説明

洗浄組成物及びそれを使用する方法

本発明は、洗浄組成物、及び多様な基材の洗浄のために該洗浄組成物を使用する方法、及びこのような洗浄組成物を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の分野)
本発明は、洗浄組成物、このような組成物を調製する方法、及び多様な基材の洗浄のために該洗浄組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景)
可溶性及び不溶性の混入物に対して感受性のある、基材を洗浄する多様な方法及びシステムが知られている。これらの方法及びシステムは典型的に、水、ペルクロロエチレン、石油、並びに大気圧及び室温で又は実質的にほぼ大気圧及び室温で液体であり基材を洗浄するための他の溶媒を使用する。
【0003】
このような従来の方法及びシステムは一般的に、該方法及びシステムの企図される目的について十分に考慮されてきた。しかしながら、近年、これらの従来の方法及びシステムを採用する望ましいことはとりわけ、環境、衛生学、業務上の危険、及び廃棄物処理に関する懸念のため疑問視されてきた。例えば、ペルクロロエチレンはしばしば、「ドライクリーニング」と呼ばれる方法において、布地等の上質の基材を洗浄するための溶媒として使用される。現場によっては、この溶媒が痕跡量だけ廃棄物の流れへ持ち込まれなければならない場合でさえ、この溶媒の使用及び廃棄が環境に関する部局によって規制されるべきであることを必要とする。
【0004】
さらに、ペルクロロエチレン等の溶媒については、環境保護局(EPA)、労働安全衛生局(OSHA)及び運輸省(DOT)等の部局によって有意な規制負担が設置される。このような規制は結果的に、ユーザーに対して高い経費を生じ、それが順に最終的な消費者に回される。例えば、従来のペルクロロエチレンドライクリーニングシステムにおいて使用されてきたフィルターは、有害廃棄物の又は他の環境上の規制に従って廃棄されなければならない。炭化水素溶媒など、ドライクリーニングで使用される他のある溶媒は特に引火性が高く、結果としてユーザーに対して業務上のより大きな危険を生じ、該溶媒の使用を管理するのに高い経費を生じる。
【発明の概要】
【0005】
(発明の要約)
本発明は、洗浄組成物並びに、該洗浄組成物を使用して、とりわけ布地、柔軟な基材(例えば、プラスチック、重合体、ゴム等)、精密基材(例えば、回路、電子部品)、上質の基材及び多孔性の基材など、多様な基材を洗浄する方法を提供する。
【0006】
一実施態様において、本発明は、有機溶媒と1つ以上の洗浄添加物とを含む洗浄組成物を提供する。互換性のある用語である「洗浄組成物」及び「洗浄液」は本明細書において、大気条件下で液体でありかつ有機溶媒と有機溶媒以外の少なくとも1つの洗浄添加物とを含む洗浄材料を記載するために使用される。一実施態様において、このような洗浄組成物は、加圧され又は濃縮されている液体溶媒、例えば液状二酸化炭素を含有しない。別の実施態様において、有機溶媒はグリコールエーテルである。
【0007】
別の実施態様において、本発明は、有機溶媒、水、並びに1つ以上の界面活性剤、帯電防止剤、中和剤及び光学漂白剤(optical whitener)を含む洗浄組成物を提供する。一実施態様において、洗浄組成物は、陽イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤とを含む。別の実施態様において、界面活性剤はリン酸エステルである。
【0008】
別の実施態様において、本発明は、グリコールエーテルとリン酸エステルとを含む洗浄組成物を提供する。なおも別の実施態様において、グリコールエーテル、リン酸エステル及び水を含む洗浄組成物が提供される。さらに別の実施態様において、グリコールエーテル、リン酸エステル、中和剤及び水を含む洗浄組成物が提供される。
【0009】
なおも他の実施態様において、本発明は、このような洗浄組成物を調製し、該洗浄組成物を使用して多様な基材を洗浄する方法を提供する。一実施態様において、本発明の洗浄組成物は、水溶性及び水不溶性の混入物を両者とも基材から除去するのに有用である。
【0010】
本発明のこれらの及び他の実施態様は、以下にさらに詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に従った二容器洗浄システムのブロック線図である。
【0012】
【図2】図2は、本発明の一実施態様に従った単一容器洗浄システムのブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の詳細な記述)
本発明は、多様な形態で具現化されることが可能であるが、いくつかの実施態様に関する以下の記載は、本開示が本発明の例証として考慮されるべきであり、かつ説明される具体的な実施態様に本発明を制限するよう企図されるものではないという理解でなされる。見出しは、簡便さのために提供されるにすぎず、いずれの方法においても本発明を制限するよう解釈されるべきではない。見出しのもとで説明される実施態様は、その他の見出しのもとで説明される実施態様と組み合され得る。
【0014】
別段の明白な記載がない限り、本願において指定される多様な範囲における数値の使用は、示された範囲内の最小値及び最大値に両者とも「約」という単語が頭に付されるかのように、概算値として示される。この様式で、示された範囲の上下のわずかな変動は、該範囲内の値と実質的に同一の結果を達成するために使用できる。本明細書で使用されるように、「約」及び「ほぼ」という用語は、数値に対する引用の場合、問題となっていることに直接関係のある当業者に対して、該用語の平易かつ通常の意味を有することになっている。また、範囲の開示は、形成できるいずれの範囲とも同様に、列挙された最小値と最大値の間のあらゆる値を含む連続的な範囲として企図される。これには、有限の上限及び/又は下限と、列挙された既知の数値でその他の列挙される数値を除することによって導き出せる比とを含み又は含まない形成されることのできる範囲が含まれる。したがって、当業者は、このような多くの比、範囲及び比の範囲が、本明細書に呈されるデータ及び数から明確に由来することができ、このような比、範囲及び比の範囲がすべて、本発明の多様な実施態様を表すことを正しく認識するであろう。
【0015】
(有機溶媒)
一実施態様において、本発明の洗浄組成物は、1つ以上の有機溶媒を含む。本明細書の「有機溶媒」という用語は、固体、気体及び/又は液体を溶解する可能性を有し、かつ大気条件下で液体である炭素含有化合物を指す。
【0016】
一実施態様において、有機溶媒は、(a)高い安全性及び低い政府規制を可能にするために約100°F(約37.8℃)より高い引火点を有し、(b)一時的な排出を最小化するよう低い蒸発率を有し(例えば、酢酸n‐ブチル=100とする場合、30未満)、(c)不溶性粒子状土壌からなる土壌並びに、油及びグリースなど水又は溶媒に可溶性の混入物を除去でき、及び/又は(d)洗浄されている途中の布地へ混入物が再沈着するのを防止し又は減少させる。
【0017】
別の実施態様において、下記の物理特性のいずれか1つ以上を呈するいずれかの有機溶媒又は有機溶媒の混合物は、本発明に従った使用に適している:(1)約600〜約1050lb/in2の圧力でかつ約5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.7よりも大きな比重(一般的に、密度が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散について約7.2〜8.1(cal/cm31/2の、極性について約2.0〜4.8(cal/cm31/2の、及び水素結合について約4.0〜7.3(cal/cm31/2のハンセン溶解度パラメータ(Eastman Chemical Prodictsからの刊行物第M-167P番に引用される値に基づく。);(4)約200°F(約93.3℃)よりも高い引火点;及び/又は(5)約30よりも低い蒸発率(酢酸n‐ブチル=100とする場合)。
【0018】
ハンセン溶解度パラメータは、比較の目的のために溶媒を特徴づけるよう開発された。3つのパラメータ(すなわち、分散、極性及び水素結合)の各々は、溶解力に関する異なる特徴を表す。組み合わせにおいて、該3つのパラメータは、溶媒の全体的な強度及び選択性の尺度である。上述のハンセン溶解度パラメータの範囲は、広範な範囲の物質に適しかつ液状二酸化炭素においてある程度の溶解度も呈する溶媒を同定する。すでに言及された3つのパラメータの2乗の合計の平方根である総ハンセン溶解度パラメータは、有機溶媒の溶解力に関するより一般的な記述を提供する。
【0019】
実例として、プロピレングリコールn‐ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn‐ブチルエーテル及びトリプロピレングリコールメチルエーテルは、上述のパラメータすべてのうちに収まる;しかしながら、上述の特性の1つ以上に合致するいずれかの有機溶媒又は有機溶媒の混合物は、本発明における使用に適している。一実施態様において、溶媒は、上述のパラメータの2つ以上、3つ以上、又は4つ以上に合致する。別の実施態様において、有機溶媒は、前述の特徴の各々を呈する(すなわち、(1)〜(5)として同定される特徴)。
【0020】
別の実施態様において、有機溶媒は、商業上許容できる環境への影響及び毒性を有する(すなわち、関連するEPA、FDA又は他の政府規制に合致し又はそれより卓越している。)。以下の表1は、本発明の組成物において使用するのに適したいくつかの有機溶媒の物理的特性を示す。
【表1】

【0021】
表1に示される溶媒は、570psig/5℃〜830psig/20℃の二酸化炭素において可溶性である。エチレングリコールエチルエーテル及びエチレングリコールエチルエーテルアセテートについてはTaq Closed Cupを使用して;ジエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールt‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn‐ブチルエーテル、及びジプロピレングリコールn‐プロピルエーテルについてはSETA Flashを使用して;及びトリプロピレングリコールn‐ブチルエーテルについてはPensky Martens Closed Cupを使用して、引火点を測定した。蒸発率についての値は、酢酸n‐ブチル=100に基づいている。最後に、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテル、及びプロピレングリコールt‐ブチルエーテルについてはEastman Chemical Productsからの刊行物第M‐167P番から、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn‐ブチルエーテル、及びジプロピレングリコールn‐プロピルエーテルについては「洗浄剤及び介護の産業のための製品(Products for Cleaners and the Personal Care Industry)」, Arco Chemicals (1997)から、トリプロピレングリコールn‐ブチルエーテルについてはLyondell Chemical Companyから、比重、引火点、蒸発率及びハンセン溶解度パラメータを得た。
【0022】
なおも別の実施態様において、本発明において使用するのに適した有機溶媒には、下記のいずれかを単独で又は組み合わせで含まれる:環状テルペン、乳酸アルキル(例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル又は乳酸ブチル)含ハロゲン炭素化合物、グリコールエーテル、ポリオール、エーテル、グリコールエーテルのエステル、一塩基性カルボン酸のエステル、脂肪アルコール、短鎖アルコール、シロキサン、ヒドロフルオロエーテル、脂肪族炭化水素、二塩基性カルボン酸のエステル、ケトン及び非プロトン性溶媒。
【0023】
環状テルペン、特にα‐テルペン異性体、松根油、α‐ピネン異性体、及びd‐リモネン。さらに、下記の物理的特徴を呈するいずれかの環状テルペンが、本発明において使用するのに適している;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.0〜17.5(MPa)1/2の、極性については約0.5〜9.0(MPa)1/2の、水素結合については約0.0〜10.5(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0024】
含ハロゲン炭素化合物、特に下記の物理的特徴を呈する塩化炭化水素、フッ化炭化水素及び臭化炭化水素;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約1.100よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約10.0〜17.0(MPa)1/2の、極性については約0.0〜7.0(MPa)1/2の、水素結合については約0.0〜5.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0025】
グリコールエーテル、特に下記の物理的特徴を呈するモノ‐、ジ‐、トリエチレン並びにモノ‐、ジ‐及びトリプロピレングリコールエーテル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.0〜19.5(MPa)1/2の、極性については約3.0〜7.5(MPa)1/2の、水素結合については約8.0〜17.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0026】
ポリオール、特に2つ以上のヒドロキシルラジカルを含有しかつ下記の物理的特徴を呈するグリコール及び他の有機化合物;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.920よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約14.0〜18.2(MPa)1/2の、極性については約4.5〜20.5(MPa)1/2の、水素結合については約15.0〜30.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0027】
エーテル、特に遊離ヒドロキシルラジカルを含有せずかつ下記の物理的特徴を呈するエーテル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約14.5〜20.0(MPa)1/2の、極性については約1.5〜6.5(MPa)1/2の、水素結合については約5.0〜10.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0028】
グリコールエーテルのエステル、特に下記の物理的特徴を呈するグリコールエーテルのエステル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約15.0〜20.0(MPa)1/2の、極性については約3.0〜10.0(MPa)1/2の、水素結合については約8.0〜16.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0029】
下記の物理的特徴を呈する一塩基カルボン酸のエステル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.0〜17.0(MPa)1/2の、極性については約2.0〜7.5(MPa)1/2の、水素結合については約1.5〜6.5(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0030】
脂肪アルコール、特にヒドロキシル基近くの炭素鎖が5つ以上の炭素原子を含有し、かつ下記の物理的特徴を呈するアルコール;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.3〜18.4(MPa)1/2の、極性については約3.1〜18.8(MPa)1/2の、水素結合については約8.4〜22.3(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0031】
ヒドロキシル基近くの炭素鎖が4つ以下の炭素原子を含有し、かつ下記の物理的特徴を呈する短鎖アルコール;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.5〜18.0(MPa)1/2の、極性については約3.0〜9.0(MPa)1/2の、水素結合については約9.0〜16.5(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0032】
下記の物理的特徴を呈するシロキサン;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.900よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約14.0〜18.0(MPa)1/2の、極性については約0.0〜4.5(MPa)1/2の、水素結合については約0.0〜4.5(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0033】
下記の物理的特徴を呈するヒドロフルオロエーテル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約1.50よりも大きな比重;(3)分散については約12.0〜18.0(MPa)1/2の、極性については約4.0〜10.0(MPa)1/2の、水素結合については約1.5〜9.0(MPa)1/2の全体のハンセン溶解度パラメータ。
【0034】
下記の物理的特徴を呈する脂肪族炭化水素;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.700よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約14.0〜17.0(MPa)1/2の、極性については約0.0〜2.0(MPa)1/2の、水素結合については約0.0〜2.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0035】
下記の物理的特徴を呈する二塩基性カルボン酸のエステル;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.900よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.5〜18.0(MPa)1/2の、極性については約4.0〜6.5(MPa)1/2の、水素結合については約4.0〜11.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0036】
下記の物理的特徴を呈するケトン;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.800よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約13.0〜19.0(MPa)1/2の、極性については約3.0〜8.0(MPa)1/2の、水素結合については約3.0〜11.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0037】
非プロトン性溶媒。非プロトン性溶媒には、上述の溶媒群のいずれにも属さず、解離できる水素を含有せず、かつ下記の物理的特徴を呈する溶媒が含まれる;(1)600〜約1050lb/in2の圧力かつ5〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶;(2)約0.900よりも大きな比重(比重が高ければ高いほど、有機溶媒はより良好である。);(3)分散については約15.0〜21.0(MPa)1/2の、極性については約6.0〜17.0(MPa)1/2の、水素結合については約4.0〜13.0(MPa)1/2のハンセン溶解度パラメータ。
【0038】
さらに別の実施態様において、上述の群の有機溶媒の各々に関して記載される3つの物理的特性に加えて、有機溶媒はさらに、下記の物理的特性の1つ以上を呈する:(4)100°Fよりも高い引火点;及び(5)約50よりも低い蒸発率(酢酸n‐ブチル=100の場合)。別の実施態様において、有機溶媒は、上述の群の1つ以上から選択され、(1)〜(5)として同定される特徴の2つ以上、3つ以上、4つ以上または5つすべてを呈する。
【0039】
以下の表2は、本発明において使用するのに適し得るいくつかの有機溶媒の物理的特性を示す。表2において、溶媒は、570psig/5℃〜830psig/20℃で二酸化炭素に可溶である。
【表2】


* フェニル‐ω‐ヒドロキシ‐ポリ(オキシ1,2エタンジイル):Azko Nobel
** Exxate 1000; Exxon
*** Exxate 1300; Exxon
+ Soy Gold 1100; AG Environmental Products
++ SF 1204; General Electric Silicones
a Barton A.F.M.の文献(「溶解度パラメータ及び他の粘着パラメータに関するハンドブック第2版(Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion
Parameters, 2nd Edition)」; CRC Press, 1991(ISBN 0‐8493‐0176‐9))
b Wypych, Georgeの文献(「溶媒のハンドブック(Handbook of Solvent)」, 2001; ChemTee(ISBN 1‐895198‐24‐0)
c AG Environmental Products, ウェブサイト
d 概算値
e Clean Tech予稿集 1998, pg92
f Fluorochem USA
g GEシリコーン液ハンドブック(GE Silicones Fluids Handbook)、会報第59号(9/91)
h R.F.Fedoersの文献(「Fedors法:重合体の工学及び化学(Fedors Method: Polymer Engineering and Science)」, 1974
【0040】
一実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部分から構成される:
CaHjHkOz
(一般的な化学式A)
(式中:
a=5n及び1≦n≦3;
0≦z≦4;
0≦j,k≦(10n+2);かつ
8≦(j+k)≦(10n+2);
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0041】
一般的な化学式Aによって記載される有機溶媒に関する制限のない例には、松根油、d‐リモネン、ジペンテン、ミルセン、ピネン、及びα‐テルピネオールが含まれる。
【0042】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部分から構成される:
CnXjHk
(一般的な化学式B)
(式中:
1≦n≦22;
0≦j,k≦(2n+2);かつ
(2n−4)≦(j+k)≦(2n+2);
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0043】
一般的な化学式Bによって記載される有機溶媒のいくつかの例には、臭化n‐プロピル、1,1,2‐トリクロロトリフルオロエタン、ペルフルオロヘキサン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン及びイソオクタデカン等のイソパラフィン、並びにn‐デカン、n‐ウンデカン、n‐ドデカン、n‐トリデカン、n‐テトラデカン、n‐ペンタデカン、n‐ヘキサデカン及びn‐オクタデカン等のn‐パラフィンが含まれる。
【0044】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部分から構成される:
【化1】

(式中:
Ri=O、S、C、
【化2】

であり、
Rii=CkHsXt又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
Riv=CjHqXr又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
0≦j,k≦18;かつ
0≦(j+k)≦18;
0≦q,r≦(2j+1);かつ
1≦(q+r)≦(2j+1);
0≦s,t≦(2j+1);かつ
1≦(s+t)≦(2k+1);
j=0の場合、r=0;
k=0の場合、t=0;
R1‐4及びR9‐12が独立してCmHnXpであり、
(式中、0≦m≦2;
1≦(n+p)≦5;かつ
(n+p)=(2m+1));
R5‐8及びR13‐16が独立してCaHbXdであり、
(式中、aは0又は1であり;
1≦(b+d)≦3;かつ
(b+d)=(2a+1));及び
各Xは独立して、F、Cl、Br又はIである。)。
【0045】
一般的な化学構造1によって記載される有機溶媒のいくつかの例には、α‐フェニル‐ω‐ヒドロキシ‐テトラ(オキシ‐1,2‐エタンジイル)及びテトラエチレングリコールジメチルエーテルが含まれる。
【0046】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部分から構成される:
【化3】

(式中:
0≦x,y,z≦1;かつ
1≦(x+y+z)≦3;
Ri=O、S、C、
【化4】


Rii=CkHsXt又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
Riv=CjHqXr又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
j又はkは0に等しくてもよく;
j=0の場合、[14-3(x+y+z)]≦k≦[37−3(x+y+z)]であり;
k=0の場合、[14-3(x+y+z)]≦j≦[37−3(x+y+z)]であり;
j=0でもk=0でもない場合、[14-3(x+y+z)]≦(j+k)≦[37-3(x+y+z)]であり;
1≦(q+r)≦(2j+1);
1≦(s+t)≦(2k+1);
R1‐3及びR7‐9は独立して、CmHnXpであり、
(式中、0≦m≦2;
1≦(n+p)≦5;かつ
(n+p)=(2m+1));
R4‐6及びR10‐12は独立して、CaHbXdであり、
(式中、aは0又は1であり;
1≦(b+d)≦3;かつ
(b+d)=(2a+1));及び
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0047】
一般的な化学構造2によって記載される有機溶媒のいくつかの例には、トリエチレングリコールモノオレイルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、メトキシトリグリコール、エトキシトリグリコール、ブトキシトリグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn‐ブチルエーテル、プロピレングリコールt‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn‐プロピルエーテル、及びエチレングリコールフェニルエーテルが含まれる。
【0048】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
CnHjXk(OH)r
(一般的な化学式C)
(式中:
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIであり;
1≦n≦22
0≦r≦4;
0≦j,k≦(2n+2-r)かつ
4≦(j+k)≦(2n+2-r)である。)。
【0049】
一般的な化学式Cによって記載される有機溶媒のいくつかの例には、ヘキシレングリコール、1,4‐ブタンジオール、グリセリン、ラウリルアルコール、n‐ヘキサノール及び2‐エチルヘキサノールが含まれる。
【0050】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
CnHjXkOb
(一般的な化学式D)
(式中:
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIであり;
2≦n≦32
0≦j,k≦(2n+2);
6≦(j+k)≦2n+2;かつ
1≦b≦6である。)。
【0051】
一般的な化学式Dによって記載される有機溶媒のいくつかの例には、ジ‐n‐ブチルエーテル、ジ‐n‐アミルエーテル、1‐メトキシノナフルオロブタン、1‐エトキシノナフルオロブタン、3‐エトキシ‐2‐トリフルオロメチルペルフルオロヘキサン、及びアニソールが含まれる。
【0052】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
【化5】

(式中:
0≦w,x,y,z≦1;
1≦(w+x+y+z)≦4;
Ri=O、S、C、
【化6】


Rii=CkHaXb又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
Riii=CjHuXv又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
0≦(j+k)≦[34−3(w+x+y+z)];かつ
0≦u,v≦(2j+1);かつ
(2j−7)≦(u+v)≦(2j+1);かつ
0≦a,b≦(2k+1);かつ
(2k−7)≦(a+b)≦(2k+1);
R1‐4及びR9‐12は独立して、CmHnXpであり、
(式中0≦m≦2;
1≦(n+p)≦5;かつ
n+p=2m+1);
R5‐8及びR13‐16は独立して、CqHsXtであり、
(式中、qは0又は1であり;
1≦(s+t)≦3;かつ
(s+t)=(2q+1));及び
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0053】
一般的な化学構造3によって記載される有機溶媒のいくつかの例には、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn‐ブチルエーテル、プロピレングリコールt‐ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn‐ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、及びプロピレングリコールフェニルエーテルが含まれる。
【0054】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
【化7】

(式中:
0≦w,x,y,z≦1;かつ
1≦(w+x+y+z)≦4;
Ri=O、S、C、
【化8】


Rii=CkHaXb又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
Riv=エステル又はカルボニル;
Rv=CjHuXv又はベンジル、フェニル、部分的に又は完全にフッ素化したベンジル又はフェニル;
0≦(j+k)≦[34−3(w+x+y+z)];
0≦u,v≦(2j+1);
(2j−7)≦(u+v)≦(2j+1);
0≦a,b≦(2k+1);
(2k−7)≦(a+b)≦(2k+1);及び
R1‐4及びR9‐12は独立してCmHnXpであり、
(式中、0≦m≦2;
1≦(n+p)≦5;かつ
n+p=2m+1);
R5‐8及びR13‐16は独立してCqHsXtであり、
(式中、qは0又は1であり;
1≦(s+t)≦3;かつ
(s+t)=(2q+1));及び
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0055】
一般的な化学構造4によって記載される有機溶媒のいくつかの例には、エチレングリコールジアセテート、及びプロピレングリコールジアセテートが含まれる。
【0056】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
Cn(CO2mHaXb
(一般的な化学式D)
(式中:
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIであり;
2≦n≦38;
1≦m≦3;
0≦a,b≦(2n+2);かつ
(2n−2)≦(a+b)≦(2n+2)である。)。
【0057】
一般的な化学式Dによって記載される有機溶媒の例には、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジエチル、酢酸2‐エチルヘキシル、酢酸n‐ヘキシル、酢酸n‐アミル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸n‐ブチル、プロピオン酸n‐アミル、三酢酸グリセロール、及びダイズメチルエステルが含まれる。
【0058】
別の実施態様において、本発明の洗浄組成物は、下記の一般的な化学式の有機溶媒を含む:
Cn(CO3mHaXb
(一般的な化学式E)
(式中:
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIであり;
2≦n≦18;
0≦a,b≦(2n+2);かつ
(2n−4)≦(a+b)≦(2n+2)である。)。
【0059】
一般的な化学式Eによって記載される有機溶媒のいくつかの例には、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、及び炭酸ジフェニルが含まれる。
【0060】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
【化9】

(式中:
R1=CjHaXb
(1≦j≦6
0≦a,b≦(2j+1);かつ
(2j−7)≦(a+b)≦(2j+1));
R2=CkHdXe
(1≦k≦6;
0≦d,e≦(2k+1);かつ
(d+e)=(2k+1));
R3=CmHfXg
(1≦m≦6;
0≦f,g≦(2m+1);かつ
(f+g)=(2m+1));及び
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0061】
一般的な化学構造5によって記載される有機溶媒のいくつかの例には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、及びリン酸トリブチルが含まれる。
【0062】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
SOeCnHjXk
(一般的な化学式F)
(式中:
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIであり;
1≦e≦2;
2≦n≦8;
0≦j,k≦(2n+2);かつ
2n≦(j+k)≦(2n+2)である。)。
【0063】
一般的な化学式Fによって記載される有機溶媒の例は、ジメチルスルホキシド及びスルホランである。
【0064】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学式を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
CnHyNaObXz
(一般的な化学式G)
(式中:
1≦n≦10;
1≦a,b≦2;かつ
a=b;
0≦y,z≦(2n+1);かつ
(2n−1)≦(y+z)≦(2n+1);
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0065】
一般的な化学式Gによって記載される有機溶媒のいくつかの例には、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドが含まれる。
【0066】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
【化10】

(式中:
0≦n≦500
各Rは独立してCaXyHzに等しく;
1≦a≦6;かつ
0≦y,z≦(2a+1);
かつ(y+z)=(2a+1);
各Xは独立して、F、Cl、Br、又はIである。)。
【0067】
一般的な化学構造6によって記載される溶媒の例は、ジメチコンである。
【0068】
別の実施態様において、有機溶媒は、下記の一般的な化学構造を有する化学物質の少なくとも一部から構成される:
【化11】

(式中:
2≦n≦4;
各Rは独立してCaHyXzに等しく;
各Xは独立してF、Cl、Br、又はIであり;
1≦a≦6
0≦y,z≦(2a+1);かつ
(y+z)=(2a+1)である。)。
【0069】
一般的な化学構造7によって記載される溶媒の例は、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンである。
【0070】
本発明の別の実施態様において、有機溶媒は、一般的な化学構造8によって記載されるグリコールエーテルを含む:
【化12】

【0071】
上述の一般的な構造内に収まりかつ本発明の機能的パラメータを満たすグリコールエーテル化合物の完全な記載は、下付き文字「x」、「y」及び「z」によって同定されるサブユニットの数におけるいくらかの可変性を考慮する。下付き文字「x」、「y」及び「z」は各々、0又は1のいずれかであることができ、該下付き文字の値は各々、その他の2つの下付き文字の値とは独立している。すなわち、該下付き文字は、互いに異なる値を有することができる。しかしながら、「x」、「y」又は「z」の少なくとも1つは1である。R'基は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基の構造を有し;該構造は CjH2j+1である。下付き文字「j」は、1から、13−3(x+y+z)によって算出される差の値に及ぶ範囲の整数である。「x」、「y」及び「z」の少なくとも1つは常に1の値を有しなければならないので、「j」は4〜10の範囲の値を有する。R1、R2及びR3の基は各々独立して、H又はCH3のいずれかである。R1、R2及びR3の同一性は、互いに独立して選択され;それゆえ、R1及びR2はHであることができるのに対し、R3はCH3である。この化学構造によって包含されるグリコールエーテル化合物の種類には、モノ及びポリエチレン並びにプロピレングリコール脂肪族エーテルが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0072】
本発明の洗浄方法において使用できる有機溶媒組成物の別の群には、下記の化学構造を有するものとして記載できる溶媒が含まれる:
【化13】

【0073】
下付き文字「x」、「y」及び「z」は各々、0又は1のいずれかであることができ、該下付き文字の各値は、その他の2つの下付き文字の値とは独立している。すなわち、該下付き文字は互いに異なる値を有することができる。しかしながら、「x」、「y」又は「z」の少なくとも1つは1である。
【0074】
R''は、ベンジル、フェニル、それらのフッ素化した及び部分的にフッ素化した類似体、CjH2j+1、又はCjHaFbの構造を有する。下付き文字「j」は、1から、13−3(x+y+z)によって算出される差の値に及ぶ範囲の整数である。下付き文字の値「a」及び「b」は、0から2j+1までの範囲であり;かつa+b=2j+1である。「x」、「y」及び「z」の少なくとも1つは常に1の値を有しなければならないので、「j」は、4〜10の範囲の値を有する。R'基は、O、S、カルボニル又はエステルの基のいずれか1つであることができる。最後に、R1‐12は、CmHnXp又はCdHeFgの一般式を有する。下付き文字「m」、「n」及び「p」は、下記の通り記載される値を有する:「m」は0〜2の範囲の整数であり;「n」及び「p」は0〜5の範囲の整数であり;かつn+p=2m+1である。下付き文字「d」、「e」及び「g」は、下記の通り記載される値を有する:「d」は0〜2の範囲の整数であり;「e」及び「g」は0〜5の範囲の整数であり;かつe+g=2d+1である。この化学構造によって包含されるグリコールエーテル化合物の種類には、芳香族、脂肪族、並びにフッ素化した及び部分的にフッ素化した脂肪族及び芳香族モノ及びポリグリコールエーテル及びチオエーテル、並びにそれらのカルボニル誘導体及びエステル誘導体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0075】
また、上述の一般的な化学構造9は、以下の表3に示されるように、多様なサブグループへさらに分解されることができる。
【表3】



【0076】
上述の表3に記載された群の各々において、R1‐12は、記載の簡便さのため、R1‐3、R4‐6、R7‐9、及びR10‐12として互いにグループ化される。グループの個々の構成要素が異なる元素であることができる場合、該元素は、図表において代わりになるものとして記載されている。例えば、R1‐3は、「H又はF」として記載され得る。本明細書で付与された溶媒化合物において、R1、R2及びR3の各々はHであり得、又はR1、R2及びR3の各々はFであり得る。或いは、R1及びR2はHであり得るのに対し、R3はFであり、並びに「H」と「F」との多様な組み合わせによるその他である。このことは、本明細書におけるすべての表を通じて同一である。
【0077】
適切な有機溶媒の別の群には、下記の化学構造を有するものとして記載できる溶媒が含まれる:
【化14】

【0078】
一般的な化学構造10において、下付き文字「x」、「y」及び「z」は各々、0又は1のいずれかの値を有するが、「x」、「y」及び「z」の少なくとも1つは1の値を有する。R''基は、CjH2j+1又はCjHuFvの構造を有し、RIV基は、CkH2k+1又はCkHrFsの構造を有する。下付き文字「j」及び「k」の値は、1から、13−3(x+y+z)の値に及ぶ整数である。それゆえ、下付き文字「j」及び「k」は、1から最大値10に及ぶ整数を有することができる(「x」、「y」及び「z」のうちの2つが0である場合)。さらに、j+kの合計は、2から、13−3(x+y+z)の値に及ぶ整数である。下付き文字「u」及び「v」は、0〜2j+1の範囲の整数であり;かつu+v=2j+1である。下付き文字「r」及び「s」は、0〜2k+1の範囲の整数であり;かつr+s=2k+1である。
【0079】
一般的な化学構造10をさらに定義するうえで、R1‐3基及びR10‐12基は、水素(「H」)、フッ素(「F」)、メチル(「CH3」)、エチル(「CH2CH3」)、又は部分的に若しくは完全にフッ素化したメチル基若しくはエチル基であることができる。R1‐3及びR10‐12の各一は、本発明によって熟慮される上述の多様な組み合わせを達成するよう互いとは独立して選択される。一般的に、R1‐3はCmHnFpの式を有する。下付き文字「m」、「n」及び「p」は、下記の通り記載される値を有する:「m」は、0〜2の範囲の整数であり;「n」及び「p」は、0〜5の範囲の整数であり;かつn+p=2m+1である。さらに、R4‐9基は各々、水素基、フッ素基又はメチル基であることができる。他の基のように、R4‐9の各々の同一性は、その他の基の同一性とは独立して選択される。最後に、一般的な化学構造RにおけるR'基の同一性は、O、S、カルボニル基又はエステル基のいずれかである。一般的な化学構造Rによって特徴づけられる溶媒化合物の各々は、本発明の組成物における有機溶媒として使用するのに適している。この化学構造によって包含されるグリコールエーテル化合物の種類には、脂肪族の並びにフッ素化した及び部分的にフッ素化した脂肪族のモノ及びポリグリコールジエーテル及びエーテルチオエーテル並びにそれらのカルボニル誘導体及びエステル誘導体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0080】
また、上述の一般的な化学構造10は、以下の表4に示されるように、多様なサブグループへさらに分解できる。
【表4】


【0081】
上述の表4に記載される基の各々において、R1‐12の1つ以上がともに記載される。例えば、R1‐3は、「独立してH又はCH3」として記載され得る。本明細書により付与された溶媒化合物において、R1、R2及びR3の各々はHであり得、又はR1、R2及びR3の各々はCH3であり得る。或いは、R1及びR2はHであり得るのに対し、R3はCH3であり、並びに「H」と「CH3」との多様な組み合わせによるその他である。
【0082】
別の実施態様において、有機溶媒は下記の構造式に属する:
【化15】

【0083】
一般的な化学構造11において、下付き文字「x」、「y」及び「z」は各々、0又は1のいずれかの値を有するが、「x」、「y」及び「z」の少なくとも1つは1の値を有する。R''基は、Hであるか又は下記の構造の1つを有するかのいずれかである:
【化16】

【0084】
式中、R'''がH、F又はHとFとの組み合わせであり、RIV基はHであるか又は下記の構造のうちの1つのいずれかである:
【化17】

【0085】
式中、RVは、H、F又はHとFとの組み合わせである。R''がH又はFである場合、RIVはH又はFではない。
【0086】
R'''基及びRV基は、H基又はF基又はHとFとの組み合わせのいずれかである。それゆえ、付与されたR''基又はRIV内で、R'''基及びRV基は両者とも水素及びフッ素であることができ;該R'''基及びRV基は、水素又はフッ素だけであることに限定されるわけではない。一般的な化学構造11をさらに定義するうえで、R1‐3基は、H、F、CH3、CH2F、CHF2又はCF3であることができる。R4‐12の各一は独立して、H又はFのいずれかである。
【0087】
別の実施態様において、有機溶媒は下記の構造式を有する:
【化18】

【0088】
一般的な化学構造12において、R'は下記である:
【化19】

【0089】
及びR''は下記である:
【化20】

【0090】
各R'''は独立してO又はNである。R'''がOである場合、jは1である。R'''がNである場合、jは2である。各RIVは独立してH、CH3又はCH2CH3であり、かつk、n、r及びsは包括的に0〜2の整数である。RはCyH2y+1であり、かつyは包括的に1〜(23−(3k+3n+x))の整数であり、又は包括的に1〜(23−(4r+4s+x)の整数であり、かつxは包括的に1〜(23−(3k+3n+y))の整数であり、又は包括的に1〜23−(4r+4s+y)の整数である。
【0091】
別の実施態様において、有機溶媒は下記の構造式に属する:
【化21】

【0092】
一般的な化学構造13において、R'及びR''は下記のとおりである:R'は
【化22】

であり;かつR''は
【化23】

であり、式中nは包括的に2〜15の整数であり、かつzは包括的に0〜nの整数である。各RIVは独立して、H、CH3又はCH2CH3である。RはCyH2y+1であり、かつyは包括的に1〜(36−(3n+x))の整数であり、かつxは包括的に1〜(36−(3n+y))の整数であり、かつ3n+x+yは36以下であり、かつmは0又は1である。
【0093】
(洗浄添加物)
一実施態様において、本発明の洗浄組成物は、本明細書で「添加物」とも呼ばれる1つ以上の洗浄添加物を含む。本明細書の「洗浄添加物」は、洗浄組成物の洗浄能力を高め、又は洗浄されている最中の基材に望ましい特徴を付与する化合物又は成分である。
【0094】
本発明の多様な実施態様において有用な洗浄添加物に関する制限のない例には、水、洗剤、洗浄補助剤(例えば、溶媒、漂白剤(bleach)、酵素、分散剤及び懸濁剤)、整粒剤(sizing agent)、織物コンディショナー、撥水剤、撥土剤(soil repellent)、芳香剤、脱臭剤、光学漂白剤(optical whitener)、殺生物剤、帯電防止剤、消泡剤、腐食阻害剤、粘性改質剤、屈水性誘発物質(hydrotrope)等が含まれる。このような洗浄添加物は、本発明の洗浄組成物に例えば0〜99重量%、例えば、約0.001、約0.01%、約0.1%、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の量で、又はそれにより形成可能な範囲の%内で任意に存在し得る。
【0095】
洗剤は、(a)水溶性土壌の除去を助けるために湿気を保持でき、(b)不溶性土壌を基材から除去するのを助けることができ、(c)土壌が織物から除去された後に該土壌を懸濁できかつ再付着を防止し/低下させることができ;及び/又は(d)しみの除去を補助するものとして作用できる物質である。洗剤の電荷に基づいて及び洗剤がどのように保水するかに基づいて、洗剤に関する3つの分類がある:陰イオン性洗剤は、可溶化/乳化によって負に帯電しかつ保水し;非陰イオン性洗剤は、可溶化/乳化によって帯電せずかつ保水し;陽イオン性洗剤は、可溶化/乳化によって正に帯電しかつ保水する。
【0096】
洗剤に関する制限のない例には、下記の一般的なクラスに由来する界面活性剤(surfactant)(界面活性剤(surface-active agent)とも呼ばれる。)が含まれる:アルコール、アルカノールアミド、アルカノールアミン、アルキルアリールスルホナート、アルキルアリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸の塩、アルキルベンゼンのスルホナート及びスルファート、αオレフィン、酢酸アミン、酸化アミン、アミン、スルホン化アミン及びアミド、ベタイン、ベタイン誘導体、ブロック重合体及びブロック共重合体、カルボキシル化アルコール又はアルキフェノール(alkyphenol)エトキシラート、カルボン酸及び脂肪酸、カルボン酸及び脂肪酸の塩、スルホン酸ジフェニル誘導体、エトキシ化アルコール、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化アミン及び又はアミド、エトキシ化アリールフェノール、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪エステル及び油、脂肪エステル、フルオロカーボンベースのグリセロールエステル、イミダゾリン及びイミダゾリン誘導体、イセチオナート、ラノリンベースの誘導体、レシチン及びレシチン誘導体、リグニン及びリグニン誘導体、無水マレイン酸又は無水コハク酸、メチルエステル、モノグリセリド及びグリセロールエステルの誘導体、スルホン酸オレフィン、リン酸エステル、亜リン酸有機誘導体、ポリエチレングリコール、重合体(ポリアッカリド(polyaccharide)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド)、プロポキシ化及びエトキシ化脂肪酸アルコール又はアルキルフェノール、タンパク質ベースの界面活性剤、第四級界面活性剤、サルコシン誘導体、シリコーンベースの材料、石鹸、イセチオン酸ナトリウム、ソルビタン誘導体、ショ糖及びグルコースのエステル及び誘導体、油及び脂肪酸のスルファート及びスルホナート、スルファート及びスルホン酸化エトキシ化アルキルフェノール、アルコールのスルファート、エトキシ化アルコールのスルファート、脂肪エステルのスルファート、ベンゼンクメントルエン及びキシレンのスルホナート、濃ナフタレンのスルホナート、ドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホナート、ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホナート、石油のスルホナート、スルホスクシナマート、スルホスクシナート及び誘導体、タウラート、チオ及びメルカプト誘導体、トルエンスルホン酸、トリデシル及びドデシルベンゼンスルホン酸。
【0097】
適切な界面活性剤は、陽イオン性又は陰イオン性又は非陰イオン性であることができる。具体的な界面活性剤に関する制限のない例には下記が含まれる:(1)McIntyre Groupから入手可能なMackamide(登録商標)ISA;Uniqema, Chemicalから入手可能なMonamide(登録商標);Stepan Companyから入手可能なNinol L‐9等のアカノールアミド(akanolamide);(2)Akzo‐Nobelから入手可能なWitconate 1240等のスルホン酸アルキルアリール;(3)Stepan Companyから入手可能なAmmonyx(登録商標)MO等の酸化アミン;(4)Akzo Nobelから入手可能なArmeen(登録商標)C等のアミン;(5)McIntyre Groupから入手可能なMackam(登録商標)BC‐39等のベタイン;(6)Harcros Chemicalsから入手可能なT‐Det(登録商標)BP‐1等のブロック共重合体;(7)Croda, Inc.から入手可能なIncrodet(登録商標)TD7‐C等のアルキフェノール(alkyphenol)エトキシラート、(8)Lambent Technologiesから入手可能なLumulse(登録商標)40‐L等のエトキシ化脂肪酸;(9)Shell Chemicalから入手可能なNcodol(登録商標)45‐7等のエトキシ化アルコール、(10)Colonial Chemicalから入手可能なColafax(登録商標)3376、オクチルフェノールリン酸エステル、例えばエトキシ化(例えば、3〜15、4〜10又は7〜10モル)ノニルフェノールリン酸エステル、エトキシ化(例えば、3〜15、4〜10又は7〜10モル)イソデシルアルコールリン酸エステル、エトキシ化直鎖又は分岐鎖アルコールC8‐C10リン酸エステル、例えばエトキシ化直鎖アルコールC8‐C10リン酸エステル、又はエトキシ化(例えば、3〜15、4〜10又は7〜10モル)オクチルフェノールリン酸エステル等のリン酸エステル含有化合物;(11)Akzo‐Nobelから入手可能なArquad(登録商標)2HT‐75等の第四級界面活性剤;(12)Pilot Chemicalから入手可能なCalfoam(登録商標)SLS‐30等のアルコールのスルファート及び(13)Stepan Companyから入手可能なBiosoft(登録商標)S‐100等のドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩。
【0098】
本明細書の「リン酸エステル含有化合物」という用語は、下記のリン酸エステル機能基を含有する化合物を指す:
【化24】

(式中、R基のいずれかは、水素又はいずれかの有機ラジカルであることができる。)。
【0099】
所望の場合、1つ以上の洗剤は、約0.001〜約90重量%若しくは容量%、約0.1〜約40重量%若しくは容量%、又は約1〜約20重量%若しくは容量%の量で、又は前述の範囲内の数によって形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に任意に存在する。別の実施態様において、1つ以上の洗剤は、約0.01、0.5重量%若しくは容量%、0.75重量%若しくは容量%、1重量%若しくは容量%、2重量%若しくは容量%、3重量%若しくは容量%、4重量%若しくは容量%、5重量%若しくは容量%、6重量%若しくは容量%、7重量%若しくは容量%、8重量%若しくは容量%、9重量%若しくは容量%、10重量%若しくは容量%、11重量%若しくは容量%、12重量%若しくは容量%、13重量%若しくは容量%、14重量%若しくは容量%、15重量%若しくは容量%、16重量%若しくは容量%、17重量%若しくは容量%、18重量%若しくは容量%、19重量%若しくは容量%、20重量%若しくは容量%、21重量%若しくは容量%、22重量%若しくは容量%、23重量%若しくは容量%、24重量%若しくは容量%又は25重量%若しくは容量%の量で、本発明の組成物に任意に存在する。
【0100】
本発明の組成物は、1つ以上の中和剤を任意に含む。中和剤は、洗浄組成物において酸性又は塩基性の化合物を中和する薬剤である。本発明において有用な中和剤には、弱い又は強い塩基又は酸としての活性を有する薬剤が含まれる。
【0101】
一実施態様において、本発明に従って有用な中和剤はアミン化合物を含む。アミン化合物は、炭素鎖の長さが2〜22(C2‐22)の第一級、第二級及び第三級アミンを含むことができるが、これらに限定されるわけではない。窒素へ付着した炭素鎖は直鎖又は分岐鎖であることができ、アルコール、アミド、エステル又はケトンの基を任意に含有できる。2つ以上の窒素を含有する化合物は、2つ以上の炭素鎖を含有する化合物と同様に可能である。また、アミンはエトキシ化され又はプロポキシ化されることができる。アミン化合物の具体的な例には、下記が含まれるがこれらに限定されるわけではない:アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、Armeen(登録商標)C、Armeen(登録商標)2C、Armeen(登録商標)316、Duomeen(登録商標)T、Ethomeen(登録商標)O/12、Propomeen(登録商標)T/12(すべてAkzo‐Nobel Chemicalから入手可能)。
【0102】
別の実施態様において、中和剤は、元素周期表に規定されるIa群、IIa群及び/又は遷移金属の塩を含む。Ia群の金属の塩に関する制限のない例には下記が含まれる:重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、三ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、及びリン酸三ナトリウム。
【0103】
IIa群の金属の塩に関する制限のない例には、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、重炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウム、アルミン酸メタケイ酸塩(metasilicate aluminate)、及び酸化マグネシウムが含まれる。遷移金属の適切な塩に関する制限のない例には、水酸化亜鉛が含まれる。
【0104】
所望の場合、1つ以上の中和剤は、約0.001〜約20%、約0.005〜約10%、約0.01〜約5%、約0.1〜約2.5%の量で、又は前述の範囲内のいずれかの量で、本発明の組成物に任意に存在する。他の実施態様において、中和剤は、約0.001%、0.01%、0.1%、約0.25%、約0.5%、約0.75%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%の量で、又はそれにより形成可能ないずれかの範囲内で存在する。
【0105】
一実施態様において、中和剤は、洗浄組成物の他の構成要素と直接的に混合できる。別の実施態様において、1つ以上の中和剤は、溶液(例えば、水溶液)、例えば水酸化カリウム溶液(例えば、水における約1〜約90%)として調製できる。次に、このような中和剤溶液は、約0.0001〜約99重量%若しくは容量%、約0.001〜約40重量%若しくは容量%、又は約0.01〜約30重量%若しくは容量%の最終的な洗浄組成物を含むよう、洗浄組成物の他の構成要素と混合できる。添加される中和剤溶液の全体的な容量が、溶液における中和剤の濃度に依存することは理解されるであろう。このような中和剤又は中和剤溶液は典型的に、洗浄組成物における他の酸性又は塩基性の化合物を中和するのに十分な量で添加され、陽イオン性及び陰イオン性界面活性物質(界面活性剤)をそれぞれ形成するであろう。
【0106】
本発明の組成物は、1つ以上の洗浄補助剤を任意に含むことができる。洗浄補助剤には、基材から油性の種類の土壌を除去する有機溶媒の能力を増大させる溶媒が含まれる。洗浄補助剤の一般的なクラスに関する制限のない例には、炭化水素(例えば、オレフィン、シクロパラフィン、芳香族及びテルペン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化、フッ化、臭化、ヨウ化及びそれらの組み合わせ)、ニトロパラフィン、有機硫黄化合物、一価アルコール及びその誘導体(例えば、メタノール、エチルアルコール、n‐プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等)、多価アルコール及びその誘導体(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール)、フェノール、アルデヒド(例えば、フルフラール)、エーテル(例えば、ジメチルエーテル及びイソプロピルエーテル)、グリコールエーテル、ケトン(例えば、メチルイソブチルケトン及びアセトン)、アミン、複素環化合物(例えば、2‐ピロリドン及びモルフォリン)、及びエステル(例えば、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アジピン酸エステル、シュウ酸エステル、乳酸エステル及び炭酸エステル)が含まれる。
【0107】
具体的な洗浄補助剤に関する制限のない例には下記が含まれる:R.R. Street & Co. Inc.から入手可能なPer Sec(登録商標)、R.R. Street & Co. Inc.から入手可能なDF‐2000(登録商標)、Brenntag Chemicalから入手可能なイソプロピルアルコール、Akzo‐Nobel Chemicalから入手可能なArmeen(登録商標)12、及びDow Chemicalから入手可能なエチレングリコールモノブチルエーテル。
【0108】
所望の場合、1つ以上の任意の洗浄補助剤が、約0.01〜約60重量%若しくは容量%、約0.1〜約40重量%若しくは容量%、又は約1〜約30重量%若しくは容量%の量で、或いはこのような範囲内のいずれかの具体的な量で、本発明の組成物に存在する。
【0109】
本発明の組成物は、1つ以上の漂白剤(bleach)を任意に含む。漂白剤は、酸化するもの又は還元するもののいずれかとして分類できる。酸化漂白剤に関する制限のない例には、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウム及び過酸化水素が含まれる。還元漂白剤に関する制限のない例には、重亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、硫酸チタン及びシュウ酸が含まれる。所望の場合、1つ以上の任意の漂白剤が、約0.01〜約60重量%、約0.1〜約40重量%、又は約1〜約30重量%の量で、或いは前述の範囲内のいずれかの具体的な量で、本発明の組成物に存在することができる。
【0110】
本発明の組成物は、1つ以上の酵素を任意に含む。酵素は、選択された土壌を基材から除去するのを助ける物質である。酵素に関する制限のない例には、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及びペクチナーゼが含まれる。適切な酵素に関する制限のない例には下記が含まれる:Alcalase(登録商標)3.0T、Celluzym(登録商標)0.7T及びTermamyl(登録商標)120L、すべてNovo Nordiskから入手可能。所望の場合、1つ以上の任意の酵素が、約0.001〜約25重量%若しくは容量%、約0.01〜約20重量%若しくは容量%、又は1〜15重量%若しくは容量%の量で、或いは前述の範囲内のいずれかの具体的な量で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0111】
本発明の組成物は、1つ以上の分散剤を任意に含む。分散剤は、洗浄液における除去された土壌粒子(例えば、洗浄されている最中の基材から除去される。)の安定性を増大させ、かつ該土壌粒子を分散させたままにするのを助ける材料である。分散剤のクラスに関する制限のない例には、ポリアクリラート共重合体、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、元来修飾されている粘土、及びリン酸エステルが含まれる。分散剤に関する制限のない例には、Noven Inc.から入手可能なGood‐rite(登録商標)K‐723、Alco Chemicalから入手可能なAlcosperse(登録商標)157、及びBASF Specialty Chemicalsから入手可能なMaphos(登録商標)60Aが含まれる。
【0112】
本発明の組成物は、1つ以上の懸濁剤を任意に含む。懸濁剤は、洗浄媒体内で土壌を懸濁するのを助ける化合物である。懸濁剤の適切なクラスに関する制限のない例には、アクリル重合体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、元来修飾されている粘土、キサンタンゴム等が含まれる。適切な懸濁剤に関する制限のない例には、Rohm & Haas Companyから入手可能なAcusol(登録商標)803、Novon Inc.から入手可能なCarbopol(登録商標)941NF、CP Kelco Chemicalから入手可能なKelfo(登録商標)、及びHercules Chemicalから入手可能なNatrosol(登録商標)HHRが含まれる。所望の場合、1つ以上の任意の懸濁剤が、約0.01〜約60重量%、約2〜約40重量%、若しくは約5〜約30重量%の量で、又はそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に存在する。
【0113】
本発明の組成物は、1つ以上の整粒剤を任意に含む。整粒剤は、布地等の基材に剛性を付与するよう機能する材料である。実例として、整粒剤には、アクリルアミド、アクリル酸エステル、アルコール、脂肪族化合物、脂肪族エステル、芳香族化合物、芳香族エステル、セルロース材料、エーテル、ポリエステル等が含まれることができる。整粒剤に関する制限のない例には、ブチルメタクリル酸エステル/メタクリル酸エステル、メチルメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル/ヒドロキシルエステルアクリル酸エステル、酢酸ビニル、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニル、酢酸ビニル/クロトン酸エステル共重合体、テルペン、C5、酢酸ビニル/エチレン、メチルスチレン/ビニルトルエン、メチルスチレン、イソフタル酸/無水トリメリト酸、スチレン/無水マレイン酸、ヒドロキシプロピルセルロース、陽イオン性セルロース、エトキシ化セルロース、ヒドロキシプロピルグアー、酸化エチレン、イソブチレンエチルマレイミド/ヒドロキシマレイミド、メタクリル酸/アクリルアミドメチルナトリウム、スルホン酸プロパン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、四級化ビニルピロリドン、直鎖及び分岐鎖炭化水素材料並びにロジンのペンタエリトリトールエステルが含まれる。
【0114】
具体的な整粒剤に関する制限のない例には、Amphomer(登録商標)LV‐71 National Starch & Chemical Co.、International Specialty Products製のAquaflex(登録商標)FX-64、BASF Corporation製のLuviskol(登録商標)VA‐W、Eastman製のKristalex 3100炭化水素樹脂、及びAmerchol Corporation製のUnicare Polymer(登録商標)LKが含まれる。一実施態様において、整粒剤は、スチレンベースの重合体樹脂を含む。別の実施態様において、スチレンベースの重合体樹脂は、グリコールエーテルに可溶である。1つ以上の整粒剤は、所望の場合、約0.01〜約20重量%若しくは容量%、約0.1〜約10重量%若しくは容量%、又は約3〜約8重量%若しくは容量%、例えば、約0.1重量%若しくは容量%、約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%の量で、或いはそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0115】
本発明の組成物は、1つ以上の織物コンディショニング剤を任意に含む。織物コンディショニング剤は、基材に柔らかな感触を付与する材料である。織物コンディショニング剤の種類に関する制限のない例には、第四級アンモニウム塩、エトキシ化第四級アンモニウム塩、酸化アミン、アミド、第三級アミン、第三級アミン塩、粘土、シリコーン、及びシリコーン重合体が含まれる。具体的なコンディショニング剤に関する制限のない例には、Degussa Chemicalから入手可能なAdogen(登録商標)432、Akzo‐Nobel Chemicalから入手可能なArquad(登録商標)2HT‐75、Degussa Chemicalから入手可能なRewoquat(登録商標)SQ24、Magnisoft(GE Siliconesから入手可能なアミノシリコーン重合体)、及びDegussa Chemicalから入手可能なVarisoft(登録商標)222、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0116】
1つ以上の織物コンディショニング剤は、所望の場合、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、或いは前述の範囲内のいずれかの具体的な量で、本発明の組成物に存在することができる。
【0117】
本発明の組成物は、1つ以上の撥水剤を任意に含む。撥水剤は、基材から水をはじくのを助ける物質である。撥水剤の適切なクラスに関する制限のない例には、フルオロカーボン重合体、シリコーン重合体、第四級アンモニウム塩、蝋、ステアリン酸塩(stearate)等が含まれる。多様な実施態様において、撥水剤は、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パラフィン蝋、ポリエチレン蝋、Akzo‐Nobel Chemical製のArquad(登録商標)2HT‐75、International Specialty Products製のGanex(登録商標)V‐220、Rhodia Home Personal Care & Industrial Ingredients製のMirasil(登録商標)Wax‐B、Crompton Corp.製のWitco(登録商標)Calcium Stearate F、Du Pont Corporation製のZony(登録商標)8740、及びそれらの混合物から選択される。
【0118】
所望の場合、1つ以上の撥水剤は、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又は前述の範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%で本発明の組成物に存在する。
【0119】
本発明の組成物は、1つ以上の撥土剤を任意に含む。撥土剤は、基材から土壌をはじくのを助ける材料である。適切な撥土剤に関する制限のない例には、フルオロカーボン重合体、シリコーン重合体、第四級アンモニウム塩、ポリエチレン蝋、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムが含まれる。所望の場合、1つ以上の撥土剤は、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%で、或いはそれにより形成可能ないずれかの範囲内で本発明の組成物に存在することができる。
【0120】
本発明の組成物は、1つ以上の芳香剤を任意に含む。芳香剤は、基材へ望ましい香りを付与する物質である。芳香剤は、化学構造のうち、とりわけエステル又はケトンを含むことができる。実例となる芳香剤は、下記の企業から入手可能である:Bell Flavors & Fragrances, Northbrool, IL、Givavdan S.A., Geneva, Switzerland、及びInternational Flavors and Fragrances, New York, NY。所望の場合、1つ以上の芳香剤は、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば、約1重量%若しくは容量%約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%で本発明の組成物に典型的に存在する。
【0121】
本発明の組成物は、1つ以上の脱臭剤を任意に含む。脱臭剤は、悪臭を中和し又は遮断するのを助ける物質である。脱臭剤に関する制限のない例には、リシノール酸亜鉛、シクロデキストリン、及び芳香剤、又は臭気遮断剤が含まれる。実例となる1つの脱臭剤には、Degussa/Goldschmidt Chemicalから入手可能なTEGO(登録商標)Sorb Ready 24が含まれる。
【0122】
所望の場合、1つ以上の脱臭剤は、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%で、或いはそれにより形成可能ないずれかの範囲内で本発明の組成物に典型的に存在する。
【0123】
本発明の組成物は、1つ以上の光学漂白剤(optical whitening agent)(蛍光漂白剤、光学漂白剤(optical bleach)又は光学色素とも呼ばれる)を任意に含む。光学漂白剤は、基材の白さを改善する物質である。漂白剤に関する制限のない例には、4,4'‐ジスチリルビフェニルソディウムスルホナート(Ciba Specialty Chemicals製のTinopal(登録商標)CBSX)等の物質又はBurlington Chemical製のBurcofluor(登録商標)OBS100等のクマリン誘導体が含まれる。所望の場合、1つ以上の蛍光漂白剤は、約0.001〜約20重量%若しくは容量%、約0.01〜約10重量%若しくは容量%、又は約0.1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%の量で、或いはそれにより形成可能ないずれかの範囲内で本発明の組成物に典型的に存在する。
【0124】
本発明の組成物は、1つ以上の殺生物剤を任意に含む。殺生物剤は、基材が洗浄されている最中の溶媒において生物活性を低下させ又は排除する薬剤である。また、殺生物剤は、基材自体における生物活性を排除できる。殺生物剤に関する制限のない例には、第四級アンモニウム塩、ヒダントイン、炭酸塩、アルコール及び次亜塩素酸ナトリウムが含まれる。実例となる市販の一殺生物剤には、Faurlawn, N.J.のLonzaにより製造されているDantogard(登録商標)Plusが含まれる。Dantogard(登録商標)Plusは、白色結晶粉末の形態のヒダントイン誘導体化合物の混合物である。所望の場合、1つ以上の殺生物剤は、約0.001〜約20重量%、約0.01〜約10重量%、若しくは約0.1〜約8重量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、若しくは約15重量%で、又はそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0125】
本発明の組成物は、1つ以上の帯電防止剤を任意に含む。帯電防止剤は、洗浄されている最中の基材において静電気を減少させ又は排除する物質である。実例として、帯電防止剤は、第四級アンモニウム塩、エトキシ化第四級アンモニウム塩、酸化アミン、アミド、第三級アミン、第三級アミン塩及び粘土又は粘土誘導体を含むことができる。適切な帯電防止剤に関する制限のない例には、Akzo‐Nobel Chemicalから入手可能なArmostat(登録商標)550、Uniqema Chemicalから入手可能なAtmer(登録商標)163、Croda Chemicalから入手可能なIncroquat(登録商標)CTC-30、及びSouthern Clay Productsから入手可能なLaponite(登録商標)RDSが含まれる。
【0126】
所望の場合、1つ以上の帯電防止剤は、約0.01〜約20重量%若しくは容量%、約0.1〜約10重量%若しくは容量%、又は約1〜8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、若しくは約15重量%で、又はそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0127】
本発明の組成物は、1つ以上の消泡剤を任意に含む。消泡剤は、溶媒における気泡を減少させ又は排除する薬剤である。実例として、消泡剤は、アルコール、シリコーン、フルオロシリコーン及びそれらの誘導体を含むことができる。適切な消泡剤に関する制限のない例には、GE Siliconesから入手可能なAF‐70、Dow Corning 1510、及びClariant Corporationから入手可能なFluowet(登録商標)PL‐80が含まれる。所望の場合、1つ以上の消泡剤は約0.01〜約20重量%、約2〜約10重量%、又は約3〜約8重量%の量、例えば約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%、又はそれらのいずれかの組み合わせで、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0128】
本発明の組成物は、1つ以上の腐食阻害剤を任意に含む。腐食阻害剤は、金属表面における腐食を防止する。腐食阻害剤に関する制限のない例には、次亜リン酸ナトリウム一水和物、ホウ酸塩(borate)化合物、アルカノールアミド、重亜硫酸塩(bisulfite)、リン酸エステル及びアミンが含まれる。市販の腐食阻害剤に関する具体的な例には、Angus Chemicalから入手可能なAlkaterge(登録商標)E、Lubrizol Companyから入手可能なAqualox(登録商標)232H、Colonial Chemicalから入手可能なColalube(登録商標)3419EPL、及びDeForest Enterprisesから入手可能なDePhos(登録商標)8028FAが含まれる。所望の場合、1つ以上の腐食阻害剤は、約0.01〜約20重量%若しくは容量%、約0.1〜約10重量%若しくは容量%、又は約1〜約8重量%若しくは容量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%で、或いはそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0129】
本発明の組成物は、1つ以上の粘性改質剤を任意に含む。粘性改質剤は、洗浄媒体の粘性を増大させることのできる薬剤である。粘性改質剤に関する制限のない例には、アルカノールアミド、ポリアクリル重合体、元来修飾されている粘土、エトキシ化セルロース、キサンタンゴム、及びヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。適切な粘性改質剤に関する制限のない例には、Acusol(登録商標)830、Alkamide(登録商標)DC、Bentone(登録商標)34、Carbopol(登録商標)676、及びKeltrol(登録商標)HPが含まれる。所望の場合、1つ以上の粘性改質剤は、約0.001〜約20重量%、約0.01〜約10重量%、又は約0.1〜約8重量%の量で、又はこのような範囲内のいずれかの具体的な量、例えば約1重量%若しくは容量%、約2重量%若しくは容量%、約3重量%若しくは容量%、約4重量%若しくは容量%、約5重量%若しくは容量%、約6重量%若しくは容量%、約7重量%若しくは容量%、約8重量%若しくは容量%、約9重量%若しくは容量%、約10重量%若しくは容量%、約11重量%若しくは容量%、約12重量%若しくは容量%、約13重量%若しくは容量%、約14重量%若しくは容量%、又は約15重量%若しくは容量%で、又はそれにより形成可能ないずれかの範囲内で、本発明の組成物に典型的に存在する。
【0130】
前述の有機溶媒及び添加物は、当技術分野で公知のように複数の役割を有することができる。例えば、有機溶媒は、添加物としても機能できる(例えば、洗浄補助剤)。上述の有機溶媒及び添加物の分類は、いずれの様式においても制限するものとして解釈されるべきではない。また、具体的な様式で類別される添加物及び有機溶媒は、当業者によって容易に認識されるであろうように、異なる多様な部類の添加物又は有機溶媒のもとで機能し得る。
【0131】
別の実施態様において、本発明の洗浄組成物は、少なくとも1つの有機溶媒、少なくとも1つの界面活性剤、及び帯電防止剤、中和剤、整粒剤、光学漂白剤及び/又は水から選択される少なくとも1つのさらなる添加物を含む。関連する実施態様において、該少なくとも1つの有機溶媒は、約20〜約99.9重量%又は容量%の量で存在し、該少なくとも1つの界面活性剤は、約0.01〜約20重量%又は容量%の量で存在する。任意で、水は、約0.1〜約20重量%又は容量%の量で存在する。
【0132】
別の実施態様において、本発明の洗浄組成物は、約15〜約99.9重量%又は容量%の量の少なくとも1つの有機溶媒を、約0.01〜約60重量%又は容量%の量で少なくとも1つの界面活性剤を、約0.01〜約10重量%又は容量%の量で少なくとも1つの帯電防止剤を、約0.01〜約20重量%又は容量%の量で少なくとも1つの中和剤(例えば、水における約5〜約50%の中和剤の溶液)を、約0.01〜約10重量%又は容量%の量で少なくとも1つの整粒剤を、約0.01〜約5重量%又は容量%の量で少なくとも1つの光学漂白剤を、及び約0.01〜約20重量%又は容量%の量で水を含む。
【0133】
(洗浄組成物の調製)
本発明の洗浄組成物は、いずれかの適切な様式で調製できる。一実施態様において、洗浄組成物は、(1)有機溶媒容器に1つ以上の有機溶媒を提供すること;及び(2)第二の容器に添加組成物(本明細書で基礎洗剤製剤とも呼ばれる。)を提供することによって調製される。所望の場合、基礎洗剤製剤は、有機溶媒と組み合わされて、本発明の洗浄組成物を形成できる。このことは、いずれかの適切な様式で、例えば、(1)基礎洗剤製剤を有機溶媒容器へ転移させて洗浄液を形成すること、(2)第三の容器において(例えば、洗浄液タンク、洗浄容器又は洗浄ドラムにおいて)有機溶媒と基礎洗剤製剤とを組み合わせて洗浄液を形成すること、又は(3)有機溶媒を基礎洗剤製剤容器へ転移させて洗浄液を形成することによって達成できる。或いは、洗浄液のすべての構成要素は、単一の又は複数の容器において有機溶媒と添加物との段階を追った又は実質的に同時の混合を介して調製できる。
【0134】
別の実施態様において、洗浄組成物を製造する方法が提供され、該方法は、グリコールエーテル等の第一の有機溶媒、リン酸エステル含有化合物等の界面活性剤、及び中和剤をいずれかの順序で混合して、基礎洗剤製剤を形成する工程;及び基礎洗剤製剤を第一の有機溶媒と同一又は異別である第二の有機溶媒(例えば、グリコールエーテル)と、及び任意で、帯電防止剤、整粒剤、漂白剤(bleach)又は光学漂白剤(optical whitener)等の本明細書に記載される1つ以上の添加物といずれかの順序で組み合わせる工程を含む。水は、混合及び/又は組み合わせ工程の間のいずれかの時点で添加できる。
【0135】
洗浄組成物が、有機溶媒をすでに含有している容器(例えば、有機溶媒タンク)へ基礎洗剤製剤を添加することによって調製される場合、基礎洗剤製剤は、洗浄組成物の最終容量の約0.005〜約10%、約0.05〜約5%、又は約0.1〜約3%の量で典型的に添加されるであろう。
【0136】
別の実施態様において、基礎洗剤製剤は、洗浄用の容器、ホイール又はドラムへ直接添加され、そこで(そこに既に存在しており又はその後そこへ添加される)有機溶媒と組み合わされる。
【0137】
(基材)
本発明の洗浄組成物は、広範な種類の基材を洗浄するのに有用である。本発明の組成物で洗浄できる適切な基材に関する制限のない例には、衣類(綿、ポリエステル、絹又はそれらの配合物でできている。)、織物、厚地のカーテン類等)等の布地、可撓性基材(例えば、プラスチック、重合体、ゴム等)、精密基材(例えば、回路素子、マイクロプロセッサ、電子機器等)、金属基材、精緻な基材、並びに他の多孔性及び非多孔性及び基材が含まれる。
【0138】
(洗浄方法及びシステム)
本発明の洗浄組成物は、いずれかの適切な洗浄システムで多様な基材を洗浄するために使用できる。一実施態様において、本発明の洗浄組成物は、洗濯機等の従来の布地洗浄システムにおいて使用される。別の実施態様において、本発明の組成物は、図1及び図2に示されるような、及び以下にさらに詳細に記載されるような洗浄システムにおいて使用される。
【0139】
ところで図1に関して、布地を洗浄し及び乾燥させるための別々の容器を有する洗浄システムのブロック線図が示されている。洗浄システム100は一般的に、洗浄容器110を有する洗浄機102を含み、洗浄容器110は、洗浄液が入口114から洗浄容器110へ、及び洗浄容器110から出口116へ通過できるその洗浄容器110内において、回転可能な洗浄用ドラム又はホイール(ドラム若しくはホイールの内外で洗浄液の交換が可能であるように孔が開けられ又はそれに代わるものを構成できる)と、例えば1つ以上のモーター駆動型シャフト(非表示)を介して、作用可能に接続される。乾燥機104は、加圧されることのできる乾燥容器120を有する。加圧可能な乾燥容器120は、加圧済み液体溶媒が入口124から乾燥容器120へ及び乾燥容器120から出口126を通じて通過できる乾燥容器120内において、孔の開いた回転可能な乾燥用ドラム又はホイール122と、例えば1つ以上のモーター駆動型シャフト(非表示)を介して作用可能に接続される。洗浄容器110及び乾燥容器120は、同一の機械の部分であることができ、又は別々の機械を含むことができるかのいずれかである。さらに、本発明の洗浄工程及び乾燥工程の両者は、以下の図2に関して記載されるように、同一の容器において実施できる。
【0140】
洗浄液タンク130は、すでに記載されているように、入口114を通じて洗浄容器110へ導入されるのに適した洗浄液(又は添加物の存在しない有機溶媒)を保持する。加圧済み液体溶媒タンク132は、加圧可能な乾燥容器120へ入口124を通じて添加されるべき加圧済み液体溶媒を保持する。濾過組み立て体140は、洗浄が生じる場合に混入物を洗浄液110から連続して除去できる1つ以上のフィルターを含有する。
【0141】
洗浄システム100の構成要素は、有機溶媒/洗浄液並びに気化し及び加圧した液体溶媒をシステムの構成要素間で転移させる回線150〜156と接続される。本明細書で使用される「回線」という用語は、液体を運搬できる配管網又は同様の導管を指すよう理解され、一定の目的のために加圧できる。洗浄液/有機溶媒並びに気化し及び加圧した液体溶媒の回線150〜156を通じての転移は、弁170〜176及びポンプ190〜193によって配向される。ポンプ190〜193は、記載された実施態様において示されているが、圧縮器を使用して構成要素から液体及び/又は蒸気を押し出して構成要素へ圧力を加えるなど、構成要素間で液体及び/又は蒸気を転移させる方法が使用できる。
【0142】
基材は、すでに記載されているものなどの洗浄液又はその混合物を使用して洗浄される。一実施態様において、洗浄液は、加圧済み液体溶媒をまったく含有しない。別の実施態様において、基材はまた、有機溶媒と加圧済み液体溶媒との組み合わせを使用して洗浄され得、この組み合わせは、割合の変動する約50〜100重量%の有機溶媒及び0〜50重量%の加圧済み液体溶媒であり得る。洗浄方法において、基材は、互いに洗浄されるのに適した群へ基材を配置するよう必要に応じて分類できる。次に、基材は、洗浄方法の間に除去されないかもしれないしみを除去するよう必要に応じて任意に部分処理され得る。次に、基材は洗浄システム100の洗浄ドラム112へと配置される。洗浄ドラム112は、孔を開けることができ、又はそれに代わるものとして、洗浄ドラム112と洗浄容器110との間で洗浄液を自由に交換できるよう、及び基材から濾過組み立て体140へと土壌を輸送するよう適合できる(貫通できる、穿刺できる等)。一実施態様において、ドラム112はホイールとも呼ばれる水平に取り付けられた孔の開いたバスケットである。
【0143】
基材が洗浄ドラム112に配置される前又は後に、洗浄液タンク130に含有された洗浄液(又は添加物が存在しない場合、有機溶媒)が、開放弁171、閉鎖弁170、172、173及び174と、洗浄容器110の入口114を通じて洗浄液を汲み出すための活性化ポンプ190とによって、回線152を介して洗浄容器110へと添加される。一実施態様において、有機溶媒はタンク130に含有され、洗浄容器110へ添加され、該洗浄容器110において、洗浄容器110又はドラム112へ直接添加される添加組成物と組み合わされる。一実施態様において、また、加圧済み液体溶媒は、洗浄を高めるための有機溶媒又は洗浄液とともに、洗浄容器110へ添加され得る。加圧済み液体溶媒は、開放弁174、閉鎖弁170、171、172、173及び175と、洗浄容器110の入口114を通じて、加圧済み液体溶媒を汲み出すための活性化ポンプ192とによって、回線154を介して洗浄容器110へ添加できる。もちろん、加圧済み液体溶媒が洗浄周期に含まれる場合、洗浄容器110は、以下に論議されるように、乾燥容器120と同一の様式で加圧される必要があるであろう。
【0144】
典型的に、洗浄液又は有機溶媒は、約1〜90容量%の量でドラム112へ添加されるであろう。十分な量の洗浄液、有機溶媒、又は洗浄液と加圧済み液体溶媒との組み合わせが洗浄容器110へ添加されると、モーター(非表示)が活性化され、孔の開いた洗浄ドラム112は、洗浄容器110内で揺れ動き及び/又は回転する。典型的には、回転又は揺れ動きは、約1〜約100分、約1〜約60、約1〜約45、約1〜約30分、約1〜約20分又は約1〜約10分の間起こるであろう。この相の間、洗浄液は、開放弁170及び172、閉鎖弁171、173及び174、並びに活性化ポンプ191によって濾過組み立て体140を通じて連続的に循環できる。濾過組み立て体140には、通過する有機溶媒から粒子状混入物を除去するための1つ以上の細かいメッシュフィルターが含まれ得、水、色素及び溶解した他の混入物を有機溶媒から除去するための1つ以上の吸収性又は吸着性フィルターが代わりに又は追加的に含まれ得る。洗浄液又は加圧済み液体溶媒のいずれかから混入物を除去するのに使用できるフィルター組み立て体のための典型的な配置は、引用により本明細書に組み込まれている米国出願シリアル番号第08/994,583号に、より十分に記載されている。結果として、洗浄液は、出口116、弁172、回線151、フィルター組み立て体140、回線150、弁170を通じて汲み出され、入口114を介して洗浄容器110へ再度入る。この循環は、粒子状混入物及び/又は可溶性混入物を含む混入物を洗浄液から有利に除去し、濾過された洗浄液を洗浄容器110へ再度導入する。この方法を通じて、混入物が布地から除去される。もちろん、洗浄容器110が加圧される事象において、この再循環システムは、洗浄容器110におけるのと同一の圧力/温度レベルで維持されるであろう。
【0145】
一実施態様において、あらかじめ決められた分量の洗浄液(例えば、洗浄される基材1ポンドあたり約1〜約100約2〜約50、又は約5〜約30ガロン)は、洗浄液タンク130から蒸留のための蒸留器(非表示)へ汲み出された後、例えば1つ以上の回線及びポンプ(非表示)を介して洗浄液タンク130へと再度導入できる。任意で、除去された洗浄液は、洗浄方法の間、新しい洗浄液によって、添加物を含まない有機溶媒によって(添加物は後に洗浄ドラムへ任意に添加される。)、又は蒸留された同一の洗浄液/有機溶媒によって置換できる。一実施態様において、除去された洗浄液は、実質的に容量による同一量の洗浄液又は有機溶媒によって置換される。別の実施態様において、除去された分量の洗浄液は、より多量の又はより少量の容量の洗浄液又は有機溶媒、例えば25容量%、50容量%、75容量%、100容量%、125容量%の除去された分量によって置換される。
【0146】
十分な時間が経過して(例えば、約1〜約60分、約5〜約40分、又は約10〜約30分)それにより所望のレベルの混入物(例えば、いくらかの量の混入物、実質的な分量の混入物、少なくとも約25%、少なくとも約50%、又は少なくとも約75%の混入物等)が洗浄液によって基材から除去された後、少なくとも一部の洗浄液が、開放弁173、閉鎖弁170、171、172及び174と、回線153を介して出口116を通じて洗浄液を汲み出すための活性化ポンプ191とによって洗浄ドラム112及び洗浄容器110から除去される。次に、洗浄ドラム112は、約75〜約1000、約150〜約900、又は約400〜約800rpm等の高速で回転して、洗浄液を基材からさらに除去できる。洗浄ドラム112は好ましくは、孔が開いており又は貫通されており、それにより、基材が洗浄ドラム112において回転する場合、洗浄液が洗浄ドラム112から排水できる。また、洗浄ドラム112を回転させることによって基材から除去された洗浄液は、上述の様式で洗浄ドラム112から除去される。洗浄液が洗浄ドラム112から除去された後、該洗浄液を、廃棄でき、又は当技術分野で公知の溶媒回収システムを使用して、再使用のために回収して混入物を排除できるかのいずれかである。さらに、所望の場合、複数の洗浄周期が使用でき、各洗浄周期は同一の洗浄液又は異なる洗浄液を使用する。複数の洗浄周期を使用する場合、各洗浄周期は、同一の洗浄容器において生じることができ、又は別々の洗浄容器を各洗浄周期のために使用できる。
【0147】
例えば洗浄ドラム112を高速で回転させることによって所望の量の洗浄液を基材から除去した後、基材が従来の洗浄システムにおける機械の間で移動するのと同一の様式で、基材は洗浄ドラム112から乾燥容器120内の乾燥ドラム122へと移動する。代替的な実施態様において、単一のドラムは、洗浄周期と乾燥周期の両者において使用でき、それにより洗浄ドラム112と乾燥ドラム122との間で基材を転移させるよりもむしろ、基材を含有する単一ドラムが、洗浄容器110と乾燥容器120との間で転移する。洗浄容器110が洗浄周期の間に加圧される場合、該洗浄容器110は、基材が取り出される前に減圧されなければならない。一旦、基材が乾燥ドラム122に配置されると、加圧済み液体溶媒タンク132に含有されるものなどの加圧済み液体溶媒は、回線154及び155を介して、開放弁175、閉鎖弁174及び176と、回線154及び155を介して乾燥容器120の入口124を通じて加圧済み液体溶媒を汲み出すための活性化ポンプ192とによって乾燥容器120へ添加される。加圧済み液体溶媒が乾燥容器120へ添加されると、基材に残存する洗浄液の少なくとも一部(例えば実質的に全部、少なくとも50%、少なくとも75%等)は、加圧済み液体溶媒に溶解する。
【0148】
十分な量の加圧済み液体溶媒が添加され、それにより実質的に全部の又は所望のレベルの洗浄液が溶解した後、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせは、開放弁176、閉鎖弁175と、回線156を介して出口126を通じて加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせを汲み出すための活性化ポンプ193とによって、乾燥容器120から、それゆえまた、乾燥ドラム122から除去される。所望の場合、この方法は、さらなる洗浄液を除去するために反復され得る。次に、乾燥ドラム122は、約75〜約1000、約150〜約900、又は約400〜約800rpm等の高速で回転し、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせを基材からさらに除去する。乾燥ドラム122は好ましくは孔が開き又は貫通されており、それにより布地が高速で乾燥ドラム122において回転すると、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせが、乾燥ドラム122から排水できる。また、高速で乾燥ドラム122を回すことによって基材から除去された加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせは、上述の様式で乾燥容器120から汲み出される。加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせが乾燥容器120から除去された後、該組み合わせは、廃棄でき又は再使用のために当技術分野で公知の溶媒回収システムを使用して分離でき及び回収できるかのいずれかである。基材から加圧済み溶媒を除去するために高速回転周期を含む必要がないことに留意されたい。
【0149】
所望の量の加圧済み液体溶媒が、乾燥ドラム122を回転させることによって基材から除去された後、乾燥容器120は、約1〜約30分又は約5〜約15分の間にわたって減圧される。乾燥容器120の減圧は、残存する加圧済み液体溶媒を蒸発させ、乾燥した、実質的に溶媒のない布地を乾燥ドラム122に残す。次に、蒸発した加圧済み液体溶媒は、乾燥容器120から、開放弁176、閉鎖弁175、及び活性化ポンプ193によって除去される。結果として、蒸発した加圧済み液体溶媒は、出口126、回線156及び弁176を通じて汲み出され、そこで次に、該加圧済み液体溶媒は、大気へと換気でき又は再使用のために回収でき及び再度圧縮できるかのいずれかである。
【0150】
洗浄システム100は、完結したシステムとして記載されているが、既存の従来の乾燥洗浄システムは、本発明に従った使用のために変換され得る。従来の乾燥洗浄システムを変換するために、上述の洗浄液は、従来のシステムにおいて基材を洗浄するのに使用される。加圧された別々の容器は、基材を加圧済み液体溶媒とともに乾燥させるために、従来のシステムへ付加される。このように、従来のシステムは、加圧済み液体溶媒とともに使用するために変換される。例えば、図1におけるシステムは、このような変換されたシステムを表すことができ、この中で、洗浄機102の構成要素は従来型であり、加圧済み液体溶媒タンク132は洗浄容器100と連絡していない。このような状況において、乾燥機104は、従来の洗浄機の付属部分である。
【0151】
図1に示されるシステムは単一の洗浄容器を含むが、複数の洗浄容器が使用でき、それにより基材は複数の洗浄工程へ供され、各洗浄工程は、各工程において同一の又は異なる洗浄液を使用して、異なる洗浄容器において実施される。単一洗浄容器に関する記載は、単に記載目的のためであり、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0152】
ところで、本発明の代替的な実施態様に関するブロック線図である図2に関して、基材を洗浄し及び乾燥させるための単一チャンバーを有する洗浄システムが示されている。洗浄システム200は一般的に、加圧可能な容器210を有する洗浄機を含む。容器210は、例えばモーターにより活性化される1つ以上のシャフト(非表示)を介して、入口214を通じて容器210へ、容器210から出口216へ洗浄液が通過できる容器210内の孔の開いた又は貫通した回転可能なドラム又はホイールへ、作用するよう接続される。
【0153】
洗浄液タンク220は、上述のものなど、入口214を通じて容器210へ導入されるべき適切な洗浄液(又は添加物の添加されていない有機溶媒)を保持する。加圧済み液体溶媒タンク222は、入口214を通じて容器210へ添加されるべき加圧済み液体溶媒を保持する。濾過組み立て体224は、洗浄が生じるにつれ、洗浄液由来の混入物を容器210及びドラム212から連続して除去する1つ以上のフィルターを含有する。
【0154】
洗浄システム200の構成要素は、洗浄液、有機溶媒及び蒸発しかつ加圧された液体溶媒をシステムの構成要素間で転移させる回線230〜234で接続される。本明細書で使用される「回線」という用語は、液体を運搬できる配管網又は同様の導管を指すよう理解され、一定の目的のために加圧できる。回線230〜234を通じての洗浄液、有機溶媒及び蒸発しかつ加圧された液体溶媒の移動は、弁250〜254及びポンプ240〜242によって配向される。ポンプ240〜242は、記載された実施態様において示されているが、コンプレッサを使用して圧力を構成要素へ付加して、構成要素から液体及び/又は蒸気を押し出すなど、構成要素間で液体及び/又は蒸気を転移させる方法が使用できる。
【0155】
基材は、すでに記載されたものなどの洗浄液で洗浄される。一実施態様において、洗浄液は、加圧済み液体溶媒を何ら含有しない。別の実施態様において、基材は、有機溶媒と加圧済み液体溶媒との組み合わせで洗浄され得、この組み合わせは、変動する割合における約50〜100重量%の有機溶媒及び0〜50重量%の加圧済み液体溶媒であり得る。
【0156】
洗浄方法において、基材は、互いに洗浄されるのに適した群へ基材を配置するよう必要に応じて分別できる。次に、基材は、洗浄方法の間に除去されないかもしれないしみを除去するよう必要に応じて任意に部分処理され得る。次に、基材は、洗浄システム200の容器210内のドラム212へ配置される。洗浄ドラム212は、孔の開くことができ又はそれに代わるものとして、ドラム212と容器210との間で洗浄液を自由に交換できるよう、及び基材から濾過組み立て体224へ土壌を輸送するよう適合できる(貫通できる、穿刺できる等)。
【0157】
基材がドラム212に配置される前又は後に、洗浄液タンク220に含有された洗浄液(又は添加物が存在しない場合、有機溶媒)は、回線231を介して、開放弁251、閉鎖弁250、252、253及び254と、容器210又はドラム212の入口214を通じて洗浄液を汲み出すための活性化ポンプ242とによって容器210へ添加される。一実施態様において、有機溶媒はタンク220に含有され、容器210へ添加され、次に該容器210において、容器210へ直接添加される添加組成物と組み合わされる。また、加圧済み液体溶媒は、洗浄を高めるための有機溶媒又は洗浄液とともに、容器210へ添加され得る。加圧済み液体溶媒は、開放弁250、閉鎖弁251、252、253及び254と、容器210の入口214を通じて加圧済み液体溶媒を汲み出すための活性化ポンプ240とによって、回線230を介して容器210へ添加される。典型的には、洗浄液又は有機溶媒は、約1〜90容量%の量でドラム212へ添加されるであろう。
【0158】
十分な量の洗浄液、有機溶媒、又は洗浄液、有機溶媒、及び/又は上述の加圧済み液体溶媒の組み合わせが容器210へ添加されると、モーター(非表示)が活性化され、ドラム212が揺り動かされ及び/又は回転する。典型的には、回転又は揺り動かしは、約1〜約60、約1〜約45、又は約1〜約30分の間起こるであろう。この相の間、洗浄液及び加圧済み液体溶媒は、組み合わせで使用される場合、開放弁252及び253、閉鎖弁250、251及び254、並びに活性化ポンプ241によって、濾過組み立て体224を通じて連続的に循環できる。濾過組み立て体224には、そこを通過する洗浄液及び加圧済み液体溶媒から粒子状混入物を除去するための1つ以上の細かいメッシュフィルターが含まれ得、有機溶媒から水、色素、及び溶解した他の混入物を除去するための1つ以上の吸収性又は吸着性フィルターが代わりに又は追加的に含まれ得る。有機溶媒又は加圧済み液体溶媒のいずれかから混入物を除去するのに使用できるフィルター組み立て体のための典型的な配置は、引用により本明細書に組み込まれている米国出願シリアル番号第08/994,583号により完全に記載されている。結果として、洗浄液は、出口216、弁253、回線233、フィルター組み立て体224、回線232、弁252を通じて汲み出され、入口214を介して容器210へ再度入る。この循環は、粒子状混入物及び/又は可溶性混入物を含む混入物を洗浄液及び加圧済み液体溶媒から有利に除去し、濾過した洗浄液を溶液210へ再度導入する。この方法を通じて、混入物は基材から除去される。
【0159】
一実施態様において、あらかじめ決められた分量の洗浄液(例えば、洗浄される基材1ポンドあたり約1〜約100、約2〜約50又は約5〜約30ガロン)が、洗浄液タンク220から蒸留のための蒸留器(非表示)へ汲み出されることができ、次に、例えば1つ以上の回線及びポンプ(非表示)を介して洗浄液タンク220へ再度導入できる。任意で、除去された洗浄液は、洗浄方法の間、新しい洗浄液によって、添加物を有さない有機溶媒によって(添加物は次に、洗浄ドラムへ任意に添加される。)、又は同一の洗浄液/蒸留した有機溶媒によって置換できる。一実施態様において、除去された洗浄液は、実質的に容量による同一量の洗浄液又は有機溶媒によって置換される。別の実施態様において、除去された分量の洗浄液は、より多量の又はより少量の洗浄液又は有機溶媒によって、例えば除去された分量の25容量%、50容量%、75容量%、100容量%、125容量%置換される。
【0160】
十分な時間が経過して(例えば、約1〜約60分、約5〜約40分、又は約10〜約30分)、それにより所望のレベルの混入物(例えば、いくらかの量の混入物、実質的な分量の混入物、少なくとも約25%、少なくとも約50%、又は少なくとも約75%の混入物等)が洗浄液によって基材から除去された後、少なくとも一部の洗浄液が、開放弁254、閉鎖弁250、251、252及び253と、出口216及び回線234を通じて洗浄液を汲み出すための活性化ポンプ241とによって、容器210及びドラム212から除去される。加圧済み液体溶媒が洗浄液との組み合わせで使用される場合、加圧済み液体溶媒を洗浄液からまず分離することが必要であり得る。次に、洗浄液が廃棄でき、又は好ましくは混入物が洗浄液から除去され得、洗浄液がさらなる使用のために回収され得るかのいずれかである。混入物は、当技術分野で公知の溶媒回収システムを使用して有機溶媒から除去され得る。次に、ドラム212は、例えば約75〜約1000、約150〜約900、又は約400〜約800rpm等の高速で回転して、基材から洗浄液をさらに除去できる。ドラム212は好ましくは、基材がドラム212において回転すると、洗浄液が洗浄ドラム212から排水できるよう孔が開いており又は貫通されている。また、ドラム212を回転させることによって基材から除去された洗浄液は、廃棄でき又はさらなる使用のために回収できるかのいずれかである。
【0161】
所望の量の洗浄液が、例えばドラム212を回転させることによって基材から除去された後、加圧済み液体タンク222に含有された加圧済み液体溶媒は、開放弁250、閉鎖弁251、252、253及び254と、加圧可能な容器210の入口214を通じて回線230を介して加圧済み液体溶媒を汲み出すための活性化ポンプ240とによって、容器210へ添加される。加圧済み液体溶媒が容器210へ添加されると、基材に残存している少なくとも一部(例えば、実質的に全部、少なくとも約50%、少なくとも約75%等)の洗浄液が加圧済み液体溶媒に溶解される。
【0162】
十分な量の加圧済み液体溶媒が添加され、それにより実質的に全部又は所望のレベルの洗浄液が溶解したのち、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせは、開放弁254、閉鎖弁250、251、252及び253と、出口216及び回線234を通じて加圧済み液体溶媒と有機溶媒との組み合わせを汲み出すための活性化ポンプ241とによって、容器210から除去される。ポンプ241は、洗浄周期において低圧の洗浄液を汲み出すためのポンプと、及び乾燥周期において加圧済み液体溶媒を汲み出すためのポンプの2つのポンプを実際に必要とし得ることに留意されたい。
【0163】
次に、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせが廃棄でき、又は該組み合わせが分離されて、さらなる使用のために有機溶媒及び加圧済み液体溶媒が別々に回収され得るかのいずれかである。次に、ドラム212は、約75〜約1000、約150〜約900、又は約400〜約800rpm等の高速で回転して、加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせを基材からさらに除去する。また、高速でドラム212を回すことによって基材から除去された加圧済み液体溶媒と洗浄液との組み合わせは、廃棄でき、又はさらなる使用のために保有できるかのいずれかである。基材から加圧済み液体溶媒を除去するために高速回転周期を含むことは必要ではないことに留意されたい。
【0164】
所望の量の加圧済み液体溶媒が、ドラム212を回転させることによって基材から除去された後、容器210は、約1〜約30分又は約5〜約15分の間にわたって減圧される。容器210の減圧は、残存している加圧済み液体溶媒を蒸発させ、乾燥して実質的に溶媒のない基材をドラム212に残す。次に、蒸発した加圧済み液体溶媒は、開放弁254、閉鎖弁250、251、252及び253と、出口216及び回線234を通じて蒸発した加圧済み液体溶媒を汲み出すための活性化ポンプ241とによって、容器210から除去される。単一のポンプがポンプ241として示されているが、別々のポンプが洗浄液、加圧済み液体溶媒及び加圧済み液体溶媒蒸気をポンプ241において汲み出すために必要であり得ることに留意されたい。次に、残存している蒸発した加圧済み液体溶媒は、大気へ換気でき又はさらなる使用のために加圧済み液体溶媒へと圧縮し戻せるかのいずれかである。
【実施例】
【0165】
下記の実施例は、本発明の多様な実施態様の洗浄組成物を説明し、説明目的のみのためである。該実施例は、いずれの様式においても本発明の範囲を制限するものとして何ら解釈されるべきではない。
【0166】
(実施例1)
表1に示される組成を有する13個の基礎洗剤製剤BDF1〜BDF13を調製した。
【表5】

【0167】
(実施例2)
実施例1のBDF1〜BDF13のうちの1つを含む洗浄組成物の土壌除去能力を、Δ白さ指数(Delta Whiteness Index)を使用して定量した。この方法は、加工の前後の各見本の白さ指数を測定することを必要とする。Testfabrics, Inc.製のWFK10C土壌見本を使用して、各基礎洗剤製剤を検査した。加工後の見本の白さ指数から加工前の見本の白さ指数を減算することによって、Δ白さ指数を算出する。白さ指数は、見本の光反射率の関数であり、本願においては、見本に関する土壌の量の示度である。土壌がより多ければ、結果的に、見本についての光反射率がより低く、白さ指数がより低くなる。Hunter Laboratoriesによって製造された反射計を使用して、白さ指数を測定した。基線の白さ指数値を得た後、以下に述べるように、25ステンレス鋼球及び任意で150mLのDPNBを有するLaunder‐O‐Meterカップに見本を個々に配置した。次に、ある量の基礎洗剤製剤BDF1〜BDF13のうちの1つを添加して、最終的な洗浄製剤を作製した。検査で使用された各洗浄製剤(CF1〜CF13)の最終的な組成を表2に示す。見本を12分間洗浄した後、各見本をカップから取り出し、Atlas絞り機を通じて処理して、余剰の洗浄製剤を除去した。次に、見本をすすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombにおいて乾燥させ、反射計で読み取り、最終的な白さ指数値を得た。
【表6】

【0168】
洗浄結果を表3に示す。見てわかるように、洗浄製剤CF2〜CF7(各々リン酸エステルを含有する。)は、リン酸エステルを含有しない洗浄製剤(CF8〜CF12)又は対照DPNB若しくはDPNB+水製剤(それぞれCF1及びCF13)が生じるよりも大きな白さ指数の変化を生じた。さらに、リン酸エステル、グリコールエーテル及び水(3.5%)を含有するCF7は、本検査において最大の土壌除去を呈した。
【表7】

【0169】
(実施例3)
2つのさらなる基礎洗剤製剤BDF14及びBDF15を表4に示すように調製した。
【表8】

【0170】
(実施例4)
Dryclean & Laundry Instituteから得られる水溶性食用色素で染色した見本を使用して、先行の実施例の基礎洗剤製剤BDF1、BDF2、BDF11、BDF12、BDF14及びBDF15の各々の洗浄能力を検査した。基線の白さ指数値を得た後、25ステンレス鋼球及び任意で150mLのDPNBを有するLaunder‐O‐Meterカップに見本を個々に配置した。また、水を3.5重量%又は容量%の洗浄製剤で各カップへ添加した。(水の添加前の)検査した洗浄製剤の各々の最終的な組成を表5に示す。
【表9】

【0171】
見本を6分間洗浄し、次に各見本をカップから取り出し、余剰の洗浄製剤を除去するために吸い取り紙で吸い取った。次に、見本をすすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombで乾燥させ、反射計で読み取って最終的な白さ指数値を得た。各見本についての洗浄後の白さの変化(Δ白さ指数)を表6に示す。
【表10】

【0172】
全体的に、洗浄製剤CF2は結果的に、本検査において最大の土壌除去を生じた。洗浄前後の見本のY値を測定し、これらの値をKubelka Monk式に配置することによって、%食用色素除去を算出する。
【0173】
(実施例5)
表7に示すような多様なグリコールエーテル及びBDF2を含有する洗浄製剤CF16〜CF21を調製した。
【表11】

【0174】
Testfabric, Inc.から入手可能なWFK 10C見本を使用して、各製剤CF16〜CF21の洗浄性能を評価した。基線の白さ指数値を得た後、表7に列挙されるグリコールエーテルのうちの1つを150mL含有するLaunder‐O‐Meterカップに見本を個々に配置した。また、1容量%のBDF2を各洗浄カップに添加した。見本を12分間洗浄した後、各見本をカップから取り出し、Atlasリンゲル液に配置して余剰の洗浄液を除去した。次に、各見本をすすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombで乾燥させ、反射計で読み取って最終的な白さ指数値を得た。リン酸エステルの添加された各グリコールエーテルにおける洗浄を、リン酸エステルの添加されていない各グリコールエーテルにおける洗浄と比較するために、基礎洗剤製剤を添加していない各個々のグリコールエーテル150mL(対照)を使用して、上述の方法を反復した。各見本についての洗浄後の白さ指数の変化(Δ白さ指数)を表8に示す。
【表12】

【0175】
表8から観察できるように、BDFの添加は、検査した各グリコールエーテルについての土壌除去を高めた。
【0176】
(実施例6)
DPNBへ添加した(先行の実施例の)基礎洗剤製剤BDF1、BDF2、BDF7、BDF12、BDF13、BDF14及びBDF15を使用して、使用済みの原動機油で染色した綿(Testfabrics, Inc.製のStyle 400)及びポリエステル1(Testfabrics, Inc.製のDacron 64)の見本の洗浄を評価した。
【0177】
基線の白さ値を得た後、DPNB150mL及び25ステンレス鋼球を含有するLaunder‐O‐Meterカップに見本を個々に配置した。上述の実施例においてCF1、CF2、CF7、CF12、CF13、CF14及びCF15を調製するために使用されるのと同一量(v/v)で、カップの各々のうちの1つへBDF1、BDF2、BDF7、BDF12、BDF13、BDF14又はBDF15を個々に添加した。見本を10分間洗浄した後、各見本を取り出し、Atlasリンゲル液に配置して余剰の洗浄液を除去した。次に、各見本をすすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombにおいて乾燥させ、反射計で読み取って最終的な白さ値を得た。各見本についての洗浄後の白さの変化(Δ白さ指数)を表9に示す。
【表13】

【0178】
(実施例7)
基礎洗剤製剤BDF22を、表10に示すように調製した。
【表14】

【0179】
(実施例8)
3×9インチの薄いポリエステル見本を使用して、静的な対照検査を実施した。25ステンレス鋼球とともにDPNB150mLを含有する3個のLaunder‐O‐Meterカップに見本を個々に配置した。カップ1(見本1)には、さらなる材料を負荷しなかった。カップ2(見本2)には、実施例1由来の1.5%(v/v)のBDF2を負荷した。カップ3(見本3)には、実施例7の1.5%(v/v)のBDF22を負荷した。
【0180】
Launder‐O‐Meterを12分間作動させた。次に、見本をAtlasリンゲル液に配置して余剰の溶媒を除去した後、すすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombにおいて乾燥させた。次に、見本をオーブンで60℃へ45分間加熱し、デシケーターに一晩配置した後、手アイロンでプレス加工した。次に、AATCC検査法115‐2005を使用して、付着について見本を検査した。具体的には、金属に対する付着が終わる前の時間の量を決定するために見本を検査した。結果を表11に示す。
【表15】

【0181】
表11からわかるように、見本3は、金属の付着の欠如に至る最短時間を呈した。
【0182】
(実施例9)
表12に示すように、基礎洗剤製剤BDF23を調製した。
【表16】

【0183】
(実施例10)
Testfabrics, Inc.から入手可能な1×6インチのWFK 10C白色綿見本を使用して織物の剛性及び本体を評価するために、織物の寸法をみる検査を実施した。25ステンレス鋼球とともに150mLのDPNBを含有する3個のLaunder‐O‐Meterカップの各々に見本を個々に配置した。カップ1(見本1)には、さらなる材料を負荷しなかった。カップ2(見本2)には、実施例1に示すように、3%(v/v)のBDF2を負荷した。カップ3(見本3)には、実施例9の3%(v/v)のBDF23を負荷した。Launder‐O‐Meterにおいて見本を12分間洗浄した。次に、見本をAtlasリンゲル液に配置して余剰の溶媒を除去した後、すすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombにおいて乾燥させた。見本をプレス加工し、長さについて測定し、ASTM検査法D1388に従って剛性について検査した。検査を実施するために、(水平からの)41.5°傾斜を横切って各見本を滑走させた。次に、水平面に触れる直前の織物の突出の長さを測定した。検査を二つ組で試行し、寸法をみる測定を処理の前後で試行した。結果を表13に示す。
【表17】

【0184】
表13に示すように、織物の突出の長さは、BDF23及びDPNBを含有する洗浄製剤による処理の際に増大する。
【0185】
また、各見本の剛性を10名の盲検回答者団によって評価した。3つの処理群の各々に由来する見本を最も堅い(1)から最も堅くない(3)まで等級づけするよう回答者団メンバーに依頼した。結果を表14に示す。
【表18】

【0186】
表14に示すように、各場合において、BDF23とDPNBとを含む洗浄組成物で処理した見本を最も堅いと等級づけした。
【0187】
(実施例11)
表15に示される組成を有する基礎洗剤製剤BDF24を調製した。
【表19】

【0188】
(実施例12)
多様な組成物による加工後の織物の柔らかさを評価するために検査を実施した。テリークロスの綿織物を5×5インチ2に切断した。25ステンレス鋼球とともに150mLのDPNBを含有する4個のLaunder‐O‐Meterカップの各々に、見本を個々に配置した。カップ1(見本1)には、さらなる材料を負荷しなかった。カップ2(見本2)には、実施例1に示される2%(v/v)のBDF2を負荷した。カップ3(見本3)には、実施例9の2%(v/v)のBDF23を負荷した。カップ4(見本4)には、実施例11に示されるように2%(v/v)のBDF24を負荷した。
【0189】
Launder‐O‐Meterにおいて見本を12分間洗浄した。次に、見本をAtlasリンゲル液に配置して余剰の溶媒を除去した後、すすぎ、液状二酸化炭素を有するParr Bombにおいて乾燥させた。次に、見本を回答者団へ付与して、該見本の柔らかさを(1)最も柔らかい〜(4)最も柔らかくないに等級づけするよう該回答者団へ依頼した。結果を表16に示す。
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも約95重量%の量のグリコールエーテル及び(b)約0.01〜約4重量%の量のリン酸エステル含有化合物を含む、洗浄組成物。
【請求項2】
前記グリコールエーテルが、(a)約100°Fより高い引火点を有し、(b)約600〜約1050lb/in2の圧力でかつ約5℃〜約30℃の温度で二酸化炭素に可溶性であり;かつ(c)約0.7より高い比重を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記グリコールエーテルが、分散について約7.2〜8.1(cal/cm31/2の、極性について約2.0〜4.8(cal/cm31/2の、及び水素結合について約4.0〜7.3(cal/cm31/2のハンセン溶解度パラメータを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記グリコールエーテルが、下記式のものである、請求項2記載の組成物:
【化1】

(式中、x、y及びZが各々0又は1であり、かつx、y及びZの少なくとも1つが1であり;
R''が、C1-10直鎖又は分岐鎖アルキルであり;
存在する場合、R1-12が独立してCmHnFpであり、式中mが包括的に0〜2の整数であり、かつn及びpが包括的に0〜5の整数であり;かつ
R'が、O、S、カルボニル又はエステルである。)。
【請求項5】
前記グリコールエーテルが、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールt-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリポピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はトリプロピレングリコールn-ブチルエーテルのうちの1つ以上を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記リン酸エステル含有化合物が下記を含む請求項1記載の組成物:オクチルフェノールリン酸エステル、ノニルフェノールリン酸エステル、イソデシルアルコールリン酸エステル、直鎖又は分岐鎖アルコールC8-C10リン酸エステル。
【請求項7】
前記リン酸エステル含有化合物がエトキシル化されている、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記リン酸エステル含有化合物が平均で約4〜約10モルのエトキシル基を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
中和剤をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記中和剤が、アミン化合物又はIa群、IIa群若しくは遷移金属の塩を含む、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
前記中和剤が、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化カリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、三ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、及びリン酸三ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、重炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウム、アルミン酸メタケイ酸塩、酸化マグネシウム及び水酸化亜鉛から選択されるIa群、IIa群又は遷移金属の塩を含む、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
水をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
帯電防止剤、整粒剤、退色剤及び光学漂白剤から選択される1つ以上の添加物をさらに含む、請求項8記載の組成物。
【請求項14】
(a)少なくとも約95重量%の量のグリコールエーテル、(b)約0.01〜約2重量%の量のリン酸エステル含有化合物、及び(c)中和剤を含む、洗浄組成物。
【請求項15】
(a)少なくとも約95重量%の量のジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、(b)オクチルフェノールリン酸エステル、ノニルフェノールリン酸エステル、イソデシルアルコールリン酸エステル、直鎖又は分岐鎖アルコールC8-C10リン酸エステルから選択される、約0.01〜約2重量%の量のリン酸エステル含有化合物、中和剤及び水を含む、洗浄組成物。
【請求項16】
前記リン酸エステル含有化合物が、約4〜約10モルのエトキシル基を含む、請求項15記載の洗浄組成物。
【請求項17】
洗浄組成物を製造する方法であって、いずれかの順序で、グリコールエーテル、リン酸エステル含有化合物及び中和剤を混合して基礎洗剤製剤を形成する工程;及び
いずれかの順序で、該基礎洗剤製剤をグリコールエーテルと及び任意に帯電防止剤、整粒剤、退色剤又は光学漂白剤と組み合わせて該洗浄組成物を形成する工程を含む、前記方法。
【請求項18】
前記混合する工程及び/又は前記組み合わせ工程の途中で水を添加することをさらに含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
基材を洗浄する方法であって
洗浄されるべき該基材を加圧不可能な洗浄容器に配置すること;
請求項1記載の洗浄組成物を該洗浄容器へ入れること;
該洗浄組成物の存在下及び加圧された液体溶媒の不在下で該基材を洗浄すること;
該洗浄組成物の一部を該洗浄容器から除去すること;
加圧可能な乾燥容器に該基材を配置し、及び該乾燥容器を加圧すること;
加圧された液体溶媒を該乾燥容器へ入れること;
該加圧された液体溶媒の少なくとも一部を該乾燥容器から除去すること;
及び該基材を該乾燥容器から取り出すことを含み、ここで、該方法が、水溶性及び水不溶性混入物を該基材から除去するものである、前記方法。
【請求項20】
基材を洗浄する方法であって、
洗浄されるべき該基材を加圧可能な容器に配置すること、ここで、該容器は加圧されていない;
請求項1記載の洗浄組成物を該容器へ入れること;
該洗浄組成物の存在下で該基材を洗浄すること;
該洗浄組成物の一部を該容器から除去すること;
該容器を加圧し、及び加圧された液体溶媒を該容器へ入れること;
該加圧された液体溶媒の少なくとも一部を該容器から除去すること;
及び該基材を該容器から取り出すことを含み、ここで、該方法は、水溶性及び水不溶性混入物を該基材から除去するものである、前記方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−530444(P2010−530444A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511368(P2010−511368)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/066140
【国際公開番号】WO2008/154394
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509338488)
【出願人】(509338503)
【出願人】(509338514)
【出願人】(509338525)
【Fターム(参考)】