材料付着法によるマイクログリッパの製造方法
ベース体及びベース体と一体的に接続された把持体を含んでおり、この把持体が、ベース体から突き出ており、且つ自由端部領域では収容スリット(6)を、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を収容スリット内に把持及び保持のために挟み得るように設けられたマイクログリッパ(8)の製造方法、並びに属概念のマイクログリッパを説明する。本発明は、ベース体及び把持体が、材料付着法によって少なくとも一つの共通の第1の材料層及び一つの共通の第2の材料層(3、4)を形成することで製造されること、並びに材料層が、基本的に平らに形成され、且つ平らな基体表面を準備する方法ステップと、基体表面上に第1の犠牲層(13)を付着する方法ステップと、第1の犠牲層(13)上に第1の材料層(3)を付着する方法ステップと、第1の材料層(3)上、少なくとも第1の材料層の一つの局所的な領域上に第2の犠牲層(14)を付着する方法ステップと、第1の材料層(3)及び第2の犠牲層(14)上に第2の材料層(4)を付着する方法ステップと、収容スリットを形成するため第2の犠牲層(14)を除去する方法ステップと、製造されたマイクログリッパを基体表面からはずすために第1の犠牲層(13)を除去する方法ステップと、を実施することで互いに接続されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を収容及び保持するためのマイクログリッパ、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクログリッパは今日では、マイクロシステム技術との関連の数多くの分野で使用されている。マイクログリッパは例えば、マイクロ技術及びナノ技術において、非常に小さな対象物の操作及び組立てのため、又は継ぎ合せのために使用される。マイクログリッパのさらなる適用分野は、物理学、生物学、化学、及び医学において存在しており、この場合マイクログリッパは、例えば試料の分析又は検査と関連させて試料を収容、把持、及び保持するために使用される。
【0003】
マイクログリッパは、一般的にベース体から成り、このベース体は、対象物を保持及び収容するために用いられる二つ又は複数の可動及び/又は弾性の把持要素と接続されている。把持要素を能動的に作動させるために、大抵はマイクログリッパに存在するアクチュエータが設けられており、このアクチュエータが相互に作用する把持要素を動かす。このようなマイクログリッパの場合、アクチュエータを相応に制御することよって、対象物に作用する把持力を部分的に調整又は調節することができる。またアクチュエータのないマイクログリッパも知られており、この場合、対象物の保持及び収容は、能動的ではなく受動的に、弾性の材料特性を活用して行われる。この種のマイクログリッパは、少なくとも二つの、対向して互いに間隔をあけている把持要素を備えており、この把持要素の間に対象物を挟むことができる。把持要素の間に対象物を挟み込むことにより、把持要素が弾性変形し、こうして対象物に反作用する弾性的な保持力が生じる。
【0004】
以下の実施形態に関してマイクログリッパという概念は、把持要素を二つだけ備える型に限定されることをここで指摘しておく。
【0005】
DE 195 23 229 A1公報では、ベース体と、ベース体に固定されたリニアアクチュエータとしての圧電変換器と、ベース体及び圧電変換器に接続されたマイクロ構造体とから成るマイクロ組立用マイクログリッパの一実施形態が開示されている。マイクロ構造体では、相互に作用する対向している二つの把持要素と、把持要素に圧電変換器の直線運動を拡大して伝達するための湾曲継手を備えた機械的なレバー変速部とが、構造的には一つの部品に統合されている。圧電変換器の長さが変化すると、弾性的な湾曲要素が変形し、こうして把持要素の狙い通りの互いに離れる又は向かう移動が開始される。
【0006】
マイクロ構造体の製造は、厚さ240μmの両面研磨された(100)面シリコンウエハから、既知の構造化プロセス、リソグラフィ、及び異方性エッチングによって行われる。続いてマイクロ構造体をシリコン基体であるベース体上で、マイクロ構造体とベース体の間の選択された小さな接触面だけが接着されるように接着剤で固定し、その際、湾曲要素及び把持要素は、接触面に沿って軸方向に変位可能である。記載されたマイクログリッパの本質的な利点としては、シリコンからのマイクロ構造体の製造、特にシリコンの優れたマイクロ構造化の可能性、及びシリコンが塑性変形しないことが、特に強調される。これに加え、把持力を電気信号に変換するため、及びそれにより把持力を把持すべき対象物に適合させるため、把持要素、特に把持要素の各把持面に、圧電層、例えば圧電抵抗性の層を取り付けてもよい。アクチュエータとして圧電システムを使用するマイクログリッパのさらなる実施形態は、例えばDE 196 48 165 A1公報及びDE 101 14 551 C1公報から読み取ることができる。
【0007】
圧電システムの他に、把持要素の移動のための別の要素又は原理も使用される。DE 197 15 083 A1公報からは、電気力学的な駆動装置の平面コイル又は永久磁石が、任意の把持メカニズム内に組み込まれているマイクログリッパを読み取ることができる。把持要素を閉じることは、外側の磁場を掛けることによって引き起こされる。これに対しUS 2004/0004364 A1公報、US 2002/0061662 A1公報、及びUS 5,149,673 A公報は、静電引力又は静電反発力を利用して把持要素を動かし得るマイクログリッパを記載している。最後にUS 2005/0029827 A1公報からは、電熱性の材料特性を活用して把持要素を動かし得るナノグリッパが明らかである。これに関し把持要素は、継手メカニズムを介して、電流貫流により加熱される要素と接続されており、この要素は加熱の際に膨張し、且つ継手メカニズムを介して把持要素の移動を引き起こす。
【0008】
これまで述べたグリッパは全て、対象物を把持及び保持するために、アクチュエータに電気エネルギー又は磁気エネルギーを供給する必要があるという欠点を有している。この供給が中断又は妨害されると、グリッパは上手く作動しなくなり、つまり対象物が意図せずマイクログリッパから離れる可能性がある。そのうえマイクロメートルの範囲での必要な寸法におけるマイクログリッパの不可欠の電気的適応は、労力がかかり、且つコストが高い。
【0009】
マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの試料の材料分析の関連でのマイクログリッパの適用に関し、特に、マイクログリッパによる、例えば前の試料から次の試料への材料移転による、試料のあらゆる汚染が防止されなければならない。このため例えば、特に透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)のような電子顕微鏡による検査の関連で試料を把持及び保持するために、それぞれの試料に対して新しいマイクログリッパが使用される。このような目的のためのマイクログリッパは、一回の利用のためだけに規定されているので、安いコストで大量生産品として生産可能であるべきである。それでも、このような適用の際の確実な把持及び保持を保証するために、マイクログリッパは全ての要件を満たしていなければならない。しかしながら上述のマイクログリッパは、挙げられた理由からこれに適していない、又は最適には適していない。
【0010】
上述のアクチュエータを備えたマイクログリッパの他に、US 2002/0166976 A1公報には、特にTEMによる検査の関連で試料を把持及び保持するための使用にも適しているマイクログリッパが記載されている。そこに記載されたマイクログリッパは、棒状又は円筒状の細長い物体から成り、この物体の端部には、一つ又は複数の三角形に開いた収容スリットが、試料を収容スリット内に挟み得るように備えられている。試料の収容及び保持は、上述のように、収容スリットを取り囲む材料の弾性変形に、及びそれによって引き起こされる挟み込まれた試料に作用する復元力に基づいている。
【0011】
このマイクログリッパの製造に関して、引用した文書に従う方法から推定することができる。原材料として、一本の真っ直ぐな、ワイヤ直径が50μmのタングステンワイヤが用いられる。第1の方法ステップでは、まずタングステンワイヤの端部領域を、電解研磨又はエッチング法により、タングステンワイヤの端部領域内で、ワイヤ端に向かって直径が数マイクロメートルにまで次第に細くなるように加工する。第2の作業ステップでは、いまや円錐形に次第に細くなっているタングステンワイヤの端部領域から、タングステンワイヤの長手軸に垂直にぶつかるイオンビームを用いて、次第に細くされた領域の端部に向かって三角形に開いた収容スリットを作り出す。第三の方法ステップでは、イオンビームのさらなる適用により、第1の収容スリットに加えて、例えば第1の収容スリットに対して90°回転させた第2の収容スリットを作り出すことができる。これにより、次第に細くされたタングステンワイヤの端部領域内に、対象物を間に挟むことができる少なくとも二つ又は四つの把持要素が生じる。例示的実施形態によれば、収容スリットは幅2μmで深さ30μmである。
【0012】
US 2002/0166976 A1公報で開示されたマイクログリッパの欠点は、収容スリットの境をなす面、つまり把持要素の内側にある挟持面を、厳密に互いに対し平行に製造することが、提示された製造方法では技術的に不可能なことである。もっと正確に言えば、収容スリットを製造するためにイオンビームを適用することにより、収容スリットはイオンビームに面した側で、イオンビームに面していない側より幅広になる。したがってこれで生成された、スリットの境をなす挟持面は互いに対し平行には方向付けられない。これは最終的に、保持すべき対象物上への挟持面の一様でない分布に至り、且つ挟持面の間に挟まれた対象物がマイクログリッパに対して変位し得るという危険をはらんでいる。さらに記載された方法は、イオンビームによる加工を行い得る前に、それぞれのマイクログリッパのために個々に、タングステンワイヤの厳密な固定及び位置決めが必要であり、これは製造方法を長引かせ、且つ高価にするので、大量生産には条件付きでのみ適している、又は適していない。
【0013】
DE 195 22 004公報からは、犠牲層が乾式化学エッチングされることに基づく、部分可動のマイクロ構造の製造方法を読み取ることができ、その際、大抵はポリイミドから成る犠牲層が基体層のすぐ上に付着されており、この基体層の上では、犠牲層により基体層から完全に離隔されて、下記において部分可動のマイクロ構造化された材料層が、例えばさらなる形成において追加的な先端部あり又はなしのカンチレバーとして、施される。部分可動性のために、カンチレバー層と基体の間にある犠牲層が部分的にのみ乾式化学エッチング法の過程で除去され、これにより犠牲層の残部が一種のスペーサとして存在し続ける。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】マイクログリッパの例を示す図である。
【図2a】マイクログリッパによる対象物の収容を示す図である。
【図2b】マイクログリッパによる対象物の収容を示す図である。
【図3a】マイクログリッパの層構造を示す図である。
【図3b】マイクログリッパの層構造を示す図である。
【図4a】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4b】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4c】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4d】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4e】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4f】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4g】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図5】基体からのTEM試料の取りはずしを示す図である(現況技術)。
【図6】TEM試料を備えたマイクログリッパを示す図である。
【図7a】扇形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【図7b】扇形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【図8】半円形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明に従って製造され、且つ平面体として形成されたマイクログリッパ8の斜視図を示している。平面体8は、第1の材料層3及び第1の材料層3と接続された第2の材料層4から成る。平面体8は、関連する平面体表面7を備えたベース体領域と、間に収容スリット6が配置された把持要素1及び2を備えた把持体領域と、に分けることができる。さらに、図示したマイクログリッパ8の場合、把持要素1、2を横切って延びており貫通している間隙6aが、ベース体と把持体の間の接続領域内に設けられている。これは、把持要素1、2の弾性変形によって生じる力を材料層3及び4内により良く導入させることに役立つ。図示したマイクログリッパ8の右側には、基体9上でマイクログリッパを固定するための細い桁材(ウェブ)5が備えられている。これに関する背景は、犠牲層を除去するエッチングプロセス中に、マイクログリッパ8が制御されず基体9からはずれ得る、且つ紛失してしまい得るという危険があることである。これは細い桁材5によって防止され、以下にもっと詳しく説明するように、この桁材を介して、マイクログリッパは犠牲層のエッチング後も基体と接続し続けている。
【0034】
平面体表面7は、例えばハンドリングシステム(搬送マニピュレータ)内にマイクログリッパを収容するための、又は分析機器(SEM、TEM)の収容ユニット内に装填するための、アダプタ面として用いられる。本実施形態の場合、平面体表面7は多角形の形状を有している。ただしこれに関し平面体表面は、製造方法の関連で、与えられた用件に相応して最適に寸法決定され得る。
【0035】
図2a及び図2bは、マイクログリッパ8の操作方法を示している。マイクログリッパ8のうち把持要素1、2及び把持要素1、2の間にある収容スリット6を備えた把持体領域と、傾斜部11が備えられた材料試料10とが図示されている。マイクログリッパ8で材料試料10を収容するには、図2aに従い、把持要素1、2を備えたマイクログリッパ8を、上から材料試料10の傾斜部11に案内する。傾斜部11は、把持要素1、2と材料試料10の間の最適な摩擦による結合のために役立つ。しかしながら原則的には、このような傾斜部は必要ない。図2bは、把持要素1、2が、材料試料の傾斜部11上を押し進められ、且つそれによって開かれることを示している。この開きによって、把持要素1、2の弾性変形が引き起こされ、この変形が、反作用しながら傾斜部への保持力を生成する。この保持力、及び把持要素1、2の挟持面と傾斜部11の間に作用する摩擦力により、材料試料の保持が達成される。
【0036】
図3a及び図3bには、犠牲層を除去した後の製造段階における図1からのマイクログリッパが示されている。まず図3aは、マイクログリッパ8を上から見た図を示している。その際、マイクログリッパ8は桁材5を介して保持領域20と接続されている。犠牲層を除去した後も保持領域20が固定的に基体9(図示されていない)と接続しているので、基体9から完全にはずされたマイクログリッパ8はまだ、桁材5を介して保持領域20によって保持されている。これにより、犠牲層を除去した後のマイクログリッパ8の故意ではないはずれ又は紛失を防止することができる。マイクログリッパを取りはずすには、桁材5を分断するだけでよい。桁材5の数、配置、及び断面(幅及び高さ)は、基本的に、桁材によって受けるべき保持力に基づいて決まる。図3bは、切断線A−A’に沿った層構造の断面を示している。犠牲層を除去した後もまだ基体9が固定的に保持領域20と接続されていることが明らかに認識できる。マイクログリッパ8は、互いに接続している第1の材料層3及び第2の材料層4から成る。除去された犠牲層が、収容スリット6及び間隙6aを露出させる。マイクログリッパ8は、第1の材料層から形づくられる桁材5を介して保持領域20と接続されている。
【0037】
図4a〜図4gは、図3a及び図3bに示したマイクログリッパの製造方法を、図3aの切断線A−A’に沿った断面図において、ステップごとの層のビルドアップに基づき説明している。
【0038】
図4a 第1の方法ステップでは、シリコンから成る平らな基体9上に中間層12a及び12bが付着される。中間層12aは、窒化珪素から成り、且つ電気絶縁体として用いられ、中間層12bは、ポリシリコンから成り、且つ出発層として用いられる。この中間層12上に、酸化シリコンから成る第1の犠牲層13が被着される。第1の犠牲層13をマスキングする。これは、フォトレジスト層又は類似のマスキングを施すことによって行われる。マスキング形状の作り出しは、例えば電子ビーム又はUV光で露光することによって行い得る。
【0039】
図4b マスキングが完成した後、第1の犠牲層13のうちの露出している箇所が、反応性イオンエッチング(RIE)によって除去される。図4bは、犠牲層13が、少なくとも後の保持領域20が製造されるべき領域内で除去されることを示している。
【0040】
図4c 次いで第1の犠牲層13上に、ポリシリコンから成る第1の材料層3が被着される。この第1の材料層3も上述のように、所望の形状内をマスキングされ、且つ例えばRIEによってエッチングされる。
【0041】
図4d 第1の材料層3上に第2の犠牲層14が設けられる。これも同様にマスキングされ、且つ所望の形状にエッチングされる。その際、第1の材料層3上に残っている、幾何学的形状14a、14bにおける第2の犠牲層14は、収容スリット6、間隙6aに相当し、幾何学的形状14cにおける第2の犠牲層14は、桁材5での第2の材料層4の中断部(図4eを参照)に相当する。比較的大きな断面の桁材5が所望される場合、形状14cを無くすこともできる。
【0042】
図4e 第2の犠牲層14上に、ポリシリコンから成る第2の材料層4が被着され、マスキングされ、且つ相応にエッチングされる。図4eで認識できるように、桁材5での第2の材料層4は、第2の材料層4の構造化することによって中断されている。これは、大きすぎるアスペクト比が予測される場合、つまり桁材の高さが桁材の幅より大きくなる場合である。比較的大きな断面の桁材5が所望される場合、形状14cを無くし、且つ第2の材料層を桁材上に直に付着させる。ただしこの場合、桁材の幅は両方の層の高さより広くするべきである。
【0043】
図4f 安定化のため、第2の材料層4上に金属層15が被着される。この金属層15も同様に、相応に構造化される。被着された金属層15は、さらなる電気めっきによる析出のための出発層として用いることもできる。このような目的のために、金属層15の代わりにプラスチック又は半金属などの別の材料を利用してもよい。
【0044】
図4g マイクログリッパ8を製造するための最後の方法ステップは、エッチング液による第1及び第2の犠牲層13、14の除去にある。犠牲層13、14を除去するための選択は、もちろん犠牲層13、14をなしている材料に基づいて決まる。
【0045】
図4a〜図4gに基づく方法に従って製造されたマイクログリッパ8は、マイクロメートル及びサブマイクロメートルの範囲での対象物を保持及び収容するために使用することができる。このマイクログリッパの特異的な適用は、引き続きTEM又はSEM内で検査するために電子透過性の試料を収容することである。このような試料は、当業者に既知のいわゆる集束イオンビーム技術(FIB技術)によって、検査すべき材料から試料作製される。
【0046】
このようなTEM試料40を収容するための、図5に示した従来の方法は、材料配置に使用するTEM試料40に固定される針41を利用する。これに対し本発明に従って製造されたマイクログリッパ8は、FIB技術によって製造された電子透過性の試料40を、FIB試料作製装置内で、図2a及び図2bに相応して把持要素1、2により収容することを可能にする。
【0047】
図6は、マイクログリッパ8と、把持要素1、2の間に挟まれたTEM試料40とを示している。TEM試料40は、直接的にTEM内に移送することができ、且つ即座に電子ビーム53による検査のために正しい位置で利用することができる。このやり方の本質的な利点は、複雑な、これまで使用されていたいわゆるリフトアウトプロセスを、マイクログリッパによるTEM試料40の一度の把持に置き換えることにある。TEM試料40の収容後、試料をマイクログリッパと一緒にTEM内で検査することができる。必要な場合には、マイクログリッパによるTEM試料の収容後に、FIB試料作製装置内でのTEM試料の後処理が可能である。
【0048】
マイクログリッパ8の収容スリット6の幅は、特定の範囲内でしか変化させられないので、TEM試料40は、後にマイクログリッパ8と接触する面で、保持に必要な試料厚が達成されるように、FIB技術によって寸法決定される。TEM試料のそれ以外の領域は、TEM検査に必要な電子透過性に基づいて試料作製される。
【0049】
図7a及び図7bは、本発明によるマイクログリッパ8のさらなる有利な実施形態を示している。この例でマイクログリッパ8は、内側半径及び外側半径を有する半環70と接続されて使用される。マイクログリッパ8は平面的な扇形のベース体を備えており、その際、把持体はTEM試料40と共に、扇形の先端で、扇形から突き出て配置されている。ベース体形状の扇形の半径は半環70の内側半径より大きい。理想的には半環70の外側半径とベース体の扇形の半径が等しい。マイクログリッパ8は、例えば真空ピペットのような装置の補助によって収容され、且つ粘着剤で半環70上に図示したように固定される。その際、半環70は、TEM分析で使用される様々な材料から成ることができる。その際、把持要素1、2は半環を越えて突き出ており、これによりこの配置は、基体からのTEM試料40の収容に適している。図7bは、相応に準備された基体からのこのようなTEM試料40の収容を、細部を拡大して示している。もちろん違う成形がなされたマイクログリッパを半環70上に固定してもよい。したがってベース体の外形は、どうしても扇形に類似していなければならないわけではない。
【0050】
図8は、本発明によるマイクログリッパ8の一実施形態を示しており、この場合、半円形の平面体表面7を有するベース体が形成される。この半円の半径Rは、TEMの試料保持具内にマイクログリッパ8を引き続き直接的に移送することができるように決められている。マイクログリッパ8は、まず収容装置31によって保持され、これによりTEM試料40の収容が実施される。この配置は、半円形のリングへのさらなる適応を行う必要なく、TEMの試料保持具内にマイクログリッパ8を直接的に移送することを可能にする。ベース体の半円形状の代わりに、中心角< 180°の扇形を使用する場合、TE顕微鏡の試料保持具内では、マイクログリッパが横方向にずれる可能性があり、これにより試料キャリアの挟みナットに正しく掴まれないので、マイクログリッパを保持しづらくなる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を収容及び保持するためのマイクログリッパ、並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクログリッパは今日では、マイクロシステム技術との関連の数多くの分野で使用されている。マイクログリッパは例えば、マイクロ技術及びナノ技術において、非常に小さな対象物の操作及び組立てのため、又は継ぎ合せのために使用される。マイクログリッパのさらなる適用分野は、物理学、生物学、化学、及び医学において存在しており、この場合マイクログリッパは、例えば試料の分析又は検査と関連させて試料を収容、把持、及び保持するために使用される。
【0003】
マイクログリッパは、一般的にベース体から成り、このベース体は、対象物を保持及び収容するために用いられる二つ又は複数の可動及び/又は弾性の把持要素と接続されている。把持要素を能動的に作動させるために、大抵はマイクログリッパに存在するアクチュエータが設けられており、このアクチュエータが相互に作用する把持要素を動かす。このようなマイクログリッパの場合、アクチュエータを相応に制御することよって、対象物に作用する把持力を部分的に調整又は調節することができる。またアクチュエータのないマイクログリッパも知られており、この場合、対象物の保持及び収容は、能動的ではなく受動的に、弾性の材料特性を活用して行われる。この種のマイクログリッパは、少なくとも二つの、対向して互いに間隔をあけている把持要素を備えており、この把持要素の間に対象物を挟むことができる。把持要素の間に対象物を挟み込むことにより、把持要素が弾性変形し、こうして対象物に反作用する弾性的な保持力が生じる。
【0004】
以下の実施形態に関してマイクログリッパという概念は、把持要素を二つだけ備える型に限定されることをここで指摘しておく。
【0005】
DE 195 23 229 A1公報では、ベース体と、ベース体に固定されたリニアアクチュエータとしての圧電変換器と、ベース体及び圧電変換器に接続されたマイクロ構造体とから成るマイクロ組立用マイクログリッパの一実施形態が開示されている。マイクロ構造体では、相互に作用する対向している二つの把持要素と、把持要素に圧電変換器の直線運動を拡大して伝達するための湾曲継手を備えた機械的なレバー変速部とが、構造的には一つの部品に統合されている。圧電変換器の長さが変化すると、弾性的な湾曲要素が変形し、こうして把持要素の狙い通りの互いに離れる又は向かう移動が開始される。
【0006】
マイクロ構造体の製造は、厚さ240μmの両面研磨された(100)面シリコンウエハから、既知の構造化プロセス、リソグラフィ、及び異方性エッチングによって行われる。続いてマイクロ構造体をシリコン基体であるベース体上で、マイクロ構造体とベース体の間の選択された小さな接触面だけが接着されるように接着剤で固定し、その際、湾曲要素及び把持要素は、接触面に沿って軸方向に変位可能である。記載されたマイクログリッパの本質的な利点としては、シリコンからのマイクロ構造体の製造、特にシリコンの優れたマイクロ構造化の可能性、及びシリコンが塑性変形しないことが、特に強調される。これに加え、把持力を電気信号に変換するため、及びそれにより把持力を把持すべき対象物に適合させるため、把持要素、特に把持要素の各把持面に、圧電層、例えば圧電抵抗性の層を取り付けてもよい。アクチュエータとして圧電システムを使用するマイクログリッパのさらなる実施形態は、例えばDE 196 48 165 A1公報及びDE 101 14 551 C1公報から読み取ることができる。
【0007】
圧電システムの他に、把持要素の移動のための別の要素又は原理も使用される。DE 197 15 083 A1公報からは、電気力学的な駆動装置の平面コイル又は永久磁石が、任意の把持メカニズム内に組み込まれているマイクログリッパを読み取ることができる。把持要素を閉じることは、外側の磁場を掛けることによって引き起こされる。これに対しUS 2004/0004364 A1公報、US 2002/0061662 A1公報、及びUS 5,149,673 A公報は、静電引力又は静電反発力を利用して把持要素を動かし得るマイクログリッパを記載している。最後にUS 2005/0029827 A1公報からは、電熱性の材料特性を活用して把持要素を動かし得るナノグリッパが明らかである。これに関し把持要素は、継手メカニズムを介して、電流貫流により加熱される要素と接続されており、この要素は加熱の際に膨張し、且つ継手メカニズムを介して把持要素の移動を引き起こす。
【0008】
これまで述べたグリッパは全て、対象物を把持及び保持するために、アクチュエータに電気エネルギー又は磁気エネルギーを供給する必要があるという欠点を有している。この供給が中断又は妨害されると、グリッパは上手く作動しなくなり、つまり対象物が意図せずマイクログリッパから離れる可能性がある。そのうえマイクロメートルの範囲での必要な寸法におけるマイクログリッパの不可欠の電気的適応は、労力がかかり、且つコストが高い。
【0009】
マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの試料の材料分析の関連でのマイクログリッパの適用に関し、特に、マイクログリッパによる、例えば前の試料から次の試料への材料移転による、試料のあらゆる汚染が防止されなければならない。このため例えば、特に透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)のような電子顕微鏡による検査の関連で試料を把持及び保持するために、それぞれの試料に対して新しいマイクログリッパが使用される。このような目的のためのマイクログリッパは、一回の利用のためだけに規定されているので、安いコストで大量生産品として生産可能であるべきである。それでも、このような適用の際の確実な把持及び保持を保証するために、マイクログリッパは全ての要件を満たしていなければならない。しかしながら上述のマイクログリッパは、挙げられた理由からこれに適していない、又は最適には適していない。
【0010】
上述のアクチュエータを備えたマイクログリッパの他に、US 2002/0166976 A1公報には、特にTEMによる検査の関連で試料を把持及び保持するための使用にも適しているマイクログリッパが記載されている。そこに記載されたマイクログリッパは、棒状又は円筒状の細長い物体から成り、この物体の端部には、一つ又は複数の三角形に開いた収容スリットが、試料を収容スリット内に挟み得るように備えられている。試料の収容及び保持は、上述のように、収容スリットを取り囲む材料の弾性変形に、及びそれによって引き起こされる挟み込まれた試料に作用する復元力に基づいている。
【0011】
このマイクログリッパの製造に関して、引用した文書に従う方法から推定することができる。原材料として、一本の真っ直ぐな、ワイヤ直径が50μmのタングステンワイヤが用いられる。第1の方法ステップでは、まずタングステンワイヤの端部領域を、電解研磨又はエッチング法により、タングステンワイヤの端部領域内で、ワイヤ端に向かって直径が数マイクロメートルにまで次第に細くなるように加工する。第2の作業ステップでは、いまや円錐形に次第に細くなっているタングステンワイヤの端部領域から、タングステンワイヤの長手軸に垂直にぶつかるイオンビームを用いて、次第に細くされた領域の端部に向かって三角形に開いた収容スリットを作り出す。第三の方法ステップでは、イオンビームのさらなる適用により、第1の収容スリットに加えて、例えば第1の収容スリットに対して90°回転させた第2の収容スリットを作り出すことができる。これにより、次第に細くされたタングステンワイヤの端部領域内に、対象物を間に挟むことができる少なくとも二つ又は四つの把持要素が生じる。例示的実施形態によれば、収容スリットは幅2μmで深さ30μmである。
【0012】
US 2002/0166976 A1公報で開示されたマイクログリッパの欠点は、収容スリットの境をなす面、つまり把持要素の内側にある挟持面を、厳密に互いに対し平行に製造することが、提示された製造方法では技術的に不可能なことである。もっと正確に言えば、収容スリットを製造するためにイオンビームを適用することにより、収容スリットはイオンビームに面した側で、イオンビームに面していない側より幅広になる。したがってこれで生成された、スリットの境をなす挟持面は互いに対し平行には方向付けられない。これは最終的に、保持すべき対象物上への挟持面の一様でない分布に至り、且つ挟持面の間に挟まれた対象物がマイクログリッパに対して変位し得るという危険をはらんでいる。さらに記載された方法は、イオンビームによる加工を行い得る前に、それぞれのマイクログリッパのために個々に、タングステンワイヤの厳密な固定及び位置決めが必要であり、これは製造方法を長引かせ、且つ高価にするので、大量生産には条件付きでのみ適している、又は適していない。
【0013】
DE 195 22 004公報からは、犠牲層が乾式化学エッチングされることに基づく、部分可動のマイクロ構造の製造方法を読み取ることができ、その際、大抵はポリイミドから成る犠牲層が基体層のすぐ上に付着されており、この基体層の上では、犠牲層により基体層から完全に離隔されて、下記において部分可動のマイクロ構造化された材料層が、例えばさらなる形成において追加的な先端部あり又はなしのカンチレバーとして、施される。部分可動性のために、カンチレバー層と基体の間にある犠牲層が部分的にのみ乾式化学エッチング法の過程で除去され、これにより犠牲層の残部が一種のスペーサとして存在し続ける。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】マイクログリッパの例を示す図である。
【図2a】マイクログリッパによる対象物の収容を示す図である。
【図2b】マイクログリッパによる対象物の収容を示す図である。
【図3a】マイクログリッパの層構造を示す図である。
【図3b】マイクログリッパの層構造を示す図である。
【図4a】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4b】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4c】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4d】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4e】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4f】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図4g】マイクログリッパを製造するための方法ステップを示す図である。
【図5】基体からのTEM試料の取りはずしを示す図である(現況技術)。
【図6】TEM試料を備えたマイクログリッパを示す図である。
【図7a】扇形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【図7b】扇形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【図8】半円形に形成されたベース体を備えるマイクログリッパを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明に従って製造され、且つ平面体として形成されたマイクログリッパ8の斜視図を示している。平面体8は、第1の材料層3及び第1の材料層3と接続された第2の材料層4から成る。平面体8は、関連する平面体表面7を備えたベース体領域と、間に収容スリット6が配置された把持要素1及び2を備えた把持体領域と、に分けることができる。さらに、図示したマイクログリッパ8の場合、把持要素1、2を横切って延びており貫通している間隙6aが、ベース体と把持体の間の接続領域内に設けられている。これは、把持要素1、2の弾性変形によって生じる力を材料層3及び4内により良く導入させることに役立つ。図示したマイクログリッパ8の右側には、基体9上でマイクログリッパを固定するための細い桁材(ウェブ)5が備えられている。これに関する背景は、犠牲層を除去するエッチングプロセス中に、マイクログリッパ8が制御されず基体9からはずれ得る、且つ紛失してしまい得るという危険があることである。これは細い桁材5によって防止され、以下にもっと詳しく説明するように、この桁材を介して、マイクログリッパは犠牲層のエッチング後も基体と接続し続けている。
【0034】
平面体表面7は、例えばハンドリングシステム(搬送マニピュレータ)内にマイクログリッパを収容するための、又は分析機器(SEM、TEM)の収容ユニット内に装填するための、アダプタ面として用いられる。本実施形態の場合、平面体表面7は多角形の形状を有している。ただしこれに関し平面体表面は、製造方法の関連で、与えられた用件に相応して最適に寸法決定され得る。
【0035】
図2a及び図2bは、マイクログリッパ8の操作方法を示している。マイクログリッパ8のうち把持要素1、2及び把持要素1、2の間にある収容スリット6を備えた把持体領域と、傾斜部11が備えられた材料試料10とが図示されている。マイクログリッパ8で材料試料10を収容するには、図2aに従い、把持要素1、2を備えたマイクログリッパ8を、上から材料試料10の傾斜部11に案内する。傾斜部11は、把持要素1、2と材料試料10の間の最適な摩擦による結合のために役立つ。しかしながら原則的には、このような傾斜部は必要ない。図2bは、把持要素1、2が、材料試料の傾斜部11上を押し進められ、且つそれによって開かれることを示している。この開きによって、把持要素1、2の弾性変形が引き起こされ、この変形が、反作用しながら傾斜部への保持力を生成する。この保持力、及び把持要素1、2の挟持面と傾斜部11の間に作用する摩擦力により、材料試料の保持が達成される。
【0036】
図3a及び図3bには、犠牲層を除去した後の製造段階における図1からのマイクログリッパが示されている。まず図3aは、マイクログリッパ8を上から見た図を示している。その際、マイクログリッパ8は桁材5を介して保持領域20と接続されている。犠牲層を除去した後も保持領域20が固定的に基体9(図示されていない)と接続しているので、基体9から完全にはずされたマイクログリッパ8はまだ、桁材5を介して保持領域20によって保持されている。これにより、犠牲層を除去した後のマイクログリッパ8の故意ではないはずれ又は紛失を防止することができる。マイクログリッパを取りはずすには、桁材5を分断するだけでよい。桁材5の数、配置、及び断面(幅及び高さ)は、基本的に、桁材によって受けるべき保持力に基づいて決まる。図3bは、切断線A−A’に沿った層構造の断面を示している。犠牲層を除去した後もまだ基体9が固定的に保持領域20と接続されていることが明らかに認識できる。マイクログリッパ8は、互いに接続している第1の材料層3及び第2の材料層4から成る。除去された犠牲層が、収容スリット6及び間隙6aを露出させる。マイクログリッパ8は、第1の材料層から形づくられる桁材5を介して保持領域20と接続されている。
【0037】
図4a〜図4gは、図3a及び図3bに示したマイクログリッパの製造方法を、図3aの切断線A−A’に沿った断面図において、ステップごとの層のビルドアップに基づき説明している。
【0038】
図4a 第1の方法ステップでは、シリコンから成る平らな基体9上に中間層12a及び12bが付着される。中間層12aは、窒化珪素から成り、且つ電気絶縁体として用いられ、中間層12bは、ポリシリコンから成り、且つ出発層として用いられる。この中間層12上に、酸化シリコンから成る第1の犠牲層13が被着される。第1の犠牲層13をマスキングする。これは、フォトレジスト層又は類似のマスキングを施すことによって行われる。マスキング形状の作り出しは、例えば電子ビーム又はUV光で露光することによって行い得る。
【0039】
図4b マスキングが完成した後、第1の犠牲層13のうちの露出している箇所が、反応性イオンエッチング(RIE)によって除去される。図4bは、犠牲層13が、少なくとも後の保持領域20が製造されるべき領域内で除去されることを示している。
【0040】
図4c 次いで第1の犠牲層13上に、ポリシリコンから成る第1の材料層3が被着される。この第1の材料層3も上述のように、所望の形状内をマスキングされ、且つ例えばRIEによってエッチングされる。
【0041】
図4d 第1の材料層3上に第2の犠牲層14が設けられる。これも同様にマスキングされ、且つ所望の形状にエッチングされる。その際、第1の材料層3上に残っている、幾何学的形状14a、14bにおける第2の犠牲層14は、収容スリット6、間隙6aに相当し、幾何学的形状14cにおける第2の犠牲層14は、桁材5での第2の材料層4の中断部(図4eを参照)に相当する。比較的大きな断面の桁材5が所望される場合、形状14cを無くすこともできる。
【0042】
図4e 第2の犠牲層14上に、ポリシリコンから成る第2の材料層4が被着され、マスキングされ、且つ相応にエッチングされる。図4eで認識できるように、桁材5での第2の材料層4は、第2の材料層4の構造化することによって中断されている。これは、大きすぎるアスペクト比が予測される場合、つまり桁材の高さが桁材の幅より大きくなる場合である。比較的大きな断面の桁材5が所望される場合、形状14cを無くし、且つ第2の材料層を桁材上に直に付着させる。ただしこの場合、桁材の幅は両方の層の高さより広くするべきである。
【0043】
図4f 安定化のため、第2の材料層4上に金属層15が被着される。この金属層15も同様に、相応に構造化される。被着された金属層15は、さらなる電気めっきによる析出のための出発層として用いることもできる。このような目的のために、金属層15の代わりにプラスチック又は半金属などの別の材料を利用してもよい。
【0044】
図4g マイクログリッパ8を製造するための最後の方法ステップは、エッチング液による第1及び第2の犠牲層13、14の除去にある。犠牲層13、14を除去するための選択は、もちろん犠牲層13、14をなしている材料に基づいて決まる。
【0045】
図4a〜図4gに基づく方法に従って製造されたマイクログリッパ8は、マイクロメートル及びサブマイクロメートルの範囲での対象物を保持及び収容するために使用することができる。このマイクログリッパの特異的な適用は、引き続きTEM又はSEM内で検査するために電子透過性の試料を収容することである。このような試料は、当業者に既知のいわゆる集束イオンビーム技術(FIB技術)によって、検査すべき材料から試料作製される。
【0046】
このようなTEM試料40を収容するための、図5に示した従来の方法は、材料配置に使用するTEM試料40に固定される針41を利用する。これに対し本発明に従って製造されたマイクログリッパ8は、FIB技術によって製造された電子透過性の試料40を、FIB試料作製装置内で、図2a及び図2bに相応して把持要素1、2により収容することを可能にする。
【0047】
図6は、マイクログリッパ8と、把持要素1、2の間に挟まれたTEM試料40とを示している。TEM試料40は、直接的にTEM内に移送することができ、且つ即座に電子ビーム53による検査のために正しい位置で利用することができる。このやり方の本質的な利点は、複雑な、これまで使用されていたいわゆるリフトアウトプロセスを、マイクログリッパによるTEM試料40の一度の把持に置き換えることにある。TEM試料40の収容後、試料をマイクログリッパと一緒にTEM内で検査することができる。必要な場合には、マイクログリッパによるTEM試料の収容後に、FIB試料作製装置内でのTEM試料の後処理が可能である。
【0048】
マイクログリッパ8の収容スリット6の幅は、特定の範囲内でしか変化させられないので、TEM試料40は、後にマイクログリッパ8と接触する面で、保持に必要な試料厚が達成されるように、FIB技術によって寸法決定される。TEM試料のそれ以外の領域は、TEM検査に必要な電子透過性に基づいて試料作製される。
【0049】
図7a及び図7bは、本発明によるマイクログリッパ8のさらなる有利な実施形態を示している。この例でマイクログリッパ8は、内側半径及び外側半径を有する半環70と接続されて使用される。マイクログリッパ8は平面的な扇形のベース体を備えており、その際、把持体はTEM試料40と共に、扇形の先端で、扇形から突き出て配置されている。ベース体形状の扇形の半径は半環70の内側半径より大きい。理想的には半環70の外側半径とベース体の扇形の半径が等しい。マイクログリッパ8は、例えば真空ピペットのような装置の補助によって収容され、且つ粘着剤で半環70上に図示したように固定される。その際、半環70は、TEM分析で使用される様々な材料から成ることができる。その際、把持要素1、2は半環を越えて突き出ており、これによりこの配置は、基体からのTEM試料40の収容に適している。図7bは、相応に準備された基体からのこのようなTEM試料40の収容を、細部を拡大して示している。もちろん違う成形がなされたマイクログリッパを半環70上に固定してもよい。したがってベース体の外形は、どうしても扇形に類似していなければならないわけではない。
【0050】
図8は、本発明によるマイクログリッパ8の一実施形態を示しており、この場合、半円形の平面体表面7を有するベース体が形成される。この半円の半径Rは、TEMの試料保持具内にマイクログリッパ8を引き続き直接的に移送することができるように決められている。マイクログリッパ8は、まず収容装置31によって保持され、これによりTEM試料40の収容が実施される。この配置は、半円形のリングへのさらなる適応を行う必要なく、TEMの試料保持具内にマイクログリッパ8を直接的に移送することを可能にする。ベース体の半円形状の代わりに、中心角< 180°の扇形を使用する場合、TE顕微鏡の試料保持具内では、マイクログリッパが横方向にずれる可能性があり、これにより試料キャリアの挟みナットに正しく掴まれないので、マイクログリッパを保持しづらくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース体及び前記ベース体と一体的に接続された把持体を含んでおり、前記把持体が、前記ベース体から突き出ており、且つ、自由端部領域では、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を収容スリット(6)内に把持及び保持のために挟み得るように、前記収容スリット(6)を備えたマイクログリッパ(8)の製造方法であって、
前記ベース体及び前記把持体が、材料付着方法によって、少なくとも一つの共通の第1の材料層及び一つの共通の第2の材料層(3、4)を形成することで製造され、かつ、前記材料層(3、4)が、基本的に平らに形成されているものであって、
平らな基体表面を準備するステップと、
前記基体表面上に第1の犠牲層(13)を付着するステップと、
前記第1の犠牲層(13)上に前記第1の材料層(3)を付着するステップと、
前記第1の材料層(3)上、少なくとも前記第1の材料層(3)の一つの局所的な領域上に第2の犠牲層(14)を付着するステップと、
前記第1の材料層(3)及び前記第2の犠牲層(14)上に前記第2の材料層(4)を付着するステップと、
前記収容スリットを形成するため前記第2の犠牲層(14)を除去するステップと、
前記製造されたマイクログリッパを前記基体表面から取り外すために前記第1の犠牲層(13)を除去するステップと、
を実施することで互いに材料層(3、4)を接合させること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の犠牲層(13)を付着は、前記基体表面上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記基体表面上に前記第1の犠牲層(13)を付着した後、前記第1の犠牲層(13)の構造化が実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の犠牲層(13)上での前記第1の材料層(3)の付着が、前記第1の犠牲層(13)上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記第1の犠牲層(13)上に前記第1の材料層(3)を付着した後、前記第1の材料層(3)の構造化が実施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の材料層(3)上に前記第2の犠牲層(14)を付着した後、前記第2の犠牲層(14)の構造化が行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上での前記第2の材料層(4)の付着が、前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上に前記第2の材料層(4)を付着した後、前記第2の材料層(4)の構造化が行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基体表面上に前記第1の犠牲層(13)を付着する前に、前記基体表面上に一つ又は複数の中間層(12)が付着されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の材料層(4)上に、一つ又は複数の安定化層(15)が施されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記犠牲層(13、14)に、プラスチック、セラミック、金属、又は特に酸化珪素が使用されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記材料層(3、4)に、プラスチック、セラミック、金属、半金属、又は特にポリシリコンが使用されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記犠牲層(13、14)の構造化及び/又は前記第1及び/又は前記第2の材料層(3、4)の前記構造化が、それぞれの層のマスキング及び化学エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、イオンビームエッチング、又はプラズマエッチングによって行われることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
材料付着法として、CVD法、LPCVD法、PECVD法、PVD法、又は電気めっきによる析出法が使用されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1及び前記第2の材料層(13、14)が、異なる材料から製造されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ベース体及び前記ベース体と一体的に接続された把持体を含んでおり、前記把持体が、前記ベース体から突き出ており、且つ、自由端部領域では、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を前記収容スリット(6)内に把持及び保持のために挟み得るように、前記収容スリット(6)を備えたマイクログリッパであって、前記ベース体及び前記把持体が一体的な平面体(8)として形成されており、該平面体が、二つの基本的に平らで互いに対し平行に方向付けられ、且つ、重なり合っている平面体の表面によって、境界付けられており、少なくとも一つの第1の材料層及び一つの第2の材料層(3、4)を少なくとも部分的に互いに直接接続させ得る材料付着法の過程で製造可能であることを特徴とするマイクログリッパ。
【請求項14】
前記平面体の表面が完全に重なり合うことを特徴とする請求項13に記載のマイクログリッパ。
【請求項15】
前記平面体表面が、中心角α≦180°の扇形に相当しており、且つ、前記把持体が、扇形の先端で、前記扇形から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項16】
前記平面体表面が、中心角α≦180°の弓形に相当しており、且つ前記把持体が、弓の弦の部分で、特に弓の弦の部分の中心で、前記弓形から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項17】
前記平面体表面が、多角形に相当しており、且つ前記把持体が、前記多角形の周縁から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項18】
前記弓形又は前記扇形が、顕微鏡の、特にSE顕微鏡又はTE顕微鏡の試料保持具の半径に適合された円半径を有することを特徴とする請求項15又は16のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項19】
円半径が1.5mmであることを特徴とする請求項18に記載のマイクログリッパ。
【請求項20】
前記収容スリット(6)が、内側に、二つの互いに対し平行に配置されており、互いに間隔をあけており、互いのオーバラップした挟持面を有することを特徴とする請求項13から19のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項21】
前記挟持面が、10nm〜10μm、特に50nm〜1μmの間隔をあけていることを特徴とする請求項20に記載のマイクログリッパ。
【請求項22】
前記挟持面が、多角形として、特に長方形又は正方形として形成されることを特徴とする請求項20又は21に記載のマイクログリッパ。
【請求項23】
前記挟持面が、前記収容スリットの開いている方に向かって次第に細くなる形状を有することを特徴とする請求項20又は21に記載のマイクログリッパ。
【請求項24】
前記挟持面が、それぞれ完全にオーバラップしていることを特徴とする請求項20から23のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項25】
前記ベース体及び前記把持体が一体的に、プラスチック、セラミック、金属、半金属の材料の一つから、又は特にポリシリコンから成ることを特徴とする請求項13から24のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項26】
前記ベース体及び前記把持体が一体的に、異なる材料から成る材料層を有することを特徴とする請求項13から24のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項27】
TE顕微鏡内での材料試料の検査と関連させて材料試料を収容、搬送、及び保持するための、請求項13から26のいずれか一項に記載の前記マイクログリッパの使用。
【請求項1】
ベース体及び前記ベース体と一体的に接続された把持体を含んでおり、前記把持体が、前記ベース体から突き出ており、且つ、自由端部領域では、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を収容スリット(6)内に把持及び保持のために挟み得るように、前記収容スリット(6)を備えたマイクログリッパ(8)の製造方法であって、
前記ベース体及び前記把持体が、材料付着方法によって、少なくとも一つの共通の第1の材料層及び一つの共通の第2の材料層(3、4)を形成することで製造され、かつ、前記材料層(3、4)が、基本的に平らに形成されているものであって、
平らな基体表面を準備するステップと、
前記基体表面上に第1の犠牲層(13)を付着するステップと、
前記第1の犠牲層(13)上に前記第1の材料層(3)を付着するステップと、
前記第1の材料層(3)上、少なくとも前記第1の材料層(3)の一つの局所的な領域上に第2の犠牲層(14)を付着するステップと、
前記第1の材料層(3)及び前記第2の犠牲層(14)上に前記第2の材料層(4)を付着するステップと、
前記収容スリットを形成するため前記第2の犠牲層(14)を除去するステップと、
前記製造されたマイクログリッパを前記基体表面から取り外すために前記第1の犠牲層(13)を除去するステップと、
を実施することで互いに材料層(3、4)を接合させること、を特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の犠牲層(13)を付着は、前記基体表面上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記基体表面上に前記第1の犠牲層(13)を付着した後、前記第1の犠牲層(13)の構造化が実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の犠牲層(13)上での前記第1の材料層(3)の付着が、前記第1の犠牲層(13)上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記第1の犠牲層(13)上に前記第1の材料層(3)を付着した後、前記第1の材料層(3)の構造化が実施されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の材料層(3)上に前記第2の犠牲層(14)を付着した後、前記第2の犠牲層(14)の構造化が行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上での前記第2の材料層(4)の付着が、前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上の少なくとも一つの局所的に限定された平面領域内で行われること、及び/又は前記第2の犠牲層(14)及び前記第1の材料層(3)上に前記第2の材料層(4)を付着した後、前記第2の材料層(4)の構造化が行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基体表面上に前記第1の犠牲層(13)を付着する前に、前記基体表面上に一つ又は複数の中間層(12)が付着されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の材料層(4)上に、一つ又は複数の安定化層(15)が施されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記犠牲層(13、14)に、プラスチック、セラミック、金属、又は特に酸化珪素が使用されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記材料層(3、4)に、プラスチック、セラミック、金属、半金属、又は特にポリシリコンが使用されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記犠牲層(13、14)の構造化及び/又は前記第1及び/又は前記第2の材料層(3、4)の前記構造化が、それぞれの層のマスキング及び化学エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、イオンビームエッチング、又はプラズマエッチングによって行われることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
材料付着法として、CVD法、LPCVD法、PECVD法、PVD法、又は電気めっきによる析出法が使用されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1及び前記第2の材料層(13、14)が、異なる材料から製造されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ベース体及び前記ベース体と一体的に接続された把持体を含んでおり、前記把持体が、前記ベース体から突き出ており、且つ、自由端部領域では、マイクロメートル又はサブマイクロメートルのスケールの対象物を前記収容スリット(6)内に把持及び保持のために挟み得るように、前記収容スリット(6)を備えたマイクログリッパであって、前記ベース体及び前記把持体が一体的な平面体(8)として形成されており、該平面体が、二つの基本的に平らで互いに対し平行に方向付けられ、且つ、重なり合っている平面体の表面によって、境界付けられており、少なくとも一つの第1の材料層及び一つの第2の材料層(3、4)を少なくとも部分的に互いに直接接続させ得る材料付着法の過程で製造可能であることを特徴とするマイクログリッパ。
【請求項14】
前記平面体の表面が完全に重なり合うことを特徴とする請求項13に記載のマイクログリッパ。
【請求項15】
前記平面体表面が、中心角α≦180°の扇形に相当しており、且つ、前記把持体が、扇形の先端で、前記扇形から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項16】
前記平面体表面が、中心角α≦180°の弓形に相当しており、且つ前記把持体が、弓の弦の部分で、特に弓の弦の部分の中心で、前記弓形から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項17】
前記平面体表面が、多角形に相当しており、且つ前記把持体が、前記多角形の周縁から突き出て配置されることを特徴とする請求項13又は14に記載のマイクログリッパ。
【請求項18】
前記弓形又は前記扇形が、顕微鏡の、特にSE顕微鏡又はTE顕微鏡の試料保持具の半径に適合された円半径を有することを特徴とする請求項15又は16のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項19】
円半径が1.5mmであることを特徴とする請求項18に記載のマイクログリッパ。
【請求項20】
前記収容スリット(6)が、内側に、二つの互いに対し平行に配置されており、互いに間隔をあけており、互いのオーバラップした挟持面を有することを特徴とする請求項13から19のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項21】
前記挟持面が、10nm〜10μm、特に50nm〜1μmの間隔をあけていることを特徴とする請求項20に記載のマイクログリッパ。
【請求項22】
前記挟持面が、多角形として、特に長方形又は正方形として形成されることを特徴とする請求項20又は21に記載のマイクログリッパ。
【請求項23】
前記挟持面が、前記収容スリットの開いている方に向かって次第に細くなる形状を有することを特徴とする請求項20又は21に記載のマイクログリッパ。
【請求項24】
前記挟持面が、それぞれ完全にオーバラップしていることを特徴とする請求項20から23のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項25】
前記ベース体及び前記把持体が一体的に、プラスチック、セラミック、金属、半金属の材料の一つから、又は特にポリシリコンから成ることを特徴とする請求項13から24のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項26】
前記ベース体及び前記把持体が一体的に、異なる材料から成る材料層を有することを特徴とする請求項13から24のいずれか一項に記載のマイクログリッパ。
【請求項27】
TE顕微鏡内での材料試料の検査と関連させて材料試料を収容、搬送、及び保持するための、請求項13から26のいずれか一項に記載の前記マイクログリッパの使用。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【公表番号】特表2009−537336(P2009−537336A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510298(P2009−510298)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002109
【国際公開番号】WO2007/134660
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500242786)フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. (47)
【出願人】(508340662)カール ツァイス エヌテーエス ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002109
【国際公開番号】WO2007/134660
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(500242786)フラウンホファー ゲセルシャフトツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ. (47)
【出願人】(508340662)カール ツァイス エヌテーエス ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】
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