説明

治療薬としての置換アリールシクロペンタン類

本明細書においては、下記の式で表される化合物を開示する:
【化1】


(1)
また、該化合物に関連する治療方法、組成物および医薬品も開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2007年1月22日に出願された米国出願第60/886,018号の権利を主張する;該出願は、その全体を参考として本明細書に合体させる。
眼圧降下剤は、術後およびレーザー線維柱帯切除術後の高眼圧症エピソード、緑内障のような多くの各種高眼圧症状の治療において、さらに、術前補助薬として有用である。
緑内障は、眼圧上昇に特徴を有する眼の疾患である。その病因に基づき、緑内障は、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人における原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角または急性もしくは慢性閉塞隅角のいずれかであり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼球腫瘍または膨化白内障のような先在眼疾患に由来する。
【0002】
原発性緑内障の根底にある原因は、今のところ未知である。眼圧上昇は、房水流出の障害に基づく。慢性開放隅角緑内障においては、前眼房およびその解剖構造は正常のようであるが、房水の排出が阻害されている。急性または慢性閉塞隅角緑内障においては、前眼房が浅く、濾過胞角が狭窄し、虹彩が小柱網をシュレム管の入口で遮断し得る。瞳孔散大は、虹彩の根元を隅角の前方へ押圧し得、また、瞳孔ブロックを発生させ得、従って、急性発作が生ずる。狭前眼房角を有する目は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障発作にかかりやすい。
【0003】
続発性緑内障は、房水の後眼房から前眼房への、そして、その後のシュレム管への流れによる何らかの干渉に起因する。前眼部の炎症性疾患は、膨隆虹彩内に完全虹彩後癒着を生じることによって房水散逸を妨げ得、排出チャンネルを滲出液で閉塞し得る。他の一般的な病因は、眼球腫瘍、膨化白内障、網膜中心静脈閉塞症、眼の外傷、手術処置および眼内出血である。
全てのタイプをまとめて検討すると、緑内障は、40歳以上の全人口の約2%において発症し、急速な失明に進行する前の数年間は無症状であり得る。手術が適応でない場合においては、局所β-アドレナリン受容体拮抗薬が、伝統的に、緑内障治療における選択薬物である。
【0004】
ある種のエイコサノイド類およびその誘導体は、緑内障の管理に使用するのに現在商業的に入手可能である。エイコサノイド類および誘導体としては、プロスタグランジン類およびその誘導体のような多くの生物学的に重要な化合物がある。プロスタグランジン類は、下記の構造式で表されるプロスタン酸の誘導体として説明することができる:
【化1】

【0005】
種々のタイプのプロスタグランジンが、プロスタン酸骨格の構造およびその脂環式環上に担持された置換基に応じて知られている。さらなる分類は、包括的タイプのプロスタグランジンの後の下付き数字[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]によって示される側鎖中の不飽和結合の数、およびαまたはβ[例えば、プロスタグランジンF(PGF)]によって示される脂環式環上の置換基の構造に基づく。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において、下記の式で表される化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグを開示する:
【化2】

(式中、Yは、有機酸官能基、またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチル、またはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子は、SまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、Arはインター(中間)アリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換することができ、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または-C≡C‐によって置換することができ;
Gは、HまたはOHであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0007】
また、下記の式で表される化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグも開示する:
【化3】

(式中、Yは、カルボン酸またはそのバイオイソスターであり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3-または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換することができ、1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができ;
Gは、HまたはOHであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【0008】
これらの化合物は、緑内障または高眼圧症を治療するのに有用である。
本明細書において示した定義、説明および例は、本明細書に参考として合体させたいずれかの開示から何らかの不明確さが生じる場合の特定の用語または表現の意味を判断するのに使用すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
“バイオイソスターは、化学的または物理的類似性を有し且つ広範囲の同様な生物学的特性を生じる置換基または基である”。Silverman, Richard B., The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Edition, Amsterdam: Elsevier Academic Press, 2004, p. 29。
限定するつもりはないが、有機酸官能基は、カルボン酸のバイオイソスターである。有機酸官能基は、有機分子上の酸性官能基である。限定するつもりはないが、有機酸官能基は、炭素、イオウまたはリンの酸化物を含み得る。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、ある種の化合物においては、Yは、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸官能基である。
【0010】
さらに、14個までの炭素原子を含む上記有機酸の1つのアミドまたはエステルもYにおいて意図する。エステルにおいては、ヒドロカルビル成分により、カルボン酸エステル、例えば、CO2Me、CO2Et等におけるように、酸の水素原子が置換されている。
アミドにおいては、アミン基により、上記酸のOHが置換されている。アミドの例としては、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2およびCONH(CH2CH2OH)があり、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである。また、CONHSO2R2のような成分は、スルホン酸R2‐SO3Hのアミドであるとみなし得るという事実にもかかわらずカルボン酸のアミドである。また、次のアミド類もとりわけ意図する:CONSO2‐ビフェニル、CONSO2‐フェニル、CONSO2‐ヘテロアリールおよびCONSO2‐ナフチル。上記ビフェニル、フェニル、ヘテロアリールまたはナフチルは、置換しても置換しなくてもよい。
【0011】
Han等(Biorganic & Medicinal Chemistry Letters 15 (2005) 3487‐3490)は、下記に示す基が、カルボン酸に対する適切なバイオイソスターであることを最近証明している。これらの基を有する化合物のHCV NS3プロテアーゼ抑制における活性は、その基をCO2Hによって置換している同様な化合物と匹敵するか或いはそれよりも優れていた。即ち、Yは、下記に示す任意の基であり得る。
Han等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化4】

【0012】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、ヒドロキシメチルまたはその14個までの炭素原子を含むエーテルであり得る。エーテルは、ヒドロキシルの水素が炭素によって置換されている官能基であり、例えば、Yは、CH2OCH3、CH2OCH2CH3等である。また、これらの基も、カルボン酸のバイオイソスターである。
“14個までの炭素原子”とは、カルボン酸エステルまたはアミドのカルボニル炭素、およびエーテルの‐CH2O‐C中の両炭素原子を含むY成分全体が0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個の炭素原子を有することを意味する。
最後に、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Yは、テトラゾリル官能基であり得る。
【0013】
従って、限定するつもりはないが、下記の構造は、何が、テトラゾリル;カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、並びにそれらのエステルおよびアミド;ヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチルのエステルを意味するかを例示している。これらの構造においては、Rは、本明細書において定義した限定を条件として、Hまたはヒドロカルビルである。
下記の各構造は、個々に意図する特定の実施態様、並びに下記の構造によって示される化合物の製薬上許容し得る塩類およびプロドラッグを示す。
【0014】
【化5】

【0015】
【化6】

【0016】
テトラゾリル官能基は、カルボン酸のもう1つのバイオイソスターである。非置換テトラゾリル官能基は、2つの互変異性体形を有し、水性または生物学的媒質中で急速に相互転換し得、従って、互いに等価である。これらの互変異性体を、下記に示す。
【化7】

【0017】
さらに、R2がC1〜C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである場合、下記に示すもののような他の異性体形のテトラゾリル官能基も可能であり、非置換およびC12までのヒドロカルビル置換テトラゾリルは、用語“テトラゾリル”の範囲内に属するとみなす。
【化8】

【0018】
本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、1つの実施態様においては、Yは、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、および下記である:
【化9】

(式中、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルである)。
【0019】
Silverman(p.30)によれば、下記に示す成分もカルボン酸のバイオイソスターである。
Silvermanに従うカルボン酸バイオイソスター
【化10】

【0020】
Orlek等(J. Med. Chem. 1991, 34, 2726‐2735)は、カルボン酸に対する適切なバイオイソスターとしてのオキサジアゾール類を開示している。これらのエステル代替物は、改良された代謝安定性を有する強力なムスカリン作用薬であることが証明されている。また、オキサジアゾール類は、Anderson等(Eur. J. Med. Chem. 1996, 31, 417‐425)によって、ベンゾジアゼピンレセプターにおいて改良された生体内有効性を有するカルボキサミド代替物としても説明されている。
Orlek等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化11】

【0021】
Kohara等(J. Med. Chem. 1996, 39, 5228‐5235)は、テトラゾールに対する適切なバイオイソスターとしての酸性複素環を開示している。これらのカルボン酸代替物は、改良された代謝安定性を有する強力なアンジオテンシンIIレセプター拮抗薬であることが証明されている。
Kohara等に従うテトラゾールバイオイソスター
【化12】

【0022】
Drysdale等(J. Med. Chem. 1992, 35, 2573‐2581)は、非ペプチドCCK‐Bレセプター拮抗薬のカルボン酸擬態物を開示している。多くのこれらバイオイソスターの結合親和性は、親カルボン酸と同様である。
Drysdale等に従うカルボン酸バイオイソスター
【化13】

【0023】
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C-(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換することができ、1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。
従って、限定するつもりはないが、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐、または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり得る。
【0024】
また、Aは、炭素のいずれかがSまたはOによって置換されているこれら3つの成分の1つに関連する基であり得る。例えば、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Aは、Sにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化14】

【0025】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Aは、Oにより1個または2個の炭素原子を置換している下記の1つ等のような成分であり得る。
【化15】

【0026】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、Aは、下記の1つ等のように、1個の炭素原子を置換しているOおよびもう1個の炭素原子を置換しているSを有し得る。
【化16】

【0027】
また、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、ある種の実施態様においては、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり;Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換することができ、1個の‐CH2-CH2は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。換言すれば、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、
1つの実施態様においては、Aは、1) a) 1、2、3または4個のCH2成分、またはb) 0、1または2個のCH2成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、2) Ar、例えば、‐CH2‐Ar‐、‐(CH2)2‐Ar‐、‐CH=CH‐Ar‐、‐C≡C-Ar‐、‐CH2‐Ar‐CH2‐、‐CH2Ar‐(CH2)2‐、‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐CH2Ar-C≡C‐、‐(CH2)2‐Ar‐(CH2)2‐等を含み;
もう1つの実施態様においては、Aは、1) a) O;および0、1、2または3個のCH2成分、またはb) O;並びに0または1個のCH2成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、2) Ar、例えば、‐O‐Ar‐、Ar‐CH2‐O‐、‐O‐Ar‐(CH2)2‐、‐OAr‐CH=CH‐、‐O‐Ar‐C≡C‐、‐O‐CH2‐Ar‐、‐O‐CH2‐Ar‐(CH2)2、‐O‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐O‐CH2Ar‐C≡C‐等を含み;或いは、
もう1つの実施態様においては、Aは、1) a) S;および0、1、2または3個のCH2成分、またはb) S;並びに0または1個のCH2成分および‐CH=CH‐または‐C≡C‐;および、
2) Ar、例えば、‐S‐Ar‐、Ar‐CH2‐S‐、‐S‐Ar‐(CH2)2‐、‐SAr‐CH=CH‐、‐S‐Ar‐C≡C‐、‐S‐CH2‐Ar‐、‐S‐CH2‐Ar‐(CH2)2、‐S‐CH2Ar‐CH=CH‐、‐S‐CH2Ar‐C≡C‐等を含む。
【0028】
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、2、3または4であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換することができ;そして、1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、3であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換することができ;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、2であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換することができ;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。
もう1つの実施態様においては、mとoの和は、4であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換することができ;1個の‐CH2‐CH2‐は、‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができる。
【0029】
インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンとは、分子の2つの他の部分を連結しているアリール環もしくは環系またはヘテロアリール環もしくは環系を称する、即ち、上記2つの部分は、上記環に2つの異なる環位置において結合している。インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、置換されていてもまたは置換されていなくてもよい。非置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが連結している分子の上記2つの部分以外の置換基を有さない。置換インターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンは、これらのアリーレンが連結している分子の上記2つの部分以外の置換基を有する。
【0030】
1つの実施態様においては、Arは、置換または非置換のインターフェニレン、インターチエニレン、インターフリレン、インターピリジニレン、インターオキサゾリレンおよびインターチアゾリレンである。もう1つの実施態様においては、Arは、インターフェニレン(Ph)である。もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐である。本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、置換基は、4個以下の重原子を有し得る;重原子は、任意の安定な組合せにおけるC、N、O、S、P、F、Cl、Brおよび/またはIである。また、特定の置換基において必要な任意の数の水素原子も含ませ得る。上記で列挙した原子以外に、置換基は、置換基が酸性でありその塩形が安定である場合、金属カチオンまたは上記で列挙していない原子を有する任意の他の安定なカチオンも有し得る。例えば、‐OHは、‐O‐Na+塩を形成し得;或いは、CO2Hは、CO2‐K+塩を形成し得る。上記塩の存在し得るカチオンは、上記“4個以下の重原子”には計数しない。即ち、置換基は、ヒドロカルビル、即ち、C4までのアルキル、アルケニル、アルキニル等のような、4個までの炭素原子を有する線状、枝分れまたは環状のヒドロカルビルおよびそれらの組合せを含む炭素と水素のみからなる成分;C3までのヒドロカルビルオキシ、即ち‐O‐ヒドロカルビル;CO2H、SO3H、P(O)(OH)2等のような有機酸およびその塩類;CF3;F、ClまたはBrのようなハロヒドロキシルNH2およびC3までのアルキルアミン官能基;CN、NO2等のような他のNまたはS含有置換基等であり得る。
【0031】
1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)m‐Ph‐(CH2)o‐であり;mとoの和は、1、2または3であり;1個のCH2は、SまたはOによって置換することができる。
もう1つの実施態様においては、Aは‐CH2‐Ar‐OCH2‐である。もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐Ph‐OCH2‐である。もう1つの実施態様においては、Phは、1および3位置で結合しており、或いは、Aが下記に示す構造を有するときのようなm‐インターフェニレンとして知られる。
【化17】

【0032】
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐であり、1個のCH2はSまたはOによって置換することができる。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)2‐Ph‐である。
1つの実施態様においては、Arは、チエニルである。
【0033】
他の実施態様においては、Aは、下記の構造の1つを有する。
【化18】

【0034】
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2OCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2SCH2Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)3Arである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2O(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2S(CH2)4である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)6‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2C≡C‐(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐S(CH2)3S(CH2)2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)4OCH2‐である。
【0035】
もう1つの実施態様においては、Aは、シス‐CH2CH=CH‐CH2OCH2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2CH≡CH‐CH2OCH2‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐(CH2)2S(CH2)3‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐Ph‐OCH2‐であり、Phはインターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐mPh‐OCH2‐であり、mPhはm‐インターフェニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐(CH2)4‐である。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐CH2‐Ar‐であり、Arは2,5‐インターチエニレンである。
もう1つの実施態様においては、Aは、‐CH2‐O‐CH2‐Ar‐であり、Arは2,5‐インターフリレンである。
【0036】
もう1つの実施態様においては、Aは、(3‐メチルフェノキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(4‐ブト‐2‐イニルオキシ)メチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2‐(2‐エチルチオ)チアゾール‐4‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、2‐(3‐プロピル)チアゾール‐5‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐(メトキシメチル)フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐(3‐プロピルフェニル)である。
もう1つの実施態様においては、Aは、3‐メチルフェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐(2‐エチル)フェニルである。
【0037】
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐フェネチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、4‐メトキシブチルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(メトキシメチル)フラン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(メトキシメチル)チオフェン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(3‐プロピル)フラン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、5‐(3‐プロピル)チオフェン‐2‐イルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、6‐ヘキシルである。
もう1つの実施態様においては、Aは、(Z)‐6‐ヘキセ‐4‐エニルである。
【0038】
Gは、HまたはOHである。従って、下記の構造を有する化合物が可能である。
【化19】

【0039】
Bは、アリールまたはヘテロアリールである。
アリールは、フェニル、ナフチル、ビフェニル等のような芳香族環または環系である。
ヘテロアリールは、環中に1個以上のN、OまたはS原子を有するアリールである、即ち、1個以上の環炭素が、N、Oおよび/またはSによって置換されている。限定するつもりはないが、ヘテロアリールの例としては、チエニル、ピリジニル、フリル、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、イミジゾールオリル(imidizololyl)、インドリル等がある。
【0040】
アリールまたはヘテロアリールの置換基は、安定でなければならず、各々20個までの非水素原子と必然なだけの水素原子を有し得る;非水素原子は、任意の安定な組合せにおけるC、N、O、S、P、F、Cl、Brおよび/またはIである。しかしながら、組合せた全ての置換基における非水素原子の総数も、20個以下でなければならない。上記で列挙した原子以外に、置換基は、置換基が酸性でありその塩形が安定である場合、金属カチオンまたは上記で列挙していない原子を有する他の安定なカチオンも有し得る。例えば、‐OHは、‐O‐Na+塩を形成し得;或いは、CO2Hは、CO2‐K+塩を形成し得る。上記塩の存在し得るカチオンは、上記20個の非水素原子には計数しない。従って、本発明の範囲を如何なる形でも限定するつもりはないが、置換基は、ヒドロカルビル、即ち、線状、枝分れまたは環状のヒドロカルビルを含むアルキル、アルケニル、アルキニル等およびこれらの組合せのような炭素と水素のみからなる成分;OCH3、OCH2CH3、O‐シクロヘキシル等のようなO‐ヒドロカルビルを意味する、19個までの炭素原子のヒドロカルビルオキシ;CH2OCH3、(CH2)2OCH(CH3)2等のような他のエーテル置換基;S‐ヒドロカルビルおよび他のチオエーテル置換基のようなチオエーテル置換基;CH2OH、C(CH3)2OH等のようなヒドロキシアルキルを含むヒドロカルビル‐OHを意味する、19個までの炭素原子のヒドロキシヒドロカルビル;NO2、CN等のような、また、NH2、NH(CH2CH3OH)、NHCH3等のようなアミノを包含する窒素置換基;CO2H、エステル、アミド等のようなカルボニル置換基;クロロ、フルオロ、ブロモ等のようなハロゲン;CF3、CF2CF3等のようなフルオロカルビル;PO32‐等のようなリン置換基;S‐ヒドロカルビル、SH、SO3H、SO2‐ヒドロカルビル、SO3‐ヒドロカルビル等のようなイオウ置換基であり得る。
【0041】
置換アリールまたはヘテロアリールは、その環または環系が担持する限りの置換基を有し得、置換基は同一または異なるものであり得る。従って、例えば、アリール環またはヘテロアリール環は、クロロとメチル;メチル、OHおよびF;CN、NO2およびエチル等によって置換することができ、本開示に照らして可能性のある任意の考えられる置換基または置換基の組合せを含み得る。
また、置換アリールまたは置換ヘテロアリールは、1個以上の環が芳香族であり、1個以上の環が芳香族ではない二環式または多環式環系も含む。例えば、インダノニル、インダニル、インダノリル、テトラロニル等は、置換アリールであり、また、置換フェニルでもある。このタイプの多環式環系においては、非芳香環ではない芳香環または芳香族複素環は、分子の残余、即ち、Bではない分子部分に結合していなければならない。換言すれば、本明細書において‐B(‐は結合である)を示すいずれの構造においても、その結合は、芳香族環への直接結合である。
【0042】
ヒドロカルビルは、限定するものではないが、下記のもののような炭素と水素のみからなる成分である:
1.二重または三重炭素‐炭素結合を含有しないヒドロカルビルであるアルキル;アルキルとしては、限定するものではないが、下記がある:
線状アルキル、環状アルキル、枝分れアルキル、およびこれらの組合せ;
限定するものではないが、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、n‐プロピル等のような、1個、2個または3個の炭素原子を有するアルキルを称するC1‐3アルキル;
限定するものではないが、メチル、エチル、各プロピル異性体、シクロプロピル、各ブチル異性体、シクロブチル、各ペンチル異性体、シクロペンチル、各ヘキシル異性体、シクロヘキシル等のような、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキルを称するC1‐6アルキル;
これらの用語の組合せも可能であり、その意味は、当業者にとって自明であろう;例えば、C1‐6線状アルキルは、線状でもあるC1‐6アルキルを称する;
2.1個以上の炭素‐炭素二重結合を含有するヒドロカルビルであるアルケニル;アルケニルとしては、限定するものではないが、下記がある:
線状アルケニル、環状アルケニル、枝分れアルケニル、およびこれらの組合せ;
1個、2個、3個またはそれ以上の炭素‐炭素二重結合を有するアルケニル;
3.1個以上の炭素‐炭素三重結合を含有するヒドロカルビルであるアルキニル;アルキニルとしては、限定するものではないが、下記がある:
線状アルキニル、環状アルキニル、枝分れアルキニル、およびこれらの組合せ;
1、2、3個またはそれ以上の炭素‐炭素二重結合を有するアルキニル;
4.アリール、但し、環中または置換基としてのいずれであってもヘテロ原子を含有しないことを条件とする;および、
5.上記の任意の組合せ。
【0043】
C1‐6ヒドロキシアルキルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換フェニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換チエニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ナフチルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換フリルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ピリジニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換ベンゾチエニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換インダニルである。
もう1つの実施態様においては、Bは、置換または非置換テトラロニルである。
【0044】
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3、4または5個の置換基を有し;各置換基は、1個以上の炭素、フッ素、塩素、臭素、酸素またはイオウ原子を有し、全部の置換基のは、まとめると、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子;0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子;0、1、2または3個の塩素原子;0、1、2または3個の臭素原子;0、1、2または3個の酸素原子;0、1、2または3個のイオウ原子;0、1、2または3個の窒素原子からなる。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3、4または5個の置換基を有し;各置換基は、1個以上の炭素、フッ素、塩素、臭素または酸素原子を有し、全部の置換基は、まとめると、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子;0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個のフッ素原子;0、1、2または3個の塩素原子;0、1、2または3個の臭素原子;および、0、1、2または3個の酸素原子からなる。
【0045】
もう1つの実施態様においては、Bは、式CaHbOcの置換基を有し;式中、aは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19であり;そして、cは、0、1、2または3である。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する1、2、3または4個のアルキル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子と1または2個のヒドロキシ成分とを有するヒドロキシアルキル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有するアルキル置換基を有する。
【0046】
もう1つの実施態様においては、Bは、0、1、2、3または4個のハロゲン置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3または4個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、2個のクロロ置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2、3または4個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1、2または3個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、1個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、2個のトリフルオロメチル置換基を有する。
もう1つの実施態様においては、Bは、ヒドロキシル置換基を有する。
【0047】
Bの有用な成分の例を下記に示す。各々を、個々に、1つの実施態様として意図する。
【化20】

【0048】
【化21】

【0049】
【化22】

【0050】
【化23】

【0051】
【化24】

【0052】
【化25】

上記の実施態様においては、xは5、6または7であり、y+zは2x+1である。
1つの実施態様においては、xは5であり、y+zは11である。
もう1つの実施態様においては、xは6であり、y+zは13である。
もう1つの実施態様においては、xは7であり、y+zは15である。
【0053】
化合物、置換基、成分、またはあり得る構造的特徴は、これらが、単離すべき化合物において、通常の大気条件下に室温で少なくとも12時間十分に安定である場合或いはこれらが十分に安定であって本明細書において開示する少なくとも1つの使用において有用である場合は安定である。
芳香族なる用語は、当該技術において一般的に理解されている意味を称する、即ち、この用語は、4N+2のリング電子(例えば、2、6、10個等)を有する不飽和の十分に結合共役した環を称する。従って、フェニル、ピリジニル、チエニル、フリル等は、芳香族である。アリールは、芳香族である成分である。
【0054】
製薬上許容し得る塩は、親化合物の活性を保持し、且つ、親化合物と比較して、投与する対象者に対してまた投与するのに関連して何らさらなる有害なまたは厄介な作用を与えない任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。
有用な塩の例としては、限定するものではないが、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等がある。
特に断らない限り、化合物に関する言及は、開示した構造体の製薬上許容し得る塩、互変異性体およびプロドラッグを包含するものと広く解釈すべきである。
【0055】
立体化学特性が明確に示されていない限り、構造体は、純粋または任意の可能性ある混合物中双方の全ての可能性ある立体異性体を包含するものとする。具体的には、下記の構造において示す立体化学特性を有する化合物を意図する。
【化26】

【0056】
当業者であれば、ハッチ型ウェッジ/固形ウェッジ(hatched wedge/solid wegde)構造特性に関連する立体化学の意味は理解していることである。例えば、入門有機化学教本(Francis A. Carey, Organic Chemistry, New York: McGraw-Hill Book Company 1987, p. 63)は、“ウェッジは紙面から観察者に向かう結合を示す”、さらに“点線”として示されるハッチ型ウェッジは“観察者から後退する結合を示す”と説明している。
本発明の目的においては、“治療する”“処置する”または“治療”とは、化合物、組成物、治療活性剤または薬物の、疾患または他の望ましくない症状の診断、治療、緩和、治療、予防における使用を称する。
【0057】
推定の有用な化合物を下記に示す。
【化27】

【0058】
【化28】

【0059】
【化29】

【0060】
本明細書に開示する化合物は、哺乳類の緑内障または高眼圧症の治療用医薬品の製造において有用である。
もう1つの実施態様は、本明細書得に開示する化合物を含む医薬品であり、該組成物は、眼科的に許容し得る液体である。
もう1つの実施態様は、本明細書に開示する化合物を哺乳類に緑内障または高眼圧症の治療のために投与することを含む方法である。
もう1つの実施態様は、本明細書に開示する化合物含む組成物、容器、並びに上記組成物を緑内障または高眼圧症の治療のために哺乳類に投与するための使用説明書を含むキットである。
【0061】
合成方法
スキーム1
【化30】

【0062】
調製1
3‐クロロ‐5‐ヒドロキシフェネチルアセテート(9、スキーム1)
工程1:エーテル2を得るためのフェノール1の保護
炭酸カリウム(4.3g、31.1ミリモル)と4‐メトキシベンジルクロライド(2.02mL、14.9ミリモル)を、DMF(100mL)中のフェノール1(2006年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/757,696号参照(本明細書に参考として合体させる);2.30g、12.3ミリモル)の溶液に添加した。混合物を100℃に加熱した。3時間後、混合物を室温に冷却し、その後、水(150mL)とEtOAc (200mL)間に分配させた。相を分離し、有機相をさらなる水(100mL)と塩水(50mL)で洗浄した。その後、有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製して、3.25g (86%)のエーテル2を得た。
【0063】
工程2:3を得るための2の還元
THF(17mL)中のエステル2(3.25g、10.6ミリモル)の溶液を、0℃のTHF(5mL)中のLiBH4(0.346g、15.9ミリモル)の溶液にシリンジによって添加した。混合物を80℃で1夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で失活させ、5%クエン酸水溶液(100mL)で希釈し、EtOAc(75mL)で抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2.91g (99%)のアルコール3を得た。
【0064】
工程3:4を得るための3の酸化
CH2Cl2 (125mL)中のアルコール3(2.50g、8.97ミリモル)の溶液を、CH2Cl2 (125mL)中のデス・マーチンペルヨージナン(Dess‐Martin periodinane) (4.57g、10.8ミリモル)の溶液に添加した。室温で2時間後、反応物を、水(500mL)とCH2Cl2(300mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×250mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(200mL)で洗浄し、次いで、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2.42g (97%)のアルデヒド4を得た。
【0065】
工程4:5を得るための4のウィッティヒ反応
カリウムtert‐ブトキシド(2.54g、22.6ミリモル)を、0℃のTHF(60mL)中のメトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(3.72g、10.8ミリモル)の溶液に添加した。0℃で30分後、THF(30mL)中のアルデヒド4(2.5g、9.03ミリモル)の溶液を添加した。反応混合物を室温に温め、1夜撹拌した。反応物を、H2Oをゆっくり添加するによって0℃で失活させ、その後、10%HCl水溶液(95mL)とEtOAc(100mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をEtOAc (2×50mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(20mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)により精製して、2.70g (98%)のエノールエーテル5を得た。
【0066】
工程5:6を得るための5の加水分解
MのHCl水溶液(2.84mL、0.28ミリモル)を、ジオキサン(90mL)中のエノールエーテル5(2.70g、8.86ミリモル)の溶液に添加した。室温で1時間後、混合物を60℃で2.5時間加熱し、その後、室温に冷却した。反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液(300mL)とCH2Cl2(300mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×300mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相をH2Oと塩水で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、812mg (32%)のアルデヒド6を得た。
【0067】
工程6:7を得るための6の還元
水素化ホウ素ナトリウム(159mg、4.20ミリモル)を、0℃のMeOH(34mL)中のアルデヒド6(812mg、2.79ミリモル)の溶液に添加した。混合物を室温に温めた。室温で20分後、反応物を0℃に冷却し、水をゆっくり添加するによって失活させた。その後、混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc (2×300mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、816mg (99%)のアルコール7を得た。
【0068】
工程7:8を得るための7の保護
ピリジン(247μL、3.05ミリモル)と塩化アセチル(216μL、3.04ミリモル)を、CH2Cl2 (15mL)中のアルコール7(816mg、2.79ミリモル)の溶液に連続添加した。5分後、反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液(150mL)とCH2Cl2(150mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×150mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(150mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサン)により精製して、850mg (91%)のアセテート8を得た。
【0069】
工程8:9を得るための8の脱保護
2,3‐ジクロロ‐5,6‐ジシアノ‐1,4‐ベンゾキノン(DDQ、814mg、3.59ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (9mL)およびH2O (0.45mL)中のエーテル8(400mg、1.19ミリモル)の混合物に添加した。0℃で1時間後、反応物を室温に温めた。室温で4時間後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で失活させた。混合物をCH2Cl2 (3×100mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を水と塩水で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、80mg (31%)の標示化合物(9)を得た。
【0070】
スキーム2
【化31】

【実施例1】
【0071】
(Z)‐7‐{(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐[3‐クロロ‐5‐(2‐ヒドロキシエチル)‐フェノキシメチル]‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル}‐ヘプテ‐5‐エン酸(13、スキーム2)
工程1:11を得るための9と10との光延反応
トリフェニルホスフィン(98mg、0.37ミリモル)とジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD、58 L、0.30ミリモル)を、CH2Cl2(1.0mL)中のアルコール10(2006年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/757,696号参照;100mg、0.25ミリモル)とフェノール9(調製物1、80mg、0.37ミリモル)との溶液に連続添加した。室温で18時間の撹拌後、反応混合物を、飽和NaHCO3水溶液(20mL)とCH2Cl2 (15mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×20mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(15mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製して、108mg (72%)のアリールエーテル11を得た。
【0072】
工程2:12を得るための11の脱保護
ピリジニウム p‐トルエンスルホネート(PPTs、4.7mg、0.019ミリモル)を、室温のメタノール(2.0mL)中の11(108mg、0.18ミリモル)の溶液に窒素下に添加した。溶液を40℃で5時間加熱し、その後、冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、53mg (57%)のアルコール12を得た。
工程3:13を得るための12の加水分解
水酸化リチウム(0.15mLの1.0M 水溶液、0.15ミリモル)を、THF(0.13mL)中のエステル12(13mg、0.025ミリモル)の溶液に添加した。室温で2時間後、反応物を、10%HCl水溶液(3mL)とEtOAc (7mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をEtOAc (2×7mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮して、11mg(定量)の標示化合物(13)を得た。
【0073】
スキーム3
【化32】

【実施例2】
【0074】
(Z)‐7‐{(1R,2S,3R,5R)‐2‐[3‐(2‐アセトキシ‐エチル)‐5‐クロロ‐フェノキシメチル]‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル}‐ヘプテ‐5‐エン酸(14、スキーム3)
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (20mg、0.017ミリモル)とピロリジン(14 L、0.17ミリモル)を、CH2Cl2(1.0mL)中のアリルエステル12(30mg、0.058ミリモル)の溶液に連続添加した。5分後、反応混合物を、1.0M HCl水溶液(5mL)とCH2Cl2(15mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%EtOAc/ヘキサン)により精製して、9mg (33%)の標示化合物(14)を得た。
【0075】
スキーム4
【化33】

【実施例3】
【0076】
(Z)‐7‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐メトキシメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐]シクロペンチル‐ヘプテ‐5‐エン酸(19、スキーム4)
工程1:16を得るための15の加水分解
エステル15(2006年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/757,696号参照;200mg、0.343ミリモル)を、実施例1の工程3の手順に従い、140mg (57%)のヒドロキシ酸16に転換した。
工程2:17を得るための16のジメチル化
DMF(0.5mL)中のヒドロキシ酸16(54 mg、0.11ミリモル)の溶液を、DMF(0.5mL)中の水素化ナトリウム(11mgの60質量%懸濁液、0.28ミリモル)の懸濁液に添加した。その後、ヨードメタン(67μL、1.08ミリモル)を添加した。反応混合物を、水(5mL)とEtOAc(10mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をEtOAc (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、50mg (88%)の17を得た。
【0077】
工程3:18を得るための17の脱保護
アセタール17(50mg、0.094ミリモル)を、実施例1の工程2の手順に従い、23mg (55%)のアルコール18に転換した。
工程4:19を得るための18の加水分解
エステル18(23mg、0.052ミリモル)を、実施例1の工程3の手順に従い、13mg (58%)の標示化合物(19)に転換した。
【0078】
スキーム5
【化34】

【実施例4】
【0079】
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(27、スキーム5)
工程1:21を得るための20の光延反応
トリフェニルホスフィン(38mg、0.14ミリモル)とDIAD(23μL、0.12ミリモル)を、CH2Cl2 (1.0mL)中のアルコール20(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照、参考として本明細書に合体させる;40mg、0.096ミリモル)と3,5‐ジクロロフェノール(23mg、0.14ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間の撹拌後、混合物を、CH2Cl2 (10mL)と飽和NaHCO3水溶液(10mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、20mg (37%)の21を得た。
【0080】
工程2:24を得るための21の脱保護24
ピリジニウム p‐トルエンスルホネート(PPTs、1mg、0.004ミリモル)を、室温のメタノール(0.35mL)中の21(20mg、0.036ミリモル)の溶液に添加した。溶液を40℃に1夜加熱し、その後、冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、10mg (59%)の24を得た。
工程3:27を得るための24の加水分解
エステル24(10mg、0.021ミリモル)を、実施例1の工程3の手順に従うが以下のように修正して、3mg (31%)の標示化合物(27)に転換した:反応物を室温で18時間撹拌し、粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2)により精製した。
【実施例5】
【0081】
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(28、スキーム5)
エステル25(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照;30mg、0.058ミリモル)を、実施例4の工程3の手順に従い、13mg (49%)の標示化合物(28)に転換した。
【実施例6】
【0082】
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(29、スキーム5)
工程1:23を得るための20の光延反応
トリフェニルホスフィン(47mg、0.18ミリモル)とDIAD(27μL、0.14ミリモル)を、CH2Cl2 (0.6mL)中のアルコール20(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照;50mg、0.12ミリモル)と3,5‐ジメチルフェノール(17mg、0.14ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間の撹拌後、混合物を、CH2Cl2 (10mL)と飽和NaHCO3水溶液(10mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過して、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、53mg (85%)の23を得た。
【0083】
工程2:26を得るための23の脱保護
アセタール23(53mg、0.10ミリモル)を、実施例4の工程2の手順に従い、37mg (83%)のアルコール26に転換した。
工程3:29を得るための26の加水分解
エステル26(37mg、0.085ミリモル)を、実施例1の工程3の手順に従うが以下のように修正して、15mg (42%)の標示化合物(29)に転換した:反応物を40℃で18時間撹拌し、粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2)により精製した。
【0084】
スキーム6
【化35】

【実施例7】
【0085】
5‐{3‐[(1R,2S)‐2‐(3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチル‐フェノキシメチル)‐5‐オキソ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(39、スキーム6)
工程1:31を得るための30の保護
ジヒドロピラン(391μL、4.29ミリモル)とPPTs (50mg、0.20ミリモル)を、CH2Cl2 (3.0mL)中のアルコール30(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照;550mg、1.07ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を40℃で1夜加熱し、その後、冷却し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、550mg (86%)の31を得た。
【0086】
工程2:32を得るための31の脱シリル化
フッ化テトラブチルアンモニウム(2.51mLの1.0M THF溶液、2.51ミリモル)を、THF (7.6mL)中の31(500mg、0.84ミリモル)の溶液に添加した。室温で18時間後、反応混合物を、水(10mL)とEtOAc (20mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をEtOAc (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、393mg (97%)の32を得た。
【0087】
工程3:33を得るための32の光延反応
アルコール32(437mg、0.91ミリモル)と3‐クロロ‐5‐ヒドロキシベンジルアセテート(2006年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/757,696号参照;218mg、1.09ミリモル)を、実施例6の工程1の手順に従い、350mg (58%)のアリールエーテル33に転換した。
工程4:34を得るための33の脱保護
ビス‐アセタール33(350mg、0.53ミリモル)を、実施例4の工程2の手順に従い、150mg (57%)のジオール34に転換した。
【0088】
工程5:35を得るための34のモノシリル化
トリエチルアミン(63 L、0.45ミリモル)、ジメチルアミノピリジン(7mg、0.057ミリモル)およびtert‐ブチルジメチルシリルクロライド(50mg、0.33ミリモル)を、CH2Cl2 (1.5mL)中の34(150mg、0.30ミリモル)の溶液に連続添加した。室温で18時間の撹拌後、混合物を、CH2Cl2 (10mL)と飽和NaHCO3水溶液(5mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、90mg (49%)の35を得た。
【0089】
工程6:36を得るための35の酸化
デス・マーチンペルヨージナン(75mg、0.18ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (7.35mL)中の35(90mg、0.15ミリモル)の溶液に添加し、混合物を室温に温めた。室温で2時間後、混合物を、CH2Cl2 (10mL)と水(10mL)間に分配させた。相を分離し、水性相をCH2Cl2 (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、80mg (89%)のケトン36を得た。
【0090】
工程7:37を得るための36の除去
リチウムジイソプロピルアミドの溶液(0.41mLのヘプタン‐THF‐エチルベンゼン中2.0 M溶液、0.82ミリモル)を、−78℃のTHF (2.3mL)中の36(80mg、0.13ミリモル)の溶液に添加した。−78℃で90分後、混合物を室温に温めた。室温で15分後、反応物を 0.1N HCl水溶液(15mL)を添加することによって失活させ、EtOAc (3×20mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、40mg (64%)のエノン37を得た。
【0091】
工程8:38を得るための37の水素化
炭素上のパラジウム(10質量%、8mg)を、EtOAc (1.6mL)中のエノン37(40mg、0.084ミリモル)の溶液に添加した。水素雰囲気を、抜気し水素を再充填すること(5×)によって確立し、反応混合物を水素バルーン下で18時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、EtOAcで洗浄し、濾液を真空中で濃縮して、31mg (77%)の飽和ケトン38を得た。
工程9:39を得るための38の加水分解
エステル38(5mg、0.010ミリモル)を、実施例4の工程3の手順に従い、3.5mg (79%)の標示化合物(39)に転換した。
【0092】
スキーム7
【化36】

【実施例8】
【0093】
5‐{3‐[(1R,2R,5S)‐2‐クロロ‐5‐(3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチル‐フェノキシメチル)‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(43、スキーム7)
工程1:40を得るための38の還元
L‐セレクトリド(selectride)の溶液(74μLのTHF中1.0 M溶液、0.074ミリモル)を、−78℃のTHF(1.8mL)中の38(26mg、0.054ミリモル)の溶液に添加した。−78℃で1時間後、追加のL‐セレクトリド(108μL、0.108ミリモル)を添加した。−78℃で5時間後、反応物を3%H2O2水溶液(1.5mL)を添加することによって失活させ、混合物を室温に温めた。水(5mL)を添加し、混合物をEtOAc (2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、13mg (50%)のアルコール40を得た。
【0094】
工程2:41を得るための40のメシル化
トリエチルアミン(5.6μL、0.040ミリモル)と塩化メタンスルホニル(2.6μL、0.033ミリモル)を、0℃のCH2Cl2 (0.2mL)中の40(13mg、0.027ミリモル)の溶液に連続添加し、反応物を室温に温めた。室温で18時間後、飽和NaHCO3水溶液(5 mL)を添加し、混合物をCH2Cl2 (3×5mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水(2mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮し、15mg (99%)のメシラート41を得た。
【0095】
工程3:41のクロライド42への転換
テトラブチルアンモニウムクロライド(38mg、0.14ミリモル)を、トルエン(0.27mL)中の41(15mg、0.027ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を50℃で18時間加熱した。冷却した混合物を塩水(10mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。粗残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、5mg (37%)のクロライド42を得た。
工程4:43を得るための42の加水分解
エステル42(5mg、0.010ミリモル)を、実施例4の工程3の手順に従い、1mg (23%)の標示化合物(43)に転換した。
【0096】
スキーム8
【化37】

【実施例9】
【0097】
5‐{3‐[(1S,2S,3R,5R)‐5‐シアノ‐2‐(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(49、スキーム8)
工程1:ニトリル45を得るための44の転換
シアン化カリウム(569mg、8.74ミリモル)を、DMSO(97mL)中のメシラート44(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照;2.10g、3.55ミリモル)の溶液に添加した。混合物を65℃で18時間加熱し、その後、室温に冷却した。混合物を水(100mL)と塩水(100mL)で希釈し、CH2Cl2 (3×200mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、270mg (15%)のニトリル45を得た。
【0098】
工程2:46を得るための45の脱シリル化
シリルエーテル45(270mg、0.52ミリモル)を、実施例7の工程2の手順に従い、150mg (71%)のアルコール46に転換した。
工程3:47を得るための46の光延反応
アルコール46(50mg、0.12ミリモル)と3,5‐ジクロロフェノール(24mg、0.15ミリモル)を、実施例6の工程1の手順に従い、50mg (74%)のアリールエーテル47に転換した。
工程4:48を得るための47の脱保護
アセタール47(50mg、0.090ミリモル)を、実施例4の工程2の手順に従い、20mg (47%)のアルコール48に転換した。
【0099】
工程5:49を得るための48の加水分解
エステル48(15mg、0.032ミリモル)を、実施例1の工程3の手順に従うが以下のように修正して、8mg (55%)の標示化合物(49)に転換した:濃度はTHF中で0.4Mであり、反応物を40℃で18時間撹拌し、粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(10%MeOH/CH2Cl2)により精製した。
【0100】
スキーム9
【化38】

【実施例10】
【0101】
5‐{3‐[(4R,5S)‐5‐(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐4‐ヒドロキシ‐シクロペンテ‐1‐エニル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(58、スキーム9)
工程1:30のフルオライド50とアルケン51への転換
(ジエチルアミノ)イオウトリフルオライド(DAST、104μL、0.79ミリモル)を、−78℃のCH2Cl2 (92mL)中のアルコール30(2006年6月20日に出願された米国仮特許出願第60/805,285号参照;200mg、0.39ミリモル)の溶液に添加した。室温で30分後、反応物を飽和NaHCO3水溶液(25mL)により失活させた。混合物を水(25mL)で希釈し、CH2Cl2 (2×25mL)で抽出した。混ぜ合せた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、42mg (約20%)の50と51の分離不能な混合物を得た。
【0102】
工程2:50/51の52/53へのジシリル化
シリルエーテル50/51(42mg、約0.08ミリモル)を、実施例7の工程2の手順に従い、25mg (約77%)の分離不能なアルコール52/53に転換した。
工程3:52/53の54/55への光延反応
アルコール52/53(25mg、約0.06ミリモル)と3,5‐ジクロロフェノール(9mg、0.055ミリモル)を、実施例6の工程1の手順に従い、24mg (約70%)の分離不能なアリールエーテル54/55に転換した。
【0103】
工程4:54/55の56および57への脱保護
アセタール54/55(24mg、約0.45ミリモル)を、実施例4の工程2の手順に従い、1mg (約5%)のヒドロキシルアルケン57および20mg (約83%)の56と57の混合物に転換した。
工程5:57の58への加水分解
エステル57(1mg、0.022ミリモル)を、実施例6の工程3の手順に従い、1mg(定量)の標示化合物(58)に転換した。
【実施例11】
【0104】
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐2‐(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐5‐フルオロ‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(59、スキーム9)
工程1:純粋56を得るための56/57の酸化
四酸化オスミウム(160 Lの水中4質量%溶液、0.026ミリモル)を、0℃のアセトン(1.1mL)中の4‐メチルモルホリンN‐オキシド(NMO、11.4mg、0.097ミリモル)および56と57との混合物(実施例10の工程4、20mg、約0.044ミリモル)の溶液に添加し、反応物を室温に温めた。1時間後、反応を5%NaHCO3水溶液(5mL)で失活させ、EtOAc (3×5mL)で抽出した。混ぜ合せた抽出物を塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→EtOAc、勾配)により精製して、5mg(約24%)のフルオライド56を得た。
工程2:59を得るための56の加水分解
エステル56(5mg、0.011ミリモル)を、実施例6の工程3の手順に従い、2mg (41%)の標示化合物(59)に転換した。
【0105】
スキーム10
【化39】

【実施例12】
【0106】
(Z)‐イソプロピル 7‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)ヘプテ‐5‐エノエート(61、スキーム10)
1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ‐7‐エン(DBU、19μL、0.13 ミリモル)と2‐ヨードプロパン(167μL、1.68ミリモル)を、室温のアセトン(0.8mL)中の酸60(2006年1月10日に出願された米国仮特許出願第60/757,696号参照;35mg、0.084ミリモル)の溶液に添加した。室温で72時間後、反応物をEtOAc (5mL)で希釈し、0.1N HCl水溶液(2×5mL)と塩水(5mL)で洗浄し、その後、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサン)により精製して、6.1mg (16%)の標示化合物(61)を得た。
【0107】
スキーム11
【化40】

【実施例13】
【0108】
(Z)‐イソプロピル 7‐((1R,2S,3R,5R)‐2‐((3‐(アセトキシメチル)‐5‐クロロフェノキシ)メチル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)ヘプテ‐5‐エノエート(64、スキーム11)
工程1:62を得るための15の選択的脱保護
エステル15(120mg、0.21ミリモル)を、実施例2の工程1の手順に従うが以下のように修正して、120mg(トリフェニルホスフィンを伴って不純)の酸62に転換した:濃度は0.1Mであり、1当量のピロリジンを使用した。
工程2:酸62のエステル63への転換
酸62(120mg、0.21ミリモル)を、実施例12の手順に従い、87mg(2工程で72%)のエステル63に転換した。
工程3:64を得るための63の脱保護
アセタール63(87mg、0.15ミリモル)を、実施例4の工程2の手順に従い、37mg (50%)の標示化合物(64)に転換した。
【0109】
スキーム12:
【化41】

【実施例14】
【0110】
イソプロピル 5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボキシレート(65、スキーム12)
酸28(8mg、0.21ミリモル)を、実施例12の手順に従い、3mg (34%)の標示化合物(65)に転換した。
【0111】
インビトロ試験
2006年10月26日に出願された米国特許出願第11/553,143号に、下記の表のインビトロデータを得るのに使用する方法が記載されている。
【化42】

【0112】
生体内試験
米国特許第7,091,231号に、これらの生体内試験において使用する方法が記載されている。
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(27、スキーム5)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して複数の濃度で試験した。0.1%において、ベースラインからの最高眼内圧(IOP)降下は、30時間で999.915Pa (7.5mmHg)(48%)であり;最高眼表面充血(OSH)スコアは、26時間で2.75であった。0.01%においては、ベースラインからの最高IOP降下は、76時間で999.915Pa (7.5mmHg)(43%)であり;最高OSHスコアは、26時間で2.0であった。0.005%においては、ベースラインからの最高IOP降下は、78時間で879.925Pa (6.6mmHg)(35%)であり;最高OSHスコアは、74時間で1.75であった。また、この化合物を、レーザー誘発高血圧サルにおいても、1回の単回投与日量を使用して試験した。0.01%において、ベースラインからの最高IOP降下は、24時間で2693.1Pa (20.2mmHg) (53%)であった。
【0113】
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(28、スキーム5)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、4時間で679.942Pa (5.2mmHg) (34%)であり;最高OSHスコアは、26時間で1.9であった。
5‐{3‐[(1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐(3,5‐ジメチル‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(29、スキーム5)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.01%において、ベースラインからの最高IOP降下は、78時間で853.261Pa (6.4mmHg) (33%)であり;最高OSHスコアは、74時間で1.9であった。
【0114】
5‐{3‐[(1S,2S,3R,5R)‐5‐シアノ‐2-(3,5‐ジクロロ‐フェノキシメチル)‐3‐ヒドロキシ‐シクロペンチル]‐プロピル}‐チオフェン‐2‐カルボン酸(49、スキーム8)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.01%において、ベースラインからの最高IOP降下は、30時間で413.298Pa (3.1mmHg) (17%)であり;最高OSHスコアは、26時間で1.2であった。
(Z)‐イソプロピル 7‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)フェノキシ)メチル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)ヘプテ‐5‐エノエート(61、スキーム10)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、100時間で786.6Pa (5.9mmHg) (33%)であり;最高OSHスコアは、28時間で0.8であった。また、この化合物を、レーザー誘発高血圧サルにおいても、1回の単回投与日量を使用して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、6時間で986.583Pa (7.4mmHg) (21%)であった。
【0115】
(Z)‐イソプロピル 7‐((1R,2S,3R,5R)‐2‐((3-(アセトキシメチル)‐5‐クロロフェノキシ)メチル)‐5‐クロロ‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)ヘプテ‐5‐エノエート(64、スキーム11)を、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、94時間で453.295Pa (3.4mmHg) (20%)であり;最高OSHスコアは、4時間で0.7であった。また、この化合物を、レーザー誘発高血圧サルにおいても、1回の単回投与日量を使用して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、6時間で1093.24Pa (8.2mmHg) (21%)であった。
イソプロピル 5‐(3‐((1R,2S,3R,5R)‐5‐クロロ‐2‐((3‐クロロ‐5‐ヒドロキシメチルフェノキシ)メチル)‐3‐ヒドロキシシクロペンチル)‐プロピル)チオフェン‐2‐カルボキシレートを、正常血圧のイヌにおいて、5日間1日1回投与して試験した。0.1%において、ベースラインからの最高IOP降下は、6時間で813.264Pa (6.1mmHg) (36%)であり;最高OSHスコアは、26時間で1.9であった。
【0116】
上記の説明は、本発明を実施するのに使用し得る特定の方法および組成物を詳述しており、意図する最良の形態を示している。しかしながら、当業者にとっては、所望の薬理特性を有するさらなる化合物を同様な方法で調製し得ること、また、開示した化合物は種々の出発化合物から種々の化学反応を介しても得ることができることが明白である。同様に、種々の製薬組成物も、実質的に同じ結果でもって調製し使用することができる。従って、詳細ではあるが、上記は、明細書に示されており、本発明の範囲全体を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式で表される化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化1】

(式中、Yは、有機酸官能基、またはその14個までの炭素原子を含むアミドもしくはエステルであるか;或いは、Yは、ヒドロキシメチル、またはその14個までの炭素原子を含むエーテルであるか;或いは、Yは、テトラゾリル官能基であり;
Aは、‐(CH2)6‐、シス‐CH2CH=CH‐(CH2)3‐、または‐CH2C≡C‐(CH2)3‐であり、これらにおいて、1個または2個の炭素原子はSまたはOによって置換することができ;或いは、Aは、‐(CH2)m‐Ar‐(CH2)o‐であり、Arはインターアリーレンまたはヘテロインターアリーレンであり、mとoの和は1、2、3または4であり、1個の‐CH2‐はSまたはOによって置換することができ、1個の‐CH2‐CH2‐は‐CH=CH‐または‐C≡C‐によって置換することができ;
Gは、HまたはOHであり;そして、
Bは、アリールまたはヘテロアリールである)。
【請求項2】
下記の式で表される請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化2】

【請求項3】
下記の式で表される請求項2記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化3】

【請求項4】
下記の式で表される請求項1記載の化合物、またはその製薬上許容し得る塩、またはそのプロドラッグ:
【化4】

(式中、点線は、結合の存在または不存在を示す)。
【請求項5】
Bが、フェニルである、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
Bが、3‐クロロ‐5‐(ヒドロキシメチル)フェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Bが、3‐クロロ‐5‐(2‐ヒドロキシエチル)フェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
Bが、3‐クロロ‐5‐メトキシフェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項9】
Bが、3‐(2‐アセトキシエチル)‐5‐クロロフェニルである、請求項5記載の化合物。
【請求項10】
Gが、Hである、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
Gが、OHである、請求項1〜9のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
Yが、CO2R2、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2、下記:
【化5】

(式中、R2は、個々に、H、C1〜C6アルキル、非置換フェニルまたは非置換ビフェニルである)
である、請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
Yが、CO2R2である、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物を含み、眼科的に許容し得る液体である組成物。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物の、哺乳類の緑内障または高眼圧症の治療用医薬品の製造における使用。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物を、緑内障または高眼圧症の治療のために哺乳類に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2010−516777(P2010−516777A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547366(P2009−547366)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/051540
【国際公開番号】WO2008/091810
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】