説明

構造補強材

本発明は、構造部材(14)の補強システム及び方法の提供に関する。より具体的には、本発明は、新規なキャリヤ(12)の構成及びこれへの補強材(18)の取付けに関する。一構成例では、補強材料(18)の取付けは、締結具、接着剤又はこれら両方を用いないで、キャリヤ(12)上への補強材料(18)の配置、位置決め及びキャリヤ(12)上での補強材料(18)の拘束運動が可能であるように達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造部材の補強のためのシステム及び方法であって、キャリヤに対する活性化可能材料の配置、位置決め及び拘束運動を助けるための拘束手段を含むシステム及び方法の提供に関する。特定の一態様では、このシステム及び方法は、締結具、接着剤又はこれら両方を用いないで、キャリヤ上への活性化可能材料の配置、位置決め及びキャリヤ上での補強材料の拘束運動を可能にする。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2006年7月25日出願された米国特許仮出願第60/820,295号及び2007年7月23日に出願された米国特許非仮出願第11/781,587号の優先日に関する権益を主張しており、これら両方の米国特許出願を参照により引用し、これら記載内容を全ての目的に関して引用する。
【背景技術】
【0003】
長年にわたり、産業界、特に輸送業界は、機能的属性、例えば、密封、阻流(baffling)、防音、消音及び補強を製造業者の製品、例えば自動車両に関心を持っている。業界は、このような機能的属性を提供するための多種多様な材料及び部品を開発した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術革新の続行に関心を持って、本発明は、このような機能的属性を提供するための改良材料及び(又は)改良部品を提供しようとするものである。このような材料及び(又は)部品は、密封、阻流、防音、消音、これらの組み合わせ等を提供することができるが、このような部品及び(又は)材料は、補強を提供するのに特に適していることが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、構造部材の補強のための改良システム及び方法を提供する。本発明は、新規なキャリヤ形態及びこのキャリヤ形態上に配置され又はこれに被せられて、構造的補強を提供する活性化可能材料を含む。
【0006】
一態様では、本発明は、構造部材のための補強システムを提供する。このシステムは、第1の端と第2の端との間に延びる長さを有するキャリヤ部材を有する。キャリヤ部材は、キャリヤ部材の長さに沿って延びる1つ又は2つ以上のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を更に有し、キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有する。このシステムは、キャリヤ部材上に配置された活性化可能な材料を更に有する。活性化可能材料は、熱が加えられると膨張し、そして中空構造部材の内壁にくっついて構造部材に対する補強材となるよう構成されている。このシステムは、キャリヤ部材に設けられ又はこれと一体の1つ又は2つ以上の拘束特徴部を更に有する。1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、活性化可能材料を受け入れ、キャリヤ部材に対する活性化可能材料の運動を制限するよう構成されている。
【0007】
第2の態様では、本発明は、構造部材のための補強システムを提供する。このシステムは、第1の端と第2の端との間で軸線に沿って延びる長さを有するキャリヤ部材を有する。キャリヤ部材は、キャリヤ部材の長さに沿って延びる複数のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を有し、キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有する。このシステムは、キャリヤ部材上に配置された活性化可能な材料を更に有する。活性化可能材料は、熱が加えられると膨張し、そして中空構造部材の内壁にくっついて中空構造部材の補強材となるよう構成されている。このシステムは、キャリヤ部材の第1の端、第2の端又は両端のところに設けられた1つ又は2つ以上のキャップを更に有し、1つ又は2つ以上のキャップは、キャリヤ部材の端部に係合するよう構成されている。
【0008】
第3の態様では、本発明は、構造部材のための補強システムを提供する。このシステムは、第1の端と第2の端との間で軸線に沿って延びる長さを有するキャリヤ部材を有する。キャリヤ部材は、軸線に沿って延びると共にキャリヤ部材の高さ又は幅に沿って連続して配置された複数のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を更に有し、キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有する。このシステムは、キャリヤ上に配置された複数の活性化可能材料のストリップを更に有する。活性化可能なストリップは、熱が加えられると膨張し、そして中空構造部材の内壁にくっついて中空構造部材の補強材となるよう構成されている。このシステムは、単体構造を形成するようキャリヤ部材と一体に形成された1つ又は2つ以上の拘束特徴部を更に有する。1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、活性化可能材料のストリップを受け入れ、キャリヤに対する活性化可能材料の運動を制限するよう構成されている。このシステムは、キャリヤの第1の端、第2の端又はこれら両端のところに設けられた1つ又は2つ以上のキャップを更に有する。1つ又は2つ以上のキャップは、キャリヤの端部に係合するよう構成され、補強部材、サウンドバッフル部材又はこれら両方を形成している。このシステムは、キャリヤ部材を中空構造部材の内壁に取り付ける1つ又は2つ以上の取付け特徴部を更に有し、1つ又は2つ以上の取付け特徴部は、1つ又は2つ以上のキャップに取り付けられ又はこれと一体に設けられている。
【0009】
システムを形成する方法、構造部材の補強方法その他を含む本発明の他の特徴及び態様が存在することは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の補強システムの例示の実施形態を示す図である。
【図2】本発明の例示のエンドキャップを含む図1のシステムを示す図である。
【図3】図2に示すエンドキャップの斜視図である。
【図4】図2に示すエンドキャップの斜視図である。
【図5】本発明の補強システムの別の例示の実施形態を示す図である。
【図6】本発明の例示のエンドキャップを含む図5のシステムを示す図である。
【図7】図6に示すエンドキャップの斜視図である。
【図8】本発明の補強システムの更に別の例示の実施形態を示す図である。
【図8A】図8に示す例示の実施形態の別の形態を示す図である。
【図8B】図8に示す例示の実施形態の別の形態を示す図である。
【図8C】図8に示す例示の実施形態の別の形態を示す図である。
【図8D】図8に示す例示の実施形態の別の形態を示す図である。
【図9A】本発明の補強システムの更に追加の例示の実施形態を示す図である。
【図9B】本発明の補強システムの更に追加の例示の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の補強システムの更に追加の例示の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の補強システムの例示の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、構造部材、特に自動車用フレーム又はフレームレール部材を補強するシステム及び方法に関する。このようにする際、本発明は、活性化可能材料が被せられたキャリヤを計画しており、この活性化可能材料は、中空構造部材内に配置可能に構成されている。次に、活性化可能材料を活性化させ、それによりキャリヤが構造部材に取り付けられてこれに対して補強を提供する。
【0012】
一構成例では、活性化可能材料は、締結具、接着剤による結合又はこれら両方を用いないでキャリヤ上に支持されると共に維持される。本発明により、活性化可能材料は、拘束的にキャリヤ上に配置され又はこれに被せられ、それにより、特に構造部材のキャビティ内へのキャリヤの配置中又はその他において、キャリヤに対する活性化可能材料の運動が制限され又は実質的に制限される。このようにする際、活性化可能材料は、締結具がなくてもキャリヤにより固定される。
【0013】
この拘束的配置によって達成される利点のうちの1つは、製造費の減少が見込まれるということである。さらに、本発明は又、活性化可能材料をキャリヤに取り付ける取付け特徴部を利用するステップを減少させ又は不要にすることにより補強システムを組み立てるのに必要な時間を減少させる。本発明の他の利点は、図面に記載されていると共に本明細書において説明されるように明らかになろう。
【0014】
一態様では、図1及び図5を参照して例示的に説明すると、本発明は、車両の構造部材、例えば構造部材のキャビティ内に配置可能に構成されたキャリヤ部材12を有する改良型補強システム10を想定している。好ましくは、キャリヤは、キャリヤ上に配置され又はこれに被せられた活性化可能材料18から成る1つ又は2つ以上の取付け体を有する。
【0015】
別の態様では、図2、図3、図4、図6、図7及び図10を参照して例示的に説明すると、本発明は、キャリヤ部材12を構造部材14に取り付ける特徴部20を更に想定している。特定の一実施形態では、この取付け特徴部は、キャリヤ部材とつがい関係をなして係合するよう構成されており、構造部材に設けられたアパーチュア23又は他の対応の凹部内に配置可能な1つ又は2つ以上の部材(例えば、締結具22)を含む。特定の一実施形態では、位置決め特徴部は、更に、キャリヤ部材の端部に取付け可能に構成されており、より具体的には、キャリヤを貫通して形成された1つ又は2つ以上のキャビティ及び(又は)開口部16に嵌合する。オプションとして、位置決め特徴部は、流体、例えばイーコート(e-coat)の通過を可能にするよう補強されている構造体の壁からキャリヤを離して配置するような形状及び(又は)寸法になっている。
【0016】
さらに別の態様では、図1、図2、図5、図6、図8〜図11を参照して例示的に説明すると、本発明は又、締結具の使用を必要としないで、キャリヤ部材12上への活性化可能材料18の迅速且つ安価な配置及び(又は)位置決めのための拘束特徴部、例えば拘束手段24を更に想定している。キャリヤ部材、活性化可能材料又はこれら両方は、これら特徴部のうちの1つ又は2つ以上を備えるのが良い。さらに、他の特徴部、例えばエンドキャップ20も又、これら拘束特徴部の1つ又は2つ以上を有するのが良い。キャリヤ上への活性化可能材料の配置時に、活性化に先立ってキャリヤに対する活性化可能材料の運動が、拘束特徴部によって制限され、好ましくは実質的に制限される。
【0017】
上述の例は、本発明の他の例及び特徴が図面に記載されると共に本発明により説明されるので本発明を限定するものではないということは理解されるべきである。
【0018】
キャリヤ
上述したように、補強システムは、構造部材の中空キャビティ内に配置されるようになったキャリヤを有する。キャリヤは、好ましくは、軸線に沿って延びるよう構成されており、このキャリヤは、少なくとも、軸線の互いに反対側の端に位置する第1の端及び第2の端を有する。キャリヤは、キャリヤの長さ又は軸線に沿って延びる1つ又は2つ以上の中空キャビティを更に有するのが良い。キャリヤは、その長さに沿って真っ直ぐであっても良く、或いは異形であっても良い。
【0019】
キャリヤは、キャリヤの長さに沿って延び、互いに接合され又は違ったやり方で一体化されるのが良い1つ又は2つ以上の壁で形成されている。キャリヤは、別々に作られ、次に互いに組み立てられる別個の部品を有しても良く、キャリヤは一体に形成されても良く、或いはこれら両方であっても良い。オプションとして、壁のうちの1つ又は2つ以上は、実質的にキャリヤの外壁内に位置する内壁であっても良いことが想定される。好ましくは、壁の接合時に、キャリヤは、キャリヤの長さの少なくとも一部分に沿って、より好ましくは全長に沿って延びる1つ又は2つ以上(又は、複数)のキャビティ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又は7つ以上のキャビティ)を形成する。1つ又は2つ以上のキャビティがキャリヤの第1の端と第2の端との間でキャリヤを貫通して延びる開口部を形成しても良く、それにより、キャリヤを通る流体又は他のコンポーネントの通過が可能になる。
【0020】
一例として、図1及び図5を参照すると、キャリヤ12は、複数の壁26で形成されるのが良く、これら壁は、キャリヤの内部と外部の両方においてその長さに沿って延びて複数のキャビティを形成している。この形態では、キャリヤは、第1のキャビティ16A、第2のキャビティ16B、第3のキャビティ16C及び第4のキャビティ16Dを有する。当然のことながら、他の形態が想定される。
【0021】
図1及び図2を参照すると、キャリヤ12の壁26のうちの1つ又は2つ以上をキャリヤが収納されている構造部材14の内壁30に隣接して位置決するのが良いことが想定される。また、壁26又はその他によって画定されるキャリヤの断面プロフィールは、構造部材の内壁により形成される開口部の断面に一致するのが良い。したがって、内部構造部材に隣接して4つ又は5つ以上の壁が設けられるのが良い。
【0022】
オプションとして、キャリヤは、キャリヤの壁に形成された1つ又は2つ以上の貫通穴32を有するのが良い。貫通穴は、キャリヤの重量を減少させることができる。貫通穴は又、活性化可能材料等の流れを直接制御するために使用できる。さらに、貫通穴は、キャリヤを構造部材内に位置決めするための位置決め特徴部20に嵌合するよう使用できる。
【0023】
キャリヤを種々の材料のうちの任意のもので作ることができ、又、単一の材料又は多数の材料で作ることができる。例を挙げると、キャリヤをポリマー材料(例えば、熱可塑性樹脂、例えばポリアミド)、金属(例えば、アルミニウム、鋼、マグネシウム、金属合金)、これらの組み合わせ等で作ることができる。認識されるように、キャリヤを形成したり造形したりするための技術は、典型的には、キャリヤの材料で決まるであろう。技術の例としては、成形法(例えば、射出成形法、圧縮成形法又は吹き込み成形法)、打ち抜き加工法、ハイドロフォーミング法、押し出し法等が挙げられるが、これらには限定されない。適当な材料及び成形プロセスの例は、バルツ等(Barz et al.)に付与された共通所有者の米国特許第6,467,834号明細書に見受けられ、この米国特許を参照により引用し、その内容全体をあらゆる目的で引用する。
【0024】
活性化可能な材料
システム10は、活性化可能な材料18を有し、この活性化可能材料は、その活性化及び硬化時に構造的補強特性を提供するよう構成されている。一構成例では、キャリヤは、キャリヤ上に配置され又はこれに被せて設けられた活性化可能材料を有する。活性化可能材料は、接着剤から成っても良く、又はこれとは異なり、その活性化時にキャリヤ及び構造部材に結合可能に接着特性を有しても良い。
【0025】
好ましくは、活性化可能材料は、キャリヤ上に拘束的に配置され(拘束手段24又はその他の手段により)、キャリヤに対する活性化可能材料の運動が制限され又は実質的に制限されるようになっている。このようにする際、場合によっては、活性化可能材料、拘束手段又はこれら両方は、1つ又は2つ以上の拘束特徴部内、拘束特徴部相互間等への活性化可能材料の配置が可能であるように弾性的又は可塑的に変形可能であるのが良く、高速特徴部及び(又は)活性化可能材料の形態がキャリヤに対する活性化可能材料の運動を制限し又は実質的に制限するようになっている。
【0026】
活性化可能材料は、活性化されて(例えば、熱、水分、放射線、化学反応等により)膨張し、次に硬化して隣り合う表面(例えば、キャリヤ及び構造部材等の取付け面)相互間に強固な結合部を形成する膨張可能又は発泡可能な材料であるのが良い。一実施形態では、活性化可能材料は、発泡特性を備えた圧縮強度の高い熱活性化補強材料で作られている。別の実施形態では、活性化可能材料は、構造部材に対する安定性が得られるよう防振に特に適しており、構造部材による騒音を減少させることができ、又はこれら両方を達成することができる。材料は、一般に、触ってみて乾いた状態であっても良く、或いは粘着性であっても良く、このような材料を所望のパターン、配置状態又は厚さの任意の形態で部材の表面上に配置することができるが、好ましくは、実質的に一様な厚さのものである。
【0027】
他の熱活性化材料が活性化可能材料のために可能であるが、好ましい熱活性化材料は、膨張性プラスチック、好ましくは、発泡性のプラスチックである。特に好ましい材料は、エポキシ系の構造用フォームである。例えば、構造用フォームは、アルファ−オレフィンを備えるのが良いエチレンコポリマー又はターポリマーを含むエポキシ系材料であるのが良いが、これには限定されない。
【0028】
適当な活性化可能材料の例は、共通所有者の米国特許第6,846,559号明細書、同第6,941,719号明細書及び同第6,921,130号明細書に見受けられ、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容全体を全ての目的について引用する。特に、1つの例示の発泡性材料は、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ・インコーポレイテッド(L&L Products, Inc.)を介して入手できるL−5204構造用フォームである。接着剤用として好ましい構造用フォーム調合物の例は、ミシガン州ロメオ所在のエル・アンド・エル・プロダクツ社からL−5206、L−5207、L−5208、L−5209、L−5220、L−7102、L−7220、XP321、XP721等という名称で市販されているエポキシ系材料である。
【0029】
これら好ましい材料は、例えば米国特許第7,048,019号明細書及び同第5,358,397号明細書の教示に従って射出成形、押し出し圧縮成形により又はミニアプリケータを用いて処理でき、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容全体を全ての目的に関して引用する。これにより、大抵の先行技術の材料の性能に勝る部品設計品の形成及び創出が可能である。好ましい一実施形態では、活性化可能材料(その未硬化状態にある)は一般に、触ってみて乾いた感じであり又は比較的粘着性が乏しい。さらに、活性化可能材料をキャリヤ部材及び(又は)コネクタ(例えば、エンドキャップ等)の取付け面に、これらコンポーネントを互いに組み立てる前又は組み立てた後において取り付けることができる。さらに、上述したように、予備成形されたパターン、例えば、シート(平らな又は異形の表面を有する)を押し出し、次にこれを選択した構造体、パネル又はビームに従って所定の形態に応じて打ち抜き、そしてこれを選択した構造体、パネル又はビームに取り付けることによって作られたパターンを採用しても良い。
【0030】
上述したように、活性化可能材料は、熱活性化熱発泡性材料であるのが良い。この材料は、材料を、例えば塗装準備ステップ中、高い温度又は高い印加エネルギーレベルにおいて自動車用コンポーネントと一緒に処理する場合、高い処理温度、例えば自動車組み立てプラントで遭遇する温度状態では反応性になることができる。自動車組み立て作業で遭遇する温度は、約148.89℃〜204.44℃(約300°F〜400°F)の範囲にある場合があるが、車体塗装作業用途では、一般に、約93.33℃(約200°F)又はこれよりも僅かに高い温度状態にある。必要ならば、発泡剤用活性化剤を配合物中に混ぜ込んで上述の範囲外の種々の温度状態で発泡を生じさせても良い。
【0031】
他の例示の活性化可能材料としては、次のもの、即ち、エポキシ樹脂、ポリスチレン、スチレンブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、ブタジエンアクリロニトリルゴム、非晶質シリカ、ガラス微小球アゾジカルボンアミド、ユリア樹脂、ジシアンジアミドのうちの2つ又は3つ以上の組み合わせが挙げられる。また、米国特許第6,649,243号明細書、同第6,519,854号明細書、同第6,387,470号明細書、同第6,546,693号明細書、同第6,332,737号明細書及び同第6,003,274号明細書を参照されたい。(SAC(スコットランド自動車クラブ)は、これらサイカ(Sika)特許番号を提供している。これは、EPO異議申立手続きで使用許可が得られたこれらの音響フォーム及び特許された配合物を網羅しているはずである)。
【0032】
活性化可能材料の配置
活性化可能材料18は、キャリヤ12の外側部分に隣接して配置されており、この外側部分と接触状態にあっても良く、或いはこれから間隔を置いて位置しても良い。好ましくは、活性化可能材料は、構造部材14等内への配置の際、キャリヤに近接して位置したままである。活性化可能材料、キャリヤ又はこれら両方は、活性化可能材料をキャリヤに近接して位置決めするための拘束特徴部を有するのが良い。好ましくは、拘束特徴部は又、キャリヤに対する活性化可能材料の運動を制限し又は実質的に制限する。オプションとして、本明細書において説明するように、活性化可能材料は又、キャリヤと関連した他のコンポーネント、例えばエンドキャップ等の上に配置され又はこれと一緒に配置されるのが良い。
【0033】
第1の形態では、図1、図2、図5、図6、図8〜図11を参照すると、活性化可能材料は、キャリヤに対する活性化可能材料の運動を制限し又は実質的に制限するようキャリヤ上に拘束的に配置されている。有利には、活性化可能材料をキャリヤに対して配置したり位置決めすることは、締結具を使用しないで実施できる。好ましい一実施形態では、活性化可能材料の拘束的配置は、キャリヤ、活性化可能材料又はこれら両方と共に配置され又は形成された拘束手段24を介して達成される。
【0034】
1つ又は2つ以上の拘束手段24は、キャリヤの1つ又は2つ以上の壁部分上に配置され又は形成されるのが良い。これは、互いに反対側の壁部分、即ち、4つの全体として外方に向いた壁部分(例えば、2つの反対側の壁が他の2つの反対側の壁に全体として垂直になっている状態の壁部分)等を有するのが良い。好ましくは、拘束手段は、キャリヤの外側部分上に配置される。より好ましくは、拘束手段は、キャリヤが構造部材内に配置されると、構造部材を構成する壁部分に隣接して配置される。拘束手段は、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つ以上の壁上に配置されるのが良く、このような壁としては、キャリヤを形成し又はキャリヤの軸線に沿って延びる壁の実質的に全てが挙げられる。
【0035】
図1、図2、図5、図6、図9A、図9B及び図10を参照すると、第1の形態の拘束手段の例が示されている。この形態では、拘束手段は、キャリヤ壁の長さに沿って延びるスロット付き部分34から成り又はこれを含む。スロット付き部分は、全体として幅及び高さを備えた長方形で構成される断面の開放領域を有する。しかしながら、他の形状が想定され、このような形状としては、円形、楕円形、正方形、三角形等が挙げられる。断面開放領域は、全体として、キャリヤの長さ全体にわたって一貫しているのが良い。スロット付き部分は、キャリヤの長さに沿って延びる開口部又は溝36を更に含むのが良い。溝は、活性化可能材料を受け入れ又は活性化可能材料がその活性化中、スロット付き部分から出ることができるようにするためにキャリヤの外側部分に設けられている。
【0036】
スロット付き部分が活性化可能材料を受け入れるよう構成されているので、活性化可能材料は、スロット付き部分の断面形状に一致した断面形状を有するのが良い。活性化可能材料は、スロット付き部分の実質的に全体又はその一部分に沿って延びるのが良く、この活性化材料は、ストリップ又は他の形態を有するのが良い。一形態では、活性化可能材料をスロット付き部分の端部内に挿入するのが良い。変形例として、活性化可能材料をスロット付き部分に沿って延びる溝を介してスロット付き部分内にスナップ嵌めしても良い。いずれにしても、或いはそうでなくても、活性化可能材料がスロット付き部分から出るのを阻止するためにスロット付き部分と活性化可能材料との間に摩擦嵌め関係が形成されるのが良い。
【0037】
キャリヤは、スロット付き部分内における活性化可能材料の運動を阻止し又は制限するための1つ又は2つ以上の停止部38を有するのが良い。停止部は、キャリヤと一体に形成されても良く、或いは別個に形成されても良い。一形態では、停止部は、キャリヤのスロット付き部分に形成された開口部を貫通して延びる1本又は2本以上のピン又はクリップから成る。ピン又はクリップは、スロット付き部分内に延びることにより、スロット付き部分に沿う活性化可能材料の運動を阻止し又は制限する。
【0038】
図8及び図8A〜図8Dを参照すると、第2の形態の拘束手段の例が示されている。この構成では、拘束手段は、キャリヤ、活性化可能材料又はこれら両方から延び、少なくとも一方向における活性化可能材料の運動を制限するようになった1つ又は2つ以上の特徴部から成り又はこれらを含む。拘束手段は、本明細書において説明する拘束手段形態の全ての場合と同様、別個に形成されてキャリヤに取り付けられても良く、或いは単体構造を形成するようキャリヤと一体に形成されても良い。図示のように、拘束手段は、キャリヤから延びる1つ又は2つ以上、好ましくは互いに反対側に位置する部材を有し、各部材は、活性化可能材料を受け入れ、キャリヤ軸線に平行な、キャリヤ軸線に垂直な又はこれら両方の関係をなす活性化可能材料の運動を制限する端停止部40を形成するキャビティ及び(又は)開口部を形成している。例えば、停止部は、活性化可能材料の活性化に先立ち、このような活性化中又は活性化後のいずれにおいても、活性化可能材料が停止部を越えて動くのを阻止するよう構成されているのが良い。また、停止部は、キャリヤの軸線に沿う運動を阻止するが、キャリヤ軸線に平行ではない方向における運動を可能にするよう構成されているのが良い。変形例として、停止部は、キャリヤ軸線に対する平行な運動を可能にするが、平行ではない運動を阻止するよう構成されても良い。1つ又は2つ以上の端停止部は、キャリヤの軸線に垂直な活性化可能材料の運動を阻止するよう構成された1つ又は2つ以上のタブ、突出部等42を有するのが良い。
【0039】
第1の例では、図8を参照すると、拘束手段は、キャリヤ壁のうちの1つから延びる隆起部分で形成されている。拘束手段は、頂壁及び頂壁をキャリヤ壁に接合する側壁を有し、拘束手段の各々は、キャビティを形成し、各拘束手段は、反対側の拘束手段の方向に延びる開口部を有する。キャビティ及び(又は)開口部は、本明細書において説明する拘束手段の各々の場合と同様、活性化可能材料の一部分に全体として一致した断面形状を有するのが良い。
【0040】
第2の例では、図8Aを参照すると、拘束手段は、キャリヤ壁から外方に延び、そして反対側の拘束手段に向かって逆戻りし、それによりこの反対側の拘束手段に向かって延びるキャビティ及び開口部の少なくとも一部分を形成するためのキャリヤ壁の上曲がり部分で形成されるのが良い。拘束手段は、キャリヤ壁から延び、活性化可能材料の側方運動を制限し又は阻止する側壁タブ42を有する。
【0041】
拘束特徴部は、拘束手段端停止部相互間に設けられ、端停止部相互間に延びる線に全体として垂直な運動を阻止する1つ又は2つ以上の中間拘束手段、例えばタブ、突出部、凹部、開口部等44を有するのが良い。例えば、図8に示す例では、中間停止部は、互いに逆に向いた開口部を備える2つの全体として隣接したタブ又は停止部を含む。拘束手段は、キャリヤ壁から延び、反対側の中間拘束手段に向かって全体として戻っている。この形態では、図8Cを参照すると、中間拘束手段により形成された互いに逆向きの開口部により、活性化可能材料のストリップ46を中間拘束手段相互間に配置し、これを回して開口部内に入れ、それにより、活性化可能材料のストリップがキャリヤの壁から遠ざかるのを実質的に阻止する。別の例では、図8Bを参照すると、中間拘束手段は、キャリヤ部材を貫通して形成され、活性化可能材料のストリップを受け入れ、キャリヤ軸線に対する垂直運動を阻止する1つ又は2つ以上の開口部を有する。活性化可能材料のストリップは、開口部内への配置時に、図8Dに示されているように、端部分を拘束手段の端停止部によって形成された開口部内に配置することができるよう可塑的に且つ(或いは)弾性的に変形可能である。
【0042】
図11を参照すると、拘束手段の形態の第3の例が示されている。この形態では、拘束手段は、補強材料に設けられた1つ又は2つ以上の係合特徴部48から成り又はこのような係合特徴部48を有し、このような係合特徴部は、キャリヤに設けられた1つ又は2つ以上の対応の係合特徴部50に係合するよう構成されている。係合特徴部は、補強材料及びキャリヤと一体に形成されても良く、或いはこれらとは別個に形成されも良い。一形態では、係合特徴部は、活性化可能材料から延び、キャリヤに形成された開口部と嵌合するよう構成された突起を有している。オプションとして、1つ又は2つ以上の停止部38を更に用いて活性化可能材料、キャリヤ又はこれら両方の運動を制限し又は実質的に制限して係合特徴部が互いに離脱しないようにするのが良い。
【0043】
別の形態では、図3及び図7を参照すると、活性化可能材料は、キャリヤに係合可能に構成されたエンドキャップ20の部分上に配置されるのが良い。活性化可能材料は、キャリヤへのエンドキャップの取付け時に、キャリヤの外部に配置されても良く、或いはその内部に配置されても良い。一例では、エンドキャップは、キャリヤに形成されたキャビティ又は開口部内に嵌まり込むようになった1つ又は2つ以上の突出部52を備えている。この形態では、突出部のうちの1つ又は2つ以上には活性化可能材料が被せられている。活性化時に、活性化可能材料は、エンドキャップをキャリヤの内側部分にくっつける。オプションとして、活性化可能材料は、活性化可能材料の活性化に先立ち、活性化中又は活性化後にキャリヤの1つ又は2つ以上の内側部分に結合可能に構成された接着剤を更に有するのが良く又は違ったやり方でこの接着剤を含むのが良い。接着剤は、活性化可能材料の一部分から成っても良く、或いは、活性化可能材料に被着されても良い。
【0044】
取付け特徴部
オプションとして、キャリヤは、キャリヤを構造部材内に位置決めし、キャリヤの位置を維持する1つ又は2つ以上の位置決め手段を有するのが良い。このような位置決め手段は、キャリヤと一体に形成されも良く、或いは、キャリヤ及び構造部材に係合する別個の特徴部を有しても良い。適当な位置決め手段の特徴としては、突起、延長部、タブ、ばね、機械的締結具(例えば、ねじ部品、フック及びラッチ、スナップ嵌め、クリスマスツリー形クリップ等)が挙げられる。他の位置決め手段としては、非機械的締結具(例えば、摩擦嵌め、接着等)が挙げられる。
【0045】
位置決め手段は、キャリヤの幾つかの部分の周りに形成され又は配置されるのが良い。しかしながら、一形態では、少なくとも1つの位置決め手段が、キャリヤの第1の端のところに設けられ、少なくとも1つの位置決め手段が、第2の端のところに設けられる。このように、キャリヤの軸線を構造的キャビティの軸線に全体として揃えることが可能である。
【0046】
エンドキャップ
上述したように、システムは、キャリヤの第1の端、第2の端又は両端のところに配置可能な1つ又は2つ以上のエンドキャップ20を有するのが良い。1つ又は2つ以上のエンドキャップは、エンドキャップ、構造部材又はこれら両方の補強具合を向上させる1つ又は2つ以上の特徴部を備えるのが良い。このような補強具合向上手段では、キャリヤを活性化可能材料の活性化に先立って構造部材内に位置決めし、活性化中、活性化可能材料の流れを制御し又は阻止し、補強システム、構造部材等を強化させるのが良い。
【0047】
一形態では、エンドキャップは、構造部材に沿う音、騒音、振動等の伝達を阻止するサウンドバッフルとして構成されるのがよい。このようにする際、エンドキャップは、構造部材の内壁に形状が一致した外側部分又は壁を有するのが良いことが想定される。エンドキャップの外側部分又は壁は、構造部材によって形成され、キャリヤ及び(又は)エンドキャップが収納される開口部を実質的に又は完全に跨ぐのが良い。
【0048】
さらに、エンドキャップは、構造部材のキャビティの軸線の少なくとも一部分に沿って延びるよう構成されているのが良い。エンドキャップは、キャリヤ部材の長さの少なくとも約2%、5%、10%、25%以上に等しい長さを有するのが良い。理解されるべきこととして、外側部分又は壁と長さとエンドキャップの組み合わせは、それ自体スタンドアロン形補強部材を構成することができる。したがって、エンドキャップは、サウンドバッフル部材、補強部材又はこれら両方、例えば隔壁を有するのが良い。
【0049】
オプションとして、エンドキャップの外側部分又は壁は、本明細書において説明しているように、エンドキャップを構造部材に取り付けると共に(或いは)封着する活性化可能材料を含むのが良い。活性化可能材料は、音、騒音、振動等の伝達を阻止するのを助けることができる。さらに、活性化可能材料は、構造部材を一段と補強することができる。活性化可能材料は、エンドキャップの外側部分又は壁に沿って延びても良く、エンドキャップの端部に沿って延びても良く、これら両方に沿って延びても良く、或いは違ったやり方で延びても良い。
【0050】
例えば、図2〜図4、図6、図7及び図10を参照すると、本発明のエンドキャップ20の3つの例が示されている。これら例では、エンドキャップは、キャリヤを貫通して形成された開口部の全て又は一部分を覆うよう構成されているのが良く、このような開口部は、活性化可能材料の全て又は一部分がキャリヤのキャビティに入ったりこれから出たりするのを制御し、制限し又は阻止することができる。エンドキャップは、キャリヤの第1の端に配置されても良く、第2の端に配置されても良く、或いは両端に配置されても良い。
【0051】
エンドキャップは、キャリヤ壁の内面、外面又は両方の面に係合可能に構成されているのが良い。エンドキャップとキャリヤの係合は、摩擦嵌めから成るのが良いことが想定される。一形態では、摩擦嵌めは、1つ又は2つ以上の突出部52及び(又は)活性化可能材料18並びにキャリヤのキャビティを形成する内壁相互間に形成される摩擦嵌めから成るのが良い。当然のことながら、摩擦嵌めは、エンドキャップの少なくとも一部分の周りに外方に延びるリング又はリップ54に関して形成され、キャリヤの外壁(又は内壁)との摩擦嵌めを形成するよう構成されているのが良いことが想定される。
【0052】
エンドキャップの係合具合は、エンドキャップをキャリヤに取り付ける取付け特徴部又は手段の使用により一段と改善可能である。適当な取付け手段としては、摩擦嵌め、接着剤、締結具、スナップ嵌め、フック及びラッチ、これらの組合せ等が挙げられる。したがって、エンドキャップ及びキャリヤは、取付け特徴部の対応の部分を有するのが良いことは理解されるべきである。一例として、図8、図10及び図12を参照すると、キャリヤに取り付けられ又はこれと一体に設けられた対応のコンポーネントに係合するよう構成されたスナップ嵌め部56を有するのが良い。例えば、スナップ嵌め部は、エンドキャップから遠ざかって延びる1つ又は2つ以上の突出部58を有するのが良い。突出部は、キャリヤの開口部、凹部、溝等62に嵌合するよう構成されたリップ、ラッチ、フランジ等60を含むのが良い。別の例では、取付け特徴部は、キャリヤ、エンドキャップ又はこれら両方を取り付けるためにこれらに形成された開口部を貫通して延びるようになった締結具(例えば、ねじ、クリップ等)を有するのが良い。
【0053】
一形態では、図2〜図4、図6、図7及び図10を再び参照すると、エンドキャップは、エンドキャップ、それ故にキャリヤを構造部材の内側部分に対して位置決めするための1つ又は2つ以上の位置決め手段64を有するのが良い。位置決め手段は、エンドキャップの一部分であっても良く、別個のコンポーネントであっても良い。一形態では、図10を参照すると、エンドキャップは、一体に形成された位置決め手段を有し、この位置決め手段は、構造部材の対応のコンポーネントに係合するよう構成されている。変形例として、図2〜図4を参照すると、位置決め手段は、エンドキャップと構造部材の両方に係合するよう構成された別個のコンポーネントから成っても良い。
【0054】
好ましくは、エンドキャップ及び位置決め手段は、キャリヤ、エンドキャップ、活性化可能材料又はこれらの組み合わせと構造部材との間の接触量が最小限になるようにキャリヤを位置決めする。これは、構造部材が腐食の防止を助ける腐食防止処理(例えば、イーコーティング(e-coating)等)を受けることができるので望ましい。しかしながら、上述した通りである。
【0055】
用いることができる適当な位置決め手段としては、締結具、例えばクリップ(例えば、「クリスマスツリー」形クリップ)等が挙げられる。
【0056】
更に別の例では、再び図2〜図4、図6、図7及び図10を参照すると、エンドキャップは又、活性化可能材料がキャリヤキャビティに入り又は出るのを制御するよう構成されているのが良い。この形態では、エンドキャップは、1つ又は2つ以上のキャビティによってキャリヤを貫通して形成された開口部の全て又は一部分を覆うのが良い。このようにする際、エンドキャップは、流体(例えば、活性化材料、構造化部材のためのイーコーティング等)を流通させることができる1つ又は2つ以上の開口部66を有するのが良い。
【0057】
有利には、エンドキャップ、キャリヤ又はこれら両方に対する追加の支持体をなす1つ又は2つ以上の補強特徴部がエンドキャップに一体に形成され又はこれに取り付けられるのが良い。具体的に言えば、追加の支持体は、キャリヤの軸線等に対する側方の力に対する抵抗をもたらすことができる。例えば、図3及び図7を参照すると、補強特徴部は、1つ又は2つ以上の一体に形成されたリブ68を有するのが良い。図示の形態では、挿入されてキャリヤに取付け可能に構成されたエンドキャップから延びる突出部内に形成される。したがって、エンドキャップは、接着剤及び(又は)活性化可能材料を介してキャリヤの内側部分に取付け可能に構成された1つ又は2つ以上の突出部、リブ又はこれら両方を挿入することによりキャリヤの追加の補強を可能にするよう構成され、側方力に対する追加の支持体等が提供されるようになっていることが想定される。他の補強形態が想定される。
【0058】
別の形態では、エンドキャップは、キャリヤ上に配置された活性化可能材料の運動を制限するよう構成されているのが良い。例えば、図2〜図4、図6、図7及び図10を参照すると、エンドキャップは、キャリヤ壁の外周部まで延び又はこれを越えて延びる外方に延びるフランジ又はリップ70を有するのが良い。このようにする際、キャリヤの外側部分又は内側部分に拘束的に配置された材料は、エンドキャップ及びキャリヤの端部を越えて動くのが阻止されるのが良い。
【0059】
さらに別の形態では、エンドキャップは、変形例として、本明細書において説明されているように構造部材(キャリヤではなく)の端部に直接取り付けられて構造部材の補強を可能にし、構造部材内に設けられ又はその外部に設けられた膨張可能な材料の流れを制限する等しても良いことが想定される。
【0060】
エンドキャップは、任意適当な材料で形成可能であり、このような材料としては、金属、プラスチック、ゴム、セラミック等が挙げられる。しかしながら、好ましい一形態では、エンドキャップは、軽量の材料、例えばプラスチック、より好ましくは熱可塑性プラスチック又は熱硬化性プラスチックで作られる。エンドキャップの材料は、キャリヤと同一であっても良く、或いはこれとは異なっても良い。本明細書において説明されているように、エンドキャップは、成形法、例えば吹き込み成形、回転成形等によりキャリヤと一体に形成できることが想定される。
【0061】
用途
本発明の補強システムは、構造部材を含み、その補強から恩恵を受けることができる種々の用途に利用可能である。特定の一用途では、補強システムは、その構造システムを補強して補強された構造部材を形成するために車両業界で利用できる。このようにする際、本明細書において説明したシステムのうちの任意のものを構造部材中に配置し、そしてこれを活性化させて補強された構造部材を形成するのが良い。
【0062】
例えば、このシステムは、車両の種々の構成部材を補強するために使用できることが想定され、このような構造部材としては、フレーム、フレームレール、ロッカー、ピラー、ルーフ部材等が挙げられる。構造部材は、車両の長さに沿って延びる1つ又は2つ以上のフレームコンポーネント(例えば、管状フレーム部材等)及び(又は)これらフレームコンポーネント相互間に設けられた他のフレーム部材(例えば、ロッカーフレーム部材)を有するのが良い。特に有利な一用途では、補強システムは、フレームの形態(例えば、モノコックボディ等)に応じてフレームレール、ロッカー等を補強するために使用できる。
【0063】
別段の指定がなければ、本明細書において示した種々の構造の寸法及び幾何学的形状は、本発明を制限するものではなく、他の寸法又は幾何学的形状の採用が可能である。複数の構造コンポーネントは、単一の一体形構造体によって提供できる。変形例として、単一の一体形構造体は、別々の複数のコンポーネントの状態に分割されても良い。さらに、本発明の特徴を図示の実施形態のうちのほんの1つと関連して説明したが、このような特徴は、任意所与の用途に関し、他の実施形態の1つ又は2つ以上の他の特徴部と組み合わせることができる。また、上述のことから理解されるように、本明細書において開示した新規な構造体の製作及びその作用は又、本発明の方法を構成する。
【0064】
本発明の好ましい実施形態を開示した。しかしながら、当業者であれば認識されるように、或る特定の改造例は、本発明の教示の範囲に納まる。したがって、特許請求の範囲の記載は、本発明の真の範囲及び内容を定めるものとして検討されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材のための補強システムであって、
第1の端と第2の端との間に延びる長さを有するキャリヤ部材を有し、前記キャリヤ部材は、前記キャリヤ部材の前記長さに沿って延びる1つ又は2つ以上のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を有し、前記キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有し、
前記キャリヤ部材上に配置された活性化可能な材料を有し、前記活性化可能材料は、熱が加えられると膨張し、そして前記中空構造部材の前記内壁にくっついて前記構造部材に対する補強材となるよう構成され、
前記キャリヤ部材に取り付けられ又は前記キャリヤ部材と一体の1つ又は2つ以上の拘束特徴部を有し、前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記活性化可能材料を受け入れ、前記キャリヤ部材に対する前記活性化可能材料の運動を制限するよう構成されている、補強システム。
【請求項2】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記キャリヤ部材の互いに反対側の端部に設けられた2つのキャビティを有し、前記キャビティは、互いに向かって延びる開口部を形成し、前記開口部は、活性化前の前記活性化可能材料の一部分にほぼ一致した断面形状を有する、請求項1記載の補強システム。
【請求項3】
前記キャビティは、前記キャリヤ部材の軸線に平行な方向及び前記軸線に垂直な方向における前記活性化可能材料の運動を制限する、請求項2記載の補強システム。
【請求項4】
前記キャビティは、前記キャリヤ部材の前記側壁のうちの一方の隆起部分で形成され、前記キャビティは、単体構造を形成するよう前記キャリヤ部材と一体に形成された頂壁及び側壁を有する、請求項2又は3記載の補強システム。
【請求項5】
前記キャビティは各々、前記キャリヤ部材側壁のうちの一方から外方に延び、そして互いに向かって全体として逆戻りする上曲がり部分で形成され、前記キャビティは各々、前記キャリヤ部材側壁のうちの前記一方から外方に延びる上曲がり側方部分を更に有し、前記上曲がり部分は、単体構造を形成するよう前記キャリヤ部材と一体に形成されている、請求項2又は3記載の補強システム。
【請求項6】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記キャリヤ部材の互いに反対側の端部に形成された前記キャビティ相互間に設けられ、単体構造を形成するよう前記キャリヤ部材と一体に形成された中間保持特徴部を更に含み、前記中間拘束特徴部は、前記活性化可能材料を受け入れる開口部を形成するよう全体として外方に且つ前記キャリヤ部材表面に平行に延びるタブを含む、請求項2〜5のうちいずれか一に記載の補強システム。
【請求項7】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、2つの中間保持特徴部を含み、前記2つの保持特徴部は、キャリヤ部材軸線に対して軸方向にずらされると共に互いに逆方向に向い、前記中間保持特徴部によって形成された前記開口部が、全体として互いに向かって延びるようになっている、請求項6記載の補強システム。
【請求項8】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記キャリヤ部材の前記長さに沿って延びるスロットを含み、前記スロットは、単体構造を形成するよう前記キャリヤ部材に形成され、前記スロットは、キャリヤ部材軸線に垂直な方向における前記活性化可能材料の運動を制限するよう前記活性化可能材料の少なくとも一部分の形状に一致した開口部を有する、請求項1記載の補強システム。
【請求項9】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記スロット内に延び、前記キャリヤ部材軸線に平行な方向における前記活性化可能材料の運動を制限する1つ又は2つ以上の停止部を更に含む、請求項8記載の補強システム。
【請求項10】
前記停止部は、前記キャリヤ部材の前記端部につがい関係をなして係合するエンドキャップによって形成されている、請求項9記載の補強システム。
【請求項11】
前記キャリヤ部材の前記第1の端、前記第2の端又はこれら両端のところに設けられた1つ又は2つ以上のエンドキャップを更に有し、前記1つ又は2つ以上のエンドキャップは、前記キャリヤ部材の端部に係合可能に構成されている、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の補強システム。
【請求項12】
前記キャリヤ部材を前記中空構造部材の前記内壁に取り付ける1つ又は2つ以上の取付け特徴部を更に有し、前記1つ又は2つ以上の取付け特徴部は、前記1つ又は2つ以上のキャップに取り付けられ又は該キャップと一体に設けられている、請求項11記載の補強システム。
【請求項13】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記1つ又は2つ以上の側壁のうちの一方を貫通して形成され、前記活性化可能材料に設けられたフィンガに摺動可能に嵌合するよう形作られた1つ又は2つ以上の開口部を含む、請求項1記載の補強システム。
【請求項14】
前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記1つ又は2つ以上の開口部と前記フィンガの嵌合後に前記活性化可能材料の運動を制限する1つ又は2つ以上の停止部を更に含む、請求項13記載の補強システム。
【請求項15】
構造部材のための補強システムであって、
第1の端と第2の端との間で軸線に沿って延びる長さを有するキャリヤ部材を有し、前記キャリヤ部材は、前記キャリヤ部材の前記長さに沿って延びる複数のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を有し、前記キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有し、
前記キャリヤ部材上に配置された活性化可能な材料を有し、前記活性化可能材料は、熱が加えられると膨張し、そして前記中空構造部材の前記内壁にくっついて前記中空構造部材の補強材となるよう構成され、
前記キャリヤ部材の前記第1の端、前記第2の端又は両端のところに設けられた1つ又は2つ以上のキャップを有し、前記1つ又は2つ以上のキャップは、前記キャリヤ部材の前記端部に係合するよう構成されている、補強システム。
【請求項16】
前記キャリヤ部材を前記中空構造部材の前記内壁に取り付ける1つ又は2つ以上の取付け特徴部を更に有し、前記1つ又は2つ以上の取付け特徴部は、前記1つ又は2つ以上のキャップに取り付けられ又は該キャップと一体に設けられている、請求項15記載の補強システム。
【請求項17】
前記複数のキャビティは、前記キャリヤ部材の高さ又は幅に沿って連続して配置されている、請求項15又は16記載の補強システム。
【請求項18】
前記エンドキャップは、サウンドバッフルから成る、請求項15〜17記載のうちいずれか一に記載の補強システム。
【請求項19】
前記前記エンドキャップは、補強部材から成る、請求項15〜18のうちいずれか一に記載の補強システム。
【請求項20】
構造部材のための補強システムであって、
第1の端と第2の端との間で軸線に沿って延びる長さを有するキャリヤ部材を有し、前記キャリヤ部材は、前記軸線に沿って延びると共に前記キャリヤ部材の高さ又は幅に沿って連続して配置された複数のキャビティを形成するよう互いに接合された1つ又は2つ以上の側壁を有し、前記キャリヤ部材は、中空の構造部材の内壁の断面形状にほぼ一致した断面形状を有し、
前記キャリヤ部材上に配置された複数の活性化可能材料のストリップを有し、前記活性化可能なストリップは、熱が加えられると膨張し、そして前記中空構造部材の前記内壁にくっついて前記中空構造部材の補強材となるよう構成され、
単体構造を形成するよう前記キャリヤ部材と一体に形成された1つ又は2つ以上の拘束特徴部を有し、前記1つ又は2つ以上の拘束特徴部は、前記活性化可能材料のストリップを受け入れ、前記キャリヤ部材に対する前記活性化可能材料の運動を制限するよう構成されており、
前記キャリヤ部材の前記第1の端、前記第2の端又はこれら両端のところに設けられた1つ又は2つ以上のキャップを有し、前記1つ又は2つ以上のキャップは、前記キャリヤ部材の前記端部に係合するよう構成され、補強部材、サウンドバッフル部材又はこれら両方を形成しており、
前記キャリヤ部材を前記中空構造部材の前記内壁に取り付ける1つ又は2つ以上の取付け特徴部を有し、前記1つ又は2つ以上の取付け特徴部は、前記1つ又は2つ以上のキャップに取り付けられ又は該キャップと一体に設けられている、補強システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−544530(P2009−544530A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521948(P2009−521948)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/074205
【国際公開番号】WO2008/014250
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(508036075)ゼフィロス インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】