説明

枚葉収納容器

【課題】 収納された半導体ウエハー4を容易に出し入れできる枚葉収納容器を提供する。
【解決手段】 内部に1枚の半導体ウエハー4を収納する容器本体2と、この容器本体2に取り付けられる蓋体3とを備えた枚葉収納容器1である。容器本体2が、半導体ウエハー4を載置する底板部5と、この底板部5の周囲に形成された周壁部6とを備え、底板部5が周壁部6よりも高い位置まで隆起させて形成した。容器本体2の底板部5には、半導体ウエハー4を底板部5との間に隙間を空けた状態で支持するための複数の薄板支持凸条8を備えた。蓋体3天板部21の内側面には、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4の周縁部を支持する複数のリテーナー24を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハー、記憶ディスク、液晶ガラス基板等の薄板を収納して保管、輸送、製造工程等において使用される枚葉収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハー等の薄板を収納して保管、輸送等するための枚葉収納容器は一般に知られている。この枚葉収納容器の一例としては特許文献1に記載のロボット用パッケージがある。このロボット用パッケージでは、ウエハーを収納するコンパートメントを有している。ウエハーは、このコンパートメント内へ挿入されて、保管、輸送等が行われる。
【0003】
また、浅い皿状の容器本体と蓋体とから構成された枚葉収納容器もある。
【特許文献1】特表平5−508747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上述のようなロボット用パッケージの場合は、ウエハーをコンパートメントに対して出し入れするのが容易でなく、作業性が悪い。
【0005】
これに対して、浅い皿状の容器本体と蓋体とから構成された枚葉収納容器の場合は、上記ロボット用パッケージよりもウエハーの出し入れが容易になるが、この場合も、ウエハーを上方から取り出す必要がある。皿状の容器本体の場合、収納されたウエハーの周囲に容器本体の壁部があるため、搬送装置の真空ピンセットを横から挿入することはできない。このため、ウエハーを上方から取り出す必要があり、その作業性が悪いという問題点がある。
【0006】
また、ウエハーが大型化すると、強度の問題から、ウエハーの周縁部のみを支持して上方へ持ち上げるのは容易でなく、この点でも、作業性が悪いという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、収納されたウエハーを容易に出し入れできる枚葉収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、内部に1枚の薄板を収納する容器本体と、当該容器本体に取り付けられる蓋体とを備えた枚葉収納容器において、上記容器本体が、上記薄板を載置する底板部と、当該底板部の周囲に形成された周壁部とを備えると共に、上記底板部が上記周壁部よりも高い位置まで隆起させて形成され、上記蓋体が、上記容器本体の底板部に載置された上記薄板をその上側から覆う天板部と、当該天板部の周囲に設けられて上記薄板を収納する空間を形成する周壁部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記底板部を上記周壁部よりも高い位置まで隆起させて形成することで、上記底板部に載置された上記薄板の周囲の障害物が無くなる。これにより、搬送装置の真空ピンセット等を薄板の下側にその横方向から挿入して持ち上げることができるようになる。
【0010】
上記容器本体の底板部には、上記薄板を当該底板部との間に隙間を空けた状態で支持するための複数の薄板支持凸条を備えることが望ましい。
【0011】
これにより、上記薄板と底板部との隙間に搬送装置の真空ピンセット等を挿入して薄板を持ち上げることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の枚葉収納容器によれば、大径の薄板の場合も、枚葉収納容器に対して容易に出し入れすることができると共に、確実に支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明の枚葉収納容器は、大径の半導体ウエハー等の薄板を収納して、保管、輸送等するための容器である。
【0014】
枚葉収納容器1は、図1〜3に示すように主に、容器本体2と、蓋体3とから構成され、四隅を丸くした四角形状に形成されている。これら容器本体2及び蓋体3は、非帯電性の透明高分子材料で形成されている。非帯電性にすることで、塵埃等の吸着を防止している。また、透明高分子材料にすることで、内部の状態を確認できるようにしている。なお、容器本体2と蓋体3とは、その両方ともに非帯電性の高分子材料にする場合以外に、いずれか一方のみを非帯電性の高分子材料で形成してもよい。また、両方とも透明高分子材料で形成する場合以外に、蓋体3のみを透明高分子材料で形成してもよい。少なくとも蓋体3を透明高分子材料で形成すれば、内部の状態を確認できる。
【0015】
容器本体2は、薄板としての1枚の半導体ウエハー4を収納するための部材である。この容器本体2は、図4〜9に示すように、半導体ウエハー4を載置する底板部5と、この底板部5の周囲に形成された周壁部6とから構成されている。
【0016】
底板部5は、収納された半導体ウエハー4を支持する部分である。この底板部5は、周壁部6よりも高い位置まで隆起させて形成されている。これは、半導体ウエハー4を底板部5の上に載置するとき及び底板部5に載置された半導体ウエハー4を取り出すときに周壁部6が障害にならないようにするためである。即ち、搬送装置の真空ピンセット(図示せず)等に支持された半導体ウエハー4を底板部5に載置した後、この半導体ウエハー4と底板部5との間から真空ピンセット等を横方向に抜き取ったり、底板部5に載置された半導体ウエハー4の横方向からこの半導体ウエハー4の下側へ真空ピンセット等を挿入して持ち上げたりするときに、周壁部6が障害にならないようにするためである。
【0017】
底板部5の上側面には、薄板支持凸条8と、係止片9とが設けられている。
【0018】
薄板支持凸条8は、半導体ウエハー4を底板部5との間に隙間を空けた状態で支持するための部材である。薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部に複数本(本実施形態では8本)設けられている。各薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部から中心に向けて放射状に延ばして形成されている。薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部から中心に向けて細くなる、くさび状に形成されている。さらに、薄板支持凸条8の円周方向の断面形状は、半導体ウエハー4との接触部分に向けて細くなるようにほぼ三角形状に形成されている。薄板支持凸条8の断面形状をほぼ三角形状にすることで、半導体ウエハー4の周縁部と点接触するようになっている。なお、この接触部分は、点接触以外に、線接触又は面接触でもよい。薄板支持凸条8の形状、半導体ウエハー4の寸法、要求される強度等を考慮した上で、可能な最小面積で接触するように、薄板支持凸条8の形成を設定する。
【0019】
これにより、薄板支持凸条8には、半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力を作用させる働きが生じる。これは、次の理由による。まず、薄板支持凸条8は、リテーナー24と相まって、半導体ウエハー4を底板部5の中心に配置させる機能を備えている。即ち、薄板支持凸条8がくさび状に形成されて傾斜していることで、この薄板支持凸条8に半導体ウエハー4の周縁部が載置されると、この半導体ウエハー4に底板部5の中心方向へ働く力が作用する。また、リテーナー24によっても、半導体ウエハー4に底板部5の中心方向へ働く力が作用する。リテーナー24は、半導体ウエハー4の周縁部を下方と径方向内方へ押圧するが、そのうちの下方へ押圧する力が、薄板支持凸条8のくさび状の傾斜部分に載置された半導体ウエハー4の周縁部に作用することで、半導体ウエハー4を底板部5の中心方向へ押圧する力が発生する。さらに、この力は、半導体ウエハー4がリテーナー24から離れれば弱くなり、近づけば強くなる。リテーナー24自身が持つ半導体ウエハー4を径方向内方へ押圧する力も同様である。一方、薄板支持凸条8と半導体ウエハー4とは接触面積が小さくて摩擦抵抗も小さいため、半導体ウエハー4は上記押圧力によって容易に移動し得る。このため、半導体ウエハー4はその周囲に複数配設された各リテーナー24及び薄板支持凸条8によって、押圧力が釣り合う位置に移動する。
【0020】
この結果、上記リテーナー24自身と薄板支持凸条8自身とが持つ径方向内方への押圧力、及びリテーナー24と薄板支持凸条8とが協働して発生する径方向内方への押圧力によって、半導体ウエハー4を底板部5の中心に移動させたところで釣り合って半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力が作用する。このため、薄板支持凸条8には、リテーナー24と協働することで、半導体ウエハー4に作用する力を均一にして、半導体ウエハー4に均一な保持力を作用させる働きが生じる。
【0021】
薄板支持凸条8は、四角形の底板部5の各辺に2本ずつ設けられている。隣接する2つの薄板支持凸条8の間は、搬送装置の真空ピンセット等よりも広い間隔に設定されている。これにより、搬送装置の真空ピンセットが、隣接する2つの薄板支持凸条8の間を通って半導体ウエハー4の出し入れをするようになっている。なお、薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部に8本設けたが、真空ピンセットの出し入れの邪魔にならない範囲で、7本以下又は9本以上でもよい。さらに、薄板支持凸条8は、底板部5の周縁部近傍に設けたが、真空ピンセットの出し入れの邪魔にならない範囲で、底板部5の全面に設けてもよい。
【0022】
係止片9は、各薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の周縁部に当接して半導体ウエハー4の横滑りを防止するための部材である。係止片9は、薄板支持凸条8の端部に設けられている。係止片9は、薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の外径よりも若干大きな円周上の位置に配設されている。さらに、係止片9の当接面は、半導体ウエハー4の周縁に沿って湾曲して形成されている。半導体ウエハー4が横滑りした場合は、この係止片9の湾曲した当接面が半導体ウエハー4の周縁部に当接して横滑りを防止する。
【0023】
底板部5は、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚くなるように設定されている。これは、底板部5に要求される強度を保つためであり、要求される強度に応じた肉厚に設定される。肉厚の変化と共に円錐形状等に湾曲させて形成してもよい。例えば、中心位置の最大肉厚を5mm、周縁部の最小肉厚を2mmとして、その肉厚をなだらかに変化させて底板部5を構成する。このとき、必要に応じて、肉厚の変化と共に円錐形状等に湾曲させて形成する。この構成によって、要求される強度を確保した状態で、底板部5の裏面の補強リブを省略し、凹凸部分を無くして洗浄しやすく液切れのよい形状にしている。即ち、洗浄効率の向上を図っている。
【0024】
周壁部6は、図9に示すように、底板部5の周縁部から下方へ垂下して形成されている。周壁部6は、2段に段差を設けて構成されている。一段目6Aの段差の上面には、その全周に亘ってシール溝12が設けられ、このシール溝12にシール材13が取り付けられている。容器本体2に蓋体3を被せることで、蓋体3の周壁部22の一段目22Aにおける段差の下面がシール材13に当接してこのシール材13を押し潰し、枚葉収納容器1内を気密に封止するようになっている。この周壁部6の一段目6Aは、後述する蓋体3の凹状嵌合部(22B)に嵌合する凸状嵌合部となっている。
【0025】
二段目6Bは、後述する蓋体3の凸状嵌合部(22A)に嵌合する凹状嵌合部となっている。二段目6Bの段差には、図4〜図7に示すように、ヒンジ嵌合部15と、フック嵌合部16が設けられている。ヒンジ嵌合部15には、蓋体3を容器本体2に対して回動可能に支持する後述のヒンジ17が嵌合される。このヒンジ嵌合部15は、後述するヒンジ17の嵌合片17Aとほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。このヒンジ嵌合部15に、ヒンジ17の嵌合片17Aが嵌合して、きつく結合される。
【0026】
フック嵌合部16は、後述するフック18が嵌合するための凹部である。このフック嵌合部16と後述する蓋体3のフック嵌合部29との間にフック18が嵌合されて蓋体3を容器本体2に固定する。フック嵌合部16は、フック18とほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とを合わせることで、フック18とほぼ同じ形状の凹部になるように構成されている。フック嵌合部16の両側壁には、円柱状の嵌合突起19が設けられている。この嵌合突起19は、後述するフック18の嵌合凹部18Bに嵌合して、容器本体2と蓋体3とを固定する。
【0027】
ヒンジ17は、図10及び図11に示すように、2つの嵌合片17A、17Bと、各嵌合片17A、17Bの間の薄肉部17Cとから構成されている。各嵌合片17A、17Bは、各ヒンジ嵌合部15、28にそれぞれ嵌合して、容器本体2と蓋体3とを互いに連結するための部材である。薄肉部17Cは、摺動部分を無くして塵埃等の発生を抑えて蓋体3を回動可能に支持するための部材である。
【0028】
ヒンジ17は、容器本体2に対して蓋体3が90度〜180度の開き角になったところで、蓋体3及び容器本体2から分離でき、また接合できるようになっている。具体的には、蓋体3が容器本体2に対して90度〜180度の開き角で、ヒンジ17が容器本体2及び蓋体3の各ヒンジ嵌合部15、28に対して着脱可能になっている。このヒンジ17は、破損等した場合は、新しいヒンジ17に交換する。即ち、ヒンジ17が破損等した場合は、このヒンジ17のみの部品交換で済むようにしている。
【0029】
フック18は、容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とにそれぞれ嵌合して容器本体2と蓋体3とを互いに結合するための部材である。フック18は、図12及び図13に示したように、本体部18Aと、嵌合凹部18Bと、取っ手部18Cとから構成されている。本体部18Aは、ほぼ四角形板状に形成され、容器本体2のフック嵌合部16と蓋体3のフック嵌合部29とで形成される四角形の凹部に嵌合するようになっている。
【0030】
嵌合凹部18Bは、各フック嵌合部16、29の各嵌合突起19、30に嵌合して蓋体3を容器本体2側に固定するための部材である。この嵌合凹部18Bは、回動用嵌合凹部18B1と、結合用嵌合凹部18B2とから構成されている。回動用嵌合凹部18B1は、嵌合突起19、30に嵌合してフック18を回動可能に支持するための部分である。この回動用嵌合凹部18B1は、その内側面形状を円弧状に形成されると共に、その両端部に回り込み部20を設けて、嵌合突起19、30に嵌合した状態で抜けづらくなっている。これにより、フック18は容器本体2側に回動可能に取り付けられている。
【0031】
結合用嵌合凹部18B2は、蓋体3を容器本体2に固定するときに嵌合突起19、30に嵌合すると共に、蓋体3を開くときに嵌合突起19、30から取り外すための部分である。この結合用嵌合凹部18B2は、嵌合突起19、30に対して容易に嵌合、取り外しができると共に、蓋体3を容器本体2に堅固に固定する必要があるため、外側面(図12の上側面)にのみ回り込み部20を設けている。内側面は平坦面状にして、嵌合突起19、30の出し入れの際に障害にならないようにしている。これにより、蓋体3が容器本体2に対して開こうとする方向に力が作用すると、嵌合突起19、30を回り込み部20が外側から覆うように支持してフック18が外れるのを防止する。また、フック18を嵌合、取り外しする場合は、片方にしか設けられていない回り込み部20が嵌合突起19、30に対して軽い障害になるだけで、軽い力で容易に嵌合、取り外しできるようになっている。
【0032】
取っ手部18Cは、フック18を嵌合、取り外しする際に、指で持つ部分である。この取っ手部18Cを指で持って、結合用嵌合凹部18B2を嵌合突起19、30に嵌合させて、蓋体3を容器本体2に固定したり、結合用嵌合凹部18B2を嵌合突起19、30から取り外して蓋体3を開いたりする。
【0033】
なお、フック18は、その取っ手部18Cを上に向けて取り付けても、下に向けて取り付けてもよい。
【0034】
蓋体3は、図14及び図15に示すように、容器本体2とほぼ同じ形状に形成されている。これにより、枚葉収納容器1を積み重ねたときに、上側の枚葉収納容器1の容器本体2が下側の枚葉収納容器1の蓋体3に嵌り込んで、安定してかつコンパクトに積層できるようになっている。例えば、本実施形態の枚葉収納容器1の一例では、その全高が41mmのとき、2段積み重ねて76mmとなった。これに対して、従来の枚葉収納容器では、枚葉収納容器の全高が49.5mmのとき、2段積み重ねて90mmであった。これにより、重ねる枚数が増えれば、従来技術に比べて、その積層高さを大幅に低減できる。
【0035】
蓋体3は具体的には、天板部21と周壁部22と蓋体ガイド23とから構成されている。天板部21は、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4をその上側から覆う部材である。天板部21は、底板部5と同様に、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚くしている。これは、天板部21に要求される強度を保つためであり、要求される強度に応じた肉厚に設定されている。これにより、天板部21の裏面の補強リブを省略して、凹凸部分を無くして洗浄効率の向上を図っている。
【0036】
蓋体3の天板部21の内側面には、後述するリテーナー24が嵌め込まれるリテーナー嵌合部(図示せず)が設けられている。このリテーナー嵌合部は、天板部21の内側面に8個設けられている。各リテーナー嵌合部は、天板部21の内側面のうち、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4の周縁部に臨ませて設けられている。
【0037】
周壁部22は、天板部21の周囲から下方へ垂下して形成されている。この周壁部22は、容器本体2の周壁部6と同様に、2段に段差を設けて構成されている。これにより、蓋体3が容器本体2に被せられた状態で当該容器本体2の底板部5と蓋体3の天板部21及び周壁部22とによって半導体ウエハー4を収納する空間が形成されている。一段目22Aは、容器本体2の凹状嵌合部(6B)にその下側から嵌合する凸状嵌合部となっている。二段目22Bは、容器本体2の凸状嵌合部(6A)にその上側から嵌合する凹状嵌合部となっている。
周壁部22の段差のうち一段目22Aの下面には、その全周に亘って当接面が設けられている。この当接面が容器本体2側のシール材13に当接して枚葉収納容器1内を気密に封止するようになっている。二段目22Bは、その外周面が容器本体2に形成された段差の二段目6Bの外周面と面一になるように形成されている。即ち、容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態(図1参照)でこれらの合わせ部分が面一になるように形成されている。これは、シール材13を設けずに、面一の合わせ部分にシール用テープを貼る場合があるためである。
【0038】
蓋体ガイド23は、蓋体3を容器本体2に被せるときに、これら蓋体3と容器本体2とが互いにずれないように案内するためのガイドである。この蓋体ガイド23は、蓋体3のフック嵌合部29の両側から内側へ張り出して形成され、蓋体3が容器本体2に被さったとき、容器本体2の周壁部6に対して僅かな隙間を空けた状態で対向して位置するようになっている。これにより、蓋体ガイド23は、蓋体3がヒンジ17を中心に回動して容器本体2に被さったときに、蓋体3がずれた場合に案内する。蓋体3は2つのヒンジ17で支持されているため通常ずれることはないが、何らかの原因で蓋体3が容器本体2に対してずれた場合に、蓋体ガイド23が容器本体2の周壁部6に当接して案内する。なお、蓋体ガイド23は、容器本体2側に設けてもよい。容器本体2及び蓋体3の両側に設けてもよい。
【0039】
蓋体3のうち、容器本体2のヒンジ嵌合部15に対向する位置にはヒンジ嵌合部28が設けられている。ヒンジ嵌合部28には、蓋体3を容器本体2に対して回動可能に支持するヒンジ17が嵌合される。このヒンジ嵌合部28は、ヒンジ嵌合部15と同様に、ヒンジ17の嵌合片17Aとほぼ同じ寸法に形成された凹部によって構成されている。このヒンジ嵌合部28に、ヒンジ17の嵌合片17Aが嵌合して、きつく結合される。
【0040】
蓋体3のうち、容器本体2のフック嵌合部16に対向する位置にはフック嵌合部29が設けられている。フック嵌合部29は、容器本体2のフック嵌合部16とミラー対象でほぼ同じ構成になっている。このフック嵌合部29と容器本体2のフック嵌合部16とが合さることで、フック18とほぼ同じ寸法及び形状の凹部を構成する。
【0041】
フック嵌合部29の両側壁には、容器本体2のフック嵌合部16の嵌合突起19と同様の円柱状の嵌合突起30が設けられている。この嵌合突起30は、後述するフック18の嵌合凹部18Bに嵌合して、容器本体2と蓋体3とを固定する。
【0042】
天板部21の上側面の周縁には、枚葉収納容器1を持ち運ぶための係止用フランジ31が設けられている。この係止用フランジ31は、天板部21から水平に張り出した板材によって構成されている。係止用フランジ31は、ヒンジ嵌合部28及びフック嵌合部29が位置する方向に対向して2つ設けられている。この係止用フランジ31は、搬送装置側のアーム部(図示せず)の形状に応じて、その設置位置、形状等が適宜設定される。
【0043】
リテーナー24は、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4の周縁部を支持するための部材である。このリテーナー24は、弾性を有する合成樹脂で形成されている。リテーナー24は、図16及び図17に示すように、基部25と、撓み片26とから構成されている。基部25は、蓋体3の天板部21のリテーナー嵌合部に嵌合する部分である。基部25は、ほぼ四角環状に形成され、そのうちの2つの角部に突起25Aを設けてリテーナー嵌合部の形状に合わせている。この基部25が、突起状のリテーナー嵌合部に嵌合することで、リテーナー24がリテーナー嵌合部に確実に取り付けられる。リテーナー嵌合部は蓋体3に設けられた四角柱または類似形状の突起形状をしており、この突起を前記四角環状の基部25に嵌合することによってリテーナー24を蓋体3に取り付けることができる。
【0044】
撓み片26は、半導体ウエハー4に当接して支持するための部分である。撓み片26は、基部25から半導体ウエハー4側に延出して形成されている。撓み片26は、基端片部26Aと、先端片部26Bと、薄肉部26Cとから構成されている。撓み片26は、弾性を有する合成樹脂で形成されているため、基端片部26Aと先端片部26Bも撓むが、特に薄肉部26Cがよく撓み、この薄肉部26Cを中心にして、基端片部26Aと先端片部26Bとが撓んで、半導体ウエハー4を弾性的に支持している。さらに、先端片部26Bは基端片部26Aに対して傾斜させて形成されているため、この先端片部26Bが半導体ウエハー4の周縁部に当接すると、この先端片部26Bが半導体ウエハー4をその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧するようになっている。
【0045】
以上のように構成された枚葉収納容器1は、次のようにして使用される。
【0046】
半導体ウエハー4を収納するときは、半導体ウエハー搬送装置の載置台(図示せず)に枚葉収納容器1が設置されて、フック18が外されて蓋体3が開かれる。この状態で、搬送装置の真空ピンセットが半導体ウエハー4を支持して底板部5の直上まで移動される。次いで、真空ピンセットが降ろされて、半導体ウエハー4が底板部5の薄板支持凸条8上に載置される。この状態で、半導体ウエハー4と底板部5との間には真空ピンセットよりも広い隙間が確保され、真空ピンセットは半導体ウエハー4に接触することなく、そのまま引き出される。次いで、蓋体3が閉じられて、フック18が取り付けられる。
【0047】
このとき、枚葉収納容器1内では、蓋体3の内側面のリテーナー24が半導体ウエハー4の周縁部に当接して、半導体ウエハー4をその周縁部から支持している。これにより、半導体ウエハー4の上側は、リテーナー24で支持されて、径方向内方及び下方へ押圧支持されている。さらに、半導体ウエハー4の下側は、薄板支持凸条8で支持されている。これにより、半導体ウエハー4は、上下から挟まれた状態で、さらに中心に向けて押圧されている。これにより、薄くて広い半導体ウエハー4を確実に支持している。
【0048】
このとき、枚葉収納容器1の内部は、シール材13によって密封されている。なお、場合によっては、シール材13を設けずに、容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態で面一になるこれらの合わせ部分にテープを巻いて封止することもある。
【0049】
この状態で、フランジ部31を搬送装置のアーム部で結合して枚葉収納容器1を持ち上げ、搬送する。
【0050】
枚葉収納容器1内の半導体ウエハー4を取り出すときは、フック18を外して蓋体3を開き、真空ピンセットを半導体ウエハー4と底板部5の隙間に挿入する。次いで、真空ピンセットを上げて半導体ウエハー4を持ち上げ、移動させる。
【0051】
枚葉収納容器1を洗浄するときは、フック18を容器本体2及び蓋体3の両方から取り外し、さらにヒンジ17を容器本体2と蓋体3とから抜き取って外す。さらに、リテーナー24もリテーナー嵌合部から取り外す。シール材13もシール溝12から取り外す。
【0052】
次いで、これらを個別に洗浄して乾燥させた後、ヒンジ17、フック18等を取り付ける。
【0053】
以上のように、枚葉収納容器1によれば、次のような効果を奏する。
【0054】
(1) 容器本体2の底板部5を周壁部6よりも高い位置まで隆起させて形成したので、真空ピンセット等の半導体ウエハー4の支持手段を、容器本体2の横方向から半導体ウエハー4の下側に挿入することができるようになる。この結果、枚葉収納容器1の収納された半導体ウエハー4を容易に出し入れすることができるようになる。
【0055】
(2) 容器本体2の底板部5に、この底板部5と半導体ウエハー4との間に隙間を空けた状態で支持するための薄板支持凸条8を備えたので、真空ピンセット等を半導体ウエハー4の下側に確実に挿入することができる。
【0056】
(3) 薄板支持凸条8を、容器本体2の中心側を低く、外周側を高くするように傾斜させて形成したので、半導体ウエハー4の下側面の周縁部にだけ接触して半導体ウエハー4を支持することができるようになる。
【0057】
(4) 薄板支持凸条8は、放射状に延ばして形成されたので、半導体ウエハー4をその周縁部から安定して支持することができる。
【0058】
(5) 容器本体2の底板部5に係止片9を設けたので、この係止片9が薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の周縁部に当接して半導体ウエハー4の横滑りを防止するため、枚葉収納容器1の搬送中等に半導体ウエハー4がずれるのを防止することができる。
【0059】
(6) 係止片9が、薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4の外径よりも若干大きな円周上に複数配設されたので、半導体ウエハー4が容器本体2の中心位置と整合した状態で載置されているときには、半導体ウエハー4と係止片9とは互いに接触せず、半導体ウエハー4がずれたときに係止片9が半導体ウエハー4の周縁部に接触して半導体ウエハー4のずれを防止することができる。
【0060】
(7) 係止片9の当接面が、半導体ウエハー4の周縁に沿って湾曲して形成されているため、半導体ウエハー4が急激にずれて係止片9と半導体ウエハー4とが激しく接触しても、湾曲した係止片9の当接面が半導体ウエハー4の周縁と広い範囲で接触して、安全に支持する。
【0061】
(8) 蓋体3の天板部21の内側面に、容器本体2の底板部5に載置された半導体ウエハー4の周縁部を支持する複数のリテーナー24を備えたので、容器本体2に蓋体3を被せた状態で、薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4をその周縁から支持して、横滑りを防止することができる。
【0062】
(9) リテーナー24が弾性体で形成されると共に、蓋体3の天板部21の内側面にリテーナー24が取り付けられるリテーナー嵌合部を備えたので、枚葉収納容器1を使用する際にリテーナー24をリテーナー嵌合部に取り付け、洗浄する際にはリテーナー24をリテーナー嵌合部から取り外して、洗浄効率を向上させている。
【0063】
(10) リテーナー24が、リテーナー嵌合部に嵌合する基部25と、基部25から半導体ウエハー4側に延出して形成され半導体ウエハー4の周縁部に当接して半導体ウエハー4をその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧する撓み片26とから構成されたので、容器本体2の薄板支持凸条8に載置された半導体ウエハー4を、上記撓み片26でその径方向内方及び下方へ弾性的にかつ安定して、押圧支持することができる。
【0064】
(11) 薄板支持凸条8が、半導体ウエハー4の周縁部と点接触、線接触又は面接触により最小面積で接触するように構成されたので、薄板支持凸条8が半導体ウエハー4に必要以上に接触して、半導体ウエハー4の下側面を傷つけることを防止することができる。
【0065】
(12) 薄板支持凸条8の断面形状が、半導体ウエハー4との接触部分に向けて細くなるように形成されたので、半導体ウエハー4の周縁部と点接触、線接触又は面接触により最小面積で接触させることができ、薄板支持凸条8が半導体ウエハー4に必要以上に接触して、半導体ウエハー4の下側面を傷つけることを防止することができる。
【0066】
(13) 容器本体2と蓋体3とが、ヒンジ17によって結合され、フック18によって固定されたので、蓋体3を容器本体2に容易に固定することができると共に容易に開くことができるようになる。
【0067】
(14) 容器本体2と蓋体3との間にシール材13が設けられ、これら容器本体2と蓋体3とがヒンジ17によって結合されてフック18によって固定された状態で内部が気密に封止されるため、半導体ウエハー4が収納された状態で、蓋体3を容器本体2に被せて固定するだけで、半導体ウエハー4を容易にかつ確実に気密状態に保持できる。
【0068】
(15) ヒンジ17で容器本体2に結合された蓋体3が、90度から180度の開き角で容器本体2から分離されるため、洗浄作業の場合に、蓋体3を容易に取り外して洗浄することができる。これにより、洗浄作業性が向上する。
【0069】
(16) 容器本体2と蓋体3とがほぼ同じ形状に形成され、蓋体3を閉じた状態でこの蓋体3に上側の枚葉収納容器1の容器本体2が嵌り込んで、複数段に積み重ねることができるようにしたので、複数の枚葉収納容器1を容易にかつ安定して積み重ねることができる。さらに、下側の枚葉収納容器1の蓋体3に上側の枚葉収納容器1の容器本体2が嵌り込んで積み重ねるため、その積層高さがあまり高くならないで、コンパクトに積みかねることができる。
【0070】
(17) 容器本体2と蓋体3とがほぼ同じ形状に形成され、これら容器本体2と蓋体3とを互いに閉じた状態でこれらの合わせ部分が面一になるようにしたので、この合わせ部分にテープを巻くことで枚葉収納容器1内を封止することができる。
【0071】
(18) 容器本体2又は蓋体3の一方又は両方が非帯電性の高分子材料で形成されたので、塵埃等を吸着して半導体ウエハー4が汚染されるのを防止することができる。さらに、少なくとも蓋体3が透明高分子材料で形成されたので、半導体ウエハー4が収納された枚葉収納容器1の内部状態を確認することができる。
【0072】
(19) 蓋体3に、容器本体2に対向して蓋体ガイド23を設けたので、この蓋体ガイド23が、蓋体3を容器本体2に被せるときに、これら蓋体3と容器本体2とが互いにずれないように案内して、安全にかつ正確に蓋体3を閉じることができる。これにより、蓋体3側のリテーナー24が容器本体2側の半導体ウエハー4の周縁部に確実に当接して半導体ウエハー4を支持することができる。
【0073】
(20) 蓋体3の周縁に、持ち運びのための係止用フランジ31が設けられたので、枚葉収納容器1を搬送する場合に、搬送装置のアーム部で係止用フランジ31を掴んで容易に搬送することができる。
【0074】
(21) 容器本体2の底板部5又は蓋体3の天板部21の一方又は両方が、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚く形成されたので、補強リブを設ける必要が無くなり、凹凸部分を無くしている。この結果、容器本体2及び蓋体3が洗浄しやすく液切れのよい形状になり、洗浄効率の向上を図ることができる。
【0075】
[変形例]
上記実施形態では、薄板支持凸条8を放射状に配設したが、複数本平行に配設したものを一組として、それらを放射状に延ばして形成してもよい。真空ピンセットの挿入の邪魔にならない状態の配列の薄板支持凸条8であればよい。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0076】
また、薄板支持凸条8は2本を一組として、四角形の底板部5の各辺(周縁部)の4ヶ所に設けたが、真空ピンセットの挿入の邪魔にならない範囲で、底板部5の中心から周縁まで配設して底板部5の全面に設けても良い。この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器を断面状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器をフック側から示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器をヒンジ側から示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体の要部を示す正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体を裏面から示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体に半導体ウエハーを載置した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体に半導体ウエハーを載置した状態を断面状態で示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の容器本体の要部を示す拡大斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のヒンジを正面側から示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のヒンジを裏面側から示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のフックを正面側から示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のフックを裏面側から示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の蓋体を上側から示す斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器の蓋体を下側から示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のリテーナーを上側から示す斜視図である。
【図17】本発明の実施形態に係る枚葉収納容器のリテーナーを下側から示す斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
1:枚葉収納容器、2:容器本体、3:蓋体、4:半導体ウエハー、5:底板部、6:周壁部、8:薄板支持凸条、9:係止片、10:蓋体ガイド、12:シール溝、13:シール材、15:ヒンジ嵌合部、16、29:フック嵌合部、17:ヒンジ、17A、17B:嵌合片、17C:薄肉部、18:フック、18A:本体部、18B:嵌合凹部、18B1:回動用嵌合凹部、18B2:結合用嵌合凹部、18C:取っ手部、19、30:嵌合突起、20:回り込み部、21:天板部、22:周壁部、24:リテーナー、25:基部、25A:突起、26:撓み片、26A:基端片部、26B:先端片部、26C:薄肉部、28:ヒンジ嵌合部、29:フック嵌合部、31:係止用フランジ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に1枚の薄板を収納する容器本体と、当該容器本体に取り付けられる蓋体とを備えた枚葉収納容器において、
上記容器本体が、上記薄板を載置する底板部と、当該底板部の周囲に形成された周壁部とを備えると共に、上記底板部が上記周壁部よりも高い位置まで隆起させて形成され、
上記蓋体が、上記容器本体の底板部に載置された上記薄板をその上側から覆う天板部と、当該天板部の周囲に設けられて上記薄板を収納する空間を形成する周壁部とを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項2】
請求項1に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体の底板部に設けられ、上記薄板を当該底板部との間に隙間を空けた状態で支持するための複数の薄板支持凸条を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項3】
請求項2に記載の枚葉収納容器において、
上記薄板支持凸条が、上記容器本体の中心側を低く、外周側を高くするように傾斜させて形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の枚葉収納容器において、
上記薄板支持凸条が、放射状に延ばして形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の枚葉収納容器において、
上記薄板支持凸条が、複数本平行に配設したものを一組として、それらを放射状に延ばして形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体に、上記薄板支持凸条に載置された上記薄板の周縁部に当接して当該薄板の横滑りを防止する係止片を設けたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項7】
請求項6に記載の枚葉収納容器において、
上記係止片が、上記薄板支持凸条に載置された上記薄板の外径よりも若干大きな円周上に複数配設されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の枚葉収納容器において、
上記係止片の当接面が、上記薄板の周縁に沿って湾曲されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体の天板部の内側面に、上記底板部に載置された上記薄板の周縁部を支持する複数のリテーナーを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項10】
請求項9に記載の枚葉収納容器において、
上記リテーナーが弾性体で形成されると共に、
上記蓋体の天板部の内側面に、上記リテーナーが取り付けられるリテーナー嵌合部を備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項11】
請求項10に記載の枚葉収納容器において、
上記リテーナーが、上記リテーナー嵌合部に嵌合する基部と、当該基部から上記薄板側に延出して形成され上記薄板の周縁部に当接して当該薄板をその径方向内方及び下方へ弾性的に押圧する撓み片とから構成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項12】
請求項2ないし11のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記薄板支持凸条が、上記薄板の周縁部と点接触、線接触又は面接触により最小面積で接触することを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項13】
請求項2ないし12のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記薄板支持凸条の断面形状が、上記薄板との接触部分に向けて細くなるように形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とが、ヒンジによって結合され、フックによって固定されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項15】
請求項14に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体との間にシール部材が設けられ、これら容器本体と蓋体とが上記ヒンジによって結合されて上記フックによって固定された状態で内部が気密に封止されることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の枚葉収納容器において、
上記ヒンジで上記容器本体に結合された上記蓋体が、90度から180度の範囲の開き角で上記容器本体から分離されることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とがほぼ同じ形状に形成され、当該蓋体を閉じた状態で当該蓋体に上側の枚葉収納容器の容器本体が嵌り込んで、複数段に積み重ねることができることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体と蓋体とがほぼ同じ形状に形成され、これら容器本体と蓋体とを互いに閉じた状態でこれらの合わせ部分が面一になることを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体又は上記容器本体のいずれか一方又は両方に相手側に対向して設けられ、当該蓋体を当該容器本体に被せるときに、これら蓋体と容器本体とが互いにずれないように案内する蓋体ガイドを備えたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体又は上記蓋体の一方又は両方が非帯電性の高分子材料で形成されると共に、少なくとも上記蓋体が透明高分子材料で形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項21】
請求項1ないし20のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記蓋体の周縁に、持ち運びのための係止用フランジが設けられたことを特徴とする枚葉収納容器。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれか1項に記載の枚葉収納容器において、
上記容器本体の底板部又は上記蓋体の天板部の一方又は両方が、その中央部の肉厚を周縁部の肉厚よりも厚く形成されたことを特徴とする枚葉収納容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−303246(P2006−303246A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123993(P2005−123993)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【Fターム(参考)】