説明

有機化合物

遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、2−(所望により、ヘテロ)アリールメチル−3−(所望により、ヘテロ)アリールアミノ−[2H]−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン化合物は、医薬として、特にホスホジエステラーゼ1阻害剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、新規の2−(所望により、ヘテロ)アリールメチル−3−(所望により、ヘテロ)アリールアミノ−[2H]−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン化合物、それらの製造方法、医薬としてのそれらの使用およびそれらを含む医薬組成物に関する。特に興味深いのは、例えば、パーキンソン病、鬱病、ナルコレプシーおよび例えば統合失調症における認知機能の損傷のようなドーパミンD1受容体の細胞内経路の障害、または増大したプロゲステロン−シグナル伝達経路を介して改善され得る障害、例えば女性性機能障害、を伴う疾患の処置において、ホスホジエステラーゼ1(PDE1)の阻害剤として有用な新規の化合物である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ホスホジエステラーゼ(PDE)の11ファミリーが同定されているが、ファミリーIのPDEであるCa2+−カルモジュリン−依存性ホスホジエステラーゼ(CaM−PDE)のみが、カルシウムおよび環状ヌクレオチド(例えば、cAMPおよびcGMP)シグナル伝達経路の両方を仲介することが示されている。3個の既知のCaM−PDE遺伝子であるPDE1A、PDE1B、およびPDE1Cは全て、中枢神経系組織で発現される。PDE1Aは脳全体で発現され、海馬のCA1からCA3層および小脳で高レベルであり、線条体で低レベルである。PDE1Aはまた、肺および心臓でも発現される。PDE1Bは、主に線条体、歯状回、嗅索、および小脳で発現され、その発現は、高レベルのドーパミン作動性神経支配を有する脳領域と相関する。PDE1Bは主に中枢神経系で発現されるが、心臓においても検出され得る。PDE1Cは主に嗅上皮、小脳顆粒細胞および線条体で発現される。PDE1Cはまた、心臓および血管平滑筋でも発現される。
【0003】
環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼは、これらの環状ヌクレオチドをそれぞれの不活性な5’−モノホスフェート(5’AMPおよび5’GMP)に加水分解することにより、細胞内cAMPおよびcGMPシグナル伝達を減少させる。CaM−PDEは、特に基底核または線条体として公知の脳領域内での脳細胞におけるシグナル伝達の仲介に重要な役割を果たす。例えば、NMDA型グルタミン酸受容体活性化および/またはドーパミンD2受容体活性化は、増大した細胞内カルシウム濃度をもたらし、カルモジュリン依存性キナーゼII(CaMKII)およびカルシニューリンのようなエフェクターの活性化ならびにCaM−PDEの活性化をもたらし、減少したcAMPおよびcGMPをもたらす。一方、ドーパミンD1受容体活性化は、ヌクレオチドシクラーゼの活性化をもたらし、増加したcAMPおよびcGMPをもたらす。これらの環状ヌクレオチドは、次に、DARPP−32(ドーパミンおよびcAMPにより調節されたホスホタンパク質)およびcAMP応答配列結合タンパク質(CREB)のような下流のシグナル伝達経路の要素をリン酸化する、タンパク質キナーゼA(PKA;cAMP依存性タンパク質キナーゼ)および/またはタンパク質キナーゼG(PKG;cGMP依存性タンパク質キナーゼ)を活性化する。リン酸化DARPP−32は、次に、リン酸化タンパク質−1(PP−1)の活性を阻害し、それによりプロゲステロン受容体(PR)のような基質タンパク質のリン酸化状態を増大させ、生理的応答の減少をもたらす。げっ歯動物での実験は、ドーパミンD1またはプロゲステロン受容体の活性化を介するcAMPおよびcGMP合成の低下が、いくつかのげっ歯動物における交尾受容性と関係する脊柱前弯応答(lordosis response)を含む、様々な生理的応答と関係するプロゲステロンシグナル伝達を増強することを示唆している。引用によりその内容が本明細書中に包含されるMani, et al., Science (2000) 287: 1053を参照。
【0004】
CaM−PDEは、故に、一酸化窒素、ノルアドレナリン、ニューロテンシン、CCK、VIP、セロトニン、グルタミン酸(例えば、NMDA受容体、AMPA受容体)、GABA、アセチルコリン、アデノシン(例えば、A2A受容体)、カンナビノイド受容体、ナトリウム利尿ペプチド(例えば、ANP、BNP、CNP)、DARPP−32、およびエンドルフィン細胞内シグナル伝達経路を含むが、これらに限定されない、基底核(線条体)におけるドーパミンにより調節されたシグナル伝達経路および他の細胞内シグナル伝達経路に影響を与え得る。
【0005】
ホスホジエステラーゼ(PDE)活性、特にホスホジエステラーゼ1(PDE1)活性は、脳組織内で自発運動および学習および記憶の調節因子として機能する。PDE1は、ドーパミンD1受容体、ドーパミンD2受容体、一酸化窒素、ノルアドレナリン、ニューロテンシン、CCK、VIP、セロトニン、グルタミン酸(例えば、NMDA受容体、AMPA受容体)、GABA、アセチルコリン、アデノシン(例えば、A2A受容体)、カンナビノイド受容体、ナトリウム利尿ペプチド(例えば、ANP、BNP、CNP)、エンドルフィン細胞内シグナル伝達経路およびプロゲステロンシグナル伝達経路を含むが、これらに限定されない、好ましくは神経系における細胞内シグナル伝達経路の調節のための治療標的である。例えば、PDE1Bの阻害は、分解からcGMPおよびcAMPを保護することによりドーパミンD1アゴニスト作用を増強するように作用し、同様にPDE1活性を阻害することによりドーパミンD2受容体シグナル伝達経路を阻害するはずである。細胞内カルシウムレベルの慢性的上昇は、多くの障害、特にアルツハイマー、パーキンソン病およびハンチントン病のような神経変性疾患、ならびに卒中および心筋梗塞をもたらす循環系の障害における細胞死と関係がある。故に、PDE1阻害剤は、パーキンソン病、下肢静止不能症候群、鬱病、ナルコレプシーおよび認知障害(cognitive impairment)のような、低下したドーパミンD1受容体シグナル伝達活性により特徴付けられる疾患において有用な可能性がある。PDE1阻害剤はまた、女性性機能障害のようなプロゲステロンシグナル伝達の増強により軽減され得る疾患においても有用である。
【0006】
故に、PDE1活性、とりわけPDE1B活性を選択的に阻害する化合物が必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
発明の概要
本発明は、遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、新規の2−(所望により、ヘテロ)アリールメチル−3−(所望により、ヘテロ)アリールアミノ−[2H]−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン(以下、“本発明の化合物”)を提供する。2位の(所望により)ヘテロアリール基は、好ましくは、アリールまたはヘテロアリールとの結合点に対してパラ位で、例えばフェニル、ピリジルまたはチアジアゾリルで置換された、置換ベンジルまたはピリジルメチルである。これらの化合物は、驚くべき事に、ホスホジエステラーゼ1(PDE1)活性、例えばPDE1A、PDE1BおよびPDE1C活性、とりわけPDE1B活性を選択的に阻害することが見出されている。
【0008】
好ましくは、本発明の化合物は、遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、式I
【化1】


[式中、
(i)Rは、Hまたはアルキル(例えば、メチル)であり;
(ii)Rは、H、アルキル(例えば、イソブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル)、アルキルアミノアルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、ヘテロアリールアルキル(例えば、ピリジルメチル)、またはアルコキシアリールアルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であり;
(iii)Rは、例えばハロアルキルで置換された、置換ヘテロアリールアルキルであるか、または
は、式1のピラゾロ部分上の窒素の1つに結合し、そして式A
【化2】


〔式中、X、YおよびZは、独立して、NまたはCであり、R、R、R11およびR12は、独立してHまたはハロゲン(例えば、ClまたはF)であり;そして、R10は、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリール(例えば、フェニル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、または例えばチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ジアゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)、テトラゾリル(例えば、テトラゾール−5−イル)、アルコキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、アリールカルボニル(例えば、ベンゾイル)、またはヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル)、アミノカルボニル;好ましくはフェニルまたはピリジル、例えば2−ピリジルであり;ただし、X、YまたはXが窒素であるとき、R、RまたはR10はそれぞれ、存在しない。〕
で示される部分であり、
(iv)Rは、アリール(例えば、フェニル)またはヘテロアリールであり;そして、
(v)Rは、H、アルキル、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル)、ヘテロアリール、アリール、p−ベンジルアリール(例えば、ビフェニル−4−イルメチル)である(ここで、“alk”または“アルキル”は、C1−6アルキルを意味し、“シクロアルキル”は、C3−6シクロアルキルを意味する。)。]
で示されるピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンである。
【0009】
本発明はさらに、遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、下記の式Iの化合物を提供する。
1.1 式I(式中、Rはメチルである。);
1.2 式Iまたは1.1(式中、RはC1−6アルキルである。);
1.3 式1.2(式中、Rは、イソブチル、2,2−ジメチルプロピルまたは2−メチルブチルである。);
1.4 式Iまたは1.1(式中、Rは、ヒドロキシC1−6アルキルである。);
1.5 式Iまたは1.1(式中、Rは、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピルである。);
1.6 式Iまたは1.1(式中、Rは、C1−6アルコキシ−ベンジルである。);
1.7 式1.6(式中、Rは、p−メトキシベンジルである。);
1.8 式Iまたは1.1(式中、Rは、C3−6シクロアルキルである。);
1.9 式1.8(式中、Rは、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。);
1.10 式Iまたは1.1(式中、Rは、C1−6ハロアルキルである。);
1.11 式1.10(式中、Rは、2,2,2−トリフルオロエチルである。);
1.12 上記の式の何れか(式中、Rは、式A部分(式中、R、R、R11およびR12は、それぞれHであり、R10はフェニルである。)である。);
1.13 上記の式I−1.11の何れか(式中、Rは、式A部分(式中、R、R、R11およびR12はそれぞれHであり、R10は、ピリジルまたはチアジアゾリル(thiadizolyl)である。)である。);
1.14 式1.13(式中、Rは、式A部分(式中、R、R、R11およびR12は、それぞれHであり、R10は2−ピリジルである。)である。);
1.15 上記の式の何れか(式中、Rはフェニルである。);
1.16 上記の式の何れか(式中、RはHである。);
1.17 上記の式の何れか(式中、X、YおよびZは、全てCである。);
1.18 上記の式の何れか(式中、Rは、テトラヒドロフラン−2−イルメチルである。);
1.19 上記の式の何れか(式中、R10はピリミジニルである。);
【0010】
1.20 式1.19の化合物(式中、ピリミジニルは、5−フルオロピリミジニルである。);
1.21 上記の式の何れか(式中、R10はピラゾール−1−イルである。);
1.22 上記の式の何れか(式中、R10は1,2,4−トリアゾール−1−イルである。);
1.23 上記の式の何れか(式中、R10は、アミノカルボニルである。);
1.24 上記の式の何れか(式中、R10は、メチルスルホニルである。);
1.25 上記の式の何れか(式中、R10は、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである。);
1.26 上記の式の何れか(式中、R10は、5−フルオロピリミジン−2−イルである。);
1.26 上記の式の何れか(式中、Rは、4−フルオロフェニルである。);
1.27 上記の式の何れか(式中、R10は、トリフルオロメチルである。);
1.28 上記の式の何れか(式中、Rは式A部分であり、XおよびZはCであり、YはNである。);
1.29 下記の実施例1−24の化合物から選択される化合物;および/または、
1.30 上記の式の何れか(ここで、該化合物は、ホスホジエステラーゼにより仲介される(例えば、PDE1により、とりわけPDE1Bにより仲介される)cGMPの加水分解を、例えば、実施例25に記載の通りの、固定化金属親和性粒子試薬PDEアッセイにおいて、例えば1μM未満、好ましくは25nM未満のIC50で阻害する。)。
【0011】
とりわけ好ましい態様において、本発明の化合物は、遊離形または塩形態の、
(i)Rがメチルであり;
(ii)RがC1−6アルキルであり;
(iii)Rが式A部分(式中、X、YおよびZが全てCであり、R、R、R11およびR12がそれぞれHであり、R10が、フェニル、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)であり;
(iv)Rがフェニルであり;そして
(v)RがHである、
式Iの化合物である。
【0012】
例えば、本発明の好ましい化合物は、遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、式II
【化3】


[式中、
は、H、アルキル(例えば、イソブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、アリール(例えば、フェニル)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル)、アルキルアミノアルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、またはアルコキシアリールアルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であり(ここで、“alk”または“アルキル”は、C1−6アルキルを意味する。);そして
10は、フェニル、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)またはチアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)である。]
で示される化合物を含む。
【0013】
ある態様において、本発明の化合物は、遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、
が、H、アルキル(例えば、イソブチル、2−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラン−2−イルメチル)、ヘテロアリール(例えば、ピリジル)、アリール(例えば、フェニル)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル)、アルキルアミノアルキル(例えば、2−(ジメチルアミノ)エチル)、ヒドロキシアルキル(例えば、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、アリールアルキル(例えば、ベンジル)、またはアルコキシアリールアルキル(例えば、4−メトキシベンジル)であり;そして、
10が、フェニル、ピリジル(例えば、ピリド−2−イル)、ピリミジニル(例えば、5−フルオロピリミジン−2−イル)、ピラゾリル(例えば、ピラゾール−1−イル)、チアジアゾリル(例えば、1,2,3−チアジアゾール−4−イル)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、オキサジアゾリル(例えば、5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、アミノカルボニル(例えば、4−ベンズアミド構造を形成するような)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル)である(ここで、“alk”または“アルキル”は、C1−6アルキルを意味する。)、
式IIの化合物である。
【0014】
他に具体的に記載がないか、または文脈から明らかでないとき、本明細書中、下記の用語は、以下の意味を有する:
(a)本明細書で用いる“アルキル”は、飽和または不飽和の、好ましくは飽和の、好ましくは1ないし6個の炭素原子を有する炭化水素部分であって、直鎖または分枝鎖であってよく、そして所望により、例えばハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで、一、二または三置換されていてよい。
【0015】
(b)本明細書で用いる“シクロアルキル”は、飽和または不飽和の、好ましくは飽和の、好ましくは3ないし9個の炭素原子を含み、それらの少なくとも数個が、非芳香族性一もしくは二環式、または架橋環状構造を形成する、非芳香族性炭化水素部分であって、そして所望により、例えばハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよい。ある態様において、シクロアルキルは、所望により、該基の環または結合部分中に、1個以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を含んでいてよく、例えばテトラヒドロフラニルメチルである。
【0016】
(c)本明細書で用いる“アリール”は、単もしくは二環式芳香族性炭化水素、好ましくはフェニルであり、所望により、例えばアルキル(例えば、メチル)、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、カルボキシ、またはさらにアリールもしくはヘテロアリール(例えば、ビフェニルまたはピリジルフェニル)で置換されていてよい。
【0017】
(d)本明細書で用いる“ヘテロアリール”は、芳香族性部分(ここで、芳香環を構成する原子の1個以上が、炭素ではなく硫黄または窒素である。)、例えばピリジルまたはチアジアゾリルであり、それは、所望により、例えばアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよい。
【0018】
(e)参照を容易にするため、他に特記されない限り、本発明の化合物のピラゾロ−ピリミジンコア上の原子は式1に示す数字で番号付けされる。
【0019】
本発明の化合物は、遊離形または塩形態で、例えば酸付加塩として存在していてよい。本明細書中、他に特記しない限り、“本発明の化合物”のような語句は、全ての形態、例えば遊離形または酸付加塩形態の化合物、または該化合物が酸性置換基を含むとき、塩基付加塩形態の化合物を包含すると理解されるべきである。本発明の化合物は、医薬として使用するためのものであり、故に薬学的に許容される塩が好ましい。薬学的使用に適さない塩類は、例えば、遊離形の本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の単離または精製のために有用である可能性があり、そのためそれらも包含される。
【0020】
本発明の化合物は、いくつかの場合に、プロドラッグ形態でも存在していてよい。プロドラッグ形態は、体内で本発明の化合物に変換される化合物である。例えば、本発明の化合物がヒドロキシまたはカルボキシ置換基を含むとき、これらの置換基は、生理学的に加水分解性の、および許容されるエステルを形成し得る。本明細書で用いる通り、“生理学的に加水分解性の、および許容されるエステル”は、生理学的条件下で加水分解されて、投与されるべき用量でそれ自体生理学的に許容される酸(ヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)またはアルコール(カルボキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)を産生する本発明の化合物のエステルを意味する。故に、該用語は慣用の薬学的プロドラッグ形態を包含することが理解され得る。
【0021】
本発明はまた、本発明の化合物の製造方法、本発明の化合物の製造に有用な新規の中間体、および下記に記載の疾患および障害の処置(とりわけ、パーキンソン病、トゥーレット症候群、自閉症、脆弱X症候群、ADHD、下肢静止不能症候群、鬱病および統合失調症における認知障害のような低下したドーパミンD1受容体シグナル伝達活性により特徴付けられる疾患の処置)のための本発明の化合物の使用方法を提供する。
【0022】
本発明の詳しい説明
本発明の化合物の製造方法
式Iの化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、本明細書に記載および例示の方法を用いて、およびそれと同様の方法により、および化学分野で公知の方法により製造され得る。かかる方法には、下記の方法が包含されるが、これらに限定されない。これらの方法のための出発物質が市販されていないとき、それらは、化学分野から選択される方法により、公知の化合物の合成法と同様または類似の技術を用いて製造され得る。本明細書中に引用される全ての文献は、参照によりその内容を本明細書中に包含される。
【0023】
本発明の化合物は、それらのエナンチオマー、ジアステレオ異性体およびラセミ体、ならびにそれらの多形体である水和物、溶媒和物および複合体を包含する。本発明の範囲内のいくつかの個々の化合物は、二重結合を包含し得る。本発明において二重結合の記載は、二重結合のEおよびZ異性体の両方を包含することを意味する。さらに、本発明の範囲内のいくつかの化合物は、1個以上の不斉中心を含み得る。本発明は、光学的に純粋な立体異性体の何れかならびに立体異性体の何れかの組合せの使用を包含する。
【0024】
融点は補正されておらず、(dec)は分解を示す。温度は、摂氏(℃)で示し;他に特記しない限り、操作は室温または環境温度、すなわち18−25℃の範囲の温度で実行する。クロマトグラフィーは、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを意味し;薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲルプレート上で行う。NMRデータは、主要構造プロトンのデルタ値であり、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示す。シグナル形について常套の略語を用いる。結合定数(J)は、Hzで示す。質量スペクトル(MS)について、同位体分裂により複数の質量スペクトルピークが得られるとき、最低質量の主要イオンを分子について報告する。溶媒混合組成は、容量パーセントまたは容量比として示される。NMRスペクトルが複雑なとき、特徴的シグナルのみを記載する。
【0025】
用語および略語:
BuOH=tert−ブチルアルコール
CAN=硝酸アンモニウムセリウム(IV)
DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EtO=ジエチルエーテル
EtOAc=酢酸エチル
equiv.=当量
h=時間
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
CO=炭酸カリウム
MeOH=メタノール
NaHCO3=重炭酸ナトリウム
NHOH=水酸化アンモニウム
PMB=p−メトキシベンジル
POCl=オキシ塩化リン
SOCl=塩化チオニル
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン。
【0026】
本発明の合成方法を以下に説明する。R基の意味は、他に特記しない限り、上記の式Iに記載の通りである。
【0027】
本発明の一局面において、式IIbの中間化合物は、式IIaの化合物をジカルボン酸、酢酸無水物および酢酸と、約3時間加熱しながら混合して反応させ、その後冷却して合成され得る:
【化4】


〔式中、RはHまたはC1−4アルキル[例えば、メチル]である。〕。
【0028】
中間体IIcは、例えば、IIbの化合物を、例えばPOClのような塩素化合物と、いくつかの場合に少量の水と、約4時間加熱しながら反応させ、その後冷却して製造され得る。
【化5】

【0029】
中間体IIdは、IIcの化合物を、DMFのような溶媒およびKCOのような塩基中、例えばP−Xと、室温で、または加熱しながら反応させて形成され得る:
【化6】


〔式中、Pは、保護基[例えば、p−メトキシベンジル基(PMB)]であり;Xは、ハロゲン、メシレートまたはトシレートのような脱離基である。〕。
【0030】
中間体IIeは、IIdの化合物を、メタノールのような溶媒中、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と、約4時間還流しながら反応させ、その後冷却して製造され得る。
【化7】

【0031】
中間体IIfは、IIeの化合物を、DMFのような溶媒中、例えばアリールイソチオシアネートまたはイソシアネートと、約2日間110℃で加熱しながら反応させ、その後冷却して合成され得る:
【化8】


〔式中、Rは、(ヘテロ)アリールまたは(ヘテロ)アリールメチル[例えば、フェニルまたはベンジル]である。〕。
【0032】
中間体IIgは、IIfの化合物を、DMFのような溶媒およびKCOのような塩基中、例えばR−Xと、室温で、または加熱しながら反応させて形成され得る:
【化9】


〔式中、Rは、上記の通り[例えば、所望により置換されていてよいベンジル基]であり;Xは、ハロゲン、メシレートまたはトシレートのような脱離基である。〕。
【0033】
中間体IIhは、IIgの化合物から、適当な方法で保護基Pを除去することにより合成され得る。例えば、Pがp−メトキシベンジル基であるとき、室温で、アニソールの存在下でAlClが除去され得る。
【化10】

【0034】
化合物Iは、IIhの化合物を、DMFのような溶媒およびKCOのような塩基中、例えばR−Xおよび/またはR−Xと、室温で、または加熱しながら反応させて形成され得る:
【化11】


〔式中、RおよびRは、上記に定義の通り[例えば、シクロペンチル基]であり;Xは、ハロゲン、メシレートまたはトシレートのような脱離基である。〕。
【0035】
化合物Iの別の合成方法がある。
【0036】
中間体IIIaは、IIcの化合物を、DMFのような溶媒およびKCOのような塩基中、例えばR−Xと、室温で、または加熱しながら反応させて形成され得る:
【化12】

【0037】
中間体IIIbは、IIIaの化合物を、メタノールのような溶媒中、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と、数時間加熱しながら反応させ、その後冷却して製造され得る。
【化13】

【0038】
中間体IIIcは、IIIbの化合物を、DMFのような溶媒中、例えばアリールイソチオシアネートまたはイソシアネートと、約2日間110℃で加熱しながら反応させ、その後冷却して合成され得る。
【化14】

【0039】
化合物Iは、IIIcの化合物を、DMFのような溶媒およびKCOのような塩基中、例えばR−Xと、室温で、または加熱しながら反応させて形成され得る。得られた生成物I(R=H)は、塩基性条件下で、例えばR−Xとさらに反応させて化合物Iを得る。
【化15】

【0040】
故に、本発明は、上記の本発明の化合物の製造方法であって、例えば、以下を含む方法を提供する。
(i)2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンを、式X−Rの化合物〔式中、Xは脱離基、例えばハロゲン、メシレートまたはトシレートであり、Rは、所望により置換されていてよいアリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであり、例えば式中Rは、上記の式Aの置換ベンジルである。〕と、例えば塩基性条件下で反応させる工程、例えば、ここで、2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンは、式IIIc:
【化16】


〔式中、R、RおよびRは、上記で、例えば式Iで定義の通りである。〕
で示される化合物であり;および/または
【0041】
(ii)2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンを、式X−Rの化合物〔式中、Xは脱離基、例えばハロゲン、メシレートまたはトシレートであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリールアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり、例えば式中Rはイソブチルである。〕と、例えば塩基性条件下で反応させる工程、例えば、ここで、2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンは、式IIh:
【化17】


〔式中、R、RおよびRは、上記で、例えば式Iで定義の通りである。〕
で示される化合物である。
【0042】
本発明の化合物の使用方法
本発明の化合物は、例えば、ドーパミンおよび一酸化窒素(NO)のような環状ヌクレオチド合成の誘導因子の阻害または低下したレベルにより、増大したPDE1発現または減少したcAMPおよびcGMP発現がもたらされる、cAMPおよびcGMP仲介経路の崩壊または損傷により特徴付けられる疾患の処置に有用である。cAMPおよびcGMPの分解をPDE1Bにより阻止することにより、cAMPおよびcGMPの細胞内レベルが増大するため、本発明の化合物は、環状ヌクレオチド合成誘導物質の活性を増強する。
【0043】
本発明は、以下の状態:
(i)パーキンソン病、下肢静止不能症、振戦、ジスキネジア、ハンチントン病、アルツハイマー病、および薬剤誘発性運動障害を含む神経変性疾患;
(ii)鬱病、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、双極性障害、不安、睡眠障害、例えばナルコレプシー、認知障害、認知症(dementia)、トゥーレット症候群、自閉症、脆弱X症候群、精神刺激薬の使用中止、および薬物中毒を含む精神障害;
(iii)脳血管疾患、卒中、鬱血性心疾患、高血圧、肺高血圧および性機能障害を含む、循環器および心血管障害;
(iv)喘息、慢性閉塞性肺疾患、およびアレルギー性鼻炎、ならびに自己免疫性および炎症性疾患を含む、呼吸器および炎症性障害;
(v)PDE1発現細胞における、cAMPおよび/またはcGMPの低レベル(または、cAMPおよび/またはcGMPシグナル伝達経路の阻害)により特徴付けられる何らかの疾患または状態;および/または
(vi)低下したドーパミンD1受容体シグナル伝達活性により特徴付けられる何らかの疾患または状態、
の1種以上の処置方法であって、有効量の本発明の化合物、例えば式1−1.30または式IIのいずれかに記載の化合物を、それを必要とするヒト患者または動物に投与することを含む方法を提供する。
【0044】
とりわけ好ましい態様において、本発明は、ナルコレプシーの処置または予防方法を提供する。この態様において、PDE1阻害剤は、単一の治療剤として用いられてよく、他の活性剤と併用または共投与して用いられてもよい。故に、本発明は、治療的有効量の、
(i)PDE1阻害剤、例えば、式1−1.30または式IIの何れかに記載の化合物、および
(ii)例えば、(a)中枢神経系刺激剤−アンフェタミンおよびアンフェタミン様化合物、例えばメチルフェニデート、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、およびペモリン;(b)モダフィニル、(c)抗鬱剤、例えば三環系薬(イミプラミン、デシプラミン、クロミプラミン、およびプロトリプチリンを含む)および選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチンおよびセルトラリンを含む);および/または、(d)ガンマヒドロキシ酪酸(GHB)から選択される、覚醒を促進するか、または睡眠を調節する化合物
を、それを必要とするヒト患者または動物に同時、逐次または共投与することを含む、ナルコレプシーの処置法をさらに含む。
【0045】
別の態様において、本発明は、有効量の本発明の化合物、例えば式1−1.30または式IIの何れかに記載の化合物を、それを必要とするヒト患者または動物に投与することを含む、プロゲステロンシグナル伝達の増強により軽減され得る状態の処置または予防方法をさらに提供する。プロゲステロンシグナル伝達の増強により改善され得る疾患または状態には、女性性機能障害、続発性無月経(例えば、運動性無月経(exercise amenorrhoea)、無排卵、閉経、更年期症状、甲状腺機能低下症)、月経前緊張症、早産、不妊症、例えば反復流産による不妊症、不規則な月経周期、異常子宮出血、骨粗鬆症、自己免疫疾患、多発性硬化症、前立腺肥大、前立腺癌、および甲状腺機能低下症が含まれるが、これらに限定されない。例えば、プロゲステロンシグナル伝達の増強により、PDE1阻害剤は、子宮粘膜への影響を介して卵の着床を促進するため、および妊娠に対する免疫反応または低プロゲステロン機能により流産しやすい女性における妊娠の維持を促進するために用いられ得る。例えば本明細書に記載の新規のPDE1阻害剤はまた、例えば、閉経後の女性、ならびにエストロゲン誘導性子宮内膜増殖症および癌腫において、エストロゲン/エストラジオール/エストリオールおよび/またはプロゲステロン/プロゲスチンと併用して投与されて、ホルモン補充療法の効果を増大するのにも有用であり得る。本発明の方法はまた、家畜動物に、例えば、飼育された非ヒトメス哺乳動物に性的受容性(sexual receptivity)および/または発情を誘発するのに有用である。
【0046】
この態様において、PDE1阻害剤は、単一の治療剤として上記の処置または予防方法に用いられてよく、他の活性剤と組み合わせて、または共投与して、例えばホルモン補充療法と併用して用いられてもよい。故に、本発明は、治療的有効量の、
(i)PDE1阻害剤、例えば、式1−1.30または式IIの何れかに記載の化合物、および
(ii)例えば、エストロゲンおよびエストロゲン類似体(例えば、エストラジオール、エストリオール、エストラジオールエステル)、ならびにプロゲステロンおよびプロゲステロン類似体(例えば、プロゲスチン)から選択される、ホルモン
を、それを必要とするヒト患者または動物に同時、逐次または共投与することを含む、プロゲステロンシグナル伝達の増強により改善され得る障害の処置方法をさらに含む。
【0047】
本発明はまた、細胞または組織をPDE1B活性の阻害に十分な量の本発明の化合物と接触させることを含む、該細胞または組織におけるドーパミンD1細胞内シグナル伝達活性を増強または促進する方法も提供する。
【0048】
本発明はまた、細胞または組織をPDE1B活性の阻害に十分な量の本発明の化合物と接触させることを含む、該細胞または組織におけるプロゲステロンシグナル伝達活性を増強または促進する方法も提供する。
【0049】
本発明はまた、PDE1関連、とりわけPDE1B関連障害、ドーパミンD1受容体細胞内シグナル伝達経路障害、またはプロゲステロンシグナル伝達経路の増強により軽減され得る障害の処置方法であって、PDE1Bを阻害する(ここで、PDE1B活性は、DARPP−32および/またはGluR1 AMPA 受容体のリン酸化を調節する。)本発明の化合物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法も提供する。
【0050】
本発明はまた、
(i)例えば、何らかの方法または上記の疾患もしくは状態の何れかの処置方法に用いるための、医薬として使用するための本発明の化合物
(ii)上記の何れかの疾患または状態を処置するための薬剤の製造における、本発明の化合物の使用
(iii)本発明の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせて、または合して含む、医薬組成物、ならびに
(iv)上記の何れかの疾患または状態の処置における使用のための、本発明の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせて、または結合して含む、医薬組成物
を提供する。
【0051】
用語“処置”および“処置する”は、疾患の症状の予防および処置または改善ならびに疾患の原因の処置を包含することが理解されるべきである。
【0052】
本発明の化合物は、特に、パーキンソン病、ナルコレプシーおよび女性性機能障害の処置に有用である。
【0053】
本発明の化合物は、単一の治療剤として用いられてよく、他の活性剤と組み合わせて、または共投与して用いられてもよい。例えば、本発明の化合物は、ドーパミンのようなD1アゴニストの活性を増強するため、それらは、例えばパーキンソン病を有する患者の処置において、レボドバおよびレボドバ補助剤(カルビドバ、COMT阻害剤、MAO−B阻害剤)のような常套のドーパミン作動薬、ドーパミンアゴニスト、および抗コリン作動薬と同時、逐次または共投与されてよい。さらに、例えば本明細書に記載の新規のPDE1阻害剤はまた、エストロゲン誘導性子宮内膜増殖症または癌腫のホルモン補充療法または処置の効果を増強するため、エストロゲン/エストラジオール/エストリオールおよび/またはプロゲステロン/プロゲスチンと併用投与されてもよい。
【0054】
本発明の実施に用いられる投与量は、もちろん、例えば処置すべき特定の疾患または状態、用いられる特定の本発明の化合物、投与方法、および所望の治療によって変化し得る。本発明の化合物は、経口的、非経腸的、経皮的、または吸入を含む何らかの適当な経路で投与されてよく、好ましくは経口投与される。一般的に、例えば上記の疾患の処置について満足のいく結果は、約0.01ないし2.0mg/kg量の投与量で経口投与して得られることが示される。従って、より大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、経口投与のための表示される1日投与量は、約0.75ないし150mgの範囲で、都合よくは1日1回もしくは分割用量で2ないし4回、または持続放出形態で投与され得る。故に、経口投与のための単回投与量形態は、例えば、約0.2ないし75または150mg、例えば約0.2または2.0ないし50、75または100mgの本発明の化合物を、その薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含み得る。
【0055】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤および製剤分野で公知の技術を用いて製造され得る。故に、経口投与量形態には、錠剤、カプセル剤、溶液、懸濁液などが含まれ得る。
【実施例】
【0056】
実施例
実施例1:
2−(ビフェニル−4−イルメチル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化18】

【0057】
(a)1−メチルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
酢酸180ml中、マロン酸(80g、0.79mol)およびメチルウレア(50g、0.68mol)の溶液に、70℃で、酢酸無水物(130ml、1.37mol)をゆっくり添加する。添加完了後、反応混合物を90℃で3時間撹拌し、その後室温まで冷却する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノール350mLで処理して、黄色がかった固体を沈殿させる。該固体をエタノールから再結晶させて63.1gの生成物を結晶性固体として得る(収率:65.8%)。m.p.=131.2−133.1℃[Lit.:融点=130−131.5℃].
【0058】
(b)6−クロロ−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
水(2.7mL)を、POCl(95mL)中、1−メチルピリミジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(14.2g、100mol)の懸濁液に、0℃で滴下する。その後、反応混合物を80℃で5時間加熱する。得られた褐色がかった溶液を冷却し、POClを減圧下で蒸発させる。残渣をMeOHで処理し、得られた固体をエタノールから再結晶させて、11.5gの生成物を得る(収率:71.6%)。融点=279−282℃(摂氏)[Lit.:280−282℃]。1H NMR(400 MHz, DMSO−d6) δ 3.10(S, 3H), 5.90(S, 1H), 12.4(br, 1H)。
【0059】
(c)6−クロロ−1−イソブチル−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
無水DMF(200mL)中、6−クロロ−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(3g、18.8mmol)、ヨウ化イソブチル(5mL、43.5mmol)および炭酸カリウム(5.3g、38.4mmol)の混合物を、50℃で8時間加熱する。さらなるヨウ化イソブチル(4.3mL、37.5mmol)を添加し、反応混合物を50℃で24時間加熱する。熱濾過後、濾液を減圧下で蒸発乾固させる。得られた油状物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して、2.1gの純粋な生成物を得る(収率:52%)。
【0060】
(d)6−ヒドラジニル−1−イソブチル−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
EtOH(8mL)中、6−クロロ−1−イソブチル−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(2.0g、9.3mmol)の溶液に、EtOH(3mL)中ヒドラジン一水和物(1.3mL)をゆっくり添加する。反応混合物を5時間還流し、その後冷却する。大量のAcOEtを反応混合物に添加し、次いで冷却し濾過して、1.95gの生成物を黄色がかった固体として得る(収率:100%)。
【0061】
(e)7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
フェニルイソチオシアネート(0.17mL、1.4mmol)を、DMF(10mL)中、6−ヒドラジニル−1−イソブチル−3−メチルピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(31mg、0.47mmol)の溶液に添加する。反応混合物を120℃で6時間加熱し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させて除去する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製して、20mgの生成物を得る(収率:41%)。 1H NMR(400 MHz, DMSO−d6) δ 0.95(s, 3H), 0.97(s, 3H), 2.30(m, 1H), 3.37(s, 3H), 3.77(d, 2H), 7.16−7.43(m, 5H), 7.61(s, 1H). MS(FAB) m/z 314.3 [M+H]
【0062】
(f)2−(ビフェニル−4−イルメチル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
アセトン(2.5mL)中、7−イソブチル−5−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン(12.0g、0.0383mmol)、臭化p−ビフェニルメチル(9.46mg、0.0383mmol)および炭酸カリウム(5.3mg、0.0383mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌する。溶媒を減圧下で除去する。残渣をクロマトグラフィーにより直接精製して、7.0mgの生成物を白色固体として得る(収率:38.0%)。1H NMR(400 MHz, CDCl3) δ 0.97(s, 3H), 0.99(s, 3H), 2.33(m, 1H). 3.34(s, 3H), 3.85(d, 2H), 4.99(s, 2H), 6.76(s, 1H), 6.91−7.56(m, 13H). MS(FAB) m/z 480.3 [M+H]
【0063】
実施例2
2−(ビフェニル−4−イルメチル)−7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化19】

【0064】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、塩化p−メトキシベンジルが、工程(c)においてヨウ化イソブチルの代わりに添加される。)。TLC R=0.61(AcOEt:ヘキサン=1:1)。1H NMR(CDCl3) δ 3.31(s, 3H), 3.71(s, 3H), 4.99(s, 2H), 5.10(s, 2H), 6.75−7.57(m, 19H). MS(FAB) m/z 544.4 [M+H]
【0065】
実施例3
2−(ビフェニル−4−イルメチル)−3−((ビフェニル−4−イルメチル)(フェニル)アミノ)−7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化20】

【0066】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、塩化p−メトキシベンジルが、工程(c)においてヨウ化イソブチルの代わりに添加される。)。TLC R=0.81(AcOEt:ヘキサン=1:1)。1H NMR(CDCl3) δ 3.38(s, 3H), 3.68(s, 3H), 4.99(s, 2H), 5.10(s, 2H), 5.20(s, 2H), 6.70−7.57(m, 27H). MS(FAB) m/z 710.5 [M+H]
【0067】
実施例4
7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化21】


【0068】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、塩化p−メトキシベンジルが、工程(c)においてヨウ化イソブチルの代わりに添加され;そして、p−トリフルオロメチル臭化ベンジルが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)(収率:80%)。MS(ESI) m/z 536.5 [M+H]
【0069】
実施例5
7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化22】

【0070】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、塩化p−メトキシベンジルが、工程(c)においてヨウ化イソブチルの代わりに添加され;そして、p−(ピリジン−2−イル)臭化ベンジルが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)(収率:60%)。MS(ESI) m/z 545.2 [M+H]
【0071】
実施例6
5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化23】

【0072】
AlCl(0.733g、5.50mmol)を、1,2−ジクロロエタン(15mL)中、7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン(1.08g、1.98mmol)およびアニソール(mL)の溶液に、アルゴン下で添加する。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで冷却しながら水でクエンチする。得られる懸濁液を20%NaOH(70mL)で処理し、次いで塩化メチレンで5回抽出する。有機層を合わせ、蒸発乾固させる。残渣をクロマトグラフィーによりさらに精製し、751mgの純粋な生成物を得る(収率:89%)。MS(FAB) m/z 425.3 [M+H]
【0073】
実施例7
7−シクロペンチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化24】

【0074】
メチルエチルケトン(1.2mL)を、5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン(25mg、0.0589mmol)、ヨードシクロペンタン(8.2μL、0.0707mmol)およびKCO(9.8mg、0.0707mmol)を含む0.5〜5mL反応容器中に添加した。密閉した容器をBiotageのマイクロ波装置に入れ、マイクロ波反応を140℃で1時間行った。その後、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、14.9mgの純粋な生成物を得る(収率:51.4%)。TLC R=0.72(AcOEt:ヘキサン=2:1)。MS(ESI) m/z 493.4 [M+H]
【0075】
実施例8
3−(シクロペンチル(フェニル)アミノ)−5−メチル−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化25】

【0076】
メチルエチルケトン(1.2mL)を、5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン(25mg、0.0589mmol)、ヨードシクロペンタン(8.2μL、0.0707mmol)およびKCO(9.8mg、0.0707mmol)を含む0.5〜5mL反応容器中に添加した。密閉した容器をBiotageのマイクロ波装置に入れ、マイクロ波反応を140℃で1時間行った。その後、得られた粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、5.2mgの純粋な生成物を得た(収率:17.9%)。TLC R=0.50(AcOEt:ヘキサン=2:1)。MS(ESI) m/z 493.4 [M+H]
【0077】
実施例9
7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化26】

【0078】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、ヨウ化イソブチルがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:95.8%)。MS(ESI) m/z 481.4 [M+H]
【0079】
実施例10
7−シクロヘキシル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化27】

【0080】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、ヨードシクロヘキサンがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:10%)。MS(ESI) m/z 507.4 [M+H]
【0081】
実施例11
5−メチル−7−ネオペンチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化28】

【0082】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、1−ヨード−2,2−ジメチルプロパンがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:4.1%)。MS(ESI) m/z 495.4 [M+H]
【0083】
実施例12
(S)−5−メチル−7−(2−メチルブチル)−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化29】

【0084】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、(S)−1−ヨード−2−メチルブタンがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:81.8%)。MS(ESI) m/z 495.4 [M+H]
【0085】
実施例13
5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化30】

【0086】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタンがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:14.8%)。MS(ESI) m/z 507.3 [M+H]
【0087】
実施例14
(R)−7−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化31】

【0088】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、(S)−3−ブロモ−2−メチルプロパン−1−オールがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:86.3%)。MS(ESI) m/z 497.4 [M+H]
【0089】
実施例15
7−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化32】

【0090】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、臭化2−ブロモ−N,N−ジメチルエタンアミニウムがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)(収率:64.4%)。MS(ESI) m/z 496.3 [M+H]
【0091】
実施例16
2−(4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化33】

【0092】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、1−(4−(ブロモメチル)フェニル)−1H−ピラゾールが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 470.1 [M+H]
【0093】
実施例17
2−(4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化34】

【0094】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、1−(4−(ブロモメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾールが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)(収率:89.2%)。MS(ESI) m/z 471.1 [M+H]
【0095】
実施例18
4−((7−イソブチル−5−メチル−4,6−ジオキソ−3−(フェニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ベンズアミド
【化35】

【0096】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、4−(クロロメチル)ベンズアミドが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 447.1 [M+H]
【0097】
実施例19
7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(メチルスルホニル)ベンジル)−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化36】

【0098】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、1−(ブロモメチル)−4−(メチルスルホニル)ベンゼンが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 482.1 [M+H]
【0099】
実施例20
7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンジル)−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化37】

【0100】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、3−(4−(ブロモメチル)フェニル)−5−メチル−1,2,4−オキサジアゾールが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 486.1 [M+H]
【0101】
実施例21
2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化38】

【0102】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、2−(4−(ブロモメチル)フェニル)−5−フルオロピリミジンが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 500.0 [M+H]
【0103】
実施例22
5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−7−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化39】

【0104】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、2−(ブロモメチル)−テトラヒドロフランがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 509.2 [M+H]
【0105】
実施例23
5−メチル−7−ネオペンチル−3−(フェニルアミノ)−2−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化40】

【0106】
合成方法は、実施例1と同様である(ここで、1−ヨード−2,2−ジメチルプロパンが、工程(c)においてヨウ化イソブチルの代わりに添加され;そして、5−(ブロモメチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンが、工程(f)において臭化p−ビフェニルメチルの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 487.2 [M+H]
【0107】
実施例24
3−(4−フルオロベンジルアミノ)−7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
【化41】

【0108】
合成方法は、実施例7と同様である(ここで、3−(4−フルオロベンジルアミノ)−5−メチル−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンが、5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンの代わりに添加され、そしてヨウ化イソブチルがヨードシクロペンタンの代わりに添加される。)。MS(ESI) m/z 490.2 [M+H]
【0109】
実施例25
IMAPホスホジエステラーゼアッセイキットを用いる、インビトロでのPDE1B阻害の測定
ホスホジエステラーゼ 1B(PDE1B)は、環状グアノシン一リン酸(cGMP)を5’−グアノシン一リン酸(5’−GMP)に変換するカルシウム/カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ酵素である。PDE1Bはまた、蛍光分子cGMP−フルオレセインのような修飾cGMP基質を、対応するGMP−フルオレセインに変換し得る。cGMP−フルオレセインからのGMP−フルオレセインの産生は、例えばIMAP(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)固定化金属親和性粒子試薬を用いて定量され得る。
【0110】
簡単には、IMAP試薬は、GMP−フルオレセインに見出され、cGMP−フルオレセインに見出されない、遊離5’−ホスフェートに高親和性で結合する。得られるGMP−フルオレセイン−IMAP複合体は、cGMP−フルオレセインに大きく相関する。大きな、ゆっくり崩壊する複合体中に結合された小さいフルオロフォアは、それらが発光するとき放出される光子が、蛍光を励起するのに用いられるのと同じ極性を有するため、非結合フルオロフォアと区別され得る。
【0111】
ホスホジエステラーゼアッセイにおいて、IMAPと結合不可能であり、故にほとんど蛍光偏光を有しないcGMP−フルオレセインは、IMAPと結合したとき、GMP−フルオレセインに変換され、蛍光偏光(Δmp)の大幅な増加が得られる。故に、ホスホジエステラーゼの阻害は、Δmpの減少として検出される。
【0112】
酵素アッセイ
材料:全ての化学物質は、Molecular Devices(Sunnyvale, CA)により市販されるIMAP試薬(反応緩衝液、結合緩衝液、FL−GMPおよびIMAPビーズ)を除いて、Sigma−Aldrich(St. Louis, MO)により市販される。
アッセイ:3’,5’−環状ヌクレオチド特異的ウシ脳ホスホジエステラーゼ(Sigma, St. Louis, MO)は、50%グリセロールで2.5U/mlに再構成される。1ユニットの酵素は、pH7.5、30℃で、1分当たりに1.0μmoleの3’,5’−cAMPから5’−AMPに加水分解し得る。1部の酵素を1999部の反応緩衝液(30μM CaCl、10U/mlのカルモジュリン(Sigma P2277)、10mM Tris−HCl pH7.2、10mM MgCl、0.1%BSA、0.05%NaN)に添加して、最終濃度1.25mU/mlを得る。99μlの希釈した酵素溶液を平底96ウェルのポリスチレンプレートの各ウェルに添加し、そこに100%DMSO中に溶解した1μlの試験化合物を添加する。該化合物を酵素と混合し、10分間、室温で予めインキュベートする。
【0113】
FL−GMP変換反応は、384ウェルマイクロタイタープレート中、4部の酵素および1部の基質溶液(0.225μM)中、阻害剤混合物を合わせて開始される。反応液は、暗所にて室温で15分間インキュベートする。反応を、384ウェルプレートの各ウェルに60μlの結合試薬(1:1800希釈の消泡剤を添加した結合緩衝液中、1:400希釈のIMAPビーズ)を添加して停止させる。プレートを室温で1時間インキュベートし、IMAP結合を完了まで促進させ、その後、Envisionのマルチモードマイクロプレートリーダー(PerkinElmer, Shelton, CT)に入れて、蛍光偏光(Δmp)を測定する。
【0114】
低下したΔmpとして測定されるGMP濃度の減少は、PDE活性の阻害の指標である。IC50値は、0.0037nMないし80,000nMの範囲の8ないし16種の化合物濃度の存在下で酵素活性を測定し、その後、IC50値を非線形回帰ソフトウェア(XLFit; IDBS, Cambridge, MA)を用いて概算するのを可能にするΔmPに対する薬剤濃度をプロットして決定される。
【0115】
実施例26
PDE1阻害剤は、メスラットの性反応に効果がある
メスラットにおける脊柱前弯応答に対するPDE1阻害剤の効果は、Mani, et al., Science(2000) 287: 1053に記載の通りに測定される。卵巣摘除し、挿管した野生型ラットを2μgのエストロゲンで刺激し、次いで24時間後に、プロゲステロン(2μg)、本発明のPDE1阻害剤(0.1mg、1.0mgまたは2.5mg)またはゴマ油ビークル(対照)を脳室内(icv)注入して刺激する。該ラットをオスラットの存在下で脊柱前弯応答について試験する。脊柱前弯応答を、前弯指数(lordosis quotient)(LQ=前弯症数/10マウント×100)により定量する。0.1mgの化合物1または2を受容するエストロゲン刺激したメスラットのLQは、プロゲステロンを受容するエストロゲン刺激したラットと同様に75以上であり、ビークルを受容するエストロゲン刺激したラットよりも有意(p<0.001)に高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、2−(所望により、ヘテロ)アリールメチル−3−(所望により、ヘテロ)アリールアミノ−[2H]−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン。
【請求項2】
遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、式I
【化1】


[式中、
(i)Rは、Hまたはアルキルであり;
(ii)Rは、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはアルコキシアリールアルキルであり;
(iii)Rは、ヘテロアリールメチルまたは式A
【化2】


〔式中、R、R、R11およびR12は、独立してHまたはハロゲンであり;R10は、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、またはアミノカルボニルである。〕
で示される置換ベンジルであり;
(iv)Rは、アリールまたはヘテロアリールであり;そして
(v)Rは、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、p−ベンジルアリールである(ここで、“alk”または“アルキル”は、C1−6アルキルを意味し、“シクロアルキル”は、C3−6シクロアルキルを意味する。)。]
で示される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
遊離形、塩形態またはプロドラッグ形態の、式II
【化3】


[式中、
はメチルであり;
はH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、ハロアルキル、アルキルアミノアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、またはアルコキシアリールアルキルであり;
はフェニルであり;
はHであり;そして、
10は、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアジアゾリル、ハロアルキル、アルキルスルホニル、オキサジアゾリル、アミノカルボニル、またはトリアゾリルである(ここで、“alk”または“アルキル”は、C1−6アルキルを意味する。)。]
で示される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の、
a.2−(ビフェニル−4−イルメチル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
b.2−(ビフェニル−4−イルメチル)−7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
c.2−(ビフェニル−4−イルメチル)−3−((ビフェニル−4−イルメチル)(フェニル)アミノ)−7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
d.7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
e.7−(4−メトキシベンジル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
f.5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
g.7−シクロペンチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
h.3−(シクロペンチル(フェニル)アミノ)−5−メチル−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
i.7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
j.7−シクロヘキシル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
k.5−メチル−7−ネオペンチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
l.(S)−5−メチル−7−(2−メチルブチル)−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
m.5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−7−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
n.(R)−7−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
o.7−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
p.2−(4−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
q.2−(4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
r.4−((7−イソブチル−5−メチル−4,6−ジオキソ−3−(フェニルアミノ)−4,5,6,7−テトラヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ベンズアミド
s.7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(メチルスルホニル)ベンジル)−3−
(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
t.7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ベンジル)−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
u.2−(4−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ベンジル)−7−イソブチル−5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
v.5−メチル−3−(フェニルアミノ)−2−(4−(ピリジン−2−イル)ベンジル)−7−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
w.5−メチル−7−ネオペンチル−3−(フェニルアミノ)−2−((6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メチル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
x.3−(4−フルオロベンジルアミノ)−7−イソブチル−5−メチル−2−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオン
から選択される化合物。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか一項記載の化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して含む、医薬組成物。
【請求項6】
下記の状態:パーキンソン病、下肢静止不能症、振戦、ジスキネジア、ハンチントン病、アルツハイマー病、および薬剤誘発性運動障害;鬱病、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、双極性障害、不安、睡眠障害、ナルコレプシー、認知障害(cognitive impairment)、認知症(dementia)、トゥーレット症候群、自閉症、脆弱X症候群、精神刺激薬の使用中止、および/または薬物中毒;脳血管疾患、卒中、鬱血性心疾患、高血圧、肺高血圧、および/または性機能障害;喘息、慢性閉塞性肺疾患、および/またはアレルギー性鼻炎、ならびに自己免疫性および炎症性疾患;および/または、女性性機能障害、運動性無月経(exercise amenorrhoea)、無排卵、閉経、更年期症状、甲状腺機能低下症、月経前緊張症、早産、不妊症、不規則な月経周期、異常子宮出血、骨粗鬆症、多発性硬化症、前立腺肥大、前立腺癌、甲状腺機能低下症、エストロゲン誘導性子宮内膜増殖症もしくは癌腫;および/または、PDE1発現細胞における、cAMPおよび/もしくはcGMPの低レベル(または、cAMPおよび/もしくはcGMPシグナル伝達経路の阻害)および/または減少したドーパミンD1受容体シグナル伝達活性により特徴付けられる何らかの疾患または状態;および/または、プロゲステロンシグナル伝達の増大により改善され得る何らかの疾患もしくは状態、の何れかの処置方法であって、有効量の請求項1、2、3または4の何れか一項記載の化合物または請求項5記載の医薬組成物を、かかる処置を必要とする患者に投与することを含む、方法。
【請求項7】
該状態がパーキンソン病である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該状態が認知障害である、請求項6記載の方法。
【請求項9】
該状態がナルコレプシーである、請求項6記載の方法。
【請求項10】
中枢神経系刺激剤、モダフィニル、抗鬱剤、およびガンマヒドロキシ酪酸から選択される1個または複数の化合物を、それを必要とする患者に投与することをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該状態が女性性機能障害である、請求項6記載の方法。
【請求項12】
エストラジオール、エストリオール、エストラジオールエステル、プロゲステロンおよびプロゲスチンからなる群から選択される1個または複数の化合物を、それを必要とする患者に投与することをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
請求項1、2、3または4記載の化合物の製造方法であって、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンを式X−Rの化合物(式中、Xは脱離基であり、Rは、所望により置換されていてよいベンジルである。)と反応させる工程、およびこのようにして得られた請求項1、2、3または4記載の化合物を単離する工程を含む、方法。
【請求項14】
該ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンが、式IIIC:
【化4】


[式中、R、RおよびRは、式IまたはIIについて請求項2または3で定義した通りである。]
で示される化合物である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項1、2、3または4記載の化合物の製造方法であって、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンを式X−Rの化合物(式中、Xは脱離基であり、Rは、請求項2または3における式Iについての定義の通りである。)と反応させる工程、およびこのようにして得られた請求項1、2または3記載の化合物を単離する工程を含む、方法。
【請求項16】
該ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4,6(5H,7H)−ジオンが、式IIh:
【化5】


[式中、R、RおよびRは、式IまたはIIについて請求項2または3で定義した通りである。]
で示される化合物である、請求項15記載の方法。

【公表番号】特表2009−539872(P2009−539872A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514518(P2009−514518)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/070551
【国際公開番号】WO2007/143705
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(507401225)イントラ−セルラー・セラピーズ・インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】INTRA−CELLULAR THERAPIES, INC.
【Fターム(参考)】