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸、のような有機酸を含む、酸付加塩であり得る。これらの塩は、既知の塩形成手順により式Iの化合物から製造され得る。薬学的に許容される溶媒和物は、一般的に、水和物である。式Iの化合物の特に好ましい形態は、そのマレイン酸塩である。
【0008】
コルチコステロイド(B)は、例えば
【化2】

〔式中、
は、所望によりハロゲン(好ましくは塩素またはフッ素)、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、アシルオキシまたはアシルチオにより置換されていてもよいC〜C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりハロゲンにより置換されていてもよいC〜C−アルコキシまたはC〜C−アルキルチオであるか、あるいはRは、5または6員のヘテロシクリルチオであり、
はアシルオキシでありそしてRは水素またはC〜C−アルキルであるか、またはRとRが一体となって式
【化3】

(式中、RはC〜C−アルキルまたはC〜C−シクロアルキルであり、そしてRは水素またはC〜C−アルキルである。)
で示される基を表し、そして
およびXは、それぞれ独立して水素、塩素またはフッ素である。〕
で示される化合物またはその1,2−ジヒドロ誘導体であり得る。
【0009】
本明細書で使用されるC〜C−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルであり得る。
【0010】
本明細書で使用されるC〜C−アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシであり得る。
【0011】
本明細書で使用されるC〜C−アルキルチオは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、またはtert−ブチルチオであり得る。
【0012】
がアシルオキシ置換C〜C−アルキルである場合、該アシルオキシ基は、例えば、C〜C20アルキルカルボニルオキシ、例えばアセチルオキシ、n−プロピオニルオキシ、イソプロピオニルオキシ、またはヘキサデカノイルオキシであるか、あるいはC〜C−シクロアルキルカルボニルオキシ、例えばシクロヘキシルカルボニルオキシであり得る。Rがアシルチオ置換C〜C−アルキルである場合、該アシルチオ基は、例えばC〜C−アルキルカルボニルチオ、例えばアセチルチオまたはn−プロピオニルチオであり得る。Rが5または6員のヘテロシクリルチオである場合、該ヘテロシクリル基は、O−ヘテロシクリル基、例えばフラノイル基であり得る。
【0013】
がアシルオキシである場合、それは、例えばC〜C−アルキルカルボニルオキシ、例えばアセチルオキシ、n−プロピオニルオキシ、またn−ブチロイルオキシ、C〜C−シクロアルキルカルボニルオキシ、例えばシクロプロピルカルボニルオキシ、または5もしくは6員のヘテロシクリルカルボニルオキシ、例えばフロイルオキシであり得る。
【0014】
がC〜C−アルキルである場合、それはαまたはβコンホメーションであり、より一般的にはαコンホメーションであり得る。
【0015】
とRが一体となって式IIIの化合物を示す場合には、C〜C−シクロアルキルとしてのRは、例えばシクロヘキシルであり得る。
【0016】
式Iのコルチコステロイドおよびそれらの1,2−ジヒドロ誘導体は、ベクロメタゾン ジプロピオネート(beclamethasone dipropionate)、ブデソニド、フルチカゾン プロピオネート、モメタゾン フロエート、シクレソニド、トリアムシノロン アセトニド、フルニソリド、ロフレポニド パルミテート(rofleponide palmitate)、ブチキソコート プロピオネート(butixocort propionate)またはイコメタゾン エンブテート(icometasone enbutate)を含む。本発明の特に好ましい実施態様において、コルチコステロイド(B)は、ブデソニド、フルチカゾン プロピオネート、またはモメタゾン フロエートである。
【0017】
前記の、すなわち混合されたまたは個別の(A)および(B)を有する医薬または医薬組成物の投与は、好ましくは吸入により投与される、すなわち(A)および(B)またはそれらの混合物は吸入可能な形態である。医薬、すなわち(A)および/または(B)の吸入可能な形態は、例えば、活性成分、すなわち高圧ガス中の溶液または分散体中の個別または混合された(A)および(B)を含むエアロゾルのような噴霧可能な(atomizable)組成物であるか、水性、有機性もしくは水性/有機性媒体中の活性成分の溶液または分散体を含むネブライズ可能な(nebulizable)組成物であり得る。例えば、該医薬の吸入可能な形態は、高圧ガス中の溶液または分散体中の(A)および(B)の混合液を含むエアロゾル、あるいは高圧ガス中の溶液または分散体中の(A)を含むエアロゾルと高圧ガス中の溶液または分散体中の(B)を含むエアロゾルとの組み合わせである。別の例において、吸入可能な形態は、水性、有機性または水性/有機性媒体中の(A)および(B)の分散体、あるいはそのような媒体中の(A)の分散体とそのような媒体中の(B)の分散体との組み合わせを含むネブライズ可能な組成物である。
【0018】
該医薬の吸入可能な形態としての使用に適したエアロゾル組成物は、高圧ガス(これは、当分野において既知の任意の高圧ガスから選択され得る。)中の溶液または分散体中の活性成分を含み得る。このような適当な高圧ガスは、n−プロパン、n−ブタンもしくはイソブタンのような炭化水素またはこのような炭化水素のうちの2以上の混合物、およびハロゲン−置換炭化水素、例えば塩素および/またはフッ素−置換メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタン、例えばジクロロジフルオロメタン(CFC 12)、トリクロロフルオロメタン(CFC 11)、1,2−ジクロロ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CFC 114)または、特に1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227)、またはこのようなハロゲン−置換炭化水素のうちの2以上の混合物を含む。活性成分が高圧ガス中の懸濁液中に存在する場合、すなわちそれが高圧ガス中に分散した粒子の形態で存在する場合、該エアロゾル組成物は、また、滑沢剤および界面活性剤を含み得、これらは当分野において既知の滑沢剤および界面活性剤から選択され得る。他の適当なエアロゾル組成物は、界面活性剤が入っていないまたは実質的に界面活性剤が入っていないエアロゾル組成物が含まれる。エアロゾル組成物は、高圧ガスの重量に基づいて、約5重量%までの、例えば0.0001〜5重量%、0.001〜5重量%、0.001〜3重量%、0.001〜2重量%、0.001〜1重量%、0.001〜0.1重量%、または0.001〜0.01重量%の活性成分を含み得る。存在する場合、滑沢剤および界面活性剤は、エアロゾル組成物の重量のそれぞれ5%および0.5%までの量で存在し得る。エアロゾル組成物は、また、組成物の重量の30%までの量で、特に加圧計量投与吸入デバイスからの投与のために、エタノールのような共溶媒を含み得る。該エアロゾル組成物は、さらに、増量剤、例えばラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトールまたはソルビトールのような糖を、組成物の重量で例えば20%まで、通常0.001〜1%の量で含み得る。
【0019】
本発明の別の実施態様において、吸入可能な形態はドライパウダーである、すなわち(A)および/または(B)は、所望により少なくとも1つの粒子状の薬学的に許容される担体とともに、細かく粉砕された(A)および/または(B)を含むドライパウダー中に存在する。これは、例えばモノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライドを含むサッカライド、およびアラビノース、グルコース、フルクトース、リボース、マンノース、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、デンプン、デキストラン、マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコールのような、ドライパウダー吸入用組成物中の担体として既知の物質から好ましくは選択される、薬学的に許容される担体として既知の1以上の物質であり得る。とりわけ好ましい担体はラクトースである。ドライパウダーは、ドライパウダー吸入デバイスにおける使用のための、例えばゼラチンまたはプラスチックのカプセル中の、または(例えばアルミニウムもしくはプラスチックの)ブリスター中の、単位投与として含まれ得、これは好ましくは(A)および/または(B)の投与単位においてカプセルあたりのパウダーの総重量が5mg〜50mgとなるような量で担体と一緒になった単回投与または複数投与デバイスであり得る。代わりに、該ドライパウダーは、アクチュエーションごとに例えば3〜25mgのドライパウダーを送達するように調節された複数投与用ドライパウダー吸入デバイス中のリザーバー中に含まれ得る。
【0020】
医薬の細かく粉砕された粒子の形態において、および活性成分が粒子の形態で存在するエアロゾル組成物において、活性成分は約10μmまでの、例えば0.1〜5μm、好ましくは1〜5μmの平均粒子直径を有し得る。存在する場合には、粒子状の担体は一般的に300μmまでの、好ましくは212μmまでの最大粒子直径を有し、そして簡便には40〜100μm、例えば50〜75μmの平均粒子直径を有する。活性成分の粒子サイズ、およびドライパウダー組成物中に存在する粒子状の担体のサイズを、常法により、例えばエアージェットミル、ボールミルまたは振動ミルにおける粉砕、分級、ミクロ沈澱(microprecipitation)、スプレー乾燥、凍結乾燥、または通常の溶媒または超臨界媒体からの制御された結晶化により、所望のレベルまで減少し得る。
【0021】
吸入用医薬は、吸入可能な形態に適した吸入デバイスを用いて投与され得、このようなデバイスは当分野において周知である。したがって、本発明は、また、1以上の吸入デバイスと共に、前記のような吸入可能な形態で、前記の医薬または医薬組成物を含む、医薬品(pharmaceutical product)を提供する。さらなる観点において、本発明は、前記のような吸入可能な形態で、前記の医薬または医薬組成物を含む、吸入デバイスまたは1以上の吸入デバイスのパックを提供する。
【0022】
活性成分の吸入可能な形態がエアロゾル組成物である場合、吸入デバイスは、計量された投与量、例えば10〜100μl、例えば25〜50μlの組成物を送達するために適用されたバルブを備えたエアロゾル・バイアル、すなわち定量噴霧式吸入器として知られるデバイスであり得る。加圧下で内部にエアロゾル組成物を含むこのような適当なエアロゾル・バイアルおよび手順は、吸入治療の分野における当業者に周知である。例えば、エアロゾル組成物は、例えばEP−A−0642992に記載されたようなコート缶(coated can)から投与され得る。吸入可能な形態の活性成分がネブライズ可能な水性、有機性または水性/有機分散体である場合、吸入デバイスは既知のネブライザー、例えばジェット式ネブライザー(airjet nebulizer)のような通常の含気性ネブライザー、または超音波式ネブライザー(これらは、例えば、1〜50ml、通常1〜10mlの分散体を含み得る。)であるか;またはハンドネブライザー(これは、ソフトミストまたはソフトスプレー・インヘラーと呼ばれることもある。)、例えばAERx(Aradigm, US)もしくはAerodose(Aerogen)のような電気的に制御されたデバイス、またはRESPIMAT(Boehringer Ingelheim)ネブライザー(これは、従来のネブライザーよりもずっと小さい噴霧液の体積、例えば10〜100μlを可能にする。)のようなメカニカル・デバイスであり得る。吸入可能な形態の活性成分が細粒化された粒子の形態である場合、吸入デバイスは、例えば(A)および/もしくは(B)の投与単位を含むドライパウダーを含むカプセルもしくはブリスターからドライパウダーを送達するために適用されたドライパウダー吸入デバイス、または、アクチュエーションごとに例えば(A)および/もしくは(B)の投与単位を含む3〜25mgのドライパウダーを送達するために適用された複数投与用ドライパウダー吸入(MDPI)デバイスであり得る。このような適当なドライパウダー吸入デバイスは周知である。例えば、カプセルに入った形態のドライパウダーの送達に適したデバイスは、US3991761に記載されたものであり、一方、適当なMDPIデバイスは、WO97/20589に記載されたものである。
【0023】
本発明の医薬は、好ましくは、前に定義した少なくとも1つの薬学的に許容される担体とともに、好ましくは、前に定義した(A)および前に定義した(B)の混合物を含む医薬組成物である。
【0024】
化合物(A)のステロイド(B)に対するモル比は、一般に、100:1から1:300、例えば50:1から1:100、または20:1から1:50、好ましくは10:1から1:20、さらに好ましくは5:1から1:10、3:1から1:7、または2:1から1:2であり得る。化合物(A)およびステロイド(B)は、同じ比率で、個別に投与され得る。
【0025】
吸入のための、特にマレイン酸塩としての、化合物(A)の適当な1日投与量は、20μg〜2000μg、例えば20〜1500μg、20〜1000μg、好ましくは50〜800μg、例えば100〜600μg、または100〜500μgであり得る。吸入のためのステロイド(B)の適当な1日投与量は、20μg〜5000μg、例えば20〜4000μg、50〜3000μg、50〜2000μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜400μg、50〜300μg、50〜200μg、または50〜100μgであり得る。(B)がブデソニドである場合、適当な1日投与量は、25〜4800μg、例えば25〜4000μg、25〜3200μg、25〜2400μg、25〜1600μg、50〜4800μg、50〜4000μg、50〜3200μg、50〜2400μg、50〜1600μg、100〜4000μg、100〜3200μg、100〜2400μg、100〜1600μg、100〜800μg、100〜400μg、200〜4000μg、200〜1600μg、200〜800μg、または200〜400μgであり得、100〜1600μgが好適である。
【0026】
(B)がモメタゾン フロエートである場合、適当な1日投与量は、50μg〜2000μg、例えば100〜200μg、100〜1600μg、100〜1000μg、または100〜800μg、好ましくは200〜500μg、例えば200〜400μgであり得る。(B)がフルチカゾン プロピオネートである場合、適当な1日投与量は、25〜2000μg、例えば25〜1500μg、25〜1000μg、25〜500μg、25〜250μg、50〜1500μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜250μg、100〜1500μg、100〜1000μg、100〜500μg、100〜250μg、200〜1500μg、200〜1000μg、または200〜500μgであり得、100〜1000μgが好適である。
【0027】
特にマレイン酸塩としての、化合物(A)の適当な単位投与量は、20〜2000μg、例えば20〜1500μg、20〜1000μg、好ましくは50〜800μg、50〜600μg、または50〜500μgであり得る。ブデソニドの適当な単位投与量は、25〜2400μg、例えば50〜2400μg、50〜2000μg、50〜1600μg、50〜800μg、50〜400μg、50〜200μg、100〜1600μg、100〜800μg、100〜400μg、100〜200μg、200〜1600μg、200〜800μg、または200〜400μgであり得、100〜400μgが好適である。吸入用のモメタゾン フロエートの適当な単位投与量は、25〜2000μg、例えば50μg〜1500μg、50〜1000μg、50〜800μg、50〜400μg、50〜200μg、50〜100μg、100〜800μg、100〜400μg、または100〜200μgであり得、100〜400μgが好適である。吸入用のフルチカゾン プロピオネートの適当な単位投与量は、25〜1000μg、例えば25〜500μg、25〜250μg、25〜200μg、50〜1000μg、50〜500μg、50〜250μg、50〜200μg、100〜1000μg、100〜500μg、100〜250μg、100〜200μg、150〜500μg、または150〜250μgであり得、100〜500μgが好適である。これらの単位投与量は、前記の1日投与量にしたがって、1日に1回または2回投与され得る。使用される正確な単位および1日投与量は、もちろん、処置される病状、患者および吸入デバイスの効力に依存して変動する。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施態様において、本発明の医薬は、例えば単一カプセル・インヘラーからの吸入のための、(A)および(B)の単位投与量を含むカプセル中のドライパウダーである医薬組成物である。該カプセルは、適当には、カプセルあたりのドライパウダーの総重量が5mg〜50mg、例えば5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mgまたは50mgとなる量の前記の薬学的に許容される担体とともに、例えば前記の(A)の単位投与量および例えば前記の(B)の単位投与量を含む。
【0029】
本発明の別の好適な実施態様において、本発明の医薬は、アクチュエーションごとに(A)および(B)の単位投与量を含む、例えば3mg〜25mgのパウダーを送達するために適用された複数投与用ドライパウダー・インヘラーのリザーバーからの投与のためのドライパウダーである医薬組成物である。例えば、(A)がマレイン酸塩の形態である場合、パウダーには、20〜2000重量部、例えば60〜1000重量部、100〜500重量部、または100〜300重量部の(A);25〜800重量部、例えば25〜500重量部、50〜400重量部、または100〜400重量部の(B);および2000〜25000重量部、例えば4000〜15000重量部、または4000〜10000重量部の前記の薬学的に許容される担体、が含まれる。
【0030】
本発明のさらに好ましい実施態様において、本発明の医薬は、アクチュエーションごとに、(A)の単位投与量および(B)の単位投与量、または(A)の単位投与量の所定分割量および(B)の単位投与量の所定分割量を含むある量のエアロゾルを送達するために適用された計量投与インヘラーからの投与のための、所望により前記の界面活性剤および/または増量剤(bulking agent)および/またはエタノールのような前記の共溶媒とともに、前記の高圧ガス中に、例えば前記の比で(A)および(B)を含むエアロゾルである、医薬組成物である。したがって、例えば、該インヘラーがアクチュエーションごとに(A)および(B)の単位投与量の半分を送達する場合、該単位投与量はインヘラーの2回のアクチュエーションにより投与され得る。
【0031】
上にしたがって、本発明はまた、別々の単位投与形態の前記の(A)および(B)を含む医薬キットを提供し、該形態は有効量の(A)および(B)の投与に適している。このようなキットは、適当にはさらに、(A)および(B)の投与のための1以上の吸入デバイスを含む。例えば、該キットは、(A)の単位投与量を含むドライパウダーを含むカプセルおよび(B)の単位投与量を含むドライパウダーを含むカプセルとともに、カプセルからドライパウダーを送達するために適用された1以上のドライパウダー吸入デバイスを含み得る。別の例において、該キットは、リザーバー中の(A)含有ドライパウダーを含む複数投与用ドライパウダー吸入デバイス、およびリザーバー中の(B)含有ドライパウダーを含む複数投与用ドライパウダー吸入デバイスを含み得る。さらなる例において、該キットは、高圧ガス中の(A)含有エアロゾルを含む計量投与用インヘラー、および高圧ガス中の(B)含有エアロゾルを含む計量投与用インヘラーを含み得る。
【0032】
本発明の医薬は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置において有利であり、極めて有効な気管支拡張および抗炎症特性を示す。例えば、本発明の併用治療を用いて、コルチコステロイド単独での処置に必要な投与量と比較して所定の治療効果のために必要とされるコルチコステロイドの投与量を減らすことが可能であり、それにより望ましくない副作用を可能な限り最小化することができる。特に、これらの組合せ剤(特に(A)および(B)が同一の組成物中にある場合)は、式Iの化合物と混合して使用される場合に、所定の抗炎症作用に必要とされるコルチコステロイドの量が減量され、高い抗炎症性効果の達成が促進され、その結果、炎症性または閉塞性気道疾患の処置に関係するステロイドへの反復的暴露に由来する望ましくない副作用のリスクが減少し得る。
【0033】
さらに、本発明の組合せ剤を用いて、特に(A)および(B)を含む組成物を用いて、作用の発現が早くそして作用の持続時間が長い医薬が製造され得る。さらに、このような併用治療を用いて、肺機能の有意な改善をもたらす医薬が製造され得る。別の観点において、本発明の併用治療を用いて、閉塞性または炎症性気道疾患の有効な制御、またはこれらの疾患の悪化の減少を提供する医薬が製造され得る。さらなる観点において、(A)および(B)を含む本発明の組成物を用いて、サルブタモールまたはテルブタリンのような即時型緩解薬での処置の必要性を減少またはなくす医薬が製造され得る;したがって、(A)および(B)を含む本発明の組成物は、単一の医薬での閉塞性または炎症性気道疾患の処置を促進する。
【0034】
本発明にしたがう炎症性または閉塞性気道疾患の処置は、対症的または予防的処置であり得る。本発明が適用可能な炎症性または閉塞性気道疾患には、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の両方、軽度の喘息、中程度の喘息、重度の喘息、気管支喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息および細菌感染後に誘発される喘息を含むいかなるタイプまたは起源の喘息が含まれる。喘息の処置は、また、喘鳴徴候を示しそして「喘鳴幼児(wheezy infant)」と診断されるかまたは診断可能な、例えば4または5歳未満の対象の処置も包含するものと理解される。「喘鳴幼児」は、よくある疾患の確立された患者カテゴリーであり、現在では、しばしば、初期または早期喘息患者とみなされる(便宜上、この特定の喘息病状を、「幼児喘鳴症候群」と呼ぶ)。
【0035】
喘息の処置における予防の有効性は、発作の症状、例えば、急性喘息もしくは気管支収縮発作の頻度もしくは重症度の軽減、肺機能の改善または気道活動亢進の改善によって証明される。それは、さらに、他の、対症的治療、すなわち、発作の症状が起きた場合にそれを軽減または阻止するための治療、例えば、抗炎症薬(例えば、コルチコステロイド)または気管支拡張薬の必要性の減少によって証明される。喘息における予防の利点は、特に、「モーニング・ディッピング」の傾向にある患者において明らかであり得る。「モーニング・ディッピング(morning dipping)」は、認知された喘息症候群であり、かなりの割合の喘息患者に共通であり、そして例えば、だいたい午前4時から6時の間、すなわち前に投与された対症的な喘息治療からかなり離れた時間の喘息発作を特徴とする。
【0036】
本発明を適用できる他の炎症性または閉塞性気道疾患および病状には、急性肺損傷(ALI)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性気管支炎および肺気腫を含む慢性閉塞性肺(pulmonary)、気道または肺(lung)疾患(COPD、COADまたはCOLD)、気管支拡張症、ならびに他の医薬治療、特に他の吸入薬治療の結果の気道過敏症の悪化が含まれる。本発明を適用できる更なる炎症性または閉塞性気道疾患には、例えば、アルミニウム肺症、炭珪肺症、アスベスト肺、石肺症、羽毛肺(ptilosis)、鉄沈着症、珪肺症、タバコ肺および綿肺症を含む、いかなるタイプまたは起源の塵肺症(炎症性の、通常職業的な、肺の疾患、しばしば、慢性であれ急性であれ気道閉塞を伴い、そして粉塵の反復吸入により発症する)が含まれる。
【0037】
本発明を下記の実施例により例示するが、特記しない限り、部(parts)は重量部である。実施例において、化合物Aはマレイン酸塩の形態の式Iの化合物であり、Budはブデソニドを示し、FPはフルチカゾン プロピオネートを示し、MFはモメタゾン フロエートを示し、そしてOAはオレイン酸(界面活性剤)を示す。
【実施例】
【0038】
製造実施例
【0039】
製造1 3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノン
1,2−ジエチルベンゼン(10.9g、74.6mmol)および塩化プロピオニル(9.7g、74.6mmol)を、ニトロメタン(75mL)中のAlCl(22.3g、167.8mmol)に30分かけて滴下する。反応混合液を室温で2時間撹拌し、その後、70gの氷および14mLの濃硫酸を加える。水相をエーテルで抽出し、そして合わせた有機相を2N HClおよび飽和水性NaClで抽出する。有機相をさらに活性炭、硫酸マグネシウムで処理し、濾過し、そして真空中で溶媒を除去する。
1H-NMR (CDCl3) ppm:7.8 (1H, s, Ar); 7.7 (1H, d, Ar); 7.2 (1H, d, Ar); 3.9 (2H, t, CH2); 3.4 (2H, t, CH2); 2.8 (4H, q, CH2CH3); 1.2 (6H, m, CH3).
【0040】
製造2 5,6−ジエチル−インダン−1−オン
3−クロロ−1−(3,4−ジエチルフェニル)−1−プロパノン(15.5g)を66mLの濃硫酸中に溶解させ、そして90℃で4時間加熱する。反応混合液を冷却し、氷(70g)を加え、そして水性溶液をトルエンで2回抽出する。有機層を炭酸水素ナトリウム、飽和水性NaClで洗浄し、そして活性炭および硫酸マグネシウムで処理する。濾過後、溶媒を真空中で除去する。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 10:1)により精製し、そしてさらにヘキサン中で結晶化させる。
1H-NMR (CDCl3) ppm:7.6 (1H, s, Ar); 7.3 (1H, d, Ar); 3.1 (2H, m, CH2); 2.7 (6H, m, CH2+CH2CH3); 1.2 (6H, m, CH3).
【0041】
製造3 5,6−ジエチル−インダン−1,2−ジオン 2−オキシム
メタノール(75ml)中の5,6−ジエチル−インダン−1−オン(5g、26mmol)を40℃にし、亜硝酸n−ブチル(3.0g、28.6mmol)、続いて濃HCl(1.25ml)を滴下する。1時間後、反応液を室温にし、そして沈澱生成物を濾取し、氷冷したメタノールで洗浄し、そして乾燥する。
1H-NMR (d6-DMSO) ppm:12.6 (1H, s, OH); 7.4 (1H, s, Ar); 7.3 (1H, d, Ar); 3.6 (2H, s, CH2); 2.6 (4H, m, CH2CH3); 1.1 (6H, m, CH3).
【0042】
製造4 5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミン 塩酸塩
5,6−ジエチル−インダン−1,2−ジオン 2−オキシム(4.5g)を、酢酸(150mL)および濃硫酸(4.5mL)の混合液に加える。Pd/C 5%(1.5g)を加え、反応混合液を窒素で脱気し、そして5時間水素化する。次いで、触媒を濾過により取り除き、pHを4M NaOHでpH10にし、そして溶液をクロロホルムで抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を真空中で除去する。残渣を最小量のエーテルで再溶解し、そしてHCl飽和エーテルを加える。白色の沈澱を濾過し、そして乾燥すると、5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミンのHCl塩を得る。
1H-NMR (d6-DMSO) ppm:8.7 (3H, bd s, NH3); 7.3 (2H, s, Ar); 4.2 (1H, bd s, CH); 3.5 (2H, dd, CH2); 3.3 (2H, dd, CH2); 2.8 (4H, q, CH2CH3); 1.4 (6H, t, CH3).
【0043】
製造5 8−ベンジルオキシ−5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−1H−キノリン−2−オン
n−ブタノール中の、(R)−8−ベンジルオキシ−5−オキシラニルカルボスチリル(5.00g)および5,6−ジエチルインダン−2−イルアミン(3.87g)の溶液を、110℃で4時間加熱する。室温まで冷却後、トルエン(100ml)を加え、そして有機相を水(3×25ml)で洗浄し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに負荷し、そしてトルエン、続いてトルエン:エタノール:酢酸エチル:濃アンモニア(45:10:45:2)の混合液で溶出すると、標題の化合物を得る。
【0044】
製造6 化合物A:5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン マレイン酸塩
8−ベンジルオキシ−5−[(R)2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−1H−キノリン−2−オン(360mg)をメタノール(10mL)中に溶かし、そして触媒量の10%パラジウム−炭素を添加することおよび該溶液を水素雰囲気下に置くことにより、該化合物を脱保護する。4時間後に、TLCにより反応が完結していることがわかる。触媒を濾取し、そして真空中で溶媒を除去する。生成物をイソプロパノール中に溶かし、そしてイソプロパノール中のマレイン酸の溶液を加える。エタノールからの再結晶後、標題の化合物を得る。TLC(シリカ、ジクロロメタン/メタノール 10:1 R=0.05)。ES+ MS m/e 393 (MH)。
【0045】
実施例1〜60
US3991761において記載されたようなカプセル・インヘラーにおける使用に適したゼラチンカプセルを製造する。各カプセルは1〜5μmの平均粒子直径に粉砕した化合物Aとブデソニドとを混合することにより得られたドライパウダー、および212μm以下の粒子直径を有するラクトース一水和物を含む。量を下記の表に示す:
【表1】

【表2】

【表3】

【0046】
実施例61〜90
ブデソニドをモメタゾン フロエートに置き換え、そして下記の表に示した量を用いること以外は、実施例1〜60を繰り返す:
【表4】

【表5】

【0047】
実施例91〜135
WO97/20589において記載された複数投与用インヘラーのリザーバーからの送達に適したドライパウダーを、1〜5μmの平均粒子直径に粉砕した化合物Aおよびフルチカゾン プロピオネート、ならびに212μm以下の粒子直径を有するラクトース一水和物を混合することにより製造する。量を下記の表に示す。
【表6】

【表7】

【0048】
実施例136〜163
エアロゾル製剤を、微粉化された活性成分および必要ならば、増量剤としてラクトースをバイアル中に分散させ、計量バルブで該バイアルを密閉し、前混合されたエタノール/高圧ガスおよび所望により界面活性剤を該バルブを通してバイアル中に注入し、そして該バイアルに超音波エネルギーを与えて固体粒子を分散させることにより製造する。使用した成分および量を、下記の表において示す:
【表8】

【表9】

【0049】
実施例164〜199
フルチカゾン プロピオネートをモメタゾン フロエートに置き換え、そして下記の表に示す量を用いること以外は、実施例91〜135の手順を繰り返す。
【表10】

【表11】

【0050】
実施例200〜236
下記の表において示した量を用い、いくつかの実施例においてエタノールを省略すること以外は、実施例136〜163の手順を繰り返す:
【表12】

【表13】

【表14】

【0051】
実施例237〜245
オレイン酸の代わりに界面活性剤としてトリオレイン酸ソルビタン(ST)を用い、成分の量が下記の表において示したものであること以外は、実施例136〜163の手順を繰り返す:
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性または閉塞性気道疾患の処置における、同時的、逐次的または個別的投与のための、(A)遊離または薬学的に許容される塩または溶媒和物の形態の、式
【化1】

で示される化合物および(B)コルチコステロイドを個別にまたは一緒に含み、(A)と(B)のモル比が100:1から1:300である、医薬。
【請求項2】
少なくとも1つの薬学的に許容される担体とともに、有効量の(A)および(B)の混合物を含む医薬組成物である、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
(A)がマレイン酸塩の形態の式Iの化合物である、請求項1または2に記載の医薬。
【請求項4】
コルチコステロイド(B)が、式
【化2】

〔式中、
はハロゲン、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、アシルオキシまたはアシルチオにより置換されていてもよいC〜C−アルキルであるか、あるいはRはハロゲンにより置換されていてもよいC〜C−アルコキシまたはC〜C−アルキルチオであるか、あるいはRは5または6員のヘテロシクリルチオであり、
はアシルオキシであり、そしてRは水素またはC〜C−アルキルであるか、あるいはRとRが一体となって式
【化3】

(式中、RはC〜C−アルキルまたはC〜C−シクロアルキルであり、そしてRは水素またはC〜C−アルキルである。)
で示される基を表し、そして
およびXは、それぞれ独立して水素、塩素またはフッ素である。〕
の化合物またはその1,2−ジヒドロ誘導体である、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬。
【請求項5】
コルチコステロイド(B)がベクロメタゾン ジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾン プロピオネート、モメタゾン フロエート、シクレソニド、トリアムシノロン アセトニド、フルニソリド、ロフレポニド パルミテート、ブチキソコート プロピオネートまたはイコメタゾン エンブテートである、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬。
【請求項6】
吸入可能な形態であり、かつ、
(i)高圧ガス中の溶液または分散体中の(A)および(B)の混合物を含むエアロゾル;あるいは
(ii)高圧ガス中の溶液または分散体中の(A)を含むエアロゾルと高圧ガス中の溶液または分散体中の(B)を含むエアロゾルとの組合せ剤;あるいは
(iii)水性、有機性または水性/有機性媒体中の(A)および(B)の分散体を含むネブライズ可能な組成物;あるいは
(iv)水性、有機性または水性/有機性媒体中の(A)の分散体と水性、有機性または水性/有機性媒体中の(B)の分散体との組合せ剤、
である、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬。
【請求項7】
(A)および/または(B)が、少なくとも1つの粒子状の薬学的に許容される担体とともに、細粒化された(A)および/または(B)を含むドライパウダーとして吸入可能な形態で存在する、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬。
【請求項8】
(A)および/または(B)が10μmまでの平均粒子直径を有する、請求項6または7に記載の医薬。
【請求項9】
(A)と(B)のモル比が5:1から1:10である、請求項1〜8のいずれかに記載の医薬。
【請求項10】
(A)と(B)のモル比が3:1から1:7である、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬。
【請求項11】
(A)と(B)のモル比が2:1から1:2である、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬。
【請求項12】
請求項2に記載の医薬であって、
(i)カプセルあたりのドライパウダーの総重量が5mg〜50mgとなる量で(A)の単位投与量、(B)の単位投与量および薬学的に許容される担体を含むカプセル中のドライパウダー;あるいは
(ii)マレイン酸塩の形態の20〜2000重量部の(A)、25〜800重量部の(B)および2000〜25000重量部の薬学的に許容される担体を含む、ドライパウダー;あるいは
(iii)アクチュエーションごとに、(A)の単位投与量および(B)の単位投与量、または(A)の単位投与量の所定分割量および(B)の単位投与量の所定分割量を含むある量のエアロゾルを送達するように適用された計量投与インヘラーからの投与に適した、界面活性剤および/または増量剤および/または共溶媒とともに、高圧ガス中に、請求項1および9〜11のいずれかにおいて特定されたモル比での(A)および(B)を含むエアロゾル、
のいずれかである、医薬。
【請求項13】
(A)および(B)の投与のための1以上の吸入デバイスとともに、有効量の(A)および(B)の投与に適した個別的単位投与形態の、請求項1または3において定義された(A)ならびに請求項1、4および5のいずれかにおいて定義された(B)を含む医薬キット。

【公開番号】特開2007−302684(P2007−302684A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180977(P2007−180977)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【分割の表示】特願2002−547487(P2002−547487)の分割
【原出願日】平成13年12月3日(2001.12.3)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】