説明

模様付き成形品の製造方法

【課題】SMC材と加飾シートをプレス成形して模様付き成形品を製造する際に、加飾シート内に滲み出しを防止し、しかも必要な部材が少なく、製造工程も簡素化された簡単な模様付き成形品の製造方法を実現する。
【解決手段】シートモールディングコンパウンド9のような成形材料3と加飾シート2の間に、無機鉱物を主成分とする滲み出し防止シートとしてセピオライト紙8を設けて、成形材料3と加飾シート2をプレス成形して、成形品7の表面に加飾層10を形成する際に、成形材料3が加飾層10に流れ込まないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の洗い場の床等に使用される模様付き成形品(加飾成形品)の製造方法に関し、特に、SMC(Sheet Molding Compound)材と加飾シートの中間層として、無機鉱物を主成分とする滲み出し防止シートを用いてSMC材と加飾シートをプレス成形する模様付き成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SMC材と加飾シートをプレス成形して模様付き成形品を製造する方法は知られている。そして、模様付き成形品の製造方法において、成形材料が模様層に流れ込まないようにポリエステル製などの不織布に熱硬化性樹脂を含浸させて半硬化状態とした遮断マットを補強シートの表面に積層することは、知られている(特許文献1参照)。
【0003】
さらに、石目模様付き成形品の製造方法において、硬化された成形品から離型シートを剥がすようにしたものは知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3151365号公報
【特許文献2】特公平3−67606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の模様付き成形品の製造方法は、図1(d)に示すように、成形型1上の加飾シート2の上に、SMC材などの成形材料3を積み重ね、上方からプレスヘッド4によって、加飾シート2と成形材料3を成形型1に向けて押圧してプレス成形する。しかし、このような従来の製造方法によると、プレス成形の際に加熱され溶融し流動化した成形材料3が、加飾シート2内に滲み出して加飾シート2の表面を破って破損などが生じたり、或いはその破れた表面からSMC材が表面に表出したりしてしまう。
【0006】
引用文献1記載のものは、模様層を補強シートでカバーし遮断マットを積層しているが、補強シート及び遮断マットの2部材を必要とし、さらに製造においてもこれらの2部材を配置したりしなくてはならないので、製造工程が複雑となる等の問題がある。
【0007】
本発明は、SMC材と加飾シートをプレス成形して模様付き成形品を製造する際に、加飾シート内に滲み出しを防止し、しかも必要な部材が少なく、製造工程も簡素化された簡単な模様付き成形品の製造方法を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するために、成形材料と加飾シートをプレス成形して、成形品の表面に加飾層を形成する製造方法であって、成形材料と加飾シートの間に、成形材料が加飾層に流れ込まないようにするための滲み出し防止シートを備え、滲み出し防止シートが無機鉱物を主成分とするシート材であることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法を提供する。
【0009】
無機鉱物はセピオライトであることが好ましい。
【0010】
滲み出し防止シートの厚みは200〜400μmであることが好ましい。
【0011】
滲み出し防止シートはガラス繊維を含んでおり、単位面積当たりの重量は50〜200g/mであることが好ましい。
【0012】
プレス成形前に、加飾シートに滲み出し防止シートを一体成形しておいてもよい。
【0013】
成形材料はシートモールディングコンパウンド材であることが好ましい。
【0014】
加飾シートに蓄光顔料を混練することが好ましい。
【0015】
加飾シートに球状ゴム粒子を混入することが好ましい。
【0016】
加飾シートに抗菌剤を配合することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法では、加飾シートと成形材料との間に無機鉱物を主成分とする滲み出し防止シートを設けたので、成形材料が加飾シート内に滲み出したり、流れこまないようにすることができる。
【0018】
特に、滲み出し防止シートとして、セピオライト紙は、ガラス繊維の隙間が無機鉱物であるセピオライトが充填された状態で、アクリルバインダーでガラス繊維とセピオライトが接着されているために、空隙がきわめて少なく、SMC材を使用した高圧のプレス成形をしてもSMC材が加飾シート内に滲み出しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1を説明する図であり、(a)は成形型による成形プレスする際の積層状態を示し、(b)は本発明に係る模様付き成形品を示す図であり、(c)は加飾シートの構成を説明する図であり、(d)は従来例を説明する図である。
【図2】加飾シートを製造する工程例1を説明する図である。
【図3】加飾シートを製造する工程例2を説明する図であり、(a)はカートリッジ式シリンダーのねじ送り機構を説明する平面図であり、(b)は工程例2を説明する側面図であり、(c)は工程例2を説明する平面図である。
【図4】加飾シートを製造する工程例3を説明する図であり、(a)はカートリッジ式シリンダーのねじ送り機構を説明する平面図であり、(b)は工程例2を説明する側面図であり、(c)は工程例3を説明する平面図である。
【図5】加飾シートを製造する工程例3の別の実施態様を説明する図であり、(a)はカートリッジ式シリンダーのねじ送り機構を説明する平面図であり、(b)は工程例2を説明する側面図であり、(c)は工程例3を説明する平面図である。
【図6】実施例2を説明する図であり、(a)は成形型による成形プレスする際の積層状態を示し、(b)は本発明に係る模様付き成形品を示す図であり、(c)は加飾シートの構成を説明する図であり、(d)は実施例2の工程を説明する図である。
【図7】(a)〜(c)は実施例3を説明する図であり、(a)は実施例3の加飾シートの構成を説明する図であり、成形型による成形プレスする際の積層状態を示し、(b)は実施例3の模様付き成形品を示す図であり、(c)は実施例3の加飾シートの別の構成を説明する図である。(d)〜(f)は実施例5を説明する図であり、(d)は実施例5の加飾シートの構成を説明する図であり、成形型による成形プレスする際の積層状態を示し、(e)は実施例5の模様付き成形品を示す図であり、(f)は実施例5の加飾シートの別の構成を説明する図である。
【図8】実施例4を説明する図であり、(a)は実施例4の加飾シートの構成を説明する図であり、(b)は(a)の拡大図を示し、(c)は実施例4の加飾シートの別の構成を説明する図であり、(d)は成形型による成形プレスする際の積層状態を示し、(e)は実施例4の模様付き成形品を示す図であり、(f)は(e)の拡大図を示す。
【図9】実施例6を説明するための図であり、(a)は実施例6における供給ステージを説明する図であり、(b)実施例6の加飾用BMC供給用の樹脂受け筺体及び樹脂受けについての破断斜視図であり、(c)は従来の供給ステージを説明する図である。
【図10】実施例7を説明するための図であり、(a)は実施例7における供給ステージを説明する図であり、(b)は実施例7の作用を説明する図であり、(c)は実施例6におけるドクターブレードの作用を説明する図である。
【図11】実施例8を説明するための図であり、(a)は実施例8におけるドクターブレードの構成を説明する図であり、(b)は実施例8の作用を説明する図であり、(c)は実施例6におけるドクターブレードの作用を説明する図である
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
【実施例1】
【0021】
図1(a)は、本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施例1を説明する図である。本発明の模様付き成形品の製造方法では、まず、成形型1上に、成形しようとする加飾シート2を載置する。この加飾シート2の構造については後記する。
【0022】
そして、従来の上記滲み出しの問題を防止するために、本発明の模様付き成形品7の製造方法では、図1(a)に示すように、加飾シート2の上に、滲み出し防止シートとしてセピオライト紙8を積み重ねてから、その上に成形材料3を積み重ねる。成形材料3としては、後記するように、2枚のSMC材9を用いた。
【0023】
このように積層した加飾シート2、セピオライト紙8及び成形材料3を、上方からプレスヘッド4によって、成形型1に向けて押圧しプレス成形する。これによって、成形型1で加飾シート2の表面に所望の凹凸模様5を形成するとともに、加飾シート2を成形材料3の表面に一体に貼り付けて、表面に加飾層10を備えたシート状の模様付き成形品7(図1(b)参照)を形成する。
【0024】
セピオライト紙8は、無機鉱物のセピオライトとガラス繊維にアクリルバインダーを含浸させて結合して形成された材料である。本発明の模様付き成形品7の製造方法では、滲み出し防止シートとして使用するセピオライト紙8は、ガラス繊維40%、セピオライト50%、アクリルバインダー10%から構成され、厚み200〜400μmであり、ガラス繊維を単位面積当たり重量50〜200g/m含有するものである。
【0025】
成形材料3としては、SMC材、BMC(Bulk Molding Compound)材などが使用されるが、本実施例では、SMC材9を使用する。SMC材9は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などにガラス繊維を混合して、シート状にした材料である。加飾シート2上に1枚のSMC材9を積み重ねてもよいが、通常は2、3枚積み重ねる。本実施例では図1(a)において、2枚のSMC材9を積み重ねた例を示す。
【0026】
以上のとおり、本実施例では、加飾シート2とSMC材9との間に滲み出し防止シートとしてセピオライト紙8を備えるようにして、これらを成形型1上に積み重ねてからプレスヘッド4によってプレス成形する。これによって、加飾シート2とSMC材9がシート状に一体となり、表面に加飾層10の形成されたシート状の模様付き成形品7が製造できる。
【0027】
このような模様付き成形品7の製造方法では、加飾シート2と成形材料3との間に滲み出し防止シートとしてセピオライト紙8を設けたので、成形材料3が加飾シート2内に滲み出したり、流れこまないようにすることができる。
【0028】
特に、セピオライト紙8は、ガラス繊維の隙間が無機鉱物であるセピオライトが充填された状態で、アクリルバインダーでガラス繊維とセピオライトが接着されているために、空隙率が低く、高圧のプレス成形をしてもSMC材9が加飾シート2内に滲み出しにくい。
【0029】
本発明で使用するセピオライト紙8は、厚み200〜400μmであり、きわめて薄いので、成形品全体の剛性への影響がなく、例えば、模様付き成形品7を床板として用いても、その据付作業などに支障を及ぼすものではない。また、セルロース繊維を使用することなく無機鉱物を利用するために、カビが発生する不安もない。
【0030】
(加飾シート)
本実施例で使用する加飾シート2は、図1(c)に示すように、ポリプロピレン、ナイロンなどで保護フィルムとして形成された下部キャリアフィルム11上に、チョップドストランドマット12を積層する。チョップドストランドマット12は、ガラス繊維が極く細い糸状になったものがシート状に形成されたものであり、市販されているチョップドストランドマット#300を利用する。
【0031】
そして、チョップドストランドマット12の表面に、液状のMMA(Methyl methacrylate:メタクリル酸メチル)モノマー13を塗布し、その上からサーフェイスマット14を積層する。MMAモノマー13は、透明で揮発性の液であり、チョップドストランドマット12の表面に噴霧することにより、加飾用BMC19を塗布する際の濡れ性を改善し、塗布し易くする。
【0032】
サーフェイスマット14は、ガラス繊維をポリエステルのバインダで固めて構成され薄い不織布からなる強化材であり、通常は、マット目を隠したり、平滑面を得るために使用される。本実施例では、市販されているサーフェイスマット#30を利用し、これを下部キャリアフィルム11上のチョップドストランドマット12の上に、表面層用の細かい目を有するシートとして設け、その上に、後記する工程例1〜3で説明するように、加飾用BMC19を塗布する。
【0033】
そして、サーフェイスマット14上に加飾用BMC(Bulk Molding Compound)19を供給して、ローラで平坦な面にならして加飾層10を形成する。そして、加飾層10の表面に保護フィルムとして上部キャリアフィルム15が載置される。このようにして、上以上のようにして製造した加飾シート2を、上記のとおり、セピオライト紙8を介してSMC材9と積み重ねて高圧のプレス成形する際には、下部キャリアフィルム11と上部キャリアフィルム15を引き剥がして、上下逆さにして、加飾層10を成形型1上に載置する。下のキャリアフィルム15、11で保護された加飾シート2が得られる。
【0034】
以上のようにして製造した加飾シート2を、上記のとおり、セピオライト紙8を介してSMC材9と積み重ねて高圧のプレス成形する際には、下部キャリアフィルム11と上部キャリアフィルム15を引き剥がして、上下逆さにして、加飾層10を成形型1上に載置する。ここで、上記サーフェイスマット14上へ加飾層10を形成するいくつかの工程例を、以下説明する。
【0035】
工程例1:
図2は、図1(c)で示したように、下部キャリアフィルム11上に積層したチョップドストランドマット12及びサーフェイスマット14から成る部材16(以下、「ガラスマット」という)の表面に、加飾層10を形成する工程例1を説明する図である。
【0036】
この工程例1では、チョップドストランドマット12を、下部キャリアフィルム11を介し搬送用のガラス基板17上に載置し、ローラコンベア18で加飾用BMC19を供給するステージ20に向けて搬送する。その搬送過程において、チョップドストランドマット12の表面に、スプレー21によってMMAモノマー13を噴霧する。そして、チョップドストランドマット12上にサーフェイスマット14を供給して積層し、ガラスマット16を形成する。
【0037】
ガラス基板17上のガラスマット16は、駆動ローラ22と圧延ローラ23の間に搬送される。圧延ローラ23に巻き込まれるように上部キャリアフィルム15を供給するが、この上部キャリアフィルム15上に加飾用BMC19を載置し、ドクターブレード24(堰板)で適切な厚さに整形して圧延ローラ23からサーフェイスマット14上に供給する。サーフェイスマット14上に供給した加飾用BMC19を、サーフェイスマット14上で圧延ローラ23により圧延するとともに、上部キャリアフィルム15をその表面に貼り付ける。
【0038】
工程例2:
図3(a)〜(c)は、ガラスマット16の表面に、加飾層10を形成する工程例2を説明する図である。この工程例2では、図3(b)、(c)に示すように、ガラス基板17上のチョップドストランドマット12を、圧延ローラ23に向けて搬送し、まず、チョップドストランドマット12表面に、スプレー21によってMMAモノマー13を噴霧する。そして、チョップドストランドマット12上にサーフェイスマット14(図3(c)鎖線参照)を供給して積層し、ガラスマット16を形成する。
【0039】
そして、圧延ローラ23の上流側の直前において、カートリッジ式シリンダー25をねじ送り機構28によりガラスマット16の幅方向に往復移動させながら、その注入ガン29から加飾用BMC19をサーフェイスマット14上に均等に供給する。
【0040】
この後、サーフェイスマット14に供給した加飾用BMC19を、サーフェイスマット14上で圧延ローラ23により圧延する。なお、ねじ送り機構等28は、図3(a)、(b)に平面図、側面図で示すように、モータMで回転するねじ棒26にカートリッジ式シリンダー25に取り付けられたコア27を螺合して構成される。
【0041】
ところで、従来の製造工程では、予めガラスマット16上に加飾用BMC19を、例えば平面三角形状に流すようにして供給し、これを圧延ローラ23により圧延していたが、この方法によると、加飾用BMC19がサーフェイスマット14を滑って加飾用BMC19が部分的に少なくなりサーフェイスマット14面が露出するような現象、いわゆる柄抜けの状態が生じる。
【0042】
しかしながら、この工程例2によれば、圧延ローラ23の上流側の比較的に直前において、加飾用BMC19をサーフェイスマット14上に供給するから、上記加飾用BMC19がサーフェイスマット14上を滑って柄抜けするようなことを防止することができる。なお、この工程例2では、上下部キャリアフィルム15、11(図1(c)参)は、ガラスマット16上に加飾層10を形成してから、別途その表面に貼り付ければよい。
【0043】
工程例3:
図4(a)〜(c)は、ガラスマット16の表面に、加飾層10を形成する工程例3を説明する図である。この工程例3では、工程例2とほぼ同様であるが、カートリッジ式シリンダー30の注入ガン31を圧延ローラ23の上流側の直前において、ガラスマット16の進行方向前後にずらして2つ設ける。
【0044】
図4(a)、(b)に平面図、側面図で示すように、2つの注入ガン31は、それぞれコア32を取付け、コア32をモータMで回転するねじ棒33に螺合して成るねじ送り機構34で交互に往復移動される。
【0045】
そして、この2つの注入ガン31を、供給パイプ35でカートリッジ式シリンダー30の吐出口36に接続し、図4(c)に示すように、それぞれガラスマット16の進行方向に対して直交する方向、即ちガラスマット16の幅方向に向けて交互に往復移動させながら、ガラスマット16の幅方向にも均等に加飾用BMC19を供給する。
【0046】
この工程例3によれば、カートリッジ式シリンダー30の2つの注入ガン31により加飾用BMC19をガラスマット16のサーフェイスマット14上に供給するので、供給量が増加でき、ガラスマット16の搬送スピードを高める、例えば倍速にすることができる。その結果、製造の時間を短縮することが可能となる。また、2つの注入ガン31により、それぞれ色違いの加飾用BMC19を供給するようにすれば、マーブル調などの柄表現も可能となる。
【0047】
上記工程例2によると、1つのカートリッジ式シリンダー25により加飾用BMC19の充填量が少ないために、ガラスマット16が幅広となると、左右の両端で加飾用BMC19の供給量が少なくなるおそれがある。しかし、工程例3によれば、カートリッジ式シリンダー30の2つの注入ガン31を利用するために、比較的幅広のガラスマット16に対しても、加飾用BMC19の供給量が少なくなるようなことがなくなる。
【0048】
なお、工程例3では、別の実施の態様として、図5に示すように、工程例2に示すカートリッジ式シリンダー25を圧延ローラ23の上流側にガラスマット16の進行方向前後にずらして2つ設けて、この2つのカートリッジ式シリンダー25を、それぞれガラスマット16の進行方向に対して直交する方向、即ちガラスマット16の幅方向に向けて交互に往復移動させながら、ガラスマット16の幅方向にも均等に加飾用BMC19を供給するようにしてもよい。
【実施例2】
【0049】
図6は、本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施例2を説明する図である。この実施例2の模様付き成形品の製造方法は、実施例1とほぼ同じであるので、異なる点を中心に以下説明する。実施例1と同じ構成については同じ符号を用いる。
【0050】
実施例2においても、実施例1と同様に、成形型1上に載置した加飾シート2とSMC材9などの成形材料3の間に、滲み出し防止シートとしてセピオライト紙8を配置してプレス成形する。このような実施例2の模様付き成形品の製造方法によれば、実施例1と同様に、セピオライト紙8を設けたので、成形材料3が加飾シート2内に滲み出したり、流れこまないようにすることができる。
【0051】
実施例1のように、模様付き成形品の製造の際に、セピオライト紙8を加飾シート2とSMC材9などの成形材料3の間にはさみこむと、成形型1をセットする際にずれたり、成形型1における凹部の切り欠き縁で破れたりしてしまう可能性もある。
【0052】
そこで、この点を改善するために、実施例2の模様付き成形品の製造方法では、プレス成形前に加飾シートを製造する際に、加飾シートとセピオライト紙を一体としたセピオライト紙付き加飾シート40を成形し、このセピオライト紙付き加飾シート40を使用し、図6(a)に示すように、SMC材9とともに成形型1上に載置してプレスヘッド4で加圧プレス成形して加飾層10を形成し、図6(b)に示すような模様付き成形品7を製造する。
【0053】
図6(c)は、実施例2の模様付き成形品の製造方法において使用するセピオライト紙付き加飾シート40の断面図である。セピオライト紙付き加飾シート40は、実施例1で使用した加飾シート2(図1(c)参照)において、チョップドストランドマット12の下面にセピオライト紙8を一体に成形したものである。
【0054】
セピオライト紙付き加飾シート40は、実施例1において説明した工程例1〜3と同様の方法で製造可能であるが、ガラスマット16の下面に予めセピオライト紙8を配設しておく必要がある。
【0055】
具体的には、例えば、上記工程例1と同様な方法でセピオライト紙付き加飾シート40を製造する場合は、下部キャリアフィルム11上に、セピオライト紙8、チョップドストランドマット12を順次積層する。そして、チョップドストランドマット12の表面に、MMAを適量スプレー21で散布してから、サーフェイスマット14を載置する。
【0056】
このサーフェイスマット14上に加飾用BMC19(Bulk Molding Compound)を供給して、ローラ23で平坦な面にならして加飾層10を形成する。そして、加飾層10の表面に保護フィルムとして形成された上部キャリアフィルム15が載置される。このようにして、上下のキャリアフィルムで保護されたセピオライト紙付き加飾シート40が得られる。
【0057】
使用に際しては、図6(d)に示すように、図6(c)に示す状態から上下部キャリアフィルム15、11を剥がし、上下を逆さにして成形型1上に載置して、SMC材9を載置してプレス成形すればよい。従って、模様付き成形品の成形工程において、セピオライト紙8を別途用意して配設する必要がない。成形型1をセットする際にずれたり、成形型1における凹部の切欠き縁で破れたりすることが防止可能である。
【実施例3】
【0058】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施例3について、図7において説明する。図7(a)、(b)は、実施例3で得られる加飾シート2a及び模様付き成形品7aを説明する断面図であり、図7(c)は、実施例3で得られる別の態様の加飾シート(セピオライト付き加飾シート)40aを示す。実施例3は、実施例1、2とほぼ同じであり、符号については、実施例1、2と共通する部分は同じ符号を使用する。以下、実施例3について、実施例1、2と異なる特徴的な点を中心に説明する。
【0059】
この実施例3では、加飾シート2aの製造工程において、予め加飾用BMC内に人体に無害な無放射線型の蓄光顔料1〜5%を混練して含ませておき、この蓄光顔料入り加飾用BMCを、図2に示す実施例1と同様の方法で、上部キャリアフィルム15上に載置し、ドクターブレード24(堰板)で適切な厚さに成形して圧延ローラ23からサーフェイスマット14上に供給して塗布することで、蓄光顔料入りの加飾層10aを有する加飾シート2a(図7(a)参照)を形成する。
【0060】
なお、蓄光顔料入りの加飾層10aを有するセピオライト付き加飾シート40a(図7(c)参照)についても、同様に、図2に示す実施例1の方法に準じて形成する。
【0061】
そして、蓄光顔料入りの加飾層10aを有する加飾シート2a又はセピオライト付き加飾シート40aを、実施例1の図1(a)又は実施例2の図6(a)、(d)に示す方法と同様の方法で、成形材料3の表面に一体に貼り付けて、表面に蓄光顔料入りの加飾層10aを備えたシート状の模様付き成形品7a(図7(b)参照)を形成する。
【0062】
実施例3によって得られた模様付き成形品7aは、一度、光を照射すると加飾層10aの蓄光顔料が残光する。従って、このような模様付き成形品7aを浴室の洗い場の床に用いれば、暗がりでの安全性を向上させることができ、また、照明を消して入浴する場合にも、洗い場の床からのほのかな残光により、入浴者は癒され、また興趣深さも演出することができる。
【実施例4】
【0063】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施例4について説明する。図8(a)、(b)は、実施例4における加飾シートの成形工程で得られる加飾シート2b’及びそのA部分の拡大図を示す断面図であり、図8(c)は、実施例4における別の態様の加飾シート(セピオライト付き加飾シート)40b’を示す。
【0064】
図8(d)は、加飾シート2b’を成形材料とともに成形型による成形プレスする状態を示す図である。図8(e)、(f)は実施例4で得られた模様付き成形品7b及びそのA部分の拡大図である。実施例4は、実施例1、2とほぼ同じであり、符号については、実施例1、2と共通する部分は同じ符号を使用する。以下、実施例4について、実施例1、2と異なる特徴的な点を中心に説明する。
【0065】
この実施例4では、加飾シートの製造工程において、予め加飾用BMC内に、充填剤として、比重の軽い球状のゴム粒子51と、無機シリカ粉、粉状ガラス又はガラスフリット(以下、これらを代表して「シリカ粉」という)52とを混入しておく。
【0066】
そして、このゴム粒子51及びシリカ粉52入り加飾用BMCを、図2に示す実施例1と同様に、上部キャリアフィルム15上に載置し、ドクターブレード24(堰板)で適切な厚さに成形して圧延ローラ23からサーフェイスマット14上に供給して塗布する。これにより、ゴム粒子51とシリカ粉52が混入された加飾層10b’を有する加飾シート2b’(図8(a)、(b)参照)を形成する。
【0067】
なお、ゴム粒子51とシリカ粉52が混入された加飾層10b’を有するセピオライト付き加飾シート40b’(図8(c)参照)ついても、同様に、図2に示す実施例1の方法に準じて形成する。
【0068】
このようにして製造した加飾シート2b’、40b’を、実施例1(図1(a)参照)、実施例2(図6(a)参照)と同様に、下部キャリアフィルム11と上部キャリアフィルム15を引き剥がして、上下逆さにして、図8(d)に示すように、成形型1上に載置する。そして、セピオライト紙8を介した状態で成形材料3と積み重ね、プレスヘッド4を加熱しながら高圧でプレス成形して模様付き成形品を成形する。
【0069】
このプレス工程中の加熱により、加飾シート2b’の加飾層10b’は溶融して流動状態となるが、この時、シリカ粉52は、ゴム粒子51より比重が大きいために、自重により加飾層10b’内で下方に降下し、最終的に形成される模様付き成形品7bの加飾層10bの表面に沈積する。一方、ゴム粒子51は、加飾層10bの表面より内側に残る。
【0070】
この結果、図8(e)、(f)に示すように、製造された模様付き成形品7bの加飾シート2bの、加飾層10bは、表面側にシリカ粉52が多く含まれ硬度の高い表面層が形成され、内部にゴム粒子51が含まれた比較的弾力性に富んだ層が形成され、ほぼ二層構造となる。このようにして得られた模様付き成形品7bは、表面に傷が付き難く、しかも衝撃吸収性に優れ、衝撃音の吸収性能を向上させることができ、浴室の洗い場の床の材料として使用するのに最適である。
【実施例5】
【0071】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施例5について説明する。図7(d)、(e)は、実施例5で得られた加飾シート2c及び模様付き成形品7cを説明する断面図であり、図7(f)は、実施例5で得られた別の態様の加飾シート(セピオライト付き加飾シート)40cを示す。実施例5は、実施例1、2とほぼ同じであり、符号については、実施例1、2と共通する部分は同じ符号を使用する。以下、実施例5について、実施例1、2と異なる特徴的な点を中心に説明する。
【0072】
この実施例5では、加飾シートの製造において、予め加飾用BMC内に抗菌剤を配合させておく。抗菌剤としては、周知のものを使用する。抗菌剤の配合量は、例えば加飾用BMCとの重量比で0.5%程度であり、直接触れても人体への影響がないレベルに抑える。
【0073】
この抗菌剤を配合した加飾用BMCを、図2に示す実施例1と同様の方法で、上部キャリアフィルム15上に載置し、ドクターブレード24(堰板)で適切な厚さに成形して圧延ローラ23からサーフェイスマット14上に供給して塗布することで、抗菌剤を配合した加飾層10c(図7(d)参照)を有する加飾シート2cを形成する。
【0074】
なお、同様に、抗菌剤を配合した加飾層10cを有するセピオライト付き加飾シート40c(図7(f)参照)も、図2に示す実施例1の方法に準じて形成する。
【0075】
そして、加飾層10cを有する加飾シート2cを、実施例1又は実施例2と同様に成形材料3の表面に一体に貼り付けて、抗菌剤を配合した加飾層10cを備えたシート状の模様付き成形品7c(図7(e)参照)を形成する。実施例5によって得られた模様付き成形品7cは、防カビ性、防汚性を向上させることができる。
【0076】
実施例5の模様付き成形品7cを浴室の洗い場の床に用いれば、床の表面に繁殖する細菌の増加が抑制され、床面の清潔性、衛生性が高まる。
【0077】
なお、抗菌剤だけでなく、加飾用BMCにシリコン等の撥水剤を配合することにより撥水性を高めることができ、光触媒等を配合することにより親水性を高めることができ、又はガラスビーズ等の蓄熱材を混練して含ませることにより蓄熱性を高めることが可能となる。
【実施例6】
【0078】
図9は、実施例6を説明する図である。この実施例6は、実施例1とほぼ同じである。しかし、この実施例6は、実施例1の模様付き成形品の製造方法において、加飾シートの製造工程の加飾用BMC19を供給するステージで使用する加飾用BMC供給用の樹脂受け筺体55に、樹脂受け56を装着する点を特徴とする。以下、実施例6について、実施例1と異なる特徴的な点を中心に説明し、実施例1と共通する構成については同じ符号を記載する。
【0079】
図9(a)は、加飾用BMCを供給するステージ57における構成を示し、図9(b)は、樹脂受け筺体55及び樹脂受け56を、その長手方向(上部キャリアフィルム15が移動する方向と直交する方向)の一部で破断した状態の斜視図を示す図である。樹脂受け筺体55は、下敷板58、左右の側板59及び前後の結合板60とからほぼ筺状に構成される。また、樹脂受け56は、左右の側板61、前後板62及びドクターブレード63とから成る。
【0080】
樹脂受け56の側板61の上端に前後方向に伸びる引っ掛け部64が形成されており、この引っ掛け部64を樹脂受け筺体55の前後の結合板60上に載置して、樹脂受け56を樹脂受け筺体55内に装入することで、樹脂受け56を樹脂受け筺体55内に装着することができる。ドクターブレード63は、樹脂受け56の前板62の近傍に設けられており、ドクターブレード63の下端と下敷板58との間には、予め決められた所定の寸法の隙間65が形成されている。
【0081】
上部キャリアフィルム15は、下敷板58上を案内されて隙間65から圧延ローラ23に向けて導出されるが、この隙間65を通して上部キャリアフィルム15上に所定の膜厚で加飾用BMC19を供給する。
【0082】
実施例1の図2では、加飾用BMC19を供給しドクターブレード24から供給する樹脂受け筺体の具体的な構成については明示してはいないが、このように加飾用BMC19を供給等をする樹脂受け筺体としては、従来は、図9(c)に示すように、樹脂受け筺体55にドクターブレード66を取り付けて、加飾用BMC19を直接、樹脂受け筺体55に充填して上部キャリアフィルム15上に載置し、ドクターブレード66によって、所定の膜厚で加飾用BMCをサーフェイスマット14上に所定の膜厚で加飾用BMCを供給していた。
【0083】
しかしながら、加飾用BMC19は、例えば、1バッチ生産が終了後、樹脂受け筺体55内に微量残り、時間とともに固着していき、次の生産では支障が生じる。1バッチ生産が終了するごとに、樹脂受け筺体55内を洗浄する必要があった。
【0084】
しかし、樹脂受け筺体55は、加飾用BMCを供給するステージの静止機枠(図示せず)に固定されているので、容易に取り外しすることができず、洗浄に手間がかかっていた。実施例6によれば、樹脂受け56を簡単に樹脂受け筺体55から簡単に取り出せるので、成形後に樹脂受け56内を洗浄が容易にでき、作業性が向上する。
【実施例7】
【0085】
図10は、実施例7を説明する図である。実施例7は、実施例6にさらに改良を加えた模様付き成形品の製造方法であり、図10において、実施例6と共通する構成については同じ符号を記載する。以下、実施例7について、実施例6と異なる特徴的な点を中心に説明する。
【0086】
図10(c)は、実施例6において、柄材70を混練して含ませた場合の加飾用BMC19を供給するステージの作用を説明する図である。即ち、加飾用BMC19は、予め鱗片や粒片等から形成された柄材70が、混練されて含まれており、上部キャリアフィルム15上に載置され、ドクターブレード66によって、所定の膜厚でサーフェイスマット上に所定の膜厚で加飾用BMC19を供給する。
【0087】
この場合、上部キャリアフィルム15とドクターブレード63との隙間65の寸法以上の大きさの柄材70が混練されて含まれていると、柄材70が、隙間65又はその手前のドクターブレード63の下端部内面等に引っ掛かり、サーフェイスマット上に供給されるべき加飾用BMC19が、一部が途切れてしまう。すると、その部分のみに加飾用BMCが供給されず、筋状に供給されない部分等の欠陥が生じてしまう。
【0088】
そこで、実施例7では、図10(a)に示すように、ドクターブレード63は、樹脂受け56に固定することなく、上下方向に振動するように構成されている。この上下方向への振動において、ドクターブレード63の最下位の位置(図10(b)中、実線で示す位置)では、ドクターブレード63と上部キャリアフィルム15との間には、少なくとも予め決められた所定の寸法の隙間65を残すようにする。ドクターブレード63が上方の位置は、図10(b)中、想像線(2点鎖線)で示す。
【0089】
ドクターブレード63を上下方向へ振動するための駆動機構等の具体的な構成は、その詳細は、特に図示はしないが、加飾用BMC19を供給するステージの静止機枠(図示せず)に設けた電磁アクチュエータ71等で、図7(a)に示すように、ドクターブレード63を上下方向へ振動させるような構成とすればよい。
【0090】
実施例7によれば、ドクターブレード63が上下方向に振動するために、加飾用BMC19中に混練されて含まれている柄材70が、ドクターブレード63と上部キャリアフィルム15との間の隙間又はその手前のドクターブレード63の下端部内面等に引っ掛かり難くなり、加飾用BMC19の供給が部分的に途切れることなく供給され易くなる。その結果、加飾用BMC19が筋状に供給されない部分等の欠陥が生じることを防止できる。
【実施例8】
【0091】
図11は、実施例8を説明する図である。この実施例8は、実施例7と同様に実施例6にさらに改良を加えた模様付き成形品の製造方法であり、図11において、実施例6と共通する構成については同じ符号を記載する。以下、実施例8について、実施例6と異なる特徴的な点を中心に説明する。
【0092】
図11(c)に示すように、ドクターブレード63の下端部の内面が平坦な面であると、加飾用BMC19に予め混練された柄材80等の異物が付着し易くなる。この結果、ドクターブレード63と上部キャリアフィルム15との間の隙間65が部分的に詰まり、筋状に供給されない部分等の欠陥が生じてしまう。
【0093】
そこで、実施例8では、樹脂受け56に設けるドクターブレード81に加飾用BMC19中に混練された柄材80等の異物が付着しないようする点を特徴とする。具体的には、実施例8では、ドクターブレード81の下端部の平坦な内面82に、図11(a)、(b)に示すように、ディンプル加工(多数の小さな窪みを形成する加工)を施し、ディンプル面83を形成する。ディンプル84の大きさ(直径)は、柄材80等の異物の寸法よりも小さくする。
【0094】
このように、ドクターブレード81の下端部の内面82にディンプル面83が形成されていると、図11(b)に示すように、加飾用BMC19に混練された柄材80等の異物の付着が少なくなる。この結果、ドクターブレード81の下端部(刃先部)と上部キャリアフィルム15との間の隙間65に異物が部分的に詰まり難くなり、筋状に供給されない部分等の欠陥が生じ難くなるという効果が生じる。
【0095】
以上、本発明に係る模様付き成形品の製造方法の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る模様付き成形品の製造方法は上記のような構成であるから、浴室、洗面所などの床や壁の製造に適用可能である。
【符号の説明】
【0097】
(実施例1)
1 成形型
2 加飾シート
3 成形材料
4 プレスヘッド
5 凹凸模様
7 本発明の模様付き成形品
8 セピオライト紙(滲み出し防止シート)
9 SMC材
10 加飾層
11 下部キャリアフィルム
12 チョップドストランドマット
13 MMAモノマー
14 サーフェイスマット
15 上部キャリアフィルム
16 ガラスマット
17 ガラス基板
18 ローラコンベア
19 加飾用BMC
20 加飾用BMCを供給するステージ
21 スプレー
22 駆動ローラ
23 圧延ローラ
24 ドクターブレード(堰板)
25 カートリッジ式シリンダー
26 ねじ棒
27 コア
28 ねじ送り機構等
29 注入ガン
30 カートリッジ式シリンダー
31 注入ガン
32 コア
33 ねじ棒
34 ねじ送り機構等
35 供給パイプ
36 吐出口
M モータ
(実施例2)
40 セピオライト紙付き加飾シート
(実施例3)
2a 加飾シート
7a 模様付き成形品
10a 加飾層
(実施例4)
2b’製造工程中の加飾シート
2b 模様付き成形品の加飾シート
7b 模様付き成形品
10b’製造工程中の加飾層
10b 模様付き成形品の加飾層
40b’ 製造工程中のセピオライト付き加飾シート
51 ゴム粒子
52 シリカ粉
(実施例5)
2c 加飾シート
7c 模様付き成形品
10c 加飾層
(実施例6)
55 BMC供給用の樹脂受け筺体
56 樹脂受け
57 加飾用BMCを供給するステージ
58 樹脂受け筺体の下敷板
59 樹脂受け筺体の側板
60 樹脂受け筺体の前後の結合板
61 樹脂受けの側板
62 樹脂受けの前板、後板
63 樹脂受けのドクターブレード
64 樹脂受けの引っ掛け部
65 樹脂受け筺体のドクターブレードの下端と下敷板の間の隙間
66 樹脂受け筺体のドクターブレード
(実施例7)
70 柄材
71 電磁アクチュエータ
(実施例8)
80 柄材
81 ドクターブレード
82 ドクターブレードの下端部の平坦な内面
83 ディンプル面
84 ディンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料と加飾シートをプレス成形して、成形品の表面に加飾層を形成する製造方法であって、成形材料と加飾シートの間に、成形材料が加飾層に流れ込まないようにするための滲み出し防止シートを備え、滲み出し防止シートが無機鉱物を主成分とするシート材であることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、無機鉱物がセピオライトであることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法であって、滲み出し防止シートの厚みは200〜400μmであることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の製造方法であって、滲み出し防止シートはガラス繊維を含んでおり、単位面積当たりの重量は50〜200g/mであることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法であって、プレス成形前に、加飾シートに滲み出し防止シートを一体成形しておくことを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法であって、成形材料はシートモールディングコンパウンド材であることを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法であって、加飾シートに蓄光顔料を混練することを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法であって、加飾シートに球状ゴム粒子を混入することを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法であって、加飾シートに抗菌剤を配合したことを特徴とする成形品の表面に加飾層を形成する製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−264746(P2010−264746A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282760(P2009−282760)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】