波長≦100nmで物体を検査する反射型X線顕微鏡および検査系
【課題】マイクロリトグラフィーのための物体の検査を可能にし、短い全長を有する反射型顕微鏡を提供する。
【解決手段】物体平面内での物体を検査する反射型X線顕微鏡であって、物体は、波長<100nm、特に、<30nmの光線で照明され、像平面に拡大して結像され、第1鏡と第2鏡とを含み、物体平面から像平面までの光路内に配置される第1副系とを備える。反射型X線顕微鏡が光路内で第1副系に後置されて少なくとも第3鏡を有する第2副系を含むことにより特徴付けられる。
【解決手段】物体平面内での物体を検査する反射型X線顕微鏡であって、物体は、波長<100nm、特に、<30nmの光線で照明され、像平面に拡大して結像され、第1鏡と第2鏡とを含み、物体平面から像平面までの光路内に配置される第1副系とを備える。反射型X線顕微鏡が光路内で第1副系に後置されて少なくとも第3鏡を有する第2副系を含むことにより特徴付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体平面内で物体を検査する反射型X線顕微鏡に関し、物体は、波長<100nm、特に、波長<30nmの光路で照明され、像平面内で拡大して結像される。この種の反射型X線顕微鏡は光路内で物体平面から像平面まで配置される第1副系を含み、第1副系は、少なくとも一つの第1光学結像要素、特に、第1鏡を含む。X線顕微鏡は次の特許から周知である。すなわち、米国特許第5222113号、米国特許第5311565号、米国特許第5177774号、米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号、EP特許0459833号。
【背景技術】
【0002】
後置される回折格子を持つシュバルツシルド光学系は、米国特許5022064号から周知であり、反射型X線顕微鏡を備えた検査系は、特開平2001−116900号公報から周知である。
【0003】
米国特許第5222113号、米国特許第5311565号、米国特許第5177774号、EP特許0459833号はX線顕微鏡を示し、投影光学系内に結像のためのゾーンプレートが設けられる。フレネルゾーンプレートでは、波光学結像構成要素が関係し、光は、集中して配置される円形リングから成る系で回折される。X線波長の範囲で多数の光学要素を備える結像系内でのフレネルゾーンプレートの使用の欠点は、フレネルゾーンプレートが透過性部品であり、透過性部品はX線波長範囲での不良な透過に基づき大きい光損失に至ることである。
【0004】
結像系としてシュバルツシルド光学系を含むX線顕微鏡は、米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号から周知である。
【0005】
米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号で、概略的に記載されているX線顕微鏡では、光路は検査される物体に対してテレセントリックに構成され、このことは、反射中での物体の結像を困難にする。
【0006】
特に、X線リトグラフィーの分野で使用される物体の検査のため、使用するこの種の系の別の欠点は、十分な結像倍率のために全長が長くなることである。このことは、例えば、EUV投影露光設備内でのマスクの検査のための検査系の使用を困難にする。
【0007】
シュバルツシルド光学系は、米国特許第5022064号から周知であり、このシュバルツシルド光学系の後に回折格子が配置され、異なる波長のX線を異なる状態に回折し、光スペクトルを分離する。また、この系は物体ところでテレセントリックされる。
【0008】
波長<100nm、特に、<30nmの光線により物体平面内でマイクロリトグラフィーのため、物体を検査する反射型顕微鏡は、特開平2001−116900号公報から周知である。この公報に開示されているX線顕微鏡は、第1凹面鏡と第2凸面鏡とを備えるシュバルツシルド光学系である。前記の系とは対照的に、光路は、物体の検査のため物体のところでテレセントリックされず、例えば、EUV反射マスクの反射での検査ができる。
【0009】
特開平2001−116900号に開示される系では、大きい結像倍率が要求される時、非常に長い全長を必要とするのが欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5222113号
【特許文献2】米国特許第5311565号
【特許文献3】米国特許第5177774号
【特許文献4】米国特許第5144497号
【特許文献5】米国特許第5291339号
【特許文献6】米国特許第5131023号
【特許文献7】EP特許0459833号。
【特許文献8】米国特許第5022064号
【特許文献9】特開平2001−116900号公報
【特許文献10】EP特許0628806号
【特許文献11】特開平2004−321047号公報
【特許文献12】米国特許第5063586号
【特許文献13】米国特許第5153898号
【特許文献14】米国特許第4798450号
【特許文献15】EP特許0962830号
【特許文献16】米国特許第6244717号
【特許文献17】WO02/27401
【特許文献18】WO02/27402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、技術水準の欠点、特に、特開平2001−116900号公報の欠点を回避し、マイクロリトグラフィーのための物体の検査を可能にし、短い全長を有する反射型顕微鏡を提供することである。特に、X線顕微鏡の全長を5m以下にし、特に、3m以下で、倍率は10−10000x、特に、300−1000xにするのがよい。
【0012】
本発明の別の観点では、波長<100nm、特に、波長10−30nmで、ホトリトグラフィー工程のためのマスク検査を可能にする検査系を提供することである。
【0013】
UV範囲での波長を持つホトリトグラフィー工程の透過マスクの検査のための検査系は、EP特許0628806号、特開平2004−321047号公報から周知である。これらの刊行物の内容は、本願の開示内容に完全に組み込まれている。これらの系には透過マスクの検査だけが記載され、すなわち、
EUVリトグラフィーで使用される反射マスクの検査は記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、マイクロリトグラフィーのための物体の検査ができ、短い全長を有するX線顕微鏡を提供し、第1副系および第2副系内でX線顕微鏡を分割することにより解決され、そのために、種々の実施例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡を含む第2副系とを備えた本発明による第1X線顕微鏡対物レンズの全体図を示す。
【図2】図2は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備えた第2X線顕微鏡を示す。
【図3】図3は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを含み、第3鏡は球面に構成され、絞りが物体平面と第1鏡との間にある第3X線顕微鏡を示す。
【図4】図4は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを含み、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、物体視野寸法は30μm×30μmである第4X線顕微鏡を示す。
【図5】図5は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、物体視野は200μm×30μmの範囲を有する第5X線顕微鏡を示す。
【図6】図6は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、全ての鏡は凹面鏡である第6X線顕微鏡を示す。
【図7】図7は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凹面鏡であり、第3鏡は凸面鏡であり、第4鏡は凹面鏡である第7X線顕微鏡を示す。
【図8】図8は、2鏡系を示し、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凹面鏡である。
【図9】図9は、第1、第2鏡を備える第1副系と、光電子顕微鏡を含む第2副系とを備えた本発明によるX線顕微鏡対物レンズの全体図を示す。
【図10】図10は、本発明によるX線顕微鏡を備えたEUVマスクの検査系を概要図で示す。
【図11】図11は、検査系を示し、検査系の個々の構成部分を詳細に示す。
【図12】図12は、測定を実施するためのフローチャートを示す。
【図13】図13は、撮像される像の可能な処理を示す。
【図14A】図14Aは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【図14B】図14Bは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【図14C】図14Cは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1実施例では、本発明によると第1観点で、この課題は次のようにして解決される。特に、シュワルツシルド系の形状で構成される第1鏡および第2鏡を含む第1副系に、少なくとも一つの第3鏡を含む第2副系が光路内に後置される。この第3鏡は、物体から像までの光路を回折し、特開平2001−116900号公報から周知である系に対して全長を著しく減少することができる。
【0017】
2鏡以上を備える系は、投影対物レンズのためのEUVリトグラフィーの分野で周知である。
【0018】
例えば、この種の系は米国特許第5063586号、米国特許第5153898号、米国特許第4798450号、EP特許0962830号から周知である。
【0019】
これらの全ての系では、縮小対物レンズに関するものであるので、これらの刊行物は、物体を拡大して像平面内に結像する系をどのようにして構成しなければならないかということに対して手がかりを提供できない。
【0020】
特に、この対物レンズでは、できる限りの短い全長を達成するという問題に立ち向かうことはできない。むしろ、結像特性が主観点である。
【0021】
前記のように、第2副系の少なくとも一つ第3鏡は、光路を回折し、像でのほぼテレセントリックな光路の調整のために役立つ。
【0022】
特に、第2副系が、全長の縮小を保証する全体として2個の鏡を含むと有利である。特に、この種の配置では、第1副系および像平面の第2鏡の範囲で生じる構造空間の問題を解決することができる。何故ならば、物体平面および像平面は4鏡系では、空間的に相互に非常に離れて分離され、その上、対物レンズの外側に位置し、対物レンズの反対側に位置するからである。
【0023】
有利には、光路は像の近くでテレセントリックする。
【0024】
特に、第1副系の第1鏡および第2鏡は非球面に形成され、第3鏡および第4鏡は、それぞれ、非球面にも球面にも形成される。このため、仕上げ技術的に簡単に製造されるので球面鏡は都合がよい。
【0025】
像平面内で検査される物体の十分な拡大を保証するため、全体の系はβ≧10x、特に、300x≦β≦1000xの範囲の結像倍率を有する。
【0026】
この反射型X線顕微鏡は、物体から像平面までの光路内で実際の中間像なしに結像されるか、実際の中間像で結像できる。中間像を備える構成は、第1副系と第2副系が対向して延びることができ、像は中間像焦点平面の上下に撮像できる長所があり、例えば、マスク検査ではマスク欠陥の情報を次に説明するように送ることができる。
【0027】
第1副系の後の光路内に実際の中間像を形成する場合、本発明の次に説明する実施例では、少なくとも一つの第1光学要素を含む第1副系に、第2副系を光路内に後置し、中間像平面内の中間像が像平面内の拡大像に結像されることにより、課題が解決される。
【0028】
第2副系は、別の構成では、光電子顕微鏡(PEEM)を含むことができる。それから、第1副系は、小さい第1倍率、例えば、0.1x−100x、特に、1x−10xの第1結像倍率だけが必要である。PEEMは可変倍率を備えるズーム対物レンズとして構成できる。
【0029】
物体平面から像平面までの≧10x、特に、300−10000xで全体の系の必要な倍率は、光電子顕微鏡により拡大される。このようにして、全体の系の全長は、特開平2001−116900号公開公報で周知である系に対して著しく縮小できる。
【0030】
光電子顕微鏡、いわゆるPEEMは、技術水準で説明され、例えば、Firma Focus GmbH,D-65100 Hunstetten-Gosrohにより製造および販売されている。これに関しては、ウエブページ http://www.focus-gmbh.comで示されている。このインターネットサイトで説明されている光電子顕微鏡は、光を像の形成のために確実にする顕微鏡ではなくて、エレクトロンである。光電子顕微鏡では、検査される物体は電界形レンズを含む結像電子光学系により結像される。この場合、像を形成する電子は、中間像内配置されるか、その近くに配置されるホト電極、例えば、ホトカソードの放射によりX線で生起され、レンズ系により増幅のためにマルチチャネルプレート上に結像される。この出願では、中間像平面の近くの配列は≦10・λ/NA′2、特に、≦5・λ/NA′2の間隔である。ここで、λは入射光の波長であり、NA′=NA/β1であり、ここで、NAは結像系の開口数であり、β1は第1副系の結像倍率である。マルチチャネルプレートにより多重される電子は、例えば、マルチチャネルプレートの後に配置される蛍光体スクリーン上で可視光線に変換され、例えば、CCDカメラで観察できる。光顕微鏡により、20nmの横解像度が達成できる。
【0031】
光顕微鏡による像平面内での拡大像の中間像の結像の代わりに、第2副系を設けることもでき、第2副系は中間像平面内または中間像平面の近くで蛍光体板と、波長の長い光のための蛍光体板に後置されるレンズ系とを含む。蛍光体板上に入射するX線により、波長の長い光の範囲内に蛍光線が発生される。それから、この蛍光線は、光学結像系、例えば、レンズ系またはフルネルゾープレートまたは任意の回折光学要素により、像平面内で結像できる。
【0032】
第1副系として、結像のための光学系に属する全てのEUV光学要素、例えば、多層被覆された鏡、ゾーンプレートまたは回折光学要素を考えることができる。
【0033】
特に、第1副系は、第1鏡S1と第2鏡S2という2つの鏡を含む。特に、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凸面鏡である。特に、第1鏡および第2鏡は非球面に形成される。
【0034】
第2副系は、特に、中間像平面内の中間像を像平面内の像に拡大して結像することに役立つ。そのため、この第2副系の結像倍率は大きく、β2≧3xである。特に、結像倍率は50x≦β2≦500xの範囲である。第2副系の結像倍率は、この出願では、中間像平面内での中間像の結像により、像平面内の拡大像で定義される。第2副系として、光顕微鏡(PEEM)、後続される光学顕微鏡を備えた蛍光コンバータまたは他のコンバータ顕微鏡を使用でき、それらは、結像系内での別の処理のため、X線は他の結像キャリア、例えば、波長の長いホトン、電子またはイオンに変換できる。
【0035】
特に、本発明による反射型X線顕微鏡は、顕微鏡の鏡が調心して配置される光軸を有する。
【0036】
米国特許から周知であるX線顕微鏡と対照的に、本発明による反射型X線顕微鏡では、物体平面内の物体は、特に、光軸の上下に配置される。このことは、反射中、例えば、反射するEUVマスク内での物体の検査を可能にし、物体平面および像平面が相互に傾斜して配置されることがなく、すなわち、像平面と同様に物体平面は反射するX線対物レンズの光軸に対して垂直である。これにより、像誤差を最小にできる。何故ならば、これにより、全方向での全ての視野個所のための均一な結像倍率が達成されるからである。
【0037】
特に、開口数の調整のため、反射型顕微鏡が開口絞りを含むと有利である。異なる数の開口を調整できるため、開口絞りは接近可能であれば有利である。
それで、開口絞りの有利な配置は、物体平面の後、第1鏡の前での第1副系内の物体平面から像平面までの光路内での配置である。開口絞りは光軸に対して偏心される。開口絞りは、特に、投影露光設備の異なる数の開口により異なる開口ステップの調整をシュミュレートできる。
【0038】
本発明の第2の観点では、物体を検査する検査系は、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのための特別のマスクが使用される。検査系は物体平面内での物体の視野の照明のための照明系を含む。光源として、照明系は、例えば、放電源、レーザプラズマ源またはシンクロトロン源を含む。例えば、13.5nmの最適な光線は、格子スペクトルフィルタで濾過できる。物体平面内で、照明される視野内において、少なくとも、検査されるマスクの一部分が配置される。さらに、検査系は、像平面内で検査されるマスクの少なくとも一部分を結像するため、波長≦100nmの結像系を含む。像平面内で、この平面内で拡大される結像物体の観察のための観察系が設けられる。
【0039】
本発明による検査系では、結像系は、本発明による反射型X線顕微鏡が有利である。
【0040】
本発明による検査系は、特に、物体平面内で物体を位置決めする位置決め装置を含む。それにより、物体平面内で検査される物体の完全に目標とされる部分に移動でき、物体の異なる部分の像を像平面内に撮像できる。
【0041】
本発明の有利な実施例では、結像系は接近可能で調整可能な開口絞りを含む。調整可能な開口絞りは開口を調整することができ、物体での結像特性は、投影露光設備内の結像特性に対して等しい。EUVリトグラフィーのための投影露光設備は、例えば、WO02/27401、WO02/27402または米国特許6244717号から周知であり、これらの開示内容は、この出願に完全に包含される。EUV投影露光設備内の可能な不明瞭化は、例えば、検査系の照明システム系内に配置される不明瞭化絞りにより、シュミュレートできる。
【0042】
投影露光設備が、例えば、像側で0.3のNAと、4xの倍率の投影対物レンズを有すると、投影系内の結像に対応する結像を得るため、検査系内で調整可能な開口絞りで事前に選択される開口は0.3:4であり、すなわち、0.075である。
【0043】
調整可能な開口絞りは、0.001≦NA≦0.25の範囲で自由に調整できる。
【0044】
結像系内の調整可能な開口絞りと並んで、本発明の有利な実施例では、照明系も調整可能な照明開口絞りを含めて設けることができる。
【0045】
結像光学系の開口絞りの平面に結合する平面内に配置される照明系内の照明絞りにより、瞳孔充填率σのサイズを設定できる。瞳孔充填率はσ=sinα/sinβとして定義され、ここで、sinαは物体での照明系の開口数NA照明に対応し、sinβは物体での結像系の開口数NA結像に対応する。σの調整は、投影露光設備のための異なる種類の照明系をシュミュレートすることを可能にする。上記のように開口絞りと照明開口絞りは、円形絞りでの設定瞳孔充填率σにより円形照明の調整を可能にする一方、絞り変更体、例えば、絞り車輪の装着により照明開口絞り平面内で、環状照明、4極性照明または2極性照明もシュミュレートすることができる。視野を限定するため、対物レンズに対して結合する平面内で視野絞りを設けることができる。
【0046】
特に、検査系の撮像系は分析ユニットを有し、分析ユニットにより像平面内での物体の像を評価できる。
【0047】
特別の構成では、ステッパーとして構成される投影露光設備の特性のシュミュレーションと並んで、マスクの質的検査および量的検査を可能にするために、検査系は、特に、物体を物体平面に対して垂直に移動できる焦点調整装置を含む。これは、設定された焦点位置で物体での一方個所および同じ個所での像の撮像を可能にする。特に、下から上へ焦点合わせは所定の段階で対称的に実行される。異なる焦点位置で撮像される像は、分析ユニットで評価され、マスクの品質についての少なくとも一つの命令を実行できる。マスクが異なる個所で欠陥を持つならば、分析ユニットは、この欠陥を正確に分析することができる。同様に、マスクを修理でき、続いて新たに分析することができる。
【0048】
特に、分析ユニットは撮像される像データをデジタル処理できるマイクロコンピュータ装置を含む。
【0049】
本発明の特別に有利な実施例は、第1結像系と平行に配置され、波長>100nmのための第2結像系を含む。この第2結像系は、例えば、UV光線またはVUV光線で、例えば、マスクのIラインを全体的に最初に大まかに検査することができる。特に、この種の補助観察系は同一焦点および/または同心に配置される。全体のマスクは、例えば、6″x6″(152mm×152mm)の寸法を有し、物体視野は≦2×2mmであり、全体のマスクの大まかな検査ができる。それから、マスクを位置決め装置により欠陥が生じている個所に移動できる。波長≦100nmのための結像光学系により、この選択された個所を検査することができる。波長≦100nmのための結像光学系を検査できる物体視野は、100μm×100μm、特に、30μm×30μmである。
【0050】
本発明の特に有利な実施例では、第2副系は交換でき、または、取り替えできる。第2副系の交換により、物体視野は拡大でき、マスクは全体として、最初に大まかに検査できる。全体のマスクは、例えば、6″x6″(152mm×152mm)の寸法を有し、物体視野は≦2×2mmであり、全体のマスクの大まかな検査ができる。それから、マスクを位置決め装置により欠陥が生じている個所にも移動できる。小さい物体視野と大きい倍率を備えた別の第2副系により、この選択された個所を詳細に検査できる。物体視野は、特に、100μm×100μm、特に、30μm×30μmである。
【0051】
第2副系が光電子顕微鏡として構成され、例えば、40xから4000xの範囲の可変倍率、すなわち、ズーム作用を有する系では、異なる大きい物体視野は光電子顕微鏡の倍率調整により検査できる。
【0052】
特に、少なくとも、検査系、例えば、第1副系の波長≦100nmのための結像部分は、EUV使用のための適切な真空内に配置される。
【0053】
本発明による検査系と並んで、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのため、物体、特に、マスクの検査の方法にも使用され、物体平面内で物体視野は照明系で照明され、検査される物体は位置決め装置により照明された物体視野にもたらされ、撮像系が配置される像平面内で波長≦100nmの結像系により結像される。マスクの特徴付けのため、有利な方法では、検査される物体は焦点調整装置により、物体平面に対して垂直に移動され、像は焦点の上下での設定焦点位置で撮像され、評価される。
【0054】
中間像を持つ系では、変更または追加して、第2副系を中間像の焦点に対して移動でき、像を設定焦点位置で撮像できる。代わりに、全体の結像装置または第1副系だけを、物体平面と垂直に軸線方向へ移動できる。
【0055】
本発明による検査系の用途は多様である。前に詳細に説明したように、この種の検査系は、マスク素材、被覆されたマスク素材、仕上げ工程中のマスクのため、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーに適し、同様にマスクの修理の管理にも適する。また、マスク変更工程の管理ができる。さらに、この種の検査系により、投影露光設備の露光工程は開口および瞳孔充填率の調整によりシュミュレートでき、それで、投影露光設備は構成でき、最適化できる。この検査系はウエハの検査にも適する。
本発明を図面に基づいて次に詳細に説明する。
【実施例1】
【0056】
図1において、第1鏡S1と第2鏡S2とを含む第1副系を備えた発明の第1実施例が図示されている。この実施例では、第1鏡S1は凹面鏡であり、第2鏡S2は凸面鏡である。鏡S1、S2は光軸HAに対して調心して配置される。第2副系は第3鏡を含む。また、第3鏡は光軸に対して調心して配置される。光軸HAに対して偏心して物体平面1内で配置される物体は、本発明による拡大結像X線顕微鏡により像平面3内に結像される。像平面3は、第2鏡S2並びに物体平面と第1鏡との間で光軸に対して偏心して配置される開口絞りBの近くにある。
【0057】
鏡S1、S2、S3の全ての鏡表面は回転対称で、非球面鏡部分表面である。
【0058】
第1鏡の曲率半径は|R1|=500mmであり、第2鏡の曲率半径は|R2|=3.5mmであり、第3鏡の曲率半径は|R3|=4000mmである。
第2鏡は比較的に小さい曲率半径だけを有する。この小さい曲率半径は要求される大きい結像倍率を生じるために必要である。開口絞りBは、物体平面と第1鏡との間で物体平面から466mmの間隔で離れ、60mmの最大偏心開口を有する。光学系の全長、つまり、開口絞りBが配置される絞り平面から第3鏡S3までの間隔は2007mmであり、物体平面1から開口絞りBまでの間隔は466mmである。全体系はβ=−500xの結像倍率を有する。物体平面および像平面での物体と像は、光軸HAに関して反対側で偏心している。
【0059】
表示される3鏡系の長所は、3個の鏡だけで2500mm以下のわずかな全長を実現でき、全長、すなわち、第3鏡の頂点までの開口絞りの間隔が2007mmであり、開口平面内の開口絞りBから物体平面1までの間隔が466mmであることで分かる。図1による実施例の全体の対物レンズデータは付属表1aに示され、表面データの概要は付属表1bに示され、表面データの詳細は付属表1cに示される。光学データの全体の先行する表および後行する表は、ZEMAXフォーマットのデータである。ZEMAXフォーマットは当業者にとって周知である。
【表1A】
【表1B】
【表1C】
【実施例2】
【0060】
図2では、第1鏡S1と第2鏡S2とを含む第1副系と、第3鏡と第4鏡とを含む第2副系とを備えた4鏡系が示されている。第1鏡は参照符号S1が付され、第2鏡は参照符号S2が付され、第3鏡は参照符号S3が付され、第4鏡は参照符号S4が付されている。第1鏡S1では凹面鏡が関係し、第2鏡では凸面鏡が関係し、第3鏡および第4鏡では、それぞれ、凹面鏡が関係する。この実施例では、開口絞りBは第1鏡S1の前のわずかな間隔に配置される。この種の配置は明らかにわずかな口径食に通じる。全体系の結像倍率はβ=354であり、すなわち、物体平面1内の物体および像平面3内の像は、光軸HAに対して同じ側に偏心している。本発明のこの実施例の全体の対物レンズデータは付属表2aで示され、概要表面データは付属表2bで示され、特定の表面データは付属表2cで示される。
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【実施例3】
【0061】
さらに、図3では、第1鏡S1と、第2鏡S2と、第3鏡S3と、第4鏡S4とを備えた4鏡系が示されている。先の図面と同じ部品は同じ参照符号が付される。
【0062】
図3による系の基本的な構成は、回転対称で球面の鏡部分表面または非球面の鏡部分表面を備えて同軸である。物体視野は光軸HAに対して偏心して配置される。全ての鏡は光軸HAの周囲で回転対称である。第1鏡は曲率半径|R1|=500mmを持つ凹面鏡であり、第2鏡は曲率半径|R2|=50mmを持つ凸面鏡であり、第3鏡は曲率半径|R3|=166mmを持つ凹面鏡であり、第4鏡S4は曲率半径|R4|=4000mmを持つ凹面鏡である。
製造技術的観点から、図3による実施例では第3鏡が球面であると有利である。これに対して鏡S1、S2、S4の鏡表面は回転非球面である。開口絞りBは物体平面1と第1鏡S1との間で、物体平面1から840.5mmの間隔で離れ、146mmの最大偏心開口を有する。この場合、開口絞りBから像平面3までの間隔である光学系の全長は2116mmである。この系の全体の結像倍率はβ=530であり、すなわち、物体平面内の物体と像平面内の像は光軸HAに対して同じ側で同じ側で偏心している。
【0063】
図3による全体の光学データは付属表3aで示され、表面データの概要は付属表3bで示され、特定の表面データは付属表3cで示される。
【表3A】
【表3B】
【表3C】
【実施例4】
【0064】
さらに、図4、図5は鏡S1、S2を含む第1副系と、鏡S3、S4を含む第2副系とを備えた4鏡系を示す。先の図2、図3と同様の部品は同じ参照符号が付されている。図4、図5による系の基本的構成は同軸である。特に、第3鏡S3、第4鏡S4が球面に構成され、第1鏡S1、第2鏡S2だけが、回転対称で非球面鏡部分表面を含むと有利である。第1鏡S1は曲率半径|R1|=500mmを持つ凹面鏡であり、第2鏡は曲率半径|R2|=100mmを持つ凸面鏡であり、第3鏡は曲率半径|R3|=216mmを持つ凹面鏡であり、第4鏡S4は曲率半径|R4|=4000mmを持つ凹面鏡である。光学系の全長、つまり、開口絞りBが配置される開口絞り面から像平面3までの間隔は2183mmであり、物体平面1と開口絞り平面との間の間隔は466mmである。
【0065】
結像倍率はβ=500であり、すなわち、物体視野内の物体および像視野内の像は光軸HAに対して同じ側で偏心している。図4で示される実施例の物体視界は30μm×30μmの範囲を有し、わずかに偏心され、すなわち、光軸HAに対して外方軸に配置される。図4による実施例の全体の光学データは付属表4aで示され、光学表面データの概要は付属表4bで示され、光学表面の特定の表面データは付属4cで示される。
【表4A】
【表4B】
【表4C】
【実施例5】
【0066】
図5では、図4による実施例の変形が示されている。実質的に全ての系データは維持され、鏡S1、S2の非球面だけが変更されている。この変更により、物体視野は200μm×30μmの大きさに拡張することができ、図4での実施例に対して、波頭誤差や歪みが悪化することはない。
【0067】
第1鏡および第2鏡での非球面だけが変更されているので、付属表4aによる全体の光学データおよび付属表4bによる全体の表面データは、実施例5にも受け継がれている。鏡S1、S2の特定の非球面データ内だけに偏りが生じる。実施例5による特定の光学表面データは付属表5cで与えられる。
【表5C】
【実施例6】
【0068】
図6では、第1鏡S1、第2鏡S2、第3鏡S3および第4鏡S4を持つ4鏡配置の別の変形が示されている。図2乃至図5と同じ部品は同じ参照符号が付される。実施例3、4、5に対する図6による実施例6の本質的な相違は、第2鏡S2が凹面鏡であり、光軸HAの上方に使用されていることである。それで、この鏡の後の光束は同様に光軸の上方へ延びる。結像倍率はβ=−500であり、すなわち、物体平面内の物体および像平面内の像は光軸HAと反対側にある。
【0069】
図6の実施例による全体の光学データは付属表6aに示され、全体の表面データは付属表6bに示され、特定の表面データは付属表6cに示される。
【表6A】
【表6B】
【表6C】
【実施例7】
【0070】
図7で示される実施例は、第2鏡S2までは図6による実施例に対応する。図6による実施例に対する本質的な相違は、第3鏡S3が凸面鏡であることである。図7による系の結像倍率はβ=500であり、すなわち、図6による実施例と対照的に物体平面内の物体および像平面内の像は光軸HAに関して同じ側にある。
【0071】
図7による実施例の光学データは付属表7aに示され、全体の表面データは付属表7bに示され、特定の表面データは付属表7cに示される。
【表7A】
【表7B】
【表7C】
【実施例8】
【0072】
図8による実施例は、2鏡配置で3m以下の全長を維持する場合、全体系のために最大β=100の有効な縁条件でのみ結合倍率を実現できることを示す。図8で示される系では、第1鏡S1と第2鏡S2とを持つ2鏡系が関係し、第1鏡S1、第2鏡S2は、それぞれ、凹面鏡である。図8による実施例の全体の光学データは付属表8aで示され、全体の表面データは付属表8bで示され、特定の表面データは付属表8cで示される。
【0073】
図1乃至図8による系の物体側開口は、開口絞りBを介して調整でき、例えば、従来の投影露光設備のシュミュレーションのため、0.0625である。この開口絞りは0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。図示しない照明系により平面1内で照明される物体視野寸法は、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmである。例えば、マイクロリトグラフィ−のためのマスク、いわゆる網目印が検査され、この種のマスクは典型的には152×152mmの寸法を有する。それで、本発明による反射型X線顕微鏡によりマスクの部分の結像だけができる。物体平面1内の物体は図1乃至図7による系で、像平面3内で300−10000倍に拡大して結像される。開口絞り平面Bは接近可能であるので、絞り平面内で開口は開口絞りBにより0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。ここで、NAは物体での結像側開口を示し、以下、開口NA結像とも称する。物体平面1内の主光線5の角度αは系の光軸に対して通常6゜である。2つ以上の鏡を含む図1乃至図7によるX線顕微鏡により、全長が3000mm以下である十分に拡大されるX線顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【表8A】
【表8B】
【表8C】
【実施例9】
【0074】
図9では、第1副系と第2副系とを持つ本発明の別の実施例が示される。この場合、第1副系は第1鏡S1と第2鏡S2とを含む。第1鏡S1は凹面鏡であり、第2鏡S2は凸面鏡である。鏡S1、S2は光軸HAに対して調心に配置される。単一の鏡だけによる系も考えることができるであろう。第2副系は光電子顕微鏡10を含む。光軸HAに対して偏心して配置される物体平面1内の物体は、第1副系により中間像平面2内の中間像Zに結像される。調整可能な開口絞りBは物体平面と第1鏡との間で光軸に対して偏心され、結像系の高開口部分内に配置される。高開口部分内の配置により、異なる開口数を非常に正確に調整できる。光電子顕微鏡の光電陰極20が中間像平面2の近くに配置される。光電子顕微鏡(PEEM)により、中間像平面2内の中間像Zは、像平面3内の拡大像内に結像される。光電子顕微鏡10の内のいくつかの重要な部品だけが概要で示される。光電陰極20に当たるX線光は光電効果に基づき電子を放射する。放射された電子は、実例では1つだけが示されるレンズ22と、実例では同様に1つだけが示される絞り24を介して、蛍光スクリーン26上に結像される。蛍光スクリーンにより、電子により発生された像は可視像に変換され、可視像は観察装置、例えば、CCDカメラにより観察できる。
【0075】
図9による系の物体側の開口は開口絞りBを介して調整でき、例えば、従来の投影露光設備のシュミュレーションのため0.0725である。この開口絞りは、0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。平面1内で図示しない照明装置で照明される物体視野寸法は、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmである。例えば、マイクロリトグラフィ−のためのマスク、いわゆる網目印が検査され、この種のマスクは典型的には152×152mmの寸法を有する。それで、本発明による反射型X線顕微鏡によりマスクの部分の結像だけができる。物体平面1内の物体は、像平面3内で300−10000倍に拡大して結像される。特に、図9で示すように、開口絞り平面Bは接近可能であるので、絞り平面内で開口は開口絞りBにより0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。ここで、NAは物体での結像側開口を示し、以下、開口NA結像とも称する。物体平面1内の主光線5の角度αは系の光軸に対して通常6゜である。この光電子顕微鏡により、全長が2000mm以下である十分に拡大されるX線型顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【0076】
図10では、特に、小さい物体視野を持つ被覆されたEUVマスクを検査する本発明による検査系が図示される。照明系100は物体平面101内で所定の仕方で視野102を照明する。照明系100は瞳孔充填率σを調整するため図示しない照明開口絞りを含むことができる。瞳孔充填率σは、σ=sinα/sinβ≒NA照明/NA結像として定義される。ここで、NA照明は、開口絞りにより設定される照明系内での開口数を示し、NA結像は、ここでは、反射型X線顕微鏡の結像系の開口絞りBにより設定される結像系の開口数を示す。
【0077】
例えば、円形照明、環状照明、矩形照明または2極照明のような異なる照明設定を調整できるため、開口絞り平面内に絞り車輪を配置できる。
【0078】
可変調整できる照明開口絞り、結像系内の開口絞り、または、絞り車輪により、本発明による検査系では、マスクまたは網目印が、設置されるEUV投影露光設備内での調整をシュミュレートでき、マスク像の評価により開口、照明の種類等に関する投影露光設備の最適な調整パラメータを検出できる。それで、検査系は単にマスクの欠陥の検査だけに適する。マスクの欠陥が検査される場合、調査されるEUVマスク104の欠陥個所が照明される観察視野内に配置される。
【0079】
図10において視野102の視野中央にむかって、光束の光線経路が示される。視野平面から出る光束108の主光線106は、光軸HAに対して角度αだけ傾斜される。角度αは物体での投影露光設備内への主光線入射角度に一致し、およそ6゜である。
【0080】
図10では詳細に図示されていないが図1乃至図9によるX線顕微鏡対物レンズを含むことができる結像系110としての本発明によるX線顕微鏡により、物体平面101内の物体104は像平面112内の像に結像される。図10から分かるように、視野中央から出る光束の光線経路は像平面112内でテレセントリックされ、すなわち、光束108の主光線106は像平面112に垂直に当たる。テレセントリーにより特徴付けられる理想的位置から理想的でない位置への少なくとも1つの開口絞りの移動による結像系誤差の意識的な導入も可能であり、このことは、光束が像平面112にテレセントリックしないで当たることになる。像平面112内の物体104の像114は拡大される。この拡大倍率は、好ましくは、300xから1000xの範囲である。像平面112内では、観察のために観察装置が配置される。観察装置はカメラ、特に、CCDカメラ、マルチチャンネルプレート、または蛍光スクリーンを使用できる。
【0081】
さらに、観察装置は同様に図10で図示されない分析ユニットを設けることができ、分析ユニットは、観察装置から受ける像を、例えば、評価のためデジタル形式で送ることができる。分析ユニットはプログラム可能なデジタルコンピュータとすることができる。
【0082】
さらに、プログラム可能なデジタルコンピュータは制御装置を含むことができ、制御装置は物体平面内で照明される物体視野寸法や形状、瞳孔充満率および開口数を調整するために結像光学系内の開口絞り、照明開口絞りまたは絞り車輪並びに検査系内の視野絞りを制御する。さらに、この系はx−y
平面としても称される物体平面内で検査される物体の位置決め装置を含むことができる。それにより、小さい物体視野、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmのマスクの異なる部分を、例えば、152×152mm2のマスク寸法で検査することができる。x−y平面内でのマスクの系統的な開始により、調整可能な絞りでシュミュートされる投影露光設備で全体のマスクを検査できる。しかしながら、これは非常に高価であるので、第1副系が第2副系から容易に分離できるように結像系を構成すると有利となる。大きい物体視野または小さい物体視野や大きい倍率又は小さい倍率が必要であれば、第2副系を大きい倍率又は小さい倍率および/または大きい物体視野または小さい物体視野を持つ第2副系に対して非常に簡単に交換できる。そのような場合、全体のマスクは大まかに検査され、マスク上の限界範囲はx−y位置決め装置により接近でき、それから、この範囲は別の光学系で欠陥のための検査をできる。位置決め装置によるx−y平面での移動可能性と並んで、本発明の有利な実施例では焦点調整装置も設けられ、焦点調整装置により物体は物体平面と垂直に移動でき、像は焦点の上下の設定焦点位置で撮像できる。このようにして、像やマスクを異なる設定焦点平面で撮像できる。この焦点平面の数は検査の最適精度に依存する。
【0083】
異なる焦点平面での像データに加えて、個々の像のため照明平面内での照明密度に関するデータも撮像できる。
【0084】
x位置、y位置およびz位置による撮像された像データから、検査されるマスクの密度データマップ描くことができる。これらの密度データマップは、シュミュレーション計算に基づいて得られる密度データマップと比較でき、または、投影露光工程中に受容できる結果に至る基準データマップと比較することができる。このようにして、欠陥に関するマスクの検査と、必要とあれば、修理の検査ができ、マスクの的確性を検査できる。
【0085】
この発明による検査系は、欠陥分析およびマイクロリトグラフィーのためのマスクの修理に適するのみならず、また、検査系の波長の光での照射によるマスクの局部清掃に適し、または、マスク構造の設計の最適化にも適し、露光工程のための工程最適化および射影露光設備内での系構成に適する。
【0086】
図11では、全体の検査系の原理略図が示される。EUV光源100の光はコレクタ102により集められ、照明系の鏡104、106を介して検査される物体がある物体平面108へ向けられる。照明装置110の光束は物体平面108内の物体へテレセントリックに当たるのではなくて、角度を成して当たる。特に、光束の主光線角度は、投影露光設備により主光線角度に一致して操作される。第1実施例では、この角度αは垂線112に対して6°である。
【0087】
照明系110内では、コレクタ102から物体平面108までの光路内に照明開口絞り120および視野絞り122が配置される。反射を受けて照明される物体平面108内の物体は、本発明による結像系により、物体が観察できる像平面130内に結像される。結像は、この実施例では2段階、つまり、中間像Zで行われる。結像系の第1副系150は第1鏡152と第2鏡154を含む。第1副系により中間像平面内に結像される物体平面内の物体の中間像は、有利には、検査されるマスクが第2副系156により像平面130内で拡大して結像される。結像系内の開口絞り154は、物体平面108から第1副系150の第1鏡152との間の中間像平面に対する物体平面までの光路内にある。例えば、第2副系は少なくとも1つの鏡と、PEEMとを含む光学系にできる。このことは既に詳細に説明した。
【0088】
図12では、本発明による検査システムでの物体の検査のための実例の測定フローが示される。第1ステップ200で、系の調整、例えば、開口NA結像、開口NA照明、および不明瞭化絞り、または、視野絞りの入力が行われる。その後、これらの絞りは第2ステップ202内で調整される。その後、系の調整はステップ204内でテスト構造、例えば、x方向またはy方向の線形構造に基づき再検査される。テスト構造により、系はステップ206内で微調整される。その後、ステップ210内で物体の検査すべき範囲である測定視野内の測定個所が、例えば、対応する個所でx−yテーブルが移動されて位置決めされる。測定視野内での位置決め前に、ステップ208で測定調整のドキュメンテーションも実行できる。
【0089】
検査される測定個所が位置決めされた後、最後のステップ212内で焦点が調整される。ステップ212内で焦点が見出されると、ステップ214内で測定像が撮像されるか、前記のように焦点が走査され、すなわち、異なるZ位置のための測定像が撮像される。ステップ216で、測定像後に品質制御が行われ、または、異なる焦点位置に関連する測定像は品質的観点で評価される。それらが品質要件に適合すると、もしあるならば、物体は別の測定個所に移動され、さらに、前記のような測定フローで撮像される。品質制御が否定的な結果に至ると、同じ個所で新しい測定像が撮像され、または、異なるZ位置に関連する測定像数が撮像される。
【0090】
最早、別の測定位置220が存在しなければ、ステップ222で系の調整が変更できるか、ステップ224で測定を終了することができる。
【0091】
図13では、例えば、コンピュータ装置により実行でき、検査系により得られる測定像または測定情報の可能な評価が示される。異なる測定像が焦点平面の上下で撮像されると、物体平面、すなわち、x−y平面、並びに、z方向での検査される物体の場所の関数である選択された測定像300は、ステップ302で、試料の場所、つまり、x−y位置の関する場所、すなわち、領域に関する場所もz位置に関する場所、すなわち、部分に関する場所も選択され、続いて分析できる。選択されたデータは数字で処理され、ステップ304で示すように設定された表示を計算できる。例えば、データは適合でき、挿入でき、相関でき、平滑化でき、濾過でき、または、鏡像にできる。計算によるデータの準備またはステップ304での準備は、例えば、ステップ306で品質に関する識別番号に基づき自動的に特徴付けることもできる。
【0092】
品質のための識別番号の出力の変更、または、それに加えてステップ310で異なる表示を実行できる。x方向またはy方向での密度の像表示ができ、または、輪郭プロットができる。これは、参照符号312および314で表される。これに変えて、部分のための輪郭を示すことができ、または、線幅を焦点ぼけ、すなわち、z方向への運動を介して示すことができる。これは、ステップ316および318で表される。さらに、線幅は閾値を介して示すことができる。これは、参照符号320で表される。変更の表示タイプは参照符号322で表される処理窓であり、レジスト発生のための測定データのシュミュレーションの表示は参照符号324で表される。多数の測定の比較ができ、または、焦点ぼけ、すなわち、z方向への運動を介してコントラストの表示ができる。これは、参照符号326、328で表される。ステップ330による測定像の評価に基づいて他の表示もできる。可能な表示タイプは、波長範囲≧193nmで動作する検査系では、カールツアス Microelectronic Systems GmbHの操作マニュアルAIMS Fab B41003Eおよび/またはソフトウエアマニュアルAIMS Fab B40409Eで詳細に説明されている。この刊行物の開示内容は、本出願に完全に含まれる。
【0093】
図14a乃至図14cでは、本発明による検査系の可能な使用範囲が示されている。図14aは、例えば、マスクブランク、すなわち、マスク素材の製造の場合のEUV検査系の使用を示す。ステップ400で仕上げられ、たいてい、ガラス基板である基板が、ステップ402で本発明によるEUV検査系により、その品質に関して制御できる。この品質が十分であれば、基板はステップ404でEUVミラー層により被覆される。これらのミラー層は、今や、ステップ406で欠陥に関して検査され、つまり、全表面に亘り検査される。ステップ406による欠陥検査は、検査モジュール、例えば、可視光線で動作するEUV結像系と平行な結像系で行われる。マスク上に欠陥が生じると、ステップ408により、この欠陥はEUV検査系により詳細に検査できる。このために、事前に全表面が検査されるマスクは、x−y位置調整装置により欠陥個所に移動され、マスクのこれらの範囲はEUV検査系により詳細に検査される。行われたEUV検査後にステップ410によるマスクの品質が十分であれば、ステップ412によりマスクは送り出され、または、ステップ414により中止される。
【0094】
図14bは、本発明によるEUV検査系の別の使用範囲として、マスク製造での使用を示す。密に被覆されたマスク基板は、図14bのステップ450で、
入力制御装置内のEUV検査系により検査できる。マスク品質が十分であれば、それは、次のステップ452内で構造化できる。ステップ452による全体の構造マスクは、ステップ454でEUV検査系により再び検査できる。
このため、入力制御装置450の場合と同様に、最初に全体のマスク表面の欠陥検査は、例えば、可視光線で動作する検査系で行われ、同様に、可視光線またはUVまたはVUV波長範囲で動作するCD測定で行われる。EUV光線で実行されない欠陥検査またはCD測定で欠陥が生じると、そこで発見された欠陥を詳細に分類化するために本発明によるEUV検査系を使用することができる。欠陥についてのEUV検査に基づき、マスクの品質が欠陥検査後、十分であると分かれば、ステップ456により出すことができる。マスクの品質が不十分であれば、マスクは対応する欠陥個所に移動され、その後、ステップ458で修理ができるかどうかの検査がされる。修理ができなければ、マスクはステップ462により取りやめられる。修理ができれば、ステップ462により修理が実行され、EUV検査に向けられる。今や、十分な品質データが生じると、修理されたマスクを出すことができる。
【0095】
図14cは、本発明による使用範囲として、ウエハ工場でのこの種の検査系の使用を示す。
【0096】
ウエハ工場では、マスクはステップ500により、最初に、入力制御装置に向けられることができる。マスクは製造工程502のコースでエージングされる。マスクは、本発明によるEUV検査系により規定間隔で、ステップ504によりエージングまたは貯蔵後に検査できる。このため、再び、マスクは最初に可視可能な波長範囲またはUV波長範囲またはVUV波長範囲の光線で全表面に亘り検査される。欠陥が生じる個所でEUV検査が行われる。マスク品質が、なお、十分であれば、マスクは、さらに製造に使用できる。マスクが、もはや質的な要件を満たさないことを検査系が示すと、欠陥を修理できるかどうかを検査できる。このステップは、ステップ506で表される。修理ができなければ、マスクはステップ508により製造工程から取り出される。修理ができれば、マスクはステップ510により修理され、修理後にEUV検査系で検査される。欠陥は、行われた修理後に分類化され、十分な品質の場合に、マスクは再び、製造工程に移され、十分でない品質の場合には取り出される。
【0097】
それで、本発明により、始めてX線顕微鏡およびEUVリトグラフィーで使用される物体の検査設備が提供され、非常に短い全長とコンパクトな構造により特徴付けられる。
【符号の説明】
【0098】
1 物体平面
S1 第1鏡
S2 第2鏡
S3 第3鏡
S4 第4鏡
3 像平面
HA 光軸
B 開口絞り
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体平面内で物体を検査する反射型X線顕微鏡に関し、物体は、波長<100nm、特に、波長<30nmの光路で照明され、像平面内で拡大して結像される。この種の反射型X線顕微鏡は光路内で物体平面から像平面まで配置される第1副系を含み、第1副系は、少なくとも一つの第1光学結像要素、特に、第1鏡を含む。X線顕微鏡は次の特許から周知である。すなわち、米国特許第5222113号、米国特許第5311565号、米国特許第5177774号、米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号、EP特許0459833号。
【背景技術】
【0002】
後置される回折格子を持つシュバルツシルド光学系は、米国特許5022064号から周知であり、反射型X線顕微鏡を備えた検査系は、特開平2001−116900号公報から周知である。
【0003】
米国特許第5222113号、米国特許第5311565号、米国特許第5177774号、EP特許0459833号はX線顕微鏡を示し、投影光学系内に結像のためのゾーンプレートが設けられる。フレネルゾーンプレートでは、波光学結像構成要素が関係し、光は、集中して配置される円形リングから成る系で回折される。X線波長の範囲で多数の光学要素を備える結像系内でのフレネルゾーンプレートの使用の欠点は、フレネルゾーンプレートが透過性部品であり、透過性部品はX線波長範囲での不良な透過に基づき大きい光損失に至ることである。
【0004】
結像系としてシュバルツシルド光学系を含むX線顕微鏡は、米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号から周知である。
【0005】
米国特許第5144497号、米国特許第5291339号、米国特許第5131023号で、概略的に記載されているX線顕微鏡では、光路は検査される物体に対してテレセントリックに構成され、このことは、反射中での物体の結像を困難にする。
【0006】
特に、X線リトグラフィーの分野で使用される物体の検査のため、使用するこの種の系の別の欠点は、十分な結像倍率のために全長が長くなることである。このことは、例えば、EUV投影露光設備内でのマスクの検査のための検査系の使用を困難にする。
【0007】
シュバルツシルド光学系は、米国特許第5022064号から周知であり、このシュバルツシルド光学系の後に回折格子が配置され、異なる波長のX線を異なる状態に回折し、光スペクトルを分離する。また、この系は物体ところでテレセントリックされる。
【0008】
波長<100nm、特に、<30nmの光線により物体平面内でマイクロリトグラフィーのため、物体を検査する反射型顕微鏡は、特開平2001−116900号公報から周知である。この公報に開示されているX線顕微鏡は、第1凹面鏡と第2凸面鏡とを備えるシュバルツシルド光学系である。前記の系とは対照的に、光路は、物体の検査のため物体のところでテレセントリックされず、例えば、EUV反射マスクの反射での検査ができる。
【0009】
特開平2001−116900号に開示される系では、大きい結像倍率が要求される時、非常に長い全長を必要とするのが欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5222113号
【特許文献2】米国特許第5311565号
【特許文献3】米国特許第5177774号
【特許文献4】米国特許第5144497号
【特許文献5】米国特許第5291339号
【特許文献6】米国特許第5131023号
【特許文献7】EP特許0459833号。
【特許文献8】米国特許第5022064号
【特許文献9】特開平2001−116900号公報
【特許文献10】EP特許0628806号
【特許文献11】特開平2004−321047号公報
【特許文献12】米国特許第5063586号
【特許文献13】米国特許第5153898号
【特許文献14】米国特許第4798450号
【特許文献15】EP特許0962830号
【特許文献16】米国特許第6244717号
【特許文献17】WO02/27401
【特許文献18】WO02/27402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、技術水準の欠点、特に、特開平2001−116900号公報の欠点を回避し、マイクロリトグラフィーのための物体の検査を可能にし、短い全長を有する反射型顕微鏡を提供することである。特に、X線顕微鏡の全長を5m以下にし、特に、3m以下で、倍率は10−10000x、特に、300−1000xにするのがよい。
【0012】
本発明の別の観点では、波長<100nm、特に、波長10−30nmで、ホトリトグラフィー工程のためのマスク検査を可能にする検査系を提供することである。
【0013】
UV範囲での波長を持つホトリトグラフィー工程の透過マスクの検査のための検査系は、EP特許0628806号、特開平2004−321047号公報から周知である。これらの刊行物の内容は、本願の開示内容に完全に組み込まれている。これらの系には透過マスクの検査だけが記載され、すなわち、
EUVリトグラフィーで使用される反射マスクの検査は記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、マイクロリトグラフィーのための物体の検査ができ、短い全長を有するX線顕微鏡を提供し、第1副系および第2副系内でX線顕微鏡を分割することにより解決され、そのために、種々の実施例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡を含む第2副系とを備えた本発明による第1X線顕微鏡対物レンズの全体図を示す。
【図2】図2は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備えた第2X線顕微鏡を示す。
【図3】図3は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを含み、第3鏡は球面に構成され、絞りが物体平面と第1鏡との間にある第3X線顕微鏡を示す。
【図4】図4は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを含み、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、物体視野寸法は30μm×30μmである第4X線顕微鏡を示す。
【図5】図5は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、物体視野は200μm×30μmの範囲を有する第5X線顕微鏡を示す。
【図6】図6は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第3鏡、第4鏡は球面に構成され、全ての鏡は凹面鏡である第6X線顕微鏡を示す。
【図7】図7は、第1鏡、第2鏡を含む第1副系と、第3鏡、第4鏡を含む第2副系とを備え、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凹面鏡であり、第3鏡は凸面鏡であり、第4鏡は凹面鏡である第7X線顕微鏡を示す。
【図8】図8は、2鏡系を示し、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凹面鏡である。
【図9】図9は、第1、第2鏡を備える第1副系と、光電子顕微鏡を含む第2副系とを備えた本発明によるX線顕微鏡対物レンズの全体図を示す。
【図10】図10は、本発明によるX線顕微鏡を備えたEUVマスクの検査系を概要図で示す。
【図11】図11は、検査系を示し、検査系の個々の構成部分を詳細に示す。
【図12】図12は、測定を実施するためのフローチャートを示す。
【図13】図13は、撮像される像の可能な処理を示す。
【図14A】図14Aは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【図14B】図14Bは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【図14C】図14Cは、本発明による可能な使用範囲を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1実施例では、本発明によると第1観点で、この課題は次のようにして解決される。特に、シュワルツシルド系の形状で構成される第1鏡および第2鏡を含む第1副系に、少なくとも一つの第3鏡を含む第2副系が光路内に後置される。この第3鏡は、物体から像までの光路を回折し、特開平2001−116900号公報から周知である系に対して全長を著しく減少することができる。
【0017】
2鏡以上を備える系は、投影対物レンズのためのEUVリトグラフィーの分野で周知である。
【0018】
例えば、この種の系は米国特許第5063586号、米国特許第5153898号、米国特許第4798450号、EP特許0962830号から周知である。
【0019】
これらの全ての系では、縮小対物レンズに関するものであるので、これらの刊行物は、物体を拡大して像平面内に結像する系をどのようにして構成しなければならないかということに対して手がかりを提供できない。
【0020】
特に、この対物レンズでは、できる限りの短い全長を達成するという問題に立ち向かうことはできない。むしろ、結像特性が主観点である。
【0021】
前記のように、第2副系の少なくとも一つ第3鏡は、光路を回折し、像でのほぼテレセントリックな光路の調整のために役立つ。
【0022】
特に、第2副系が、全長の縮小を保証する全体として2個の鏡を含むと有利である。特に、この種の配置では、第1副系および像平面の第2鏡の範囲で生じる構造空間の問題を解決することができる。何故ならば、物体平面および像平面は4鏡系では、空間的に相互に非常に離れて分離され、その上、対物レンズの外側に位置し、対物レンズの反対側に位置するからである。
【0023】
有利には、光路は像の近くでテレセントリックする。
【0024】
特に、第1副系の第1鏡および第2鏡は非球面に形成され、第3鏡および第4鏡は、それぞれ、非球面にも球面にも形成される。このため、仕上げ技術的に簡単に製造されるので球面鏡は都合がよい。
【0025】
像平面内で検査される物体の十分な拡大を保証するため、全体の系はβ≧10x、特に、300x≦β≦1000xの範囲の結像倍率を有する。
【0026】
この反射型X線顕微鏡は、物体から像平面までの光路内で実際の中間像なしに結像されるか、実際の中間像で結像できる。中間像を備える構成は、第1副系と第2副系が対向して延びることができ、像は中間像焦点平面の上下に撮像できる長所があり、例えば、マスク検査ではマスク欠陥の情報を次に説明するように送ることができる。
【0027】
第1副系の後の光路内に実際の中間像を形成する場合、本発明の次に説明する実施例では、少なくとも一つの第1光学要素を含む第1副系に、第2副系を光路内に後置し、中間像平面内の中間像が像平面内の拡大像に結像されることにより、課題が解決される。
【0028】
第2副系は、別の構成では、光電子顕微鏡(PEEM)を含むことができる。それから、第1副系は、小さい第1倍率、例えば、0.1x−100x、特に、1x−10xの第1結像倍率だけが必要である。PEEMは可変倍率を備えるズーム対物レンズとして構成できる。
【0029】
物体平面から像平面までの≧10x、特に、300−10000xで全体の系の必要な倍率は、光電子顕微鏡により拡大される。このようにして、全体の系の全長は、特開平2001−116900号公開公報で周知である系に対して著しく縮小できる。
【0030】
光電子顕微鏡、いわゆるPEEMは、技術水準で説明され、例えば、Firma Focus GmbH,D-65100 Hunstetten-Gosrohにより製造および販売されている。これに関しては、ウエブページ http://www.focus-gmbh.comで示されている。このインターネットサイトで説明されている光電子顕微鏡は、光を像の形成のために確実にする顕微鏡ではなくて、エレクトロンである。光電子顕微鏡では、検査される物体は電界形レンズを含む結像電子光学系により結像される。この場合、像を形成する電子は、中間像内配置されるか、その近くに配置されるホト電極、例えば、ホトカソードの放射によりX線で生起され、レンズ系により増幅のためにマルチチャネルプレート上に結像される。この出願では、中間像平面の近くの配列は≦10・λ/NA′2、特に、≦5・λ/NA′2の間隔である。ここで、λは入射光の波長であり、NA′=NA/β1であり、ここで、NAは結像系の開口数であり、β1は第1副系の結像倍率である。マルチチャネルプレートにより多重される電子は、例えば、マルチチャネルプレートの後に配置される蛍光体スクリーン上で可視光線に変換され、例えば、CCDカメラで観察できる。光顕微鏡により、20nmの横解像度が達成できる。
【0031】
光顕微鏡による像平面内での拡大像の中間像の結像の代わりに、第2副系を設けることもでき、第2副系は中間像平面内または中間像平面の近くで蛍光体板と、波長の長い光のための蛍光体板に後置されるレンズ系とを含む。蛍光体板上に入射するX線により、波長の長い光の範囲内に蛍光線が発生される。それから、この蛍光線は、光学結像系、例えば、レンズ系またはフルネルゾープレートまたは任意の回折光学要素により、像平面内で結像できる。
【0032】
第1副系として、結像のための光学系に属する全てのEUV光学要素、例えば、多層被覆された鏡、ゾーンプレートまたは回折光学要素を考えることができる。
【0033】
特に、第1副系は、第1鏡S1と第2鏡S2という2つの鏡を含む。特に、第1鏡は凹面鏡であり、第2鏡は凸面鏡である。特に、第1鏡および第2鏡は非球面に形成される。
【0034】
第2副系は、特に、中間像平面内の中間像を像平面内の像に拡大して結像することに役立つ。そのため、この第2副系の結像倍率は大きく、β2≧3xである。特に、結像倍率は50x≦β2≦500xの範囲である。第2副系の結像倍率は、この出願では、中間像平面内での中間像の結像により、像平面内の拡大像で定義される。第2副系として、光顕微鏡(PEEM)、後続される光学顕微鏡を備えた蛍光コンバータまたは他のコンバータ顕微鏡を使用でき、それらは、結像系内での別の処理のため、X線は他の結像キャリア、例えば、波長の長いホトン、電子またはイオンに変換できる。
【0035】
特に、本発明による反射型X線顕微鏡は、顕微鏡の鏡が調心して配置される光軸を有する。
【0036】
米国特許から周知であるX線顕微鏡と対照的に、本発明による反射型X線顕微鏡では、物体平面内の物体は、特に、光軸の上下に配置される。このことは、反射中、例えば、反射するEUVマスク内での物体の検査を可能にし、物体平面および像平面が相互に傾斜して配置されることがなく、すなわち、像平面と同様に物体平面は反射するX線対物レンズの光軸に対して垂直である。これにより、像誤差を最小にできる。何故ならば、これにより、全方向での全ての視野個所のための均一な結像倍率が達成されるからである。
【0037】
特に、開口数の調整のため、反射型顕微鏡が開口絞りを含むと有利である。異なる数の開口を調整できるため、開口絞りは接近可能であれば有利である。
それで、開口絞りの有利な配置は、物体平面の後、第1鏡の前での第1副系内の物体平面から像平面までの光路内での配置である。開口絞りは光軸に対して偏心される。開口絞りは、特に、投影露光設備の異なる数の開口により異なる開口ステップの調整をシュミュレートできる。
【0038】
本発明の第2の観点では、物体を検査する検査系は、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのための特別のマスクが使用される。検査系は物体平面内での物体の視野の照明のための照明系を含む。光源として、照明系は、例えば、放電源、レーザプラズマ源またはシンクロトロン源を含む。例えば、13.5nmの最適な光線は、格子スペクトルフィルタで濾過できる。物体平面内で、照明される視野内において、少なくとも、検査されるマスクの一部分が配置される。さらに、検査系は、像平面内で検査されるマスクの少なくとも一部分を結像するため、波長≦100nmの結像系を含む。像平面内で、この平面内で拡大される結像物体の観察のための観察系が設けられる。
【0039】
本発明による検査系では、結像系は、本発明による反射型X線顕微鏡が有利である。
【0040】
本発明による検査系は、特に、物体平面内で物体を位置決めする位置決め装置を含む。それにより、物体平面内で検査される物体の完全に目標とされる部分に移動でき、物体の異なる部分の像を像平面内に撮像できる。
【0041】
本発明の有利な実施例では、結像系は接近可能で調整可能な開口絞りを含む。調整可能な開口絞りは開口を調整することができ、物体での結像特性は、投影露光設備内の結像特性に対して等しい。EUVリトグラフィーのための投影露光設備は、例えば、WO02/27401、WO02/27402または米国特許6244717号から周知であり、これらの開示内容は、この出願に完全に包含される。EUV投影露光設備内の可能な不明瞭化は、例えば、検査系の照明システム系内に配置される不明瞭化絞りにより、シュミュレートできる。
【0042】
投影露光設備が、例えば、像側で0.3のNAと、4xの倍率の投影対物レンズを有すると、投影系内の結像に対応する結像を得るため、検査系内で調整可能な開口絞りで事前に選択される開口は0.3:4であり、すなわち、0.075である。
【0043】
調整可能な開口絞りは、0.001≦NA≦0.25の範囲で自由に調整できる。
【0044】
結像系内の調整可能な開口絞りと並んで、本発明の有利な実施例では、照明系も調整可能な照明開口絞りを含めて設けることができる。
【0045】
結像光学系の開口絞りの平面に結合する平面内に配置される照明系内の照明絞りにより、瞳孔充填率σのサイズを設定できる。瞳孔充填率はσ=sinα/sinβとして定義され、ここで、sinαは物体での照明系の開口数NA照明に対応し、sinβは物体での結像系の開口数NA結像に対応する。σの調整は、投影露光設備のための異なる種類の照明系をシュミュレートすることを可能にする。上記のように開口絞りと照明開口絞りは、円形絞りでの設定瞳孔充填率σにより円形照明の調整を可能にする一方、絞り変更体、例えば、絞り車輪の装着により照明開口絞り平面内で、環状照明、4極性照明または2極性照明もシュミュレートすることができる。視野を限定するため、対物レンズに対して結合する平面内で視野絞りを設けることができる。
【0046】
特に、検査系の撮像系は分析ユニットを有し、分析ユニットにより像平面内での物体の像を評価できる。
【0047】
特別の構成では、ステッパーとして構成される投影露光設備の特性のシュミュレーションと並んで、マスクの質的検査および量的検査を可能にするために、検査系は、特に、物体を物体平面に対して垂直に移動できる焦点調整装置を含む。これは、設定された焦点位置で物体での一方個所および同じ個所での像の撮像を可能にする。特に、下から上へ焦点合わせは所定の段階で対称的に実行される。異なる焦点位置で撮像される像は、分析ユニットで評価され、マスクの品質についての少なくとも一つの命令を実行できる。マスクが異なる個所で欠陥を持つならば、分析ユニットは、この欠陥を正確に分析することができる。同様に、マスクを修理でき、続いて新たに分析することができる。
【0048】
特に、分析ユニットは撮像される像データをデジタル処理できるマイクロコンピュータ装置を含む。
【0049】
本発明の特別に有利な実施例は、第1結像系と平行に配置され、波長>100nmのための第2結像系を含む。この第2結像系は、例えば、UV光線またはVUV光線で、例えば、マスクのIラインを全体的に最初に大まかに検査することができる。特に、この種の補助観察系は同一焦点および/または同心に配置される。全体のマスクは、例えば、6″x6″(152mm×152mm)の寸法を有し、物体視野は≦2×2mmであり、全体のマスクの大まかな検査ができる。それから、マスクを位置決め装置により欠陥が生じている個所に移動できる。波長≦100nmのための結像光学系により、この選択された個所を検査することができる。波長≦100nmのための結像光学系を検査できる物体視野は、100μm×100μm、特に、30μm×30μmである。
【0050】
本発明の特に有利な実施例では、第2副系は交換でき、または、取り替えできる。第2副系の交換により、物体視野は拡大でき、マスクは全体として、最初に大まかに検査できる。全体のマスクは、例えば、6″x6″(152mm×152mm)の寸法を有し、物体視野は≦2×2mmであり、全体のマスクの大まかな検査ができる。それから、マスクを位置決め装置により欠陥が生じている個所にも移動できる。小さい物体視野と大きい倍率を備えた別の第2副系により、この選択された個所を詳細に検査できる。物体視野は、特に、100μm×100μm、特に、30μm×30μmである。
【0051】
第2副系が光電子顕微鏡として構成され、例えば、40xから4000xの範囲の可変倍率、すなわち、ズーム作用を有する系では、異なる大きい物体視野は光電子顕微鏡の倍率調整により検査できる。
【0052】
特に、少なくとも、検査系、例えば、第1副系の波長≦100nmのための結像部分は、EUV使用のための適切な真空内に配置される。
【0053】
本発明による検査系と並んで、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのため、物体、特に、マスクの検査の方法にも使用され、物体平面内で物体視野は照明系で照明され、検査される物体は位置決め装置により照明された物体視野にもたらされ、撮像系が配置される像平面内で波長≦100nmの結像系により結像される。マスクの特徴付けのため、有利な方法では、検査される物体は焦点調整装置により、物体平面に対して垂直に移動され、像は焦点の上下での設定焦点位置で撮像され、評価される。
【0054】
中間像を持つ系では、変更または追加して、第2副系を中間像の焦点に対して移動でき、像を設定焦点位置で撮像できる。代わりに、全体の結像装置または第1副系だけを、物体平面と垂直に軸線方向へ移動できる。
【0055】
本発明による検査系の用途は多様である。前に詳細に説明したように、この種の検査系は、マスク素材、被覆されたマスク素材、仕上げ工程中のマスクのため、波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーに適し、同様にマスクの修理の管理にも適する。また、マスク変更工程の管理ができる。さらに、この種の検査系により、投影露光設備の露光工程は開口および瞳孔充填率の調整によりシュミュレートでき、それで、投影露光設備は構成でき、最適化できる。この検査系はウエハの検査にも適する。
本発明を図面に基づいて次に詳細に説明する。
【実施例1】
【0056】
図1において、第1鏡S1と第2鏡S2とを含む第1副系を備えた発明の第1実施例が図示されている。この実施例では、第1鏡S1は凹面鏡であり、第2鏡S2は凸面鏡である。鏡S1、S2は光軸HAに対して調心して配置される。第2副系は第3鏡を含む。また、第3鏡は光軸に対して調心して配置される。光軸HAに対して偏心して物体平面1内で配置される物体は、本発明による拡大結像X線顕微鏡により像平面3内に結像される。像平面3は、第2鏡S2並びに物体平面と第1鏡との間で光軸に対して偏心して配置される開口絞りBの近くにある。
【0057】
鏡S1、S2、S3の全ての鏡表面は回転対称で、非球面鏡部分表面である。
【0058】
第1鏡の曲率半径は|R1|=500mmであり、第2鏡の曲率半径は|R2|=3.5mmであり、第3鏡の曲率半径は|R3|=4000mmである。
第2鏡は比較的に小さい曲率半径だけを有する。この小さい曲率半径は要求される大きい結像倍率を生じるために必要である。開口絞りBは、物体平面と第1鏡との間で物体平面から466mmの間隔で離れ、60mmの最大偏心開口を有する。光学系の全長、つまり、開口絞りBが配置される絞り平面から第3鏡S3までの間隔は2007mmであり、物体平面1から開口絞りBまでの間隔は466mmである。全体系はβ=−500xの結像倍率を有する。物体平面および像平面での物体と像は、光軸HAに関して反対側で偏心している。
【0059】
表示される3鏡系の長所は、3個の鏡だけで2500mm以下のわずかな全長を実現でき、全長、すなわち、第3鏡の頂点までの開口絞りの間隔が2007mmであり、開口平面内の開口絞りBから物体平面1までの間隔が466mmであることで分かる。図1による実施例の全体の対物レンズデータは付属表1aに示され、表面データの概要は付属表1bに示され、表面データの詳細は付属表1cに示される。光学データの全体の先行する表および後行する表は、ZEMAXフォーマットのデータである。ZEMAXフォーマットは当業者にとって周知である。
【表1A】
【表1B】
【表1C】
【実施例2】
【0060】
図2では、第1鏡S1と第2鏡S2とを含む第1副系と、第3鏡と第4鏡とを含む第2副系とを備えた4鏡系が示されている。第1鏡は参照符号S1が付され、第2鏡は参照符号S2が付され、第3鏡は参照符号S3が付され、第4鏡は参照符号S4が付されている。第1鏡S1では凹面鏡が関係し、第2鏡では凸面鏡が関係し、第3鏡および第4鏡では、それぞれ、凹面鏡が関係する。この実施例では、開口絞りBは第1鏡S1の前のわずかな間隔に配置される。この種の配置は明らかにわずかな口径食に通じる。全体系の結像倍率はβ=354であり、すなわち、物体平面1内の物体および像平面3内の像は、光軸HAに対して同じ側に偏心している。本発明のこの実施例の全体の対物レンズデータは付属表2aで示され、概要表面データは付属表2bで示され、特定の表面データは付属表2cで示される。
【表2A】
【表2B】
【表2C】
【実施例3】
【0061】
さらに、図3では、第1鏡S1と、第2鏡S2と、第3鏡S3と、第4鏡S4とを備えた4鏡系が示されている。先の図面と同じ部品は同じ参照符号が付される。
【0062】
図3による系の基本的な構成は、回転対称で球面の鏡部分表面または非球面の鏡部分表面を備えて同軸である。物体視野は光軸HAに対して偏心して配置される。全ての鏡は光軸HAの周囲で回転対称である。第1鏡は曲率半径|R1|=500mmを持つ凹面鏡であり、第2鏡は曲率半径|R2|=50mmを持つ凸面鏡であり、第3鏡は曲率半径|R3|=166mmを持つ凹面鏡であり、第4鏡S4は曲率半径|R4|=4000mmを持つ凹面鏡である。
製造技術的観点から、図3による実施例では第3鏡が球面であると有利である。これに対して鏡S1、S2、S4の鏡表面は回転非球面である。開口絞りBは物体平面1と第1鏡S1との間で、物体平面1から840.5mmの間隔で離れ、146mmの最大偏心開口を有する。この場合、開口絞りBから像平面3までの間隔である光学系の全長は2116mmである。この系の全体の結像倍率はβ=530であり、すなわち、物体平面内の物体と像平面内の像は光軸HAに対して同じ側で同じ側で偏心している。
【0063】
図3による全体の光学データは付属表3aで示され、表面データの概要は付属表3bで示され、特定の表面データは付属表3cで示される。
【表3A】
【表3B】
【表3C】
【実施例4】
【0064】
さらに、図4、図5は鏡S1、S2を含む第1副系と、鏡S3、S4を含む第2副系とを備えた4鏡系を示す。先の図2、図3と同様の部品は同じ参照符号が付されている。図4、図5による系の基本的構成は同軸である。特に、第3鏡S3、第4鏡S4が球面に構成され、第1鏡S1、第2鏡S2だけが、回転対称で非球面鏡部分表面を含むと有利である。第1鏡S1は曲率半径|R1|=500mmを持つ凹面鏡であり、第2鏡は曲率半径|R2|=100mmを持つ凸面鏡であり、第3鏡は曲率半径|R3|=216mmを持つ凹面鏡であり、第4鏡S4は曲率半径|R4|=4000mmを持つ凹面鏡である。光学系の全長、つまり、開口絞りBが配置される開口絞り面から像平面3までの間隔は2183mmであり、物体平面1と開口絞り平面との間の間隔は466mmである。
【0065】
結像倍率はβ=500であり、すなわち、物体視野内の物体および像視野内の像は光軸HAに対して同じ側で偏心している。図4で示される実施例の物体視界は30μm×30μmの範囲を有し、わずかに偏心され、すなわち、光軸HAに対して外方軸に配置される。図4による実施例の全体の光学データは付属表4aで示され、光学表面データの概要は付属表4bで示され、光学表面の特定の表面データは付属4cで示される。
【表4A】
【表4B】
【表4C】
【実施例5】
【0066】
図5では、図4による実施例の変形が示されている。実質的に全ての系データは維持され、鏡S1、S2の非球面だけが変更されている。この変更により、物体視野は200μm×30μmの大きさに拡張することができ、図4での実施例に対して、波頭誤差や歪みが悪化することはない。
【0067】
第1鏡および第2鏡での非球面だけが変更されているので、付属表4aによる全体の光学データおよび付属表4bによる全体の表面データは、実施例5にも受け継がれている。鏡S1、S2の特定の非球面データ内だけに偏りが生じる。実施例5による特定の光学表面データは付属表5cで与えられる。
【表5C】
【実施例6】
【0068】
図6では、第1鏡S1、第2鏡S2、第3鏡S3および第4鏡S4を持つ4鏡配置の別の変形が示されている。図2乃至図5と同じ部品は同じ参照符号が付される。実施例3、4、5に対する図6による実施例6の本質的な相違は、第2鏡S2が凹面鏡であり、光軸HAの上方に使用されていることである。それで、この鏡の後の光束は同様に光軸の上方へ延びる。結像倍率はβ=−500であり、すなわち、物体平面内の物体および像平面内の像は光軸HAと反対側にある。
【0069】
図6の実施例による全体の光学データは付属表6aに示され、全体の表面データは付属表6bに示され、特定の表面データは付属表6cに示される。
【表6A】
【表6B】
【表6C】
【実施例7】
【0070】
図7で示される実施例は、第2鏡S2までは図6による実施例に対応する。図6による実施例に対する本質的な相違は、第3鏡S3が凸面鏡であることである。図7による系の結像倍率はβ=500であり、すなわち、図6による実施例と対照的に物体平面内の物体および像平面内の像は光軸HAに関して同じ側にある。
【0071】
図7による実施例の光学データは付属表7aに示され、全体の表面データは付属表7bに示され、特定の表面データは付属表7cに示される。
【表7A】
【表7B】
【表7C】
【実施例8】
【0072】
図8による実施例は、2鏡配置で3m以下の全長を維持する場合、全体系のために最大β=100の有効な縁条件でのみ結合倍率を実現できることを示す。図8で示される系では、第1鏡S1と第2鏡S2とを持つ2鏡系が関係し、第1鏡S1、第2鏡S2は、それぞれ、凹面鏡である。図8による実施例の全体の光学データは付属表8aで示され、全体の表面データは付属表8bで示され、特定の表面データは付属表8cで示される。
【0073】
図1乃至図8による系の物体側開口は、開口絞りBを介して調整でき、例えば、従来の投影露光設備のシュミュレーションのため、0.0625である。この開口絞りは0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。図示しない照明系により平面1内で照明される物体視野寸法は、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmである。例えば、マイクロリトグラフィ−のためのマスク、いわゆる網目印が検査され、この種のマスクは典型的には152×152mmの寸法を有する。それで、本発明による反射型X線顕微鏡によりマスクの部分の結像だけができる。物体平面1内の物体は図1乃至図7による系で、像平面3内で300−10000倍に拡大して結像される。開口絞り平面Bは接近可能であるので、絞り平面内で開口は開口絞りBにより0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。ここで、NAは物体での結像側開口を示し、以下、開口NA結像とも称する。物体平面1内の主光線5の角度αは系の光軸に対して通常6゜である。2つ以上の鏡を含む図1乃至図7によるX線顕微鏡により、全長が3000mm以下である十分に拡大されるX線顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【表8A】
【表8B】
【表8C】
【実施例9】
【0074】
図9では、第1副系と第2副系とを持つ本発明の別の実施例が示される。この場合、第1副系は第1鏡S1と第2鏡S2とを含む。第1鏡S1は凹面鏡であり、第2鏡S2は凸面鏡である。鏡S1、S2は光軸HAに対して調心に配置される。単一の鏡だけによる系も考えることができるであろう。第2副系は光電子顕微鏡10を含む。光軸HAに対して偏心して配置される物体平面1内の物体は、第1副系により中間像平面2内の中間像Zに結像される。調整可能な開口絞りBは物体平面と第1鏡との間で光軸に対して偏心され、結像系の高開口部分内に配置される。高開口部分内の配置により、異なる開口数を非常に正確に調整できる。光電子顕微鏡の光電陰極20が中間像平面2の近くに配置される。光電子顕微鏡(PEEM)により、中間像平面2内の中間像Zは、像平面3内の拡大像内に結像される。光電子顕微鏡10の内のいくつかの重要な部品だけが概要で示される。光電陰極20に当たるX線光は光電効果に基づき電子を放射する。放射された電子は、実例では1つだけが示されるレンズ22と、実例では同様に1つだけが示される絞り24を介して、蛍光スクリーン26上に結像される。蛍光スクリーンにより、電子により発生された像は可視像に変換され、可視像は観察装置、例えば、CCDカメラにより観察できる。
【0075】
図9による系の物体側の開口は開口絞りBを介して調整でき、例えば、従来の投影露光設備のシュミュレーションのため0.0725である。この開口絞りは、0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。平面1内で図示しない照明装置で照明される物体視野寸法は、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmである。例えば、マイクロリトグラフィ−のためのマスク、いわゆる網目印が検査され、この種のマスクは典型的には152×152mmの寸法を有する。それで、本発明による反射型X線顕微鏡によりマスクの部分の結像だけができる。物体平面1内の物体は、像平面3内で300−10000倍に拡大して結像される。特に、図9で示すように、開口絞り平面Bは接近可能であるので、絞り平面内で開口は開口絞りBにより0.001≦NA≦0.25の範囲で調整できる。ここで、NAは物体での結像側開口を示し、以下、開口NA結像とも称する。物体平面1内の主光線5の角度αは系の光軸に対して通常6゜である。この光電子顕微鏡により、全長が2000mm以下である十分に拡大されるX線型顕微鏡対物レンズを得ることができる。
【0076】
図10では、特に、小さい物体視野を持つ被覆されたEUVマスクを検査する本発明による検査系が図示される。照明系100は物体平面101内で所定の仕方で視野102を照明する。照明系100は瞳孔充填率σを調整するため図示しない照明開口絞りを含むことができる。瞳孔充填率σは、σ=sinα/sinβ≒NA照明/NA結像として定義される。ここで、NA照明は、開口絞りにより設定される照明系内での開口数を示し、NA結像は、ここでは、反射型X線顕微鏡の結像系の開口絞りBにより設定される結像系の開口数を示す。
【0077】
例えば、円形照明、環状照明、矩形照明または2極照明のような異なる照明設定を調整できるため、開口絞り平面内に絞り車輪を配置できる。
【0078】
可変調整できる照明開口絞り、結像系内の開口絞り、または、絞り車輪により、本発明による検査系では、マスクまたは網目印が、設置されるEUV投影露光設備内での調整をシュミュレートでき、マスク像の評価により開口、照明の種類等に関する投影露光設備の最適な調整パラメータを検出できる。それで、検査系は単にマスクの欠陥の検査だけに適する。マスクの欠陥が検査される場合、調査されるEUVマスク104の欠陥個所が照明される観察視野内に配置される。
【0079】
図10において視野102の視野中央にむかって、光束の光線経路が示される。視野平面から出る光束108の主光線106は、光軸HAに対して角度αだけ傾斜される。角度αは物体での投影露光設備内への主光線入射角度に一致し、およそ6゜である。
【0080】
図10では詳細に図示されていないが図1乃至図9によるX線顕微鏡対物レンズを含むことができる結像系110としての本発明によるX線顕微鏡により、物体平面101内の物体104は像平面112内の像に結像される。図10から分かるように、視野中央から出る光束の光線経路は像平面112内でテレセントリックされ、すなわち、光束108の主光線106は像平面112に垂直に当たる。テレセントリーにより特徴付けられる理想的位置から理想的でない位置への少なくとも1つの開口絞りの移動による結像系誤差の意識的な導入も可能であり、このことは、光束が像平面112にテレセントリックしないで当たることになる。像平面112内の物体104の像114は拡大される。この拡大倍率は、好ましくは、300xから1000xの範囲である。像平面112内では、観察のために観察装置が配置される。観察装置はカメラ、特に、CCDカメラ、マルチチャンネルプレート、または蛍光スクリーンを使用できる。
【0081】
さらに、観察装置は同様に図10で図示されない分析ユニットを設けることができ、分析ユニットは、観察装置から受ける像を、例えば、評価のためデジタル形式で送ることができる。分析ユニットはプログラム可能なデジタルコンピュータとすることができる。
【0082】
さらに、プログラム可能なデジタルコンピュータは制御装置を含むことができ、制御装置は物体平面内で照明される物体視野寸法や形状、瞳孔充満率および開口数を調整するために結像光学系内の開口絞り、照明開口絞りまたは絞り車輪並びに検査系内の視野絞りを制御する。さらに、この系はx−y
平面としても称される物体平面内で検査される物体の位置決め装置を含むことができる。それにより、小さい物体視野、例えば、30μm×30μmまたは100μm×100μmのマスクの異なる部分を、例えば、152×152mm2のマスク寸法で検査することができる。x−y平面内でのマスクの系統的な開始により、調整可能な絞りでシュミュートされる投影露光設備で全体のマスクを検査できる。しかしながら、これは非常に高価であるので、第1副系が第2副系から容易に分離できるように結像系を構成すると有利となる。大きい物体視野または小さい物体視野や大きい倍率又は小さい倍率が必要であれば、第2副系を大きい倍率又は小さい倍率および/または大きい物体視野または小さい物体視野を持つ第2副系に対して非常に簡単に交換できる。そのような場合、全体のマスクは大まかに検査され、マスク上の限界範囲はx−y位置決め装置により接近でき、それから、この範囲は別の光学系で欠陥のための検査をできる。位置決め装置によるx−y平面での移動可能性と並んで、本発明の有利な実施例では焦点調整装置も設けられ、焦点調整装置により物体は物体平面と垂直に移動でき、像は焦点の上下の設定焦点位置で撮像できる。このようにして、像やマスクを異なる設定焦点平面で撮像できる。この焦点平面の数は検査の最適精度に依存する。
【0083】
異なる焦点平面での像データに加えて、個々の像のため照明平面内での照明密度に関するデータも撮像できる。
【0084】
x位置、y位置およびz位置による撮像された像データから、検査されるマスクの密度データマップ描くことができる。これらの密度データマップは、シュミュレーション計算に基づいて得られる密度データマップと比較でき、または、投影露光工程中に受容できる結果に至る基準データマップと比較することができる。このようにして、欠陥に関するマスクの検査と、必要とあれば、修理の検査ができ、マスクの的確性を検査できる。
【0085】
この発明による検査系は、欠陥分析およびマイクロリトグラフィーのためのマスクの修理に適するのみならず、また、検査系の波長の光での照射によるマスクの局部清掃に適し、または、マスク構造の設計の最適化にも適し、露光工程のための工程最適化および射影露光設備内での系構成に適する。
【0086】
図11では、全体の検査系の原理略図が示される。EUV光源100の光はコレクタ102により集められ、照明系の鏡104、106を介して検査される物体がある物体平面108へ向けられる。照明装置110の光束は物体平面108内の物体へテレセントリックに当たるのではなくて、角度を成して当たる。特に、光束の主光線角度は、投影露光設備により主光線角度に一致して操作される。第1実施例では、この角度αは垂線112に対して6°である。
【0087】
照明系110内では、コレクタ102から物体平面108までの光路内に照明開口絞り120および視野絞り122が配置される。反射を受けて照明される物体平面108内の物体は、本発明による結像系により、物体が観察できる像平面130内に結像される。結像は、この実施例では2段階、つまり、中間像Zで行われる。結像系の第1副系150は第1鏡152と第2鏡154を含む。第1副系により中間像平面内に結像される物体平面内の物体の中間像は、有利には、検査されるマスクが第2副系156により像平面130内で拡大して結像される。結像系内の開口絞り154は、物体平面108から第1副系150の第1鏡152との間の中間像平面に対する物体平面までの光路内にある。例えば、第2副系は少なくとも1つの鏡と、PEEMとを含む光学系にできる。このことは既に詳細に説明した。
【0088】
図12では、本発明による検査システムでの物体の検査のための実例の測定フローが示される。第1ステップ200で、系の調整、例えば、開口NA結像、開口NA照明、および不明瞭化絞り、または、視野絞りの入力が行われる。その後、これらの絞りは第2ステップ202内で調整される。その後、系の調整はステップ204内でテスト構造、例えば、x方向またはy方向の線形構造に基づき再検査される。テスト構造により、系はステップ206内で微調整される。その後、ステップ210内で物体の検査すべき範囲である測定視野内の測定個所が、例えば、対応する個所でx−yテーブルが移動されて位置決めされる。測定視野内での位置決め前に、ステップ208で測定調整のドキュメンテーションも実行できる。
【0089】
検査される測定個所が位置決めされた後、最後のステップ212内で焦点が調整される。ステップ212内で焦点が見出されると、ステップ214内で測定像が撮像されるか、前記のように焦点が走査され、すなわち、異なるZ位置のための測定像が撮像される。ステップ216で、測定像後に品質制御が行われ、または、異なる焦点位置に関連する測定像は品質的観点で評価される。それらが品質要件に適合すると、もしあるならば、物体は別の測定個所に移動され、さらに、前記のような測定フローで撮像される。品質制御が否定的な結果に至ると、同じ個所で新しい測定像が撮像され、または、異なるZ位置に関連する測定像数が撮像される。
【0090】
最早、別の測定位置220が存在しなければ、ステップ222で系の調整が変更できるか、ステップ224で測定を終了することができる。
【0091】
図13では、例えば、コンピュータ装置により実行でき、検査系により得られる測定像または測定情報の可能な評価が示される。異なる測定像が焦点平面の上下で撮像されると、物体平面、すなわち、x−y平面、並びに、z方向での検査される物体の場所の関数である選択された測定像300は、ステップ302で、試料の場所、つまり、x−y位置の関する場所、すなわち、領域に関する場所もz位置に関する場所、すなわち、部分に関する場所も選択され、続いて分析できる。選択されたデータは数字で処理され、ステップ304で示すように設定された表示を計算できる。例えば、データは適合でき、挿入でき、相関でき、平滑化でき、濾過でき、または、鏡像にできる。計算によるデータの準備またはステップ304での準備は、例えば、ステップ306で品質に関する識別番号に基づき自動的に特徴付けることもできる。
【0092】
品質のための識別番号の出力の変更、または、それに加えてステップ310で異なる表示を実行できる。x方向またはy方向での密度の像表示ができ、または、輪郭プロットができる。これは、参照符号312および314で表される。これに変えて、部分のための輪郭を示すことができ、または、線幅を焦点ぼけ、すなわち、z方向への運動を介して示すことができる。これは、ステップ316および318で表される。さらに、線幅は閾値を介して示すことができる。これは、参照符号320で表される。変更の表示タイプは参照符号322で表される処理窓であり、レジスト発生のための測定データのシュミュレーションの表示は参照符号324で表される。多数の測定の比較ができ、または、焦点ぼけ、すなわち、z方向への運動を介してコントラストの表示ができる。これは、参照符号326、328で表される。ステップ330による測定像の評価に基づいて他の表示もできる。可能な表示タイプは、波長範囲≧193nmで動作する検査系では、カールツアス Microelectronic Systems GmbHの操作マニュアルAIMS Fab B41003Eおよび/またはソフトウエアマニュアルAIMS Fab B40409Eで詳細に説明されている。この刊行物の開示内容は、本出願に完全に含まれる。
【0093】
図14a乃至図14cでは、本発明による検査系の可能な使用範囲が示されている。図14aは、例えば、マスクブランク、すなわち、マスク素材の製造の場合のEUV検査系の使用を示す。ステップ400で仕上げられ、たいてい、ガラス基板である基板が、ステップ402で本発明によるEUV検査系により、その品質に関して制御できる。この品質が十分であれば、基板はステップ404でEUVミラー層により被覆される。これらのミラー層は、今や、ステップ406で欠陥に関して検査され、つまり、全表面に亘り検査される。ステップ406による欠陥検査は、検査モジュール、例えば、可視光線で動作するEUV結像系と平行な結像系で行われる。マスク上に欠陥が生じると、ステップ408により、この欠陥はEUV検査系により詳細に検査できる。このために、事前に全表面が検査されるマスクは、x−y位置調整装置により欠陥個所に移動され、マスクのこれらの範囲はEUV検査系により詳細に検査される。行われたEUV検査後にステップ410によるマスクの品質が十分であれば、ステップ412によりマスクは送り出され、または、ステップ414により中止される。
【0094】
図14bは、本発明によるEUV検査系の別の使用範囲として、マスク製造での使用を示す。密に被覆されたマスク基板は、図14bのステップ450で、
入力制御装置内のEUV検査系により検査できる。マスク品質が十分であれば、それは、次のステップ452内で構造化できる。ステップ452による全体の構造マスクは、ステップ454でEUV検査系により再び検査できる。
このため、入力制御装置450の場合と同様に、最初に全体のマスク表面の欠陥検査は、例えば、可視光線で動作する検査系で行われ、同様に、可視光線またはUVまたはVUV波長範囲で動作するCD測定で行われる。EUV光線で実行されない欠陥検査またはCD測定で欠陥が生じると、そこで発見された欠陥を詳細に分類化するために本発明によるEUV検査系を使用することができる。欠陥についてのEUV検査に基づき、マスクの品質が欠陥検査後、十分であると分かれば、ステップ456により出すことができる。マスクの品質が不十分であれば、マスクは対応する欠陥個所に移動され、その後、ステップ458で修理ができるかどうかの検査がされる。修理ができなければ、マスクはステップ462により取りやめられる。修理ができれば、ステップ462により修理が実行され、EUV検査に向けられる。今や、十分な品質データが生じると、修理されたマスクを出すことができる。
【0095】
図14cは、本発明による使用範囲として、ウエハ工場でのこの種の検査系の使用を示す。
【0096】
ウエハ工場では、マスクはステップ500により、最初に、入力制御装置に向けられることができる。マスクは製造工程502のコースでエージングされる。マスクは、本発明によるEUV検査系により規定間隔で、ステップ504によりエージングまたは貯蔵後に検査できる。このため、再び、マスクは最初に可視可能な波長範囲またはUV波長範囲またはVUV波長範囲の光線で全表面に亘り検査される。欠陥が生じる個所でEUV検査が行われる。マスク品質が、なお、十分であれば、マスクは、さらに製造に使用できる。マスクが、もはや質的な要件を満たさないことを検査系が示すと、欠陥を修理できるかどうかを検査できる。このステップは、ステップ506で表される。修理ができなければ、マスクはステップ508により製造工程から取り出される。修理ができれば、マスクはステップ510により修理され、修理後にEUV検査系で検査される。欠陥は、行われた修理後に分類化され、十分な品質の場合に、マスクは再び、製造工程に移され、十分でない品質の場合には取り出される。
【0097】
それで、本発明により、始めてX線顕微鏡およびEUVリトグラフィーで使用される物体の検査設備が提供され、非常に短い全長とコンパクトな構造により特徴付けられる。
【符号の説明】
【0098】
1 物体平面
S1 第1鏡
S2 第2鏡
S3 第3鏡
S4 第4鏡
3 像平面
HA 光軸
B 開口絞り
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体平面内での物体を検査する反射型X線顕微鏡において、物体は、波長<100nm、特に、<30nmの光線で照明され、像平面内で拡大して結像され、第1鏡(S1)と第2鏡(S2)とを含み、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内に配置される第1副系とを備え、反射型X線顕微鏡は、光路内で第1副系に後置される少なくとも一つの第3鏡(S3)を有する第2副系を含むことを特徴とする前記反射型X線顕微鏡。
【請求項2】
第1鏡(S1)は凹面鏡であり、第2鏡(S2)は凸面鏡であることを特徴とする請求項1に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項3】
第1鏡(S1)は凹面鏡であり、第2鏡(S2)は凹面鏡であることを特徴とする請求項1に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項4】
第2副系は第3鏡(S3)と第4鏡(S4)とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項5】
第3鏡(S3)と第4鏡(S4)は、それぞれ、凹面鏡であることを特徴とする請求項4に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項6】
第3鏡(S3)は凸面鏡であり、第4鏡(S4)は凹面鏡であることを特徴とする請求項4に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項7】
X線顕微鏡は、β≧50x、特に、100x≦β≦1000xの範囲の倍率を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項8】
物体平面から像平面までの光路内で、中間像平面内で実際の中間像が結像されることを特徴とする請求項1乃至請求項7の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項9】
X線顕微鏡は光軸を有し、顕微鏡の第1、第2および第3の鏡(S1、S2、S3)は光軸(HA)に対して調心されて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項10】
X線顕微鏡は光軸を有し、顕微鏡の第1、第2、第3および第4の鏡(S1、S2、S3、S4)は光軸(HA)に対して調心されて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項11】
物体平面(1)内の物体は、光軸(HA)に対して偏心して光軸の近くに配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項10の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項12】
開口絞り(B)は、光軸(HA)に対して偏心して設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項11の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項13】
開口絞り(B)は、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内で、物体平面(1)の後で第1鏡(S1)の前に配置されることを特徴とする請求項12に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項14】
物体平面内で物体を検査するための反射型X線顕微鏡において、物体は波長<100nm、特に<30nmの光線で照明され、少なくとも波長<30nmのための少なくとも一つの第1光学要素を含み、物体平面から像平面までの光路内に配置される第1副系により像平面内で拡大されて結像され、物体平面から像平面までの光路内で、中間像平面(2)内で中間像(Z)が構成され、反射型X線顕微鏡は中間像(Z)の後の光路内の第1副系に配置される第2副系を含むことを特徴とする前記反射型X線顕微鏡。
【請求項15】
第1光学要素は波長<30nmのための結像光学要素、特に、鏡、フルネルゾーンプレートまたは回折光学要素であることを特徴とする請求項14に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項16】
第2副系は像平面内で中間像の結像のための少なくとも1つの光学要素を含むか、X線を他の結像キャリア内で変換する結像系を含むことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項17】
像平面内での中間像の結像のための光学要素は少なくとも1つの鏡を含むか、X線を他の結像キャリア内で変換する結像系は光電子顕微鏡または蛍光顕微鏡であることを特徴とする請求項16に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項18】
第1副系は第1鏡(S1)と第2鏡(S2)とを含むことを特徴とする請求項14乃至請求項17の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項19】
第1副系は、0.1x≦β1≦100x、特に、0.1x≦β1≦10xの範囲の第1倍率を有することを特徴とする請求項14乃至請求項18の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項20】
第2副系は、β2≧3x、特に、50x≦β2≦500xの範囲の第2倍率を有することを特徴とする請求項19に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項21】
X線顕微鏡は光軸(HA)を有し、顕微鏡の第1鏡(S1)は光軸に対して調心して配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項20の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項22】
X線顕微鏡は光軸(HA)を有し、顕微鏡の第1鏡(S1)と第2鏡(S2)は光軸に対して調心して配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項20の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項23】
物体は、特に、光軸に対して偏心し、光軸の近くに配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項22の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項24】
開口絞り(B)は、光軸の対し偏心して設けられることを特徴とする請求項14乃至請求項23の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項25】
開口絞り(B)は、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内で、物体平面の後で光線<30nmのための第1光学要素の前で配置されることを特徴とする請求項24に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項26】
波長<100nm、特に波長<30nmを持つマイクロリトグラフィーのために物体、特に、マスクの検査のための検査系において、物体平面(1)内の視野を照明する照明系を備え、物体平面内で照明される視野の内部に検査される物体が配置され、像平面(3)内での物体の少なくとも一部分の結像を拡大するための波長≦100nmのための結像系を備え、像平面(3)内に配置される撮像系とを備える前記検査系。
【請求項27】
検査系は、物体平面内の物体を位置決めする位置決め装置を含むことを特徴とする請求項26に記載の検査系。
【請求項28】
結像系は調整可能な開口絞り(B)を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項27の内の1項に記載の検査系。
【請求項29】
照明系は、結像系内の開口絞り(B)の平面に結合する平面内で調整可能な照明開口絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項28の内の1項に記載の検査系。
【請求項30】
照明系または結像系は、絞り平面(B)内または絞り平面(B)の近く、または、絞り平面(B)に対して結合する平面内で不明瞭化絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項28の内の1項に記載の検査系。
【請求項31】
照明系は、調整可能な視野絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項30の内の1項に記載の検査系。
【請求項32】
撮像系は、像平面(3)内での物体像の分析のための分析ユニットを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項31の内の1項に記載の検査系。
【請求項33】
検査系は、焦点調整装置を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項32の内の1項に記載の検査系。
【請求項34】
焦点調整装置は、物体平面(1)に対して垂直方向へ物体を移動する移動装置を含むことを特徴とする請求項33に記載の検査系。
【請求項35】
撮像系は、物体が焦点調整装置によりもたらされる設定焦点位置での像を撮像することを特徴とする請求項33乃至請求項34の内の1項に記載の検査系。
【請求項36】
分析ユニットは、マイクロコンピュータ装置を含むことを特徴とする請求項32乃至請求項35の内の1項に記載の検査系。
【請求項37】
波長≦100nmのための結像系は、反射型X線顕微鏡を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項36の内の1項に記載の検査系。
【請求項38】
反射型X線顕微鏡は、請求項1乃至請求項25内の1項による反射型X線顕微鏡を含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項39】
反射型X線顕微鏡は、請求項8または請求項14乃至請求項25に内の1項による反射型X線顕微鏡を含み、焦点調整装置は、中間像平面(2)に対して垂直方向への第2副系の移動ための移動装置を含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項40】
反射型X線顕微鏡は、請求項8または請求項14乃至請求項25に内の1項による反射型X線顕微鏡を含み、焦点調整装置は、中間像平面(2)に対して垂直方向への第2副系の移動ための移動装置と、物体平面(1)に対して垂直方向へ物体を移動する移動装置とを含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項41】
検査系の少なくとも一部分は、真空または保護気体内に配置されることを特徴とする請求項28乃至請求項40の内の1項に記載の検査系。
【請求項42】
検査系は、さらに、波長≦100nmのための結像系に対して平行で、別の像平面内での物体の少なくとも一部分を結像する波長≧100nmのための補助観察系を含むことを特徴とする請求項28乃至請求項41の内の1項に記載の検査系。
【請求項43】
補助観察系は、同一焦点および/または同心に配置される
ことを特徴とする請求項42に記載の検査系。
【請求項44】
次のステップによる波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのための物体、特に、マスクの検査方法。
1.物体平面内で照明系により視野が照明される。
2.検査される物体は位置調整装置により照明された視野にもたらされる。
3.検査される物体は、波長≦100nmのための反射型X線顕微鏡により像平面(3)内に結像される。
4.像平面(3)内の物体の像は撮像系により撮像される。
【請求項45】
撮像系により撮像される像は、分析ユニットにより物体の特徴を示す寸法について評価されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
物体は、焦点調整装置により物体平面(1)に対して垂直に
移動され、像は焦点の上下方向での設定焦点位置で撮像されることを特徴とする請求項44または請求項45に記載の方法。
【請求項47】
開口数は、開口絞り(B)と照明開口絞りで調整され、投影露光設備により光学的に等しい開口が生じることを特徴とする請求項44乃至請求項46の内の1項に記載の方法。
【請求項48】
方法は、請求項26乃至請求項43の内の1項に記載の検査系で実施されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項49】
方法は、請求項39に記載の検査系で実施され、焦点調整のため、第2副系は中間像平面(2)に対して垂直方向へ移動され、像は設定される焦点位置または焦点の上下で撮像されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項50】
方法は、請求項40に記載の検査系で実施され、焦点調整のため、物体は物体平面(1)に対して垂直に移動され、および/または第2副系は中間像平面(2)に対して垂直方向へ移動され、像は設定される焦点位置または焦点の上下で撮像されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項51】
波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのためのマスクの欠陥分析のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項52】
波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのためのマスクの修理の管理のため、請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項53】
投影露光設備内の露光工程の工程最適化のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項54】
投影露光設備の系統結合のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項1】
物体平面内での物体を検査する反射型X線顕微鏡において、物体は、波長<100nm、特に、<30nmの光線で照明され、像平面内で拡大して結像され、第1鏡(S1)と第2鏡(S2)とを含み、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内に配置される第1副系とを備え、反射型X線顕微鏡は、光路内で第1副系に後置される少なくとも一つの第3鏡(S3)を有する第2副系を含むことを特徴とする前記反射型X線顕微鏡。
【請求項2】
第1鏡(S1)は凹面鏡であり、第2鏡(S2)は凸面鏡であることを特徴とする請求項1に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項3】
第1鏡(S1)は凹面鏡であり、第2鏡(S2)は凹面鏡であることを特徴とする請求項1に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項4】
第2副系は第3鏡(S3)と第4鏡(S4)とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項5】
第3鏡(S3)と第4鏡(S4)は、それぞれ、凹面鏡であることを特徴とする請求項4に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項6】
第3鏡(S3)は凸面鏡であり、第4鏡(S4)は凹面鏡であることを特徴とする請求項4に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項7】
X線顕微鏡は、β≧50x、特に、100x≦β≦1000xの範囲の倍率を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項8】
物体平面から像平面までの光路内で、中間像平面内で実際の中間像が結像されることを特徴とする請求項1乃至請求項7の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項9】
X線顕微鏡は光軸を有し、顕微鏡の第1、第2および第3の鏡(S1、S2、S3)は光軸(HA)に対して調心されて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項10】
X線顕微鏡は光軸を有し、顕微鏡の第1、第2、第3および第4の鏡(S1、S2、S3、S4)は光軸(HA)に対して調心されて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項8の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項11】
物体平面(1)内の物体は、光軸(HA)に対して偏心して光軸の近くに配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項10の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項12】
開口絞り(B)は、光軸(HA)に対して偏心して設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項11の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項13】
開口絞り(B)は、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内で、物体平面(1)の後で第1鏡(S1)の前に配置されることを特徴とする請求項12に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項14】
物体平面内で物体を検査するための反射型X線顕微鏡において、物体は波長<100nm、特に<30nmの光線で照明され、少なくとも波長<30nmのための少なくとも一つの第1光学要素を含み、物体平面から像平面までの光路内に配置される第1副系により像平面内で拡大されて結像され、物体平面から像平面までの光路内で、中間像平面(2)内で中間像(Z)が構成され、反射型X線顕微鏡は中間像(Z)の後の光路内の第1副系に配置される第2副系を含むことを特徴とする前記反射型X線顕微鏡。
【請求項15】
第1光学要素は波長<30nmのための結像光学要素、特に、鏡、フルネルゾーンプレートまたは回折光学要素であることを特徴とする請求項14に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項16】
第2副系は像平面内で中間像の結像のための少なくとも1つの光学要素を含むか、X線を他の結像キャリア内で変換する結像系を含むことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項17】
像平面内での中間像の結像のための光学要素は少なくとも1つの鏡を含むか、X線を他の結像キャリア内で変換する結像系は光電子顕微鏡または蛍光顕微鏡であることを特徴とする請求項16に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項18】
第1副系は第1鏡(S1)と第2鏡(S2)とを含むことを特徴とする請求項14乃至請求項17の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項19】
第1副系は、0.1x≦β1≦100x、特に、0.1x≦β1≦10xの範囲の第1倍率を有することを特徴とする請求項14乃至請求項18の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項20】
第2副系は、β2≧3x、特に、50x≦β2≦500xの範囲の第2倍率を有することを特徴とする請求項19に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項21】
X線顕微鏡は光軸(HA)を有し、顕微鏡の第1鏡(S1)は光軸に対して調心して配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項20の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項22】
X線顕微鏡は光軸(HA)を有し、顕微鏡の第1鏡(S1)と第2鏡(S2)は光軸に対して調心して配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項20の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項23】
物体は、特に、光軸に対して偏心し、光軸の近くに配置されることを特徴とする請求項14乃至請求項22の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項24】
開口絞り(B)は、光軸の対し偏心して設けられることを特徴とする請求項14乃至請求項23の内の1項に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項25】
開口絞り(B)は、物体平面(1)から像平面(3)までの光路内で、物体平面の後で光線<30nmのための第1光学要素の前で配置されることを特徴とする請求項24に記載の反射型X線顕微鏡。
【請求項26】
波長<100nm、特に波長<30nmを持つマイクロリトグラフィーのために物体、特に、マスクの検査のための検査系において、物体平面(1)内の視野を照明する照明系を備え、物体平面内で照明される視野の内部に検査される物体が配置され、像平面(3)内での物体の少なくとも一部分の結像を拡大するための波長≦100nmのための結像系を備え、像平面(3)内に配置される撮像系とを備える前記検査系。
【請求項27】
検査系は、物体平面内の物体を位置決めする位置決め装置を含むことを特徴とする請求項26に記載の検査系。
【請求項28】
結像系は調整可能な開口絞り(B)を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項27の内の1項に記載の検査系。
【請求項29】
照明系は、結像系内の開口絞り(B)の平面に結合する平面内で調整可能な照明開口絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項28の内の1項に記載の検査系。
【請求項30】
照明系または結像系は、絞り平面(B)内または絞り平面(B)の近く、または、絞り平面(B)に対して結合する平面内で不明瞭化絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項28の内の1項に記載の検査系。
【請求項31】
照明系は、調整可能な視野絞りを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項30の内の1項に記載の検査系。
【請求項32】
撮像系は、像平面(3)内での物体像の分析のための分析ユニットを含むことを特徴とする請求項26乃至請求項31の内の1項に記載の検査系。
【請求項33】
検査系は、焦点調整装置を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項32の内の1項に記載の検査系。
【請求項34】
焦点調整装置は、物体平面(1)に対して垂直方向へ物体を移動する移動装置を含むことを特徴とする請求項33に記載の検査系。
【請求項35】
撮像系は、物体が焦点調整装置によりもたらされる設定焦点位置での像を撮像することを特徴とする請求項33乃至請求項34の内の1項に記載の検査系。
【請求項36】
分析ユニットは、マイクロコンピュータ装置を含むことを特徴とする請求項32乃至請求項35の内の1項に記載の検査系。
【請求項37】
波長≦100nmのための結像系は、反射型X線顕微鏡を含むことを特徴とする請求項26乃至請求項36の内の1項に記載の検査系。
【請求項38】
反射型X線顕微鏡は、請求項1乃至請求項25内の1項による反射型X線顕微鏡を含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項39】
反射型X線顕微鏡は、請求項8または請求項14乃至請求項25に内の1項による反射型X線顕微鏡を含み、焦点調整装置は、中間像平面(2)に対して垂直方向への第2副系の移動ための移動装置を含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項40】
反射型X線顕微鏡は、請求項8または請求項14乃至請求項25に内の1項による反射型X線顕微鏡を含み、焦点調整装置は、中間像平面(2)に対して垂直方向への第2副系の移動ための移動装置と、物体平面(1)に対して垂直方向へ物体を移動する移動装置とを含むことを特徴とする請求項37に記載の検査系。
【請求項41】
検査系の少なくとも一部分は、真空または保護気体内に配置されることを特徴とする請求項28乃至請求項40の内の1項に記載の検査系。
【請求項42】
検査系は、さらに、波長≦100nmのための結像系に対して平行で、別の像平面内での物体の少なくとも一部分を結像する波長≧100nmのための補助観察系を含むことを特徴とする請求項28乃至請求項41の内の1項に記載の検査系。
【請求項43】
補助観察系は、同一焦点および/または同心に配置される
ことを特徴とする請求項42に記載の検査系。
【請求項44】
次のステップによる波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのための物体、特に、マスクの検査方法。
1.物体平面内で照明系により視野が照明される。
2.検査される物体は位置調整装置により照明された視野にもたらされる。
3.検査される物体は、波長≦100nmのための反射型X線顕微鏡により像平面(3)内に結像される。
4.像平面(3)内の物体の像は撮像系により撮像される。
【請求項45】
撮像系により撮像される像は、分析ユニットにより物体の特徴を示す寸法について評価されることを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
物体は、焦点調整装置により物体平面(1)に対して垂直に
移動され、像は焦点の上下方向での設定焦点位置で撮像されることを特徴とする請求項44または請求項45に記載の方法。
【請求項47】
開口数は、開口絞り(B)と照明開口絞りで調整され、投影露光設備により光学的に等しい開口が生じることを特徴とする請求項44乃至請求項46の内の1項に記載の方法。
【請求項48】
方法は、請求項26乃至請求項43の内の1項に記載の検査系で実施されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項49】
方法は、請求項39に記載の検査系で実施され、焦点調整のため、第2副系は中間像平面(2)に対して垂直方向へ移動され、像は設定される焦点位置または焦点の上下で撮像されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項50】
方法は、請求項40に記載の検査系で実施され、焦点調整のため、物体は物体平面(1)に対して垂直に移動され、および/または第2副系は中間像平面(2)に対して垂直方向へ移動され、像は設定される焦点位置または焦点の上下で撮像されることを特徴とする請求項44乃至請求項47の内の1項に記載の方法。
【請求項51】
波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのためのマスクの欠陥分析のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項52】
波長≦100nmを持つマイクロリトグラフィーのためのマスクの修理の管理のため、請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項53】
投影露光設備内の露光工程の工程最適化のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【請求項54】
投影露光設備の系統結合のための請求項28乃至請求項44の内の1項に記載の検査系の用途。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【公開番号】特開2010−32542(P2010−32542A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255986(P2009−255986)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2004−504243(P2004−504243)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー (435)
【出願人】(504311556)カール ツァイス エスエムエス ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【分割の表示】特願2004−504243(P2004−504243)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(503263355)カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー (435)
【出願人】(504311556)カール ツァイス エスエムエス ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】
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