説明

水処理装置および水処理方法

【課題】加圧浮上装置の性能を格段に引き上げることが可能となると共に次工程処理装置の性能をも向上させることができる水処理装置および水処理方法を提供する。
【解決手段】この水処理装置では、マイクロナノバブル発生機54から凝集付着槽4にマイクロナノバブルを供給することによって、凝集付着槽4において形成される凝集フロックにマイクロナノバブルを付着させる。さらに、加圧タンク16から加圧浮上槽9の下部混合部10に供給する微細気泡も上記凝集フロックに付着させる。よって、加圧浮上槽9では、マイクロナノバブルと微細気泡の両方でもって上記凝集フロックを短時間で浮上分離することができる。また、マイクロナノバブル発生槽31に界面活性剤タンク18から界面活性剤を添加することで、このマイクロナノバブル発生槽31において、多量でサイズの小さいマイクロナノバブルやナノバブルを含有した2次処理水を作製できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水処理装置および水処理方法に関し、マイクロナノバブルを効率的に多量に発生させて、微細気泡を利用する加圧浮上装置と組み合わせて利用することにより、被処理水中の懸濁物質の除去がほぼ完全となる水処理装置および水処理方法に関し、一例として、多量に発生した処理水(2次処理水)をさらに次工程の水処理装置に活用して、次工程の水処理装置の性能を向上することができる水処理方法および水処理装置に関する。より具体的な一例としては、特に、次工程の生物処理装置としての曝気槽や接触酸化槽での微生物を活性化したり、物理処理装置としての活性炭吸着塔での活性炭の吸着能力を向上させる等の顕著な効果が期待できる水処理装置および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水処理装置における加圧浮上槽に導入する前段の被処理水にマイクロナノバブルを含有させて、加圧浮上槽の性能を向上させる水処理方法は存在していた。すなわち、一般的な加圧浮上槽においては、発生させた微細気泡を被処理水中の懸濁物質に付着させて、水面にその懸濁物質を浮上させて、被処理水と分離していたが、超微細な懸濁物質に対しては、新たなマイクロナノバブル発生装置でマイクロナノバブルを発生させて利用する水処理方法が有効であった。
【0003】
これに対して、マイクロナノバブルを利用しない加圧浮上槽では、超微細な懸濁物質に対しては加圧浮上槽での除去が困難な状況であった。
【0004】
ところで、従来技術としてのマイクロナノバブルの利用方法および装置として、特許文献1(特開2008−36518号公報)に記載された水処理方法および水処理装置がある。この技術は、マイクロナノバブルを被処理水と混合して加圧浮上槽に導入して、被処理水中の懸濁物質と超微細な懸濁物質の両方を加圧浮上槽で浮上分離する内容である。したがって、この特許文献1では、一般的な加圧浮上槽と異なり、加圧浮上槽の前段で被処理水とマイクロナノバブルを混合することで、超微細な懸濁物質をも加圧浮上槽で浮上分離できる利点を開示している。
【0005】
また、特許文献2(特開2004−121962号公報)には、従来技術としてのナノバブルの利用方法および装置が開示されている。この技術は、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用したものである。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0006】
また、特許文献3(特開2003−334548号公報)には、従来技術としてのナノ気泡の生成方法が開示されている。この技術は、液体中において、(1)液体の一部を分解ガス化する工程、(2)液体中で超音波を印加する工程または、(3)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されていることを開示している。
【0007】
また、特許文献4(特開2004−321959号公報)では、従来技術としてのオゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置が開示されている。この技術では、マイクロバブル発生装置にオゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気することを開示している。
【0008】
ところで、水処理装置が備える加圧浮上装置のさらなる高性能化が望まれる。また、被処理水中の超微細な懸濁物質を除去できると同時に、加圧浮上装置を出た処理水としての2次処理水が多量のマイクロバブルや多量のナノバブルを含有して、次工程での処理装置の性能を向上できるような水処理装置が望まれる。この次工程の処理装置として具体的には、生物処理装置、物理処理装置、化学処理装置等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−36518号公報
【特許文献2】特開2004−121962号公報
【特許文献3】特開2003−334548号公報
【特許文献4】特開2004−321959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、この発明の課題は、加圧浮上装置の性能を格段に引き上げることが可能となると共に次工程処理装置の性能をも向上させることができる水処理装置および水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明の水処理装置は、被処理水が導入される原水槽と、
上記原水槽から被処理水が導入される凝集槽と、
上記凝集槽に凝集剤を添加する凝集剤タンクと、
上記凝集槽からの被処理水が下部に導入される加圧浮上槽と、
上記加圧浮上槽の下部に微細気泡を供給する微細気泡供給部と、
上記加圧浮上槽から被処理水が導入されるマイクロナノバブル発生槽と、
上記マイクロナノバブル発生槽に第1のマイクロナノバブルを供給すると共に上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第1のマイクロナノバブルに比べてサイズが大きいが上記微細気泡供給部が供給する微細気泡に比べてサイズが小さな第2のマイクロナノバブルを供給するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加する界面活性剤タンクとを備えたことを特徴としている。
【0012】
この発明の水処理装置によれば、マイクロナノバブル発生機から上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部にマイクロナノバブルを供給することによって、凝集槽において形成される凝集フロックにマイクロナノバブルを付着させる。さらに、加圧浮上槽の下部に供給される微細気泡も上記凝集フロックに付着させる。よって、加圧浮上槽では、マイクロナノバブルと上記微細気泡の両方でもって上記凝集フロックを短時間で浮上分離することができる。
【0013】
また、上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤タンクから界面活性剤を添加することで、このマイクロナノバブル発生槽において、多量でサイズの小さいマイクロナノバブルやナノバブルを作製できる。
【0014】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、
上記マイクロナノバブル発生槽からの被処理水を吸い込んで上記被処理水にマイクロナノバブルを発生させると共に気体せん断部が付属した渦流ポンプと、
上記渦流ポンプからの被処理水が導入されてこの被処理水を加圧する加圧タンクと、
上記加圧タンクからの被処理水が導入されて上記第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水を上記マイクロナノバブル発生槽に供給すると共に上記第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水を上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に供給する余剰エアータンクとを有する。
【0015】
この実施形態の水処理装置によれば、上記気体せん断部が付属した渦流ポンプと加圧タンクと余剰エアータンクとで構成したマイクロナノバブル発生機により、上記余剰エアータンクから、第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水と上記第1のマイクロナノバブルよりもサイズが小さい第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水とが得られる。
【0016】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、上記余剰エアータンク内の余剰マイクロナノバブルを第2のマイクロナノバブルとして上記凝集槽に設置したマイクロナノバブル水吐出管から吐出させる。
【0017】
この実施形態の水処理装置によれば、上記マイクロナノバブル発生機の余剰エアータンク内の余剰マイクロナノバブルにより第2のマイクロナノバブルが効率よく得られると共に、凝集槽にマイクロナノバブルを吐出させ、凝集剤により形成される凝集フロックにマイクロナノバブルを付着させてから、加圧浮上槽へ導入する。よって、加圧浮上槽では、凝集フロックを短時間で浮上分離させることができる。
【0018】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置を備えた。
【0019】
この実施形態によれば、上記生物処理装置では、上記マイクロナノバブル含有処理水が導入されたことで微生物が活性化して処理能力を向上できる。
【0020】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される物理処理装置を備えた。
【0021】
この実施形態によれば、上記マイクロナノバブル含有処理水が導入されたことで、上記物理処理装置における物理的な処理能力が向上する。例えば、活性炭吸着について言えば、活性炭の吸着能力が向上し、また活性炭破過までの時間が延長されることが数多くの処理実験で確認された。
【0022】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される化学処理装置を備えた。
【0023】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルを含有する処理水を化学処理装置に導入するので、化学処理装置の性能を高めることができる。例えば、中和反応等の化学処理装置に導入すると、この化学処理装置における化学的な処理能力を向上できる。
【0024】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置と、
上記生物処理装置からの処理水が導入される精密ろ過装置とを備えた。
【0025】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルを含有する処理水を生物処理装置、続いて精密ろ過装置に導入するので、生物処理装置および精密ろ過装置の性能を高めることができる。すなわち、生物処理装置においては、微生物の活性化による性能向上を図れ、精密ろ過装置においては、精密ろ過膜の閉塞を防止して、精密ろ過装置の性能を向上し維持できる。その結果得られた処理水は、水質が向上しているので、再利用することができる。
【0026】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置と、
上記生物処理装置からの処理水が導入される精密ろ過装置と、
上記精密ろ過装置からの処理水が導入される逆浸透膜装置とを備え、
上記逆浸透膜装置から得られた処理水を超純水製造装置の原水として再利用する。
【0027】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルを含有する処理水を生物処理装置、続いて精密ろ過装置、逆浸透膜装置に順に導入するので、生物処理装置、精密ろ過装置および逆浸透膜装置の性能を高めることができる。すなわち、生物処理装置においては、微生物の活性化による性能向上であり、精密ろ過装置においては、精密ろ過膜の閉塞を防止して、精密ろ過装置の性能を向上維持できる。また、逆浸透膜装置においても、逆浸透膜の閉塞を防止して、逆浸透膜装置の性能を向上維持できる。その結果得られた処理水は、水質が向上しているので、超純水製造装置の原水として再利用することができる。
【0028】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される曝気槽と、上記曝気槽からの処理水が導入される沈殿槽とを備えた。
【0029】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルを含有する処理水を曝気槽、続いて沈殿槽に導入するので、曝気槽での微生物の活性化による処理水質の向上、および、沈殿槽での微生物の沈降性の改善による処理能力の向上を実現できる。すなわち、処理の主体が微生物である曝気槽と沈殿槽による微生物処理を安定化できる。
【0030】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される接触酸化槽と、上記接触酸化槽からの処理水が導入される沈殿槽とを備えた。
【0031】
この実施形態によれば、マイクロナノバブルを含有する処理水を接触酸化槽、続いて沈殿槽に導入するので、接触酸化槽での微生物の活性化による処理水質の向上、沈殿槽での微生物の沈降性の改善による処理能力の向上を実現できる。すなわち、処理の主体が微生物である接触酸化槽と沈殿槽による微生物処理を安定化できる。
【0032】
また、一実施形態の水処理装置では、上記マイクロナノバブル発生機は、
上記余剰エアータンクから上記マイクロナノバブル発生槽内へ延びたマイクロナノバブル配管と、
上記マイクロナノバブル配管の先端部に取り付けられた気体せん断ノズルと、
上記渦流ポンプに付属した気体せん断部からのマイクロナノバブル含有被処理水を上記加圧タンクと余剰エアータンクをバイパスして上記気体せん断ノズルへ導くバイパス配管とを有する。
【0033】
この実施形態によれば、上記マイクロナノバブル配管の先端部に気体せん断ノズルを設置しているので、余剰エアータンクで作製された微小な第1マイクロナノバブルを、上記気体せん断ノズルで、さらにサイズの小さいマイクロバブルとナノバブルにすることができる。相対的に言えば、ナノバブルの作製量が増加することになる。また、上記渦流ポンプの気体せん断部から上記気体せん断ノズルへのバイパス配管を設けたことで、気体せん断ノズルが必要とする圧力を渦流ポンプからの吐出圧で確保することができる。
【0034】
また、一実施形態の水処理装置では、上記気体せん断ノズルに接続されていると共に上記気体せん断ノズルからのマイクロナノバブル含有被処理水が導入されるもう1つの気体せん断ノズルを有する。
【0035】
この実施形態によれば、上記マイクロナノバブル配管の先端部に2つの気体せん断ノズルを直列に設置しているので、余剰エアータンクで作製された微小な第1マイクロナノバブルを、2個の気体せん断ノズルによる2段階で、さらにサイズの小さいマイクロバブルとナノバブルにすることができる。つまり、相対的に言えば、ナノバブルの作製量が増加することになる。また、上記渦流ポンプの気体せん断部から上記2段階の気体せん断ノズルへのバイパス配管を設けたことで、気体せん断ノズルが必要とする圧力を渦流ポンプからの吐出圧で確保することができる。
【0036】
また、一実施形態の水処理装置では、上記凝集槽を前段の凝集槽とし、この前段の凝集槽からの被処理水が導入される後段の凝集槽を備え、この後段の凝集槽から上記加圧浮上槽の下部に被処理水が導入され、
さらに、上記前段の凝集槽に無機凝集剤を添加する無機凝集剤タンクと、上記後段の凝集槽に高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤タンクとを備えた。
【0037】
この実施形態によれば、前段と後段との2槽の凝集槽を備えているので、凝集フロックの形成がより確実にできると同時に、かつ前段の凝集槽に無機凝集剤が添加され、後段の槽に高分子凝集剤が添加されることで、理想的な凝集フロックを作製できる。
【0038】
また、一実施形態の水処理方法では、被処理水を原水槽から凝集槽に導入し、
上記凝集槽に凝集剤を添加し、
上記凝集槽から加圧浮上槽の下部に被処理水を導入し、
上記加圧浮上槽の下部に微細気泡供給部から微細気泡を導入し、
上記加圧浮上槽からマイクロナノバブル発生槽に被処理水を導入し、
マイクロナノバブル発生機から上記マイクロナノバブル発生槽に第1のマイクロナノバブルを供給すると共に上記マイクロナノバブル発生機から上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第1のマイクロナノバブルに比べてサイズが大きいが上記微細気泡供給部が供給する微細気泡に比べてサイズが小さな第2のマイクロナノバブルを供給し、上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加する。
【0039】
この実施形態の水処理方法によれば、上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部にマイクロナノバブルを供給し、上記加圧浮上槽の下部に微細気泡を供給する。よって、凝集剤により形成される凝集フロックにマイクロナノバブルと微細気泡が付着し、上記凝集フロックを短時間で浮上分離させることができる。また、上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加するので、多量でサイズの小さいマイクロナノバブルやナノバブルを作製できる。
【0040】
また、一実施形態の水処理方法では、上記マイクロナノバブル発生機は、
気体せん断部が付属した渦流ポンプで上記マイクロナノバブル発生槽からの被処理水を吸い込んで上記被処理水にマイクロナノバブルを発生させ、
上記渦流ポンプからのマイクロナノバブルを含有した被処理水を加圧タンクで加圧し、
上記加圧タンクからのマイクロナノバブル含有被処理水を余剰エアータンクに供給し、この余剰エアータンクから上記マイクロナノバブル発生槽に上記第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水を供給し、上記余剰エアータンクから上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水を供給する。
【0041】
この実施形態の水処理方法によれば、上記マイクロナノバブル発生機の余剰エアータンクから、第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水と上記第1のマイクロナノバブルよりもサイズが小さい第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水とが得られる。
【0042】
また、一実施形態の水処理方法では、上記界面活性剤が非イオン系界面活性剤である。
【0043】
この実施形態の水処理方法によれば、界面活性剤が非イオン系界面活性剤であるので、分解し易い、つまり、短時間で微生物分解可能な界面活性剤である。短時間で微生物分解可能な界面活性剤といっても、種類や濃度によって数時間以内で分解可能な界面活性剤もあれば、数日間を要する界面活性剤も存在する。一般に微生物分解しにくい界面活性剤としては、数ヶ月以上分解に必要な界面活性剤も存在している。本発明の一実施形態では、一例として特に1,2時間で完全に微生物分解する界面活性剤を選定している。よって、加圧浮上装置においては、すなわち、マイクロナノバブルを発生した時点では、非イオン系界面活性剤として存在しているが、加圧浮上装置を出て次工程に導入された時点では、分解される。よって、処理水の水質に影響がなく好都合である。
【0044】
また、一実施形態の水処理方法では、上記界面活性剤がアルコール系界面活性剤である。
【0045】
この実施形態の水処理方法によれば、界面活性剤がアルコール系界面活性剤であるので、分解し易い、つまり、短時間で微生物分解可能な界面活性剤である。よって、加圧浮上装置においては、すなわち、マイクロナノバブルを発生した時点では、アルコール系界面活性剤として存在しているが、加圧浮上装置を出て次工程に導入された時点では、分解される。よって、処理水の水質に影響がなく好都合である。
【発明の効果】
【0046】
この発明の水処理装置によれば、凝集槽または加圧浮上槽の下部にマイクロナノバブルを供給すると共に加圧浮上槽の下部に微細気泡を供給するので、凝集剤により形成される凝集フロックにマイクロナノバブルと微細気泡とを付着させて、上記凝集フロックを短時間で浮上分離させることができる。また、マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加するので、多量でサイズの小さいマイクロナノバブルやナノバブルを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の水処理装置の第1実施形態を模式的に示す図である。
【図2】この発明の水処理装置の第2実施形態を模式的に示す図である。
【図3】この発明の水処理装置の第3実施形態を模式的に示す図である。
【図4】この発明の水処理装置の第4実施形態を模式的に示す図である。
【図5】この発明の水処理装置の第5実施形態を模式的に示す図である。
【図6】この発明の水処理装置の第6実施形態を模式的に示す図である。
【図7】この発明の水処理装置の第7実施形態を模式的に示す図である。
【図8】この発明の水処理装置の第8実施形態を模式的に示す図である。
【図9】この発明の水処理装置の第9実施形態を模式的に示す図である。
【図10】この発明の水処理装置の第10実施形態を模式的に示す図である。
【図11】この発明の水処理装置の第11実施形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0049】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明に係る水処理装置の第1実施形態を模式的に示す図である。 図1において、符号1は、原水槽であり、処理するべき被処理水としての排水等の流入水が導入される。上記排水以外の流入水としては、河川水、工業用水、水道水、地下水、工場における再利用水等が該当する。
【0050】
この第1実施形態の水処理装置は、大きくは、原水槽1、凝集付着槽4、加圧浮上槽9、マイクロナノバブル発生槽31、凝集剤タンク8、界面活性剤タンク18およびマイクロナノバブル発生機54等から構成されていて、加圧浮上装置53をなしている。
【0051】
図1において、符号2は、原水槽ポンプ2であり、被処理水としての工場からの排水が原水槽ポンプ2により吐出配管3を通して、凝集付着槽4に導入される。この凝集付着槽4には、凝集剤タンク8からの凝集剤としてのポリ塩化アルミニウムが凝集剤定量ポンプ7により、凝集剤水配管6を通って添加される。また、凝集付着槽4には、第1撹拌機5が設置され、被処理水と凝集剤との反応を撹拌により促進する。
【0052】
一方、凝集付着槽4の下部には、粗大マイクロナノバブル水吐出管49が設置され、この粗大マイクロナノバブル水吐出管49の小孔から粗大マイクロナノバブルが吐出し、粗大マイクロナノバブル流50をなす。この粗大マイクロナノバブルは、被処理水と凝集剤との反応により形成された凝集フロックに付着して凝集付着槽4の上部に浮上し、オーバーフロー配管51を経由して、加圧浮上槽9の下部に導入される。
【0053】
ここで、上記オーバーフロー配管51を経由して加圧浮上槽9の下部に導入される被処理水の凝集フロックは、マイクロナノバブルが付着し、浮上性が大幅に改善している。さらに、加圧浮上槽9の下部混合部10において、加圧タンクポンプ15,加圧タンク16,コンプレッサー17によって、作製された微細気泡と上記マイクロナノバブルが付着した凝集フロックが混合,撹拌されて、被処理水中の殆ど全ての懸濁物質を浮上させることができる。よって、加圧浮上槽9での性能が大幅に向上する。なお、上記微細気泡は、マイクロナノバブルと比較してサイズが大きな気泡であり、具体的一例としては、500μm〜5000μm程度の気泡径である。
【0054】
そして、浮上した大部分の懸濁物質は、かき寄せ機13によって、掻き寄せられ、浮上汚泥抜き出し部11より排出される。符号12は、上記浮上汚泥を掻き寄せるための、掻き寄せ板12であり、材質としては、鋼板製、プラスチック製、または木製がある。
【0055】
また、加圧浮上槽9の外部に設置してある加圧タンクポンプ15で、加圧浮上槽9から加圧タンク16に被処理水を送り、かつコンプレッサー17で、空気を圧縮して加圧タンク16に送り、下部混合部10に減圧放出している。これにより、マイクロナノバブルとサイズが比較的大きい微細空気が混合部10に発生している。上記加圧タンク16,加圧タンクポンプ15,コンプレッサー17が微細気泡供給部を構成している。
【0056】
どちらにしても、加圧浮上槽9の下部混合部10において、(1)加圧タンク16からの微細気泡と、(2)原水槽ポンプ2から凝集付着槽4を経由して、超微細気泡としてのマイクロナノバブルが付着した凝集フロックを吐出させる。これによって、凝集フロックの浮上性を高めると同時に超微細な懸濁物質をも浮上させて、被処理水中の懸濁物質の大部分を除去可能となる。その結果、被処理水中の懸濁物質の除去率が向上する。
【0057】
次に、加圧浮上槽9から出た1次処理水は、マイクロナノバブル発生槽31に流入する。このマイクロナノバブル発生槽31には、水槽内部に第2撹拌機32が設置され、外部にマイクロナノバブル発生機54が設置されている。また、マイクロナノバブル発生槽31には、界面活性剤タンク18から界面活性剤としてのアルコール系界面活性剤である株式会社アークフラッシュ本部のU−クリーンが投入されている。なお、この第1実施形態では、アルコール系界面活性剤である株式会社アークフラッシュ本部のU−クリーンを採用したが、分解性が良い界面活性剤ならば特に限定しない。
【0058】
上記界面活性剤タンク18に投入された界面活性剤としてのアルコール系界面活性剤は、界面活性剤定量ポンプ19により、界面活性剤水配管20を通って、マイクロナノバブル発生槽31に添加され、第2撹拌機32によって撹拌されて1次処理水としての被処理水に溶解する。
【0059】
また、マイクロナノバブル発生槽31の外部には、マイクロナノバブル発生機54が設置されているが、このマイクロナノバブル発生機54は、第2加圧タンク24、余剰エアータンク23、そして第1気体せん断部28が付加した渦流ポンプ29から構成されている。そして、界面活性剤を含む1次処理水が、吸い込み配管30を経由して気体せん断部28が付加した渦流ポンプ29に流入し、液体としての1次処理水と気体としての空気が渦流ポンプ29のインペラが高速回転することにより、気液混合,せん断される。
【0060】
ここで、マイクロナノバブル発生機54を構成する渦流ポンプ29と気体せん断部28におけるマイクロナノバブル発生のメカニズムを説明する。
【0061】
マイクロナノバブル発生機54における渦流ポンプ29と第1気体せん断部28において、マイクロナノバブルを発生させるために、液体および気体の混相旋回流を発生させ、回転中心部に高速旋回させる気体空洞部を形成させる。次に、この空洞部を圧力で竜巻状に細くして、より高速で旋回する回転せん断流を発生させる。この空洞部に気体としての空気を、マイナス圧(負圧)を利用して、自動的に供給させる。さらに、切断,粉砕しながら混相流を回転させる。この切断,粉砕は、装置出口付近における内外の気液二相流体の旋回速度差により起きる。その時の回転速度は、500〜600回転/秒である。
【0062】
すなわち、マイクロナノバブル発生機54の渦流ポンプ29において、流体力学的に圧力を制御することで、負圧形成部分から気体を吸入し、渦流ポンプ(高揚程ポンプ)29で高速流体運動させて、負圧部を形成し、マイクロナノバブルやナノバブルを発生させる。より解り易く簡単に説明すると、渦流ポンプ29である高揚程ポンプで水と空気を効果的に自給,混合,溶解し、圧送することにより、マイクロナノバブルやナノバブルを製造することができるのである。
【0063】
以上が、マイクロナノバブル発生機54における気体せん断部28が付加した渦流ポンプのマイクロナノバブル発生のメカニズムである。
【0064】
上記マイクロナノバブル発生槽31への界面活性剤の添加は、マイクロナノバブルの発生量を増大させる効果がある。そして、渦流ポンプ29で発生したマイクロナノバブル水は、次に吐出水配管36を経由して、第2加圧タンク24に導入される。この第2加圧タンク24の目的は、発生したマイクロナノバブルの1次処理水への加圧溶解である。したがって、この第2加圧タンク24を経由することで、マイクロナノバブルが1次処理水に溶解して溶存酸素濃度が上昇する。第2加圧タンク24を出た被処理水は、水配管56を経由して、余剰エアータンク23に導入される。
【0065】
この余剰エアータンク23の目的は、タンク内で第1のマイクロナノバブルとしての微小マイクロナノバブルを作製するために、余剰エアーである第2のマイクロナノバブルとしての粗大マイクロナノバブルを余剰エアータンク23の上部から排出し、溶解効率の良い微小マイクロナノバブルを作成することである。この粗大マイクロナノバブルとは、上記微小マイクロナノバブルよりもサイズが大きくて、マイクロナノバブルのうちで比較的サイズの大きなマイクロナノバブルを意味し、微小マイクロナノバブルとはマイクロナノバブルのうちで比較的サイズが小さなマイクロナノバブルを意味している。
【0066】
より具体的に粗大マイクロナノバブルと微小マイクロナノバブルの作製方法を記載すると、余剰エアータンク23の上部に比重により移動するのが、粗大マイクロナノバブル水である。一方、微小マイクロナノバブル水は、比重が1に近いので、余剰エアータンク23の下部に滞留する。その結果、余剰エアータンク23の上部に接続している粗大マイクロナノバブル水配管21から粗大マイクロナノバブル水が流出し、また、余剰エアータンク23の下部に接続している微小マイクロナノバブル水配管27から微小マイクロナノバブル水が流出する。
【0067】
なお、余剰エアーである粗大マイクロナノバブルといっても、マイクロナノバブルの1種であるから、粗大マイクロナノバブル水配管21を経由して、上記凝集付着槽4内部の粗大マイクロナノバブル水吐出管49から吐出させて、凝集フロックに粗大マイクロナノバブルを付着させて利用している。
【0068】
一方、余剰エアータンク23には、圧力計52が設置されているが、微小マイクロナノバブルを作製するに当って、最適な圧力とするために、バルブ22とバルブ48の開度で余剰エアータンク23内の圧力を調整している。
【0069】
実排水での運転の結果、圧力計52の値は、排水の種類によっても多少異なるが、圧力として約0.4MPa(メガパスカル)の場合が多い。これらの運転条件により、マイクロナノバブル発生槽31内に、微小マイクロナノバブル流35が発生することになる。また、このマイクロナノバブル発生槽31の上部には浮上汚泥排出配管33が接続されており、マイクロナノバブル発生槽31で浮上したより微小な浮上汚泥は、浮上汚泥排出配管33から排出される。このマイクロナノバブル発生槽31でより微小な浮上汚泥が発生する理由を説明する。すなわち、加圧浮上槽9の1次処理水であっても微細マイクロナノバブルを使用していないことから、浮上できていない微細懸濁物質が被処理水中に存在している。よって、上記マイクロナノバブル発生槽31での微小マイクロナノバブルとの接触付着によって、より微小な浮上汚泥が発生する。より微小な浮上汚泥が浮上汚泥排出配管33から排出されることによって、2次処理水の水質はさらに向上する。
【0070】
なお、マイクロナノバブル発生機54は、具体的一例としては、株式会社 ニクニの渦流ポンプ29と株式会社ニクニの余剰エアータンク23と第2加圧タンク24を採用した。この実施形態では、2種類のマイクロナノバブルを発生させるために、株式会社ニクニの渦流ポンプ、余剰エアータンク、第2加圧タンクと界面活性剤を添加する設備を備えている。
【0071】
ここで、3種類のバブルについて説明する。
【0072】
マイクロバブルは、その発生時において、10〜数10μmの気泡径を有する気泡で、水中で収縮していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。ナノバブルは、数100nm以下の直径を有する超微細気泡である。また、マイクロナノバブルとは、10μmから数100nm前後の直径を有する超微細気泡であり、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルと説明できる。
【0073】
この実施形態の水処理装置によれば、マイクロナノバブル発生機54から上記凝集付着槽4にマイクロナノバブルを供給することによって、凝集付着槽4において形成される凝集フロックにマイクロナノバブルを付着させる。さらに、加圧タンク16から加圧浮上槽9の下部混合部10に供給する微細気泡も上記凝集フロックに付着させる。よって、加圧浮上槽9では、マイクロナノバブルと微細気泡の両方でもって上記凝集フロックを短時間で浮上分離することができる。また、上記マイクロナノバブル発生槽31に界面活性剤タンク18から界面活性剤を添加することで、このマイクロナノバブル発生槽31において、多量でサイズの小さいマイクロナノバブルやナノバブルを含有した2次処理水を作製できる。
【0074】
なお、上記第1実施形態では、1槽の凝集付着槽4を備えたが、この凝集槽4を前段の凝集槽4とし、この前段の凝集槽からの被処理水が導入される後段の凝集槽(図示せず)を備え、この後段の凝集槽から上記加圧浮上槽9の下部混合部10に被処理水が導入されるようにすると共に、上記前段の凝集槽4に無機凝集剤を添加する無機凝集剤タンクと、上記後段の凝集槽に高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤タンクとを備えてもよい。この場合には、前段と後段との2槽の凝集槽を備えているので、凝集フロックの形成がより確実にできると同時に、かつ前段の凝集槽に無機凝集剤が添加され、後段の槽に高分子凝集剤が添加されることで、理想的な凝集フロックを作製できる。
【0075】
(第2の実施の形態)
次に、図2に本発明の水処理装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に生物処理装置37を追加設置し、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに生物処理装置37に導入して生物学的に処理して3次処理水としている点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第2実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0076】
この第2実施形態は、2次処理水配管34からの2次処理水をさらに生物処理装置37に導入して処理している。したがって、生物処理装置37にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に生物処理装置37内で利用されている微生物を活性化して、生物処理装置37の能力を向上させることができる。その結果、生物処理装置37での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0077】
この第2実施形態の水処理装置によれば、具体的一例として、化学工場における難分解性界面活性剤含有廃液や、食品工場高濃度有機廃液などへ適用すると著しい効果を期待できる。
【0078】
(第3の実施の形態)
次に、図3に、本発明の水処理装置の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に物理処理装置38を追加設置し、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに物理処理装置38に導入して物理学的に処理して3次処理水としている点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0079】
この第3実施形態は、2次処理水をさらに物理処理装置38に導入して処理している。したがって、物理処理装置38にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に物理処理装置38内での物理反応が効率化して、物理処理装置38の能力を向上させることができる。その結果、物理処理装置38での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0080】
この第3実施形態の水処理装置によれば、具体的一例として、低濃度有機排水処理での活性炭吸着処理、再利用水処理での活性炭吸着処理、上水処理での活性炭吸着処理などへ適用すると著しい効果を期待できる。
【0081】
(第4の実施の形態)
次に、図4に、本発明の水処理装置の第4実施形態を示す。この第4実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に化学処理装置39を追加設置し、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに化学処理装置39に導入して化学的に処理して3次処理水としている点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第4実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0082】
この第4実施形態は、2次処理水をさらに化学処理装置39に導入して処理している。したがって、化学処理装置39にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に化学処理装置39内での化学反応を効率化して、化学処理装置39の能力を向上させることができる。その結果、化学処理装置39での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0083】
この第4実施形態の水処理装置によれば、具体的一例として、化学工場における酸排水の中和処理や化学物質含有排水の薬品処理などへ適用すると著しい効果を期待できる。
【0084】
(第5の実施の形態)
次に、図5に、本発明の水処理装置の第5実施形態を示す。この第5実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に生物処理装置37続いて精密ろ過装置40を追加設置して、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに生物処理装置37と精密ろ過装置40に導入している点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第5実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0085】
この第5実施形態では、2次処理水配管34からの2次処理水をさらに生物処理装置37に導入して生物学的処理を行い、続いて、精密ろ過装置40に導入して物理学的に処理している。したがって、この第5実施形態によれば、生物処理装置37や精密ろ過装置40にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に生物処理装置37内で利用されている微生物を活性化して、生物処理装置37の能力を向上させることができる。また、精密ろ過装置40における精密ろ過膜の閉塞現象を防止することができる。その結果、生物処理装置37や精密ろ過装置40での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0086】
この第5実施形態の水処理装置によれば、具体的一例として、化学工場における難分解性界面活性剤含有廃液や、食品工場高濃度有機廃液などへ適用すると著しい効果を期待できる。
【0087】
(第6の実施の形態)
次に、図6に、本発明の水処理装置の第6実施形態を示す。この第6実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に生物処理装置37続いて精密ろ過装置40、逆浸透膜装置41を順次追加設置して、2次処理水配管34から出た被処理水を順に生物処理装置37、精密ろ過装置40、逆浸透膜装置41に導入している点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第6実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0088】
この第6実施形態では、2次処理水配管34を出た被処理水をさらに生物処理装置37続いて精密ろ過装置40、続いて逆浸透膜装置41に導入して、生物学処理装置37による生物学的処理と精密ろ過装置40および逆浸透膜装置41による物理学的処理とを順次実行し、超純水製造装置への原水として再利用している。したがって、生物処理装置37や精密ろ過装置40および逆浸透膜装置41にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に生物処理装置37内で利用されている微生物を活性化して、生物処理装置37の能力を向上させることができる。
【0089】
また、精密ろ過装置40における精密ろ過膜の閉塞現象や逆浸透膜装置41における逆浸透膜の閉塞現象を防止することができる。その結果、生物処理装置37や精密ろ過装置40および逆浸透膜装置41での処理が安定化すると同時に、再処理水の水質が向上する。
【0090】
この第6実施形態の水処理装置によれば、具体的一例として、半導体工場や液晶工場における低濃度有機排水などへ適用すると著しい効果を期待できる。
【0091】
(第7の実施の形態)
次に、図7に、本発明の水処理装置の第7実施形態を示す。この第7実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に曝気槽42続いて沈澱槽43を追加設置して、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに曝気槽42と沈殿槽43に導入して生物学的に処理し、3次処理水としている点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第7実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0092】
この第7実施形態では、2次処理水配管34から出た2次処理水をさらに生物処理における代表的な曝気槽42および沈殿槽43に導入して処理している。したがって、曝気槽42および沈殿槽43にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に曝気槽42で繁殖している微生物を活性化して、曝気槽42の微生物処理能力や沈殿槽43での微生物汚泥の沈降性を向上させることができる。その結果、曝気槽42および沈殿槽43での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0093】
(第8の実施の形態)
次に、図8に、本発明の水処理装置の第8実施形態を示す。この第8実施形態は、マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に接触酸化槽44続いて沈澱槽43を追加設置して、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに接触酸化槽44と沈澱槽43に導入している点だけが、前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第8実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0094】
この第8実施形態では、2次処理水配管34を出た処理水をさらに微生物槽としてより具体的な接触酸化槽44に導入してから、さらに、沈殿槽43に導入して生物学的に処理し、3次処理水としている。したがって、接触酸化槽44および沈殿槽43にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に接触酸化槽44の接触材に固定化繁殖している微生物を活性化して、接触酸化槽44での微生物処理能力や沈殿槽43での微生物汚泥の沈降性を向上させることができる。その結果、この第8実施形態によれば、接触酸化槽44および沈殿槽43での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0095】
(第9の実施の形態)
次に、図9に、本発明の水処理装置の第9実施形態を示す。この第9実施形態は、次の(1)、(2)の点だけが、前述の第1実施形態と異なる。
【0096】
(1) 前述の第1実施形態では、マイクロナノバブル発生槽31内において、マイクロナノバブル発生機54の微小マイクロナノバブル配管27の先端には、ノズル等は、何も設置されていなかったが、この第9実施形態では、微小マイクロナノバブル配管27の先端には、気体せん断ノズル45が設置されている点。
【0097】
(2) 吐出水配管36から分岐して微小マイクロナノバブル配管27に接続されていてバルブ55を有するバイパス配管59を有する点。
【0098】
よって、この第9実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0099】
この第9実施形態では、気体せん断部28を出た吐出水配管36中のマイクロナノバブル水は、粗大マイクロバブル水配管21のバルブ22、微小マイクロナノバブル配管27のバルブ48、および上記バイパス配管59のバルブ55の3つのバルブの開度調整により、1部は、バルブ55を経て直接第2気体せん断ノズル45に圧送される。また残りの1部のマイクロナノバブル水は、第2加圧タンク24に圧送されることになる。要するに、気体せん断部28を出た吐出水配管36中のマイクロナノバブル水は、吐出水配管36とバイパス配管59とに2分される。
【0100】
この第9実施形態が有する第2気体せん断ノズル45は、構造上ナノバブルを作製するには圧力水が必要であるが、気体せん断部28を出た吐出水配管36中の圧力を有するマイクロナノバブル水は上記バイパス配管59を通って第2気体せん断ノズル45に直接圧送される。よって、上記第2気体せん断ノズル45に供給されるマイクロナノバブル水は圧力を有しており、ナノバブルを効率的に作製できる。
【0101】
また、第2気体せん断ノズル45には、加圧溶解したマイクロナノバブルを多量に含むマイクロナノバブル水が、バルブ48を経由して必要量導入され、ナノバブルの形成に有効となる。
【0102】
以上の構成により、この第9実施形態によれば、ナノバブルを多量に含む2次処理水を作製することができる。
【0103】
(第10の実施の形態)
次に、図10に、本発明の水処理装置の第10実施形態を示す。この第10実施形態は、微小マイクロナノバブル配管27の先端に設置した第2気体せん断ノズル45に水配管で第3気体せん断ノズル46が接続されている点だけが、前述の第9実施形態と異なる。よって、この第10実施形態では、前述の第9実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第9実施形態と異なる部分を説明する。
【0104】
この第10実施形態では、マイクロナノバブル発生槽31内において、マイクロナノバブル発生機54の微小マイクロナノバブル配管27の先端には第2気体せん断ノズル45と第3気体せん断ノズル46が順に設置されている。そして、気体せん断部28を出た吐出水配管36中のマイクロナノバブル水は、バルブ22,バルブ48,およびバルブ55の3つのバルブの開度調整により、一部は、分岐配管,バルブ55を経て第2気体せん断ノズル45,第3気体せん断ノズル46に直接圧送される。また残りの一部のマイクロナノバブル水は、第2加圧タンク24に圧送されることになる。要するに、渦流ポンプ29の第1気体せん断部28を出たマイクロナノバブル水は、バルブ55を設けた分岐配管と吐出水配管36とに2分される。
【0105】
第2気体せん断ノズル45や第3気体せん断ノズル46は、構造上ナノバブルを作成するには圧力水が必要であるが、この第10実施形態では、気体せん断部28を出た吐出水配管36中の圧力を有するマイクロナノバブル水は、バルブ55を設けた分岐配管から第2気体せん断ノズル45や第3気体せん断ノズル46に直接に圧送される。よって、第2気体せん断ノズル45および第3気体せん断ノズル46に供給されるマイクロナノバブル水は圧力を有しており、ナノバブルを効率的に作成することができる。
【0106】
また、第2気体せん断ノズル45や第3気体せん断ノズル46には、加圧溶解したマイクロナノバブルを多量に含むマイクロナノバブル水が、バルブ48を経由し、必要量導入され、ナノバブルの形成に有効となる。
【0107】
以上の構成により、この第10実施形態によれば、ナノバブルを多量に含む2次処理水を作成することができる。
【0108】
(第11の実施の形態)
次に、図11に、本発明の水処理装置の第11実施形態を示す。この第11実施形態は、次の(1),(2)の点だけが前述の第1実施形態と異なる。
【0109】
(1) 粗大マイクロナノバブル水吐出管49が設置された凝集付着槽4から粗大マイクロナノバブル水吐出管49を取り去って凝集槽57としたと共に、粗大マイクロバブル水配管21は加圧浮上槽9の混合部10に接続されている点。
【0110】
(2) マイクロナノバブル発生槽31からの2次処理水配管34に接触酸化槽44続いて沈澱槽43を追加設置して、2次処理水配管34から出た被処理水をさらに接触酸化槽44と沈澱槽43に導入している点。
【0111】
よって、この第11実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0112】
前述の第1実施形態では、粗大マイクロナノバブルを粗大マイクロナノバブル配管21を利用して凝集付着槽4に導入していたが、この第11実施形態では、粗大マイクロナノバブルを粗大マイクロナノバブル配管21を利用して加圧浮上槽9の混合部10に導入している。これにより、加圧浮上槽9の混合部10では、加圧タンク16からの微細気泡と粗大マイクロナノバブル配管21からの粗大マイクロナノバブルの両方が導入される。この微細気泡と粗大マイクロナノバブルは、凝集槽57からの凝集フロックに付着して、すみやかに凝集フロックを浮上させることとなる。
【0113】
ここで、微細気泡のサイズと粗大マイクロナノバブルを比較した場合、微細気泡の方が大きいので、凝集フロックにおいても、サイズ的に大きいサイズの凝集フロックには、微細気泡が付着して浮上し、かつ小さいサイズの凝集フロックには、粗大マイクロナノバブルが付着して、凝集フロックを浮上分離することになる。
【0114】
また、この第11実施形態では、2次処理水配管34を出た処理水をさらに微生物槽としてより具体的な接触酸化槽44に導入してから、さらに、沈殿槽43に導入して生物学的に処理し、3次処理水としている。したがって、接触酸化槽44および沈殿槽43にマイクロナノバブル発生槽31で多量に発生させたマイクロナノバブルを導入して、特に接触酸化槽44の接触材に固定化繁殖している微生物を活性化して、接触酸化槽44での微生物処理能力や沈殿槽43での微生物汚泥の沈降性を向上させることができる。その結果、この第11実施形態によれば、接触酸化槽44および沈殿槽43での処理が安定化すると同時に、3次処理水の水質が向上する。
【0115】
(実験例)
図7の第7実施形態の水処理装置に基づき、実験装置を製作した。この実験装置において、原水槽1の容量を約1mとし、凝集付着槽4の容量を1mとし、加圧浮上槽9の容量を3mとし、マイクロナノバブル発生槽31の容量を1mとした。また、曝気槽42の容量を6mとし、沈殿槽43の容量を3mとし、凝集剤タンク8の容量を0.5mとし、界面活性剤タンク18の容量を0.5mとした。また、この実験装置は、比較のため、A系列とB系列の2系列製作した。そして、被処理水として人工排水をこの2系列の実験装置に導入して、約3ヶ月試運転を行った。
【0116】
なお、A系列の実験装置では、マイクロナノバブル発生機54を運転したが、B系列の実験装置では、マイクロナノバブル発生機54を運転しなかった。
【0117】
そして、約3ヶ月の試運転後、A系列の実験装置とB系列の実験装置における原水槽1入口の排水の濃度と沈殿槽43出口での3次処理水の濃度とを比較したところ、下表の内容であった。つまり、下表は、同じ排水処理システムでマイクロナノバブル発生機54の運転と非運転とによる実験結果の比較表である。
(表)

【0118】
上表の実験結果比較表の内容の通り、生物学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、浮遊物質(SS)、ノルマルヘキサン抽出物質の各項目において、マイクロナノバブル発生機54を運転したA系列は、マイクロナノバブル発生機54を運転しないB系列に比べて、除去率において好成績であることが判明した。
【符号の説明】
【0119】
1 原水槽
2 原水槽ポンプ
3 吐出配管
4 凝集付着槽
5 第1撹拌機
6 凝集剤水配管
7 凝集剤定量ポンプ
8 凝集剤タンク
9 加圧浮上槽
10 混合部
11 浮上汚泥抜き出し部
12 掻き寄せ板
13 掻き寄せ機
14 処理水部
15 加圧タンクポンプ
16 加圧タンク
17 コンプレッサー
18 界面活性剤タンク
19 界面活性剤定量ポンプ
20 界面活性剤水配管
21 粗大マイクロバブル水配管
22 バルブ
23 余剰エアータンク
24 第2加圧タンク
25 空気配管
26 ニードルバルブ
27 微小マイクロナノバブル水配管
28 気体せん断部
29 渦流ポンプ
30 吸い込み配管
31 マイクロナノバブル発生槽
32 第2撹拌機
33 浮上汚泥排出配管
34 2次処理水配管
35 微小マイクロナノバブル流
36 吐出水配管
37 生物処理装置
38 物理処理装置
39 化学処理装置
40 精密ろ過装置
41 逆浸透膜装置
42 曝気槽
43 沈殿槽
44 接触酸化槽
45 気体せん断ノズル
46 気体せん断ノズル
47 ナノバブル流
48 バルブ
49 粗大マイクロナノバブル水吐出管
50 粗大マイクロナノバブル流
51 オーバーフロー配管
52 圧力計
53 加圧浮上装置
54 マイクロナノバブル発生機
55 バルブ
59 バイパス配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水が導入される原水槽と、
上記原水槽から被処理水が導入される凝集槽と、
上記凝集槽に凝集剤を添加する凝集剤タンクと、
上記凝集槽からの被処理水が下部に導入される加圧浮上槽と、
上記加圧浮上槽の下部に微細気泡を供給する微細気泡供給部と、
上記加圧浮上槽から被処理水が導入されるマイクロナノバブル発生槽と、
上記マイクロナノバブル発生槽に第1のマイクロナノバブルを供給すると共に上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第1のマイクロナノバブルに比べてサイズが大きいが上記微細気泡供給部が供給する微細気泡に比べてサイズが小さな第2のマイクロナノバブルを供給するマイクロナノバブル発生機と、
上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加する界面活性剤タンクとを備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、
上記マイクロナノバブル発生槽からの被処理水を吸い込んで上記被処理水にマイクロナノバブルを発生させると共に気体せん断部が付属した渦流ポンプと、
上記渦流ポンプからの被処理水が導入されてこの被処理水を加圧する加圧タンクと、
上記加圧タンクからの被処理水が導入されて上記第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水を上記マイクロナノバブル発生槽に供給すると共に上記第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水を上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に供給する余剰エアータンクとを有することを特徴とする水処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の水処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、上記余剰エアータンク内の余剰マイクロナノバブルを第2のマイクロナノバブルとして上記凝集槽に設置したマイクロナノバブル水吐出管から吐出させることを特徴とする水処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される物理処理装置を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される化学処理装置を備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置と、
上記生物処理装置からの処理水が導入される精密ろ過装置とを備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される生物処理装置と、
上記生物処理装置からの処理水が導入される精密ろ過装置と、
上記精密ろ過装置からの処理水が導入される逆浸透膜装置とを備え、
上記逆浸透膜装置から得られた処理水を超純水製造装置の原水として再利用することを特徴とする水処理装置。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される曝気槽と、
上記曝気槽からの処理水が導入される沈殿槽とを備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽からのマイクロナノバブル含有処理水が導入される接触酸化槽と、
上記接触酸化槽からの処理水が導入される沈殿槽とを備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項11】
請求項2から10のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記マイクロナノバブル発生機は、
上記余剰エアータンクから上記マイクロナノバブル発生槽内へ延びたマイクロナノバブル配管と、
上記マイクロナノバブル配管の先端部に取り付けられた気体せん断ノズルと、
上記渦流ポンプに付属した気体せん断部からのマイクロナノバブル含有被処理水を上記加圧タンクと余剰エアータンクをバイパスして上記気体せん断ノズルへ導くバイパス配管とを有することを特徴とする水処理装置。
【請求項12】
請求項11に記載の水処置装置において、
上記気体せん断ノズルに接続されていると共に上記気体せん断ノズルからのマイクロナノバブル含有被処理水が導入されるもう1つの気体せん断ノズルを有することを特徴とする水処理装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載の水処置装置において、
上記凝集槽を前段の凝集槽とし、この前段の凝集槽からの被処理水が導入される後段の凝集槽を備え、この後段の凝集槽から上記加圧浮上槽の下部に被処理水が導入され、
さらに、上記前段の凝集槽に無機凝集剤を添加する無機凝集剤タンクと、上記後段の凝集槽に高分子凝集剤を添加する高分子凝集剤タンクとを備えたことを特徴とする水処理装置。
【請求項14】
被処理水を原水槽から凝集槽に導入し、
上記凝集槽に凝集剤を添加し、
上記凝集槽から加圧浮上槽の下部に被処理水を導入し、
上記加圧浮上槽の下部に微細気泡供給部から微細気泡を導入し、
上記加圧浮上槽からマイクロナノバブル発生槽に被処理水を導入し、
マイクロナノバブル発生機から上記マイクロナノバブル発生槽に第1のマイクロナノバブルを供給すると共に上記マイクロナノバブル発生機から上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第1のマイクロナノバブルに比べてサイズが大きいが上記微細気泡供給部が供給する微細気泡に比べてサイズが小さな第2のマイクロナノバブルを供給し、
上記マイクロナノバブル発生槽に界面活性剤を添加することを特徴とする水処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の水処理方法において、
上記マイクロナノバブル発生機は、
気体せん断部が付属した渦流ポンプで上記マイクロナノバブル発生槽からの被処理水を吸い込んで上記被処理水にマイクロナノバブルを発生させ、
上記渦流ポンプからのマイクロナノバブルを含有した被処理水を加圧タンクで加圧し、
上記加圧タンクからのマイクロナノバブル含有被処理水を余剰エアータンクに供給し、この余剰エアータンクから上記マイクロナノバブル発生槽に上記第1のマイクロナノバブルを含有した被処理水を供給し、上記余剰エアータンクから上記凝集槽または上記加圧浮上槽の下部に上記第2のマイクロナノバブルを含有した被処理水を供給することを特徴とする水処理方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の水処理方法において、
上記界面活性剤が非イオン系界面活性剤であることを特徴とする水処理方法。
【請求項17】
請求項14または15に記載の水処理方法において、
上記界面活性剤がアルコール系界面活性剤であることを特徴とする水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−162518(P2010−162518A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8879(P2009−8879)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】