説明

有機汚泥の乾燥処理システム及び乾燥処理方法

【課題】有機汚泥に含まれる水分の蒸発効率、及び有機汚泥の乾燥速度を高めることにより、有機汚泥の処理設備を小型化するとともに、凝縮水を効率よく処理することのできる乾燥処理システム等を提供する。
【解決手段】有機汚泥SLを乾燥させるための熱源を廃棄物焼却炉2から排出される450℃以下の排ガスG1とする有機汚泥乾燥装置4と、有機汚泥乾燥装置4による乾燥により発生した水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮装置8と、水蒸気凝縮装置8によって凝縮された水Wを焼却灰Aの水洗に利用する焼却灰水冷水洗装置10とを備える有機汚泥の乾燥処理システム1。さらに、有機汚泥乾燥装置4内、又はその前段に、有機汚泥SL中のたんばく質を分解する物質を添加する分解物質添加装置7を備えることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物焼却炉を利用して有機汚泥を乾燥させて処理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機汚泥を乾燥や炭化によって燃料化するにあたって、種々の装置及び方法が提案されている。例えば、特許文献1には、セメント製造工程におけるクリンカクーラーからの抽気ガスを熱源として利用して有機汚泥を乾燥させ、乾燥した有機汚泥をキルンバーナー等で燃焼処理し、乾燥工程において生じる排ガスは、セメント製造工程の700℃以上の部位に導入して脱臭することなどが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、予め製造した乾燥汚泥の表面に脱水ケーキを混合し、この混合汚泥を乾燥させた後の乾燥排ガスを乾燥ファンにて誘引し、誘引した乾燥排ガスの一部(1次乾燥排ガス)を第1のダクトを通じて高温空気と混合して混合汚泥の乾燥に用い、乾燥排ガスの残部(2次乾燥排ガス)を第2のダクトを通じて燃焼炉に導入して脱臭処理することなどにより、セメント工場で発生する高温空気を熱源として、安全で安定した有機汚泥の乾燥操作を行い、排ガスの脱臭処理について省エネルギー化を図る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−35189号公報
【特許文献2】特開2005−254055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、有機汚泥は、細胞壁の内部の生体水としての水分を約80%保有し、この水分を除去するための熱量と、乾燥後に燃料として用いた場合に得られる熱量とが略々拮抗している。そこで、有機汚泥の乾燥に要するコストをできるだけ低く抑えるため、従来、セメント製造工場で排出される廃熱を利用したり、有償の廃プラスチックを熱源とする方法が提案されている。その場合、例えば、プレヒータ排ガスの温度は最高で約450℃であり、廃プラスチックを熱源とする場合も、400℃以上で燃焼させようとした場合には、塩酸(HCL)による腐食が深刻な問題となる。腐食の問題については、技術的に解決可能であるが、その際、特殊な材料を用いる必要があるため、設備コストが高くなる。そのため、有機汚泥の乾燥には400℃以下の熱ガスを用いなければならず、この場合、有機汚泥の処理設備を小型化するためには、有機汚泥に含まれる水分の蒸発効率、及び有機汚泥の乾燥速度を高める工夫が必要となる。
【0006】
また、有機汚泥を処理する際には、有機汚泥の燃料化操作によって生じる悪臭を帯びた汚水や、排ガス処理のために新たなエネルギーや費用が発生する。有機汚泥を乾燥させた際に発生したガスは、そのほとんどを燃焼処理しているが、発生したガスに含まれる水蒸気まで燃焼処理を行うと、その分の熱量が必要となり、乾燥コストが増加する。そこで、水蒸気を凝縮させて分離処理する方法も提案されているが、凝縮水に関しての廃水処理について言及した提案は存在しない。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、有機汚泥に含まれる水分の蒸発効率、及び有機汚泥の乾燥速度を高めることにより、有機汚泥の処理設備を小型化するとともに、凝縮水を効率よく処理することのできる乾燥処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、有機汚泥の乾燥処理システムであって、有機汚泥を乾燥させるための熱源を廃棄物焼却炉から排出される450℃以下の排ガスとする有機汚泥乾燥装置と、該有機汚泥乾燥装置による乾燥により発生した水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮装置と、該水蒸気凝縮装置によって凝縮された水を焼却灰の冷却及び水洗に利用する焼却灰水冷水洗装置とを備えることを特徴とする。
【0009】
そして、本発明によれば、廃棄物焼却炉の廃熱を利用しながら、水蒸気を凝縮分離して水蒸気の燃焼処理を不要とし、凝縮水を焼却灰の水洗に利用することで焼却灰の水洗処理用水を賄うことができるため、設備コスト及び運転コストを低く抑えながら、有機汚泥の乾燥と焼却灰の冷却及び水洗とを同時に行うことができる。
【0010】
上記有機汚泥の乾燥処理システムに、さらに、前記有機汚泥乾燥装置内、又は該有機汚泥乾燥装置の前段に、前記有機汚泥中のたんばく質を分解する物質を添加する分解物質添加装置を設けることができ、分解物質添加装置より有機汚泥中のたんばく質を分解する物質を添加することにより、有機汚泥に含まれる細胞の細胞壁を破壊することができ、細胞壁の内部の生体水を露出させることで、この水分の蒸発効率を高め、ひいては有機汚泥を効率よく乾燥させることができる。
【0011】
上記有機汚泥の乾燥処理システムにおいて、前記熱源を、前記廃棄物焼却炉に付設された焼却ボイラーから排出される熱媒体とすることができる。焼却ボイラーから排出された過熱蒸気を用いることで、乾燥後の処理ガス量を低く抑え、ガス処理に要するコストを低減することができる。
【0012】
上記有機汚泥の乾燥処理システムにおいて、前記廃棄物焼却炉及び前記焼却灰水冷水洗装置を、セメント製造設備に隣接させ、該廃棄物焼却炉から発生する焼却灰を該焼却灰水冷水洗装置によって水洗し、水洗した焼却灰を該セメント製造設備においてセメント原料として利用することができる。これにより、有機汚泥の乾燥、焼却灰の水洗処理、及び焼却灰の利用をすべてセメント製造設備及びその近接地域で効率よく行うことができる。
【0013】
上記有機汚泥の乾燥処理システムにおいて、前記排ガス又は熱媒体によって前記有機汚泥を間接加熱することができる。これにより、有機汚泥を乾燥させた後のガスの処理が容易となり、設備コスト及び運転コストをさらに低く抑えることができる。
【0014】
また、本発明は、有機汚泥の乾燥処理方法であって、廃棄物焼却炉から排出される450℃以下の排ガスを熱源として有機汚泥を乾燥させ、該乾燥により発生した水蒸気を凝縮させ、該凝縮された水を焼却灰の冷却及び水洗に利用することを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、廃棄物焼却炉の廃熱を利用し、水蒸気の燃焼処理を不要とし、凝縮水で焼却灰の冷却と水洗処理用の水を賄うことで、設備コスト及び運転コストを低く抑えながら、有機汚泥の乾燥と焼却灰の水洗とを同時に行うことができる。
【0015】
上記有機汚泥の乾燥処理方法において、前記有機汚泥を乾燥させる前、又は前記有機汚泥の乾燥中に該有機汚泥中のたんばく質を分解する物質を添加することができる。これにより、有機汚泥に含まれる細胞の細胞壁を破壊し、細胞壁の内部の生体水を露出させることで、この水分の蒸発効率を高め、有機汚泥の乾燥効率を向上させることができる。
【0016】
上記有機汚泥の乾燥処理方法において、前記たんばく質を分解する物質を、強アルカリ、強酸物質及びたんばく質分解酵素のいずれか一つ以上の物質とすることができる。
【0017】
また、前記凝縮水を焼却灰の脱塩水として用いる際に、該凝縮水に活性炭を添加することができる。これにより、焼却灰に吸着されなかった有機酸が存在する場合でも、この有機酸を活性炭に吸着させ、水洗後の脱塩排水に有機酸が残存することを防止し、臭気を減少させることができる。
【0018】
上記有機汚泥の乾燥処理方法において、前記廃棄物焼却炉によって、廃プラスチック、都市ごみ、カーシュレッダダスト(ASR)、木屑のいずれか一つ以上を焼却することができる。
【0019】
上記有機汚泥の乾燥処理方法において、前記乾燥させた有機汚泥をセメント燃料として利用するとともに、前記水洗した焼却灰をセメント原料として利用することができ、有機汚泥及び焼却灰をセメン製造工程において有効利用することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、有機汚泥に含まれる水分の蒸発効率、及び有機汚泥の乾燥速度を高め、有機汚泥の処理設備を小型化し、凝縮水を効率よく処理することのできる乾燥処理システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明にかかる有機汚泥の乾燥処理システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明にかかる有機汚泥の乾燥処理システム(以下、「乾燥処理システム」と略称する)の一実施の形態を示し、この乾燥処理システム1は、廃棄物焼却炉2からの排ガスG1によって過熱蒸気STを発生させる焼却ボイラー3と、過熱蒸気STを用いて有機汚泥SLを乾燥させる有機汚泥乾燥装置4と、有機汚泥SL中のたんばく質を分解する物質を添加する分解物質添加装置7と、有機汚泥SLの乾燥により発生したガスG4に含まれる水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮装置8と、焼却灰Aを水洗するための焼却灰水冷水洗装置10と、水洗により発生した脱塩水Lを排水処理する脱塩排水処理装置11とを備える。
【0024】
廃棄物焼却炉2は、廃プラスチック、都市ごみ、カーシュレッダダスト、木屑等を焼却処理するために備えられ、セメント製造設備(不図示)に隣接して配置される。廃棄物焼却炉2から排出される排ガスG1の温度は、400℃程度(450℃以下)である。
【0025】
焼却ボイラー3は、上記排ガスG1を用いて水を蒸発させて過熱蒸気STを発生させるために備えられ、廃棄物焼却炉2の廃熱を利用して発電を行うために廃棄物焼却炉2に付設されていることが多い。
【0026】
有機汚泥乾燥装置4は、焼却ボイラー3から供給された過熱蒸気STを用いて有機汚泥SLを乾燥させるために備えられ、有機汚泥SLが投入されるホッパ部4aと、過熱蒸気STが導入されるジャケット部4bと、乾燥汚泥Dを排出する排出部4cからなる外熱式(間接加熱式)の乾燥装置である。
【0027】
排ガス処理設備5は、焼却ボイラー3から排出される廃棄物焼却炉2の排ガスG2に含まれる硫黄酸化物(SOx)、HClを吸収除去するなどして無害化し、大気へ放出するために備えられる。
【0028】
分解物質添加装置7は、有機汚泥乾燥装置4内の有機汚泥SL中のたんばく質を分解する物質を添加するために備えられる。添加するたんばく質分解物質DMには、ペプチド結合を加水分解する、水酸化ナトリウム(NaOH)等の強アルカリ、強酸物質、細胞組織を破壊するたんばく質分解酵素等が用いられ、これら一つ以上の物質を添加することができる。尚、たんばく質分解酵素には、たんばく質を加水分解するプロテアーゼ等を用いることができ、このプロテアーゼは、アミノ酸であるセリンが重要な働きをするプロテアーゼであるセリンプロテアーゼと、アスパラギン酸のカルボキシル基(−COOH)が重要な働きをする酸性プロテアーゼと、システインのチオール基が重要な働きをするチオールプロテアーゼと、亜鉛やカルシウムなどの金属元素が重要な働きをする金属プロテアーゼに大別することができる。
【0029】
水蒸気凝縮装置8は、有機汚泥SLの乾燥により発生したガスG4中の水蒸気を凝縮させるために備えられ、水蒸気凝縮装置8に冷却水Cを供給してこの水蒸気を冷却して凝縮させる。
【0030】
焼却灰水冷水洗装置10(水没ピット)は、都市ごみ焼却設備等から受け入れた焼却灰Aを水洗して塩素分を除去するために備えられ、この水洗には、水蒸気凝縮装置8からの凝縮水Wが利用される。
【0031】
脱塩排水処理装置11は、焼却灰水冷水洗装置10から排出された脱塩水Lを排水処理して放流可能な状態にするために備えられる。
【0032】
次に、上記構成を有する乾燥処理システム1を用いた有機汚泥の乾燥処理方法について、図1を参照しながら説明する。
【0033】
廃棄物焼却炉2の運転中に、廃棄物焼却炉2から排出された排ガスG2を焼却ボイラー3に導入し、過熱蒸気STを発生させる。発生した過熱蒸気STを有機汚泥乾燥装置4に供給し、有機汚泥SLの乾燥に利用する。一方、焼却ボイラー3から排出された排ガスG2は、排ガス処理設備5において硫黄酸化物等の有害物質が除去された後、大気へ放出される。
【0034】
受け入れた有機汚泥SLを有機汚泥乾燥装置4のホッパ部4aに投入する一方、焼却ボイラー3からの過熱蒸気STをジャケット部4bに導入し、400℃程度の過熱蒸気STの有する熱によって有機汚泥SLを乾燥させる。ここで、分解物質添加装置7からたんばく質分解物質DMを投入し、有機汚泥SL中のたんばく質を分解させながら有機汚泥SLを乾燥させる。これにより、有機汚泥SLに含まれる細胞の細胞壁を破壊するなどして細胞壁の内部の生体水を露出させ、生体水の蒸発効率を高め、有機汚泥SLを効率よく乾燥させることができる。乾燥汚泥Dは、排出部4cを介して外部に排出され、燃料等として利用することができる。一方、有機汚泥SLの乾燥に用いた過熱蒸気STは、焼却ボイラー3に戻され、焼却ボイラー3と有機汚泥乾燥装置4の間を循環する。
【0035】
次に、有機汚泥乾燥装置4から排出されたガスG4を水蒸気凝縮装置8に導入し、冷却水CによってガスG4に含まれる水蒸気を冷却して凝縮させる。凝縮した凝縮水Wを焼却灰水冷水洗装置10に供給し、焼却灰Aの水洗処理用水に利用する。一方、水蒸気凝縮装置8から排出された乾燥ガスG5を廃棄物焼却炉2に導入して臭気を分解する。ここで、水蒸気凝縮装置8によってガスG4に含まれる水蒸気を凝縮させて水分を除去したことから、乾燥ガスG5には、水蒸気が含まれていないため、水蒸気の燃焼処理が不要となり、その分廃棄物焼却炉2における熱効率の低下を抑えることができる。
【0036】
次に、焼却灰水冷水洗装置10において焼却灰Aを水洗して塩素分を除去し、水洗後、焼却灰Aを隣接するセメント製造設備においてセメント原料Rとして利用する。一方、水洗後の焼却灰水冷水洗装置10から排出された塩素分を含む脱塩水Lを、脱塩排水処理装置11において排水処理し、放流水RLとして河川等に放流する。
【0037】
尚、有機汚泥の臭気は、乾燥汚泥D、乾燥後に発生する乾燥ガスG5、凝縮水分離後の凝縮水W及び乾燥ガスG5のいずれにも存在する。また、凝縮水W中には有機酸が存在する。凝縮水Wに含まれる有機酸は焼却灰Aに吸着されるので、水洗処理後の脱塩水Lの有機酸含有量は少なく、臭気も少ないものと考えられるが、焼却灰水冷水洗装置10内に活性炭を添加することで、焼却灰Aに吸着されなかった有機酸が存在する場合でも、この有機酸を活性炭に吸着させ、水洗後の脱塩水Lに有機酸が残存することを防止することができる。
【0038】
尚、上記実施の形態において、有機汚泥乾燥装置4に外熱式の乾燥装置を用いた場合を例示したが、焼却ボイラー3からの過熱蒸気STと、分解物質添加装置7に供給された有機汚泥SLとが直接接触する直接加熱式を採用することもできる。
【0039】
また、分解物質添加装置7からたんばく質分解物質DMを有機汚泥乾燥装置4に投入したが、有機汚泥乾燥装置4の前段で有機汚泥SLに添加してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 乾燥処理システム
2 廃棄物焼却炉
3 焼却ボイラー
4 有機汚泥乾燥装置
4a ホッパ部
4b ジャケット部
4c 排出部
5 排ガス処理設備
7 分解物質添加装置
8 水蒸気凝縮装置
10 焼却灰水冷水洗装置
11 脱塩排水処理装置
A 焼却灰
C 冷却水
D 乾燥汚泥
DM タンパク質分解物質
G1〜G3 排ガス
G4 ガス(有機汚泥の乾燥により発生したガス)
G5 乾燥ガス
L 脱塩水
R セメント原料
RL 放流水
SL 有機汚泥
ST 過熱蒸気
W 凝縮水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機汚泥を乾燥させるための熱源を廃棄物焼却炉から排出される450℃以下の排ガスとする有機汚泥乾燥装置と、
該有機汚泥乾燥装置による乾燥により発生した水蒸気を凝縮させる水蒸気凝縮装置と、
該水蒸気凝縮装置によって凝縮された水を焼却灰の水冷及び水洗に利用する焼却灰水冷水洗装置とを備えることを特徴とする有機汚泥の乾燥処理システム。
【請求項2】
さらに、前記有機汚泥乾燥装置内、又は該有機汚泥乾燥装置の前段に、前記有機汚泥中のたんばく質を分解する物質を添加する分解物質添加装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の有機汚泥の乾燥処理システム。
【請求項3】
前記熱源は、前記廃棄物焼却炉に付設された焼却ボイラーから排出される熱媒体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機汚泥の乾燥処理システム。
【請求項4】
前記廃棄物焼却炉及び前記焼却灰水冷水洗装置は、セメント製造設備に隣接され、該廃棄物焼却炉から発生する焼却灰が該焼却灰水冷水洗装置によって水洗され、水洗した焼却灰を該セメント製造設備においてセメント原料として利用することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の有機汚泥の乾燥処理システム。
【請求項5】
前記排ガス又は熱媒体によって前記有機汚泥を間接加熱することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の有機汚泥の乾燥処理システム。
【請求項6】
廃棄物焼却炉から排出される450℃以下の排ガスを熱源として有機汚泥を乾燥させ、
該乾燥により発生した水蒸気を凝縮させ、
該凝縮された水を焼却灰の水洗に利用することを特徴とする有機汚泥の乾燥処理方法。
【請求項7】
前記有機汚泥を乾燥させる前、又は前記有機汚泥の乾燥中に該有機汚泥中のたんばく質を分解する物質を添加することを特徴とする請求項6に記載の有機汚泥の乾燥処理方法。
【請求項8】
前記たんばく質を分解する物質が、強アルカリ、強酸物質及びたんばく質分解酵素のいずれか一つ以上の物質からなることを特徴とする請求項7に記載の有機汚泥の乾燥処理方法。
【請求項9】
前記凝縮水を焼却灰の脱塩水として用いる際に、該凝縮水に活性炭を添加することを特徴とする請求項6、7又は8に記載の有機汚泥の乾燥処理方法。
【請求項10】
前記廃棄物焼却炉は、廃プラスチック、都市ごみ、カーシュレッダダスト、木屑のいずれか一つ以上を焼却することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の有機汚泥の乾燥処理方法。
【請求項11】
前記乾燥させた有機汚泥をセメント燃料として利用するとともに、前記水洗した焼却灰をセメント原料として利用することを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の有機汚泥の乾燥処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−36796(P2011−36796A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186236(P2009−186236)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】