説明

有精卵検査装置

【課題】手動式と自動式と併用した有精卵自動検卵装置を提供する。
【解決手段】第1次検査部でライトアップしたのち該画像処理にて検卵の良否判定を行なった後に不良品を自動的に取り出しかつ卵内血管の発育状態及び活力の確認をして複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定を無人化し、第2次検査部で画面表示を手動操作しながら各画面を目視して最終検卵する。また有精卵検査装置において検査用ホイルと照明部と画像撮像部と処理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザ用ワクチン及び動物用ワクチンなどの製造原料に使用されている鶏卵の検索方法に関するが、詳しくは有精卵と発育無精卵とを選別するとともに有精卵の優良卵と発育異常卵との選別を可能にした有精卵自動検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から一般に行われている検卵方法は、一人の作業員が電球の明かりを卵に当て発育状態を確認する方法で行われていた。従って、作業員の職人化及び選別の確率化問題が生じていた。
【特許文献1】特許第3998184号 特許第3998184号の有精卵検査装置は、有精卵を配置する検査用ホイルと有精卵内部に光を照射する照明装置を有する照明部と卵内部のカラー画像を撮像する画像撮像部と撮像したカラー画像を用いて正常卵判定を行う処理部とを備えた有精卵の検査装置であり、前記検査用ホイルは昇降・回転ユニットにより昇降および回転自在に支持され、前記照明部は先端部が柔らかい材質で構成され内部に照明装置が配置される照明用筒を備え、前記画像撮像部は遮光性のある撮影用筒を備えることを特徴とする有精卵の検査装置である。具体的な検査装置は、図18〜図21に示すように構成されている。
【0003】
まず検査装置では、専用トレイで搬送された多数の卵を検査用ホイルに1個毎に移載し、整列コンベアにて複数個並ピック&プレスで複数個を一度に画像撮像部へ搬送し、ついで搬送された卵はホイル支持台を上昇させ画像処理時の外乱を防ぐため、遮光性のある撮影用の筒に入れる。なお、撮影用筒の上部には照明装置の入った照明装置内蔵用の筒があり、その筒の先が卵に接するまでホイル支持台を上昇させ卵を気室側より照明し、更に照明内蔵用筒の先端部は卵形状やサイズが異なってもその先端から外部に照明光が漏れないよう柔らかい材質で構成している。
【0004】
このように構成することによって、卵表面での照明光の反射が防止でき、卵内部のみを通過した照明光をカラーCCDカメラにより撮像して卵内部の色情報を得ることが可能となり、またカラーCCDカメラは撮影用筒の反対側に設置し支持台の上昇端で1枚目の卵画像を撮影する。撮影後は、撮影完了信号にて90度支持台を回転させて停止後2枚目を撮影する。同様に、3・4枚目を撮影し1つの検査卵に対して4方向からの画像を得て、これらを用いて正常卵判定処理を行う。4枚目の画像撮影完了信号にて、支持台を下降させ次に卵が整列コンベアより搬送されると、撮影済み卵は画像撮像部より押し出され選別コンベアで受ける。なお、画像の撮影後から選別コンベアに移載されるまでの間に撮影した卵の正常卵判定処理を行い、選別コンベアに判定結果の信号を出力するように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような公知の検卵装置に改良を加えて、更に良質な検卵装置にするところに本発明が解決しようとする課題を有する。すなわち、この改良発明は発育しつつある有精卵の卵殻に光を当てて卵内の血管の発育状態及び活力を確認することは従来と変わらないが、ハロゲンランプの強い光を複数の卵に同時に当て離れた位置から見ることにより、複数の卵の発育状態を比較ができるとともに確実に優良な発育卵と不良卵を複数の作業員でもって確認することができる。その結果、従業員の学習ができるので作業員の職人化を防止することがきるとともに誰れにでも検卵作業の交替がきることになる。特に、1個つづ判断するものではなく複数の卵を同時に比較検査することが可能となるので、従来方法よりも判断レベルが向上することでワクチン製法上、品質及び有効率向上を図ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の如き従来の装置を改良したものであって、孵卵機から引き出した台車から有精卵の入ったトレーを取出用パレットに乗せて移動させて検卵作業に搬送する卵投入部と、前記卵投入部から搬送されたトレーに入っている有精卵を下部から押し上げ上下に移動して有精卵の歪み位置を正常に整列する卵整列部と、前記卵整列部で数列に並んだ数十個の有精卵を1列おきに下部の卵座で持ち上げかつハロゲン・ランプの光に押し当て該ハロゲン・ランプの上にあるスイッチボタンを押して除去する検卵上の電源を切りかつ該ランプを遮光した後に排出部へ情報を伝達して無精卵と有精卵の判別及び有精卵内の血管の発育状態を確認する第1次検査部と、前記第1次検査部の情報を受けて無精卵と発育異常卵とを吸引して廃棄卵入れに移動する無精卵及び発育異常卵排出部と、前記無精卵及び発育異常卵排出部の情報を受けかつ空いた部分へ検卵済みの良質の有精卵を自動供給する優良卵供給部と、前記優良卵供給部から供給されてきた有精卵を再度検卵して検卵ミスが無いように再確認して発育鶏卵の検査精度を高める第2次検卵部と、前記第2次検査終了後に卵を検卵機に戻して次工程に待機させておく卵取出部とから構成されるインフルエンザ用ワクチン及び動物用ワクチンの製造に必要な有精卵を検卵する有精卵検査装置において、前記処理システムの第1次検査部でライトアップしたのち該画像処理にて検卵の良否判定を行なった後に、次工程で不良品を自動的に取り出しかつ卵内血管の発育状態及び活力の確認をして複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定を無人化し、更に第2次検査部で画像処理システムのトレー供給部画面・ビッチ送部画面・NG排出部画面・異常表示画面・装置状態画面・モニター画面等の画面表示を手動操作しながら各画面を目視して最終検卵することを特徴とする有精卵検卵装置である。
【0007】
また前記有精卵検査装置において、有精卵を配置する昇降・回転ユニットにより昇降及び回転自在に支持される検査用ホイルと有精卵内部に光を照射する先端が柔らかい材質で構成される照明装置を有する照明部と卵内部のカラー画像を撮像する遮光性のある撮影用筒を備えている画像撮像部と撮像したカラー画像を用いて正常卵判定を行う処理部と、を備えた有精卵自動検卵装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、孵卵機から引き出した台車から有精卵の入ったトレーを取出用パレットに乗せて移動させて検卵作業に搬送する卵投入部と、前記卵投入部から搬送されたトレーに入っている有精卵を下部から押し上げ上下に移動して有精卵の歪み位置を正常に整列する卵整列部と、前記卵整列部で数列に並んだ数十個の有精卵を1列おきに下部の卵座で持ち上げかつハロゲン・ランプの光に押し当て該ハロゲン・ランプの上にあるスイッチボタンを押して除去する検卵上の電源を切りかつ該ランプを遮光した後に排出部へ情報を伝達して無精卵と有精卵の判別及び有精卵内の血管の発育状態を確認する第1次検査部と、前記第1次検査部の情報を受けて無精卵と発育異常卵とを吸引して廃棄卵入れに移動する無精卵及び発育異常卵排出部と、前記無精卵及び発育異常卵排出部の情報を受けかつ空いた部分へ検卵済みの良質の有精卵を自動供給する優良卵供給部と、前記優良卵供給部から供給されてきた有精卵を再度検卵して検卵ミスが無いように再確認して発育鶏卵の検査精度を高める第2次検卵部と、前記第2次検査終了後に卵を検卵機に戻して次工程に待機させておく卵取出部とから構成されるインフルエンザ用ワクチン及び動物用ワクチンの製造に必要な有精卵を検卵する有精卵検査装置において、前記処理システムの第1次検査部でライトアップしたのち該画像処理にて検卵の良否判定を行なった後に、次工程で不良品を自動的に取り出しかつ卵内血管の発育状態及び活力の確認をして複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定を無人化し、更に第2次検査部で画像処理システムのトレー供給部画面・ビッチ送部画面・NG排出部画面・異常表示画面・装置状態画面・モニター画面等の画面表示を手動操作しながら各画面を目視して最終検卵することを特徴とする有精卵検卵装置である。
【0009】
また前記の有精卵検査装置において、有精卵を配置する昇降・回転ユニットにより昇降及び回転自在に支持される検査用ホイルと有精卵内部に光を照射する先端が柔らかい材質で構成される照明装置を有する照明部と卵内部のカラー画像を撮像する遮光性のある撮影用筒を備えている画像撮像部と撮像したカラー画像を用いて正常卵判定を行う処理部とを備えた有精卵自動検卵装置であるから、第1次検査部と第2次検査部とによって画像判定を自動操作と手動操作によって行うことができるので、従来の判定方法より高度な判定が得られる。なお、この改良によって次のよう従来有していた効果もそのまま得られる。
ア、従来の検卵は、一人の作業員が電球の明かりを卵に当て発育状態を確認していることにより作業員が職人化している問題があったが、本発明によれば誰でも判断できる機能にすることにより職人化を防ぐことが可能となった。
イ、本発明は発育しつつある有精卵の卵殻に光を当てて卵内の血管の発育状態及び活力を確認することは従来と変わらないが、本発明にすることによってハロゲンランプの強い光を複数の卵に同時に当て離れた位置から見ることにより、複数卵の発育状態を比較することができるので確実に優良な発育卵と不良卵を複数の作業員が確認できるので作業員が職人化することを防ぐとともに誰でも検卵作業の交替ができる。
ウ、また本発明によれば、個々卵の判断でなく複数の卵を比較することにより判断レベルを向上することでワクチン製造上、品質及び有効率向上を図ることができる。
エ、更に本発明のように自動システム化にすることによって、検卵精度を高めることができるとともに常に安定供給を図ることができるので大量の企業化が可能となる。
オ、更に本発明によれば、自動画像通信システム用の見出しシートと発信局及び受信局を固定するデータを与える自動画像通信システム用の見出しシートを提供することが可能となる。
カ、更に本発明によれば、通信回線を利用して鶏卵選別に遠隔監視することによって、通信費用の節減が図れるとともに各装置やシステムの異常有無の確認を可能にすることができる。
キ、なお、インフルエンザなどのワクチンが世界的にも不足しており、今後も一層不足が進む中で本発明のような装置を国内はもとより海外にも提供することによって、内外国の医療機関に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の最良な実施形態は、孵卵機から引き出した台車から有精卵の入ったトレーを取出用パレットに乗せて移動させて検卵作業に搬送する卵投入部と、前記卵投入部から搬送されたトレーに入っている有精卵を下部から押し上げ上下に移動して有精卵の歪み位置を正常に整列する卵整列部と、前記卵整列部で数列に並んだ数10個の有精卵を1列おきに下部の卵座で持ち上げかつハロゲン・ランプの光に押し当て該ハロゲン・ランプの上にあるスイッチボタンを押して除去する検卵上の電源を切りかつ該ランプを遮光した後に排出部へ情報を伝達して無精卵と有精卵の判別及び有精卵内の血管の発育状態を確認する第1次検査部と、前記第1次検査部の情報を受けて無精卵と発育異常卵とを吸引して廃棄卵入れに移動する無精卵及び発育異常卵排出部と、前記無精卵及び発育異常卵排出部の情報を受けかつ空いた部分へ検卵済みの良質の有精卵を自動供給する優良卵供給部と、前記優良卵供給部から供給されてきた有精卵を再度検卵して検卵ミスが無いように再確認して発育鶏卵の検査精度を高める第2次検卵部と、前記第2次検査終了後に卵を検卵機に戻して次工程に待機させておく卵取出部とから構成されるインフルエンザ用ワクチン及び動物用ワクチンの製造に必要な有精卵を検卵する有精卵検査装置において、前記処理システムの第1次検査部でライトアップしたのち該画像処理にて検卵の良否判定を行なった後に次工程で不良品を自動的に取り出しかつ卵内血管の発育状態及び活力の確認をして複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定を無人化し、更に第2次検査部で画像処理システムのトレー供給部画面・ビッチ送部画面・NG排出部画面・異常表示画面・装置状態画面・モニター画面等の画面表示を手動操作しながら各画面を目視して最終検卵することを特徴とする有精卵検査装置であり、また前記の有精卵検査装置において各画面表示の手動操作が手動操作画面への移行と手動操作エリアの選択を順次行ない、かつ該手動操作がトレー供給部とピッチ送り部の画面とNG排出部の画面とから構成される有精卵検査装置であるから、検卵装置の自動化と手動化を併用することによって従来では得られなかった高精度の検卵が可能となった。
【実施例1】
【0011】
以下、図面によって本発明の実施例について説明する。基本的には特開2005−46273号で本願出願人が開発した改良発明と同じである。
【0012】
図1乃至図5は本発明の有精卵検査装置を示したものであり、1はその有精卵検査装置本体である。この有精卵検査装置本体1は、卵投入部と卵整列部と検査部と卵取出部とに大別できるが、具体的には光照射部2と空気圧表示部3と卵吸引排出部4と光照射部5と卵持上部6とから構成され、更にエッグトレー7と検卵部8と卵持上部卵座9と卵排出開リフター部10と卵吸引部11とから構成されている。なお、12は卵検視部、13は卵進行用スイッチ、14に卵自動供給用スペース、15は卵進行ストップ用センサー、16は載置台、17はパレットすべり止め、18はローラ、19はエアーパイプ、20は卵吸引用エアーパイプ、21は卵吸引部、22は吸引卵廃棄部である。
【0013】
図6乃至図11は本発明装置の要部を示したものであり、図6は検査部の拡大正面部であり、図7は検査部の拡大斜視図であり、図8は卵投入部の拡大正面図であり、図9は卵整列部の拡大斜視図であり、図10は卵整列部の拡大正面図であり、図11は卵排出部の側面図である。図中23はリフター用エアシリンダー、24はリフト用シリンダー、25はスタートボタン、26は補給用リフトアーム、27はリフター、28はケーブル受台である。
【0014】
図12乃至図16は図1に示した本発明装置に画像処理システムを付設したものである。すなわち、有精卵検査装置本体31に画像処理システムWと、画像処理用カメラYを取り付けたものである。この画像処理システムWを付設することによって、検卵部でライトアップしたのち画像処理による良否判定を行うことができるので次工程で不良品を自動的に取り出すことができる。更に、卵内血管の発育状態と活力が確認可能となり、また複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定学習が可能となるので作業員の無人化ができる。また、従来方法よりも判断レベルが上がりワクチン製造での品質と有効向上が図れるなどの効果が得られる。なお、図中32は光照射部、33は空気圧表示部、34と35は卵吸引廃出部である。
【0015】
次に本発明の画像通信システムに用いられる見出しシートについて説明すれば、まず境界部43は左右上下に関して非対称となっている。すなわち、左縁には中央近くに2つの近接した太いコード・バーがあるのに対し右縁には上端近くに1本の太いコード・バーと垂直に置かれた短いコード・バーがあり、下端近くに1本の太いコード・バーと垂直に置かれた短いコード・バーがある。上縁と下縁の区別は、コード・バーと上縁のハッシュマークとの隔たりをコード・バーと下縁のハッシュマークとの隔りより小さくすることでなされる。見出しシート10の裏面のハッシュマーク境界線は表の面と同じであり、同一のコード・バーが同様に配置されている。そこで、見出しシート42の配置具合にかかわらず最初にスキャンされる意味ある情報は必ずハッシュマークの境界線43になる。したがって、システムはハッシュマークの走査が行われたことをもって、そのシートを見出しシート42であると固定することができる。つまり、最初走査される(先行縁)が例えば左縁となるような配置をもって適正な配置とする。この左縁の固定は、走査装置にコード・バーを読み取らせることによって直ちに行なわれる。そして、見出しシート42の配置が悪い場合には走査装置によりそれぞれ右縁のコード・バーの検出、あるいは上下のハッシュマークの境界線43にコード・バーがないことが調べられるので配置ミスも直にち判明されることになる。一方、適正配置の場合には後縁(右縁)コード・バーの検出により見出しシート43の走査が完了したことがわかる。また、見出しシート43の配置具合が悪い場合には配置間違いであることを表わす信号を出力させ、そのシートは除外するように構成されている。
【0016】
また見出しシート42のデータ領域は基本的には2つの部分から成る。1つは送る側を固定する領域で、もう一つは送り先を固定する領域である。この各データ領域には、人が見てすぐわかるようにするため言語等によって記載される領域が設けられている。またデータ領域では、その物理的位置が光学走査により読み取られこのようにすることにより、ペンや鉛筆で記入した卵領域のみがデータとして認知されることになる。また視覚認識用の領域には、手書きかタイプ打ちにより視覚情報を記入する。この視覚情報は、ファクシミリ伝送システム41の画像通信の一部として伝送され受信側で再生される。なお、図中43はトレイ、44はセパレータ、45はシート送装置、46はコンベアベルト、47はゲート、48は取出装置、49はキャスター、50は収集ピン、51は周期制御装置番号、52は記憶装置、53はインターフェイス、54はアンテナ及びTは書類である。
【0017】
次に、図17により通信図線を利用した卵選別の遠隔監視システムについて説明すれば、卵の物理的特徴検出装置が正常に稼動しているか否かの判断を行い、その結果異常があると判断された場合は次のような対応がなされる。まず、検出装置が稼動を停止したことを示す情報や、稼動はしているが故障している蓋然性が高いと判断される情報など重要度の高い異常があると判断される情報が得られた場合には「重度の異常」と判断される。この場合には、直ちに電話回線70の通信回線を通じて異常の内容がメンテナンスを担当する業者の監視センター71のコンピュータ72に送信される。これにより、専門知識を有する技術部員による迅速な復旧が可能となる。また「重度の異常」と判断された場合には、同時に選別装置制御ユニットに対して緊急の停止信号が発せられ選別装置全体の稼動を停止させる。次に重要度の低い異常があると判断される情報、あるいは少しでも異常があると疑われる情報が得られると「軽度の異常」と判断される。この場合には、異常の内容が直ちにメンテナンスを担当する業者の監視センナー71のコンピュータ72に送信されるのではなく異常の発生時刻とその内容が客先の制御装置のメモリーに記憶され、定められた周期または監視センター71側からの呼出しに応じて電話回線70の通信回線を通じて、前記記憶内容がメンテナンスを担当する業者の監視センター71のコンピュータ72に送信される。この場合、異常の重要度は低いので選別装置の稼動は停止されることなく続行される。なお、図中61は計量器、62は分配放出制御器、63はシャッタ、64は境界卵重設定器、65はメモリー、66は判定装置、67はデータ送信、68は被選別群情報入力装置、69は被選別群情報である。
【0018】
更に、本発明の要部である手動操作による画面への移行について表1から表6を参照しながら説明する。まず、手動操作を押すと手動操作画面に移行するので、ついで手動操作したいエリアを選択する。その際、手動操作にはリフター・トレー受取・プッシャーから成るトレー供給部と、ピッチ送り・レバー・ストッパー・位置決定・整列昇降・1検昇降・2検昇降から成るピッチ送り部1/2画面と、シャッタ(1)・シャッタ(2)・シャッタ(3)・シャッタ(4)・トレー押出戻・トレー押出昇降から成るピッチ送り部2/2の画面と、ヘッド昇降・移動走行・吸着から成るNG排出部1/7画面と、NG排出部2/7から7/7画面からなるNG排出部とから構成されている。
【0019】
更に、本発明の構成部分を写真の1から6によって説明すれば次のとおりである。
写真1
本発明に画像処理用システムを取付けた全体斜視図である。
写真2
本発明の画像処理システム付の検卵装置であり、主として検卵機の入口部分を示したものである。中段部分と下段部分とが図示されており、中段部分は作業開始段階における上段に卵が乗っている状態であり卵が斜めになっているところが見えている。この状態で次工程において上下に動かし卵を垂直状態にする。この中段部分の状態から、更に動きを前進させると卵は下段に移動されるのが見える。
写真3
本発明の卵整列部に示したものであり、いわゆる卵垂直調整部である。この卵整列部は、上段・中段・下段の各部分に大別されている。上段部分は、上に動く前の下がっている状態であり、白く見える台が上下に動いて卵を数回押し上げることによってトレーの突起部の縁に卵が接触されて卵が垂直となる。中段部分は上に動いた状態であり、この動きの回数は自由に選択することができる。下段部分は、上下に操作中にトレー突起部の縁に卵が接触されて卵が垂直となる。
写真4
本発明の要部の1つである第1次検査部を示したものであり、いわゆる第1検卵部のことである。この第1検査部は、卵受け台が下がっておりかつハロゲンランプ照射部からなる上段部分と、卵受け台が上がっている状態でのハルゲンランプ照射部からなる中段部分と、不良卵上のスイッチを押しNG信号を記憶させる下段部分とからなっている。
写真5
本発明要部の他の1つである第2次検査部を示したものであり、いわゆる第2検卵部のことである。この第2次検査部は、上段・中段・下段の各部分ともに人の目視で検卵されている。その検卵方法は、スイッチを押してNG信号を中止してから卵にマジックペンで不良卵に印を付ける方法で行っているが、これ以外にも種々の方法が考えられる。
写真6
本発明の不良卵排出部を示したものであり、いわゆる無精卵及び発育異常卵排出部のことである。この無精卵及び発育異常卵排出部には、不良卵排出の受け台を置きNG信号を受け吸卵装置で不良卵を排出する上段部分と、検卵終了後の受け台を有する2枚の下段部分からなっている。
【0020】
このように構成してなる本発明装置は、孵卵機から引き出した台車から有精卵の入ったトレーを取出用パレットに乗せ移動させて検卵作業に搬送する卵投入部と、前記卵投入部から搬送されたトレーに入っている有精卵を下部から押し上げ上下に移動して有精卵の歪み位置を正常に整列する卵整列部と、前記卵整列部で数列に並んだ数十個の有精卵を1列おきに下部の卵座で持ち上げかつハロゲン・ランプの光に押し当て、更に無精卵と有精卵の判別及び有精卵内の血管の発育状態を確認する第1次検査部と、前記ハロゲン・ランプの上にあるスイッチボタンを押して除去する卵上の電源を切りかつ前記ハロゲン・ランプを遮光した後に排出部へ情報を伝達する第2次検査部と、前記第1次及び第2次の検査部の情報を受けて無精卵と発育異常卵とを吸引して廃棄卵入れに移動する無精卵と発育異常卵排出部と、前記無精卵と発育異常卵排出部の情報を受けかつ空いた部分へ検卵済みの良質の有精卵を自動供給する優良卵供給部と、前記優良卵供給部から供給されてきた有精卵を再度検卵して検卵ミスが無いように再検査する第2次検査部と、前記2次検査終了後に卵を検卵機に戻して次工程に待機させておく卵取出部とから構成されており、更に検卵投入部がテーブル上に固定されているカバー上にレールを敷設しかつ該レールの外側にローラ支柱を固定し該ローラ支柱間にローラを配設してなるローラ軸を取付けなり更に前記カバーにカバーパイプ用の穴を設けかつ該穴を介してパイプの上下移動を可能にしてなり、また卵整列部にロッドレスシリンダーを介してシャットを上下移動させカバーパイプ内のパイプを上下に移動してなり、また第1次及び第2次の検査部に先端に吸着ペットを有するスリーブを6分岐ライトガイドに内設しかつ該ライトガイドに照光式ボタンスイッチを付設してなり、また無精卵と発育異常卵排出部及び優良卵供給部に吸着パットを有するパット用ベースを隔壁ジョイント用ベースを介してシリンダジョイント用ベースに吸着してなり、また卵取出部にセンサー取付板に付設されているセンサーを介してスナップピンを作動し次工程に待機してなる有精卵検査装置である。
【0021】
更に前記構成される有精卵検査装置において、操作パネルの電源ポタンをONにして操作パネルのメインメニュー画面を表示し、ついで手動操作を作動し手動操作画面を表示して希望の手動操作エリアを選択し、ついで原点復帰を行い起動/停止画面に切り替えかつ自動運転継続後に停止するように構成されるとともに、前記作動操作においてトレー供給部画面・ピッチ送部画面・NG排出部画面・異常表示画面・装置状態画面・モニター画面を手動操作してなる有精卵検査装置である。
【0022】
なお、エッグトレー7には検査用卵Sが36個づつ投入され卵受卵台車により移動するように構成されており、また卵持上卵座の検査用卵Sは空気圧で持ち上げられるように構成されており、前記エッグトレー7に収納されている検査用卵Sは36個全部に光を当てずに1列毎に光を当てることで鮮明に卵の内部が見えるように卵検視部12は構成されている。また検卵済の検査用卵Sは手動式の卵進行スイッチ13で操作できるように構成されている。また卵自動供給用又スペース14では良質な卵を補充できるように構成されている。また卵進行ストップ用センサー15は手元のストップ用スイッチで操作できるように構成されている。また光照射部3はハロゲン・ランプを用いている。また卵持上用卵座6は、検査用卵Sを1〜3回程度持ち上げ繰り返すことで正常な位置で制止するように構成されている。また空気圧表示板3は、検査部で廃棄用卵の信号発信を受けて卵を吸引するように構成されている。
【0023】
次に、本発明の有精卵検査装置の操作方法のうち手動操作について説明する。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
【表3】

【0027】
【表4】

【0028】
【表5】

【0029】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明装置の全体斜視図。
【図2】本発明装置の全体正面図。
【図3】本発明装置の全体平面図。
【図4】本発明装置の側面図。
【図5】本発明装置の側面図。
【図6】本発明装置の検査部拡大正面図。
【図7】本発明装置の検査部拡大斜視図。
【図8】本発明装置の投入部拡大正面図。
【図9】本発明装置の整列部拡大斜視図。
【図10】本発明装置の整列部拡大正面図。
【図11】本発明装置の排出部拡大側面図。
【図12】本発明の他の実施例を示した全体斜視図。
【図13】図12に示した要部の一部拡大斜視図。
【図14】本発明の画像通信システムの要部を示した斜視図
【図15】図14に示した画像通信システムの使用状態図。
【図16】本発明システムに使用されるファクシミリ送信システムを示した概要説明図。
【図17】本発明システムの遠隔監視装置を示した概要説明図。
【図18】従来システムの実施例を示した概略構成図。
【図19】図18に示した画像撮像用の立面概略図。
【図20】図18に示した画像撮像用の立面概略図。
【図21】図18に示した画像撮像用の平面概略図。
【写真1】
【0031】

【写真2】
【0032】

【写真3】
【0033】

【写真4】
【0034】

【写真5】
【0035】

【写真6−1】
【0036】

【写真6−2】
【0037】

【符号の説明】
【0038】
1、31 有精卵自動検卵装置本体 2、5、32 光照射部
3、33 空気圧表示部 4、34 卵吸引廃出部
6、36 卵持上部 7 エッグトレー
8 検査部 9 卵持上卵座
10 卵廃出用リフター部 11、37 卵吸引部
12 卵検視部 13 卵進行用スイッチ
14 卵自動供給用スペース 15 卵進行ストップ用センサー
16 載置台 17 パレットすべり止め
18 ローラ 19 エアーパイプ
20 卵吸引用エアーパイプ 21 卵吸引部
22 吸引卵廃棄部 23 リフター用エアシリンダー
24 リフト用エアシリンダー 25 スタートボタン
26 配給用リフトアーム 27 リフター
28 ケーブル受台 41 ファクシミリ伝送システム
42 見出シート 43 境界部
43 トレイ 44 セパレータ
45 シート送装置 46 コンベアベルト
47 ゲート 48 取出装置
49 スキャナ 50 収集ピン
51 周期制御装置番号 52 記憶装置
53 インターフェイス 54 アンテナ
61 計量器 62 分配放出制御器
63 シャッタ 64 境界卵重設定器
65 メモリー 66 判定装置
67 データ送信 68 被選別群情報入力装置
69 被選別群情報 70 電話回線
71 監視センター 72 コンピュータ
S 検査用卵 M 検査者
Y 画像処理用カメラ T 書類
W 画像処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孵卵機から引き出した台車から有精卵の入ったトレーを取出用パレットに乗せて移動させて検卵作業に搬送する卵投入部と、前記卵投入部から搬送されたトレーに入っている有精卵を下部から押し上げ上下に移動して有精卵の歪み位置を正常に整列する卵整列部と、前記卵整列部で数列に並んだ数十個の有精卵を1列おきに下部の卵座で持ち上げかつハロゲン・ランプの光に押し当て該ハロゲン・ランプの上にあるスイッチボタンを押して除去する検卵上の電源を切りかつ該ランプを遮光した後に排出部へ情報を伝達して無精卵と有精卵の判別及び有精卵内の血管の発育状態を確認する第1次検査部と、前記第1次検査部の情報を受けて無精卵と発育異常卵とを吸引して廃棄卵入れに移動する無精卵及び発育異常卵排出部と、前記無精卵及び発育異常卵排出部の情報を受けかつ空いた部分へ検卵済みの良質の有精卵を自動供給する優良卵供給部と、前記優良卵供給部から供給されてきた有精卵を再度検卵して検卵ミスが無いように再確認して発育鶏卵の検査精度を高める第2次検卵部と、前記第2次検査終了後に卵を検卵機に戻して次工程に待機させておく卵取出部とから構成されるインフルエンザ用ワクチン及び動物用ワクチンの製造に必要な有精卵を検卵する有精卵検査装置において、前記処理システムの第1次検査部でライトアップしたのち該画像処理にて検卵の良否判定を行なった後に、次工程で不良品を自動的に取り出しかつ卵内血管の発育状態及び活力の確認をして複数卵の発育状態の比較と離れた位置での画像判定を無人化し、更に第2次検査部で画像処理システムのトレー供給部画面・ビッチ送部画面・NG排出部画面・異常表示画面・装置状態画面・モニター画面等の画面表示を手動操作しながら各画面を目視して最終検卵することを特徴とする有精卵検卵装置。
【請求項2】
前項の有精卵検査装置において、有精卵を配置する昇降・回転ユニットにより昇降及び回転自在に支持される検査用ホイルと有精卵内部に光を照射する先端が柔らかい材質で構成される照明装置を有する照明部と卵内部のカラー画像を撮像する遮光性のある撮影用筒を備えている画像撮像部と撮像したカラー画像を用いて正常卵判定を行う処理部と、を備えた請求項1記載の有精卵自動検卵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−169629(P2011−169629A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31361(P2010−31361)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(591206728)
【Fターム(参考)】