説明

洗浄および防錆処理方法

【課題】照明灯等の表面の膨張した赤錆を除去し防錆処理等を走行しつつ行う洗浄および防錆処理方法を提供することも目的とする。
【解決手段】供給水を所定圧力に加圧する高圧ポンプ1と、加温する温水器2と、高圧ポンプ1,温水器2と接続流路8,9,10で接続され高圧温水を噴射する噴射ノズル装置4と、粒状の炭酸水素ナトリウムの貯留タンク4と、該タンク4に基端が接続され先端が噴射ノズル5aに接続され該噴射流中に粒状の炭酸水素ナトリウムを混入させる炭酸水素ナトリウム供給路11を備えた高圧洗浄装置を用いた洗浄および防錆処理方法であり、噴射ノズル5aの先端から、粒状の炭酸水素ナトリウムを含み内部でキャビテーションを起こさせた状態の高圧温水を、処理しようとする金属製の対象物に噴射することによって、表面に発生している赤錆の膨張した部分を洗浄して除去し該除去した後に不動態被膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、噴射ノズル口から噴射する気泡を含む高圧温水を対象物に噴射して該対象物を効率的よく洗浄する高圧洗浄装置、特に表面に附着する膨張した赤錆等の進行性の錆を効率的に洗浄し除去することができしかも該除去した後をペイント塗装処理する必要がない防錆機能を付与することが可能な高圧洗浄装置を用いて、金属製の対象物の表面に附着する赤錆等を洗浄除去し防錆性能を高める防錆処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人らは、高速道路のトンネル内の壁面や照明灯又は路面上のレーン・マーカーを、走行しながら、キャビテーションを起こしている高圧水を噴射ノズルから噴射して洗浄することができる洗浄方法と洗浄装置(洗浄装置等という)を提供した(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
かかる洗浄装置等は、通常の道路や高速道路を法定最低速度以上を維持して走行しながら、トンネル内の壁面や照明設備又は路面上のレーンマーカーを、キャビテーション効果を奏している高圧水を噴射することによって洗浄することができ、従来の洗浄装置を用いて洗浄するときのように、低速走行での洗浄作業に起因する道路規制(車線規制)が不要となり、したがって、交通渋滞を生じさせることなく洗浄をおこなえる点で優れている。また、効率的に且つ作業者に過度の負担を強いることなく洗浄できる点で好ましく、且つ、洗剤の混入した洗浄液でない通常の水を使用して洗浄できることから、廃液処理による環境汚染の問題も生じさせない点においても優れている。
【特許文献1】特開2006−125137号公報。
【特許文献2】特開2007−138703号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記洗浄装置と洗浄方法の場合には、トンネル内の照明設備のガラス表面等に付着した汚染物を除去することができるものの、該照明設備の枠体、例えば金属製のフレームや取付金具表面に発生している赤錆等を除去し且つ該赤錆の進行を防止する処理を同時におこなうことはできない。
従って、例えば、金属製のフレームに赤錆が発生している場合には、作業者がその部分を取り外したりあるいは現場において取付状態のままで、該赤錆を、ワイヤブラシ等で落として後、塗装処理をする必要があった。
かかる場合にも、従前のトンネル内の照明設備の洗浄の場合と同様に、道路規制(車線規制)をおこなって、前記証明設備等の取り外し作業、又は、錆取り作業と塗装処理作業がおこなわれているのが現状である。つまり、未だ、前記特許文献1および特許文献2以外にも、交通渋滞を生じさせるような道路管理作業が強いられている。従って、かかる作業も専ら交通量の少ない夜間等を利用しておこなわれているのが現状である。
【0005】
本発明は、このような状況下おこなわれたもので、金属製の照明灯の金属製のフレームや取付金具又はその他の金属製の対象物に対して、前記錆取り作業と防錆処理作業を走行しながらおこなえるような高圧洗浄装置を用いた洗浄および防錆処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる洗浄および防錆処理方法は、供給される水を所定の圧力に加圧する高圧ポンプと、供給された水を加温する温水器と、前記高圧ポンプ及び温水器と接続流路で接続されて前記加圧され且つ加温された高圧温水を対象物に向けて噴射する噴射ノズル装置と、粒状の炭酸水素ナトリウムを貯留する貯留タンクと、該貯留タンクに基端が接続され先端が前記接続流路あるいは噴射ノズル装置に接続され高圧温水中に粒状の炭酸水素ナトリウムを混入させる炭酸水素ナトリウム供給路とを備えた高圧洗浄装置を用いた洗浄および防錆処理方法であって、
前記噴射ノズルの先端から、粒状の炭酸水素ナトリウムを含み内部でキャビテーションを起こさせた状態の高圧温水を、処理しようとする金属製の対象物に噴射することによって、該対象物の表面に発生している赤錆の膨張した部分を洗浄して除去し該除去した後に不動態被膜を形成して防錆性能を高めることを特徴とする。
【0007】
前述のように構成された本発明にかかる洗浄および防錆処理方法によれば、以下のとおりの作用を奏する。つまり、前記高圧洗浄装置の高圧ポンプで加圧され、前記温水器において加温された水は、接続流路を介して前記噴射ノズル装置の噴射ノズルから噴射水内部でキャビテーションを起こしながら高圧で噴射される。しかも、かかる噴射に際して、その高圧温水の通過によって前記接続流路内に生じる負圧に起因して、前記基端が前記貯留タンクに接続されている炭酸水素ナトリウム供給路の先端から該貯留タンク内の炭酸水素ナトリウムが該接続流路内へ吸い出されて、前記噴射ノズル装置の噴射ノズルから高圧温水とともに噴射される。このため、かかる粒状の炭酸水素ナトリウムが混入し且つ該炭酸水素ナトリウムが化学変化した炭酸ナトリウムが溶け込んだ状態となっている高圧温水が、噴射される洗浄対象物、例えば照明設備の金属製のフレーム等に、衝撃的に当接する。この結果、該金属製のフレーム等の表面に発生している赤錆の膨張した部分や汚染物質が、前記粒状の炭酸水素ナトリウムによるブラスト効果と、キャビテーション効果により除去される。また、前記膨張している赤錆や汚染物質等が除去された該フレーム等の表面は、炭酸ナトリウムが溶け込んだ水と接触するため、そのフレームの金属表面に残っている赤錆が不動態被膜(黒錆膜)に変化する。このため、不動態被膜により、該フレーム等の表面に赤錆は発生しない状態となる。従って、従来のように研磨後の表面に防錆のための塗装処理等をする必要がなくなる。
さらに、前述のように、前記フレーム等の対象物の表面は、前記キャビテーションを起こしている高圧温水及び所定硬度を有する粒状の炭酸水素ナトリウムの衝突により、ショットピーニングに類似した作用が施される結果、金属の組織が密になり、耐食性および強度が処理前に比べて大幅に向上する。なお、前記炭酸水素ナトリウムの少なくともその一部は、噴射される高圧温水中で前記温度とキャビテーション作用により炭酸ナトリウムに化学変化して赤錆が前記不動態被膜になるものと思われる。
【0008】
前記高圧洗浄装置において、前記炭酸水素ナトリウムの粒径が、0.1mm以上で3mm未満であり、その硬度が新モース硬度において2以上で3未満であると、洗浄対象物と当接する際に、比較的容易に粉砕された状態となり、該洗浄対象物に損傷を与えるようなこともなく、効果的に研磨や洗浄をおこなうことができる。前記炭酸水素ナトリウムの粒径は、1mm以上で2.5mm未満がさらに好ましく、1.6mm以上2.0mm未満がより好ましい。また、前記硬度も、新モース硬度において、2.1以上で3.0未満がより好ましく、2.4以上で2.7未満がさらに好ましい。
【0009】
また、前記高圧洗浄装置において、前記噴射ノズル装置から噴射される高圧温水の温度が50°C以上で120°C以下であり、該高圧温水の圧力が4.9MPa以上で100.2MPa未満であると、キャビテーションを効果的に発生させることが可能となり、且つ炭酸水素ナトリウムを炭酸ナトリウムに効果的に化学変化させることができる。前記高圧温水の温度は、70°C以上で110°C未満がより好ましく、75°C以上で100°C未満であることがさらに好ましく、80°C以上で90°C未満であることがさらに好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態にかかる高圧洗浄装置を用いた洗浄および防錆処理方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
図1は本発明の方法を実施するための1実施形態にかかる高圧洗浄装置の全体の概略の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、Aは高圧洗浄装置で、この高圧洗浄装置Aは、水タンク6から吸水した水を高圧に加圧する高圧ポンプ1と、加圧された水を加温する温水器2と、高圧加温水を所定の圧力に維持するアキュムレータ3と、粒状の炭酸水素ナトリウムを貯留する貯留タンク4と、先端に噴射ノズル5aを備えた噴射ノズル装置5とを有する。
【0013】
前記高圧ポンプ1は水タンク6と第1の接続流路7で接続され、また、前記高圧ポンプ1は前記温水器2と第2の接続流路8(請求項の「接続流路」の一部を構成する)を介して接続されている。さらに、前記温水器2は前記アキュムレータ3と第3の接続流路9(請求項の「接続流路」の一部を構成する)を介して接続され、また、このアキュムレータ3と前記噴射ノズル装置5とは第4の接続流路10(請求項の「接続流路」の一部を構成する)を介して接続されている。
【0014】
そして、前記噴射ノズル装置5には、より正確には該噴射ノズル装置5の噴射ノズル5aの先端方には、基端が前記貯留タンク4に接続されている炭酸水素ナトリウム供給路11の先端が接続され、この噴射ノズル装置5から高圧温水が噴射されると、その噴射流によって、該炭酸水素ナトリウム供給路11を介して前記貯留タンク4内に貯留されている粒状の炭酸水素ナトリウムが、該噴射ノズル5aから噴射される噴射流内に吸い込まれるように構成されている。勿論、このように流体の流れにより発生する負圧を利用して前記炭酸水素ナトリウムを供給する構成に代えて、図示しないが、前記第4の接続流路10に流量センサーを配置してこの流量センサーからの流量値に比例した量の炭酸水素ナトリウムを動力式の強制供給装置によって強制的に噴射ノズル5a側へ供給するように構成してもよい。あるいは炭酸水素ナトリウム自体の重力を利用して前記噴射ノズル5a側へ供給するような構成であってもよい。
【0015】
あるいは、図示しないが、前記炭酸水素ナトリウム供給路11の先端を第4の接続流路10に接続して、前記貯留タンク4内の粒状の炭酸水素ナトリウムを該第4の接続流路10内へ供給するように構成してもよい。
【0016】
そして、前記高圧ポンプ1は、この実施形態の場合には、水タンク6から吸水した水を4.9MPa〜100.2MPaに加圧することが可能となっている。そして、この加圧圧力の値については、この高圧ポンプ1に設けられている圧力調整装置で前記範囲において任意の圧力値に加圧することができるよう構成されている。例えば、40.1MPa〜59.9MPaに加圧される。しかし、錆の発生状況や汚染物の付着状況によって、前記高圧温水の圧力として、より高い圧力が選択されてもよいし、あるいはより低い圧力が選択されてもよい。
【0017】
また、前記温水器2は前記高圧ポンプ1から供給される加圧された水を最大150°Cまで加温することが可能に構成されており、その温度については、この温水器2に設けられている温度調整装置によって、その雰囲気温度から150°Cまでの範囲の任意の温度に調整可能に構成されている。例えば、使用する温度としては、50°C以上で120°C以下、さらには70°C以上で110°C以下が好ましく、75°C以上で100°C以下がより好ましく、80°C以上で90°C以下であることが、効果的にキャビテーションを発生させ得ることができる点で、さらに好ましい。
【0018】
そして、前記アキュムレータ3は、前記噴射ノズル装置5へ供給する加圧温水の圧力を前記選択(設定)された所定の圧力値に安定させるように機能する。
【0019】
前記噴射ノズル5は、先端に前記粒状の炭酸水素ナトリウムを含む前記高圧温水を噴射するべく、前記噴射ノズル5aを具備して、該噴射ノズル装置5に設けられた開閉バルブ(図示せず)を作業者(あるいは自動化した場合には制御装置に制御されるアクチューエータ)が操作することによって、前記アキュムレータ3から供給される高圧温水を噴射可能になっている。
【0020】
そして、この実施形態では、前記炭酸水素ナトリウムの粒径は、0.1mm〜3mm程度のものが使用され、また、硬度的には、新モース硬度において2〜3程度のものが使用される。
好ましい構成としては、前記粒径は1mm〜2.5mm程度のものが好ましく、1.6mm〜1.9mm程度がより好ましい。また、前記硬度も、新モース硬度において、2.1〜2.9程度がより好ましく、2.4〜2.7程度がさらに好ましい。また、前記粒状の炭酸水素ナトリウムは、硬度的に前記範囲のものが、対象物を傷つけることなく衝突したときに紛状に破壊され、しかも対象物表面への衝突による膨張している赤錆等の除去に効果的である点において、好ましい。前記炭酸水素ナトリウムの硬度が前記硬度より低い場合には、対象物に衝突前に破壊されてしまう可能性がある。硬度が前記硬度以上に高い硬度の場合には、対象物の表面を傷つけてしまうことがある。しかし、対象物が、橋脚の強度部材等の破壊され難いものの場合には、勿論、前記硬度より高い硬度を使用してもよい。
また、前記粒径については、前記範囲内の粒径であれば、短い時間前記高圧温水中に混入したときにも、対象物に衝突するまでの間に最低限必要な所定の粒径を維持することができる。
【0021】
そして、前述のように構成された本実施形態にかかる高圧洗浄装置によれば、洗浄対象物、例えば、道路のトンネル内外の照明設備、具体的には照明灯のガラスやその周囲の金属製のフレーム、吊り下げ金具若しくは金属製のポール、又は照明設備以外の対象物、例えば金属製の橋脚等に発生した膨張した赤錆や付着した汚染物質を、洗浄し且つ防錆処理をする場合には、以下のように作用する。以下、本発明の実施形態にかかる洗浄および防錆処理方法を説明する。つまり、
今、トンネル内の照明灯の金属製のフレームを洗浄する場合を例に挙げて説明すると、前記噴射ノズル装置5の噴射ノズル5aを前記金属製のフレームに向けた状態で、この高圧洗浄装置AをONにして、前記高圧ポンプ1,温水器2を作動させる。そして、前記噴射ノズル装置5の開閉弁を操作して該開閉弁を「開」状態にすると、水タンク6内の水が第1の接続流路7を介して前記高圧ポンプ1に吸水されて、該高圧ポンプ1により所定の圧力、例えば10.2MPaに加圧される。次に、前記高圧ポンプ1で加圧された水は、前記第2の接続流路8を介して前記温水器2に供給され、この温水器2において、所定の温度、例えば、70°Cまで加温される。そして、このように加圧且つ加温された加圧温水は、前記温水器2から前記アキュムレータ3へ前記第3の接続流路9を介して供給され、このアキュムレータ3において、前記噴射ノズル装置5からの噴射状態の変動にかかわらず、所望の圧力が維持できるように該加圧温水の一部がアキュムレートされる。このようにアキュムレータ3において一部がアキュームレートされている加圧温水は、該アキュムレータ3から前記第4の接続流路10を介して前記噴射ノズル装置5へ供給され、前記噴射ノズル5aから先端方へ噴射される。このように高圧温水が前記噴射ノズル装置5の噴射ノズル5aから噴射されると、具体的には速い速度で流れると、該第4の接続流路10が負圧になり、前記貯留タンク4から粒状の炭酸水素ナトリウムが前記炭酸水素ナトリウム供給路11を介して、該噴射ノズル5aからの噴射流内に吸い込まれる。この結果、前記噴射ノズル5aから噴射される高圧温水中には粒状の炭酸水素ナトリウムが混入し、しかも該噴射ノズル5aからキャビテーションをおこしながら、前記照明灯のフレームに向けて噴射される。そして、このように噴射される高圧温水中では、前記粒状の炭酸水素ナトリウムの一部が溶けだし、それが前記キャビテーション効果と加温により、化学変化して炭酸ナトリウム溶液となっている。このため、前述のように表面に付着した膨張した赤錆や汚染物質がキャビテーションを伴う高圧水の噴射や前記粒状の炭酸水素ナトリウムが高速度で当接することによって、効果的に洗浄され膨張した赤錆等が除去されるとともに、前記溶液となった炭酸ナトリウムによって、該膨張した赤錆が除去された箇所が所謂黒錆に変化して、つまり、不動態被膜が形成された状態となる。なお、前記粒状の炭酸水素ナトリウムは、硬度が前述のような硬度であることから、金属製のフレームに当接すると比較的容易に粉砕されて該フレームやガラス等を損傷させることはない。
【0022】
このため、前記金属製のフレームは表面が綺麗に洗浄され且つ前記赤錆部分には不動態被膜が形成されることにより、塗装処理等をする必要もなくなる。
【0023】
しかも、前記洗浄作業等は、この高圧洗浄装置Aを作業車両として車両に搭載することが可能であることから、しかも比較的高速で作業をおこなうことができるため、道路規制や車線規制をすることなく作業を実施することができることになる。
また、前記洗浄等の対象物としては、金属製のガードレールや橋梁又は照明灯のポールなど種々の金属製品が可能であり、これらについても、前記照明灯のフレームの洗浄を例に挙げて説明したとほぼ同じに実施でき、且つ同じ作用効果を奏することが可能となる。
【0024】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、当業者が自明の範囲において、適宜変更した形態で実施することができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明にかかる高圧洗浄装置は、種々の金属製の対象物に対して洗浄と表面硬化処理及び防錆処理を施すのに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態にかかる高圧洗浄装置の全体の概略の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0027】
A…高圧洗浄装置
1…高圧ポンプ
2…温水器
3…アキュムレータ
4…貯留タンク
5…噴射ノズル装置
5a…噴射ノズル
8…第2の接続流路(接続流路の一部)
9…第3の接続流路(接続流路の一部)
10…第4の接続流路(接続流路の一部)
11…炭酸水素ナトリウム供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される水を所定の圧力に加圧する高圧ポンプと、供給された水を加温する温水器と、前記高圧ポンプ及び温水器と接続流路で接続されて前記加圧され且つ加温された高圧温水を対象物に向けて噴射する噴射ノズル装置と、粒状の炭酸水素ナトリウムを貯留する貯留タンクと、該貯留タンクに基端が接続され先端が前記接続流路あるいは噴射ノズル装置に接続され高圧温水中に粒状の炭酸水素ナトリウムを混入させる炭酸水素ナトリウム供給路とを備えた高圧洗浄装置を用いた洗浄および防錆処理方法であって、
前記噴射ノズルの先端から、粒状の炭酸水素ナトリウムを含み内部でキャビテーションを起こさせた状態の高圧温水を、処理しようとする金属製の対象物に噴射することによって、該対象物の表面に発生している赤錆の膨張した部分を洗浄して除去し該除去した後に不動態被膜を形成して防錆性能を高めることを特徴とする洗浄および防錆処理方法。
【請求項2】
前記炭酸水素ナトリウムの粒径が、0.1mm以上3mm未満であり、該炭酸水素ナトリウムの硬度が新モース硬度において2以上で3未満であることを特徴とする請求項1記載の洗浄および防錆処理方法。
【請求項3】
前記噴射ノズル装置から噴射される高圧温水の温度が50°C以上120°C以下であり、該高圧温水の圧力が4.9MPa以上で100.2MPa未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄および防錆処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−42323(P2010−42323A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206056(P2008−206056)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(507194017)株式会社高速道路総合技術研究所 (33)
【出願人】(391051326)ヤマモトロックマシン株式会社 (17)
【Fターム(参考)】