説明

泌尿器系障害の処置用の冷メントール受容体−1(CMR−1)アンタゴニストとしての4−置換ベンジルオキシ−フェニルメチルアミド誘導体

本発明は、新規の式(I)の置換ベンジルオキシ−フェニルメチルアミド誘導体、それらの製造方法、および医薬におけるそれらの使用、特に冷メントール受容体1(CMR−1)活性に関連する疾患の予防および処置、特に、泌尿器科の疾患または障害、例えば排尿筋過活動(過活動膀胱)、尿失禁、神経因性排尿筋過活動(排尿筋反射亢進)、特発性排尿筋過活動(排尿筋不安定)、良性前立腺肥大症、および下部尿路症状;慢性疼痛、神経因性疼痛、術後疼痛、リウマチ性関節炎疼痛、神経痛、神経障害、痛覚過敏、神経損傷、虚血、神経変性、卒中および炎症性障害、例えば喘息および慢性閉塞性肺(または気道)疾患(COPD)の処置のためのものに関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の置換ベンジルオキシ−フェニルメチルアミド誘導体、それらの製造方法、および医薬におけるそれらの使用、特に冷メントール受容体1(Cold Menthol Receptor 1)(CMR−1)活性に関連する疾患の予防および処置、特に、泌尿器系の疾患または障害、例えば排尿筋過活動(過活動膀胱)、尿失禁、神経因性排尿筋過活動(排尿筋反射亢進)、特発性排尿筋過活動(排尿筋不安定)、良性前立腺肥大症、および下部尿路症状;慢性疼痛、神経因性疼痛、術後疼痛、リウマチ性関節炎疼痛、神経痛、神経障害、痛覚過敏、神経損傷、虚血、神経変性、卒中および炎症性障害、例えば喘息および慢性閉塞性肺(または気道)疾患(COPD)の処置のためのものに関する。
【背景技術】
【0002】
一過性受容器電位(TRP)チャネル活性と、疼痛、虚血および炎症性障害などの疾患との関係を示す豊富な直接または間接的証拠がある。さらに、TRPチャネルが、損なわれた、または異常な脊髄反射経路を有する患者の過活動膀胱に関わる反射シグナルを伝達することが立証された[De Groat WC: A neurologic basis for the overactive bladder. Urology 50 (6A Suppl): 36-52, 1997]。非選択的陽イオンチャネルのCMR−1は、そのようなTRPチャネルファミリーのメンバーである(TRPM8)。最近、2002年に、その受容体がクローニングされ、低温およびメントールに感受性であることが見出され、それ故に冷メントール受容体−1(CMR−1)と命名された(McKemy et al, 2002; Peier et al., 2002)。8−28℃の温度で活性化されるこの受容体は、膀胱尿路上皮およびDRG(後根神経節)およびC線維で発現される。膀胱内の氷水またはメントールは、緊急および尿失禁の患者において、C線維に媒介される脊髄排尿反射も誘導する。臨床的には、CMR−1は過活動患者において氷水試験後に見られる膀胱の冷却反射を媒介すると考えられている。
【0003】
従って、CMR−1受容体の拮抗は、神経伝達物質の放出の遮断を導き、CMR−1活性に関連する症状および疾患の予防および処置をもたらす。
【0004】
CMR−1受容体のアンタゴニストは、慢性疼痛、神経因性疼痛、術後疼痛、リウマチ性関節炎疼痛、神経痛、神経障害、痛覚過敏、神経損傷、虚血、神経変性、卒中、炎症性障害、切迫性尿失禁(UUI)などの尿失禁(UI)、および/または過活動膀胱、良性前立腺肥大症に二次的または独立の下部尿路症状を含む症状および疾患の予防および処置に使用できる。
【0005】
UIは、非自発的な尿の損失である。UUIは、ストレス性尿失禁(SUI)と共に、最も一般的なのタイプのUIの一つである。それは、通常、尿道閉鎖メカニズムの欠陥に起因する。UUIは、しばしば、認知症、パーキンソン病、多発性硬化症、卒中および糖尿病などの神経損傷を引き起こす神経性障害または疾患と関連するが、そのような障害のない個体でも起こる。UUIの通常の原因の1つは、過活動膀胱(OAB)である。それは、排尿筋の異常な収縮と不安定さによりもたらされる頻繁かつ緊急の症状を表す病状である。
【0006】
今日では、主にUUIの処置を補助するために、いくつかの尿失禁用医薬品が販売されている。OABの治療は、末梢神経の制御メカニズムに影響を与える薬物か、または膀胱の排尿平滑筋の収縮に直接作用するものに集中しており、抗コリン剤の開発に重きが置かれている。これらの物質は、膀胱の排尿を制御する副交感神経を阻害できるか、または、膀胱の排尿筋に対して直接的鎮痙効果を発揮できる。これは、膀胱内圧の低下、容量の増大、および膀胱収縮頻度の減少をもたらす。一般的に処方される経口活性抗コリン性薬物は、口渇、視覚異常、便秘および中枢神経系の撹乱などの許容できない副作用などの深刻な欠点を有する。これらの副作用は、低い服薬率(compliance)を導く。口渇の症状のみで、オキシブチニンの非服薬率70%の原因となっている。現行治療法の不適切さは、副作用がより少ない、新しい、有効な、安全な、経口摂取可能な薬物の必要性を強調している。
【0007】
WO03/037865および Y. Lu, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 3957-3962 には、癌の処置用の関連するベンジルオキシ−フェニルメチルアミド誘導体が記載されている。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、一般式(I)
【化1】

式中、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、塩素、トリフルオロメトキシまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、5員ないし10員のヘテロアリールまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、C−C−アルカンジイルを表し、
は、C−C−シクロアルキル、フェニルまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}、
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、アミノ、モノ−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、フェニル、または、C−C−シクロアルキル(これは、C−C−アルキルにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されており、
そして、シクロアルキルおよびフェニルは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい}、
は、水素またはC−C−アルキルを表す、
の化合物およびそれらの塩、水和物および/または溶媒和物に関する。
【0009】
生理的に許容し得る塩は、本発明に関して好ましい。
生理的に許容し得る塩は、本発明によると、化合物(I)とこの目的で常套に使用される無機または有機の塩基または酸との反応により一般に入手可能な非毒性の塩である。化合物(I)の医薬的に許容され得る塩の非限定的な例には、アルカリ金属塩、例えばリチウム、カリウムおよびナトリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムおよびカルシウム塩、第四級アンモニウム塩、例えば、トリエチルアンモニウム塩、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、二炭酸塩、二硫酸塩、二酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩(hexyl resorcinate)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフタレン酸(hydroxynaphthoate)、ヨウ化物、イソチオン酸塩(isothionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル化物(methylbromide)、硝酸メチル化物(methylnitrate)、硫酸メチル化物(methylsulphate)、硝酸塩、オレイン酸塩、蓚酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、吉草酸塩および医薬目的で使用される他の塩が含まれる。
【0010】
本発明の化合物またはそれらの塩の水和物は、例えば半、一、または二水和物などの、本化合物の水との化学量論的組成物である。
本発明の化合物またはそれらの塩の溶媒和物は、本化合物の溶媒との化学量論的組成物である。
【0011】
本発明には、本発明による化合物およびそれらの各々の塩の個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーおよび対応するラセミ体またはジアステレオマー混合物の両方が含まれる。加えて、本発明によると、上記の化合物の全ての可能な互変異性体が含まれる。ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィー的処理により、個々の異性体に分離できる。ラセミ体は、キラル相でのクロマトグラフィー的処理により、または分割により、個々のエナンチオマーに分けられる。
【0012】
本発明に関して、置換基は、断りのない限り、一般に以下の意味を有する:
アルキルは、一般に、1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルが含まれる。同じ定義が、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノなどのラジカルに適用される。
【0013】
アルカンジイルは、一般に、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和アルカンジイルラジカルを表す。非限定的な例には、メチレン、エタン−1,2−ジイル、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイルおよびブタン−2,4−ジイルが含まれる。
【0014】
アルケニルは、一般に、2個ないし6個、好ましくは2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルケニルラジカルを表す。非限定的な例には、ビニル、アリル、n−プロプ−1−エン−1−イル、n−ブト−2−エン−1−イル、2−メチルプロプ−1−エン−1−イルおよび2−メチルプロプ−2−エン−1−イルが含まれる。
【0015】
アルキニルは、一般に、2個ないし6個、好ましくは2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキニルラジカルを表す。非限定的な例には、エチニル、プロパルギル(2−プロピニル)、1−プロピニル、ブト−1−イニル、ブト−2−イニルが含まれる。
【0016】
アルコキシは、例示的に、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0017】
アルキルカルボニルアミノは、一般に、1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個の炭素原子を有し、カルボニルアミノ(−CO−NH−)官能基を結合の位置に有し、カルボニル基に結合している、直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例には、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、n−プロピオニルアミノ、n−ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ピバロイルアミノ、n−ヘキサノイルアミノが含まれる。
【0018】
アルコキシカルボニルアミノは、例示的に、そして好ましくは、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノ、イソプロポキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、n−ペントキシカルボニルアミノおよびn−ヘキソキシカルボニルアミノを表す。
【0019】
アルキルアミノは、1個または2個の(独立して選択される)アルキル置換基を有するアルキルアミノラジカルを表し、例示的に、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。
【0020】
モノ−アルキルアミノは、1個のアルキル置換基を有するアルキルアミノラジカルを表し、例示的に、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノを表す。
【0021】
シクロアルキルは、一般に、3個ないし8個、好ましくは3個ないし6個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素ラジカルを表す。非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。
【0022】
ヘテロアリール自体、およびヘテロアリールメチル中のものは、一般に、5個ないし10個、好ましくは5個または6個の環原子、並びにS、OおよびNからなる群から選択される5個まで、好ましくは4個までのヘテロ原子を有する、芳香族性の単環式または二環式のラジカルを表し、例示的に、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニルを表す。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0023】
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、
が、水素またはハロゲンを表し、
が、水素またはハロゲンを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルコキシを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、5員ないし6員のヘテロアリールまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、C−C−アルカンジイルを表し、
は、C−C−シクロアルキル、フェニルまたは5員ないし6員のヘテロアリールを表す
(ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}、
が、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、アミノ、モノ−アルキルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、フェニル、または、C−C−シクロアルキル(これは、C−C−アルキルにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されており、
そして、シクロアルキルおよびフェニルは、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい}
が、水素を表す、
一般式(I)の化合物、並びにそれらの塩、水和物および/または溶媒和物に関する。
【0024】
他の特に好ましい実施態様では、本発明は、式中、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素を表し、
が、メトキシを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、チエニル、フリル、ピラゾリルまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、1個または2個のメチル基によりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニル、チエニル、フリルおよびピラゾリルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチルおよびメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、メチレンを表し、
は、C−C−シクロアルキル、チエニル、フリルまたはピラゾリルを表す
(ここで、シクロアルキルは、1個または2個のメチル基によりさらに置換されていてもよく、
そして、チエニル、フリルおよびピラゾリルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチルおよびメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}
が、C−C−アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシルまたはフェニルを表し
(ここで、アルキルは、アミノまたはtert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されている)
が、水素を表す、
一般式(I)の化合物、並びにそれらの塩、水和物および/または溶媒和物に関する。
【0025】
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、Rが−CHNHまたは−CHCHNHを表す、一般式(I)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、R、RおよびRが水素を表す、一般式(I)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、Rがハロゲンを表し、Rが水素またはハロゲンを表し、そしてRが水素またはハロゲンを表す、一般式(I)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、Rがハロゲンを表し、Rが水素またはハロゲンを表し、そしてRが水素を表す、一般式(I)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、Rがフッ素または塩素を表し、Rが水素またはフッ素を表し、そしてRが水素を表す、一般式(I)の化合物に関する。
他の好ましい実施態様では、本発明は、式中、RがトリフルオロメトキシまたはC−C−アルコキシを表す、一般式(I)の化合物に関する。
ことさら特に好ましいのは、上記の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せである。
【0026】
一般式(I)の化合物は、一般式(II)
【化2】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、一般式(III)
【化3】

(式中、Rは上記の意味を有し、Xは、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、またはヒドロキシなどの脱離基を表す)
の化合物と、塩基の存在下で縮合することにより合成できる。
【0027】
一般式(II)の化合物のR中のアミノ基は、酸に不安定な基、好ましくはboc−基で保護されている。一般式(I)の化合物の合成後、この酸に不安定な基を、当業者に知られている標準的操作で切断できる。一般式(I)の化合物を得る。好ましいのは、酸性の切断条件である。
【0028】
一般式(I)の化合物の塩、例えば塩酸塩またはトリフルオロ酢酸塩が単離されるなら、アセトニトリルと水の混合物を溶離剤として塩基の存在下で使用するその塩の逆相クロマトグラフィーにより、遊離塩基を得ることができる。好ましくは、RP18 Phenomenex Luna C18(2) カラムを、塩基としてのジエチルアミンの存在下で使用することである。または、塩基による中和および抽出により、一般式(I)の化合物の遊離塩基を得ることができる。
【0029】
この方法は、一般に、−20℃ないし溶媒の沸点、好ましくは0℃ないし+40℃の温度範囲で実施する。
この方法は、一般的に、常圧で実施する。しかしながら、加圧または減圧で(例えば、0.5ないし5barの範囲で)実施することも可能である。
【0030】
この方法に適する溶媒は、ジオキサンもしくはテトラヒドロフランなどのエーテル、またはジクロロメタン、ジクロロエタンもしくはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、またはジメチルホルムアミド、酢酸エチルもしくはアセトニトリルなどの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。本方法に好ましいのは、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンである。
【0031】
この方法に適する塩基は、一般的に、無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭素水素塩などのアルカリ炭素塩、例えば、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ピリジンもしくは4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミン、または、例えば、トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどの(C−C)−トリアルキルアミンが含まれる。好ましいのは、トリエチルアミンである。
【0032】
がヒドロキシであるならば、カルボジイミド、例えばN,N'−ジエチル−、N,N,'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド−塩酸塩(EDC)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチル−ポリスチレン(PS−カルボジイミド)またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラ−メチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、またはこれらの試薬の混合物などのカップリング剤を、反応混合物に添加する。
【0033】
一般式(III)の化合物は、それ自体が知られているか、または、それらは常套の方法により製造できる。
【0034】
一般式(II)の化合物は、一般式(IV)
【化4】

(式中、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、一般式(V)
【化5】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と、還元的アミノ化の条件下で縮合することにより合成できる。
【0035】
この方法は、一般に、−20℃ないし溶媒の沸点、好ましくは0℃ないし+40℃の温度範囲で実施する。
この方法は、一般的に、常圧で実施する。しかしながら、加圧または減圧で(例えば、0.5ないし5barの範囲で)実施することも可能である。
【0036】
この方法に適する溶媒は、ジクロロメタン、ジクロロエタンもしくはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、またはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール、またはアルコールと水の混合物である。この方法に好ましいのは、メタノールまたはメタノールと水の混合物である。
【0037】
この方法に適する還元剤は、ナトリウムボロヒドリドまたはトリアセトキシボロヒドリドである。
【0038】
一般式(V)の化合物は、それ自体が知られているか、または、それらは常套の方法により製造できる。
【0039】
一般式(IV)の化合物は、一般式(VI)
【化6】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、一般式(VII)
【化7】

(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、Xは、ハロゲン、好ましくは塩素または臭素などの脱離基を表す)
の化合物と、塩基の存在下、縮合することにより合成できる。
【0040】
場合により、ヨウ化ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリヨウ化物を反応混合物に添加できる。
この方法は、一般に、0℃ないし溶媒の沸点、好ましくは20℃ないし溶媒の沸点の温度範囲で実施する。
この方法は、一般的に、常圧で実施する。しかしながら、加圧または減圧で(例えば、0.5ないし5barの範囲で)実施することも可能である。
【0041】
この方法に適する溶媒は、ジオキサンもしくはテトラヒドロフランなどのエーテル、またはジクロロメタン、ジクロロエタンもしくはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、またはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルもしくはアセトニトリルなどの他の溶媒である。上記の溶媒の混合物を使用することも可能である。この方法に好ましいのは、アセトニトリルである。
【0042】
この方法に適する塩基は、一般的に、無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭素水素塩などのアルカリ炭素塩、例えば、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ピリジンもしくは4−N,N−ジメチルアミノピリジンなどの環状アミン、または例えば、トリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどの(C−C)−トリアルキルアミンが含まれる。好ましいのは、炭酸カリウムである。
【0043】
一般式(VI)および(VII)の化合物は、それら自体知られているか、または、それらは、常套の方法により製造できる。
【0044】
上述の方法は、以下のスキームにより例示説明できる:
スキーム1
【化8】

【0045】
あるいは、上述の方法は、ポリマー結合ジアミンを使用して、固体支持体上で実行できる。最初に酸に不安定な結合を介してジアミンを樹脂に結合させる。合成の最終段階で、生成物を固体支持体から解放する。以下のスキームは、固相の方法を例示説明する:
【0046】
スキーム2
【化9】

【0047】
本発明による化合物は、予見できない、有用な薬理活性スペクトルを示す。従って、それらは、ヒトおよび動物の障害の処置および/または予防用の医薬としての使用に適する。
【0048】
驚くべきことに、本発明の化合物は、優れたCMR−1アンタゴニスト活性を示す。従って、それらは、CMR−1活性に関連する疾患の予防および処置、特に泌尿器系疾患または障害、例えば排尿筋過敏(過活動膀胱)、尿失禁、神経因性排尿筋過敏(排尿筋反射亢進)、特発性排尿筋過敏(排尿筋不安定)、良性前立腺肥大および下部尿路症状の処置に、特に適する。
【0049】
本発明の化合物は、また、慢性疼痛、神経因性疼痛、術後疼痛、関節リウマチ痛、神経痛、神経障害、痛覚過敏、神経損傷、虚血、神経変性および/または卒中からなる群から選択される疾患、並びに喘息、COPDおよびアレルギー性鼻炎などの呼吸器疾患および炎症性疾患の処置または予防にも有効である。なぜなら、これらの疾患もCMR−1活性に関連するからである。
【0050】
本発明の化合物は、また、神経因性疼痛の処置および予防にも有用である。それは、帯状疱疹にしばしば伴う疼痛および疱疹後神経痛、有痛性糖尿病性神経障害、神経障害性腰痛、外傷後および術後の神経痛、神経圧迫による神経痛および他の神経痛、幻肢痛、複合性局所性疼痛症候群、感染性または傍感染性神経障害(HIV感染に伴うものなど)、中枢神経系障害(多発性硬化症、またはパーキンソン病、または脊椎損傷、または外傷性脳損傷など)に伴う疼痛および卒中後疼痛の形態である。
【0051】
さらに、本発明の化合物は、筋骨格疼痛、骨関節炎またはリウマチ性関節炎または他の形態の関節炎にしばしば伴う形態の疼痛、および背痛の処置に有用である。
加えて、本発明の化合物は、癌または癌の処置に伴う内臓痛または神経因性疼痛を含む、癌に伴う疼痛の処置に有用である。
【0052】
本発明の化合物は、さらに、例えば、胆石疝痛などの中空の内臓の閉塞症に伴う疼痛、過敏性大腸症候群に伴う疼痛、骨盤痛、陰門痛、睾丸痛または前立腺疼痛などの内臓痛、関節、皮膚、筋肉または神経の炎症性病変に伴う疼痛、口顔の疼痛、および、例えば偏頭痛または緊張型頭痛などの頭痛の処置に有用である。
【0053】
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、好ましくは1種またはそれ以上の薬理的に安全な補助剤または担体物質と共に含有する医薬、そしてまた上述の目的のためのそれらの使用を提供する。
【0054】
活性成分は、全身的および/または局所的に作用できる。この目的のために、例えば、経口で、非経腸で、経肺で、鼻腔内に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、経皮で、結膜に、耳に、またはインプラントとして、適するやり方で投与できる。
これらの投与経路のために、活性成分を、適する投与形で投与できる。
【0055】
有用な経口投与形には、活性成分を迅速におよび/または改変された形態で放出する投与形、例えば、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば腸溶性被覆を有するもの)、カプセル剤、糖衣錠剤、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、液剤およびエアゾル剤が含まれる。
【0056】
非経腸投与は、吸収段階を回避して(静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)または吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)実施できる。有用な非経腸投与形には、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤および滅菌粉末剤の形態の、注射および点滴製剤が含まれる。
【0057】
他の投与経路に適する形態には、例えば、吸入用医薬形態(粉末吸入器、噴霧器を含む)、点鼻剤/液、スプレー;舌に、舌下にまたは頬側に投与するための錠剤またはカプセル剤、坐剤、耳および眼用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、散布剤またはインプラントが含まれる。
【0058】
活性成分は、それ自体知られているやり方で、列挙した投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性の、医薬的に適する補助剤を使用して実施する。これらには、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、分散剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然バイオポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色剤(例えば酸化鉄などの無機色素)、または味および/または匂いの矯正剤が含まれる。
【0059】
ヒトでの使用のために、経口投与の場合、0.001ないし50mg/kg、好ましくは0.01mg/kgないし20mg/kgの用量を投与することが推奨される。例えば静脈内、または鼻腔、頬側もしくは吸入により粘膜を介する非経腸投与の場合、0.001mg/kgないし0.5mg/kgの用量を使用することが推奨される。
【0060】
これにも関わらず、ある種の状況では、体重、投与経路、活性成分に対する個体の挙動、製剤の様式および投与を行う時間または間隔に応じて、上記の量から離れることが必要であり得る。例えば、上述の最小量より少なく使用しても十分な場合もあり得るが、一方、上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、それを1日に亘る複数の個別用量に分割するのが望ましいことがある。
【0061】
下記の試験および実施例における百分率は、断りのない限り、重量による;部は、重量による。液体/液体溶液について報告される溶媒比、希釈比および濃度は、各場合で体積をベースとする。
【実施例】
【0062】
A.実施例
略号:
【表1】

【0063】
LC−MS/HPLC方法:
方法1(HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→6.5分90%B→6.7分2%B→7.5分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0064】
方法2(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100を有するMicromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0065】
方法3(LC−MS):装置MS:Micromass ZQ;装置HPLC:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0066】
方法4(LC−MS):装置MS:Micromass ZQ;装置HPLC:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0067】
方法5(HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→9.0分90%B→9.2分2%B→10.0分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0068】
方法6(HPLC):装置MS:Micromass TOF (LCT);装置HPLC:Waters 2690;カラム:YMC-ODS-AQ, 50 mm x 4.6 mm, 3.0 μm;溶離剤A:水+0.1%ギ酸、溶離剤B:アセトニトリル+0.1%ギ酸;グラジエント:0.0分100%A→0.2分95%A→1.8分25%A→1.9分10%A→2.0分5%A→3.2分5%A;オーブン:40℃;流速:3.0ml/分;UV検出:210nm。
【0069】
方法1−1(LC−MS):装置MS:Micromass ZQ;装置HPLC:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0070】
方法2−1(HPLC):装置:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:HClO5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→9.0分90%B→9.2分2%B→10.0分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン:30℃;UV検出:210nm。
【0071】
方法3−1(LC−MS):装置MS:Micromass ZQ;装置HPLC:HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0072】
方法4−1(LC−MS):装置:HPLC Agilent Serie 1100を有するMicromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0073】
出発物質および中間体:
実施例1A
4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンズアルデヒド
【化10】

4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド10.00g(65.7mmol)および2−フルオロベンジルブロミド13.67g(72.3mmol)を、アセトニトリル100mlに溶解する。炭酸カリウム45.4g(328.6mmol)およびヨウ化カリウム10.91g(65.7mmol)を添加し、混合物を還流に3時間加熱する。室温に冷却後、水を添加し、溶液を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機物質を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で蒸発させる。石油エーテルを添加し、固体をトリチュレートし、濾過し、乾燥させ、表題化合物17.0g(理論値の99%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 4.56 分
MS (DCI): m/z = 261 (M+H)+
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 9.85 (s, 1H), 7.60-7.20 (m, 7H), 5.20 (s, 2H), 3.80 (s, 3H)
【0074】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表2】

【0075】
実施例5A
tert−ブチル[2−({4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)エチル]カルバメート
【化11】

4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンズアルデヒド2.00g(7.68mmol)およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カルバメート1.35g(8.45mmol)を、メタノール40mlに溶解し、室温で1時間撹拌する。溶液を0℃に冷却し、ナトリウムボロヒドリド1.45g(38.4mmol)を注意深く添加する。透明な溶液が形成されるまで水を添加し、混合物を2時間室温で撹拌する。混合物を真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタンで希釈し、有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、次の段階で使用するのに十分な純度の表題化合物2.40g(理論値の68%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 4.47 分
MS (ESIpos): m/z = 405 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.55-7.20 (m, 4H), 6.90 (m, 2H), 6.80-6.70 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 3.00 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.40 (s, 9H)
【0076】
実施例6A
tert−ブチル[3−({4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)プロピル]カルバメート
【化12】

4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンズアルデヒド400.0mg(1.54mmol)およびtert−ブチル(2−アミノプロピル)カルバメート294.6mg(1.69mmol)を、メタノール70mlに溶解し、2時間室温で撹拌する。溶液を0℃に冷却し、ナトリウムボロヒドリド290.7mg(7.68mmol)を注意深く添加する。透明な溶液が形成されるまで水を添加し、混合物を室温で終夜撹拌する。混合物を真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタンで希釈し、有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗製物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物287.0g(理論値の45%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 4.55 分
MS (ESIpos): m/z = 419 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.50 (m, 2H), 7.20 (t, 2H), 6.90 (m, 2H), 6.80 (m, 2H), 5.00 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 2.95 (m, 2H), 2.45 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.40 (s, 9H)
【0077】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表3】

【0078】
実施例10A
N−ベンジル−1−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシフェニル}メタンアミン
【化13】

4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンズアルデヒド200.0mg(0.768mmol)およびベンジルアミン90.6mg(0.845mmol)を、メタノール35mlに溶解し、2時間室温で撹拌する。溶液を0℃に冷却し、ナトリウムボロヒドリド145.4mg(3.82mmol)を注意深く添加する。透明な溶液が形成されるまで水を添加し、混合物を室温で24時間にわたり撹拌する。混合物を真空下で濃縮し、残渣をジクロロメタンで希釈し、有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮する。粗製物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物66.0mg(理論値の25%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 4.50 分
MS (ESIpos): m/z = 352 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.50 (m, 2H), 7.30 (m, 4H), 7.20 (m, 3H), 7.00 (m, 2H), 6.80 (d, 1H), 5.00 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.65 (s, 2H), 3.55 (s, 2H)
【0079】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表4】

【0080】
実施例1−1A
tert−ブチル(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート
【化14】

4−ベンジルオキシ−3−メトキシベンズアルデヒド1.45g(5.98mmol)およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カルバメート1.01g(6.58mmol)をジクロロメタン20mlに溶解し、1時間室温で撹拌する。溶液を0℃に冷却し、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド1.96g(8.98mmol)を注意深く添加し、混合物を室温に温め、終夜撹拌する。反応を水でクエンチし、有機物質を1N水酸化ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮し、次の段階で使用するのに十分な純度の表題化合物1.60g(理論値の69%)を得る。
LC-MS (方法 1-1): Rt = 1.44 分, m/z = 387 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.50-7.25 (m, 5H), 6.90 (m, 2H), 6.80-6.70 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 3.00 (m, 2H), 2.50 (m, 2H), 1.40 (s, 9H).
【0081】
実施例2−1A
N−[4−(ベンジルオキシ)−3−クロロベンジル]−1,2−ジアミノエタントリチル−樹脂
【化15】

1,2−ジアミノエタントリチル−樹脂4g(4.8mmol)を、メタノールとジクロロメタンの混合物に懸濁する。4−ベンジルオキシ−3−クロロベンズアルデヒド3.55g(14.4mmol)およびオルトギ酸トリメチル2.6ml(24mmol)を添加し、混合物を2時間室温で振盪し、その後濾過する。樹脂をジクロロメタンで2回洗浄し、ジクロロメタン20mlおよびメタノール8mlに懸濁する。ナトリウムボロヒドリド907.9mg(24mmol)を3回に分けて添加し、混合物を5時間室温で激しく振盪し、その後濾過する。樹脂をDMF/メタノール1:1(2回)、メタノール/水1:1、メタノール(2回)およびジクロロメタン(4回)で連続的に洗浄する。樹脂をこれ以上精製せずに使用でき、一定重量までの乾燥を高真空下で達成できる。
【0082】
製造実施例:
実施例1
tert−ブチル[2−(ベンゾイル{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)エチル]カルバメート
【化16】

tert−ブチル[2−({4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)エチル]−カルバメート1.00g(2.47mmol)を、ジクロロメタン20mlに溶解する。塩化ベンゾイル382.3mg(2.72mmol)およびトリエチルアミン750.5mg(7.42mmol)を室温で添加し、溶液を室温で1.5時間撹拌する。次いで、1N水酸化ナトリウム溶液を塩基性pHまで注意深く添加し、有機相を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物731mg(理論値の58%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 5.01 分
MS (ESIpos): m/z = 509 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.10-6.70 (m, 13H), 5.10 (s, 2H), 4.70-4.30 (2s, 2H), 3.75 (m, 3H), 3.30-3.00 (m, 2H), 1.40 (m, 9H)
【0083】
実施例2
tert−ブチル{2−[{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}(2−チエニルカルボニル)アミノ]エチル}−カルバメート
【化17】

tert−ブチル[2−({4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)エチル]−カルバメート500.0mg(1.24mmol)を、ジクロロメタン35mlに溶解する。チオフェン−2−カルボニルクロリド199.3mg(1.36mmol)およびトリエチルアミン375.3mg(3.71mmol)を室温で添加し、溶液を室温で2時間撹拌する。反応を1N塩酸でクエンチし、有機相を分離し、1N水酸化ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物498mg(理論値の78%)を得る。
HPLC (方法 1): Rt = 5.09 分
MS (ESIpos): m/z = 515 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.80-6.70 (m, 11H), 5.05 (s, 2H), 4.70 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 1.40 (s, 9H)
【0084】
実施例3
tert−ブチル{2−[{4−[(2,4−ジフルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}(2−チエニルカルボニル)アミノ]エチル}カルバメート
【化18】

tert−ブチル[2−({4−[(2,4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)−エチル]カルバメート150.0mg(0.35mmol)を、ジクロロメタン10mlに溶解する。チオフェン−2−カルボニルクロリド57.3mg(0.39mmol)およびトリエチルアミン107.8mg(1.06mmol)を室温で添加し、溶液を室温で終夜撹拌する。反応を1N塩酸でクエンチし、有機相を分離し、1N水酸化ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物75mg(理論値の39%)を得る。
LC/MS (方法 3): Rt = 2.82 分,
MS (ESIpos): m/z = 532 (M+H)+
【0085】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表5】

【0086】
【表6】

【0087】
【表7】

【0088】
実施例15
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
【化19】

tert−ブチル[2−(ベンゾイル{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)−エチル]カルバメート700mg(1.37mmol)を、ジクロロメタン90mlに溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸100mlを滴下して添加する。溶液を1時間0℃で、そして2時間室温で撹拌する。溶媒を、減圧下、最高温度40℃で蒸発させる。残渣を石油エーテルに懸濁し、上清を分離し、ジエチルエーテルを添加し、固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物590mg(理論値の82%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.27 分
MS (ESIpos): m/z = 409 (M - CF3COOH + H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.80 (bs, 3H), 7.60-6.70 (m, 12H), 5.10 (s, 2H), 4.40 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.00 (m, 2H)
【0089】
実施例16
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(2,4−ジフルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}チオフェン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
【化20】

tert−ブチル{2−[{4−[(2,4−ジフルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}(2−チエニル−カルボニル)アミノ]エチル}カルバメート75.0mg(0.14mmol)を、ジクロロメタン20mlに溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸15mlを滴下して添加する。溶液を1時間0℃で、そして2時間室温で撹拌する。溶媒を減圧下、最高温度40℃で蒸発させる。残渣をジエチルエーテルに懸濁し、上清を分離し、ジエチルエーテルを添加し、固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物26mg(理論値の34%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.38 分
MS (ESIpos): m/z = 433 (M - CF3COOH + H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.80 (m, 4H), 7.60-6.70 (m, 8H), 5.05 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.10 (m, 2H)
【0090】
実施例17
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}チオフェン−2−カルボキサミド酢酸塩
【化21】

tert−ブチル{2−[{4−[(2−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}(2−チエニル−カルボニル)アミノ]エチル}カルバメート100mg(0.194mmol)を、ジクロロメタン20mlに溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸10mlを滴下して添加する。溶液を1時間0℃で、そして2時間室温で撹拌する。溶媒を減圧下、最高温度40℃で蒸発させる。残渣をジエチルエーテルに懸濁し、上清を分離し、ジエチルエーテルを添加し、固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物65mg(理論値の63%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.28 分
MS (ESIpos): m/z = 415 (M - CF3COOH + H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.80 (m, 4H), 7.60-6.70 (m, 9H), 5.10 (s, 2H), 4.70 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (m, 2H), 3.05 (m, 2H)
【0091】
実施例18
N−(3−アミノプロピル)−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
【化22】

tert−ブチル[2−(ベンゾイル{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)−プロピル]カルバメート60mg(0.11mmol)を、ジクロロメタン10mlに溶解し、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸7mlを滴下して添加する。溶液を1時間0℃で、そして2時間室温で撹拌する。溶媒を減圧下、最高温度40℃で蒸発させる。粗製残渣を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物24mg(理論値の38%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.40 分
MS (ESIpos): m/z = 423 (M - CF3COOH + H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.70 (bs, 3H), 7.60-6.70 (m, 12H), 5.05 (s, 2H), 4.50 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 2.80 (m, 2H), 1.80 (m, 2H)
【0092】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表8】

【0093】
【表9】

【0094】
【表10】

【0095】
【表11】

【0096】
実施例30
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(2,4−ジフルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}シクロプロパンカルボキサミド
【化23】

tert−ブチル[2−({4−[(2,4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)エチル]カルバメート39mg(0.1mmol)を、ジクロロエタン60mlに溶解する。シクロプロパンカルボニルクロリド10.4mg(0.1mmol)およびトリエチルアミン13.0mg(0.13mmol)を室温で添加し、溶液を室温で5時間撹拌する。溶媒を真空下で蒸発させ、トリフルオロ酢酸0.2mlを添加する。溶液を30分間室温で撹拌し、ジメチルスルホキシド0.5mlを添加する。溶液を濾過し、粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物を得る。
LC-MS (方法 6): Rt = 1.53 分,
MS (ESIpos): m/z = 391 (M+H)+
【0097】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表12】

【0098】
【表13】

【0099】
実施例38
N−ベンジル−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}ベンズアミド
【化24】

N−ベンジル−1−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシフェニル}メタンアミン40mg(0.114mmol)を、ジクロロメタン5mlに溶解する。塩化ベンゾイル17.6mg(0.125mmol)およびトリエチルアミン17.3mg(0.17mmol)を室温で添加し、溶液を室温で2時間撹拌する。次いで、1N水酸化ナトリウム溶液を注意深く塩基性pHまで添加し、有機相を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物40.8mg(理論値の79%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 5.35 分
MS (ESIpos): m/z = 456 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.50-7.05 (m, 14H), 7.00 (d, 1H), 6.90-6.55 (m, 2H), 5.00 (s, 2H), 4.60-4.20 (m, 4H), 3.70 (m, 3H)
【0100】
実施例39
N−ベンジル−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}チオフェン−2−カルボキサミド
【化25】

N−ベンジル−1−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシフェニル}メタンアミン40mg(0.114mmol)を、ジクロロメタン5mlに溶解する。チオフェン−2−カルボニルクロリド18.4mg(0.125mmol)およびトリエチルアミン17.3mg(0.17mmol)を室温で添加し、溶液を室温で2時間撹拌する。次いで、1N水酸化ナトリウム溶液を注意深く塩基性pHまで添加し、有機相を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製化合物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物37.1mg(理論値の71%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 5.35 分
MS (ESIpos): m/z = 462 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.75 (d, 1H), 7.50-7.00 (m, 12H), 6.90-6.70 (m, 2H), 5.00 (s, 2H), 4.70 (m, 4H), 3.70 (s, 3H)
【0101】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表14】

【0102】
実施例3と同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表15】

【0103】
【表16】

【0104】
実施例18と同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表17】

【0105】
【表18】

【0106】
実施例54
N−(3−アミノプロピル)−4−クロロ−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}ベンズアミド塩酸塩
【化26】

tert−ブチル[3−((4−クロロベンゾイル){4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシ−ベンジル}アミノ)プロピル]カルバメート170mg(0.305mmol)を、ジオキサン2mlに溶解し、室温で、4N塩酸のジオキサン溶液1mlで処理する。混合物を終夜撹拌し、その後溶媒を真空で除去する。残渣を石油エーテルで処理し、上清層をデカンタする。残っている油状物に再度ジエチルエーテルを添加し、再度上清層をデカンタする。残っている油状物を分取逆相HPLCにより精製し、表題化合物21.4mg(理論値の14%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.43 分; MS (ESIpos): m/z = 457 (M-HCl+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.78 (m, 3H), 7.58-7.41 (m, 5H), 7.22 (t, 2H), 7.01 (d, 1H), 6.69 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.61/4.39 (2m, 2H) 3.72 (s, 3H), 3.42/3.15 (2m, 2H), 2.84/2.58 (2m, 2H), 1.95-1.65 (m, 2H).
【0107】
実施例55
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}チオフェン−2−カルボキサミド
【化27】

tert−ブチル{2−[{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}(2−チエニル−カルボニル)アミノ]エチル}カルバメート70mg(0.136mmol)を、ジオキサン2mlに溶解し、室温で、4N塩酸のジオキサン溶液1mlで処理する。溶媒を真空で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理する。得られる上清層をデカンタする。残っている油状物を溶解し、1N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、蒸発後に、分取逆相HPLCにより精製し、表題化合物4.3mg(理論値の7%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 5.03 分; MS (ESIpos): m/z = 659 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.75 (d, 1H), 7.53-7.43 (m, 2H), 7.28-7.15 (m, 2H), 7.08 (t, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.85 (m, 1H), 6.79-6.71 (m, 1H), 5.03 (d, 2H), 4.69 (m, 2H) 3.72 (d, 3H), 3.51 (m, 2H), 2.74 (m, 2H).
【0108】
実施例56
N−(2−アミノエチル)−N−{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}ベンズアミド
【化28】

tert−ブチル[2−(ベンゾイル{4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−3−メトキシベンジル}アミノ)−エチル]カルバメート80mg(0.157mmol)を、ジオキサン2mlに溶解し、室温で、4N塩酸のジオキサン溶液1mlで処理する。溶媒を真空で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理する。得られる上清層をデカンタする。残っている油状物をを溶解し、1N水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、蒸発後、分取逆相HPLCにより精製し、表題化合物10.2mg(理論値の15%)を得る。
HPLC (方法 5): Rt = 4.37 分; MS (ESIpos): m/z = 409 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.84 (dd, 1H), 7.53-7.38 (m, 5H), 7.28-7.15 (m, 2H), 7.04-7.91 (m, 2H), 6.81 (dd, 1H), 6.71 (m, 1H), 5.02 (d, 2H), 4.64/4.42 (2m, 2H) 3.81-3.69 (m, 4H その中に: 3.72 (s, 3H)), 2.93 (m, 1H), 2.68 (t, 2H).
【0109】
実施例30と同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表19】

【0110】
実施例1−1
tert−ブチル{2−[[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル](2−チエニルカルボニル)アミノ]エチル}カルバメート
【化29】

tert−ブチル(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート1.60g(4.14mmol)を、ジクロロメタン20mlに溶解する。チオフェン−2−カルボニルクロリド0.67g(4.55mmol)およびトリエチルアミン0.63g(6.21mmol)を室温で添加し、溶液をこの温度で終夜撹拌する。反応を水でクエンチし、有機相を分離し、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物1.11g(理論値の54%)を得る。
HPLC (方法 2-1): Rt = 5.03 分
MS (ESIpos): m/z = 497 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.70 (d, 1H), 7.40-7.25 (m, 6H), 7.10-6.70 (m, 5H), 5.05 (s, 2H), 4.70 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 1.40 (s, 9H).
【0111】
実施例2−1
tert−ブチル(2−{ベンゾイル[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート
【化30】

tert−ブチル(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート207.5mg(0.54mmol)を、ジクロロメタン5mlに溶解する。塩化ベンゾイル83.9mg(0.59mmol)およびトリエチルアミン81.5mg(0.81mmol)を室温で添加し、溶液をこの温度で終夜撹拌する。反応を1N塩酸でクエンチし、有機相を分離し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、粗製の所望の化合物を得る。粗製物を分取HPLC(アセトニトリル/水)により精製し、表題化合物160mg(理論値の51%)を得る。
HPLC (方法 2-1): Rt = 4.99 分
MS (ESIpos): m/z = 491 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 8.20-6.70 (m, 14H), 5.05 (s, 2H), 4.70 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.40 (m, 2H), 3.10 (m, 2H), 1.40 (m, 9H).
【0112】
実施例3−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化31】

tert−ブチル{2−[[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル](2−チエニルカルボニル)−アミノ]エチル}カルバメート980mg(1.97mmol)を、ジオキサン5mlに溶解し、4M塩酸のジオキサン溶液5mlを滴下して添加する。溶液を終夜撹拌し、4M塩酸のジオキサン溶液1.5mlを添加し、再度終夜撹拌する。沈殿した固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させる。表題化合物を固体(744mg、理論値の87%)として得る。
HPLC (方法 2-1): Rt = 4.27 分
MS (ESIpos): m/z = 397 (M-HCl+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.80 (br.s, 4H), 7.45-7.00 (m, 8H), 6.90-6.70 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.70 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 3.00 (s, 2H).
【0113】
実施例4−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
【化32】

tert−ブチル(2−{ベンゾイル[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート140mg(0.29mmol)を、ジクロロメタン40mlに溶解し、溶液を0℃に冷却し、次いでトリフルオロ酢酸20mlを滴下して添加する。溶液を1時間この温度で、そして2時間室温で撹拌する。溶液を真空下、40℃で濃縮し、粗生成物を分取HPLC(アセトニトリル:水)により精製し、表題化合物108mg(理論値の70%)を得る。
HPLC (方法 2-1): Rt = 4.22 分
MS (ESIpos): m/z = 391 (M-CF3COOH+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.90 (d, 1H), 7.80 (br.s, 3H), 7.60-7.20 (m, 10H), 7.00 (d, 1H), 6.70 (m, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.40 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.60 (s, 2H), 3.00 (s, 2H).
【0114】
同様の操作を使用して、以下の化合物を製造する:
【表20】

【0115】
実施例8−1
tert−ブチル{2−[[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル](4−フルオロベンゾイル)アミノ]エチル}カルバメート
【化33】

tert−ブチル−(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}エチル)カルバメート15g(38.81mmol)を、ジクロロメタン75mlに溶解する。トリエチルアミン13.5ml(97mmol)を添加し、混合物を0℃に冷却する。ジクロロメタン25ml中の4−フルオロベンゾイルクロリド6.77g(42.69mmol)の溶液を、滴下して添加する。得られる混合物を30分間0℃で撹拌し、その後水に注ぐ。有機層を水および塩水で洗浄し、塩化マグネシウムで乾燥させる。揮発性成分の蒸発後、油状残渣を酢酸エチル100mlに溶解し、バッファー溶液(pH7)および塩水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル3:1ないし2:1)により精製し、表題化合物18.34g(理論値の93%)を得る。
LC-MS (方法 4-1): Rt = 2.69 分, m/z = 509 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 7.59-7.20 (m, 9H), 7.11-6.56 (m, 4H), 5.05 (s, 2H), 4.61 (s, 1H), 4.39 (s, 1H), 3.75 (m, 3H), 3.45-2.90 (m, 4H), 1.36 (m, 9H).
【0116】
実施例9−1
tert−ブチル(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル][(4−フルオロフェニル)アセチル]アミノ}エチル)カルバメート
【化34】

DMF2ml中のtert−ブチル−(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]アミノ}−エチル)カルバメート200mg(5.1mmol)の溶液に、室温で、4−フルオロフェニル酢酸87.4mg(0.57mmol)、HOBT76.9mg(0.57mmol)、触媒量の4−DMAPおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.135ml(0.77mmol)を添加する。混合物を0℃に冷却し、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩109g(0.57mmol)を一度に添加する。反応混合物を室温に温まらせ、撹拌を終夜継続し、その後水に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空で濃縮する。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル3:1)により精製し、表題化合物225mg(理論値の83%)を得る。
LC-MS (方法 1-1): Rt = 2.67 分, m/z = 523 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = (シグナルは、2:1の比の回転異性体の存在を示す) 7.48-6.41 (m, 13H), 5.07/5.02 (2s, 2H), 4.55/4.43 (2s, 2H), 3.76/3.71/3.68 (3s, 5H), 3.32-3.19 (m, 2H), 3.16-2.98 (m, 2H), 1.39/1.86 (2s, 9H).
【0117】
実施例10−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]−4−フルオロベンズアミド塩酸塩
【化35】

tert−ブチル{2−[[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル](4−フルオロベンゾイル)アミノ]−エチル}カルバメート100mg(0.197mmol)を、ジオキサン1mlに溶解し、室温で、4M塩酸のジオキサン溶液0.49mlで処理する。1時間室温で撹拌した後、混合物をメタノールに溶解し、RP HPLCクロマトグラフィー(グラジエント水/アセトニトリル)で直接精製し、表題化合物36.9mg(理論値の42%)を得る。
LC-MS (方法 4-1): Rt = 1.78 分, m/z = 409 (M-HCl+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.98 (bs, 3H), 7.62 (m, 2H), 7.48-7.23 (m, 7H), 7.02 (d, 1H), 6.71 (m, 2H), 5.06 (s, 2H), 4.44 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.58 (m, 2H), 3.03 (m, 2H).
【0118】
実施例11−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド塩酸塩
【化36】

tert−ブチル(2−{[4−(ベンジルオキシ)−3−メトキシベンジル][(4−フルオロフェニル)アセチル]−アミノ}エチル)カルバメート150mg(0.287mmol)を、ジオキサン1mlに溶解し、室温で、4M塩酸のジオキサン溶液0.72mlで処理する。1時間室温で撹拌した後、混合物をメタノールに溶解し、RP HPLCクロマトグラフィー(グラジエント水/アセトニトリル)により直接精製し、表題化合物46.7mg(理論値の36%)を得る。
LC-MS (方法 4-1): Rt = 1.78 分, m/z = 423 (M-HCl+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = (シグナルは、1:1の比の回転異性体の存在を示す) 8.11/7.89 (2bs, 3H), 7.48-7.30 (m, 6H), 7.25 (t, 1H), 7.18-7.07 (m, 2H), 7.02/6.96 (2d, 1H), 6.82-6.68 (m, 2H), 5.07/5.04 (2s, 2H), 4.60/4.48 (2s, 2H), 3.81/3.78 (2s, 2H), 3.73/3.69 (2s, 3H), 3.51/3.47 (2t, 2H), 3.00/2.89 (2m, 2H).
【0119】
実施例12−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−クロロベンジル]−4−フルオロベンズアミド
【化37】

N−[4−(ベンジルオキシ)−3−クロロベンジル]−1,2−ジアミノエタントリチル−樹脂1.1g(0.8mmol)を、ジクロロメタン8mlに溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン0.66ml(4mmol)および4−フルオロベンゾイルクロリド0.208ml(1.76mmol)を添加する。混合物を1時間室温で振盪し、その後ジクロロメタンで希釈し、濾過する。樹脂をジクロロメタン、DMF/ジクロロメタン(1:1混合物)および4回ジクロロメタンで洗浄する。樹脂をジクロロメタン4mlに懸濁し、室温で、穏やかに振盪しながらTFA0.35mlで処理する。30分後、混合物をジクロロメタンで希釈し、濾過する。第2の切断サイクルのために、樹脂を再度ジクロロメタン4mlに懸濁し、室温で、穏やかに振盪しながらTFA0.35mlで処理する。30分後、混合物をジクロロメタンで希釈し、濾過する。全濾液を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。粗生成物をシリカゲル(グラジエント:ジクロロメタンからジクロロメタン/メタノール100:1−50:1−20:1)のクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物163mgを得る。
LC-MS (方法 4-1): Rt = 1.87 分, m/z = 413 (M+H)+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = (シグナルは、5:1の比の回転異性体の存在を示す) 7.55-7.15 (m, 12 H), 5.21/5.18 (2s, 2H), 4.70-4.33 (m, 2H), 3.30-3.02 (m, 2H), 2.80-2.55 (m, 2H), 1.38 (m, 2H).
【0120】
実施例13−1
N−(2−アミノエチル)−N−[4−(ベンジルオキシ)−3−クロロベンジル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド
【化38】

4−フルオロフェニル酢酸271.3mg(1.76mmol)、HOBT281mg(2.08mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.344ml(2.08mmol)をDMF2mlに溶解し、0℃に冷却し、ジイソプロピルカルボジイミド0.3ml(1.92mmol)で処理する。冷却槽を除去し、5分後に、溶液をジクロロメタン4ml中のN−[4−(ベンジルオキシ)−3−クロロベンジル]−1,2−ジアミノエタントリチル−樹脂(計算値で0.8mmolを負荷)の懸濁液に移す。混合物を終夜室温で振盪し、その後ジクロロメタンで希釈し、濾過する。樹脂をジクロロメタンで4回洗浄し、ジクロロメタン4mlに懸濁し、室温で穏やかに撹拌しながらTFA0.35mlで処理する。30分後、混合物をジクロロメタンで希釈し、濾過する。第2の切断サイクルのために、樹脂を再度ジクロロメタン4mlに懸濁し、室温で、穏やかに振盪しながらTFA0.4mlで処理する。30分後、混合物をジクロロメタンで希釈し、濾過する。全濾液を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。粗生成物をRP HPLC(グラジエント水/アセトニトリル)により、続いてシリカゲルのクロマトグラフィー(グラジエント:ジクロロメタンからジクロロメタン/メタノール100:1)により精製し、表題化合物85.5mgを得る。
LC-MS (方法 3-1): Rt = 1.92 分, m/z = 427 (M+H)+
【0121】
B.生理的活性の評価
本発明の化合物の潜在的な冷メントール受容体−1(CMR−1)アンタゴニスト活性は、例えば以下のアッセイを使用して立証し得る:
CMR−1受容体を発現するHEK293細胞における、メントールに誘導されるCa2+流入の測定(アッセイ1)
ヒトCMR−1を安定に発現するHEK293細胞を使用する、細胞をベースとするカルシウム流入アッセイを使用して、CMR−1受容体−アンタゴニストを同定する。CMR−1特異的アゴニストであるメントールをこれらの細胞の刺激に使用し、細胞内カルシウムの増加を誘導する。このメントールに誘導されるCa2+の増加を、蛍光測定で追跡する。故に、刺激前に細胞にfluo4−AMを与える。阻害剤を試験するために、細胞をメントール刺激の前に様々な濃度の化合物と事前にインキュベートする。蛍光の減少を測定することにより、潜在的CMR−1阻害剤の強度を定量する。
【0122】
表A
【表21】

【0123】
初代培養ラット後根神経節ニューロンにおける、メントールに誘導されるCa2+流入の測定(アッセイ2)
CMR−1はDRG(C−線維)で発現され、そこでこの受容体は過活動膀胱における変化した求心性情報を媒介するので、ラットDRGの初代培養を機能的インビトロ試験として使用する。細胞の刺激は、メントールおよび冷却で行い、誘導されるカルシウム流入をCMR−1阻害剤の存在下または非存在下で蛍光により定量する。
【0124】
初代培養ラットDRGニューロンの調製:Zucker ラット(30日齢)からDRGを調製し、神経細胞を0.1%コラーゲナーゼ中で分散させる。培養皿への接着によるシュワン細胞の除去後、非接着性の神経細胞を回収し、ラミニン−およびポリ−D−リシン被覆384ウェルプレート中、50ng/mlラットNGFおよび50μM5−フルオロデオキシウリジンの存在下、2日間培養する。
【0125】
Ca2+の測定:ラットDRGニューロンを、培養培地に懸濁し、384−ウェルプレート(黒壁、透明底/Nalge Nunc International)に播く。48時間の培養に続き、培地を2μM Fluo−4AM(Molecular Probes)および0.02% Puronic F-127 を含むアッセイバッファー(ハンクス平衡塩溶液(HBSS)、17mM HEPES(pH7.4)、1mMプロベネシド、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA))に交換し、細胞を60分間25℃でインキュベートする。アッセイバッファーで2回洗浄した後、細胞を試験化合物または媒体(ジメチルスルホキシド)と、20分間25℃でインキュベートする。50μMメントールによる刺激後、細胞質Ca2+の移動を示す蛍光の変化を60秒間測定する。試験化合物および媒体で処理したサンプルにおける蛍光の変化を各々算出する。これらの値の比較により、化合物の阻害効果を算出する。
【0126】
インビボのモルモットの排尿頻度の測定(アッセイ3)
実験室保護のための国内法の原則に準じて実験を実施する。雌のモルモット(300−350g)を、ウレタンで麻酔する(1mg/kg i.p.)。腹部正中切開を実施し、両方の尿管を露出し、結紮し、カテーテルを膀胱極(bladder pole)に移植し、腹部を閉じる。化合物の投与のために、頸静脈を露出させ、カテーテルでカニューレ処置する。この手術の後、t型チューブを介して膀胱カテーテルを注入ポンプ(Braun Perfusor(登録商標) compact)および圧力トランスデューサー(BioResearch Center, MLT0698, Nagoya)に連結する。塩水を注入し、膀胱内圧を登録する。1時間の平衡化期間および一定の排尿サイクルの確立の後、メントール(0.6mM)を注入塩水に添加する。この時点で、媒体(対照群)またはCMR−1阻害剤も、i.v.でボーラス注射として投与する。排尿間隔(膀胱の容量に対応する)および排尿圧に対する処置の効果を算出し、媒体処置群と化合物処置群との間で比較する。
【0127】
C.医薬組成物に関する実施例
本発明による化合物は、以下の通りに医薬製剤に変換できる:
錠剤
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP 25) (BASF, Ludwigshafen, Germany) 10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg、直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよびスターチの混合物を、5%PVP水溶液(m/m)で造粒する。乾燥後、顆粒をステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機を使用して成形する(錠剤の形状は、上記参照)。適用する成形力は、典型的には15kNである。
【0128】
経口投与し得る懸濁剤
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMC, Pennsylvania, USAのキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
本発明による化合物100mgの単回用量は、経口懸濁剤10mlにより与えられる。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、活性成分を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。撹拌を約6時間、Rhodigel の膨潤が完了するまで継続する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

式中、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、塩素、トリフルオロメトキシまたはC−C−アルコキシを表し、
は、水素、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、C−C−アルキルまたはC−C−アルコキシを表し、
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、5員ないし10員のヘテロアリールまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、C−C−アルカンジイルを表し、
は、C−C−シクロアルキル、フェニルまたは5員ないし10員のヘテロアリールを表す
(ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}、
は、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、アミノ、モノ−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、フェニル、または、C−C−シクロアルキル(これは、C−C−アルキルにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されており、
そして、シクロアルキルおよびフェニルは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されている}、
は、水素またはC−C−アルキルを表す、
の化合物またはその塩、水和物および/または溶媒和物の1つ。
【請求項2】
式中、
が、水素またはハロゲンを表し、
が、水素またはハロゲンを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルコキシを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、5員ないし6員のヘテロアリールまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、C−C−アルカンジイルを表し、
は、C−C−シクロアルキル、フェニルまたは5員ないし6員のヘテロアリールを表す
(ここで、シクロアルキルは、C−C−アルキルからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロゲン、トリフルオロメチル、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}、
が、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルまたはフェニルを表し
{ここで、アルキルは、アミノ、モノ−アルキルアミノ、C−C−アルコキシカルボニルアミノ、フェニル、または、C−C−シクロアルキル(これは、C−C−アルキルにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されており、
そして、シクロアルキルおよびフェニルは、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい}
が、水素を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
式中、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、水素またはフッ素を表し、
が、水素を表し、
が、メトキシを表し、
が、水素を表し、
が、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、テトラヒドロナフチル、フェニル、チエニル、フリル、ピラゾリルまたは式−Y−Rの基を表し
{ここで、シクロアルキルは、1個または2個のメチル基によりさらに置換されていてもよく、
そして、フェニル、チエニル、フリルおよびピラゾリルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチルおよびメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよく、
そして、式中、
Yは、メチレンを表し、
は、C−C−シクロアルキル、チエニル、フリルまたはピラゾリルを表す
(ここで、シクロアルキルは、1個または2個のメチル基によりさらに置換されていてもよく、
そして、チエニル、フリルおよびピラゾリルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチルおよびメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の同一かまたは異なるラジカルによりさらに置換されていてもよい)}
が、C−C−アルキル、シクロプロピル、シクロヘキシルまたはフェニルを表し
(ここで、アルキルは、アミノまたはtert−ブトキシカルボニルアミノからなる群から選択される1個のラジカルによりさらに置換されている)
が、水素を表す、
請求項1または請求項2に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物の合成方法であって、一般式(II)
【化2】

(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を、一般式(III)
【化3】

(式中、Rは請求項1に記載の意味を有し、Xは、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、またはヒドロキシなどの脱離基を表す)
の化合物と、塩基の存在下で縮合することによる、方法。
【請求項5】
疾患または障害の処置のための、請求項1、請求項2または請求項3に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項6】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の一般式(I)の化合物の、医薬を製造するための使用。
【請求項7】
泌尿器系の疾患または障害の処置用の医薬を製造するための、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
少なくとも1種の請求項1、請求項2または請求項3に記載の一般式(I)の化合物および医薬的に許容し得る希釈剤を含有する組成物。
【請求項9】
泌尿器系の疾患または障害の処置用の請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の一般式(I)の化合物を、常套の補助剤と共に適する適用形にすることを特徴とする、請求項8および請求項9に記載の組成物の製造方法。

【公表番号】特表2008−515950(P2008−515950A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536076(P2007−536076)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010951
【国際公開番号】WO2006/040136
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】