説明

末端に官能基を有するビニル系重合体の製造方法

【課題】末端に官能基を有するビニル系重合体を、少ない触媒量で効果的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】原子移動ラジカル重合系に重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加して、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する際、還元剤(B)を併用することを特徴とする、ビニル系重合体(I)の製造方法。また、オレフィン化合物(A)が官能基を有するものであり、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)が、末端に前記官能基を有するものである、上記製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末端に官能基を有するビニル系重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
末端に官能基を有する重合体は、そのもの単独、あるいは適当な硬化剤と組み合わせることによって架橋し、耐熱性、耐久性等の優れた硬化物を与えることが知られている。中でも末端にアルケニル基、水酸基あるいは架橋性シリル基を有する重合体はそれらの代表例である。末端にアルケニル基を有する重合体は、ヒドロシリル基含有化合物を硬化剤として用いることにより、あるいは光反応を利用することにより、架橋硬化する。水酸基を末端に有する重合体は、ポリイソシアネートと反応することによりウレタン架橋を形成し、硬化する。また、架橋性シリル基を末端に有する重合体は、適当な縮合触媒の存在下、湿分を吸収することにより硬化物を与える。
【0003】
一方で、ラジカル重合で得られるビニル系重合体で末端に官能基を有するものは、まだほとんど実用化されていない。一般に、ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体は、高い耐候性、透明性等、上記のポリエーテル系重合体や炭化水素系重合体、あるいはポリエステル系重合体では得られない特性を有しており、アルケニル基や架橋性シリル基を側鎖に有するものは高耐候性の塗料等に利用されている。その一方で、アクリル系重合体の重合制御は、その副反応のために容易でなく、末端への官能基の導入等は非常に困難である。
【0004】
アルケニル基を分子鎖末端に有するビニル系重合体を簡便な方法で得ることができれば、側鎖に架橋性基を有するものに比較して、硬化物物性の優れた硬化物を得ることができる。従って、これまで多くの研究者によって、その製造法が検討されてきたが、それらを工業的に製造することは容易ではない。
我々は、別に、原子移動ラジカル重合によるビニル系単量体の重合系に、活性化されていない(重合性の低い)オレフィンを添加すると、その生長末端にほぼ1つだけ付加することを見出し、これを利用することにより、末端に様々な官能基を有する重合体を製造する方法を発明している(特許文献1、2参照)。
しかし、上述の方法においては、確実な官能基導入あるいは反応速度向上等のために、原子移動ラジカル重合触媒を多く使う必要がある場合があった。この場合、重合触媒を除去するために大量の吸着剤等を使用する必要があったり、重合体に残存する重合触媒が重合体の着色を引き起こしたりする場合があった。
【特許文献1】特開2000−044626号公報
【特許文献2】特開2003−292505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明においては、末端に官能基を有するビニル系重合体を、少ない触媒量で効果的に製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、原子移動ラジカル重合系に、重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加して、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する際に、還元剤(B)を併用する方法により、上記課題を効果的に解決できることを見出し、本発明に至った。
【0007】
即ち、本発明は、原子移動ラジカル重合系に重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加して、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する際、還元剤(B)を併用することを特徴とする、ビニル系重合体(I)の製造方法に関する。
また、本発明は、オレフィン化合物(A)が官能基を有するものであり、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)が、末端に前記官能基を有するものである上記製造方法に関する。
【0008】
さらに、本発明は、オレフィン化合物(A)が、一般式(1):
【0009】
【化1】

【0010】
{式中、Rは、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基、シリル基、一般式(2):
【0011】
【化2】

【0012】
(Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す)
で表される基、あるいは重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基を示し、
は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示す}
で表される化合物である、上記製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、オレフィン化合物(A)が、一般式(4):
【0016】
【化4】

【0017】
{式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【0018】
【化5】

【0019】
(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示し、
は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す}
で表される化合物である、上記製造方法に関する。
【0020】
さらに、本発明は、オレフィン化合物(A)が、一般式(5):
【0021】
【化6】

【0022】
(式中、rは1〜20の整数を示す)
で表される化合物である上記製造方法;
オレフィン化合物(A)が、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン又は1,9−デカジエンである上記製造方法;
オレフィン化合物(A)を重合体の生長末端に対して過剰量添加することを特徴とする、上記製造方法;
オレフィン化合物(A)が、一般式(1)において、Rが水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基及びシリル基からなる群から選ばれる基である化合物である、上記製造方法;
オレフィン化合物(A)が、一般式(1)又は(4)において、Rが水素原子である化合物である、上記製造方法;
オレフィン化合物(A)が、アルケニルアルコール又はアルケニルアミンである上記製造方法に関する。
【0023】
また、本発明は、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)が(メタ)アクリル酸エステル系重合体である上記製造方法;
末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の数平均分子量が3000以上である上記製造方法;
末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が1.8未満である上記製造方法;
原子移動ラジカル重合の触媒に用いる金属が、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄から選ばれる金属である上記製造方法に関する。
【0024】
さらに、本発明は、還元剤(B)が金属及び/又は金属化合物である上記製造方法;
前記金属及び/又は金属化合物の金属が、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄から選ばれる金属である上記製造方法;
前記金属及び/又は金属化合物の金属が、原子移動ラジカル重合の触媒に用いる金属と同じ金属である上記製造方法;
還元剤(B)が金属水素化物である上記製造方法;
還元剤(B)が有機スズ化合物である上記製造方法;
還元剤(B)が、ケイ素水素化物、ホウ素水素化物、窒素化合物、リン、リン化合物、硫黄及び硫黄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記製造方法;
還元剤(B)が水素である上記製造方法;
還元剤(B)が還元作用を示す有機化合物である上記製造方法;
還元作用を示す有機化合物がアルコール又はアルデヒドである上記製造方法;
還元剤(B)が電気分解により生じるものである上記製造方法に関する。
【0025】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の製造方法は、原子移動ラジカル重合系に重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加して、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する際、還元剤(B)を併用することを特徴とする。
【0026】
<<ビニル系重合体(I)>>
<重合体主鎖>
本発明の末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては、特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
【0027】
これらモノマーは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
なかでも、生成物の物性等から、スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーである。
本発明においては、これらの好ましいモノマー(スチレン系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマー)を他のモノマー(上記例示のうち、好ましいモノマー以外のもの)と共重合、更にはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で60%以上含まれていることが好ましい。また、好ましいモノマー同士を共重合、更にはブロック共重合させても構わない。
なお、上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
【0028】
本発明の末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の数平均分子量は、特に制限されないが、下限は好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上であり、上限は好ましくは1000000以下、より好ましくは500000以下である。つまり、3000〜1000000が好ましく、5000〜500000がより好ましい。
【0029】
本発明の末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の分子量分布、即ち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7未満であり、さらに好ましくは1.5未満であり、特に好ましくは1.3未満である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明のビニル系重合体(I)の主鎖は直鎖状でもよいし、枝分かれがあってもよい。
【0030】
<主鎖の合成方法>
ラジカル重合は一般に重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等による停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされる。しかしリビングラジカル重合や原子移動ラジカル重合は、ラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。従ってリビングラジカル重合法は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、本発明の特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてより好ましいものである。
【0031】
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
このリビング重合法、特に原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁;マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁;サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁;WO96/30421号公報;WO97/18247号公報あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁等に記載のものが挙げられる。
【0032】
本発明のビニル系重合体(I)の主鎖を構築するための原子移動ラジカル重合方法としては、特に限定されず、例えば特開2000−072809号公報に記載の、従来公知の方法を用いることができる。
【0033】
この原子移動ラジカル重合法を用いる場合、触媒に用いる遷移金属としては、銅、ニッケル、ルテニウム、鉄が好ましく、この中でも特に銅が好ましい。
また触媒の配位子として用いる化合物は、特に限定されないが、例えば、2,2’−ビピリジル、及びその誘導体、1,10−フェナントロリン、及びその誘導体、トリブチルアミン等のアルキルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン等のポリアミン等の配位子が挙げられる。またトリフェニルホスフィン等の配位子を用いることもできる。
【0034】
触媒の添加方法としては、触媒そのものを添加しても構わないし、触媒の配位子となる化合物だけを追加する方法をとっても構わない。後者の方法は、本発明者らが発明した方法であるが、反応系中に触媒原料となる遷移金属化合物及び/又は遷移金属錯体を予め添加しておき、触媒活性を生み出すことのできる配位子を後から必要に応じて添加し、系中で触媒活性種を発生させる方法である。
また、触媒の添加量としては、特に限定されないが、ビニル系モノマー総量100重量部に対して、0.0001〜50重量部が好ましく、0.001〜10重量部がより好ましく、0.01〜5重量部がさらに好ましい。0.0001重量部未満であると触媒活性が発現されにくくなる傾向があり、50重量部を超えると反応後に重合体からの除去が困難になる傾向がある。
【0035】
<<オレフィン化合物(A)>>
重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)としては、下記一般式(1)で表される化合物から選ばれるものが挙げられる。
【0036】
【化7】

【0037】
{式中、Rは、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基、シリル基、一般式(2):
【0038】
【化8】

【0039】
(Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す)
で表される基、あるいは重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基を示し、
は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【0040】
【化9】

【0041】
(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示す}
【0042】
その内、アルケニル基を導入するために用いられる、重合性の低いアルケニル基を2つ有するオレフィン化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物から選ばれるものが挙げられる。
【0043】
【化10】

【0044】
{式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【0045】
【化11】

【0046】
(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示し、
は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す}
【0047】
なお、Rは、水素原子あるいはメチル基であるが、水素原子が好ましい。
は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基であるが、水素原子が好ましい。
が炭素数1〜20のアルキレン基である場合、その構造に特に制約はないが、オレフィン化合物(A)としては、下記一般式(5)に示す化合物が好ましく例示される。
【0048】
【化12】

【0049】
(式中、rは1〜20の整数を示す)
原料入手の容易さから、rは2、4、6のものが好ましい。つまり、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましい。
【0050】
一般式(1)において、Rの具体例としては、
−(CH−(nは1〜20の整数)、
−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CHCH−、−CHCH(CH)−、
−(CH−O−CH−(nは1〜19の整数)、
−CH(CH)−O−CH−、−CH(CHCH)−O−CH−、−C(CH−O−CH−、−C(CH)(CHCH)−O−CH−、−C(CHCH−O−CH−、
−(CH−O−(CH
(m、nは1〜19の整数、ただし2≦m+n≦20)、
−(CH−C(O)O−(CH
(m、nは1〜19の整数、ただし2≦m+n≦20)、
−(CH−OC(O)−(CH−C(O)O−(CH−、
(lは0〜18の整数、m,nは1〜17の整数、ただし2≦l+m+n≦20)、
−(CH−o−,m−,p−C−、
−(CH−o−,m−,p−C−(CH−、
(mは0〜13の整数、nは1〜14の整数、ただし1≦m+n≦14)、
−(CH−o−,m−,p−C−O−(CH−、
(mは0〜13の整数、nは1〜14の整数、ただし1≦m+n≦14)、
−(CH−o−,m−,p−C−O−CH(CH)−、
(nは1〜12の整数)、
−(CH−o−,m−,p−C−O−C(CH−、
(nは1〜11の整数)、
−(CH−o−,m−,p−C−C(O)O−(CH−、
(m,nは1〜12の整数、ただし2≦m+n≦13)、
−(CH−OC(O)−o−,m−,p−C−C(O)O−(CH−、
(m,nは1〜11の整数、ただし2≦m+n≦12)、
−(CH−o−,m−,p−C−OC(O)−(CH−、
(m,nは1〜12の整数、ただし2≦m+n≦13)、
−(CH−C(O)O−o−,m−,p−C−(CH−、
(m,nは1〜11の整数、ただし2≦m+n≦12)、
等が挙げられる。なお、Rのうちの炭素数1〜20のアルキレン基は、その中にアリーレン基(例えばフェニレン基等)を含んでいてもよい。
【0051】
としては、以下のような基が好ましく例示される。
【0052】
【化13】

【0053】
(式中、R、Rは、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R又はRが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を、また、bは0,1又は2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
【0054】
Yで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、具体的には、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、加水分解性がマイルドで取り扱いやすいという点から、アルコキシ基が特に好ましい。
【0055】
としては、具体的には以下のような基が例示される。
−(CH−CH
−CH(CH)−(CH−CH
−CH(CHCH)−(CH−CH
−CH(CHCH
−C(CH−(CH−CH
−C(CH)(CHCH)−(CH−CH
−C
−C(CH)、
−C(CH
−(CH−C
−(CH−C(CH)、
−(CH−C(CH
(nは0以上の整数で、各基の合計炭素数は20以下)
また、Rのうちの重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基も、Rの上記例示と同様なものが挙げられる。
なお、シリル基としては、特に限定されないが、上記式においてm=0のものが好ましい。
【0056】
アミノ基、水酸基あるいはカルボン酸基を持つ化合物を重合末端に反応させる場合には、そのまま反応させても構わないが、それらの基が、重合末端あるいは触媒に影響を与える場合があるので、その場合には保護基をつけた化合物を用いても構わない。保護基としては、アセチル基、シリル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。
【0057】
また、オレフィン化合物(A)は、一般式(1)において、Rが水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基及びシリル基から選ばれる基である化合物であることが好ましい。
さらに、オレフィン化合物(A)は、一般式(1)又は(4)において、Rが水素原子である化合物であることが好ましい。
また、オレフィン化合物(A)は、アルケニルアルコール又はアルケニルアミンであることが好ましい。
【0058】
<オレフィン化合物(A)の導入方法>
ビニル系重合体(I)末端にオレフィン化合物(A)を導入する方法としては、例えば特開2000−044626号公報に記載の、従来公知の方法を用いることができる。これは即ち、原子移動ラジカル重合系に、活性化されていない(重合性の低い)オレフィンを添加することにより、重合体生長末端にほぼ1つだけオレフィンを付加させ、末端に様々な官能基を有する重合体を製造する方法である。
【0059】
これらの官能基を導入するために用いられるオレフィン化合物(A)の添加量は、特に限定されない。重合体生長末端に対して等量から1.2倍の小過剰量を使用することが好ましい。一方、オレフィン化合物(A)のアルケニル基の反応性はあまり高くないため、反応速度を高めるために添加量を増やすことも可能であり、この場合の添加量は1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、3倍以上がさらに好ましく、5倍以上が特に好ましい。逆に、未反応のオレフィン化合物(A)を重合体に残したくない場合等には、重合体生長末端に対して0.7倍から等量までの小不足量とすることも可能である。従って、オレフィン化合物(A)の添加量は特に限定されず、オレフィン化合物(A)の反応性、コスト及び未反応物の回収にかかるコスト・生産性等を考慮して、状況により適正化すればよい。
また、末端にアルケニル基を導入するために用いられる重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物の添加量は、重合体生長末端に対して過剰量であることが好ましい。等量あるいは末端より少量の場合、2つのオレフィンの両方ともが反応し、重合末端をカップリングしてしまう可能性がある。2つのオレフィンの反応性が等しい化合物の場合、カップリングの起こる確率は、過剰に添加する量に応じて統計的に決まる。よって、重合性の低いアルケニル基を2つ以上有する化合物の添加量は、重合体生長末端に対して、より好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは3倍以上、特に好ましくは5倍以上である。
【0060】
原子移動ラジカル重合の最中又は終点において、重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加すると、末端にほぼ1つずつオレフィン化合物(A)が付加する。オレフィン化合物(A)が官能基を有する場合、結果として、そのオレフィン化合物(A)の有する官能基が重合体の末端に導入される。なお、一般式(1)で表されるオレフィン化合物(A)において、Rが当該官能基に相当する。
また、オレフィン化合物(A)は、原子移動ラジカル重合によりラジカル重合性単量体の80重量%が消費された後に添加するのが好ましく、85重量%が消費された時点で加えるのがより好ましく、90重量%が消費された時点で加えるのがさらに好ましく、95重量%が消費された時点で加えるのが特に好ましい。ラジカル重合性単量体が十分消費される前にオレフィン化合物(A)を添加すると、ビニル系重合体の分子量が設定値よりも小さくなってしまう傾向がある。なお、上記ラジカル重合性単量体の量は、いずれも最終的に重合溶液に仕込んだ量のことである。また、ラジカル重合性単量体とは、前記ビニル系モノマーを意味する。
【0061】
原子移動ラジカル重合系にオレフィン化合物(A)を添加するとき、オレフィン化合物(A)の種類によっては、反応系の極性が低下する等して触媒活性が不十分になる場合がある。この場合、オレフィン化合物(A)より誘電率の高い化合物(例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系化合物;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系化合物;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系化合物;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系化合物;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系化合物;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系化合物等)を添加することができる。
【0062】
<<還元剤(B)>>
原子移動ラジカル重合においては一般に、生長末端のラジカル同士がカップリングすると、触媒として用いる遷移金属錯体はそのカップリングした分だけ高酸化数の錯体となり、重合反応を減速させるようになる。通常の原子移動ラジカル重合系では、ラジカル−ラジカルカップリング反応はあまり発生しないためにあまり問題ではないが、本発明のオレフィン化合物(A)を添加することにより末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する場合においては、反応が減速する場合がある。
この場合、原子移動ラジカル重合に用いる触媒を追加して速度向上させることができるが、さらに本発明では還元剤(B)を添加することで速度向上できることを見出した。
【0063】
本製造法で用いる還元剤を以下に例示するが、本発明はこれらの還元剤に限定されるものではない。
(B−1)金属。具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類;ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属類;アルミニウム;亜鉛等の典型金属;銅、ニッケル、ルテニウム、鉄等の遷移金属等が挙げられる。またこれらの金属は水銀との合金(アマルガム)の状態であってもよい。
【0064】
(B−2)金属化合物。典型金属又は遷移金属の塩や典型元素との塩、さらに一酸化炭素、オレフィン、含窒素化合物、含酸素化合物、含リン化合物、含硫黄化合物等が配位した錯体等が挙げられる。具体的には、金属とアンモニア/アミンとの化合物、三塩化チタン、チタンアルコキシド、塩化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、塩化鉄、塩化銅、臭化銅、塩化スズ、酢酸亜鉛、水酸化亜鉛、Ni(CO)、CoCO等のカルボニル錯体、[Ni(cod)]、[RuCl(cod)]、[PtCl(cod)]等のオレフィン錯体(ただしcodはシクロオクタジエンを表す)、[RhCl(P(C]、[RuCl(P(C]、[PtCl(P(C]等のホスフィン錯体等が挙げられる。
【0065】
(B−3)金属水素化物。具体例としては、水素化ナトリウム;水素化ゲルマニウム;水素化タングステン;水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素アルミニウムナトリウム、水素化トリエトキシアルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等のアルミニウム水素化物;水素化トリフェニルスズ、水素化トリ−n−ブチルスズ、水素化ジフェニルスズ、水素化ジ−n−ブチルスズ、水素化トリエチルスズ、水素化トリメチルスズ等の有機スズ水素化物等が挙げられる。
(B−4)有機スズ化合物。具体例としては、オクチル酸スズ、2−エチルヘキシル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズチオカルボキシレート等が挙げられる。
【0066】
(B−5)ケイ素水素化物。具体例としては、トリクロロシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、ジフェニルシラン、フェニルシラン、ポリメチルヒドロシロキサン等が挙げられる。
(B−6)ホウ素水素化物。具体的には、ボラン、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリメトキシホウ酸ナトリウム、硫化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリ−s−ブチルホウ素リチウム、水素化トリ−t−ブチルホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム等が挙げられる。
(B−7)窒素化合物。具体的には、ヒドラジン、ジイミド等が挙げられる。
【0067】
(B−8)リン又はリン化合物。具体的には、リン、ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ヘキサメチルホスフォラストリアミド、ヘキサエチルホスフォラストリアミド等が挙げられる。
(B−9)硫黄又は硫黄化合物。具体的には、硫黄、ロンガリット類、ハイドロサルファイト類、二酸化チオ尿素等が挙げられる。ロンガリットとは、スルホキシル酸塩のホルムアルデヒド誘導体であり、MSO・CHO(MはNa又はZnを示す)で表される。具体的には、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート等が挙げられる。ハイドロサルファイトとは、次亜硫酸ナトリウム及び次亜硫酸ナトリウムのホルムアルデヒド誘導体の総称である。
(B−10)水素。
【0068】
(B−11)還元作用を示す有機化合物。具体的には、アルコール、アルデヒド、フェノール類及び有機酸化合物等が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ギ酸等が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、ハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール等が挙げられる。有機酸化合物としては、クエン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩、エステル等が挙げられる。
【0069】
これら還元剤(B)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。
また、還元剤(B)は、直接反応系に添加してもよいし、反応系中で発生させてもよい。後者には、電解還元も含まれる。電解還元では陰極で生じた電子が直ちに、あるいは一度溶媒和した後、還元作用を示すことが知られている。つまり、還元剤(B)が電気分解により生じるものも用いることができる。
【0070】
還元剤(B)としては、これらの中でも、アルミニウム、亜鉛、銅、ニッケル、ルテニウム、鉄等の金属;オクチル酸スズ、2−エチルヘキシル酸スズ、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;アルコール、アルデヒド、クエン酸、アスコルビン酸等の還元作用を示す有機化合物が好ましい。
還元剤(B)として金属又は金属化合物を用いる場合、還元剤(B)中の金属は、原子移動ラジカル重合の触媒に用いる金属と異なっていてもよいし、同じ金属であってもよいが、重合体の精製負荷等の観点から同じ金属であるほうが好ましい。
【0071】
本発明の還元剤(B)が固体である場合、その形状は特に限定されず、塊状、板状、シート状、フィルム状、棒状、針金状、及び粒状・粉末状のもの等を用いることができ、またこれらは多孔質となっていてもよい。粉末の形状に関しては特に限定されず、あらゆる種類のものを使用することが可能である。例えば、球状、フレーク状、デントライト状(樹枝状)、紡錘状、凝集状、不定形状が用いられる。反応促進のためには表面積が大きいほうが好ましいが、取り扱いの容易さや空気酸化に対する安定性等も鑑み、適切な形状のものを選ぶことができる。
本発明の還元剤(B)の粒径及び粒度分布は、特に限定されない。反応促進のためには粒径が小さいほうが、表面積が大きくなり好ましいが、取り扱いの容易さや空気酸化に対する安定性等も鑑み、適切な粒径・粒度分布のものを選ぶことができる。
【0072】
本発明の還元剤(B)は、取り扱い時の利便性向上や酸化防止のためにコーティングされていてもよい。コーティング物質は特に限定されず、無機化合物であってもよいし、有機化合物であってもよい。
コーティングに用いられる無機化合物としては、例えば、ケイ素化合物塩、アルミニウム化合物塩、スズ化合物塩、亜鉛化合物塩、ジルコニウム化合物塩、チタン化合物塩等を用いることができる。
コーティングに用いられる有機化合物としては、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、窒素含有有機化合物、硫黄含有有機化合物及びシランカップリング剤等を用いることができる。
【0073】
コーティングに用いられる飽和脂肪酸としては、例えば、エナント酸(C13COOH)、カプリル酸(C15COOH)、ペラルゴン酸(C17COOH)、カプリン酸(C19COOH)、ウンデシル酸(C1021COOH)、ラウリン酸(C1123COOH)、トリデシル酸(C1225COOH)、ミスチリン酸(C1327COOH)、ペンタデシル酸(C1429COOH)、パルミチン酸(C1531COOH)、ヘプタデシル酸(C1633COOH)、ステアリン酸(C1735COOH)、ノナデカン酸(C1837COOH)、アラキン酸(C1939COOH)及びベヘン酸(C2143COOH)等が挙げられる。
コーティングに用いられる不飽和脂肪酸としては、例えば、アクリル酸(CH=CHCOOH)、クロトン酸(CHCH=CHCOOH)、イソクロトン酸(CHCH=CHCOOH)、ウンデシレン酸(CH=CH(CHCOOH)、オレイン酸(C1733COOH)、エライジン酸(CH(CHCH=CH(CHCOOH)、セトレイン酸(CH(CHCH=CH(CHCOOH)、ブラシジン酸(C2141COOH)、エルカ酸(C2141COOH)、ソルビン酸(CCOOH)、リノール酸(C1731COOH)、リノレン酸(C1729COOH)及びアラキドン酸(C1331COOH)等が挙げられる。
【0074】
コーティングに用いられる窒素含有有機化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等の置換基を有するトリアゾール化合物等が挙げられる。
コーティングに用いられる硫黄含有有機化合物としては、例えば、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸及び2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられる。
コーティングに用いられるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、テトラメトキシシランカップリング剤、メチルトリメトキシシランカップリング剤、ジフェニルジメトキシシランカップリング剤等が挙げられる。
これらコーティング剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
【0075】
<還元剤(B)の使用方法>
還元剤(B)の添加方法は特に限定されず、反応系に対して、オレフィン化合物(A)より前に添加してもよいし、同時に添加してもよいし、後に添加してもよい。また、全量を一括添加してもよいし、分割添加してもよい。さらに、オレフィン化合物(A)を反応させる際に、還元剤(B)とともに、原子移動ラジカル重合に用いる触媒も併せて追加添加してもよいが、触媒量を少なくする観点から、原子移動ラジカル重合に用いる触媒は追加添加しない方が好ましい。
【0076】
還元剤(B)の添加量は特に限定されないが、ビニル系モノマー総添加量100重量部に対して、0.0001〜10重量部が好ましく、0.001〜5重量部がより好ましく、0.01〜1重量部がさらに好ましい。還元剤(B)の添加量が0.0001重量部より少ないと反応速度向上の効果が発現されにくくなり、また10重量部より多いと過剰の還元剤(B)を重合体から除去することが困難になる傾向がある。
【0077】
<<用途>>
本発明で得られる末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)は、特に限定されないが、単独で、又は各種添加剤を配合することにより、硬化性組成物とすることができる。物性を調製するための添加剤としては、特に限定されないが、例えば充填剤、可塑剤、老化防止剤、顔料、物性調整剤、溶剤等を配合することができる。
【0078】
このようにして得られる硬化性組成物の用途としては、特に限定されないが、電気・電子部品(重電部品、弱電部品、電気・電子機器の回路や基板のシーリング材(冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、ガスメーター、電子レンジ、スチームアイロン又は漏電ブレーカー用のシール材)、ポッティング材(トランス高圧回路、プリント基板、可変抵抗部付き高電圧用トランス、電気絶縁部品、半導電部品、導電部品、太陽電池又はテレビ用フライバックトランスのポッティング)、コーティング材(高電圧用厚膜抵抗器もしくはハイブリッドICの回路素子;HIC;電気絶縁部品;半導電部品;導電部品;モジュール;印刷回路;セラミック基板;ダイオード、トランジスタもしくはボンディングワイヤーのバッファー材;半導電体素子;又は光通信用オプティカルファイバーのコーティング)、フォトレジスト材もしくは接着剤(ブラウン管ウェッジ、ネック、電気絶縁部品、半導電部品又は導電部品の接着);電線被覆の補修材;電線ジョイント部品の絶縁シール材;OA機器用ロール;振動吸収剤;又はゲルもしくはコンデンサの封入)、自動車部品(自動車エンジンのガスケット、電装部品もしくはオイルフィルター用のシーリング材;イグナイタHICもしくは自動車用ハイブリッドIC用のボッティング材;自動車ボディ、自動車用窓ガラスもしくはエンジンコントロール基板用のコーティング材;又はオイルパンのガスケット、タイミングベルトカバーのガスケット、モール、ヘッドランプレンズ、サンルーフシールもしくはミラー用の接着剤;燃料噴射装置、燃料加熱装置、エアダンパ、圧力検出装置、熱交換器用樹脂タンクのオイルクーラー、可変圧縮比エンジン、シリンダ装置、圧縮天然ガス用レギュレータ、圧力容器、筒内直噴式内燃機関の燃料供給システムもしくは高圧ポンプ用のOリング)、船舶(配線接続分岐箱、電気系統部品もしくは電線用のシーリング材;又は電線もしくはガラス用の接着剤)、航空機又は鉄道車輛、土木・建築(商業用ビルのガラススクリーン工法の付き合わせ目地、サッシとの間のガラス周り目地、トイレ、洗面所もしくはショーケースにおける内装目地、バスタブ周り目地、プレハブ住宅用の外壁伸縮目地、サイジングボード用目地に使用される建材用シーラント;複層ガラス用シーリング材;道路の補修に用いられる土木用シーラント;金属、ガラス、石材、スレート、コンクリートもしくは瓦用の塗料・接着剤;又は粘着シート、防水シートもしくは防振シート)、医療(医薬用ゴム栓、シリンジガスケットもしくは減圧血管用ゴム栓用のシール材料)又はレジャー(スイミングキャップ、ダイビングマスクもしくは耳栓用のスイミング部材;又はスポーツシューズもしくは野球グローブ用のゲル緩衝部材)等の様々な用途に利用可能である。
【発明の効果】
【0079】
本発明の製造方法により、少ない触媒量で末端に官能基を有するビニル系重合体を得ることができる。このため、重合体から触媒を除去することが容易になり、触媒除去に用いる吸着剤等の使用量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
下記実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−802;昭和電工(株)製)を、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
重合体1分子当たりに導入された官能基数は、H−NMRによる濃度分析、及びGPCにより求まる数平均分子量を基に算出した。
【0081】
(実施例1)
アクリル酸n−ブチル40部、臭化銅(I)0.84部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下80℃で攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル3.5部を加え、さらに80℃で攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.034部を加えて反応を開始した。途中アクリル酸n−ブチル60部を断続的に追加し、さらに反応溶液の温度が80℃〜90℃となるようにトリアミンを適宜追加しながら加熱攪拌を続けた。アクリル酸ブチルの反応率が94%に達した後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。ここまでのトリアミンの使用量は0.15部であった。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル35部、銅粉0.37部を添加し、80℃で6時間加熱撹拌し、重合体[1]を得た。重合体[1]の数平均分子量は13500、分子量分布は1.2であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は2.4個、未反応の臭素末端は0.0個であった。
【0082】
(比較例1)
アクリル酸n−ブチル40部、臭化銅(I)0.84部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下80℃で攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル3.5部を加え、さらに80℃で攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.017部を加えて反応を開始した。途中アクリル酸n−ブチル60部を断続的に追加し、さらに反応溶液の温度が80℃〜90℃となるようにトリアミンを適宜追加しながら加熱攪拌を続けた。アクリル酸ブチルの反応率が95%に達した後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。ここまでのトリアミンの使用量は0.15部であった。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル35部、トリアミン0.17部を添加し、80℃で加熱撹拌した。1,7−オクタジエン添加から1時間後、トリアミン0.17部を追加した。1,7−オクタジエン添加から6時間後、重合体一分子当たりの未反応の臭素末端は0.32個であったので、トリアミン0.17部を追加した。1,7−オクタジエン添加から13時間後、重合体一分子当たりの未反応の臭素末端は0.13個であったので、さらにトリアミン0.17部を追加した。1,7−オクタジエン添加から19時間後、比較重合体[1]を得た。比較重合体[1]の数平均分子量は11700、分子量分布は1.1であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は1.8個、未反応の臭素末端は0.05個であった。
【0083】
実施例1及び比較例1の結果を表1に示す。実施例1において、還元剤である銅粉を添加することにより、短時間で、かつ、少ない触媒量(トリアミン量)で1,7−オクタジエンを重合体末端に導入することができた。
【0084】
【表1】

【0085】
(実施例2)
アクリル酸n−ブチル40部、臭化銅(I)0.84部、アセトニトリル8.8部を仕込み、窒素気流下80℃で攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル1.8部を加え、さらに80℃で攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.034部を加えて反応を開始した。途中アクリル酸n−ブチル60部を断続的に追加し、さらに反応溶液の温度が80℃〜90℃となるようにトリアミンを適宜追加しながら加熱攪拌を続けた。アクリル酸ブチルの反応率が95%に達した後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。ここまでのトリアミンの使用量は0.17部であった。
これに1,7−オクタジエン22部、アセトニトリル35部、アスコルビン酸0.52部を添加し、80℃で6時間加熱撹拌し、重合体[2]を得た。重合体[2]の数平均分子量は23200、分子量分布は1.2であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は1.3個、未反応の臭素末端は0.6個であった。
【0086】
(比較例2)
実施例2でアスコルビン酸を添加しなかった以外は実施例2と同様の操作を行い、比較重合体[2]を得た。比較重合体[2]の数平均分子量は22600、分子量分布は1.2であり、また重合体一分子当たりに導入されたアルケニル基は0.3個、未反応の臭素末端は1.2個であった。
【0087】
実施例2及び比較例2の結果を表2に示す。実施例2と比較例2では触媒量(トリアミン量)が等しい条件で行っているが、実施例2においては還元剤であるアスコルビン酸を添加することにより、オレフィン化合物(1,7−オクタジエン)との反応が促進され、その結果、未反応の重合体末端を少なくすることができた。
【0088】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の製造方法により、少ない触媒量で末端に官能基を有するビニル系重合体を得ることができる。このため、重合体から触媒を除去することが容易になり、触媒除去に用いる吸着剤等の使用量を減らすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子移動ラジカル重合系に重合性の低いアルケニル基を有するオレフィン化合物(A)を添加して、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)を製造する際、還元剤(B)を併用することを特徴とする、ビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項2】
オレフィン化合物(A)が官能基を有するものであり、末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)が、末端に前記官能基を有するものである、請求項1記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項3】
オレフィン化合物(A)が、一般式(1):
【化1】

{式中、Rは、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基、シリル基、一般式(2):
【化2】

(Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す)
で表される基、あるいは重合性のオレフィンを含まない炭素数1〜20の炭化水素基を示し、
は、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【化3】

(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示す}
で表される化合物である、請求項1又は2に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項4】
オレフィン化合物(A)が、一般式(4):
【化4】

{式中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、あるいは一般式(3):
【化5】

(式中、Rは、酸素原子又は窒素原子を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基、又は、酸素原子を示し、Rは、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示し、複数個のRは同じでも異なっていてもよい)
で表される基を示し、
は、水素原子あるいはメチル基を示し、
は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す}
で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項5】
オレフィン化合物(A)が、一般式(5):
【化6】

(式中、rは1〜20の整数を示す)
で表される化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項6】
オレフィン化合物(A)が、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン又は1,9−デカジエンである、請求項5記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項7】
オレフィン化合物(A)を重合体の生長末端に対して過剰量添加することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項8】
オレフィン化合物(A)が、一般式(1)において、Rが水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボン酸基、エステル基、エーテル基、アミド基及びシリル基からなる群から選ばれる基である化合物である、請求項3記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項9】
オレフィン化合物(A)が、一般式(1)又は(4)において、Rが水素原子である化合物である、請求項3、4、7及び8のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項10】
オレフィン化合物(A)が、アルケニルアルコール又はアルケニルアミンである、請求項1〜3、8及び9のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項11】
末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の主鎖が(メタ)アクリル酸エステル系重合体である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項12】
末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)の数平均分子量が3000以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項13】
末端にオレフィン化合物(A)が付加したビニル系重合体(I)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が1.8未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項14】
原子移動ラジカル重合の触媒に用いる金属が、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄から選ばれる金属である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項15】
還元剤(B)が金属及び/又は金属化合物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項16】
前記金属及び/又は金属化合物の金属が、銅、ニッケル、ルテニウム及び鉄から選ばれる金属である、請求項15に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項17】
前記金属及び/又は金属化合物の金属が、原子移動ラジカル重合の触媒に用いる金属と同じ金属である、請求項15又は16に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項18】
還元剤(B)が金属水素化物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項19】
還元剤(B)が有機スズ化合物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項20】
還元剤(B)が、ケイ素水素化物、ホウ素水素化物、窒素化合物、リン、リン化合物、硫黄及び硫黄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項21】
還元剤(B)が水素である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項22】
還元剤(B)が還元作用を示す有機化合物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項23】
還元作用を示す有機化合物がアルコール又はアルデヒドである、請求項22に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。
【請求項24】
還元剤(B)が電気分解により生じるものである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のビニル系重合体(I)の製造方法。

【公開番号】特開2008−38097(P2008−38097A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217292(P2006−217292)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】