説明

流体制御装置

【課題】幅広い流量範囲で安定して精度良く流量を制御でき、コンパクトで、メンテナンスや部品交換が容易で、シール性が良い流体制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】計測器からの電気信号に基づいて流体制御配管部材の開度をFB制御する制御部とを具備し、流体制御配管部材が、一端にチューブに水密された状態で挿着される挿入部と他端に接続部と中央に鍔部を有する第一、第二連結体と、中央に貫通孔が形成され貫通孔の一端に挿入部に挿着されたチューブが嵌着される拡径部が設けられた保持体を具備する。保持体の貫通孔にチューブを貫通させチューブ両端に第一連結体及び第二連結体の挿入部を挿着したものを保持体の拡径部に嵌着し、第二連結体の鍔部と保持体とが流体制御配管部材と計測器との間で圧接された状態で固定され、第二連結体の接続部と計測器の流体流入口または流体流出口が直接接続されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体の制御が必要とされる流体輸送配管に使用される流体制御装置に関するものである。さらに詳しくは、幅広い流量範囲で安定して精度良く流量を制御することができ、コンパクトな構成であるため半導体製造装置内などへの設置場所の省スペース化ができ、半導体製造装置内への設置やメンテナンスや部品交換の作業が容易であり、チューブに接続される部品同士のシール性が良い流体制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程の一工程として、フッ酸等の薬液を純水で希釈した洗浄水を用いてウェハ表面をエッチングする湿式エッチングが用いられている。これら湿式エッチングの洗浄水の濃度は高い精度をもって管理する必要があるとされている。近年では、洗浄水の濃度を、純水と薬液の流量比で管理する方法が主流となってきており、そのために、純水や薬液の流量を高い精度をもって管理する流体制御装置が適用されている。
【0003】
流体制御装置として種々提案されているが、図7に示されるような純水温度を可変とした場合の流量制御を行う純水流量の制御装置301があった(例えば、特許文献1参照)。その構成は、純水流量を調整するために操作圧の作用を受けて開度調節される流量調整弁302と、流量調整弁302に供給される操作圧を調整するための操作圧調整弁303と、流量調整弁302から出力される純水流量を計測するための流量計測器304と、流量計測器304を通った純水の流れを許容又は遮断するための開閉弁305とを備え、操作圧調整弁303により調整される操作圧と、流量調整弁302における純水の出力圧力とを均衡させることにより、流量調整弁302から出力される純水流量を一定に制御するようにした制御装置301であって、流量計測器304による計測値が一定となるように、その計測値に基づいて操作圧調整弁303から流量調整弁302に供給される操作圧をフィードバック制御するための制御回路を設けたことを特徴とするものであった。その効果は、純水の温度変化に伴って流量調整弁302における出力圧力が変化したとしても、その変化分に対応して操作圧がリアルタイムに調整されることで、流量調整弁302から出力される純水流量が調整されるため、純水流量を高精度に一定値に保つことができるものであった。
【0004】
また、部品が一つのケーシング内に設けられた電気駆動による流体制御装置として、図8に示されるような流体を移送する流体回路にインライン接続される流体制御モジュール306があった(例えば、特許文献2参照)。その構成は、化学的に不活性な流路を有するハウジング307と、流路に接続された調節可能な制御弁308と、流路に接続された圧力センサ309と、流路内に位置する絞り部310とを備え、制御弁308と圧力センサ309がハウジング307内に収容され、さらに制御弁308の駆動を電気的に行なう電動モータを具備するドライバ311と、制御弁308及び圧力センサ309に電気的に接続されるコントローラ312がハウジング307内に収容されているものであった。その効果は、流体回路内で測定された圧力差と絞り部310の直径とから流路内の流量を測定し、測定した流量に基いて制御弁308をフィードバック制御で駆動することで、流路内の流量を高精度に決定することができるものであった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−161342号公報
【特許文献2】特開2001−242940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の純水流量の制御装置301は、操作圧調整弁303により調整される操作圧と、流量調整弁302における純水の出力圧力とを均衡させることにより、流量調整弁302から出力される純水流量を一定に制御するようにしたものであるため、微細に流量を制御させるには不向きであり、制御可能な流量範囲も狭いため、幅広い流量範囲で流量を制御する用途には使いにくいという問題があった。また、構成要素が流路として例えばパイプやチューブを介して分かれているため、半導体製造装置内などに設置する際には設置スペースを多く取り、各構成要素の配管接続作業、電気配線やエア配管作業をそれぞれ行なわなくてはならず、作業が煩雑で時間を要するとともに、配管や配線の接続ミスが起こる恐れがあるという問題があった。
【0007】
また、前記従来の流量制御モジュール306は、制御弁308の流体を制御する箇所が流体の滞留し易い構成であるため、流体が滞留するとスラリーが固着して、固着したスラリーが流体の流れを妨げたり流体制御が正確にできなくなる恐れや、制御弁308内の流路が直角に曲がって構成されているのに加え、流路内に絞り部310が設けられているため、これらの相乗効果により圧力損失が大きくなるという問題があった。また、制御弁308で流量を制御する箇所の開口面積を大きくとることができないので流量範囲があまり広くなく、幅広い流量範囲で流量を制御する用途には使いにくいという問題があった。また、制御弁308と圧力センサ309が一つの部材に流路を形成して一体的に設けられているため、制御弁308と圧力センサ309とを分解することができず、各々のメンテナンスを作業がやりにくい問題や、制御弁308と圧力センサ309のいずれかが破損して部品交換を行う場合には流量制御モジュール306全部を交換しなくてはならないので無駄が多く部品交換にコストがかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、幅広い流量範囲で安定して精度良く流量を制御することができ、コンパクトな構成であるため半導体製造装置内などへの設置場所の省スペース化ができ、半導体製造装置内への設置やメンテナンスや部品交換の作業が容易であり、チューブに接続される部品同士のシール性が良い流体制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の流体制御装置の構成を図に基づいて説明する。
【0010】
流路を流れる流体の特性を計測し該特性の計測値を電気信号に変換し出力する計測器と、流路を形成するチューブが本体内に配置され該チューブの開口面積を変化させて流体の流量を制御する流体制御配管部材と、該計測器からの電気信号に基づいて該流体制御配管部材の開度調整をフィードバック制御する制御部とを具備する流体制御装置において、該流体制御配管部材が、一端に該チューブに水密された状態で挿着される挿入部と他端に接続部と中央に鍔部を有する第一連結体及び第二連結体と、中央に貫通孔が形成され該貫通孔の一端には該挿入部に挿着された状態のチューブが嵌着される拡径部が設けられた保持体とを具備し、該保持体の貫通孔に該チューブを貫通させ、該チューブ両端に該第一連結体及び該第二連結体の挿入部を挿着したものを該保持体の拡径部に嵌着し、該第二連結体の鍔部と該保持体とが該流体制御配管部材と該計測器との間で圧接された状態で固定され、該第二連結体の接続部と該計測器の流体流入口または流体流出口が直接接続されてなることを第1の特徴とする。
【0011】
前記計測器の流体流入口または流体流出口に嵌合部が設けられ、前記第二連結体の接続部が該計測器の嵌合部に水密状態で嵌合して直接接続されることを第2の特徴とする。
【0012】
前記計測器の流体流入口または流体流出口と前記第二連結体の接続部とが熱溶着、超音波融着または接着により直接接続されることを第3の特徴とする。
【0013】
前記流体制御配管部材がピンチバルブであり、前記本体に、流路軸線上に前記チューブを受容する直線溝と、該直線溝の少なくとも一端部に該直線溝よりも深く設けられた嵌合溝とを有し、該チューブを押圧または開放することで該チューブの開口面積を変化させる挟圧子と、該本体上部に接合固定され該挟圧子を上下動させる駆動部とを具備し、少なくとも前記第一連結体の鍔部と前記保持体とが圧接された状態で該嵌合溝に嵌合されてなることを第4の特徴とする。
【0014】
前記駆動部が、ボンネットの上部に配置されたモータ部と、該モータ部の駆動により前記挟圧子を上下動させるステムとを具備し、前記挟圧子が該ステムの下部に設置されたことを第5の特徴とする。
【0015】
前記駆動部が、内部にシリンダー部を有し上部にシリンダー蓋が一体的に設けられたシリンダー本体と、該シリンダー部内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つ該シリンダー本体下面中央に設けられた貫通孔を密封状態で貫通するように中央より垂下して設けられた連結部を有するピストンと、該シリンダー本体周側面に設けられ、該シリンダー部底面及び内周面と該ピストン下端面とで囲まれて形成された第一空間部と、該シリンダー蓋下端面とシリンダー部内周面とピストン上面とで囲まれた第二空間部とにそれぞれ連通されるエアー口とを具備し、前記挟圧子が該連結部の下端部に固定されたことを第6の特徴とする。
【0016】
前記計測器が流路を流れる流体の特性を計測するセンサ部と、該計測器で計測された電気信号を受信して流体特性を演算するアンプ部とで形成され、少なくとも該センサ部と前記流体制御配管部材とが1つのケーシング内に設置されてなることを第7の特徴とする。
【0017】
前記計測器が流量計、圧力計、温度計、濃度計、流速計のうち少なくともいずれか一つを含むものであることを第8の特徴とする。
【0018】
前記計測器が、流体流入口に連通する入口流路と、該入口流路から垂設された第一立上り流路と、該第一立上り流路に連通し該入口流路軸線に略平行に設けられた直線流路と、該直線流路から垂設された第二立上り流路と、該第二立上り流路に連通し該入口流路軸線に略平行に設けられ流体流出口に連通する出口流路とが連続して設けられ、該第一、第二立上り流路の側壁の直線流路の軸線と交わる位置に、超音波振動子が互いに対向して配置されたセンサ部と、該超音波振動子がケーブルを介して接続されるアンプ部から構成される流量計測器であり、該超音波振動子の送受信を交互に切り替えて超音波振動子間の超音波伝播時間差を計測することにより該直線流路を流れる流体の流量を演算するように構成された超音波流量計であることを第9の特徴とする。
【0019】
前記計測器が、流体流入口と流体流出口とに連通する直線流路を有する管と、該管の外周面に軸線方向に離間して取り付けられる二つの超音波送受信器とを備え、各超音波送受信器が、該管を取り囲むように該管の外周面に固定された筒状の伝送体と、該管を取り囲み且つ該管の外周面から間隔を隔てて配置された穴あき円板状の超音波振動子とを備え、該伝送体が該管の軸線方向に対して垂直方向に延びる軸線方向端面を有し、該超音波振動子の軸線方向端面が該伝送体の軸線方向端面に固着されて設けられたセンサ部と、該超音波振動子がケーブルを介して接続されるアンプ部から構成される流量計測器であり、該超音波振動子の軸線方向端面間に電圧を印加して、該超音波振動子を軸線方向に伸縮させることによる送受信を交互に切り替えて超音波振動子間の超音波伝播時間差を計測することにより該直線流路を流れる流体の流量を演算するように構成された超音波流量計であることを第10の特徴とする。
【0020】
前記流体制御配管部材がチューブポンプであることを第11の特徴とする。
【0021】
前記チューブの材質がEPDM、フッ素ゴム、シリコーンゴム、またはこれらの複合体からなることを第12の特徴とする。
【0022】
前記チューブがポリテトラフルオロエチレンとシリコーンゴムとの複合体からなることを第13の特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果が得られる。
(1)流量を広い範囲で制御するのに適しており、フィードバック制御を行なうことにより安定して高い精度で応答性良く設定流量に流量を制御することができる。
(2)流体制御装置の面間を短くしてコンパクトに形成することができるので設置場所の省スペース化を行うことができ、また一つの物品として設けられるので半導体製造装置内などへの設置を容易にできる。
(3)組み立てが容易であると共に各部材ごとに分解できるので、メンテナンスが容易であり、部品交換も各部材ごとに行うことができる。
(4)チューブと連結体とが保持体によって水密された状態で固定されているので、高い内圧が加わっても流体の漏れの心配がなく、チューブが連結体から離脱することが防止される。
(5)配管ラインに応力が加わったとしても、連結体で応力を受け止めることができ、チューブに負荷をかけることがなく長期間使用することができる。
(6)計測器の流体流入口または流体流出口に設けられた嵌合部に、シールリング用溝が形成された連結体の接続部が嵌合して直接接続されることで、仮にクリープや歪みによって計測器と流体制御配管部材の間に隙間が開いたとしても、常に嵌合部の内周面と接続部の外周のシール部分で流体は確実に封止され、外部への流出は阻止される。
(7)計測器の流体流入口または流体流出口と連結体の接続部とが熱溶着、超音波融着または接着により直接接続されることで、計測器と流体制御配管部材は一体的に設けられ、接続部分に応力が加わったとしても、連結体で応力を受け止めることができ、計測器に応力負荷がかかることを防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面に示す実施形態を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明の第一の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。図2は図1の要部拡大縦断面図である。図3は本体にチューブ、連結体、保持体を組み込む前の分解斜視図である。図4は本体にチューブ、連結体、保持体を組み込んだ状態を示す斜視図である。図5は本発明の第二の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。図6は本発明の第三の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。
【0025】
本発明において流体特性とは、流体が流路を流れている状態で計測できる特性のことであり、流量、圧力、温度、濃度および流速などが挙げられる。また計測器2は、流路を流れる流体の特性を計測し、該流体特性の計測値を電気信号に変換して制御部4に出力されるものであれば良く、流量計、圧力計、温度計、濃度計、流速計など特に限定されず、複数の計測器を用いても良い。特に流量を計測したい場合は、微小流量に対して精度良く流量計測ができ、流路が複雑な構成にならず流路内に流体の流れを遮るものがない図1や図6に示すような超音波流量計であることが好ましい。
【0026】
本発明の流体制御配管部材は、ピンチバルブ、チューブポンプの構成であることが特に好適なものとして挙げられる。ここで流体制御配管部材の駆動部とは、内部のチューブ14の開口面積を変化させる部材を駆動させる動力を与えるものであり、ピンチバルブではチューブ14を押圧する挟圧子42を上下動させるもの、チューブポンプではチューブを押圧しながら回転移動するローラーを回動させるものである。ピンチバルブの場合、その駆動方法は図1に示すような電気式や図5に示すようなエア式であることが望ましい。
【0027】
本発明の流体制御配管部材3において、第一連結体20の鍔部23と保持体30は、圧接されて本体15の第一嵌合溝17に嵌合される必要がある。これは、チューブ14と第一連結体20とを水密された状態で保持し、流体制御配管部材3に内圧が加わったり流体制御配管部材3に接続される配管ライン(図示せず)に応力が加わった場合に、チューブ14に余分な負荷を与えることがなく、チューブ14が第一連結体20から離脱することを防止するので好適である。
【0028】
また、第二連結体24の鍔部27と保持体31は、第二嵌合溝18内で流体制御配管部材3と計測器2との間で圧接された状態で固定される必要がある。これは、チューブ14と第二連結体24とを水密された状態で保持し、チューブ14の接続部分が流体制御配管部材3から突出することなく流体制御配管部材3内部に収めることができるので、流体制御配管部材3と計測器2との接続スペースを必要最小限にすることができ、流体制御装置の面間を小さくしてコンパクトに設けることができるので好適である。
【0029】
流体制御配管部材3と計測器2の接続方法は、図1に示すような計測器2の流体流入口5または流体流出口10に嵌合部45が設けられ、外周にシールリング用溝が形成される第二連結体24の第二接続部26が計測器2の嵌合部45に嵌合して直接接続される構成や、図6に示すような計測器81の流体流入口83または流体流出口84と第二連結体96の第二接続部97とが熱溶着、超音波融着または接着により直接接続される構成が望ましい。ここで直接接続とは、流体制御配管部材3の第二連結体24と計測器2の流体流入口5または流体流出口10との接続に別体の管や継手を介在させることなく接続されることである。これにより、流体制御配管部材3と計測器2、81が接続スペースを取らずに接続でき、流体制御装置の面間を小さくしてコンパクトに設けることができるので好適である。
【0030】
また、本発明の流体制御装置は、流体の流量を任意の値で一定に制御させる必要のある用途であれば、いずれに使用しても良いが、半導体製造装置内へ配置されることが好適である。半導体製造工程の前工程では、フォトレジスト工程、パターン露光工程、エッチング工程や平坦化工程などが挙げられ、これらの洗浄水などの濃度を、純水と薬液の流量比で管理する際に本発明の流体制御装置を用いることが好適である。
【0031】
本発明の流体制御配管部材3のチューブ14の材質は、EPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴム及びこれらの複合体などの弾性体でも良く特に限定されるものではないが、特に繰り返し開閉への耐久性の良いフッ素ゴムとシリコーンゴムの複合体が好適なものとして挙げられ、フッ素ゴムはポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)が望ましい。また、チューブ14の製造方法は特に限定されず、例えばシリコーンゴムが含浸されたPTFEシートを何層も積層することにより目的とする肉厚に形成されたものなどが挙げられる。
【0032】
また、本発明のケーシング1、計測器2、流体制御配管部材3の各部品の材質は、樹脂製であれば塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン(以下、PPと記す)、ポリエチレンなどいずれでも良いが、特に流体に腐食性流体を用いる場合はPTFE、ポリビニリデンフルオロライド(以下、PVDFと記す)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂などのフッ素樹脂であることが好ましく、フッ素樹脂製であれば腐食性流体に用いることができ、また腐食性ガスが透過しても流体制御配管部材3や計測器2の腐食の心配がないため好適である。
【実施例1】
【0033】
以下、図1乃至図3に基づいて本発明の第一の実施形態である流体制御配管部材が電気式ピンチバルブである流体制御装置について説明する。
【0034】
1はPVDF製のケーシングである。ケーシング1内には、ケーシング1の底面に後記計測器2と後記電気式ピンチバルブ3とがボルト、ナット(図示せず)にて固定されており、上流側から計測器2、電気式ピンチバルブ3の順で直接接続された状態で設置されている。なお、計測器2と電気式ピンチバルブ3は順を逆にしても良く、このとき後記計測器2の流体流入口5に嵌合部45が設けられ、後記電気式ピンチバルブ3の第二連結体24の第二接続部26が嵌合部45に挿入された状態で(図示せず)直接接続される。
【0035】
2は流体の流量を計測する計測器である。計測器2は、流体流入口5に連通する入口流路6と、入口流路6から垂設された第一立上り流路7と、第一立上り流路7に連通し入口流路6軸線に略平行に設けられた直線流路8と、直線流路8から垂設された第二立上り流路9と、第二立上り流路9に連通し入口流路6軸線に略平行に設けられた流体流出口10に連通する出口流路11とを有し、第一、第二立上り流路7、9の側壁の直線流路8の軸線と交わる位置に、超音波振動子12、13が互いに対向して配置されている。超音波振動子12、13はフッ素樹脂で覆われており、該振動子12、13から伸びた配線は後記制御部4の演算部43に繋がっている。また、流体流出口10には嵌合部45が設けられており、後記電気式ピンチバルブ3の第二連結体24の第二接続部26が挿入された状態で直接接続されている。このとき、計測器2を構成する部分がセンサ部となる(実際にはセンサ部と後記アンプ部を合わせて計測器を構成するが、センサ部とアンプ部が別体で設けられた実施形態ではセンサ部に当たる部分を便宜上計測器2と呼んでいる)。なお、図1に示すように、出口流路11を極力短く設けて流体流出口10に嵌合部45を形成すると共に、出口流路11を短くして空いたスペースに合わせるように電気式ピンチバルブ3の本体15を形成し、計測器2と電気式ピンチバルブ3を接続することで、流体制御装置の面間をより短くしてコンパクトに形成することができる。
【0036】
3は、電気式駆動部によりチューブ14の開口面積を変化させ流体の流量を制御する流体制御配管部材である電気式ピンチバルブである。電気式ピンチバルブ3は、チューブ14が配置された本体15と、電気式駆動部から構成されている。
【0037】
14はフッ素ゴムとシリコーンゴムの複合体からなるチューブであり、後記本体15内に流路を形成している。
【0038】
15はPVC製の本体であり、本体15の流路軸線上にはチューブ14を受容する断面矩形状の直線溝16が設けられている。また、直線溝16の一端部には後記第一連結体20と保持体30を受容する断面矩形状の第一嵌合溝17が直線溝16より深く設けられ、他端部には後記第二連結体24と保持体31を受容する計測器2側が開口して設けられた断面矩形状の第二嵌合溝18が直線溝16より深く設けられている。また、直線溝16の中央には後記挟圧子42が上下動できる長円状の長円溝19が直線溝16と同じ深さで設けられている(図3参照)。
【0039】
20はPFA製の第一連結体であり、第一連結体20の一端にはチューブ14の内径よりも外径が大きく内径がチューブ14の内径と略同一でありチューブ14の両端部に挿着可能に形成された挿入部21が設けられ、他端には配管ラインから伸びた配管と接続される管状の第一接続部22が設けられ、中央には前記第一嵌合溝17に嵌合可能な鍔部23が設けられている。なお、本実施形態では第一接続部22は管状に設けているが、配管ライン(図示せず)との接続方法によって継手やねじ溝などを設けても良い。
【0040】
24はPFA製の第二連結体であり、第二連結体24には挿入部25、第二接続部26、鍔部27が設けられている。第二接続部26の外周には2条の環状溝28が設けられ、端面側の環状溝28は端面側の壁を切り欠いた状態で設けられ、該環状溝28にOリング29が各々装着されている。Oリング29は、断面直径が環状溝28の幅よりも若干大径に設けられ、第二接続部26が嵌合部45に嵌合されたときに、環状溝28の周面及び嵌合部45の内周面とシールした状態(端面側の環状溝28は嵌合部45の底面とシールする)で保持される。第二連結体24の他の構成は第一連結体20と同様なので説明を省略する。
【0041】
30、31はPVC製の保持体であり、保持体30、31の中央には貫通孔32、33が形成され、貫通孔32、33の一端には内径が第一、第二連結体20、24の挿入部21、25に挿着された状態のチューブ14外径と略同径に形成された拡径部34、35が拡径して設けられている。
【0042】
前記第一、第二連結体20、24と前記保持体30、31は、チューブ14の両端を保持体30、31の貫通孔32、33に各々貫通させ、チューブ14両端に第一、第二連結体20、24の挿入部21、25が挿着された状態で、保持体30、31の拡径部34、35が嵌着される。そしてチューブ14を本体15の直線溝16に挿入し、第一連結体20の鍔部23と保持体30を圧接された状態で本体15の第一嵌合溝17に嵌合して固定し、第二連結体24の鍔部27と保持体31を当接した状態で本体15の第二嵌合溝18に嵌合する。次に第二連結体24の第二接続部26を計測器2の嵌合部45に挿入し、固定部材46で本体15と計測器2をボルト止め(図示せず)することで、第二嵌合溝18内で第二連結体24の鍔部27と保持体31が圧接された状態で固定される(図4の状態)。
【0043】
第一連結体20及び第二連結体24の鍔部23、27と保持体30、31は、互いに圧接された時に略直方体になるように形成され、圧接された状態で本体15の第一嵌合溝17及び第二嵌合溝18に各々嵌合される。ここで本体15の第一嵌合溝17及び第二嵌合溝18は、保持体30、31の拡径部34、35が本体15の第一嵌合溝17及び第二嵌合溝18内に完全に収まる程度の高さにすることが望ましく、これによりチューブ14と第一連結体20及び第二連結体24の挿入部21、25との挿着部分に対して一定の力で均一に押圧されるため、チューブ14のシールが全周に亘って均一に行うことができるので好適である。また第一連結体20及び第二連結体24の鍔部23、27と保持体30、31の高さは、本体15の第一嵌合溝17及び第二嵌合溝18の高さより若干高く設け、第一嵌合溝17及び第二嵌合溝18に嵌合した時に上部が本体15の上面より若干突出する(図4参照)ことが望ましく、これにより突出した第一連結体20の鍔部23と保持体30の上部と、第二連結体24の鍔部27と保持体31の上部に各々嵌合する凹部36、37を電気式駆動部のボンネット38の下面に設けることで、組み立ての際に本体15と電気式駆動部の位置決めが容易になるため好適である。なお、第一連結体20の鍔部23と保持体30及び第一嵌合溝17の形状は、第一連結体20の鍔部23と保持体30とが圧接した状態で第一嵌合溝17に嵌合できる形状であれば特に限定されず、第二連結体24の鍔部27と保持体31及び第二嵌合溝18の形状は、第二嵌合溝18に嵌合されて第二連結体24の鍔部27と保持体31とが電気式ピンチバルブ3と計測器2で圧接した状態で固定できる形状であれば特に限定されない。
【0044】
電気式駆動部は、ボンネット38、モータ部40、挟圧子42から形成され、本体15上部に当接してボルト・ナットなど(図示せず)で固定される。その構成は以下の通りである。
【0045】
38はPVC製の板状のボンネットであり、中央には貫通孔39が設けられている。またボンネット38下面には、第一連結体20の鍔部23と保持体30の本体15上面より突出した部分と、第二連結体24の鍔部27と保持体31の本体15上面より突出した部分が各々嵌合する凹部36、37が設けられている。
【0046】
40はボンネット38上部に設置されたモータ部である。モータ部40はステッピングモーターを有し、モータ部40下部にはモータの軸にギア(図示せず)を介して連結されたステム41が設けられている。ステム41は前記ボンネット38の貫通孔39に位置し、ステム41の下端部には後記挟圧子42が固着されていて、モータ部40の駆動によりステム41を上下動させ、挟圧子42がチューブ14を押圧しまたはチューブ14を開放する。なお、本実施形態では挟圧子42をステム41の下端部に固着し、電気式駆動部でステム41を上下動させることで挟圧子42を上下動させているが、ステム41に雄ねじ部を形成し、内周に雌ねじ部を形成した挟圧子42をステム41の下部に螺合させ、挟圧子42を回動不能に保持して、電気式駆動部でステム41を回動させることで挟圧子42を上下動させても良い。
【0047】
42はチューブ14を押圧する部分が断面かまぼこ状に形成された挟圧子であり、チューブ14と直交するようにステム41の先端部に固定されており、弁閉時には本体15の長円溝19に挿入されてチューブ14を押圧し、弁開時にはチューブ14を開放してボンネット38の貫通孔39内に収納される(図1参照)ようになっている。
【0048】
4は制御部である。制御部4は計測器2から出力された信号から流量を演算する演算部43と、フィードバック制御を行なうコントロール部44を有している。演算部43には、送信側の超音波振動子12に一定周期の超音波振動を出力する発信回路と、受信側の超音波振動子13からの超音波振動を受信する受信回路と、各超音波振動の伝播時間を比較する比較回路と、比較回路から出力された伝播時間差から流量を演算する演算回路とを備えている。コントロール部44には、演算部43から出力された流量に対して設定された流量になるように電気式駆動部のモータ部40を作動する制御回路を有している。このとき、計測器2を形成するセンサ部から出力された信号から流量を演算する制御部4の演算部43がアンプ部となる。なお、本実施形態では制御部4は別の場所で集中コントロールを行なうためにケーシング1の外に流体制御装置と別体(センサ部はケーシング1内に、アンプ部は制御部4内に配置される)で設けられた構成であるが、ケーシング1内(流体制御装置内)に設置して一体で設けられた構成にしても良い。このとき、アンプ部はボックスなどの保護部材で保護された状態でケーシング1内に配置されていることが望ましい。また、演算部43は計測器2が流量計なので流量を演算しているが、計測する流体の特性が圧力、温度、濃度、流速の場合は、該当する流体の特性の演算を行う。
【0049】
次に、本発明の第一の実施形態である流体制御装置の作動について説明する。
【0050】
流体制御装置に流入した流体は、まず計測器2に流入し、直線流路8を通過する流体の流量が計測される。流体の流れに対して上流側に位置する超音波振動子12から下流側に位置する超音波振動子13に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子13で受信された超音波振動は電気信号に変換され、制御部4の演算部43へ出力される。超音波振動が上流側の超音波振動子12から下流側の超音波振動子13へ伝播して受信されると、瞬時に演算部43内で送受信が切換えられて、下流側に位置する超音波振動子13から上流側に位置する超音波振動子12に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子12で受信された超音波振動は、電気信号に変換され、制御部4内の演算部43へ出力される。このとき、超音波振動は直線流路8内の流体の流れに逆らって伝播していくので、上流側から下流側へ超音波振動を伝播させるときに比べて流体中での超音波振動の伝播速度が遅れ、伝播時間が長くなる。出力された相互の電気信号は演算部43内で伝播時間が各々計測され、伝播時間差から流量が演算される。演算部43で演算された流量は電気信号に変換されてコントロール部44に出力される。
【0051】
次に計測器2を通過した流体は電気式ピンチバルブ3に流入する。コントロール部44では任意の設定流量に対して、リアルタイムに計測された流量との偏差から、偏差をゼロにするように信号を電気式駆動部に出力し、電気式駆動部のモータ部40を駆動させてチューブ14の開度を制御する。電気式ピンチバルブ3から流出する流体は、流量が設定流量となるように、つまり設定流量と計測された流量の偏差がゼロに収束されるように電気式ピンチバルブ3で制御される。
【0052】
電気式駆動部からの伝達による電気式ピンチバルブ3の作動は以下の通りである。
電気式駆動部のモータ部40がステム41を下方へ駆動(正転)すると、ステム41下部に設けられた挟圧子42が下降し、挟圧子42がチューブ14を変形させ、チューブ14の流路の開口面積を変化させることにより、電気式ピンチバルブ3を流れる流体の流量を調整することができる。さらにステム41を下方へ駆動させると、挟圧子42が下降してチューブ14を押圧して流路を遮断して全閉状態になる。また、ステム41を上方へ駆動(逆転)させると、ステム41下部に設けられた挟圧子42が上昇し、挟圧子42がボンネット38の貫通孔39に収納されてステム41および挟圧子42の上昇は止まり全開状態となる(図1の状態)。
【0053】
以上の作動により、電気式駆動部は電気的に駆動するモータ部40により細かな駆動制御が応答性良く容易に行なえるため、微小流量の流体制御に優れた効果を発揮し、流体制御装置を流れる流体は設定流量で一定になるように制御される。
【0054】
流体制御装置の流路は、計測器2内の流路が直角に曲がっている箇所はあるが、流路を絞る部分はなく電気式ピンチバルブ3内の流路は直線状であるため、圧力損失が少なくて済む。また滞留する箇所がないため、スラリーを輸送するラインに使用しても流量を制御する箇所にスラリーが固着しにくいので安定した流体制御を維持することができる。また、電気式ピンチバルブ3はチューブ14が流路を形成して、その開口面積を変化させるので幅広い流量範囲で流量を制御でき、バルブの摺動部分が流路と分かれて構成されているため流路内にコンタミやパーティクルを発生することを防止できる。
【0055】
電気式ピンチバルブ3と計測器2との接続は、第二連結体24の第二接続部26が嵌合部45に嵌合され、嵌合部45の内周面と第二接続部26の外周とがOリング29で二重のシールが行われるため、仮にクリープや歪みによって電気式ピンチバルブ3と計測器2との間に隙間が開いたとしても、常に嵌合部45の内周面と第二接続部の外周のシール部分で流体は確実に封止され、外部への流出は阻止される。
【0056】
また、第一、第二連結体20、24と保持体30、31が各々圧接された状態で第一、第二嵌合溝17、18に嵌合されることにより、チューブ14と第一、第二連結体20、24の挿入部21、25とが保持体30、31の拡径部34、35によって全周に亘って確実に水密にされ、さらに保持体30、31の拡径部34、35と貫通孔32、33の段差となる部分でより水密にされるので、高い内圧が加わってもそれに応じてシールが強くなるように力が加わるため、流体の漏れの心配がなく、チューブ14が第一、第二連結体20、24から離脱する事が防止される。また、第一連結体20と保持体30は本体15によって固定されているので、配管ラインに引張り方向や圧縮方向への応力が加わったとしても、第一連結体20で応力を受けることができるので、チューブ14に負荷をかけることがなく長期間使用することができる。なお、チューブ14と第一、第二連結体20、24の挿着は、必要に応じてOリングなどを介在させても良い。
【0057】
また、電気式ピンチバルブ3内のチューブ14を接続する部材は流路方向に場所を取らないので電気式ピンチバルブ3の面間を短くさせると共に、電気式ピンチバルブ3と計測器2の接続構造が接続スペースを設けることなく電気式ピンチバルブ3と計測器2の側面同士を当接させて接続できるので、流体制御装置の面間を短くしてコンパクトに形成することができ、流体制御装置を設置する装置の省スペース化を行うことができる。また、電気式ピンチバルブ3と計測器2とを接続する部分の部品点数が少なくて済み、部品同士を嵌合したり挿入したりして組み立てることができるので、組み立てが容易であると共に、流体制御装置をメンテナンスする時に各部材ごとに分解できるので容易にメンテナンス作業を行うことができ、部品交換も各部材ごとに行うことができる。また、図3に示すように部品を簡単な形状にできるので、部品の加工が容易である。なお、他の計測を行う計測器の流体流入口または流体流出口に同様の嵌合部を設けた構成にしておけば、計測器2を交換してあらゆる流体の計測に対応できるので好適である。
【0058】
また、流体制御装置は一つのケーシング1内に設置されているため、電気式ピンチバルブ3および計測器2がケーシング1で保護され、嵩張らずに一つの物品として半導体製造装置内などへ設置可能になるので設置作業が容易になり、ケーシング1内で既に配線されているので外部とコネクタなどで接続するだけで配線作業が容易に行えるため好適である。また、ケーシング1によって流体制御装置をブラックボックス化することで、流体制御装置を半導体製造装置内などに設置したときに、半導体製造装置の利用者が流体制御装置を不用意に分解して不具合が生じることを防止することができるため好適である。
【実施例2】
【0059】
次に、図5に基づいて本発明の第二の実施形態である流体制御配管部材が空気式ピンチバルブである流体制御装置について説明する。第一の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して示す。
【0060】
51は操作圧に応じて流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する流体制御配管部材である空気式ピンチバルブである。空気式ピンチバルブ51は、チューブ14が配置された本体15と、空気式駆動部から構成されている。
【0061】
空気式駆動部は、シリンダー本体52、ピストン53、挟圧子65から形成され、本体15上部に当接してボルト・ナットなど(図示せず)で固定される。その構成は以下の通りである。
【0062】
52はPVDF製のシリンダー本体である。シリンダー本体52は、円筒状空間を持つシリンダー部54を有し、シリンダー本体52の上部には下面に開口した凹部55を有するシリンダー蓋56がOリングを介して当接固定されている。シリンダー本体52の下面中央部には、後記ピストン53の連結部63が貫通する貫通孔57と、後記挟圧子65を収納する長円状スリット58が連続して設けられている。また、シリンダー本体52の周側面には、シリンダー部54の内周面及び底面と後記ピストン53の下端面とで形成される第一空間部59と、シリンダー部54の内周面とシリンダー蓋56の下端面と後記ピストン53の上端面とで形成される第二空間部60とに、それぞれ圧縮空気を導入するエアー口61、62が設けられている。
【0063】
53はPVDF製のピストンである。ピストン53は円盤状で周側面にOリングが装着され、シリンダー部54の内周面に上下動可能且つ密封状態に嵌合されている。またピストン53の中央より垂下して連結部63が設けられ、前記シリンダー本体52の下面中央部に設けられた貫通孔57を密封状態で貫通しており、連結部63を貫通して設けられた固定ボルト64の先端部に後記挟圧子65が螺着によって固定されている。なお、挟圧子65の固定方法は、連結部63に圧着、接着、溶接、ピンによる固定などでも良く、特に限定されない。
【0064】
65はPVDF製の挟圧子であり、チューブ14を押圧する部分の断面がかまぼこ状に形成されている。また挟圧子65は、チューブ14と直交するようにピストン53の連結部63に固定されており、弁閉時には本体15の長円溝に挿入されてチューブ14を押圧し、弁開時にはチューブ14を開放してシリンダー本体52の長円状スリット58に収納されるようになっている。
【0065】
67は制御部である。制御部67は計測器2から出力された信号から流量を演算する演算部68と、フィードバック制御を行なうコントロール部69を有している。コントロール部69には、演算部68から出力された流量に対して設定された流量になるように後記電空変換器70を制御し制御用空気の圧力を操作する制御回路を有している。
【0066】
70は圧縮空気の操作圧を調整する電空変換器である。電空変換器70は操作圧を比例的に調整するために電気的に駆動する電磁弁から構成され、前記制御部67からの制御信号に応じて空気式ピンチバルブ51を制御するための空気の操作圧を調整する。
流体制御装置の他の構成は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。また、第二の実施形態の流体制御装置の組み立て手順は、本体15と空気式駆動部とをボルト、ナットで固定して組み立てられる以外は第一の実施形態の組み立て手順と同様なので説明を省略する。
【0067】
次に、本発明の第二の実施形態の作動について説明する。
【0068】
電空変換器70から供給される操作圧に対する空気式ピンチバルブ51の作動は以下の通りである。
エアー口61から第一空間部59へ圧縮された空気を供給した場合、第二空間部60内の圧縮された空気はエアー口62から排出され、第一空間部59へ供給された圧縮された空気の空気圧により、ピストン53が上昇し始め、それに伴ってピストン53より垂下して設けられた連結部63を介して挟圧子65が上昇する。ピストン53上端面がシリンダー部54の段差部66に当接するとピストン53及び挟圧子65の上昇は止まり、挟圧子65がシリンダー本体52の貫通孔57に収納されて全開状態となる。エアー口62から第二空間部60へ圧縮された空気を供給した場合、第一空間部59内の圧縮された空気はエアー口61から排出され、第二空間部60へ供給された圧縮された空気の空気圧により、ピストン53が下降し始め、それに伴ってピストン53より垂下して設けられた連結部63を介して挟圧子65も下降する。ピストン53下端面がシリンダー部54底面に到達するとピストン53及び挟圧子65の下降は止まり、チューブ14を押圧して流路を遮断することで全閉状態になる。ピストン53の上下動に伴って挟圧子65も上下動されることにより、挟圧子65がチューブ14を変形させ、チューブ14の流路の開口面積を変化させることにより、空気式ピンチバルブ51を流れる流体の流量を調整することができる。
【0069】
なお、第二の実施形態の空気式ピンチバルブ51は、第二空間部60のシリンダー部54天井面とピストン53上面の間にばね(図示せず)を挟持支承させても良く、第一空間部59のシリンダー部54底面とピストン53下面の間にばね(図示せず)を挟持支承させても良い。これは作動流体を供給する代わりにバネの弾性による圧力を加えることで、作動流体を供給しなくても常時閉または常時開にできるので好適である。
【0070】
以上の作動により、空気式駆動部は空気での駆動が行われることで、空気式ピンチバルブ51に腐食の恐れがある電装部品を使用しないため、腐食性流体を流した時に腐食性ガスが透過して空気式ピンチバルブ51の部品を腐食させることを防止でき、流体制御装置を流れる流体は設定流量で一定になるように制御される。第二の実施形態の他の作動は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
【実施例3】
【0071】
次に、図6に基づいて本発明の第三の実施形態について説明する。ここでは第一の実施形態の計測器が、他の超音波式流量計の計測器81である場合で説明する。第一の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して示す。
【0072】
82はフッ素系樹脂製の測定管である。測定管82は流体流入口83と流体流出口84とに連通する直線流路85を有している。
【0073】
86はジュラルミン製の伝送体である。伝送体86は略円錐状をなし、測定管82を取り囲むように配置されており、伝送体86の拡径している側の軸線方向端面87が測定管82の軸線方向に対して垂直に形成されている。また、伝送体86の中心には先部貫通口88及び後部貫通口89からなる貫通孔が形成されている。後部貫通口89は先部貫通口88より拡径されて設けられており、先部貫通口88の内周面を測定管82の外周面にエポキシ系樹脂の接着剤によって密着固定したときに、後部貫通口89の内周面は測定管82から離間した状態となる。なお、本実施形態では伝送体86の材料としてジュラルミンを用いているが、超音波伝播性の高い材質であれば良く、アルミニウム、アルミ合金、チタン、ハステロイ、SUS等の金属、またはフッ素樹脂などの合成樹脂、ガラス、石英などが挙げられる。また、伝送体86の形状について、略円錐形としているが、超音波振動の伝播が良い形状であれば他の形状でも良い。また、密着固定する方法として、エポキシ系樹脂の接着剤を用いているが、超音波振動子90からの超音波振動が直接測定管82に伝わらない状態であればグリスや各種接着剤等を用いても良く、伝送体86と測定管82が同質の材料であれば熱溶着で固定しても良く、圧挿させることのみで密着固定しても良い。
【0074】
90はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料を用いた超音波振動子であり、超音波振動子90は、ドーナツ形状すなわち穴あき円板形状を有している。超音波振動子90の一方の軸線方向端面91は伝送体86の軸線方向端面87全体にエポキシ系樹脂によって圧力をかけて接着され、超音波振動子90の他方の軸線方向端面及び外周面には防振材(図示せず)が塗布または接着され、密着固定されている。超音波振動子90の内径は伝送体86の後部貫通口89と略同径であり、その内周面は測定管82の外周面から離間した状態となる。また、軸線方向端面91は電気的にアース端子となる。超音波振動子90が伝送体86に密着固定されることで、上流側の超音波送受信器92を構成する。なお、本実施形態では超音波振動子90は穴あき円板形状を有しているが半円状、扇状としても良い。また、超音波振動子90の内周面は測定管82の外周面から離間されているが、超音波振動を遮断する材料(防振材)を介して測定管82に密着固定されても良い。
【0075】
また、下流側の超音波送受信器93も上流側の超音波送受信器92と同様の構成を有し、二つの超音波送受信器92、93は各々の伝送体86、94を対向させて測定管6の外周に離間配置されている。また、超音波振動子90、95から伸びた配線は制御部4の演算部43に繋がっている。このとき、計測器81を構成する部分がセンサ部となり、計測器81を形成するセンサ部から出力された信号から流量を演算する制御部4の演算部43がアンプ部となる。なお、計測器81のセンサ部とアンプ部は各々別体に設けても良く、一体に設けても良い。
【0076】
電気式ピンチバルブ3と計測器81の接続構造は、電気式ピンチバルブ3の第二連結体96の接続部97が測定管82と同径の管状に設けられており、測定管82の流体流出口84と第二連結体96の接続部97の端面同士をバット融着で接続されている。第三の実施形態の他の構成は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0077】
次に、本発明の第三の実施形態の作動について説明する。
【0078】
流体制御装置に流入した流体は、計測器81に流入し、測定管82の直線流路85で流量が計測される。流体の流れに対して上流側に位置する超音波送受信器92の超音波振動子90に制御部4から電圧が印加されると、超音波振動子90には厚さ方向(電圧を印加する方向)及び径方向(電圧印加方向と垂直な方向)に振動が発生する。超音波送受信器92では超音波振動子90の両軸線方向端面の間に電圧を印加することにより、超音波として振動エネルギの大きい厚さ方向の超音波振動を伝送体86の軸線方向端面91に伝播させている。一方、超音波振動子90の径方向の超音波振動は防振材によって吸収され且つ超音波の残響を除去し、周囲に伝播することはない。
【0079】
伝送体86に伝播した超音波振動はさらに伝送体86内をその先部貫通口88へ向かって伝播する。この先部貫通口88に伝播した超音波振動は、測定管82の中心に向かう方向性が強化された状態で管外周全体から管壁を介して測定管82の流体中へ伝わった後、流体中を管軸と略平行方向に且つ扇状に拡がりながら伝播していくと推測される。そして、超音波振動は下流側に対向して位置する超音波送受信器93の伝送体94の内部を伝って超音波振動子95へ伝播し、電気信号に変換されて制御部4内の演算部43へ出力される。
【0080】
超音波振動が上流側の超音波送受信器92から下流側の超音波送受信器93へ伝わり受信されると、瞬時に変換器内で送受信が切換えられて、下流側に位置する超音波送受信器93の超音波振動子95から上流側に位置する超音波送受信器92の超音波振動子90に向かって同様に超音波振動を伝播させる。超音波振動子90で受信された超音波振動は、電気信号に変換され、制御部4内の演算部43へ出力される。このとき、超音波振動は直線流路85内の流体の流れに逆らって伝播していくので、上流側から下流側へ超音波振動を伝播させるときに比べて流体中での超音波振動の伝播速度が遅れ、伝播時間が長くなる。出力された相互の電気信号は演算部43内で伝播時間が各々計測され、伝播時間差から流量が演算される。演算部43で演算された流量は電気信号に変換されてコントロール部44に出力される。
【0081】
このように、伝送体86内では、その略円錐形状により超音波振動は測定管82内部に向かうための方向性を強化されると共に、超音波伝播性の良い金属を用いていることにより超音波振動の振幅の減衰が抑制できる。また、超音波振動子90自体は測定管82に接しておらず離間されているため、雑音の原因の一つとなる管壁を伝わる超音波振動、その他の外乱を低減でき、高精度な流量計測が可能となる。さらに、超音波振動子90の軸線方向端面91は電気的にアース側としているため、雑音ノイズが低減できる高精度な流量計測が可能になる。
【0082】
以上のことから高精度な流量計測による高精度な流体制御が可能となる。また、第三の実施形態の計測器81は測定管82が直管状であるため、電気式ピンチバルブ3と共に形成される流体制御装置の流路はほぼ直線状となり、流体制御装置の圧力損失がほとんどなく、流体が滞留する箇所がないので特にスラリーを輸送するラインに使用しても流路内のいずれの箇所においてもスラリーが固着しにくいので安定した流量計測と流体制御を維持することができる。また、流路が直線状であり、計測器81を小さく形成でき、計測器81と電気式ピンチバルブ3の接続する部分の省スペース化により、流体制御装置をよりコンパクトに設けることができるため、流体制御装置が設置される装置のさらなる省スペース化を図ることができる。
【0083】
また、本実施形態では計測器81と電気式ピンチバルブ3の接続部分は一体的に接続されるため、接続部分に応力が加わったとしても、第二連結体96で応力を受け止めることができ、計測器81に応力負荷がかかることを防止する。また、流体制御装置をメンテナンスする時には第二連結体96の部分で計測器81と電気式ピンチバルブ3を分解できるので容易にメンテナンス作業を行うことができ、部品交換も各部材ごとに行うことができる。さらに、他の計測を行う計測器と第二連結体96とを接続した構成にしておけば、計測器2を交換するだけであらゆる流体の計測に対応できるので好適である。
【実施例4】
【0084】
次に、図1を参照して第一の実施形態の流体制御配管部材がチューブポンプである場合を説明する。図1の流体制御配管部材がチューブポンプの構成である場合(図示せず)、計測器2で計測された流量は電気信号に変換され、制御部4内の演算部43へ出力され、演算部43内で演算されてコントロール部44に出力され、コントロール部44では任意の設定流量に対して、リアルタイムに計測された流量との偏差から、偏差をゼロにするように信号をチューブポンプの駆動部に出力して、チューブを押圧しながら回転移動するローラーを駆動させる。チューブポンプから流出する流体は、流量が設定流量となるように、つまり設定流量と計測された流量の偏差がゼロに収束されるようにチューブポンプで制御される。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】本体にチューブ、連結体、保持体を組み込む前の分解斜視図である。
【図4】本体にチューブ、連結体、保持体を組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態を示す流体制御装置の縦断面図である。
【図7】従来の純水流量の制御装置を示す概念構成図である。
【図8】従来の流体制御モジュールを示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1 ケーシング
2 計測器
3 流体制御配管部材(電気式ピンチバルブ)
4 制御部
5 流体流入口
10 流体流出口
12 超音波振動子
13 超音波振動子
14 チューブ
15 本体
17 第一嵌合溝
18 第二嵌合溝
20 第一連結体
21 挿入部
22 第一接続部
23 鍔部
24 第二連結体
25 挿入部
26 第二接続部
27 鍔部
28 環状溝
29 Oリング
30 保持体
31 保持体
32 貫通孔
33 貫通孔
34 拡径部
35 拡径部
38 ボンネット
40 モータ部
41 ステム
42 挟圧子
43 演算部
44 コントロール部
45 嵌合部
51 流体制御配管部材(空気式ピンチバルブ)
52 シリンダー本体
53 ピストン
54 シリンダー部
55 凹部
56 シリンダー蓋
59 第一空間部
60 第二空間部
63 連結部
65 挟圧子
67 制御部
68 演算部
69 コントロール部
70 電空変換器
81 計測器
82 測定管
83 流体流入口
84 流体流出口
86 伝送体
90 超音波振動子
91 軸線方向端面
92 超音波送受信器
93 超音波送受信器
94 伝送体
95 超音波振動子
96 第二連結体
97 第二接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を流れる流体の特性を計測し該特性の計測値を電気信号に変換し出力する計測器と、
流路を形成するチューブが本体内に配置され該チューブの開口面積を変化させて流体の流量を制御する流体制御配管部材と、
該計測器からの電気信号に基づいて該流体制御配管部材の開度調整をフィードバック制御する制御部とを具備する流体制御装置において、
該流体制御配管部材が、一端に該チューブに水密された状態で挿着される挿入部と他端に接続部と中央に鍔部を有する第一連結体及び第二連結体と、
中央に貫通孔が形成され該貫通孔の一端には該挿入部に挿着された状態のチューブが嵌着される拡径部が設けられた保持体とを具備し、
該保持体の貫通孔に該チューブを貫通させ、該チューブ両端に該第一連結体及び該第二連結体の挿入部を挿着したものを該保持体の拡径部に嵌着し、
該第二連結体の鍔部と該保持体とが該流体制御配管部材と該計測器との間で圧接された状態で固定され、
該第二連結体の接続部と該計測器の流体流入口または流体流出口が直接接続されてなる、ことを特徴とする流体制御装置。
【請求項2】
前記計測器の流体流入口または流体流出口に嵌合部が設けられ、
前記第二連結体の接続部が該計測器の嵌合部に水密状態で嵌合して直接接続される、ことを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記計測器の流体流入口または流体流出口と前記第二連結体の接続部とが熱溶着、超音波融着または接着により直接接続される、ことを特徴とする請求項1記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記流体制御配管部材がピンチバルブであり、
前記本体に、流路軸線上に前記チューブを受容する直線溝と、該直線溝の少なくとも一端部に該直線溝よりも深く設けられた嵌合溝とを有し、
該チューブを押圧または開放することで該チューブの開口面積を変化させる挟圧子と、
該本体上部に接合固定され該挟圧子を上下動させる駆動部とを具備し、
少なくとも前記第一連結体の鍔部と前記保持体とが圧接された状態で該嵌合溝に嵌合されてなる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記駆動部が、
ボンネットの上部に配置されたモータ部と、該モータ部の駆動により前記挟圧子を上下動させるステムとを具備し、
前記挟圧子が該ステムの下部に設置された、ことを特徴とする請求項4記載の流体制御装置。
【請求項6】
前記駆動部が、
内部にシリンダー部を有し上部にシリンダー蓋が一体的に設けられたシリンダー本体と、
該シリンダー部内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つ該シリンダー本体下面中央に設けられた貫通孔を密封状態で貫通するように中央より垂下して設けられた連結部を有するピストンと、
該シリンダー本体周側面に設けられ、該シリンダー部底面及び内周面と該ピストン下端面とで囲まれて形成された第一空間部と、該シリンダー蓋下端面とシリンダー部内周面とピストン上面とで囲まれた第二空間部と、にそれぞれ連通されるエアー口と、を具備し、
前記挟圧子が該連結部の下端部に固定された、ことを特徴とする請求項4記載の流体制御装置。
【請求項7】
前記計測器が流路を流れる流体の特性を計測するセンサ部と、該計測器で計測された電気信号を受信して流体特性を演算するアンプ部とで形成され、
少なくとも該センサ部と前記流体制御配管部材とが1つのケーシング内に設置されてなる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の流体制御装置。
【請求項8】
前記計測器が流量計、圧力計、温度計、濃度計、流速計のうち少なくともいずれか一つを含むものである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の流体制御装置。
【請求項9】
前記計測器が、
流体流入口に連通する入口流路と、該入口流路から垂設された第一立上り流路と、該第一立上り流路に連通し該入口流路軸線に略平行に設けられた直線流路と、該直線流路から垂設された第二立上り流路と、該第二立上り流路に連通し該入口流路軸線に略平行に設けられ流体流出口に連通する出口流路とが連続して設けられ、該第一、第二立上り流路の側壁の直線流路の軸線と交わる位置に、超音波振動子が互いに対向して配置されたセンサ部と、該超音波振動子がケーブルを介して接続されるアンプ部から構成される、流量計測器であり、
該超音波振動子の送受信を交互に切り替えて超音波振動子間の超音波伝播時間差を計測することにより該直線流路を流れる流体の流量を演算するように構成された超音波流量計である、ことを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項10】
前記計測器が、
流体流入口と流体流出口とに連通する直線流路を有する管と、該管の外周面に軸線方向に離間して取り付けられる二つの超音波送受信器とを備え、各超音波送受信器が、該管を取り囲むように該管の外周面に固定された筒状の伝送体と、該管を取り囲み且つ該管の外周面から間隔を隔てて配置された穴あき円板状の超音波振動子とを備え、
該伝送体が該管の軸線方向に対して垂直方向に延びる軸線方向端面を有し、該超音波振動子の軸線方向端面が該伝送体の軸線方向端面に固着されて設けられたセンサ部と、該超音波振動子がケーブルを介して接続されるアンプ部から構成される、流量計測器であり、
該超音波振動子の軸線方向端面間に電圧を印加して、該超音波振動子を軸線方向に伸縮させることによる送受信を交互に切り替えて超音波振動子間の超音波伝播時間差を計測することにより該直線流路を流れる流体の流量を演算するように構成された超音波流量計である、ことを特徴とする請求項8記載の流体制御装置。
【請求項11】
前記流体制御配管部材がチューブポンプである、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の流体制御装置。
【請求項12】
前記チューブの材質がEPDM、フッ素ゴム、シリコーンゴム、またはこれらの複合体からなる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の流体制御装置。
【請求項13】
前記チューブがポリテトラフルオロエチレンとシリコーンゴムとの複合体からなる、ことを特徴とする請求項1乃至請求項11に記載の流体制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−250685(P2008−250685A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91280(P2007−91280)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000117102)旭有機材工業株式会社 (235)
【Fターム(参考)】