説明

油圧駆動装置用コントロール弁の構造

【課題】スリーブをハウジング内に軸方向隙間を生ずることなく確実に固定することにより、ソレノイドの変位とスリーブの切換えポート及びスプールとの位置関係にずれの発生を回避してコントロール弁の流量制御特性にばらつきの発生を防止し、かつ加工工数及び組立工数が低減されて低コスト化可能なコントロール弁の構造を提供する。
【解決手段】ハウジング内に固定され複数の切換えポートが形成されたスリーブの内周に、ソレノイドに両端部が連結されたスプールを往復摺動自在に嵌合し、ソレノイドによりスプールを移動せしめて切換えポートを切換えることにより油圧シリンダへの作動油の供給、排出及び位置制御を行なうコントロール弁において、前記スリーブの両側の端面を前記ソレノイドを構成するソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、前記ソレノイドケースを前記ハウジングに締着部材により締付け固定したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトの荷役作業あるいは走行用油圧制御装置、建設機械の掘削作業あるいは走行用油圧制御装置等に適用され、作業あるいは走行制御用油圧シリンダへの作動油の供給、排出及び位置制御を行なう油圧駆動装置用コントロール弁の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトの油圧式荷役作業装置は、荷役作業用としての油圧シリンダと油圧ポンプとを接続する作動油路に、ハウジング内に固定され複数の切換えポートが形成されたスリーブの内周に、対をなして設けられたソレノイドに両端部が連結されたスプールを往復摺動自在に嵌合し、前記ソレノイドにより前記スプールを移動せしめて前記切換えポートを切換えることにより前記油圧シリンダへの作動油の供給、排出及び位置制御を行なうコントロール弁をそなえている。
【0003】
図4は、かかるフォークリフトの油圧式荷役作業装置の油圧駆動装置の系統図である。
図4において、103は油圧シリンダで、2つの作動油室103a及び103bを備えており、その出力端には荷役作業装置が連結されている。100は油圧チェック弁で、該コントロール弁1(詳細は後述)の2つの作動油出口と前記油圧シリンダ103の2つの作動油室103a,103bへの2つの作動油路10a,10bを開閉するとともに前記油圧シリンダ103の負荷油圧の変化を検出し、検出負荷油圧を負荷油圧検出回路13を通して圧力制御弁105に伝送するものである。
104は図示しないエンジンによって駆動される油圧ポンプ、105は前記油圧チェック弁100からの負荷油圧検出値に基づき前記油圧シリンダ103側の負荷油圧を目標油圧に制御する圧力制御弁、107は油圧作動系の最高油圧を規制する調圧弁、106はオイルタンクである。
【0004】
1は対をなすソレノイド2a,2bにより駆動されるコントロール弁(詳細は後述)で、前記油圧シリンダ103への作動油の供給、排出及び位置制御を行なうものであり、該コントロール弁1からの2つの作動油路124及び125が前記油圧チェック弁100を介して油圧シリンダ103の2つの作動油室103a及び103bに接続されている。
120は前記油圧チェック弁100内の油室の一方側が昇圧したとき他方側の油室の圧力を開放して2つの油室と負荷油圧検出回路13とを連通あるいは遮断するシャトル弁である。
112は前記コントロール弁1の供給ポートに接続される作動油の供給油路、111は前記コントロール弁1の排油ポート及び前記調圧弁107の排油ポートとオイルタンク106とを接続する排油油路である。
【0005】
図5は、従来より、前記フォークリフト用油圧駆動装置に装備されている前記コントロール弁1の軸心線に沿う断面図、図6は図5におけるY部拡大断面図である。
図5〜6において、3はハウジング、2a,2bは該ハウジング3の両端部に複数のボルト11によって固定された対をなすソレノイドである。4は円筒状のスリーブで、前記ハウジング3内に穿孔された孔1a内に固挿され、図4に示す前記油圧チェック弁100への作動油路124及び125にそれぞれ接続される切換えポートA6及び切換えポートB7、図4に示す前記オイルタンク106への排油油路111にそれぞれ接続される2つの切換えポートT8,T8、図4に示す前記圧力制御弁105からの供給油路112に接続される切換えポートP9が軸方向に沿って穿設されている。
【0006】
5は前記スリーブ4の内周に往復摺動自在に嵌合されたスプールで、軸方向に2つのランド部5bが形成されており、前記対をなすソレノイド2a,2bによって該スリーブ4の内周を往復摺動せしめられることにより、前記2つのランド部5bによって前記スリーブ4の各切換えポート6,7,8,9を切換えるようになっている。
該スプール5の両端部にはつば部5a,5a及び該つば部5a,5aから外方に向けて突設された押し棒部5c,5cが形成され、該押し棒部5c,5cが前記ソレノイド2a,2bの出力ロッド2d,2dに当接され、前記ソレノイド2a,2bからの駆動力が前記出力ロッド2d,2dから押し棒部5c,5cに伝達されて、該スプール5が往復駆動されるようになっている。
【0007】
図6に詳細を示すように、前記スプール5の両端部のつば部5aには、ばね受けとなるプレート49が当接され、該プレート49と前記ソレノイド2a,2bを構成するソレノイドケース2cとの間には、スプリング10a,10bが架設されている。
50は該スリーブ4の抜け出し防止用のスナップリングで、前記スリーブ4の両端面に近接して前記孔1aの内周に嵌め込まれている。
したがって、前記スリーブ4は、前記ハウジング3の孔1a内に固挿されて、両端部を前記スナップリング50,50によって抜け止めがなされることとなる。
【0008】
また、特許文献1(特開2002−206651号公報)には、ハウジングのスプール孔の端部寄りにスリーブを固挿し、ハウジングの摺動孔の内周及び該スリーブの内周にスプールを摺動可能に嵌合して、制御油圧によって該スリーブの外周面に偏荷重が作用するのを防止した油圧駆動装置用コントロール弁が示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−206651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図5に示される従来のコントロール弁にあっては、ハウジング3の孔1a内にスリーブ4を固挿し、該スリーブ4の両端面4aに接するようにスナップリング50を前記孔1aの内周に嵌め込むことにより、該スリーブ4の抜け止めを行ない前記孔1a内への安定嵌合を保持している。
しかしながら、かかる従来技術にあっては、図6に示されるように、スリーブ4の両端面4aとスナップリング50の側面との間に隙間eが形成されて、ソレノイド2a,2bの変位と、スリーブ4の切換えポート6,7,8,9及びスプール5との位置関係にずれが発生してコントロール弁1の流量制御特性にばらつきが発生する懸念がある。
【0011】
また、かかる従来技術にあっては、スリーブ4の抜け止め及び位置決め用として、ハウジング3の孔1aにスナップリング溝を加工形成し、該スナップリング溝内にスナップリング50を嵌め込む構造であるため、スナップリング溝の加工工数を要するとともに、該スナップリング溝へのスナップリング50の嵌め込み作業工数を要するため、コントロール弁1の製作コストが嵩む。
等の問題を有している。
尚、特許文献1には、ハウジングのスプール孔の端部寄りにスリーブを固挿し、ハウジングの摺動孔及び該スリーブの内周にスプールを摺動可能に嵌合して、制御油圧によって該スリーブの外周面に偏荷重が作用するのを防止しているにとどまり、前記のような課題を解決する手段は開示されていない。
【0012】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、スリーブをハウジング内に軸方向隙間を生ずることなく確実に固定することにより、ソレノイドの変位とスリーブの切換えポート及びスプールとの位置関係にずれの発生を回避して、コントロール弁の流量制御特性にばらつきの発生を防止し、かつ加工工数及び組立工数が低減されて低コスト化可能なコントロール弁の構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明はかかる目的を達成するもので、油圧ポンプと油圧シリンダとを接続する作動油路に設けられた油圧駆動装置用コントロール弁であって、ハウジング内に固定され複数の切換えポートが形成されたスリーブの内周に、対をなして設けられたソレノイドに両端部が連結されたスプールを往復摺動自在に嵌合し、前記ソレノイドにより前記スプールを移動せしめて前記切換えポートを切換えることにより、前記油圧シリンダへの作動油の供給、排出及び位置制御を行なうコントロール弁において、前記スリーブの両側の端面を前記対をなすソレノイドを構成するソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、前記ソレノイドケースを前記ハウジングに締着部材により締付け固定したことを特徴とする(請求項1)。
【0014】
かかる発明によれば、ハウジングの孔内に固挿されたスリーブの両側の端面を、対をなすソレノイドのソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、該ソレノイドケースをボルト等の締結部材によってハウジングに締付け固定するので、スリーブをソレノイドケースに軸方向の隙間を形成することなく堅固に固定することが可能となる。
これにより、ソレノイドの変位とスリーブの複数の切換えポート及びスプールとの位置関係にずれの発生及びこれに伴うコントロール弁の流量制御特性のばらつきの発生を防止できて、該コントロール弁の作動特性が安定する。
【0015】
また、かかる発明によれば、スリーブの両側の端面を、対をなすソレノイドのソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、該ソレノイドケースをボルト等の締結部材によってハウジングに締付け固定するのみでスリーブを固定できるので、従来技術のようなスナップリング溝の加工及び該スナップリング溝内へのスナップリングの嵌め込みが不要となり、従来技術に比べて加工工数及び組立工数を低減できて、低コスト化されたコントロール弁が得られる。
【0016】
また、かかる発明において、好ましくは次のように構成する。
(1)前記スリーブは、その両側の端面から一定長さに亘って前記切換えポートが形成された部位よりも薄肉に形成された変形部を一体形成される(請求項2)。
このように構成すれば、スリーブをソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、該ソレノイドケースを締結部材によってハウジングに締付け固定する際に、スリーブの薄肉に形成された変形部が弾性変形してばね作用をなし、スリーブの切換えポート形成部の内径に変形を伴うことなくスリーブを堅固に固定することができ、スリーブの位置決めをより高精度になすことができる。
【0017】
(2)前記スリーブの両側の端面と前記ソレノイドケースの内側端面との間に、該スリーブの前記切換えポートが形成された部位よりも薄肉に形成された変形部材を介装、挟持する(請求項3)。
このように構成すれば、スリーブの切換えポート形成部よりも薄肉の変形部材をスリーブの両側の端面とソレノイドケースの内側端面との間に挟み込むことにより、既存のコントロール弁についても、前記変形部材を新製するのみでスリーブの両端部を一部改修することにより、前記(1)と同様な効果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ハウジングの孔内に固挿されたスリーブの両側の端面をソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、該ソレノイドケースを締結部材によってハウジングに締付け固定することにより、スリーブをソレノイドケースに軸方向の隙間を形成することなく堅固に固定することが可能となり、これによって、ソレノイドの変位とスリーブの複数の切換えポート及びスプールとの位置関係にずれの発生がなく、コントロール弁の流量制御特性のばらつきの発生を回避できて、該コントロール弁の作動特性が安定する。
さらにはスリーブの両側の端面から一定長さに亘って切換えポートが形成された部位よりも薄肉に形成された変形部を一体形成すれば、スリーブをソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、該ソレノイドケースを締結部材によってハウジングに締付け固定する際に、薄肉の前記変形部が弾性変形してばね作用をなし、スリーブの切換えポート形成部の内径に変形を伴うことなくスリーブを堅固に固定することができ、スリーブの位置決めをより高精度になすことができる。
【0019】
また、スリーブの両側の端面をソレノイドケースの内側端面間に挟み込んでソレノイドケースを締結部材によってハウジングに締付け固定するのみでスリーブを固定できるので、従来技術のようなスナップリング溝内へのスナップリングの嵌め込みが不要となり、従来技術に比べて加工工数及び組立工数を低減できて、低コスト化されたコントロール弁が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の第1実施例に係るフォークリフトの油圧式荷役作業装置における油圧駆動装置(図4参照)に用いられるコントロール弁1の軸心線に沿う断面図、図2は図1におけるZ部拡大断面図である。
図1において、1は対をなすソレノイド2a,2bにより駆動されるコントロール弁で、図4に示されるように、油圧シリンダ103への作動油の供給、排出及び位置制御を行なうものであり、該コントロール弁1からの2つの作動油路124及び125が油圧チェック弁100を介して油圧シリンダ103の2つの作動油室103a及び103bに接続されている。
そして、油圧駆動装置の作動時には、図4に示されるように、油圧ポンプ104から吐出され圧力制御弁105で所定の油圧に調整された作動油は、供給油路112を通ってかかるコントロール弁101に入り、該コントロール弁101がたとえばAポート側に切換えられると、作動油路124を通り、油圧チェック弁100を経て油圧シリンダ103の作動油室103aに入り、該油圧シリンダ103のピストン103cを図4の左方に移動させる。
【0022】
本発明は、かかるコントロール弁101の構造に関するものである。
前記コントロール弁1の詳細を示す図1〜2において、3はハウジング、2a,2bは該ハウジング3の両端部に複数のボルト11によって固定された対をなすソレノイドである。
4は円筒状に形成されたスリーブで、前記ハウジング3内に穿孔された孔1a内に固挿され、図4に示す前記油圧チェック弁100への作動油路124及び125にそれぞれ接続される切換えポートA6及び切換えポートB7、図4に示す前記オイルタンク106への排油油路111にそれぞれ接続される前記切換えポートA6側の切換えポートT8及び前記切換えポートB7側の切換えポートT8、図4に示す前記圧力制御弁105からの供給油路112に接続される切換えポートP9が軸方向に沿って穿設されている。
【0023】
5は前記スリーブ4の内周に往復摺動自在に嵌合されたスプールで、軸方向に2つのランド部5b,5bが形成されており、前記対をなすソレノイド2a,2bの励磁、非励磁によって該スリーブ4の内周を往復摺動せしめられることにより、前記2つのランド部5bによって前記スリーブ4の各切換えポート6,7,8,9を切換えるようになっている。
該スプール5の両端部にはつば部5a,5a及び該つば部5a,5aから前記ソレノイド2a,2b側に向けて突設された押し棒部5c,5cが形成され、該押し棒部5c,5cが前記ソレノイド2a,2bの出力ロッド2d,2dに当接され、前記ソレノイド2a,2bからの駆動力が前記出力ロッド2d,2dから押し棒部5c,5cに伝達されて、該スプール5が往復駆動されるようになっている。
また、前記スプール5の両端部のつば部5aには、ばね受けとなるプレート49が当接され、該プレート49と前記ソレノイド2a,2bを構成するソレノイドケース2c,2cとの間には、ソレノイド2a,2bの戻し用のスプリング10a,10bが架設されている。
【0024】
前記スリーブ4は、図2に示すようにその両側の端面4a,4aから一定長さに亘って、前記切換えポート6,7,8,9が形成された部位(肉厚T1)よりも薄肉(肉厚T2)に形成された変形部42が一体形成されている。
そして前記スリーブ4は、その両側の端面4a,4a(図2参照)を前記ソレノイド2a,2bを構成するソレノイドケース2cの内側端面2e間に挟み込み、該ソレノイドケース2c,2cを前記ハウジング3に複数のボルト11によって締付け固定している。
【0025】
このように構成すれば、前記ハウジング3の孔1a内に固挿されたスリーブ4の両側の端面4a,4aを、対をなすソレノイド2a,2bのソレノイドケース2c,2cの内側端面2e,2e間に挟み込み、該ソレノイドケース2c,2cをボルト11によってハウジング3に締付け固定するので、前記スリーブ4をソレノイドケース2cに軸方向の隙間を形成することなく堅固に固定することが可能となる。
これにより、ソレノイド2a,2bの変位とスリーブ4の複数の切換えポート6,7,8,9及びスプール5との位置関係にずれの発生が回避され、これに伴うコントロール弁1の流量制御特性のばらつきの発生を防止できて、該コントロール弁1の作動特性が安定する。
【0026】
さらに、図2のように、前記スリーブ4は、その両側の端面4aから一定長さに亘って、前記切換えポート6,7,8,9が形成された部位(肉厚T1)よりも薄肉(肉厚T2)に形成された変形部42が一体形成されているので、該スリーブ4をソレノイドケース2c,2cの内側端面2e,2e間に挟み込み、該ソレノイドケース2c,2cをボルト11によってハウジング3に締付け固定する際に、前記スリーブ4の薄肉に形成された変形部42が弾性変形してばね作用をなし、該スリーブ4の切換えポート6,7,8,9形成部の内径に変形を伴うことなく、スリーブ4を堅固に固定することができ、これにより該スリーブ4の位置決めをより高精度になすことができる。
【0027】
また、前記スリーブ4の両側の端面4a,4aを、対をなすソレノイド2a,2bのソレノイドケース2c,2cの内側端面2e,2e間に挟み込み、該ソレノイドケース2c,2cをボルト11によってハウジング3に締付け固定するのみであるので、図5〜6に示される従来技術のような、スナップリング溝の加工及び該スナップリング溝内へのスナップリング50の嵌め込みが不要となり、従来技術に比べて加工工数及び組立工数を低減できる。
【実施例2】
【0028】
図3は本発明の第2実施例を示す図2対応図である。
この第2実施例においては、前記スリーブ4の両側の端面4a,4aと前記ソレノイドケースの内側端面2f,2fとの間に、該スリーブ4の前記切換えポート6,7,8,9が形成された部位(肉厚T1)よりも薄肉(肉厚T2)に形成された変形部材042を介装、挟持している。
このように構成すれば、前記スリーブ4の切換えポート6,7,8,9形成部よりも薄肉の変形部材042をスリーブ4の両側の端面4a,4aとソレノイドケースの内側端面2f,2fとの間に挟み込むことにより、既存のコントロール弁1についても、前記変形部材042を新製するのみでスリーブ4の両端部を一部改修することにより、前記第1実施例と同様な効果が得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、スリーブをハウジング内に軸方向隙間を生ずることなく確実に固定することが可能となり、ソレノイドの変位とスリーブの切換えポート及びスプールとの位置関係にずれの発生を回避してコントロール弁の流量制御特性にばらつきの発生を防止し、かつ加工工数及び組立工数が低減されて低コスト化可能なコントロール弁の構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施例に係るフォークリフトの油圧式荷役作業装置における油圧駆動装置に用いられるコントロール弁1の軸心線に沿う断面図である。
【図2】図1におけるZ部拡大断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す図2対応図である。
【図4】本発明が適用されるフォークリフトの油圧式荷役作業装置の油圧駆動装置の系統図である。
【図5】従来技術を示す図1対応図である。
【図6】図5におけるY部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 コントロール弁
1a 孔
2a,2b ソレノイド
2c ソレノイドケース
3 ハウジング
4 スリーブ
4a 両側の端面
5 スプール
5b ランド部
6,7,8,9 切換えポート
10a,10b スプリング
42 変形部
042 変形部材
100 油圧チェック弁
103 油圧シリンダ
103a,103b 作動油室
104 油圧ポンプ
105 圧力制御弁
106 オイルタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプと油圧シリンダとを接続する作動油路に設けられた油圧駆動装置用コントロール弁であって、ハウジング内に固定され複数の切換えポートが形成されたスリーブの内周に、対をなして設けられたソレノイドに両端部が連結されたスプールを往復摺動自在に嵌合し、前記ソレノイドにより前記スプールを移動せしめて前記切換えポートを切換えることにより前記油圧シリンダへの作動油の供給、排出及び位置制御を行なうコントロール弁において、前記スリーブの両側の端面を、前記対をなすソレノイドを構成するソレノイドケースの内側端面間に挟み込み、前記ソレノイドケースを前記ハウジングに締着部材により締付け固定したことを特徴とする油圧駆動装置用コントロール弁の構造。
【請求項2】
前記スリーブは、その両側の端面から一定長さに亘って前記切換えポートが形成された部位よりも薄肉に形成された変形部を一体形成したことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置用コントロール弁の構造。
【請求項3】
前記スリーブの両側の端面と前記ソレノイドケースの内側端面との間に、該スリーブの前記切換えポートが形成された部位よりも薄肉に形成された変形部材を介装、挟持したことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置用コントロール弁の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−92915(P2007−92915A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−284619(P2005−284619)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】