説明

有機官能性シロキサン混合物

本発明は、一般式I
SiO(4−x)/2 (I)
[式中、
xは1、2又は3であり、
置換基Rは以下
(i)以下
【化1】


から選択される有機官能基、ここで、R’は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環式アルキル基又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である
(ii)ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブトキシ及び/又はn−ブトキシ基、及び
(iii)適当であれば、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、イソアルキル、シクロアルキル又はフルオロアルキル基
であるが、但し、ケイ素原子1個当たり1個以下の有機官能基(i)が結合しており、ケイ素に対する成分(ii)のモル比の商が1〜2であり、かつ一般式Iの化合物のためのオリゴマー化度が2〜50の範囲内である]
の、鎖状、分枝状及び/又は環式シロキサンを含有する混合物に関する。本発明は更に前記のシロキサン混合物の特別な製造法及びその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の有機官能性シロキサンを含有するシラン混合物に関する。
【0002】
本発明は更に、前記の混合物の製造法及び前記の混合物の使用に関する。
【0003】
1−有機メチルクロロシラン及び1−有機メチルアルコキシシランは久しく公知である。例えば1−アミノメチルシランは、クロロメチルシランとアンモニア又は有機アミンとを反応させることにより得ることができる。従って、1つの可能な反応は、クロロメチルアルコキシシランとアンモニア又はエチレンジアミンとを反応させ、(次いで、生成された塩負荷を除去して)それぞれ1−アミノメチルアルコキシシラン又はN−(2−アミノエチル)−1−アミノメチルアルコキシシランを得る反応である。
【0004】
更に、有機シロキサン又はその混合物は、例えば有機官能性クロロシラン又はアルコキシシランの意図的な加水分解又は縮合により得られる。多価官能性シロキサンオリゴマーの製造に関する特別な問題は、個々の有機アルコキシシラン及び有機クロロシランの大幅に異なる加水分解又は縮合特性である。
【0005】
EP0716128A2、EP0716127A2及びEP0675128A1には、3−アミノプロピル官能性及びOH官能性の有機シラン及び有機シロキサンの水溶液が開示されている。この有機シラン系において、加水分解は事実上完全である。
【0006】
EP0518057A1及びDE19624032A1には、アルコキシ基をも含有する鎖状及び環式のビニル官能性及びアルキル官能性シロキサンオリゴマーの混合物が記載されている。そのような混合物は例えば鉱物表面及び粉末状材料を撥水性にするために、熱可塑性ポリオレフィンのための架橋剤として、及び接着剤及びシーラントにおける接着促進剤として使用される。
【0007】
更に、DE19834990には、3−アクリロイルオキシプロピル又は3−メタクリロイルオキシプロピル基を含有する、鎖状及び環式のシロキサンオリゴマーの混合物が記載されている。この種のシロキサンオリゴマーは、例えば、鉱物又は粉末状物質、例えば二酸化チタン、タルク、クレー、シリカ、石英、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、雲母(白雲母)、炭酸カルシウム(チョーク、ドロマイト)の表面処理又は変性のために使用することができる。前記のシロキサンオリゴマーは、例えばカオリン充填ゴムコンパウンドにおける、接着剤及びシーラントにおける、インク及び塗料における、及び建設工業における接着促進剤としても使用される。
【0008】
本発明の対象の1つは、有機官能性シロキサンを含有する他の混合物を提供することであった。
【0009】
前記の課題は、特許請求の範囲に記載された本発明に従って達成される。
【0010】
意想外にも、成分Aとして、少なくとも1種の1−有機官能性トリアルコキシシラン又は1−有機官能性メチルアルコキシシランを用いて、かつ適当であれば、成分Bとして、1〜18個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−又はフルオロアルキル−トリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−又はフルオロアルキル−メチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシランを用いて、かつ適当であれば、成分Cとしてテトラアルコキシシランを用いて、成分A、適当であればB及び適当であればCを、連続して、又は混合して、Si1モル当たり0.5〜1.8モル、有利に0.8〜1.2モルの水を用いて、かつ使用するアルコキシシランに対して0.1〜10倍、有利に0.5〜5倍の質量の、メタノール及び/又はエタノール及び/又は(ii)のアルコキシ基に相当する少なくとも1種のアルコールを用いて、10〜120℃、有利に25〜90℃、更に有利に35〜80℃の温度で意図的に加水分解及び/又は縮合し、次いで、大気圧下又は減圧下で、120℃以下の液相温度での蒸留により生成物混合物を後処理することにより、一般式
SiO(4−x)/2 (I)
[式I中、
xは1、2又は3であり、
置換基Rは以下
(i)以下
【0011】
【化1】

【0012】
【化2】

から選択される有機官能基、ここで、R’は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環式アルキル基又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である
(ii)ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブトキシ及び/又はn−ブトキシ基、及び
(iii)適当であれば、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、イソアルキル、シクロアルキル又はフルオロアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基
であるが、但し、ケイ素原子1個当たり1個以下の有機官能基(i)が結合しており、ケイ素に対する成分(ii)のモル比の商が1〜2、有利に1.2〜1.6であり、かつ一般式Iの化合物のためのオリゴマー化度が2〜50、有利に2〜30の範囲内である]
の、鎖状、分枝状及び環式シロキサンの混合物を得ることができることが見い出された。粗製生成物の後処理の間に、適当であれば有機酸又は無機酸を添加し、系を安定化させることができる。後処理には、有利に、遊離アルコール及び加水分解しなかったモノマー出発材料の全ての残留物の生成物からの除去が伴う。それに応じて、比較可能な先行技術の系と比較して、有機成分、殊に揮発性が高くかつ引火点が低い加水分解アルコールの含分が一層低く、従ってVOC問題の解決において殊に有利である、1−有機官能性シロキサン混合物を提供することができる。ここで、加水分解及び/又は縮合を意図的に、系に対して非本質的である添加剤、例えば加水分解及び/又は縮合触媒なしに実施することができることは驚異的であり、従って同様に殊に有利である。
【0013】
このようにして得られる本発明のシロキサン混合物は、一般に均質な、透明からわずかに乳白色の、無色からわずかに黄色に着色した、低粘性の保存安定な液体であり、有利には製品安全性を改善するために>100℃の引火点を有する。
【0014】
上記の製造法により、有利には種々の官能性の、即ち請求項1の意味での多価官能性[−Si(R)(R)O−]単位の統計的分布を有する本発明のシロキサン混合物を有利に製造することができる。
【0015】
本発明の系は更に、表面上でのより効果的な湿潤性によって、比較可能な系と区別される。
【0016】
本発明の混合物の沸点が一般に>200℃の温度であることも有利である。
【0017】
本発明の系は、有利に濃縮された形で、及びアルコール性又は水性配合物の形で、又は水及びアルコールを含有する配合物の形で適用することができる。
【0018】
従って本発明は、一般式I
SiO(4−x)/2 (I)
[式中、
xは1、2又は3であり、
置換基Rは以下
(i)以下
【0019】
【化3】

から選択される有機官能基、ここで、R’は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環式アルキル基又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である
(ii)ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブトキシ及び/又はn−ブトキシ基、及び
(iii)適当であれば、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、イソアルキル、シクロアルキル又はフルオロアルキル基、又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基
であるが、但し、ケイ素原子1個当たり1個以下の有機官能基(i)が結合しており、ケイ素に対する成分(ii)のモル比の商が1〜2であり、かつ一般式Iの化合物のためのオリゴマー化度が2〜50の範囲内である]
の、鎖状、分枝状及び/又は環式シロキサンを含有する混合物を提供する。
【0020】
本発明のシロキサン混合物は有利に、存在するシロキサンの質量に対して0.001質量%を上回り、かつ60質量%未満の、更に有利に0.1〜50質量%、殊に有利に0.5〜40質量%のアルコキシ基含分を有する。
【0021】
本発明の混合物において、置換基Rは有利に以下(i)1−アミノメチル、N−(2−アミノエチル)−1−アミノメチル、N,N−ジ(2−アミノエチル)−1−アミノメチル、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル)]−1−アミノメチル、N−メチル−1−アミノメチル、N−(n−ブチル)−1−アミノメチル、N−シクロヘキシル−1−アミノメチル、ウレイドメチル又はN−フェニル−1−アミノメチル基、及び(ii)メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、プロポキシ及び/又はブトキシ基、及び適当であれば、(iii)メチル、ビニル、エチル、プロピル、イソブチル、オクチル、ヘキサデシル又はフェニル基から成る。
【0022】
以下に、鎖状及び環式シロキサンオリゴマーの若干の有利な系を示す例を挙げる:1−アミノメチル−/トリデカフルオロテトラヒドロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−/ヒドロキシ−、メトキシ−又はエトキシ−シロキサン、ここで、アルコキシ基は有利にメトキシ又はエトキシ基(エトキシ及びメトキシ基は相互に並んで存在してよい)及びまたヒドロキシル基である。
【0023】
本発明は更に、意図的な加水分解及び共縮合により本発明の鎖状及び環式シロキサンオリゴマーの混合物を製造するための方法において、成分Aとして、少なくとも1種の1−有機メチル官能性トリアルコキシシラン又は1−有機メチル官能性メチルジアルコキシシランを用いて、かつ所望であれば、成分Bとして、1〜18個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−及び/又はフルオロアルキル−トリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−及び/又はフルオロアルキル−メチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシランを用いて、かつ適当であれば、成分Cとしてテトラアルコキシシランを用いて、成分A、適当であればB及び適当であればCを、連続して、又は混合して、Si1モル当たり0.5〜1.8モルの水、及び使用するアルコキシシランに対して0.1〜10倍の質量の、(ii)のアルコキシ基に相当する少なくとも1種のアルコールを用いて、10〜95℃の温度で意図的に加水分解及び縮合し、次いで、導入したアルコール及び反応の過程で遊離されたアルコールを大気圧又は減圧下で、120℃以下の液相温度での蒸留により生成物混合物から除去することを特徴とする、本発明の鎖状及び環式シロキサンオリゴマーの混合物を製造するための方法に関する。
【0024】
本発明の混合物を製造するための出発化合物又はその組み合わせの非排他的な例には以下のものが含まれる:
−成分Aに関して:
1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−アミノエチル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−アミノエチル−N−アミノエチル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−メチル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−n−ブチル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−シクロヘキシル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、N−フェニル−1−アミノメチルトリアルコキシシラン、1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−アミノエチル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−アミノエチル−N−アミノエチル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−メチル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−n−ブチル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−シクロヘキシル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、N−フェニル−1−アミノメチルメチルジアルコキシシラン、1−グリシジルオキシメチルトリアルコキシシラン、1−メタクリロイルオキシメチルトリアルコキシシラン、N−ウレイドメチルトリアルコキシシラン。
【0025】
−成分Bに関して:
メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、n−プロピルトリアルコキシシラン、イソブチルトリアルコキシシラン、n−オクチルトリアルコキシシラン、イソブチルトリアルコキシシラン、n−オクチルトリアルコキシシラン、イソオクチルトリアルコキシシラン、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン。
【0026】
−成分Cに関して:
テトラアルコキシシラン、ここで、メトキシ、エトキシ及びプロポキシは有利に上記のアルコキシ基である。
【0027】
本発明の方法は一般に以下の様に実施される:
通常まず第一に、成分A、使用する場合には成分B及び使用する場合には成分Cを反応容器中に装入する。溶剤及び/又は希釈剤、例えばメタノール又はエタノールをアルコキシシラン混合物に添加することができる。有利に完全に混合、例えば撹拌しながら反応のために計量した水を添加することも適当である。水の添加の前又は後に、反応混合物を加熱し、次いで反応させ、生じる生成物混合物を上記のような蒸留により後処理することができる。生成物混合物の蒸留後処理を、有利に50〜120℃の範囲内の温度で、大気圧及び/又は減圧下で実施する。ここで、所望であれば、若干例を挙げると、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸及びクエン酸を含む群からの酸を添加することが可能である。
【0028】
本発明の方法において、成分A、B及びCを有利に1:0:0〜1:10:0、有利に1:0:0〜1:4:0、又は1:0:0〜1:0:10、有利に1:0:0〜1:0:4、又は1:0:0〜1:10:10、有利に1:0:0〜1:4:4のA:B:Cのモル比で使用する。
【0029】
本発明の方法において、溶剤及び/又は希釈剤として使用するアルコールに相応するメトキシ又はエトキシ基を有するアルコキシシランを使用することは更に有利である。溶剤及び/又は希釈剤としても、メタノール又はエタノール又はメタノールとエタノールとの混合物を使用するのが有利である。しかしながら他のアルコール又はアルコール混合物を使用することも可能である。
【0030】
本発明の方法において、使用するアルコキシシランの加水分解及び縮合を、有利に大気圧下で10〜95℃、更に有利に60〜80℃の温度で実施する。反応は通常大気圧下で行われる。また、反応を減圧下又は過圧下で実施することもできる。反応混合物は有利に、生成物混合物の蒸留後処理を開始する2〜8時間前に反応される。
【0031】
蒸留後処理の後、本発明の生成物は有利に成分A、B及びC5質量%未満及び殊に遊離アルコール5質量%未満、有利に1質量%未満を含有する。
【0032】
本発明の鎖状、分枝状及び環式シロキサンの混合物は、有利に以下の例示的な、しかしながら制限を与えない使用が可能である。
【0033】
従って本発明は、例えば、粉末状物質の表面変性のための、微粉末無機充填剤及び顔料のシラン処理のための、及び無機表面、有機表面及び金属表面、例えばコンクリート、アルミニウム、鋼及びプラスチック(2つの例を挙げると、PVC及びPMMAを含む)を処理するための、組成物としての、本発明の鎖状、分枝状及び環式シロキサンの混合物の使用を提供する。本発明の鎖状及び環式シロキサンオリゴマーの混合物は、例えば表面の疎水化のために有利に使用されることができる。
【0034】
本発明は更に、改善された機械的強度及び改善された電気絶縁特性を得ることを目的とした、充填された熱可塑性コンパウンド、例えばHFFR(ハロゲン不含の難燃剤)コンパウンドにおける接着促進剤としての、本発明の鎖状及び環式シロキサンオリゴマーの混合物の使用を提供する。
【0035】
本発明は更に、改善された使用特性、殊に制御された硬化特性、改善された機械的強度及び改善された耐湿性を達成することを目的とした、フォームシーラントを含む接着剤及びシーラントにおける接着促進剤としての、本発明の鎖状、分枝状及び環式シロキサンの混合物の使用を提供する。
【0036】
本発明は更に、有機樹脂を変性及び架橋するための、改善された使用特性を有するインク及び塗料におけるバインダーとしての、及びガラス繊維で強化されたプラスチックにおけるガラス繊維の改善された接着性を目的とし、かつ改善された機械的強度を得ることを目的としてガラス繊維を被覆するための、本発明の鎖状、分枝状及び環式シロキサンの混合物の使用を提供する。
【0037】
標準として使用されるモノマー有機アルコキシシランに対する、本発明のシロキサン混合物の特に有利な特性には、高められた沸点、高められた引火点、低下された蒸気圧、適用中に放出される加水分解アルコールの低下された量(VOC)、及び殊に、殊に意図的な適用を可能にする化学的な「多面的機能」が含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
SiO(4−x)/2 (I)
[式中、
xは1、2又は3であり、
置換基Rは以下
(i)以下
【化1】

から選択される有機官能基、ここで、R’は、1〜18個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖又は環式アルキル基又は6〜12個の炭素原子を有するアリール基である
(ii)ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、イソプロポキシ、n−プロポキシ、イソブトキシ及び/又はn−ブトキシ基、及び
(iii)適当であれば、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、イソアルキル、シクロアルキル又はフルオロアルキル基
であるが、但し、ケイ素原子1個当たり1個以下の有機官能基(i)が結合しており、ケイ素に対する成分(ii)のモル比の商が1〜2であり、かつ一般式Iの化合物のためのオリゴマー化度が2〜50の範囲内である]
の、鎖状、分枝状及び/又は環式シロキサンを含有する混合物。
【請求項2】
アルコキシ基含分が、存在するシロキサン混合物の質量に対して0.001質量%を上回り、かつ60質量%未満である、請求項1記載のシロキサン混合物。
【請求項3】
置換基Rが、以下
(i)1−アミノメチル、N−(2−アミノエチル)−1−アミノメチル、N,N−ジ(2−アミノエチル)−1−アミノメチル、N−[N’−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル)]−1−アミノメチル、N−メチル−1−アミノメチル、N−(n−ブチル)−1−アミノメチル、N−シクロヘキシル−1−アミノメチル、ウレイドメチル又はN−フェニル−1−アミノメチル基
(ii)ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、プロポキシ及び/又はブトキシ基
及び適当であれば、
(iii)メチル、エチル、ビニル、プロピル、イソブチル、オクチル、ヘキサデシル、モノフルオロアルキル、オリゴフルオロアルキル、ペルフルオロアルキル又はフェニル基
から選択されている、請求項1又は2記載のシロキサン混合物。
【請求項4】
沸点が>200℃である、請求項1から3までのいずれか1項記載のシロキサン混合物。
【請求項5】
引火点が>100℃である、請求項1から4までのいずれか1項記載の鎖状、分枝状及び環式シロキサンオリゴマーの混合物。
【請求項6】
意図的な加水分解及び共縮合により請求項1から5までのいずれか1項記載のシロキサン混合物を製造するための方法において、成分Aとして、少なくとも1種の1−有機メチル官能性トリアルコキシシラン又は1−有機メチル官能性メチルジアルコキシシランを用いて、かつ所望であれば、成分Bとして、1〜18個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−及び/又はフルオロアルキル−トリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又は1〜18個の炭素原子を有するアルキル−、アルケニル−、イソアルキル−、シクロアルキル−及び/又はフルオロアルキル−メチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシランを用いて、かつ適当であれば、成分Cとしてテトラアルコキシシランを用いて、成分A、適当であればB及び適当であればCを、連続して、又は混合して、Si1モル当たり0.5〜1.8モルの水、及び使用するアルコキシシランに対して0.1〜10倍の質量の、(ii)のアルコキシ基に相当する少なくとも1種のアルコールを用いて、10〜95℃の温度で意図的に加水分解及び縮合し、次いで、導入したアルコール及び反応の過程で遊離されたアルコールを大気圧又は減圧下で、120℃以下の液相温度での蒸留により生成物混合物から除去することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のシロキサン混合物の製造法。
【請求項7】
成分A、B及びCを1:0:0〜1:10:0又は1:0:0〜1:0:10又は1:0:0〜1:10:10のA:B:Cのモル比で使用する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
溶剤及び/又は希釈剤として使用するアルコールに相応するメトキシ又はエトキシ基を有するアルコキシシランを使用する、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
加水分解及び縮合を大気圧下で60〜80℃の温度で実施する、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
生成物混合物の蒸留後処理を50〜120℃の範囲内の温度で大気圧及び/又は減圧下で実施する、請求項6から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
蒸留後処理の後に得られる生成物が、使用する成分A、B及びC5質量%未満及び遊離アルコール5質量%未満を含有する、請求項6から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
接着剤及びシーラントにおける接着促進剤としての、有機樹脂を変性及び架橋するための、インク及び塗料におけるバインダーとしての、ガラス繊維を被覆するための、充填された熱可塑性コンパウンドにおける接着促進剤としての、無機表面、有機表面及び金属表面を処理するための、表面を撥水性にするための、粉末状物質の表面変性のための、充填剤及び顔料のシラン処理のための、又はフォームシーラントを製造するための、請求項1から11までのいずれか1項記載のシロキサン混合物の使用。

【公表番号】特表2007−503455(P2007−503455A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530161(P2006−530161)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050326
【国際公開番号】WO2004/101652
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(501073862)デグサ アクチエンゲゼルシャフト (837)
【氏名又は名称原語表記】Degussa AG
【住所又は居所原語表記】Bennigsenplatz 1, D−40474 Duesseldorf, Germany
【Fターム(参考)】