説明

有機性排水処理装置

【課題】設置面積を削減できる有機性排水処理装置を得る。
【解決手段】酵母反応槽1の内部をスクリーン2によって2つの室に仕切り、酵母優占室3と活性汚泥優占室4を設ける。原水は原水導入管5を介して酵母優占室3に導入し、酵母優占室3には酵母を優占するための担体6を流入させる。活性汚泥優占室4で生じた上澄水は上澄水移送管7を介して排出し、活性汚泥優占室4で生じた汚泥は管体8とポンプ9によって酵母活性化槽10に流入させる。酵母活性化槽10は酵母などの特定の微生物の処理能力を高めるものとし、酵母活性化槽10で活性化した酵母は管体11を介して酵母優占室3に流入させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機性排水を公共水域に放流できるように酵母を用いて処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高濃度の有機性物質やヘキサン抽出物質を含有する排水は、活性汚泥処理法、酵母処理法、加圧浮上処理法、またはこれらのいずれかを組み合わせた処理法によって処理される。特に、この種の排水を公共水域に放流できるように処理するためには、酵母処理法または加圧浮上処理法と活性汚泥処理法とを組み合わせた処理法を用いる必要がある。その例として、酵母処理法と活性汚泥処理法を組み合わせた処理法では、酵母反応槽、酵母沈殿槽、活性汚泥反応槽、および活性汚泥沈殿槽が必要とされる。活性汚泥処理法は、活性汚泥を有する活性汚泥反応槽に排水を導入し、その活性汚泥反応槽内を曝気しながら、排水中の有機性物質を活性汚泥によって酸化分解する。酵母処理法は、酵母に適した環境とするための硫酸や塩酸等を添加した酵母反応槽に排水を導入し、その酵母反応槽を曝気しながら、排水中の有機性物質を酸化分解する。加圧浮上処理法は、微生物を利用しない物理化学的な処理法であり、排水に加圧水を加え、浮上したヘキサン抽出物質を分離除去する。活性汚泥処理法と酵母処理法を組み合わせた処理法は、排水を酵母処理法によって処理した後に活性汚泥処理法によって処理する。この場合に、酵母処理法では、高濃度の有機性物質とヘキサン抽出物質を活性汚泥処理法によって処理できる濃度まで処理する。そして、活性汚泥処理法と加圧浮上処理法を組み合わせた処理法は、加圧浮上処理法によってヘキサン抽出物質を分離除去した後に、活性汚泥処理法によって処理する。
【0003】
このような従来の排水処理装置において、生物処理を行なうためには、活性汚泥反応槽内や酵母反応槽内を曝気するための曝気手段が備えられている。この種の曝気手段は、通常、各反応槽内の底部に配置してある散気管、各反応槽の外部に設けたブロワ、および散気管とブロワを接続する管体によって構成されている。このような曝気手段の散気管は、各反応槽の底壁上面の全体に配置されたり、各反応槽の左右の側壁の近傍のみに配置されたり、各反応槽の底壁上面の左右の中央に1つまたは列状に配置されたりする。そして、散気管が各反応槽の底壁上面の全体に配置されている場合には、散気管の上方のみに上昇流が発生し、その結果として散気管と散気管の間の領域には下降流が発生し、活性汚泥や酵母汚泥は多数の小さな循環流によって撹拌される。散気管が各反応槽の左右の側壁の近傍のみに配置されている場合、および散気管が各反応槽の底壁上面の左右の中央に1つまたは列状に配置されている場合には、散気管の上方に上昇流が発生し、その結果として散気管が存在しない領域に下降流が発生し、活性汚泥や酵母汚泥は1つの大きな循環流によって撹拌される。
【0004】
なお、前記背景技術は当業者一般に知られた技術であって、文献公知発明に係るものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の排水処理装置には、酵母反応槽、酵母沈殿槽、活性汚泥反応槽、および活性汚泥沈殿槽が必要とされるので、設置面積が広く、設備コストが高い。特に、活性汚泥処理法のみを利用した排水処理装置では、BOD(酸素要求量)容積負荷が0.3〜0.8kg/m3・日となっている場合が多いので、排水が高濃度の有機性物質を含んでいる場合には大きな活性汚泥反応槽が必要となる。また、排水が高濃度のヘキサン抽出物質を含んでいる場合には、活性汚泥処理法のみを利用した排水処理装置のみでは処理することができず、活性汚泥処理法と加圧浮上処理法の組合せを利用した排水処理装置が必要となり、設備コストが高くなる。そして、加圧浮上処理法を利用した排水処理装置では、作業環境を悪くするフロスが発生するので、このフロスの処分をするため、場合によっては薬品を添加する処理が必要となり、運転管理が煩雑になって運転コストが高くなる。
【0006】
また、酵母処理法のみを利用した排水処理装置では、BOD容積負荷が5〜10kg/m3・日となっているので、活性汚泥処理法のみを利用した排水処理装置と比べて酵母反応槽が小さく、設置面積は小さくなる反面、この排水処理装置によって得られる処理水にはBODが100〜200mg/Lの有機性物質が残存しているので、この処理水を公共水域に放流することが許されない。そのうえに、酵母沈殿槽が嫌気的になり易いので、嫌気条件に置かれた酵母が酵母反応槽に返送された際に、酵母が処理能力を回復するまでに多くの時間が必要となる。
【0007】
さらに、活性汚泥処理法と酵母処理法の組合せを利用した排水処理装置では、公共水域に放流し得る処理水を得ることができる反面、酵母反応槽と活性汚泥反応槽の2つの反応槽が必要となるうえに、それらの後段にそれぞれ位置する酵母沈殿槽と活性汚泥沈殿槽の2つの沈殿槽が必要となり、設置面積が広く設備コストが高くなる。また、酵母反応槽は、流入する負荷が設定値よりもある程度大きくなっても対応できるが、流入する負荷が一定以上大きくなると酵母汚泥に付着した有機物(油分)が分解されず、比重が軽くなり、酵母沈殿槽からキャリーオーバーする可能性がある。また、その負荷が設定値よりも大きく減少した場合には、酵母反応槽におけるBOD除去率が上昇するので、後段の活性汚泥反応槽で適当な負荷が得られなくなる。このため、活性汚泥反応槽において活性汚泥が解体し、処理水の質が低下する。このことは、前段の酵母反応槽が連続方式または回分式のいずれにも発生する。
【0008】
そして、曝気手段の散気管が酵母反応槽の底壁上面の全体に配置されている排水処理装置では、酵母反応槽内に上昇流と下降流が混在するだけで全体に亘る大きな流れが生じないので、酵母汚泥を撹拌する力が弱く、特に酵母汚泥の濃度が高い場合には、酵母汚泥が酵母反応槽の底壁上に堆積することがある。また、散気管が酵母反応槽の左右の側壁の近傍のみに配置されている排水処理装置や、散気管が酵母反応槽の底壁上面の左右の中央に1つまたは列状に配置されている排水処理装置では、全体に亘る大きな循環流が生じるので酵母汚泥が底壁上に堆積することはない反面、散気管は部分的に配置されているので、多くの空気を噴出することができず、曝気手段の酸素供給能力が低い。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、設置面積を削減できるとともに処理性能を安定して良好に維持できる、酵母を利用した排水処理装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る酵母を利用した排水処理装置は、酵母反応槽に担体を備え、且つ前記酵母反応槽に酵母活性化槽を備えることを特徴とするものである。
【0011】
この発明に係る酵母を利用した排水処理装置は、酵母反応槽に担体を備え、且つ前記酵母反応槽に可溶化槽を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、酵母反応槽内の担体に酵母を担持させることができるので、酵母による反応を向上させることができる。また、酵母活性化槽によって酵母の菌数を良好に保つことができるので、酵母の寄与率を向上させることができる。したがって、酵母処理性能を安定して良好に維持できる。また、酵母反応槽に従来の酵母沈殿槽と活性汚泥反応槽の役割を持たせることができるので、設置面積を削減できる。
【0013】
この発明は、酵母反応槽内の担体に酵母を担持させることができるので、酵母による反応を向上させることができる。また、可溶化槽によって油分を粉砕して均一化することができるので、油分の除去率を向上させることができる。したがって、酵母処理性能を安定して良好に維持できる。また、酵母反応槽に従来の酵母沈殿槽と活性汚泥反応槽の役割を持たせることができるので、設置面積を削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
図1はこの発明を実施するための実施の形態1における酵母を利用した排水処理装置(以下、単に排水処理装置という)を示すものである。この排水処理装置の酵母反応槽1の内部はスクリーン2によって2つの室に仕切り、酵母優占室3と活性汚泥優占室4を設けてある。有機性排水(以下、原水という)は原水導入管5を介して酵母優占室3に導入し、酵母優占室3には酵母を優占するための担体6を投入してある。汚泥混合処理水は活性汚泥優占室4から移送管7を介して系外に排出するので必要に応じ固液分離する。活性汚泥優占室4で生じた汚泥は管体8とポンプ9によって酵母活性化槽10に流入させるようにしてある。この酵母活性化槽10は酵母などの特定の微生物の処理能力(活性)を高めるものとし、酵母活性化槽10で活性化した酵母は管体11を介して酵母優占室3に流入させるようにしてある。
【0015】
ここで、担体6は、酵母を容易に絡みつかせるものであればその材質や形状を限定するものではなく、紐状、繊維状、筒状、モール状、マット状、スポンジ状、膜状などとすることができる。また、担体6は、活性炭、リンポー、リングレース、バイオフリンジなどと代替することができる。さらに、酵母活性化槽10は、酵母培養槽、空曝気槽、第2酵母反応槽、可溶化槽とすることができ、可溶化槽は酸発酵槽、嫌気槽、アルコール発酵槽、一次沈殿池、易分解槽、汚泥減容化槽、細菌減容化槽とすることができる。なお、脱臭工程が存在する場合には、その工程の再生処理時に発生する微粉炭を活性炭として用いることができる。また、酵母活性化槽10を空曝気槽とする場合には、酵母の活性度を高めることが可能となる。
【0016】
この実施の形態1における排水処理装置では、酵母反応槽1内をスクリーン2によって酵母優占室3と活性汚泥優占室4に仕切ってあるので、担体6が酵母優占室3から活性汚泥優占室4に移動することがない。したがって、酵母優占室3では担体6に絡みついた酵母が優占し、酵母による反応が向上する。また、活性汚泥優占室4で生じた汚泥中の酵母を酵母活性化槽10によって活性化させて酵母優占室3に流入させるので、酵母による反応が更に向上する。
【0017】
さらに、酵母反応槽1が従来の酵母反応槽、酵母沈殿槽、および活性汚泥反応槽を一体化したような構成となっているので、設置面積が減少する。また、担体6を利用しているので、従来の酵母沈殿槽が備わっていなくても、良好な水質が得られる。さらに、酵母と活性汚泥を共存させての高負荷処理が可能となり、油分も分解でき、必要に応じて後段に固液分離槽を設置することで、公共水域への放流も可能となる。そして、酵母活性化槽10によって酵母の活性すなわち酵母の菌数を良好に保つので、処理の際の酵母の寄与率が向上する。
【0018】
なお、この実施の形態1における排水処理装置では、酵母反応槽1の酵母優占室3に担体6を投入したが、担体6は必ずしも流入させる必要はない。また、酵母反応槽1は回分処理または膜処理とすることも可能であり、回分処理とする場合には酵母反応槽1にデカンタなどの上澄水移送手段を設けるのが好ましい。また、活性汚泥優占室4には担体6が入っていても良い。
【0019】
実施の形態2.
図2はこの発明を実施するための実施の形態2における排水処理装置を示すものである。この排水処理装置の酵母反応槽21の内部は、通水部を有する仕切壁22によって2つの室に仕切り、酵母優占室23と活性汚泥優占室24を設けてある。原水は原水導入管25を介して酵母優占室23に導入し、酵母優占室23には酵母を優占するための担体26を投入してある。汚泥混合処理水は活性汚泥優占室24から移送管27を介して固液分離槽28に排出するようにしてある。固液分離槽28で生じた処理水は処理水排出管29を介して系外に排出し、固液分離槽28で生じた汚泥は、管体30とポンプ31によって酵母活性化槽32に流入させるようにしてある。そして、酵母活性化槽32で活性化した酵母は、管体33を介して酵母優占室23に流入させるようにしてある。
【0020】
担体26は実施の形態1における担体6と同様なものとしてある。固液分離槽28は、酵母反応槽21から流入した汚泥混合処理水を上層の清澄な処理水と下層の酵母含有活性汚泥とに重力によって分離するようにしてある。しかし、固液分離方法は限定するものではなく、膜分離方法を採用したもの、デカンタ、濃縮機などの機械分離方法を採用したものとすることができる。酵母活性化槽32も実施の形態1における酵母活性化槽10と同様なものとしてある。したがって、この実施の形態2における排水処理装置では、固液分離槽28が従来の酵母沈殿槽と活性汚泥沈殿槽の役割をするので、設置面積が減少する。また、酵母反応槽21を酵母優占室23と活性汚泥優占室24に仕切ってあるとともに、酵母活性化槽32を備えているので、実施の形態1と同様な効果が得られる。なお、酵母優占室23と活性汚泥優占室は複数槽に仕切ること可能である。
【0021】
実施の形態3.
図3はこの発明を実施するための実施の形態3における排水処理装置を示すものであり、図2と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、酵母反応槽21Aの内部を2つの仕切壁22によって3つの室に仕切ってある点で実施の形態2における酵母反応槽21と異なっている。すなわち、酵母反応槽21A内には、酵母と活性汚泥が共存する中間室34を酵母優占室23と活性汚泥優占室24の間に設けてある。管体33は酵母優占室23につながる管体33aと中間室34につながる管体33bとに分岐されている。そのため、活性化槽32で活性化されて酵母優占室23と中間室34に流入する酵母の流入量をコントロールすることができる。したがって、この実施の形態3における排水処理装置は、実施の形態2と同様な効果が得られるうえに、酵母と活性汚泥が共存する中間室34を酵母反応槽21Aに設けたことにより、処理効率が更に向上する。
【0022】
実施の形態4.
図4はこの発明を実施するための実施の形態4における排水処理装置を示すものであり、図3と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、酵母反応槽21Bの酵母優占室23内の汚泥混合水と浮遊担体とを循環させる管体35を設けてあるとともに、この管体35に濃縮機36を設けてある点で実施の形態3における排水処理装置と異なっている。この実施の形態4における排水処理装置では、酵母反応槽21Bの酵母優占室23内の酵母を濃縮して酵母優占室23に戻すので、酵母による処理効率が更に向上する。
【0023】
実施の形態5.
図5はこの発明を実施するための実施の形態5における排水処理装置を示すものであり、図4と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置の酵母反応槽21Cは、実施の形態4におけると同様な大きさの3つずつの酵母優占室23、中間室34、および活性汚泥優占室24をそれぞれ並列させて配置してある。このため、原水は原水導入管25から第1の分流管38によって分流させて酵母優占室23に個々に流入させ、各酵母優占室23で生じた汚泥混合処理水は第1の合流管39によって合流させるようにしてある。
【0024】
同様に、酵母優占室23からの合流水は、第2の分流管40によって分流させて中間室34に個々に流入させ、各中間室34で生じた汚泥混合処理水は第2の合流管41によって合流させるようにしてある。さらに、中間室34からの合流水は第3の分流管42によって分流させて活性汚泥優占室24に個々に流入させ、各活性汚泥優占室24で生じた汚泥混合処理水は第3の合流管43と移送管27によって固液分離槽28に排出するようにしてある。そして、酵母活性化槽32で活性化した酵母は、原水導入管25に流入させるとともに、第1の合流管39と第2の分流管40の間に流入させるようにしてある。
【0025】
実施の形態6.
図6はこの発明を実施するための実施の形態6における排水処理装置を示すものである。この排水処理装置は、酵母反応槽51、固液分離槽52、および酵母活性化槽53を備えているが、原水は原水導入管54を介して酵母活性化槽53に導入するようにしてある。そして、酵母活性化槽53で活性化した酵母は混合液導入管55を介して酵母反応槽51に流入させるようにしてある。この際に、原水の一部は原水分流管56によって酵母反応槽51に直接導入するようにしてある。酵母反応槽51には担体57を投入してあり、酵母反応槽51で生じた汚泥混合処理水は移送管58を介して固液分離槽52に流入させるようにしてある。そして、固液分離槽52で生じた清澄な処理水は処理水排出管59を介して系外に排出し、固液分離槽52で生じた汚泥は管体60を介して酵母活性化槽53に流入させるようにしてある。
【0026】
この実施の形態6における排水処理装置では、酵母活性化槽53において酵母などの微生物を増殖させるので、処理効率が向上するとともに、処理対象となる原水の範囲が広がる。なお、酵母反応槽51から汚泥を酵母活性化槽53に流入させること、または酵母活性化槽53に流入させる原水の量と酵母反応槽51に流入させる原水の量との比率を変えることによっても、同様な効果が得られる。
【0027】
実施の形態7.
図7はこの発明を実施するための実施の形態7における排水処理装置を示すものであり、図6と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、全ての原水が原水導入管54から酵母反応槽51に直接流入するようにしてある点、および酵母活性化槽53で活性化した酵母を管体61によって酵母反応槽51に流入させるようにしてある点で実施の形態6における排水処理装置と異なっている。したがって、この実施の形態7における排水処理装置では、酵母反応槽51に原水と酵母が流入することにより処理効率が向上し、その他には実施の形態6と同様な効果が得られる。
【0028】
実施の形態8.
図8はこの発明を実施するための実施の形態8における排水処理装置を示すものであり、図6と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、実施の形態6における酵母活性化槽53の代りに酸発酵槽62を設けてある点で実施の形態6の排水処理装置と異なっている。この場合に、固液分離槽52で生じた汚泥は管体60の分岐部60aと分岐部60bを介して酵母反応槽51と酸発酵槽62にそれぞれ流入させるようにしてある。ここに、酸発酵槽62は、原水中の有機性物質を低分子化するとともに、酸を発酵させるものとしてある。したがって、この実施の形態8における排水処理装置では、実施の形態6と同様な効果が得られる。なお、酸発酵槽62に高濃度の原水を流入させて酸発酵槽62を嫌気状態にすれば、発生汚泥量が減少するとともに、硫酸の使用量が減少する。また、酸発酵槽62は酵母培養槽と代替することができる。
【0029】
実施の形態9.
図9はこの発明を実施するための実施の形態9における排水処理装置を示すものであり、図8と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、酵母反応槽51の上段に第2酵母反応槽(油分除去槽)63を設けてあるとともに、この第2酵母反応槽63の上段に油分分離槽64を設けてある点で実施の形態8における排水処理装置と異なっている。この場合に、原水の全ては原水導入管54を介して油分分離槽64に導入し、油分分離槽64で分離した上層の油分は管体65を介して第2酵母反応槽63に導入するようにしてある。また、第2酵母反応槽63で油分が除去された原水は管体66を介して酵母反応槽51に流入させるとともに、油分分離槽64で油分が分離した原水は管体67を介して酵母反応槽51に直接流入させるようにしてある。
【0030】
この実施の形態9における排水処理装置では、油分分離槽64において原水から油分を分離し、この分離した油分を第2酵母反応槽63において除去するので、負荷条件から第2酵母反応槽63の酵母の濃度が高まり、処理効率が向上する。この結果として、酵母反応槽51や従来の活性汚泥槽、嫌気槽などの後段の選択肢が広くなる。なお、固液分離槽52からの汚泥は、管体61を介して酵母反応槽51に流入させるばかりでなく、管体61aを介して第2酵母反応槽63にも流入させるように構成することも好ましい。
【0031】
実施の形態10.
図10はこの発明を実施するための実施の形態10における排水処理装置を示すものであり、図7と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、酵母反応槽51に担体57を投入していない点、および固液分離槽52に対して撹拌機68とサイクロン69を設けてある点で実施の形態7における排水処理装置と異なっている。撹拌機68は固液分離槽52の底部に沈降した汚泥を撹拌するものとし、サイクロン69は固液分離槽52から管体70を介して導いた汚泥から砂を回収して固液分離槽52に流入させるものとしてある。したがって、この実施の形態10における排水処理装置では、汚泥から回収した砂を再利用するので、凝集剤を添加しなくても沈殿効率が向上する。
【0032】
実施の形態11.
図11はこの発明を実施するための実施の形態11における排水処理装置を示すものであり、図7と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置では、酵母反応槽51に曝気手段71を設置してある。この曝気手段71は、酵母反応槽51内に配置した散気管72、酵母反応槽51の外部に配置したブロワ73、および散気管72とブロワ73を接続した管体74によって構成してある。そして、管体74の途中に第1イオン発生器75を配設し、移送管58に第2イオン発生器76を配設してある。第1イオン発生器75は、曝気手段71で発生する気泡が微細でありつづけるために設置してある。また、第2イオン発生器76は、微細気泡を粗大化させるために設置してある。
【0033】
したがって、この実施の形態11における排水処理装置では、第1イオン発生器75で発生したマイナスイオンが酵母反応槽51内の原水中の微細な気泡に混入し、マイナスイオンの電荷によって微細気泡同士が互いに反発することで合泡せず、微細気泡の状態が長時間保たれる。このことは、曝気手段71が微細な空気を噴出する場合や、曝気手段71が純酸素を用いた場合にも同様となる。また、第2イオン発生器76で発生したプラスイオンが酵母反応槽51からの上澄水に混入し、電荷を中和して合泡するので、微細気泡による汚泥の沈降阻害を防止する。
【0034】
実施の形態12.
図12は、この発明を実施するための実施の形態12における排水処理装置の要部を説明するものである。この排水処理装置は、回分式の酵母反応槽81を備えているとともに、この酵母反応槽81を回分式活性汚泥法によって制御する制御設備82を備えている。酵母反応槽81には担体83を投入してあるうえに、曝気手段84とデカンタ85を設置してある。原水は酵母反応槽81に原水導入管86、ポンプ87、および開閉弁88によって導入するようにしてある。デカンタ85からの上澄水は管体89、開閉弁90、およびポンプ91によって系外に排出するようにしてある。そして、上澄水の一部は、管体89に配設した方向制御弁92と管体93を介して酵母活性化槽94に導入し、酵母活性化槽94で活性化した酵母は管体95を介して酵母反応槽81に流入させるようにしてある。
【0035】
曝気手段84は、酵母反応槽81の底部に配置した散気管96、酵母反応槽81の外部に配置したブロワ97、および散気管97とブロワ97を接続した管体98によって構成することができる。そして、制御設備82は、デカンタ85、ポンプ87、開閉弁88、開閉弁90、ポンプ91、方向制御弁92、ブロワ97などを制御するようにしてある。この場合に、制御設備82は、図13に示すように、流入工程、曝気工程、沈殿工程、および排出工程を時系列に行わせるとともに、曝気工程と沈殿工程の間に微細気泡を流入させる工程を行わせるようにし、沈降しにくい汚泥を浮上分離させ、処理水を中間から取るようにしてある。
【0036】
実施の形態13.
図14はこの発明を実施するための実施の形態13における排水処理装置を示すものである。この排水処理装置は、酵母反応槽111に原水導入管112と上澄水移送管113を備えている。酵母反応槽111内には、上下に通水部114、115をそれぞれ有する2つの仕切壁116によって3つの室、すなわち中央に位置する比較的大容量の1つの曝気室117と、左右に位置する比較的少容量の2つの無曝気室118を設けてある。そして、中央の曝気室117の下部に大きな容量の曝気手段119を配置し、同じ曝気室117の上部に小さな容量の曝気手段120を配置してある。下部の曝気手段119は散気管121、ブロワ122、および管体123によって構成し、上部の曝気手段120は散気管124、ブロワ125、および管体126によって構成してある。そして、下部の曝気手段119の管体123には、純酸素発生機127を配設してある。
【0037】
通常、下部の曝気手段119が散気管121から空気を噴出する場合には、その気泡は大きいので、酵母反応槽111の内部に循環流が容易に発生する。しかし、純酸素発生機127が作動して下部の曝気手段119が純酸素を噴出する場合には、気泡の大きさが微細であるので、酵母反応槽111の内部に循環流が発生し難い。このため、この実施の形態13では上部の曝気手段120の散気管124からも散気するので、この散気管124から噴出した大きな気泡が下部の曝気手段119の散気管121からの微細気泡を合泡する。これにより、酵母反応槽111内の原水に粗大気泡の大きな上昇力が加わり、酵母反応槽111内に循環流が発生する。
【0038】
以上、実施の形態1〜12において用いた酵母活性化槽10、32、53、94は、酵母を活性化できるのであれば、その構成を限定するものではないが、例えば図15に示すような構成や、図16に示すような構成とすることが可能である。すなわち、図15に示す酵母活性化槽131は一端132および他端133を有する円筒体とし、酵母を含んだ担体と酵母を含んだ活性汚泥との混合液を収容するようにしてある。酵母活性化槽131は、その軸線を水平に対して傾斜させて、その軸線の周りに回転可能に設置してある。そして、酵母活性化槽131の内周面には複数のガイド板134を一定の間隔で設けてある。
【0039】
このような酵母活性化槽131では、固液分離槽から汚泥を酵母活性化槽131の一端132に流入させ、活性化した酵母は酵母活性化槽131の他端133から酵母反応槽に向けて流出させるのが好ましい。この際に、酵母活性化槽131が回転すると、ガイド板134は酵母担体(酵母を含んだ担体)と酵母汚泥(酵母を含んだ活性汚泥)との混合液を撹拌し、その混合液を一端132側から他端133側へ移動させる。なお、酵母活性化槽131の内部は、曝気手段や表面曝気によって好気性状態に維持するのが好ましい。また、酵母活性化槽131の容量はSRTなどを考慮して決定するのが好ましく、SRTは12〜24時間、混合液のpHは4.5程度に維持することが望ましいが、SRTは6〜48時間とし、混合液のpHは4〜6程度に維持できればよい。
【0040】
他方、図16に示す酵母活性化槽141内は、1つの仕切壁142によって仕切ってあり、比較的小容量の第1室143と比較的大容量の第2室144を設けてある。原水からの管体145は第1室143に接続し、酵母反応槽への管体146は第2室144に接続してある。仕切壁142は、上部の鉛直部147と下部の傾斜部148を有している。鉛直部147には多数の孔149を設け、傾斜部148の下端には開口を設けて移送管の役目をもたせてある。そして、第1室143の下部を簡易沈殿部150とし、この簡易沈殿部150に沈殿した汚泥は管体151を介して系外に排出するようにしてある。このように、酵母活性化槽141に流入した原水から簡易沈殿部150においてSS分を取り除くことにより、余分な負荷が減り、酵母の活性をあげることができる。
【0041】
実施の形態14.
図17および図18は、この発明を実施するための実施の形態14における排水処理装置を示すものである。この排水処理装置の好気性処理槽161は例えば酵母反応槽または活性汚泥反応槽として利用できるものであり、上側通水部162と下側通水部163をそれぞれ有する2つの仕切壁164によって3つの室に仕切り、中央の比較的大容量の曝気室165と左右2つの比較的小容量の無曝気室166とを設けてある。そして、曝気室165は曝気手段167によって曝気するようにしてある。この曝気手段167は、曝気室165の底部に密に配設した複数の散気管168と、好気性処理槽161の外部に配置した図示しない空気源と、これらの散気管168と空気源を接続した管体169によって構成できる。
【0042】
ここで、曝気室165の容積と無曝気室166の容積との比は、10対1〜10対10(1対1)とするのが好ましい。また、上側通水部162の面積と下側通水部163の面積とは、無曝気室166の横断面積の50〜200%とするのが好ましい。そして、曝気手段167の散気管168から噴出する空気量は、空気源の圧力または散気管168の孔径を変化させることによって制御し得るように構成するのが好ましい。
【0043】
この好気性処理槽161において、曝気手段167の散気管168から曝気室165に空気が噴出すると、曝気室165に上昇流が発生し、原水が左右の無曝気室166から下側通水部163を通って曝気室165に流入するとともに、曝気室165から上側通水部162を通って無曝気室166に流出し、原水が好気性処理槽161内で循環する。この循環流は、仕切壁164の下側通水部163を集中して流れる。
【0044】
このように、この実施の形態14における排水処理装置では、原水が仕切壁164の下側通水部163を集中して流れるので、原水中の汚泥濃度が高い場合でも、汚泥が好気性処理槽161の底部に堆積することがなく、処理効率が向上する。また、曝気室165に曝気手段167の散気管168を密に配置してあるので、散気管168から曝気室165全体に大量の空気を噴出することができ、酸素供給能力が向上する。
【0045】
なお、曝気手段167の空気源の圧力、すなわち散気管168から噴出する空気量を時間的に制御すれば、循環流の強さを制御できる。また、散気管168の孔径を小さくすれば、そこから噴出する気泡径が小さくなるので、気泡の上昇速度が小さくなり、原水の単位容積あたりの空気含有量が多くなる。このため、エアリフト効果が向上し、空気供給量が増加した場合と同様な効果が得られる。
【0046】
実施の形態15.
図19および図20はこの発明を実施するための実施の形態15における排水処理装置を示すものであり、図17および図18と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置の好気性処理槽161Aは、内部を2つの仕切壁164によって中央の強曝気室170と左右2つの弱曝気室171に仕切ってある点で実施の形態14における好気性処理槽161と異なっている。すなわち、強曝気室170は強い曝気力の曝気手段172によって曝気し、弱曝気室171は弱い曝気力の曝気手段173によって曝気するようにしてある。このため、強曝気室170には曝気手段172の散気管174を配置し、弱曝気室171には曝気手段173の散気管175を配置してある。なお、曝気手段172、173の散気管174、175は、それぞれ管体176、177を介して別々の空気源に接続してある。
【0047】
この実施の形態15における好気性処理槽161Aでは、弱曝気室171に配設した散気管175の単位面積あたりの空気供給量が強曝気室170に配設した散気管174の単位面積あたりの空気供給量よりも小さいので、強曝気室170には上昇流が発生し、弱曝気室171には下降流が発生する。この際に、弱曝気室171も曝気するので、酸素供給量が増加し、処理効率が更に向上する。なお、この実施の形態15における好気性処理槽161Aでも、散気管174、175の孔径や空気源の圧力を変化させ得ることは言うまでもない。また、散気管175から純酸素を発生させて微細気泡にすることで、効率はより向上する。
【0048】
実施の形態16.
図21および図22はこの発明を実施するための実施の形態16における排水処理装置を示すものであり、図17および図18と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置の好気性処理槽161Bは、曝気手段167の散気管168を水深の3分の1の位置よりも上方に配置してある点で実施の形態14における排水処理装置と異なっている。すなわち、図示する距離A(水面と散気管168との垂直距離)と距離B(散気管168と底壁と垂直距離)との関係を3B≧A+Bとしてある。
【0049】
この実施の形態16における好気性処理槽161Bでは、中央の曝気室165に上昇流が発生し、左右の無曝気室166に下降流が発生するので、実施の形態14と同様な効果が得られる。そのうえに、散気管168を水深の3分の1の位置よりも上方に配置してあるので、水深が深い場合でも比較的浅い位置で曝気できることになる。したがって、比較的低圧で全体を曝気できるようになるので、曝気効率が向上し、コストが低下する。
【0050】
実施の形態17.
図23および図24はこの発明を実施するための実施の形態17における排水処理装置を示すものであり、図21および図22と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置の好気性処理槽161Cでは、2つの仕切壁164を左右の中間に間隔をおいて設け、2つの仕切壁164の外側を比較的大きな容量の曝気室165とし、2つの仕切壁164の内側を比較的小さな容量の無曝気室166としてある点で実施の形態16における好気性処理槽161Bと異なっている。この場合に、曝気室165の曝気手段167の散気管168は、実施の形態16における場合と同様に水深の3分の1の位置よりも上方に配置してある。
【0051】
したがって、この実施の形態17における排水処理装置では、左右の曝気室165に上昇流が発生し、中央の無曝気室166に下降流が発生する。このため、循環流に泡が生じても、その泡が中央の無曝気室166内に引き込まれ、泡が好気性処理槽161Cの外部に流出することはない。また、泡が水面下に引き込まれるので、泡が物理的に消滅する。
【0052】
実施の形態18.
図25および図26はこの発明を実施するための実施の形態18における排水処理装置を示すものであり、図17および図18と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置の好気性処理槽161Dでは、仕切壁164を好気性処理槽161Dの左右の中間に設けて左右2つの曝気室165を設けてある点で実施の形態14における好気性処理槽161と異なっている。この場合に、双方の曝気室165にそれぞれ曝気手段167の散気管168を配置し、散気管168から噴出する空気を量的および時間的に変化させるようにしてある。
【0053】
この実施の形態18では、散気手段167の散気管168から噴出する空気を量的および時間的に変化させるようにしてあるので、図26に示すように、一方(図に向かって左側)の曝気室165の散気管168から噴出する空気量を他方(図に向かって右側)の散気管168から噴出する空気量よりも多くした場合には、一方の曝気室165に上昇流が発生し、他方の曝気室165に下降流が発生する。したがって、この実施の形態18における排水処理装置では、循環流の強さつまり汚泥の撹拌強さを自由に設定できるので、実施の形態14と同様な効果が得られる。なお、好気性処理槽161Dの内部を複数の仕切壁164によって3以上の曝気室165に仕切り、各曝気室165に曝気手段167の散気管168をそれぞれ配置し、各散気管168から噴出する空気を量的または時間的に変化させるようにも構成できる。
【0054】
実施の形態19.
図27および図28はこの発明を実施するための実施の形態19における排水処理装置を示すものであり、図23および図24と同じ部分に同じ符号を付して重複説明を省略する。この排水処理装置は、好気性処理槽161Eの内部を2対の仕切壁164によって3つの曝気室165と2つの無曝気室166に仕切ってある点で実施の形態17における排水処理装置と異なっている。すなわち、好気性処理槽161Eは平面形状が原水の流れる方向に細長くして、その内部に上流側から曝気室165、無曝気室166、曝気室165、無曝気室166、および曝気室165を順次に設けてある。そして、各曝気室165に曝気手段167の散気管168を密に配置してある。この場合にも、曝気室165と無曝気室166との比は10対1〜1対1とするのが好ましい。
【0055】
図28に示すように、好気性処理槽161Eに流入した原水は、最上段の曝気室165において上昇流となり、その後段の無曝気室166において下降流となり、中央の曝気室165において再び上昇流となり、その後段の無曝気室166において再び下降流となり、最下段の曝気室165において上昇流となる。したがって、この実施の形態19における排水処理装置では、好気性処理槽161Eの全体形状が極端な長方形である場合や、水深に対する水面の面積が大きい場合に、曝気室165と無曝気室166を比較的自由に配置できるので、好気性処理槽161Eの底部を良好に撹拌でき、実施の形態17と同様な効果が得られる。
【0056】
なお、上記実施の形態14〜19において、曝気室165の容積と無曝気室166の容積との比は10対1〜1対1とし、上側通水部162の面積と下側通水部163の面積とは無曝気室166の横断面積の50〜200%としたが、それらは限定するものではなく、好気性処理槽161、161A〜161Eの形状と容積、曝気手段167、172、173の散気管168、174、175から吐出する空気量などに応じて変化させることができる。また、散気管168、174、175の種類も限定するものではなく、高速散気板、多孔管、スタティックミキサー、袋状管など、ほぼ全ての散気管を適用できる。
【0057】
実施の形態20.
図29は、この発明を実施するための実施の形態20における排水処理装置を示すものである。この排水処理装置は、前段側の第1酵母反応槽181と後段側の第2酵母反応槽182を備え、更に第1酵母反応槽181の前段側に流量調整槽(負荷調整槽)183を備えている。第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182は回分式、すなわち、流入工程、処理工程、沈殿工程、排出工程などを時系列で行うものとしてある。流量調整槽183は、例えば水産加工排水などの原水を貯留して、第1酵母反応槽181に流出する原水の量、つまり負荷を調整するものとしてある。
【0058】
第1酵母反応槽181は、流量調整槽183から流入した原水を滞留させ、酵母含有活性汚泥を増殖させるとともに、油分を除去して第2酵母反応槽182の負荷を軽減するものとしてある。第2酵母反応槽182は、第1酵母反応槽181から流入した低濃度の上澄水を滞留させ、酵母含有活性汚泥を増殖させるとともに、固液分離するものとしてある。したがって、第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182は、従来の酵母反応槽、酵母沈殿槽、活性汚泥反応槽、および活性汚泥沈殿槽の作用を呈するものとしてある。
【0059】
流量調整槽183には原水を原水導入管184によって導入するようにしてある。流量調整槽183と第1酵母反応槽181との間には、流量調整槽183内の原水を第1酵母反応槽181内に移送する原水移送手段185を設けてある。双方の酵母反応槽181、182には、酵母反応槽181、182内の原水に含まれる酵母の活性度、活性汚泥の活性度、および生物相を時間的または空間的に調整するために酵母菌を酵母反応槽181、182内にそれぞれ注入する酵母注入手段186、187をそれぞれ配置してある。また、酵母反応槽181、182には、それらの内部を曝気して好気性に保持する曝気手段188、189をそれぞれ設置してある。
【0060】
さらに、第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182との間には、第1酵母反応槽181で生じた低濃度の上澄水を第2酵母反応槽182に排出する上澄水移送手段190を設けてあり、第1酵母反応槽181には沈降した汚泥を系外に引き抜くための汚泥引抜手段191を設けてある。第2酵母反応槽182には、そこで生じた清澄な処理水を系外に排出する処理水排出手段192を設けてあるとともに、沈降した汚泥を系外に引き抜くための汚泥引抜手段193を設けてある。
【0061】
原水移送手段185は、流量調整槽183内の底部に配設したポンプ194と、このポンプ194に一端を接続し他端を第1酵母反応槽181内に開口させた管体195によって構成できる。また、曝気手段188、189はそれぞれ、酵母反応槽181、182の底部にそれぞれ配置してある散気管196と、酵母反応槽181、182の外部にそれぞれ配置してあるブロワ197と、散気管196とブロワ197をそれぞれ連結する管体198によって構成できる。
【0062】
なお、流量調整槽183は、第1酵母反応槽181への原水の投入量を調整できるのであれば、その構成を限定するものではない。また、原水移送手段185、上澄水移送手段190、汚泥引抜手段191、処理水排出手段192、汚泥引抜手段193などは、ポンプによる強制移送、重力による自然流下などの構成を用いることができる。さらに、酵母注入手段186、187は、酵母の活性度、活性汚泥の活性度、および生物相を除去対象物質またはその濃度に合せて時間的または空間的に調整できるのであれば、その構成を限定するものではない。酵母反応槽181、182の各沈殿工程時の汚泥をそれぞれ酵母注入手段186、187へ戻し、酵母活性化槽として利用することもできる。そして、曝気手段188、189は、酵母反応槽181、182内を空気または純酸素によって曝気できるのであれば、多段式散気装置、ディスク型散気装置、筒状散気装置、ドラフトチューブ型散気装置などを用いることができる。
【0063】
また、活性汚泥の増殖速度は酵母の増殖速度よりも大きいので、活性汚泥が酵母反応槽181、182内を優占することなく酵母と活性汚泥の双方が共存するためには、酵母反応槽181、182内のpHを酵母の生息に有利な5.0〜7.0とするのが好ましく、5.5〜6.0とするのがより好ましい。そして、酵母注入手段186、187から注入する酵母菌としては、トリコスポロン(trichosporon)属、キャンディダ(candida)属、ハンゼヌラ(hansenula)属、サッカロマイセス(saccharomyces)属、クルイベロマイセス(kluyveromyces)属などを利用できる。しかし、酵母菌の種類は、有機性物質を資化できるのであれば、上記以外のものも利用できる。
【0064】
ここで、第1酵母反応槽181は回分式としてあるので、そこでは4つの工程、すなわち、流入工程、処理工程、沈殿工程、および排出工程が進行する。流入工程では、原水が流量調整槽183から第1酵母反応槽181に流入する。処理工程では、酵母注入手段186が酵母菌を第1酵母反応槽181に注入するとともに、曝気手段188が第1酵母反応槽181内を曝気し、流入した原水を活性汚泥の生物学的な吸着作用によって処理する。この間に、沈殿工程において、第1酵母反応槽181内で活性汚泥が沈殿し、その結果として低濃度の上澄水が生じる。排出工程では、上澄水移送手段190が上澄水を第2酵母反応槽182に移送する。
【0065】
このような第1酵母反応槽181では、第2の処理工程が再び進行する。この第2の処理工程では、上記沈殿工程の前の処理工程で吸着した有機性物質を生物学的酸化作用によって処理する。そして、この第2の処理工程の後に第2の流入工程が再び進行する。そして、第2の処理工程と第2の流入工程が終了した後に、汚泥引抜手段191が第1酵母反応槽181内の余剰汚泥を系外に引き抜く。
【0066】
同様に、第2酵母反応槽182も回分式としてあるので、そこでも流入工程、処理工程、沈殿工程、および排出工程が進行する。流入工程では、低濃度の上澄水が第1酵母反応槽181から流入する。処理工程では、酵母注入手段187が酵母菌を第2酵母反応槽182内に注入するとともに、曝気手段189が第2酵母反応槽182内を曝気し、流入した低濃度の上澄水を活性汚泥の生物学的な吸着作用と酸化作用によって処理する。この間に、沈殿工程において、第2酵母反応槽182では活性汚泥が沈殿し、その結果として清澄な処理水が生じる。排出工程では、処理水排出手段192が清澄な処理水を系外に排出する。また、必要に応じて、汚泥引抜手段193が第2酵母反応槽182内に生じた余剰汚泥を系外に引き抜く。
【実施例1】
【0067】
水産加工排水を原水とし、上記実施の形態20における排水処理装置を用いて処理した。その他の実施条件は次のようであった。すなわち、第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182のそれぞれの容積は12L(リットル)、処理水の量は20L/日であった。原水の水質は、BOD(生物化学的酸素要求量)が4,400mg/L、SS(浮遊物質)濃度が920mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が580mg/Lであった。
【0068】
第1酵母反応槽181における工程は次のようであった。0〜2.5時間目の流入工程において原水が第1酵母反応槽181に流入し、0〜2.5時間目の処理工程において活性汚泥の吸着作用を主とする処理が進行し、3〜5時間目の排出工程において低濃度の上澄水が第1酵母反応槽181から第2酵母反応槽182に流出した。この排出工程の後に、5〜8時間目に再び処理工程になり、0〜2.5時間目の処理工程において吸着した有機性物質を酸化分解した。
【0069】
この間に、5〜7時間目には酵母の活性度を高めるために第1酵母反応槽181内のpHを5.6〜5.8に調整し、7〜8時間目には活性汚泥の活性度を阻害しないようにpHを中性に調整した。このpHの調整は、活性汚泥の活性度を高めることによって、酵母が処理しきれなかった低濃度の有機性物質を活性汚泥に処理させるために行った。その後に、0〜2時間目に再び流入工程となったが、この流入工程では、活性汚泥の活性度を高めてその吸着作用を促進させるために、pHを中性に調整した。
【0070】
このようにして、第1酵母反応槽181のBOD−SS負荷を1.3kg/kg・日として運転した結果、第1酵母反応槽181で生じた低濃度の上澄水の平均水質は、BODが300mg/L、SS濃度が100mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が37mg/Lとなった。これらの結果を含むその他の結果を表1の「第1酵母反応槽」の欄に示す。
【0071】
他方、第2酵母反応槽182における工程は次のようであった。3〜5時間目の流入工程において低濃度の上澄水が第1酵母反応槽181から第2酵母反応槽182に流入し、3〜8時間目の処理工程において流入水を活性汚泥の吸着酸化作用によって処理し、1〜3時間目の沈殿工程および排出工程において清澄な処理水を得た。この際に、第2酵母反応槽182に流入した低濃度の上澄水は、従来の活性汚泥による処理が可能な状態であったため、酵母注入手段187は用いなかった。
【0072】
このようにして、第2酵母反応槽182のBOD−SS負荷を0.22kg/kg・日として運転した結果、第2酵母反応槽182で生じた清澄な処理水の平均水質は、BODが12mg/L、SS濃度が10mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が8mg/Lとなった。これらの結果を含むその他の結果を表1の「第2酵母反応槽」の欄に示す。
【0073】
【表1】

【実施例2】
【0074】
実施例1と同様な原水、排水処理装置、および運転工程を用いた。酵母反応槽181、182のそれぞれの容積は、実施例1と同様に12L(リットル)、処理水の量は20L/日であった。原水の水質は、BODが1,260mg/L、SS濃度が310mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が200mg/Lであった。
【0075】
第1酵母反応槽181のBOD−SS負荷を0.61kg/kg・日として運転した結果、第1酵母反応槽181で生じた低濃度の上澄水の平均水質は、BODが110mg/L、SS濃度が68mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が5mg/L未満となった。そして、第2酵母反応槽182のBOD−SS負荷を0.24kg/kg・日として運転した結果、清澄な処理水の平均水質は、BODが15mg/L、SS濃度が10mg/L、ヘキサン抽出物質濃度が5mg/L未満となった。これらの結果を含むその他の結果を表2に併せて示す。
【0076】
【表2】

【0077】
比較例1.
従来の酵母反応槽、酵母沈殿槽、活性汚泥反応槽、および活性汚泥沈殿槽からなる排水処理装置を用い、酵母処理と活性汚泥処理を組み合わせて水産加工排水を処理した。その結果は表3に示すようであった。表3に示すように、BOD−SS負荷を1.1kg/kg・日とし、pHを5.6〜5.8として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが110mg/L、SSが80mg/L、ヘキサン抽出物質が29mg/Lとなった。さらに、酵母処理水を活性汚泥反応槽に対してBOD−SS負荷を0.18kg/kg・日として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが12mg/L、SSが13mg/L、ヘキサン抽出物質が12mg/Lとなった。
【0078】
【表3】

【0079】
比較例2.
従来の酵母処理と連続方式の活性汚泥処理とを組み合わせた排水処理装置よって水産加工排水を処理した。その結果は表4に示すようであった。表4に示すように、BOD−SS負荷を0.42kg/kg・日とし、pHを5.6〜5.8として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが56mg/L、SSが47mg/L、ヘキサン抽出物質が5mg/L未満であった。さらに、酵母処理水を活性汚泥反応槽に対してBOD−SS負荷を0.09kg/kg・日として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが22mg/L、ヘキサン抽出物質が5mg/L未満であった。この場合に、解体した汚泥が処理水中に混入し、SSは23mg/Lであった。
【0080】
【表4】

【0081】
比較例3.
従来の回分式の酵母処理と連続方式の活性汚泥処理とを組み合わせた排水処理装置によって水産加工排水を処理した。その結果は表5に示すようであった。表5に示すように、BOD−SS負荷を1.6kg/kg・日とし、pHを5.6〜5.8として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが120mg/L、ヘキサン抽出物質が26mg/Lであった。さらに、酵母処理水を活性汚泥反応槽に対してBOD−SS負荷を0.20kg/kg・日として運転した結果、処理水の平均水質は、BODが12mg/L、ヘキサン抽出物質が15mg/Lであった。
【0082】
【表5】

【0083】
以上のように、実施の形態20における排水処理装置では、第1酵母反応槽181、第2酵母反応槽182、および流量調整槽183の3槽で従来と同様な水質またはそれ以上の水質の処理水を得ることができる。この場合に、第1酵母反応槽181または第2酵母反応槽182は従来の酵母処理槽よりも若干大きくなるが、従来の酵母沈殿槽や活性汚泥沈殿槽が不要となるので、設置面積つまり設備コストが減少する。
【0084】
また、第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182に回分式を導入したので、酵母含有活性汚泥が長時間に亘って嫌気的になることを防止でき、処理性能を安定して良好に維持できる。また、酵母の活性度、活性汚泥の活性度、および生物相を第1酵母反応槽181と第2酵母反応槽182のそれぞれにおいて空間的または時間的に調整できるので、原水を従来よりも安定して処理できる。さらに、流入する負荷に変動が生じた場合でも、流量調整槽183によって第1酵母反応槽181に流入する原水の量を調整できるので、処理性能を良好に維持できる。そして、ヘキサン抽出物質が減少するので、油分の少ない処理水を得ることができ、油分を除去するための装置が不要となり、設置面積が更に減少する。
【0085】
なお、実施の形態20における排水処理装置では、第2酵母反応槽182に流入する低濃度の上澄水の有機性物質濃度やヘキサン抽出物質濃度が活性汚泥処理に弊害を及ぼす程に高い場合には、第2酵母反応槽182の酵母の活性度を上げることによって良質の処理水を得ることができる。また、2つの酵母反応槽181、182を設置したが、3つ以上の酵母反応槽を原水の有機性物質濃度、ヘキサン抽出物質濃度、および流入パターンに応じて直列、並列、または直列と並列の組合せにおいて設置することができる。さらに、流量調整槽183を第1酵母反応槽181の前段に設置したが、第1酵母反応槽181の後段に設置すれば、第2酵母反応槽182を従来の活性汚泥反応槽および活性汚泥沈殿槽と代替することも可能となる。
【0086】
また、複数の第1酵母反応槽181を並列に配置し、流入工程を連続させるように構成すれば、流量調整槽183を省くことが可能となる。例えば2つの第1酵母反応槽181を並列に配置した場合の運転工程は次のようにすることができる。すなわち、一方の第1酵母反応槽181では、0〜2時間目を流入工程および処理工程、2〜2.5時間目を沈殿工程、2.5〜3時間目を排出工程、3〜4時間目を第2の処理工程とすることができる。また、他方の第1酵母反応槽181では、0〜0.5時間目を沈殿工程、0.5〜1時間目を排出工程、1〜4時間目を処理工程、2〜4時間目を流入工程とすることができる。
【0087】
さらに、2つの第1酵母反応槽181を直列に配置するとともに、第2酵母反応槽182に撹拌手段を設け、処理工程中に曝気工程と撹拌工程を繰り返すように構成すれば、窒素を除去することが可能となる。この場合に、第1酵母反応槽181の運転工程を変更することによって第2酵母反応槽182に流入する有機性物質の負荷を調整すれば、その有機性物質は窒素を除去するための有機性物質源として利用することが可能となる。このような構成の第1酵母反応槽181では、0〜1.5時間目を第1の流入工程、0〜0.5時間目を第1の処理工程、0.5〜1時間目を第1の沈殿工程、1〜2時間目を第1の排出工程、2〜3.5時間目を第2の処理工程、3〜4.5時間目を第2の流入工程、3.5〜4時間目を第2の沈殿工程、4〜5時間目を第2の排出工程、5〜6時間目を第3の処理工程とすることができる。また、第2酵母反応槽182では、0〜1時間目を排出工程、1〜2時間目を第1の流入工程、1〜5時間目を処理工程、4〜5時間目を第2の流入工程、5〜6時間目を沈殿工程とすることができる。そして、1〜5時間目の処理工程のうち、撹拌工程は1〜1.75時間目、2〜2.75時間目、3〜3.75時間目、4〜4.75時間目の4回とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】この発明の実施の形態1を示す排水処理装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2を示す排水処理装置の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3を示す排水処理装置の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4を示す排水処理装置の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態5を示す排水処理装置の構成図である。
【図6】この発明の実施の形態6を示す排水処理装置の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態7を示す排水処理装置の構成図である。
【図8】この発明の実施の形態8を示す排水処理装置の構成図である。
【図9】この発明の実施の形態9を示す排水処理装置の構成図である。
【図10】この発明の実施の形態10を示す排水処理装置の構成図である。
【図11】この発明の実施の形態11を示す排水処理装置の構成図である。
【図12】この発明の実施の形態12を示す排水処理装置の構成図である。
【図13】この発明の実施の形態12における回文式処理工程の説明図である。
【図14】この発明の実施の形態13を示す排水処理装置の構成図である。
【図15】この発明の排水処理装置に使用し得る酵母活性化槽の斜視図である。
【図16】この発明の排水処理装置に使用し得る酵母活性化槽の構成図である。
【図17】この発明の実施の形態14を示す排水処理装置の平面図である。
【図18】この発明の実施の形態14を示す排水処理装置の側面図である。
【図19】この発明の実施の形態15を示す排水処理装置の平面図である。
【図20】この発明の実施の形態15を示す排水処理装置の側面図である。
【図21】この発明の実施の形態16を示す排水処理装置の平面図である。
【図22】この発明の実施の形態16を示す排水処理装置の側面図である。
【図23】この発明の実施の形態17を示す排水処理装置の平面図である。
【図24】この発明の実施の形態17を示す排水処理装置の側面図である。
【図25】この発明の実施の形態18を示す排水処理装置の平面図である。
【図26】この発明の実施の形態18を示す排水処理装置の側面図である。
【図27】この発明の実施の形態19を示す排水処理装置の平面図である。
【図28】この発明の実施の形態19を示す排水処理装置の側面図である。
【図29】この発明の実施の形態20を示す排水処理装置の構成図である。
【符号の説明】
【0089】
1、21、51、81、181 酵母反応槽
2 スクリーン
3、23 酵母優占室
4、24 活性汚泥優占室
6、26 担体
10、32、53、94、131 酵母活性化槽
22、116、142、164 仕切壁
28、52 固液分離槽
34 中間室
36 濃縮機
62 酸発酵槽
63、182 第2酵母反応槽
64 油分分離槽
68 攪拌機
69 サイクロン
71、84、119、124、167、172、173、188、189 曝気手段
75、76 イオン発生器
82 制御設備
85 デカンタ
129 純酸素発生機
134 ガイド板
150 簡易沈殿部
161、161A〜161E 好気性処理槽
162 上側通水部
163 下側通水部
165 曝気室
166 無曝気室
170 強曝気室
171 弱曝気室
183 流量調整槽(負荷調整槽)
186、187 酵母注入手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵母反応槽に担体を備え、且つ前記酵母反応槽に酵母活性化槽を備えることを特徴とする酵母を利用した排水処理装置。
【請求項2】
酵母反応槽に担体を備え、且つ前記酵母反応槽に可溶化槽を備えることを特徴とする酵母を利用した排水処理装置。
【請求項3】
前記酵母反応槽に制御設備を備え回分式活性汚泥法で運転可能とし、且つ微細気泡供給管を備えることを特徴とする請求項1に記載の酵母を利用した排水処理装置。
【請求項4】
前記酵母反応槽を複数の室に仕切り、前記室の少なくとも一つに曝気手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の酵母を利用した排水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−185596(P2007−185596A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−5365(P2006−5365)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(000147408)株式会社西原環境テクノロジー (44)
【Fターム(参考)】