説明

歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構

【課題】破損しにくくまた第1歯の歯先が駆動歯車の歯先と突き当たっても第2歯の歯先は駆動歯車の歯先と突き当たらない歯欠け歯車を提供することにある。
【解決手段】弾性を有する材料で構成され,歯部30と歯欠け部21とを有する歯欠け歯車であって,歯部30の,歯欠け歯車の回転方向における第1歯31と第2歯32とを分離させかつ歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリット22を設けることで可撓部23を形成し,可撓部23の外周部で歯欠け部21を構成するとともに,可撓部23の先端部分に第1歯31のみを設け,第2歯32以降は歯車の本体部分24に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,弾性を有する材料で構成され,歯部と歯欠け部とを有する歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯から第2歯方向すなわち当該歯欠け歯車の回転方向下流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部に第1歯〜第3歯ないし第4歯を設けた歯欠け歯車が知られている(例えば特許文献1,2)。
また,駆動歯車と,この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車と,この歯欠け歯車の歯部が前記駆動歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が駆動歯車と噛み合う方向へ付勢する付勢手段とを備え,前記歯欠け歯車が,上記の歯欠け歯車で構成されている動力伝達機構が知られている(例えば特許文献1,2)。
さらに,上記歯欠け歯車とともに回転するカムと,このカムと連動するカムフォロアとを備えた動力伝達機構も知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開平11−190410号公報
【特許文献2】特開平7−144772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の歯欠け歯車ないし動力伝達機構では,例えば図8に示すように,歯欠け歯車1のスリット1sを,歯部2の,当該歯欠け歯車1の回転方向における第1歯2aから第2歯2b方向すなわち当該歯欠け歯車1の回転方向下流側に向かって設けることで可撓部3を形成し,この可撓部3の外周部に第1歯2a〜第3歯2cないし第4歯2dを設けた構成となっていたので,次のような問題が生じていた。
【0004】
<問題1>
歯欠け歯車1が駆動歯車4と噛み合うと,その噛み合い部には,図8(a)に示すように,力Fが生じ,歯欠け歯車1の中心方向へ向かう分力F1が生じる。
この分力F1は歯欠け歯車1の可撓部3を仮想線3で示すように撓ませる。
従来の歯欠け歯車1では,第1歯だけでなく第2歯2b〜第3歯2cないし第4歯2dまでもが可撓部3に設けられていて可撓部3の基部3a近くにおいて上記分力F1が作用することとなるため,可撓部3の基部3aに大きなストレスが発生する。
このため,駆動歯車4と従動歯車である歯欠け歯車1とによる間欠運動が繰り返されると,可撓部3の基部3aが疲労を起こし,可撓部3が基部3aで破損することがあるという問題がった。
【0005】
<問題2>
歯欠け歯車1が駆動歯車4と噛み合う際,その噛み合い開始時に,図8(b)に実線で示すように,歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たることがある。
従来の歯欠け歯車1では,第1歯だけでなく第2歯2b〜第3歯2cないし第4歯2dまでもが可撓部3に設けられているので,歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たることで可撓部3が撓んだ際,第1歯2a〜第3歯2cないし第4歯2d(特に第1歯2aと第2歯2b)が略同様に変位する。このため,歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たると,歯欠け歯車1の第2歯2b以降の歯先も駆動歯車4の歯先と突き当たることとなる。
特に,歯欠け歯車1と駆動歯車4とを有する動力伝達機構が,歯欠け歯車1を駆動歯車4と噛み合わせる方向へ付勢する付勢手段を有している場合には,噛み合い開始時に歯欠け歯車1自身にも回転力が付与されるため,歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たると,歯欠け歯車1の第2歯2b以降の歯先も駆動歯車4の歯先と突き当たることとなりやすい。また,歯欠け歯車1の回転負荷が小さい場合にも,同様の事態が生じやすい。
歯欠け歯車1の歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たるという上記の事態が生じると,両歯車の回転が停止したり,歯車が破損するという問題が生じる。
【0006】
本発明の目的は,上記の問題1,2を解決し,破損しにくくまた第1歯の歯先が駆動歯車の歯先と突き当たっても第2歯の歯先は駆動歯車の歯先と突き当たらない歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の歯欠け歯車は,弾性を有する材料で構成され,歯部と歯欠け部とを有する歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けたことを特徴とする。
また,本発明の動力伝達機構は,駆動歯車と,この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車とを有し,
前記歯欠け歯車が,弾性を有する材料で構成された歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けた歯欠け歯車で構成されていることを特徴とする。
【0008】
このような歯欠け歯車ないし動力伝達機構によれば,歯欠け歯車のスリットを,歯欠け歯車の歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させるように設けかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かって設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けてあるので,歯欠け歯車の歯部が駆動歯車と噛み合って,その噛み合い部に力が生じ,歯欠け歯車の中心方向へ向かう分力が生じると,その分力は,歯欠け歯車の回転に伴って,第1歯から第2歯以降へと引き継がれる。
第1歯は可撓部に設けられているため,第1歯に上記分力が作用すると可撓部は歯欠け歯車の中心方向へ向かって撓むこととなるが,歯欠け歯車の回転に伴って上記分力が歯車の本体部分に設けられている第2歯以降に引き継がれるため,可撓部の撓みは小さなものとなる。
したがって,可撓部の基部には大きなストレスは発生せず,結果として,駆動歯車と従動歯車である歯欠け歯車とによる間欠運動が繰り返されても,可撓部の基部が疲労破壊しにくくなる。
【0009】
また,本発明の歯欠け歯車は,歯部の第1歯のみが可撓部に設けられていて,第2歯以降は歯車の本体部分に設けてあるので,歯欠け歯車の歯部が駆動歯車と噛み合う際に,歯欠け歯車の第1歯の歯先と駆動歯車の歯先とが突き当たったとき,第1歯の歯先は変位するのに対し,第2歯(第2歯以降)は変位しない。
このため,歯欠け歯車の第1歯の歯先と駆動歯車の歯先とが突き当たると,歯欠け歯車の第1歯の歯先と第2歯(第2歯以降)の歯先との間隔が変動し,第2歯(第2歯以降)の歯先は駆動歯車の歯先に突き当たらなくなる。
したがって,両歯車の回転が停止したり,歯車が破損するという事態が生じなくなる。
【0010】
特に,歯欠け歯車と駆動歯車とを有する動力伝達機構が,歯欠け歯車を駆動歯車と噛み合わせる方向へ付勢する付勢手段を有している場合には,噛み合い開始時に歯欠け歯車自身にも回転力が付与されるため,従来技術では歯欠け歯車の第1歯の歯先と駆動歯車の歯先とが突き当たると,歯欠け歯車の第2歯以降の歯先も駆動歯車の歯先と突き当たることとなりやすいのに対し,本発明によれば,第2歯(第2歯以降)の歯先は駆動歯車の歯先に突き当たらなくなる。また,本発明によれば,歯欠け歯車の回転負荷が小さい場合にも,同様に第2歯(第2歯以降)の歯先は駆動歯車の歯先に突き当たらなくなる。
【0011】
望ましくは,前記可撓部は,当該可撓部が最大に撓んだ場合でも,前記第1歯が前記第2歯の側面に接触しない形状とする。
このように構成すると,歯欠け歯車の第1歯の歯先と駆動歯車の歯先とが突き当たった際の,歯欠け歯車の第1歯の歯先と第2歯(第2歯以降)の歯先との間隔が確実に変動することとなるので,第2歯(第2歯以降)の歯先が駆動歯車の歯先に突き当たるという事態の発生をより確実に防止することができる。
【0012】
また,本発明の動力伝達機構は,駆動歯車と,
この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車と,
この歯欠け歯車と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する係合部と,
この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
前記歯欠け歯車の歯部が前記駆動歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が駆動歯車と噛み合う方向へ付勢する付勢手段と,
前記歯欠け歯車とともに回転するカムと,
このカムと連動するカムフォロアと,を備え,
前記歯欠け歯車が,弾性を有する材料で構成された歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けた歯欠け歯車で構成され,
前記カムの形状は,前記付勢手段の付勢力で歯欠け歯車が回転して当該歯欠け歯車の歯部の第2歯が前記駆動歯車に噛み合うまでは前記カムフォロアと接触しない形状となっていることを特徴とする。
【0013】
このような動力伝達機構によると,前記カムの形状は,前記付勢手段の付勢力で歯欠け歯車が回転して当該歯欠け歯車の歯部の第2歯が前記駆動歯車に噛み合うまでは前記カムフォロアと接触しない形状となっているので,作動手段で作動子を前記係合部から外し,付勢手段で歯欠け歯車を駆動歯車に噛み合わせるべく回転させる際,歯欠け歯車には何らの負荷も作用しない。
したがって,この発明によれば,仮に大荷重が前記カムフォロアにかかっていたとしても,歯欠け歯車を駆動歯車に噛み合わせるための付勢手段に大きな付勢力は要求されず,また,係合部に係脱する作動子を係合部から外す作動手段にも大きな力は要求されないため,これら付勢手段および作動手段を小型化してコストメリットを向上させることができる。
そして,付勢手段で歯欠け歯車を駆動歯車に噛み合わせるべく回転させる際,歯欠け歯車の負荷が小さいと,上述したように,従来技術では歯欠け歯車の第1歯の歯先と駆動歯車の歯先とが突き当たった際に歯欠け歯車の第2歯以降の歯先も駆動歯車の歯先と突き当たることとなりやすいのに対し,本発明によれば,第2歯(第2歯以降)の歯先は駆動歯車の歯先に突き当たらなくなる。
結果として,確実な動力伝達動作がなされることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下,本発明に係る歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は,本発明に係る歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構の一実施の形態を示す図で,(a)は部分拡大図,(b)は作用説明図である。
【0015】
図1に示す動力伝達機構は,駆動歯車10と,この駆動歯車10と噛み合う歯部30および,駆動歯車10と噛み合わない歯欠け部21とを有し,歯部30が駆動歯車10に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車20とを有している。歯欠け歯車20の全体形状は例えば図3に示すとおりである。
【0016】
歯欠け歯車20は,弾性を有する材料(例えば合成樹脂)で構成され,歯部30と歯欠け部21とを有する歯欠け歯車であって,前記歯部30の,当該歯欠け歯車20の回転方向(矢印a方向)における第1歯31と第2歯32とを分離させかつ当該歯欠け歯車20の回転方向上流側に向かうスリット22を設けることで可撓部23を形成し,この可撓部23の外周部で前記歯欠け部21を構成するとともに,該可撓部23の先端部分に前記第1歯31のみを設け,第2歯32以降(第2歯32,第3歯33等)は歯車20の本体部分24に設けてある。
【0017】
スリット22は,2つの部位22a,22bを有している。部位22aは,歯欠け歯車20の回転中心方向に向かって形成されていて第1歯31と第2歯32とを分離させる部位である。部位22bは,部位22aに連なっていて歯欠け歯車20の回転方向上流側に向かって円弧状に形成された部位である。
スリット22によって形成された可撓部23は,図2(b)に実線で示すように当該可撓部23が最大に撓んだ場合でも,第1歯31が前記第2歯32の側面(スリットの前記部位22aをなす側面)32bに接触しない形状となっている。
【0018】
このような歯欠け歯車20ないし動力伝達機構によれば,歯欠け歯車20のスリット22を,歯欠け歯車20の歯部30の,当該歯欠け歯車20の回転方向aにおける第1歯31と第2歯32とを分離させるように設けかつ当該歯欠け歯車20の回転方向上流側に向かって設けることで可撓部23を形成し,この可撓部23の外周部で歯欠け部21を構成するとともに,該可撓部23の先端部分に前記第1歯31のみを設け,第2歯32以降は歯車20の本体部分24に設けてあるので,図1(b)に示すように,歯欠け歯車20の歯部30が駆動歯車10と噛み合って,その噛み合い部に力Fが生じ,歯欠け歯車20の中心方向へ向かう分力F1が生じると,力Fおよびその分力F1は,歯欠け歯車20の回転に伴って,同図に示すように第1歯31から第2歯32以降へと引き継がれる。
第1歯31は可撓部23に設けられているため,第1歯に上記分力F1が作用すると可撓部23は歯欠け歯車20の中心方向へ向かって撓むこととなるが,歯欠け歯車20の回転に伴って図1(b)に示すように上記力Fおよび分力F1が歯車20の本体部分24に設けられている第2歯32以降に引き継がれるため,可撓部23の撓みは小さなものとなる。なお,ここで可撓部23が撓んだ状態は図示していないが後に説明する図2(b)に示す撓み状態よりは遙かに小さなものとなる。
したがって,可撓部23の基部25には大きなストレスは発生せず,結果として,駆動歯車10と従動歯車である歯欠け歯車20とによる間欠運動が繰り返されても,可撓部23の基部25が疲労破壊しにくくなる。
【0019】
また,歯欠け歯車20は,歯部30の第1歯31のみが可撓部23に設けられていて,第2歯32以降は歯車20の本体部分24に設けてあるので,歯欠け歯車20の歯部30が駆動歯車10と噛み合う際に,図2(a)に示すように歯欠け歯車20の第1歯31の歯先31aと駆動歯車10の歯先11とが突き当たったときには,図2(b)に示すように駆動歯車10および歯欠け歯車20の回転に伴って可撓部23が撓んで第1歯31の歯先31aが変位するのに対し,第2歯32(第2歯以降)は変位しない。
【0020】
このため,図2(a)(b)に示すように,歯欠け歯車20の第1歯31の歯先31aと駆動歯車10の歯先11とが突き当たると,歯欠け歯車20の第1歯31の歯先31aと第2歯32(第2歯以降)の歯先32aとの間隔が変動する。図2(b)において,変動前の間隔をL,変動後の間隔をL’で示す。可撓部23が歯欠け歯車20の中心側に向かって撓むことで,L>L’となる。これによって,第2歯32(第2歯以降)の歯先32aは駆動歯車10の歯先11に突き当たらなくなる。
したがって,両歯車10,20の回転が停止したり,歯車10,20が破損するという事態が生じなくなる。
可撓部23は,図2(b)に示すように当該可撓部23が最大に撓んだ場合でも,第1歯31が第2歯32の側面32bに接触しない形状となっているので,歯欠け歯車20の第1歯31の歯先31aと駆動歯車10の歯先11とが突き当たった際の,歯欠け歯車20の第1歯31の歯先31aと第2歯32(第2歯以降)の歯先32aとの間隔が確実に変動する。したがって,第2歯32(第2歯以降)の歯先32aが駆動歯車10の歯先11に突き当たるという事態の発生は確実に防止される。
【0021】
特に,後述するように歯欠け歯車20と駆動歯車10とを有する動力伝達機構が,歯欠け歯車20を駆動歯車10と噛み合わせる方向へ付勢する付勢手段を有している場合には,噛み合い開始時に歯欠け歯車20自身にも回転力が付与されるため,図8(b)に示したように従来技術では歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たると,歯欠け歯車1の第2歯2b以降の歯先も駆動歯車4の歯先と突き当たることとなりやすい(第1歯2aの歯先と第2歯2bの歯先との間隔はLのままである)のに対し,この実施の形態によれば,第2歯32(第2歯以降)の歯先32aは駆動歯車10の歯先11に突き当たらなくなる。また,この実施の形態によれば,後述するように歯欠け歯車20の回転負荷が小さい場合にも,同様に第2歯32(第2歯以降)の歯先32aは駆動歯車10の歯先11に突き当たらなくなる。
【0022】
図3は,本発明に係る動力伝達機構の他の実施の形態を示す図で,(a)は正面図,(b)は背面図,(c)は図(b)の部分拡大図である。
この動力伝達機構は,駆動歯車10と,
この駆動歯車10と噛み合う歯部30および,駆動歯車10と噛み合わない歯欠け部21とを有し,歯部30が駆動歯車10に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車20と,
この歯欠け歯車20と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する係合部25(a,b,c)と,
この係合部25に係脱し,係合部25に係合したとき前記歯欠け歯車20の回転を阻止し,係合部25に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車20の回転を許す作動子40と,
この作動子40を前記係合部25に係脱させる作動手段41と,
前記歯欠け歯車20の歯部30が前記駆動歯車10と噛み合っていないとき,歯欠け歯車20が駆動歯車10と噛み合う方向(矢印a方向)へ付勢する付勢手段50と,
前記歯欠け歯車とともに回転するカム27,28と,
このカム27,28と連動するカムフォロア60と,を備え,
前記歯欠け歯車20が,前述した歯欠け歯車20で構成され,
前記カム27,28の形状は,前記付勢手段50の付勢力で歯欠け歯車20が回転して当該歯欠け歯車20の歯部30の第2歯32が前記駆動歯車10に噛み合うまでは前記カムフォロア60と接触しない形状となっている。
【0023】
歯欠け歯車20は,駆動歯車10と噛み合う複数(この場合3つ)の歯部30(a,b,c)および,この歯部と同数(この場合3つ)の歯欠け部21(a,b,c)とを有し,駆動歯車10からの動力を出力対象であるカムフォロア60に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回(この場合3回)間欠的に伝達する。
駆動歯車10と歯欠け歯車20は,この動力伝達機構のフレーム(図示せず。以下同じ)に回転可能に支持されており,駆動源である図示しないモータ(例えばこの装置が組み込まれる画像形成装置等が備えるモータ)により回転駆動される。
【0024】
歯欠け歯車20は,上記フレームに設けられた軸26に回転可能に支持されている。
歯欠け歯車20は,上記歯部30,歯欠け部21,カム27,28,およびボス部29aとリング部29bが一体成型された合成樹脂製の歯車であり,リング部29bの周面に前記係合部25(a,b,c)が一体的に設けられている。
【0025】
作動子40および作動手段41は,上記フレームに取り付けられたフラッパーソレノイドで構成されている。
作動子40をなすフラッパーの先端は,係合部25(a,b,c)に係脱するフック状に構成され,後端とソレノイド41との間には,作動子40の先端を係合部25との係合方向へ常時付勢しているコイルスプリング42が設けられている。
したがって,ソレノイド41がOFF(通電されない)のとき,作動子40はその先端が歯欠け歯車20のリング部29bの周面に当接して係合部25(a,b,c)と係合し得る状態となり,ソレノイド41がONする(通電される)と,作動子40はソレノイド41に吸引されてその先端が係合部25(a,b,c)から外れることとなる。
【0026】
付勢手段50は,捩りバネで構成され,そのコイル部51が上記フレームのピンFPに装着されている。付勢手段50の一端52はフレームのフック部FFに掛け止めされている。付勢手段50の他端53は,歯欠け歯車20の前記ボス部29aとリング部29bとに跨って一体的に形成された当接部29cに当接可能となっていて,例えば図3(a)に示すように歯欠け歯車20の歯部30(a,b,c)が駆動歯車10と噛み合っていないとき,歯欠け歯車20が駆動歯車10と噛み合う方向(矢印a方向)へ付勢する。
【0027】
カムフォロア60には,スライダやレバー等の移動体61が設けられている。これらカムフォロア60および移動体61は,前記カム27,28に連動して移動する。
移動体61は,例えば,この動力伝達機構が組み込まれる画像形成装置における,中間転写体に接離する二次転写ローラの軸,給紙部のリフト板をアップダウンさせるための軸,画像形成装置がタンデム機である場合に用紙を介して感光体に接離する一次転写ローラの軸,等々を作動させるためのリンクとして構成することができる。
【0028】
以下,上記動力伝達機構の作動について説明する。
図3は待機状態(ホームポジション)を示した図である。
図3に示すように待機状態にあっては,駆動歯車10は歯欠け歯車20の歯欠け部21aに対向しており,歯欠け歯車20の歯部30(a,b,c)のいずれとも噛み合っていない。
付勢手段50は,歯欠け歯車20を矢印aで示す回転方向に付勢している。
しかし,この待機状態にあっては,ソレノイド41がOFF状態であるため,作動子40が歯欠け歯車20の係合部25aに係合していて歯欠け歯車20の回転を阻止している。
したがって,駆動歯車10が回転しても(あるいは回転していても),その動力は,歯欠け歯車20には伝達されない。
【0029】
図4〜図7は以上のような装置の作動を示す図で,それぞれ(a)は正面図,(b)は背面図である。
動力伝達機構は上記待機状態から次のように作動する。
(1)図4に示すように,ソレノイド41がONし,作動子40がソレノイド41に吸引されて係合部25aに対する係合が解除されると,付勢手段50の付勢力により歯欠け歯車20が矢印a方向へ回転する。
歯欠け歯車20が付勢手段50の付勢力で回転する際,カム27(以下内カムとも言う)にはカムフォロア60は接触していない(図3(c)参照)。少なくとも歯欠け歯車20の歯部30(この場合30a)の第2歯32(図1参照)が駆動歯車10に噛み合うまでカムフォロア60は内カム27に接触しない。また,歯欠け歯車20の歯部30の第2歯32が駆動歯車10に噛み合うまではカムフォロア60は外カム28にも接触しない。
【0030】
図5に示すように,付勢手段50の付勢力により歯欠け歯車20が矢印a方向へ回してその歯部30aが駆動歯車10に噛み合うことにより,駆動歯車10の動力が,歯欠け歯車20に伝達されることとなる。
また,歯欠け歯車20の歯部30aが駆動歯車10に噛み合うと,カムフォロア60が外カム28との接触を開始する。
【0031】
図5に示すように,歯欠け歯車20の係合部25aが作動子40の先端を通過した後,次の係合部25bが作動子40の先端に達する前に,ソレノイド41がOFFし,これによって,作動子40の先端がボス部29bの周面に当接して次の係合部25bと係合し得る状態となる。
また,歯欠け歯車20が回転することで,カムフォロア60が外カム28から力を受け,移動体61が移動する。
歯部30aと駆動歯車10との噛み合いが終わり近くになると,当接部29c(図6参照)は付勢手段50に当接し付勢手段50を撓ませる。
【0032】
(2)図6に示すように,歯欠け歯車20の歯欠け部21bが駆動歯車10に対向する状態になる(歯部30aが駆動歯車10に噛み合わなくなる)と,駆動歯車10から歯欠け歯車20への動力は断たれるが,このとき付勢手段50が歯欠け歯車20を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,歯欠け歯車20が矢印a方向に回転し,歯欠け歯車20の係合部25bが作動子40に係合することにより歯欠け歯車20の回転が停止する。
図4に示す状態から図6に示す状態に至る過程で,カムフォロア60は図上右方向へスライドし,それに応じて移動体61も移動する。
【0033】
図6に示す状態から,ソレノイド41が再びONし,作動子40がソレノイド41に吸引されて係合部25bに対する係合が解除されると,付勢手段50の付勢力により歯欠け歯車20が再び矢印a方向に回転し,その歯部30bが駆動歯車10に噛み合う。
したがって,駆動歯車10の動力が,歯欠け歯車20に再び伝達されることとなる。
また,歯欠け歯車20の歯部30bの第2歯が駆動歯車10に噛み合うと,カムフォロア60が外カム28との接触を開始する。なお,歯部30bの第2歯32(図1参照)が駆動歯車10に噛み合うまで,カムフォロア60はカム27,28のいずれとも接触していない(図6(b)参照)。
【0034】
歯欠け歯車20の係合部25bが作動子40の先端を通過した後,次の係合部25cが作動子40の先端に達する前に,ソレノイド41がOFFし,これによって,作動子40の先端がリング部29bの周面に当接して次の係合部25cと係合し得る状態となる。
また,歯欠け歯車20が回転することで,カムフォロア60が外カム28から力を受け,移動体61がさらに移動する。
歯部30bと駆動歯車10との噛み合いが終わり近くになると,当接部29c(図7参照)は付勢手段50に当接し付勢手段50を撓ませる。
【0035】
(3)図7に示すように,歯欠け歯車20の歯欠け部21cが駆動歯車10に対向する状態になる(歯部30bが駆動歯車10に噛み合わなくなる)と,駆動歯車10から歯欠け歯車20への動力は断たれるが,このとき付勢手段50が歯欠け歯車20を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,歯欠け歯車20が矢印a方向に回転し,歯欠け歯車20の係合部25cが作動子40に係合することにより歯欠け歯車20の回転が停止する。
図6に示す状態から図7に示す状態に至る過程で,カムフォロア60はさらに右方へスライドし,それに応じて移動体61もさらに移動する。
【0036】
図7に示す状態から,ソレノイド41が再びONし,作動子40がソレノイド41に吸引されて係合部25cに対する係合が解除されると,付勢手段50の付勢力により歯欠け歯車20が再び矢印a方向に回転し,その歯部30cが駆動歯車10に噛み合う。
したがって,駆動歯車10の動力が,歯欠け歯車20に再び伝達されることとなる。
また,歯欠け歯車20の歯部30cが駆動歯車10に噛み合うと,カムフォロア60が内カム27との接触を開始する。なお,歯部30bの第2歯32(図1参照)が駆動歯車10に噛み合うまで,カムフォロア60はカム27,28のいずれとも接触していない。
【0037】
歯欠け歯車20の係合部25cが作動子40の先端を通過した後,次の係合部25aが作動子40の先端に達する前に,ソレノイド41がOFFし,これによって,作動子40の先端がリング部29bの周面に当接して次の係合部25aと係合し得る状態となる。
また,歯欠け歯車20が回転することで,カムフォロア60が内カム27から力を受けて図7(b)において左方向へスライドする。
【0038】
その後,歯部30cと駆動歯車10との噛み合いが終わり近くになると,カムフォロア60と内カム27との当接も終わり近くになる。
当接部29c(図3参照)は付勢手段50に当接し付勢手段50を撓ませる。
その後,図3に示したように,歯欠け歯車20の歯欠け部21aが駆動歯車10に対向する状態になる(歯部30cが駆動歯車10に噛み合わなくなる)と,駆動歯車10から歯欠け歯車20への動力は断たれるが,このとき付勢手段50が歯欠け歯車20を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,歯欠け歯車20が矢印a方向に回転し,歯欠け歯車20の係合部25aが作動子40に係合することにより歯欠け歯車20の回転が停止する。
これによって,動力伝達機構は初期状態(ホームポジション)に戻ったこととなり,歯欠け歯車20の1回転につきカムフォロア60が1往復して移動体61も1サイクル移動したこととなる。
【0039】
以上のような動力伝達機構によると,カム27,28の形状は,付勢手段50の付勢力で歯欠け歯車20が回転して当該歯欠け歯車20の歯部30の第2歯32が駆動歯車10に噛み合うまではカムフォロア60と接触しない形状となっているので,作動手段41で作動子40を係合部25から外し,付勢手段50で歯欠け歯車20を駆動歯車10に噛み合わせるべく回転させる際,歯欠け歯車20には何らの負荷も作用しない。
したがって,仮に大荷重がカムフォロア60にかかっていたとしても,歯欠け歯車20を駆動歯車10に噛み合わせるための付勢手段50に大きな付勢力は要求されず,また,係合部25に係脱する作動子40を係合部25から外す作動手段41にも大きな力は要求されないため,これら付勢手段50および作動手段40を小型化してコストメリットを向上させることができる。
そして,付勢手段50で歯欠け歯車20を駆動歯車10に噛み合わせるべく回転させる際,歯欠け歯車20の負荷が小さいと,上述したように,従来技術では歯欠け歯車1の第1歯2aの歯先と駆動歯車4の歯先とが突き当たった際に歯欠け歯車1の第2歯2b以降の歯先も駆動歯車4の歯先と突き当たることとなりやすいのに対し,この実施の形態によれば、第2歯32(第2歯以降)の歯先32aは駆動歯車10の歯先11に突き当たらなくなる。
結果として,確実な動力伝達動作がなされることとなる。
【0040】
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る歯欠け歯車およびこの歯欠け歯車を用いた動力伝達機構の一実施の形態を示す図で,(a)は部分拡大図,(b)は作用説明図。
【図2】(a)(b)は作用説明図。
【図3】本発明に係る動力伝達機構の他の実施の形態を示す図で,(a)は正面図,(b)は背面図,(c)は図(b)の部分拡大図。
【図4】(a)(b)は作動説明図。
【図5】(a)(b)は作動説明図。
【図6】(a)(b)は作動説明図。
【図7】(a)(b)は作動説明図。
【図8】(a)(b)は課題の説明図。
【符号の説明】
【0042】
10:駆動歯車,20:歯欠け歯車,21:歯欠け部,22:スリット,23:可撓部,24:本体部分,25:係合部,27,28:カム,30:歯部,31:第1歯,32:第2歯,40:作動子,41:作動手段,50:付勢手段,60:カムフォロア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する材料で構成され,歯部と歯欠け部とを有する歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けたことを特徴とする歯欠け歯車。
【請求項2】
前記可撓部は,当該可撓部が最大に撓んだ場合でも,前記第1歯が前記第2歯の側面に接触しない形状としたことを特徴とする請求項1記載の歯欠け歯車。
【請求項3】
駆動歯車と,この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車とを有し,
前記歯欠け歯車が,弾性を有する材料で構成された歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けた歯欠け歯車で構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
【請求項4】
駆動歯車と,
この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車と,
この歯欠け歯車の歯部が前記駆動歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が駆動歯車と噛み合う方向へ付勢する付勢手段とを備え,
前記歯欠け歯車が,弾性を有する材料で構成された歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けた歯欠け歯車で構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
【請求項5】
駆動歯車と,
この駆動歯車と噛み合う歯部および,駆動歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,歯部が駆動歯車に噛み合うことで従動回転する歯欠け歯車と,
この歯欠け歯車と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する係合部と,
この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
前記歯欠け歯車の歯部が前記駆動歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が駆動歯車と噛み合う方向へ付勢する付勢手段と,
前記歯欠け歯車とともに回転するカムと,
このカムと連動するカムフォロアと,を備え,
前記歯欠け歯車が,弾性を有する材料で構成された歯欠け歯車であって,前記歯部の,当該歯欠け歯車の回転方向における第1歯と第2歯とを分離させかつ当該歯欠け歯車の回転方向上流側に向かうスリットを設けることで可撓部を形成し,この可撓部の外周部で前記歯欠け部を構成するとともに,該可撓部の先端部分に前記第1歯のみを設け,第2歯以降は歯車の本体部分に設けた歯欠け歯車で構成され,
前記カムの形状は,前記付勢手段の付勢力で歯欠け歯車が回転して当該歯欠け歯車の歯部の第2歯が前記駆動歯車に噛み合うまでは前記カムフォロアと接触しない形状となっていることを特徴とする動力伝達機構。
【請求項6】
前記歯欠け歯車における可撓部は,当該可撓部が最大に撓んだ場合でも,前記第1歯が前記第2歯の側面に接触しない形状としたことを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか一項に記載の動力伝達機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−151192(P2008−151192A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337795(P2006−337795)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】