説明

流量制御弁

【課題】 アクチュエータに対する供給流量の特性を安定させた流量制御弁を提供することを目的にする。
【解決手段】 スプール孔4にほぼ直交する方向に形成するとともにこのスプール孔4をまたいで形成した戻りポート12と、上記スプール孔4に摺動自在に組み込んだスプール6と、アクチュエータポート3側に設け、スプール6の移動に応じて開度を可変にしたメインオリフィス9とを備え、上記戻りポート12は、戻り側に直接連通するメインポート部12aと、スプール孔4に形成される凹溝部12bとを備え、スプール6が移動して戻りポート12を開口したとき、スプール6のランド11が戻りポート12を開く構成にした流量制御弁において、上記凹溝部12bの底bをスプール6の軸線に対してほぼ平行にした点に特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スプールの移動に応じてアクチュエータへの供給流量を制御する流量制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の流量制御弁として特許文献1に記載されたものが従来から知られているが、この従来の流量制御弁は、ベーンポンプから吐出された流量を制御するもので、そのスプールを組み込んだ部分を拡大して示したのが図6である。
上記従来の流量制御弁は、ボディ1に図示していないポンプに連通したポンプポート2を設けるとともに、このポンプポート2を同じく図示していないアクチュエータに連通するアクチュエータポート3を設けている。
【0003】
さらに、上記ボディ1にはスプール孔4を形成し、このスプール孔4には、ポンプの吐出圧に応じてセットスプリング5のバネ力に抗して移動するスプール6を摺動自在に組み込んでいる。このスプール6には、アクチュエータポート3側に突出する制御突部7を設け、この制御突部7とアクチュエータポート3に設けた小穴8とが相まってメインオリフィス9を構成するようにしている。そして、このメインオリフィス9は、スプール6の移動に応じてその開度を可変にするものである。
上記のようにしたスプール6には、流体力を軽減するための環状溝10を形成するとともに、この流体力軽減用の環状溝10に対して、ポンプポート2側に隣接させたランド11を設けている。
【0004】
また、上記ボディ1には、スプール孔4の軸線に直交してこのスプール孔4をまたぐ戻りポート12を形成している。そして、この戻りポート12は、戻り側に直接連通するメインポート部12aと、スプール孔4をまたいだ側の先端に形成される凹溝部12bとを備えるとともに、上記凹溝部12bにおける底bの部分の形状を山形にしている。このように底bの部分を山形にしているのは、戻りポート12を形成するときに使用するドリルの先端形状をそのまま残しているからである。そして、上記凹溝部12bと上記ランド11とは、スプール孔4の軸線方向における凹溝部12bの幅L1を、ランド11の幅L2よりも大きくしている。
【0005】
そして、ポンプの回転数Nとポンプ吐出量Qとの関係を示したのが、図7である。この図7からも明らかなように、ポンプの回転数Nが上昇してポンプの吐出量Qが上がれば、その分、メインオリフィス9の圧力損失が大きくなるので、スプール6に作用する圧力も大きくなる。したがって、スプール6はセットスプリング5に抗して移動して、戻りポート12を開き、余剰流量を戻りポート12側に戻す。したがって、図7に示すように、メインオリフィス9を通過する供給流量は、ポンプの回転数Nに応じてあらかじめ設定された値になるように調整される。ここでは一例として、ポンプの回転数Nに関わりなく常に一定になるものを示している。
【0006】
上記のようにした流量制御弁において、スプール6に環状溝10を設けるとともに、ボディ1にメインポート部12a以外に流体力軽減用の凹溝部12bを設け、しかも、凹溝部12bの幅L1とランド11の幅L2とをL1>L2としたのは次の理由からである。
【0007】
第1の理由は、スプール6の円周方向の圧力バランスをよくするためである。流体が戻る戻りポートといえども、そこにはポンプ吐出圧あるいはそれに近い圧力が作用することになる。このときに、環状溝10や凹溝部12bがないと、図6に示す流れf1しか発生せず、メインポート部12a側におけるスプール6の特定面にしか圧力が作用しないことになる。このような状況では、スプール6から見るとその円周方向に偏荷重が作用したと同じことになり、それだけスプール6のバランスが悪くなる。しかし、上記のように環状溝10や凹溝部12bを設けておけば、流れf1以外に凹溝部12b側の流れf2が発生するので、スプール6の外周全体に上記圧力が作用することになり、スプール6の円周方向におけるバランスが良くなる。
【0008】
第2の理由は、スプール6に作用するフリクションを低減するためである。すなわち、上記第1の理由で説明したとおり、スプール6に偏荷重が作用することによって、その分、スプール6とスプール孔4との間にフリクションが発生する。このようにフリクションが発生すると、スプール6の軸方向の動きが悪くなる。スプール6の軸方向の動きが悪くなると、スプール6が図面右方向すなわち戻り方向に移動するときのセットスプリング5のバネ力も大きくしなければならない。
【0009】
ところが、上記セットスプリング5のバネ力を大きくすると、今度は、ポンプ内圧が高く維持されることになり、それだけエネルギーロスが大きくなってしまう。そのために、実際はセットスプリング5のバネ力をそれほど大きくできないという制約がある。
このような問題を解消するために、前記した環状溝10と凹溝部12bを設けるとともに、この凹溝部12bの幅L1とランド11の幅L2とをL1>L2としている。
【0010】
上記のように構成することによって、スプール6が矢印13方向に移動して戻りポート12が開くと、前記したようにポンプポート2からメインポート部12aに流れる流れf1と、凹溝部12bおよび環状溝10からメインポート部12aに流れる流れf2との2つの流れが生じる。しかも、上記流れf2は、メインポート部12aに対しては、もう一方の流れf1とは反対方向に流出することになる。したがって、これら両流れf1,f2によって発生する流体力の作用方向も反対になり、両者は相殺され、全体的にバランスした状態を保つことができるようになる。
上記の理由から、従来の流量制御弁では、ボディ1側に凹溝部12bを形成し、スプール6側に環状溝10を形成するとともに、上記のように幅をL1>L2としたものである。
【特許文献1】特開平8−074749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のようにした従来の流量制御弁では、その凹溝部12bの底bの部分を山形にしているために、次のような問題が発生していた。
例えば、図6に示すように、ランド11とメインポート部12aとのすき間をオリフィスS1とし、ランド11と凹溝部12bとの対向間隔で決まるすき間をオリフィスS2とすると、オリフィスS1がスプール6の移動量に応じて可変になることは一見して明らかであるが、オリフィスS2も同じく可変になる。なぜなら、スプール6の移動位置に応じて、ランド11と山形にした上記底bとの対向間隔が変化するからである。
【0012】
そして、スプール6の移動量と各オリフィスの開度との関係を示したのが図8〜図10である。すなわち、メインオリフィス9は、スプール6がセットスプリング5に抗して移動すればするほど、その開度を小さくしていくが、オリフィスS1は反対にその開度を大きくしていく。ところがオリフィスS2は、図10に示すように、ある移動量までは、言い換えると、ランド11の中央が底bの頂に達するまでは、急激にその開度を大きくしていく。しかし、ランド11の中央が底bの頂を通過すると、今度は急激にその開度を小さくしていく。
【0013】
また、上記オリフィスS1,S2の開度を合計した開度特性を示したのが図11である。この図11からも明らかなように、スプール6の移動位置に応じては、両者の合計開度がほとんど変化しないところが発生する。それは、図9に示したオリフィスS1の開度特性と、図10に示したオリフィスS2の開度特性が起因している。つまり、図10に示すように、スプール6の移動の途中まで、すなわち、ランド11の中央が底bの頂に達するまで、オリフィスS2はオリフィスS1と同じようにその開度を拡大していく。しかし、ランド11の中央が底bの頂を通過すると、今度は、オリフィスS2は、急激に開度を小さくする。したがって、オリフィスS1の開度の拡大と、オリフィスS2の開度の縮小とが相殺されて上記のような合計開度がほとんど変化しない領域が発生する。
【0014】
上記のようにオリフィスS1とS2との合計開度が変化しない領域が発生すると、当然のこととして図7に示す流量特性にも影響を及ぼすことになる。そのために、従来の流量制御弁では、アクチュエータに対する供給流量が安定しないという問題があった。
この発明の目的は、アクチュエータに対する供給流量の特性を安定させた流量制御弁を提供することを目的にする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、ボディに形成したスプール孔と、ボディに形成するとともにポンプに連通させたポンプポートと、このポンプポートに連通させたアクチュエータポートと、上記スプール孔にほぼ直交する方向に形成するとともにこのスプール孔をまたいで形成した戻りポートと、上記スプール孔に摺動自在に組み込むとともにポンプの吐出圧に応じてセットスプリングのバネ力に抗して移動するスプールと、上記アクチュエータポート側に設けるとともにスプールの移動に応じて開度を可変にしたメインオリフィスとを備えている。また、上記戻りポートは、戻り側に直接連通するメインポート部と、スプール孔をまたいだ側の先端に形成される凹溝部とを備えている。さらに、上記スプールは、流体力軽減用の環状溝と、この流体力軽減用の環状溝に対してポンプポート側に隣接させるとともに軸方向の幅L2を凹溝部の幅L1および戻りポートの軸方向幅L3よりも小さくしたランドと、スプールがバネ力に抗して移動したときの移動方向後方側における戻りポートの縁と上記ランドとの間に形成されランドの上記移動方向の移動量に応じて開度を大きくする第1可変オリフィスS1と、スプールの上記移動方向後方側における凹溝部端面とランドとの間に形成される第2可変オリフィスS2と、スプールの上記移動方向前方側における凹溝部端面と上記ランドとの間に形成される第3可変オリフィスS3とを備えている。
【0016】
上記のようにした流量制御弁において、この発明は、上記凹溝部の底をランドの周面に対して平行にしてランドと凹溝部の底との間に形成されるすき間を固定オリフィスS4とし、かつ、第1可変オリフィスS1と固定オリフィスS4は、戻りポートの中心(L3/2)とランドの中心(L2/2)が一致する位置までスプールが移動したとき、S1/S4≧2となる関係を保つ構成にしている。
構成にしている。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、凹溝部の底をスプールの軸線にほぼ平行にしたので、この凹溝部で構成されるオリフィスを、固定オリフィス化することができる。凹溝部で構成されるオリフィスが固定オリフィス化されているので、例えば、従来のように、凹溝部側で構成されるオリフィスが、スプールの移動位置に応じてその開度を急激に小さくすることがない。したがって、戻り側で構成されるオリフィスの合計開度は、スプールの移動に応じて比例的に変化し、アクチュエータに対する供給流量を安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に示したこの発明の実施形態は、ボディ1に形成した凹溝部12bの形状を、図6に示した従来の凹溝部12bの形状と相違させたもので、その他の構成は、従来と同一である。したがって、以下の実施形態の説明において、従来と同一の構成要素に関しては、同一符号を用いて説明する。
【0019】
図1に示すように、凹溝部12bの底bを、従来の山形と異なりフラットにしている。つまり、底bをスプール6の軸線に沿って平行にしている。このように底bを平行にすることによって、スプール6のほとんどの移動位置において、ランド11との対向間隔が一定になるようにしているが、この底bとランド11との対向間隔を固定オリフィスS4としている。また、凹溝部12bの幅をL1とし、ランド11の軸方向の幅をL2とし、メインポート部12aの幅をL3としたとき、(L1=L3)>L2の関係が保たれるようにしている。
【0020】
さらに、スプール6がバネ力に抗して移動したときのランド11の移動方向後方側における戻りポート12の縁と、ランド11との間を第1可変オリフィスS1としている。この第1可変オリフィスS1は、スプール6がセットスプリング5に抗して移動したとき、その移動量に応じて開度を大きくする。また、上記スプール6がセットスプリング5に抗して移動したときの移動方向後方側における凹溝部12bの端面と、上記ランド11との間を第2可変オリフィスS2としている。そして、スプールの上記移動方向前方側における凹溝部12b端面と、上記ランド11との間を第3可変オリフィスS3としている。
【0021】
そして、各オリフィスの開度特性とそのタイミングは次のように設定している。先ず、メインオリフィス9は、図2に示すように、スプール6がセットスプリング5に抗して移動すればするほど、その開度を小さくするものである。反対に第1可変オリフィスS1は、図3に示すように、スプール6がセットスプリング5に抗して移動すればするほど、その開度が大きくなる。
【0022】
一方、第2可変オリフィスS2、固定オリフィスS4および第3可変オリフィスS3が機能するタイミングと、その開度特性とは、図4に示すとおりである。この図4からも明らかなように、スプール6が移動すると、先ず第2可変オリフィスS2が開き始めて、オリフィスとして機能する。そして、スプール6が移動量T2だけ移動すると、第2可変オリフィスS2の開度は、固定オリフィスS4と等しくなるので、以後、スプール6が移動しても第2可変オリフィスS2はオリフィスとしては機能せず、所定の移動量の範囲では固定オリフィスS4だけがオリフィスとして機能する。
【0023】
スプール6がさらに移動量T4だけ移動すると、今度は、第3可変オリフィスS3が閉じ始めるので、固定オリフィスS4はオリフィスとしては機能せず、閉じ始めた第3可変オリフィスS3のみがオリフィスとして機能する。このように第3可変オリフィスS3が、固定オリフィスS4の開度と等しくなってから、完全に閉じるまでの移動量をT3とする。ここで、凹溝部12b側において、第2,3可変オリフィスS2,S3の影響を極力小さくすることが、流量特性を安定させることにつながるが、これら第2,3可変オリフィスS2,S3は、その開度をスプール6の移動量に依存しているので、開き始めから徐々に開度を大きくしたり、閉じ始めてから徐々に開度を小さくしたりせざるを得ない。そのために、第2,3可変オリフィスS2,S3の影響を全く無くすことはできない。
【0024】
ただし、固定オリフィスS4の開度を極力小さくすれば、図4の横軸成分や第2,第3可変オリフィスS2,S3の傾きを保持したまま縦軸成分だけを小さくできることから、その分、固定オリフィスS4が機能する長さが増えることなり、結果的に第2,3可変オリフィスS2,S3の影響も小さくすることができる。そこで、この実施形態においては、戻りポートの中心(L3/2)とスプールのランドの中心(L2/2)が一致する位置までスプールが移動したとき、第1可変オリフィスS1と固定オリフィスS4とが、S1/S4≧2となる関係を保つ構成にしている。このように第1可変オリフィスS1に対して固定オリフィスS4の開口面積を小さくすれば、第2,3可変オリフィスS2,S3の影響を小さくできる。なお、固定オリフィスS4の開度を小さくしても、環状溝10があるので、全体の圧力バランスは十分に保たれる。
【0025】
また、この実施形態では、第1可変オリフィスS1と第2可変オリフィスS2との開きはじめのタイミングを同じにしているので、図4に示すように、第1可変オリフィスS1の特性線は、第2可変オリフィスS2の開口特性線およびその延長線と重なり合う。さらに、図4からも明らかなように、第2可変オリフィスS2が開くときの傾斜角と第3可変オリフィスS3が閉じるときの傾斜角とを等しくしている。したがって、上記のようにS1/S4≧2となる関係を保って、固定オリフィスS4の開口を小さくすればするほど、上記第2,3可変オリフィスS2,S3の開口面積を小さくすることができる。これにより、面積によって決まるメインオリフィスS1を流れるf1と第2可変オリフィスS2および第3可変オリフィスおよび固定オリフィスS4を流れるf2との関係もf1/f2≧2になる。しかし、従来は、同じ位置までスプールが移動したとき、S1=S2であり、f1=f2となっていた。そこで、この実施形態のように、f1/f2≧2にすることにより、f2を少なくとも約17%低減でき、f2の増減の影響を少なくすることができる。上記のように少なくとも約17%の低減ができれば、十分にアクチュエータへの供給油量を安定させることができる。
【0026】
言い換えると、スプール6が移動して第2可変オリフィスS2が開き始めてから固定オリフィスS4の開口面積と等しくなるまでのストローク量をT2とし、同じくスプールが上記の移動方向に移動して第3可変オリフィスS3の開口面積が固定オリフィスS4の開口面積と等しくなってから全閉するまでのストローク量をT3とし、固定オリフィスS4が開口しているストローク量をT4としたとき、(T2+T3)<<T4となり、かつ、上記第1可変オリフィスS1と固定オリフィスS4とは、その開口面積がS1>>S4となる関係を保つことと実質的に同じになり、通過する流量もf1>>f2となる関係をたもつこととなる。
【0027】
そして、スプール6の移動量に対して、各オリフィスの合計開度の関係を示したのが、図5である。この図5からも明らかなように、スプール移動量Ta1までは、第1可変オリフィスS1と第2可変オリフィスS2とが同時に開き始めるので、その開度特性の傾斜が急傾斜になっている。そして、移動量Ta1〜Ta2までは、固定オリフィスS4の一定開度と第1可変オリフィスS1の増量分との合計が開度特性となる。したがって、この移動量Ta1〜Ta2の範囲では、その開度特性の傾斜が上記移動量Ta1までの傾斜よりも緩やかになる。さらに、移動量Ta2〜Ta3の間は、第3可変オリフィスS3が閉じ始めるので、第1可変オリフィスS1の増量分が減殺されて、その開度特性はほぼ一定(第1,第3可変オリフィスS1,S3の開度特性が同じであれば水平)になる。そして、移動量Ta3以降は、第1可変オリフィスS1の増量分だけとなる。
【0028】
いずれにしても、この実施形態では、戻り側で構成されるオリフィスの合計開度が、スプール6の移動に応じて比例的に変化し、アクチュエータに対する供給流量を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の実施形態を示す構造図である。
【図2】メインオリフィスの開度特性を示したグラフである。
【図3】メインポート部側に構成される第1可変オリフィスS1の開度特性を示したグラフである。
【図4】凹溝部側に構成される第2可変オリフィスS2、固定オリフィスS4および第3可変オリフィスS3の合計開度の特性を示したグラフである。
【図5】第1可変オリフィスS1、第2可変オリフィスS2、固定オリフィスS4および第3可変オリフィスS3の合計の開度特性を示したグラフである。
【図6】従来の流量制御弁を示す構造図である。
【図7】ポンプの回転数Nとポンプの吐出量Qとの関係を示すグラフである。
【図8】従来のメインオリフィスの開度特性を示したグラフである。
【図9】従来のメインポート部側に構成されるオリフィスS1の開度特性を示したグラフである。
【図10】従来の凹溝部側に構成されるオリフィスS2の開度特性を示したグラフである。
【図11】従来の上記オリフィスS1,S2の合計開度特性を示したグラフである。
【符号の説明】
【0030】
1 ボディ
2 ポンプポート
3 アクチュエータポート
4 スプール孔
5 セットスプリング
6 スプール
9 メインスプリング
10 環状溝
11 ランド
12 戻りポート
12a メインポート部
12b 凹溝部
b 底
S1 第1可変オリフィス
S2 第2可変オリフィス
S3 第3可変オリフィス
S4 固定オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディに形成したスプール孔と、ボディに形成するとともにポンプに連通させたポンプポートと、このポンプポートに連通させたアクチュエータポートと、上記スプール孔にほぼ直交する方向に形成するとともにこのスプール孔をまたいで形成した戻りポートと、上記スプール孔に摺動自在に組み込むとともにポンプの吐出圧に応じてセットスプリングのバネ力に抗して移動するスプールと、上記アクチュエータポート側に設けるとともにスプールの移動に応じて開度を可変にしたメインオリフィスとを備え、上記戻りポートは、戻り側に直接連通するメインポート部と、スプール孔をまたいだ側の先端に形成される凹溝部とを備え、上記スプールは、流体力軽減用の環状溝と、この流体力軽減用の環状溝に対してポンプポート側に隣接させるとともに軸方向の幅L2を凹溝部の幅L1および戻りポートの軸方向幅L3よりも小さくしたランドと、スプールがバネ力に抗して移動したときの移動方向後方側における戻りポートの縁と上記ランドとの間に形成されランドの上記移動方向の移動量に応じて開度を大きくする第1可変オリフィスS1と、スプールの上記移動方向後方側における凹溝部端面とランドとの間に形成される第2可変オリフィスS2と、スプールの上記移動方向前方側における凹溝部端面と上記ランドとの間に形成される第3可変オリフィスS3とを備え、上記凹溝部の底をランドの周面に対して平行にしてランドと凹溝部の底との間に形成されるすき間を固定オリフィスS4とし、かつ、第1可変オリフィスS1と固定オリフィスS4は、戻りポートの中心(L3/2)とランドの中心(L2/2)が一致する位置までスプールが移動したとき、S1/S4≧2となる関係を保つ構成にした流量制御弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−155553(P2006−155553A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−85643(P2005−85643)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】