説明

活性化合物含有吸着質

本発明は、人もしくは動物の栄養、又は化粧品用途のために適当な吸着質を製造する方法に関する。該方法によれば、吸着されるべき成分(A)が、少なくとも1種の安定剤(B)を用いて担持材料(C)に適用され、担持材料(C)の平均粒径が少なくとも80μmであり、ただし、吸着されるべき成分(A)がビタミンEであるなら、(A)及び(B)の混合物は7未満のHLB値を有し、また、ただし吸着されるべき成分(A)が脂溶性ビタミンであり、かつ安定剤(B)がグリセリドであるなら、(A)及び(B)の混合物の凝固点は80℃以下である。本発明はまた、そのような方法で得られた吸着質の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
活性化合物を含有する調製物は、多くの技術用途において重要であり、例は、食品、動物の食物又は化粧品である。
【背景技術】
【0002】
全ての用途は、工業的に扱うことのできる処方物においてそれぞれの活性化合物を提供すること、及び同時に、活性化合物の安定性を損なわないことについての問題を共にする。活性化合物の安定性の場合には、特に比較的複雑なマトリクス、例えば動物の飼料、特に「プレミックス(premixes)」と呼ばれるものにおける安定性が大きな重要性を有する。その上、処方物の高充填が望ましい。
【0003】
従来技術においては、多数の解決が提案された。
【0004】
US4,434,187は、食肉処理剤、ビタミンEの他にまたレシチン及びまたシリカ粒子を含む、食肉保蔵処理のための調製物を記載する。US4,434,187に従って適当なシリカ粒子は、1.5〜9μmの平均粒径を有する。
【0005】
WO97/37546 A1(EP1 006 806)は、脂肪及び任意的に充填剤の混合物を含む自由流動調製物を記載する。挙げられている充填剤はシリカである。そこに記載される調製物は、脂肪と充填剤の物理的混合物であり、吸着質ではない。
【0006】
WO 00/27362 A1(EP1 133 279)は、トウモロコシデンプン及びシリカを含む、液体トコフェロールの乾燥自由流動混合物を記載する。使用されるシリカは40〜50μmの粒径を有する。
【0007】
WO 92/13531 A1(EP 524 308)は、ビタミンE、界面活性剤乳化剤及び少なくとも1種の不活性担体の生物学的利用能を高めた調製物を記載する。挙げられる不活性担体は、とりわけ微晶質セルロース、二酸化ケイ素、デンプンである。ビタミンE及び界面活性剤の混合物は、発明に従い必要とされる高められた生物学的利用能を有するために、7〜14のHLB値を有していなければならない。
【0008】
US 4,617,294は、0.14〜0.84mmの粒径を有する自由流動顆粒シリカ粒子及び、ビタミンのための吸着剤としてのその使用を記載する。安定化剤の使用は論じられていない。US4,617,294は、第3頁、第44-45行において、油溶性ビタミンが油中に存在することができるという事実を記載する。
【0009】
EP 0 062 225 B1(BASF社)は、噴霧乾燥助剤又は粉末化剤として0.5〜2.0重量%の二酸化ケイ素を有して製造される、加水分解ゼラチン及びカゼイン塩に基づく噴霧乾燥したビタミンE粉末を記載する。
【0010】
EP 0 326 026 B1(BASF AG)は、慣用の乾燥工程によって粒状又は微粉状固体へと転化されるビタミン含有分散物又はエマルジョンを記載する。この調製物は、固まり防止剤、例えば二酸化ケイ素及びまた充填剤、例えばデンプン及びシリケートを含むことができる。
【0011】
JP 07-133491は、油溶性物質を含む固体調製物を記載する。それは、液体油溶性化合物をシリケートに適用し、次いで固化することによって得られる。20〜30μmの粒径を有する球状粒子が、適当なシリケートとして使用される(Shionogi&Co.からのCarplex 市販製品)。そのようにして得ることができる調製物は、特に魚油のための低臭気投与形態として適当である。
【0012】
しかしながら、全ての提案された技術的解決は、活性化合物の安定性に関して、特に比較的複雑なマトリックス、例えば食品及び/又は動物の飼料における安定性に関して不満足である。その他に、これらの用途は一般に、特定の取扱い要求(良好な流れ特性、低粉塵、低粘着性、低空気保持容量等)及びまたさらなる加工処理性(大きい計量精度、他の構成成分との混合物で分離しないこと)を課するプロセスであるという事実がある。特に、処方物は、慣用の工業装置で製造するのに簡単でなければならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって本発明の目的は、容易に取り扱うことができ、同時に調製物中での活性化合物の高い安定性を保証することができる、活性化合物含有処方物を提供することである。本発明の目的は、活性化合物の安定性を保持しながら、塊りの形成が生じることなく、分離が生じることなく、又は使用もしくは取扱いにおける他の不都合なしに、又は基質が固まることなく、活性化合物を複雑な基質中に、例えば動物の飼料又はプレミックス又は動物の飼料のための他の混合物中に、組み込むことを可能にする調製物を提供することである。複雑な基質の残りの成分が混合物によって影響を受けないことが、ここでは特に関心がある。処方物中の活性化合物が胃へと通ることができることがさらに重要である。
【0014】
本発明者らは、この目的は、人又は動物の栄養及びまた化粧品用途のために適当である吸着質(absorbate)の製造方法であって、吸着されるべき成分(A)が、少なくとも1種の安定剤(B)を用いて担体(C)に適用(applied)され、担体(C)の平均粒径は少なくとも80μmである(ただし、吸着されるべき成分(A)がビタミンEであるならば、(A)及び(B)の混合物は7未満のHLB値を有し、また吸着されるべき成分(A)が油溶性ビタミンであり、安定剤(B)がグリセリドであるならば、(A)及び(B)の混合物の凝固点は80℃以下である)方法によって達成されることを見出した。
【0015】
本発明の目的のためには、吸着質は特に、少なくとも10重量%、特に少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、特に好ましくは少なくとも40重量%、特に少なくとも50重量%の吸着される物質(担体(C)なしの吸着質の全構成成分の合計、すなわち少なくとも活性化合物(A)及び安定剤(B))が担体(C)の内部孔体積中に存在する調製物である。担体の内部孔体積は、DPB(フタル酸ジブチル)法DIN53601による空隙体積として決定することができる。
【0016】
その少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%が担体(C)の内部孔体積中に存在する吸着質が特に好ましい。
【0017】
JP-07-133491に記載された調製物と比べると、本発明の吸着質は、より良い取扱い及び使用の利点により区別される。その他に、この吸着質は、慣用の流動床技術及びミキサー技術によって製造することができる。
【0018】
US4,617,294に記載されたビタミン含有調製物は、本発明の意味内の安定剤を含まず、貯蔵の際の、又は複雑なマトリックス中での安定性が高められない。
【0019】
HLB値(親水性親油性バランス)は、主に非イオン性界面活性剤の油溶性及び水溶性ならびに、エマルジョンの安定性の尺度である。HLB値は、5%強度フェノール溶液を、濁りが生じるまで界面活性剤溶液に添加するフェノール滴定法により、実験的に決定することができる。
【0020】
吸着されるべき物質(A)
吸着されるべき成分(A)のために適当な物質は原則として、人及び/又は動物の消費のために適当である全ての物質である。特に適当な物質は、食物、動物の飼料及び/又は化粧品において活性化合物として使用されるものである。
【0021】
適当な成分(A)は同様に、化粧品における活性化合物、例えばビタミン、パンテノール、ビスアボロール、植物ステロール、例えばコレステロール、香油及び/又はコラーゲンである。
【0022】
水溶性、水分散性の化合物だけでなく、油溶性化合物もまた使用することができる。好ましい実施態様においては、油溶性化合物が成分(A)として使用される。
【0023】
吸着されるべき成分(A)の、油溶性物質(例えばビタミンE、D、K、A、カロチノイド)及び水溶性物質(例えばBビタミン群、アスコルビン酸)への分類は当業者に公知であり、専門家の文献に見出すことができる。疑わしい場合には、以下の限定が適用される:室温(25℃)での水への溶解度が10mg/kgより下になると油溶性であると考えられる。
【0024】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される安定剤である。
【0025】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、多糖(b-3)の群より選択される安定剤である。
【0026】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、乳化剤(b-2)の群より選択される安定剤である。
【0027】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、キレート化剤(b-4)の群より選択される安定剤である。
【0028】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及び乳化剤(b-2)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0029】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及びキレート化剤(b-4)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0030】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、キレート化剤(b-4)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及び乳化剤(b-2)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0031】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、多糖の群より選択される安定剤である。
【0032】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される安定剤である。
【0033】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、乳化剤(b-2)の群より選択される安定剤である。
【0034】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、キレート化剤(b-4)の群より選択される安定剤である。
【0035】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及び乳化剤(b-2)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0036】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、グリセリド(b-1)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及びキレート化剤(b-4)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0037】
吸着されるべき成分(A)が水溶性化合物であるなら、安定剤(B)は好ましくは、キレート化剤(b-4)の群より選択される少なくとも1種の安定剤、及び乳化剤(b-2)の群より選択される少なくとも1種の安定剤である。
【0038】
好ましい実施態様においては、成分(A)として、ビタミン、カロチノイド、キサントフィル、不飽和脂肪酸及びリポ酸からなる群より選択される化合物が使用される。
【0039】
好ましい実施態様においては、成分(A)は少なくとも1種のビタミンである。
【0040】
適当なビタミンは、水溶性ビタミンだけでなくまた油溶性ビタミンである。水溶性ビタミンは、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン、ビオチン、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン及びまたそれらの5’-リン酸エステル)、パントテン酸、葉酸、コバラミン(B12)、ならびにビタミンC(アスコルビン酸及びまたパルミチン酸アスコルビル)である。
【0041】
油溶性ビタミンは、ビタミンA(レチノール、レチナール、レチノイン酸)、カルシフェロール(ビタミンD)、トコフェロール(ビタミンE)、フィロキノン(ビタミンK1)及びメナキノン(ビタミンK2)である。
【0042】
好ましい実施態様においては、成分(A)は少なくとも1種の油溶性ビタミンである。
【0043】
もちろん、ビタミンは、生物学的ビタミン活性を示す全ての化合物を含み、例えば「ビタミンA」は、全トランスレチノール及びまたそのエステルの生物活性を定性的に示す全てのレチノイドを含み、例は、ビタミンAアセテート、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート及び、ビタミンAの他のエステル又は誘導体である。
【0044】
同様に、「ビタミンE」という語は、α-トコフェロールの生物活性を定性的に示す、トコール及びトコトリエノールの全ての誘導体を含む。これらは、α-、β-及びγ-トコフェロールならびにまたα-、β-及びγ-トコトリエノールならびにまた対応するジアステレオマー、特に全-rac-α-トコフェロール及びまたエステル、特にアセテート及びパルミテートを包含する。
【0045】
本発明の好ましい実施態様においては、吸着されるべき成分(A)は「ビタミンE」である。
【0046】
他の適当な吸着されるべき成分(A)は、カロチノイド及びキサントフィル、例えばリコペン、β-カロテン、α-カロテン、アスタキサンチン、アスタキサンチンエステル、カンタキサンチン、シトラナキサンチン、β-アポ-8’-カロテン酸エチルエステル、β-アポ-8’-カロテナール、ルテイン及びルテインエステル、ゼアキサンチン及びゼアキサンチンエステル、β-クリプトキサンチン及びβ-クリプトキサンチンエステル、カプサンチン及びカプサンチンエステル、カプソルビン及びカプソルビンエステル、ビキシン、ビキシンエステル及びそれらの誘導体、ノルビキシン、ノルビキシンエステル及びそれらの誘導体、クロセチン、クロセチンエステル及びそれらの誘導体である。
【0047】
もちろん、吸着されるべき成分(A)は、該物質の混合物として存在することができる。
【0048】
さらなる吸着されるべき成分(A)は、一般式R-COOH(ここでRは、非分岐又は分岐の、少なくとも1個の二重結合を含むC1〜C22アルキル基である)の不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体である。
【0049】
「脂肪酸」という語は、それぞれの酸の塩及びエステル、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩ならびにまたメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルエステルを含む。
【0050】
不飽和脂肪酸は、アシル基に1個、2個、3個、4個、5個又は6個の二重結合を含む。これらは、イソレニック(isolenic)脂肪酸と呼ばれるもの、すなわち二重結合がメチレン-中断された二重結合であるものを包含する。特に適当な不飽和脂肪酸は、ω-3、ω-6及びω-9脂肪酸と呼ばれるものである。ω-3脂肪酸の例は、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸及びミリストレイン酸であり、ω-6脂肪酸の例は、リノール酸、γ-リノレン酸及びアラキドン酸であり、ω-9脂肪酸の例は、オレイン酸、エルカ酸及びネルボン酸である。
【0051】
特に好ましくは、不飽和脂肪酸は、22個の炭素を含む多不飽和脂肪酸、エイコサポリエン酸である。
【0052】
特に好ましくは、不飽和脂肪酸は、8,11,14,17-エイコサペンタエン酸(EPA)、5,8,11,14-エイコサテトラエン酸(アラキドン酸=ARA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)からなる群より選択される多不飽和脂肪酸である。
【0053】
また適当である脂肪酸は同様に、共役二重結合を有するもの、例えばα-エライドステアリン酸、β-エライドステアリン酸又はパリナル(parinaric acid)酸である。
【0054】
本発明の好ましい実施態様においては、成分(A)は、多不飽和脂肪酸、特に共役不飽和脂肪酸である。
【0055】
好ましい実施態様においては、成分(A)は、少なくとも1個の共役したオクタデカポリエン酸、好ましくは少なくとも1個のオクタデカジエン酸、オクタデカトリエン酸又はこれらのオクタデカポリエン酸の組合せである。
【0056】
オクタデカトリエン酸の例は、カレンド酸(calendic acid)又はプニシ酸(punicic acid)である。
【0057】
特に好ましくは、成分(A)は共役したオクタデカポリエン酸であり、各脂肪酸含量の50%が9-cis-、11-trans-又は10-trans-、12-cis-オクタデカジエン酸である。
【0058】
特に好ましくは、成分(A)は共役したオクタデカポリエン酸であり、各脂肪酸含量の60%が9-cis-、11-trans-又は10-trans-、12-cis-オクタデカジエン酸である。
【0059】
特に好ましくは、成分(A)は共役したオクタデカポリエン酸であって、該脂肪酸含量の5%未満が11,13-オクタデカジエン酸異性体、8,10-オクタデカジエン酸異性体、cis,cis-オクタデカジエン酸異性体若しくはtrans,trans-オクタデカジエン酸異性体又はこれらの異性体の混合物である。
【0060】
特に好ましくは、成分(A)は共役したオクタデカポリエン酸であって、該脂肪酸含量の3%未満が11,13-オクタデカジエン酸異性体、8,10-オクタデカジエン酸異性体、cis,cis-オクタデカジエン酸異性体若しくはtrans,trans-オクタデカジエン酸異性体又はこれらの異性体の混合物である。
【0061】
特に好ましくは、成分(A)は共役したオクタデカポリエン酸であって、該脂肪酸含量の1%未満が11,13-オクタデカジエン酸異性体、8,10-オクタデカジエン酸異性体、cis,cis-オクタデカジエン酸異性体もしくはtrans,trans-オクタデカジエン酸異性体又はこれらの異性体の混合物である。
【0062】
本発明の好ましい実施態様においては、吸着されるべき成分(A)が不飽和脂肪酸であるなら、安定剤(B)は、キレート化剤(b-4)の種類から選択される少なくとも1種の化合物及び乳化剤(b-2)の種類から選択される少なくとも1種の化合物である。
【0063】
特に好ましくはこの場合に、キレート化剤(b-4)は、サリチル酸、クエン酸ステアリル、酒石酸及びクエン酸からなる群より選択される。
【0064】
特に好ましくはこの場合に、乳化剤(b-2)は、
- 15〜60モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物;例えば商品名Cremophor(BASF AG)として得ることができる製品、
- ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノエート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート又はポリグリセロールジメレート。また適当であるものは、複数のこれらの種類の化合物の混合物である;ならびに
- 2〜15モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物;
からなる群より選択される。
【0065】
適当な吸着されるべき成分(A)は香油である。香油は、天然及び合成の芳香剤の混合物である。天然の芳香剤は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、ペティグレイン(petitgrain))、果実(アニスの果実、コリアンダー、クメン、ビャクシン)、果実の皮(ベルガモットレモン、オレンジ)、根(メース、アンゼリカ、セルリアック、カルダモン、コスタス(costus)、イリス、カルムス(calmus))、木質(松材、ビャクダン、ユソウボク材(guaiac wood)、シーダー材、シタン)ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針及び小枝(トウヒ、モミ、マツ、マウンテンパイン(mountain pine))、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポポナックス(opoponax))の抽出物である。さらに、動物の生の材料、例えばシベット及びカストリウムが使用される。典型的な合成芳香剤化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素のタイプの生成物である。エステルタイプの芳香剤化合物は、例えば酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルボニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、蟻酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテルは、例えばベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは、例えば8〜18個の炭素を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びボルゲオナール(bourgeonal)であり、ケトンは、例えばイオノン、α-イソメチルイオン及びメチルセドリルケトンであり、これらのアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピレオールを包含し;炭化水素は主として、テルペン及びバルサムを包含する。しかしながら、注意を喚起する芳香の香気を共に生じる種々の芳香剤の混合物を使用するのが好ましい。フレーバー成分として一般に使用される揮発性のあまりないエッセンシャルオイル、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、レモンバーム油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ビャクシン実油、ベチベルソウ油、乳香油、ガルバナム油、ラボラナム(labolanum)油及びラバンジン(lavandin)油がまた、香油として適当である。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタール(cyclovertal)、ラバンジン (lavandin) 油、クラリーセージ(clary sage)油、b-ダマスコーン(b-damascone)、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックスクール(vertofix coeur)、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、Evernyl、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)及びFloramatを、単独又は混合物で使用する。
【0066】
そのほかに、適当な吸着されるべき成分(A)は、リポ酸、生理学的に許容されるその誘導体又は塩である。
【0067】
「リポ酸」という語は、本発明に従えば、式I
【化1】

【0068】
の5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸(またチオクト酸、チオクタン酸又はチオクタンと呼ばれる)、及び、この式の下で、混合物として、例えばラセミ体としてだけでなく、純粋形態、例えばR-もしくはS-鏡像体としても生じる光学異性体を意味する。好ましい異性体は、式II
【化2】

【0069】
の(R)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)吉草酸である。少なくとも40%の(R)-鏡像体過剰(ee)を有するリポ酸混合物が好ましい。好ましくは、(R)-鏡像体過剰は少なくとも80%であり、特に少なくとも98%である。
【0070】
鏡像体過剰(ee)はここで、以下の式:ee[%]=(R-S)/(R+S)x100から与えられる。R及びSは、2種の鏡像体についてのCIP系の記述子であり、非対称C(5)原子での絶対配置を与える。鏡像体的に純粋な化合物(ee=100%)はまた、ホモキラル化合物と呼ばれる。
【0071】
リポ酸誘導体としては、特にリポ酸の合成前駆体及び代謝産物、すなわち主としてジヒドロリポ酸、を包含する。他の代謝産物は、リポナミド、リポイリシン、ジ-6,8-ビスノルリポ酸及びテトラノルリポ酸である。他の適当なリポ酸誘導体は、例えばリポ酸とアミノアルコール、アミノチオール及びジアミンとのエステル、チオエステル及びアミドであり、これらは、式(I)のリポ酸類似体としてWO99/45922に記載されており、これは本明細書において引用することにより組み入れられる。リポ酸の説明に従えば、誘導体のそれぞれの光学異性体がまた包含される。
【0072】
リポ酸の生理学的に許容される塩及びリポ酸誘導体は、本発明の場合には、好ましくは塩基付加塩である。
【0073】
塩基付加塩は、無機塩基、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは遷移金属の金属水酸化物又は金属炭酸塩との塩、又は有機塩基、例えばアンモニア、塩基性アミノ酸、例えばアルギニン及びリシン、アミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、3-アミノ-1-プロパノール又はヘキサメチレンテトラアミン、4〜6個の環炭素を含む飽和環状アミン、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン及びモルホリンならびに他の有機塩基、例えばN-メチルグルカミン、クレアチン及びトロメタミン、また4級アンモニウム化合物、例えばテトラメチルアンモニウム等との塩を含む。
【0074】
無機塩基との塩、例えばNa、K、Mg、Ca、Zn、Cr及びFe塩が好ましい。
【0075】
安定剤(B)
適当な安定剤は、吸着質中の活性化合物(A)の崩壊を遅れさせる全ての物質である。この場合に参考となるのは、安定剤なしで対応するやり方で製造された吸着質である。
【0076】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤(B)は一般に、(B)と吸着されるべき成分(A)との混合物が80℃より下の温度、好ましくは60℃より下の温度、特に40℃より下の温度で固体であるような方法で選択される。
【0077】
吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、安定剤は好ましくは、グリセリド(b-1)の群及び/又は乳化剤(b-2)の群より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0078】
好ましくは(B)は、(B)と吸着されるべき成分(A)との混合物が、プロセス温度で液体であるか又は低粘度を有するような方法で選択される。プロセス温度は、吸着質が製造される温度である。それは、吸着されるべき成分及び担体の相関として、当業者に選択されるであろう。
【0079】
適当な安定剤は特に、b-1)グリセリド、b-2)乳化剤、b-3)多糖及び/又はb-4)キレート化剤からなる群より選択される化合物である。
【0080】
明らかに、安定剤(B)自体の個々の種類からの化合物の混合物だけでなく、異なる種類の化合物の混合物がまた、本発明にしたがって使用できる。当業者は、吸着されるべき成分(A)の相関としてここで安定剤又は安定剤混合物を選択する。
【0081】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物及び乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが特に好ましい。
【0082】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物及び多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
【0083】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
【0084】
乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物及び多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
【0085】
乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
【0086】
多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが好ましい。
【0087】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物、乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物及び多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが特に好ましい。
【0088】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物、乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが特に好ましい。
【0089】
乳化剤b-2)の種類の少なくとも1種の化合物、多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが特に好ましい。
【0090】
グリセリドb-1)の種類の少なくとも1種の化合物、多糖b-3)の種類の少なくとも1種の化合物及びキレート化剤b-4)の種類の少なくとも1種の化合物を使用するのが特に好ましい。
【0091】
b-1 グリセリド
好ましい実施態様においては、安定剤(B)は、グリセリド(b-1)の種類から選択される少なくとも1種の化合物である。
【0092】
好ましくは安定剤として、少なくとも2種、特に少なくとも3種の、グリセリド(b-1)の種類から選択される化合物が使用される。
【0093】
「グリセリド」という語は、1個、2個又は3個のカルボキシル残基でエステル化された1個のグリセロール(モノ-、ジ-又はトリグリセリド)を意味するとされる。「グリセリド」はまた、異なるグリセリドの混合物を意味するとされる。グリセリド又はグリセリド混合物は、さらなる添加剤、例えば遊離脂肪酸を含むことができる。
【0094】
使用されるグリセリドは、合成又は天然に生じるグリセリド油又はその誘導体であり得る。「グリセリド」はまた、合成又は天然に生じる脂肪酸エステル及び/又はグリセリドを含む油及び脂肪を意味するとされる。
【0095】
「グリセリド」はまた、グリセロールの誘導体を意味するとされる。特にこれは、天然に生じる非共役又は飽和のグリセリドの脂肪酸組成が本質的に変化しなかった誘導体を含む。
【0096】
1〜22個の炭素、好ましくは12〜18個の炭素を有するアシル基を含む合成又は天然のグリセリドが好ましい。12個より多い、特に16個より多い炭素でかつ22個より少ない炭素を含む、好ましくは18〜20個の炭素を有する、飽和及び/又は1不飽和もしくは多不飽和のアシル基を含む天然の油及び脂肪が特に好ましい。
【0097】
「油」又は「脂肪」という語は、飽和、不飽和、非分岐及び/又は分岐のエステル化された脂肪酸を含む脂肪酸混合物を意味するとされる。脂肪酸は通常、1〜22個の炭素、特に12〜18個の炭素、好ましくは12〜16個の炭素を含む。
【0098】
油又は脂肪は、種々の他の飽和もしくは不飽和の脂肪酸を含むことができる。特に、製造プロセスに依存して、種々の脂肪酸の含量は、油又は脂肪中で変化し得る。脂肪酸エステルは同様に本発明の処方物の範囲内にあり、特に植物材料から油の製造中に生じる脂肪酸エステルである。例は、脂肪酸のC1〜C12アルキルエステルである。好ましくは脂肪酸エステルは、グリセリドとして、特にトリグリセリドとして存在する。
【0099】
使用することのできる植物又は動物の出発材料は、例えばオリーブ油、ココナツ油、ココナツ脂肪、ゴマ油、コメ胚芽油、竹油、竹脂肪、ヒマワリ油、菜種油、魚油、大豆油、パーム油、サフラワー油、亜麻仁油、小麦胚芽油、ピーナッツ油、綿実油、トウモロコシ胚芽油、豚脂、牛脂、鳥肉脂肪、牛乳脂肪、桐油もしくはシアバターノキ油又は、それらの誘導体もしくは混合物である。水素化した、又は一部水素化した油及び脂肪が同様に使用できる。
【0100】
以下の表に適当なグリセリドをまとめる:
【表1】

【0101】
乳化剤b-2
好ましい実施態様においては、安定剤(B)は、乳化剤(b-2)の種類から選択される少なくとも1種の化合物である。
【0102】
好ましくは、安定剤として、少なくとも2種、特に少なくとも3種の乳化剤(b-2)の種類から選択される化合物が使用される。
【0103】
原則として、食物、動物の栄養及び/又は化粧品用途のために適当である全ての乳化剤が適当である。
【0104】
使用することのできる乳化剤は、例えば以下の群の少なくとも1つからの非イオノゲン性(non-ionogenic)界面活性剤である:
(1) 2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は0〜5モルのポリエチレンオキシドの、8〜22個の炭素を含む直鎖脂肪族アルコールへの、12〜22個の炭素を含む脂肪酸への、及びアルキル基に8〜15個の炭素を含むアルキルフェノールへの付加生成物;
(2) 1〜30モルのエチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノエステル及びジエステル;
(3) 6〜22個の炭素を含む飽和及び不飽和脂肪酸ならびにそれらのエチレンオキシド付加生成物のグリセロールモノエステル及びジエステルならびにソルビタンモノエステル及びジエステル;
(4) アルキル基に8〜22個の炭素を含むアルキルモノグリコシド及びオリゴグリコシドならびにそれらのエトキシル化類似体;
(5) 15〜60モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物;例えば商品名Cremophor(BASF AG)として入手可能な製品;
(6) ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート又はポリグリセロールジメレート。複数のこれらの種類の物質の化合物の混合物が同様に適当である;
(7) 2〜15モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物;
(8) 非分岐、分岐、不飽和又は飽和のC6/22-脂肪酸、リシノール酸及びまた12-ヒドロキシステアリン酸ならびに、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)及びまたポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル;
(9) リン酸モノ-、ジ-及びトリアルキル、及びまたリン酸モノ-、ジ-及び/又はトリ-PEG-アルキル、ならびにそれらの塩;
(10) ラノリンアルコール;
(11) ポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体;
(12) DE-C 1165574の下での、ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪族アルコールの混合エステル及び/又は、6〜22個の炭素を含む脂肪酸、メチルグリコース及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル;ならびにまた
(13) ポリアルキレングリコール。
【0105】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの、脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ-及びジ-エステルならびにまたソルビタンモノエステル及びジエステルへの、又はひまし油への付加生成物は、市販されていて入手可能な公知の製品である。これらは、同族体の混合物であり、その平均アルキル化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドならびに付加反応が行なわれる基質の物質の量の比に対応する。エチレンオキシドのグリセロールへの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノ-及びジエステルは、化粧品調製物のための油-置換材料としてDE-C 2024051に開示されている。C8/18-アルキルモノ及びオリゴグリコシド、それらの製造及び使用は、従来技術から公知である。それらは、特に、グルコース又はオリゴ糖と8〜18個の炭素を含む1級アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシドエステルに関しては、環状糖基がグリコシドで脂肪族アルコールに結合されるモノグリコシドだけでなく、好ましくは約8個までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドもまた適当である。オリゴマー化度は、そのような工業製品に慣用の基礎をなす同族体分布に基づく統計平均である。
【0106】
さらには、双性イオン界面活性剤を、乳化剤として使用することができる。双性イオン界面活性剤という名称は、分子中に少なくとも1個の4級アンモニウム基及び少なくとも1個のカルボキシレート基及び1個のスルホネート基を有する界面活性化合物について使用される。特に適当な双性イオン界面活性剤は、ベタインと呼ばれるもの、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココナツのアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(それぞれ、アルキル又はアシル基に8〜18個の炭素を含む)及びまた、ココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタインと呼ばれるCTFAとして公知の脂肪族アミド誘導体が特に好ましい。同様に適当である乳化剤は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、分子中に1個のC8/18アルキル基又はC8/18アシル基を含むことに加えて、少なくとも1個の遊離のアミノ基及び少なくとも1個の-COOH基又は-SO3H基を含み、内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味するとされる。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミノプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸であり、それぞれ、アルキル基に約8〜18個の炭素を含む。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12/18アシルサルコシンである。両性界面活性剤のほかに、4級乳化剤をまた使用でき、特に好ましくは、エステルクオートタイプのもの、好ましくはメチル4級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0107】
その他に、使用することのできる乳化剤は、グリセロリン脂質及びグリセロ糖脂質である。ここで好ましくは、グリセロリン脂質、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)、カルジオリピン、ホスファチジルグリセロール;ホスファチジルセリン及びアルキルアシルグリセロリン脂質、例えばプラスマロゲンである。
【0108】
特に化粧品用途のために適当である全ての乳化剤の組合せは、CTFAの化粧品成分のハンドブック(Handbook of Cosmetic Ingredients of the CTFA(Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association)及び「乳化剤」及びオンラインCTFAデータベ−ス(www.ctfa.org)において見出される。
【0109】
特に適当なものは、食品乳化剤として公知のジアシルグリセリド及びそれらの混合物、例えば食品乳化剤E 472a、E 472b、E 472e又はE 442である。その他に、適当なものは、“Emulgatoren fur Lebensmittel“ [食品のための乳化剤] 、G. Schuster編、 Springer Verlag 1985, pp. 55 〜190に挙げられた全ての乳化剤である。これらのうちで、特に適当なものは、表1に挙げられた乳化剤である(pp.57-60)。
【0110】
好ましくは、EEC番号E322レシチン、E432ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、E433ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート、E434ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、E435ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、E436ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノトリステアレート、E470,E471脂肪酸のモノ-及びジグリセリド、E472a, E472b, E 472c, E472d, E 472e, E 473脂肪酸の ショ糖エステル、E 474, E 475, E476, E 477, E 481, E 482カルシウムステアロイル-2-ラクチレート、E483酒石酸ステアリルならびにまた、E493, E 494, E495, E491, E492及びE 498を有する乳化剤である。
【0111】
以下の表は、特に適当な乳化剤をまとめる。
【表2】

【0112】
特に好ましくは、2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は0〜5モルのプロピレンオキシドの、8〜22個の炭素を含む非分岐脂肪族アルコールへの、12〜22個の炭素を含む脂肪酸への、及びアルキル基に8〜15個の炭素を含むアルキルフェノールへの付加生成物である。
【0113】
特に好ましくは、例えば商品名Pluronic(商標)PE (BASFAktiengesellschaft)として得ることができるEO/POブロックポリマーである。
【0114】
特に好ましくは、例えばINCI名 PEG-7水素化ひまし油として得ることができる、2〜15モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物である。
【0115】
特に好ましくは、15〜60モルのエチレンオキシドのひまし油及び/又は硬化ひまし油への付加生成物;例えばINCI 名 PEG-40 水素化ひまし油として得ることができる同様の製品である。
【0116】
特に適当な乳化剤は、ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート又は、INCI名ポリグリセリル-3-ジステアレート又はポリグリセリル-3オレートとして得ることができる、ポリグリセロールジメレートである。複数のこれらの種類の物質の化合物の混合物が同様に適当である。
【0117】
本発明の好ましい実施態様においては、安定剤(B)は、キレート化剤(b-4)の種類の少なくとも1種の化合物及び乳化剤(b-2)の種類の少なくとも1種の化合物である。
【0118】
b-3)多糖
好ましい実施態様においては、安定剤(B)は、多糖(b-3)の種類から選択される少なくとも1種の化合物である。
【0119】
好ましくは、使用される安定剤は、少なくとも2種、特に少なくとも3種の、多糖(b-3)の種類から選択される化合物である。
【0120】
多糖が担体C)として使用されるなら、使用される安定剤(B)は(C)と異なる多糖である。
【0121】
多糖(polysaccharide)(同義語多糖(glycan))は、高分子の炭化水素のための総称であり、その分子は、互いにグリコシド結合される多数の(少なくとも>10、好ましくは>20、特に>50)単糖分子(グルコース)からなる。
【0122】
多糖の例は、ホモグリカンデンプン、グリコーゲン、グアラン(guaran)、アミロペクチンならびにまた、セルロース、アミロース、デキストラン及びツニシン(tunicin)(ポリグルコサン、グルカン)、D-フルクトースの重縮合体としてのイヌリン(ポリフルクトサン、フルクタン)、キチン、アルギン酸である。
【0123】
また適当な多糖は、異なるタイプのモノマー単位のヘテロ多糖(heteropolysaccharide)(ヘテロ多糖(heteroglycan))である。公知のヘテロ多糖は、ペクチン、マンナン、ガラクタン、キシラン及び他のポリオースならびに、その他にコンドロイチンサルフェート、ヘパリン、ヒアルロン酸及び他のグリコサミノグリカンである。
【0124】
適当な多糖は、例えば名称N-Zorbit M(タピオカデンプンからのマルトデキストリン、National Starch)として市販されていて入手可能なマルトデキストリンである。
【0125】
適当な多糖はさらに、デンプン誘導体、例えばNational Starchから名称HI-CAP100として市販されていて入手可能なデンプンオクテニルスクシネートである。
【0126】
b-4)キレート化剤(chelators)
好ましい実施態様においては、安定剤(B)は、キレート化剤(b-4)の種類から選択される少なくとも1種の化合物である。
【0127】
好ましくは、安定剤として、少なくとも2種、特に少なくとも3種の、キレート化剤(b-4)の種類から選択される化合物が使用される。
【0128】
適当なキレート化剤は、原則として、食品及び動物の飼料のためのキレート化剤として公認された全ての化合物である。例は、酢酸のNa、K、Ca塩、クエン酸及びまたクエン酸のNa、K、Ca塩、クエン酸モノイソプロピルエステル、クエン酸のモノグリセリドエステル、トリエチルエステル及びモノステアリルエステル、EDTA、EDTAのNa、K、Ca塩、グルコン酸のNa、K、Ca塩、オキシステアリン、オルトリン酸及びまたオルトリン酸のNa、K、Ca塩、ピロリン酸のNa塩、三リン酸のNa塩、ヘキサメタリン酸のNa及びCa塩、フィチン酸のCa塩、ソルビトール、酒石酸、サリチル酸、及びチオ硫酸のNa塩である。
【0129】
特に適当なキレート化剤は、酒石酸、サリチル酸及びクエン酸のモノステアリルエステルである。
【0130】
適当なキレート化剤は、Thomas E. Furia, 「食品中の金属イオン封鎖剤」(“Sequestrants in Food” CRC Handbook of Food Additives, 第2版, 巻 I, CRC Press, Boca Raton, ISBN 0-8493-0542-X, 6章, pp. 271-280に記載されている。特に適当なキレート化剤は、pp.275-277でそこに挙げられているキレート化剤である。
【0131】
本発明の好ましい実施態様においては、安定剤(B)対吸着されるべき成分(A)の重量比は、10以下、特に5以下、特に1以下、特に0.8以下、特に0.5以下、好ましくは0.3以下である。
【0132】
安定剤(B)が、グリセリド(b-1)及び/又は多糖(b-3)の群より選択されるなら、好ましくは安定剤(B)対吸着されるべき成分(A)の重量比は10以下、特に5以下、特に1以下、特に0.8以下である。
【0133】
安定剤(B)が、乳化剤(b-2)及び/又はキレート化剤(b-4)の群より選択されるなら、好ましくは安定剤(B)対吸着されるべき成分(A)の重量比は0.8以下、特に0.5以下、特に0.3以下、好ましくは0.1以下である。
【0134】
担体(C)
担体(C)のために適当な物質は、少なくとも80μmの平均粒径を有して存在し、単数又は複数の活性化合物(A)及び単数又は複数の安定剤(B)を吸着することができる全ての物質である。適当な担体は特に、低分子量の無機塩、珪藻土、シリカ及びシリカ誘導体、糖、デキストリン、デンプン製品及びセルロース調製物(preparation)である。
【0135】
担体(C)は、本発明の処方物において使用される成分といかなる有害な相互作用も示してはならず、それぞれの用途において、例えば食品、食品補助物質、動物の飼料及び化粧品調製物において助剤として使用するために無害でなければならない。
【0136】
適当な担体の例は:天然又は合成起源の、低分子量の無機又は有機化合物及び高分子量の有機化合物である。適当な低分子量の無機担体の例は、塩、例えば塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム及び硫酸マグネシウム、珪藻土及びシリカ又はシリカ誘導体、例えば二酸化ケイ素、シリケート又はシリカゲルである。適当な有機担体の例は、特に、糖、例えばグルコース、フルクトース、シュークロース及びまたデキストリン及びデンプン製品である。
【0137】
その他に、適当な担体C)は、b-3として詳述した多糖である。多糖が担体C)として使用されるなら、使用される安定剤B)がC)と異なる多糖であるのが好ましく、特に、使用される安定剤B)が多糖でないのが好ましい。
【0138】
高分子量有機担体の例は:デンプン及びセルロース調製物、例えば特にコーンスターチ、トウモロコシ穂軸ミール(corn cob meal)、粉砕した籾殻、セモリナ小麦又は穀類粉、例えば小麦、ライ麦、大麦及びオーツ麦粉又は小麦、ライ麦、大麦及びオーツ麦のふすま、又はそれらの混合物である。
【0139】
担体(C)として特に好ましくは、シリカ及びシリカ誘導体、例えば平均粒径少なくとも80μmを有する二酸化ケイ素、シリケート又はシリカゲル及びまたそれらの混合物である。そのような製品は、市販されていて入手可能な、例えばSipernat(商標)22又はSipernat(商標)2200 (Degussa); Tixosil(商標)38 X又はTixosil(商標)68 (Rhodia)又はZeofree 5170 (Huber)である。
【0140】
特に好ましくは、親水性シリカである。
【0141】
本発明はまた、該担体の混合物の存在を包含する。
【0142】
少なくとも80μm、好ましくは少なくとも100μm、好ましくは少なくとも200μm、特に少なくとも300μm、好ましくは少なくとも400μmの担体(C)の平均粒径が、本発明に不可欠である。
【0143】
好ましい実施態様においては、使用される担体は、1000μm未満、特に800μm未満の平均粒径を有する。
【0144】
ここで、平均粒径は、[D4,3]値として報告される。これは、Malvern Instruments Ltd, Serial Number 32734-08からのMastersizer Sで決定することができる。粒径分布の幅を記載するために、D(v,0.1), D(v,0.5) 及び D(v,0.9)が決定され、また分布の平均粒径[D4,3]が報告された。
【0145】
平均粒径[D4,3]は、Mastersizer S Serial No. 32734-08, Certificate No P 1261についての、Mastersizer Reference Handbook, Preliminary Manual Chapter 2, ページ 22-23, Malvern Instruments Ltd, May 1995にしたがって詳述される。[D4,3]は、「体積加重した平均直径」として記載される。
【0146】
かくして決定された平均粒径[D4,3]は、例えばSipernat(商標)22については: 136μm, Sipernat(商標)2200: 364 μm, Tixosi(商標)38 X: 265 μm, Tixosil(商標)68: 302 μm 又はZeofree 5170: 287 μmである。
【0147】
担体(C)は、吸着質の全重量に基づいて、10重量%より上、特に20重量%より上、好ましくは30重量%より上の含量で、本発明の製剤中に存在することができる。慣用的には担体は、吸着質の全重量に基づいて10〜85重量%、好ましくは約20〜85重量%の範囲で存在する。これらの値は、コーティングされていない安定化された吸着質に基づく。
【0148】
コーティング材料D)
本発明の好ましい実施態様においては、吸着質はコーティングされる。適当なコーティング材料は:
a) 数平均分子量約400〜15,000、例えば400〜10,000のポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール;
b) 数平均分子量約4,000〜20,000のポリアルキレンオキシドポリマー又はポリアルキレンオキシドコポリマー、特にポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー;
c) 置換ポリスチレン、マレイン酸誘導体及びスチレン-マレイン酸コポリマー;
d) 数平均分子量約7,000〜1,000,000のポリビニルピロリドン;
e) 数平均分子量約30,000〜100,000のビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;
f) 数平均分子量約10,000〜200,000のポリビニルアルコール、ポリフタル酸ビニル;
g) 数平均分子量約6,000〜80,000のヒドロキシプロピルメチルセルロース;
h) 数平均分子量約100,000〜1,000,000のアルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、特にアクリル酸エチル/メタクリル酸メチルコポリマー及びメタクリレート/アクリル酸エチルコポリマー;
i) 安定化されていないか又はポリビニルピロリドンで安定化された、数平均分子量約250,000〜700,000のポリ酢酸ビニル;
j) ポリアルキレン、特にポリエチレン;
k) フェノキシ酢酸-ホルムアルデヒド樹脂;
l) セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、エチルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート;
m) 動物、植物又は合成のグリセリド;
n) 動物、植物又は合成の蝋又は化学的に変性した動物、植物の蝋、例えば蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、モンタンエステル蝋及び米胚芽油蝋、鯨蝋、ラノリン、ホホバ蝋、Sasol蝋、木蝋又は木蝋代用品;
o) 動物及び植物タンパク質、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチン代用物、カゼイン、ホエー、ケラチン、大豆タンパク質;ゼイン及び小麦タンパク質;
p) 単糖及び二糖、オリゴ糖、多糖、例えばデンプン、変性デンプン及びまた、ペクチン、アルギネート、キトサン、カラギーナン;
q) 植物油、例えばひまわり、アザミ、綿実、大豆、トウモロコシ胚芽、オリーブ、菜(種)、亜麻仁、オリーブ木、ココナツ、ヤシの種油及びパーム油;
r) 合成又は半合成油、例えば中鎖トリグリセリド又は鉱油;
s) 動物油、例えばニシン油、サーディン油及び鯨油;
t) 例えば上記した油の硬化(水素化又は部分水素化)油/グリセリド、特に水素化パーム油、水素化綿実油、水素化大豆油;
u) ワニスコーティング、例えばテルペン、特にシェラック(shellac)、トルーバルサム(Tolu balsam)、ペルーバルサム(Perulu balsam)、サンダラック(sandarac)及びシリコーン樹脂;
v) 脂肪酸、飽和及び1不飽和及び多不飽和C6〜C24カルボン酸;
w) シリカ。
【0149】
該コーティング材料はまた、互いの混合物で使用することができる。
【0150】
適当なポリアルキレングリコールa)の例は:ポリプロピレングリコール及び特に、異なるモル質量のポリエチレングリコール、例えばBASF AGから商品名Lutrol E 4000及びLutrol E 6000として入手可能なPEG4000又はPEG6000である。
【0151】
上記ポリマーb)の例は:ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド混合ポリマーならびに、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックからできているブロックコポリマー、例えばBASF AGから商品名Lutrol F68及びLutrol F127として入手可能なポリマーである。
【0152】
好ましくは、溶液の全重量に基づき約50重量%までの、例えば約30〜50重量%の、ポリマーa)及びb)の高濃度溶液を有利に使用することができる。
【0153】
上記ポリマーd)の例は:例えばBASF AGから商品名Kollidon又はLuviskolとして配布されている、ポリビニルピロリドンである。溶液の全重量に基づいて約30〜40重量%の固形分量を有するこれらのポリマーの高濃度溶液を有利に使用することができる。
【0154】
上記したポリマーe)の例は:BASF AGから商品名Kollidon VA64又はKollicoatSRとして配布されている、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーである。溶液の全重量に基づき約30〜40重量%のこれらのコポリマーの高濃度溶液を特に有利に使用することができる。
【0155】
上記ポリマーf)の例は:Hoechst社により商品名Mowiolとして配布されている製品である。約8〜20重量%の範囲の固形分含量を有するこれらのポリマーの溶液を有利に使用することができる。
【0156】
適当なポリマーg)の例は:例えばShin Etsuにより商品名Pharmacoatとして配布されている、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0157】
上記したポリマーh)の例は:アルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマーであり、そのアルキル基は1〜4個の炭素を有する。適当なコポリマーの特定の例は:例えばBASF AGにより商品名Kollicoat EMM 30Dとして、又はRhom社により商品名Eutragit NE 30 Dとして配布されているエチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマー及びまた、例えばBASF AGにより商品名Kollicoat MAE 30DPとして、又はRhom社により商品名Eutragit 30/55として配布されているメタクリレート/エチルアクリレートコポリマーである。そのようなコポリマーは、本発明にしたがって、例えば10〜40重量%強度の分散物として加工処理することができる。
【0158】
上記ポリマーi)の例は: ポリビニルピロリドンで安定化され、例えばBASF AGにより商品名Kollicoat SR 30D(分散物の固形分含量約20〜30重量%)として配布されているポリ酢酸ビニル分散物である。
【0159】
脂肪、例えば動物、植物又は合成起源の脂肪;動物性脂肪m)の例は豚、牛及びガチョウの脂肪であり、適当な脂肪は、例えば牛肉獣脂である。適当な牛肉獣脂は、Cognisから商品名Edenor NHIT-G(CAS No. 67701-27-3)として入手可能である。
【0160】
他のコーティング材料は、例えば牛、豚、魚からのゼラチンである。
【0161】
他のコーティング材料は、蝋、例えば植物性蝋、例えばカンデリラ蝋、カルナウバ蝋、米胚芽油蝋、木蝋又は木蝋代用品(商品名Japanwachsersatz[木蝋代用品]2909として入手可能、Kahl Wachsraffinerie)等;合成蝋、例えばパルミチン酸セチル(Cognisから、商品名Cutina CP, CAS 95912-87-1として入手可能)、動物性蝋、例えばラノリン、蜜蝋、シェラック蝋、スペルマセッティ(spermacetti)及び化学変性した蝋、例えばホホバ蝋、Sasol蝋、モンタンエステル蝋である。
【0162】
原則として、溶液からの他のコーティングがまた便利である:例えば糖コーティング。
【0163】
同様に、植物油q)を使用することができ、例えばヒマワリ油、アザミ油、綿実油、大豆油、トウモロコシ胚芽油及びオリーブ油、菜種油、亜麻仁油、オリーブ木油、ココナツ油、(油)ヤシの種油及び(油)パーム油である。適当なパーム油は、例えばAarhus Oliefabrik社から商品名Vegeol PR 265として入手可能である。適当な菜種油は、Aarhus Oliefabrik社から商品名Vegeol PR 267として入手可能である。ヤシの種油は、Karlshamns社から商品名Tefacid Palmic 90(CAS No. 57-10-3)として入手可能である。
【0164】
同様に、半合成油r)、例えば中鎖トリグリセリド又は鉱油及び/又は動物油s)、例えばニシン油、サーディン油及び魚油を使用することができる。
【0165】
好ましい実施態様においては、使用されるコーティング材料は、トリグリセリドを含む水素化された植物油t)、例えば水素化された綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、大豆油、パーム油、ヤシの種油、ババスー(babassu)油、ヒマワリ油及びサフラワー油である。好ましい水素化植物油は、水素化されたパーム油、綿実油及び大豆油を含む。最も好ましい水素化植物油は、水素化大豆油である。植物及び動物由来の他の脂肪及び蝋が同様に適当である。
【0166】
好ましく使用される水素化植物油は、種々の多形態であることができ、これらは、α、β及びβ’形態である。本発明の特に好ましい実施態様においては、主にβ及びβ’形態である水素化植物油、特にβ形態が大部分であるものが使用される。「大部分」という語は、少なくとも25%、特に少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の結晶が、好ましい多形態であることを意味する。
【0167】
特に好ましくは、50%より上、特に75%より上、好ましくは90%より上のβ及び/又はβ’形態の含量を有する水素化大豆油が使用される。
【0168】
コーティングのためには、例えばできるだけ高濃度であるが、なお噴霧可能である、例えば50重量%強度までの、1種以上の該コーティング材料の水性もしくは非水性の溶液又は分散物である液体を使用することができる。同様に、微粉のコーティング材料を使用することができる。
【0169】
好ましいコーティング材料は、トリグリセリドを含む水素化植物油、例えば水素化された綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、大豆油、パーム油、ヤシの種油、ババスー油、ヒマワリ油及びサフラワー油を含む。好ましい水素化植物油は、水素化されたパーム油、綿実油及び大豆油を含む。最も好ましい水素化植物油は、水素化大豆油である。植物及び動物由来の他の脂肪及び蝋が同様に適当である。
【0170】
他の物質(E)
本発明のさらなる実施態様においては、吸着質は、他の物質を含むことができ、例としては、酸化防止剤、防腐剤、バインダー及び/又は調味剤(flavoring)である。
【0171】
酸化防止剤は、例えば脂肪酸の二重結合が酸化するのを防ぐのに有利である。しかしながら、酸化防止剤の一般的な健康促進作用がまた公知である。かくして、動物の栄養においては、酸化防止剤として、エトキシシン、アスコルビン酸、tert-ブチル化されたヒドロキシトルエン、tert-ブチル化されたヒドロキシアニソール、パルミチン酸アスコルビルが好ましく使用され;これらに加えて、ガンマ-及びアルファ-トコフェロール、トコトリエノール、ローズマリー抽出物、イソフラボン及びカロチノイドならびに天然に生じるポリフェノール、たとえばフラボノイドがまた使用される。
【0172】
本発明の好ましい実施態様においては、使用されるさらなる物質(E)は、吸着されるべき成分(A)が油溶性化合物であるなら、酸化防止剤である。特に吸着されるべき成分が油溶性ビタミン及び/又は不飽和脂肪酸であるならば、酸化防止剤である。
【0173】
本発明の好ましい実施態様においては、安定剤(B)として、グリセリド(b-1)の群の化合物が使用されるなら、さらなる物質(E)として酸化防止剤が使用される。
【0174】
本発明の処方物は、0.05〜10重量%の酸化防止剤を含むことができる。好ましくは、吸着されるべき成分(A)に基づき0.1〜6重量%の酸化防止剤を含む。
【0175】
本発明の処方物はまた、バインダーを含むことができる。適当なバインダーの例は:炭水化物、例えばグルコース、シュークロース、デキストリン等、糖アルコール、例えばマンニトールの溶液又はポリマー溶液、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、エトキシル化セルロース(EC)、エチルセルロース又はプロピルセルロースの溶液である。微粉の処方物の乾燥重量に基づくバインダーの含量は、例えば使用されるバインダーのタイプ及び接着特性に依存して、吸着されるべき成分(A)に基づき約0〜20重量%、例えば1〜6重量%の範囲にあり得る。結合のためには、最も簡単な場合、熱をまた使用することができる。
【0176】
吸着質の製造
例えば次のようにして、吸着質を製造することができる:1種以上の担体(C)をミキサー又は流動床反応器に入れ、吸着されるべき成分(A)及び適当なら他の物質(E)を添加することができる。まれな場合には、撹拌した固定床又は移動床の使用が考えられる。
【0177】
原則として、成分(A)、(B)、(C)及びまた他の物質(E)は、全ての考えられる組合せ及び順序で合わせることができる。当業者は、該成分の相関としてこれを選択するであろう。
【0178】
好ましい実施態様においては、吸着されるべき成分(A)は、安定剤(B)と混合された後、担体(C)に適用される。まず担体(C)を導入し、別々に又は予備混合した成分(A)及び(B)を加えることが同様に可能である。
【0179】
(A)及び(B)を混合する
(A)及び(B)は、(A)及び(B)の物理的状態に依存して慣用の方法によって混合することができる。(A)及び(B)の両方が固体又は液体形態であることができる。それらは、適当な油又は水又は他の溶媒に溶解もしくは分散させることができる。
【0180】
2つの液体を混合する最も簡単な場合には、安定剤(B)が溶融され、吸着されるべき成分(A)がそこに溶解され、混合物を、担体(C)に吸着させた後、冷却して固化することがまた考えられる。別々又は一緒に(A)及び(B)を溶融し、溶融物を均質に混合し、混合物を担体(C)に添加し、次いでそれを固化することが同様に考えられる。特に好ましくは、(B)中に(A)を均質に分布させるようにする混合方法であり;これらは、均質な溶融物、溶液又は分散物を包含する。
【0181】
このために必要とされる装置は当業者に公知であり、すなわち、好ましくは混合具、例えば撹拌器を備えた加熱可能な装置である。必要とされるエネルギー投入は、例えば加熱可能な容器壁、加熱可能な混合具及び/又は機械的エネルギー投入から生じ得る。
【0182】
すでに液体である成分を、所望の濃度のまだ溶融していない第2の成分の添加後、両方の物質がその後液体状態にある点に加熱することがまた可能である。
【0183】
まず、機械的エネルギーの投入によって、まだ固体の物質を液体成分中に分散させ、両方を一緒に上記した装置中でさらに加熱することがまた考えられる。
【0184】
(B)が大いに変化する粒径分布を有する固体であるか又は、単独もしくは他の物質と一緒の(水性)溶液もしくは分散物であるなら、所望の濃度で水と共に又は水なしで、(B)を(A)に添加し、それから分散物を製造するのが有利である。
【0185】
(B)が微粉固体であり、(A)が液体の形態であるなら、(B)を(A)中に撹拌して入れ、例えば混合物の温度を下げることによって、所望の固化を達成することが有利である。
【0186】
さらなる実施態様においては、他の添加剤と共に又はなしで(B)を添加して、(A)を水性の保護コロイド(例えばゼラチン)/糖相中に分散させることができる。固化は、温度を下げることによって、及び/又は水を除去することによって、ここで再び行なうことができる。
【0187】
(A)もしくは(B)又は(A)及び(B)の混合物を、例えば第3の成分、例えば水蒸気もしくは加熱水もしくは他の媒体の直接導入によって、溶融することがさらに考えられる。
【0188】
(A)及び(B)を、(加熱と同時に、又は加熱の下流で)穏やかに、又は強いエネルギー投入下で混合することができる。
【0189】
ある場合には、十分に長い時間後に、又はゆっくりとした撹拌もしくは折り畳みによって、分子運動及び密度差の結果として十分な混合が単独で達成される。必要なら、最適化された形態及び高速撹拌もしくは混合要素を用いて強い撹拌を使用することができる。
【0190】
ある場合には、完備した装置の回転運動又は振とう運動が、それ自体で十分である。他の場合には、混合のために必要なエネルギー投入は、静的ミキサーによる物質のポンピング、ブレンド、又は他の分散機械によって達成される。エネルギー投入はまた、例えば超音波処理によって達成することができる。
【0191】
好ましい実施態様においては、安定化剤(B)は、担体(C)と混合された後、吸着されるべき成分(A)に適用される。
【0192】
吸着質の製造:(A)(好ましくは(B)と混合された)の、ミキサー中での(C)への適用
バッチミキサー又は連続ミキサーを使用することができる。担体(C)は、他の添加剤と一緒又はそれらなしで、導入される。すき刃、刀身、スクリュー等は、生成物の混合が、多い又は少ない範囲に強くなるのを保証する。伝統的な例は、すき刃ミキサー、円錐形スクリューミキサー又は同様の機器である。
【0193】
混合プロセス及びミキサーは、例えばDegussa(-Huls), TI 1213, “Kieselsauren als Fliesshilfsmittel und als Tragersubstanz - Geeignete Mischverfahren fur Pulver und Granulate”[固まり防止剤及び担体物質としてのシリカ-粉末及び顆粒のために適当な混合プロセス(Silicas as anticaking agents and as carrier substance - suitable mixing processes for powders and granules.)]からの技術情報に記載されている。
【0194】
1個以上のスクリューを有する非常に平坦な箱形又はかいば桶形の構造がまた使用できる。他の構造は、高速ミキサー、例えばHosokawa Micron B.V.からのTurbolizer(商標)ミキサー/コーターである。
【0195】
好ましくは、バッチミキサーを使用することができる。担体材料は、添加剤と一緒又はそれらなしで、仕込まれる。すき刃、刀身、スクリュー等は、生成物の混合が、多い又は少ない範囲に強くなるのを保証する。伝統的な例は、すき刃ミキサー、円錐形スクリューミキサー又は同様の機器である。あるいは、容器全体の撹拌による生成物の混合が可能である。この例は、タンブルミキサー、ドラムミキサー等である。別の可能性は、空気式ミキサーの使用である(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、固体の混合参照)。
【0196】
好ましい実施態様において安定剤(B)と混合された、吸着されるべき成分(A)は、適当なら、一般的に撒き散らすか又は噴霧するための装置によって他の物質(E)と一緒に、計量供給され/添加される。これらの例は、ランス(lance)、スプレーヘッド、単一流体もしくは多流体ノズル、まれな場合には回転散布もしくは霧化装置である。最も簡単な場合には、濃縮されたジェットとしての局所的な添加がまた可能である。あるいは、好ましい実施態様において安定剤(B)と混合された、吸着されるべき成分(A)がまずミキサー中に入れられ、その次に、担体(C)が添加されることができる。
【0197】
吸着されるべき成分(A)(好ましくは安定剤(B)と混合された)は、大気圧より上の圧力で、大気圧で、又は大気圧に比べて減圧で、好ましくは大気圧及び減圧で、添加されることができる。
【0198】
別の場合には、吸着されるべき成分(A)を予備加熱し(粘度の低下、湿潤特性の変化)、また容器壁及び/又は混合具によって熱を供給又は除去することが有利であり得る。別の場合には、水蒸気又は溶媒蒸気を除去することが必要であり得る。このことは、吸着されるべき成分(A)が安定剤(B)と混合されるときに特に興味深い。
【0199】
吸着されるべき成分(A)に依存して、当業者は好ましくは、均質な(A)及び(B)の混合物が製造できるような方法で単数又は複数の安定剤を選択し、これはまた、例えば分散物の形態であり得る。
【0200】
吸着質は一般に、混合物の融点より上の温度で製造される。
【0201】
(B)は一般に、(B)と吸着されるべき成分(A)との混合物が、80℃より下、好ましくは60℃より下、特に40℃より下の温度で固体でありかつ均質であるような方法で選択される。担体(C)の装填量を増加させ、酸素の含有を最小にするために、活性化合物の供給前に担体を含むミキサーを脱気し、また適当ならそれを保護気体で覆うことが適切であり得る。担体に依存して、これは数回繰り返されるべきである。
【0202】
あるいは、連続ミキサーが適当である。好ましくは安定剤(B)と混合された、吸着されるべき成分(A)、及び存在する任意の他の物質(E)及び担体(C)は好ましくは、この場合、ミキサー中で異なる時点で添加される。
【0203】
吸着質は、流動床においてバッチ式で、又は連続的に製造することができる。担体(C)は、高温であり得る流動化する気体によって撹拌される。空気さもなければ不活性気体が、流動化する気体として適当である。別の場合には、容器壁によって、及び/又は、流動床に浸された熱交換機表面によって、熱を供給又は除去することが適切である。適当な流動床及び必要とされる周辺機器は、従来技術の一部である。
【0204】
吸着されるべき成分(A)(好ましくは安定剤(B)と混合された)は、当業者に公知の上記した装置によって、バッチ式に、又は連続して、溶融され、適当なら予備加熱される。
【0205】
別の場合には、吸着質は有利には、ミキサーと流動床との組合せによって製造することができる。
【0206】
吸着質がさらなる物質(E)を含むなら、これらは一緒に成分(A)に添加されるか、及び/又は担体(C)と混合されることができる。
【0207】
別の場合には、ミキサーにおいて吸着質を製造中に、又はその直後/直前に、粉末化剤、例えばタルク、シリケート等を添加して癒着を避けることが有利であり得る。
【0208】
(B)が群(b-1)及び/又は(b-2)から選択されるなら、(例えば溶融によって)(A)を(B)と混合した後、混合物を(C)に適用することが有利である。
【0209】
特に好ましくは、(A)及び(B)の混合物は、例えば温度低下によって、(C)中に、又は一部(C)上に固定されるべきである。適当な温度を選択することによって、(A)及び(B)の混合物の粘度を、担体(C)の十分に速く十分に完全な装填を達成することができる範囲に下げることが有利である。このプロセスは、(B)が少なくとも1種の(b-1)からの化合物及び少なくとも1種の(b-2)からの化合物を含むなら、特に有利である。
【0210】
(A)及び(B)の混合物は、例えば上流の別の容器もしくは装置又は加熱可能な配管中で、加熱することができる。担体(C)は、必要なら同様に、予備加熱されて添加されることができる。(A)及び(B)ならびに(C)の混合物を一緒に又は別々に、さもなければミキサー自体の中で、加熱することができる。加熱は、容器壁又は加熱された混合要素による熱交換によって、又は機械的撹拌もしくは混合のエネルギーの投入によって、行なうことができる。
【0211】
混合物は、容器壁又は冷却可能な混合要素による熱交換によって、又はまれな場合には、蒸発冷却を用いることによって、ミキサー自体の中で再び冷却されることができる。明らかに、下流装置中での、又は最も簡単な場合には貯蔵中の環境との熱交換による冷却がまた可能である。
【0212】
使用される安定剤(B)が乳化剤(b-2)の種類からの化合物であるなら、(A)及び(b-2)ならびに適当なら他の安定剤の混合物の製造は、以下のプロセスのうちの1つを用いることが有利であるとわかった:
(a) 水あり又は水なしでの乳化剤(b-2)及び(A)の混合物の製造、ならびに、この混合物のミキサー中に置かれた担体(C)への添加
(b) 好ましくは水なしでの乳化剤b-2又は水性乳化剤溶液若しくは分散物のミキサー中の担体(C)への適用、次いで、かくしてすでに安定剤b-2を含む担体への(A)の添加
(c) 任意の順序での(a)及び(b)の組合せ。
【0213】
必要なら、個々の成分、(A)、(A)及び(B)の混合物、(C)、又は、(B)及び(C)の混合物は、必要とされるときに、加熱され、冷却される。
【0214】
該プロセスはまた、安定剤(B)が多糖(b-3)からなる群より選択されるなら、特に有利であるとわかった。
【0215】
別の場合には、吸着質の製造中に、水蒸気又は溶媒蒸気を除去することが必要であり得る。これは、結合したフィルターによるミキサー自体の中で、又は下流装置において、例えばさらなる乾燥機、ミキサー、撹拌タンク、流動床、噴霧乾燥機、噴射造粒タワー等において、好ましくは減圧下又は大気圧下で、行なうことができる。
【0216】
本発明のさらなる実施態様においては、吸着質は、その製造後にコーティングされる。これは、ミキサー中で直接行なうか、又は下流の装置において行なうことができる。これは、(D)で記載した液体コーティング材料を添加するか、或いは、装置の壁若しくは軸を加熱して又は機械的エネルギーを投入して溶解若しくは軟化する元々は固体のコーティング材料(D)を添加して吸着質を覆うことにより行なうことができる。
【0217】
さらなる実施態様においては、吸着質及び好ましくは微粉のコーティング材料(D)をミキサー中に入れ、適当なら予備混合することができ、吸着質はかくして、同じ又は別々の装置中で高い機械的エネルギー投入の結果としてコーティングされる(例は、全ての先に挙げたミキサーであるが、またスローグラインダー及び乾燥機でもある)。
【0218】
別の場合には、吸着質及び/又はコーティング材料(D)を予備加熱又は冷却すること(粘度の変化、湿潤特性の変化、固化特性への影響)が有利であり、また容器壁及び/又は混合具による熱の供給又は除去が有利であり得る。別の場合には、水蒸気又は溶媒蒸気を除去することが必要であり得る。湿潤特性はまた、界面活性物質の添加によって変化させることができる。
【0219】
コーティング材料の適用は、活性化合物の追加的な保護、活性化合物の放出の遅延又は促進、作用のメカニズムの増幅又は付加的効果を達成するために役に立つ。
【0220】
本発明は、コーティング材料の適用中、又はその直後/直前に、粉末化材料、例えばタルク、シリケート等を添加して固まるのを避けることができるという事実を包含する。
【0221】
吸着質の製造:(A)(好ましくは(B)との混合物である)の、流動床中の(C)への適用
本発明のさらなる実施態様においては、吸着質は、流動床においてバッチ式で、又は連続的に製造することができる。粒子は、高温であるか又は冷やされた流動化する気体によって撹拌される。適当な流動化する気体は、例えば空気、さもなければ不活性気体(例えば窒素)である。別の場合には、容器壁によって、また流動床中に浸漬された熱交換表面によって、熱を供給又は除去することが適切である。適当な流動床及びまた必要とされる周辺物は、従来技術に記載されている。
【0222】
バッチ式又は連続の計量供給及び適当なら(A)の、好ましくは(A)及び(B)の混合物[他の物質(E)と一緒又は一緒でない]の、また添加剤の予備加熱は、混合において記載した手順と同様のやり方で行なわれる。
【0223】
例えば、担体(C)は、流動床中に仕込むことができる。これは流動化され、噴霧、散布等によって、(A)の、好ましくは(A)及び(B)の混合物の水性又は非水性の溶液もしくは分散物又は溶融物が、所望の濃度で、これらと共に装填される。
【0224】
従来技術で公知の内蔵物(internals)は有用であることがわかり、この内蔵物は、装填されるべき担体(C)の目的とする混合を増大させる。これらの例は、回転置換体、Wurster管、又はさもなければ特に作られた流動床気体分配プレート構造(気体分配プレートの勾配及び/又は穿孔)、又は適当に配置されたノズル、例えば正接単一流体ノズル又は2-流体又は多流体ノズルによる特定の固体運動の増大である。
【0225】
本発明のさらなる実施態様においては、本発明の吸着質は、ミキサー及び流動床を組合わせることによって製造することができる。
【0226】
明らかに、流動床においても、続けてコーティングを適用することができる。
【0227】
吸着質及びその使用
本発明はさらに、上記したプロセスにしたがって得ることができる吸着質を含む。これらの吸着質は、吸着されるべき成分(A)の高められた安定性によって区別され、同時に、工業的規模で製造するのが簡単である。したがってそれらは、多数の食品用途、化粧品調製物及び動物の飼料調製物において使用することができる。それらは特に、複雑なマトリックス、例えば動物の飼料工業におけるプレミックス(premixes)において使用できる。
【0228】
コーティングされていない本発明の吸着質は一般に、0.01〜10.0、特に0.1〜5.0、好ましくは0.5〜2.5の装填量[担体(C)の重量%に基づく吸着されるべき成分(A)の重量%として定義された]を有する。
【0229】
コーティングされていない本発明の吸着質は一般に、0.02〜15.0;特に0.05〜10、特に0.2〜8.0;好ましくは0.2〜5.0、特に好ましくは0.5〜2.5の全装填量[担体(C)の重量%に基づく、吸着されるべき成分(A)及び安定剤(B)の合計の重量百分率として定義された]を有する。
【0230】
実施例
全てのデータは、重量%で表す。
【0231】
使用された略語及び商品
EQ エトキシキン
CLA-ME 共役リノール酸メチルエステル
Sipernat 22(商標) Degussaからのシリカ
Tixosil 38 X(商標) Rhodiaからのシリカ
N-Zorbit M National Starchからの、タピオカに基づくマルトデキストリン
比較例
C1a: 流動床におけるCLAを伴う担体シリカの装填
Niro-Aeromatic、タイプMP-1実験室流動床は、実験の手順のために入手可能であった。使用した充填容器は、直径110mmの気体分配プレート及び8%開いた表面積を有する穿孔プレートを有するプラスチックの円錐であった。
【0232】
使用した担体材料は、RhodiaからのシリカであるTixosil 38 Xであった。323gのこのシリカを、ガラスビーカー中で乾燥キャビネットにて70℃に加熱した後、実験室流動床の円錐に仕込んだ。
【0233】
流動床に仕込んだシリカは、10〜15m3/時間の空気流速及び45〜50℃の供給空気温度で、均質に流動化させた。CLAメチルエステル(396g)を、1.0mmの2流体ノズルを用いたトップ-スプレー(top-spray)プロセスで減圧吸入によって1バールの噴霧圧力にて、仕込んだシリカに噴霧した。噴霧時間は約26分間であった。
【0234】
容易に流動性の吸着質が、約2%の乾燥損失にて得られた。
【0235】
C1b: C1aで得られた吸着質のコーティング
C 1aから得られる吸着質を、同じ実験室流動床中で第2の作業工程において、水性ゼラチン-糖分散物でコーティングした。次にグルタルジアルデヒドを、架橋のために噴霧した。
【0236】
比較例C2a及びC2b吸着質の製造
比較例C2a
802gのシリカ担体(Sipernat 22(商標)、Degussa、乾燥損失5.6%)をすき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に仕込んだ。810gのCLAメチルエステル油及び8.0gのエトキシキンの混合物を、約200rpmで撹拌しながら、4分間の工程で噴霧ピストルによって噴霧した。次に混合物を、345rpmの撹拌速度で5分間さらに撹拌した。容易に流動性の粉末が得られた。組成については、表参照。
【0237】
比較例C2b
同じミキサー中で、同じ手順で、CLAメチルエステル油をシリカ担体(Tixosil 38 X(商標))へ添加する状況下で、容易に流動性の粉末が製造された。
【表3】

【0238】
プレミックステスト(子豚飼料)における吸着質の保持
以下の実験条件下で保持について研究した:貯蔵温度40℃、相対湿度70%、貯蔵部位気候的に制御されたキャビネット、包装手段25mlペニシリンガラス、開放。試料重量:約25mgの純CLAメチルエステル又はCLAエチルエステルに対応する吸着質の量。子豚飼料(食べ物)5g。分析の時点、出発時測定、2-及び4-週の値(HPLC、各時間2重測定)。
【0239】
手順:CLAメチルエステル又はCLAエチルエステルを含む吸着質を子豚飼料と混合し、温度40℃及び相対湿度70%で4週間、気候的に制御されたキャビネット中で開放貯蔵した。2週間後及び4週間後に、それぞれの出発値に基づく保持時間を決定した。
【0240】
試料の評価(40℃/70%RHで2週間):
保持率>70% 非常に良好;保持率50〜70% 良好;保持率30〜50% 許容できる。
【0241】
保持率は、活性化合物の初期含量と比較した、14日後の活性化合物の含量として定義される。
【0242】
比較例C2a及びC2bとして製造された吸着質におけるCLA-ME(成分(A))の安定性をプレミックス試験において決定した。プレミックス試験は、14日後に以下の保持率を与えた。
【表4】

【0243】
本発明に従う実施例
実施例1a〜1g
グリセリド(b-1)の種類からの安定剤(B)を用いた安定な吸着質の製造
選択されたグリセリドはまず重量を測定され、グリセリドのそれぞれの溶融温度より20℃上の温度に加熱され、かくして完全に溶融した。所望量の成分(A)(ここでは1%エトキシキン(成分(E))で安定化されたCLAメチルエステル油)が、平行して、同じ温度に加熱された。次に両方の液体をガラスビーカー中で合わせ、U-Turraxを用いて、5000rpmで2分間分散させた。
【0244】
平行して、640gのTixosil 38 X(商標)、Rhodiaをすき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に仕込んだ。
【0245】
約200rpmで撹拌しながら、製造されたCLAメチルエステル油、エトキシキン及びグリセリドの混合物を次に、噴霧ピストルを用いて噴霧した。次に混合物を、撹拌速度345rpmで5分間さらに撹拌し、得られた安定な吸着質を次に、皿に仕込んだ。各場合に、以下の組成を有する粉末が得られた。
【表5】

【0246】
プレミックス試験において実施例1a〜1gに記載した吸着質の保持率
プレミックス試験は、14日後に以下の保持率を与えた:
【表6】

【0247】
実施例2a〜2c
乳化剤(b-2)の種類からの安定剤(B)を用いた安定な吸着質の製造
640gのTixosil 38 X(商標)、Rhodiaをまず、すき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に仕込んだ。
【0248】
実施例2aにおいては、1%エトキシキン(成分(E))で安定化された所望量のCLAメチルエステル油(成分(A))がCremophor CO 40(成分b-2)と混合され、U-Turraxを用いて、5000rpm で30秒間、予備分散された。水が添加され、この混合物は、U-Turraxを用いて、8800rpmで10分間乳化された。この混合物を噴霧ピストルに仕込み、ミキサー中に入れられたシリカに、撹拌しながら噴霧した。これに加えて、実施例1に記載された手順が続けられた。
【0249】
実施例2bにおいては、Cremophor CO 40がまず水と混合され、この混合物がシリカに噴霧された。そのときまで、1%エトキシキンで安定化されたCLAメチルエステル油は、すでに乳化剤及び水を予備充填されたシリカへは噴霧されなかった。これに加えて、実施例2aに記載された手順が続けられた。
【0250】
実施例2cにおいては、1%エトキシキンで安定化された所望量のCLAメチルエステル油がCremophor CO 40と混合され、U-Turraxを用いて、10,000rpmで2分間分散された。追加の水を存在させずに、乳化剤/CLA/EQ混合物が、噴霧ピストルを用いてシリカに噴霧された。これに加えて、実施例2aに記載された手順が続けられた。
【0251】
各場合に以下の組成を有する吸着質が得られた:
【表7】

【0252】
プレミックス試験における実施例2a〜2cからの吸着質の保持率
プレミックス試験において、Lodigeミキサー中で製造された先に挙げた安定な吸着質が試験された。プレミックス試験は、14日後に以下の保持率を与えた:
【表8】

【0253】
実施例3 多糖(b-3)の種類からの安定剤(B)を用いた安定な吸着質の製造
640gのTixosil 38 X(商標)、Rhodiaをまず、すき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に入れた。1%エトキシキンで安定化されたCLAメチルエステル油を、ガラスビーカー中で70℃に加熱し、所望量のN-Zorbit Mを撹拌して入れた。この混合物を噴霧ピストルに仕込み、撹拌しながら、最初にミキサー中に導入したシリカに噴霧した。これに加えて、実施例1aに記載された手順が続けられた。
【0254】
以下の組成の粉末が得られた:
【表9】

【0255】
プレミックス試験における実施例3に記載された吸着質の保持率(14日後)
【表10】

【0256】
実施例4a〜4c:キレート化剤(b-4)の種類からの安定剤(B)を用いた吸着質の製造
1%エトキシキンで安定化されたCLAメチルエステル油を、第1工程において、種々のキレート化剤(b-4)と混合した。必要なら、水及び、追加的に安定剤として乳化剤(b-1) Cremophor CO 40を添加した。
【0257】
これらの溶液又は分散物の助けによって、実施例1aと同様のやり方で再び、以下の組成の吸着質をLoedigeミキサー中で製造した:
【表11】

【0258】
プレミックス試験における吸着質4a〜4cの保持率
プレミックス試験は、14日後に以下の保持率を与えた:
【表12】

【0259】
実施例5:ビタミンEアセテートを含む安定化された吸着質
比較実験C5:ビタミンEアセテートを含む安定化されていない吸着質の製造
第1工程においては、816gのビタミンEアセテート(飼料等級)が、乾燥キャビネット中で65℃に加熱された。800gのシリカ担体材料(Tixosil 38 X(商標)、Rhodia)がすき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に入れられた。
【0260】
約350rpmで撹拌しながら、第2の工程において、ビタミンEアセテートが、4分間のコースで噴霧ピストルによってシリカに噴霧された。次に混合物は、600rpmの撹拌速度で5分間さらに撹拌された。以下の組成の均質な容易に流動性の粉末が得られた:
【表13】

【0261】
実施例5a〜c:乳化剤(b-2)の群からの安定剤を用いた、ビタミンEアセテートを含む安定な吸着質の製造
800gのTixosil 38 X(商標)、Rhodiaがまず、すき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に入れられた。
【0262】
実施例5a
Cremophor(商標) GO 32が乳化剤として使用された。第1の工程においては、816gのビタミンEアセテート(飼料等級)及び40.8gのCremophor(商標) GO 32が、乾燥キャビネット中の別々のガラスビーカー中で65℃に加熱され、次に、U-Turraxを用いて、5500rpmで60秒間混合され、分散された。この混合物を噴霧ピストルに仕込み、撹拌しながら、最初にミキサー中に導入したシリカに噴霧した。これに加えて、比較例C5と同様の手順が続けられた。
【0263】
実施例5b
実施例5aと同様のやり方で実施例5bを行なったが、乳化剤としてCremophor(商標) GO 32の代わりにCremophor(商標) GS 32が使用された。
【0264】
実施例5c
Cremophor(商標) GS 32が乳化剤として使用された。第1の工程においては、816gのビタミンEアセテート(飼料等級)、40.8gのCremophor(商標) GS 32及び40.8gの水が、乾燥キャビネット中の別々のガラスビーカー中で65℃に加熱され、次に、U-Turraxを用いて、5500rpmで60秒間混合され、分散された。この混合物を噴霧ピストルに仕込み、撹拌しながら、最初にミキサー中に導入したシリカに噴霧した。これに加えて、実施例5に記載したのと同様の手順が続けられた。
【0265】
実施例5d グリセリド(b-1)の群からの安定剤を用いた、ビタミンEアセテートを含む安定な吸着質の製造
第1工程においては、808gのビタミンEアセテート(飼料等級)が、乾燥キャビネット中で80℃に加熱された。これと並行して、89.8gのVegeol PR-269(50%Vegeol CO 52 S及び50%Palmowar FH)が、乾燥キャビネット中で80℃に加熱され、溶融された。Vegeol PR-269は、Aarhus Olieから得られ、60〜65℃の融点を有する。両方の液体を一緒にガラスビーカーに注ぎ入れ、U-Turraxを用いて5000rpmで2分間分散させた。
【0266】
702gのシリカ担体材料(Tixosil 38 X(商標)、Rhodia)が、すき刃ミキサー(LoedigeタイプM5 GR)に入れられた。
【0267】
約200rpmで撹拌しながら、製造されたビタミンEアセテート(飼料等級)及びVegeol PR-269の液体混合物を次に、加熱した噴霧ピストルを用いてシリカに噴霧した。次に混合物をさらに5分間撹拌し、その後、ミキサー中で冷却し、皿に入れた。自由流動(free-flowing)粉末が得られた。
【0268】
実施例5に記載されたようにして製造された吸着質が、標準プレミックス試験においてその安定性について研究された:
ビタミンEアセテートについての標準プレミックス試験は、以下の条件下で行なわれた:貯蔵温度40℃、相対湿度70%、貯蔵部位気候的に制御されたキャビネット、包装手段PEフィルム袋、封止。
【0269】
最初の試験投入量 2gのビタミンEアセテート処方物(50%VEA)、200gのプレミックス(50%酸化マグネシウム、45%微粉石灰、5%微量元素)
微量元素 46.78%FeSO4・7H2O;37.43%CuSO4・5H2O;11.76%ZnO;3.61%MnO;0.39%CoCO3
分析時間:最初の測定及び4週にわたる値(HPLC、各4重測定)
手順
試験下の吸着質(ビタミンEアセテートを含む)を、プレミックスとよく混合し、封止したPEフィルム袋中で、40℃の温度及び相対湿度70%にて全部で4週間貯蔵した。4週間後、それぞれの出発値に基づく保持率を決定した。
【0270】
標準プレミックス試験(4週間)における比較例C5及びまた実施例5a〜5dの保持率:
【表14】

【0271】
表が示すように、本発明による安定化された吸着質は、安定化されていない吸着質(C5)と比べて有意に高い活性化合物(ビタミンEアセテート)の保持率を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人又は動物の栄養及び化粧品用途のために適当である吸着質(absorbates)の製造方法であって、吸着されるべき成分(A)が、少なくとも1種の安定剤(B)を用いて担体(C)に適用され、担体(C)の平均粒径は少なくとも80μmであり、ただし、吸着されるべき成分(A)がビタミンEであるならば、(A)及び(B)の混合物は7未満のHLB値を有し、また、吸着されるべき成分(A)が油溶性ビタミンであり、かつ安定剤(B)がグリセリドであるならば、(A)及び(B)の混合物の凝固点は80℃以下である方法。
【請求項2】
担体(C)の平均粒径が少なくとも100μm、好ましくは少なくとも200μmである請求項1記載の方法。
【請求項3】
吸着されるべき成分(A)が安定剤(B)と混合された後、担体(C)に適用される請求項1記載の方法。
【請求項4】
担体(C)の量が、吸着質に基づいて10重量%以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
安定剤(B)の吸着されるべき成分(A)に対する比が、10以下、特に5以下、特に1以下、好ましくは0.8以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
安定剤(B)が、グリセリド(b-1)、乳化剤(b-2)、多糖(b-3)及び/又はキレート化剤(b-4)からなる群より選択される請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
安定剤(B)が、グリセリド(b-1)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、及び乳化剤(b-2)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
吸着されるべき成分(A)が、人の消費及び/又は動物の消費のために適当である化合物である請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
吸着されるべき成分(A)が、化粧品における活性化合物である請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
吸着されるべき成分(A)が、ビタミン、カロチノイド、キサントフィル、不飽和脂肪酸及びリポ酸からなる群より選択される請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
吸着されるべき成分(A)が少なくとも1種のビタミンである請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
吸着されるべき成分(A)が少なくとも1種のビタミンEである請求項11記載の方法。
【請求項13】
吸着されるべき成分(A)が共役脂肪酸である請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
吸着されるべき成分(A)が、共役オクタデカポリエン酸、特にオクタデカジエン酸である請求項13記載の方法。
【請求項15】
吸着されるべき成分(A)が共役オクタデカポリエン酸であって、ここで各脂肪酸含量の50%が9-cis-、11-trans-又は10-trans-、12-cis-オクタデカジエン酸である請求項14記載の方法。
【請求項16】
吸着されるべき成分(A)が共役オクタデカポリエン酸であり、ここで該脂肪酸含量の5%未満が、11,13-オクタデカジエン酸異性体、8,10-オクタデカジエン酸異性体、cis-,cis-オクタデカジエン酸異性体若しくはtrans-,trans-オクタデカジエン酸異性体又はこれらの異性体の混合物である請求項14記載の方法。
【請求項17】
担体(C)が、低分子量無機塩、珪藻土、シリカ及びシリカ誘導体、糖、デキストリン、デンプン製品及びセルロース調製物からなる群より選択される請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
担体(C)がシリカである請求項16記載の方法。
【請求項19】
吸着質がコーティングされている請求項1〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
コーティング化合物(D)が、
a) 数平均分子量約400〜15,000、例えば400〜10,000のポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール;
b) 数平均分子量約4000〜20,000のポリアルキレンオキシドポリマー又はポリアルキレンオキシドコポリマー、特にポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー;
c) 置換ポリスチレン、マレイン酸誘導体及びスチレン-マレイン酸コポリマー;
d) 数平均分子量約7,000〜1,000,000のポリビニルピロリドン;
e) 数平均分子量約30,000〜100,000のビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー;
f) 数平均分子量約10,000〜200,000のポリビニルアルコール、ポリフタル酸ビニル;
g) 数平均分子量約6,000〜80,000のヒドロキシプロピルメチルセルロース;
h) 数平均分子量約100,000〜1,000,000のアルキル(メタ)アクリレートポリマー及びコポリマー、特にアクリル酸エチル/メタクリル酸メチルコポリマー及びメタクリレート/アクリル酸エチルコポリマー;
i) 安定化されていないか又はポリビニルピロリドンで安定化された、数平均分子量約250000〜700000のポリ酢酸ビニル;
j) ポリアルキレン、特にポリエチレン;
k) フェノキシ酢酸-ホルムアルデヒド樹脂;
l) セルロース誘導体、例えばエチルセルロース、エチルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート;
m) 動物、植物又は合成のグリセリド;
n) 動物、植物又は合成の蝋又は化学的に変性した動物、植物の蝋、例えば蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、モンタンエステル蝋及び米胚芽油蝋、鯨蝋、ラノリン、ホホバ蝋、Sasol蝋、木蝋又は木蝋代用品;
o) 動物及び植物タンパク質、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチン代用物、カゼイン、ホエー、ケラチン、大豆タンパク質;ゼイン及び小麦タンパク質;
p) 単糖及び二糖、オリゴ糖、多糖、例えばデンプン、変性デンプン及びまた、ペクチン、アルギネート、キトサン、カラギーナン;
q) 植物油、例えばひまわり、アザミ、綿実、大豆、トウモロコシ胚芽、オリーブ、菜(種)、亜麻仁、オリーブ木、ココナツ、ヤシの種油及びパーム油;
r) 合成又は半合成油、例えば中鎖トリグリセリド又は鉱油;
s) 動物油、例えばニシン油、サーディン油及び鯨油;
t) 例えば上記した油の硬化(水素化又は部分水素化)油/グリセリド、特に水素化パーム油、水素化綿実油、水素化大豆油;
u) ワニスコーティング、例えばテルペン、特にシェラック、トルーバルサム、ペルーバルサム、サンダラック及びシリコーン樹脂;
v) 脂肪酸、飽和及び1不飽和及び多不飽和C6〜C24カルボン酸;
w) シリカ
からなる群より選択される請求項19記載の方法。
【請求項21】
吸着質が、酸化防止剤、防腐剤、バインダー及び/又は調味剤からなる群より選択される、さらなる物質(E)を含む請求項1〜20のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
さらなる物質(E)が、成分(A)と一緒に添加される請求項21記載の方法。
【請求項23】
さらなる物質(E)が、担体と混合される請求項21記載の方法。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項記載の方法により得られる吸着質。
【請求項25】
食品における請求項24記載の吸着質の使用。
【請求項26】
化粧品調製物における請求項24記載の吸着質の使用。
【請求項27】
動物の栄養調製物、特にプレミックスにおける請求項24記載の吸着質の使用。


【公表番号】特表2006−523094(P2006−523094A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504551(P2006−504551)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002244
【国際公開番号】WO2004/080199
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】