説明

洗浄剤組成物

【課題】すすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であって、且つタオルドライ後のしっとり感をも付与する洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)ポリオール、(B)分子量がポリオール(A)の5倍以上のポリオール、(C)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の界面活性剤、(D)バラ科サクラ属に属する1種または2種以上の抽出物および(E)植物油を含有する洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、すすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であって、且つタオルドライ後のしっとり感を付与する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤組成物においては、水溶性高分子と界面活性剤を組み合わせて配合することにより、泡立ち、泡質(クリーミー性)、洗浄力、使用時の感触等の向上が可能であることが知られている。例えば、水溶性高分子である塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体を含有する皮膚洗浄剤組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、このような水溶性高分子を含有させた場合、すすぎ時にぬるつくといった欠点も生じる。すなわち、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さを同時に満たしていない。
【0003】
また、使用後の肌に弾力がありみずみずしい感じ(ふっくら感)を付与するとともに、しっとり感を付与することを目的として、カチオン化グァーガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タラガムなどを配合した化粧料組成物が開示されているが(特許文献2)、同組成物においては泡立ちや泡質の改善効果は見られるものの、使用後にポリマー特有のぬるつき感や後残り感が生じる点に変わりはない。すなわち、こちらも同様に、泡立ち、泡質(クリーミー性)の改善とすすぎ時のぬるつきの無さを両立していない。
【0004】
また、脂肪酸石鹸、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、高重合ポリエチレングリコールを用い、良好な安定性と使用性を得られ、かつ泡質、泡立ちが良好な化粧料組成物も開示されているが(特許文献3)、同組成物の泡質、泡立ち改善効果は限定的である。そのため、同組成物を用いて泡質、泡立ちを改善する為には多量の高重合ポリエチレングリコールを用いる必要があり、その結果としてすすぎ時のぬるつきを生じさせてしまう。すなわち、こちらも同様に泡立ち、泡質(クリーミー性)の改善とすすぎ時のぬるつきの無さを両立していない。また、ぬるつき感の低減の為、このような水溶性高分子の配合量を低減すると、泡立ち、泡質も同時に悪化する。すなわち、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さ、タオルドライ後のしっとり感を同時に満たしてくれる技術はなく、十分に満足がいくものではなかった。
【0005】
さらに、特定の植物系抽出物を含有することで、優れた保湿効果を示す皮膚外用剤組成物が開示されているが(特許文献4)、保湿効果と肌荒れ改善効果に関する物であり、洗浄剤における泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さ、タオルドライ後のしっとり感を同時に満たしてくれる技術については一切言及されていない。
【0006】
このように従来知られる方法では、すすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であって、且つタオルドライ後のしっとり感を付与することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−154360号公報
【特許文献2】特開2006−62979号公報
【特許文献3】特開平9−183996号公報
【特許文献4】特開2007−77079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者らは上記の事情に鑑み、鋭意研究した結果、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物において、分子量が異なる2種類以上のポリオールを配合することにより、すすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)を良好に両立できることを見出し、さらには、特定の植物系抽出物と植物油を組み合わせて含有することで、タオルドライ後のしっとり感をも付与する本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明はすすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であって、且つタオルドライ後のしっとり感を付与する洗浄剤組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、洗浄剤組成物に(A)ポリオールと、(B)分子量がポリオール(A)の5倍以上のポリオールと、(C)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上の界面活性剤と、(D)バラ科サクラ属に属する植物系抽出物と、(E)植物油とを配合することにより、上記目的を達成する。
【0011】
本発明の洗浄剤組成物において、上記ポリオール(A)としては分子量10000以下であって、配合量として0.001〜30質量%であることが好ましく、且つポリオール(B)としてはポリオール(A)の15倍以上の分子量であって、配合量として0.001〜30質量%であることが好ましい。
【0012】
さらに、上記ポリオール(A)とポリオール(B)は同一の繰り返し単位を有することが望ましく、特に下記一般式(1)で表される繰り返し単位であることが望ましい。
[化1]
−(OCHCH)− …… (1)
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、すすぎ時にぬるつきが無く、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であって、且つタオルドライ後のしっとり感を付与する洗浄剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
【0015】
本発明に係るポリオールは、洗浄剤組成物として使用可能なポリオールであれば、特段に限定することなく使用できる。例えば、多価アルコール、ポリビニルアルコールおよび糖類などが挙げられる。多価アルコールとしては、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。糖類としては、具体的にはソルビトール、マンニトール、グルコース、スクロース、フルクトース、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトース、トレハロース、エリスリトール等が挙げられる。
【0016】
本発明に係るポリオール(A)およびポリオール(B)としては、上記のポリオールのうち、グリセリン(分子量92)、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールを用いることが好ましい。具体的にポリグリセリンとしては、ポリグリセリン−3(平均分
子量240程度)、ポリグリセリン−4(平均分子量310程度)、ポリグリセリン−6(平均分子量460程度)、ポリグリセリン−10(平均分子量760程度)などが挙げられる。また、ポリエチレングリコールとしては、PEG−4(平均分子量190程度)、PEG−6(平均分子量280程度)、PEG−8(平均分子量370程度)、PEG−12(平均分子量550程度)、PEG−16(平均分子量720程度)、PEG−20(平均分子量900程度)、PEG−30(平均分子量1300程度)、PEG−32(平均分子量1400程度)、PEG−40(平均分子量1800程度)、PEG−60(平均分子量2700程度)、PEG−75(平均分子量3300程度)、PEG−90(平均分子量4000程度)、PEG−150(平均分子量6600程度)、PEG−180(分子量7900)、PEG−240(分子量11000)、PEG−400(分子量18000)、PEG−2M(分子量88000)、PEG−5M(分子量220000)、PEG−7M(分子量310000)、PEG−9M(分子量400000)、PEG−14M(分子量620000)、PEG−20M(分子量880000)、PEG−23M(平均分子量1000000程度)、PEG−25M(平均分子量1100000程度)、PEG−45M(平均分子量2000000程度)、PEG−65M(平均分子量2900000程度)、PEG−90M(平均分子量4000000程度)、PEG−115M(平均分子量5100000程度)などが挙げられる。
【0017】
ポリオール(A)は、上記種々のポリオールを使用できるが、一種類に限定されるものではなく、複数組み合わせて配合できる。使用するポリオール(A)の平均分子量としては、10000以下が望ましく、好ましくは4000以下、更に好ましくは1000以下であることが望ましい。一種又は複数を配合したときの総含有量は洗浄組成物全体の質量に対して、0.001〜30質量%が望ましく、好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましくは0.001〜10質量%であることがより望ましい。この条件は、洗浄組成物として必要な安定性や優れた使用感を実現するために好適である。
【0018】
本発明に係るポリオール(B)も、ポリオール(A)と同様に上記種々のポリオールを使用できるが、一種類に限定されるものではなく、複数組み合わせて配合できる。ただし、使用するポリオール(B)は、ポリオール(A)に比して平均分子量が5倍以上であることが必要であり、好ましくは10倍以上、更に好ましくは15倍以上の平均分子量であることが望ましい。また、使用するポリオール(B)はポリオール(A)と同じ繰り返し単位や構造を持つことが望ましい。特に好ましくは下記式(1)で表される繰り返し単位を持つことである。
[化1]
−(OCHCH)− …… (1)
【0019】
例えば、ポリオール(A)としてPEG−4を用いた場合、ポリオール(B)としては、ポリオール(A)に比して平均分子量が5倍以上であるPEG−30か、より分子量が大きいPEG−32以上のものを用いる必要があり、好ましくは10倍以上であるPEG−60か、より分子量が大きいPEG−75以上のものを、更に好ましくは15倍以上であるPEG−75か、より分子量が大きいPEG−90以上のものを用いると良い。このときポリオール(A)の5倍以上の分子量のポリオールを複数組み合わせて配合しても構わない。同様にポリオール(A)としてグリセリンを用いた場合、ポリオール(B)としては、平均分子量が5倍以上であるポリグリセリン−6、ポリグリセリン−10、PEG−12か、より分子量が大きいPEG−16以上のものを用いる必要があるが、使用するポリオール(B)はポリオール(A)と同じ繰り返し単位や構造を持つことが望ましいため、PEG−12以上のものより、ポリグリセリン−6やポリグリセリン−10を用いると良く、より好ましくはポリグリセリン−10である。
【0020】
また、ポリオール(B)の平均分子量は、ポリオール(A)の5倍以上であることが必要
であるが、これよりも平均分子量の差が小さくなると、泡立ち改善効果が少なくなり、実感しづらくなる。これらのポリオールを用いることによって泡立ち、泡質のクリーミーさが向上する。また、本発明においてポリオール(B)を一種又は複数を配合したときの総含有量は本洗浄組成物全体の質量に対して、0.001〜30質量%であることが望ましく、好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましく0.001〜10質量%であることがより望ましい。この条件は、洗浄組成物として必要な安定性や優れた使用感を実現するために好適である。
【0021】
本発明においては(C)非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤を含有させることが必要不可欠である。本発明においては、これらを含有させることにより、本発明の目的である効果、すなわちすすぎ時にぬるつきが無く、タオルドライ後のしっとり感且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)をより高めることができるという点で好適である。このような界面活性剤としては、化粧料として使用が可能なものであれば特段に限定することなく使用することができる。陰イオン性界面活性剤としては、例えばラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウムなどの各種脂肪酸塩、パーム核油脂肪酸トリエタノールアミン、α−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3E.O.)、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、パルチミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸グルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(4.5E.O,)等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンセチルエーテル、モノステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(6)モノイソステアレート、ポリオキシエチレン(12)ジオレイン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(12E.O.)等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えばラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。本発明の(C)界面活性剤としては、これらに限るものではない。なお、これらを適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0022】
本発明の(D)バラ科サクラ属に属する植物系抽出物において、バラ科サクラ属に属する植物としては、モモ(Prunus persica)、ウメ(Prunus mume)、アンズ(Prunus vulgaris)、サクラ(Prunus cerasus)、ウワミズザクラ(Prunus grayana)、リンボク(Prunus spinulosa)等が挙げられるが、これらに限るものではない。なお、これらを適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。また、(D)成分の含有量は本洗浄組成物全体の質量に対して、0.001質量%以上であることが望ましく、0.001〜5質量%であることがより望ましい。この条件は、洗浄組成物として必要な保湿効果や優れた使用感を実現するために好適である。
【0023】
また、(D)成分の抽出溶媒は水、アルコール類またはそれらの混液であることが望ましく、前記アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノールプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グ
リセリン等を用いることができる。これらは単独でもしくは併せて用いることができる。
【0024】
本発明の(E)植物油としては、植物性スクワラン、ヒマシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、ツバキ油、ローズヒップ油、ラベンダー油、アボカド油、ホホバ油、マカデミア油、クルミ油、サザンカ油、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ゴマ油等が挙げられるが、これに限るものではない。なお、これらを適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。また、(E)成分の含有量は本洗浄組成物全体の質量に対して、0.001質量%以上であることが望ましく、0.001〜5質量%であることがより望ましい。この条件は、洗浄組成物として必要な保湿効果や優れた使用感、保存安定性を実現するために好適である。
【0025】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば前記以外の界面活性剤、炭化水素、エステル、高級アルコール、前記以外の多価アルコール、油剤、粉体(顔料、色素、樹脂等)、水、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、パール化剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0026】
上記油剤は、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤及び樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。具体的に、油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウなどが挙げられる。又、シリコーン類として例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム、フッ素変性シリコーン樹脂等のシリコーン化合物が挙げられる。
【0027】
また、上記粉体としては、例えば赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はない。
【0028】
上記粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
【0029】
上記溶媒としては、例えば精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0030】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。
【0031】
本発明の洗浄剤組成物は、頭髪、頭皮や身体各部の皮膚洗浄剤、食器用洗浄剤等、様々な洗浄剤に適用でき、ボディシャンプー、ハンドソープ、洗顔剤、固型石鹸等の身体用洗浄剤として好適に使用できる。また、固形、液体、クリーム状、ジェル状、エアゾールフォーム、ポンプフォーム、スクイズフォーム、ミスト等様々な形態のものとして用いることができ、望ましくは液体、又はペースト状洗浄料として用いられる。
【0032】
本発明の洗浄剤組成物は、各種常法に従い調製することができる。例えば、ボディシャンプーの場合、全成分を配合し、加熱、中和、混合、冷却することにより調製することができる。
【実施例】
【0033】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0034】
表1に示す処方に基づいて実施例1〜8、比較例1〜9の身体洗浄料を常法に従って調製し、泡立ち、泡質(クリーミー性)、すすぎ時のぬるつきの無さ、タオルドライ後のしっとり感の4項目に関して評価を行った。実用試験としては、パネル(20人)が自宅浴室にて、実施例及び比較例に示した身体洗浄料を実使用し、上記4項目について評価した。各項目の評価にあたっては、大変良い、良い、普通、悪い、大変悪いの5段階評価を行った。表1中の数値は、大変良い、又は良いと回答したパネルの人数の合計である。配合量はすべて質量%である。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1の結果からも明らかなように、実施例の身体洗浄料は、すすぎ時にぬるつきが無く、タオルドライ後のしっとり感を有し、尚且つ泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であったが、比較例ではこれらの各項目について劣るものであった。
【0037】
以下、種々の本発明の洗浄剤組成物を表1の方法と同様にして調整し、実施例として示す。これらは、ボディソープやハンドソープなど広く洗浄剤として用いることができるものである。なお、これらは上記の効果試験を実施したところ、いずれも優れた結果が得られ
た。
【0038】
〔実施例9〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6.0
ミリスチン酸 10.0
パルミチン酸 8.0
ステアリン酸 8.0
水酸化カリウム 5.7
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 1.0
PEG−2M 0.2
PEG−4 2.0
ポリクオタニウム−7 0.5
オリーブ油 0.5
モモ葉エキス 1.0
グリコシルトレハロース 1.0
加水分解水添デンプン 1.0
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0039】
〔実施例10〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6.0
ミリスチン酸 10.0
パルミチン酸 8.0
ステアリン酸 8.0
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 0.5
ラウラミドプロピルベタイン 0.5
カチオン化グァーガム 0.05
カチオン化セルロース 0.05
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
PEG−4 3.0
PEG−7M 0.2
オリーブ油 0.5
アンズ果実エキス 1.0
ユズ果実エキス 1.0
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0040】
〔実施例11〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6.0
ミリスチン酸 10.0
パルミチン酸 8.0
ステアリン酸 8.0
水酸化カリウム 5.7
カチオン化グァーガム 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
PEG−20M 0.01
PEG−20 2.0
オリーブ油 0.25
ウメ果実エキス 0.25
アロエベラ葉エキス 1.0
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0041】
〔実施例12〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 6.0
ミリスチン酸 10.0
パルミチン酸 8.0
ステアリン酸 8.0
水酸化カリウム 5.7
ラウリルヒドロキシスルタイン 1.0
カチオン化グァーガム 0.1
PEG−90M 0.01
PEG−75 2.0
グリコシルトレハロース 1.0
加水分解水添デンプン 1.0
オリーブ油 0.25
モモ葉エキス 1.0
ユズ果実エキス 1.0
エデト酸4ナトリウム4水塩 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0042】
〔実施例13〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 3.24
ミリスチン酸 2.0
パルミチン酸 1.5
ステアリン酸 0.5
水酸化カリウム 1.8
アルギニン 0.2
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3E.O) 5.0
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 2.0
ラウラミドプロピルベタイン 6.0
ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
PEG−4 1.0
PEG−2M 0.1
グリセリン 2.0
オリーブ油 0.25
サクラ葉エキス 0.25
ローズ水 1.0
エデト酸2ナトリウム 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0043】
〔実施例14〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 3.0
ミリスチン酸 2.0
パルミチン酸 1.5
ステアリン酸 0.5
水酸化カリウム 1.8
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3E.O) 5.0
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 2.0
ラウラミドプロピルベタイン 5.5
ラウリルヒドロキシスルホベタイン液 0.5
ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
PEG−4 3.0
PEG−2M 0.3
グリセリン 2.0
オリーブ油 0.25
アンズ果実エキス 0.25
キイチゴエキス 1.0
エデト酸2ナトリウム 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
【0044】
〔実施例15〕
成分 配合量(%)
ラウリン酸 7.0
ミリスチン酸 4.0
パルミチン酸 2.0
ステアリン酸 1.0
水酸化カリウム 3.7
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(3E.O) 2.5
ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド 2.0
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O) 5.0
ラウラミドプロピルベタイン 3.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液 1.5
PEG−4 2.0
PEG−65M 0.01
グリセリン 10.0
オリーブ油 0.25
アンズ果実エキス 0.25
ザクロエキス 1.0
エデト酸2ナトリウム 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする洗浄剤組成物。
(A):ポリオール
(B):分子量がポリオール(A)の5倍以上のポリオール
(C):非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の界面活性剤
(D):バラ科サクラ属に属する植物から選ばれる1種または2種以上の抽出物
(E):植物油
【請求項2】
(D)成分の抽出溶媒が水、アルコール類またはそれらの混液であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−51944(P2011−51944A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203522(P2009−203522)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】