説明

水晶デバイス

【課題】簡易な方法で内部空間の窒素を減少させてCI値を良好にする水晶デバイスの提供。
【解決手段】凹部を有する基体2と、凹部の開口端面に接合して基体2に接合して内部空間5を形成する蓋体4と、内部空間5に収容された水晶片3とからなる水晶デバイス1において、基体2には窒素吸蔵特性を有する窒素吸蔵合金10が接着剤11によって接合されて、内部空間5には窒素吸蔵物質10が露出した構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶デバイスを産業上の技術分野とし、特に窒素雰囲気で封止する水晶デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
水晶デバイス例えば水晶振動子は周波数制御素子として周知され、通信機器やデジタル制御機器に広く内蔵される。このようなものの一つに、導電性接着剤を用いて水晶片を容器本体に固着した表面実装型の水晶振動子(以下、表面実装振動子とする)があり、量産化が進んでいる。
【0003】
(従来技術の一例、特許文献1参照)
第4図は従来技術を説明する図で、第4図(a)は表面実装振動子の斜視図、同図(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【0004】
従来技術の表面実装振動子1〔図4(a)、(b)〕は、凹部を有する基体2に水晶片3を収容して、凹部の開口端面に、コバール等からなる金属の蓋体4を接合してなる。蓋体4の接合によって基体2との間に内部空間5が形成される。基体2はセラミックからなり、平板状の底壁2aに枠壁2bを積層することで形成される。基体2の凹部に収容される水晶片3はATカットの略矩形状であり、両主面に励振電極(不図示)が形成される。一主面に形成された励振電極は水晶片3の角部に形成された支持電極(不図示)と電気的に接続し、他主面に形成された励振電極は水晶片3の異なる角部に形成された支持電極と電気的に接続する。
【0005】
水晶片3は、導電性接着剤6によって、底壁2aに固着される。具体的には、導電性接着剤6が、水晶片3の支持電極と、底壁2aの一主面に形成された水晶保持端子7とを接着することで、水晶片3が底壁2aに固着される。そして、水晶保持端子7は、導電路8(ab)を経由して、容器本体2の外底面となる底壁2aの他主面に形成された実装端子9と電気的に接続する。したがって、励振電極は実装端子9と電気的に接続することとなる。基体2における凹部の開口端面には、金属からなる蓋体4がAuSnなどのロウ材で接合され、水晶片3を密閉封入する。
【0006】
このようなものでは、基体2に蓋体4を接合する工程を窒素雰囲気で行う。これにより、例えば高真空中で基体2に蓋体4を接合する場合と比較して、チャンバー等の設備に安価なものを使用できる。したがって、高真空中での接合と比較して、表面実装振動子1の単価を下げることができる。さらに、窒素雰囲気となった基体2の凹部に水晶片3が収容される。ここで窒素は不活性ガスである。したがって、励振電極等の酸化や導電性接着剤6の変質化等を防止できて、表面実装振動子1の経時的な周波数変化を抑えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−267636号(「従来技術の一例」参照)
【特許文献2】特開2006−144082号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の表面実装振動子1は、窒素雰囲気となった内部空間5に水晶片3が収容される。よって、窒素雰囲気が水晶片3の振動を妨げる抵抗となるため、表面実装振動子1のCI(クリスタルインピーダンス)値が悪くなる傾向にある、という問題があった。
【0009】
(発明の目的)
本発明は、簡易な方法で内部空間の窒素を減少させてCI値を良好にする水晶デバイスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(着目点)
特許文献2に、安価な金属を用いた窒素吸蔵合金が開示されている。本発明はこの窒素吸蔵合金に着目したものである。なお、特許文献2は、窒素吸蔵合金の水晶デバイスへの具体的な適用方法は開示されていない。
【0011】
(解決手段)
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、少なくとも外底面に実装端子を有する基体と、前記基体に接合して内部空間を形成する蓋体と、前記内部空間に収容された水晶片とからなる水晶デバイスにおいて、前記内部空間には窒素吸蔵特性を有する窒素吸蔵物質が露出した構成とする。
【発明の効果】
【0012】
このような構成であれば、水晶デバイスを例えば所定時間、所定温度に加熱処理することにより、窒素吸蔵物質が内部空間の窒素を吸蔵する。よって、水晶デバイスの内部空間における窒素量を減少させられる。したがって、水晶片の振動の抵抗が減少してCI値を低くできる。
【0013】
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記窒素吸蔵物質は窒素吸蔵合金である構成とする。
【0014】
本発明の請求項3では、請求項1又は2において、前記窒素吸蔵物質は前記基体又は前記蓋体の少なくとも一方に接合剤で固着された構成とする。これにより、水晶デバイスの製造時において窒素吸蔵物質の量を変えることで、内部空間の窒素が吸蔵される量を容易に調整できる。
【0015】
本発明の請求項4では、請求項1ないし3において、前記基体は凹部を有する絶縁材からなり、前記蓋体は前記窒素吸蔵合金からなって前記凹部の開口端面に接合された構成とする。これにより、蓋体を窒素吸蔵合金とするため、水晶デバイスの部品数を増やすことなく内部空間の窒素を窒素吸蔵合金に吸蔵させられる。したがって、部品数の増加による製造コストの増加や製造工程の複雑化、といった問題を回避できる。
【0016】
本発明の請求項5では、請求項1ないし3において、前記基体は平板状であり、前記蓋体は前記基体と対向する面に凹部を有して、前記基体及び前記蓋体の少なくとも一方は前記窒素吸蔵物質からなる構成とする。これにより、前記基体及び前記蓋体の少なくとも一方を窒素吸蔵合金とするため、水晶デバイスの部品数を増やすことなく内部空間の窒素を窒素吸蔵合金に吸蔵させられる。したがって、部品数の増加による製造コストの増加や製造工程の複雑化、といった問題を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する表面実装振動子の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の変形例を説明する表面実装振動子の組立分解図である。
【図3】本発明の第3実施形態を説明する表面実装振動子の断面図である。
【図4】従来技術を説明する図で、(a)は表面実装振動子の斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態、請求項1ないし3に相当)
第1図は本発明の第1実施形態を説明する表面実装振動子の断面図である。なお、従来技術と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0019】
本実施形態(図1)における、従来技術(図4)との相違点は、窒素吸蔵合金10が存在する点である。具体的には、本実施形態では、窒素吸蔵合金10が接着剤11によって、凹部を有する基体2の内底面となる底壁2aの一主面に固着される。これにより、基体2と蓋体4とで形成される内部空間5に窒素吸蔵合金10が露出する。窒素吸蔵合金10としては、例えば、アルカリ土類金属に属するCaと、Caとの間で金属間化合物を作らない金属であるFeをメカニカルアロイング法により合金化したものを用いることができる(特許文献2参照)。
【0020】
このようなものでは、先ず、底壁2aとなる底壁用のセラミックグリーンシート(不図示)にW又はMo等のメタライズ層を被着して水晶保持端子7、導電路8a、及び実装端子9の下地を形成する。また、底壁用のセラミックグリーンシートには、予め形成した貫通孔にW又はMo等を流入させて、導電路8bの下地を形成する。さらに、基体2の凹部となる領域に貫通孔を形成した枠壁用のセラミックグリーンシート(不図示)を用意する。
【0021】
次に、底壁用のセラミックグリーンシートと枠壁用のセラミックグリーンシートを積層して焼成する。そして、前述のメタライズ層の上面にNi膜とAu膜とを順次に電解メッキ又は無電解メッキによって形成する。これにより、水晶保持端子7、導電路8(ab)、及び実装端子9が形成される。次に、積層したセラミックグリーンシートにおける基体2の凹部となる領域の内底面に、接着剤11によって窒素吸蔵合金10を固着させる。このとき、絶縁性の接着剤11を用いれば、導電路8上に窒素吸蔵合金10を固着させられる。
【0022】
次に、積層したセラミックグリーンシートを分割して基体2(図1)を形成する。そして、導電性接着剤6を用いて、水晶片3の両端側に形成された支持電極(不図示)を基体2の水晶保持端子7に固着させる。次に、窒素雰囲気中で基体2の開口端面に蓋体4を接合して表面実装振動子1を形成する。蓋体4の接合方法として、AuGe、AuSn等のロウ材によって接合する方法や、シーム溶接等の方法が使える。
【0023】
最後に、表面実装振動子1を、例えば200〜300℃で30分程度加熱する。これにより、内部空間5に充填していた窒素が窒素吸蔵合金10に吸蔵されて、内部空間5の気圧が下がる。
【0024】
このような構成であれば、表面実装振動子1の内部空間5における窒素量を減少させられる。したがって、水晶片3の振動の抵抗が減少してCI値を低くできる。また、表面実装振動子1の製造時において、底壁2aに固着させる窒素吸蔵合金10の量を変えることで、内部空間5の窒素が吸蔵される量を容易に調整できる。さらに、本実施形態の表面実装振動子1は、窒素吸蔵合金10以外は従来と同様の構成である。したがって、設計をほとんど変えることなく、内部空間5の窒素の量を減らしてCIを良好にできる。なお、本実施形態では、窒素吸蔵合金10を底壁2aに固着したが、枠壁2bすなわち基体2における凹部の内側面や蓋体4に固着してもよい。
【0025】
(第1実施形態の変形例、請求項1ないし3に相当)
第2図は、本発明の第1実施形態の変形例を説明する表面実装振動子の組立分解図である。なお、上記実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0026】
本変形例の表面実装振動子1(図2)は、矩形の振動板12が接続部13によって振動板12の周囲を囲む枠部14と接続した枠付き振動板15と、枠部14の両主面に接合する第1板16及び第2板17とからなる。枠付き振動板15は水晶で一体に形成されており、また、第1板16及び第2板17も水晶からなる。
【0027】
振動板12の両主面には励振電極18が形成される。励振電極18は接続部13に形成された導電路8cを経由して、第2板17における枠付き振動板15に対向する主面の反対面に形成された実装端子(不図示)と電気的に接続する。第1板16及び第2板17における振動板12と対向する領域には凹部が形成される。そして、第2板17における凹部の内底面には、接着剤(不図示)によって窒素吸蔵合金10が固着される。
【0028】
本変形例における請求項に記載の用語と関係を補足すると、第1板16が蓋体、枠部14及び第2板17が基体、振動板12が水晶片となる。そして、第2板17における枠付き振動板15に対向する主面の反対面が基体の外底面となる。また、第一板16、枠部14及び第2板17で囲まれた空間が内部空間となる。
【0029】
このようなものでは、先ず、枠付き振動板15となる水晶ウェハ(不図示)をエッチングして、複数の振動板12及び接続部13の形状を形成する。そして、周知のフォトリソ、エッチング技術を用いて振動板12及び接続部13に励振電極18及び導電路8cを形成する。
【0030】
また、第1板16となる水晶ウェハ(不図示)及び第2板17となる水晶ウェハ(不図示)をエッチングして凹部を形成する。第2板17となる水晶ウェハには、周知のフォトリソ、エッチング技術を用いて実装端子を形成する。次に第2板17における凹部の内底面に、接着剤によって窒素吸蔵合金10が固着される。
【0031】
次に、低融点ガラス等を用いて、枠付き振動板15となる水晶ウェハの両主面に、第1板16となる水晶ウェハ及び第2板17となる水晶ウェハを接合する。接合は、例えば、枠付き振動板15となる水晶ウェハの枠部14となる領域の両主面に低融点ガラスを予め塗布して、第1板16となる水晶ウェハ及び第2板17となる水晶ウェハを積層した後に加熱して行う。そして、この接合は窒素雰囲気中で行う。
【0032】
次に、接合した水晶ウェハを切断して個々の表面実装振動子1とする。最後に、表面実装振動子1を、例えば200〜300℃で30分程度加熱する。これにより、内部空間5に充填していた窒素が窒素吸蔵合金10に吸蔵されて、内部空間5の気圧が下がる。
【0033】
このような構成であれば、第1実施形態と同様にCIを低くできる。
【0034】
(第2実施形態、請求項1、2及び4に相当)
本実施形態の表面実装振動子と、従来技術の表面実装振動子1(図4)との相違は蓋体4の材質にある。具体的には、従来技術における蓋体4はコバール等からなる。一方、本実施形態の蓋体は窒素吸蔵合金からなる。窒素吸蔵合金には、例えば、第1実施形態と同様にCaとFeとをメカニカルアロイング法により合金化したものを用いることができる。これにより、蓋体4における基体2の凹部と対向する面をなす窒素吸蔵合金は内部空間5に露出する。このような本実施形態の表面実装振動子は、第1実施形態と同様の方法で製造できる。製造方法の相違点は、本実施形態では、接着剤11を用いて窒素吸蔵合金10を基体2に固着(図1)させる工程が不要である点、及び、窒素吸蔵合金からなる蓋体4を用いる点である。
【0035】
このような構成であれば、蓋体を窒素吸蔵合金とするため、水晶デバイスの部品数を増やすことなく内部空間の窒素を窒素吸蔵合金に吸蔵させられる。したがって、部品数の増加による製造コストの増加や製造工程の複雑化、といった問題を回避できる。
【0036】
(第3実施形態、請求項1、2及び5に相当)
第3図は、本発明の第3実施形態を説明する水晶振動子の断面図である。なお、上記実施形態と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0037】
本実施形態の水晶振動子(以下、リード型振動子19という)は、平板状の基体2と、凹部を有して基体2の一主面に接合する蓋体4と、基体2及び蓋体4が形成する内部空間5に収容される水晶片3とからなる。
【0038】
平板状の基体2には垂直に2本のリード線20が貫通し、リード線20は絶縁物であるガラス21で基体2と接合する。各リード線20の内部空間5における端部には水晶を支える水晶支持部22が形成されて、水晶支持部22に水晶片3が固定される。水晶片3の両主面には励振電極(不図示)が形成され、励振電極とリード線20とが電気的に接続する。そして、基体2における蓋体4と対向する主面の反対面、すなわち、基体2の外底面に延出したリード線20が実装端子となる。また、本実施形態では、基体2及び蓋体4は窒素吸蔵合金からなる。
【0039】
このようなものでは、上記各実施形態と同様に、窒素雰囲気で蓋体4が基体2と接合される。
【0040】
このような構成であれば、基体2及び蓋体4を窒素吸蔵合金とするため、リード型振動子19の部品数を増やすことなく内部空間5の窒素を窒素吸蔵合金に吸蔵させられる。したがって、部品数の増加による製造コストの増加や製造工程の複雑化、といった問題を回避できる。また、内部空間5が窒素吸蔵合金で囲まれる。したがって、十分な窒素の吸蔵量を確保できる。
【0041】
(他の事項)
上記各実施形態では、窒素吸蔵合金を用いて水晶デバイスを形成した。しかし、窒素を吸蔵する特性を持つ窒素吸蔵物質である、Y2Fe17、Sm2Fe17、Ce2Fe17等のR2Fe17型の希土類−鉄金属間化合物を用いてもよい(特許文献2)。
【0042】
また、上記各実施形態の水晶片3や振動板12の形状が音叉型である表面実装振動子やリード型振動子に本発明を適用してもよい。一般に、振動領域が音叉型の水晶デバイスはCIが高いことが知られている。このような音叉型の水晶デバイスに本発明を適用することにより、内部空間の窒素の量を減らしてCI値を低くでき、CIを良好にできる。
【0043】
また、上記各実施形態では窒素雰囲気で基体に蓋体を接合した。しかし、真空中で基体に蓋体を接合してもよい。この場合、水晶デバイスの内部空間は、接合時に真空となるが、窒素吸蔵物質が窒素を吸蔵することによって、さらに真空度が上がり、よりCI値を下げられる。
【0044】
また、上記各実施形態では水晶振動子としたが、発振回路が形成された回路基板等を有する水晶発振器にも本発明を適用できることはもちろんである。
【符号の説明】
【0045】
1 表面実装振動子、2 基体、2a 底壁、2b 枠壁、3 水晶片、4 蓋体、5 内部空間、6 導電性接着剤、7 水晶保持端子、8 導電路、9 実装端子、10 窒素吸蔵合金、11 接着剤、12 振動板、13 接続部、14 枠部、15 枠付き振動板、16 第1板、17 第2板、18 励振電極、19 リード型振動子、20 リード線、21 ガラス、22 水晶支持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも外底面に実装端子を有する基体と、
前記基体に接合して内部空間を形成する蓋体と、
前記内部空間に収容された水晶片とからなる水晶デバイスにおいて、
前記内部空間には窒素吸蔵特性を有する窒素吸蔵物質が露出したことを特徴とする水晶デバイス。
【請求項2】
請求項1において、前記窒素吸蔵物質は窒素吸蔵合金である水晶デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記窒素吸蔵物質は前記基体又は前記蓋体の少なくとも一方に接合剤で固着された水晶デバイス。
【請求項4】
請求項1ないし3において、前記基体は凹部を有する絶縁材からなり、前記蓋体は前記窒素吸蔵合金からなって前記凹部の開口端面に接合された水晶デバイス。
【請求項5】
請求項1ないし3において、前記基体は平板状であり、前記蓋体は前記基体と対向する面に凹部を有して、前記基体及び前記蓋体の少なくとも一方は前記窒素吸蔵物質からなる水晶デバイス。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−229058(P2011−229058A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98741(P2010−98741)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】