説明

水素製造および二酸化炭素回収方法ならびに装置

【課題】含炭素燃料を原料として水素製造と二酸化炭素回収を同時に実施するに際しシステムコスト上昇を抑え効率を向上させる。
【解決手段】含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する水素製造及び二酸化炭素回収方法であって、含炭素燃料を改質して水素と二酸化炭素を含有する水素含有ガスを得る工程;圧力スウィング吸着装置を用いて水素含有ガスを第一の水素富化ガスとPSAオフガスとに分離する工程;水素分離膜を用いてPSAオフガスを第二の水素富化ガスと水素分離膜オフガスとに分離する工程;及び、二酸化炭素分離膜を用いて水素分離膜オフガスを二酸化炭素富化ガスと二酸化炭素分離膜オフガスとに分離する工程を有する。この方法を実施するための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化石燃料類などの含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素は将来のエネルギー媒体として期待され、製造、貯蔵・輸送、利用など広い技術分野において活発な研究開発が行われている。水素をエネルギー媒体として用いる利点としては、高いエネルギー利用効率の他、燃焼後の排出物が水だけであることが挙げられる。
【0003】
現状一次エネルギーの約80%は石油、石炭、天然ガスなど化石燃料で占められ、今後再生可能エネルギーの利用増などにより漸減するにしてもその割合は高いまま推移すると予想されている。従って水素の製造において、一次エネルギー源として化石燃料を原料とするルートの重要性は当面下がることはないと言える。
【0004】
しかし、化石燃料のように炭素を含有する燃料を用いて水素を製造する場合、CO2が排出される。
【0005】
地球温暖化を防止する上でCO2の排出削減は喫緊の課題と言われている。このような状況の中で、化石燃料から水素を製造する際に副生するCO2を分離・回収する技術はCO2排出削減と水素社会の早期実現を両立させるものとして重要である。
【0006】
化石燃料などの含炭素燃料を原料として水素を製造するに当たり、CO2を分離する方法は従来から知られている。
【0007】
このような方法のうちの第1の方法として、化石燃料を原料に水蒸気改質およびシフト反応を経て製造される水素、CO、CO2、メタンの混合物から圧力スウィング吸着(PSA)装置で高純度水素を得る一方、不純物を含むオフガスから化学吸収法によりCO2を高純度化し、分離・回収する方法を挙げることができる。しかし、有機アミン溶液を吸収液として用いる化学吸収法ではCO2の回収工程すなわち吸収液の再生工程において多大なエネルギーを要するなど、水素製造のエネルギー効率の点で優れているとは言えない。
【0008】
第2の方法として、特許文献1には、2段の精製装置でそれぞれのガスを精製分離するプロセスにおいて、第一段目にCO2濃縮装置を配置しCO2を主成分とするガス流を得、第二段目に配置したPSAにより前記CO2濃縮装置から排出されるCO2濃度を減じたガスを処理することで高純度水素を得ると共に、各段から得られるCO2を富化させたガス流からCO2を液化分離する方法が開示されている。しかし、水素を分離する前の水素を多量に含むガスからCO2を除去するため、CO2回収装置として極めて高い選択性を持ち、一般にエネルギー消費量の大きい方法を採用せざるを得なくなりエネルギー効率が悪化する傾向がある。
【0009】
第3の方法として、特許文献2および3には、PSAなどの水素精製装置で高純度水素を製造すると共に、CO2、水素などを含むオフガスを燃焼した上でCO2を回収するプロセスが開示されている。しかし、この方法は水素をまだ多く含む水素精製装置オフガスを燃焼してしまうため水素収率が低下する上に、燃焼に空気を用いた場合には窒素が混入するためCO2回収の負荷が増大する。一方、燃焼に純酸素を用いることもできるがこの場合には純酸素の製造に多大なエネルギーを消費しエネルギー効率が悪化する傾向がある。
【0010】
第4の方法として、特許文献4には吸着選択性が異なる複数の吸着塔を有したシリアル構成のPSAを用いた方法が開示されている。しかし、この方法は吸収−再生のサイクルが極めて煩雑であるためシステムコストの上昇を抑えることが難しい。
【0011】
第5の方法として、特許文献5および6にはPSAオフガスから膜を用いて水素を分離しこれをPSA入り口にリサイクルすることで再利用する方法が記載されている。しかし、これらの文献ではCO2は回収されることなく廃棄されるのみであり、濃縮方法などその処理方法についての記載はなされていない。
【特許文献1】特表2004−519538号公報
【特許文献2】特開2004−292240号公報
【特許文献3】特開2003−81605号公報
【特許文献4】米国特許第4、913、709号公報
【特許文献5】米国特許第4、229、188号公報
【特許文献6】米国特許第5、435、836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、高純度の水素と貯留に適した高濃度のCO2を併産する方法においては、さらなる改善の余地があった。
【0013】
本発明の目的は、含炭素燃料を原料として水素製造と二酸化炭素の回収を同時に実施するに際し、システムコストの上昇を抑えることができ、より効率的な方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する水素製造および二酸化炭素回収方法であって、
含炭素燃料を改質して水素と二酸化炭素を含有する水素含有ガスを得る水素含有ガス製造工程;
圧力スウィング吸着装置を用いて、該水素含有ガスを、水素が富化されたガスである第一の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスであるPSAオフガスとに分離するPSA工程;
水素分離膜を用いて、該PSAオフガスを、水素が富化されたガスである第二の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスである水素分離膜オフガスとに分離する水素膜分離工程;および、
二酸化炭素分離膜を用いて、該水素分離膜オフガスを、二酸化炭素が富化されたガスである二酸化炭素富化ガスと、二酸化炭素以外の成分が富化されたガスである二酸化炭素分離膜オフガスとに分離する二酸化炭素膜分離工程
を有する水素製造および二酸化炭素回収方法が提供される。
【0015】
上記方法が、前記二酸化炭素富化ガスを液化して、液化二酸化炭素を得る工程を有することが好ましい。
【0016】
上記方法が、前記第二の水素富化ガスを、前記水素含有ガス製造工程またはPSA工程にリサイクルする工程を有することが好ましい。
【0017】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、5以上であることが好ましい。
【0018】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、100以下であることが好ましい。
【0019】
本発明により、含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する水素製造および二酸化炭素回収装置であって、
含炭素燃料を改質して水素と二酸化炭素を含有する水素含有ガスを得る水素含有ガス製造装置;
該水素含有ガスを、水素が富化されたガスである第一の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスであるPSAオフガスとに分離する圧力スウィング吸着装置;
該PSAオフガスを、水素が富化されたガスである第二の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスである水素分離膜オフガスとに分離する水素分離膜;および、
該水素分離膜オフガスを、二酸化炭素が富化されたガスである二酸化炭素富化ガスと、二酸化炭素以外の成分が富化されたガスである二酸化炭素分離膜オフガスとに分離する二酸化炭素分離膜
を有する水素製造および二酸化炭素回収装置が提供される。
【0020】
上記装置が、前記二酸化炭素富化ガスを液化して、液化二酸化炭素を得る二酸化炭素液化装置を有することが好ましい。
【0021】
上記装置が、前記第二の水素富化ガスを、前記水素含有ガス製造装置の入口またはPSA装置の入口にリサイクルするリサイクルラインを有することが好ましい。
【0022】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、5以上であることが好ましい。
【0023】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、100以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、含炭素燃料を原料として水素製造と二酸化炭素の回収を同時に実施するに際し、システムコストの上昇を抑えることができ、より効率的な方法および装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
特に断らない限り本明細書では圧力は絶対圧力を意味し、ガス組成に係る%は水蒸気を除外して計算したモル%を意味する。
【0026】
〔含炭素燃料〕
本発明において、水素製造の原料としては、炭素を含有する燃料である含炭素燃料を用いる。含炭素燃料としては、炭素を含有し、改質によって水素含有ガスを製造可能な物質から適宜選んで使用することができる。
【0027】
含炭素燃料の例として、化石燃料類を挙げることができる。化石燃料類とは石油、石炭、天然ガスなど化石資源を原料として製造され得る燃料を意味し、ガス状、液状、固体状のいずれの形態でもあり得る。具体的には、メタン、エタン、プロパン、天然ガス、液化石油ガス、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、重油などの炭化水素類を例とすることができるが、天然ガス、液化石油ガス、ナフサ、灯油が特に好ましく用いられる。さらに、含炭素燃料としてはメタノール、ジメチルエーテル、エタノールなど化石燃料類から製造可能で酸素原子を分子中に含む含酸素化合物類も好適に使用できる。また、炭化水素類、含酸素化合物類に関わらず生物資源から得られたエタノールなど、化石資源から必ずしも製造されたものではなくても使用することができる。
【0028】
〔水素含有ガス製造工程〕
水素含有ガス製造工程においては、上記含炭素燃料の改質反応を行い、水素と二酸化炭素を少なくとも含有する水素含有ガスを製造する。
【0029】
改質反応の方法としては水蒸気改質法、オートサーマル改質法、部分酸化法など公知の改質方法を採ることができるが、空気中の窒素が混入しない方法が後段の精製工程が容易となるため好ましい。従って、水蒸気改質法、または純酸素を酸化剤とするオートサーマル改質法もしくは部分酸化法が好ましく採用され、水蒸気改質法が特に好ましく採用できる。
【0030】
まず、含炭素燃料として天然ガス、液化石油ガス、ナフサ、灯油など炭化水素類を用いる場合について述べる。この時、水蒸気改質法においては、炭化水素類と水を好ましくは300℃〜1000℃、より好ましくは400℃〜900℃の温度、好ましくは0.1MPa〜10MPa、より好ましくは0.2MPa〜3MPaの圧力にて反応させ、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンを含む改質ガスに分解する。使用水蒸気量は、S/C(含炭素燃料中の炭素原子のモル数に対する水蒸気モル数の比)が好ましくは2〜10、より好ましくは2.5〜7の範囲で設定される。この時、後段のPSAの駆動に必要な圧力を超える圧力で改質反応を実施すると改質ガスを改めて昇圧する必要がなく好ましい。こうして得られる改質ガスの組成は温度、圧力などに依存し、通常、水素65〜75%、一酸化炭素5〜20%、二酸化炭素5〜20%、メタン0.5〜10%程度であるが、炭素−炭素結合を有する炭化水素はできる限り残存しないような条件を選択することが好ましい。
【0031】
上記水蒸気改質反応には通常、触媒が用いられる。その触媒としては公知の水蒸気改質触媒を用いることができる。この触媒の例として、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、白金など周期律表8族、9族および10族の金属を挙げることができるが、その選択に際しては原料、反応条件などを総合的に考慮して適宜決定できる。オートサーマル改質法、部分酸化法についても、これらの改質方法に使用可能な公知の触媒から適宜選んで採用することができる。
【0032】
水素製造工程で用いる水素製造装置は、改質反応を行う改質器を有する。また、さらに水素収率を向上させるために、改質器の後段にシフト反応器を配置した水素製造装置を用いることもできる。シフト反応器では、改質器で得られた改質ガス中のCOと水蒸気を反応させ、CO2と水素に転化する。必要であればシフト反応器の前段に水蒸気注入口を設け水蒸気を追加することができる。シフト反応器に用いる触媒としては、鉄・クロム系、銅・亜鉛系、白金などの貴金属系など、公知のシフト反応触媒を用いることができる。シフト反応器の反応温度は通常200℃〜500℃の範囲で適宜設定される。反応圧力には特に制限はないが、前記改質反応で用いた圧力付近で実施するのが簡便であり、有利である。
【0033】
一方、含炭素燃料としてメタノール、ジメチルエーテル、エタノールなど含酸素化合物類を用いる場合にも上記と同様の方法を適用できる。特に、メタノールやジメチルエーテルを用いる場合には、触媒として銅−亜鉛系触媒などを用いて一酸化炭素平衡濃度が低い400℃以下、好ましくは350℃以下で改質反応を行うことで、シフト反応器が無くても優れた水素収率を達成することも可能である。この場合において水蒸気改質法を適用する場合、好ましくはS/Cが1.5〜4、より好ましくは1.5〜2.5の範囲で水蒸気量は設定される。
【0034】
水素含有ガス製造工程からは、例えば、水素65〜80%、一酸化炭素0.2〜6%、二酸化炭素10〜35%、メタン0〜10%を含むガスを得ることができる。
【0035】
なお、含炭素燃料に硫黄分が含まれる場合、硫黄分による触媒被毒を防止するために、含炭素燃料を脱硫したうえで改質器に供給することができる。
【0036】
〔PSA工程〕
PSA工程では、水素含有ガス製造工程で製造した水素含有ガスを、好ましくは脱水処理をした上で、圧力スウィング吸着装置すなわちPSA(Pressure Swing Adsorption)装置に導入し、水素が富化されたガス(第一の水素富化ガス)と、水素以外の成分が富化されたガス(PSAオフガス)とに分離する。
【0037】
PSA法とは混合ガスから特定ガスを選別分離する方法の一つであって、混合ガスを比較的高い圧力で吸着剤を充填した吸着塔に導入し特定成分を吸着剤に吸着させることで、吸着ガス成分と非吸着ガス成分とに分離し、ついで、吸着系の圧力を下げ、必要であればパージガスを用いることによって吸着剤に吸着した吸着物(吸着ガス成分)を脱離させる方法である。工業的には一般に、吸着剤を充填した塔を複数個設けたPSA装置を用い、それぞれの吸着塔において、昇圧、吸着、脱圧、洗浄の一連の操作を繰り返すことにより装置全体としては連続的に分離回収を可能としたものが使用される。
【0038】
PSA塔内に充填する吸着剤には、活性炭、ゼオライトなど、吸着によって水素と水素以外の成分とを分離可能な公知の充填剤を適宜使用できる。PSAの運転圧力はサイクルの段階により変化するが、最も高い圧力で運転される吸着時は好ましくは0.5MPa〜10MPa、より好ましくは1MPa〜5MPaの範囲である。
【0039】
PSA法では、通常水素は上記非吸着ガス成分に相当し、吸着剤には吸着されずにPSA塔を通過する。従って、PSA装置導入圧力に近い圧力の第一の水素富化ガスを得ることができる。第一の水素富化ガスを製品水素とすることができる。
【0040】
第一の水素富化ガスの水素純度は好ましくは99%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上である。さらに、製品水素は燃料電池自動車に用いることができる水素であることが好ましく、この場合その水素純度は通常99.99%以上が好ましい他、露点や他の不純物に対する要請も満足することが求められることがある。従って、必要に応じて、第一の水素富化ガスを、さらに水分除去などの処理に付すことができる。さらに、製品水素は、燃料電池自動車への充填、あるいは水素ステーションへの輸送・貯蔵に適した形態である高圧水素あるいは液体水素などに変換することもできる。
【0041】
PSAオフガスは、吸着塔に吸着した成分の脱着工程すなわち吸着塔を再生する工程で得られる。この時なるべく高いCO2濃度のオフガスを得るために、吸着塔を減圧(大気圧未満の圧力)にして脱着操作を行うこともできる。脱着工程の前に吸着塔を高濃度の二酸化炭素を含むガスで洗浄することもPSAオフガス中の二酸化炭素濃度を上げるためには有効である。
【0042】
PSAオフガスの圧力は、PSA装置への水素含有ガスの導入圧力より低下し、好ましくは0.01〜0.5MPa、より好ましくは0.1〜0.2MPaである。PSAオフガスは、例えば水素20〜60%、一酸化炭素0.5〜15%、二酸化炭素30〜70%、メタン1〜15%を含有する。
【0043】
〔水素膜分離工程〕
本発明では、PSAオフガス中に含まれる水素を有効利用し、かつ貯留に適した形で二酸化炭素を回収可能とする。二酸化炭素膜分離工程の前に水素膜分離工程を行うことによって、二酸化炭素分離膜に供給するガス中のCO2濃度を予め高めておくことができる。これによって、二酸化炭素分離膜のCO2選択性がそれほど高くなくても、効率よく二酸化炭素回収を行うことが可能となる。
【0044】
そこで水素膜分離工程では、水素を選択的に透過する膜を用いて、PSAオフガスを、水素が富化されたガス(第二の水素富化ガス)と、この膜を透過しなかった、水素以外の成分が富化されたガス(水素分離膜オフガス)とに分離する。
【0045】
上述のようにPSAオフガスの圧力は低下しているので、水素膜分離工程に導入される前にPSAオフガスを昇圧することが好ましい。昇圧後の圧力、すなわち水素分離膜供給側の圧力は好ましくは0.2〜2MPa、より好ましくは0.2〜1MPaの範囲に設定される。この時、この供給側の圧力が0.2MPa以上であると透過側との差圧を大きくして膜分離の良好な効率を得ることが容易である。一方、2MPa以下であると膜にかかる差圧を抑え、必要以上に膜強度を高めるために透過性能を犠牲にすることを回避することが容易である。
【0046】
水素分離膜としては、水素を選択的に透過させることが可能な公知の膜を適宜選んで採用することができる。水素分離膜としては、パラジウムなどの金属膜、ポリイミドなどの高分子膜、多孔質シリカ、ゼオライト、多孔質炭素などの多孔質膜などを例とすることができる。操作のしやすさ、コストなどの観点から高分子膜が好ましく使用される。
【0047】
どのような素材を用いる場合にも分離膜の形状には特に制限はなく、板状、筒状、中空糸状など任意の形状を選択することができる。
【0048】
水素分離膜については、膜の水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比(透過係数比)αは好ましくは0〜0.5、より好ましくは0〜0.3、さらに好ましくは0〜0.15である。
【0049】
ここで、上記CO2と水素の透過係数比αは次式で定義されるものである。
【0050】
【数1】

【0051】
ただし、各成分の透過係数は、各成分のガスの透過速度をQ、供給側圧力(分圧)をp1、透過側圧力(分圧)をp2、膜面積をA、膜厚をLとした時、次式で定義されるものである。
【0052】
【数2】

【0053】
一方、透過側の圧力についてはその水素分圧が供給側の水素分圧より低いことが必要で大気圧以下とすることもでき、透過側水素分圧の具体的値としては好ましくは0〜0.5MPa、より好ましくは0.0001MPa〜0.2MPa、さらに好ましくは0.001〜0.1MPaの範囲で選択される。
【0054】
この時必要に応じて透過側にパージガスを用いることもでき、パージガスとしては冷却することで容易にガスと分離できる水蒸気が好ましく用いられる。
【0055】
膜分離の実施温度は使用する膜素材に適した温度に設定され、例えばパラジウム膜であれば250〜500℃、ポリイミド膜であれば室温〜150℃程度が好適である。
【0056】
こうして得られる第二の水素富化ガスには、例えば、ポリイミド膜など高分子膜を用いる場合であれば、水素50〜99%、二酸化炭素3〜40%、一酸化炭素0〜10%、メタン0〜10%が含まれ、PSAオフガス中に含まれる水素の10〜99%を回収することができる。
【0057】
水素膜分離工程で得られた第二の水素富化ガスを、適宜昇圧したうえで、上記PSA工程上流に還流することができる。このために、第二の水素富化ガス(水素分離膜の透過側出口ガス)をPSA装置の入口にリサイクルするリサイクルラインを用いることができる。このことにより水素の収率を向上させることができる。また、第二の水素富化ガスを、水素製造工程の上流側に環流すれば、第二の水素富化ガス中のメタンを水素に転化することもできる。このために、第二の水素富化ガスを水素製造装置の入口、特には改質器の入口にリサイクルするリサイクルラインを用いることができる。あるいは、第二の水素富化ガスを、改質器に備わるバーナー等の燃焼手段に導き、その燃焼手段において第二の水素富化ガス中の可燃分を燃焼させた後、外界に排出することもできる。
【0058】
一方、水素分離膜オフガスの成分には、例えば、水素1〜30%、二酸化炭素30〜60%、一酸化炭素1〜20%、メタン1〜20%が含まれる。
【0059】
〔二酸化炭素膜分離工程〕
二酸化炭素膜分離工程において、CO2選択性を持つ分離膜を用いて、水素分離膜オフガスを、CO2が富化されたガス(二酸化炭素富化ガス)と、この膜を透過しなかった、CO2以外の成分が富化されたガス(二酸化炭素分離膜オフガス)とに分離する。
【0060】
水素分離膜オフガスは水素分離膜を透過しなかったガスなので、水素膜分離工程における圧力低下は小さい。従って、水素分離膜オフガスを二酸化炭素膜分離工程に導入するに際し改めて昇圧する必要はないので、余分なエネルギーを消費することなしにCO2の濃縮を実施できる。さらに、水素分離膜オフガスはCO2の濃度が高く二酸化炭素膜分離工程における膜分離の負荷が低減できるため、CO2分離膜として極端に性能が良いものを必要としない。このため、コストを低減できるなどの効果がある。二酸化炭素膜分離工程における供給側圧力は水素膜分離工程における供給側圧力と同程度とすることができる。
【0061】
二酸化炭素膜分離工程に使用する二酸化炭素分離膜としては、CO2を選択的に透過させることのできる公知の膜から適宜選んで採用することができる。その例としては、PowelらJounal of Membrane Science、276、1−49(2006)に記載されるような高分子素材膜、平成15年度 二酸化炭素固定化・有効利用技術等対策事業・地球環境国際研究推進事業・分子ゲート機能CO2分離膜の基盤技術研究開発成果報告書に記載されるようなデンドリマー膜、WO2006/050531号公報に記載されるようなアミン基含有膜、あるいはゼオライト膜を始めとする無機素材膜、などを挙げることができる。
【0062】
どのような素材を用いる場合にも分離膜の形状には特に制限はなく、板状、筒状、中空糸状など任意の形状を選択することができる。
【0063】
二酸化炭素の分離効率の観点から、二酸化炭素分離膜のCO2と水素の透過係数比αは5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上がさらに好ましい。一方、先に述べたように本発明によれば極端に性能が良い二酸化炭素分離膜を用いなくてもCO2分離を良好に行えるので、二酸化炭素分離膜の透過係数比αの値が、100以下の膜、さらには50以下の膜でも好ましく使用できる。
【0064】
二酸化炭素膜分離工程の膜分離における透過側の圧力は供給側圧力より低圧に設定され、大気圧以下とすることもでき、好ましくは0MPa〜0.5MPa、より好ましくは0.001〜0.2MPaの範囲で選択される。
【0065】
膜分離の実施温度は使用する膜素材に適した温度に設定される。
【0066】
このようにして二酸化炭素富化ガスとして二酸化炭素を回収することができる。回収された二酸化炭素富化ガスは、このまま地中に注入するなどして貯留することもできるが、好ましくは、CO2液化工程にて処理され液化CO2が生産される。従って二酸化炭素富化ガスのCO2濃度はCO2液化工程の順調な操業が容易になるように高めることが好ましく、その濃度は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。CO2濃度が70%以上の場合、液化工程に際して必要なエネルギーを小さくすることができ、また、回収される液化CO2の割合を高くすることができる。
【0067】
なお、二酸化炭素富化ガスに含まれる二酸化炭素以外の成分は、例えば、水素0.5〜20%、一酸化炭素0.01〜5%、メタン0.01〜5%程度である。
【0068】
CO2液化の方法としては、ジュールトムソン効果を利用する方法、圧縮しながら外部冷熱により冷却する方法など公知のCO2液化方法を適宜採用できる。二酸化炭素液化装置としても、これら公知のCO2液化方法によって二酸化炭素を液化することのできる公知の装置を適宜選んで用いることができる。こうして得られた液化CO2は陸上輸送、海上輸送あるいはパイプラインなど適当な方法で貯留場所に輸送した上で、地中あるいは海中に隔離することができるし、あるいは高いCO2濃度を持つので化学品合成など種々の原料として利用もできる。CO2液化工程から得られるオフガス(液化しなかったガス)にはまだ水素、メタンなど燃焼可能なガスが含まれるので、改質器バーナーに送付して燃料として用いることができる。
【0069】
〔プロセス〕
以下図面を用いて本発明を実施するに好適なプロセスについて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0070】
図1に示すように、水素製造装置1は、改質器1−1と、改質器の下流に接続されたシフト反応器1−2を有する。改質器には改質反応管1−1aと、これを外側から加熱するためのバーナー1−1bが備わる。含炭素燃料がライン100から改質器、特には改質反応管に供給される。改質反応に必要な水蒸気や酸素なども適宜改質器に供給される(不図示)。含炭素燃料が液体や固体である場合には、含炭素燃料を適宜予め気化することができる。必要に応じて含炭素燃料を脱硫器(不図示)で脱硫した後に改質器に供給することもできる。
【0071】
含炭素燃料は改質反応管の内部で改質され、改質器から改質ガスが排出される(ライン101)。シフト反応器では、改質ガス中のCOと水蒸気がCO2と水素に転換される。
【0072】
水素製造装置から得られる水素含有ガス(ライン102)は、ライン103を経てPSA装置2に供給される。具体的には、水素含有ガスは吸着工程を行っているPSA塔に投入され、水素含有ガスに含まれる水素以外の成分が吸着剤に吸着され、第一の水素富化ガスが製品水素として取り出される(ライン104)。一方、再生工程を行っているPSA塔からはPSAオフガスが排出され(ライン105)、昇圧機3で昇圧された後、水素分離膜4に供給される(ライン106)。
【0073】
水素分離膜を透過したガスとして第二の水素富化ガスが得られ、これはライン111、昇圧機8、ライン112を経てPSA装置にリサイクルされる。水素分離膜を透過せずに排出された水素分離膜オフガス(ライン107)は、二酸化炭素分離膜5に供給される。
【0074】
二酸化炭素分離膜を透過したガスとして二酸化炭素富化ガス(ライン108)が得られ、これが昇圧機6で昇圧されて二酸化炭素液化装置7に供給される(ライン109)。二酸化炭素分離膜を透過せずに排出された二酸化炭素分離膜オフガス(ライン121)は、ライン122を経て改質器のバーナー1−1bに燃料として供給される。
【0075】
二酸化炭素液化装置から製品液化二酸化炭素が回収される(ライン110)。二酸化炭素液化装置から排出された、液化しなかったガス(ライン123)は、二酸化炭素分離膜オフガスと合流してライン122からバーナー1−1bに供給される。
【0076】
ライン122から供給されるガス中の可燃分がバーナー1−1bにて燃焼し、ライン124から燃焼ガスが排気される。この燃焼熱は改質反応管を加熱するために利用される。
【0077】
本発明によれば、化石燃料類等の含炭素燃料を原料として、高純度水素の製造と並行して貯留に適した形態の二酸化炭素を製造するに際し、消費エネルギーを抑えることができる。また水素収率を向上させることができる。しかも比較的簡易な装置で水素製造および二酸化炭素回収を行うことができ、システムコストの上昇を抑えることもできる。従って本発明は水素社会の実現および地球温暖化の防止のために貢献するものである。
【0078】
本発明によって、例えば燃料電池自動車の燃料として供給可能な純度を持つ高純度水素を得ることができる。一方、二酸化炭素は地中貯留、海洋貯留に適した形態である液化二酸化炭素の形で回収するに好適な濃度にすることができる。
【実施例】
【0079】
〔実施例1〕
図1に示した構成のプロセスにつき、熱物質収支をとった。ナフサ215kg/h(ライン100)と水蒸気946kg/h(不図示)を、Ni系触媒を充填し出口温度830℃、圧力2MPaにて水蒸気改質反応を行う改質器1−1に供給し、引き続くFe−Cr系触媒を充填し入口温度360℃出口温度425℃にてシフト反応を行うシフト反応器1−2により、総流量54.2kmol/h、CO2濃度20.5%、水素濃度72.4%、圧力2MPaの混合ガス(ライン102)を得る。これを脱水器(不図示)により脱水した後、PSA装置2により純度99.99%の高純度水素を34.7kmol/hの流量にて得る(ライン104)。一方、PSAオフガスであるCO2濃度53%、水素濃度29%の混合ガス(ライン105)を圧縮機3で1MPaにまで昇圧し、CO2/水素の透過係数比αが0.11のポリイミド膜を備えた水素分離膜4に導入する。水素分離膜の透過側に水素濃度76%、0.1MPaのガス(ライン111)を2.5kmol/hにて得、これは圧縮機8を経てPSA装置2の上流にリサイクルする。水素分離膜の非透過側ガス(ライン107)はそのままの圧力にてCO2/水素の透過係数比αが30の膜を備えるCO2分離膜5に導入する。CO2分離膜の透過側ガス(ライン108)はCO2濃度95%であり、これは圧縮機6で約8MPaにまで加圧された後、CO2液化装置7に送入され、8.7kmol/hの液化CO2流(ライン110)を得る。一方、前記CO2分離膜の非透過側ガス(ライン121)およびCO2液化装置のオフガス(ライン123)を合わせたガス流(ライン122)は改質器バーナー1−1bに送られ改質器燃料として利用される。このプロセスの圧縮機で消費されるエネルギーは10.9kW/kmol−回収CO2、シフト反応器出口ガス(ライン102)中に含まれるCO2量を基準とした時の、液化CO2としての二酸化炭素回収率は75%である。
【0080】
二酸化炭素分離膜の透過係数比α、高純度水素回収量、二酸化炭素回収量、および回収された液化二酸化炭素1kmolあたりの圧縮機の消費エネルギー(合計)を表1に示す。熱物質収支を表4に示す。
【0081】
〔実施例2〜4〕
CO2分離膜装置5に使用する膜(透過係数比α)を変化させた以外は実施例1と同様に熱物質収支をとった。二酸化炭素分離膜の透過係数比α、高純度水素回収量、二酸化炭素回収量および圧縮機の消費エネルギー(合計)を表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
〔実施例5〜8〕
実施例1〜4においては、ポリイミド膜を備えた水素分離膜4の透過側に得られる第二の水素富化ガスをPSA装置2の上流にリサイクルした。ここでは第二の水素富化ガスはリサイクルせず改質器バーナー燃料として使用し、それ以外は実施例1と同様に実施した。ただしこのとき、CO2分離膜の透過係数比αを表2に示すように変化させ、実施例5〜8とした。二酸化炭素分離膜の透過係数比α、高純度水素回収量、二酸化炭素回収量および圧縮機の消費エネルギー(合計)を表2に示す。水素をリサイクルした表1と比べ圧縮機で消費されるエネルギーは少ないが回収高純度水素量、回収液化CO2は若干少なくなる。
【0084】
【表2】

【0085】
〔比較例1〕
水素分離膜およびCO2分離膜を用いずPSAオフガス(ライン105)を直接CO2液化装置7にて圧縮液化した以外は実施例1と同様にして熱物質収支をとった。その結果、圧縮機で消費されるエネルギーは41kW/kmol−CO2であり、液化CO2としてのCO2回収率は35%に過ぎなかった。
【0086】
〔比較例2〕
CO2分離膜を用いず、水素分離膜の非透過側ガス(ライン107)を直接CO2液化装置7にて圧縮液化した以外は実施例1と同様にして熱物質収支をとった。その結果、圧縮機で消費されるエネルギーは33kW/kmol−CO2であり、液化CO2としてのCO2回収率は39%に過ぎなかった。
【0087】
〔比較例3〜6〕
実施例5〜8ではPSAオフガスをまず水素分離膜に導入し、続いて水素分離膜オフガスをCO2分離膜に導入し、水素分離膜の透過ガスは改質器バーナー燃料として用いた。ここでは、水素分離膜は用いず、PSAオフガスを直接CO2分離膜に導入する。すなわち比較例3〜6ではPSAオフガスを直接CO2分離膜に導入する。従って、水素分離膜透過ガスのリサイクルもない。その他は実施例5〜8と同様に実施した。このとき、CO2分離膜の透過係数比αを表3に示すように変化させ、比較例3〜6とした。その結果を表3に示す。比較例3〜6は、実施例5〜8と比較して、エネルギー消費量、CO2回収率共に劣っている。
【0088】
【表3】

【0089】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、高純度の水素を製造するとともに、高濃度の二酸化炭素を回収するために好適に用いられる。製造した水素は燃料電池などの燃料として好適であり、回収した二酸化炭素は地中や海中に貯留するに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明を実施することのできる装置の例の概要を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0092】
1:水素製造装置
1−1:改質器
1−1a:改質反応管
1−1b:バーナー
1−2:シフト反応器
2:PSA装置
3:昇圧機
4:水素分離膜
5:二酸化炭素分離膜
6:昇圧機
7:二酸化炭素液化装置
8:昇圧機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する水素製造および二酸化炭素回収方法であって、
含炭素燃料を改質して水素と二酸化炭素を含有する水素含有ガスを得る水素含有ガス製造工程;
圧力スウィング吸着装置を用いて、該水素含有ガスを、水素が富化されたガスである第一の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスであるPSAオフガスとに分離するPSA工程;
水素分離膜を用いて、該PSAオフガスを、水素が富化されたガスである第二の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスである水素分離膜オフガスとに分離する水素膜分離工程;および、
二酸化炭素分離膜を用いて、該水素分離膜オフガスを、二酸化炭素が富化されたガスである二酸化炭素富化ガスと、二酸化炭素以外の成分が富化されたガスである二酸化炭素分離膜オフガスとに分離する二酸化炭素膜分離工程
を有する水素製造および二酸化炭素回収方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素富化ガスを液化して、液化二酸化炭素を得る工程を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第二の水素富化ガスを、前記水素含有ガス製造工程またはPSA工程にリサイクルする工程を有する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、5以上である請求項1から3の何れか一項記載の方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、100以下である請求項1から4の何れか一項記載の方法。
【請求項6】
含炭素燃料から水素を製造するとともに二酸化炭素を回収する水素製造および二酸化炭素回収装置であって、
含炭素燃料を改質して水素と二酸化炭素を含有する水素含有ガスを得る水素含有ガス製造装置;
該水素含有ガスを、水素が富化されたガスである第一の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスであるPSAオフガスとに分離する圧力スウィング吸着装置;
該PSAオフガスを、水素が富化されたガスである第二の水素富化ガスと、水素以外の成分が富化されたガスである水素分離膜オフガスとに分離する水素分離膜;および、
該水素分離膜オフガスを、二酸化炭素が富化されたガスである二酸化炭素富化ガスと、二酸化炭素以外の成分が富化されたガスである二酸化炭素分離膜オフガスとに分離する二酸化炭素分離膜
を有する水素製造および二酸化炭素回収装置。
【請求項7】
前記二酸化炭素富化ガスを液化して、液化二酸化炭素を得る二酸化炭素液化装置を有する請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記第二の水素富化ガスを、前記水素含有ガス製造装置の入口またはPSA装置の入口にリサイクルするリサイクルラインを有する請求項6または7記載の装置。
【請求項9】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、5以上である請求項6から8の何れか一項記載の装置。
【請求項10】
前記二酸化炭素分離膜の、水素透過係数に対する二酸化炭素透過係数の比αが、100以下である請求項6から9の何れか一項記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2008−247632(P2008−247632A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−87966(P2007−87966)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】