説明

流体封入弁装置

【課題】スタビライザ制御装置等における閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置に関し、小型且つ安価な構造とする
【解決手段】閉じた流体回路FPに対し流体を充填するための流体封入弁装置1において、流体回路に介装し流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁10と、この遮断弁と一体的に配設し、当該遮断弁が連通状態にあるときに当該遮断弁を介して流体回路に流体を充填する充填弁20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置に関し、特に、車両前後の左右の車輪間に支持されるスタビライザバーによって車両のローリング運動を抑制し得るスタビライザ制御装置に好適な流体封入弁装置に係る。
【背景技術】
【0002】
車両のローリング運動を抑制する装置としては、一般的に、車両の左右車輪間にトーションバーが配設されたスタビライザ制御装置が知られており、トーションバーはスタビライザバーと呼ばれている。これによれば左右車輪間のサスペンションストロークに相対的な変位差が発生したときにねじりばねとして作用し、車両のローリング運動を抑制することができ、下記の特許文献1及び2には、一般的なスタビライザ制御装置の構成が開示されている。これらの装置は、流体を所定圧に維持するアキュムレータは備えているが、流体圧力源を備えておらず、閉じた流体回路で構成されているので、この流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の流体封入弁装置が配設されている。
【0003】
例えば、特許文献1の段落〔0025〕に「連通路30には封入栓51及び52が介装されており、これらを介して連通路30内、ひいては圧力室C1a、C1b、C2a及びC2b内に、所定の圧力に加圧した加圧流体として、システム油が封入される。これらの封入栓51及び52は、システム油封入後、油交換時等のほかは閉位置に保持される。」と記載されているように、流体封入弁装置として封入栓が設けられている。また、特許文献2に記載の装置には、一般的に流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁(本願の図5にCVで示し、これについては後述する)が配設されると共に、流体充填用の充填弁(本願の図5にFVで示す)が配設される。尚、充填弁は市販され一般的に使用されているものと同様であるので説明は省略するが、必ずしも、上記流体回路内の流体圧に対抗し得る耐圧設計がなされているものではないので、上記の遮断弁が別途必要とされる。
【0004】
同様に、下記の特許文献3においても、その段落〔0024〕に「給油ポートユニット23を構成するコック23a、カプラ23bを介して、給油機(図示なし)に連結されている。そして、油圧回路20内には、該給油機から油が供給される。」と記載されているように、特許文献3の図2に示すコック23aが上記の遮断弁(カット弁)に相当し、カプラ23bが上記の充填弁に相当する。これらのコック23a及びカプラ23bを具体的な構成で表すと、夫々、本願の図6に示す遮断弁CV及び充填弁FVに対応するものとなり、二部品で構成され、個別に配置されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−137153号公報
【特許文献2】特開2009−274597号公報
【特許文献3】特開2005−67560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1乃至3に記載の装置は何れも、前述のように、流体圧力源を備えていない閉じた流体回路で構成されているので、車両組立時、あるいは市場での部品交換時に、外部の設備(流体供給源)から当該流体回路内に流体が充填されるように構成されている。このため、特許文献1では封入栓が設けられており、特許文献2では省略されているが遮断弁及び充填弁が配設されており、特許文献3においては、流体充填用の充填弁(カプラ23b)に対し装置内の流体圧が直接付与されることがないように、その下流側(シリンダ側)に遮断弁(コック23a)が配設されている。このように充填弁及び遮断弁が夫々独立して設けられているので、大型となっている。特に、流体充填時のみの利用に供される充填弁について、その配置及び構成に配慮せざるを得ず、装置の小型化、低コスト化を困難としている。
【0007】
そこで、本発明は、スタビライザ制御装置等における閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置に関し、小型且つ安価な構造とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を達成するため、本発明は、閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置であって、前記流体回路に介装し前記流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁と、該遮断弁と一体的に配設し、当該遮断弁が連通状態にあるときに当該遮断弁を介して前記流体回路に流体を充填する充填弁を備えることとしたものである。
【0009】
上記の流体封入弁装置において、前記流体回路に連通する供給路を有し、前記遮断弁が、前記供給路を閉塞するように着座可能に配置する弁体を備え、該弁体が離座したときには前記供給路を介して前記流体回路に連通する弁室を有し、該弁室に連通するように前記充填弁を前記遮断弁に接合し、当該弁室を介して前記充填弁から前記供給路に前記流体を充填し得るように構成するとよい。
【0010】
更に、前記流体回路に介装され、前記弁室に連通接続するアキュムレータを備えたものとし、前記弁体が前記供給路から離座したときには前記弁室を介して前記流体回路と前記アキュムレータが連通するように構成するとよい。
【0011】
また、車両前方の車輪に両端を支持すると共に車体に支持する前輪側スタビライザバーと、該前輪側スタビライザバーの左右一方側に一端を支持する第1のピストン、及び該第1のピストンを介して車両上方側の圧力室及び車両下方側の圧力室を形成し前記車体に支持する第1のハウジングを有する前輪側シリンダと、車両後方の車輪に両端を支持すると共に前記車体に支持する後輪側スタビライザバーと、該後輪側スタビライザバーの左右一方側に一端を支持する第2のピストン、及び該第2のピストンを介して車両上方側の圧力室及び車両下方側の圧力室を形成し前記車体に支持する第2のハウジングを有する後輪側シリンダと、前記前輪側シリンダの車両上方側の圧力室と前記後輪側シリンダの車両上方側の圧力室とを連通接続する上方側連通路と、前記前輪側シリンダの車両下方側の圧力室と前記後輪側シリンダの車両下方側の圧力室とを連通接続する下方側連通路と、該下方側連通路と前記上方側連通路との間に介装し連通を断続制御する制御弁装置と、該制御弁装置を介して前記前輪側シリンダ及び前記後輪側シリンダに収容される流体を所定圧に維持するアキュムレータを備えたスタビライザ制御装置内に構成される閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置であって、前記流体回路に介装し前記流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁と、該遮断弁と一体的に配設し、当該遮断弁が連通状態にあるときに当該遮断弁を介して前記流体回路に流体を充填する充填弁を備え前記弁室に連通接続するアキュムレータを備えた流体封入弁装置とするとよい。
【0012】
更に、前記スタビライザ制御装置が、前記流体回路に連通する供給路を備え、前記遮断弁が、前記供給路を閉塞するように着座可能に配置する弁体を備え、該弁体が離座したときには前記供給路を介して前記流体回路に連通する弁室を有し、該弁室に連通するように前記充填弁を前記遮断弁に接合し、当該弁室を介して前記充填弁から前記供給路に前記流体を充填し得るように構成するとよい。
【0013】
更に、前記上方側連通路及び前記下方側連通路を前記供給路に連通接続すると共に、前記アキュムレータを前記弁室に連通接続し、前記弁体が前記供給路から離座したときには前記弁室を介して前記上方側連通路及び前記下方側連通路と前記アキュムレータが連通するように構成するとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の流体封入弁装置においては、閉じた流体回路への流体充填時に必要とされる充填弁が、遮断弁と一体的に配設されているので、小型且つ安価な装置とすることができる。
【0015】
特に、スタビライザ制御装置内に構成される閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置においては、充填弁が遮断弁と一体的に配設されているので、スタビライザ制御装置全体として一層の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る流体封入弁装置を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る流体封入弁装置を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る流体封入弁装置を備えたスタビライザ制御装置を示す断面図である。
【図4】一般的なスタビライザ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】一般的なスタビライザ制御装置の全体構成を示す斜視図である。
【図6】スタビライザ制御装置に供される従来の遮断弁及び充填弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。先ず、一般的なスタビライザ制御装置及びこれに供される従来の遮断弁及び充填弁の構成について、図4、図5及び図6を参照して説明する。図5において、車両の左右前方の車輪FL及びFRに前輪側スタビライザバーFSの両端が支持され、その中間部が左右2箇所の支持部でマウントFM1及びFM2を介して車体(図示せず)に支持される。本実施形態においては、これらの支持部の一つである左側のマウントFM1と車体との間に前輪側シリンダFCが介装されている。同様に、車両の左右後方の車輪RL及びRRに後輪側スタビライザバーRSの両端が支持され、その中間部が左右2箇所の支持部でマウントRM1及びRM2を介して車体(図示せず)に支持される。そして、前輪側シリンダFCと同じ左側のマウントRM1と車体との間に後輪側シリンダRCが介装されている。これら前輪側シリンダFC及び後輪側シリンダRCは制御弁装置(メカニカルコントロールバルブ)MVに連通接続され、制御弁装置MVはアキュムレータACCに連通接続されている。
【0018】
上記の前輪側シリンダFC、後輪側シリンダRC及び制御弁装置MVを含む構成と相互の接続関係を図4に示し、前輪側シリンダFCは、前輪側スタビライザバーFSに(図5のマウントFM1を介して)一端を支持する第1のピストンP1、及び第1のピストンP1を介して車両上方側の圧力室U1及び車両下方側の圧力室L1を形成し車体(図示せず)に支持する第1のハウジングH1を有する。同様に、後輪側シリンダRCは、後輪側スタビライザバーRSに(図5のマウントRM1を介して)一端を支持する第2のピストンP2、及び第2のピストンP2を介して車両上方側の圧力室U2及び車両下方側の圧力室L2を形成し車体(図示せず)に支持する第2のハウジングH2を有する。そして、車両上方側の圧力室U1と圧力室U2が上方側連通路UPによって連通接続されると共に、車両下方側の圧力室L1と圧力室L2が下方側連通路LPによって連通接続され、閉じた流体回路が構成されている。
【0019】
上方側連通路UPと下方側連通路LPとの間にはリリーフ弁RVが介装されており、常時は両者間が遮断状態とされているが、上方側連通路UP及び下方側連通路LP側の圧力がアキュムレータACC(連通路AB)側の圧力より所定圧以上大となったときには、連通状態とされるように構成されている。また、制御弁装置MVは、上方側連通路UPと下方側連通路LPとの間の連通を断続制御するものであるが、これについては後述する。
【0020】
更に、図4に示すように、リリーフ弁RV及び制御弁装置MVをバイパスして上方側連通路UP及び下方側連通路LPとアキュムレータACCの連通路ABとを連通接続するバイパス流路BU及びBLが設けられており、これらのバイパス流路BU及びBLは、図3に示す制御弁装置MV及びリリーフ弁RVの環状流路BM及びBRを含む。そして、バイパス流路BU及びBLの夫々に、遮断弁(カットバルブ)CVが介装されている。この遮断弁CVは、常時は遮断状態とされており、外部流体供給源(図示せず)による流体充填時、例えば上方側連通路UP及び下方側連通路LP側からバイパス流路BU又はBL及び連通路ABを介してアキュムレータACCに流体が充填されるときには連通状態とされる。尚、ブリーダBDは上記の流体充填時に流体回路内の空気を排出するものであり、圧力センサPは流体回路内の圧力を検出するものである。
【0021】
そして、図5に示すように、上方側連通路UP及び下方側連通路LPの各々には、例えば図6に示す構造の遮断弁CV及び充填弁FVが配設されている。これらは、夫々、前掲の特許文献3に示すコック23a及びカプラ23bに相当するもので、充填弁FVに対し装置内の流体圧が直接付与されることがないように、その下流側(上記の流体回路側)に遮断弁CVが配設されている。
【0022】
一般的に、上記のような閉じた流体回路に対し流体を充填するためには、例えば図6に示す充填弁FV及び遮断弁CVが必要となるが、本発明の一実施形態においては、図1に示すように、小型で軽量な流体封入弁装置1が構成されている。即ち、閉じた流体回路FP(例えば図4及び図5に示す上方側連通路UP又は下方側連通路LP)に、図1に示すハウジング2が介装され、このハウジング2に遮断弁10が螺着されており、この遮断弁10が連通状態にあるときに遮断弁10を介して流体回路FPに流体を充填するための充填弁20が一体的に配設されて、流体封入弁装置1が構成されている。
【0023】
ハウジング2には、流体回路FPに連通する供給路2aが設けられており、この供給路2aを閉塞するように遮断弁10の弁体11が着座可能に配置され、弁体11が離座したときには供給路2aを介して流体回路FPに連通する弁室12が形成されている。弁体11には横孔11a及び縦孔11bが形成されており、これらの横孔11a及び縦孔11bを介して弁室12に連通するように、充填弁20が接合されている。而して、外部流体供給源(図示せず)から充填弁20に流体が供給されると、遮断弁10の横孔11a及び縦孔11b、弁室12並びに供給路2aを介して流体回路FP内に流体が充填される。尚、図1は遮断弁10が開位置の連通状態を示しているが、(流体充填時を除く)常時は弁体11が供給路2aに着座し、常閉の遮断弁10が構成され、供給路2aは閉塞状態とされている。
【0024】
図2は本発明の他の実施形態に係る流体封入弁装置を示すもので、図3(及び図4)に示すスタビライザ制御装置に供することができる。図2の実施形態においては、上方側連通路UP又は下方側連通路LP(バイパス流路BU又はBL)に連通接続される供給路2aのほかに、アキュムレータACC(連通路AB)に連通接続される供給路2bが形成されているが、遮断弁10及び充填弁20は図1に示す構造と実質的に同一であるので、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図2に示す遮断弁10は図1と同様、開位置の連通状態にあり、外部流体供給源(図示せず)から充填弁20に流体が供給されると、遮断弁10の横孔11a及び縦孔11b、弁室12並びに供給路2a及び2bを介して、上方側連通路UP及び下方側連通路LP並びにアキュムレータACCに流体が充填される。
【0025】
そして、充填後は、図3に示すように、弁体11が供給路2aに着座して供給路2aが閉塞状態とされ、供給路2bとの連通が遮断される。尚、供給路2bは常時、弁室12、横孔11a及び縦孔11bと連通しているが、これらは充填弁20によって閉塞状態とされている。この結果、充填弁20には供給路2b内の流体圧が付与されることになるが、これはアキュムレータACC側の圧力であり、充填弁20の耐圧未満である。もっとも、供給路2aの閉塞時に、弁体11の側壁面によって供給路2bとの連通を遮断するように構成してもよい。
【0026】
次に、図3(及び図4)に示すスタビライザ制御装置の作動を説明すると、制御弁装置MVは、上方側連通路UPと下方側連通路LPとの間の連通を断続制御するもので、図4に示す中立位置にあるときには、制御弁装置MVを介して上方側連通路UP(圧力室U1及び圧力室U2)、下方側連通路LP(圧力室L1及び圧力室L2)及びアキュムレータACCが連通しており、所定の圧力に加圧された流体が充填されている。即ち、図4は車両上方側の圧力室U1及び圧力室U2内の圧力(Puとする)、車両下方側の圧力室L1及び圧力室L2内の圧力(Plとする)、及びアキュムレータACC内の圧力(Paとする)が等しいときの状態(Pu=Pa=Pl)である。
【0027】
この状態から、車両上方側の圧力室U1及び圧力室U2内の圧力が高圧側となり、Pu>Pa>Plの関係となると、上方側連通路UP(圧力室U1及び圧力室U2)、下方側連通路LP(圧力室L1及び圧力室L2)及びアキュムレータACCの相互の連通が遮断される。逆に、車両下方側の圧力室L1及び圧力室L2内の圧力が高圧側となってPu<Pa<Plの関係となると、制御弁装置MVによって上方側連通路UP(圧力室U1及び圧力室U2)、下方側連通路LP(圧力室L1及び圧力室L2)及びアキュムレータACCの相互の連通が遮断される。このように、第1の圧力室C1内の圧力と第2の圧力室C2内の圧力が異なるときには制御弁装置MVによって上方側連通路UP、下方側連通路LP及びアキュムレータACCの相互の連通が遮断される。而して、車両が旋回するときには、第1の圧力室C1内の圧力と第2の圧力室C2内の圧力が異なる状態となり、制御弁装置MVによって上方側連通路UP、下方側連通路LP及びアキュムレータACCの相互の連通が遮断され、上方側連通路UP及び下方側連通路LP内の流体移動が生じないので、前輪側スタビライザバーFSと後輪側スタビライザバーRSは夫々所期のスタビライザ機能を発揮し、車体のローリング運動を抑制することができる。
【0028】
これに対し、車両(図示せず)が直進走行状態にあって、路面に対し実質的に平行に上下動する場合には、上方側連通路UP、下方側連通路LP及びアキュムレータACCが制御弁装置MVを介して連通し、流体が自由に移動し得る状態となり、流体の熱膨張及び熱収縮はアキュムレータACCで適切に吸収される。このとき、前輪側スタビライザバーFS及び後輪側スタビライザバーRSは前輪側シリンダFC及び後輪側シリンダRCに拘束されることなく、スタビライザ機能を発揮しない。また、悪路走行時に車両の前後で前輪側シリンダFC及び後輪側シリンダRCのピストンP1及びP2の上下移動が異なるときには、上方側連通路UP及び下方側連通路LP内を流体が移動するので前輪側スタビライザバーFS及び後輪側スタビライザバーRSはスタビライザ機能を発揮することなく、各車輪に対し大きなストロークが確保される。
【符号の説明】
【0029】
1 流体封入弁装置
2 ハウジング
2a,2b 供給路
10 遮断弁
20 充填弁
FS 前輪側スタビライザバー
RS 後輪側スタビライザバー
FC 前輪側シリンダ
RC 後輪側シリンダ
H1,H2 ハウジング
FP 流体回路
UP 上方側連通路
LP 下方側連通路
ACC アキュムレータ
C1 第1の圧力室
C2 第2の圧力室
MV 制御弁装置
RV リリーフ弁
CV 遮断弁
FV 充填弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置であって、前記流体回路に介装し前記流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁と、該遮断弁と一体的に配設し、当該遮断弁が連通状態にあるときに当該遮断弁を介して前記流体回路に流体を充填する充填弁を備えたことを特徴とする流体封入弁装置。
【請求項2】
前記流体回路に連通する供給路を有し、前記遮断弁が、前記供給路を閉塞するように着座可能に配置する弁体を備え、該弁体が離座したときには前記供給路を介して前記流体回路に連通する弁室を有し、該弁室に連通するように前記充填弁を前記遮断弁に接合し、当該弁室を介して前記充填弁から前記供給路に前記流体を充填し得るように構成したことを特徴とする請求項1記載の流体封入弁装置。
【請求項3】
前記流体回路に介装され、前記弁室に連通接続するアキュムレータを備え、前記弁体が前記供給路から離座したときには前記弁室を介して前記流体回路と前記アキュムレータが連通するように構成したことを特徴とする請求項2記載の流体封入弁装置。
【請求項4】
車両前方の車輪に両端を支持すると共に車体に支持する前輪側スタビライザバーと、該前輪側スタビライザバーの左右一方側に一端を支持する第1のピストン、及び該第1のピストンを介して車両上方側の圧力室及び車両下方側の圧力室を形成し前記車体に支持する第1のハウジングを有する前輪側シリンダと、車両後方の車輪に両端を支持すると共に前記車体に支持する後輪側スタビライザバーと、該後輪側スタビライザバーの左右一方側に一端を支持する第2のピストン、及び該第2のピストンを介して車両上方側の圧力室及び車両下方側の圧力室を形成し前記車体に支持する第2のハウジングを有する後輪側シリンダと、前記前輪側シリンダの車両上方側の圧力室と前記後輪側シリンダの車両上方側の圧力室とを連通接続する上方側連通路と、前記前輪側シリンダの車両下方側の圧力室と前記後輪側シリンダの車両下方側の圧力室とを連通接続する下方側連通路と、該下方側連通路と前記上方側連通路との間に介装し連通を断続制御する制御弁装置と、該制御弁装置を介して前記前輪側シリンダ及び前記後輪側シリンダに収容される流体を所定圧に維持するアキュムレータを備えたスタビライザ制御装置内に構成される閉じた流体回路に対し流体を充填するための流体封入弁装置であって、前記流体回路に介装し前記流体回路への流体充填時に連通状態とする常閉の遮断弁と、該遮断弁と一体的に配設し、当該遮断弁が連通状態にあるときに当該遮断弁を介して前記流体回路に流体を充填する充填弁を備えたことを特徴とする流体封入弁装置。
【請求項5】
前記スタビライザ制御装置が、前記流体回路に連通する供給路を備え、前記遮断弁が、前記供給路を閉塞するように着座可能に配置する弁体を備え、該弁体が離座したときには前記供給路を介して前記流体回路に連通する弁室を有し、該弁室に連通するように前記充填弁を前記遮断弁に接合し、当該弁室を介して前記充填弁から前記供給路に前記流体を充填し得るように構成したことを特徴とする請求項4記載の流体封入弁装置。
【請求項6】
前記上方側連通路及び前記下方側連通路を前記供給路に連通接続すると共に、前記アキュムレータを前記弁室に連通接続し、前記弁体が前記供給路から離座したときには前記弁室を介して前記上方側連通路及び前記下方側連通路と前記アキュムレータが連通するように構成したことを特徴とする請求項5記載の流体封入弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−189154(P2012−189154A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53737(P2011−53737)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】