説明

樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる電子部品の樹脂封止成形方法

【課題】 本発明は、基板34に装着した電子部品33を樹脂封止成形して高品質性及び高信頼性の製品(樹脂成形体)を得ることを目的とする。
【解決手段】 まず、粉末状の樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した混合材料を押圧して超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を形成し、次に、当該樹脂タブレット26を電子部品の樹脂封止成形用金型31・32におけるポット37内に供給して加熱溶融化する共に、当該溶融樹脂に超臨界二酸化炭素を混合した状態で、当該溶融樹脂をプランジャ38で加圧して金型キャビティ36内に注入充填することにより、前記金型キャビティ36内に嵌装セットした基板34上の電子部品33を樹脂成形体内に封止成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、リードフレーム(或は、基板)に装着したIC等の電子部品を樹脂タブレット(樹脂材料)にて封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法と、その方法に用いられる樹脂タブレットと、前記した樹脂タブレットの形成方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トランスファモールド法によって、例えば、各種のエポキシレジン、高純度シリカ粉末等を配合した熱硬化性の粉末状樹脂材料を押圧して形成した樹脂タブレット(後述する通常の樹脂タブレット)にてリードフレームに装着した電子部品を封止成形することが行われている。
この方法は、例えば、固定上型と可動下型とから成る電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、通常、次のようにして行われている。
【0003】
即ち、前記した下型に設けた樹脂材料供給用のポット内で加熱溶融化された樹脂材料を樹脂加圧用のプランジャで加圧することにより、当該溶融樹脂を前記した金型の溶融樹脂移送用の樹脂通路(例えば、カル、ランナ、ゲート)を通して樹脂成形用の上下両金型キャビティ内に注入することにより、前記した金型キャビティの形状に対応した樹脂成形体(パッケージ)内に前記した電子部品とその周辺のリード及び前記リードと電子部品とを電気的に接続したワイヤとを封止成形するようにしている。
従って、溶融樹脂が熱硬化するために必要な所要時間の経過後、前記した金型を型開きすることにより、前記した樹脂成形体(製品)を前記した金型キャビティ内から突出して離型することができる。
【0004】
しかしながら、前述した樹脂封止成形においては、熱硬化性の樹脂材料を用いるため、例えば、前記した金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填する時に、前記した溶融樹脂の粘度が増加して溶融樹脂の流動性が悪くなり易い。
従って、前記した金型キャビティ内で高粘度の溶融樹脂がワイヤに衝突することによってワイヤスイープ(ワイヤの断線或いは変形)が発生し易い。
更に、前記した溶融樹脂が高粘度であることによって、前記した金型キャビティ面と溶融樹脂との濡れ(接触性)が悪くなり易く、前記した金型キャビティの形状が前記した樹脂成形体の形状として転写され難くなる。
従って、前記した樹脂成形体に転写不良が発生して製品の外観不良が発生し易い。
即ち、前記した高粘度の溶融樹脂のために、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云う樹脂成形上の課題が発生し易く、高品質性及び高信頼性の製品を得ることができない。
【0005】
従って、前述した樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品を得ることが求められると共に、前記した金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填する時に、当該溶融樹脂の粘度を効率良く低下させることが検討されている。
例えば、前記した溶融樹脂の粘度を低粘度化する構成として、前記した金型による樹脂封止成形中に、前記したポットを含む樹脂通路内で溶融樹脂に二酸化炭素ガス(気体)を添加して混合する構成が検討されている。
即ち、電子部品の樹脂封止成形用金型に設けたポット、樹脂通路、キャビティ等から成る型内空間部内に二酸化炭素ガス圧送機構にて二酸化炭素ガスを供給すると共に、前記した空間部内に二酸化炭素ガスを充填した状態で樹脂封止成形することが行われている。
【0006】
【特許文献1】特開平2−8022号公報
【特許文献2】特開2003−309137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述した二酸化炭素ガス(気体)を用いる構成においては、前記した二酸化炭素ガス圧送機構が必要となって、前記したリードフレーム(或は、基板)に装着した電子部品を樹脂封止成形する生産時間が長くなるので、前記した製品(樹脂成形体)を効率良く生産することができないと云う問題がある。
また、前述した構成では、前記したポットを含む樹脂通路内で前記した樹脂材料と二酸化炭素とを効率良く混合して樹脂封止成形することができないと云う問題がある。
従って、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云った樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品を得ると共に、前記した製品を効率良く生産することが求められている。
【0008】
また、前記したリードフレームに代えて、所定数の電子部品を装着した基板が多用されるようになり、前記した基板に装着した電子部品を下型キャビティ内で前記下型キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に封止成形することが行われている(図2参照)。
即ち、前記した基板を用いる場合は、片面モールドであって、前記した下型キャビティ内で成形される樹脂成形体の厚さは薄くなるため、前記リードフレームの場合に較べて、前記キャビティの面から溶融樹脂に熱が伝わり易くなって、当該溶融樹脂の粘度が更に増加し易くなり、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云う樹脂成形上の課題が発生し易く、高品質性及び高信頼性の製品を得ることができない。
従って、この場合においても、前述したような課題が発生するので、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云った樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品を得ると共に、前記した製品を効率良く生産することが求められている。
【0009】
即ち、本発明は、高品質性及び高信頼性の製品を得ると共に、製品を効率良く生産することを目的とする。
また、本発明は、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットの形成方法は、樹脂材料と二酸化炭素とを混合した混合材料を押圧して二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする。
【0011】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットの形成方法は、樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した混合材料を押圧して超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする。
【0012】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットの形成方法は、樹脂材料を押圧して形成した通常の樹脂タブレットを超臨界二酸化炭素の雰囲気中に配置することにより前記した通常の樹脂タブレットに超臨界二酸化炭素を浸漬させて超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする。
【0013】
また、前記技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットは、樹脂材料と二酸化炭素とを混合した材料を押圧して形成した二酸化炭素を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットは、樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した材料を押圧して形成した超臨界二酸化炭素を含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る樹脂タブレットは、樹脂タブレットに超臨界二酸化炭素を浸漬させて形成した超臨界二酸化炭素を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、樹脂材料供給用のポット内に供給した樹脂タブレットを加熱溶融化すると共に、当該溶融樹脂を樹脂加圧用のプランジャで加圧して樹脂成形用の金型キャビティ内に注入充填することにより、前記金型キャビティ内に嵌装セットした電子部品を封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法であって、まず、二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成し、次に、前記したポット内に前記した樹脂タブレットを供給して加熱溶融化することにより、当該溶融樹脂に前記した二酸化炭素を混合した状態で前記金型キャビティ内に注入充填することを特徴とする。
【0017】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、樹脂材料供給用のポット内に供給した樹脂タブレットを加熱溶融化すると共に、当該溶融樹脂を樹脂加圧用のプランジャで加圧して樹脂成形用の金型キャビティ内に注入充填することにより、前記した金型キャビティ内に嵌装セットした電子部品を封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法であって、まず、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成し、次に、前記したポット内に前記した樹脂タブレットを供給して加熱溶融化することにより、当該溶融樹脂に前記した超臨界二酸化炭素を混合した状態で前記した金型キャビティ内に注入充填することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高品質性及び高信頼性の製品を得ると共に、製品を効率良く生産することができると云う優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することができると云う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、まず、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成し、次に、前記したポット内に前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを供給して加熱溶融化することにより、当該溶融樹脂に前記した超臨界二酸化炭素を混合した状態で前記した金型キャビティ内に注入充填する構成である。
即ち、前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットの形成は、まず、樹脂材料の混合タンク装置を用いて、当該タンク内を二酸化炭素の超臨界状態(二酸化炭素の臨界点以上の状態)に設定して超臨界二酸化炭素の雰囲気下で粉末状の樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合して混合材料を形成し、次に、樹脂タブレットの形成装置を用いて、二酸化炭素の超臨界状態の雰囲気下において、前記した形成装置の成形型における収容部内に所要量の混合材料を供給すると共に、前記した収容部内の混合材料を上下両パンチによる所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成する。
従って、電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、樹脂材料供給用のポット内に供給した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを加熱溶融化すると共に、当該溶融樹脂を樹脂加圧用のプランジャで加圧して樹脂成形用金型キャビティ内に注入充填することにより、前記した金型キャビティ内に嵌装セットした電子部品を封止成形することができる。
即ち、本発明によれば、高品質性及び高信頼性の製品を得ると共に、製品を効率良く生産することができ、また、本発明によれば、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することができる。
【実施例1】
【0021】
まず、図1(1)及び図1(2)を用いて、本発明に係る樹脂タブレット(樹脂材料)の形成方法について説明する。
即ち、本実施例は、超臨界状態にある二酸化炭素(超臨界領域に存在する二酸化炭素、以下、超臨界二酸化炭素と云う)を用いて所定の形状の樹脂タブレットを形成する構成である。
また、更に、本実施例は、前記した押圧して形成され且つ超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いて電子部品を樹脂封止成形するものである。
なお、図1(1)は、樹脂材料の混合タンク装置であり、図1(2)は、樹脂タブレットの形成装置であり、本実施例に用いられる粉末状の樹脂材料は、熱硬化性であって、各種のエポキシレジン、高純度粉末シリカ等が配合されている。
【0022】
また、本実施例に用いられる超臨界流体について、物質は、温度、圧力、密度の変化に伴い、固体、液体、気体と状態を変化させるが、横軸に温度をとり且つ縦軸に圧力をとった状態図において、気体と液体とを分ける蒸発曲線を遡ると臨界点に至り、この臨界点は気体と液体との区別がなくなる点であると共に、この臨界点の温度、圧力以上の状態となる超臨界状態にある(即ち、超臨界領域に存在する)のが超臨界流体である。
また、この超臨界流体は非凝集性高密度流体であり、高溶解性と高拡散性と云う作用を有している。
また、本実施例に用いられる超臨界二酸化炭素の臨界点は、文献によって若干異なるが、臨界温度が31.1℃、臨界圧力が7.38MPa(72.9atm )であり、超臨界二酸化炭素の超臨界領域は、31.1℃以上、7.38MPa以上の領域である。
従って、前述したように、超臨界二酸化炭素は、高溶解性と高拡散性と言う作用を有しているので、溶融樹脂の粘度を低下させることができる。
なお、二酸化炭素(固体、液体、気体)について云えば、従来例に示したように、二酸化炭素を用いることによって溶融樹脂の粘度を低下させることができる。
【0023】
即ち、図1(1)に示す混合タンク装置1には、所要量の材料を供給して収容する耐圧耐熱性の圧力容器2(タンク本体)と、前記した圧力容器2の上部側に設けた開閉可能であり且つ前記した圧力容器2を密閉可能にする蓋体3と、前記した圧力容器2内に所要量の樹脂材料を供給する樹脂材料の供給手段(図示なし)と、前記した圧力容器2内を所定の温度に加熱或は冷却して調整する温度調整手段4と、前記した圧力容器2内の材料を撹拌して混合する撹拌手段5とが設けられて構成されている。
また、前記した混合タンク装置1には、前記した蓋体3で密閉した状態の圧力容器2内に残留する空気を強制的に吸引排出して前記した圧力容器2内を所定の真空度に設定する真空ポンプ等の真空引き手段6と、前記した真空引き手段6と圧力容器2内とを連通接続する真空経路7(真空チューブ)と、前記した真空経路7に設けられ且つ前記した真空引き手段6による強制的な吸引排出を制御する適宜な制御弁8(減圧弁)とが設けられて構成されている。
また、前記した混合タンク装置1には、前記した圧力容器2内に所要量の超臨界二酸化炭素を供給する超臨界二酸化炭素の供給手段9と、前記した超臨界二酸化炭素の供給手段9と圧力容器2内とを連通接続する供給経路10(供給チューブ)と、前記した供給経路10に設けられ且つ超臨界二酸化炭素の流量及び圧力を調整する適宜な制御弁11(流量圧力調整弁)とが設けられて構成されている。
【0024】
従って、図1(1)に示す混合タンク装置1において、前記した粉末状の樹脂材料と超臨界二酸化炭素との混合は、次のようにして行われる。
即ち、まず、前記した温度調整手段4にて前記した圧力容器2内を所定の温度に設定すると共に、前記した樹脂材料の供給手段にて前記した圧力容器2内に所要量の粉末状樹脂材料を供給して前記した容器2に前記した蓋体3を被せて密閉する。
次に、前記した真空引き手段6にて前記した密閉した圧力容器2内に残留する空気を前記した真空経路7(前記した制御弁8)を通して強制的に吸引排出して所定の真空度に設定すると共に、前記した超臨界二酸化炭素の供給手段9にて前記した供給経路10(前記した制御弁11)を通して前記した圧力容器2内に超臨界二酸化炭素を供給する。
このとき、前記した圧力容器2内は二酸化炭素の臨界点以上となるように構成されている(即ち、前記した圧力容器2内の二酸化炭素が臨界点以上となる超臨界領域に存在するように構成されている)。
例えば、前記した圧力容器2内を二酸化炭素の臨界点以上(臨界温度31.1℃以上、臨界圧力7.38MPa以上)の超臨界領域となるように温度と圧力とを設定することができる。
従って、次に、前記した圧力容器2内で前記した粉末状の樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを二酸化炭素の超臨界条件を保持した状態で均一に前記した撹拌手段5にて撹拌して混合することができると共に、前記した圧力容器2内で前記した粉末状の樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した混合材料12が形成(調製)されることになる。
【0025】
次に、図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置21について説明する。
なお、前述したように、図1(2)に示す装置21は、二酸化炭素の超臨界状態の雰囲気下において(二酸化炭素の臨界点以上の状態において)、図1(1)に示す混合タンク装置で混合された混合材料12を所定の圧力にて押圧することにより、所定形状の樹脂タブレット(例えば、円柱形)を形成する装置である。
【0026】
即ち、図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置21には、図1(1)に示す混合タンク装置1にて混合された混合材料12を供給する混合材料の収容部22を有する樹脂タブレット成形用のタブレット成形型23(臼)と、前記した混合材料の収容部22に前記した混合材料12の所要量を供給する混合材料の供給手段(図示無し)と、前記した収容部22内の混合材料12を所要の圧力にて押圧する上下両パンチ24(杵)と、少なくとも前記したタブレット成形型23と上下両パンチ24と混合材料の供給手段とを外気遮断状態にして外気遮断範囲25を形成する外気遮断手段(図示無し)とが設けられて構成されている。
また、前記した樹脂タブレットの形成装置21には、図示はしていないが、前記した外気遮断範囲25に残留する空気を強制的に吸引排出して前記した圧力容器2内を所定の真空度に設定する真空ポンプ等の真空引き手段(制御弁を含む)と、前記した外気遮断範囲25に超臨界二酸化炭素を供給して所定の圧力に設定する超臨界二酸化炭素の供給手段(制御弁を含む)と、前記した外気遮断範囲25を所定の温度に設定する温度調整手段とが設けられて構成されている。
【0027】
従って、図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置21において、まず、前記した外気遮断手段にて形成した外気遮断範囲25を二酸化炭素の超臨界状態に設定する(このように構成することによって、前記した外気遮断範囲25の内部を二酸化炭素の臨界点以上の所定の温度と所定の圧力に設定することができるので、前記した外気遮断範囲25において、二酸化炭素を超臨界領域に存在させることができる)。
即ち、前記した外気遮断範囲25を前記した真空引き手段にて所定の真空度に設定し且つ前記した温度調整手段にて所定の温度に設定することにより、前記外気遮断範囲25を二酸化炭素の超臨界状態に設定すると共に、前記した外気遮断範囲25に前記した二酸化炭素の供給手段で超臨界二酸化炭素を供給する。
次に、前記した外気遮断範囲25を二酸化炭素の超臨界状態に保持した状態で、前記した成形型23における収容部22内に所要量の混合材料12を供給すると共に、前記した収容部22内の混合材料12を前記した上下両パンチ24による所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の(超臨界二酸化炭素を含む)樹脂タブレット(図2に符号26で示す)を形成することができる。
【0028】
従って、本発明に係る樹脂タブレットの形成方法は、まず、図1(1)に示す混合タンク装置1にて超臨界二酸化炭素と粉末状樹脂材料とを混合して混合材料12を調製し、次に、図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置21にて超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット(26)を形成する構成である。
【0029】
次に、前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット(26)を用いて電子部品を樹脂封止成形する方法について説明する。
図2は、本発明に用いられる電子部品の樹脂封止成形用金型の一例である。
【0030】
即ち、図2に示す金型には、固定上型31と、前記した上型31に対向配置した可動下型32とが設けられて構成されると共に、前記した下型32の型面には、所要数の電子部品33を装着した基板34を供給セットする基板のセット用凹所35と、前記した電子部品33を嵌装する樹脂成形用の下キャビティ36とが設けられて構成されている
従って、前記した凹所35に電子部品33を(電子部品装着面側を)下に向けた状態で供給セットして前記した両型31・32を型締めすることにより、前記した電子部品33を前記したキャビティ36内に嵌装セットすることができる。
また、前記した下型32の型面には、前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を供給する樹脂材料供給用のポット37と、前記したポット37内に嵌装した樹脂加圧用のプランジャ38と、前記したポット37とキャビティ38とを連通接続する樹脂通路39(ランナ・ゲート、図例ではゲートのみにて構成)とが設けられて構成され、前記した両型31・32には前記した両型を所定の温度(例えば、175度℃)にまで加熱する加熱手段(図示無し)が設けられて構成されている。
従って、前記した下型ポット37内で加熱溶融化した樹脂材料(樹脂タブレット26)を前記したプランジャ38で加圧して前記した下キャビティ36内に前記した樹脂通路39を通して溶融樹脂を超臨界二酸化炭素を含んだ状態で注入充填することができるように構成されている。
【0031】
即ち、まず、前記した型開状態にある金型31・32を所定の温度(例えば、175℃)に加熱すると共に、前記した下型ポット37に前記した樹脂タブレットの形成装置21で形成した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を供給し且つ前記した下型凹所35に電子部品33を下方向に向けた状態で基板34を供給セットして前記した両型31・32を型締めする。
このとき、前記した電子部品33は前記した下キャビティ36内に嵌装セットさせると共に、前記したポット37内で前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26は加熱溶融化されることになる。
次に、前記した加熱溶融化された樹脂材料を前記したプランジャ38で加圧されることにより、超臨界二酸化炭素を含んだ状態で溶融樹脂を前記した上型の型面(カル)に押圧して前記した下キャビティ36内に前記した樹脂通路39を通して注入充填する。
従って、前記した下キャビティ36内で前記した下キャビティ36の形状に対応した樹脂成形体内に前記した電子部品を封止成形することができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、前記した両型31・32を型開きして前記した下キャビティ36内から前記した樹脂成形体(製品)を離型することができる。
【0032】
即ち、本発明によれば、超臨界二酸化炭素を含んだ樹脂タブレット26を用いて樹脂封止成形した場合において、超臨界二酸化炭素を含んだ状態で溶融樹脂を金型キャビティ36内に注入充填することになるので、超臨界二酸化炭素が有する高溶解性と高拡散性とにて当該溶融樹脂の粘度を低下させることができる。
従って、樹脂タブレットに含まれる超臨界二酸化炭素にて溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、前記した金型キャビティ36内で高粘度の溶融樹脂がワイヤに衝突することによってワイヤスイープが発生することを効率良く防止することができる。
また、前述したように、溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、溶融樹脂が高粘度であることによって、前記した金型キャビティ面と溶融樹脂との濡れ(接触性)が悪くなることを効率良く防止し得て、前記した金型キャビティ36の形状が前記した金型キャビティ内で成形される樹脂成形体の形状に効率良く転写し得て、前記した樹脂成形体に転写不良が発生して製品の外観不良が発生することを効率良く防止することができる。
従って、本発明によれば、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云った樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品を得ることができる。
また、本発明によれば、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を用いることにより、従来例に用いられる真空引き機構及び前記した二酸化炭素ガス圧送機構等が不要となって、電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて電子部品を樹脂封止成形する成形時間が短くなるので、前記した製品(樹脂成形体)を効率良く生産することができる。
従って、本発明によれば、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる樹脂封止成形方法を提供することができる。
【0033】
また、従来、金型キャビティ内に注入充填される溶融樹脂が高粘度のため、前記した樹脂成形体におけるヒケやソリ(或は、収縮)が大きくなって、前記した樹脂成形体(製品)の内部に封止される電子部品に対する歪み(電子部品に加えられる力)が大きくなり、当該電子部品が破損するような場合があった。
しかしながら、本発明によれば、前述したように、前記した溶融樹脂の粘度を超臨界二酸化炭素にて低下させることができるので、従来例に較べ、当該溶融樹脂を低応力の状態で、且つ、当該溶融樹脂をプランジャにて低圧力で、注入充填することができ、前記した樹脂成形体のヒケやソリを効率良く低下させることができる。
従って、前記した樹脂成形体(製品)の内部に封止される電子部品に対する歪みを効率良く低減し得て、製品の生産性を効率良く向上させることができる。
【0034】
また、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形することによって当該溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、高粘度タイプとなるノボラック型エポキシレジンを配合した樹脂タブレットにおける当該溶融粘度を効率良く低下させることができる。
従って、ノボラック型エポキシレジンを配合した樹脂タブレットを用いて、薄型パッケージ(薄型の樹脂成形体)を効率良く樹脂封止成形することができる。
なお、低粘度タイプとなるビフェニル型エポキシレジンを配合した樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形する場合、従来の薄型パッケージより更に薄いパッケージを成形することができる。
【0035】
また、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形することによって当該溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、溶融樹脂の粘度と云う観点から、溶融樹脂の粘度を増加させる作用を有する高純度シリカを樹脂タブレットに多量に配合させることができる。
なお、高純度シリカを多量に配合した樹脂タブレットを用いた場合、金型キャビティ内で成形される樹脂成形体(成形品)のヒケやソリを効率良く防止し得て寸法精度を効率良く安定させることができる。
【0036】
また、粉末状の樹脂材料を押圧して形成した通常の樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形した場合、金型キャビティ面等からの熱伝導による影響が大きく、前記した金型キャビティ内で成形した樹脂成形体を離型した場合、前記した樹脂成形体を急激に冷却することになるので、前記した樹脂成形体が不均等に冷却され易く、前記した樹脂成形体にヒケやソリが発生し易いのが通例である。
しかしながら、前記した実施例では、前記した樹脂成形体(製品としては不要な硬化樹脂を含む)の内部全体に気泡が含まれるために、前記した樹脂成形体の樹脂量が減少して総熱量が小さくなるので、且つ、前記した気泡内から二酸化炭素が抜けて気散するので、前記した樹脂成形体が均等に冷却され易くなり、前記した樹脂成形体にヒケやソリが発生し難くなると共に、軽量化によるコストダウン、防音性、耐衝撃性、断熱性等を向上させることができる。
【0037】
なお、前記した実施例において、少なくとも前記したポット37、樹脂通路39、キャビティ36から成る型内空間部の内部を超臨界二酸化炭素の雰囲気下に設定した状態で樹脂封止成形してもよい。
また、前記した型内空間部37・39・36を超臨界二酸化炭素の雰囲気下にした状態で樹脂封止成形する場合、金型温度を通常の場合(例えば、175℃)より低くして樹脂封止成形することができるので、省エネルギー化が可能となる(二酸化炭素の臨界圧力以上の状態で)。
【0038】
また、超臨界二酸化炭素を用いることによって、金型キャビティで成形される樹脂成形体の表面或は全体において、溶融粘度と硬化時間とを適宜に設定することができるので、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形することによって当該溶融樹脂の粘度を低下させることができ、且つ、金型キャビティ内で成形される樹脂成形体全体の硬化時間を長くすることができる。
【0039】
例えば、クレアレジンの樹脂タブレットを用いる場合、溶融粘度が低くて硬化が遅くなり易いので、前記した金型にて樹脂封止成形した直後においては、前記した金型で成形される樹脂成形体(製品)自体が柔らか過ぎて形状が崩れ易く、外観不良等の成形不良が発生し易い。
しかしながら、超臨界二酸化炭素を用いることによって、溶融粘度と硬化時間とを適宜に設定することができる。
即ち、超臨界二酸化炭素を含むクレアレジン樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形した場合、当該成形後に、前記した樹脂成形体の表面から超臨界二酸化炭素が抜け出ることになるので、金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填した後、当該表面で硬化が急激に進行して直ちに硬化させることができる。
従って、硬化が遅くて柔らか過ぎるために引き起こされる外観不良(成形不良)の発生を効率良く防止することができる。
【0040】
また、例えば、微細形状の金型で成形する場合、金型キャビティの微細形状を効率良く転写することができず、外観不良が発生していた。
しかしながら、超臨界二酸化炭素を用いることによって、溶融粘度と硬化時間とを適宜に設定することができるので、微細形状の金型で成形する場合、前記した溶融樹脂の粘度が低下することと硬化時間が長くなることとの相乗効果を期待することができる。
即ち、前記した微細形状の内部に溶融樹脂が浸入し易く、且つ、当該表面から二酸化炭素が抜けて硬化するので、前記した微細形状の金型の転写性を効率良く向上させることができる。
従って、前記した樹脂成形体の形状に効率良く転写することができるので、外観不良を効率良く防止することができる。
【実施例2】
【0041】
また、前述したように、前記した実施例において、図1(1)に示す混合タンク装置1を用いて超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を形成する構成を例示したが、粉末状の樹脂材料を押圧して形成した通常の樹脂タブレットを超臨界二酸化炭素の雰囲気中に配置して前記した通常の樹脂タブレットに超臨界二酸化炭素を浸透させることにより、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成する構成を採用してもよい。
【0042】
即ち、前述したように、実施例2によれば、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
従って、実施例2によれば、実施例1と同様に、超臨界二酸化炭素は高溶解性と高拡散性とを有しているので、前記した超臨界二酸化炭素を含んだ樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形した場合において、超臨界二酸化炭素を含んだ状態で溶融樹脂を金型キャビティ内に注入充填した時に、超臨界二酸化炭素を含む溶融樹脂の粘度が低下させることができる。
また、実施例2によれば、実施例1と同様に、樹脂タブレットに含まれる超臨界二酸化炭素にて溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、前記した金型キャビティ内で高粘度の溶融樹脂がワイヤに衝突することによってワイヤスイープが発生することを効率良く防止することができる。
【0043】
また、例えば、図2に示す金型31・32に、図1(1)に示す混合タンク装置1及び図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置21を連設した構成を採用し、樹脂タブレットの形成と樹脂封止成形とを連続して実施してもよい。
【0044】
また、前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を形成した後、前記した樹脂タブレット26を適宜な条件で保管してもよい。
例えば、前記した超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット26を超臨界二酸化炭素中で保管してもよい。
【実施例3】
【0045】
次に、(通常の)二酸化炭素(気体、液体、固体の各状態)と粉末状の樹脂材料とを混合した混合物を所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成する構成について説明する。
【0046】
例えば、ドライアイスと呼ばれる二酸化炭素(固体)と粉末状の樹脂材料とを混合した混合物を所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することができる。
また、例えば、二酸化炭素を液化させる所定の圧力と所定の温度において、液化した二酸化炭素(液体)と粉末状の樹脂材料とを混合した混合物を所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することができる。
また、例えば、二酸化炭素(気体)の雰囲気中において、粉末状の樹脂材料を所要の圧力にて押圧することにより、所定の形状の二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することができる。
なお、実施例3において、図1(1)に示す混合タンク装置及び図1(2)に示す樹脂タブレットの形成装置の構成を準用することができる。
【0047】
即ち、実施例3において、実施例1と同様に、図2に示す金型31・32において、前記した二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いて電子部品を金型キャビティの形状に対応した樹脂成形体(製品)内に封止成形することができる、実施例1と同様の作用効果を得ることができるものである。
従って、実施例3によれば、前記した二酸化炭素を含んだ樹脂タブレットを用いて樹脂封止成形した場合において、二酸化炭素を含んだ状態で溶融樹脂を金型キャビティ内に注入充填した時に、二酸化炭素を含む溶融樹脂の粘度が低下させることができる。
従って、樹脂タブレットに含まれる二酸化炭素にて溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、前記した金型キャビティ内で高粘度の溶融樹脂がワイヤに衝突することによってワイヤスイープが発生することを効率良く防止することができる。
また、前述したように、溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、溶融樹脂が高粘度であることによって、前記した金型キャビティ面と溶融樹脂との濡れ(接触性)が悪くなることを効率良く防止し得て、前記した金型キャビティの形状が前記した金型キャビティ内で成形される樹脂成形体の形状に効率良く転写し得て、前記した樹脂成形体に転写不良が発生して製品の外観不良が発生することを効率良く防止することができる。
従って、実施例3によれば、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云った樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品(樹脂成形体)を得ることができる。
また、実施例3によれば、二酸化炭素を含む樹脂タブレットを用いることにより、従来例に用いられる真空引き機構及び前記した二酸化炭素ガス圧送機構等が不要となって、電子部品を樹脂封止成形する生産時間が短くなるので、前記した製品(樹脂成形体)を効率良く生産することができる。
従って、実施例3によれば、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる樹脂封止成形方法を提供することができる。
【0048】
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用することができるものである。
【0049】
また、前記した各実施例では、粉末状の樹脂材料を用いて所定の形状の樹脂タブレットを形成する構成を例示したが、粉末状の樹脂材料に代えて、顆粒状、或は、細粒状の樹脂材料を用いることができる。
なお、細粒状とは、顆粒状より小さく、粉末状よりも大きい形状である。
【0050】
また、前記した各実施例で用いられる樹脂タブレットの形状は任意に選択することができ、例えば、円柱状、シート状に形成することができる。
また、本発明に用いられる樹脂材料は、前記した樹脂タブレットの形状に限られず、粉末状の樹脂材料と、超臨界二酸化炭素或は(通常の)二酸化炭素とを混合して押し固めることにより、例えば、顆粒、細粒とすることができる。
なお、本発明においては、粉末状の樹脂材料と、超臨界二酸化炭素或は(通常の)二酸化炭素とを混合した状態の樹脂材料(混合材料)を樹脂封止成形に用いてもよい。
【0051】
また、例えば、電子部品の樹脂封止成形用金型において、(超臨界二酸化炭素、或は、二酸化炭素を含まない)通常の樹脂タブレットを用いて、電子部品を金型キャビティの形状に対応した樹脂成形体内に封止成形する場合、前記した金型における型内空間部に超臨界二酸化炭素を供給した状態で樹脂封止成形することができる。
従って、実施例1及び実施例2と同様に、溶融樹脂に含まれる超臨界二酸化炭素にて溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、前記した金型キャビティ内で高粘度の溶融樹脂がワイヤに衝突することによってワイヤスイープが発生することを効率良く防止することができる。
また、前述したように、溶融樹脂の粘度を低下させることができるので、溶融樹脂が高粘度であることによって、前記した金型キャビティ面と溶融樹脂との濡れ(接触性)が悪くなることを効率良く防止し得て、前記した金型キャビティの形状が前記した金型キャビティ内で成形される樹脂成形体の形状に効率良く転写し得て、前記した樹脂成形体に転写不良が発生して製品の外観不良が発生することを効率良く防止することができる。
従って、実施例1と同様に、前述したワイヤスイープや製品の外観不良と云った樹脂成形上の課題を解決して高品質性及び高信頼性の製品を得ることができる。
また、実施例1と同様に、製品を効率良く生産することができる樹脂タブレットの形成方法と樹脂タブレット及びそれを用いる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、電子部品を樹脂成形体内に樹脂封止成形する場合に、金型キャビティ内に注入充填される溶融樹脂に粘度を効率良く低下させることができるので、各種の金型にて成形品(樹脂成形体)を成形する場合に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1(1)は、本発明に係る樹脂タブレットの形成方法を説明する樹脂材料の混合タンク装置を概略的に示す概略縦断面図であり、図1(2)は、本発明に係る樹脂タブレットの形成方法を説明する樹脂タブレットの形成装置を概略的に示す概略縦断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法を説明する電子部品の樹脂封止成形用金型を概略的に示す概略一部切欠縦断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 混合タンク装置
2 圧力容器(タンク本体)
3 蓋体
4 温度調節手段
5 撹拌手段
6 真空引き手段
7 真空経路
8 制御弁
9 超臨界二酸化炭素の供給手段
10 供給経路
11 制御弁
12 混合材料
21 樹脂タブレットの成形装置
22 収容部
23 タブレット成形型
24 パンチ
25 外気遮断範囲
26 超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレット
31 固定上型
32 可動下型
33 電子部品
34 基板
35 セット用凹所
36 下キャビティ
37 ポット
38 プランジャ
39 樹脂通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料と二酸化炭素とを混合した混合材料を押圧して二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする樹脂タブレットの形成方法。
【請求項2】
樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した混合材料を押圧して超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする樹脂タブレットの形成方法。
【請求項3】
樹脂材料を押圧して形成した通常の樹脂タブレットを超臨界二酸化炭素の雰囲気中に配置することにより、前記した通常の樹脂タブレットに超臨界二酸化炭素を浸漬させて超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成することを特徴とする樹脂タブレットの形成方法。
【請求項4】
樹脂材料と二酸化炭素とを混合した材料を押圧して形成した二酸化炭素を含むことを特徴とする樹脂タブレット。
【請求項5】
樹脂材料と超臨界二酸化炭素とを混合した材料を押圧して形成した超臨界二酸化炭素を含むことを特徴とする樹脂タブレット。
【請求項6】
樹脂タブレットに超臨界二酸化炭素を浸漬させて形成した超臨界二酸化炭素を含むことを特徴とする樹脂タブレット。
【請求項7】
電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、樹脂材料供給用のポット内に供給した樹脂タブレットを加熱溶融化すると共に、当該溶融樹脂を樹脂加圧用のプランジャで加圧して樹脂成形用の金型キャビティ内に注入充填することにより、前記金型キャビティ内に嵌装セットした電子部品を封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法であって、
まず、二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成し、
次に、前記したポット内に前記した樹脂タブレットを供給して加熱溶融化することにより、当該溶融樹脂に前記した二酸化炭素を混合した状態で前記金型キャビティ内に注入充填することを特徴とする電子部品の樹脂封止成形方法。
【請求項8】
電子部品の樹脂封止成形用金型を用いて、樹脂材料供給用のポット内に供給した樹脂タブレットを加熱溶融化すると共に、当該溶融樹脂を樹脂加圧用のプランジャで加圧して樹脂成形用の金型キャビティ内に注入充填することにより、前記した金型キャビティ内に嵌装セットした電子部品を封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法であって、
まず、超臨界二酸化炭素を含む樹脂タブレットを形成し、
次に、前記したポット内に前記した樹脂タブレットを供給して加熱溶融化することにより、当該溶融樹脂に前記した超臨界二酸化炭素を混合した状態で前記した金型キャビティ内に注入充填することを特徴とする電子部品の樹脂封止成形方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−256194(P2006−256194A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78694(P2005−78694)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】