説明

活性成分のためのデリバリーシステム

本発明は、活性成分のためのデリバリーシステムであって、このシステムは活性成分のためのカプセル化材料を含み、このカプセル化材料が
(i)カチオン性成分、及び
(ii)カーボナート及びホスファート残基の混合物を含有するアニオン性成分を含有し、このカーボナート対ホスファート残基のモル比が9:1〜1:9であるデリバリーシステムに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、活性成分のためのデリバリーシステム、このデリバリーシステムの調製方法及び苦味をマスクするためのこのデリバリーシステムの使用に関する。
【0002】
背景技術及び先行技術
食品、飲料及び薬剤産業における特定の消費可能製品が苦い物質を含むことが良く知られており、この物質は消費される製品の全体的なフレーバー影響(impact)にとって不利であり、かつ、このような製品についての消費者の嗜好性を不都合に作用する。これに対処するために、製造者はこのやっかいな生成物をマスク又は除去することさえもしている。
【0003】
この問題は特に飲料、例えばビール、コーヒー及びソフトドリンクまた同様に多くの医薬的製品において深刻であり、ここでは、ポリフェノール、例えばクロロゲン酸ラクトン又はフラボノイドの存在が消費者による苦さの知覚に著しく寄与していると考えられている。
【0004】
にもかかわらず、食料品において見出される多くのポリフェノール又はフラボノイドは有益な酸化防止剤であり、これは消費される場合に、いわゆる「フリーラジカル」を除去するか又はヒト又は動物の遺伝子発現を調節し、この結果、消費者に対して栄養的又は健康上の有益性を提供する。フラボノイドの有益な作用のより詳細な理解については、例えば"Flavonoids: A review of probable mechanisms of action and potential applications", Nijveldt et al, Am J Clin Nutr 2001; 74:418-25を参照されたい。
【0005】
したがって、このような成分に基づく消費者による不所望なフレーバー知覚を、これら成分が付与することが知られている有益な作用を不利に損なうことなく、マスクするかさもなければ抑制することが、所望されるだろう。
【0006】
単離された形で提供するために、食料品からこれら有益成分を抽出することも知られており、これは例えば栄養補助剤であり、これはこの有益性を直接的に受け取るために消費されることができる。しかしながら、この濃縮された形では、この生成物の苦さに基づく消費者の拒絶の危険性は更に一層深刻である。
【0007】
したがって、不快な苦さの知覚が著しく減少されるか取り除かれてさえいる、より口にあう形態でこのような抽出物又はサプリメントを提供することが所望されるものである。
【0008】
JP 2003-128664(Nagaoka Koryo KK)は、苦さを減少させるために、ポリフェノールをこの相応するナトリウム、カルシウム、マグネシウム又はカリウムの塩に中和することを記載する。この方法は、飲み物(例えば茶)の外観を劇的に変更できる大きな粒子を形成し、結果として飲み物のための消費者の嗜好性を減少させる。
【0009】
JP 2003-366456(Taiyo Kagaku KK)では、飲料及び食品における苦さ及び渋さがカゼインの添加により減少されると言われている。
【0010】
JP 04-103771(Unitika KK)では、苦さ及び渋さをなくすために茶とキチンをブレンドすることにより茶抽出物を調製する。
【0011】
US-A1-2002/0188019(Bayer Corporation)は、苦いか又は金属的な味覚をマスクすると言われている特定のヒドロキシフラバノンを含有する調製物を記載する。
【0012】
US-A-5741505(Mars)は、食品及び医薬的製品の貯蔵時間を増加させるための酸素バリアを提供するための無機コーティングの使用を記載する。このコーティングはカプセル化した製品とは相互作用しない。
【0013】
US 2004/0180097(Lin et al)は、多孔性アパタイト粒とこの孔中に閉じこめられた薬剤を含有する安定かつ/又は味マスクされた医薬的製剤を参照する。この製品は、典型的にはスラリーの形にある空の多孔性アパタイト粒を薬剤の溶液と接触させ、この多孔性アパタイト粒中にこの薬剤を閉じこめるためにこの溶液の溶媒を蒸発させることにより形成される。このようにして、高濃度の薬剤がこの顆粒表面で又はこの近傍で生じ、これにより、この製品の不均一な分布及びこの顆粒にわたりこの生成物がより均一に分布される場合に比較してこの閉じこめられた製品のより高い割合の損失の危険性を生じる。
【0014】
液状活性成分、例えばガーリックオイルが透明なシェル中にカプセル化されている、非常に多くの製品も公衆に利用可能である。これらカプセルは極めて大きい、典型的には5〜10mmまでの直径を有するものであり、これにより、このカプセルは潜在的に、幾ばくかの消費者にとっては全体を嚥下することが困難であるか不快である。このようなカプセルは、種々の食品又は飲料中への組み込みにとって審美的に魅力的なものでもない。
【0015】
したがって、大きくとも裸眼でほとんど気づかれないほどの粒子サイズ直径を有する製品を提供することが所望されるものである。このような粒子は次いで、製品、特に飲料への組み込みに適しており、ここでは可視可能な粒子の存在は不所望であってよい。
【0016】
様々な研究では、例えばポリフェノールに基づく健康に対する有益な作用が、口腔内に比較してむしろ消化システムに対して活性が損なわれないままのデリバリーにより増加できることも示されている。
【0017】
したがって、この放出が、胃又は消化システム中に存在するが、慣用の貯蔵の間又は口腔内では存在しない物理学的条件により引き起こされるように活性成分を保護することが所望されるものである。
【0018】
我々の同時係属出願WO-A1-2008/072155は、カプセル化されるべき材料がこのカプセル化材料内に閉じこめられかつここに結合もするキャリアーシステムを開示する。これは、消費者の胃又は消化システムに対して損なわれないまま、活性成分、例えばポリフェノールを運搬するための安定なシステムを提供することが見出され、ここでは次に低pHが活性成分の放出を引き起こす。このシステムは全体的に金属ホスファート又は金属カーボナートに基づくが、この組み合わせでない。にもかかわらず、この種のシステムにより達成されることができる活性成分の負荷を改善することが所望されるだろう。
【0019】
多くの活性成分は酸化に対して極度に感受性である。したがって、この種の分解に対して活性成分を保護することができるカプセル化システムを提供することが所望されるだろう。
【0020】
システム中の活性成分の負荷が限定されることも様々なカプセル化システムでの既知の問題であり、したがって改善された負荷を有するカプセル化システムの提供が所望される。
【0021】
更に、特定の活性成分については、増強作用(boost effect)を提供することが好ましく、これにより、使用の場合に活性成分が特定の期間後に極めて強力に知覚される。したがって、このような増強作用を提供できるカプセル化システムを提供することが所望されるだろう。
【0022】
本発明は、1つ以上の前述の問題に取り組むこと、及び/又は、1つ以上の前述の利益を提供することに努める。
【0023】
本発明の概要
それゆえに、本発明は、活性成分のためのデリバリーシステムであって、このシステムは活性成分のためのカプセル化材料を含み、このカプセル化材料が
(i)カチオン性成分、
(ii)カーボナート及びホスファート残基の混合物を含有するアニオン性成分を含有し、このカーボナート対ホスファート残基のモル比が9:1〜1:9であるデリバリーシステムを提供する。
【0024】
本発明は更に、
(i)カプセル化材料のカチオン性成分の第1の供給源を提供する工程、
(ii)カプセル化材料のアニオン性成分の第2の供給源を提供する工程、
(iii)活性成分の第3の供給源を提供する工程、
(iv)添加の任意の順番でこの3つの供給源を混合する工程を含み、
これはカプセル化材料中に活性成分が保持されるように行われ、その際アニオン性成分の供給源が、カーボナートイオンの供給源とホスファートイオンの供給源をカーボナート対ホスファート残基のモル比9:1〜1:9で含有するカプセル化した活性成分の調製方法を提供する。
【0025】
別の観点において、本発明は、苦い活性材料の苦さの消費者知覚をマスク、抑制、又はさもなければ減少させるための、上述の通りのカプセル化材料の使用を提供する。
【0026】
更に別の観点において、本発明は、本願明細書で定義されるデリバリーシステムを含有する消費可能な製品を提供する。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明は、カチオン性成分及びアニオン性成分を含有するカプセル化材料を基礎とし、その際、アニオン性成分が特定のモル比におけるホスファートとカーボナート基のブレンドを含有するデリバリーシステムに関する。
【0028】
このデリバリーシステムの構造は、本発明によれば、ハイブリッドとして説明されることができる。すなわち、活性材料を取り囲むためのシェル構造と、活性材料がその全体を通じて分布又は分散しているマトリックス構造の両方を組み合わせることが考慮されることができる。このようなシステムは、消化路における機械的な断片化解消(defragmentation)及び/又は胃におけるpH変化のいずれかにより活性成分を効果的に放出することが見出され、この結果、活性成分、例えば栄養的な又は健康的な生成物を損なわないままこれらが最も有効な場へと運搬するための有用な機構を提供する。
【0029】
カプセル化分野の当業者によって容易に理解される通り、本発明のカプセル化製品は、慣用のカプセル化製品とは完全に異なり、この後者は典型的には、活性成分を完全に取り囲むカプセル化シェル(いわゆる「コア−シェル」配置)又はこのカプセル化製品が全体を通じて分布されるマトリックス(例えば噴霧乾燥又は押出した粒状製品)のいずれかを含有する。
【0030】
この活性成分デリバリーシステムは、コロイド状ハイブリッドの形にあってよい。
【0031】
このようなコロイド状ハイブリッドは大きな比表面積を有することが見出された。これは利点であり、というのは、この条件がカプセル化成分の放出のために適している場合(例えば、胃中での酸性pHのために)、より大きな反応性表面積が利用可能であり、これは、カプセル化材料の破断/溶解を促進し、このようにして活性成分の放出がより迅速に生じさせる。
【0032】
カプセル化材料
カプセル化材料は、カチオン性成分及びアニオン性成分を含有し、その際アニオン性成分である。
【0033】
上述の通り、「カプセル化材料」との文言は、活性材料を取り囲むことと、マトリックス構造内にこの材料を固定することの両者が可能な材料を指す。
【0034】
「固定」とは、このキャリアーが有利には結合、例えば錯体を活性成分と形成することを意味する。無論、他の種類の結合も可能であり、これは当業者には理解される通りである。にもかかわらず、錯化が有利である。
【0035】
「取り囲む」とは、このカプセル化材料が、少なくとも部分的に、活性成分の周囲に保護層又はシェルを形成することが意味される。
【0036】
固定及び活性成分の取り囲みの両方により、活性成分がこのキャリアーを通じて均質に分配されると考えられる。これは、キャリアーが典型的には多孔質である公知の無機キャリアーシステムとしばしば関連する不均質分布とは異なる。このシステムにおいては、活性成分は単に孔中に閉じこめられ、これによりキャリアーの表面での又はこの近傍での活性成分の濃縮を生じる。
【0037】
このカプセル化材料は有利には、本質的ではないが、無定形構造を有する。
【0038】
「無定形」とは、本願明細書で定義される通り、少なくとも部分的な非結晶質(すなわち、この化合物の著しい部分は独特の結晶質構造を欠失している)を意味する。
【0039】
したがって、無定形のカプセル化材料は、これら材料の肉眼的な(gross)物理的特徴に、又は、これらが提供する増強した錯化−カプセル化(the enhanced complexationen - capsulation)の有益性に意味のある作用なしに寛容されることができる量の微結晶質物質を含有してよいことが理解されるべきである。
【0040】
本発明の文脈において、カプセル化材料は、無機塩の全質量に基づいて、結晶質材料約50質量%未満、有利には約40質量%未満、より有利には約30質量%未満、一層より有利には10質量%未満、最も有利には5質量%未満、例えば2質量%未満を含有する場合には、無定形である。
【0041】
カプセル化材料は有利には実質的に水−不溶性である。「実質的に水−不溶性」とは、本願明細書では、20℃でpH3〜7を有する水性媒体中で測定した場合の、10-3g/cc未満、より有利には10-4g/cc未満、最も有利には10-5g/cc未満の溶解性を意味する。
【0042】
カプセル化材料は有利には、典型的には貯蔵の間に遭遇するpHで固形の形にある。
【0043】
有利には、カプセル化材料は、極めて低いpH値で溶解性である。より有利には、これは、37℃でpH2以下で測定した場合に、10-3g/ccより大きい、より有利には10-2g/ccより大きい、最も有利には10-1g/ccより大きい溶解性を有する。
【0044】
言い換えると、典型的に消費者の胃の中で見出されるpHは、カプセル化材料の破断/溶解を生じるものであり、かつ、最後にはこの中にカプセル化された活性成分の放出を引き起こすものである。
【0045】
このカプセル化材料中での使用に適したカチオン性残基の例は、カルシウム(II)、マグネシウム(II)、鉄(II)、鉄(III)、亜鉛(II)又はこの混合物を含む。
【0046】
より有利には、カチオン性成分は、カルシウム(II)、マグネシウム(II)又はこの混合物である。より有利にはこれはカルシウム(II)である。
【0047】
このアニオン性対イオン混合物又はブレンドは、9:1〜1:9のカーボナート対ホスファートのモル比でホスファートイオン及びカーボナートイオンを含有する。本発明の文脈において、ホスファートとカーボナート残基の組み合わせは、「アニオン性成分」と呼ばれる。
【0048】
より有利には、このモル比は9:1〜1:4である。
【0049】
我々の同時出願WO−A1−2008/072155に開示されている通り、全体的にホスファートに基づく対イオンが、カプセル化される材料に対する塩の結合を容易にする疎水性分割面(splitting plane)を有する無定形カプセル化材料を作成することが見出される一方で、本発明は意外なことに、特定の質量比でのホスファート及びカーボナートイオンの組み合わせがキャリアーシステムにより達成される活性成分の負荷を著しく改善できることを示す。
【0050】
第1のアニオン性成分はホスファートである。ホスファートの供給源は、カプセル化温度で水中で溶解性である任意の適した塩であってよい。例えば、リン酸水素ナトリウムは、他の多くのホスファート塩も適していることを当業者は容易に理解するにもかかわらず、適している。
【0051】
存在するホスファートは、カプセル化システムが調製される媒体のpHにも依存する。例えば、強塩基条件では、ホスファートイオン(PO43-)が支配的であり、その一方で弱塩基条件では、ヒドロゲンホスファートイオン(HPO42-)が一般的であり、弱酸条件ではジヒドロゲンホスファートイオン(H2PO4-)が最も普通である。
【0052】
したがって、本発明の文脈においては、「ホスファート」との用語は、ホスファートイオン、ヒドロゲンホスファートイオン、ジヒドロゲンホスファートイオン及びこの混合物を指すために使用される。
【0053】
このカプセル化材料の第2のアニオン性成分はカーボナートである。本発明の文脈において、「カーボナート」との用語は、カーボナートイオン、CO32-、また同様にヒドロゲンカーボナートイオン、HCO3-及びこの混合物を指すために使用される。カーボナートの供給源は、カプセル化温度で水中で溶解性である任意の適した塩であってよい。例えば、炭酸ナトリウムは、他の多くのカーボナート塩も適していることを当業者は容易に理解するにもかかわらず、適している。
【0054】
意外なことに、アニオン性成分がより多量のヒドロゲンホスファートイオン又はジヒドロゲンホスファートイオンを含有する場合には、より高レベルのカーボナートで達成可能な活性成分の負荷は劇的に改善される。したがって、有利な一観点においては、このデリバリーシステムは、ホスファート成分として、ホスファートの全質量に対して、20質量%以上、より有利には30質量%以上、一層より有利には50質量%以上、最も有利には60質量%以上、更に有利には70質量%以上の、HPO4-及びH2PO4-を含有する。
【0055】
カチオン性成分対アニオン性成分のモル比は有利には2:1〜1:3、より有利には1.5:1〜1:2.5、一層より有利には1:1〜1:2、最も有利には1:1.1〜1:1.5である。
【0056】
キャリアーがカチオン性成分に対してモル過剰量のアニオン性成分を含有することが好まれ、というのは、この生じる負に帯電したキャリアーはより大きいコロイド安定性を有し、かつ/又は、より容易に水性液体媒体中に分散されるからである。例えば、本発明のデリバリーシステムが飲料、例えば茶、コーヒー、コーディアル及び類似物において使用すべきことが想起され、この目的のためには特に過剰の負の電荷が有利である。
【0057】
更なる材料は、錯体(complex)カプセル化材料を製造するために、カプセル化材料と一緒に存在してよい。有機材料が特に有利である。例えば、炭水化物、例えばマルトデキストリン、シクロデキストリン及び化学変性されたデンプンも、錯体カプセル化材料を形成するために存在しても良い。
【0058】
活性成分
活性成分は、固定し、かつカプセル化するために所望される任意の化合物又は組成物であることができる。
【0059】
にもかかわらず、本発明は、消費者の消化システム又は胃中への放出のために損なわれないまま活性成分を運搬するのを可能にする一方で、活性成分により付与される不所望なフレーバーの消費者知覚を減少させるのに意外にも良好に機能することを見出した。
【0060】
特に、このハイブリッドカプセル化材料は、苦さ又は渋さの味覚を特に有効にマスクすることが示されている。
【0061】
極度に酸素感受性の活性成分の場合でさえも、活性成分の不所望な酸化を妨げることも見出された。
【0062】
有利な活性成分は、ポリフェノール、共役した(conjugated)ポリフェノール、ポリフェノールポリマー、クマリン、多糖、脂質、有機硫黄化合物、共役したビタミン、ペプチド、カロテノイド、タンパク質又はその混合物である。
【0063】
有利な一観点においては、活性材料はポリフェノールである。
【0064】
特に有利なポリフェノールは、グリコンであって場合により1以上の以下のものと共役し、メチル基、スルファート、グリコシド、ホスファート、アセタート及び/又はエステルである。
【0065】
適したポリフェノールの例は、フラボノイドのファミリーを含む。
【0066】
フラボノイドは、(i)フラボン、例えばクリシン、ケンフェロール、ルチン、ケルセチン、ルテオリン及びアピゲニン、(ii)フラバノール、例えばケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、パキポドール、ラムナジン(rhamnazin)、(iii)フラバノン、例えばフィセチン、ナリンギン、ナリンゲニン、ヘスペレチン、ナリンゲニン、エリオディクチオール(eriodictyol)、(iv)フラバン−3−オール、例えば(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキン3−ガラート、(−)−エピガロカテキン3−ガラート、テアフラビン、テアフラビン3−ガラート、テアフラビン3′−ガラート、テアフラビン3,3’ジガラート、(v)テアルビギン(thearubigin)、(vi)イソフラボン、例えばゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン(glycitein)、(vii)アントシアニジン、例えばシアニジン、デルフィニジン(delphinidin)、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン及びペツニジン、(viii)ポリメトキシフラボン、(ix)フラバン、(x)フェノール性フラボノイド、(xi)プロアントシアニジン及び(xii)イソフラボノイドを含む。
【0067】
ポリフェノール活性成分は、種々の天然の消費者製品、例えばグレープフルーツジュース、緑茶、紅茶及びコーヒー中に見出される。刊行物Bitter Taste, Phytonutrients, and the consumer: a Review, The American Journal of Clinical Nutrition, Adam Drewnowski and Carmen Gomez-Carneros Dec 2000, 72: 1424-1435を参照のこと。カプセル化材料は、この種の食料品又はその抽出物と組み合わせて使用される場合に特に効果的である。例えば、緑茶抽出物又は発酵した茶抽出物を含む活性成分が特に適する。
【0068】
他の観点においては、活性成分は着色剤であってよく、より有利にはカロテノイドである。適したカロテノイドの例は、β−カロテン、レチノール、アスタキサンチン、ルテイン、リコペン、クリプトキサンチン及びゼアキサンチンを含む。着色剤、例えば上述のものは典型的には半透明な飲料において使用される。貯蔵すると、この着色剤は時には沈降して、この飲料全体を通じて色合い(color shade)の不所望な相違を生じる。更に、勢いのよい振盪が次いでこの着色剤をこの飲料全体を通じて均一に再分散させるために必要とされる。着色剤を固定しかつ封入するこのハイブリッドのカプセル化システムを使用すると、極めて小さいカプセル化された粒子が、貯蔵すると、この飲料全体を通じて均一に懸濁されたままであることが見出された。
【0069】
他の適した活性成分は、フェノール酸、トコフェロールホスファート、トコフェロールアセタート、スチルベン、リスベラトロール、クルクミン、ビタミン、6−ギンゲロール、フラノクマリン、ベルガモチン、トリテルペン(リモノイド)、タンニン、プニカラギン、プニコサイド(punicocide)、エラグ酸、リグナン、プロシアニジン、ピクノジェノール、フィトステロール、グルコシノラート、加水分解されたグルコシノラート、イソチオシアナート、スルホラファン、グルタチオン、エルゴチオネイン、リポ酸、スフィンゴ脂質及びブチラートを含む。
【0070】
また更なる適した活性成分は、多価不飽和脂肪酸が豊富な油を含む。このような油は典型的には、この油の全質量に対して、少なくとも5質量%、有利には少なくとも10質量%、より有利には少なくとも25質量%、最も有利には少なくとも35質量%の多価不飽和脂肪酸を含有する。
【0071】
多価不飽和脂肪酸が豊富な油は、有利にはオメガ−3−脂肪酸が豊富な油である。
【0072】
より有利には多価不飽和脂肪酸は、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)、α−リノレン酸及びリノール酸、及びこの少なくとも2種の混合物から選択される。DHA及びEPAが最も有利である。
【0073】
この油を植物油誘導体、例えばトリグリセリド油と混合することが有利である。市販されている油の特に有利な範囲は、商標名Neobee(R)(ex Stepan)から販売されている。
【0074】
多価不飽和脂肪酸が豊富な油と植物油誘導体との有利な質量比は、70:30〜99:1、より有利には80:20〜95:5である。
【0075】
高度に有利な一実施態様において、次にこの油混合物は任意の適した乳化剤を使用して乳化される。有利にはこの乳化剤は、食品品質であり、より有利にはこれは糖エステルである。この乳化した油は、キャリアーシステムとより容易に混合し、したがってより安定な製品を提供することが見出された。
【0076】
活性成分は、風味付け又は賦香性成分、化合物又は組成物を含有してよい。
【0077】
風味付け又は賦香性材料は、天然及び合成の両方の起源の、種々のフレーバー及びフレグランス材料を定義する。これらには、単一化合物及び混合物が含まれる。
【0078】
天然抽出物もカプセル化されることができる;これらは、例えばシトラス抽出物、例えばレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ又はマンダリンのオイル、又は、特にスパイスのエッセンシャルオイルを含む。カプセル化のためのこのクラス内の特に有利な活性材料は、不安定かつ反応性の成分、例えばベリー及び乳製品フレーバーを含むフレーバー組成物である。
【0079】
この種のフレーバー及びパフューム成分の更なる特定の例は、最近の刊行物、例えばPerfume and Flavour Chemicals, 1969, S. Arctander, Montclair N.J. (USA)著; Fenaroli's Handbook of Flavour Ingredients, CRC Press又はSynthetic Food Adjuncts , M.B. Jacobs著, van Nostrand Co., Inc.中に見出されてよい。これらは消費者製品に賦香、風味付け及び/又はこれを芳香化する、すなわち、消費者製品に匂い又は風味を付与する分野において当業者にはよく知られている。
【0080】
所望される場合には、フレーバー又はパフューム成分、化合物又は組成物は、デリバリーシステム中へのその組み込みを改善するために乳化されていることができる。多くの適した乳化剤がこの目的のために存在し、例えばcitrem及びアラビアゴムであり、これらは賦香及び風味付けの分野において当業者にはよく知られている。
【0081】
そのハイブリッドな性質及びカチオン性及びアニオン性成分の注意深いバランスのために、本発明のデリバリーシステムは、カプセル化材料上及び中への活性成分の極めて多量の(heavy)負荷を可能にする。
【0082】
このようにして、活性成分は、デリバリーシステムの全質量の80質量%までを構成してよい。
【0083】
この利点は、より少ないカプセル化材料が、要求とされる量の活性成分を配送するために必要となり、これにより従来のカプセル化システムに比較した場合に費用効果を増加させることにある。
【0084】
このデリバリーシステムは、固形、半固形又は液状の形態にあってよい。
【0085】
固形の場合には、これは有利には粒子の形態にある。
【0086】
この粒子サイズは変動してよいが、有利には0.05〜1000μm、より有利には0.1〜500μm、最も有利には0.1〜100μmである。
【0087】
本発明の文脈内においては、「粒子サイズ」は、慣用の光散乱実験により決定される算術平均直径として定義される。
【0088】
この粒子サイズは、これが、この粒子がこの粒子の可視性が不所望である食品又は飲料の製品において使用できるかを決定する点で特に重要である。本発明のデリバリーシステムが、慣用のカプセル化製品を用いて典型的に可能であるものに比較してより小さい粒子の調製を可能にすることが見出された。これによりこの粒子は、粒子の可視性が最小限にされることが所望される適用のためにより適したものになる。
【0089】
有利には少なくとも90%、より有利には少なくとも95%、最も有利には97%、例えば99%の数の粒子が、0.05〜1000μm、より有利には0.1〜500μm、最も有利には0.1〜100μmの範囲内の粒子サイズを有する。
【0090】
本発明のデリバリーシステム中の粒子が典型的には、従来のカプセル化システム中におけるものと比較してより均質なサイズを有することが発見された。均質なサイズの粒子は、審美的な観点から所望され、更には、活性成分のより規則的な配量を可能にする。
【0091】
デリバリーシステムが液状である場合には、これは有利には水性分散液として提供される。
【0092】
この活性成分デリバリーシステムは、更にカプセル化されてよい。この活性成分デリバリーシステムの更なるカプセル化は極めて所望されることができ、というのは、これは、貯蔵の場合のデリバリーシステムの酸化的安定性を増強するからである。
【0093】
この第1の有利なカプセル化システムはガラス状マトリックスであり、この中に活性成分デリバリーシステムが維持される。より有利にはこのカプセル化システムは、ガラス状炭水化物マトリックスである。この炭水化物マトリックス成分は有利には糖誘導体、より有利にはマルトデキストリンを含有する。
【0094】
特に有利なマルトデキストリンは、DE10〜30、より有利には15〜25、最も有利には17〜19を有するものである。
【0095】
典型的には、この活性成分デリバリーシステムは、炭水化物マトリックス材料及び適した量の可塑剤、例えば水と混合され、この混合物はスクリュー押出機内でこのマトリックス材料のガラス転移温度より高く加熱され、この結果、ダイを通じて押出されることができる熔融された材料を形成し、この熔融された材料は次いで、確立された方法、例えば先行技術に記載の方法を用いて押出しされる。例えば、特許出願WO 00/25606又はWO 01/17372及びこの中に引用された文献を参照されたく、この内容はここで参照することにより本願明細書に組み込まれる。
【0096】
所望される場合には、更なる炭水化物マトリックス成分が、更なる酸化防止剤バリア特性をまた一層改善すべく存在してよい。
【0097】
他の適したカプセル化システムは、例えばUS 4,610,890又はUS 4,707,367中に説明され、この内容は参照することにより組み込まれる。
【0098】
調製
本発明によるカプセル化材料は、当業者に知られている任意の適した手法において調製されることができる。典型的には、これはin situで活性成分の結合及びカプセル化と同時に調製される。例えば、このデリバリーシステムは、活性成分(例えばポリフェノール)を含有する液状溶液の存在下でカチオン性及びアニオン性成分の沈殿により調製されることができる。
【0099】
有利な一観点において、このデリバリーシステムは無機塩と活性成分の共沈殿により調製されることができる。これは特に、水への溶解性が乏しい活性成分にとって有利である。この沈殿は典型的には、(i)金属カチオン、(ii)アニオン性対イオンブレンド及び(iii)カプセル化すべき活性成分の別個の供給源を混合区域に導入し、沈殿−カプセル化プロセスを生じさせることにより実施される。
【0100】
にもかかわらず、供給源(i)及び(iii)を組み合わせることが可能であることが見出された。典型的には、活性成分が水溶液、例えば水/有機溶媒溶液、分散液又は水中油エマルションの形で存在する場合には、供給源(i)及び(iii)は、乳化剤、有利には食品品質の乳化剤を用いて組み合わせられることができる。
【0101】
意外なことに、本発明のカプセル化材料の負荷は、酸の存在下で調製が生じる場合に改善されることができる。処理の間のpHが10を超えない、有利には9を超えない、最も有利には7を超えないことが特に所望される。この目的のための任意の適した酸が使用されることができる。例えば、1MのHClが効果的であることが見出され、但し当業者は、やはり適する極めて多数の酸を知っている。
【0102】
この酸は、調製プロセスの間の任意の点で添加されてよい。例えば、カプセル化材料のアニオン性成分の供給源にこれが提供された場合に、優れた結果が達成される。この場合には、酸が約0.5、より有利には1、より一層有利には1.5だけ供給源のpHを減少させることが所望される。意外にも、これは、デリバリーシステム中の活性成分の負荷における極めて著しい増加を引き起こすことが見出された。
【0103】
このpHを減少させることも有利であり、というのは特定の活性成分(このうち、緑茶抽出物が注目すべき例である)がより高いpH値では分解する可能性があるからである。
【0104】
形成されると、固形の製品を得ることが所望される場合には、これは任意の方式で乾燥されることができる。当業者は、デリバリーシステムの構造を破壊する危険性や結果としての活性成分のこれからの漏れを減少させるために乾燥の苛酷な方法を回避することが有利であるものの、本発明における使用のために適した数々の乾燥手段を知っているものである。
【0105】
実施例
本発明はいまや、以下の実施例を参照して説明される。この実施例は本発明を説明するが、本発明の範囲はこれに限定されないことが理解されるべきである。
【0106】
全ての量は、他に記載がない場合には質量%である。
【0107】
実施例1
本発明によるデリバリーシステムの調製
全ての溶液は、他に記載がない場合には、ミリポア水(Millipore water)中で調製された。水性塩化カルシウム(0.1M)及び2質量%の緑茶抽出物の水溶液(ex Naturex)(これは、本願では「GTE」と呼称される)を同時に第1の混合室中へ導入し、均質になるまで撹拌する。各材料を2.5ml/分の流速で導入した。この混合物を次いで第2の混合室中に移し、この中に水性のリン酸水素ナトリウム(0.08M)及び水性の炭酸ナトリウム(0.02M)の組み合わせた混合物を2.5ml/分で導入した。この生じる溶液を混合し、等モル量のカチオン性成分(Ca2+)及びアニオン性成分(PO43-及びCO32-)を有する最終生成物を生じた。この溶液のpHは6.6であった。
【0108】
この混合物を真空下で濾過し、3回水2mlで洗浄し、かつ、周囲温度で乾燥させ、粉末化した生成物を生じさせた。
【0109】
この生成物を分析し、カルシウム−ホスファート−カーボナートマトリックスに結合し、かつ、これ全体を通じて分散している緑茶抽出物を含有することが見出された。
【0110】
このデリバリーシステム中にカプセル化されたGTEの負荷を計算するために、この粉末化した生成物0.098gを最初に、超音波処理しながら、最初に0.3MのHCl溶液1.5ml中に溶解した。この懸濁液を次いで遠心分離し、この上清をHPLC分析のために除去した。この残りの固形物を、超音波処理しながら0.3MのHCl1ml中に溶解し、次いで遠心分離し、この上清をHPLC分析のために除去した。標準的なHPLC測定分析を用いて、この緑茶抽出物の負荷は、デリバリーシステムの全質量に対して5.4質量%であると計算された。
【0111】
実施例2
過剰のカチオン性成分の影響
実施例1を繰り返し、但し、塩化カルシウムの流速を3.5ml/分に増加させ、カプセル化材料中のカチオン性成分対アニオン性成分の比1.4:1を生じた。
【0112】
この生じる粉末化した生成物を調製し、かつ、HPLCにより分析し、これは実施例1に記載の通りの方法による。緑茶抽出物の負荷は、実施例1に比較して著しく減少することが見出された。
【0113】
実施例3
過剰のアニオン性成分の影響
実施例1を繰り返し、但し、リン酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウム混合物の流速を3.5ml/分に増加させ、カチオン性成分対アニオン性成分の比0.7:1を生じた。
【0114】
この生じる粉末化した生成物を調製し、かつ、HPLCにより分析し、これは実施例1に記載の通りの方法による。緑茶抽出物の負荷は、実施例1の負荷に比較して35%より多く増加することが見出された。
【0115】
この実施例は、カチオン性成分に対するアニオン性成分の過剰量の著しい有益性を実証する。
【0116】
実施例4
カーボナート対ホスファートイオンのモル比の影響
実施例1によるデリバリーシステムを次のとおりのカーボナート対ホスファートモル比を用いて調製した:
表1
【表1】

【0117】
生じる粉末化した粉末をHPLC分析のために調製し、かつ、実施例1に記載の手法においてこの負荷を計算した。この結果は以下の表に示されている:
表2
【表2】

【0118】
この結果は、カーボナート対ホスファートイオンのモル比が約20:80〜50:50である場合に優れた負荷が達成されることを実証する。
【0119】
実施例5
pHの影響
処理の間のpHの変更の作用を以下のとおり評価した:
実施例4からのサンプル8を調製し、但し、この出発ホスファート−カーボナート混合物のpHを10.7から9.4へと1MのHClを用いて、第2の混合室への添加前に減少させた。
【0120】
この生じる粉末化した粉末をHPLC分析のために、上で実施例1において説明した手法において調製した。標準的なHPLC分析は以下の結果を生じた:
表3
【表3】

【0121】
この結果は、GTEの負荷が、カプセル化のプロセスがより酸性条件下で実施される場合に著しく増加されることができることを実証する。
【0122】
更に、活性成分の優れた負荷は、ホスファート残基に比較して大過剰のカーボナート残基を含有するデリバリーシステム中で達成されることが示された。
【0123】
実施例6
フレーバーオイルのカプセル化
シンナムアルデヒドオイルを以下のとおりカプセル化した:
シンナムアルデヒド4.85g及びcitrem0.15gを含有する第1のストック溶液を撹拌により調製した。次いで、Na2CO38.48g、Na3PO42.72g及びNa2HPO41.42gを500mlのミリポア水中に含有する第2のストック溶液を撹拌により調製した。
【0124】
第1のストック溶液1.05gを、第2のストック溶液49gと、1分間の高剪断(ウルトラチュラックス、24000rpm)下で混合した。この生じるエマルションを次いで、1時間の機械的撹拌下で0.3MのCaCl250mlに添加し、24時間周囲温度で貯蔵し、カプセル及び水の相分離を生じさせた。最後に、水を除去し、カプセルを周囲温度で乾燥させた。この乾燥カプセルをサンプルAと呼称する。
【0125】
第1のストック溶液2.93gをエチルセルロース0.15gと混合して含有する第3のストック溶液を調製した。
【0126】
第3のストック溶液2gを、第2のストック溶液48gと、30秒間の高剪断(ウルトラチュラックス、24000rpm)下で混合した。この生じるエマルションを次いで、1時間の機械的撹拌下で0.3MのCaCl250mlに添加し、24時間周囲温度で貯蔵し、カプセル及び水の相分離を生じさせた。最後に、水を除去し、カプセルを周囲温度で乾燥させた。この乾燥カプセルをサンプルBと呼称する。
【0127】
サンプルA及びB中のシンナムアルデヒドの負荷を確認するために、このカプセルを最初に乳鉢中で破砕した。各サンプルのカプセル50mgを、内部標準としてのジブロモベンゼン150.4μg/mlを含有するエチルアセタートからなる抽出溶媒5mlで10mlのガラスボトル中で抽出した。抽出を最初は15分間の超音波処理下で、次いで20分間の電磁撹拌下で実施した。GC−FID法:AZE−DAM。
【0128】
151.5μg/mlのシンナムアルデヒドを含有する校正溶液は以下の結果を生じた:
内部標準の保持時間:10.822分
シンナムアルデヒドの保持時間:12.852分
カップル(ジブロモベンゼン/シンナムアルデヒド4)のための係数K=2.316。
【0129】
シンナムアルデヒドの計算された負荷は、サンプルA及びBについてそれぞれ2.1質量%及び9.5質量%であった。
【0130】
このようにして、このデリバリーシステムは、シンナムアルデヒドを効率的にカプセル化することが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分のためのデリバリーシステムであって、このシステムは活性成分のためのカプセル化材料を含み、このカプセル化材料が
(i)カチオン性成分、
(ii)カーボナート及びホスファート残基の混合物を含有するアニオン性成分を含有し、このカーボナート対ホスファート残基のモル比が9:1〜1:9であるデリバリーシステム。
【請求項2】
デリバリーシステムのカチオン性成分が、カルシウム、マグネシウム、鉄(II)、亜鉛、セレン、銅又はアルミニウム、又はこの混合物から選択される請求項1記載のデリバリーシステム。
【請求項3】
カチオン性対アニオン性成分のモル比が2:1〜1:3である請求項1又は2記載のデリバリーシステム。
【請求項4】
カプセル化材料が無定形である請求項3記載のデリバリーシステム。
【請求項5】
カーボナート対ホスファートイオンのモル比が9:1〜1:4である請求項1から4までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項6】
活性成分が、ポリフェノール、共役したポリフェノール、ポリフェノールポリマー、クマリン、多糖、脂質、有機硫黄化合物、共役したビタミン、ペプチド、カロテノイド又はタンパク質である請求項1から5までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項7】
活性成分がポリフェノールである請求項1から6までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項8】
ポリフェノールがフラボノイドである請求項7記載のデリバリーシステム。
【請求項9】
活性成分がカロテノイドである請求項1から6までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項10】
活性成分が多価不飽和脂肪酸が豊富な乳化した油である請求項1から5までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項11】
システムが更にカプセル化される請求項1から10までのいずれか1項記載のデリバリーシステム。
【請求項12】
(i)カプセル化材料のカチオン性成分の第1の供給源を提供する工程、
(ii)カプセル化材料のアニオン性成分の第2の供給源を提供する工程、
(iii)活性成分の第3の供給源を提供する工程、
(iv)添加の任意の順番でこの3つの供給源を混合する工程を含み、
これはカプセル化材料中に活性成分が保持されるように行われ、その際アニオン性成分の供給源が、カーボナートイオンの供給源とホスファートイオンの供給源をカーボナート対ホスファート残基のモル比9:1〜1:9で含有するカプセル化した活性成分の調製方法。
【請求項13】
カチオン性成分を、アニオン性成分との混合前に活性成分と混合する請求項12記載の方法。
【請求項14】
酸を調製の間に添加する請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
酸を、カプセル化材料のアニオン性成分の供給源と一緒に提供する請求項14記載の方法。
【請求項16】
請求項6から8までのいずれか1項記載の活性成分の消費者により知覚される苦さを、マスク、抑制又は減少するための無定形金属塩の使用。
【請求項17】
請求項1から8までのいずれか1項記載のデリバリーシステムを含む栄養的、栄養補助的又は医薬的製品。
【請求項18】
請求項1から11までのいずれか1項記載のデリバリーシステムを含む食料又は飲料製品。

【公表番号】特表2011−520869(P2011−520869A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509075(P2011−509075)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052011
【国際公開番号】WO2009/138962
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】