説明

案内報知システム

【課題】 外来者が建物または施設における所定場所を訪問するのに外来者にとって有効な情報を提供する。
【解決手段】 案内表示システム1は、外来者が携帯しているICカード7に記録されている目的情報が案内表示装置2のリーダライタ23により読取られると、リーダライタ23の設置場所、つまり、外来者がICカード7に記録されている目的情報を読取らせた場所から目的情報に対応する窓口(外来者が目的を達成し得る窓口)までの移動経路を表す見取り図を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外来者が訪問する建物または施設において利用される案内報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
外来者が建物または施設に外来した旨を管理するものとして、外来者にカードを持たせ、外来者が建物または施設に外来する毎に、外来者を識別する外来者識別情報や外来者の予定を表す外来者予定情報をカードに記録するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−337968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、外来者が例えば転出手続きを行うために市役所などを訪問する場合に、外来者は、転出手続きを行える窓口が何処にあるのかが判らなければ、例えば案内掲示板に頼って自分で探したり職員に聞いたりして転出手続きを行える窓口が何処にあるのかを知ることができる。しかしながら、外来者が得られる情報としては単に転出手続きを行える窓口が何階にあるのかなどの簡易なものであり、外来者にとって有効な情報が提供されるものではなかった。また、上記した特許文献1に記載されているものは、単に外来者が建物または施設に外来した旨を管理するものであり、これにおいても、外来者が窓口を訪問するのに有効な情報が提供されるものではなかった。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外来者が建物または施設における所定場所を訪問するのに外来者にとって有効な情報を提供することができ、外来者の利便性を高めることができる案内報知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、外来者が訪問する建物または施設において、記録媒体に記録されている目的情報が読取手段により読取られると、案内情報作成手段は、移動経路保持手段に保持されている移動経路のうち読取手段の設置場所から読取手段により読取られた目的情報に対応する所定場所までの移動経路を案内情報として作成し、案内情報報知手段は、その作成された案内情報を報知するように構成したので、読取手段の設置場所、つまり、外来者が記録媒体に記録されている目的情報を読取らせた場所から目的情報に対応する所定場所までの移動経路を報知することができ、外来者にとって有効な情報を提供することができ、外来者の利便性を高めることができる。
【0006】
請求項2に記載した発明によれば、案内情報作成手段は、見取り図保持手段に保持されている見取り図のうち読取手段の設置場所から読取手段により読取られた目的情報に対応する所定場所までの移動経路を表す見取り図を案内情報として作成するように構成したので、外来者が記録媒体に記録されている目的情報を読取らせた場所から目的情報に対応する所定場所を表す見取り図を報知することができ、外来者にとってより有効な情報を提供することができる。
【0007】
請求項3に記載した発明によれば、混雑状況収集手段は、記録媒体からの情報の読取履歴に基づいて各々の所定場所の混雑状況を収集し、混雑状況報知手段は、その収集された混雑状況を報知するように構成したので、各々の所定場所の混雑状況を外来者に提供することができる。
【0008】
請求項4に記載した発明によれば、案内情報作成手段は、外来者を複数の所定場所へ案内するための案内情報を作成する場合に、混雑状況収集手段により収集された混雑状況に基づいて混雑の程度が少ない所定場所への案内を優先するように案内情報を作成するように構成したので、外来者にとって効率の良い訪問順序を提供することができる。
【0009】
請求項5に記載した発明によれば、記録媒体に記録されている外来者識別情報が読取手段により読取られると、未訪問場所特定手段は、記録媒体からの情報の読取履歴に基づいて外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問場所として特定し、未訪問場所特定手段は、その特定された未訪問場所を報知するように構成したので、外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない場所を外来者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、外来者が例えば転出手続き、印鑑証明手続き及び戸籍抄本発行手続きなどの諸手続きを行うために訪問する市役所に構築されている案内表示システムに適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、案内表示システムの全体構成を概略的に示している。市役所に設置されている案内表示システム1は、複数台(本実施形態では8台)の案内表示装置2及び1台の上位ホスト3(本発明でいう案内情報作成手段、混雑状況収集手段、未訪問場所特定手段)がLAN4を介して接続されている。これら案内表示装置2は、外来者が例えば転出手続き、印鑑証明手続き及び戸籍抄本発行手続きなどの諸手続きを行える窓口(本発明でいう所定場所)や建物の出入口やエレベータの搭乗口などの外来者の往来が頻繁な場所に設置されている。
【0011】
各々の案内表示装置2は、図2に示すように、制御部21、通信部22、リーダライタ23(本発明でいう読取手段)、表示部24(本発明でいう案内情報報知手段、混雑状況報知手段、未訪問場所報知手段)及び電源部25を備えて構成されている。制御部21は、CPU、RAM、ROM及びI/Oバスなどから構成され、案内表示装置2の動作全般を制御する。通信部22は、LAN4との間のインタフェース機能を有し、他の案内表示装置2や上位ホスト3との間の通信動作を行う。リーダライタ23は、外来者が携帯可能な非接触ICカード(以下、単にICカードと称する)7(本発明でいう記録媒体)との間で非接触通信を行い、ICカード7に記録されている情報(データ)を読取ったりICカード7に情報を書込んだりする。表示部24は、例えば液晶ディスプレイから構成され、制御部21からの表示指令に基づいて表示動作を行う。電源部25は、例えば商用電源から供給される商用電力を制御部21、通信部22、リーダライタ23及び表示部24へ動作電力として供給する。
【0012】
このように構成されてなる案内表示装置2は、図3に示すように、市役所の例えば通路に壁掛けられている態様で設置されており、外来者がICカード7をリーダライタ23に容易に翳すことが可能であり且つ外来者が表示部24を容易に視認することが可能な位置に設置されている。また、各々の案内表示装置2には装置毎に固有の装置IDが付与されている。
【0013】
上位ホスト3は、複数の案内表示装置2を統括管理する統括管理装置として機能するもので、移動経路データベース5(本発明でいう移動経路保持手段)及び見取り図データベース6(本発明でいう見取り図保持手段)が接続されている。移動経路データベース5は、各々の案内表示装置2の設置場所から市役所内の各々の窓口までの移動経路をデータベース化して保持しており、見取り図データベース6は、市役所内の見取り図をデータベース化して保持している。
【0014】
ICカード7は、制御部71、記憶部72、復調部73、変調部74及び電源部75を備えて構成されている。制御部71は、CPUを主体として構成され、ICカード7の動作全般を制御する。記憶部72は、目的情報及びカード識別ID(本発明でいう外来者識別情報)が記憶されている。ここでいう目的情報は外来者が例えば転出手続きを行う旨の情報(市役所を訪問する目的を表す情報)であり、カード識別IDはICカード7に固有に付与されている識別子である。復調部73は、アンテナコイル76に受信された搬送波を復調して搬送波から情報を抽出し、変調部74は、記憶部72に記憶されている情報で搬送波を変調する。電源部75は、アンテナコイル76に受信された搬送波を整流して起動電力を生成し、その生成した起動電力を制御部71、記憶部72、復調部73及び変調部74へ供給する。
【0015】
次に、上記した構成の作用について、図4ないし図13を参照して説明する。最初に、上位ホスト3が案内情報を作成して案内表示装置2が案内情報を表示する場合について、図4ないし図6を参照して説明する。
【0016】
案内表示装置2において、制御部21は、電源部25から動作電力が供給されているときには待受指令をリーダライタ23へ出力し、リーダライタ23からポーリング信号を間欠的に送信させている(ステップS1)。ここで、外来者がICカード7を案内表示装置2のリーダライタ23に翳した場合を想定する。ICカード7は、リーダライタ23に翳されて案内表示装置2から送信されたポーリング信号が受信されると、その記憶部72に記憶されている目的情報及びカード識別IDを読出し、その読出した目的情報及びカード識別IDで搬送波を変調し、目的情報及びカード識別IDを案内表示装置2へ送信する。
【0017】
案内表示装置2において、制御部21は、ICカード7から送信された目的情報及びカード識別IDがリーダライタ23により読取ると(受信されると)(ステップS2にて「YES」)、その読取った目的情報及びカード識別IDと自身に付与されている装置IDとが含まれた案内情報表示要求を通信部22からLAN4を介して上位ホスト3へ出力させる(ステップS3)。
【0018】
上位ホスト3は、案内表示装置2から出力された案内情報表示要求が入力されると(ステップT1にて「YES」)、その入力された案内情報表示要求から目的情報、カード識別ID及び装置IDを抽出し、目的情報、つまり、外来者が市役所を訪問した目的を識別する。そして、上位ホスト3は、移動経路検索要求を移動経路データベース5へ出力し(ステップT2)、案内情報表示要求の出力元である案内表示装置2の設置場所から目的情報に対応する窓口(目的情報により表される目的を外来者が達成し得る窓口)までの移動経路を検索する。
【0019】
次いで、上位ホスト3は、移動経路データベース5から移動経路検索結果が入力され、案内表示装置2の設置場所から目的情報に対応する窓口までの移動経路が特定されると(ステップT3にて「YES」)、見取り図検索要求を見取り図データベース6へ出力し(ステップT4)、案内表示装置2の設置場所から目的情報に対応する窓口までの移動経路を表す見取り図を検索する。
【0020】
そして、上位ホスト3は、見取り図データベース6から見取り図検索結果が入力され、案内表示装置2の設置場所から目的情報に対応する窓口までの移動経路を表す見取り図が特定されると(ステップT5にて「YES」)、その特定した見取り図を案内情報として作成し(ステップT6)、その作成した案内情報をLAN4を介して案内情報表示要求の出力元である案内表示装置2へ出力する(ステップT7)。
【0021】
案内表示装置2において、制御部21は、上位ホスト3から出力された案内情報が通信部22に入力されると(ステップT4にて「YES」)、表示指令を表示部24へ出力すし、その入力された案内情報を表示部24に表示させる(ステップT5)。以上に説明した一連の処理により、外来者が例えば転出手続きを行うという目的情報が記憶されているICカード7を案内表示装置2のリーダライタ23に翳すと、その目的情報がリーダライタ23により読取られ、図6に示すように、その目的情報を読取らせた案内表示装置2の設置場所、つまり、外来者が居る場所から転出手続きを行える窓口までの移動経路を表す見取り図が案内表示装置2の表示部24に表示されることになる。
【0022】
ところで、上記した案内表示システム1では、上記した案内情報を作成して表示する機能の他に、各々の窓口の混雑状況を収集して表示する機能、各々の窓口の受付時間を収集して表示する機能及び外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を特定して表示する機能を有しており、以下、これらの機能について順次説明する。
【0023】
まず、各々の窓口の混雑状況を収集して表示する機能について、図7及び図8を参照して説明する。案内表示装置2において、制御部21は、各々の窓口の混雑状況の表示を要求するトリガが発生すると、ICカード7から読取った目的情報と装置IDとが含まれた混雑状況表示要求を通信部22からLAN4を介して上位ホスト3へ出力させる。この場合、混雑状況の表示を要求するトリガとしては例えば外来者が案内表示装置2に配置されている所定ボタン(図示せず)を操作することである。また、トリガの発生を条件とすることなく上記した案内情報を表示する処理を正常に終了した後に各々の窓口の混雑状況を収集して表示する処理を自動的に開始する構成であっても良い。
【0024】
上位ホスト3は、案内表示装置2から出力された混雑状況表示要求が入力されると、その入力した混雑状況表示要求から目的情報を抽出し、読取履歴要求を各々の窓口に設置されている他の案内表示装置2のうち目的情報に該当する(外来者が訪問する必要のある)案内表示装置2へ出力する。
【0025】
上位ホスト3から読取履歴要求を入力した案内表示装置2は、例えば所定時間前に遡って所定時間前から現時点までのリーダライタ23の読取履歴を抽出し、その抽出した読取履歴をLAN4を介して上位装置3へ出力する。そして、上位ホスト3は、目的情報に該当する複数の案内表示装置2から出力された各々の案内表示装置2の読取履歴が入力されると、その入力した各々の案内表示装置2の読取履歴を集計し、読取回数の頻度を判定して各々の窓口の混雑状況を収集し、その収集した各々の窓口の混雑状況を案内表示装置2へ出力する。
【0026】
案内表示装置2において、制御部21は、上位ホスト3から出力された混雑状況が通信部22に入力されると、表示指令を表示部24へ出力し、その入力した混雑状況を表示部24に表示させる。以上に説明した一連の処理により、外来者が例えば各々の窓口の混雑状況を表示するための所定ボタンを操作すると、図8に示すように、各々の窓口の混雑状況が案内表示装置2の表示部24に表示されることになる。また、この場合、混雑の程度が少ない窓口から優先して訪問するように案内する案内ガイダンスが表示部24に表示されても良い。
【0027】
次に、各々の窓口の受付時間を収集して表示する機能について、図9及び図10を参照して説明する。案内表示装置2において、制御部21は、受付時間の表示を要求するトリガが発生すると、ICカード7から読取った目的情報と装置IDとが含まれた受付時間表示要求を通信部22からLAN4を介して上位ホスト3へ出力させる。この場合、受付時間の表示を要求するトリガとしては、例えば外来者が案内表示装置2に配置されている所定ボタン(図示せず)を操作することなどである。また、この場合も、トリガの発生を条件とすることなく上記した案内情報を表示する処理を正常に終了した後に各々の窓口の受付時間を収集して表示する処理を自動的に開始する構成であっても良い。
【0028】
上位ホスト3は、案内表示装置2から出力された受付時間表示要求が入力されると、その入力した受付時間表示要求から目的情報を抽出し、受付時間要求を各々の窓口に設置されている他の案内表示装置2のうち目的情報に該当する(外来者が訪問する必要のある)案内表示装置2へ出力する。
【0029】
上位ホスト3から受付時間要求を入力した案内表示装置2は、例えば予め記憶されている自装置が設置されている窓口の受付時間を読出し、その読出した受付時間をLAN4を介して上位装置3へ出力する。そして、上位ホスト3は、目的情報に該当する複数の案内表示装置2から出力された各々の窓口の受付時間が入力されると、その入力した各々の窓口の受付時間を収集し、その収集した各々の窓口の受付時間を案内表示装置2へ出力する。
【0030】
案内表示装置2において、制御部21は、上位ホスト3から出力された受付時間が通信部22に入力されると、表示指令を表示部24へ出力し、その入力した受付時間を表示部24に表示させる。以上に説明した一連の処理により、外来者が各々の窓口の受付時間を表示するための所定ボタンを操作すると、図10に示すように、各々の窓口の受付時間が案内表示装置2の表示部24に表示されることになる。また、この場合、受付時間が早く終了する窓口から優先して訪問するように案内する案内ガイダンスが表示部24に表示されても良い。
【0031】
次に、外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を特定して表示する機能について、図11及び図12を参照して説明する。案内表示装置2において、制御部21は、未訪問窓口の表示を要求するトリガが発生すると、ICカード7から読取った目的情報及びカード識別IDと装置IDとが含まれた未訪問窓口表示要求を通信部22からLAN4を介して上位ホスト3へ出力させる。この場合、未訪問窓口の表示を要求するトリガとしては例えば外来者が案内表示装置2に配置されている所定ボタン(図示せず)を操作することなどである。また、この場合も、トリガの発生を条件とすることなく上記した案内情報を表示する処理を正常に終了した後に外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を特定して表示する処理を自動的に開始する構成であっても良い。
【0032】
上位ホスト3は、案内表示装置2から出力された未訪問窓口表示要求が入力されると、
その入力した訪問窓口表示要求から目的情報を抽出し、読取履歴要求を各々の窓口に設置されている他の案内表示装置2のうち目的情報に該当する(外来者が訪問する必要のある)案内表示装置2へ出力する。
【0033】
上位ホスト3から読取履歴要求を入力した案内表示装置2は、例えば所定時間前に遡って所定時間前から現時点までのリーダライタ23の読取履歴を抽出し、その抽出した読取履歴をLAN4を介して上位装置3へ出力する。そして、上位ホスト3は、目的情報に該当する複数の案内表示装置2から出力された各々の案内表示装置2の読取履歴が入力されると、その入力した読取履歴に含まれているカード識別IDと未訪問窓口表示要求に含まれているカード識別IDとを照合し、外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を特定し、その特定した未訪問窓口を案内表示装置2へ出力する。
【0034】
案内表示装置2において、制御部21は、上位ホスト3から出力された未訪問窓口が通信部22に入力されると、表示指令を表示部24へ出力し、その入力された未訪問窓口を表示部24に表示させる。以上に説明した一連の処理により、外来者が未訪問窓口の表示を要求するための所定ボタンを操作すると、図12に示すように、未訪問窓口が案内表示装置2の表示部24に表示されることになる。
【0035】
尚、上記した各々の窓口の混雑状況を収集して表示する機能、各々の窓口の受付時間を収集して表示する機能及び外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を特定して表示する機能が相互に関連する構成であっても良い。具体的には、上位ホスト3において、各々の窓口の混雑状況、各々の窓口の受付時間及び外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を総合的に判断して最適な訪問順序を決定し、図13に示すように、その決定した最適な訪問順序を案内表示装置2の表示部24に表示させる構成であっても良い。
【0036】
以上に説明したように本実施形態によれば、案内表示システム1において、外来者が携帯しているICカード7に記録されている目的情報が案内表示装置2のリーダライタ23により読取られると、リーダライタ23の設置場所、つまり、外来者がICカード7に記録されている目的情報を読取らせた場所から目的情報に対応する窓口(外来者が目的を達成し得る窓口)までの移動経路を表す見取り図を表示するように構成したので、外来者にとって有効な情報を提供することができ、外来者の利便性を高めることができる。
【0037】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
市役所に適用される構成に限らず、他の建物または他の施設に適用される構成であっても良い。例えばテーマパークに適用される構成では、目的情報として所望のアトラクションが記録されていれば、案内表示装置の設置場所から所望のアトラクションまでの移動経路を入場者に提供することが可能となる。
【0038】
移動経路を表す見取り図を表示する構成に限らず、例えば「100メートル先を右折」などの移動経路を文字ガイダンスにより表示する構成であっても良い。
記録媒体がICカードであると共により読取手段がリーダライタである構成に限らず、記録媒体が携帯電話機や携帯情報端末であると共に読取手段が近距離無線通信手段(例えばBluetooth(登録商標)、無線LANまたは赤外線通信を実現する手段)であり、携帯電話機や携帯情報端末に記憶されている目的情報が近距離無線通信により(電磁的に)読取られる構成であっても良い。また、記録媒体が携帯電話機や携帯情報端末であると共に読取手段が撮影手段であり、携帯電話機の表示部や携帯情報端末の表示部に例えば二次元コードや一次元コードの情報コードで表示されている目的情報が光学的に読取られる構成であっても良い。さらに、記録媒体が紙であると共に読取手段が撮影手段であり、紙に例えば二次元コードや一次元コードの情報コードで印刷されている目的情報が光学的に読取られる構成であっても良い。
【0039】
上位ホストが案内情報を作成する処理を行う構成に限らず、案内表示装置が案内情報を作成する処理を行う構成であっても良い。案内情報、各々の窓口の混雑状況、各々の窓口の受付時間及び外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問窓口を外来者に報知する態様としては、音声出力により報知する態様であっても良く、また、表示と音声出力とを併用して報知する態様であっても良い。
【0040】
目的情報が記録媒体に記録される態様としては、外来者が例えば自宅などで書込端末を用いて書込む態様であっても良いし、外来者が市役所を訪問したときに職員が玄関(建物の入口)で書込む態様であっても良い。また、記録媒体は、外来者の所持品であっても良いし、建物または施設から外来者が訪問している間のみ外来者に貸与されるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示す機能ブロック図
【図2】案内表示装置及びICカードの機能ブロック図
【図3】案内表示装置の設置態様を概略的に示す図
【図4】案内表示装置及び上位ホストの処理を示すフローチャート
【図5】シーケンス図
【図6】案内情報の表示態様の一例を示す図
【図7】図5相当図
【図8】混雑状況の表示態様の一例を示す図
【図9】図5相当図
【図10】受付時間の表示態様の一例を示す図
【図11】図5相当図
【図12】未訪問場所の表示態様の一例を示す図
【図13】最適な訪問順序の表示態様の一例を示す図
【符号の説明】
【0042】
図面中、1は案内表示システム(案内報知システム)、3は上位ホスト(案内情報作成手段、混雑状況収集手段、未訪問場所特定手段)、5は移動経路データベース(移動経路保持手段)、6は見取り図データベース(見取り図保持手段)、7はICカード(記録媒体)、23はリーダライタ(読取手段)、24は表示部(案内情報報知手段、混雑状況報知手段、未訪問場所報知手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外来者が携帯可能に構成され、外来者の訪問の目的を表す目的情報が記録されている記録媒体と、
外来者が訪問する建物または施設に設けられ、前記記録媒体に記録されている目的情報を読取る読取手段と、
前記読取手段の設置場所から前記建物または前記施設における所定場所までの移動経路を保持する移動経路保持手段と、
前記移動経路保持手段に保持されている移動経路のうち前記読取手段の設置場所から前記読取手段により読取られた目的情報に対応する所定場所までの移動経路を案内情報として作成する案内情報作成手段と、
前記建物または前記施設に設けられ、前記案内情報作成手段により作成された案内情報を報知する案内情報報知手段とを備えたことを特徴とする案内報知システム。
【請求項2】
請求項1に記載した案内報知システムにおいて、
前記建物または前記施設の見取り図を保持する見取り図保持手段を備え、
前記案内情報作成手段は、前記見取り図保持手段に保持されている見取り図のうち前記前記読取手段の設置場所から前記読取手段により読取られた目的情報に対応する所定場所までの移動経路を表す見取り図を案内情報として作成することを特徴とする案内報知システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した案内報知システムにおいて、
前記読取手段は、前記建物または前記施設における複数の所定場所毎に設けられ、
前記複数の所定場所毎に設けられている複数の読取手段における前記記録媒体からの情報の読取履歴に基づいて各々の所定場所の混雑状況を収集する混雑状況収集手段と、
前記建物または前記施設に設けられ、前記混雑状況収集手段により収集された各々の所定場所の混雑状況を報知する混雑状況報知手段とを備えたことを特徴とする案内報知システム。
【請求項4】
請求項3に記載した案内報知システムにおいて、
前記案内情報作成手段は、外来者を複数の所定場所へ案内するための案内情報を作成する場合に、前記混雑状況収集手段により収集された各々の所定場所の混雑状況に基づいて混雑の程度が少ない所定場所への案内を優先するように案内情報を作成することを特徴とする案内報知システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載した案内報知システムにおいて、
前記記録媒体は、外来者を識別する外来者識別情報が記録され、
前記読取手段は、前記建物または前記施設における複数の所定場所毎に設けられていると共に前記記録媒体に記録されている外来者識別情報を読取り、
前記複数の所定場所毎に設けられている複数の読取手段における前記記録媒体からの情報の読取履歴に基づいて外来者が訪問する必要のあるものの未だ訪問していない未訪問場所を特定する未訪問場所特定手段と、
前記建物または施設に設けられ、前記未訪問場所特定手段により特定された未訪問場所を報知する未訪問場所報知手段とを備えたことを特徴とすることを特徴とする案内報知システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−79780(P2007−79780A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265215(P2005−265215)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】