説明

検体の検出方法

【課題】検体の検出方法の提供。
【解決手段】サンプル中の検体を検出する方法であって、a)センサー上又はセンサー近傍のいずれかに固定化されており、上記検体と特異的に結合する第一リガンドとサンプルを接触させるステップ;b)ステップ(a)の前に上記サンプルを、又は、ステップ(a)の後で固定化された検体を、上記検体と特異的に結合する第二リガンドを含む物質と接触させるステップ(ここで上記物質は重合開始剤を形成するよう活性化可能である);及び、c)上記物質を活性化するステップを含み、上記重合開始剤は上記センサーと相互作用し、その物性を変化させて、上記センサーの光学又は音響特性を変化させる方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル中の検体を検出する方法、及び、該方法を実行するのに用いることができるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
特定の結合部位に結合する、抗原又は胞子(あるいは芽胞:spores)などの検体が極低濃度で存在する場合に、当該検体を検出できることが重要な場合がよくある。これは特に医学分野、診断分野、製品の安全・安心(プロダクトセイフティー・アンド・セキュリティー)に関する分野にあてはまる。従って、検体の結合により生じるシグナルを増幅することは有利である。
【0003】
特許文献1及び2には、分子認識事象を起こさせることによって複合体を形成し、光開始剤の標識を上記複合体と結合させ、その光開始剤で標識した複合体をポリマー前駆体と接触させ、上記複合体及び上記ポリマー前駆体に照射することで検出可能なポリマーを形成させる、検出及び増幅方法が提唱されている。これらの方法においては、形成されたポリマーが蛍光性、磁性、放射性又は導電性を有することによりそれ自体が検出可能であること、又は、上記ポリマーが目視で検出できる程多量に形成されることが好ましい。あるいは、ポリマーは、蛍光性、磁性、放射性又は導電性を有する溶液でポリマーを膨潤させる追加のステップを使用して検出することもできる。特許文献1及び2を本願明細書に引用して援用する。
【0004】
これらのシステムは良好に作動するが、さらに増幅率を増加させて、使用できるポリマー前駆体の選択に関してより柔軟性が高い方法、又はポリマー前駆体を全く必要としない方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2005/024386号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/031248号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様によれば、
サンプル中の検体を検出する方法であって、
a)センサー上又はセンサー近傍のいずれかに固定化されており、上記検体と特異的に結合する第一リガンドと上記サンプルを接触させるステップ;
b)ステップ(a)の前に上記サンプルを、又は、ステップ(a)の後で固定化された検体を、上記検体と特異的に結合する第二リガンドを含む物質と接触させるステップ、ここで上記物質は重合開始剤を形成するよう活性化可能である;及び、
c)上記物質を活性化するステップ
を含み、
上記重合開始剤は上記センサーと相互作用し、その物性を変化させて、上記センサーの光学特性又は音響特性(acoustic properties)を変化させる
方法である。
【0007】
本発明の第二の態様によれば、
本発明の第一の態様に係る検体を検出する方法において使用するためのキットであって、
上記検体と特異的に結合することが可能な第一リガンド、及び、センサー、ここで上記第一リガンドは上記センサー上、又は、使用中に上記センサー近傍に配置されている基材上のいずれかに固定化されている、並びに、
上記検体に特異的に結合することが可能な第二リガンドを含む物質、ここで上記物質は重合開始剤を形成するよう活性化可能である、
を含むキットである。
【0008】
本発明は活性化可能な物質の存在を介して検体の存在を検出するセンサーを使用する。活性化可能な物質を活性化することにより生成される重合開始剤は、センサーと直接的又は間接的に相互作用して、その物性を変化させる(例えば、センサーを膨潤又は収縮させる)。この相互作用によりセンサーの光学又は音響特性が変化して、その変化が検出される。
【0009】
本発明では、センサーを使用することから、ポリマー自体が独自に検出可能である必要がない。センサーを使用することにより、生成されるポリマーを直接検出する方法よりも高い増幅率を得ることができる。
【0010】
本発明においては多種多様なセンサーを使用できるが、そのセンサーの適正を判断する主な基準は、センサーの物性の変化に対する感受性があるか否か、という点である。好適なセンサーの一つは回折効果を利用したものであり、例えば、単に表面レリーフを有するセンサー、又はホログラム若しくは結晶性コロイドアレイを含むセンサーが挙げられる。あるいは、音響センサー、例えば共鳴水晶振動子を利用したセンサー等を使用することもできる。
【0011】
ある単純な実施形態においては、重合開始剤(多くの場合フリーラジカルであるか、又はフリーラジカルを含む)は、センサーと直接相互作用して、該センサーの物性を変化させ、通常は急速な膨潤が起こる。この実施形態はほとんどステップを必要とせず、また、センサーは非常に単純な構造でよく、ポリマー前駆体も必要としない。
【0012】
ある好ましい実施形態においては、重合開始剤はセンサーと間接的に相互作用する。これが起こるのは、重合開始剤がポリマー前駆体とセンサー中で相互作用して、重合が起きる場合であり、該重合がセンサーの物理的構造に影響を及ぼす。上記相互作用は、ポリマー前駆体をセンサー自体に取り付けるか、又は、センサーをポリマー前駆体を含む溶液と接触させることによって達成できる。ポリマー前駆体を別のステップで添加する場合、通常これはステップb)とc)の間に、すなわち活性化前に直接、行われる。
【0013】
本発明の方法は非常に感度が高いものであり、低濃度の検体を検出するのに使用できる。これは、存在する各検体が活性化可能な物質と結合することとなり、上記活性化可能な物質が、活性化後、単一の結合事象によって起こる応答よりもさらに大きな応答をセンサー内で起こすことができるためである。存在する活性化可能な物質は、活性化後に、一単位当たり約10個のポリマー前駆体を重合して、増幅効果を大きなものにすることができる。
【0014】
本発明において使用するのに好適な活性化可能な物質は、比較的経済的に使用することができ、ポリマー前駆体を使用したとしても、高額にはならない。これは特に、それ自体が高価でかつ高価な基質を必要とする酵素等の標識と比較した場合にあてはまる。さらに、活性化可能な標識は酵素よりもかさ高くないのが通常である。
【0015】
ある好ましい実施形態においては、センサーはホログラフィックセンサーである。ホログラフィックセンサーを起動させた後、そのホログラフィックセンサーを用いて活性化可能な物質の存在を検出すると、従来法よりも増幅率が高くなる。これは、マトリックスの物性の変化が例えわずかであっても、それによってセンサーの光学特性はかなり大きく変化し得るからである。その結果、その光学特性の変化は検出可能なものとなる。また、非常に簡単に読み出すこともできる。ホログラムは不透明なサンプルに使用することができ、また、読み出しは蛍光体に関して光安定性を有する。
【0016】
公知のホログラフィックセンサーシステムの多くは、検体を化学的に感知するマトリックスを有し、検体が存在すると、直接センサーの物性に検出可能な変化が起こることを利用している。このようなセンサーは非常に成功してきたものの、その検出限界値は比較的高く、用途によっては大きな欠点となっている場合もある。また完全に使用できない用途さえある。
【0017】
本発明では特定の検体を化学的に感知するマトリックスは必要なく、直接的に、又はポリマー形成を介して間接的に、重合開始剤との相互作用を物理的に感知するマトリックスを用いればよい。このような構成により、当該センサーの製造がより簡単になり、かつ費用効率がより高くなる。また、このような構成により、本発明のセンサーの感度は従来のホログラフィックセンサーと比較して大幅に向上する。これは、活性化可能な物質が存在すると、一つの検体種と結合して連鎖反応が開始され、その結果、マトリックスの物性が大きく変化し、またそれに相応してセンサーの光学特性が変化し得るからである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ある好ましい実施形態においては、第一リガンドはセンサー自体に固定化されている(すなわち、センサーの表面に直接取り付けられている)。しかしながら、メンブレンフィルター等の別の基材上に固定化された第一リガンドをセンサー近傍に配置することもできる。この場合、活性化後、形成された重合開始剤をセンサー上に洗い流すことによりセンサーと接触させることができ、センサーと相互作用させることができる。この実施形態において、リガンドを固定化できる基材であればどのような基材を用いてもよいが、ニトロセルロース製フィルターメンブレン等のフィルターメンブレンが好ましい。「〜近傍に」という用語は、基材がセンサーと物理的接触又は流体接触にある状態で配置されており、重合開始剤がいったん生成されるとマトリックスと相互作用できることを意味する。
【0019】
本発明においては光学又は音響センサーが用いられる。音響センサーは公知である。例えば、国際公開第01/02857号パンフレット(この内容を本願明細書に引用して援用する)を参照されたい。それらのセンサーは、概ね、電流を流すと振動するようにできている水晶振動子を備えている。上記振動子上には電極が置かれ、これにより電流が供給される。振動数は流された電流の量によって異なり、電流により制御することができる。振動数は検出することができ、小さな変化も測定することができる。
【0020】
振動数は、表面に分子が結合することによりセンサーの質量が変化することから、表面への分子の結合によって影響を受ける。このようにして、当該システムは検体を直接検出するために既に使用されている。国際公開第02/12873号パンフレット及び欧州特許出願公開第1171769号明細書には当該システムの例が記載されている。当該文献を本願明細書に引用して援用する。
【0021】
本発明においては、水晶振動子上又はその近傍に備えられる第一リガンドに加えて、ポリマー前駆体が上記水晶振動子の表面に取り付けられている。追加のポリマー前駆体が活性化前に添加される。故に、活性化において、上記固定化されたポリマー前駆体と上記追加のポリマー前駆体とが重合し、上記振動子の表面にポリマーを形成する。故に、上記振動子の表面に取り付けられた質量が増加して、振動数が変化する。この振動数の変化を検出することができる。
【0022】
ある好ましい実施形態においては、センサーは光学センサーである。光学センサーは当該技術分野において公知であり、多種多様なものを本発明において好適に使用できる。
【0023】
光学センサーは、概ね、マトリックスと、該マトリックス中若しくはマトリックス上に配置された感受性素子とを備えている。上記マトリックスは通常、天然又は合成であってもよい親水性モノマーの重合によって形成することができるヒドロゲルである。マトリックス(担持媒体とも呼ばれる)として使用するのに好適な物質、及び、その物質を形成する方法は、例えば国際公開第03/087899号パンフレット、国際公開第99/63408号パンフレット及び国際公開第95/26449号パンフレットに開示されている。例えば、上記マトリックスは、(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリレート由来のコモノマーの共重合によって形成してもよい。特に、モノマーHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)は容易に重合したり、架橋したりすることができる。ポリHEMAは、膨潤性があり、親水性で、かつ、広い生体適合性を有するので、多目的に使用できる担持材料である。ホログラフィック担持媒体の例としては、他にもゼラチン、K−カラギーナン、寒天、アガロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ゾル−ゲル(大まかに分類した場合)、ヒドロゲル(大まかに分類した場合)及びアクリレートが挙げられる。さらに他の物質として、多糖類、タンパク質及びタンパク性物質、オリゴヌクレオチド、RNA、DNA、セルロース、酢酸セルロース、シロキサン、ポリイミド及びポリアクリルアミドが挙げられる。
【0024】
ヒドロゲルは、ラジカルに対し特に感度を高めることによって本発明に適合させることができる。例えば、ポリマーの主鎖が不飽和ペンダント基を有する場合には、さらに高い感度を達成することができる。これは、一方の分子鎖末端にイソシアネート基、他方の分子鎖末端にビニル基を有する化合物の一例である3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート(m−TMI)等のモノマーを用いることにより達成することができる。HEMAヒドロゲルを後から誘導体化するには、ヒドロキシル基をm−TMIのイソシアネート基と反応させてペンダントビニル基を設ける。なお、このビニル基はラジカルの存在下で架橋する。このようにして、ポリマー前駆体を、ヒドロゲルマトリックスに付着させることができる。このヒドロゲルマトリックスを架橋させることができ、それによってポリマーが形成される。
【0025】
また、ヒドロゲル中の架橋度を低くしておくことが有利である場合もある。この場合には、より高度に膨潤したヒドロゲルを得ることができ、より収縮しやすいために重合に対する感度がより高くなる。また、感度を上げるため、スピノーダル点(相間の安定)に近いヒドロゲルを使用してもよい。
【0026】
ある実施形態においては、上記光学センサーは、マトリックス上に固定化された粘度感受性蛍光プローブを利用したものである。そのようなプローブは、M.A.HaidekkerらによるBioorganic Chemistry 33(2005)415〜425、又は、A.PetricらによるBioorganic Medicinal Chemistry Letters 8(1998)1455〜1460等の論文に記載される通り、当該技術分野において公知である。上記論文の内容を本願明細書に引用して援用する。
【0027】
名称が示唆している通り、粘度感受性蛍光プローブは周辺環境の粘度変化に応じてその光学特性を変化させる。重合開始剤がマトリックスと直接的又は間接的に相互作用すると、マトリックスの膨潤又は収縮が起こる。従って、付加された蛍光体の光学特性の、検出可能な特性に影響を及ぼす。
【0028】
好適な粘度感受性蛍光プローブとして、2−(1,1−ジシアノプロペニル)−2,6−ジメチルアミノナフタレン(DDNP)、4,4−ジメチルアミノベンゾニトリル(DMABN)、(7−アミノ−4−メチルクマリン−3−アセチルアミノ)ヘキサン酸(AMCA)及び9−(ジシアノビニル)−ジュリジン(julidine)−トリエチレングリコールエステル(CCVJ−TEG)が挙げられる。
【0029】
使用できるセンサーとしてさらに、光学回折格子又は表面レリーフを含むものがある。上記光学回折格子又は表面レリーフは、屈折率が高い材料、光学回折格子を支持する基材層、及び、上記光学回折格子の、上記基材層とは反対側の面に固定化された1つ以上の特異的結合性物質から成る。バイオセンサーに広周波数帯域の光学波長を照射すると、バイオセンサー又は光学デバイスから狭周波数帯域の光学波長が反射され得る。検体の結合は反射光の波長がシフトすることによって検出される。そのようなセンサーは、例えば、B.CunninghamらによるSensors and Actuators B,2002,81,p.316〜328に記載される通り、当該技術分野において公知である。
【0030】
あるいは、センサーは、マトリックス内に結晶性コロイドアレイ(crystalline colloidal array:CCA)を有するマトリックスを備えていてもよい。そのようなセンサーは、例えば、S.A.AsherらによるThe Journal of the American Chemical Society,2003,125,3322〜3329、又は、V.L.AlexeevらによるAnalytic Chemistry Vol 75,No 10,May 15 2003に記載される通り、当該技術分野において公知である。好適なマトリックスは上記の通りであって、この参照論文に具体例が示されている。これらを本願明細書に引用して援用する。ポリアクリルアミドヒドロゲルは、この実施形態で使用するのに特に良好なマトリックスである。CCAは、このようにヒドロゲル中で安定化されるコロイド粒子であればいずれからでも作製してよい。従来は、高度に帯電した単分散ポリスチレンコロイドが、この目的のために使用されてきた。
【0031】
ホログラフィックセンサー(後述する)と同様に、埋め込まれたCCAは、ヒドロゲルの体積に応じた回折波長で可視光を回折する。従って、フリーラジカルとヒドロゲルとの相互作用によって、収縮又は膨潤が起こり、センサーの光学特性に検出可能な変化が起こるであろう。ヒドロゲル内での重合は、ヒドロゲル体積に対して速やかに著しい影響を及ぼし、その結果、センサーの光学特性が検出可能な変化を起こすことによりシグナル化されるであろう。
【0032】
使用し得る別の光学センサーは、表面プラズモン共鳴を利用するものである。表面プラズモン共鳴によって分析対象の検体は誘電率の変化から検出される。そのようなセンサーは、例えば、I.D.ParsonsらによるNucleic Acids Res.1995,23,211〜216及びAnal.Biochem.1997,254(1),82〜87に記載される通り、当該技術分野において公知である。
【0033】
ある好ましい実施形態においては、センサーは、マトリックス中又はマトリックス上にホログラムを有する該マトリックスを備えたホログラフィックセンサーである。本願で使用するのに好適なホログラフィックセンサーは、例えば国際公開第03/087899号パンフレット、国際公開第99/63408号パンフレット及び国際公開第95/26449号パンフレット(これらを本願明細書に引用して援用する)に開示されている。
【0034】
マトリックスは、通常、上記に記載されるようなヒドロゲルである。あるいは、ゼラチンが、ハロゲン化銀粒子などの感光性種を担持するための標準的なマトリックス材料である。また、ゼラチンは、ゲル鎖上のカルボキシル基間をクロム(III)イオンによって光架橋することもできる。
【0035】
ホログラムをマトリックス中に記録するときは、どのような従来の方法で記録してもよい。例えば、ハロゲン化銀塩などの可溶性塩をマトリックス中に浸み込ませた後、反応させて、感受性を有する不溶性沈殿を形成し、国際公開第99/63408号パンフレットに記載されるように、それにより像を形成してもよい。あるいは、「銀を使用しない」システムを、国際公開第04/081676号パンフレットに記載されるように、形成することもできる。
【0036】
本発明のセンサー中のホログラムは、光の回折によって生成させることができる。ホログラムは拡大下でのみ視認可能であってもよく、あるいは、白色光、UV光若しくは赤外線下、又は特定の温度、磁場若しくは圧力条件下で視認可能であってもよい。ホログラフィック画像は物体像であるか、又は、2次元若しくは3次元効果を与えるものであることが好ましい。
【0037】
センサーは、レーザー光線を照射した際に干渉効果を生み出す手段をさらに備えていてもよい。上記手段は偏光解消層を含むのが好ましい。
【0038】
重合開始剤とセンサーとの相互作用によって起こる光学特性の変化は、肉眼で、又は装置を使用して検出することができる。上記装置は、光学式読取機、携帯電話、コンピューター及びデジタルカメラから成る群から選択されるものが好ましい。ラップトップ、デスクトップ、又は、電子手帳の一種である携帯情報端末(PDA)等の携帯用デバイスなど、いずれのタイプのコンピューターも使用できるものと考えられる。
【0039】
光学特性の変化は、ホログラムの色又は画像の明白で曖昧性のない変化、好ましくは電磁スペクトルの可視領域における、ホログラムの色又は画像の明白で曖昧性のない変化であることが望ましい。これにより、肉眼で観察し得る、正確で信頼性のある測定情報が得られる。このことを確実に実現しやすいように、光学フィルターがセンサー上にあることが好ましい。検体の相互作用をモニタリングするための観察対象であるセンサーの表面の一部又は全体が、光学フィルターによって覆われていることが望ましい。
【0040】
上記フィルターは、ローパスフィルター(所定の波長未満の放射線を透過させるもの)、ハイパスフィルター(所定の波長を超える放射線を透過させるもの)、又は、バンドパスフィルター(所定の一つの帯域内の波長の放射線、又は、マルチバンドパスフィルターの場合には所定の複数の帯域内の波長の放射線を透過させるもの)であってよい。従って、そのようなフィルターの使用により、センサーに到達する光の周波数が制御される。ホログラフィックセンサー中のホログラムは帯域反射器のように機能するので、ホログラムの反射波長は、ろ波されて、センサーから観察者又は検出器に送り返される、ろ波後の光の波長領域内にあるはずである。
【0041】
フィルターは、いずれの応答も確実に特定の領域(例えば、可視領域)内に入るよう、高波長、低波長、又は、その両方の波長の光に対しカットオフ値を有するように選択される。このようなフィルターは、異なる波長で起こる相異なる応答(例えば異なる検体に対する応答、又は異なる検体濃度に対する応答)を識別するのに用いることができる。また、上記フィルターは、非最適光条件下(例えば、単色光を用いた場合など)でセンサーを使用した場合に、曖昧な応答を防ぐために用いることもできる。特定の検体への応答が最適に観察されるように、専用の光学フィルターを設計してもよい。
【0042】
透明基材は、通常、光学フィルターと併用され、センサーとフィルターの間に置かれる。フィルター及び透明基材から鏡面反射は観察されない。
【0043】
本発明のキットは、農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学における予後診断、治療的診断〔セラノスティックス(Theranostics)〕、診断、治療において使用するのに好適である。ホログラフィックセンサーは、適宜、試験片、チップ、カートリッジ、スワブ、チューブ、ピペット、又は、流体サンプリング装置若しくは流体分析装置上に備えられる。
【0044】
本発明における第一リガンドは、検出対象の検体と結合する。上記第一リガンドは、この目的に合ったものであればどのような群のものであってもよい。例えば検体が抗原であるならば、第一リガンドは抗体であってもよい。また、上記リガンドは、核酸検体と結合させるのに使用されるDNA等の核酸プローブであってもよい。実験室でmRNA鋳型から合成されるコピーDNAであるcDNAは、本発明で用いるのに好適である。同様に、第二リガンドは、検体に特異的に結合する物質であればどのようなものでもよい。第二リガンドはそれ自体が活性化可能な物質であってもよく、あるいは、活性化可能な物質と直接的又は間接的に結合されていてもよい。
【0045】
通常、第二リガンドは、検体と結合する前に活性化可能な物質に結合されているが、活性化可能な物質は後で第二リガンドと結合させてもよい。例えば、活性化可能な物質を最終ステップで投入することで、第二リガンドと結びついた化学種を活性化可能な物質に置き換えるか、又は、活性化可能な物質を当該化学種に結合させてもよい。これは、活性化可能な物質が特に感度が高いものであって、不要な早発の活性化が最小限になるよう最後の要素として添加する必要がある場合に特に有用である。一例は、第二リガンドがヌクレオチドであって、当該ヌクレオチドが最初からビオチン(化学式C1016Sの水溶性B−複合体で、ビタミンH又はBとしても知られている)と結合している場合である。上記ヌクレオチドが検体と結合し、第一リガンドとともにサンドイッチを形成すれば、光活性化され得る物質であるアビジンが投入される。上記アビジンは、非常に強くビオチンと結合するタンパク質(卵白中にみられる)である。
【0046】
結合は、結合部位と特定の検体との特異的なものであるので、各種リガンドに対して試験することによって、サンプル中に存在する検体を検出するだけでなく、該検体を同定することも可能である。上記各種リガンドは、別のセンサーに備えられてもよく、あるいは、同じセンサーの別の場所に備えられてもよい。
【0047】
どのような検体でも検出することはできるが、本発明は、ウイルス若しくは細胞などの抗原を有する種、胞子、核酸(RNA又はDNA等)、酵素、ペプチド、タンパク質又は薬剤といった分子認識事象を受ける検体を検出するのに用いるのが好ましい。
【0048】
活性化可能な物質は、活性化の際に、フリーラジカル等の重合開始剤を生成する物質であればどのようなものであってもよい。この場合、上記重合開始剤は、相互作用によりセンサーの物性を直接的に、又は重合を介して変化させることができる。例えば、本発明では種々の活性化、例えば化学的活性化(TEMED触媒を過硫酸アンモニウム/カリウムとともに使用する場合など);レドックス活性化系(過安息香酸tert−ブチル、硫酸鉄、塩酸、又はアスコルビン酸ナトリウムを使用する場合など);熱活性化(V50を使用する場合など);又は、光活性化〔2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(DMPA)、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド(Quantacure BTC)、リボフラビン、又は2−アントラキノンスルホン酸ナトリウム(AQS)を使用する場合など〕を受ける活性化可能な物質を使用することができる。
【0049】
光活性化可能な物質を使用する場合、光開始剤の最大吸収波長に合った波長範囲のより明るい光源を使用することにより、応答時間を増やし、感度を高めることができる。加熱により重合反応を加速し、感度を高めることができる。
【0050】
活性化可能な物質は、単独の場合、又は第二リガンドと結合している場合に、水に可溶であるか、又は一般的な有機溶媒に可溶であることが望ましい。活性化可能な物質は、上記溶媒中に溶解した状態で系に導入される。そのような溶媒の例として、水、アルコール、DMSO若しくはDMF、又はその混合物が挙げられる。
【0051】
得られたシグナルがいずれも、純粋に検体の存在の結果であることを保証するために、結合していない活性化可能な物質は、通常、洗浄によって系から取り除かれる。また、洗浄ステップは、未反応の検体を洗浄して取り除くために、センサーにサンプルを添加した後に行ってもよい。
【0052】
活性化は、使用する物質毎に異なる方法、例えば照射又は加熱等の方法で行われる。
【0053】
本発明がポリマーの形成を伴う場合、ポリマー前駆体をセンサーに結合させてもよいし、また上述のような追加のステップにおいてポリマー前駆体を添加してもよい。ポリマー前駆体は、重合開始剤と相溶性を有し、かつ、反応してセンサー中に所望の様式でポリマーを形成するモノマーであればどのようなものでもよく、例えばアクリルアミドやm−TMI等が挙げられる。モノマーには酸素によって阻害され得るものがあり、また、阻害剤には作用するのに酸素を必要とするものがある(リボフラビン等)。モノマー及び重合開始剤は、重合反応及び保存条件に対する制御をより高めるように選択することができる。
【0054】
使用する重合開始剤系に応じて、フリーラジカル重合、又は、原子移動重合(ATP)などの「リビング」重合反応のいずれかを介して重合を進めることができるものと考えられる。分子量及び重合率が制御されるように連鎖移動剤が含まれてもよい。
【0055】
本発明では、検体結合事象によって応答が大きく増幅されることとなるが、ある状況においては、特に検体が核酸の場合には、応答をさらにより高めて、最大感度を得ることが望ましい場合もある。
【0056】
この場合には、公知の方法を使用して検体を複製し、その後、より多くの第二リガンドを結合させて、それにより、より多くの活性化可能な物質を存在させることができる。この実施形態においては二重の増幅が起こる。すなわち、一つは検体量の増幅に由来するものであって、これによりさらに多くの活性化可能な物質が結合することになる。もう一つは活性化可能な物質の使用による各結合事象の増幅に由来するものである。
【0057】
好適な複製方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は逆転写酵素PCR、リガーゼ連鎖反応、SDA(strand displacement amplification)法、DNA切断に基づいたシグナル増幅法(DNA cleavage−based signal amplification)、又はRCA(rolling cycle amplification)法が挙げられる。これらの方法は、活性化可能な物質によって、又は、活性化可能な物質と増幅後に結合する部分(ビオチン等)によって標識されたヌクレオチドを取り込むことができる修飾ポリメラーゼが関与するものであってもよい。これらの方法は当該技術分野において公知である。
【0058】
RCA法は、最も特異性が高く多目的に使用できる増幅方法であるので、本発明において特に有用である。また、この方法は、リガーゼが3’ミスマッチに対してポリメラーゼよりもストリンジェントであるために特異性が高いものとなるライゲーションを伴う。
【0059】
本発明においてローリングサークル型複製ステップを使用する一例は、以下のようなものである。cDNA又は発現配列タグ(EST)等の第一リガンドをセンサー上に固定化して;インフルエンザウイルス由来のmRNA遺伝物質などの検体を投入し;複製リガンドの一つである、相補的ss−DNAを投入し;第一リガンドと複製リガンドとを連結し;環状(ローリングサークル)DNAを投入し;環状DNAの存在下、複製リガンドを伸長し;ローリングサークルを除去し;光活性化可能な物質と結合している、ss−DNA等の第二リガンドを投入し;ポリマー前駆体を投入し、系に照射することで、結果として、マトリックス中にポリマーが形成され、マトリックスが収縮し、よって光学特性において検出可能なものとなる。
【実施例】
【0060】
重合により検出可能な応答が生じることを示すため、ホログラフィックセンサーを用いて原理検証実験を行った。実施例では従来のグルコース感受性ホログラフィックセンサーを使用し、本発明が如何に機能するかを実証する。実施例においては、ポリマー前駆体を投入した後、活性化可能な物質を投入して当該物質を活性化する。実施例1〜3は化学的活性化を利用しており、実施例4は光活性化を用いている。
【0061】
実施例1
アクリルアミド0.265g及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド架橋剤0.0179gをMQ水652μl中に溶解させた。TEMED触媒(TEMEDは第二抗体に化学的に結合することができる)4.6μlを添加した。溶液を渦流攪拌した後、グルコース感受性ホログラム(5mol%ビスアクリルアミド架橋剤、8mol%3−アクリルアミドフェニルボロン酸)を含むキュベットに添加した。平衡後、0.05g/ml過硫酸カリウム溶液40μlを、キュベットの中身に(攪拌しないで)添加し、ホログラムの応答をモニタリングした。重合に伴ってホログラムの急速かつ急激な収縮が起こり、これは回折ピーク波長の減少から確認できた。重合反応終了時に、キュベット中に固体ゲルがあることが確認された。
【0062】
実施例2(対照)
TEMED触媒(TEMEDは第二抗体に化学的に結合することができる)4.6μlをMQ水652μlに添加した。溶液を渦流攪拌した後、グルコース感受性ホログラム(5mol%ビスアクリルアミド架橋剤、8mol%3−アクリルアミドフェニルボロン酸)を含むキュベットに添加した。平衡後、0.05g/ml過硫酸カリウム溶液40μlを、キュベットの中身に(攪拌しないで)添加し、ホログラムの応答をモニタリングした。ホログラムの僅かな膨潤が観察され、これは回折ピーク波長の僅かな増加から確認できた。ゲルの形成は、当該キュベットでは確認されなかった。
【0063】
実施例3(対照を用いての反復実験)
アクリルアミド0.265g及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド架橋剤0.0179gをMQ水652μl中に溶解させた。TEMED触媒(TEMEDは第二抗体に化学的に結合することができる)4.6μlを添加した。溶液を渦流攪拌した後、グルコース感受性ホログラム(5mol%ビスアクリルアミド架橋剤、8mol%3−アクリルアミドフェニルボロン酸)を含むキュベットに添加した。平衡後、MQ水40μlをキュベットの中身に攪拌しないで添加した。さらに平衡時間を経た後、0.05g/ml過硫酸カリウム溶液40μlをキュベットの中身に添加し、ホログラムの応答をモニタリングした。重合に伴ってホログラムの急速かつ急激な収縮が起こり、これは回折ピーク波長の減少から確認できた。重合反応の終了時に、キュベット中に固体ゲルがあることが確認された。
【0064】
実施例4
アクリルアミド0.265g及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド架橋剤0.0179gをMQ水652μl中に溶解させた。溶液を渦流攪拌した後、グルコース感受性ホログラム(5mol%ビスアクリルアミド架橋剤、8mol%3−アクリルアミドフェニルボロン酸)を含むキュベットに添加した。平衡後、DMSO中の2%DMPA溶液(DMPAは第二抗体に化学的に結合することができる)20μlをキュベットに攪拌しないで添加した。ハロゲン光源下でさらに平衡時間を経た後、キュベットにUVランプを(350nmで)照射した。UV照射により速やかに重合が起こり、それに伴ってホログラムの急速かつ急激な収縮が起こった。これは回折ピーク波長の減少から確認できた。重合反応の終了時に、キュベット中に固体ゲルがあることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中の検体を検出する方法であって、
a)センサー上又はセンサー近傍のいずれかに固定化されており、前記検体と特異的に結合する第一リガンドと前記サンプルを接触させるステップ;
b)ステップ(a)の前に前記サンプルを、又は、ステップ(a)の後で固定化された検体を、前記検体と特異的に結合する第二リガンドを含む物質と接触させるステップ、ここで前記物質は重合開始剤を形成するよう活性化可能である;及び、
c)前記物質を活性化するステップ
を含み、
前記重合開始剤は前記センサーと相互作用し、その物性を変化させて、前記センサーの光学又は音響特性を変化させる
方法。
【請求項2】
前記重合開始剤は、前記センサーと直接相互作用して該センサーの物性を変化させるフリーラジカル開始剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサーはポリマー前駆体を含み、かつ、前記重合開始剤は前記ポリマー前駆体と相互作用して前記センサー中にポリマーを形成する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサーをポリマー前駆体と接触させることで、前記重合開始剤を前記ポリマー前駆体と相互作用させて前記センサー中にポリマーを形成するステップをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第一リガンドは抗体又は核酸、好ましくはcDNAである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検体は抗原、胞子又は核酸である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第二リガンドは活性化可能な物質と結合した抗体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記物質は化学反応、レドックス反応、熱又は照射により活性化され得る、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記検体は核酸であり、かつ、前記方法はステップa)とb)の間に前記検体を複製することをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複製は、ポリメラーゼ連鎖反応、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、strand displacement amplification法、DNA切断に基づいたシグナル増幅法、又はrolling cycle amplification法を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記活性化可能な物質で標識されたヌクレオチドは、修飾ポリメラーゼとともに使用される、請求項9又は請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記センサーは、レーザー光線を照射した際に干渉効果を生み出す手段をさらに備えている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記手段は偏光解消層を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センサーは、その上に光学フィルターを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記光学フィルターはバンドパスフィルターである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光学又は音響特性の変化は、光学式読取機、携帯電話、コンピューター及びデジタルカメラから成る群から選択される装置を使用して検出される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記センサーは、マトリックス中又はマトリックス上にホログラムを有する該マトリックスを備えたホログラフィックセンサーである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記センサーは、マトリックス内に結晶性コロイドアレイを有する該マトリックスを備えている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記センサーは、マトリックス上に粘度感受性蛍光プローブが固定化されている該マトリックスを備えている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記センサーは表面レリーフを有するマトリックスを備えている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記マトリックスはヒドロゲルである、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記センサーは、電極が取り付けられ、さらにポリマー前駆体が上部に固定化された水晶振動子共鳴器を備え、かつ、前記方法は、前記センサーを追加のポリマー前駆体と接触させることで、前記重合開始剤を、固定化されたポリマー前駆体及び追加のポリマー前駆体と相互作用させて前記共鳴器上に固定化されたポリマーを形成するステップをさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ホログラムは拡大下でのみ視認可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記ホログラフィック画像は物体像であるか、又は、2次元若しくは3次元効果を与えるものである、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記ホログラムは白色光、UV光又は赤外線照射下で視認可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記ホログラムは特定の温度、磁場又は圧力条件下で視認可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記ホログラムは光の回折により生成される、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の検体を検出する方法において使用するためのキットであって、
前記検体と特異的に結合することが可能な第一リガンド、及び、センサー、ここで前記第一リガンドは前記センサー上、又は、使用中に前記センサー近傍に配置されている基材上のいずれかに固定化されている、並びに、
前記検体に特異的に結合することが可能な第二リガンドを含む物質、ここで前記物質は、重合開始剤を形成するよう活性化可能である、
を含むキット。
【請求項29】
前記センサーは該センサーと結合したポリマー前駆体を有する、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
ポリマー前駆体をさらに含む、請求項28に記載のキット。
【請求項31】
農学研究、環境学研究、医学若しくは獣医学における予後診断、治療的診断、診断又は治療における使用のための、請求項28〜30のいずれか一項に記載のキット。
【請求項32】
前記センサーは、試験片、チップ、カートリッジ、スワブ、チューブ、ピペット、又は、流体サンプリング装置若しくは流体分析装置上に備えられる、請求項28〜31のいずれか一項に記載のキット。
【請求項33】
前記センサーは、マトリックス中又はマトリックス上にホログラムを有する該マトリックスを備えたホログラフィックセンサーである、請求項28〜32のいずれか一項に記載のキット。

【公表番号】特表2010−502978(P2010−502978A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527198(P2009−527198)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際出願番号】PCT/GB2007/003357
【国際公開番号】WO2008/029140
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(504370977)スマート ホログラムズ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】