説明

流体を受けて発電する発電装置

【課題】流速が小さい場合にも発電を開始することのできる技術を提供する。
【解決手段】
流体を受けて発電する発電装置1000は、複数のコイルを有する第1の部材10A,10Bと、第1の部材10A,10Bと相対的に回転可能であり複数の永久磁石を有する第2の部材30と、第1と第2の部材のうちのいずれか一方と機械的に連結され、流体を受けて回転する回転部材110と、第1と第2の部材のうちの少なくとも一方を移動させることにより、第1と第2の部材との間に形成される隙間CLの大きさを変更する隙間変更部17,18,19と、を備える。隙間変更部17,18,19は、回転部材110が回転を開始する前における隙間CLの大きさよりも、回転部材110が回転を開始した後における隙間CLの大きさの方が小さくなるように、隙間CLの大きさを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を受けて発電する発電装置の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量削減という観点から、風力、水力、太陽光等の自然エネルギーを活用した発電が大きな注目を集めている。これらの発電効率を向上させることは、環境問題の解決にとって重要な課題となっている。
【0003】
流体を利用した発電装置は、例えばブラシレスモータ構造を利用して実現することが可能である。ブラシレスモータとしては、例えば下記の特許文献1に記載されたものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−298982号公報
【0005】
流体を利用した発電装置としては、例えば、風力発電装置がある。風力発電装置には、風力を受けて回転するブレードが取り付けられている。このブレードは、回転の慣性を高めるために、大きな重量となるように設計されている。したがって、風力が弱い場合には、ブレードの回転を始動させて発電を開始するのが困難であった。そこで、従来の風力発電装置では、風力が弱い場合にもブレードの回転を始動させるために、発電機とは別に駆動モータを設置し、その駆動モータによってブレードの回転を始動させていた。
【0006】
しかし、この従来の技術では、発電装置の始動用に別の駆動モータを設置する必要があるため、機構的に複雑になり、コストが高くなるといった問題があった。なおこのような問題は、風力発電機に限らず、流体を受けて発電する発電装置全般に共通する問題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、流速が小さい場合にも発電を開始することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
【0009】
[適用例1]
流体を受けて発電する発電装置であって、
複数のコイルを有する第1の部材と、
前記第1の部材と相対的に回転可能であり、複数の永久磁石を有する第2の部材と、
前記第1と第2の部材のうちのいずれか一方と機械的に連結され、前記流体を受けて回転する回転部材と、
前記第1と第2の部材のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記第1と第2の部材との間に形成される隙間の大きさを変更する隙間変更部と、
を備え、
前記隙間変更部は、前記回転部材が回転を開始する前における前記隙間の大きさよりも、前記回転部材が回転を開始した後における前記隙間の大きさの方が小さくなるように、前記隙間の大きさを変更する、
発電装置。
【0010】
適用例1の発電装置によれば、回転部材が回転を開始する前は、隙間の大きさが大きくなっているので、回転開始時の負荷が小さくなっている。したがって、流速が小さい場合にも発電を開始することができる。
【0011】
[適用例2]
適用例1記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、前記回転部材の回転速度に応じて、前記隙間の大きさを変更する、発電装置。
【0012】
適用例2の発電装置によれば、回転部材の回転速度に応じて隙間の大きさを変更するので、回転速度に応じた適切な回転負荷とすることができる。
【0013】
[適用例3]
適用例2記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、
(i)前記回転速度が第1の回転速度閾値以下の場合は、前記隙間の大きさを所定の第1の値とし、
(ii)前記回転速度が前記第1の回転速度閾値よりも大きい第2の回転速度閾値を超える場合は、前記隙間の大きさを前記第1の値よりも小さい所定の第2の値とし、
(iii)前記回転速度が前記第1と第2の回転速度閾値の間にある場合は、前記隙間の大きさを、前記回転速度が大きくなるに従って小さくなるように変更する、
発電装置。
【0014】
適用例3の発電装置によれば、流速が小さい場合にも発電を開始することができる。また、回転速度が大きくなるにしたがって隙間の大きさを小さくするので、発電効率を高めることができる。さらに、流速が小さくなり、回転速度が小さくなると、隙間の大きさを大きくするので、回転負荷が小さくなる。したがって、流速が小さくなっても発電を継続することができる。
【0015】
[適用例4]
適用例1記載の発電装置であって、さらに、
前記流体の流速を測定する流速測定部を備え、
前記隙間変更部は、前記流速測定部で測定された流速に応じて、前記隙間の大きさを変更する、発電装置。
【0016】
適用例4の発電装置によれば、流速に応じて隙間の大きさを変更するので、流速に応じた適切な回転負荷とすることができる。
【0017】
[適用例5]
適用例4記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、
(i)前記流速が第1の流速閾値以下の場合は、前記隙間の大きさを所定の第1の値とし、
(ii)前記流速が前記第1の流速閾値よりも大きい第2の流速閾値を超える場合は、前記隙間の大きさを前記第1の値よりも小さい所定の第2の値とし、
(iii)前記流速が前記第1と第2の流速閾値の間にある場合は、前記隙間の大きさを、前記流速が大きくなるに従って小さくなるように変更する、
発電装置。
【0018】
適用例5の発電装置によれば、流速が小さい場合にも発電を開始することができる。また、流速が大きくなるにしたがって隙間の大きさを小さくするので、発電効率を高めることができる。さらに、流速が小さくなると、隙間の大きさを大きくするので、回転負荷が小さくなる。したがって、流速が小さくなっても発電を継続することができる。
【0019】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、発電方法および発電システム、それらの方法またはシステムの機能を実現するための集積回路、コンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
【0021】
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての風力発電装置1000の構成を示す断面図である。図1(A)は、風力が小さい場合における風力発電装置1000の状態を示しており、図1(B)は、風力が大きい場合における風力発電装置1000の状態を示している。この風力発電装置1000は、本体部100と、ブレード110と、発電制御回路200とを備えている。ブレード110は、風力を受けて回転し、本体部100の回転軸112を回転させる。本体部100は、ロータ30と、2つのステータ10A,10Bと、ケース20とを備えている。ケース20と回転軸112との接触部分には、軸受け114が設けられている。ロータ30は、回転軸112に固定されており、回転軸112の回転と共に回転する。また、ロータ30は、回転軸112を中心とした略円盤形状を有しており、複数の永久磁石からなる磁石列34Mを備えている。磁石列34Mの磁化方向は上下方向である。A相,B相ステータ10A,10Bは、それぞれ略円盤形状を有しており、ロータ30と対向する側にはそれぞれコイル列14A,24Bが設けられている。コイル列14A,24Bは、ロータ30が回転することによって誘起電圧を発生させる。コイル14A,24Bで発生した電流は、ケーブル13aを通って、回路基板13に供給され、コネクタ14を介して発電制御回路200に供給される。発電制御回路200は、発電電流の整流、平滑および制御を行う。その後、発電電流は、蓄電装置(図示せず)に充電される。
【0022】
ロータ30とA相ステータ10Aとの間には、重り17と、ロッド18とが設けられている。B相ステータ10B側も同様である。重り17は、ロッド18を介してロータ30と接続されている。そして、重り17は、ブレード110が回転してロータ30が回転すると、回転軸112を中心として回転する。ブレード110が回転を始めると、重り17に遠心力が働き、重り17は回転軸112の外側に移動を開始する。重り17が回転軸112の外側に移動を開始すると、2つのステータ10A,10Bは、ロッド18に引き付けられてロータ30に近づく(図1(B))。結果として、ロータ30とステータ10A,10Bとの隙間CLが小さくなる。
【0023】
また、回転軸112のロータ30とA相ステータ10Aとの間の部分には、バネ19が設けられている。B相ステータ10B側も同様である。バネ19は、ブレード110の回転速度が低下して重り17の遠心力が小さくなった場合に、A相ステータ10AおよびB相ステータ10Bをロータ30から引き離し、隙間CLを大きくする働きをする。
【0024】
図2は、ロータ30と2つのステータ10A,10Bとを分離して示した説明図である。この例では、A相コイル列14AとB相コイル列24Bは、それぞれ6つのコイルを有しており、磁石列34Mも6つの磁石を有している。但し、コイルや磁石の数は任意の値に設定することが可能である。
【0025】
図3は、風速Vcが変化した場合における隙間CLの大きさの変化を示すグラフである。なお、この図3には、隙間CLの他に、ブレード110の回転速度Nと、発電電力Pとが描かれている。また、この図3のグラフでは、隙間CL等は直線で描かれているが、これは説明のため簡略して描いたものであり、実際の隙間CL等の変化は、曲線状となる場合もある。後述する図6においても同様である。風力発電装置1000は、ブレード110の回転速度Nの含まれる範囲に応じて、3つの動作モードを実行することが可能である。3つの動作モードは、「発電始動モード」と、「発電制御モード」と、「発電安定モード」である。
【0026】
風速Vcが0〜Vc1の間はブレード110が回転せず、その回転速度Nは0である。この場合は、発電始動モードとなる。発電始動モードでは、重り17に遠心力が働かないため、隙間CLは最大の値である隙間最大値CLmaxとなる。そして、隙間CLが最大であるため、コイル列14A,24Bが磁石列34Mから受ける磁界の強さは最も小さくなる。この場合、コイル列14A,24Bに発生する電力は小さくなるが、回転負荷は小さくなる。したがって、発電始動モードでは、回転負荷が最も小さくなるため、風速Vcが小さくてもブレード110の回転を容易に開始させることが可能となる。
【0027】
風速VcがVc1以上になると、ブレード110の回転速度Nが次第に増加し、風速VcがVc2になると安定回転速度Nthに達する。ここで「安定回転速度Nth」とは、隙間CLが隙間最小値CLminとなる場合におけるブレード110の回転速度Nである。また、隙間最小値CLminは、本体部100(図1)の構成において、隙間CLの取り得る最小値である。回転速度Nが0より大きく、かつ、安定回転速度Nth以下である場合は、発電制御モードとなる。発電制御モードでは、ブレード110が風速Vc1を受けて回転を始めると、重り17に遠心力が働き、隙間CLは徐々に小さくなっていく。そして、回転速度Nが大きくなるに従って隙間CLが徐々に小さくなるため、コイル列14A,24Bが磁石列34Mから受ける磁界の強さは徐々に大きくなる。したがって、発電制御モードでは、回転速度Nが大きくなるに従って回転負荷が大きくなるため、回転速度当たりの発電効率を高くすることができる。なお、前述したように、ブレード110が風速Vc2を受けて、回転速度Nが安定回転速度Nthに達すると、隙間CLは隙間最小値CLminとなる。ブレード110の回転速度Nがこの安定回転速度Nthより大きくなった場合であっても、本体部100(図1)の構成上、隙間CLは隙間最小値CLminよりも小さくならない。
【0028】
また、発電制御モード中に、風速Vcが小さくなると、重り17に働く遠心力が小さくなり、バネ19の力によって隙間CLは大きくなる。そして、隙間CLが大きくなるため、コイル列14A,24Bが磁石列34Mから受ける磁界の強さは小さくなる。したがって、発電制御モードでは、風速Vcが小さくなることにより回転速度Nが小さくなった場合でも、回転負荷が小さくなるため、ブレード110の回転を維持することが可能となる。言い換えれば、風速Vcに変動があっても、回転速度Nに応じて隙間CLの大きさが変化し、回転負荷が変化するため、発電を継続することが可能となる。
【0029】
風速Vcが風速Vc2以上となり、ブレード110の回転速度Nが安定回転速度Nthを超える場合は、発電安定モードとなる。発電安定モードでは、隙間CLは隙間最小値CLminで一定であり、回転負荷は最大となる。また、この発電安定モードでは、回転速度Nが安定回転速度Nthを下回らない範囲でコネクタ14(図1)に接続される発電制御回路200によって発電負荷を変更し、効率よく発電を行なうことも可能である。なお、図3では、発電負荷を一定とした場合における回転速度Nを示している。
【0030】
このように、第1実施例では、ブレード110が回転を開始するまでは隙間CLを隙間最小値CLminとし、ブレード110の回転負荷を最小とするので、流速が小さい場合にも発電を開始することすることが可能である。
【0031】
B.第2実施例:
図4は、第2実施例における風力発電装置1000bの構成を示す説明図である。図1に示した第1実施例との違いは、風速計120を設けた点と、重り17とバネ19の代わりにアクチュエータ15を用いた点と、回転速度Nの代わりに風速Vcに基づいて動作モードを選択する点である。他の構成は第1実施例と同じである。
【0032】
風速計120は、風速Vcを測定する。アクチュエータ15は、風速計120で測定された風速Vcに基づいて、ステータ10A,10Bを上下に移動させ、隙間CLの大きさを変更する。
【0033】
図5は、風力発電装置1000bの制御方法を示すフローチャートである。ステップS10では、風速計120によって風速Vcを測定する。ステップS20では、アクチュエータ15は、風速Vcを2つの風速閾値Vth1,Vth2と比較し、上述した3つの動作モードのうちから1つの動作モードを選択する。ここで、2つの風速閾値の関係はVth1<Vth2である。
【0034】
風速Vcが第1の風速閾値Vth1未満の場合は、発電始動モードが選択され、隙間CLは隙間最大値CLmaxに設定される。したがって、風速Vcが小さい場合にも発電を開始することが可能である。
【0035】
風速Vcが第1の風速閾値Vth1以上であり、かつ、第2の風速閾値Vth2未満の場合は、発電制御モードが選択され、隙間CLは風速Vcに応じた値に設定される。したがって、風速Vcに変動があっても、風速Vcに応じて隙間CLの大きさを変更して回転負荷を変更するため、発電効率を高めることや、風速Vcが小さくなっても発電を継続することが可能となる。
【0036】
風速Vcが第2の風速閾値Vth2以上の場合は、発電安定モードが選択され、隙間CLは隙間最小値CLminに設定される。発電安定モードが選択された場合には、ステップS30において、風速Vcに応じて発電負荷を変更し、発電効率を高めることができる。
【0037】
各動作モードで隙間CLを設定した後は、再びS10に戻り、風速Vcを測定し、動作モードを選択する(ステップS20)。なお、ステップS30は省略することも可能である。
【0038】
図6は、風速Vcと隙間CLとの関係を示すグラフである。なお、この図6では、回転速度Nが0を超えていても、風速Vcが第1の風速閾値Vth1以上となるまでは、発電始動モードが選択されている。このように風速閾値Vth1を設定すれば、ブレード110が安定した風力を受けて安定して回転するまでは、動作モードを発電始動モードのままとすることができる。
【0039】
また、発電安定モードでは、発電制御回路200は所定の回転速度Nsを維持するように発電負荷を変更する。したがって、風速Vcが大きくなっても、回転速度Nは、ほぼ一定の回転速度Nsを示している。
【0040】
このように、風速Vcに基づいて隙間CLの大きさを変更しても、第1実施例と同様に、風速Vcが小さい場合にも発電を開始することが可能である。
【0041】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0042】
C1.変形例1:
上記実施例では、回転速度Nまたは風速Vcのいずれか一方に従って隙間CLの大きさを変更していたが、回転速度Nと風速Vcの両方に基づいて、隙間CLの大きさを変更することも可能である。また、第2実施例におけるアクチュエータ15は、ブレード110の回転速度Nを測定し、回転速度Nにしたがって隙間CLの大きさを変更することとしてもよい。
【0043】
C2.変形例2:
上記実施例では、ステータ10A,10Bを上下に移動させることによってロータ30との隙間CLの大きさを変化させていたが、この代わりに、ロータ30を上下に移動させることにより、隙間CLの大きさを変化させることとしてもよい。また、ステータ10A,10Bおよびロータ30の両方を上下に移動可能とし、隙間CLの大きさを変化させることも可能である。つまり、ステータ10A,10Bとロータ30とを相対的に移動可能とすればよい。
【0044】
C3.変形例3:
上記実施例では、磁石列34Mを備えた部材(ロータ30)とブレード110とを連結していたが、この代わりに、コイル列14A,24Bを備えた部材(ステータ10A,10B)とブレード110とを連結してもよい。
【0045】
C4.変形例4:
上記実施例は、風力発電装置1000として記載されているが、本発明は水力発電装置等の流体を受けて発電する発電装置全般に適用することができる。
【0046】
C5.変形例5:
上記実施例では、風力発電装置1000の本体部100は、2相のコイル列14A,24Bで構成されていたが、コイル列は2相に限られず、1相または3相以上のコイル列で本体部100を構成することも可能である。
【0047】
C6.変形例6:
上記実施例では、発電制御回路200は、発電安定モードにおいて発電負荷を変更していたが、発電制御モードにおいても風速Vcまたは回転速度Nに応じて、発電負荷を変更することとしてもよい。例えば、発電制御モードでは、風速Vcまたは回転速度Nが小さくなって隙間CLが大きくなった場合には、コイル列14A,24Bが磁石列34Mから受ける磁界の強さが小さくなり、発電電圧が小さくなる。発電制御回路200は、この発電電圧の減少に応じて発電電流を制御することにより、発電負荷を減少させる。こうすれば、風力発電装置1000の発電負荷が減少するので、回転速度Nは大きくなる。このように、発電制御モードにおいても、隙間CLの制御と併せて、発電負荷を変更する制御を行なうこととしても、風速Vcまたは回転速度Nに応じた適切な発電を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例としての風力発電装置の構成を示す断面図である。
【図2】ロータとステータとを分離して示した説明図である。
【図3】風速が変化した場合における隙間の大きさの変化を示すグラフである。
【図4】第2実施例における風力発電装置の構成を示す説明図である。
【図5】風力発電装置の制御方法を示すフローチャートである。
【図6】風速と隙間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0049】
10A…A相ステータ
10B…B相ステータ
13…回路基板
13a…ケーブル
14…コネクタ
14A…A相コイル列
15…アクチュエータ
17…重り
18…ロッド
19…バネ
20…ケース
24B…B相コイル列
30…ロータ
34M…磁石列
100…本体部
110…ブレード
112…回転軸
114…軸受け
120…風力計
200…発電制御回路
1000…風力発電装置
1000b…風力発電装置
N…回転速度
Nth…安定回転速度
P…発電電力
CLmax…隙間最大値
CLmin…隙間最小値
Vth1…第1の風速閾値
Vth2…第2の風速閾値
CL…隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を受けて発電する発電装置であって、
複数のコイルを有する第1の部材と、
前記第1の部材と相対的に回転可能であり、複数の永久磁石を有する第2の部材と、
前記第1と第2の部材のうちのいずれか一方と機械的に連結され、前記流体を受けて回転する回転部材と、
前記第1と第2の部材のうちの少なくとも一方を移動させることにより、前記第1と第2の部材との間に形成される隙間の大きさを変更する隙間変更部と、
を備え、
前記隙間変更部は、前記回転部材が回転を開始する前における前記隙間の大きさよりも、前記回転部材が回転を開始した後における前記隙間の大きさの方が小さくなるように、前記隙間の大きさを変更する、
発電装置。
【請求項2】
請求項1記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、前記回転部材の回転速度に応じて、前記隙間の大きさを変更する、発電装置。
【請求項3】
請求項2記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、
(i)前記回転速度が第1の回転速度閾値以下の場合は、前記隙間の大きさを所定の第1の値とし、
(ii)前記回転速度が前記第1の回転速度閾値よりも大きい第2の回転速度閾値を超える場合は、前記隙間の大きさを前記第1の値よりも小さい所定の第2の値とし、
(iii)前記回転速度が前記第1と第2の回転速度閾値の間にある場合は、前記隙間の大きさを、前記回転速度が大きくなるに従って小さくなるように変更する、
発電装置。
【請求項4】
請求項1記載の発電装置であって、さらに、
前記流体の流速を測定する流速測定部を備え、
前記隙間変更部は、前記流速測定部で測定された流速に応じて、前記隙間の大きさを変更する、発電装置。
【請求項5】
請求項4記載の発電装置であって、
前記隙間変更部は、
(i)前記流速が第1の流速閾値以下の場合は、前記隙間の大きさを所定の第1の値とし、
(ii)前記流速が前記第1の流速閾値よりも大きい第2の流速閾値を超える場合は、前記隙間の大きさを前記第1の値よりも小さい所定の第2の値とし、
(iii)前記流速が前記第1と第2の流速閾値の間にある場合は、前記隙間の大きさを、前記流速が大きくなるに従って小さくなるように変更する、
発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−195051(P2009−195051A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34324(P2008−34324)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】