説明

樹脂成形部品及びその成形方法並びに車両用インストルメントパネル

【課題】インストルメントパネルの軽量化及び低コスト化を図る。
【解決手段】本発明の樹脂成形部品の成形方法は、それぞれ熱可塑性を有する樹脂製とされた第一シート材62及び第二シート材64を個別に加熱して軟化させる加熱工程と、第一シート材62及び第二シート材64を軟化させた状態で、第一シート材62のうちの一部に第二シート材64を重ね合わせて重ね合わせシート76を形成すると共に、真空成形用の成形機70に重ね合わせシート76をセットするシート材セット工程と、成形機70によって重ね合わせシート76を真空成形することにより、第一シート材62における第二シート材64と重ね合わされた部分以外の部分に一般ダクト部56(浅絞り部)を形成し、第一シート材62における第二シート材64と重ね合わされた部分にデフロスタノズル38の前側壁部48(深絞り部)を形成して、下側パネル26を得る成形工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形部品及びその成形方法並びに車両用インストルメントパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インストルメントパネル部材と、このインストルメントパネル部材の裏面に接合されたダクト部材とを備えた車両用インストルメントパネルが開示されている。この車両用インストルメントパネルにおいて、ダクト部材には、デフロスタ吹出口と連通するノズル部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−250414号公報
【特許文献2】特開2001−239824号公報
【特許文献3】特開2001−353772号公報
【特許文献4】特開2002−154314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダクト部材を例えば真空成形により形成する場合、ノズル部が深絞りとなるため、このノズル部の厚さが薄くなることがある。そこで、ノズル部の厚さを確保するために、ダクト部材の基となるシート材全体の厚さを増加させることも考えられるが、このようにした場合には、ノズル部以外の浅絞り部の厚さが増加してしまい、ダクト部材の質量及びコストが増加する要因となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、樹脂成形部品の軽量化及び低コスト化を図ることができる樹脂成形部品及びその成形方法並びに車両用インストルメントパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の樹脂成形部品は、熱可塑性を有する樹脂製の第一シート材により形成され、浅絞り部と深絞り部とを有する本体部と、熱可塑性を有する樹脂製の第二シート材により形成され、前記本体部のうち前記深絞り部を含む一部に重ね合わされた重ね合わせ部と、を備え、全体として真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形により形成されている。
【0007】
この樹脂成形部品によれば、本体部のうち深絞り部を含む一部には、重ね合わせ部が重ね合わされている。従って、この重ね合わせ部によって深絞り部の板厚を確保することができ、その一方で、本体部の基となる第一シート材については厚さが薄くて済むので、これにより、樹脂成形部品の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0008】
なお、請求項2に記載のように、上述の樹脂成形部品は、車両用空調ダクト構造体を構成し、前記深絞り部は、空調装置の送風口と、前記空調装置を覆うインストルメントパネル本体に形成されたデフロスタ吹出口とを連通するデフロスタノズルを構成していると好適である。
【0009】
また、前記課題を解決するために、請求項3に記載の車両用インストルメントパネルは、請求項2に記載の樹脂成形部品としての第一パネルと、前記深絞り部とで前記デフロスタノズルを構成するデフロスタノズル構成部を有し、前記第一パネルとで前記車両用空調ダクト構造体を構成する第二パネルと、前記車両用空調ダクト構造体が裏面に接合されたインストルメントパネル本体と、を備えている。
【0010】
この車両用インストルメントパネルによれば、請求項2に記載の樹脂成形部品を第一パネルとして備えているので、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0011】
また、前記課題を解決するために、請求項4に記載の樹脂成形部品の成形方法は、それぞれ熱可塑性を有する樹脂製とされた第一シート材及び第二シート材を個別に加熱して軟化させる加熱工程と、前記第一シート材及び前記第二シート材を軟化させた状態で、前記第一シート材のうちの一部に前記第二シート材を重ね合わせて重ね合わせシートを形成すると共に、真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形用の成形機に前記重ね合わせシートをセットするシート材セット工程と、前記成形機によって前記重ね合わせシートに対して真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形をすることにより、前記第一シート材における前記第二シート材と重ね合わされた部分以外の部分に浅絞り部を形成し、前記第一シート材における前記第二シート材と重ね合わされた部分に深絞り部を形成して、樹脂成形部品を得る成形工程と、を備えている。
【0012】
この樹脂成形部品の成形方法によれば、浅絞り部と深絞り部とを有する本体部と、本体部のうち深絞り部を含む一部に重ね合わされた重ね合わせ部とを備えた樹脂成形部品が得られる。
【0013】
ここで、この樹脂成形部品の成形方法によれば、上述のように、本体部のうち深絞り部を含む一部に、重ね合わせ部が重ね合わされる。従って、この重ね合わせ部によって深絞り部の板厚を確保することができ、その一方で、本体部の基となる第一シート材については厚さが薄くて済むので、これにより、樹脂成形部品の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0014】
請求項5に記載の樹脂成形部品の成形方法は、請求項4に記載の樹脂成形部品の成形方法において、前記成形機として、第一成形型及び第二成形型を有する真空成形用のものを用い、前記重ね合わせシートと前記第一成形型との間の空間の空気を吸引して前記重ね合わせシートを前記第一成形型に密着させながら、前記重ね合わせシートを前記第一成形型と前記第二成形型とで挟み込んで前記第一シート材と前記第二シート材とを熱圧着させて、前記樹脂成形部品を得る方法である。
【0015】
この樹脂成形部品の成形方法によれば、重ね合わせシートと第一成形型との間の空間の空気を吸引して重ね合わせシートを第一成形型に密着させながら、重ね合わせシートを第一成形型と第二成形型とで挟み込んで第一シート材と第二シート材とを熱圧着させるので、深絞り部をより精度良く形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、本発明によれば、樹脂成形部品又は樹脂成形部品としての車両用インストルメントパネルの軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るインストルメントパネルの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】図1の下側パネルを真空成形により形成する方法の流れを示す図である。
【図4】図1の下側パネルをシートブロー成形により形成する方法を説明する図である。
【図5】図1の空調ダクト構造体のその他の成形方法を説明する図である。図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0019】
なお、図1,図2における矢印UP、矢印FR、矢印INは、車両上下方向上側、車両前後方向前側、車両幅方向内側をそれぞれ示している。
【0020】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る車両用インストルメントパネルとしてのインストルメントパネル10は、インストルメントパネル本体12と、車両用空調ダクト構造体としての空調ダクト構造体14とを備えている。
【0021】
インストルメントパネル本体12は、樹脂製とされており、図示しない左右のフロントピラー間に架け渡されたインパネリインフォースメントに取り付けられている。このインストルメントパネル本体12は、車両に備えられた空調装置16や、その他の図示しないエアバッグ装置等を車両上下方向上側から覆っている。
【0022】
このインストルメントパネル本体12には、車両幅方向中央部にセンタ空調吹出口18及びセンタデフロスタ吹出口20が形成され、車両幅方向両端側にサイド空調吹出口22及びサイドデフロスタ吹出口24が形成されている。
【0023】
空調ダクト構造体14は、樹脂製とされており、インストルメントパネル本体12の裏面に例えば溶着等により接合されている。この空調ダクト構造体14は、樹脂成形部品及び第一パネルとしての下側パネル26と、第二パネルとしての上側パネル28とによって構成されている。
【0024】
上側パネル28は、下側パネル26よりも車両幅方向に小さい構成とされており、下側パネル26に対する車両上下方向上側に下側パネル26の車両幅方向中央部26Aと対向して設けられている。
【0025】
この下側パネル26及び上側パネル28によって構成された空調ダクト構造体14は、空調装置16の送風口30とセンタ空調吹出口18とを連通するセンタ空調ダクト32と、空調装置16の送風口30とサイド空調吹出口22とを連通するサイド空調ダクト34と、空調装置16の送風口30とサイドデフロスタ吹出口24とを連通するサイドデフロスタダクト36と、空調装置16の送風口30とセンタデフロスタ吹出口20とを連通するデフロスタノズル38とを有している。
【0026】
つまり、センタ空調ダクト32は、下側パネル26に形成された下側壁部40及び上側パネル28に形成された上側壁部42によって閉断面状に形成されている。
【0027】
一方、サイド空調ダクト34は、下側パネル26に形成されており、車両上下方向上側に開口する開断面形状とされている。このサイド空調ダクト34の上流側は、上側パネル28に形成された上側壁部44とで閉断面を構成し、このサイド空調ダクト34の下流側は、インストルメントパネル本体12とで閉断面を構成している。
【0028】
同様に、サイドデフロスタダクト36は、下側パネル26に形成されており、車両上下方向上側に開口する開断面形状とされている。このサイド空調ダクト34の上流側は、上側パネル28に形成された上側壁部46とで閉断面を構成し、このサイド空調ダクト34の下流側は、インストルメントパネル本体12とで閉断面を構成している。
【0029】
また、デフロスタノズル38は、図2に示されるように、下側パネル26に形成された前側壁部48と、上側パネル28に形成されたデフロスタノズル構成部としての後側壁部50によって閉断面状に形成されている。
【0030】
この空調ダクト構造体14を構成する下側パネル26及び上側パネル28は、例えば真空成形によりそれぞれ形成された後に、互いに溶着等により接合されている。
【0031】
また、上述の下側パネル26は、より具体的には、本体部52と重ね合わせ部54とによって構成されている。本体部52において、前側壁部48に対する車両後側には、一般ダクト部56が形成されている。この一般ダクト部56は、絞りの浅い浅絞り部とされており、前側壁部48は、一般ダクト部56よりも絞りの深い深絞り部とされている。また、重ね合わせ部54は、本体部52のうち前側壁部48を含む一部に重ね合わされている。
【0032】
次に、図3を参照しながら、上記構成からなる下側パネル26の製造方法について説明する。
【0033】
なお、図3の上図は、平面図で示されており、図3の中図及び下図は、正面断面図で示されている。
【0034】
(加熱工程)
先ず、図3の上図に示されるように、上述の本体部52及び重ね合わせ部54の基となる第一シート材62及び第二シート材64を準備する。この第一シート材62及び第二シート材64は、同一の材料であることが望ましく、この材料としては、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性を有する樹脂が好適である。また、成形性や剛性を向上させるために、第二シート材64にゴム成分などを添加しても良い。
【0035】
そして、この第一シート材62及び第二シート材64をヒータ66,68によってそれぞれ個別に加熱して軟化させる。
【0036】
(シート材セット工程)
続いて、第一シート材62及び第二シート材64を軟化させた状態で、この第一シート材62及び第二シート材64を成形機70にセットする。このとき、第一シート材62及び第二シート材64は、それぞれ平面方向に沿って移動させると共に、互いに交差する方向から成形機70にセットする。
【0037】
なお、成形機70としては、凸型の第一成形型72と、凹型の第二成形型74とを有する真空成形用のものを用いる。そして、図3の中図に示されるように、この第一成形型72と第二成形型74との間において、第一シート材62のうちの一部に第二シート材64を重ね合わせて重ね合わせシート76を形成する。
【0038】
(成形工程)
次いで、この重ね合わせシート76を真空成形する。つまり、図3の下図に示されるように、重ね合わせシート76と第一成形型72との間に形成された空間78の空気を吸引して重ね合わせシート76を第一成形型72に密着させる。
【0039】
このとき、第一成形型72には、第一凸部86及び第二凸部88が形成されており、第一凸部86により第一シート材62における第二シート材64と重ね合わされた部分以外の部分に一般ダクト部56が形成される。また、第二凸部88により第一シート材62における第二シート材64と重ね合わされた部分に前側壁部48が形成される。
【0040】
また、このときに、この重ね合わせシート76を第一成形型72と第二成形型74とで挟み込んで第一シート材62と第二シート材64とを熱圧着させる。
【0041】
そして、これにより、一般ダクト部56と前側壁部48とを有する本体部52が第一シート材62によって形成されると共に、本体部52のうち前側壁部48を含む一部に重ね合わされた重ね合わせ部54が第二シート材64によって形成され、下側パネル26が得られる。
【0042】
なお、上記要領により成形された下側パネル26においては、重ね合わせ部54によって本体部52の一部に段差が形成される。従って、本体部52の一部に段差が形成されている場合には、上記構成及び上記成形方法が推定される。
【0043】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0044】
本成形方法によれば、上述のように、一般ダクト部56と前側壁部48とを有する本体部52と、本体部52のうち前側壁部48を含む一部に重ね合わされた重ね合わせ部54とを備えた下側パネル26が得られる。
【0045】
ここで、本成形方法によれば、上述のように、本体部52のうち前側壁部48を含む一部に、重ね合わせ部54が重ね合わされる。従って、この重ね合わせ部54によって前側壁部48の板厚を確保することができ、その一方で、本体部52の基となる第一シート材62については厚さが薄くて済むので、これにより、下側パネル26、ひいては、インストルメントパネル10の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0046】
ところで、仮に、第一シート材62と第二シート材64とを重ね合わせて重ね合わせシート76を形成してからこの重ね合わせシート76を加熱する場合には、第一シート材62と第二シート材64との接合部が十分に加熱されず、第一シート材62と第二シート材64との接合が不十分となって、成形後に重ね合わせ部54が本体部52から剥離する虞がある。
【0047】
これに対し、本成形方法によれば、第一シート材62と第二シート材64とを個別に加熱して軟化させた後にこれらを重ね合わせて重ね合わせシート76を形成しているので、第一シート材62と第二シート材64とが接合し、成形後に重ね合わせ部54が本体部52から剥離することを抑制することができる。
【0048】
また、第一シート材62及び第二シート材64を同じ材料としているので、重ね合わせ部54を本体部52により一層強固に接合させることができる。
【0049】
さらに、本体部52のうち前側壁部48を含む一部に重ね合わせ部54が重ね合わされることにより、下側パネル26全体の厚さの均一化を図ることができ、これにより、下側パネル26の剛性を確保することができる。
【0050】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0051】
上記実施形態において、下側パネル26は、第一成形型72と第二成形型74とを有する成形機70によって真空成形されていたが、第一成形型72のみを有する成形機によって真空成形されても良い。
【0052】
また、上記実施形態では、第一成形型72が凸型に形成され、この凸型の第一成形型72を用いて下側パネル26が形成されていたが、第一成形型72が凹型に形成され、この凹型の第一成形型72を用いて下側パネル26が形成されても良い。
【0053】
また、上記実施形態において、下側パネル26は、真空成形されていたが、シートブロー成形されても良い。
【0054】
すなわち、図4に示されるように、第一シート材62及び第二シート材64を軟化させた状態で、この第一シート材62及び第二シート材64をシートブロー成形用の成形機90にセットし、この第一シート材62及び第二シート材64からなる重ね合わせシート76を圧縮空気噴出装置92から噴出された圧縮空気により成形型94に密着させて、上述の下側パネル26を得ても良い。
【0055】
なお、このシートブロー成形には、所謂、圧空成形と称されるものも含まれる。また、下側パネル26は、真空成形とシートブロー成形とを組み合わせた成形方法により形成されても良い。つまり、下側パネル26は、成形型側(裏側)から真空吸引されると共に、成形型と反対側(表側)からの圧縮空気により成形型に密着されても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、下側パネル26を真空成形する例について説明したが、上側パネル28が一部に深絞り部を有する場合には、この上側パネル28が上記と同様な方法により真空成形されても良い。
【0057】
また、上側パネル28が一部に深絞り部を有する場合に、上側パネル28は、シートブロー成形されても良い。
【0058】
また、上記実施形態では、下側パネル26及び上側パネル28がそれぞれ個別に真空成形された後に、互いに接合されていたが、例えば、図5に示される成形機100によって、下側パネル26の車両幅方向中央部26Aと上側パネル28とがシートブロー成形で形成されると共に、下側パネル26の車両幅方向両側部26Bが真空成形で形成されることにより、一度の成形で下側パネル26及び上側パネル28が互いに接合されても良い。
【0059】
なお、この図5に示される変形例において、成形機100は、第一成形型102及び第二成形型104を有して構成されており、第二成形型104には、センタ空調ダクト32の側壁106を形成するための第一凸部116や、整流フィン108を形成するための第二凸部118が形成されている。側壁106は、絞りの浅い浅絞り部とされており、整流フィン108は、側壁106よりも絞りの深い深絞り部とされている。
【0060】
そして、この成形機100では、第一シート材122からなる本体部132に、第一凸部116によって側壁106が形成され、第二凸部118によって整流フィン108が形成される。また、本体部132のうち整流フィン108を含む一部には、第二シート材124からなる重ね合わせ部134が重ね合わされる。
【0061】
なお、この図5に示される変形において、下側パネル26の構成は、上記実施形態と同様の構成とされているが、整流フィン108は、下側パネル26に形成されても良い。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0063】
また、本発明は、車両用インストルメントパネル以外の樹脂成形部品にも適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
10 インストルメントパネル
12 インストルメントパネル本体
14 空調ダクト構造体(車両用空調ダクト構造体)
16 空調装置
26 下側パネル(樹脂成形部品、第一パネル)
28 上側パネル(第二パネル)
38 デフロスタノズル
48 前側壁部(深絞り部)
50 後側壁部(デフロスタノズル構成部)
52,132 本体部
54,134 重ね合わせ部
56 一般ダクト部(浅絞り部)
62,122 第一シート材
64,124 第二シート材
106 側壁(浅絞り部)
108 整流フィン(深絞り部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性を有する樹脂製の第一シート材により形成され、浅絞り部と深絞り部とを有する本体部と、
熱可塑性を有する樹脂製の第二シート材により形成され、前記本体部のうち前記深絞り部を含む一部に重ね合わされた重ね合わせ部と、
を備え、
全体として真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形により形成された樹脂成形部品。
【請求項2】
車両用空調ダクト構造体を構成する樹脂成形部品であって、
前記深絞り部は、空調装置の送風口と、前記空調装置を覆うインストルメントパネル本体に形成されたデフロスタ吹出口とを連通するデフロスタノズルを構成する、
請求項1に記載の樹脂成形部品。
【請求項3】
請求項2に記載の樹脂成形部品としての第一パネルと、
前記深絞り部とで前記デフロスタノズルを構成するデフロスタノズル構成部を有し、前記第一パネルとで前記車両用空調ダクト構造体を構成する第二パネルと、
前記車両用空調ダクト構造体が裏面に接合されたインストルメントパネル本体と、
を備えた車両用インストルメントパネル。
【請求項4】
それぞれ熱可塑性を有する樹脂製とされた第一シート材及び第二シート材を個別に加熱して軟化させる加熱工程と、
前記第一シート材及び前記第二シート材を軟化させた状態で、前記第一シート材のうちの一部に前記第二シート材を重ね合わせて重ね合わせシートを形成すると共に、真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形用の成形機に前記重ね合わせシートをセットするシート材セット工程と、
前記成形機によって前記重ね合わせシートに対して真空成形及びシートブロー成形の少なくとも一方の成形をすることにより、前記第一シート材における前記第二シート材と重ね合わされた部分以外の部分に浅絞り部を形成し、前記第一シート材における前記第二シート材と重ね合わされた部分に深絞り部を形成して、樹脂成形部品を得る成形工程と、
を備えた樹脂成形部品の成形方法。
【請求項5】
前記成形機として、第一成形型及び第二成形型を有する真空成形用のものを用い、
前記重ね合わせシートと前記第一成形型との間の空間の空気を吸引して前記重ね合わせシートを前記第一成形型に密着させながら、前記重ね合わせシートを前記第一成形型と前記第二成形型とで挟み込んで前記第一シート材と前記第二シート材とを熱圧着させて、前記樹脂成形部品を得る、
請求項4に記載の樹脂成形部品の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−104899(P2011−104899A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263097(P2009−263097)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】