説明

洗米装置

【課題】洗米タンク下部の排水ジャケットに取り付けた遮蔽板の着脱が容易な洗米装置を提供する。
【解決手段】排水ジャケット18に取付プレート61を設け、前記遮蔽板5に、該遮蔽板5を後方移動させることにより取付プレート61に対して係合して該遮蔽板5の下方移動を規制する係合部材78A,78Bと、この係合部材78A,78Bを取付プレート61に係合した状態で、該取付プレート61に設けた係止部71に係合させることにより遮蔽板5の前方移動を規制する止め具79とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を洗米する洗米タンクを備えると共に該洗米タンクの下方に炊飯器が配置可能な洗米装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米を洗米する樹脂製の洗米タンクを備え、この洗米タンクの下部に、該洗米タンク内の水を排水させるための排水ジャケットを備え、この排水ジャケットの下面側に、排米弁によって開閉自在とされていて洗米した米を下方に排出するための排米孔を備えた洗米装置がある。
この洗米装置において、洗米タンクの下方に炊飯器を配置して、該洗米タンクの下方側にて炊飯を行う場合、例えば、洗米タンクが水蒸気に弱い樹脂製であると、炊飯器から立ち上がる水蒸気が洗米タンクに当たらないように該炊飯器からの水蒸気を遮る必要がある。
【0003】
そこで、排水ジャケットに、洗米タンクの下方に配置される炊飯器の上方を覆う遮蔽板を着脱自在に設けた洗米装置がある(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−220577号公報
【特許文献2】特開2008−264122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記遮蔽板は、清掃メンテナンスの際に洗米タンクから取り外されるので、取付け・取外しの簡単な構造のものが要求される。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、着脱容易な遮蔽板を備えた洗米装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、米を洗米する洗米タンクの下部に、該洗米タンク内の水を排水させるための排水ジャケットを備え、この排水ジャケットに、洗米タンクの下方に配置される炊飯器の上方を覆う遮蔽板が取り付けられた洗米装置において、
前記排水ジャケットに取付プレートを設け、前記遮蔽板に、該遮蔽板を後方移動させることにより取付プレートに対して係合して該遮蔽板の下方移動を規制する係合部材と、この係合部材を取付プレートに係合した状態で、該取付プレートに設けた係止部に係合させることにより遮蔽板の前方移動を規制する止め具とを設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記排水ジャケットの下面側に、排米弁によって開閉自在とされていて洗米した米を下方に排出するための排米孔と、下方側から嵌合されていて排米弁と排米孔との間からの水漏れを阻止するパッキンとを備え、
前記取付プレートは、排水ジャケットの下面にネジ止めされていると共に前記パッキンを保持するパッキン押え部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明では、洗米タンクを支持する支持フレームを備え、この支持フレームは洗米タンクの後方側に位置する左右一対の支柱を備え、遮蔽板の後部は左右支柱間に挿入状とされていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、取付プレートに遮蔽板が取り付けられた状態において、排水ジャケットの前方側に位置する前側の係合部材と排水ジャケットの左右両側に位置する後側の係合部材とを有し、取付プレートに後側の左右係合部材の対向側が接当することにより遮蔽板の左右方向の位置決めをする規制部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明では、前記前側の左右係合部材は左右一対設けられ、この前記前側の左右係合部材間に止め具を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、遮蔽板は、後方移動させることで係合部材を取付プレートに係合し、該状態で止め具を係止部に係合させて遮蔽板の後方移動を規制することにより取り付けられ、排水ジャケットに対して遮蔽板を簡単に着脱することができる。
請求項2に係る発明によれば、排水ジャケットの下面にネジ止めされる従来のパッキン押えの代わりに取付プレートを取り付けるだけで遮蔽板が取り付けることができ、既存の洗米装置に遮蔽板を容易に取り付けることができる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、遮蔽板取付時において、遮蔽板は後方移動させるだけなので、遮蔽板の後部を、洗米タンク後方に位置する左右支柱の間に挿入させることができ、遮蔽板の後部によって支柱に近接配置された炊飯器の上方を充分に覆うことができる。
請求項4に係る発明によれば、後側の左右係合部材が取付プレートの規制部に接当することにより遮蔽板の左右方向の位置決めが図られており、左右の位置決めのための構成部品を別途必要としないので、構造の簡素化を図ることができる。
【0012】
請求項5に係る発明によれば、排水ジャケットの前方側に位置する前側の左右係合部材間に止め具を設けることにより、洗米タンクの前方側で遮蔽板の後方移動規制と前方移動規制とを行えると共に1つの止め具で遮蔽板の前方移動を規制することが可能であり、遮蔽板の着脱操作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】自動洗米機の正面図である。
【図2】自動洗米機の側面図である。
【図3】自動洗米機の上部の正面断面図である。
【図4】自動洗米機の上部の側面断面図である。
【図5】洗米タンク下端側の正面断面図である。
【図6】排水ジャケット下端側の正面断面図である。
【図7】取付プレートの平面図である。
【図8】取付プレートの斜視図である。
【図9】遮蔽板の取付状態の平面図である。
【図10】自動洗米機の上下中途部の背面斜視図である。
【図11】(a)は遮蔽板の側面図、(b)は遮蔽板の正面図である。
【図12】遮蔽板の斜視図である。
【図13】係合部材の係合状態を示す平面図である。
【図14】係合部材の係合状態を示す側面図である。
【図15】支持フレーム下部の斜視図である。
【図16】載置台を前方にスライドさせた状態を示す側面図である。
【図17】載置台の正面断面図である。
【図18】支持フレームに取り付けられた状態の載置台の斜視図である。
【図19】支持フレームに取り付けられた状態の基台の図である。
【図20】基台の斜視図である。
【図21】載置台の後部側の取付状態を示す斜視図である。
【図22】載置台の底部の取付状態を示す斜視図である。
【図23】基台にスライダを支持した状態を示す斜視図である。
【図24】載置台のスライダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、符号1は、米を洗米すると共に洗米した米を水加減水と一緒に排出するまでをマイコン制御で自動で行う自動洗米機を示しており、該自動洗米機1は、本実施形態では、業務用であり、また、パック米を1袋分全部投入して洗米することを可能としたパック米対応機を例示している。なお、洗米タンクの上方に米を貯蔵する貯米庫と米を計量する計量器とを備えたタイプの自動洗米機であってもよい。
【0015】
前記自動洗米機1は、支持フレーム2と、この支持フレーム2の上部に取付固定されたケース3と、このケース3の下面側に取付固定された洗米タンク4と、この洗米タンク4の下端に着脱自在に取り付けられた遮蔽板5と、前記洗米タンク4の下方に配置された載置台6とを有する。
前記洗米タンク4と載置台6との間には炊飯器7等が配置可能な空間部が設けられており、載置台6上には炊飯器7等が載置される。
【0016】
炊飯器7は、内釜7Aと、この内釜7Aの上端開口を開閉自在に塞ぐ上蓋と、内釜7Aを収容すると共に該内釜7Aを加熱する加熱装置を備えた外釜7Bとを有する。
支持フレーム2は、左右方向に間隔をおいて対向配置された左右一対の支柱8と、左右支柱8の下端側同士を連結する連結部材9(図15参照)と、左右各支柱8の下端側から前方に延出された左右一対の支持足10とから主構成されている。左右支持足10はアジャスタ11を介して床面等に設置される。
【0017】
左右支柱8間の外寸法は、炊飯器7の左右幅よりも幅狭とされている。また、図9に示すように、炊飯器7は、洗米タンク4の下方で且つ載置台6上に載置された状態では、その後端側が左右の支柱8に近接されると共に該後端側が左右支柱8間に挿入状とされる。
図3及び図4に示すように、ケース3は、底壁部12と、この底壁部12の上方に配置された駆動部K及び給水管13等を覆うカバー体14とから主構成されている。
【0018】
底壁部12は、その後部が左右支柱8の上端側に取付固定されていて、左右支柱8から前方に突出状とされている。
洗米タンク4は、米及び水を収容しこれらを攪拌することにより該米を洗米するための洗米タンク本体16と、この洗米タンク本体16内の洗米水(研ぎ汁)の水面側の水や洗米水上に浮遊するゴミ等の不純物等を排水するためのオーバーフロー部17と、洗米タンク本体16の下端側に設けられていて洗米タンク本体16の下端側から洗米水(研ぎ汁)を排水するための排水ジャケット18とを備えてなる。
【0019】
この洗米タンク4は、洗米タンク本体16とオーバーフロー部17とを樹脂によって一体成形してなるオーバーフロー部一体型の洗米タンク4である。
洗米タンク本体16は上下端部が開口状とされており、該洗米タンク本体16の下部は下端開口に向けて先窄まりとされた円錐形に形成されている。
この洗米タンク本体16の上部の下側部分は円筒形に形成されており、洗米タンク本体16の上部の上側部分は、後部が略半円筒形に形成され、前部が前方側に向けて膨出するように形成されている。
【0020】
洗米タンク本体16の上端開口縁部には全周に亘ってフランジが形成され、洗米タンク4の前記膨出部分が前記ケース3のカバー体14の前面(下縁)から前方に突出するように前記フランジの後部側がケース3の底壁部12下面に取付固定されている。
洗米タンク本体16の上端開口部分の内、ケース3下面から前方にはみ出た部分が洗米タンク4内に米を投入するための米投入口19とされている。
【0021】
この米投入口19は、ケース3のカバー体14の側壁に枢軸を介して左右軸回りに回動自在に枢支された蓋体20によって開閉自在に閉塞されている。
オーバーフロー部17は、洗米タンク本体16の上部の後部側で且つ左右方向中央から左側寄りに設けられており、洗米タンク本体16上部の内面のオーバーフロー部17対応部分には、フランジ上面から下方に向けて形成された上下方向に長い矩形状のオーバーフロー口21が形成されている。
【0022】
オーバーフロー部17は下部に円筒状の接続口22を有する。
排水ジャケット18は樹脂製で且つ洗米タンク本体16とは別部品によって構成されていて、パチン錠等の取付金具で洗米タンク本体16の下端側に着脱自在に取り付けられている。
この排水ジャケット18は、図5に示すように、排水ジャケット18と同芯状とされた上下方向の軸心を有する略円筒状の周壁23を有し、内部が上端開口を介して洗米タンク本体16の下端開口と連通している。
【0023】
この排水ジャケット18の周壁23の後部側の左寄りには洗米タンク本体16内の洗米水を排水するための排水口24が形成されている。
また、図5、図6に示すように、排水ジャケット18は底壁25を有し、この底壁25に(排水ジャケット18の下面側に)、下面側から上方に向けて凹設されていてリング状のパッキン26が下方から挿入されたパッキン座27と、洗米された米を排出すべく上下方向貫通状に形成された排米孔28とが設けられている。
【0024】
これらパッキン座27及び排米孔28は、排水ジャケット18の周壁23の軸心と同芯状に形成され、排米孔28がパッキン座27よりも径小に形成されている。
パッキン座27は円柱孔に形成され、排米孔28は、上部が円柱孔で、下部が下方に向けて小径となる截頭円錐孔に形成されている。
前記パッキン26の内孔29は排米孔28の下端と略同径に形成されている。
【0025】
図5に示すように、排水ジャケット18内には、水は通すが米は通さない小孔を多数形成された分離板30が設けられている。
この分離板30は、下方に向けて漸次小径となる截頭円錐筒状に形成され、上端側が洗米タンク本体16の下端に外嵌され、下端側が排米孔28の上部に内嵌されている。
この分離板30によって排水口24からの米の流出を防止しながら洗米水を小さな不純物と共に排水口24から排水できるようになっている。
【0026】
前記排米孔28は排米弁31によって開閉自在に閉塞されている。
この排米弁31は、上方に向けて漸次小径となる円錐状に形成され、洗米タンク4の中心に設けられた上下方向の弁棒32の下端に着脱自在に取付固定されている。
また、排米弁31は、排米孔28を閉じた状態でパッキン26に下方から接当しており、該パッキン26によって排米弁31と排米孔28との間からの水漏れが阻止される。
【0027】
前記弁棒32の上部は、図3、図4に示すように、ケース3の底壁部12を貫通してケース3内に挿入されると共にケース3内に設けられた昇降手段33によって昇降自在に支持され、弁棒32を昇降することにより排米弁31が上下動して排米孔28が開閉される(排米弁31が下降することにより排米孔28が開き、排米弁31が上昇することにより排米弁31が閉じる)。
【0028】
昇降手段33は、昇降モータ34と、この昇降モータ34によって上下揺動する揺動アーム35とを備え、揺動アーム35の先端側に弁棒32の上端側が取り付けられている。
図3、図4、図9、図10に示すように、前記オーバーフロー部17の下方側で且つ排水ジャケット18の左斜め後方には、樹脂製の排水ボックス36が配置されている。
また、この排水ボックス36は、洗米タンク4の下方に位置する炊飯器7の後部上方に位置する。
【0029】
この排水ボックス36は、左側面に開口部37を有する箱形に形成され且つ該開口部37が斜め側方を向くように斜めに配置されていて左側の支柱8に取り付けられたブラケット38に取付固定されている。排水ボックス36の前記開口部37は透明の蓋体によって開閉自在に閉塞されている。
この排水ボックス36の正面側には第1流入口39が設けられ、この第1流入口39は排水ジャケット18の排水口24に、可撓性ホース又は硬質樹脂製のパイプ等からなる横配水管40で接続されている。
【0030】
また、排水ボックス36の上面側には第2流入口41が設けられ、この第2流入口41はオーバーフロー部17の接続口22に、可撓性ホース又は硬質樹脂製のパイプ等からなる縦配水管42で接続されている。
また、排水ボックス36の右側面には排水管部43が設けられ、この排水管部43に接続されるホース等を介して排水ボックス36内の洗米水等が下水等の外部の排水部に排水されるように構成されている。
【0031】
なお、排水ボックス36内には、第1流入口39を開閉自在に閉塞して排水ジャケット18からの洗米水等の流入を許容又は遮断する開閉弁が設けられており、洗米時には開閉弁は閉じられて排水ジャケット18からの洗米水の流入が阻止され、排水時に開閉弁を開けることにより、洗米タンク4内の洗米水が排水ジャケット18を介して排水ボックス36内に流入すると共に該排水ボックス36から下水等に排水される。
【0032】
排水ボックス36内の前記開閉弁は、ケース3内に設けられた開閉モータ44によって開閉駆動される。
右側の支柱8の上下方向中途部には検出手段46が設けられ、この検出手段46の接触子47は洗米タンク4と載置台6との間の空間に延出されていて、炊飯器7(又は内釜等の受け容器)が載置台6に載置されて接触子47が炊飯器7等に接触することにより炊飯器7等が載置台6上にセットされていることが検出される。
【0033】
該自動洗米機1には、洗米タンク4に給水するための給水装置48が設けられ、この給水装置48は、ケース3の底壁部12に取り付けられた左右一対の散水部材49と、水道等の圧力水源からの水を散水部材49に供給する給水管13と、流量計50と、電磁開閉弁51等とを有する。
散水部材49は、板材を下方に凸となる球面状に形成すると共に、多数の散水孔を貫通形成してなり、供給された水を洗米タンク本体16内に上方からシャワー状(拡散状)に散水して供給する。
【0034】
洗米タンク本体16内には撹拌装置52が設けられ、この撹拌装置52は、洗米タンク本体16内の中心上部に配置されていてケース3の底壁部12に設けられた軸受部材53に上下軸回りに回転自在に支持された回転軸54と、この回転軸54を駆動する駆動モータ55と、回転軸54に設けられていて回転軸54が回転することにより洗米タンク本体16内の米及び水を撹拌する撹拌棒56とを有する。
【0035】
前記排水ボックス36内の開閉弁を駆動する開閉モータ44、排米弁31を昇降する昇降手段33、撹拌棒56を回転駆動する駆動モータ55等とで駆動部Kが構成されている。
ケース3内には、自動洗米機1を制御する制御装置58が設けられ、カバー体14の前面側には、洗米タンク4に投入する米の量等を制御装置58に入力するコントロールパネル57が設けられており、米を投入して蓋体20を閉め、スタートスイッチを押すことにより、洗米タンク本体16内に水が給水されると共に撹拌装置52が駆動されて米が撹拌されて洗米され(詳細な洗米工程は説明を省略する)、洗米後、入力された米量に応じた量の水加減水が供給され、この水加減水と共に洗米タンク本体16から米が炊飯器7の内釜7Aに落下排出されるように自動制御される。
【0036】
前記洗米タンク4、排水ボックス36、撹拌装置52、給水装置48、制御装置58等によって洗米装置が構成されている。
排水ジャケット18には前記遮蔽板5が着脱自在に取り付けられる取付プレート61が取り付けられている。
この取付プレート61は、図5〜図8に示すように、板厚方向が上下方向となるように排水ジャケット18の下面側に配置され、排水ジャケット18の下面(底壁25下面)に重ね合わされて該排水ジャケット18にネジ止めされる被取付部62と、この被取付部62から排水ジャケット18の径内側に延出されていてパッキン26を保持するパッキン押え部63と、被取付部62から排水ジャケット18の径外側に延出された支持壁部64とを有する。
【0037】
この取付プレート61の中心側(排米孔28の下方側)には、排水ジャケット18と同芯状とされていて排米弁31が通過可能な円形の通孔65が形成されている。
前記被取付部62には、排水ジャケット18の周方向に間隔をおいて配置された複数の(本実施形態では3つの)ネジ挿通孔60が上下方向に貫通形成され、このネジ挿通孔60を挿通して、排水ジャケット18の底壁25に設けられたネジ孔66に螺合するネジ67によって排水ジャケット18に被取付部62が取り付けられている。
【0038】
既存の自動洗米機1にあっては、排水ジャケット18の下端の外縁に沿った外縁形状のパッキン押えがネジ止めされて設けられているが、このパッキン押えに換えて本実施形態の取付プレート61を取り付けることにより、既存の自動洗米機1に遮蔽板5を取り付けることができる。
前記支持壁部64の左右両側には、前後方向に沿う側縁部68とこの側縁部68の後端から左右方向外方に延びる後縁部69とからなる平面視L字形の切欠部70が形成されている。
【0039】
この支持壁部64の後縁64aは、一方の切欠部70から他方の切欠部70にわたる円弧状で且つ通孔65の中心を中心とする円弧状に形成されている。
支持壁部64の前端にはフック状の係止部71が設けられている。
また、支持壁部64の前縁64bは、係止部71から一方の切欠部70までの間及び係止部71から他方の切欠部70までの間が円弧状に形成され、該円弧は通孔65の中心を中心とする円弧であって且つ支持壁部64の後縁64aの円弧と同径の円弧とされている。
【0040】
前記遮蔽板5は、載置台6上(洗米タンク4下方)で炊飯器7によって炊飯する場合に、炊飯器7から立ち上がる水蒸気(及び/又は熱)を遮り、該水蒸気等が樹脂製の洗米タンク4に直接当たるのを防止するものである。
この遮蔽板5は、図5、図6、図9〜14に示すように、取付プレート61の下面側に配置されて該取付プレート61に着脱自在に取り付けられた遮蔽板本体72と、この遮蔽板本体72の左側部の後部側に設けられたサブプレート73とから構成されている。
【0041】
遮蔽板本体72は載置台6に載置された炊飯器7の上方を覆う(洗米タンク4下方を覆う)ように位置する。この遮蔽板本体72は、排水ジャケット18及び取付プレート61の下方側に位置する前壁部74と、この前壁部74の後方側で且つ該前壁部74よりも低い位置に位置する後壁部75と、この後壁部75の前縁75aと前壁部74の後縁74aとを連結する連結壁部76とを有する。
【0042】
この遮蔽板本体72の前壁部74の前部74Aは前斜め上方に向けて傾斜する傾斜状に形成され、前壁部74の後部74Bは平坦状に形成されている。
この前壁部74の後部74Bの左右方向中央側には、取付プレート61に取り付けられた状態で該取付プレート61の通孔65と同芯状となる円形孔77が形成されている。この円形孔77は、排水ジャケット18の下端側の外径よりも径大とされていて取付プレート61取付け用のネジ67との干渉を防止している。
【0043】
また、この円形孔77は取付プレート61の支持壁部64よりも径小に形成されていて、遮蔽板本体72の円形孔77の周囲が全周にわたって取付プレート61の支持壁部64下面と重合する。
また、前壁部74の上面には、取付プレート61の支持壁部64に係合する複数の係合部材78A,78Bと、該支持壁部64前端側の係止部71に係合する止め具79とが設けられている。
【0044】
係合部材78A,78Bは、本実施形態にあっては、円形孔77の前方側に位置する左右一対の前側の係合部材78Aと、円形孔77の左右両側に位置する後側の係合部材78Bとからなる。
取付プレート61に遮蔽板5が取り付けられた状態においては、左右の前側の係合部材78Aは排水ジャケット18の前方側に位置していると共に取付プレート61の前側に位置し、後側の係合部材78Bは排水ジャケット18の左右両側に位置していると共に取付プレート61の左右両側に(切欠部70に対応する位置に)位置する。
【0045】
各係合部材78A,78Bは、図13、図14に示すように、前壁部74の上面に溶接等によって固定された固定壁81と、この固定壁81の左右方向内端側縁部68から立ち上がる立上り壁82と、この立上り壁82から後方に延出されていて取付プレート61の支持壁部64の上面に係合する係合部83とを有する。
前側の各係合部材78Aの係合部83は取付プレート61の支持壁部64の前縁64b側に係合し、後側の各係合部材78Bの係合部83は取付プレート61の支持壁部64の切欠部70の後縁部69後方側に係合する。これによって、遮蔽板5の下方移動が規制される。
【0046】
また、前側の係合部材78Aの立上り壁82が支持壁部64の前縁64bに接当し、後側の係合部材78Bの立上り壁82が切欠部70の後縁部69に接当することにより遮蔽板5の後方移動が規制される。
また、後側の各係合部材78Bの立上り壁82の対向側が支持壁部64の切欠部70の側縁部68に接当することにより遮蔽板5の左右方向の位置決めがなされ、この切欠部70の側縁部68が遮蔽板5の左右方向の位置決めをする規制部とされている。
【0047】
前記止め具79は前側の左右係合部材78Aの間に配置されている。
本実施形態では、この止め具79は、パチン錠によって構成され、遮蔽板本体72の前壁部74に固定された台座84と、各係合部材78A,78Bを取付プレート61の支持壁部64に係合させた状態で係止部71に引っ掛けられるジョイント85と、台座84に揺動自在に枢支されたレバー86とを有する。
【0048】
遮蔽板本体72の後壁部75は排水ボックス36の下方に位置しており、前壁部74の後縁74a及び後壁部75の前縁75aは、排水ボックス36の傾斜に合わせて、左方に行くに従って前方に移行する傾斜状とされている。この前壁部74の後縁74a及び後壁部75の前縁75aの傾斜方向に合わせて、前記連結壁部76が傾斜状に設けられている。
【0049】
遮蔽板本体72の後壁部75の後部側は、支持フレーム2の左右支柱8間に挿入状とされ、後壁部75の後部左側及び前壁部74の右側後端側には、支柱8との干渉を避けるための切欠部87A,87Bが形成されている。
また、遮蔽板本体72の後壁部75の右側には、前記検出手段46の接触子47との干渉を避けるための切欠部88が形成されている。
【0050】
サブプレート73は遮蔽板本体72の後壁部75の前部左端側に配置されていて、炊飯器7から立ち上がる水蒸気等が連結壁部76の左端側を巻き込んで洗米タンク4へと上昇してくるのを防止するためのものである。
このサブプレート73は、遮蔽板本体72の後壁部75上面に重ね合わされて固着された固着壁部89と、この固着壁部89の左端側の縁部から上方に立ち上がる縦壁部90とを有する。
【0051】
縦壁部90の前縁は遮蔽板本体72の連結壁部76の左側の縁部に接当している。
なお、遮蔽板本体72の後壁部75の右端側には、サブプレート73は設けられていないが、連結壁部76の右端は、該連結壁部76の左端に比べて後方位置にあり、連結壁部76の右端側を巻き込んで上昇する水蒸気が洗米タンク4に影響することはあまり考えられないからである。
【0052】
前記遮蔽板5にあっては、該遮蔽板5が取付プレート61の下方側に位置し、前側の係合部材78Aが取付プレート61の支持壁部64の前縁64bの前側に位置し、後側の係合部材78Bが取付プレート61の切欠部70の後縁部69の前側に位置するように配置し、この状態で遮蔽板5を切欠部70の側縁部68に沿って後方にスライドさせることにより、各係合部材78A,78Bの係合部83が支持壁部64の上面に係合して遮蔽板5の下方移動が規制される。また、前側の係合部材78Aの立上り壁82が支持壁部64の前縁に接当し、後側の係合部材78Bの立上り壁82が切欠部70の後縁部69に接当することにより遮蔽板5の後方移動が規制される。
【0053】
その後、止め具79のレバー86を引き上げた状態で止め具79のジョイント85を取付プレート61の係止部71に引っ掛けると共に該止め具79のレバー86を引き下げることにより遮蔽板5の前方移動が規制される。
このように、遮蔽板5は、後方にスライドさせて止め具79で前方移動を規制するだけで取付プレート61(洗米タンク4)に取り付けられるので、簡単に取付けることができ、また、取外しも容易に行える。
【0054】
また、洗米タンク4の正面側で取付プレート61に対する係合部材78A,78Bの係合操作と、遮蔽板5の前方移動規制操作が行え、また、1つの止め具79で遮蔽板5の前方移動を規制することができるので、遮蔽板5の着脱が容易に行え、日々の清掃メンテナンスを軽減することができる。
また、係合部材78A,78Bをみながら取付プレート61に対して該係合部材78A,78Bを係合させることができるので、遮蔽板5の着脱操作が容易である。
【0055】
また、遮蔽板5は後方へスライドさせるだけであるので、遮蔽板5の後部を支柱8間に挿入させることができ、支柱8に対して近接配置された炊飯器7の後部を確実に覆うことができる。
また、遮蔽板5をスライドさせる際に切欠部70の側縁部68によって遮蔽板5の左右方向の位置決めができるので、遮蔽板5を容易に後方移動させることができる。
【0056】
また、スライド式なので、しっかりと固定でき、取付プレート61と遮蔽板5との隙間もあまり生じない。
図16〜図24に示すように、前記載置台6は、支持フレーム2の下部に着脱自在に取り付けられ、既存の自動洗米機1の支持フレーム2に後付けで取り付けられるよう構成されている。
【0057】
この載置台6は、支持フレーム2の下部に取付固定された基台91と、この基台91に前後移動自在に支持されたスライダ92と、このスライダ92に前後移動自在に支持されていて炊飯器7が載置される架台93とを有する。
基台91は、図20、図23に示すように、平面視矩形状のベース部材94と、このベース部材94上の左右両側に前後方向に延びるように設けられていて左右方向で対向配置された一対のガイドレール95と、この一対のガイドレール95の後端側同志を連結する連結部材96とを有する。
【0058】
前記ベース部材94の下部は支持フレーム2の左右支持足10の間に挿入され、ベース部材94の左右両側面の上部側には、支持フレーム2の支持足10上に載置され且つ支柱8に接当する載置プレート97が設けられ、この載置プレート97によって基台91の下方移動及び後方移動が規制されている。
また、図22に示すように、ベース部材94の下面側には、左右支持足10の下面間にわたって配置されると共にベース部材94の下端側にボルト固定された前後一対の上方規制プレート98が設けられ、この上方規制プレート98によって基台91の上方移動が規制される。
【0059】
また、図21に示すように、基台91の連結部材96後面側には左右支柱8の後面間にわたって配置されると共に連結部材96にボルト固定された前方規制プレート99が設けられ、この前方規制プレート99によって基台91の前方移動が規制される。
前記上方規制プレート98及び前方規制プレート99によって基台91が支持フレーム2に着脱自在に取り付けられている。
【0060】
ベース部材94の前端側で且つ上端側の左右両側には左右軸回りに回転自在な支持ローラ100が設けられ、左右ガイドレール95の対向内側の前端側及び中間部には当り部材101が設けられている。
スライダ92は、図23、図24に示すように、前後方向に延びると共に左右方向で対向配置された左右一対のスライドレール102と、この左右のスライドレール102を連結する前後一対の連結プレート103とを有する。
【0061】
このスライダ92は基台91の左右ガイドレール95間に前後移動自在に配置され、左右のスライドレール102がガイドレール95に設けた当り部材101に摺接していると共に基台91に設けた支持ローラ100上に載っている。
また、左右各スライドレール102の後端側の対向外側には転動ローラ104が左右軸回りに回転自在に設けられており、該転動ローラ104はガイドレール95後部を前後移動自在に転動可能とされると共に、ガイドレール95中間部の当り部材101に接当することによりスライダ92の前方移動が規制されるよう構成されている。
【0062】
左右各スライドレール102の前端側の対向内側には支持ローラ105が左右軸回りに回転自在に設けられ、左右各スライドレール102の対向内側の前端側及び中間部には当り部材106が設けられている。
架台93は、下面側の左右両側にスライダ92の支持ローラ105上に前後移動自在に載置された被支持面107が設けられ、この左右の被支持面107間には下方に延出されていてスライダ92の左右スライドレール102間に挿入される延設部108が設けられ、この延設部108はスライドレール102の当り部材106に摺接している。
【0063】
また、延設部108の後端側の左右両側には転動ローラ109が左右軸回りに回転自在に設けられており、該転動ローラ109はスライドレール102後部を前後移動自在に転動可能とされると共に、スライドレール102中間部の当り部材106に接当することにより架台93の前方移動が規制されるよう構成されている。
架台93の前端側には引手部材110が設けられ、該引手部材110を把持して前方に引くと、スライダ92に対して架台93が前方移動すると共に基台91に対してスライダ92が前方移動し、図16に示すように、炊飯器7を洗米タンク4の下方位置から前方に引き出すことができる。
【0064】
また、前記遮蔽板5の前壁部74の前部74Aが前斜め上方に向けて傾斜しているので、この載置台6を引き出した状態で炊飯器7の内釜7Aが取り出しやすいようになっている。
なお、載置台6には、架台93に引出し力を作用させないときに、架台93及びスライダ92の前方移動を規制する規制手段が設けられている。
【符号の説明】
【0065】
2 支持フレーム
4 洗米タンク
5 遮蔽板
7 炊飯器
8 支柱
18 排水ジャケット
26 パッキン
28 排米孔
31 排米弁
61 取付プレート
63 パッキン押え部
78A 前側の係合部材
78B 後側の係合部材
68 規制部(側縁部)
79 止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗米する洗米タンク(4)の下部に、該洗米タンク(4)内の水を排水させるための排水ジャケット(18)を備え、この排水ジャケット(18)に、洗米タンク(4)の下方に配置される炊飯器(7)の上方を覆う遮蔽板(5)が取り付けられた洗米装置において、
前記排水ジャケット(18)に取付プレート(61)を設け、前記遮蔽板(5)に、該遮蔽板(5)を後方移動させることにより取付プレート(61)に対して係合して該遮蔽板(5)の下方移動を規制する係合部材(78A,78B)と、この係合部材(78A,78B)を取付プレート(61)に係合した状態で、該取付プレート(61)に設けた係止部(71)に係合させることにより遮蔽板(5)の前方移動を規制する止め具(79)とを設けたことを特徴とする洗米装置。
【請求項2】
前記排水ジャケット(18)の下面側に、排米弁(31)によって開閉自在とされていて洗米した米を下方に排出するための排米孔(28)と、下方側から嵌合されていて排米弁(31)と排米孔(28)との間からの水漏れを阻止するパッキン(26)とを備え、
前記取付プレート(61)は、排水ジャケット(18)の下面にネジ止めされていると共に前記パッキン(26)を保持するパッキン押え部(63)を有することを特徴とする請求項1に記載の洗米装置。
【請求項3】
洗米タンク(4)を支持する支持フレーム(2)を備え、この支持フレーム(2は洗米タンク(4)の後方側に位置する左右一対の支柱(8)を備え、遮蔽板(5)の後部は左右支柱(8)間に挿入状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗米装置。
【請求項4】
取付プレート(61)に遮蔽板(5)が取り付けられた状態において、排水ジャケット(18)の前方側に位置する前側の係合部材(78A)と排水ジャケット(18)の左右両側に位置する後側の係合部材(78B)とを有し、取付プレート(61)に後側の左右係合部材(78B)の対向側が接当することにより遮蔽板(5)の左右方向の位置決めをする規制部(68)を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗米装置。
【請求項5】
前記前側の左右係合部材(78A)は左右一対設けられ、この前記前側の左右係合部材(78A)間に止め具(79)を設けたことを特徴とする請求項4に記載の洗米装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−161465(P2012−161465A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23942(P2011−23942)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】