説明

波長変換素子

【課題】信号光と変換光の電界ピーク位置を一致させることで、変換効率を高め、及び信号光及び変換光がシングルモードを保つことができる光導波路の幅の許容誤差範囲を従来よりも大きくする。
【解決手段】光導波路18を備える波長変換素子10であって、該光導波路は、周期的分極反転構造20が形成された第1屈折率N1の強誘電体結晶12に設けられた第2屈折率N2を有する高屈折率領域14と、高屈折率領域の上面14aに光を伝播する方向に沿って設けられた第3屈折率N3の構造体16とが、第5屈折率N5の媒体11中に置かれる構成になっており、第1、第2,第3及び第5屈折率が、N2>N1>N5、かつ、N1≧N3>N5の関係を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力された信号光の波長を変換した変換光を出力する波長変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
周期的分極反転構造(以下、「QPM構造」とも称する。)を有する強誘電体結晶であるニオブ酸リチウムの表面に光導波路を形成した波長変換素子が広く知られている。この種の波長変換素子では、一般に、光導波路はTi拡散法又はプロトン交換法により形成される。この波長変換素子では、波長変換されるべき信号光を、光導波路の一端から入力し、光導波路の他端から波長変換された変換光が出力される。
【0003】
しかし、このようにして形成された光導波路を備えた波長変換素子では、波長変換の変換効率が小さかった。
【0004】
これは、光導波路の表面から深さ方向に測った光導波路の等価屈折率分布が、光導波路を中心にして非対称であることに起因する。その結果、波長の異なる信号光と変換光とでは、深さ方向に関して電界ピーク位置が異なってしまう。これが、変換効率を高めることができない原因となっていた。
【0005】
この問題点を解決するために、光導波路が設けられたニオブ酸リチウム結晶の表面に、別のニオブ酸リチウム結晶を貼り合わせることにより、光導波路の等価屈折率分布を、深さ方向に対称的にする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
確かに、特許文献1に開示された技術によれば、深さ方向に関して、信号光と変換光の電界ピーク位置を一致させることができ、波長変換の変換効率を高めることができる。
【0007】
しかし、特許文献1の技術によれば、光導波路の作成にプロトン交換マスクを用いていた。すなわち、Ta(タンタル)製のプロトン交換マスクをニオブ酸リチウム結晶表面に形成する。そして、プロトン交換マスクから露出した部分のプロトンを交換して、プロトン交換が行われない領域よりも高い屈折率を有する領域(以下、「高屈折率領域」とも称する。)、すなわち光導波路とする。
【0008】
一般に、プロトン交換マスクを形成するためにはフォトリソグラフィー技術を用いる必要があった。フォトリソグラフィー技術では、マスク蒸着機、露光機、及び現像装置などの大がかりな設備が必要とされるとともに、導波路の寸法を変更するたびにフォトマスクを更新する必要があった。つまり、特許文献1の技術によれば、波長変換効率を高めることができるものの、製造コストが大きくなるという問題点があった。
【0009】
そこで、フォトリソグラフィー技術を用いずに、光導波路を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
特許文献2に開示された技術では、プロトン交換マスクを用いずに、ダイシング及びレーザーアブレーションによりリッジ形の構造体を形成し、このリッジ形の構造体に対してプロトン交換を行っている。その結果、リッジ形構造体の凸部が、プロトン交換されなかった領域よりも屈折率の高い高屈折領域、すなわち光導波路として機能する。
【特許文献1】特開2002−139755号公報
【特許文献2】特開2002−365680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献2に開示された技術では、波長の異なる信号光と変換光の、光導波路の深さ方向における電界ピーク位置が異なってしまい、波長変換の変換効率が小さくなってしまう。
【0012】
さらに、特許文献2の技術では、ニオブ酸リチウムで作られている光導波路の周囲は、屈折率がニオブ酸リチウムに比べて非常に小さい大気に囲まれている。その結果、光導波路において、変換光及び信号光の閉じ込めが強くなりすぎしまう。したがって、これらの光がシングルモードを保つことが可能な光導波路幅の許容誤差範囲が狭くなるという問題点があった。
【0013】
この発明は、これらの問題点に鑑みなされたものである。したがって、この発明の目的は、(1)フォトリソグラフィー技術を用いないことにより、製造コストを抑え、(2)信号光と変換光の電界ピーク位置を一致させることで、変換効率を高め、及び(3)信号光及び変換光がシングルモードを保つことができる光導波路の幅の許容誤差範囲を従来よりも大きくすることができる波長変換素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明の発明者らは、強誘電体結晶の上面全体に設けられた高屈折率領域上に、波長変換素子が置かれている媒体よりも高い屈折率を有する構造体を配置することにより、光導波路を形成することで、上述した目的を達成する波長変換素子が得られることに想到した。
【0015】
具体的には、この発明の波長変換素子は、光導波路を備えている。さらに、周期的分極反転構造が形成された第1屈折率N1の強誘電体結晶に設けられた、第1屈折率よりも大きい第2屈折率N2を有する高屈折率領域と、高屈折率領域の上面に光を伝播する方向に沿って設けられた第3屈折率N3の構造体、および、それらを囲む第5屈折率N5の媒体からなる光導波路であって第1〜第5屈折率が、以下の関係を満足する。
【0016】
(条件):N2>N1>N5、かつ、N1≧N3>N5
【0017】
この波長変換素子において、強誘電体結晶をニオブ酸リチウムの結晶とし、構造体を、ニオブ酸リチウムの結晶で形成されたリッジ構造とし、リッジ構造の凸部の表面が、上面と対向して配置されていることが好ましい。
【0018】
また、この波長変換素子において、高屈折率領域が、熱拡散により形成されており、該高屈折率領域は、強誘電体結晶表面に配されていて、屈折率分布が矩形関数、ガウシアン関数、誤差関数、補誤差関数の形状となっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
この発明の波長変換素子は、上述のように構成したので、(1)フォトリソグラフィー技術を用いないことにより、製造コストを抑え、(2)深さ方向における波長変換素子の屈折率分布を対称にすることで、信号光と変換光の電界ピーク位置を一致させ、これにより波長変換の変換効率を高め、及び(3)光導波路とその周囲の領域との屈折率差を小さくすることにより、信号光及び変換光がシングルモードを保つことができる光導波路の幅の許容誤差範囲を従来よりも大きくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係について、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。したがって、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。
【0021】
(構造)
図1及び図2を参照して、この発明の実施の形態の波長変換素子について説明する。図1は波長変換素子の構造を概略的に示す斜視図である。図2(A)は、波長変換素子の正面図である。図2(B)は、図2(A)のA−A’線に沿った、波長変換素子の幅方向に関する等価屈折率の分布を示す図である。図2(C)は、図2(A)のB−B’線に沿った、波長変換素子の深さ方向に関する屈折率の分布を示す図である。
【0022】
図1及び図2を参照すると、波長変換素子10は、強誘電体結晶12に形成された高屈折率領域14と、構造体16と、光導波路18とを備えている。そして、波長変換素子10は、第5屈折率N5を有する媒体11中、例えば大気中に置かれている。
【0023】
強誘電体結晶12は、例えば、矩形板状であり、好ましくは、例えばニオブ酸リチウム結晶を材料として形成されている。そして、強誘電体結晶12には、自発分極の方向が周期的に反転する、いわゆる周期的分極反転構造20が形成されている。
【0024】
周期的分極反転構造20は、従来周知の方法で形成する。具体的には、例えば、MgOがドープされたZ板のニオブ酸リチウム結晶基板(以下、「LN基板」とも称する。)の第1主面にフォトリソグラフィーにより、縦縞状の金属膜パターンを形成する。そして、例えば塩化リチウム飽和水溶液を介して、金属膜パターンが形成されたLN基板の第1主面と、この第1主面に対向する第2主面との間に、例えば4kVの電圧を印加することにより、金属膜パターンが形成された領域のLN基板の自発分極の向きが反転する。なお、個々の自発分極の領域をドメインと称する。これにより光の伝播方向に沿って周期的に自発分極の向きが反転している周期的分極反転構造20が形成される。
【0025】
高屈折率領域14は、強誘電体結晶12の第1主面12a側に当該強誘電体結晶12の一部分の領域によって形成されている。より詳細には、高屈折率領域14は、強誘電体結晶12の厚み方向(第1主面12a及び光の伝播方向に垂直な方向)に関して、第1主面12aから所定の深さに渡って形成されている。
【0026】
高屈折率領域14は、強誘電体結晶12の残りの領域(高屈折率領域を除いた領域)よりも屈折率が高い領域である。ここで、高屈折率領域14の屈折率を第2屈折率N2とする。そして、強誘電体結晶12の高屈折率領域14を除いた領域の屈折率(以下、単に、「強誘電体結晶の屈折率」とも称する。)を第1屈折率N1とする。このとき、第1及び第2屈折率の大小関係は、N2>N1である。
【0027】
ここで、高屈折率領域14の厚みと第2屈折率N2とを、波長変換されるべき信号光のTMモードが厚み方向に関してシングルモードを保つことができるような厚みと屈折率とする。一例を挙げると、信号光の波長を例えば1550nmとする場合には、高屈折率領域14の厚みを、好ましくは、例えば約6.9μmとする。また、第2屈折率N2を、好ましくは、例えば、約N1+0.0077とする。
【0028】
高屈折率領域14を、Ti拡散法やプロトン交換法などの従来周知の熱拡散法で形成することができる。例えば、Ti拡散法を用いた場合には、Ti膜厚を165nmとし、熱拡散温度1050℃とし、及び7時間の熱拡散時間で、上述した厚みと第2屈折率N2とを有する高屈折率領域14を形成できる。
【0029】
なお、高屈折率領域は、強誘電体結晶12の第1主面12aの全面から均一の深さに渡って形成されるので、製造に当たり、フォトリソグラフィー技術を用いる必要がない。
【0030】
構造体16は、光の伝播方向に直交する横断面形状がT字形であり、高屈折率領域14の上面14aに、光を伝播する方向に沿って直線状に延在している。なお、構造体16のT字の縦棒に相当する部分を凸部16aとし、かつ、横棒に相当する部分を16bとする。また、信号光及び変換光は、周期的分極反転構造20の各ドメインを垂直に横切るように伝播することから、構造体16も、周期的分極反転構造20の各ドメインに対して垂直に延在している。構造体16の幅W(高屈折率領域14の上面14aに平行であって、かつ、光伝播方向に直交する方向の長さ)は、好ましくは、例えば、約10μmとする。
【0031】
構造体16は、第3屈折率N3を有する材料をダイシングすることにより形成されている。第3屈折率N3は、波長変換素子10が置かれている媒体11の第5屈折率N5よりも大きいことが必要であり、強誘電体結晶12の第1屈折率N1以下であることが必要である(N1≧N3>N5)。
【0032】
構造体16として用いることができる材料は、上述のN1≧N3>N5の関係を満たすものであれば、特に制限はないが、この実施の形態の場合には、ニオブ酸リチウム結晶で構造体16を形成している。
【0033】
構造体16の凸部16aの表面16cは、高屈折率領域14の上面14aとの間に間隔dを空けて配置されている。この間隔dは、構造体16を接着剤などにより高屈折率領域14に貼り付ける際に不可避的に形成されるものであり、間隔dの長さは0(ゼロ)であってもよい。
【0034】
また、この間隔dは、高屈折率領域14を伝播する光(信号光及び変換光)のエバネッセント光が、構造体16にオーバーラップすることができる間隔とすることが好ましい。
【0035】
この間隔dは、高屈折率領域14の厚み、高屈折率領域14の第2屈折率N2、媒体11の第5屈折率N5、及び構造体16の第3屈折率N3により変化するために、一概に決定することは難しい。しかし、発明者らのシミュレーションによれば、この実施の形態の場合、間隔dを、例えば、0〜0.25μmの範囲の値とすることが好ましい。このように構成することにより、信号光及び変換光のエバネッセント光が、構造体16に実用上十分にオーバーラップする。
【0036】
また、仮に、媒体11を空気からポリイミド(第5屈折率N5=1.53)に変更した場合には、間隔dは、例えば、0〜0.4μmの範囲の値とすることが好ましい。
【0037】
光導波路18は、構造体16の第3屈折率N3に起因して、高屈折率領域14を通過する光に対して、構造体16が存在する部分の等価屈折率N4と、構造体16が存在しない部分の等価屈折率N6とに差が生じることにより形成される。より詳細には、光導波路18は、高屈折領域14において、構造体16の凸部16aの表面16cが対向している領域に形成されている。
【0038】
つまり、構造体16が存在することにより、高屈折率領域14を伝播する信号光及び変換光が感じる等価屈折率は、光導波路18の領域において、高屈折率領域14の第2屈折率N2よりも小さく、強誘電体結晶12の第1屈折率N1よりも大きな第4屈折率N4(N2>N4>N1)となる。その結果、信号光及び変換光は、光導波路18中に閉じ込められる。
【0039】
この光導波路18は、後述するように、厚み方向及び幅方向の両方向に関して、シングルモード導波路である。光導波路18を幅方向に関してシングルモード導波路とするためには、この実施の形態の条件の下では、光導波路18の幅(したがって、構造体16の幅)を、例えば、3〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
【0040】
ここで、第1〜第6屈折率N1〜N6の大小関係をまとめておく。強誘電体結晶12の第1屈折率N1と、高屈折率領域14の第2屈折率N2との間には、N1<N2なる関係が存在する。
【0041】
また、媒体11の第5屈折率N5と強誘電体結晶12の第1屈折率N1との間には、N5<N1なる関係が存在する。
【0042】
さらに、光導波路18の第4屈折率N4は、構造体16の第3屈折率に影響されることにより、高屈折率領域14の第2屈折率N2と、強誘電体結晶12の第1屈折率N1との間の屈折率となる(N1<N4<N2)。
【0043】
これらの結果として、第1,第2,第4及び第5屈折率N1,N2,N4及びN5の間には、以下の(1)式の大小関係が成り立つ。
【0044】
N2>N4>N1>N5・・・(1)
【0045】
また、光導波路18の第4屈折率N4を第6屈折率N6よりも大きくするためには、構造体16の第3屈折率N3は、媒体11の第5屈折率N5よりも大きい必要がある(N3>N5)。特に、後述のように、光導波路18をシングルモード導波路とするための幅方向許容誤差を大きくするためには、構造体16の第3屈折率N3は、強誘電体結晶12の第1屈折率N1以下の値である必要がある(N1≧N3)。
【0046】
これらの結果として、第1,第3及び第5屈折率N1,N3及びN5の間には、以下の(2)式の大小関係が成り立つ。
【0047】
N1≧N3>N5・・・(2)
【0048】
すなわち、この実施の形態の波長変換素子10を機能させるためには、(1)式と(2)式の関係が同時に満足される必要がある。
【0049】
次に、図2(B)及び図2(C)を参照して、それぞれ波長変換素子10の幅方向等価屈折率分布及び厚み方向屈折率分布について簡単に説明する。
【0050】
図2(B)を参照すると、波長変換素子10の幅方向に関する等価屈折率の分布は、点Aから点A’にかけて、媒体11の第5屈折率N5から、高屈折率領域14の第2屈折率N6へと増加する。そして、構造体16の表面16cに対応する高屈折率領域14の部分、すなわち光導波路18において、さらに第4屈折率N4へと増加する。さらに、点A’に向かって、上述した等価屈折率の分布とは対称的な分布で減少していく。
【0051】
図2(C)を参照すると、波長変換素子10の深さ方向に関する屈折率分布は、点Bから点B’にかけて、媒体11の第5屈折率N5から、強誘電体結晶12の第1屈折率N1へと増加する。そして、構造体16の表面16cに対応する高屈折率領域14の部分において、第2屈折率N2へと増加する。さらに、構造体16の第3屈折率N3(この実施の形態ではN3=N1)へと減少し、点B’においては媒体11の第5屈折率まで減少する。
【0052】
つまり、図2(C)を参照すると、波長変換素子10は、深さ方向に関しては、高屈折率領域14を中心として、ほぼ対称的に屈折率が分布しているといえる。
【0053】
(動作)
続いて、波長変換素子10の動作を適宜、数式を用いながら概説する。
【0054】
波長変換素子10は、波長の長い信号光Sを光導波路18の一端部から入射すると、波長の短い変換光Cを光導波路18の他端部から出射する機能を有している。ここで、波長変換素子10には、周期的分極反転構造20が形成されているので、周期的分極反転構造20の周期に応じた特定の波長の信号光Sを入射したときのみ、変換光Cが出力される。
【0055】
以下、より詳細に数式を用いて説明する。なお、以下の議論は、栖原敏明,“光通信用LiNbO3導波路擬似位相整合非線形光学デバイス”,電子情報通信学会論文誌(C),vol.J−84−C,no.10,pp.909−917,Oct.2001に詳細に記載されている。
【0056】
変換光Cとしての第2次高調波のパワーをP2ωとしたときに、パワーP2ωは、次の(3)式で表わされる。
【0057】
P2ω=Pω0κSHG{sin(ΔSHGL/(ΔSHGL)}・・・(3)
【0058】
ここで、Pω0は、信号光Sのパワーである。κSHGは、結合係数である。ΔSHGは、位相不整合量である。Lは、素子長である。
【0059】
ここで、位相不整合量ΔSHGは、次の(4)式で表わされる。
【0060】
ΔSHG=β2ω−(2βω+K)・・・(4)
【0061】
ここで、β2ωは、第2高調波(変換光C)の伝播定。数である。βωは、信号光Sの伝播定数である。Kは、周期的分極反転構造の波数である。
【0062】
高い変換効率で変換光Cとしての第2高調波を得るためには、(4)式において、擬似位相整合条件であるΔSHG=0が満たされる必要がある。
【0063】
ところで、(4)式において、従来周知の関係より、β2ω、βω及びKは、それぞれ、以下の(5)〜(7)式のように表わすことができる。
【0064】
β2ω=k2ωN2ω・・・(5)
βω=kωNω・・・(6)
K=2π/Λ・・・(7)
【0065】
ここで、k2ωは、第2高調波(変換光C)の波数である。N2ωは、第2高調波(変換光C)の感じる等価屈折率である。kωは、信号光Sの波数である。Nωは、信号光Sの感じる等価屈折率である。Λは、周期的分極反転構造20の周期である。
【0066】
また、従来周知のように、k2ω及びkωは、下記(8)式及び(9)式のように表せる。
【0067】
k2ω=2π/λ2ω・・・(8)
kω=2π/λω・・・(9)
【0068】
ここで、λ2ωは、第2高調波(変換光C)の波長である。λωは、信号光Sの波長である。
【0069】
よって、従来周知のλ2ω=λω/2なる関係と、(5)式〜(9)式とを、(4)式に代入して、擬似位相整合条件であるΔSHG=0に着目してまとめると、最終的な結果として下記(10)式が得られる。
【0070】
Λ=λω/{2(N2ω−Nω)}・・・(10)
【0071】
すなわち、(10)式を満足するように、周期的分極反転構造20の周期Λを決定すれば、パワーの大きな変換光Cが得られる。
【0072】
次に、この実施の形態の波長変換素子10において、波長変換の変換効率が向上することについて説明する。
【0073】
図2(C)に示すように、波長変換素子10における等価屈折率の深さ方向の分布は、光導波路18を中心にしてほぼ対称的である。その結果、信号光Sが感じる深さ方向の等価屈折率分布と、変換光Cが感じる深さ方向の等価屈折率分布とは、ほぼ等しくなる。その結果、信号光Sの電界ピーク深さと、変換光Cの電界ピーク深さとがほぼ一致する。よって、上述した(3)式の結合係数κSHGが大きくなり、波長変換の変換効率が向上する。
【0074】
以下、より詳細に、数式を用いて説明する。なお、以下の議論は、石月秀貴,et.al.,“高効率光サンプリングのためのLiNbO3導波路擬似位相整合和周波発生デバイス”,電子情報通信学会論文誌(C),vol.J83−C,no.3,pp.197−203,Mar.2000に詳細に記載されている。
【0075】
信号光Sと変換光Cの導波モード分布がそれぞれガウス関数で近似され、かつ、それらの電界ピーク位置が一致していると仮定した場合、(3)式の結合係数κSHGは、下記(11)式で表わされる。
【0076】
κSHG=(8ω3)/{π(μ0/ε0)3/2d33/(N1N3)}×{WX3/(WX1+2WX3)}×{WY3/(WY1+2WY3)}・・・(11)
【0077】
ここで、ω3は、第2高調波(変換光C)の角周波数である。μ0は、真空の透磁率である。ε0は、真空の誘電率である。d33は、非線形光学係数である。N1は信号光Sの等価屈折率である。N2は、第2高調波(変換光C)の等価屈折率である。WX3は、第2高調波(変換光C)の幅方向において、変換光のピーク強度が1/eにまで減少する2点の間の距離を表わす。WX1は、信号光Sの幅方向において、変換光のピーク強度が1/eにまで減少する2点の間の距離を表わす。WY3は、第2高調波(変換光C)の深さ方向において、変換光のピーク強度が1/eにまで減少する2点の間の距離を表わす。WY1は、信号光Sの深さ方向において、変換光のピーク強度が1/eにまで減少する2点の間の距離を表わす。
【0078】
(11)式において、{WX3/(WX1+2WX3)}×{WY3/(WY1+2WY3)}の項は、信号光Sと変換光Cの電界ピークの重なりの程度を表わしている。
【0079】
従って、信号光Sと変換光Cとの電界ピーク位置が一致していないと、信号光Sと変換光Cの導波モードの重なりの程度は非常に小さくなる。
【0080】
つまり、(11)式において、{WX3/(WX1+2WX3)}×{WY3/(WY1+2WY3)}の項(以下、「重複項」とも称する。)が小さくなるために、結合係数κSHGが小さくなり、結果として、高い変換効率が得られなくなる。
【0081】
以下、この点について図3(A)〜(D)を参照して、より詳細に説明する。図3(A)は、従来型の波長変換素子(例えば、特許文献2の波長変換素子)における信号光Sと変換光Cの電界の強度を模式的に示した図である。図3(A)において、縦軸は電界強度(任意単位)を示し、横軸は、深さ方向の距離(任意単位)を示す。図3(B)は、図3(A)の波長変換素子の深さ方向における等価屈折率分布を模式的に示した図である。図3(B)において、縦軸は、屈折率(任意単位)を示し、横軸は、深さ方向の距離(任意単位)を示す。
【0082】
図3(C)は、この実施の形態の波長変換素子10における信号光Sと変換光Cの電界の強度を模式的に示した図である。図3(C)において、縦軸は電界強度(任意単位)を示し、横軸は、深さ方向の距離(任意単位)を示す。図3(D)は、図3(C)の波長変換素子10の深さ方向における等価屈折率分布を模式的に示した図である。図3(D)において、縦軸は、屈折率(任意単位)を示し、横軸は、深さ方向の距離(任意単位)を示す。
【0083】
まず、図3(B)を参照して、従来型の波長変換素子の屈折率分布について説明する。従来型の波長変換素子では、屈折率がn1の強誘電体結晶の表面付近に屈折率がn2(>n1)の光導波路が形成されている。そして、光導波路は、屈折率がn5(<n1)の媒体に直接接している。すなわち、従来型の波長変換素子では、深さ方向に関して、屈折率分布が非対称である。
【0084】
このような屈折率分布を持つ従来型の波長変換素子においては、波長が異なる信号光Sと変換光Cとでは、感じる等価屈折率が異なる。その結果、図3(A)に示すように、信号光Sと変換光Cとでは電界ピークの深さが異なってしまう。その結果、信号光Sと変換光Cの導波モードの重なり(図3(A)中、斜線を施した領域)の面積が小さくなってしまう。すなわち、上述した(11)式の重複項が小さくなってしまう。
【0085】
それに対して、この実施の形態の波長変換素子10は、図3(D)を参照すると、光導波路18は、高屈折率領域14に対して深さ方向の両側を屈折率がn1の強誘電体結晶12と構造体16とに挟まれている。その結果、屈折率の分布が高屈折率領域14を中心にして対称形となる。
【0086】
これにより、波長が異なる信号光Sと変換光Cとでは、感じる等価屈折率が等しくなる。よって、図3(C)に示すように、信号光Sと変換光Cの電界ピークの深さが一致する。
【0087】
結果として、信号光Sと変換光Cの導波モードの重なり(図3(C)中、斜線を施した領域)の面積が従来型の波長変換素子に比べて大きくなる。すなわち、上述した(11)式の重複項が大きくなる。つまり、(11)式のκSHGが大きくなり、その結果、波長変換の変換効率が向上する。
【0088】
発明者らの評価によれば、このように信号光Sと変換光Cとで深さ方向における電界ピーク深さを一致させることによる波長変換の変換効率の増加率は、数%程度である。
【0089】
次に、この実施の形態の波長変換素子10において、信号光S及び変換光Cがシングルモードを保つことができる光導波路18の幅の許容誤差範囲が従来よりも大きくなることについて説明する。
【0090】
なお、以下の議論は、岡本勝就,“光導波路の基礎”,コロナ社,1992に詳細に記載されている。
【0091】
まず、図4を参照して、従来型の波長変換素子とこの実施の形態の波長変換素子10とで、光導波路の等価屈折率を求める。
【0092】
図4(A)は、従来型(リッジ形)の波長変換素子の光導波路を光伝播方向に垂直な面で切断した切断端面図である。図4(B)は、従来型の波長変換素子の光導波路の幅方向に関する等価屈折率分布(任意単位)を示す模式図である。図4(C)は、この実施の形態の波長変換素子10の光導波路18を光伝播方向に垂直な面で切断した切断端面図である。図4(D)は、この実施の形態における波長変換素子10の光導波路18の幅方向に関する等価屈折率分布(任意単位)を示す模式図である。
【0093】
図4(A)において、βIは、従来型の光導波路のコア領域を示す。また、βIIは、従来型の光導波路のクラッド領域を示す。また、図4(B)において、NβIは、従来型の光導波路のコア領域の等価屈折率を示す。また、NβIIは、従来型の光導波路のクラッド領域の等価屈折率を示す。
【0094】
図4(C)において、αIは、波長変換素子10の光導波路18のコア領域を示す。また、αIIは、波長変換素子10の光導波路18のクラッド領域を示す。また、図4(D)において、NαIは、波長変換素子10の光導波路18のコア領域の等価屈折率を示す。また、NαIIは、波長変換素子10の光導波路18のクラッド領域の等価屈折率を示す。
【0095】
さらに、従来型の波長変換素子と、この実施の形態の波長変換素子10とは、いずれも、屈折率がneのLN基板に作成されているものとする。また、従来型の波長変換素子の光導波路と、この実施の形態の波長変換素子10の光導波路18とは、従来周知のプロトン交換法により、LN基板の屈折率neを、Δneだけ増加させることにより形成されているものとする。また、従来型の光導波路のクラッド領域の屈折率をncとする。
【0096】
このような条件の下で、従来周知の等価屈折率法により、NαI,NαII,NβI及びNβIIを求めると、従来型の光導波路のコア領域βIの等価屈折率NβIは、下記(12)式で与えられる。
【0097】
nc<NβI<ne+Δne・・・(12)
【0098】
また、従来形の光導波路のクラッド領域βIIの等価屈折率NβIIは、下記(13)式で与えられる。
【0099】
NβII=nc・・・(13)
【0100】
また、この実施の形態の光導波路18のコア領域αIの等価屈折率NαIは、下記(14)式で与えられる。
【0101】
ne<NαI<ne+Δne・・・(14)
【0102】
また、この実施の形態の光導波路18のクラッド領域αIIの等価屈折率NαIIは、下記(15)式で与えられる。
【0103】
nc<NαII<ne+Δne・・・(15)
【0104】
ここで、波長1550nmのTMモード光を用いた場合について、具体的なNαI,NαII,NβI及びNβIIの値を求める。この場合において、LN基板の屈折率neは2.1381となる。また、Δneは、プロトン交換条件が200℃で1時間、さらに、その後400℃において熱処理を2.25時間施したとすると、Δne=0.0077となる。また、ncをポリイミドの屈折率1.53とする。
【0105】
これらの条件の下では、NαI,NαII,NβI及びNβIIは、下記(16)式〜(19)式の値となる。
【0106】
NαI=2.1429・・・(16)
NαII=2.1419・・・(17)
NβI=2.1419・・・(18)
NβII=1.53・・・(19)
【0107】
(16)式〜(19)式より、従来型の光導波路とこの実施の形態の光導波路18の等価屈折率差ΔNβ及びΔNαは、下記(20)式及び(21)式のように求められる。
【0108】
ΔNα=NαI−NαII=9.8749×10−4・・・(20)
ΔNβ=NβI−NβII=6.1188×10−1・・・(21)
【0109】
(20)式及び(21)式より、この実施の形態の光導波路18は、リッジ形の従来型光導波路よりも、幅方向の等価屈折率差が小さいことが分かる。
【0110】
次に、等価屈折率差ΔNαが、従来型光導波路の等価屈折率差ΔNβよりも小さいこの実施の形態の波長変換素子10において、信号光S及び変換光Cがシングルモードを保つことができる光導波路18の幅の許容誤差範囲が従来よりも大きくなることについて説明する。
【0111】
なお、以下の議論は、西原浩,et.al.,“光集積回路(改訂増補版)”,オーム社,1993に詳細に記載されている。
【0112】
この文献によれば、光導波路の規格化周波数Vが、約3以下となれば、光導波路を伝播する光がシングルモードとなることが示されている。
【0113】
この文献をもとにして、導波路の幅方向の長さを4μm、及び光の波長を1550nmと仮定して、従来型光導波路(図4(A)及び(B))の規格化周波数Vβを求めると、下記(22)式の値となる。
【0114】
Vβ=24.3・・・(22)
【0115】
また、この文献をもとにして、従来型光導波路の規格化周波数Vβが3以下、すなわち、シングルモードとなる導波路幅の範囲を求めると0.5μm以下となる。
【0116】
同様にして、この実施の形態の光導波路18(図4(C)及び(D))について、光導波路18の幅方向の長さを8μm、及び光の波長を1550nmと仮定して、規格化周波数Vαを求めると、下記(23)式の値となる。
【0117】
Vα=2.12・・・(23)
【0118】
また、同様にして、この実施の形態の光導波路18の規格化周波数Vαが3以下、すなわち、シングルモードとなる導波路幅の範囲を求めると11.5μm以下となる。
【0119】
これらのことより、この実施の形態の波長変換素子は、幅方向において、信号光S及び変換光Cがシングルモードを保つことができる光導波路18の幅方向の許容範囲が広いことが分かる。
【0120】
(効果)
以下、この実施の形態の波長変換素子10の効果について説明する。
【0121】
(1)波長変換素子10は、強誘電体結晶12の第1主面12aの全面に高屈折率領域14を形成し、高屈折率領域14の上面14aに配置した構造体16により光導波路18を形成するので、フォトリソグラフィー技術を用いる必要がない。よって、フォトリソグラフィーに係る工程を省略することが可能であり、製造コストを抑えることができる。
【0122】
(2)また、図3に示すように、この実施の形態の波長変換素子10では、信号光Sと変換光Cの深さ方向に関する電界ピーク位置を一致させることができる。その結果、信号光Sと変換光Cの導波モードの重なりが大きくなり、結合係数κSHGが増加する。その結果、波長変換の変換効率が向上する。
【0123】
(3)また、図4に示すように、この実施の形態の波長変換素子10では、幅方向に関する光導波路18の等価屈折率差ΔNαが、従来型の光導波路に比べて小さい。その結果、導波光がシングルモードを保つことできる光導波路の幅方向の許容範囲を大きくすることができる。よって、光導波路を容易に作成することができる。
【0124】
(設計条件等)
(1)この実施の形態では、構造体16としてニオブ酸リチウムを用いた場合について説明した。しかし、構造体16を構成する材料はニオブ酸リチウムには限定されない。構造体16は、波長変換素子10が置かれる媒体11よりも屈折率が大きく、かつ、強誘電体結晶12以下の屈折率を有する材料を、設計に応じて選択して用いることができる。
【0125】
(2)この実施の形態では、媒体11が空気である場合について説明した。しかし、媒体11は空気には限定されない。媒体11は、光導波路18よりも屈折率が低い材料、例えば、ポリイミドやフッ素樹脂を設計に応じて選択して用いることができる。
【0126】
(3)この実施の形態では、構造体16は、周期的分極反転構造が形成されていない場合について説明した。しかし、構造体16には、強誘電体結晶12と同じ周期の周期的分極反転構造が形成されていても良い。
【0127】
(4)また、この実施の形態では、ポンプ光を必要としない場合、つまり変換光Cが第2高調波である場合について説明した。しかし、この波長変換素子10は、ポンプ光を必要とする波長変換、例えば、差周波発生や和周波発生に応用することも可能である。
【0128】
(5)また、この実施の形態では、強誘電体結晶12がニオブ酸リチウムである場合について説明した。しかし、強誘電体結晶12は、ニオブ酸リチウムには限定されない。周期的分極反転構造を形成することができ、かつ、屈折率を制御できる他の強誘電体結晶、例えば、タンタル酸リチウムや水晶等を用いても良い。
【0129】
(6)また、この実施の形態では、断面形状がT字形の構造体16をダイシングで形成する場合について説明した。しかし、構造体16は、フォトリソグラフィーを必要としない他の加工法、例えば、レーザーアブレーション等で形成しても良い。
【0130】
(7)この実施の形態では、高屈折率領域14をプロトン交換法又はTi拡散法で形成する場合について説明した。しかし、高屈折率領域14の形成法は、これらの方法には限定されない。例えば、MgやZn等の添加元素を熱拡散させる方法を用いてもよい。
【0131】
(8)また、プロトン交換法を用いて高屈折率領域14を形成する場合には、安息香酸やピロリン酸等の一般的なプロトン源を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】波長変換素子の構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】(A)は、波長変換素子の正面図である。(B)は、(A)のA−A’線に沿った、波長変換素子の幅方向に関する等価屈折率の分布を示す図である。(C)は、(A)のB−B’線に沿った、波長変換素子の深さ方向に関する屈折率の分布を示す図である。
【図3】(A)は、従来型の波長変換素子における信号光と変換光の電界の強度を模式的に示した図である。(B)は、(A)の波長変換素子の深さ方向における屈折率分布を模式的に示した図である。(C)は、この実施の形態の波長変換素子における信号光と変換光の電界の強度を模式的に示した図である。(D)は、(C)の波長変換素子の深さ方向における屈折率分布を模式的に示した図である。
【図4】(A)は、従来型(リッジ形)の波長変換素子の光導波路を光伝播方向に垂直な面で切断した切断端面図である。(B)は、従来型の波長変換素子の光導波路の幅方向に関する等価屈折率分布を示す模式図である。(C)は、この実施の形態の波長変換素子の光導波路を光伝播方向に垂直な面で切断した切断端面図である。(D)は、この実施の形態の波長変換素子の光導波路の幅方向に関する等価屈折率分布を示す模式図である。
【符号の説明】
【0133】
10 波長変換素子
11 媒体
12 強誘電体結晶
12a 第1主面
14 高屈折率領域
14a 上面
16 構造体
18 光導波路
20 周期的分極反転構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路を備える波長変換素子であって、
該光導波路は、
周期的分極反転構造が形成された第1屈折率N1の強誘電体結晶に設けられた、該第1屈折率よりも大きい第2屈折率N2を有する高屈折率領域と、
該高屈折率領域の上面に光を伝播する方向に沿って設けられた第3屈折率N3の構造体と、
これら第1屈折率N1の強誘電体結晶と第2屈折率N2の高屈折率領域と第3屈折率N3の構造体とを囲む第5屈折率N5の媒体とからなり、
前記第1,第2,第3、および、第5屈折率が、以下の関係を満足する
ことを特徴とする波長変換素子。
N2>N1>N5、かつ、N1≧N3>N5
【請求項2】
前記強誘電体結晶をニオブ酸リチウムの結晶とし、
前記構造体を、ニオブ酸リチウムの結晶で形成されたリッジ構造とし、
該リッジ構造の凸部の表面が、前記上面と対向して配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
【請求項3】
前記高屈折率領域が、熱拡散により形成されており、該高屈折率領域は、前記強誘電体結晶表面に配されていて、屈折率分布が矩形関数、ガウシアン関数、誤差関数、補誤差関数の形状となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−205036(P2009−205036A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49182(P2008−49182)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】