説明

気力輸送用供給管および粉粒体計量装置

【課題】 簡単な構成により、気力輸送管の下流側において、粉粒体を良好に分散し、かつ、粉粒体の閉塞を防止しつつ、粉粒体を確実に気力輸送して良好に供給することができる、気力輸送用供給管を提供すること。
【解決手段】 気力輸送により輸送される原料を供給するための供給口78が下流側端部に形成されている原料供給管33に、空気(2次空気)を取り入れるための空気取入口70を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気力輸送により輸送される粉粒体を供給するための気力輸送用供給管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、医薬品、樹脂、セラミック、金属などの粉体、粒体またはこれらの混合粒状物(以下、「粉粒体」とする。)は、農業分野、医療分野、工業分野などの各種分野において用いられる。
このような粉粒体を輸送する方法として、たとえば、吸引輸送管(気力輸送管)に吸引ブロワを接続して、気力によって粉粒体を輸送する気力輸送が知られている。また、この気力輸送管の上流側端部には、空気を取り入れるための空気取入口が設けられている。
【0003】
このような気力輸送では、吸引ブロワが空気取入口から空気を吸い込むことにより、粉粒体が、空気と混和して分散し、分散した粉粒体が、気力輸送管によって輸送される(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許文献1 特開2002−307438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の粉粒体の気力輸送では、気力輸送管の上流側端部にある空気取入口から空気が取り入れられるので、気力輸送管の上流側においては、粉粒体を良好に気力輸送することができる。しかし、気力輸送管の下流側に向かうに従って、気力が不均一になりやすいため、粉粒体が均一に分散されず、または、粉粒体が詰まり、下流側端部において粉粒体を供給することができない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、簡単な構成により、気力輸送管の下流側において、粉粒体を良好に分散し、かつ、粉粒体の閉塞を防止しつつ、粉粒体を確実に気力輸送して良好に供給することができる、気力輸送用供給管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の気力輸送用供給管は、気力輸送により輸送される粉粒体を供給するための供給口が形成されている気力輸送用供給管であって、空気を取り入れるための空気取入口が形成されていることを特徴としている。
この構成によると、気力輸送用供給管に不均一な気力に起因して分散状態が不良となっている粉粒体が流入されてきても、空気取入口から取り入れられる空気によって、空気取入口の下流側において、粉粒体の分散状態を改善して、粉粒体を確実に気力輸送することができる。そのために、簡単な構成により、粉粒体の閉塞を防止しつつ、粉粒体を良好に供給することができる。
【0007】
また、本発明の気力輸送用供給管は、粉粒体の輸送方向が上方となり、鉛直方向に配置される鉛直管部を備え、前記鉛直管部に前記空気取入口が形成されていることが好適である。
この構成によると、鉛直管部においては、輸送方向とは反対の鉛直方向下向きの重力の負荷が粉粒体にかかるので、鉛直方向上向きに流れる空気が不均一になりやすく、粉粒体の分散状態が不良となって、より一層粉粒体の詰まりが生じやすくなる。
【0008】
しかし、鉛直管部には、空気取入口が形成されており、この空気取入口から空気を取り入れれば、鉛直管部の空気取入口の下流側において、つまり、空気取入口の上方において、取り入れられた空気の気力が粉粒体にかかる重力の負荷を軽減して、粉粒体を輸送するので、粉粒体の分散状態を改善して、粉粒体を良好に供給することができる。
また、本発明の気力輸送用供給管は、空気取入口には、取り入れられる空気の量を調節するための空気量調節手段が設けられていることが好適である。
【0009】
この構成によると、空気取入口が取り入れる空気の量を調節するための空気量調節手段が設けられているので、輸送される粉粒体の量および速度に応じて、適宜、最適な空気取り入れ量を選択でき、効率的な供給を達成することができる。
また、本発明の粉粒体計量装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の気力輸送用供給管と、前記気力輸送用供給管から供給された粉粒体を計量するための計量部とを備えていることを特徴としている。
【0010】
この構成によると、上記した気力輸送用供給管によって、粉粒体を安定して供給することができるので、確実に粉粒体の計量をすることができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、簡易な構成により、粉粒体を良好に分散し、かつ、粉粒体の閉塞を防止しつつ、粉粒体を確実に気力輸送して粉粒体を良好に供給することができる。
請求項2に記載の発明によれば、鉛直管部においても、粉粒体を良好に分散し、かつ、粉粒体の閉塞を防止しつつ、粉粒体を確実に気力輸送して粉粒体を良好に供給することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、輸送される粉粒体の量および速度に応じて、適宜、粉粒体を良好に分散し、かつ、粉粒体の閉塞を防止を図りつつ、確実に気力輸送して粉粒体を良好に供給することができる。
請求項4に記載の発明によれば、粉粒体を安定して供給することができ、確実な粉粒体の計量をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の粉粒体計量装置の一実施形態である原料計量装置の正面図、図2はその要部右側断面図、図3はその要部平断面図、図4は、図1に示す原料切換部の平断面図、図5はその正面図、図6は、図4に示す気力輸送用開閉弁の分解図、図7は、図2に示す原料切換部の要部側断面図、図8は、図7に示す原料供給管に設けられる空気取入部の分解斜視図である。
【0014】
図1において、原料計測装置1は、配管切換装置としての原料切換部3と、計量部2とを備えている。
原料切換部3は、図7に示すように、ケーシング19と、気力輸送管および気力輸送用供給管としての原料供給管33と、気力輸送用開閉弁25とを備えている。
ケーシング19は、図5に示すように、上部が開放され、下方に向かって開口断面積が小さくなる略角錐ボックス形状をなし、図4および図7に示すように、その一方の側壁44の上部には、側方口5が、略円形状に開口して、互いに所定の間隔を隔てて複数(4つ)形成されている。また、図7に示すように、このケーシング19の一方の側壁44と反対側に間隔を隔てて対向配置される他方の側壁45の下部には、略円形状に開口する下方口30が形成され、この下方口30に後述する2次側吸引管35の上流側端部が接続されている。ケーシング19の上部の開放口には、上蓋31が、その開放口を覆うように設けられている。また、上蓋31には、図4および図5に示すように、平面視中央部に上方口46が形成され、上方口46に上方管47(通常、閉鎖されている。)が接続されている。
【0015】
原料供給管33は、図7に示すように、側面視略L字状をなし、原料の輸送方向が上方となるように、鉛直方向に配置される鉛直管部21と、鉛直管部21の下流側(原料の輸送方向下流側、以下、「下流側」および「上流側」は、原料の輸送方向を基準とする。)端部から水平方向に向かって湾曲する湾曲管部32とを一体的に備えている。なお、鉛直管部21には、後で詳述する空気取入部22が設けられている。原料供給管33は、図4に示すように、各側方口5に対応してそれぞれ設けられており、各原料供給管33の湾曲管部32の下流側端部が、各側方口5に接続され、その下流側端部の開放口としての供給口78がケーシング19内に臨むように配置されている。また、各原料供給管33の鉛直管部21の上流側端部が、各フレキシブルホース(図示せず)を介して、各原料タンク(図示せず)に接続されている。なお、原料タンクは、各原料供給管33に対応して、それぞれ設けられており、その目的および用途によって、適宜、異なる種類の粉粒体からなる原料が貯蔵され、たとえば、主材、着色剤(M/B)、粉砕剤、分散剤などが各原料タンクにそれぞれ貯蔵されている。
【0016】
気力輸送用開閉弁25は、図4および図7に示すように、ケーシング19の他方の側壁45の上部において、側方口5に接続された湾曲管部32の供給口78に対して反対方向から対向するように複数(4つ)設けられている。各気力輸送用開閉弁25は、後で詳述するが、ピストン9と弁体6とを備え、ピストン9の進退駆動により、対応する各供給口78に対して、弁体9を当接および離間させることにより、各供給口78を開閉するようにしている。また、各気力輸送用開閉弁25は、対応する各圧空ライン(図示せず)が接続されており、その圧空ラインによって供給される空気圧により、それぞれ進退駆動される。このピストン9の進退により、原料切換部3では、各供給口78のうち、いずれかの各供給口78を開放し、残りの供給口78を閉鎖することによって、供給される原料を選択的に切り換えている。より具体的には、この原料切換部3では、複数の供給口78のうち、供給しようとする原料に対応する供給口78を、それに対応する気力輸送用開閉弁25においてピストン9を退避させて弁体6を供給口78から離間させることにより、その供給口78を開放し、一方、他の残りの供給口78を、それに対応する気力輸送管25においてピストン9を進出させて弁体6を供給口78に当接させることにより、その供給口78を閉鎖することにより、供給しようとする原料のみを、選択的に、その供給しようとする原料に対応する原料供給管33から供給口78を介して、ケーシング19内に供給するようにしている。
【0017】
計量部2は、図2に示すように、計量ホッパー部20と、クッションタンク11と、添加剤供給部37とを備えている。
計量ホッパー部20は、計量ホッパー38と、ロードセル14とを備えている。
計量ホッパー38の上部には、図1および図3に示すように、平面視中央部に2次側吸引口62が形成され、2次側吸引口62に2次側吸引管35の下流側端部が接続され、この2次側吸引管35を介して、ケーシング19の下方口30に接続されている。また、計量ホッパー38の上部には、2次側吸引口62の径方向に間隔を隔てて、1次側吸引口61が形成され、この1次側吸引口61に1次側吸引管59の上流側端部が接続されている。1次側吸引管59の下流側端部には、吸引ブロワ(図示せず)が接続されており、この吸引ブロワは、1次側吸引管59を介して、計量ホッパー38の1次側吸引口61に接続されている。また、計量ホッパー38の下部には、図1に示すように、混合原料排出管64が形成され、後述するクッションタンク11に接続されている。また、混合原料排出管64の下端部には、混合原料排出管64を開閉するためのダンパー63が設けられている。
【0018】
そして、吸引ブロワを駆動すると、図1に示すように、上記したように、原料切換部3において、選択的に供給される原料が、2次側吸引管35を介して計量ホッパー38に気力輸送される。すなわち、吸引ブロワを駆動させると、1次側吸引管59、計量ホッパー38、2次側吸引管35、ケーシング19、気力輸送用開閉弁25により選択された原料供給管33(図2参照)およびフレキシブルホース(図示せず)を介して、選択的に供給される原料を貯蔵する原料タンク(図示せず)の内部が吸引され、これによって、その原料が計量ホッパー38に気力輸送される。なお、計量ホッパー38に原料を輸送した空気は、図1に示すように、計量ホッパー38において原料と分離された後、1次側吸引管59を介して、吸引ブロワから排気される。
【0019】
ロードセル14は、図1に示すように、計量ホッパー38の側方に配置され、計量ホッパー38を支持しつつ、その計量ホッパー38の重量を計量する。この計量ホッパー38に供給される原料の重量は、計量ホッパー38の重量、すなわち、風袋の重量をキャンセルした状態で、このロードセル14によって計量される。
クッションタンク11は、計量ホッパー38の下方に配置され、その上部には混合原料排出管64が接続され、その混合原料排出管64を介して、計量ホッパー38に接続されている。クッションタンク11の下部には、原料輸送出口39が形成されており、原料輸送出口39には、フレキシブルホース48が接続されている。また、クッションタンク11内の下部には、レベル計74が設けられている。そして、クッションタンク11は、計量ホッパー38の混合原料排出管64から落下されてくる原料と、後述する添加剤供給部37から供給される添加剤とを貯蔵する。
【0020】
そして、計量ホッパー部20では、混合原料排出管64のダンパー63を閉鎖した状態で、吸引ブロワを駆動させて、原料切換部3の供給しようとする原料を、2次側吸引管35を介して、計量ホッパー38に気力輸送し、計量ホッパー38において、ロードセル14により原料の重量を計量する。ロードセル14が、予め設定された所定量の原料の重量を計量したときに、原料切換部3において、原料を供給している原料供給管33をそれに対応する気力輸送用開閉弁25が閉鎖して原料の供給を停止する。これによって、ロードセル14により、正確な原料の重量を計量する。次いで、原料切換部3では、新たに供給しようとする原料供給管33を、それに対応する気力輸送用開閉弁25が開放して、その原料の供給をすることにより、原料を切り換える。そして、計量ホッパー部20では、開閉された原料供給管33から選択的に供給される原料を計量する。このような原料の切り換えおよび計量動作を繰り返すことにより、すべての原料をそれぞれ積算して計量する。次いで、ダンパー63を開放して、計量ホッパー38の原料を、クッションタンク11に落下させる。原料の落下が終了すれば、ダンパー63を再び閉鎖する。
【0021】
添加剤供給部37は、図2に示すように、原料に添加する添加剤を供給するための添加剤供給ホッパー40と、添加剤供給ホッパー40の下方に配置され、添加剤を貯蔵する添加剤貯蔵ホッパー41と、ロードセル79とを備えている。
添加剤供給ホッパー40の下部には、添加剤排出管66の上端部が接続されており、その添加剤排出管66の下端部が添加剤貯蔵ホッパー41の上部に接続されている。添加剤排出管66の途中には、添加剤排出管66を開閉するためのダンパー65が設けられている。
【0022】
添加剤貯蔵ホッパー41の下部には、添加剤貯蔵ホッパー41内の原料をクッションタンク11に切り出すためのスクリューフィーダー42が設けられている。このスクリューフィーダー42は、クッションタンク11の上部の側壁に接続されている。
ロードセル79は、添加剤貯蔵ホッパー41の下方に配置され、添加剤貯蔵ホッパー41から供給される原料の重量を減算して計量する。
【0023】
そして、添加剤供給部37では、添加剤貯蔵ホッパー41に貯蔵されている添加剤を、ダンパー65の開閉によって、添加剤貯蔵ホッパー41内に所定量落下させた後、添加剤貯蔵ホッパー41において、スクリューフィーダー42を駆動させることにより、スクリューフィーダー42による原料供給をロードセル79で計量(減料計量)して添加剤をクッションタンク11内へ切り出して供給する。これによって、クッションタンク11には、正確な量の添加剤が供給される。
【0024】
そして、上述したように、正確な量の原料および添加剤が、クッションタンク11に供給された後、原料および添加剤の混合物が、原料輸送出口39から、フレキシブルホース48を介して、たとえば、成形ホッパーなどへ供給される。
次に、図4〜図6を参照して、気力輸送用開閉弁25について詳述する。
図6において、気力輸送用開閉弁25は、当接部材としての弁体6と、連結部75と、進退手段としての進退部76とを備えている。
【0025】
弁体6は、金属材料からなり、シリンダ9の進退方向において、シリンダ9の退避方向(以下、退避方向を「後方」とし、進出方向を「前方」とする。)に向かって断面積が次第に大きくなる略円錐台形状に形成されている。弁体6には、弁体6の後面から前方内部に向かって略円柱形状に凹む弁体凹部50が形成されている。
連結部75は、連結手段としてのクッション7と、ボルト8と、螺着ワッシャ15と、第1ナット16と、第2ナット17とを備えている。
【0026】
クッション7は、ポリウレタンエラストマーなどの弾性材料からなり、クッション7の前後方向を貫通し、後述するボルト8の小径軸部55が挿入される略円柱状の挿入口67と、クッション7の前面から略皿状に凹むクッション凹部52とが形成されている。
ボルト8は、金属材料からなり、前方側の略円柱形状の小径軸部55と、小径軸部55の後方側であって、小径軸部55の直径よりも大きい直径の略円柱形状の大径軸部53とから形成されている。大径軸部53には、大径軸部53の後面から略円柱形状に凹む大径軸凹部54が形成されている。また、小径軸部55の前端部の周面、大径軸部53の全周面、および、大径軸凹部54の内周面には、ネジ山が形成され、それぞれ、後述する螺着ワッシャ15の内周面、後述する第1ナット16の内周面、および、後述するピストン9の前端部の周面に形成されたネジ山と螺合する。
【0027】
螺着ワッシャ15は、金属材料からなり、その内径が小径軸部55の直径に対応するリング形状に形成されている。
第1ナット16は、金属材料からなり、その内径が大径軸部53の直径に対応するリング形状に形成されている。
第2ナット17は、金属材料からなり、その内径が後述するピストン9の直径に対応するリング形状に形成されている。
【0028】
進退部76は、ピストン9と、シリンダ10とを備えている。
ピストン9において、ピストン9の前端部には、ボルト8を螺着させるピストン螺着部68が形成されている。
シリンダ10は、円筒形状をなし、圧空ライン(図示せず)の空気圧の操作によって、ピストン9を進退可能に支持している。
【0029】
次に、この気力輸送用開閉弁25の組み付けについて詳述する。
まず、図6に示すように、クッション7のクッション凹部52に、前方から螺着ワッシャ15を嵌合させ、次いで、クッション7の挿入口67に、ボルト8の小径軸部55を、後方から挿通して、すでにクッション7に嵌合している螺着ワッシャ15に螺着させ、次いで、クッション7に、前方から、弁体6の弁体凹部50を深く嵌合させて埋設させた後、ボルト8の大径軸部53に、第1ナット16を、後方から螺着させる。そして、第1ナット16を締め込むと、クッション7が螺着ワッシャ15と第1ナット16との間で圧縮されて径方向に膨出する。次いで、予め、第2ナット17を後方に深く螺着させたピストン9のピストン螺着部68に、ボルト8の大径軸凹部54を螺着させる。
【0030】
これによって、弁体6と、進退部76とが、連結部75を介して連結される。
このような気力輸送用開閉弁25では、進出時に供給口78に弁体6を当接させれば、弁体6が供給口78を閉鎖することができ、退避時に供給口78から弁体6を離間させれば、弁体6が供給口78を開放することができる。そして、このような開閉動作において、弁体6が供給口78にずれて当接するときには、弁体6が供給口78に当接したときの圧力により、弾性材料からなるクッション7が、弁体6と供給口78との間のすき間を埋めるように弁体6が供給口78に向うように弾性的に変形するため、すき間を閉塞することができ、弁体6によって、供給口78を閉鎖することができる。また、弁体6が金属材料からなるために、長期使用において、弁体6が供給口78に対して当接と離間とを繰り返しても、供給口78および弁体6の摩耗を低減することができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0031】
また、このような気力輸送用開閉弁25では、クッション7が弁体6に埋設されているため、クッション7は、弁体6とクッション7とを確実に連結できる一方、弁体6が供給口78に当接すれば、その弾性により確実にすき間を閉塞して、弁体6によって供給口78を閉鎖することができる。
また、このような気力輸送用開閉弁25では、弁体6が、後方に向かって断面積が次第に大きくなる略円錐台形状に形成されているため、弁体6が供給口78に当接すれば、確実に、弁体6を密着状に供給口78に当接させ、供給口78を閉鎖することができる。
【0032】
また、このような原料切換部2は、上記した気力輸送用開閉弁25が設けられているので、選択的かつ確実に各原料供給管33を開閉することができ、複数の原料を選択的かつ確実に気力輸送することができる。
また、このような原料計量装置1は、開閉された原料供給管33から選択的に供給される原料を計量するため、複数の原料を選択的かつ確実に計量することができる。
【0033】
次に、図7および図8を参照して、空気取入部22について、詳述する。
空気取入部22は、図7に示すように、鉛直管部21の上流側端部、すなわち、鉛直管部21の下端部に配置されている。この空気取入部22では、図8に示すように、鉛直管部21に空気を取り入れるための空気取入口70が形成され、メッシュフィルター23と、取り入れられる空気の量を調節するための空気量調節手段としての空気量調節器24とが設けられている。
【0034】
空気取入口70は、正面視略円形状をなし、その直径は、鉛直管部21の直径の0.65〜0.95倍であって、より具体的には、25〜36mmである。
メッシュフィルター23は、原料供給管33に、空気取入口70を覆うようにボルトなどによって固定されている。このメッシュフィルター23は、正面視略矩形状のメッシュであって、原料供給管33内を気力輸送される原料が、空気取入口70から流出しないように、その目開きが0.25〜1.41mmとされている。
【0035】
空気量調節器24は、金属材料からなる馬蹄形状をなし、鉛直管部21において空気取入口70を閉鎖可能に配置されている。空気量調節器24は、鉛直管部21に対して圧接するように、その直径が鉛直管部21の直径よりもやや小さい断面円弧形状を有し、原料供給管33における空気取入口70が形成されている部分に空気取入口70を覆うようにして、かつ、周方向において、回転自在に取り付けられている。また、空気量調節器24には、円弧の周方向両端部の間に、長く切り抜かれた開放部72が形成されている。開放部72は、空気取入口70と開放部72とが重なるように、空気量調節器24を回転させた時に、空気取入口70が全開されるように、その周方向の長さが設定されている。
【0036】
そして、この空気取入部22では、空気量調節器24と空気取入口70とが重なるように、空気量調節器24を原料供給管33に対して周方向に回転させた時には、空気が空気取入口70から原料供給管33内に取り込まれず、開放部72と空気取入口70とが重なるように、空気量調節器24を原料供給管33に対して周方向に回転させた時(全開状態)に、空気(2次空気)が、空気取入口70から原料供給管33内に取り込まれる。また、原料供給管33内への空気取込量は、空気量調節器24を周方向に回転させて、空気取入口70の開度を調節することにより、調節することができる。
【0037】
そして、各原料タンクからの原料の気力輸送では、吸引ブロワ(図示せず)を駆動して、原料タンクに接続されたフレキシブルホースの上流側端部に形成された空気取入口から空気(1次空気)が取り入れられ、原料タンクに貯蔵される原料がその空気によって気力輸送される。一方、気力は、フレキシブルホースの下流側端部に向かうに従って不均一になりやすく、そのため、原料が均一に分散されにくくなる。そのため、原料供給管33に至って、詰まりやすくなる。
【0038】
しかし、この原料供給管33では、フレキシブルホースから原料供給管33に、不均一な気力に起因して分散状態が不良となっている原料が流入されてきても、原料供給管33に形成されている空気取入口70から新たに取り入れられる空気(2次空気)の気力によって、空気取入口70の下流側において、原料の分散状態を改善して、原料を確実に気力輸送することができる。そのために、簡単な構成により、原料の閉塞を防止しつつ、原料を供給口78から良好に供給することができる。
【0039】
とりわけ、この原料供給管33では、鉛直管部21において、上方に向かう輸送方向とは反対の鉛直方向下向きの重力の負荷が原料にかかるので、鉛直方向上向きに流れる空気が不均一になりやすく、原料の分散状態が不良となって、より一層原料の詰まりが生じやすくなるが、鉛直管部21の下端部に形成されている空気取入口70から空気を取り入れることにより、空気取入口70の下流側、つまり、上方において、取り入れられた空気の気力が原料にかかる重力の負荷を軽減して、原料を輸送するので、原料の分散状態を改善して、原料を供給口78から良好に供給することができる。
【0040】
また、この原料供給管33では、空気取入口70が取り入れる空気の量を調節するための空気量調節器24が設けられているので、気力輸送される原料の量および速度に応じて、適宜、最適な空気取り入れ量を選択でき、効率的な供給を達成することができる。
また、この粉粒体計量装置1は、原料供給管33と、原料供給管33から供給された原料を計量するための計量部2とを備えているため、原料供給管33によって、原料を安定して供給し、計量部2に供給することができるので、計量部2において確実に原料の計量をすることができる。
【0041】
なお、上記の説明では、弁体6は、略円錐台形状に形成されているが、上記に限定されず、略円錐形状であってもよい。
また、上記の説明では、空気取入口70は、鉛直管部21の上流側端部に形成されていると説明したが、上記に限られず、鉛直管部21に形成されれば、特に限定されず、さらに、湾曲管部32に形成されていてもよい。
【0042】
また、空気取入口70は、図7に示すように、1つ配置されているが、その個数は特に限定されず、複数個配置されていてもよい。
さらに、原料は、たとえば、食品、医薬品、樹脂、セラミック、金属などの粉体、粒体またはこれらの混合粒状物などの粉粒体であって、その種類は、特に限定されない。
なお、図示しない1次空気を取り入れる空気取入口と2次空気を取り入れる空気取入口70との間が1m以上、好ましくは2〜5mであって、2次空気を取り入れる空気取入口70と供給口78との間が500mm以内である場合に、特に上記した効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の粉粒体計量装置の一実施形態である原料計量装置の正面図である。
【図2】図2は、図1に示す原料計量装置の要部右側断面図である。
【図3】図3は、図1に示す原料計量装置の要部平断面図である。
【図4】図4は、図1に示す原料切換部の平断面図である。
【図5】図5は、図1に示す原料切換部の正面図である。
【図6】図6は、図4に示す気力輸送用開閉弁の分解図である。
【図7】図7は、図2に示す原料切換部の要部側断面図である。
【図8】図8は、図7に示す原料供給管に設けられる空気取入部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 原料計量装置
2 計量部
21 鉛直管部
22 空気取入部
24 空気量調節器
33 原料供給管
70 空気取入口
78 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気力輸送により輸送される粉粒体を供給するための供給口が形成されている気力輸送用供給管であって、
空気を取り入れるための空気取入口が形成されていることを特徴とする、気力輸送用供給管。
【請求項2】
粉粒体の輸送方向が上方となり、鉛直方向に配置される鉛直管部を備え、
前記鉛直管部に前記空気取入口が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の気力輸送用供給管。
【請求項3】
前記空気取入口には、取り入れられる空気の量を調節するための空気量調節手段が設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の気力輸送用供給管。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の気力輸送用供給管と、
前記気力輸送用供給管から供給された粉粒体を計量するための計量部と
を備えていることを特徴とする、粉粒体計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−111402(P2006−111402A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300603(P2004−300603)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】